JP2012044804A - 流体発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電機ロータから発電機ステータの全部を引き抜かなくても、発電機の出力を零に近づけることができるステータ駆動方式の流体発電装置を提供する。
【解決手段】流体発電装置は、風力又は水力を受けて回転するロータ1と、ロータ1の回転力を発電機11に伝達する主軸4と、主軸4と共に回転し、外周面がテーパ状に形成される発電機ロータ12、及び発電機ロータ12にすきまを介して対向し、内周面がテーパ状に形成される発電機ステータ14を有する発電機11と、発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に移動させるステータ駆動装置13と、を備える。ステータ駆動装置13が、発電機ロータ12と発電機ステータ14との対向面積が小さくなるように発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に移動させることによって、発電機ロータ12と発電機ステータ14との間のすきまが大きくなる。
【選択図】図1
【解決手段】流体発電装置は、風力又は水力を受けて回転するロータ1と、ロータ1の回転力を発電機11に伝達する主軸4と、主軸4と共に回転し、外周面がテーパ状に形成される発電機ロータ12、及び発電機ロータ12にすきまを介して対向し、内周面がテーパ状に形成される発電機ステータ14を有する発電機11と、発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に移動させるステータ駆動装置13と、を備える。ステータ駆動装置13が、発電機ロータ12と発電機ステータ14との対向面積が小さくなるように発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に移動させることによって、発電機ロータ12と発電機ステータ14との間のすきまが大きくなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、風力又は水力の流体エネルギを発電機によって電気エネルギに変換する流体発電装置に関する。
近年、環境問題や化石燃料の枯渇に関する関心が世界的に高まっており、その対策の一つとして自然エネルギの利用に注目が集まっている。自然エネルギは、資源を枯渇させずに利用可能なエネルギであり、再生可能エネルギとも呼ばれている。自然エネルギの一種として風のエネルギ(風力)、水のエネルギ(水力)が注目されている。
風力発電装置又は水力発電装置は、風力又は水力を電気エネルギに変換する装置である。風力発電装置においては、風力をロータ(翼車)が受け、ロータの回転力は主軸を介して発電機に伝達され、発電機がロータの機械的な回転力を電力に変換する。水力発電装置は、風力の替わりに水力を利用するものであり、風力発電装置と同様に電力を発生させる。
風力、水力を利用した発電は、資源が無尽蔵でクリーンな反面、出力が風、水などの自然現象に影響されて変動するという欠点をもつ。風の変動に対応するために、特許文献1には、発電機ステータを発電機ロータの軸線の方向に移動させる風車が開示されている。この風車においては、微風状態等の低速低出力域で発電機の鉄損を低減したい場合、あるいは、強風状態で回転速度が上昇する高速域で発電機の発生電圧がインバータ素子の定格を越えるおそれがある場合には、発電機ステータを移動させ、発電機ステータと発電機ロータとの対向面積を減少させている。そして、永久磁石からコイルに鎖交する磁束を減少させることにより、発電領域を拡大している(下記公報の段落0018及び段落0019参照)。
世の中には、微風状態の風が頻繁に吹く。この種のステータ駆動方式の風車にあっては、微風状態でもロータが回転するようにするために、発電機ロータから発電機ステータの全部を引き抜く必要がある。発電機の出力を零に近づけ、発電機による抵抗を最小限にするためである。しかし、発電機ロータから発電機ステータの全部を引き抜くと、発電機ステータの移動距離が長くなる。このため、発電機のためのスペースが大きくなるという問題が発生する。
