JP2012048569A - 光ポインティング装置およびそれを備える電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ポインティング装置の部品点数を少なくして、かつ、撮像素子への外乱光の入射を防止する。
【解決手段】被写体13に光Mを照射する光源2と、被写体13からの反射光Lを反射させて内部を導光させるカバー部4と、カバー部4によって導光された光を受光する撮像素子3とを備え、カバー部4が光源2および撮像素子3を保護するものであり、光ポインティング装置の少なくとも1つの側面から入射する外乱光16が撮像素子3に入射することを抑制する外乱光抑制手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力装置に関し、より詳細には、携帯電話等の携帯情報端末に搭載可能な光ポインティング装置に関するものである。
携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯情報端末では、一般的に、情報を入力するユーザーインターフェースとしてキーパッドが採用されている。キーパッドは、通常、数字及び文字を入力するための複数個のボタンと方向ボタンとで構成されている。
また、近年では携帯情報端末のディスプレイ部にグラフィックなどの表現が可能となることに伴い、ユーザに対する情報の表示方式として、ディスプレイ部を2次元で用いるGUI(Graphical User Interface)が採用されるようになった。
このように携帯情報端末が高機能化し、コンピュータと同等の表示機能を備えることにより、メニューキーおよびその他の機能キーを方向キーとして用いる、従来の携帯情報端末の入力手段では、GUIで表現されたアイコン等の選択には適しておらず、不便であった。そのため、携帯情報端末においても、コンピュータに用いられているマウスやタッチパッドと同様の操作性を有するポインティング装置が求められるようになった。
そこで、携帯情報端末に搭載可能なポインティング装置として、装置に接触する指先等の被写体の模様を撮像素子で観察し、接触面における被写体の模様の変化を抽出することによって、被写体の動きを検知する光ポインティング装置が提案されている。具体的に、光ポインティング装置では、接触面上の被写体に光を照射し、被写体の模様をレンズで撮像素子に結像させ、模様の変化を検出することで被写体の動きを検知している。
光ポインティング装置は、接触面上の被写体から反射された光を撮像素子に結像させるために、接触面から撮像素子までの距離(被写体からの反射光の光路長)をある程度必要とする。そのため、接触面の下部にレンズおよび撮像素子を配置する光ポインティング装置では、接触面に対して垂直方向の長さを短く設計することができなかった。光ポインティング装置の垂直方向の長さは、装置の厚みである。つまり、上述の光ポインティング装置では、装置の薄型化が困難であった。しかしながら、携帯情報端末では、装置の厚みが薄いことが求められるため、光ポインティング装置においてもその厚みである垂直方向の長さを短くすることが求められる。
このような要求を満たすため、接触面の直下にプリズム等の折り曲げ光学素子を配置し、被写体からの反射光を水平方向に折り曲げて撮像素子に結像する光ポインティング装置が提案されている。例えば、特許文献1には、被写体から反射された光を水平方向に反射する反射鏡と、水平の光経路上に対向して垂直に設置された集光レンズおよびイメージセンサとを備える光ポインティング装置が開示されている。
また、光ポインティング装置の誤動作を抑制して高精度に動作させるために、太陽光や照明等の外乱光が撮像素子に入射することを抑制する光ポインティング装置が提案されている。例えば、特許文献2には、光学式ジョイスティックのカバー部の被写体との接触面以外の部分を非透過部とし、カバー部の内部に、外乱光を遮蔽する遮蔽部を設けることが記載されている。
以下に、特許文献2に記載の光学式ジョイスティックの構成を図15に基づいてより詳細に説明する。図15は、特許文献2に記載の光学式ジョイスティックの構成を示す図である。図15に示すように、光学式ジョイスティック200は、光源210と、カバー部220と、ホルダ250の収容溝251に収容される光学部材240と、回路基板232に搭載された、光検出のための受光部230とを含む。光学部材240は、結像のための集光レンズ243と、光経路を水平に変換するためのプリズム241、242とを備える。
また、光学式ジョイスティック200は、太陽光や照明光等の外部の雑光(外乱光)を遮蔽するための雑光遮蔽部261、262、263をさらに備える。
また、カバー部220は、ホルダ250を取り囲むリム221と、前面プレート222とを含み、前面プレート222は、光が透過される透過部222aと、光が透過されない非透過部222bとに区画される。
このように、特許文献2に記載の光学式ジョイスティックでは、カバー部220の非透過部222bと、カバー部220の内部に配置されている雑光遮蔽部261、262、263とによって、外乱光が光学式ジョイスティックの受光部230に入射することを抑制する。
特表2008−507787号公報(2008年3月13日公表) 特開2009−176271号公報(2009年8月6日公開)
ここで、光ポインティング装置を搭載する携帯情報端末は、携帯して使用されることから、あらゆる環境下で利用される可能性がある。すなわち、どのような環境にあっても、携帯情報端末を利用できるようにするためには、あらゆる環境下において、携帯情報端末に搭載される光ポインティング装置は、誤動作なく動作することが求められる。例えば、太陽光が照りつける屋外、または、蛍光灯などの照明による光が照射される屋内であっても、光ポインティング装置が正常に動作することが求められる。
外乱光が光ポインティング装置に照射される環境下において、光ポインティング装置に入射した外乱光が、被写体からの反射光を受光する撮像素子に入射すると、撮像素子は、本来検出すべき像とは異なる像を検出するため、正確に被写体を検出することができなくなる。その結果、光ポインティング装置において、誤動作が発生する。
そこで、外乱光が光ポインティング装置の撮像素子に入射することを防止するために、特許文献2に記載の光学式ジョイスティックのように、雑光遮蔽部を設けることが一般的に考えられる。この場合、外乱光の入射を防止する遮光部を多数配置することにより、光ポインティング装置の撮像素子に入射する外乱光をより防止することができるが、その一方で、光ポインティング装置を構成する部品点数が多くなるという弊害を伴う。部品点数が多くなると、各部品自体の厚みや、各部品において組み立てのための構造が形成されることにより、光ポインティング装置を薄型化することが困難となる。
また、光ポインティング装置の部品点数が増加すると、組み立てまたは貼り付け等の光ポインティング装置の製造工程数が増加する。組み立てまたは貼り付け等の工程において、各部品の位置ずれによる組立公差が発生する可能性があるため、組み立てまたは貼り付け等の工程数が増加すると、光ポインティング装置の検知精度を高く維持することが困難になる。さらに、光ポインティング装置の部品点数が増加することにより、光ポインティング装置のコストが高くなるという問題もある。
すなわち、特許文献2に記載の光学式ジョイスティックの構造では、撮像素子への外乱光の入射を防止することはできるが、光ポインティング装置の薄型化を図ることが難しく、また、光ポインティング装置の検知精度を高く維持することや、光ポインティング装置のコストを低減することも困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数が少なく、かつ、撮像素子への外乱光の入射を抑制する光ポインティング装置およびそれを備える電子機器を実現することにある。
本発明に係る光ポインティング装置は、上記課題を解決するために、被写体に光を照射する光源と、前記被写体からの反射光を反射させて内部を導光させる導光体と、前記導光体によって導光された光を受光する撮像素子とを備え、前記導光体が前記光源および前記撮像素子を保護する機能を備える光ポインティング装置であって、該光ポインティング装置の少なくとも1つの側面から入射する光が前記撮像素子に入射することを抑制する外乱光抑制手段を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、前記導光体が、前記光源および前記撮像素子を保護する機能と、前記被写体からの反射光を反射させて内部を導光させる機能とを備える。このように、導光体が2つの機能を備えることにより、光ポインティング装置を構成する部品点数を少なくすることができる。
また、光ポインティング装置は、該光ポインティング装置の少なくとも1つの側面から入射する光が前記撮像素子に入射することを抑制する外乱光抑制手段とを備える。そのため、光ポインティング装置の側面から入射する光が前記撮像素子に入射することを抑制することができる。その結果、光ポインティング装置の誤動作の発生を抑えることができる。
したがって、光ポインティング装置を構成する部品点数を少なくすると共に、撮像素子への外乱光の入射を抑制することができるという効果を奏する。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記外乱光抑制手段が、前記導光体の一部であって、前記導光体の上表面と前記側面である前記導光体の側面との間に位置し、当該側面に対して傾いている斜面を形成するものであることが好ましい。
上記の構成によれば、前記外乱光抑制手段は、前記導光体の一部である。そのため、新たな部品を設けることなく、撮像素子への外乱光の入射を抑制することができる。また、前記外乱光抑制手段は、前記導光体の上表面と前記側面である前記導光体の側面との間に位置し、当該側面に対して傾いている斜面を形成するものであるため、例えば、前記導光体の稜辺を面取りすることによって、前記外乱光抑制手段を形成することができるため、光ポインティング装置の製造工程数を抑えることが容易である。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記斜面が、平面であることが好ましい。
上記の構成によれば、前記斜面の前記側面に対する角度を適宜設計することにより、前記側面から入射する光を、前記撮像素子に入射しないように、反射または屈折させることができる。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記斜面が、曲面であることが好ましい。
