JP2012050516A - 携帯型超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確に且つ容易に弾性画像診断を行うことができる携帯型超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波プローブ1のテーパー部6を圧迫板13の貫通孔15に上方から挿入し、プローブ本体4をプローブ保持板12に形成された切り欠き14に挿入することにより、超音波プローブ1が圧迫ユニット10に位置固定され、超音波プローブ1の超音波送受信面5が圧迫板13の圧迫面16と同一面を形成する。操作者は、表示部9を手前に向けて超音波プローブ1が取り付けられた圧迫ユニット10と診断装置本体3の筺体8を両手で持ち、圧迫ユニット10の圧迫面16を被検体の表面に当接して押圧しながら測定を行う。
【選択図】図3

Description

この発明は、携帯型超音波診断装置に係り、特に、弾性画像診断を行うことができる携帯型超音波診断装置に関する。
従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、振動子アレイを内蔵した超音波プローブと、この超音波プローブに接続された装置本体とを有しており、超音波プローブから被検体に向けて超音波を送信し、被検体からの超音波エコーを超音波プローブで受信して、その受信信号を装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
近年、信号処理回路の集積化技術の発達により、例えば特許文献1に示されているように、片手で持つことができる程度の大きさの携帯型超音波診断装置が実現されている。このように装置を著しく小型化することにより、聴診器と同様の手軽さで超音波診断が可能となることが期待されている。ただし、現状の携帯型超音波診断装置では、Bモード/カラードプラモード等の2D機能程度の簡単な機能しか搭載されていないものが多く、さらに多くの機能を使用可能となることが望まれている。
一方、被検体内の関心領域の局所的な硬さを診断する技術として、例えば特許文献2に開示されるように、いわゆるエラストグラフィと呼ばれる弾性画像診断が普及している。これは、主に圧迫板を取り付けたプローブで被検体の表面から関心領域を圧迫することにより、応力分布と歪みデータから関心領域の弾性情報を画像化するものである。
特開2006−25904号公報 特開2005−13283号公報
特許文献2に示されるような弾性画像診断の機能を携帯型超音波診断装置に搭載することができれば、手軽に生体組織の弾性測定が可能となるが、この場合、操作者が一方の手に携帯型超音波診断装置を持ち、他方の手に圧迫板が取り付けられたプローブを持って、被検体の表面を圧迫することとなる。しかしながら、正確な弾性測定を行うためには、被検体に対して圧迫板を安定した姿勢で押圧しなければならず、それを片手で行うのは熟練者でなければ困難である。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、正確に且つ容易に弾性画像診断を行うことができる携帯型超音波診断装置を提供することを目的とする。
この発明に係る携帯型超音波診断装置は、超音波の送受信を行うための超音波送受信面を有する超音波プローブと、互いに反対方向を向いた第1の面および第2の面を含む筐体を有すると共に筐体の第1の面に超音波画像を表示する表示部が形成された携帯型の診断装置本体と、筐体の第2の面に配置されると共に超音波プローブを取り付け可能な圧迫ユニットとを備え、圧迫ユニットに取り付けられた超音波プローブの超音波送受信面を被検体に圧迫した状態で超音波プローブから超音波の送受信を行うものである。
好ましくは、圧迫ユニットは、超音波プローブを取り付けたときに超音波プローブの超音波送受信面とほぼ同一面を形成すると共に筐体の第2の面に対してほぼ垂直で且つ筐体の第2の面より外側に位置する圧迫面を有している。
さらに、圧迫ユニットが圧迫面に配置された圧力センサを有するか、あるいは、圧迫ユニットを超音波プローブの超音波送受信面に対してほぼ垂直な方向に移動可能に支持する移動機構と、移動機構による圧迫ユニットの移動量に応じて伸縮する弾性部材とをさらに備えることが好ましい。
