JP2012048298A - 製造工程の評価方法、その評価装置、及びそのプログラム - Google Patents

製造工程の評価方法、その評価装置、及びそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ばらつきのある単体工程が全体工程の処理能力に及ぼす影響の評価を図る。
【解決手段】複数工程を有する製造工程を評価する評価装置であって、複数工程における第1工程の処理能力を示す第1平均と、0より大きい第1標準偏差と、複数工程における第2工程の処理能力を示す第2平均と、を特定する単体工程処理能力データを、記憶する記憶部と、単体工程処理能力データの第1平均又は第1標準偏差を変更し、変更した第1平均又は第1標準偏差より構成される第1確率分布と、第2平均と第2標準偏差より構成される第2確率分布とを合成して、全体工程の処理能力を示す第1全体平均と第1全体標準偏差より構成される第1全体確率分布を生成する、処理部と、を備える評価装置が提供される。
【選択図】図8

Description

本発明は、製造工程の評価方法、その評価装置、及びそのプログラムに関する。
複数工程から構成される製造工程の全体処理能力を上げるために、製造工程を構成する各々の工程を評価する方法がある。例えば、製造工程の中から、製造工程の全体処理能力を制約するボトルネック工程を用いた評価方法である。
上記のような評価方法では、製造工程を構成する各工程の処理能力の平均値を用いてボトルネック工程を見つけ出し、ボトルネック工程を改良することで、全体処理能力を上げる。このような、ボトルネック工程に着目して製造工程の改善や、運用を図る考え方は、制約理論(TOC:theory of constraints)と呼ばれる。
「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」エリヤフ・ゴールドラット、ダイヤモンド社
単体工程の処理能力にばらつきがあると、当該ばらつきのある単体工程が、ボトルネック工程とみなされなくても、全体工程の処理能力に影響を及ぼす場合がある。制約理論では、ボトルネック工程以外は改善の対象としない。そのため、ボトルネック工程以外の工程が全体工程の処理能力に及ぼす影響を評価することはできない。
上記の課題を解決する製造工程の評価方法、その評価装置、及びそのプログラムは、次の通りである。
(1)複数工程を有する製造工程を評価する評価装置であって、
前記複数工程の1つの工程である第1工程の処理能力を示す第1平均と、第1標準偏差と、前記複数工程の1つの工程である第2工程の処理能力を示す第2平均と、を特定する単体工程処理能力データを、記憶する記憶部と、
前記第1平均が前記第2平均より小さい場合、前記単体工程処理能力データの第1平均を下げ、前記第1標準偏差及び前記下げた第1平均により構成される第1変更確率分布関数と、第2標準偏差及び前記第2平均により構成される第2確率分布関数とを合成して、第1全体平均及び第1全体標準偏差により構成される全体確率分布関数を生成する、処理部と、を備えることを特徴とする評価装置。
(2)前記全体確率分布を表示する表示部、をさらに備えることを特徴とする(1)に記載の評価装置。
(3)前記処理部は、前記第1標準偏差及び前記第1平均により構成される第1確率分布関数と、前記第2確率分布関数とを合成して、未変更全体平均及び未変更全体標準偏差により構成される未変更全体確率分布関数を生成するとともに、前記全体確率分布関数と、前記未変更全体確率分布関数とを比較する、ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の評価装置。
(4)前記処理部が、前記第2平均及び前記第2標準偏差を下げ、前記下げた第2平均及び第2標準偏差により構成される第2変更確率分布関数と、前記第1確率分布関数とを合成して、第2全体平均と第2全体標準偏差とにより構成される第2全体確率分布関数を生成するとともに、前記全体確率分布関数と、前記第2全体確率分布関数を比較する、ことを特徴とする(1)〜(3)の何れか1項に記載の評価装置。
(5)前記記憶部は、単体工程の処理能力と、単体工程の処理能力の向上にかかるコストデータとの対応関係を示す単体工程コストデータを記憶し、
前記処理部が、前記第1全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第1改善率を算出し、且つ、前記第2全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第2改善率を算出するとともに、前記単体工程コストデータを参照して、前記第1改善率又は前記第2改善率あたりにかかるコストを算出する、ことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の評価装置。
(6)複数工程を有する製造工程の評価方法であって、
情報処理装置の処理部が、前記情報処理装置の主記憶装置から、前記複数工程の1つの工程である第1工程の処理能力を示す第1平均と、第1標準偏差と、前記複数工程の1つの工程である第2工程の処理能力を示す第2平均と、を取得し、
前記処理部が、前記第1平均が前記第2平均より小さい場合、前記単体工程処理能力データの第1平均を下げ、
前記処理部が、前記第1標準偏差及び前記下げた第1平均により構成される第1変更確率分布関数と、第2標準偏差及び前記第2平均により構成される第2確率分布関数とを合成して、第1全体平均及び第1全体標準偏差により構成される全体確率分布関数を生成する、ことを特徴とする評価方法。
(7)前記情報処理装置の表示部に、前記全体確率分布を表示することを特徴とする(6)に記載の評価方法。
(8)前記処理部が、前記第1標準偏差及び前記第1平均により構成される第1確率分布関数と、前記第2確率分布関数とを合成して、未変更全体平均及び未変更全体標準偏差により構成される未変更全体確率分布関数を生成し、
前記処理部が、前記全体確率分布関数と、前記未変更全体確率分布関数とを比較する、ことを特徴とする(6)又は(7)に記載の評価方法。
(9)前記処理部が、前記第2平均及び前記第2標準偏差を下げ、前記下げた第2平均及び第2標準偏差により構成される第2変更確率分布関数と、前記第1確率分布関数とを合成して、第2全体平均と第2全体標準偏差とにより構成される第2全体確率分布関数を生成し、
前記処理部が、前記全体確率分布関数と、前記第2全体確率分布関数を比較する、ことを特徴とする(6)〜(8)の何れか1項に記載の評価方法。
(10)前記記憶部は、単体工程の処理能力と、単体工程の処理能力の向上にかかるコストデータとの対応関係を示す単体工程コストデータを記憶し、
前記処理部が、前記第1全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第1改善率を算出し、且つ、前記第2全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第2改善率を算出するとともに、前記単体工程コストデータを参照して、前記第1改善率又は前記第2改善率あたりにかかるコストを算出する、ことを特徴とする(6)〜(9)のいずれか1項に記載の評価方法。
(11)複数工程を有する製造工程を評価するためのプログラムであって、情報処理装置の処理部に、
前記情報処理装置の主記憶装置から、前記複数工程の1つの工程である第1工程の処理能力を示す第1平均と、第1標準偏差と、前記複数工程の1つの工程である第2工程の処理能力を示す第2平均と、を取得する手順と、
前記第1平均が前記第2平均より小さい場合、前記単体工程処理能力データの第1平均を下げる手順と、
