JP2012050609A - 画像診断装置及び画像診断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡挿入部の太径化を招くことなく簡易な構成でOCTプローブの突出量を正確に把握可能とする。
【解決手段】光学レンズ628から照射される測定光L1をOCTプローブ600の長軸周りに回転走査することなくOCTプローブ600の長軸方向にリニア走査しながら、光学レンズ628から測定光L1を測定対象Sに照射するとともに、該測定対象Sからの戻り光L3を光学レンズ628で得る。そして、光学レンズ628で得られた戻り光L3に基づいて、OCTプローブ600の長軸方向のリニア断層画像を取得し、該リニア断層画像が断層領域から非断層領域(又はその逆)に変化するタイミングを検出することによりOCTプローブ600の突出量を算出する。
【選択図】図5
【解決手段】光学レンズ628から照射される測定光L1をOCTプローブ600の長軸周りに回転走査することなくOCTプローブ600の長軸方向にリニア走査しながら、光学レンズ628から測定光L1を測定対象Sに照射するとともに、該測定対象Sからの戻り光L3を光学レンズ628で得る。そして、光学レンズ628で得られた戻り光L3に基づいて、OCTプローブ600の長軸方向のリニア断層画像を取得し、該リニア断層画像が断層領域から非断層領域(又はその逆)に変化するタイミングを検出することによりOCTプローブ600の突出量を算出する。
【選択図】図5
Description
本発明は画像診断装置及び画像診断方法に係り、特に、内視鏡の鉗子口から導出された光プローブ(OCTプローブ)の突出量を検出する技術に関する。
従来、生体の体腔内を観察する内視鏡装置として、生体の体腔内で照明光を照射し、反射された反射光による像を撮像し、モニタ等に表示する電子内視鏡装置が広く普及され、様々な分野で利用されている。また、多くの内視鏡装置は、鉗子チャンネルを備え、この鉗子チャンネルを介して体腔内に導入された処置具により、体腔内の組織の生検や治療を行うことが可能となっている。
一方、近年、生体組織等の測定対象を切断せずに生体などの断層画像を取得する断層画像取得装置の開発が進められており、例えば低コヒーレンス光による干渉を用いた光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法を利用した光断層画像化装置が知られている。
このOCT計測は、測定光および反射光と参照光との光路長が一致したときに干渉光が検出されることを利用した計測方法である。すなわちこの方法において、光源から射出された低コヒーレント光は測定光と参照光とに分割され、測定光は測定対象に照射され、測定対象からの反射光が合波手段に導かれる。一方、参照光は、測定対象内の測定深さを変更するために、光路長の変更が施された後に合波手段に導かれる。そして、合波手段により反射光と参照光とが合波され、合波されたことによる干渉光がヘテロダイン検波等により測定される。上記OCT装置においては、参照光の光路長を変更することにより、測定対象に対する測定位置(測定深さ)を変更し断層画像を取得するようになっており、この手法は一般にTD−OCT(Time domain OCT)計測と称されている。
他方、上述した参照光の光路長の変更を行うことなく高速に断層画像を取得する装置として、SD−OCT(Spectral Domain OCT)計測による光断層画像化装置が提案されている。このSD−OCT装置は、広帯域の低コヒーレント光をマイケルソン型干渉計を用いて測定光と参照光とに分割した上で、測定光を測定対象に照射させ、そのとき戻って来た反射光と参照光との干渉光を各周波数成分に分解したチャンネルドスペクトルをフーリエ解析することにより、深さ方向の走査を行わずに断層画像を構成するようにしたものである。
さらに、参照光の光路長の変更を行うことなく高速に断層画像を取得する装置として、SS−OCT(Swept source OCT)計測による光断層画像化装置も提案されている。このSS−OCT装置は、光源から射出されるレーザ光の周波数を掃引させて反射光と参照光とを干渉させ、そして光周波数領域のインターフェログラムから測定対象の深さ位置における反射光強度を検出し、これを用いて断層画像を構成するようにしたものである。
上述した断層画像において照射位置を僅かにずらしながら、測定を繰り返すことにより、所定の走査領域の2次元光断層画像を取得することができる。さらに、断層面に対して垂直方向に照射位置をずらして複数の2次元光断層画像を取得することにより、3次元画像のボリュームデータを得ることもできる。
このようなOCT装置(光断層画像化装置)は、測定部位を精細(約10μmの分解能)に観察することが可能であり、内視鏡装置の鉗子口を介してOCTプローブ(光プローブ)を体腔内に挿入して測定光および測定光の反射光を導光し、体腔内の光断層画像を取得することにより、例えば初期癌の深達度診断なども可能となる。
また、OCTプローブを用いて測定を行う場合、内視鏡装置の鉗子口からOCTプローブの先端を導出させる必要があるが、鉗子口からのOCTプローブの突出量が少ないと、OCTプローブの軸方向(リニア方向)における測定光の走査範囲が狭くなってしまい、病変部位の光断層画像が得られず、適切な診断を行うことができなくなる。一方、OCTプローブが必要以上に突出していると、体動などの揺れの影響を受けやすく、OCTプローブによる測定が不安定となり、光断層画像の画質を低下させる要因となる。このため、OCTプローブの突出量を正確に把握しておくことは安定した測定を行う上で重要である。
従来、術者は、内視鏡の挿入部の先端に設けられている観察光学系で取得された内視鏡画像を通じてOCTプローブの先端位置を目測で確認している。しかしながら、観察光学系の視野は狭いため、鉗子口の位置を確認することはできず、OCTプローブの突出量を正確に把握することは困難である。特にOCTプローブの突出量が少ない場合には、内視鏡画像では突出状態を把握することができず、検査効率を低下させる要因となってしまう。このため、OCTプローブを必要以上に突出させた状態で測定が行われており、上述のようにOCTプローブによる測定の不安定化を招いてしまっている。
これに対して、内視鏡装置の鉗子チャンネルに挿通される処置具やプローブなどが鉗子口から突出したことやその突出量を検出する技術がこれまでに各種提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。