上記の構成によれば、前記斜面の曲率を適宜設計することにより、前記側面から入射する光を、前記撮像素子に入射しないように、反射または屈折させることができる。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記斜面が、凹凸のある面であることが好ましい。
上記の構成によれば、前記斜面が、凹凸のある面である。そのため、斜面において、前記側面から入射する光がより散乱するため、前記側面から光ポインティング装置に入射する光を減衰させることができる。よって、撮像素子への外乱光の入射をより効果的に抑制できる。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記外乱光抑制手段が、前記斜面上に光を反射する反射膜を備えるものであることが好ましい。
上記の構成によれば、前記外乱光抑制手段が、前記斜面上に光を反射する反射膜を備える。そのため、前記斜面において、前記側面から入射する光を反射させて、当該光が前記側面から光ポインティング装置に入射することを防ぐことができる。よって、撮像素子への外乱光の入射をより効果的に抑制できる。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記外乱光抑制手段が、前記斜面上に光を吸収する吸収膜を備えるものであることが好ましい。
上記の構成によれば、前記外乱光抑制手段が、前記斜面上に光を吸収する吸収膜を備える。そのため、前記斜面において、前記側面から入射する光を吸収して、当該光が前記側面から光ポインティング装置に入射することを防ぐことができる。よって、撮像素子への外乱光の入射をより効果的に抑制できる。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記光源および前記撮像素子が、基板上に配置されて、それぞれ透明樹脂で樹脂封止されており、前記外乱光抑制手段が、前記基板上の、前記光源および前記撮像素子より前記側面側に位置し、遮光性樹脂で成型されたものであることが好ましい。
上記の構成によれば、前記外乱光抑制手段が、前記基板上の、前記光源および前記撮像素子より前記側面側に位置し、遮光性樹脂で成型されたものである。そのため、前記外乱光抑制手段が前記側面から入射した光を遮光する。よって、撮像素子への外乱光の入射をより効果的に抑制できる。
また、前記外乱光抑制手段は、基板上に成型によって形成されるため、前記光源、前記撮像素子および前記外乱光抑制手段を備える基板として一体成型することができる。それゆえ、光ポインティング装置に新たな部材を設けることなく、撮像素子への外乱光の入射を抑制することができる。また、前記外乱光抑制手段は、基板上に遮光性樹脂を成型するだけであるため、光ポインティング装置の製造工程数を抑えることが容易である。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記外乱光抑制手段が、遮光性樹脂で成型されたものであって、前記側面側の前記導光体の側面と接しており、前記側面を形成する光ポインティング装置の側壁であることが好ましい。
上記の構成によれば、前記外乱光抑制手段が、遮光性樹脂で成型されたものであって、前記側面側の前記導光体の側面と接しており、前記側面を形成する光ポインティング装置の側壁である。そのため、前記外乱光抑制手段が前記側面から入射した光を遮光する。よって、撮像素子への外乱光の入射をより効果的に抑制できる。
本発明に係る光ポインティング装置は、前記外乱光抑制手段が、前記被写体が接触する接触面を除く、前記導光体の上表面を覆うことが好ましい。
上記の構成によれば、前記外乱光抑制手段が、前記被写体が接触する接触面を除く、前記導光体の上表面を覆う。そのため、前記外乱光抑制手段は、前記側面から入射した光を遮光するだけではなく、光ポインティング装置の上表面から入射する光も遮光する。よって、撮像素子への外乱光の入射をより効果的に抑制できる。
本発明に係る電子機器は、前記光ポインティング装置を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、光ポインティング装置において、撮像素子への外乱光の入射を抑制することができるため、光ポインティング装置の誤動作の発生を抑制することができる。その結果、ユーザは、電子機器を高精度に動作させることができる。
本発明に係る電子機器は、電子機器の通常の使用態様において、前記光源と前記撮像素子を結ぶ直線と交差する光ポインティング装置の側面のうち、前記光源側の側面が下方に向くように、前記光ポインティング装置を配置することが好ましい。
上記の構成によれば、光源から照射された光が被写体で反射し、反射した光が導光体を導光して撮像素子で受光される。つまり、本装置では、光源から撮像素子に向かう方向に進む光が、撮像素子に入射するように設計されている。そのため、この場合、光源から撮像素子に向かう方向に入射する外乱光、つまり、光源側の側面から入射する光を防止することが効果的である。また、電子機器の通常の使用態様では、太陽光や照明光等は、電子機器の上方から照射されることが一般的である。
それゆえ、上記の構成のように、前記光源側の側面が下方に向くように、前記光ポインティング装置を配置することによって、光源側の側面から光が入射することを抑制することができる。よって、撮像素子への外乱光の入射をより効果的に抑制できる。
以上のように、本発明に係る光ポインティング装置は、被写体に光を照射する光源と、前記被写体からの反射光を反射させて内部を導光させる導光体と、前記導光体によって導光された光を受光する撮像素子とを備え、前記導光体が前記光源および前記撮像素子を保護する機能を備える光ポインティング装置であって、上記装置の少なくとも1つの側面から入射する光が前記撮像素子に入射することを抑制する外乱光抑制手段を備えている構成である。
したがって、光ポインティング装置を構成する部品点数を少なくすると共に、撮像素子への外乱光の入射を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態を示すものであり、光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態を示すものであり、光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態を示すものであり、光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態を示すものであり、光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 本発明の第5の実施形態を示すものであり、光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 本発明の第6の実施形態を示すものであり、光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 本発明の第7の実施形態を示すものであり、光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 本発明の第8の実施形態を示すものであり、光ポインティング装置を搭載する携帯電話機の外観を示す模式図である。 上記携帯電話機の通常の使用態様において、上記携帯電話機に照射される外乱光の照射方向を示す図である。 図9に示す上記携帯電話機の領域Aを拡大した図であって、上記携帯電話機およびそれに搭載された光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 導光体とカバー部とが一体成型された、薄型の光ポインティング装置の断面構造を示す模式図である。 上記薄型の光ポインティング装置の構成要素である反射膜における光の波長に対する透過率および反射率を示す図である。 上記薄型の光ポインティング装置の構成要素である接触面、結像素子および撮像素子の位置関係を模式的に示す図である。 上記薄型の光ポインティング装置に照射される外乱光を示す図である。 従来技術を示すものであり、特許文献2に記載の光学式ジョイスティックの構成を示す図である。
まず、本発明の前提となる光ポインティング装置について説明する。光ポインティング装置を搭載する電子機器(例えば、携帯電話機、PDA等の携帯情報端末)には、薄型化・小型化が求められていることから、同様に、光ポインティング装置も薄型化・小型化が求められている。そこで、上記前提となる光ポインティング装置の発明者らは、図11に示す、導光体とカバー部とが一体成型された、薄型の光ポインティング装置30を考え出した。なお、光ポインティング装置30は、本願出願時において未公開である。
光ポインティング装置30では、光源モジュールとしてLEDを用いる例を説明する。光ポインティング装置30は、指先等の被写体に対して光を照射し、該被写体から反射された光を受光することによって、被写体の動きを検知するものである。以下に、光ポインティング装置30の具体的な構成について説明する。
〔導光体とカバー部とが一体成型された光ポインティング装置の一例〕
導光体とカバー部とが一体成型された光ポインティング装置30の一例について図11に基づいて説明する。図11は、導光体とカバー部とが一体成型された光ポインティング装置30の概略断面構造図である。図示のように、光ポインティング装置30は、基板部26およびカバー部27を備える。基板部26は、回路基板12、光源2、撮像素子3および透明樹脂10・11から成る。カバー部27は、接触面5、傾斜面6を形成する折り曲げ素子28、結像素子8および反射面7・9を含む。カバー部27の接触面5に接触している被写体13は、指先等の被写体であり、光ポインティング装置30が動きを検知する対象物である。なお、ここでは光ポインティング装置30に対する被写体13の状態をわかりやすくするために、光ポインティング装置30に対して便宜的に小さく記載している。
ここで、光ポインティング装置30の厚み方向(図11の縦方向)をZ軸とし、光ポインティング装置30の幅方向(図11の横方向)をY軸とし、光ポインティング装置30の奥行き方向をX軸とする。光ポインティング装置30の下部から上部に向かう方向をZ軸の正方向とし、光源2から撮像素子3に向かう方向をY軸の正方向とし、図11に示す光ポインティング装置30の奥側から手前側に向く方向をX軸の正方向とする。また、Z軸の負方向を垂直方向、Y軸の正方向を水平方向または導光方向とも称する。