前記第1標準偏差及び前記下げた第1平均により構成される第1変更確率分布関数と、第2標準偏差及び前記第2平均により構成される第2確率分布関数とを合成して、第1全体平均及び第1全体標準偏差により構成される全体確率分布関数を生成する手順と、を実行させることを特徴とするプログラム。
(12)前記情報処理装置の表示部に前記全体確率分布を表示する手順を、前記処理部に実行させることを特徴とする(11)に記載のプログラム。
(13)前記第1標準偏差及び前記第1平均により構成される第1確率分布関数と、前記第2確率分布関数とを合成して、未変更全体平均及び未変更全体標準偏差により構成される未変更全体確率分布関数を生成する手順と、
前記全体確率分布関数と、前記未変更全体確率分布関数とを比較する手順と、前記処理部に実行させることを特徴とする(11)又は(12)に記載のプログラム。
(14)前記第2平均及び前記第2標準偏差を下げ、前記下げた第2平均及び第2標準偏差により構成される第2変更確率分布関数と、前記第1確率分布関数とを合成して、第2全体平均と第2全体標準偏差とにより構成される第2全体確率分布関数を生成する手順と、
前記処理部が、前記全体確率分布関数と、前記第2全体確率分布関数を比較する手順と、を前記処理部に実行させることを特徴とする(11)〜(13)の何れか1項に記載のプログラム。
(15)前記記憶部は、単体工程の処理能力と、単体工程の処理能力の向上にかかるコストデータとの対応関係を示す単体工程コストデータを記憶し、
前記第1全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第1改善率を算出し、且つ、前記第2全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第2改善率を算出するとともに、前記単体工程コストデータを参照して、前記第1改善率又は前記第2改善率あたりにかかるコストを算出する手順、を前記処理部に実行させることを特徴とする(11)〜(14)のいずれか1項に記載のプログラム。
1つの側面では、本発明は、ばらつきのある単体工程が全体工程の処理能力に及ぼす影響を評価するという効果を奏する。
図1は、製造工程の一例を示す図である。 図2は、連続圧延工程の一例を示す図である。 図3は、処理時間にばらつきのある単体工程が全体工程に与える影響を説明する図である。 図4は、処理時間の平均値が同じである2つの工程から構成される製造工程の処理時間の一例を示す図である。 図5は、図4に示した製造工程の処理時間の平均値と、実際の処理時間との関係を示す図である。 図6は、処理時間にばらつきのある単体工程を示す累積分布関数の一例を示す図である。 図7は、処理時間の平均値が異なる2つの工程から構成される製造工程の処理時間の一例を示す図である。 図8は、処理能力の確率分布の合成例を示す図である。 図9は、累積分布関数を用いて、複数工程の重合せで全体能力を評価する一例を示す図である。 図10は、処理時間の平均値に対して処理時間の標準偏差が大きい場合と小さい場合の全体合成処理時間を比較した図である。 図11は、処理時間の実分布を用いて、異なる能力のアンバランス複数工程能力重合せにより、全体処理時間分布の推定例を示す図である。 図12Aは、単体工程A〜Cの処理能力を示す確率分布を示す図である。 図12Bは、全体工程の処理能力を示す確率分布を示す図である。 図12Cは、単体工程改善後の全体工程の処理能力を示す確率分布を示す図である。 図13は、情報処理装置の一例を示す図である。 図14は、記憶部に格納されるデータの一例を示す図である。 図15は、単体工程コストデータの一例を示す図である。 図16は、製造工程の評価の一例を示す図である。 図17は、単体工程の処理能力変更の一例を示す図である。
以下、〔1〕製造工程、〔2〕製造工程の実数検証結果を用いた評価、〔3〕製造工程の統計的評価、〔4〕単体工程の全体工程への改善寄与評価、〔5〕評価装置、〔6〕製造工程の評価処理フローに分けて、順に実施例を説明する。
製造工程〔1〕では、処理能力にばらつきのある単体工程を含む製造工程の種類と、具体的な製造工程の例について説明する。製造工程の実数検証結果を用いた評価〔2〕、及び製造工程の統計的評価〔3〕は、製造工程を単体能力の処理能力で判断する評価方法を説明する。単体工程の全体工程への改善寄与評価〔4〕は、単体工程の処理能力の改善が、全体工程の処理能力に与える寄与を説明する。評価装置〔5〕では、評価方法〔3〕又は〔4〕を実行する装置を説明し、製造工程の評価処理フロー〔6〕では、評価装置〔5〕が行なう評価方法〔3〕又は〔4〕の処理フローを説明する。
〔1〕製造工程
まず、製造工程について説明する。製造工程は、一般に、処理能力にばらつきがある単体工程を含む。なお、処理能力のばらつきとは、例えば、固形物を製品とする製造工程であれば、1製品当たりの処理時間のばらつきであり、また、固形物を製品としない製造工程では、時間当たりの流量のばらつきである。製造工程には、全てが固形物を部品表に従って加工し、組み合わせることで製品を製造する離散的な工程もある。また、製造工程には、液体や気体等の流体物を化学反応させ他の流体物に変化させる連続的な工程もある。さらに、製造工程は、上記の連続的な工程と、離散的な工程の組み合わせもある。
処理能力にばらつきのある製造工程は、例えば、(a)原材料を加工して部品を製造する加工工程、(b)部品を機械加工する機械加工工程、(c)部品から製品を組み立てる組立工程などがある。以下、上記(a)〜(c)の工程について概説する。
(a)原材料を加工して部品を製造する加工工程としては、例えば、製鉄所の製鉄プロセスがある。製鉄所の製鉄プロセスは、製銑工程、製鋼工程、圧延工程などから構成される。製銑工程は、高炉で、天然資源である鉄鉱石と、コークスとを高温下で化学反応させ、鉄鉱石の酸素を取り除いた鉄である銑鉄を取り出す工程である。製銑工程における製品とは、高温の液体である銑鉄であるため、所定流量の銑鉄になる。例えば、高炉に投入する鉄鉱石の量が変化することで、製銑工程は、処理能力にばらつきが生じる。
製鋼工程は、転炉により、銑鉄に含まれる炭素、燐、硫黄、及び珪素などの不純物を取り除いて粘りのある強靭な鉄である「鋼」を製造する工程である。製鋼工程では、転炉により不純物を取り除かれた溶鋼を、連続鋳造機に流し込み、所定の形状に鋳込むことで、側面が凝固した鋼片を製造する。製鋼工程における製品とは、側面が凝固した鋼片であるため、所定量の鋼片になる。例えば、転炉に投入する銑鉄の量が変化することで、製鋼工程は、処理能力にばらつきが生じる。
圧延工程は、鋼片をロールで上下に挟んで押し延ばし、所定の薄さまで薄くする工程である。例えば、圧延工程に投入する鋼片のサイズや、量が変化することで、鋼片のロール通過時間が変わるので、圧延工程の処理能力にばらつきが生じる。当該工程の一例として、図2を用いて、連続圧延工程を後述する。
(b)部品を機械加工する機械加工工程は、例えば、自動車工場には、自動車部品を機械加工して製造する機械加工工程がある。機械加工は、穴を開けるボール盤、固定されたバイトと呼ばれる工具で切削加工をする旋盤などを人間が操作することで行なわれ、又は、自動旋盤等で、自動加工が行なわれる。機械加工工程は、操作する人間による個人差等で、処理能力にばらつきが生じる。
(c)部品から製品を組み立てる組立工程は、例えば、エンジン部品であるシリンダー、ピストンロッド、カムチェーン等から、エンジンを組み立てる工程や、プロセッサや、メモリから、コンピュータを組み立てる工程、構造体や断熱材などの部材から家を組み立てる工程など様々なものがある。組立工程は、人間による個人差などにより、処理能力にばらつきが生じる。