特許文献1には、超音波プローブの先端部に光センサを設置し、この光センサによってプローブ先端部が鉗子孔出口から突出したことを検出する技術が開示されている。
特許文献2には、内視鏡の挿入部の先端に設置されたセンサで衝撃波発生プローブの突出量を検出する技術が開示されている。
特許文献3には、処置具の先端部に高反射マークを形成し、内視鏡先端部に配置された光電素子で高反射率マークを読み取ることにより、処置具の突出量を計測する技術が開示されている。
特許文献4には、超音波ビームと同軸上にレーザ光を出射させ、超音波の照射面をレーザ光でマーキングし、このレーザ光を検出することにより、プローブの突出量を計測する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1、2に開示される技術は、プローブ又は内視鏡挿入部に設置されたセンサによってプローブの突出量があらかじめ定められた規定値に達したか否かを検出するものであり、プローブ先端部の突出量を正確に把握することは困難である。
また、特許文献3に開示される技術をOCTプローブに適用した場合には、OCTプローブのシース(外筒部材)に高反射マークを形成することになるが、シース内に配設される光学レンズから射出される測定光が高反射マークにより遮られてしまい、OCTプローブによる測定ができない場合が生じる。また、内視鏡挿入部には、高反射マークを読み取るためにライトガイド及び光電素子を設けなければならず、内視鏡挿入部の太径化を招き、患者負担を増大させる要因ともなる。
また、特許文献4に開示される技術は、従来と同様に、モニタに表示された内視鏡画像を目測で確認しなければならず、プローブの突出量を正確に把握することは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡挿入部の太径化を招くことなく簡易な構成でOCTプローブの突出量を正確に把握可能な画像診断装置及び画像診断方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る画像診断装置は、体腔内に挿入される内視鏡挿入部に設けられた鉗子チャンネルに挿通され、該鉗子チャンネルの先端に形成される鉗子口から先端部を所定量突出させた光プローブを用いて測定対象の光断層画像を取得する画像診断装置であって、光源から光ファイバを介して伝搬した測定光を測定対象に照射するともに、該測定対象からの戻り光を得る光学レンズと、前記測定光を前記光プローブの長軸周りに回転走査することなく前記光プローブの長軸方向にリニア走査する第1の走査手段と、前記第1の走査手段による走査を行ったときに前記光学レンズで得られた戻り光に基づいて、前記光プローブの長軸方向のリニア断層画像を取得するリニア断層画像取得手段と、前記リニア断層画像から前記光プローブの突出量を求める突出量算出手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、測定光を回転走査することなくリニア走査することにより得られるリニア断層画像から光プローブの突出量を検出することができる。これにより、内視鏡挿入部の太径化を招くことなく簡易な構成でOCTプローブの突出量を正確に把握可能となる。
本発明では、前記第1の走査手段のリニア走査範囲の両端のうち、一方の端部は前記鉗子口の前記鉗子チャンネル側とは反対側に位置し、他方の端部は前記鉗子口の前記鉗子チャンネル側に位置することが好ましい。これによれば、リニア走査を繰り返すことなくOCTプローブの突出量を迅速に検出することが可能となる。
また、本発明では、前記突出量算出手段は、前記リニア断層画像の中から前記測定対象の断層データが出現又は消失するタイミング、又は前記リニア断層画像の中から前記鉗子チャンネルの内壁面データが出現又は消失するタイミングに基づいて前記光プローブの突出量を求めることが好ましい。
また、本発明では、前記突出量算出手段によって求められた前記光プローブの突出量を表示する表示手段を備えたことが好ましい。これによれば、操作者は光プローブの突出量を容易に把握することが可能となる。表示手段の表示態様としては、文字、図形、又は記号、或いはこれらの組み合わせにより、光プローブの突出量を複数のレベルに分けて段階的に表示する態様が好ましく、操作者が光プローブの突出量を瞬時に把握することが可能となる。また、光プローブの突出量を数値で表示する態様も好ましく、操作者の意図に応じて光プローブの突出量を細かく調整することが可能となる。
また、本発明では、表示手段にはリニア断層画像が表示されることが好ましい。これによれば、操作者はリニア断層画像の中に病変部位等が含まれているか否かを把握することが可能となり、走査範囲の最適化を図ることができる。
また、本発明では、前記鉗子チャンネルの内壁面の鉗子口周辺部には所定の反射率を有する第1の反射部と該第1の反射部より低い反射率を有する第2の反射部とが設けられていることが好ましい。これによれば、リニア断層画像から鉗子口の位置を容易に特定することが可能となり、光プローブの突出量を精度良く求めることができる。
また、本発明では、前記突出量算出手段により求められた前記光プローブの突出量に応じて前記測定光の前記光プローブの長軸方向のリニア走査範囲を設定する走査範囲設定手段と、前記測定光を前記光プローブの長軸周りに回転走査しながら前記走査範囲設定手段で設定された前記リニア走査範囲内で前記光プローブの長軸方向にリニア走査する第2の走査手段と、前記第2の走査手段による走査を行ったときに前記光学系で得られた戻り光に基づいて光断層画像を取得する光断層画像取得手段と、を備えたことが好ましい。これによれば、光断層画像を取得するときのリニア走査範囲の最適化を図ることができ、測定時間の短縮化により患者負担の軽減を図ることができる。
また、本発明では、前記走査範囲設定手段は、操作者の指示にしたがって前記リニア走査範囲を手動で設定可能な手段であることが好ましい。これによれば、操作者の意図に応じてリニア走査範囲を設定することが可能となり、操作性が向上する。