まず、基板部26の構成について説明する。図11に示す光ポインティング装置30では、1つの回路基板12上に光源2および撮像素子3を搭載している。光源2および撮像素子3は、ワイヤボンドまたはフリップチップ実装にて回路基板12と電気的に接続されている。回路基板12には、回路が形成されている。当該回路は、光源2の発光タイミングを制御したり、撮像素子3から出力された電気信号を受けて、被写体の動きを検知したりするものである。回路基板12は、同一材料からなる平面状のものであり、例えば、プリント基板やリードフレーム等から成る。
光源2は、カバー部27の接触面5に向けて光を照射するものである。光源2から照射された光Mは、透明樹脂10を介してカバー部27の折り曲げ素子28により屈折されて進行方向が変換されて接触面5に到達する。つまり、光Mは、接触面5に対して斜め方向から(接触面に対して或る入射角で)入射する。後述のようにカバー部27は、空気よりも屈折率が大きい材質であるため、接触面5に到達した光Mは、接触面5上に被写体13が無い場合、その一部が接触面5を透過し、残りの一部が接触面5で反射する。このとき、光Mの接触面5に対する入射角が全反射の条件を満たす場合、光Mは、接触面5を透過せず、全て接触面5で反射しカバー部27内に向かう。一方、接触面5上に被写体13がある場合、光Mは、接触面5と接している被写体13の表面で反射し、カバー部27に入射される。光源2は、例えばLED等の光源で実現され、特に高輝度の赤外発光ダイオードで実現されることが好ましい。
撮像素子3は、光源2が照射した、被写体13で反射された光(L1〜L3(以下、光L1〜L3を総称して、光源2が照射した、被写体13で反射された光を光Lと称する))を受光し、受光した光に基づいて接触面5上の像を結像し、画像データに変換するものである。具体的に、撮像素子3は、CMOSやCCD等のイメージセンサである。撮像素子3は、不図示のDSP(Digital Signal Processor:算出部)を含み、受光した光をDSPに画像データとして取り込む。撮像素子3は、回路基板12の指示に従って、接触面5上の像を一定の間隔で撮影し続ける。
接触面5上に接している被写体13が移動した場合、撮像素子3が撮影する画像は、その直前に撮影した画像とは異なる画像となる。撮像素子3は、DSPにおいて、撮影した画像データとその直前の画像データとの同一箇所の値をそれぞれ比較し、被写体13の移動量および移動方向を算出する。すなわち、接触面5上の被写体13が移動した場合、撮影した画像データは、その直前に撮影した画像データに対して所定量ずれた値を示す画像データである。撮像素子3は、DSPにおいて、該所定量に基づいて被写体13の移動量および移動方向を算出する。撮像素子3は、算出した移動量および移動方向を電気信号として回路基板12に出力する。なお、DSPは、撮像素子3内ではなく、回路基板12に含まれるものであってもよい。その場合、撮像素子3は、撮像した画像データを順番に回路基板12に送信する。
撮像素子3の処理をまとめると、撮像素子3は、接触面5上に被写体13が無い場合、接触面5の像を撮像する。次に、接触面5上に被写体13が接触すると、撮像素子3は、接触面5と接している被写体13の表面の像を撮像する。例えば、被写体13が指先の場合、撮像素子3は、指先の指紋の像を撮像する。ここで、撮像素子3が撮像した画像データは、接触面5上に被写体13が無いときの画像データと異なる画像データとなっているため、撮像素子3のDSPは、接触面5上に被写体13が接触していることを示す信号を回路基板12に送信する。そして、被写体13が移動すると、DSPが直前に撮像した画像データと比較して、被写体13の移動量および移動方向を算出し、算出した移動量および移動方向を示す信号を回路基板12に送信する。
光源2および撮像素子3は、透光性樹脂によって樹脂封止されており、周囲に透明樹脂10・11が形成されている。透光性樹脂として、例えば、シリコーン樹脂もしくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂またはABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)等の熱可塑性樹脂が用いられる。
透明樹脂10・11の形状は、略直方体である。透明樹脂10・11の底面は、回路基板12の上表面と密着して接しており、当該底面には、光源2および撮像素子3にそれぞれ密着する凹部が形成されている。透明樹脂11のY軸の正側の側面は、回路基板12のY軸の正側の側面と同一平面を形成している。なお、図11に示す例では、透明樹脂10のY軸の負側の側面と、回路基板12のY軸の負側の側面とは同一平面を形成していないが、両者の側面が同一平面を形成してもよい。透明樹脂10・11は、一般的なトランスファーモールドによる成型方法は勿論のこと、インジェクションモールドや、ポッティングなどの他の成型方法を用いて形成されてもよい。
なお、透明樹脂10は、光源2から照射された光Mを集光するレンズ部を備えていてもよい。透明樹脂10に形成されるレンズ部は、光源2の上方、かつ、透明樹脂10の上表面(天面)に位置し、半球状の形状である。
このように、回路基板12上に搭載された光源2および撮像素子3がそれぞれ透光性樹脂によって樹脂封止されているため、回路基板12、光源2、撮像素子3および透明樹脂10・11が一体となっている基板部26が形成されている。そのため、光ポインティング装置30の部品点数を減らすことができ、組み立て工程数も減らすことができる。よって、光ポインティング装置30の製造コストを削減することができると共に、被写体13の検知精度の高い光ポインティング装置30を実現することができる。また、光源2および撮像素子3は、それぞれ別々に透明樹脂10および11で封止されている。そのため、光源2から照射された光Mが透明樹脂内部を伝播して撮像素子3に漏れこむことを防ぐことができる。つまり、迷光が撮像素子3に入射することを防ぐため、光ポインティング装置30の迷光による誤動作を防ぐことができ、被写体13を高精度に検知することができる。
次に、カバー部27の構成について説明する。カバー部27は、光源2および撮像素子3などの光ポインティング装置30を構成する各部・各素子を保護するものである。また、上述のように、カバー部27は、光源2から照射された光Lを接触面5に導光し、被写体13からの反射光Lを内部で反射させて、内部を導光させるものである。
カバー部27は、基板部26の上側に位置し、基板部26の側面および上表面に密着して接している。カバー部27のZ軸の負側の表面であって、基板部26上に搭載され光ポインティング装置30として形成されているときに外部に露出していない表面部分を、カバー部27の裏面と称する。換言すると、カバー部27の表面であって、基板部26に対向する面を裏面とする。すなわち、カバー部27の裏面の一部は、基板部26の側面および上表面と密着して接している。カバー部27の底面25は、基板部26の底面と同一平面を形成している。カバー部27の上表面とカバー部27の底面25および基板部26の底面とが平行であり、カバー部27の両側面がカバー部27の上表面、並びに、カバー部27の底面25および基板部26の底面に対して垂直な面を形成している。すなわち、光ポインティング装置30が略直方体の形状である。ただし、この形状に限るものではなく、カバー部27の上表面とカバー部27の底面25および基板部26の底面とが平行であればよく、カバー部27の両側面がカバー部27の上表面、並びに、カバー部27の底面25および基板部26の底面に対して垂直な面を形成していなくてもよい。例えば、図11に示すような光ポインティング装置30の断面図において、光ポインティング装置30の形状が台形状であってもよい。つまり、カバー部27の側面が平面であれば、カバー部27の上表面(光ポインティング装置30の天面)のY軸の長さと、カバー部27の底面25および基板部26の底面のY軸の合計の長さ(光ポインティング装置30の底面のY軸の長さ)とが異なっていてもよい。
接触面5は、被写体13が光ポインティング装置30と接する面である。接触面5は、カバー部27の上表面であって、光源2の上方に位置する。
折り曲げ素子(プリズム)28は、カバー部27の一部を構成しており、光源2の上方、且つ、接触面5の下方に位置し、カバー部27の裏面の基板部26と接しない部分に位置する、カバー部27の裏面の凹部に形成される。折り曲げ素子28には、傾斜面6が形成されており、該傾斜面6とカバー部27の上表面とがなす狭角を傾斜角度θとする。折り曲げ素子28は、光源2から照射された光Mを傾斜面6で屈折させて、被写体13に向かうように光Mの経路を変換するものである。また、折り曲げ素子28は、被写体13から反射された光Lを傾斜面6で全反射させて、カバー部27の内部であって、Y軸の正方向(導光方向)に光Lの経路を変換するものである。換言すると、折り曲げ素子28は、被写体13から反射されて接触面5よりカバー部27内部に入射した光を水平方向へ導光すべく反射するものである。傾斜面6で全反射された、被写体13から反射された光Lは、後述の反射面7に向かう。このように、折り曲げ素子28の傾斜面6は、光Mを透過し、光Lを全反射するものである。そのため、カバー部27には、光源2の上方であって、カバー部27と基板部26との間の空間の屈折率より大きい屈折率である材質が用いられる。例えば、カバー部27には、屈折率が1.5程度の可視光吸収タイプのポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂を用いて、上記空間は空気層とすればよい。つまり、折り曲げ素子28の傾斜面6には、光Lを全反射するために、アルミ反射膜などを蒸着していない。
結像素子8は、被写体13からの反射光Lを反射して、撮像素子3上に被写体13の像を結像するものである。具体的には、折り曲げ素子28によって水平方向に反射された光を水平方向に対して反対方向(Y軸の負方向)に反射するとともに結像するものである。結像素子8にて結像した光は、カバー部27を出射して撮像素子3に入射する。ここで、結像素子8にて結像した光が撮像素子3に向かってカバー部27から出射する箇所を出射部と称する。出射部は、カバー部27の裏面の一部である。結像素子8は、カバー部27の一部を構成しており、撮像素子3の上方、且つ、撮像素子3よりY軸の正方向側に位置し、カバー部27の裏面の基板部26と接しない部分に位置する、カバー部27の裏面の凹部に形成される。結像素子8には、直交する2方向の曲率が異なるトロイダル面が形成されている。結像素子8は、このトロイダル面で反射光Lを撮像素子3に結像するように反射している。結像素子8において効率的に光Lを反射させるために、結像素子8のトロイダル面には、金属膜(例えば、アルミ、ニッケル、金、銀など)または、誘電体膜(誘電体ダイクロ膜)等の反射膜を蒸着させる。