このように、製造工程の多くは、処理能力にばらつきがあるが、制約理論などでは、処理能力の検証において平均値を用いるので、ばらつきが無いものとして扱われる。しかしながら、後述するように、実際に製造工程を構成する各工程の処理能力を検証すると、各工程には全体工程に影響を与えるばらつきがあることがわかる。
図1は、製造工程の一例を示す図である。図1に示す製造工程100は、n(nは自然数)個の単体工程を有する。製造工程100は、例えば、上記した工程(a)〜(c)の何れかである。
第1工程は、原料を受け入れ、一連の工程を実行することで、第n工程は製造物を出力する。各単体工程は、それぞれ、他の単体工程と接続している。
また、単体工程間にバッファとなるタンクや、倉庫等の中間在庫用の設備は配置されていない。各単体工程がコンベア等の搬送設備を配置している場合、コンベアは搬送物を蓄積するようには動作せず、一定速度で動作するため、バッファとして機能しないものとする。このように、単体工程間に中間在庫があると、単体工程の処理能力のばらつきが中間在庫によって、全体工程に影響しなくなるので、ばらつきのある単体工程が全体工程の処理能力に及ぼす影響が明確にならないからである。
図2は、連続圧延工程の一例を示す図である。図2に示す連続圧延工程100aは、ヤード工程10a、切断工程20a、再加熱工程30a、圧延工程40a、及び冷却工程50aを有する。連続圧延工程100aは、製鋼工程で製造された鋼片から、厚板、薄板、形鋼、及び鋼管などの各種鉄鋼製品を製造する工程である。
ヤード工程10aは、スラブヤードから鋼片を、連続圧延工程を行なう圧延工場に搬送する工程である。
切断工程20aは、スラブヤードから搬送される鋼片を、ガス切断などにより切断する工程である。切断工程では、後続の圧延工程40aで圧延するための所定の寸法の鋼片に切断する。
再加熱工程30aは、切断した鋼片を、再加熱する工程である。再加熱工程は、鋼片を再結晶温度以上に上げることで、鋼片を再結晶させる。なお、再結晶温度は、材質や、板厚の変化率である加工度によっても変わる。例えば、加工度が大きい鋼片ほど再結晶温度は低く、加工度の小さい鋼片ほど再結晶温度が高くなる。このように、再加熱工程30aは、材質又は加工度によって加熱温度が異なるため、処理時間にばらつきが生じる。
圧延工程40aは、鋼片に力を加えて鍛えることで、所定の形状の製品に加工する工程である。圧延工程40aは、粗圧延機41a及び仕上圧延機42aによって、鋼片を圧延する。圧延工程40aでは、粗圧延機41a及び仕上圧延機42aが、それらの機械が有するロールの間に鋼片を通すことによって、鋼片を、板、棒、管などの所定の形状に加工する。なお、圧延工程40aでは、サイズ等によって、材質の硬度や、加工度が異なるため、粗圧延機41a及び仕上圧延機42aの処理時間が相違する。このように、圧延工程40aは、材質又は加工度によって加熱温度が異なるため、処理時間にばらつきが生じる。
冷却工程50aは、鋼片を冷却する工程である。冷却工程50aでは、圧延後に加速冷却を行うことで、鋼片の組織を変化させ、鋼片の強度又は靭性を高める。冷却工程50aでは、鋼片の形状を矯正するホットラベラー51aと、複数の拘束ロール対で拘束されて搬送ライン上を搬送される鋼片の上下面に、冷却媒体を噴射する噴射ノズルを備えた冷却装置52aとによって、鋼片を冷却する。
〔2〕製造工程の実装検証結果を用いた評価
図1及び図2を用いて説明したように、製造工程には、処理時間にばらつきがある。処理時間にばらつきのある単体工程からなる全体工程は、単体工程の処理時間のばらつきの影響を受ける。
図3は、処理時間にばらつきのある単体工程が全体工程に与える影響を説明する図である。2つの単体工程A及び単体工程Bの処理時間は、図3に示す累積分布関数211に相当する。累積分布関数211の縦軸は、処理時間が生じる確率であり、横軸は、以下の式1により求まる確率変数zである。
z=(処理時間x−処理時間の平均値μ)/標準偏差σ。 ・・・式1
単体工程A及び単体工程Bが処理時間の平均値で処理を行う確率は、矢印212に示すように「0.5」であるとする。ここで、単体工程A及び単体工程Bで生じる処理は独立した事象であるため、単体工程A及び単体工程Bにおいてある処理時間が生じる確率P(201)、P(202)と、単体工程A及び単体工程Bから構成される全体工程においてある処理時間が生じる確率P(203)は、以下の式2で示される。
P(203)=P(201)×P(202) ・・・式2
したがって、図3に示す矢印213のように、全体工程が処理時間の平均値で処理を行う確率は、0.5×0.5=0.25になる。このように、処理時間にばらつきのある単体工程から構成される全体工程の平均時間は、制約理論の予測するボトルネック工程の平均時間より長くなる。したがって、製造工程を構成する単体工程に処理時間のばらつきがある場合、制約理論では、製造工程全体の処理時間に影響を与える工程は、単体工程の処理時間の平均値では判断できない。
以下に、単体工程の処理時間のばらつきが、製造工程全体の処理時間に与える影響を、実数検証結果を用いて、説明する。
〔2.1〕処理時間の平均値がほぼ同じである2つの単体工程から構成される製造工程の処理能力
図4は、処理時間の平均値が同じである2つの単体工程から構成される製造工程の処理時間の一例を示す図である。図4に示すヒストグラム201及び202は、単体工程A及び単体工程Bの処理能力をそれぞれ示すヒストグラムである。単体工程A及び単体工程B間にバッファは無く、単体工程A及び単体工程Bは、各々が独立した工程である。
ヒストグラム203は、単体工程A及び単体工程Bの全体としての処理能力である全体処理能力を示すヒストグラムである。
ヒストグラム201に示されるように、単体工程Aの処理能力である1製品当たりの処理時間の平均μは、151秒である。ヒストグラム202に示されるように、単体工程Bの処理能力である1製品当たりの処理時間の平均μは、148秒である。また、第1工程の1製品当たりの処理時間の標準偏差σは、52であり、第2工程の1製品当たりの処理時間の標準偏差σは、49である。
単体工程A及び単体工程Bは、処理能力がほぼ同等でバランスしているので、ボトルネック工程に該当しない。全体工程の1製品当たりの処理時間の平均値は、制約理論の考え方では、単体工程A及び単体工程Bの平均処理時間となるはずであるが、実際は、全体工程の処理時間の平均値は、178秒であり、単体工程A及び単体工程Bの処理時間の平均値より長い。
図5は、図4に示した全体工程の処理時間の平均値と、単体工程の処理時間との関係を示す図である。図5に示すグラフ204の縦軸である平均値増大率(Δμ/μ)は、全体工程であるヒストグラム203の処理時間の平均値μ203と、ヒストグラム201の処理時間の平均値μ201との比率である。Δμは、全体工程であるヒストグラム203の処理時間の平均値μ203と、ヒストグラム201の処理時間の平均値μ201との差分を示す。全体工程であるヒストグラム203の処理時間の平均値μ203と、ヒストグラム201の処理時間の平均値μが同じ場合、平均値増大率(Δμ/μ)は0%になり、ヒストグラム203の処理時間の平均値μが、ヒストグラム201の処理時間μの平均より大きくなるほど、つまり、制約理論と異なる結果になるほど、平均値増大率(Δμ/μ)は大きくなる。
グラフ204の横軸である単体工程の無次元化ばらつき(σ/平均μ)は、ヒストグラム201の処理時間の標準偏差σ201を、ヒストグラム201の処理時間の平均値μ201で除算した値である。無次元化ばらつきと、平均値増大率とは、式3Aに示す関係がある。