そこで本発明は、発電機ロータから発電機ステータの全部を引き抜かなくても、発電機の出力を零に近づけることができるステータ駆動方式の流体発電装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、風力又は水力を受けて回転するロータと、前記ロータの回転力を発電機に伝達する主軸と、前記主軸と共に回転し、外周面がテーパ状に形成される発電機ロータ、及び前記発電機ロータにすきまを介して対向し、内周面がテーパ状に形成される発電機ステータを有する発電機と、前記発電機ステータを前記発電機ロータの軸線方向に移動させるステータ駆動装置と、を備え、前記ステータ駆動装置が、前記発電機ロータと前記発電機ステータとの対向面積が小さくなるように前記発電機ステータを前記発電機ロータの前記軸線方向に移動させることによって、前記発電機ロータと前記発電機ステータとの間のすきまが大きくなる流体発電装置である。
本発明によれば、風速が定格風速よりも小さいとき、発電機ロータと発電機ステータとの対向面積の減少に相俟って、発電機ロータと発電機ステータとの間のすきまが大きくなる。発電機の逆起電圧定数は、対向面積とすきまの大きさの逆数の積に相関関係がある。対向面積が減少すると共にすきまの大きさの逆数が小さくなるので、発電機の逆起電圧定数が対向面積が減少する以上に小さくなる。したがって、発電機ロータから発電機ステータの全部を引き抜かなくても、発電機の出力を零に近づけることができる。
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態の流体発電装置としての風力発電装置(以下、単に風車という)を説明する。図1は、風車の全体の構成図を示す。図1には、風車として、ロータ1の主軸4が風向きに垂直である垂直軸風車が示されている。この垂直軸風車は、ロータ1に働く揚力を利用して回転力を得る。ロータ1は、垂直方向に直線状に伸びる複数毎のブレード2を有する。風が吹いたとき、ブレード2は発生する揚力を利用してロータ1に流入する風速の数倍のスピードで回転する。ブレード2は、上下一対の支持腕3を介して主軸4に取り付けられる。
風速は、ロータ1の高さに設置された流速測定装置としての風速計8によって測定される。風速計8が測定した風速のデータは、発電機ステータ14の位置を制御する制御装置10に送られる。
主軸4は中空に形成される。主軸4の内側には、主軸4を回転可能に支持する支持軸5が設けられる。支持軸5は風車ベース19から垂直方向に立設する。主軸4と支持軸5との間には、上下方向に間隔を空けて軸受7が配置される。主軸4は軸受7に支持された状態で、支持軸5の外側を回転する。この例の主軸4は支持軸5の外側を回転するので、アウターロータと呼ばれる。
風車の下部には、円筒状のケース15によって覆われる発電機11が設けられる。発電機11は、主軸4と共に回転する発電機ロータ12と、発電機ロータ12にすきまを介して対向する発電機ステータ14と、を備える。発電機には、永久磁石の界磁を利用してコイルに電流を生じさせる同期型発電機が用いられる。発電機ロータ12の外周面は、下方に向かって径が小さくなるテーパ状に形成される。発電機ステータ14の内周面は、下方に向かって径が小さくなるテーパ状に形成される。発電機ロータ12及び発電機ステータ14の詳細な構造については後述する。発電機ステータ14に対して発電機ロータ12が回転すると、発電機ステータ14のコイル18に三相交流が発生する。コイル18に発生する三相交流は、直流リンク方式又は交流リンク方式を介して商用電源に系統連係される。
主軸4の下端には、ロータ軸9が接続される。ロータ軸9は、上部ロータ軸30、下部ロータ軸28、及び上部ロータ軸30と下部ロータ軸28との間に挟まれる発電機ロータ12を有する。上部ロータ軸30は、主軸4に接続されると共に、発電機ケース24に軸受29を介して回転可能に支持される。下部ロータ軸28は、発電機ベース23に軸受27を介して回転可能に支持される。上部ロータ軸30、発電機ロータ12、及び下部ロータ軸28は、通しボルトによって一体的に結合される。
発電機ベース23は、風車ベース19に架台16を介して支持される。発電機ケース24と発電機ベース23とは複数本のスプライン軸21で連結される。発電機ベース23と発電機ケース24との間には、ステータハウジング25がロータ軸9の軸線方向に直線運動可能に設けられる。ステータハウジング25の直線運動は、スプライン軸21及びスプラインナット22によって案内される。発電機ステータ14は、ステータハウジング25の内周側に取り付けられる。