また、圧迫ユニットを、筐体の第2の面に垂直な回転軸の回りに回転可能とすることもできる。この場合、圧迫ユニットの回転角度を検出する回転角度検出部をさらに備えることが好ましい。
超音波プローブと診断装置本体は、通信ケーブルを介して互いに接続することができ、通信ケーブルは、筐体の第2の面から見て、圧迫ユニットの圧迫面と重ならない方向に筐体から引き出されることが好ましい。
あるいは、超音波プローブと診断装置本体は、それぞれ互いに無線通信するための無線通信部を有することもでき、圧迫ユニットに超音波プローブを取り付けたときに、超音波プローブの無線通信部と診断装置本体の無線通信部とが互いに近接配置されることが好ましい。
この発明によれば、診断装置本体の筐体の第1の面に超音波画像を表示する表示部が形成されると共に第2の面に圧迫ユニットが配置され、この圧迫ユニットに超音波プローブを取り付け可能としたので、操作者は超音波プローブが取り付けられた携帯型の診断装置本体を一体的に持って正確に且つ容易に弾性画像診断を行うことが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る携帯型超音波診断装置を示す図である。 実施の形態1における診断装置本体を示し、(A)は背面図、(B)は側面図、(C)は平面図、(D)は底面図である。 圧迫ユニットに超音波プローブが取り付けられた実施の形態1の携帯型超音波診断装置を示し、(A)は背面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。 実施の形態1に係る携帯型超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 圧迫ユニットに超音波プローブが取り付けられた実施の形態2の携帯型超音波診断装置を示し、(A)は側面図、(B)は背面図である。 実施の形態3に係る携帯型超音波診断装置の診断時の様子を示す図である。 実施の形態3に係る携帯型超音波診断装置を示す図である。 実施の形態3の変形例に係る携帯型超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る携帯型超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 圧迫ユニットに超音波プローブが取り付けられた実施の形態4の携帯型超音波診断装置を示す側面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る携帯型超音波診断装置を示す。携帯型超音波診断装置は、超音波プローブ1と、この超音波プローブ1に通信ケーブル2を介して接続された診断装置本体3とを備えている。超音波プローブ1は、円柱状のプローブ本体4を有し、プローブ本体4の先端に超音波送受信面5を有する先細り形状のテーパー部6が形成されている。また、プローブ本体4の中間部には、環状のフランジ部7が形成されている。
診断装置本体3は、厚さの薄い直方体形状の筺体8を有し、筺体8の互いに反対方向を向いた第1の面8aおよび第2の面8bのうち第1の面8aに超音波画像を表示するための表示部9が形成されている。一方、筺体8の第2の面8bには、圧迫ユニット10が配置されている。
圧迫ユニット10は、超音波プローブ1を取り付け可能に構成されており、図2に示されるように、筺体8の第2の面8bに接合固定された固定板11と、固定板11の上端から筺体8の第2の面8bに垂直に延びるプローブ保持板12と、固定板11の下端から筺体8の第2の面8bに垂直に延びる圧迫板13を有している。プローブ保持板12には、超音波プローブ1のプローブ本体4を嵌入するための切り欠き14が形成され、圧迫板13には、超音波プローブ1のテーパー部6を挿入するための先細りテーパー形状の貫通孔15が形成されている。
また、圧迫板13の下面は、弾性画像診断を行う際に被検体の表面を押圧する圧迫面16を形成し、この圧迫面16に貫通孔15を挟むように一対の圧力センサ17が配置されている。