反射面7は、傾斜面6で全反射された光Lを結像素子8に入射させ、結像素子8から反射された光Lを撮像素子3に入射させるために、光Lを反射するものである。反射面7は、撮像素子3の上方であって、カバー部27の上表面に位置する。反射面7は、カバー部27の上表面に反射膜を蒸着させて形成される。
反射面7を形成する反射膜は、外部に露出しており使用者によく見えるため、外観上、できるだけ目立たない膜とすることが望ましい。例えば、光源2が照射する光の波長が可視波長外の赤外波長(例えば、800nm以上)の場合、反射面7を形成する反射膜は、図12(a)に示す特性を有する赤外線反射膜であればよい。図12(a)は、各波長における透過率および反射率を示す図であり、横軸に波長(nm)、縦軸に透過率および反射率(%)が示されている。図示の点線が透過率を示し、実線が反射率を示す(以下、図12(b)および(c)も同様である)。反射膜の具体例として、反射面7を形成する反射膜は、光源2から照射された800nm以上の波長帯の赤外光を反射し、800nm以下の可視波長帯の光を透過するものであればよい。このように、光源2が照射する光の波長と、反射面7を形成する反射膜の反射率および透過率の特性を適宜設定することによって、被写体13からの反射光Lを効率的に反射し、且つ、外観上は目立たない反射面7を形成することができる。
また、光源2が照射する光の波長が可視波長外の赤外波長(例えば、800nm以上)の場合、カバー部27は、図12(b)に示す特性を有する材質で形成されることが好ましい。具体的には、カバー部27の材質を赤外光のみを透過する可視光吸収型のポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂にすればよい。このような材質でカバー部27を形成することによって、カバー部27の外部から進入してくる不要光(外乱光)のうち、可視光成分をカバー部27で遮断することができる。そして、上述のように、赤外光を反射する反射面7を形成することによって、カバー部27の上表面から入射する上記外乱光のうち、赤外光成分を反射面7で遮断することができる。光ポインティング装置30のZ軸の正側の表面(カバー部27の上表面)から入射する外乱光を遮断することによって、該外乱光による誤動作を防ぐことができる。この場合、反射面7は、接触面5を除く、カバー部27の上表面全面に形成されていることが好ましい。接触面5を除く、カバー部27の上表面全面に反射面7が形成されていることにより、光ポインティング装置30のカバー部27の上表面から入射する外乱光をより効果的に遮断することができる。
さらに、光ポインティング装置30の表面である、カバー部27の表面に色目を付ける場合、例えば、カバー部27の上表面および反射面7の上表面に、図12(c)に示すような所定の色(図示の例では、緑色)の波長帯のみを反射し、それ以外の波長を透過する特性を有する材料でコートすればよい。このような特性を有する材料でカバー部27の上表面および反射面7の上表面をコートすることによって、光ポインティング装置30の光学特性を損ねることなく、光ポインティング装置30の表面に所望の色を付けることができる。
反射面9は、結像素子8から反射されて反射面7で反射された光Lを再度反射面7に向けて反射するものである。反射面9は、撮像素子3の上方、且つ、撮像素子3よりY軸の正方向側に位置し、カバー部27の裏面に位置する。反射面9は、カバー部27の裏面に反射膜を蒸着させて形成される。反射面9を形成する反射膜は、効率的に光を反射するものが好ましい。例えば、反射面9は、アルミ、ニッケル、金、銀などの金属、または、誘電体ダイクロ膜などを蒸着して形成される。
ここで、再度、光源2から照射された光が被写体13を反射して撮像素子3に入射する経路を説明する。まず、光源2から照射された光Mが、折り曲げ素子28の傾斜面6で屈折透過されて、接触面5に到達する。接触面5上に被写体13がある場合、被写体13の接触面5に接している表面上で、光源2から照射された光Mが散乱反射する。被写体13の表面で反射された光Lは、折り曲げ素子28の傾斜面6で全反射されて、進路がY軸の正方向に変わる。傾斜面6で全反射された光Lは、反射面7で反射し、結像素子8に到達する。そして、光Lは、結像素子8で折り返し反射されて、反射面7、反射面9、反射面7で次々と反射されて撮像素子3に入射する。
このとき、光源2から照射されて、被写体13を反射して撮像素子3に入射する光Lのうち、撮像素子3の中央に入射する光(接触面5の中央に位置する被写体13で反射する光)をL2とし、撮像素子3のY軸の正方向側の端部に入射する光(接触面5のY軸の負方向側の端部に位置する被写体13で反射する光)をL1とし、撮像素子3のY軸の負方向側の端部に入射する光(接触面5のY軸の正方向側の端部に位置する被写体13で反射する光)をL3とする。上述のように、光Lを反射して撮像素子3に結像する結像素子8を用いることによって、光L1、L2およびL3が撮像素子3に到達するまでの各光路長の差を小さく抑えることができる。そのため、撮像素子3におけるY軸方向の各光L1、L2およびL3の焦点ずれが発生しにくくすることができる。よって、撮像素子3における結像性能が向上し、被写体13の像を鮮明に取得することができる。
図11に示す光ポインティング装置30において、接触面5と撮像素子3の表面を平行に配置しながら、各光L1、L2およびL3の光路長の差を小さく抑えることができる理由について、図13に基づいて説明する。図13は、接触面5、結像素子8(または結像素子8a)および撮像素子3の位置関係を模式的に示す図である。図13は、接触面5の中心軸と結像素子8(または結像素子8a)の中心軸とがずれている場合の各光L1、L2およびL3の光路を示している。図13(a)は、図11に示す光ポインティング装置30のように、光Lを反射する反射型レンズである結像素子8を用いた場合を示し、同図(b)は、光Lを透過する透過型レンズである結像素子8aを用いた場合を示す図である。
図13(a)に示すように反射型レンズの場合、接触面5の中心軸(接触面5の中心を通る垂線)に対してレンズ中心軸を平行ではなく、傾けて結像素子8を配置する場合であっても、撮像素子3の表面を接触面5と平行に設定しながら、各光L1、L2およびL3における接触面5から撮像素子3の表面までの光路長の差を小さくすることができる。一方、図13(b)に示すように透過型レンズの場合、接触面5の中心軸に対して結像素子8aのレンズ中心軸を傾けて配置すると、各光L1、L2およびL3の接触面5から撮像素子3の表面までの光路長の差を小さくするためには、接触面5と撮像素子3の表面とを平行ではなく、交差して配置する必要がある。そのため、透過型レンズの場合、光ポインティング装置30の薄型化が困難となる。すなわち、接触面5の中心軸からレンズ中心軸を傾けて結像素子8を配置する場合、結像素子8として透過型レンズより反射型レンズを用いる方が、上記光路長の差を小さくしながら、光ポインティング装置30の薄型化を図ることが容易である。
上述のように、図11に示す光ポインティング装置30では、接触面5、折り曲げ素子28および結像素子8がカバー部27と一体で成形されている。換言すると、接触面5と撮像素子3とを結合する撮像光学系の光学要素が全てカバー部27に備えられている。そのため、光ポインティング装置30の部品点数を減らすことができ、組み立て工程数も減らすことができる。また、カバー部27を成形する金型を高精度で作成することにより、折り曲げ素子28の傾斜面6および結像素子8を高精度に製造することができ、且つ、接触面5、折り曲げ素子28および結像素子8の位置関係もばらつき無く高精度に配置することができる。よって、光ポインティング装置30の製造コストを削減することができると共に、被写体の検知精度の高い光ポインティング装置30を実現することができる。
従来のように、接触面、折り曲げ素子、結像素子などが別部品であって、これらの部品を組み立てる場合、各部品間の接合箇所に、組み立て用のアタリ面や嵌合形状等の形状を形成する必要があった。また、各部品の相対的な位置関係を調整するための空間的なマージンを確保しておく必要があった。しかしながら、本願のように、接触面5、折り曲げ素子28および結像素子8をカバー部27と一体で成形する場合、上記形状を形成する必要がなく、また、必要最小限の光学面があれば、位置を調整する空間的なマージンも確保する必要がない。よって、接触面5、折り曲げ素子28および結像素子8をカバー部27と一体で成形することにより、接触面5、折り曲げ素子28および結像素子8を含むカバー部27の厚みを小さくすることができる。それゆえ、光ポインティング装置30の厚みを小さくすることができる。
また、図11に示す光ポインティング装置30では、基板部26の側面および上表面をカバー部27の位置決めの基準として、基板部26の上方にカバー部27を組み立てている。そのため、基板部26とカバー部27との位置関係を高精度に配置することができる。よって、光ポインティング装置30を構成する各部・各素子を精度良く配置することができるため、被写体13の検知精度の高い光ポインティング装置30を実現することができる。
また、本実施形態では、光Lの経路(被写体13に反射されて撮像素子3を覆う透明樹脂11に入射するまで)が1つの部材であるカバー部27内に収まっている。つまり、光Lが1つの媒質(導光体)内を伝播している。具体的には、被写体13からの反射光Lがカバー部27に入射してから、折り曲げ素子28による水平方向への全反射、結像素子8による反射、撮像素子3への出射までが1つの媒質であるカバー部27内で行われている。よって、異なる媒質の境界で発生する散乱反射および減衰を防ぐことができるため、撮像素子3が鮮明な像を撮像することができる。それゆえ、光ポインティング装置30が安定的に被写体13を高精度に検知することができる。