Δμ/μ=0.56×(σ/μ) ・・・式3A
つまり、単体工程の標準偏差σが大きくなれば、その0.56倍に比例して全体工程の処理時間の差分が増加することを示す。例えば、無次元化ばらつきが「30%」のとき、平均値増大率は「17%」になる。したがって、式3Aから以下の式3B及び式3Cが導き出せる。
全体工程の処理時間=単体工程の処理時間×(1+0.56σ) ・・・式3B
1>>(0.56σ)2 のとき
全体工程の処理能力=単体工程の処理能力の平均×(1−0.56σ) ・・・式3C
σ:単体工程処理時間の標準偏差
式3Cに示すように、無次元化ばらつきが大きくなり、平均処理時間に対する標準偏差が大きくなるほど、製造工程全体の処理能力は低下することがわかる。また、「0.56σ」の項に示されるように、単体工程の処理能力の平均値に対する時間標準偏差%の約半分強が、全体工程の処理時間に影響する。
〔2.2〕処理時間の平均値が異なる2つの工程から構成される製造工程の処理能力
図6は、処理時間の平均値が異なる2つの工程から構成される製造工程の処理能力の一例を示す図である。図6に示すヒストグラム221及び222は、単体工程C及び単体工程Dの処理時間を示すヒストグラムである。ヒストグラム223は、単体工程C及び単体工程Dから構成される全体工程のヒストグラムである。
ヒストグラム221に示されるように、単体工程Cの処理能力である1製品当たりの処理時間の平均μは、150秒である。ヒストグラム222に示されるように、単体工程Dの処理能力である1製品当たりの処理時間の平均μは、119秒である。また、単体工程Cの1製品当たりの処理時間の標準偏差σは、50であり、単体工程Dの1製品当たりの処理時間の標準偏差σは、39である。
単体工程C及び単体工程Dは、処理能力が異なっており、ヒストグラム221に示される単体工程Cは、処理時間の長いボトルネック工程である。単体工程C及び単体工程Dから構成される全体工程の処理能力である1製品当たりの処理時間の平均値は、制約理論の考え方では、単体工程Cと同じ処理時間となるはずであるが、実際は、全体工程の処理時間の平均値は、163秒であり、単体工程Cの処理時間の平均値より長い。
図7は、単体工程の処理能力が全体工程の処理能力に与える影響の一例を示す図である。なお、図7を用いて説明するボトルネック工程とは、単体工程Cに相当し、非ボトルネック工程は、単体工程Dに相当する。全体工程は、単体工程C及び単体工程Dから構成される全体工程に相当する。また、図7に示すグラフ224は、図6に示す単体工程C及び単体工程Dをそれぞれ示すヒストグラム221及び222を用いて生成された。
グラフ224の縦軸である能力低下率は、全体工程の全体処理時間の平均とボトルネック工程の処理時間の平均との差分を、ボトルネック工程の処理時間の平均で除算した値である。制約理論では、全体工程の処理時間の平均は、ボトルネック工程の処理時間の平均と同じになるはずである。したがって、能力低下率が上がれば、制約理論と異なり、ボトルネック工程よりも、全体工程の処理時間が伸びたことを示す。
グラフ224の横軸である能力差φは、ボトルネック工程と非ボトルネック工程の処理時間の差違を、ボトルネック固定の処理時間で除算した値である。能力差φが小さいことは、非ボトルネック工程の処理能力が低下したことを示し、能力差φが大きいことは、非ボトルネック工程の処理能力が高いことを示す。
図6に示すヒストグラム221及び222から、無次元化ばらつきが10%、20%、30%、40%、50%で示されるデータをそれぞれ選んだ。選んだデータから、能力差が0%、10%、20%、30%、40%になるときの、能力低下率を求めて、グラフ224に当該データをプロットした。
グラフ224から、全体工程の処理能力を向上させるには、以下のことが判明した。
(結果1)単体工程のばらつきを小さくして、全体工程の処理能力を向上させる。
(結果2)ボトルネックの処理能力を変えられない場合、非ボトルネック工程の処理能力を上げて、全体工程の処理能力を向上させる。言い換えれば、非ボトルネック工程の能力を向上させても、全体工程の処理能力が向上する。上記の(結果1)及び(結果2)は、いずれも、制約理論からは導き出すことは出来ない。
グラフ224のプロットデータから補完して得られた1次関数225は、ボトルネック工程と、非ボトルネック工程の能力差である「x」が大きくなればなるほど、その能力差の0.4倍に比例して、全体工程の処理時間と、ボトルネック工程の処理時間との差である「y」が小さくなることを示す。1次関数225、及び、式3Cより、下式4が導き出される。
全体工程の処理時間=単体ボトルネック工程の処理時間×(1+0.56σ×(1−φ/0.4)) ・・・式4A
1>>(0.56σ・(1-φ/0.4))2 のとき
全体工程の処理能力=単体ボトルネック工程の処理能力の平均×(1−0.56σ×(1−φ/0.4)) ・・・式4B
図7に示す1次関数226は、標準偏差を平均値で割ったばらつき%が30%のときの、能力低下率と能力差の関係を示す1次関数である。上記結果(2)にあるように、1次関数226において、非ボトルネック工程を、能力差を40%となるように改善しても、全体処理能力を「0」にして向上させることができることがわかる。
〔3〕製造工程の統計的評価
以上に示した〔2〕製造工程の実数検証結果を用いた評価による定式化手法に基づいて、統計的な手法でばらつきを有する製造工程の全体能力の評価方法を説明する。この評価方法は、平均や標準偏差などの単体工程の処理能力を示す前提条件があれば、製造工程の全体処理能力と、単体能力との関係を正確に提示することが出来る。
〔3.1〕平均的に同程度の処理時間の直列工程
(1)一般解の考え方
以下に、一般解の考え方を説明する。平均値μ(1)〜μ(n)、標準偏差σ(1)〜σ(n)の正規分布の確率分布を持つn群の独立した事象があり、各集団の標本数は等しく十分に大きいものとする。このときに各集団から1つづつ任意にサンプルをnこ取り出して、その最大値がどのような確率分布(平均と標準偏差)になるか、一般解を求める。
一般に累積分布関数がF(χ)で表せる、独立なn個の確率変数の最大値の累積分布関数はをG(χ)と定義すると、G(χ)は、以下の式5により示される。
G(χ)={F(χ)}n ・・・式5
式5より、平均値、及び、標準偏差σを計算する。
正規分布が以下の式6で示される。
正規分布 φ(χ)=1/√2πσ・exp(−(χ−μ)2/2σ2) ・・・式6
最大値の分布は、下記式7〜式10で示される。
全体工程の合成累積分布関数G(χ)={Φ((χ−μ)/σ)}n ・・・式7
全体工程の確率密度関数g(χ)=n{Φ((χ−μ)/σ)}(n-1)φ((χ−μ)/σ)/σ ・・・式8
μ[x(n)]=μ+e1σ (e1はnについての増加関数) ・・・式9
σ[x(n)]=e2σ2 (e2はnについての減少関数) ・・・式10
(2)全体工程の確率分布を示す具体例
次に、上記一般解を用いて、全体工程の確率分布を示す具体例について説明する。
(i)n=2のケース
標準正規分布f(χ)=1/√2π・exp(−χ2/2)の集団から2個取り出す例を示す。
平均μ(1)=μ(2)=0、標準偏差σ(1)=σ(2)=1のとき、n=2のとき、2工程からなる全体工程の平均値e1、分散e2を以下に示す。
(χ)=exp(−χ2/2)×{1+erf(χ/√2)}/√2π ・・・式11
1=∫χf(χ)dx=1/√π=0.56419
2=∫χ2(χ)dx−(∫χf(χ)dx)2=1−1/π=0.6817