超音波プローブ1を圧迫ユニット10に取り付ける際には、超音波プローブ1のテーパー部6を圧迫ユニット10の圧迫板13の貫通孔15に上方から挿入し、プローブ本体4を圧迫ユニット10のプローブ保持板12に形成された切り欠き14に挿入する。これにより、図3に示されるように、超音波プローブ1のテーパー部6が圧迫板13のテーパー状の貫通孔15に嵌合すると共に超音波プローブ1のフランジ部7の上面がプローブ保持板12の下面に当接し、超音波プローブ1が圧迫ユニット10に位置固定された状態となる。このとき、超音波プローブ1の先端の超音波送受信面5は圧迫板13の圧迫面16と同一面を形成する。
ここで、超音波プローブ1と診断装置本体3の内部構成を図4に示す。
超音波プローブ1は、1次元又は2次元の振動子アレイを構成する複数の超音波トランスデューサ21を有し、これらトランスデューサ21にそれぞれ対応して受信信号処理部22が接続されている。また、複数のトランスデューサ21に送信駆動部23を介して送信制御部24が接続され、複数の受信信号処理部22に受信制御部25が接続され、これら送信制御部24および受信制御部25にプローブ制御部26が接続されている。
複数のトランスデューサ21は、それぞれ送信駆動部23から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各トランスデューサ21は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子によって構成される。
そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧を印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。
送信駆動部23は、例えば、複数のパルサを含んでおり、送信制御部24によって選択された送信遅延パターンに基づいて、複数のトランスデューサ21から送信される超音波が被検体内の組織のエリアをカバーする幅広の超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して複数のトランスデューサ21に供給する。
各チャンネルの受信信号処理部22は、受信制御部25の制御の下で、対応するトランスデューサ21から出力される受信信号に対して直交検波処理又は直交サンプリング処理を施すことにより複素ベースバンド信号を生成し、複素ベースバンド信号をサンプリングすることにより、組織のエリアの情報を含むサンプルデータを生成する。受信信号処理部21は、複素ベースバンド信号をサンプリングして得られるデータに高能率符号化のためのデータ圧縮処理を施すことによりサンプルデータを生成してもよい。
プローブ制御部26は、診断装置本体3から伝送される各種の制御信号に基づいて、超音波プローブ1の各部の制御を行う。
なお、超音波プローブ1を圧迫ユニット10に取り付けたときに、超音波プローブ1に配設されている図示しない電極と圧迫ユニット10に配置された図示しない電極とが互いに接触する、等の手段により、プローブ制御部26には、圧迫ユニット10の圧迫面16に配置されている圧力センサ17の出力信号が入力されるように構成されている。
また、超音波プローブ1は、リニアスキャン方式、コンベックススキャン方式、セクタスキャン方式等の走査方式が採用される。
一方、診断装置本体3は、データ格納部27を有し、データ格納部27に画像生成部28が接続されている。さらに、画像生成部28に表示制御部29を介して表示部9が接続されている。画像生成部28および表示制御部29に本体制御部30が接続されている。さらに、本体制御部30には、オペレータが入力操作を行うための操作部31と、動作プログラムを格納する格納部32がそれぞれ接続されている。
データ格納部27は、メモリまたはハードディスク等によって構成され、通信ケーブル2を介して超音波プローブ1の受信信号処理部22から伝送された少なくとも1フレーム分のサンプルデータを格納する。
画像生成部28は、データ格納部27から読み出される1フレーム毎のサンプルデータに受信フォーカス処理を施して、超音波診断画像を表す画像信号を生成する。画像生成部28は、整相加算部33と画像処理部34とを含んでいる。
