JP2012051489A - 車両用前照灯およびその制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の照射領域の減少を抑制しつつ、前走車などへのグレアの付与を適切に回避する。
【解決手段】車両用前照灯において、シェードは、リフレクタからの光の一部を遮ることにより、ハイビーム用配光パターンPHの一部に遮光範囲Sを形成する。移動機構は、ハイビーム用配光パターンPH上において鉛直下方にシェード投影像PSが移動するようシェードを移動させる。シェードは、移動機構によって移動されることにより、遮光範囲Sを水平方向に徐々に拡大させるよう設けられている。シェードは、ハイビーム用配光パターンPHへの遮光範囲Sの形成を解除した非遮光位置から、移動機構によって移動されることにより、所定方向に略同一幅で延びる遮光範囲Sをまず形成し、移動機構によってさらに移動されることにより、遮光範囲Sを水平方向に拡大させるよう設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用前照灯およびその制御装置に関し、特に、車両用前照灯によって形成すべき配光を適切に制御するための車両用前照灯およびその制御装置に関する。
車両用前照灯は、前走車などに与えるグレアを抑制すべく水平線周辺より下方に主に光を照射するロービームと、車両前方をより明るく照らし出すべく少なくとも水平線より上方に光を照射するハイビームとの双方を照射可能に通常設けられている。このハイビームは、前走車などが存在するときに照射するとその前走車などにグレアを与える可能性がある。このため、進出位置と退避位置との間でシェードを移動させることにより配光を変化させて、前走車などに与えるグレアを抑制つつロービーム照射時よりも車両前方を明るく照らし出すことが可能な車両用前照灯が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−146984号公報
上述の特許文献に記載される技術では、シェードを上下に移動させることにより、シェードによって遮光される遮光範囲の下端を上下させている。しかしながら、例えば直線的な道路を走行しているときでも、車両前方から向かってくる対向車は、自車両から見て横方向に位置を移動するように近づいてくる。このような対向車に与えるグレアを抑制すべく、対向車が存在しうるすべての領域において遮光範囲の下端を下方に位置させると、その領域において車両前方を明るく照らし出すことは困難となる。
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、光の照射領域の減少を抑制しつつ、前走車などへのグレアの付与を適切に回避することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用前照灯は、ハイビーム用配光パターンの形成に用いられる光源からの光の一部を遮ることにより、ハイビーム用配光パターンの一部に遮光範囲を形成するシェードと、ハイビーム用配光パターン上において水平方向に対し角度を持つ所定方向にシェードの投影像が移動するようシェードを移動させる移動機構と、を備える。シェードは、移動機構によって移動されることにより、遮光範囲を水平方向に拡大させるよう設けられている。
この態様によれば、例えば横方向に移動する対象物や、近づくことにより間隔が広がる複数の対象物などにあわせて遮光範囲を水平方向に拡大させることが可能となる。このため、このような対象物に与えるグレアを抑制しつつ、対象物が存在する部分以外の領域を広い範囲で明るく照らし出すことが可能となる。
シェードは、移動機構によって移動されることにより、遮光範囲を水平方向に徐々に拡大させるよう設けられていてもよい。
この態様によれば、横方向に移動する対象物などに対応して、遮光範囲を滑らかに拡大させることができる。このため、対象物の動きに合わせた、より適切な範囲に遮光範囲を設けることができる。
シェードは、ハイビーム用配光パターンへの遮光範囲の形成を解除した非遮光位置から、移動機構によって移動されることにより、所定方向に略同一幅で延びる遮光範囲をまず形成し、移動機構によってさらに移動されることにより、遮光範囲を水平方向に拡大させるよう設けられていてもよい。
この態様によれば、遮光範囲の幅をゼロから拡大させる場合に比べ、グレアの付与を抑制すべき対象物を含む領域を迅速に遮光することができ、その後、その対象物の移動などに合わせて遮光範囲を広げることができる。