前述の実数検証結果を用いた例では、単体工程の処理時間の平均値μ=150、標準偏差σ=50のとき、合成処理時間は平均が、μ[x(n)]=150+0.5642×50=178、標準偏差が、σ[x(n)0.5=(0.6817)0.5×50=41となり、実数検証結果と一致することがわかる。
最大値の分布はG(χ)=F(χ)2であり累積分布関数の逆関数をFinv(χ)とすると、標準正規分布でF(χ)=0.5のときにχを(中央値=平均)とみなして、以下の一般解が求められる。
全体工程の平均値 e1:e1=Finv関数(0.51/n) ・・・式12
全体工程の標準偏差 √e2=Finv関数[{G関数(1)1/n]−e1 ・・・式13
次に、上記したe1、√e2の一般解を用いて、代数的に、全体工程の処理能力の確率分布を示す式を示す。
S1:まず、標本を標準化した確率変数であるz=(χ−μ)/σを用いて、累積分布関数F(z)を描く。χは、処理時間など処理能力を示す値であり、μは平均値、σは標準偏差である。
S2:次に、複数のG(z)を積算で重ね合わせて合成した、合成累積分布関数G(z)を描く。このとき、G(z)=F1(z)×F2(z)×・・Fn(z)であり、同じ分布形ならG(z)=F(z)nとなる。
標準正規分布の累積分布関数の正関数及び標準正規分布の累積分布関数の逆関数は、代数解析的に使える式なので、2工程からなる全体工程の平均値e1、2工程からなる全体工程の標準偏差√e2は、式12及び式13を用いて、以下のように示される。
2工程の平均値 e1=Finv関数(0.50.5)=0.545
2工程の標準偏差 √e2=Finv関数[{G関数(1)0.5]−e1=0.8418
また、2工程からなる全体工程の平均値e1、3工程からなる全体工程の標準偏差√e2は、式12及び式13を用いて、以下のように示される。
3工程の平均値 e1:Finv(0.51/3)=0.819
3工程の標準偏差 √e2:Finv[G(1) 1/3]−Finv(0.51/3)=0.7703
以下同様に、工程数が増えた場合には(n,e1,√e2)は、式12及び式13を用いて、(4,0.998,0.727)、(5,1.129,0.697)、(6,1.231,0.674)、・・・、と算定できる。
このように、e1、√e2は、全体工程を構成する工程数nから算出することが可能である。
図8は、処理能力の確率分布の合成例を示す図である。グラフ231には、標準正規分布の累積分布関数F(z)と、2つの累積分布関数F(z)を合成した合成累積分布関数であるF(z)2と、3つの累積分布関数F(z)を合成した合成累積分布関数であるF(z)3と、e1、√e2が示される。
グラフ231には、F(z)、F(z)3、F(z)3にそれぞれ対応する確率密度関数が示される。
平均値がほぼ等しく、処理時間がバランスし連続したn工程の全体能力は下式14、式15で表現される。全体平均能力をGμ、ばらつきをσG、単体平均能力Fμ、ばらつきをσFとする。
Gμ=Fμ+e1σF ・・・式14
σG=√e2・σF ・・・式15
ただし、e1=Finv関数(0.51/n)、√e2=Finv関数[{G関数(1)1/n]−e1
特にn=2のとき、図8の233に示すように、e1=1/√π=0.56419、図8の234に示すように、√e2=√(1−1/π)=0.8256になる。
このように、標準正規分布の累積分布関数を用いて、複数の累積分布関数が掛け合わされたときの累積分布関数を示した。図1に示す単体工程が標準正規分布の累積分布関数であると仮定した場合、複数の単体工程から構成される全体工程を、統計的に算出可能であることがわかる。
〔3.2〕処理時間がアンバランスな2工程の連続全体能力評価
平均的に同程度の処理時間の直列工程のみならず、処理時間がアンバランスな2工程の連続全体能力評価の代数計算解析方法を説明する。
連続工程のうちn工程(例として、2工程)を取り出し、それぞれの単体処理能力(処理時間)の平均値μ(n)とばらつきσF(n)を既知として、全体能力処理時間の平均値μとばらつきσGを求める手法を以下に示す。
単体処理時間がバランスしている(Fμ(1)=Fμ(2)・・・=Fμ(n))とき(平均値がほぼ等しい)連続したn工程の全体での処理時間は下式16、式17で表現される。全体処理時間の平均値をGμ、ばらつきσG、単体処理時間の平均値をFμ、ばらつきσFとする。
Gμ=Fμ+e1σF ・・・式16
σG=√e2・σF ・・・式17
ただし、e1=Finv関数(0.51/n)、√e2=Finv関数[{G関数(1)1/n]−e1
n=2のとき、e1=1/√π=0.56419、√e2=√(1−1/π)=0.8256
さらに、O≦で分布する母集団のばらつきσは平均値μとの間は強い相関があり、k・σF=F(k=2〜3程度)と表現できる場合は、以下の一般式18が得られる。
Gμ=Fμ(1+e1/k) ・・・式18
n=2のとき、Gμ=(1.188〜1.226)・Fμ、σG=(0.8256)・σF
上記のように定式化でき、実数による推定計算ができる。例えば、全体工程の平均処理能力を100とする場合、2つの単体処理能力は、118〜122程度であるべきと判断が可能になる。
なお、式13及び式14で説明したように、e1、√e2は、全体工程を構成する工程数nから算出することが可能である。つまり、式18の(1+e1/k)は、工程数nから算出可能である。下記式19は、式18の変形式である。
Fμ=Gμ/(1+e1/k)= ・・・式19
所望の全体処理能力Gμを得るためには、単体工程の処理能力Fμがどの程度であるべきかどうかが、式19から算出可能になる。
次に、図9を用いて、処理時間の分布関数を用いて、異なる能力のアンバランス複数工程能力重合せにより、全体処理時間分布を推定する手法を説明する。
図9は、累積分布関数を用いて、複数工程の重合せで全体能力を評価する一例を示す図である。図9に示すグラフ241は、累積分布関数を示し、グラフ242は、確率密度関数を示す。
グラフ241及び242には、単体工程処理時間の分布関数として、Ga、Gb、Gc、の3つが示され、それぞれ、平均μと標準偏差σが(150,50)、(135,45)、(120,40)とする。Ga、Gb、Gcは、上記式14により算出した。
連続する2つの工程(a→a,a→b,a→c)を重合せて、GA合成=Ga×Ga、GB合成=Ga×Gb、GC合成=Ga+Gcを表現すると図9に示す実線分布になる。
GA合成は処理時間バランス状態で、定式より150+0.5642×50=177と一致する。図9に示すよう、GA合成の場合でG=177秒(150秒に対して、(177−150)/150=18%悪化)となる。GA合成の場合でG=169秒(150秒に対して、(169−150)/150=12.7%悪化)となる。GC合成の場合でG=161秒(150秒に対して、(161−150)/150=7.3%悪化)となる。
このように、標準正規分布ではない累積分布関数を用いて、複数の累積分布関数が掛け合わされたときの累積分布関数を示した。図1に示す単体工程が図9に示す累積分布関数であると仮定した場合、複数の単体工程から構成される全体工程を、統計的に算出可能であることがわかる。
〔3.3〕能力アンバランス複数工程での汎用的全体能力評価
図10は、処理時間の平均値に対して処理時間の標準偏差が大きい場合(平均値の1/2)と小さい場合(平均値の1/6)の全体合成処理時間を比較した図である。図10に示すグラフ251は、処理時間の標準偏差が平均値の1/2の場合の処理時間が異なる工程を示し、グラフ252では、処理時間の標準偏差が平均値の1/6の場合の処理時間が異なる工程を示す。