また、前記目的を達成するために、本発明に係る画像診断方法は、体腔内に挿入される内視鏡挿入部に設けられた鉗子チャンネルに挿通され、該鉗子チャンネルの先端に形成される鉗子口から先端部を所定量突出させた光プローブを用いて測定対象の光断層画像を生成する画像診断方法であって、光源から光ファイバを介して伝搬した測定光を光学系から測定対象に照射するともに、該測定対象からの戻り光を前記光学系で得るステップと、前記測定光を前記光プローブの長軸周りに回転走査することなく前記光プローブの長軸方向にリニア走査するステップと、前記リニア走査を行ったときに前記光学系で得られた戻り光に基づいて、前記光プローブの長軸方向のリニア断層画像を取得するステップと、前記リニア断層画像から前記光プローブの突出量を求めるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、測定光を回転走査することなくリニア走査することにより得られるリニア断層画像から光プローブの突出量を検出することができる。これにより、内視鏡挿入部の太径化を招くことなく簡易な構成でOCTプローブの突出量を正確に把握可能となる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<画像診断装置の外観>
図1は、本発明の実施形態に係る画像診断装置を示す外観図である。
図1は、本発明の実施形態に係る画像診断装置を示す外観図である。
図1に示すように、画像診断装置10は、主として、内視鏡100、内視鏡プロセッサ200、光源装置300、OCTプロセッサ400、及びモニタ装置500とから構成されている。なお、内視鏡プロセッサ200は、光源装置300を内蔵するように構成されていてもよい。
内視鏡100は、手元操作部112と、この手元操作部112に連設される挿入部114とを備える。術者は手元操作部112を把持して操作し、挿入部114を被検者の体内に挿入することによって観察を行う。
手元操作部112には、ユニバーサルケーブル116が接続され、ユニバーサルケーブル116の先端にLGコネクタ120が設けられる。このLGコネクタ120を光源装置300に着脱自在に連結することによって、挿入部114の先端部に配設された照明光学系152に照明光が送られる。また、LGコネクタ120には、ユニバーサルケーブル116を介して電気コネクタ110が接続され、電気コネクタ110が内視鏡プロセッサ200に着脱自在に連結される。これにより、内視鏡100で得られた観察画像のデータが内視鏡プロセッサ200に出力され、内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に画像が表示される。
また、手元操作部112には、送気・送水ボタン126、吸引ボタン128、シャッターボタン130、機能切替ボタン132、一対のアングルノブ134、一対のロックレバー136が設けられているが、これらの部材についての説明は省略する。
さらに、手元操作部112には、鉗子挿入部138が設けられており、この鉗子挿入部138が先端部144の鉗子口156に連通されている。本実施形態の画像診断装置10では、OCTプローブ600を鉗子挿入部138から挿入することによって、OCTプローブ600を鉗子口156から導出する。OCTプローブ600は、鉗子挿入部138から挿入され、鉗子口156から導出される挿入部602と、術者がOCTプローブ600を操作するための操作部604、及びコネクタ410を介してOCTプロセッサ400と接続されるケーブル606から構成されている。
一方、内視鏡100の挿入部114は、手元操作部112側から順に、軟性部140、湾曲部142、先端部144で構成されている。先端部144には、観察光学系150、照明光学系152、送気・送水ノズル154、鉗子口156等が設けられる。なお、送気・送水ノズル154についての説明は省略する。
観察光学系150は、先端部144の先端面に配設されており、この観察光学系150の奥に固体撮像素子であるCCD(不図示)が配設される。CCDの基板には、信号ケーブル(不図示)が接続され、この信号ケーブルが挿入部114、手元操作部112、ユニバーサルケーブル116等に挿通されて電気コネクタ110まで延設され、内視鏡プロセッサ200に接続される。したがって、観察光学系150で取り込まれた観察像はCCDの受光面に結像されて電気信号に変換され、この電気信号が内視鏡プロセッサ200に出力され、映像信号に変換される。これにより、内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に観察画像(内視鏡画像)が表示される。
照明光学系152は、観察光学系150に隣接して設けられており、必要に応じて観察光学系150の両側に配置される。照明光学系152の奥には、ライトガイド(不図示)の出射端が配設され、このライトガイドが挿入部114、手元操作部112、ユニバーサルケーブル116に挿通され、ライトガイドの入射端がLGコネクタ120内に配置される。したがって、LGコネクタ120を光源装置300に連結することによって、光源装置300から照射された照明光がライトガイドを介して照明光学系152に伝送され、照明光学系152から前方の観察範囲に照射される。
鉗子口156には、チューブ状の処置具チャンネルとしての鉗子チャンネル(図1中不図示、図5に符号158で図示)が接続される。鉗子チャンネルは挿入部114の内部に挿通された後、分岐され、一方が手元操作部112の鉗子挿入部138に連通され、他方が手元操作部112内の吸引バルブ(不図示)に接続される。吸引バルブは、吸引ボタン128によって操作され、これによって鉗子口156から病変部等を吸引することができる。
上記の如く構成された先端部144の基端側には湾曲部142が設けられる。湾曲部142は、手元操作部112のアングルノブ134、134を回動することによって遠隔的に湾曲するように構成される。
湾曲部142の基端側には軟性部140が設けられる。軟性部140は、可撓性を有しており、たとえば金属製の網管から成る心材に、樹脂などの被覆を被せることによって構成される。
なお、内視鏡、内視鏡プロセッサ、及び光源装置の内部構成は公知であるので説明は省略する。
<OCTプロセッサ、OCTプローブの内部構成>
図2は、OCTプロセッサ400、OCTプローブ600の内部構成を示すブロック図である。
図2は、OCTプロセッサ400、OCTプローブ600の内部構成を示すブロック図である。
[OCTプロセッサ]