本発明の別の態様は、車両用前照灯の制御装置である。この装置は、グレアの付与を回避すべき対象物の存在を検知する検知手段から検知信号を取得する信号取得部と、ハイビーム用配光パターンの形成に用いられる光源からの光の一部を遮ることにより、ハイビーム用配光パターンの一部に遮光範囲を形成するシェードと、ハイビーム用配光パターン上において水平方向に対し角度を持つ所定方向にシェードの投影像が移動するよう、シェードを移動させる移動機構と、を有し、シェードは、移動機構によって移動されることにより、遮光範囲を水平方向に拡大させるよう設けられている車両用前照灯に対し、検知された対象物を遮光範囲が含むようシェードを移動させるべく移動機構のアクチュエータに制御信号を出力する信号出力部と、を備える。
この態様によれば、上記の車両用前照灯を利用して、グレアの付与を回避すべき対象物の位置や動きに合わせて、当該対象物へのグレアの付与を適切に回避することができる。
本発明によれば、光の照射領域の減少を抑制しつつ、前走車などへのグレアの付与を適切に回避することができる。
本実施形態に係る車両用前照灯の構成を示す斜視図である。 (a)は、本実施形態に係るシェード機構の構成を示す斜視図であり、(b)は、本実施形態に係るシェード機構の正面図である。 (a)は、車両用前照灯によって形成されるハイビーム用配光パターンPHを示す図である。(b)は、車両用前照灯を、投影レンズの光軸を含む水平面で切断して上方から見た断面図である。 (a)〜(c)は、シェード機構を作動させたときのハイビーム用配光パターンPHの変化を示す図である。 (a)〜(c)は、シェード機構をさらに作動させたときのハイビーム用配光パターンPHの変化を示す図である。 車両用前照灯による配光の形成を制御する配光制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用前照灯10の構成を示す斜視図である。図1に示す車両用前照灯10は、ハイビーム用配光パターンを形成するための前照灯を示している。車両には、この車両用前照灯10が車両の右前部および左前部に1つずつ設けられている。車両には、ロービーム用配光パターンを形成するための別の前照灯(図示せず)が、同じく車両の右前部および左前部に1つずつ設けられている。
車両用前照灯10は、半導体発光素子12、リフレクタユニット14、投影レンズ22、およびシェード機構24を有する。本実施形態では、半導体発光素子12は2つ設けられる。光源である半導体発光素子12には、LEDが採用される。なお、半導体発光素子12として、LEDに代えて例えばレーザダイオードなど略点状に面発光する他の素子状の半導体発光素子が採用されてもよい。また、半導体発光素子12に、白熱灯または放電灯が採用されてもよい。
リフレクタユニット14は、左リフレクタ16、右リフレクタ18、および遮光板20を有する。左リフレクタ16および右リフレクタ18は、それぞれの反射面16aおよび反射面18aが水平方向に並ぶよう配置される。2つの半導体発光素子12の各々は、左リフレクタ16の反射面16aに光を照射可能となるよう反射面16aの上方に1つ、右リフレクタ18の反射面18aに光を照射可能となるよう反射面18aの上方に1つ配置される。したがって、左側の半導体発光素子12と左リフレクタ16との組み合わせ、および右側の半導体発光素子12と右リフレクタ18との組み合わせは、それぞれ光源として機能する。なお、半導体発光素子12とそれに対応するリフレクタの数が2つに限られないことは勿論であり、1対または3以上の複数対設けられてもよい。
遮光板20は平らに形成され、左リフレクタ16と右リフレクタ18との間から灯具前方に延在するよう配置される。遮光板20は、左側の半導体発光素子12が発した光が右リフレクタ18の反射面18aに入射すること、および右側の半導体発光素子12が発した光が左リフレクタ16の反射面16aに入射することを回避すべく設けられている。
投影レンズ22は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、その後側焦点面上に形成される光源像を反転像として前方に投影する。以下、例えば車両前方25メートルの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される投影像を基準に説明する。なお、投影像が形成されるものとする仮想面はこのような鉛直な面に限られないことは勿論であり、例えば路面を想定した水平面であってもよい。
本実施形態では、半導体発光素子12、リフレクタユニット14、および投影レンズ22によってハイビーム用配光パターンが形成可能となっている。しかし、ハイビーム用配光パターンを形成しているときに前方に前走車などが存在すると、その前走車にグレアを与える可能性がある。また、例えば対向車が近づいてくる場合、対向車が隣接する別の車線を走行していることから、対向車は自車両から見て水平方向に移動するように近づいてくる。このように水平方向に移動する対象物へのグレアの付与を回避すべく、車両用前照灯10にはシェード機構24が設けられている。