全体能力評価において、単体工程能力処理時間平均値のみならず標準偏差σによって合成後の平均全体能力が劣化する。標準偏差σが平均値μの1/6程度に抑えられている場合(グラフ252)では、ボトルネック単体工程の処理能力の10%未満の影響で、ほぼ従来どおりボトルネック平均値で評価できるが、ばらつきが平均の1/2まで大きい場合(グラフ251)は、最大28%も処理時間の劣化が必然的に発生する。
このように、処理時間がそれぞれ大きく異なる工程を複数掛け合わせた場合でも、全体工程が算出可能であることを示した。
図11は、処理時間の実分布を用いて、異なる能力のアンバランス複数工程能力重合せにより、全体処理時間分布の推定例を示す図である。
実例として、製鋼工程の1つであるヤードへの受入工程、圧延工程、2次加工工程(切断)の各工程単体処理時間の実績分布(グラフ261)と類似材料毎に正規分布近似した時間分布(グラフ262)の両者について、合成処理した時間分布を比較した。結果263及び264に示すように、合成後の処理時間平均値は殆ど差異なく表現される。
さらに、算定した合成処理時間分布と、観測される実績処理時間分布は良く一致する。
〔4〕単体工程の全体工程への改善寄与評価
単体工程処理時間の分布関数としてFa(z)、Fb(z)、及びFc(z)の3つがあり、それぞれ、平均μと標準偏差σが(μFa,σFa)、(μFb,σFb)、(μFc,σFc)で示される。上記したように、全体工程の処理時間の合成累積分布関数Gは、G=Fa×Fb×Fcと表現して累積分布関数の平均値μGと標準偏差σGを求めることができる。下記表1は、各単体工程A、B、及びCの処理時間及び標準偏差を示した表である。
Figure 2012048298
図12Aは、単体工程A〜C及び全体工程の処理能力を示す累積分布関数を示す図である。図12Aにおいて、改善前の単体工程の分布関数は、Fa(z)、Fb(z)、及びFc(z)である。改善後の単体工程の分布関数は、FA(z)、FA(z)、及びFA(z)である。改善後のFA(z)と、改善前のFb(z)、及びFc(z)を合成した全体工程の分布関数は、Aupで示される。改善後のFB(z)と、改善前のFa(z)及びFc(z)を合成した全体工程の分布関数は、Bupで示される。改善後のFC(z)と、改善前のFa(z)及びFb(z)を合成した全体工程の分布関数は、Cupで示される。「合成」は、改善前の分布関数は、Fa(z)、Fb(z)、及びFc(z)を合成した全体工程の分布関数である。
図12Bは、単体工程A〜C及び全体工程の処理能力を示す確率密度関数を示す図である。図12Cは、単体工程改善後の全体工程の処理能力を示す確率分布を示す図である。単体工程A、B、及びCのそれぞれの処理時間の平均値μと標準偏差σは、図12A〜図12Cに緑、赤、青点線)、全体工程の処理時間の平均値は(図中黒点線)(μG,σG)=(169,39)となる。
ここで、単体工程A〜Cのいずれかの単体工程処理能力を10%改善できた場合の全体工程処理能力への改善寄与を評価した。結果、下記に示す表2のようになる。
Figure 2012048298
すなわちボトルネック工程である工程Aの処理時間の平均値μFaを150(s)から135(s)に改善すると全体工程の処理時間の平均値μGは169(s)から161(s)となり、改善率4.9%になる。工程Bの処理時間の平均値μFbを130(s)から117(s)に改善すると全体工程の処理時間の平均値μGは169(s)から164(s)となり、改善率3.9%になる。工程Cの処理時間の平均値μFcを110(s)から99(s)に改善すると全体工程の処理時間の平均値μGは169(s)から167(s)となり、改善率1.1%になる。このように、ボトルネック工程ではない工程B及びCでも全体工程の処理能力を改善できる。
また、全体工程の処理時間を、例えば、3%向上させようとした場合、工程A及び工程Bは、改善率をそれぞれ10%上げることで、3%の向上が可能であるが、工程Cでは10%の改善率では不可能であると正確に評価することができる。このような評価により、単体工程能力に変化が生じた場合に、事前に能力変化を推定でき生産計画に反映したり、生産性を改善するための優先施策を事前に推定することができる。
表2に示すように、A工程とB工程の10%能力改善のために必要とするコストが、それぞれ「100」、「50」である場合、ボトルネック工程ではない、B工程の改善を優先するという合理的な判断が可能になる。例えば、全体工程の改善率1%あたりにかかる単体工程コストから、改善する単体工程を判断する。
〔5〕評価装置
以下に、複数工程を有する製造工程を評価する評価装置としての、情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図13は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図13に示すように、情報処理装置500は、処理部510、メモリアクセス制御部516、記憶部520、通信部530、2次記憶装置540、ドライブ装置550、及びI/Oコントローラ560を有する。情報処理装置500は、さらに、I/Oコントローラ560を介して入力部570及び表示部580に接続する。
処理部510は、記憶部520に記憶されたプログラム990を実行することで、記憶部520からデータをロードし、ロードしたデータを演算して、記憶部520に演算結果をストアする装置である。処理部510は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部510は、例えば、プログラム990を実行することで、図8〜図12に示すような、合成累積分布や確率密度関数を生成し、製造工程の評価を行なう。
メモリアクセス制御部516は、記憶部520から処理部510へのデータのロード、処理部510から受け取ったデータの記憶部520へのストア動作等を行うユニットである。
I/Oコントローラ560は、処理部510と、他のユニットとの接続を制御する装置である。I/Oコントローラ560は、例えば、AGP(Accelerated Graphics Port)又はPCI Express(Peripheral Component Interconnect Express)などの規格に従って動作する。
記憶部520は、データやプログラム990を記憶する装置である。処理部510は、I/Oコントローラ560を介することなく、記憶部520にアクセスすることができる。記憶部520は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。記憶部520に格納するデータは、図14を用いて後述する。
2次記憶装置540は、記憶部520に格納されるプログラム990及びデータを記憶するとともに、電源供給が無くても情報を保持可能な装置である。2次記憶装置540は、磁気ディスクを用いたディスクアレイ、又は、フラッシュメモリを用いたSSD(Solid State Drive)等である。
通信部530は、通信経路としてのネットワーク400と接続し、ネットワーク400に接続された他の情報処理装置と、情報処理装置500との間で、データを送受信する。通信部530は、例えば、NIC(network Interface Controller)である。
ドライブ装置550は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記憶媒体590を読み書きする装置である。ドライブ装置550は、記憶媒体590を回転させるモータや記憶媒体590上でデータを読み書きするヘッド等を含む。なお、記憶媒体590は、プログラム990を格納することができる。ドライブ装置550は、ドライブ装置550にセットされた記憶媒体590からプログラム990を読み出す。処理部510は、ドライブ装置550により読み出されたプログラム990を、記憶部520又は2次記憶装置540に格納する。