図2に示すOCTプロセッサ400及びOCTプローブ600は、光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法による測定対象の光断層画像を取得するためのもので、測定のための光Laを射出する第1の光源部(第1の光源ユニット)12と、第1の光源部12から射出された光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2に分岐するとともに、被検体である測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成する光ファイバカプラ(分岐合波部)14と、光ファイバカプラ14で分岐された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波する回転側光ファイバFB1を備えるOCTプローブ600と、測定光L1を回転側光ファイバFB1まで導波するとともに回転側光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する固定側光ファイバFB2と、回転側光ファイバFB1を固定側光ファイバFB2に対して回転可能に接続し、測定光L1および戻り光L3を伝送する光コネクタ18と、光ファイバカプラ14で生成された干渉光L4を干渉信号として検出する干渉光検出部20と、この干渉光検出部20によって検出された干渉信号を処理して光断層画像(以下、単に「断層画像」とも言う。)を取得する信号処理部22を有する。また、信号処理部22で取得された光断層画像はモニタ装置500に表示される。
図2に示すOCTプロセッサ400及びOCTプローブ600は、光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法による測定対象の光断層画像を取得するためのもので、測定のための光Laを射出する第1の光源部(第1の光源ユニット)12と、第1の光源部12から射出された光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2に分岐するとともに、被検体である測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成する光ファイバカプラ(分岐合波部)14と、光ファイバカプラ14で分岐された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波する回転側光ファイバFB1を備えるOCTプローブ600と、測定光L1を回転側光ファイバFB1まで導波するとともに回転側光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する固定側光ファイバFB2と、回転側光ファイバFB1を固定側光ファイバFB2に対して回転可能に接続し、測定光L1および戻り光L3を伝送する光コネクタ18と、光ファイバカプラ14で生成された干渉光L4を干渉信号として検出する干渉光検出部20と、この干渉光検出部20によって検出された干渉信号を処理して光断層画像(以下、単に「断層画像」とも言う。)を取得する信号処理部22を有する。また、信号処理部22で取得された光断層画像はモニタ装置500に表示される。
また、OCTプロセッサ400は、測定の目印を示すためのエイミング光(第2の光束)Leを射出する第2の光源部(第2の光源ユニット)13と、参照光L2の光路長を調整する光路長調整部26と、第1の光源部12から射出された光Laを分光する光ファイバカプラ28と、光ファイバカプラ14で合波された戻り光L4およびL5を検出する検出器30aおよび30bと、信号処理部22への各種条件の入力、設定の変更等を行う操作制御部32とを有する。
また、OCTプロセッサ400は、内視鏡100の鉗子口156から導出されたOCTプローブ600の突出量の検出処理を行う突出量検出部34を備えている。突出量検出部34で行われる検出処理については後で詳しく説明する。
なお、図2に示すOCTプロセッサ400においては、上述した射出光La、エイミング光Le、測定光L1、参照光L2および戻り光L3などを含む種々の光を各光デバイスなどの構成要素間で導波し、伝送するための光の経路として、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2を含め種々の光ファイバFB(FB3、FB4、FB5、FB6、FB7、FB8など)が用いられている。
第1の光源部12は、OCTの測定のための光(例えば、波長1.3μmのレーザ光あるいは低コヒーレンス光)を射出するものであり、レーザ光あるいは低コヒーレンス光Laを射出する光源12aと、光源12aから射出された光Laを集光するレンズ12bとを備えている。詳しくは後述するが、第1の光源部12から射出された光Laは、光ファイバFB4、FB3を介して光ファイバカプラ14で測定光L1と参照光L2に分割され、測定光L1は光コネクタ18に入力される。
また、第2の光源部13は、エイミング光Leとして測定部位を確認しやすくするために可視光を射出するものである。例えば、波長0.66μmの赤半導体レーザ光、波長0.63μmのHe−Neレーザ光、波長0.405μmの青半導体レーザ光などを用いることができる。そこで、第2の光源部13としては、例えば赤色あるいは青色あるいは緑色のレーザ光を射出する半導体レーザ13aと、半導体レーザ13aから射出されたエイミング光Leを集光するレンズ13bを備えている。第2の光源部13から射出されたエイミング光Leは、光ファイバFB8を介して光コネクタ18に入力される。
光コネクタ18では、測定光L1とエイミング光Leとが合波され、OCTプローブ600内の回転側光ファイバFB1に導波される。
光ファイバカプラ(分岐合波部)14は、例えば2×2の光ファイバカプラで構成されており、固定側光ファイバFB2、光ファイバFB3、光ファイバFB5、光ファイバFB7とそれぞれ光学的に接続されている。
光ファイバカプラ14は、第1の光源部12から光ファイバFB4およびFB3を介して入射した光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を固定側光ファイバFB2に入射させ、参照光L2を光ファイバFB5に入射させる。
さらに、光ファイバカプラ14は、光ファイバFB5に入射され後述する光路長調整部26によって周波数シフトおよび光路長の変更が施されて光ファイバFB5を戻った光L2と、後述するOCTプローブ600で取得され固定側光ファイバFB2から導波された光L3とを合波し、光ファイバFB3(FB6)および光ファイバFB7に射出する。