図2(a)は、本実施形態に係るシェード機構24の構成を示す斜視図であり、図2(b)は、本実施形態に係るシェード機構24の正面図である。シェード機構24は、シェードユニット26、および移動機構28を有する。移動機構28は、ブラケット30、モータ32、ボールネジ34、およびガイドロッド36を有する。シェードユニット26は、シェード40およびガイドブロック42を有する。
ブラケット30は、上部に上曲げ部30a、下部に下曲げ部30bが形成され、板状部材をコ字状に折り曲げた形状に形成される。アクチュエータであるモータ32は、下曲げ部30bに固定される。モータ32のモータ軸には、ボールネジ34が同軸に取り付けられている。ボールネジ34は、鉛直方向に延在し、ブラケット30の上曲げ部30aに上端部が回転可能に支持されている。
ガイドロッド36は、鉛直方向に延在するように上曲げ部30aと下曲げ部30bとの間に配置され、両端の各々が上曲げ部30aおよび下曲げ部30bに固定される。ガイドロッド36は、ボールネジ34に近接かつボールネジ34と平行となるよう配置される。
シェード40は、第1遮光部40aおよび第2遮光部40bを有する。第1遮光部40aは矩形の外形を有し、第2遮光部40bは、双方の2辺のうち一方が鉛直に延在し、他方が傾斜する台形状に形成される。以下、この傾斜する辺を傾斜縁部40eという。第2遮光部40bは上方に行くにしたがって幅が狭くなるよう配置され、第1遮光部40aは第2遮光部40bの上方に一体的に連結している。
シェード40は、第1遮光部40aの側方の2辺で直角に折り曲げられた形状に設けられた2つの折り曲げ部40cを有する。折り曲げ部40cの各々もまた矩形に形成され、外面に光を反射する反射面40dが設けられている。反射面40dを設けることにより、第1遮光部40aによって遮光されるときの配光パターンの境界を明確化することができる。
シェード40の第2遮光部40bのうち、傾斜縁部40eと対向する端縁に、ガイドブロック42が固定される。ガイドブロック42は、互いに平行に貫通するガイド孔42aおよび雌ネジ部42bを有する。このガイドブロック42にガイドロッド36が挿入され、雌ネジ部42bにボールネジ34が螺合される。こうしてモータ32が作動してボールネジ34が回転することにより、シェードユニット26が上下方向に移動し、シェード40は、ハイビーム用配光パターンへの遮光範囲の形成を回避した非遮光位置から、ハイビーム用配光パターンに遮光範囲を形成する遮光位置へ移動する。
図3(a)は、車両用前照灯10によって形成されるハイビーム用配光パターンPHを示す図である。図3(b)は、車両用前照灯10を、投影レンズ22の光軸を含む水平面で切断して上方から見た断面図である。なお、左リフレクタ16および右リフレクタ18の形状は模式的に示している。
ハイビーム用配光パターンPHは、水平線(以下、「H−H線」という)より上方において、水平方向に延在するよう形成される。ハイビーム用配光パターンPHは、車両前方中央を通過する鉛直線(以下、「V−V線」という)を中心に左右略同一幅に形成される。
ハイビーム用配光パターンPHは、左配光パターンPHLおよび右配光パターンPHRの双方が組み合わされて形成される。ハイビーム用配光パターンPHLは、V−V線からわずかに右側からハイビーム用配光パターンPHの左端部へと延在するよう形成される。右配光パターンPHRは、V−V線からわずかに左側からハイビーム用配光パターンPHの右端部へと延在するよう形成される。このため、左配光パターンPHLと右配光パターンPHRとは、V−V線周辺においてオーバーラップする。
図3(b)に示すように、左に配置された半導体発光素子12から発せられた光は、反射面16aを反射して投影レンズ22に入射し、灯具前方における右側の領域へと進む。一方、右に配置された半導体発光素子12から発せられた光は、反射面18aを反射して投影レンズ22に入射し、灯具前方における左側の領域へと進む。こうして左に配置された半導体発光素子12と左リフレクタ16とは、投影レンズ22を通じて右配光パターンPHRを形成し、右に配置された半導体発光素子12と右リフレクタ18とは、投影レンズ22を通じて左配光パターンPHLを形成する。
シェード機構24は、シェード40の影によるシェード投影像PSを下方に移動させることにより、ハイビーム用配光パターンPHの一部に遮光範囲を設ける。シェード投影像PSは仮想的な投影像であり、実際にはハイビーム用配光パターンPHとの重複範囲でのみ、その影として視認可能となる。以下、理解を容易とするため、ハイビーム用配光パターンPHとの重複範囲以外においてもシェード投影像PSを図示して説明する。