ステータ駆動装置13は、発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に直線運動させる。ステータ駆動装置13は、サーボモータ40と、サーボモータ40に連結されるボールねじ39と、を備える。サーボモータ40は発電機ケース24に取り付けられる。サーボモータ40には、カップリングを介してねじ軸38が連結される。ねじ軸38には、ナット37が組み付けられる。ナット37はステータハウジング25に取り付けられる。サーボモータ40によってねじ軸38を回転させると、ナット37がねじ軸38の軸線方向に直線運動し、ステータハウジング25及び発電機ステータ14がロータ軸9の軸線方向に直線運動する。
ステータ駆動装置13は、制御装置10によって制御される。制御装置10は、風速計8が測定した風速に基づいて、ステータ駆動装置13を制御する。ステータ駆動装置13の制御方法については後述する。
発電機11の詳細な構造は以下のとおりである。図2(a)に示すように、発電機ロータ12は、上部ロータ軸30と下部ロータ軸28との間に挟まれる本体部31と、本体部31の外周面に配列される複数の永久磁石32と、を有する。本体部31の外周面は、下方に向かって徐徐に外径が狭くなるテーパ状に形成される。本体部31の内側には、支持軸が貫通する貫通孔31aが開けられる。
本体部31の外周面には、周方向に交互にN極及びS極が形成されるように複数の永久磁石32が配列される。複数の永久磁石32の外周面32aは、下方に向かって徐徐に外径が狭くなるテーパ状に形成される。各永久磁石32は、水平面内での断面形状が円弧状に形成され(図3参照)、発電機ロータ12の軸線方向に細長く形成される。本体部31の周囲にすきまを空けることなく、複数の永久磁石32を配列できるように、断面円弧形状の各永久磁石32の周方向の幅(円弧の長さ)は、下方に向かって徐徐に狭くなる(図2(a)中の二点鎖線参照)。各永久磁石32は、半径方向の外側にN極及びS極のいずれか一方、半径方向の内側にN極及びS極の他方が形成されるように、半径方向着磁される。
図3に示すように、発電機ステータ14は、ヨーク17と、ヨーク17の複数のコア17aに巻かれる複数のコイル18と、を有する(図の水平断面図も参照)。ヨーク17は、筒状のヨーク本体17bと、筒状のヨーク本体17bから半径方向の内側に突出する複数のコア17aと、を有する。複数のコア17aは、筒状のヨーク本体17bの内側に周方向に一定の間隔を空けて配列される。図2(a)に示すように、複数のコア17aは、永久磁石32と同様に発電機ロータ12の軸線方向に細長く伸びる。複数のコア17aの垂直方向の長さは、永久磁石32の垂直方向の長さにほぼ等しい。複数のコア17aの内周面17cは、複数の永久磁石32の外周面32aと相似のテーパ状に形成される。正確にいえば、複数のコア17aの内周面を繋いだ立体形状がテーパ状に形成される。各コア17aの垂直面内での断面形状は、下方に向かうにしたがって徐徐にヨーク本体17bの半径方向の内側に向かって突出する台形に形成される。各コア17aには、U相,V相,及びW相の各コイル18が巻かれる。ヨーク17は、珪素鋼等からなる薄板状の鋼板を多数、発電機ロータ12の軸線方向に積層してなる。
図2(a)は、発電機ロータ12と発電機ステータ14との対向面積が最大の状態(言い換えれば、発電機ロータ12と発電機ステータ14との噛み合い率が100%の状態)を示す。図2(b)は、ステータ駆動装置13が、発電機ロータ12と発電機ステータ14との対向面積が小さくなるように、発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に移動させた状態を示す。発電機ロータ12の外周面32a及び発電機ステータ14の内周面17cがテーパ状に形成されるので、発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に移動させることによって、発電機ロータ12と発電機ステータ14との間のすきまが大きくなる。
ここで、発電機ロータ12と発電機ステータ14との間のすきまが変化しないと仮定すると、発電機11の逆起電圧定数は対向面積にほぼ比例する。これに対し、本実施形態のように、発電機ロータ12と発電機ステータ14との間のすきまを大きくすると、発電機11の逆起電圧定数が対向面積とすきまの大きさの逆数の積に相関関係があるので、対向面積が減少する以上に発電機11の逆起電圧定数が小さくなる。したがって、発電機ロータ12から発電機ステータ14の全部を引き抜かなくても(言い換えれば、発電機11の側方から見て、発電機ロータ12と発電機ステータ14とが一部重なっていても)発電機11の出力を零に近づけることができる。