OCTプローブ600は、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2と接続されており、固定側光ファイバFB2から、光コネクタ18を介して、エイミング光Leと合波された測定光L1が回転側光ファイバFB1に入射される。入射されたこのエイミング光Leと合波された測定光L1を回転側光ファイバFB1によって伝送して測定対象Sに照射する。そして測定対象Sからの戻り光L3を取得し、取得した戻り光L3を回転側光ファイバFB1によって伝送して、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2に射出するようになっている。
光コネクタ18は、測定光(第1の光束)L1とエイミング光(第2の光束)Leとを合波するものである。
干渉光検出部20は、光ファイバFB6および光ファイバFB7と接続されており、光ファイバカプラ14で参照光L2と戻り光L3とを合波して生成された干渉光L4およびL5を干渉信号として検出するものである。
ここで、OCTプロセッサ400は、光ファイバカプラ28から分岐させた光ファイバFB6上に設けられ、干渉光L4の光強度を検出する検出器30aと、光ファイバFB7の光路上に干渉光L5の光強度を検出する検出器30bとを有している。
干渉光検出部20は、検出器30aおよび検出器30bの検出結果に基づいて、干渉信号を生成する。
信号処理部22は、干渉光検出部20で検出した干渉信号から、測定位置におけるOCTプローブ600と測定対象Sとの接触している領域、より正確にはOCTプローブ600のプローブ外筒(後述)の表面と測定対象Sの表面とが接触しているとみなせる領域を検出し、さらに、干渉光検出部20で検出した干渉信号から断層画像を取得し、取得した断層画像をモニタ装置500へ出力する。
光路長調整部26は、光ファイバFB5の参照光L2の射出側(すなわち、光ファイバFB5の光ファイバカプラ14とは反対側の端部)に配置されている。
光路長調整部26は、光ファイバFB5から射出された光を平行光にする第1光学レンズ80と、第1光学レンズ80で平行光にされた光を集光する第2光学レンズ82と、第2光学レンズ82で集光された光を反射する反射ミラー84と、第2光学レンズ82および反射ミラー84を支持する基台86と、基台86を光軸方向に平行な方向に移動させるミラー移動機構88とを有し、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変化させることで参照光L2の光路長を調整する。
第1光学レンズ80は、光ファイバFB5のコアから射出された参照光L2を平行光にするとともに、反射ミラー84で反射された参照光L2を光ファイバFB5のコアに集光する。
また、第2光学レンズ82は、第1光学レンズ80により平行光にされた参照光L2を反射ミラー84上に集光するとともに、反射ミラー84により反射された参照光L2を平行光にする。このように、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82とにより共焦点光学系が形成されている。
さらに、反射ミラー84は、第2光学レンズ82で集光される光の焦点に配置されており、第2光学レンズ82で集光された参照光L2を反射する。
これにより、光ファイバFB5から射出した参照光L2は、第1光学レンズ80により平行光になり、第2光学レンズ82により反射ミラー84上に集光される。その後、反射ミラー84により反射された参照光L2は、第2光学レンズ82により平行光になり、第1光学レンズ80により光ファイバFB5のコアに集光される。
また、基台86は、第2光学レンズ82と反射ミラー84とを固定し、ミラー移動機構88は、基台86を第1光学レンズ80の光軸方向(図2矢印A方向)に移動させる。
ミラー移動機構88で、基台86を矢印A方向に移動させることで、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変更することができ、参照光L2の光路長を調整することができる。
操作制御部32は、キーボード、マウス等の入力手段と、入力された情報に基づいて各種条件を管理する制御手段とを有し、信号処理部22に接続されている。操作制御部32は、入力手段から入力されたオペレータの指示に基づいて、信号処理部22における各種処理条件等の入力、設定、変更等を行う。
なお、操作制御部32は、操作画面をモニタ装置500に表示させてもよいし、別途表示部を設けて操作画面を表示させてもよい。また、操作制御部32で、第1の光源部12、第2の光源部13、光コネクタ18、干渉光検出部20、光路長ならびに検出器30aおよび30bの動作制御や各種条件の設定を行うようにしてもよい。
[OCTプローブ]
図3は、OCTプローブ600の断面図である。
図3は、OCTプローブ600の断面図である。
図3に示すように、挿入部602の先端部は、プローブ外筒620と、キャップ622と、回転側光ファイバFB1と、バネ624と、固定部材626と、光学レンズ628とを有している。
プローブ外筒(シース)620は、可撓性を有する筒状の部材であり、光コネクタ18においてエイミング光Leが合波された測定光L1および戻り光L3が透過する材料からなっている。なお、プローブ外筒620は、測定光L1(エイミング光Le)および戻り光L3が通過する先端(光コネクタ18と反対側の回転側光ファイバFB1の先端、以下プローブ外筒620の先端と言う)側の一部が全周に渡って光を透過する材料(透明な材料)で形成されていればよく、先端以外の部分については光を透過しない材料で形成されていてもよい。
キャップ622は、プローブ外筒620の先端に設けられ、プローブ外筒620の先端を閉塞している。
回転側光ファイバFB1は、線状部材であり、プローブ外筒620内にプローブ外筒620に沿って収容されており、固定側光ファイバFB2から射出され、光コネクタ18で光ファイバFB8から射出されたエイミング光Leと合波された測定光L1を光学レンズ628まで導波するとともに、測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに照射して光学レンズ628で取得した測定対象Sからの戻り光L3を光コネクタ18まで導波し、固定側光ファイバFB2に入射する。