また、透明樹脂10の側面上に、および、光Mが透過する箇所(上述のレンズ部が設けられている場合は、そのレンズ部)を除く、透明樹脂10の上表面上に、遮光性樹脂を樹脂封止してもよい。また、透明樹脂11の側面上、および被写体13からの反射光Lが透過する箇所を除く透明樹脂11の上表面上に遮光性樹脂を樹脂封止してもよい。遮光性樹脂として、透光性樹脂と同様に、例えば、シリコーン樹脂もしくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂またはABS等の熱可塑性樹脂が用いられる。ただし、遮光性樹脂は、透光性樹脂と異なり、カーボンブラックを含む。このように、透明樹脂10および11の周囲に遮光性樹脂を樹脂封止することによって、光源2から照射された光が直接、または、被写体13ではない箇所で反射して、撮像素子3に入射することを防ぐことができる。いわゆる、被写体13からの反射光Lではない迷光が撮像素子3に入射することを防ぐことができる。よって、迷光による光ポインティング装置30の誤動作を防ぐことができ、高精度に被写体13を検知することができる。また、遮光性樹脂を透明樹脂10および11の周囲に樹脂封止する代わりに、透明樹脂10の側面上および光Mが透過する箇所を除く上表面上、並びに、透明樹脂11の側面上、および被写体13からの反射光Lが透過する箇所を除く透明樹脂11の上表面上を黒塗りにしたり、スリガラス状に荒らしたりしてもよい。
なお、遮光性樹脂を透明樹脂10、11の周囲に形成した場合、回路基板12の側面と遮光性樹脂で形成される面とが同一平面になるようにする。また、カバー部27の裏面と遮光性樹脂で形成される面とが密着して接している。そのため、遮光性樹脂で形成される面および回路基板12の両側面を基準として、基板部26の上方にカバー部27を組み立てる。
〔光ポインティング装置30における外乱光に関する課題〕
次に、上記の光ポインティング装置30において、外乱光が一部撮像素子に入射する課題について図14に基づいて説明する。図14は、光ポインティング装置30の概略断面構造および光ポインティング装置30に入射する外乱光を示す図である。図14に示すように、光ポインティング装置30は、カバー部27の上表面に反射面7を備えているため、カバー部27の上表面から入射する外乱光14を反射させて、外乱光14が撮像素子に入射することを防止することができる。
ここで、一般的に、光ポインティング装置30は、電子機器に搭載されている状態では、カバー部27の上表面と電子機器の表面とが略同一平面を形成しているため、光ポインティング装置30の側面(側壁)から外乱光が入射することはほとんどない。そのため、通常、光ポインティング装置30(カバー部27)の上表面から入射する外乱光を遮光すれば十分であり、光ポインティング装置30の側面から入射する外乱光を考慮する必要はない。
ところが、ユーザに光ポインティング装置30の位置を認識させるために、光ポインティング装置30が電気機器の表面からわずかに突出して設置されていることがある。そのため、光ポインティング装置30の側面から一部外乱光が入射することも考えられ、側面から入射する外乱光による誤動作を無視できない場合もある。例えば、図14に示すように、光ポインティング装置30には、側面(カバー部27の側面)から入射する外乱光16を遮光する部材が無く、外乱光16の一部が、結像素子8、反射面7および反射面9を介して撮像素子に入射する場合がある。
そこで、光ポインティング装置30の側面から入射する外乱光16を遮光するために、光ポインティング装置の側面にも遮光膜を設けることが考えられる。しかしながら、この場合、光ポインティング装置の側面に遮光膜を形成する工程が煩雑であり、光ポインティング装置の製造工程数が増加するという問題がある。
一般的に、遮光膜は、蒸着あるいは印刷によって形成される。蒸着あるいは印刷による方法では、一方向から積層あるいは塗布するため、水平面もしくは斜め面への形成は容易であるが、垂直面へ形成することは困難である。そのため、垂直面である部材(または装置)の側面に膜を形成する場合、当該部材を横倒しにして、側面毎に、部材の側面を水平面にした状態で、蒸着あるいは印刷の工程を行う。その結果、光ポインティング装置の製造工程数が増加し、そして、光ポインティング装置の価格アップに繋がる。
また、光ポインティング装置30は、導光体とカバー部が一体成型されているため、特許文献2に記載の光学式ジョイスティックのように、カバー部と導光体の間に外乱光を遮断する遮光部を設けることができない。
本発明は、光ポインティング装置30における上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数および/または製造工程数が少なく、かつ、光ポインティング装置の側面から入射する外乱光の撮像素子への入射を防止する光ポインティング装置およびそれを備える電子機器を実現することにある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。また、同一の機能および作用を示す部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態について図1に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態の光ポインティング装置1の概略断面構造図である。図示のように、光ポインティング装置1は、基板部26およびカバー部(導光体)4を備える。基板部26は、回路基板12、光源2、撮像素子3および透明樹脂10・11から成る。カバー部4は、接触面5、傾斜面6を形成する折り曲げ素子28、結像素子8、反射面7・9および傾斜面(斜面)17を形成する散乱素子(外乱光抑制手段)29を含む。このように、光ポインティング装置1では、図14に示す光ポインティング装置30と異なり、カバー部4が傾斜面17を形成する散乱素子29を含んでいる。
散乱素子29は、カバー部4の一部を構成しており、カバー部4のY軸の負側かつZ軸の正側の端部(角)に位置する。散乱素子29に形成されている傾斜面17は、平面であり、カバー部4の上表面と、カバー部4のY軸の負側の側面との間に位置し、カバー部4の上表面、および、カバー部4のY軸の負側の側面と接している。
また、傾斜面17は、カバー部4の上表面、および、カバー部4のY軸の負側の側面に対して所定の角度で傾いている。傾斜面17のカバー部4の上表面、または、カバー部4のY軸の負側の側面に対する角度は、カバー部4、結像素子8、反射面7・9および撮像素子3の位置関係や、カバー部4および結像素子8の形状等に基づいて、外乱光16が撮像素子3に入射することを防止または抑制できる角度に設計することが好ましい。
散乱素子29は、例えば、図14に示す光ポインティング装置30のカバー部27のY軸の負側かつZ軸の正側の角(カバー部27の上表面のY軸の負側かつZ軸の正側の稜辺)を平面で面取りすることによって形成される。
散乱素子29は、外乱光16を反射または屈折させて、撮像素子3に外乱光16が入射することを防止または抑制するものである。図1に示すように、散乱素子29が傾斜面17で外乱光16を屈折または反射させることによって、図14に示すように、外乱光16が結像素子8に入射することがない。すなわち、散乱素子29が形成されることにより、カバー部4のY軸の負側の側面から入射する(Y軸の正側方向の)外乱光16が、撮像素子3に入射することを防止または抑制することができる。
上述のように、散乱素子29の傾斜面17は、光ポインティング装置30のカバー部27のY軸の負側かつZ軸の正側の稜辺を平面で切り落とすことによって形成されるため、外乱光16を遮光する新たな部材を設けることなく、外乱光16の入射を防止することができる。また、カバー部27の稜辺を面取りするだけであるため、光ポインティング装置30のカバー部27の側面に遮光膜を形成することに比べて、外乱光16の入射を防止可能な光ポインティング装置の製造工程数を少なくすることができる。
なお、傾斜面17の表面は鏡面仕上げといった極力凹凸の少ない平坦な構造が望ましい。これにより、傾斜面17において、設計通りに外乱光16を反射または屈折させることができるため、撮像素子3への外乱光16の入射をより効果的に阻止できる。
また、図1に示す例では、散乱素子29をカバー部4のY軸の負側かつZ軸の正側の端部にだけ設けているが、これに限るものではない。例えば、散乱素子29を、カバー部4のY軸の正側かつZ軸の正側の端部に設けてもよいし、カバー部4のX軸の正側かつZ軸の正側の端部に設けてもよいし、カバー部4のX軸の負側かつZ軸の正側の端部に設けてもよい。散乱素子29は、カバー部4に最大4箇所設けてもよく、また、少なくともカバー部4の1箇所に設けられていればよい。
すなわち、散乱素子29は、図14に示す光ポインティング装置30のカバー部27のY軸の正側かつZ軸の正側の稜辺を平面で面取りして形成してもよいし、カバー部27のX軸の正側かつZ軸の正側の稜辺を平面で面取りして形成してもよいし、カバー部27のX軸の負側かつZ軸の正側の稜辺を平面で面取りして形成してもよい。つまり、散乱素子29は、カバー部27の上表面と接する4稜辺全てを平面で面取りして形成してもよいし、カバー部27の上表面と接する少なくとも1稜辺を平面で面取りして形成してもよい。
このように、複数箇所に散乱素子29を設けることによって、外乱光16の入射をより防止することができる。また、散乱素子29を4箇所に設けることにより、光ポインティング装置1の外観上(形状)のバランスを低下させることなく、また、指での操作時に違和感が発生することのない、操作性が低下しない光ポインティング装置を提供することができる。
また、図1に示す光ポインティング装置1の構造(カバー部4、結像素子8、反射面7・9および撮像素子3の位置関係や、カバー部4および結像素子8の形状等)の場合、カバー部4のY軸の負側の側面から入射する外乱光16が、その他の側面から入射する外乱光に比べて、撮像素子3に入射する可能性が高い、つまり、外乱光16により誤動作が発生する可能性が高い。よって、図1に示す例では、光ポインティング装置1のカバー部4のY軸の負側かつZ軸の正側に散乱素子29を設けている。このように、撮像素子に入射する可能性が高い外乱光を防ぐように、カバー部4の所定の端部に散乱素子29を設けることが好ましい。