入力部570は、文字や数字などのテキスト情報である入力信号を処理部510に出力するキーボードや、表示部580に表示される画像を選択するためのマウス等である。
表示部580は、例えば、Liquid Crystal Display(LCD)などの表示デバイスである。処理部510は、I/Oコントローラ560を介して、表示部580を駆動するための表示駆動信号を、表示部580に出力する。表示部580は、表示駆動信号に従って、図8〜図11に示す合成累積分布や確率密度関数などを画像表示する。
情報処理装置500は、ネットワーク400を介して単体工程の処理時間分布を把握できるデ−タ収集装置600に接続し、単体工程処理能力データ910(後述)を記憶部520に格納することが出来る。そのため、情報処理装置500は、オフラインでのシミュレ−ションで製造工程の全体処理能力推定を行うことができる。
情報処理装置500は、さらに連続多段工程を複数有する構造の生産プロセスにおいては、各ラインの一貫能力を事前に推定することで、処理ライン振り分けを行う制御装置700などに制御信号を送るなど、ダイナミックな制御に活用することもができる。
〔5.1〕記憶部に格納されるデータ
図14は、記憶部に格納されるデータの一例を示す図である。記憶部520は、単体工程処理能力データ910、全体工程処理能力データ920、単体工程コストデータ930、及びプログラム990を記憶する。
単体工程処理能力データ910とは、例えば、図3に示すヒストグラム201及び202、図6に示すヒストグラム221及び222のように、単体工程の処理能力を示すデータであり、複数の単体工程に関する実際の処理能力の測定データである。
全体工程処理能力データ920は、単体処理能力工程データ910から、処理部510が製造工程の評価処理を実行することで、生成するデータである。全体工程処理能力データ920は、例えば、図8〜図11に示す合成累積分布や確率密度関数、などの平均値と標準偏差により全体工程の処理能力を特定するデータである。
単体工程コストデータ930は、単体工程の処理能力と、単体工程の処理能力の向上にかかるコストデータとの対応関係を示すデータである。
図15は、単体工程コストデータの一例を示す図である。単体工程コストデータ930は、例えば、工程名称列931と、コスト列933を有する。工程名称列931には、例えば、図2で示した単体工程の名称が登録され、コスト列933には、処理能力の平均値の増大分「5%、10%、15%、20%、・・・」毎に、工程名称列931に入力された同一エントリの工程に関する、処理能力の増大分に対応するコストが登録される。関係式列935は、単体工程の処理能力Rとコストとの関係を示す方程式が登録される。
全体工程の処理能力の向上を図る場合、例えば、再加熱工程30aの処理能力を30%上げるコストと、圧延工程40aの処理能力を5%上げるコストのほうが高い場合がある。このような場合、処理部510は、よりコストのかからない単体工程の処理能力を上げることで、全体工程の処理能力の改善を、低コストで実現することが可能になる。
プログラム990は、処理部510に、製造工程の評価処理を実行させるためのプログラムである。
〔6〕製造工程の評価処理フロー
図16及び図17を用いて、製造工程の評価処理の一例について説明する。図16は、製造工程の評価処理の一例を示す図である。まず、処理部510は、記憶部520に記憶される単体工程処理能力データ910を読み出す(S1001)。処理部510は、読み出した単体工程の処理能力を掛け合わせて、全体工程処理能力データ920を生成する。当該データの掛け合わせは、例えば、図8〜図11に示した累積分布関数や、確率密度関数等の確率関数の合成である。次に、処理部510は、全体工程処理能力データ920を表示部580に画面表示する(S1003)。表示部580に画像表示する全体工程処理能力データ920は、例えば、図8〜図11に示す全体工程の処理能力である。情報処理装置500は、画面表示により、全体工程の処理能力に影響する単体工程の平均値及び標準偏差を、ユーザに提示することができる。
次に、処理部510は、単体工程の処理能力を変更する(S1004)。当該ステップは、情報処理装置500のユーザが、ステップS1003で画面表示された全体工程処理能力データをみて、操作対象となる単体工程の平均又は標準偏差を変更してもよい。また、当該工程は、処理部510によって自動でおこなってもよい。処理部510が自動で行う場合、単体工程の処理能力を変更は、S1101〜S1104として図17に示される。
図17は、単体工程の処理能力変更の一例を示す図である。図17に示すように、処理部510は、各単体工程の平均処理能力をあげて、全体工程の処理能力を算出する(S1101)。当該処理は、例えば、図12A〜図12Cを用いて説明した処理である。
処理部510は、最小コストで全体工程の処理能力の改善に寄与する単体工程を判断する(S1102)。処理部510は、例えば、単体工程コストデータ930の関係式列935を参照して、全体工程の改善率1%あたりにかかる単体工程コストを参照する。そして、処理部510は、全体工程の処理能力改善率あたり(例えば、図12Cに示す改善率である)に必要な単体工程の処理能力と、そのときの単体工程コストとを算出する。このようにして、処理部510が、最小コストで全体工程の処理能力の改善に寄与する単体工程を判断する。
図16に示すステップS1005では、処理部510は、S1004で変更した単体工程の処理能力を用いて、全体工程処理能力データ920を算出し(S1005)、全体工程処理能力データ920を表示部580に画面表示する(S1006)。表示部580に画像表示する全体工程処理能力データ920は、例えば、図8〜図11に示す全体工程の処理能力である。情報処理装置500は、画面表示により、全体工程の処理能力に影響する単体工程の平均値及び標準偏差を、ユーザに提示することができる。
次に、処理部510は、S1004で変更した単体工程の処理能力を用いて、全体工程の処理能力を算出し、S1005で算出した全体工程処理能力と比較して、全体工程の処理能力が所望の処理能力になったか否か判断する。所望の処理能力になった場合(S1007 YES)、処理部510は、処理を終了する。所望の処理能力になっていない場合(S1007 No)、処理部510は、S1004を繰り返す。このような繰り返し処理により、S1004で変更する処理能力の量が少ない場合、徐々にS1004で変更する処理能力を上げることで、所望の全体処理能力に到達することができる。
10a ヤード工程
20a 切断工程
30a 再加熱工程
40a 圧延工程
41a 粗圧延機
42a 仕上圧延機
50a 冷却工程
100 製造工程
100a 連続圧延工程
400 ネットワーク
500 情報処理装置
510 処理部
516 メモリアクセス制御部
520 記憶部
530 通信部
540 2次記憶装置
550 ドライブ装置
560 I/Oコントローラ
570 入力部
580 表示部
590 記憶媒体
910 単体工程処理能力データ
920 全体工程処理能力データ
930 単体工程コストデータ
990 プログラム

Claims (15)

  1. 複数工程を有する製造工程を評価する評価装置であって、
    前記複数工程の1つの工程である第1工程の処理能力を示す第1平均と、第1標準偏差と、前記複数工程の1つの工程である第2工程の処理能力を示す第2平均と、を特定する単体工程処理能力データを、記憶する記憶部と、