整相加算部33は、本体制御部30において設定された受信方向に応じて、予め記憶されている複数の受信遅延パターンの中から1つの受信遅延パターンを選択し、選択された受信遅延パターンに基づいて、サンプルデータによって表される複数の複素ベースバンド信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれたベースバンド信号(音線信号)が生成される。
画像処理部34は、整相加算部33によって生成される音線信号に基づいて、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。画像処理部34は、STC(sensitivity time control)部と、DSC(digital scan converter:デジタル・スキャン・コンバータ)とを含んでいる。STC部は、音線信号に対して、超音波の反射位置の深度に応じて、距離による減衰の補正を施す。DSCは、STC部によって補正された音線信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)し、階調処理等の必要な画像処理を施すことにより、Bモード画像信号を生成する。
表示制御部29は、画像生成部28によって生成される画像信号に基づいて、表示部9に超音波診断画像を表示させる。表示部9は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部29の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
また、画像生成部28の整相加算部33に弾性情報演算部35が接続され、この弾性情報演算部35に表示制御部29と本体制御部30が接続されている。
本体制御部30は、診断装置本体3内の各部の制御を行うものである。本体制御部30は、通信ケーブル2を介して超音波プローブ1のプローブ制御部26と接続されており、超音波プローブ1を圧迫ユニット10に取り付けて弾性画像診断を行う場合に、通信ケーブル2およびプローブ制御部26を介して圧力センサ17の出力信号を入力し、弾性情報演算部35へ出力する。
弾性情報演算部35は、本体制御部30の制御の下で、画像生成部28の整相加算部33で生成された音線信号と、本体制御部30から入力された圧力センサ17の出力信号とに基づき、応力分布と歪みデータから関心領域の弾性情報を演算すると共に弾性情報を画像化して表示制御部29へ出力する。
このような診断装置本体3において、画像生成部28、表示制御部29、本体制御部30および弾性情報演算部35は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。上記の動作プログラムは、格納部32に格納される。
次に、実施の形態1の動作について説明する。
まず、通常の超音波診断を行う際には、図1に示したように、超音波プローブ1を診断装置本体3と一体化せずに、操作者は、一方の手に診断装置本体3を持ち、他方の手に超音波プローブ1を持って、超音波プローブ1を被検体の表面に当接する。この状態で、超音波プローブ1の送信駆動部23から供給される駆動信号に従って複数のトランスデューサ21から超音波が送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各トランスデューサ21から出力された受信信号がそれぞれ対応する受信信号処理部22に供給されてサンプルデータが生成され、通信ケーブル2を介して診断装置本体3へ伝送されてデータ格納部27に格納される。さらに、データ格納部27から1フレーム毎のサンプルデータが読み出され、画像生成部28で画像信号が生成され、この画像信号に基づいて表示制御部29により超音波診断画像が筺体8の表示部9に表示される。
次に、弾性画像診断を行う場合には、図3に示したように、超音波プローブ1を圧迫ユニット10に取り付けて診断装置本体3と一体化する。操作者は、表示部9を手前に向けて超音波プローブ1が取り付けられた圧迫ユニット10と診断装置本体3の筺体8を両手で持ち、圧迫ユニット10の圧迫面16を被検体の表面に当接して押圧しながら測定を行う。