具体的には、図1に示す光ポインティング装置1では、光源2から照射された光Mは、接触面5で被写体13に反射され、被写体13で反射された光Lは、カバー部4内部でY軸の正方向(水平方向)に反射されて撮像素子3に入射する。すなわち、光源2から照射された光が、カバー部4内部を光源2から撮像素子3に向かう方向に導光する。この場合、光源2から撮像素子3に向かう方向に入射する外乱光を防止することが効果的であるため、光源2と撮像素子3とを結ぶ直線と交差する側面のうち、光源2側の側面からの外乱光を防止することが望ましい。よって、光源2と撮像素子3とを結ぶ直線と交差する、光源2側の側面とカバー部4の上表面との間に、散乱素子29を設ければよい。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について図2に基づいて説明する。図2は、第2の実施形態の光ポインティング装置1aの概略断面構造図である。光ポインティング装置1aは、光ポインティング装置1のカバー部4aの散乱素子29の表面(傾斜面17)上に遮光膜(反射膜、吸収膜)18を設けたものである。その他の点については、光ポインティング装置1aの構造は、光ポインティング装置1と同様であるため、ここでは主に、光ポインティング装置1aの光ポインティング装置1と異なる点について説明する。
遮光膜18は、散乱素子29の表面上に位置する反射膜または吸収膜であり、外乱光16を反射または吸収するものである。遮光膜18が外乱光を反射する反射膜である場合、遮光膜18は、例えば、アルミ、銀、金等の金属膜や、誘電体ダイクロ膜などである。また、遮光膜18が外乱光をその場で吸収する吸収膜である場合、遮光膜18は、例えば、カーボンブラックを混ぜた塗料や墨などで形成された膜である。
散乱素子29の表面は、垂直面ではなく、水平面に対して傾斜している斜め面であるため、上述のように、蒸着または印刷によって、傾斜面17上に容易に遮光膜を形成することができる。
このように、傾斜面17の表面に遮光膜18を設けることにより、より外乱光16の遮光効果を高めることが可能になる。具体的には、遮光膜18が反射膜の場合、外乱光16の反射率をより高めることができ、光ポインティング装置1a内部への外乱光16の流入を阻止することができる。一方、遮光膜18が吸収膜の場合、外乱光16を散乱素子29の表面で吸収することにより、反射膜の場合と同様に、光ポインティング装置1a内部への外乱光16の流入を阻止することができる。
また、遮光膜18として、反射膜および吸収膜のどちらでも適用することができるため、光ポインティング装置1aのデザイン選択の範囲を広めることができる。その結果、光ポインティング装置1aを搭載する電子機器のデザインに整合させることができる。
なお、散乱素子29が複数箇所に設けられている場合、傾斜面17への遮光膜18の塗布は1箇所だけではなく、複数の散乱素子29の表面上に遮光膜18を設けてもよい。例えば、散乱素子29が4箇所設けられており、これら全てに遮光膜18を設けた場合、外乱光阻止の効果をより向上することができ、かつ、第1の実施形態と同様に、バランスのとれた形状の光ポインティング装置1aを提供することが可能である。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態について図3に基づいて説明する。図3は、第3の実施形態の光ポインティング装置1bの概略断面構造図である。光ポインティング装置1bでは、光ポインティング装置1のカバー部4の散乱素子29の表面が平面ではなく、カバー部4bに凸型の曲面である湾曲面(斜面)19で形成される散乱素子29bが設けられている。散乱素子29bの形状が異なる以外は、光ポインティング装置1bの構造は、光ポインティング装置1と同様であるため、ここでは主に、光ポインティング装置1bの光ポインティング装置1と異なる点について説明する。
散乱素子29bは、カバー部4bの一部を構成しており、カバー部4bのY軸の負側かつZ軸の正側の端部(角)に位置する。散乱素子29bに形成されている湾曲面19は、凸型の曲面であり、カバー部4bの上表面と、カバー部4bのY軸の負側の側面との間に位置し、カバー部4bの上表面、および、カバー部4bのY軸の負側の側面と接している。
また、湾曲面19は、カバー部4bの上表面、または、カバー部4bのY軸の負側の側面から、連続的に傾いた面で形成されている。湾曲面19の曲率は、カバー部4b、結像素子8、反射面7・9および撮像素子3の位置関係や、カバー部4bおよび結像素子8の形状等に基づいて、外乱光16が撮像素子3に入射することを防止または抑制できる曲率に設計することが好ましい。
散乱素子29bは、例えば、図14に示す光ポインティング装置30のカバー部27のY軸の負側かつZ軸の正側の角(カバー部27の上表面のY軸の負側かつZ軸の正側の稜辺)をR(アール)で面取りすることによって形成される。
散乱素子29bは、外乱光16を反射または屈折させて、撮像素子3に外乱光16が入射することを防止または抑制するものである。図3に示すように、散乱素子29bが湾曲面19で外乱光16を屈折または反射させることによって、図14に示すように、外乱光16が結像素子8に入射することがない。すなわち、散乱素子29bが形成されることにより、カバー部4bのY軸の負側の側面から入射する(Y軸の正側方向の)外乱光16が、撮像素子3に入射することを防止または抑制することができる。
上述のように、散乱素子29bの湾曲面19は、光ポインティング装置30のカバー部27のY軸の負側かつZ軸の正側の稜辺をRで面取りすることによって形成されるため、外乱光16を遮光する新たな部材を設けることなく、外乱光16の入射を防止することができる。また、カバー部27の稜辺を面取りするだけであるため、光ポインティング装置30のカバー部27の側面に遮光膜を形成することに比べて、外乱光16の入射を防止可能な光ポインティング装置の製造工程数を少なくすることができる。
なお、図示はしないが、第3の実施形態にも第2の実施形態同様、湾曲面19の表面上に遮光膜18を設けてもよい。
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態について図4に基づいて説明する。図4は、第4の実施形態の光ポインティング装置1cの概略断面構造図である。光ポインティング装置1cでは、光ポインティング装置1のカバー部4の散乱素子29の表面が均一な平面ではなく、カバー部4cに凹凸のある階段状傾斜面(斜面)20で形成される散乱素子29cが設けられている。散乱素子29cの表面の形状が異なる以外は、光ポインティング装置1cの構造は、光ポインティング装置1と同様であるため、ここでは主に、光ポインティング装置1cの光ポインティング装置1と異なる点について説明する。
散乱素子29cは、カバー部4cの一部を構成しており、カバー部4cのY軸の負側かつZ軸の正側の端部(角)に位置する。散乱素子29cに形成されている階段状傾斜面20は、表面に階段状の凹凸があり、カバー部4cの上表面と、カバー部4cのY軸の負側の側面との間に位置し、カバー部4cの上表面、および、カバー部4cのY軸の負側の側面と接している。
また、階段状傾斜面20は、カバー部4cの上表面、および、カバー部4cのY軸の負側の側面に対して所定の角度で傾いている。階段状傾斜面20のカバー部4cの上表面、または、カバー部4cのY軸の負側の側面に対する角度(カバー部4cの上表面と階段状傾斜面20との間の稜辺と、カバー部4cの側面と階段状傾斜面20との間の稜辺との間を結ぶ垂線の当該上表面または当該側面に対する角度)は、カバー部4c、結像素子8、反射面7・9および撮像素子3の位置関係や、カバー部4cおよび結像素子8の形状等に基づいて、外乱光16が撮像素子3に入射することを防止または抑制できる角度に設計することが好ましい。
散乱素子29cは、例えば、図14に示す光ポインティング装置30のカバー部27のY軸の負側かつZ軸の正側の角(カバー部27の上表面のY軸の負側かつZ軸の正側の稜辺)を、表面が階段状の凹凸面になるように、面取りすることによって形成される。
散乱素子29cは、外乱光16を反射または屈折させて、撮像素子3に外乱光16が入射することを防止または抑制するものである。図4に示すように、散乱素子29cが階段状傾斜面20で外乱光16を屈折または反射させることによって、図14に示すように、外乱光16が結像素子8に入射することがない。すなわち、散乱素子29cが形成されることにより、カバー部4cのY軸の負側の側面から入射する(Y軸の正側方向の)外乱光16が、撮像素子3に入射することを防止または抑制することができる。
上述のように、散乱素子29cの階段状傾斜面20は、光ポインティング装置30のカバー部27のY軸の負側かつZ軸の正側の稜辺を切り落とすことによって形成されるため、外乱光16を遮光する新たな部材を設けることなく、外乱光16の入射を防止することができる。また、カバー部27の稜辺を面取りするだけであるため、光ポインティング装置30のカバー部27の側面に遮光膜を形成することに比べて、外乱光16の入射を防止可能な光ポインティング装置の製造工程数を少なくすることができる。
なお、階段状傾斜面20の表面は規則的な凹凸面であってもよいし、不規則な凹凸面であってもよい。また、階段状傾斜面20の表面は、細かい凹凸面であることが望ましい。これにより、階段状傾斜面20において、外乱光16がより散乱するため、撮像素子3への入射する外乱光16を減衰させることができる。
また、図示はしないが、第4の実施形態にも第2の実施形態同様、階段状傾斜面20の表面上に遮光膜18を設けてもよい。また、第3の実施形態における湾曲面19の表面を、本実施形態と同様に、外乱光16をより散乱するように凹凸面に加工してもよい。
また、第4の実施形態にも第2の実施形態同様、階段状傾斜面20の表面上に遮光膜18を設けてもよい。
〔第5の実施形態〕
本発明の第5の実施形態について図5に基づいて説明する。図5は、第5の実施形態の光ポインティング装置1dの概略断面構造図である。図示のように、光ポインティング装置1dは、基板部26dおよびカバー部4dを備える。基板部26dは、回路基板12、光源2、撮像素子3、透明樹脂10d・11および遮光樹脂(外乱光抑制手段)21から成る。カバー部4dは、接触面5、傾斜面6を形成する折り曲げ素子28、結像素子8および反射面7・9を含む。このように、光ポインティング装置1dでは、図14に示す光ポインティング装置30と異なり、基板部26dが遮光樹脂21を含んでいる。