ここで、回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2とは、光コネクタ18によって接続されており、回転側光ファイバFB1の回転が固定側光ファイバFB2に伝達しない状態で、光学的に接続されている。また、回転側光ファイバFB1は、プローブ外筒620に対して回転自在、およびプローブ外筒620の軸方向に移動自在な状態で配置されている。
バネ624は、回転側光ファイバFB1の外周に固定されている。また、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、光コネクタ18に接続されている。
光学レンズ628は、回転側光ファイバFB1の測定側先端(光コネクタ18と反対側の回転側光ファイバFB1の先端)に配置されており、先端部が、回転側光ファイバFB1から射出された測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し集光するために略球状の形状で形成されている。
光学レンズ628は、回転側光ファイバFB1から射出した測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し照射し、測定対象Sからの戻り光L3を集光し回転側光ファイバFB1に入射する。
固定部材626は、回転側光ファイバFB1と光学レンズ628との接続部の外周に配置されており、光学レンズ628を回転側光ファイバFB1の端部に固定する。ここで、固定部材626による回転側光ファイバFB1と光学レンズ628の固定方法は、特に限定されず、接着剤により、固定部材626と回転側光ファイバFB1および光学レンズ628を接着させて固定されても、ボルト等を用い機械的構造で固定してもよい。なお、固定部材626は、ジルコニアフェルールやメタルフェルールなど光ファイバの固定や保持あるいは保護のために用いられるものであれば、如何なるものを用いても良い。
また、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、後述する回転筒656に接続されており、回転筒656によって回転側光ファイバFB1およびバネ624を回転させることで、光学レンズ628をプローブ外筒620に対し、矢印R2方向に回転させる。また、光コネクタ18は、回転エンコーダを備え、回転エンコーダからの信号に基づいて光学レンズ628の位置情報(角度情報)から測定光L1の照射位置を検出する。つまり、回転している光学レンズ628の回転方向における基準位置に対する角度を検出して、測定位置を検出する。
さらに、回転側光ファイバFB1、バネ624、固定部材626、及び光学レンズ628は、後述する駆動部により、プローブ外筒620内部を矢印S1方向(鉗子口方向)、及びS2方向(プローブ外筒620の先端方向)に移動可能に構成されている。
また、図3左側は、OCTプローブ600の操作部604における回転側光ファイバFB1等の駆動部の概略を示す図である。
プローブ外筒620は、固定部材670に固定されている。これに対し、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、回転筒656に接続されており、回転筒656は、モータ652の回転に応じてギア654を介して回転するように構成されている。回転筒656は、光コネクタ18に接続されており、測定光L1及び戻り光L3は、光コネクタ18を介して回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2間を伝送される。
また、これらを内蔵するフレーム650は支持部材662を備えており、支持部材662は、図示しないネジ孔を有している。ネジ孔には進退移動用ボールネジ664が咬合しており、進退移動用ボールネジ664には、モータ660が接続されている。したがって、モータ660を回転駆動することによりフレーム650を進退移動させ、これにより回転側光ファイバFB1、バネ624、固定部材626、及び光学レンズ628を図3のS1及びS2方向に移動させることが可能となっている。
OCTプローブ600は、以上のような構成であり、光コネクタ18により回転側光ファイバFB1およびバネ624が、図3中矢印R2方向に回転されることで、光学レンズ628から射出される測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し、矢印R2方向(プローブ外筒620の円周方向)に対し走査しながら照射し、戻り光L3を取得する。エイミング光Leは、測定対象Sに、例えば青色、赤色あるいは緑色のスポット光として照射され、このエイミング光Leの反射光は、モニタ装置500に表示された観察画像に輝点としても表示される。
これにより、プローブ外筒620の円周方向の全周において、測定対象Sの所望の部位を正確にとらえることができ、測定対象Sを反射した戻り光L3を取得することができる。
さらに、3次元ボリュームデータを生成するための複数の断層画像を取得する場合は、駆動部により光学レンズ628が矢印S1方向の有効走査範囲の終端まで移動され、断層画像を取得しながら所定量ずつS2方向に移動し、又は断層画像取得とS2方向への所定量移動を交互に繰り返しながら、有効走査範囲の終端まで移動する。なお、有効走査範囲と後述する最大走査範囲との関係については後述する。
このように測定対象Sに対して所望の範囲の複数の断層画像を得て、取得した複数の断層画像に基づいて3次元ボリュームデータを得ることができる。
つまり、干渉信号により測定対象Sの深さ方向(第1の方向)の断層画像を取得し、測定対象Sに対し図3矢印R2方向(プローブ外筒620の円周方向)に走査(ラジアル走査)することで、第1の方向と該第1の方向と直交する第2の方向とからなるスキャン面での断層画像を取得することができる。さらには、このスキャン面に直交する第3の方向に沿ってスキャン面を移動させることで、3次元ボリュームデータを生成するための複数の断層画像が取得できる。
図4は、図1の内視鏡100の鉗子口156から導出されたOCTプローブを用いて断層画像を得る様子を示す図である。図4に示すように、OCTプローブ600の挿入部602の先端部を、測定対象Sの所望の部位に近づけて、断層画像を得る。所望の範囲の複数の断層画像を取得する場合は、OCTプローブ600本体を移動させる必要はなく、前述の駆動部によりプローブ外筒620内で光学レンズ628を移動させればよい。