    前記第1平均が前記第2平均より小さい場合、前記単体工程処理能力データの第1平均を下げ、前記第1標準偏差及び前記下げた第1平均により構成される第1変更確率分布関数と、第2標準偏差及び前記第2平均により構成される第2確率分布関数とを合成して、第1全体平均及び第1全体標準偏差により構成される全体確率分布関数を生成する、処理部と、
    を備えることを特徴とする評価装置。
  2. 前記全体確率分布を表示する表示部、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
  3. 前記処理部は、前記第1標準偏差及び前記第1平均により構成される第1確率分布関数と、前記第2確率分布関数とを合成して、未変更全体平均及び未変更全体標準偏差により構成される未変更全体確率分布関数を生成するとともに、前記全体確率分布関数と、前記未変更全体確率分布関数とを比較する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の評価装置。
  4. 前記処理部が、前記第2平均及び前記第2標準偏差を下げ、前記下げた第2平均及び第2標準偏差により構成される第2変更確率分布関数と、前記第1確率分布関数とを合成して、第2全体平均と第2全体標準偏差とにより構成される第2全体確率分布関数を生成するとともに、前記全体確率分布関数と、前記第2全体確率分布関数を比較する、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の評価装置。
  5. 前記記憶部は、単体工程の処理能力と、単体工程の処理能力の向上にかかるコストデータとの対応関係を示す単体工程コストデータを記憶し、
    前記処理部が、前記第1全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第1改善率を算出し、且つ、前記第2全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第2改善率を算出するとともに、前記単体工程コストデータを参照して、前記第1改善率又は前記第2改善率あたりにかかるコストを算出する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の評価装置。
  6. 複数工程を有する製造工程の評価方法であって、
    情報処理装置の処理部が、前記情報処理装置の主記憶装置から、前記複数工程の1つの工程である第1工程の処理能力を示す第1平均と、第1標準偏差と、前記複数工程の1つの工程である第2工程の処理能力を示す第2平均と、を取得し、
    前記処理部が、前記第1平均が前記第2平均より小さい場合、前記単体工程処理能力データの第1平均を下げ、
    前記処理部が、前記第1標準偏差及び前記下げた第1平均により構成される第1変更確率分布関数と、第2標準偏差及び前記第2平均により構成される第2確率分布関数とを合成して、第1全体平均及び第1全体標準偏差により構成される全体確率分布関数を生成する、ことを特徴とする評価方法。
  7. 前記情報処理装置の表示部に、前記全体確率分布を表示することを特徴とする請求項6に記載の評価方法。
  8. 前記処理部が、前記第1標準偏差及び前記第1平均により構成される第1確率分布関数と、前記第2確率分布関数とを合成して、未変更全体平均及び未変更全体標準偏差により構成される未変更全体確率分布関数を生成し、
    前記処理部が、前記全体確率分布関数と、前記未変更全体確率分布関数とを比較する、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の評価方法。
  9. 前記処理部が、前記第2平均及び前記第2標準偏差を下げ、前記下げた第2平均及び第2標準偏差により構成される第2変更確率分布関数と、前記第1確率分布関数とを合成して、第2全体平均と第2全体標準偏差とにより構成される第2全体確率分布関数を生成し、
    前記処理部が、前記全体確率分布関数と、前記第2全体確率分布関数を比較する、ことを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の評価方法。
  10. 前記記憶部は、単体工程の処理能力と、単体工程の処理能力の向上にかかるコストデータとの対応関係を示す単体工程コストデータを記憶し、
    前記処理部が、前記第1全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第1改善率を算出し、且つ、前記第2全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第2改善率を算出するとともに、前記単体工程コストデータを参照して、前記第1改善率又は前記第2改善率あたりにかかるコストを算出する、ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の評価方法。
  11. 複数工程を有する製造工程を評価するためのプログラムであって、情報処理装置の処理部に、
    前記情報処理装置の主記憶装置から、前記複数工程の1つの工程である第1工程の処理能力を示す第1平均と、第1標準偏差と、前記複数工程の1つの工程である第2工程の処理能力を示す第2平均と、を取得する手順と、
    前記第1平均が前記第2平均より小さい場合、前記単体工程処理能力データの第1平均を下げる手順と、
    前記第1標準偏差及び前記下げた第1平均により構成される第1変更確率分布関数と、第2標準偏差及び前記第2平均により構成される第2確率分布関数とを合成して、第1全体平均及び第1全体標準偏差により構成される全体確率分布関数を生成する手順と、を実行させることを特徴とするプログラム。
  12. 前記情報処理装置の表示部に前記全体確率分布を表示する手順を、前記処理部に実行させることを特徴とする請求項11に記載のプログラム。
  13. 前記第1標準偏差及び前記第1平均により構成される第1確率分布関数と、前記第2確率分布関数とを合成して、未変更全体平均及び未変更全体標準偏差により構成される未変更全体確率分布関数を生成する手順と、
    前記全体確率分布関数と、前記未変更全体確率分布関数とを比較する手順と、前記処理部に実行させることを特徴とする請求項11又は12に記載のプログラム。
  14. 前記第2平均及び前記第2標準偏差を下げ、前記下げた第2平均及び第2標準偏差により構成される第2変更確率分布関数と、前記第1確率分布関数とを合成して、第2全体平均と第2全体標準偏差とにより構成される第2全体確率分布関数を生成する手順と、
    前記処理部が、前記全体確率分布関数と、前記第2全体確率分布関数を比較する手順と、を前記処理部に実行させることを特徴とする請求項11〜13の何れか1項に記載のプログラム。
  15. 前記記憶部は、単体工程の処理能力と、単体工程の処理能力の向上にかかるコストデータとの対応関係を示す単体工程コストデータを記憶し、
    前記第1全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第1改善率を算出し、且つ、前記第2全体平均を前記未変更全体平均で除算して、第2改善率を算出するとともに、前記単体工程コストデータを参照して、前記第1改善率又は前記第2改善率あたりにかかるコストを算出する手順、を前記処理部に実行させることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載のプログラム。
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