遮光樹脂21は、カバー部4dの側面から入射してきた外乱光16を遮光するものである。遮光樹脂21は、板状の形状であり、光を透過しない遮光性(非透過性)樹脂をトランスファーモールド、インジェクションモールド、ポッティングなどの成型方法によって形成したものである。なお、遮光樹脂21は、光源2を封止している透明樹脂10d、および、撮像素子3を封止している透明樹脂11を成型する際に、遮光性樹脂を使用して同時もしくは段階的に形成してもよい。遮光性樹脂として、例えば、カーボンブラックを含む樹脂であって、シリコーン樹脂もしくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂またはABS等の熱可塑性樹脂が用いられる。
遮光樹脂21は、図5に示すように、回路基板12上に位置し、光源2および光源2を封止する透明樹脂10dよりY軸の負側に位置する。すなわち、遮光樹脂21は、カバー部4dのY軸の負側の側面と、光源2との間に位置する。換言すると、遮光樹脂21の底面は、回路基板12の上表面と密着して接している。また、遮光樹脂21のY軸の正側の側面の下部は、透明樹脂10dと密着して接しており、遮光樹脂21のY軸の正側の側面の上部は、カバー部4dと密着して接している。さらに、遮光樹脂21の天面(上表面)およびY軸の負側の側面は、カバー部4dと密着して接している。
図5に示すように、遮光樹脂21が外乱光16を遮光することによって、図14に示すように、外乱光16が結像素子8に入射することがない。すなわち、遮光樹脂21がカバー部4d内部に配置されることにより、カバー部4dのY軸の負側の側面から入射する(Y軸の正側方向の)外乱光16が、撮像素子3に入射することを防止または抑制することができる。
上述のように、遮光樹脂21は、回路基板12上に成型によって形成されるため、基板部26dとして一体成型される。それゆえ、光ポインティング装置に外乱光16を遮光する新たな部材を設けることなく、外乱光16の入射を防止することができる。また、回路基板12上に遮光性樹脂を成型するだけであるため、光ポインティング装置30のカバー部27の側面に遮光膜を形成することに比べて、外乱光16の入射を防止可能な光ポインティング装置の製造工程数を少なくすることができる。
また、カバー部4d内部に遮光樹脂21を設けることにより、カバー部の外部に露出する表面上に外乱光を防止する手段を設ける場合と比較して、光ポインティング装置1dのカバー部4dの形状、特に外観の制約が少なくなるため、本実施形態では、カバー部4dの上表面の平坦性を活かした光ポインティング装置1dのデザインが可能である。
なお、遮光樹脂21の厚みは、外乱光16を遮光するために十分な厚みであればよい。また、遮光樹脂21の天面とカバー部4dの上表面との間の間隙、つまり、遮光樹脂21の上方のカバー部4dの厚みは、外部の衝撃等から光源2および撮像素子3等を保護するために十分な強度を有する厚みであり、外乱光16を遮光するためにできるだけ薄い(間隙が狭い)ことが好ましい。
また、図5に示す例では、遮光樹脂21を、カバー部4dのY軸の負側の側面と光源2との間に(カバー部4d内部のY軸の負側に)だけ設けているが、これに限るものではない。例えば、カバー部4dのY軸の正側の側面と結像素子8(撮像素子3)との間に(カバー部4d内部のY軸の正側に)設けてもよいし、カバー部4dのX軸の正側の側面と光源2および撮像素子3との間に(カバー部4d内部のX軸の正側に)設けてもよいし、カバー部4dのX軸の負側の側面と光源2および撮像素子3との間に(カバー部4d内部のX軸の負側に)設けてもよい。遮光樹脂21は、カバー部4d内部に最大4箇所設けてもよく、また、少なくともカバー部4d内部の1箇所に設けられていればよい。このように、複数箇所に遮光樹脂21を設けることによって、外乱光16の入射をより防止することができる。
〔第6の実施形態〕
本発明の第6の実施形態について図6に基づいて説明する。図6は、第6の実施形態の光ポインティング装置1eの概略断面構造図である。図示のように、光ポインティング装置1eは、基板部26およびカバー部4eを備える。基板部26は、回路基板12、光源2、撮像素子3および透明樹脂10・11から成る。カバー部4eは、接触面5、傾斜面6を形成する折り曲げ素子28、結像素子8および反射面7・9を一体成型した導光体22と、遮光カバー部(外乱光抑制手段)23とを含む。このように、光ポインティング装置1eでは、図14に示す光ポインティング装置30と異なり、カバー部4eが導光体22および遮光カバー部23の2つの部材で構成されている。
導光体22は、光源2から照射された光Mを接触面5に導光し、被写体13で反射された光Lを、撮像素子3に向けて出射するように導光体22内部で導光させるものである。つまり、導光体22は、図14に示す光ポインティング装置30のカバー部27における、光MおよびLを導光する光学的な機能を有するものである。
導光体22は、基板部26の上側に位置し、導光体22の反射面9のZ軸の負側の表面は、基板部26の透明樹脂11の上表面に密着して接している。なお、反射面9のZ軸の負側の表面と、導光体22のZ軸の負側の表面とが同一平面を形成してもよい。この場合、導光体22のZ軸の負側の表面および反射面9のZ軸の負側の表面が透明樹脂11の上表面に密着して接している。また、導光体22のY軸の負側の側面および正側の側面は、それぞれ遮光カバー部23と密着して接している。
遮光カバー部23は、カバー部4eの側面から入射してきた外乱光16を遮光するものである。遮光カバー部23は、カバー部4eの側壁を形成するものである。すなわち、図6に示す、Y軸の正側の遮光カバー部23は、回路基板12のY軸の正側の側面と、透明樹脂11のY軸の正側の側面および上表面のY軸の正側の一部と、導光体22のY軸の正側の側面と、それぞれ密着して接している。また、Y軸の負側の遮光カバー部23は、回路基板12のY軸の負側の側面および上表面のY軸の負側の一部と、透明樹脂10のY軸の負側の側面および上表面のY軸の負側の一部と、導光体22のY軸の負側の側面と、それぞれ密着して接している。また、図6に示すように、Y軸の正側の遮光カバー部23は、結像素子8よりY軸の正側に位置し、Y軸の負側の遮光カバー部23は、光源2よりY軸の負側に位置する。
遮光カバー部23は、光を透過しない遮光性樹脂をトランスファーモールド、インジェクションモールド、ポッティングなどの成型方法によって形成したものである。遮光性樹脂として、例えば、カーボンブラックを含む樹脂であって、シリコーン樹脂もしくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂またはABS等の熱可塑性樹脂が用いられる。
このように、光ポインティング装置1eでは、導光体22が光MおよびLを導光する光学的な機能を備え、導光体22および遮光カバー部23の両者が、光源2および撮像素子3などの光ポインティング装置1eを構成する各部・各素子を保護する。なお、導光体22の上表面と、遮光カバー部23の上表面とで、同一平面を形成する。
図6に示すように、遮光カバー部23が外乱光16を遮光することによって、図14に示すように、外乱光16が結像素子8に入射することがない。すなわち、カバー部4eが遮光カバー部23を備えることにより、カバー部4eのY軸の負側の側面から入射する(Y軸の正側方向の)外乱光16が、撮像素子3に入射することを防止または抑制することができる。
上述のように、被写体13を検知する光MおよびLを導光する導光体22と、外乱光を遮光する遮光カバー部23とを形成して、2つの部材からカバー部4eを形成するため、光ポインティング装置を構成する部品数、および、光ポインティング装置の製造工程数が従来に比べて少なく、かつ、外乱光16の入射を防止する光ポインティング装置を実現することができる。
なお、図6に示す例では、カバー部4eのY軸の負側および正側の側壁を遮光カバー部23で構成しているが、これに限るものではない。例えば、カバー部4eのX軸の負側および正側の側壁を遮光カバー部23で構成してもよい。遮光カバー部23は、カバー部4eの全ての側壁として形成してもよいし、また、少なくともカバー部4eの1つの側壁として形成していればよい。
このように、カバー部4eの複数の側壁に遮光カバー部23を設けることによって、外乱光16の入射をより防止することができる。また、遮光カバー部23をカバー部4eの全ての側壁として形成することにより、光ポインティング装置1eの外観上(形状)のバランスを維持することが容易な光ポインティング装置を提供することができる。
〔第7の実施形態〕
本発明の第7の実施形態について図7に基づいて説明する。図7は、第7の実施形態の光ポインティング装置1fの概略断面構造図である。光ポインティング装置1fでは、光ポインティング装置1eのカバー部4eを構成する導光体22および遮光カバー部23と比較して、カバー部4fを構成する導光体22fおよび遮光カバー部23fの機能は同じであるが、それらの形状が異なっている。導光体22fおよび遮光カバー部23fの形状が異なる以外は、光ポインティング装置1fの構造は、光ポインティング装置1eと同様であるため、ここでは主に、光ポインティング装置1fの光ポインティング装置1eと異なる点について説明する。
図7に示すように、光ポインティング装置1fでは、導光体22fにおいて、接触面5のみを外部に露出し、反射面7の上方を遮光カバー部23fで覆う構成としている。つまり、光ポインティング装置1fの上表面が、遮光カバー部23fの上表面と、導光体22fの接触面5の領域の上表面とで形成されている。
具体的には、遮光カバー部23fでは、Y軸の負側の遮光カバー部23fは、図6に示す遮光カバー部23と同じ形状であるが、Y軸の正側の遮光カバー部23fは、側壁部分(図6に示すY軸の正側の遮光カバー部23)の上部から板状に延伸している。換言すると、Y軸の正側の遮光カバー部23fは、略L字型の形状を成している。
また、導光体22fでは、接触面5と、反射面7とが略同一平面上にあるのではなく、接触面5と、反射面7との間で段差が形成されている。そして、導光体22fは、Y軸の負側の側面は、Y軸の負側の遮光カバー部23fの側面と密着して接しており、Y軸の正側の側面は、Y軸の正側の遮光カバー部23fの側面と密着して接している。なお、図示の例では、反射面7の上表面と、Y軸の正側の遮光カバー部23fの板状部分のZ軸の負側の表面との間に間隙が形成されているが、両表面は、密着して接していてもよい。