<OCTプローブの突出量の検出処理>
図5は、内視鏡100の鉗子口156から導出されたOCTプローブ600の突出量を検出するときの様子を示した図である。同図では、説明の便宜上、内視鏡100の挿入部114やOCTプローブ600の挿入部602の内部構成を簡略化して表示している。
図5は、内視鏡100の鉗子口156から導出されたOCTプローブ600の突出量を検出するときの様子を示した図である。同図では、説明の便宜上、内視鏡100の挿入部114やOCTプローブ600の挿入部602の内部構成を簡略化して表示している。
本実施形態のOCTプロセッサ400は、OCTプローブ600の突出量の検出処理を行う突出量検出部34を備えており(図2参照)、操作者の操作により操作制御部32から所定の制御信号(検出開始信号)が突出量検出部34に入力されると、以下の処理が実行される。
まず、突出量検出部34は、OCTプローブ600の駆動部を制御して、光学レンズ628を矢印S2方向の最大走査範囲の終端(走査開始位置)P0に移動させる。次いで、光学レンズ628を矢印R2方向(ラジアル方向)に回転させずに矢印S1方向(リニア方向)に一定速度vで移動させながら、光学レンズ628から測定対象Sに測定光L1を照射するとともに、測定対象Sから反射した戻り光L3を光学レンズ628で取得する。このとき、リニア方向の走査(リニアスキャン)は、光学レンズ628が矢印S1方向の最大走査範囲の終端(走査終了位置)P2に到達するまで行う。
ここで、光学レンズ628の最大走査範囲とは、両端がメカ端で規制される移動可能範囲のことであり、想定されるOCTプローブ600の最大突出量よりも十分に広い範囲に設定されている。換言すれば、光学レンズ628が走査終了位置P2に移動したとき、光学レンズ628は内視鏡100の鉗子口156が形成される位置(鉗子口位置)P1よりも基端側(鉗子チャンネル158側)に存在するように構成される。
また、光学レンズ628の有効走査範囲は、通常の断層画像を取得する時の走査範囲であり、本実施形態では、最大走査範囲内の任意の範囲を有効走査範囲として設定することが可能となっている。図5に示した例では、S1方向の有効走査範囲の終端は鉗子口位置P1よりも先端側(鉗子チャンネル158とは反対側)に設定されている。
干渉光検出部20は、光学レンズ628で取得された戻り光L3と参照光L2との干渉光を干渉信号として検出する。信号処理部22は、干渉光検出部20で検出された干渉信号に基づき、リニア方向の断層画像(リニア断層画像)を生成する。信号処理部22で生成されたリニア断層画像は、突出量検出部34に与えられる。
突出量検出部34は、信号処理部22から与えられたリニア断層画像に基づき、OCTプローブ600の突出量を検出する。
ここで、光学レンズ628をリニア方向に走査したときに得られるリニア断層画像の一例を図6に示す。同図では、横軸は光学レンズ628が走査開始位置P0からリニア方向の走査を開始してからの時間tを表し、縦軸は光学レンズ628の位置を基点としたときの深さ方向の位置を表している。
図6に示すように、光学レンズ628をリニア方向に走査したときに得られるリニア断層画像は、所定のタイミングで測定対象Sの断層データを含む断層領域から測定対象Sの断層データを含まない非断層領域に変化している。これは、断層領域から非断層領域に変化するタイミングで光学レンズ628が鉗子口位置P1を通過することを意味しており、光学レンズ628が鉗子チャンネル158内となる非断層領域では鉗子チャンネル158の内壁面データが出現している。
そこで本実施形態では、リニア断層画像が断層領域から非断層領域に変化するときの時間をt1としたとき、この時間t1をリニア断層画像の変化から求め、この時間t1に光学レンズ628のリニア方向の移動速度(走査速度)vを乗じることにより、内視鏡100の鉗子口156からのOCTプローブ600の突出量(厳密には、鉗子口156から走査開始位置P0までの距離)L(=t1×v)を算出する。
リニア断層画像が断層領域から非断層領域に変化するときの時間t1を求める方法としては、例えば、リニア断層画像から測定対象Sの断層データが消失するタイミングを検出してもよいし、リニア断層画像に鉗子チャンネル158の内壁面データが出現するタイミングを検出してもよい。また、これらの方法を組み合わせることによって時間t1を精度よく求めることが可能となる。
図5に示すように、鉗子チャンネル158の内壁面の鉗子口156周辺部には1又は複数の検出用マーカ630が設けられてもよい。検出用マーカ630は、鉗子チャンネル158の内壁面の他の部分よりも反射率が低くなっている。これにより、図6に示すように、リニア断層画像の非断層領域には検出用マーカ630に対応する位置にマーカ部(高濃度部)632が検出されるようになるので、リニア断層画像が断層領域から非断層領域に変化するときの時間t1をより高精度に求めることが可能となる。
突出量検出部34は、上記のようにして算出されたOCTプローブ600の突出量をモニタ装置500に表示する。モニタ装置500の表示内容については、操作者がOCTプローブ600の突出量を把握可能であれば特に限定されるものではないが、例えば、文字、図形、又は記号、或いはこれらの組み合わせにより、OCTプローブ600の突出量を複数のレベルに分けて段階的に表示する態様が好ましい。この場合、操作者がOCTプローブ600の突出量を瞬時に把握することが可能となる。また、OCTプローブ600の突出量を数値で具体的に表示する態様も好ましく、操作者の意図に応じてOCTプローブ600の突出量を細かく調整することが可能となる。
本実施形態によれば、光学レンズ628から射出される測定光L1をラジアル方向に回転走査することなくリニア方向に走査したときに得られるリニア断層画像からOCTプローブ600の突出量を検出する。このため、内視鏡100やOCTプローブ600に専用の検出手段を設ける必要がないので、内視鏡100の挿入部114の太径化を招くことなく簡易な構成で、OCTプローブ600の突出量を正確に把握することが可能となる。
また、本実施形態では、OCTプローブ600の突出量に応じて光学レンズ628の有効走査範囲を自動又は手動で設定する態様が好ましい。例えば図5に示すように、突出量検出部34は、OCTプローブ600の突出量を検出した後、光学レンズ628の走査開始位置P0と鉗子口位置P1との間に有効走査範囲が含まれるように自動的に設定する。