上述した通常の超音波診断の場合と同様にして、複数のトランスデューサ21から超音波が送信され、被検体からの超音波エコーを受信して受信信号処理部22でサンプルデータが生成され、通信ケーブル2を介して診断装置本体3へ伝送されてデータ格納部27に格納される。さらに、データ格納部27から1フレーム毎のサンプルデータが読み出されて画像生成部28へ送られる。これと同時に、圧迫ユニット10の圧迫面16に配置された圧力センサ17の出力信号がプローブ制御部26、通信ケーブル2および本体制御部30を介して弾性情報演算部35に入力される。弾性情報演算部35により、画像生成部28の整相加算部33で生成された音線信号と、圧力センサ17の出力信号とに基づき、応力分布と歪みデータから関心領域の弾性情報が演算され、弾性情報が画像化されて表示制御部29へ出力される。そして、表示制御部29により、弾性画像が表示部9に表示される。
このとき、操作者は、表示部9を手前に向けて圧迫ユニット10と診断装置本体3の筺体8を両手で持っているので、表示部9に表示された弾性画像を正面に見ることができ、また、被検体に対して圧迫ユニット10の圧迫面16を安定した姿勢で押圧することができ、携帯型でありながら、正確に且つ容易に弾性測定を行うことが可能となる。
実施の形態2
図5に実施の形態2に係る携帯型超音波診断装置を示す。この携帯型超音波診断装置は、実施の形態1の装置において、圧迫ユニット10の圧迫面16に圧力センサ17を配置する代わりに、移動機構により圧迫ユニット10を診断装置本体3の筺体8に対して移動可能に支持するようにしたものである。
診断装置本体3の筺体8の第2の面8bに支持板41が固定されると共に支持板41の表面上に筺体8の長さ方向に沿って延びるレール42が配設され、圧迫ユニット10の固定板11がこのレール42に沿って移動可能に取り付けられている。また、支持板41には、バネ保持部43が形成され、バネ保持部43と圧迫ユニット10の固定板11との間に弾性部材としてコイルバネ44が連結されている。これにより、圧迫ユニット10は、圧迫ユニット10に取り付けられた超音波プローブ1の超音波送受信面5に対してほぼ垂直な方向に移動可能に支持され、圧迫ユニット10の移動量に応じてコイルバネ44が伸縮することとなる。
弾性画像診断を行う際には、実施の形態1と同様に、超音波プローブ1を圧迫ユニット10に取り付けて診断装置本体3と一体化し、表示部9を手前に向けて超音波プローブ1が取り付けられた圧迫ユニット10と診断装置本体3の筺体8を両手で持ち、圧迫ユニット10の圧迫面16を被検体の表面に当接して押圧しながら測定を行う。
このとき、被検体の表面への押圧力に応じてコイルバネ44が収縮され、圧迫ユニット10がレール42に沿って移動する。そこで、コイルバネ44の収縮量すなわち圧迫ユニット10の移動量を調整することにより、圧迫ユニット10の圧迫面16により被検体の表面に付与される圧力を変えることができる。
操作者は、圧迫ユニット10の移動量が予め決められた設定値となるように圧迫ユニット10の圧迫面16により被検体の表面を押圧し、この状態で測定が行われる。
診断装置本体3の弾性情報演算部35は、設定された圧迫ユニット10の移動量に対応して予め求められている圧力値と画像生成部28の整相加算部33で生成された音線信号とに基づき、応力分布と歪みデータから関心領域の弾性情報を演算し、弾性情報を画像化して表示制御部29へ出力する。そして、表示制御部29により、弾性画像が表示部9に表示される。
このように、圧力センサ17の代わりに、移動機構によって圧迫ユニット10を診断装置本体3の筺体8に対して移動可能に支持する構成としても、実施の形態1と同様に、表示部9に表示された弾性画像を正面に見ることができると共に圧迫ユニット10の圧迫面16を安定した姿勢で押圧することができ、正確に且つ容易に弾性測定を行うことが可能となる。
実施の形態3
上述した実施の形態1において、圧迫ユニット10を診断装置本体3の筺体8に対して回転可能に構成することもできる。実施の形態1では、圧迫ユニット10の固定板11が診断装置本体3の筺体8の第2の面8bに接合固定されていたが、固定板11を筺体8の第2の面8bに垂直な回転軸の回りに回転可能に配設する。
これにより、図6に示されるように、被検体の傾斜した表面Sに対してほぼ垂直に圧迫ユニット10の圧迫面16を押圧しながらも、診断装置本体3の筺体8をほぼ鉛直方向に回転させて表示部9に表示された弾性画像を見やすくすることができる。