このように、光ポインティング装置1fでは、導光体22fの接触面5を除いて、遮光カバー部23fが覆っているため、側面から入射する外乱光16だけではなく、光ポインティング装置1fの上表面から入射する外乱光も遮光することができる。また、接触面5を除いて、同じ材質である遮光カバー部23fで光ポインティング装置1fの外部に露出する面を形成するため、光ポインティング装置1eの外観上(形状)のバランスを維持することが容易であるとともに、ユーザに接触面5の位置を示すことができる。
〔第8の実施形態〕
次に、光ポインティング装置を搭載した電子機器について、図8を用いて説明する。図8は、光ポインティング装置107を搭載した携帯電話機(電子機器)100の外観を示す図である。図8(a)は携帯電話機100の正面図であり、(b)は携帯電話機100の背面図であり、(c)は携帯電話機100の側面図である。図8では、電子機器として携帯電話機である例を示しているがこれに限定されるものではない。電子機器として、例えば、PC(特にモバイルPC)、PDA、ゲーム機、テレビ等のリモコンなどであってもよい。
図8に示すように、携帯電話機100は、モニター側筐体101および操作側筐体102を備える。モニター側筐体101は、モニター部105およびスピーカー部106を含み、操作側筐体102は、マイク部103、テンキー104および光ポインティング装置107を含む。携帯電話機100に搭載される光ポインティング装置107は、上述の第1〜7の実施形態で説明した光ポインティング装置1、1a、1b、1c、1d、1e、1fの何れも適用可能である。
なお、本実施形態において、光ポインティング装置107は、図8(a)に示すように、テンキー104の上部に配置されているが、光ポインティング装置107の配置方法およびその向きについては、これに限定されるわけではない。また、一般的には、光ポインティング装置107は、ユーザの操作性の観点から、テンキー104の近くに配置されることが多い。
スピーカー部106は、音声情報を外部に出力するものであり、マイク部103は音声情報を携帯電話機100に入力するものである。モニター部105は、映像情報を出力するものであり、本実施形態においては、光ポインティング装置107からの入力情報を表示するものである。
なお、本実施形態の携帯電話機100は、図8(a)〜図8(c)に示すように、上部の筐体(モニター側筐体101)と下部の筐体(操作側筐体102)とがヒンジを介して接続されている、いわゆる折りたたみ式の携帯電話機100を例として挙げている。携帯電話機100として、折りたたみ式が主流であるため、本実施形態では折りたたみ式の携帯電話機を一例として挙げているのであって、光ポインティング装置107を搭載することができる携帯電話機100は、折りたたみ式に限るものではない。
近年、折りたたみ式の携帯電話機100において、折りたたんだ状態で厚みが10mm以下のものも登場してきている。携帯電話機100の携帯性を考慮するならば、その厚みは極めて重要な要素となっている。図8に示す操作側筐体102において、図示されない内部の回路基板等を除いて、その厚みを決定する部品は、マイク部103、テンキー104、光ポインティング装置107である。この中で、光ポインティング装置107の厚さが最も厚く、光ポインティング装置107の薄型化は、携帯電話機100の薄型化に直接繋がる。よって、上述のように薄型化可能な本発明の光ポインティング装置は、携帯電話機100のような薄型化を必要とする電子機器に対して好適な発明である。
図8に示す携帯電話機100では、ユーザが、モニター側筐体101を上にして操作側筐体102を持ち、親指等でテンキー104や光ポインティング装置107を操作することを想定して設計されている。また、通常、ユーザは、このような使用態様で携帯電話機100を操作することが多い。
そのため、図9に示すように、ユーザが携帯電話機100を屋外の太陽光の下で、または、屋内の照明灯直下で使用する場合、携帯電話機100(光ポインティング装置107)の上方から、太陽光または照明光である外乱光110が光ポインティング装置107に照射される可能性が高い。
よって、外乱光110による誤動作の発生を抑制するために、外乱光が入射すると撮像素子3に入射する可能性が高い、光源2側の側面121を、通常の使用態様において外乱光110が入射する方向に対して反対の方向に向けて、光ポインティング装置107を携帯電話機100に搭載する。具体的には、図10に示すように、携帯電話機100(操作側筐体102)の下側に、光源2側の側面121を向けて搭載する。換言すると、図10のように、光源2から撮像素子3に向かう方向に入射する外乱光を防止するため、光源2と撮像素子3とを結ぶ直線Bと交差する、光ポインティング装置107の側面(側面121、122)のうち、光源2側の側面121を下方に向けて、光ポインティング装置107を携帯電話機100に搭載する。
さらに別の表現をすると、図10に示すように、ユーザが通常の使用態様で携帯電話機100を使用する場合において、導光体への最適となる光Lの入射角度θが小さくなる方向(図10に示すθの矢印の方向)を、携帯電話機100の下側に向くように光ポインティング装置107を取り付ける。ここで、導光体への最適となる光Lとは、光源2から照射された光Mが被写体13で反射されて、撮像素子3が受光し、被写体13の動きを正常に検知する場合において、光源2から照射された光Mが被写体13で反射されてから接触面5に到達するまでの光Lのことを意味する。また、入射角度θとは、光ポインティング装置107を水平にしたときの水平面(光ポインティング装置107の上表面)に対する光Lの光ポインティング装置107への入射角度である。すなわち、携帯電話機100の通常の使用態様において、光源2から照射された光Mが被写体13に反射されて導光体に入射するまでの光Lの導光体の上表面に対する入射角度θが小さくなる方向が下方に向くように、光ポインティング装置107を配置する。
このように光ポインティング装置107を配置することによって、ユーザが通常の使用態様で携帯電話機100を使用する場合、光ポインティング装置107における、外乱光が最も撮像素子3に入射しやすい方向が、操作に使用する親指の根元側、すなわちユーザ(操作者)側に向くことになる。そのため、屋外の太陽光が照りつける様な環境や、屋内の照明灯直下で使用する様な環境で使用する場合、携帯電話機100に照射する外乱光110は、ユーザの親指や、ユーザ自身によって遮蔽され、光ポインティング装置107に直接照射される可能性が低下する。その結果、外乱光110が照射する環境で携帯電話機100を使用する場合であっても、外乱光110による誤動作が発生することを抑制することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、PCや携帯電話機などの入力装置に利用することができ、特に小型、薄型を要求される携帯機器に好適に利用することができる。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f 光ポインティング装置
2 光源
3 撮像素子
4、4a、4b、4c、4d カバー部(導光体)
4e、4f カバー部
5 接触面
13 被写体
17 傾斜面(斜面)
18 遮光膜(反射膜、吸収膜)
19 湾曲面(斜面)
20 階段状傾斜面(斜面)
21 遮光樹脂(外乱光抑制手段)
22、22f 導光体
23、23f 遮光カバー部(外乱光抑制手段)
29、29b、29c 散乱素子(外乱光抑制手段)
100 携帯電話機(電子機器)
107 光ポインティング装置

Claims (12)

  1. 被写体に光を照射する光源と、前記被写体からの反射光を反射させて内部を導光させる導光体と、前記導光体によって導光された光を受光する撮像素子とを備え、前記導光体が前記光源および前記撮像素子を保護する機能を備える光ポインティング装置であって、
    該光ポインティング装置の少なくとも1つの側面から入射する光が前記撮像素子に入射することを抑制する外乱光抑制手段を備えることを特徴とする光ポインティング装置。
  2. 前記外乱光抑制手段は、前記導光体の一部であって、前記導光体の上表面と前記側面である前記導光体の側面との間に位置し、当該側面に対して傾いている斜面を形成するものであることを特徴とする請求項1に記載の光ポインティング装置。
  3. 前記斜面は、平面であることを特徴とする請求項2に記載の光ポインティング装置。
  4. 前記斜面は、曲面であることを特徴とする請求項2に記載の光ポインティング装置。
  5. 前記斜面は、凹凸のある面であることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の光ポインティング装置。
  6. 前記外乱光抑制手段は、前記斜面上に光を反射する反射膜を備えるものであることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の光ポインティング装置。
  7. 前記外乱光抑制手段は、前記斜面上に光を吸収する吸収膜を備えるものであることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の光ポインティング装置。
  8. 前記光源および前記撮像素子は、基板上に配置されて、それぞれ透明樹脂で樹脂封止されており、
    前記外乱光抑制手段は、前記基板上の、前記光源および前記撮像素子より前記側面側に位置し、遮光性樹脂で成型されたものであることを特徴とする請求項1に記載の光ポインティング装置。
  9. 前記外乱光抑制手段は、遮光性樹脂で成型されたものであって、前記側面側の前記導光体の側面と接しており、前記側面を形成する光ポインティング装置の側壁であることを特徴とする請求項1に記載の光ポインティング装置。
  10. 前記外乱光抑制手段は、前記被写体が接触する接触面を除く、前記導光体の上表面を覆うことを特徴とする請求項9に記載の光ポインティング装置。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の光ポインティング装置を備えることを特徴とする電子機器。
  12. 電子機器の通常の使用態様において、前記光源と前記撮像素子を結ぶ直線と交差する光ポインティング装置の側面のうち、前記光源側の側面が下方に向くように、前記光ポインティング装置を配置することを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
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