また、手動で設定する場合には、モニタ装置500にリニア断層画像を表示するようにすることも好ましい。例えば図7に示すように、リニア断層画像の断層領域の中に癌などの病変部が含まれる場合、操作者はリニア断層画像を確認しながら病変部を含む所望の範囲を有効走査範囲として設定することが可能となる。なお、有効走査範囲の指定は、操作制御部32を通じて行われる。
このようにOCTプローブ600の突出量に応じて光学レンズ628の有効走査範囲を自動又は手動で設定することにより、通常の断層画像を取得するときのリニア方向の走査範囲(スキャンエリア)が最適化され、無駄な走査を行うことなく測定時間の短縮化を図ることができ、患者負担を軽減することが可能となる。
なお、本実施形態では、光学レンズ628の走査開始位置P0を最大走査範囲の矢印S2方向の終端とし、走査終了位置P2を最大走査範囲の矢印S1方向の終端としているが、これとは逆に、走査開始位置P0を最大走査範囲の矢印S1方向の終端とし、走査終了位置P2を最大走査範囲の矢印S2方向の終端としてもよい。この場合、図8に示すようなリニア断層画像が得られることになるので、非断層領域から断層領域に変化した時間t1’と走査終了位置P2に到達するまでの時間t2’との差(t2’−t1’)に走査速度vを乗じた値((t2’−t1’)×v)がOCTプローブ600の突出量Lとなる。
以上、本発明の画像診断装置及び画像診断方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…画像診断装置、20…干渉光検出部、22…信号処理部、32…操作制御部、34…突出量検出部、100…内視鏡、114…挿入部、138…鉗子挿入部、156…鉗子口、158…鉗子チャンネル、200…内視鏡プロセッサ、300…光源装置、400…OCTプロセッサ、500…モニタ装置、600…OCTプローブ、628…光学レンズ
Claims (10)
- 体腔内に挿入される内視鏡挿入部に設けられた鉗子チャンネルに挿通され、該鉗子チャンネルの先端に形成される鉗子口から先端部を所定量突出させた光プローブを用いて測定対象の光断層画像を取得する画像診断装置であって、
光源から光ファイバを介して伝搬した測定光を測定対象に照射するともに、該測定対象からの戻り光を得る光学レンズと、
前記測定光を前記光プローブの長軸周りに回転走査することなく前記光プローブの長軸方向にリニア走査する第1の走査手段と、
前記第1の走査手段による走査を行ったときに前記光学レンズで得られた戻り光に基づいて、前記光プローブの長軸方向のリニア断層画像を取得するリニア断層画像取得手段と、
前記リニア断層画像から前記光プローブの突出量を求める突出量算出手段と、
を備えたことを特徴とする画像診断装置。 - 前記第1の走査手段のリニア走査範囲の両端のうち、一方の端部は前記鉗子口の前記鉗子チャンネル側とは反対側に位置し、他方の端部は前記鉗子口の前記鉗子チャンネル側に位置することを特徴とする請求項1に記載の画像診断装置。
- 前記突出量算出手段は、前記リニア断層画像の中から前記測定対象の断層データが出現又は消失するタイミングに基づいて前記光プローブの突出量を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像診断装置。
- 前記突出量算出手段は、前記リニア断層画像の中から前記鉗子チャンネルの内壁面データが出現又は消失するタイミングに基づいて前記光プローブの突出量を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像診断装置。
- 前記突出量算出手段によって求められた前記光プローブの突出量を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像診断装置。
- 前記表示手段には前記リニア断層画像が表示されることを特徴とする請求項5に記載の画像診断装置。
- 前記鉗子チャンネルの内壁面の鉗子口周辺部には所定の反射率を有する第1の反射部と該第1の反射部より低い反射率を有する第2の反射部とが設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像診断装置。
- 前記突出量算出手段により求められた前記光プローブの突出量に応じて前記測定光の前記光プローブの長軸方向のリニア走査範囲を設定する走査範囲設定手段と、
前記測定光を前記光プローブの長軸周りに回転走査しながら前記走査範囲設定手段で設定された前記リニア走査範囲内で前記光プローブの長軸方向にリニア走査する第2の走査手段と、
前記第2の走査手段による走査を行ったときに前記光学系で得られた戻り光に基づいて光断層画像を取得する光断層画像取得手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像診断装置。 - 前記走査範囲設定手段は、操作者の指示にしたがって前記リニア走査範囲を手動で設定可能な手段であることを特徴とする請求項8のいずれか1項に記載の画像診断装置。
- 体腔内に挿入される内視鏡挿入部に設けられた鉗子チャンネルに挿通され、該鉗子チャンネルの先端に形成される鉗子口から先端部を所定量突出させた光プローブを用いて測定対象の光断層画像を生成する画像診断方法であって、
光源から光ファイバを介して伝搬した測定光を光学系から測定対象に照射するともに、該測定対象からの戻り光を前記光学系で得るステップと、
前記測定光を前記光プローブの長軸周りに回転走査することなく前記光プローブの長軸方向にリニア走査するステップと、
前記リニア走査を行ったときに前記光学系で得られた戻り光に基づいて、前記光プローブの長軸方向のリニア断層画像を取得するステップと、
前記リニア断層画像から前記光プローブの突出量を求めるステップと、
を含むことを特徴とする画像診断方法。
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KR20180073059A (ko) * | 2016-12-22 | 2018-07-02 | 테라셈 주식회사 | 내시경 장치 및 이것의 제어 방법 |
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-
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