このとき、図7に示されるように、超音波プローブ1と診断装置本体3とを接続する通信ケーブル2が、筺体8の第2の面8bから見て、圧迫ユニット10の圧迫面16と重ならない方向に筐体8から引き出されることが好ましい。このようにすれば、通信ケーブル2に邪魔されることなく、通常の超音波診断および弾性画像診断を行うことが可能となる。
また、図8に示されるように、圧迫ユニット10の回転角度を検出する回転角度検出部51を備えることもできる。回転角度検出部51は、例えば固定板11の回転軸部に配置され、診断装置本体3の筺体8に対する圧迫ユニット10の回転角度を検出し、診断装置本体3の本体制御部30に出力する。本体制御部30は、検出された回転角度の値がしきい値を越えると、被検体に対して圧迫ユニット10の圧迫面16を安定した姿勢で押圧することが困難であると判断し、表示部9に警告を表示したり警告音を発することもできる。
なお、実施の形態2においても、同様に、支持板41を診断装置本体3の筺体8の第2の面8bに垂直な回転軸の回りに回転可能に配設することにより、圧迫ユニット10を診断装置本体3の筺体8に対して回転可能に構成することが可能である。
実施の形態4
上述した実施の形態1〜3では、超音波プローブ1と診断装置本体3とが通信ケーブル2を介して接続されていたが、互いに無線接続することもできる。
図9に実施の形態4に係る携帯型超音波診断装置の内部構成を示す。超音波プローブ61と診断装置本体62とが互いに無線通信により接続されている。
超音波プローブ61は、図4に示した実施の形態1における超音波プローブ1において、受信信号処理部22にパラレル/シリアル変換部63を介して無線通信部64を接続すると共に、無線通信部64に通信制御部65を接続したものであり、パラレル/シリアル変換部63と通信制御部65にプローブ制御部26が接続されている。
パラレル/シリアル変換部63は、複数チャンネルの受信信号処理部22によって生成されたパラレルのサンプルデータを、シリアルのサンプルデータに変換する。
無線通信部64は、シリアルのサンプルデータに基づいてキャリアを変調して伝送信号を生成し、伝送信号をアンテナに供給してアンテナから電波を送信することにより、シリアルのサンプルデータを送信する。変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)等が用いられる。
無線通信部64は、診断装置本体62との間で無線通信を行うことにより、サンプルデータを診断装置本体62に送信すると共に、診断装置本体62から各種の制御信号を受信して、受信された制御信号を通信制御部65に出力する。通信制御部65は、プローブ制御部26によって設定された送信電波強度でサンプルデータの送信が行われるように無線通信部64を制御すると共に、無線通信部64が受信した各種の制御信号をプローブ制御部26に出力する。
一方、診断装置本体62は、図4に示した実施の形態1における診断装置本体3において、無線通信部66を新たに配置すると共に、この無線通信部66とデータ格納部27との間にシリアル/パラレル変換部67を接続し、さらに、無線通信部66と本体制御部30との間に通信制御部68を接続したものである。
無線通信部66は、超音波プローブ61との間で無線通信を行うことにより、各種の制御信号を超音波プローブ61に送信する。また、無線通信部66は、アンテナによって受信される信号を復調することにより、シリアルのサンプルデータを出力する。
シリアル/パラレル変換部67は、無線通信部66から出力されるシリアルのサンプルデータを、パラレルのサンプルデータに変換する。
通信制御部68は、本体制御部30によって設定された送信電波強度で各種の制御信号の送信が行われるように無線通信部66を制御する。
このような構成により、超音波プローブ61と診断装置本体62とを互いに無線通信により接続しても、実施の形態1〜3と同様にして、診断装置本体62の表示部9に表示された弾性画像を正面に見ることができると共に圧迫ユニット10の圧迫面16を安定した姿勢で押圧することができ、携帯型でありながらも正確に且つ容易に弾性測定を行うことが可能となる。
この実施の形態4では、超音波プローブ61と診断装置本体62とを接続する通信ケーブルが存在しないので、携帯型超音波診断装置の操作性が向上する。