シェード機構24は、第1遮光部40aの投影像である第1シェード投影像PS1の上方に第2遮光部40bの投影像である第2シェード投影像PS2が位置するようシェード投影像PSを形成する。本実施形態に係るシェード機構24は、シェード40のうち第1遮光部40aの投影像である第1シェード投影像PS1が、左配光パターンPHLと右配光パターンPHRとの重複範囲全体を含むことが可能となるよう設けられている。これにより、V−V線付近に存在する対象物にグレアを与えることを適切に回避することができる。
図4(a)〜図4(c)は、シェード機構24を作動させたときのハイビーム用配光パターンPHの変化を示す図である。まず、図4(a)は、シェード機構24を作動させず、シェード40が非遮光位置にあるときのハイビーム用配光パターンPHとシェード投影像PSとの関係を示す図である。シェード投影像PSは、左側に第1縁部E1を有し、右側に第2縁部E2および第3縁部E3を有する。第1縁部E1は、V−V線よりわずかに左側において、シェード投影像PSの上下方向全長にわたって鉛直方向に延在する。第2縁部E2は、V−V線よりわずかに右側において、シェード投影像PSの下端から上下方向に所定長さにわたって鉛直方向に延在する。第3縁部E3は、第2縁部E2の上端からシェード投影像PSの上端まで右上がりに傾斜する。第1縁部E1は、第1シェード投影像PS1および第2シェード投影像PS2の双方の左縁部によって構成される。第2縁部E2は、第1シェード投影像PS1の右縁部によって構成される。第3縁部E3は、第2シェード投影像PS2の右縁部によって構成される。
図4(a)に示すように、シェード投影像PSは、ハイビーム用配光パターンPHよりも上方に位置する。このようにシェード40が非遮光位置にあるときは、シェード投影像PSはハイビーム用配光パターンPHと重複せず、ハイビーム用配光パターンPHにシェード40による遮光範囲は形成されない。
図4(b)は、シェード40を非遮光位置から上昇させたときのハイビーム用配光パターンPHとシェード投影像PSとの関係を示す図である。移動機構28は、ハイビーム用配光パターンPH上において鉛直下方にシェード投影像PSが移動するようシェード40を上昇させる。図4(b)は、シェード投影像PSの下端がまだH−H線よよりも上方に位置しているときの状態を示している。なお、移動機構28は、ハイビーム用配光パターンPH上において水平方向に対し角度を持つ所定方向にシェード投影像PSが移動するようシェード40を移動させてもよい。
シェード投影像PSがハイビーム用配光パターンPHと重複すると、重複する領域は、ハイビーム用配光パターンPHが欠落するよう遮光さされる。このようにシェード40は、リフレクタユニット14からの光の一部を遮ることにより、ハイビーム用配光パターンPHの一部に遮光範囲Sを形成する。図4(b)に示す状態となるシェード40の位置では、遮光範囲Sはハイビーム用配光パターンPHの下端に未達であり、ハイビーム用配光パターンPHはV−V線周辺において上部の一部に遮光範囲Sが設けられ、その範囲での光の照射が回避される。
このときの遮光範囲Sは、第1シェード投影像PS1によって設けられる。したがって遮光範囲Sは、シェード投影像PSの第1縁部E1によって左遮光境界SLが形成され、第2縁部E2によって右遮光境界SRが形成される。左遮光境界SLは、V−V線よりもわずかに左側においてH−H線より上方の位置からさらに鉛直上方に延在する。右遮光境界SRは、V−V線よりもわずかに右側においてH−H線よりも上方の位置からさらに鉛直上方に延在する。このため遮光範囲Sは、H−H線より上方の位置から鉛直方向に同一幅で延びる矩形に形成される。
例えば車両前方に登り坂がある場合、前走車はV−V線周辺且つH−H線より上方に位置することになる。このように下端がH−H線より上方に位置する遮光範囲Sを設けることにより、ハイビーム用配光パターンPHの面積の減少を抑制しつつ、前走車が存在する領域に適切に遮光範囲Sを設けることができる。
図4(c)は、図4(b)よりもシェード40をさらに上昇させたときのハイビーム用配光パターンPHとシェード投影像PSとの関係を示す図である。図4(c)は、シェード投影像PSの下端がH−H線まで達したときの状態を示している。このとき、遮光範囲SはH−H線まで達し、ハイビーム用配光パターンPHは、V−V線周辺において左側の配光パターンと右側の配光パターンに分離される。この場合も、遮光範囲Sは第1シェード投影像PS1によって形成される。このため遮光範囲Sは、シェード投影像PSの第1縁部E1によって左遮光境界SLが形成され、第2縁部E2によって右遮光境界SRが形成される。左遮光境界SLは、V−V線よりもわずかに左側においてH−H線から鉛直上方に延在する。右遮光境界SRは、V−V線よりもわずかに右側においてH−H線から鉛直上方に延在する。このためこのときも遮光範囲Sは、鉛直方向に同一幅で延びる矩形に形成される。
例えば前方に直線的に水平に延びる道路を走行中に遠方に走行する前走車が検知された場合、このように遮光範囲Sを設けることにより、前走車へのグレアの付与を迅速に回避することができる。
図5(a)〜図5(c)は、シェード機構24をさらに作動させたときのハイビーム用配光パターンPHの変化を示す図である。まず、図5(a)は、図4(c)よりもさらにシェード40を上昇させたときのハイビーム用配光パターンPHとシェード投影像PSとの関係を示す図である。
このとき、遮光範囲Sは第2シェード投影像PS2によって形成される。このため遮光範囲Sは、シェード投影像PSの第1縁部E1によって左遮光境界SLが形成され、第3縁部E3によって右遮光境界SRが形成される。左遮光境界SLは、V−V線よりもわずかに左側においてH−H線から鉛直上方に延在する。右遮光境界SRは、V−V線よりもわずかに右側においてH−H線から右斜め上方に傾斜して延在する。このため、遮光範囲Sは下底よりも上底が長い台形に形成される。
図5(b)は、図5(a)よりもさらにシェード40を上昇させたときのハイビーム用配光パターンPHとシェード投影像PSとの関係を示す図である。このとき、左遮光境界SLの位置は図5(a)のときと同じであるが、右遮光境界SRは、図5(a)のときよりも右方向に移動し、これに伴い、遮光範囲Sも右方向に拡大する。
図5(c)は、シェード40を最高位置まで上昇させたときのハイビーム用配光パターンPHとシェード投影像PSとの関係を示す図である。このとき、左遮光境界SLの位置は図5(b)のときと同じであるが、右遮光境界SRは、図5(b)のときよりも右方向に移動し、これに伴い、遮光範囲Sも右方向に拡大する。
以上説明したように、本実施形態に係るシェード40は、移動機構28によって下降されることにより、遮光範囲Sを水平方向に徐々に拡大させるよう設けられている。これにより、自車両から見て横方向に位置を移動するように近づいてくる対向車に与えるグレアを、シェード40を移動させるという簡易な構成によって適切に抑制することができる。
また、シェード40は、ハイビーム用配光パターンPHへの遮光範囲Sの形成を解除した非遮光位置から、移動機構28によって移動されることにより、鉛直方向に同一幅で延びる遮光範囲Sをまず形成し、移動機構28によってさらに移動されることにより、遮光範囲Sを水平方向に拡大させるよう設けられている。これにより、遮光範囲Sの幅をゼロから拡大させる場合に比べ、グレアの付与を抑制すべき対象物を含む領域を迅速に遮光することができる。また、その後にその対象物の移動などに合わせて遮光範囲を広げることができる。
本実施形態では、第3縁部E3が直線状に傾斜しているため、シェード40が下降するにしたがって遮光範囲Sは水平方向に徐々に拡大する。これに対し、シェード40は、移動機構28によって下降されることにより、遮光範囲Sを水平方向に段階的に拡大させるよう設けられていてもよい。具体的には、例えば第3縁部E3が階段状に形成されていてもよい。
また、本実施形態のようにシェード機構24が右方向にのみ遮光範囲Sが拡大するものに限定されないことは勿論であり、遮光範囲Sが左方向に拡大するようシェード機構24が設けられていてもよい。また、遮光範囲Sが左右双方に水平に拡大するようシェード機構24が設けられていてもよい。
図6は、車両用前照灯10による配光の形成を制御する配光制御システム48の構成を模式的に示すブロック図である。配光制御システム48は、カメラ50、制御ユニット52、およびモータ32を有する。制御ユニット52は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどのハードウェア、およびこれらを制御するソフトウェアを含む。図6において制御ユニット52は、これらのハードウェアおよびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
カメラ50は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサを含み、画像を撮像して画像データを出力する。カメラ50は、例えば車両の客室内におけるフロントガラスの上部に対向する位置に設けられ、車両前方を撮像することにより、車両前方に存在する前走車や歩行者など、グレアの付与を回避すべき対象物(以下、単に「対象物」という)を検知する。したがってカメラ50は、対象物の存在を検知する検知手段として機能する。