なお、図10に示されるように、超音波プローブ61の無線通信部64と診断装置本体62の無線通信部66は、超音波プローブ61を圧迫ユニット10に取り付けて診断装置本体62と一体化したときに互いに近接するように、予め超音波プローブ61内および診断装置本体62内に配置されていることが好ましい。このようにすれば、安定した無線通信を実現することができ、より正確な弾性測定が可能となる。
なお、この実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、圧迫ユニット10の固定板11を診断装置本体62の筺体8の第2の面8bに垂直な回転軸の回りに回転可能に配設することにより、圧迫ユニット10を診断装置本体62の筺体8に対して回転可能に構成することが可能である。この場合、図9に示されるように、圧迫ユニット10の回転角度を検出する回転角度検出部51を診断装置本体62の本体制御部30に接続することもできる。
1,61 超音波プローブ、2 通信ケーブル、3,62 診断装置本体、4 プローブ本体、5 超音波送受信面、6 テーパー部、7 フランジ部、8 筺体、8a 第1の面、8b 第2の面、9 表示部、10 圧迫ユニット、11 固定板、12 プローブ保持板、13 圧迫板、14 切り欠き、15 貫通孔、16 圧迫面、17 圧力センサ、21 トランスデューサ、22 受信信号処理部、23 送信駆動部、24 送信制御部、25 受信制御部、26 プローブ制御部、27 データ格納部、28 画像生成部、29 表示制御部、30 本体制御部、31 操作部、32 格納部、33 整相加算部、34 画像処理部、41 支持板、42 レール、43 バネ保持部、44 コイルバネ、51 回転角度検出部、63 パラレル/シリアル変換部、64 無線通信部、65 通信制御部、66 無線通信部、67 シリアル/パラレル変換部、68 通信制御部。

Claims (8)

  1. 超音波の送受信を行うための超音波送受信面を有する超音波プローブと、
    互いに反対方向を向いた第1の面および第2の面を含む筐体を有すると共に前記筐体の第1の面に超音波画像を表示する表示部が形成された携帯型の診断装置本体と、
    前記筐体の第2の面に配置されると共に前記超音波プローブを取り付け可能な圧迫ユニットと
    を備え、前記圧迫ユニットに取り付けられた前記超音波プローブの前記超音波送受信面を被検体に圧迫した状態で前記超音波プローブから超音波の送受信を行うことを特徴とする携帯型超音波診断装置。
  2. 前記圧迫ユニットは、前記超音波プローブを取り付けたときに前記超音波プローブの前記超音波送受信面とほぼ同一面を形成すると共に前記筐体の第2の面に対してほぼ垂直で且つ前記筐体の第2の面より外側に位置する圧迫面を有する請求項1に記載の携帯型超音波診断装置。
  3. 前記圧迫ユニットは、前記圧迫面に配置された圧力センサを有する請求項2に記載の携帯型超音波診断装置。
  4. 前記圧迫ユニットを前記超音波プローブの前記超音波送受信面に対してほぼ垂直な方向に移動可能に支持する移動機構と、
    前記移動機構による前記圧迫ユニットの移動量に応じて伸縮する弾性部材と
    をさらに備えた請求項2に記載の携帯型超音波診断装置。
  5. 前記圧迫ユニットは、前記筐体の第2の面に垂直な回転軸の回りに回転可能である請求項2に記載の携帯型超音波診断装置。
  6. 前記圧迫ユニットの回転角度を検出する回転角度検出部をさらに備えた請求項5に記載の携帯型超音波診断装置。
  7. 前記超音波プローブと前記診断装置本体とが通信ケーブルを介して互いに接続され、
    前記通信ケーブルは、前記筐体の第2の面から見て、前記圧迫ユニットの前記圧迫面と重ならない方向に前記筐体から引き出されている請求項2〜6のいずれか一項に記載の携帯型超音波診断装置。
  8. 前記超音波プローブと前記診断装置本体は、それぞれ互いに無線通信するための無線通信部を有し、
    前記圧迫ユニットに前記超音波プローブを取り付けたときに、前記超音波プローブの無線通信部と前記診断装置本体の無線通信部とが互いに近接配置される請求項2〜6のいずれか一項に記載の携帯型超音波診断装置。
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