制御ユニット52は車両内部に設けられ、カメラ50に接続されている。制御ユニット52は、信号取得部54および信号出力部56を有する。信号取得部54は、カメラ50から対象物の存在を検知するための検知信号として利用するため、カメラ50によって出力された画像データを取得する。信号出力部56は、取得された画像データを利用して、対象物の位置を特定する。このような対象物位置特定方法は公知であるため説明を省略する。
信号出力部56は、特定された対象物の位置を利用して、検知された対象物を遮光範囲Sが含むようシェード40を移動させるべく、移動機構28のモータ32に制御信号を出力する。具体的には、モータ32にはステッピングモータが採用されており、制御ユニット52は、シェード40が非遮光位置にあるときからモータ32に出力される総ステップ数と、形成されれる遮光範囲Sとの対応関係を予め保持している。信号出力部56は、検知された対象物を含む遮光範囲Sのうち、最小の遮光範囲Sに対応する総ステップ数がモータ32に供給されるよう、ステップ信号をモータ32に供給する。これにより、光を照らし出す範囲の減少を抑制しつつ、対象物へのグレアの付与を適切に回避することができる。
なお、対象物が水平方向に移動後に遮光範囲Sを拡大させる場合、対象物が遮光範囲Sから外れた後に遮光範囲Sを拡大される可能性があり、対象物にグレアを付与する可能性が生じる。このため、対象物にマージンを設け、マージンを含む遮光範囲Sのうち最小の遮光範囲Sに対応する総ステップ数がモータ32に供給されるよう、ステップ信号をモータ32に供給してもよい。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を本実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
10 車両用前照灯、 12 半導体発光素子、 14 リフレクタユニット、 22 投影レンズ、 24 シェード機構、 28 移動機構、 32 モータ、 40 シェード、 40a 第1遮光部、 40b 第2遮光部、 48 配光制御システム、 50 カメラ、 52 制御ユニット、 54 信号取得部、 56 信号出力部。

Claims (4)

  1. ハイビーム用配光パターンの形成に用いられる光源からの光の一部を遮ることにより、前記ハイビーム用配光パターンの一部に遮光範囲を形成するシェードと、
    前記ハイビーム用配光パターン上において水平方向に対し角度を持つ所定方向に前記シェードの投影像が移動するよう前記シェードを移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記シェードは、前記移動機構によって移動されることにより、前記遮光範囲を水平方向に拡大させるよう設けられていることを特徴とする車両用前照灯。
  2. 前記シェードは、前記移動機構によって移動されることにより、前記遮光範囲を水平方向に徐々に拡大させるよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
  3. 前記シェードは、前記ハイビーム用配光パターンへの遮光範囲の形成を解除した非遮光位置から、前記移動機構によって移動されることにより、前記所定方向に略同一幅で延びる前記遮光範囲をまず形成し、前記移動機構によってさらに移動されることにより、前記遮光範囲を水平方向に拡大させるよう設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
  4. グレアの付与を回避すべき対象物の存在を検知する検知手段から検知信号を取得する信号取得部と、
    ハイビーム用配光パターンの形成に用いられる光源からの光の一部を遮ることにより、前記ハイビーム用配光パターンの一部に遮光範囲を形成するシェードと、前記ハイビーム用配光パターン上において水平方向に対し角度を持つ所定方向に前記シェードの投影像が移動するよう、前記シェードを移動させる移動機構と、を有し、前記シェードは、前記移動機構によって移動されることにより、前記遮光範囲を水平方向に拡大させるよう設けられている車両用前照灯に対し、検知された前記対象物を前記遮光範囲が含むよう前記シェードを移動させるべく前記移動機構のアクチュエータに制御信号を出力する信号出力部と、
    を備えることを特徴とする車両用前照灯の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015039927A (ja) * 2013-08-21 2015-03-02 スタンレー電気株式会社 車両用前照灯
CN114425984A (zh) * 2020-10-29 2022-05-03 常州星宇车灯股份有限公司 一种激光远近光的车辆前照灯及其使用方法

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