逆に、ステータ駆動装置13が、発電機ロータ12と発電機ステータ14との対向面積が大きくなるように発電機ステータ14を軸線方向に移動させると(図2(b)→図2(a))、発電機ロータ12と発電機ステータ14との間のすきまが小さくなる。これにより、発電機ロータ12と発電機ステータ14との対向面積が増加する以上に逆起電圧定数が大きくなる。発電機ロータ12と発電機ステータ14との対向面積と共にすきまを変化させることで、発電機ステータ14の移動距離が小さくても、発電機11の出力の変化を大きくすることができる。したがって、頻繁に変化する風速に応答性よく発電機11の出力を追従させることができる。
この実施形態において、発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に移動させる目的は、ロータ1が受ける風のエネルギを発電機11が出力する電気エネルギに一致させることにある。ロータ1が受ける風のエネルギは風速の三乗に比例する。一方、発電機11が出力する電気エネルギは風速の二乗に比例する。風速の三乗に比例するロータ1が受ける風のエネルギと、風速の二乗に比例する発電機11が出力する電気エネルギとを一致させるために、ステータ駆動装置13が発電機ステータ14を発電機ロータ12の軸線方向に移動させる。制御装置10は、ステータ駆動装置13を制御し、ロータ1が受ける風のエネルギが、発電機11が出力する電気エネルギに一致するように、発電機ステータ14の発電機ロータ12の軸線方向の位置を制御する。すなわち、制御装置10は、風速計8が測定した風速に基づいて、風速が小さくなるにしたがって発電機11の出力が小さくなり、逆に風速が大きくなるにしたがって発電機11の出力が大きくなるように、ステータ駆動装置13を制御する。
例えば、風速が12m/s→6m/sに変化すると、ロータ1が受ける風のエネルギが1/8に低減する。その一方、発電機11が出力する電力は1/4に低減する。もともと風のエネルギが1/8に低減しているから、1/8までしか発電できないにもかかわらず、発電機11の出力が1/4になっている。風のエネルギと発電機11の出力との間にずれが生ずることが原因で、ロータ1の回転数が次々と落ちてしまう。これを防止するために、発電機ステータ14の位置を制御し、発電機11の出力を1/8にする。
一般化すると、風速がN−1(N:1以上の有理数)倍になると、ロータ1の回転数はN−1倍になり、ロータ1が受ける風のエネルギは、N−3倍になる。一方、風速がN−1倍になると、発電機ロータ12の回転数はN−1倍になり、発電機11の出力はN−2倍になる。ロータ1が受ける風のエネルギと発電機11の出力を整合させるために、発電機ステータ14の位置を制御して発電機11の逆起電圧定数をN−1/2倍にする。発電機11の逆起電圧定数をN−1/2倍にすれば、発電機11の電圧がN−3/2倍、電流がN−3/2倍、発電機11の出力がN−3倍になり、ロータ1が受ける風のエネルギに整合するようになる。
逆に、風速がN(N:1以上の有理数)倍になると、ロータ1が受ける風のエネルギはN3倍になるのに対し、発電機11の出力はN2倍になる。ロータ1が受ける風のエネルギと発電機11の出力を整合させるために、発電機ステータ14の位置を制御して発電機11の逆起電圧定数をN1/2倍にする。発電機11の逆起電圧定数をN1/2倍にすれば、発電機11の電圧がN3/2倍、電流がN3/2倍、発電機11の出力がN3倍になり、ロータ1が受ける風のエネルギに整合するようになる。
さらに制御装置10は、風速がカットイン風速よりも小さいとき、発電機11の出力を零に近づける。カットイン風速は、風車が利用可能な動力を生む最小の風速である。風車のロータ1が回るかどうかはロータ1に作用するトルクで決定される。ロータ1に作用するトルクは風速の二乗に比例するので、風速が小さくなればなるほど、トルクも小さくなる。ロータ1が回転する時に抵抗になるのは、軸受7と発電機11である。軸受7の抵抗は僅かなものであるが、発電機11の抵抗は軸受7の抵抗に比べて大きい。カットイン風速よりも小さい風速のとき、発電機11の出力を零に近づけることで、発電機11の抵抗を零に近づけることができ、ロータ1を回転させ易くなる。ロータ1が一旦回転すると、あとは慣性により回転し続けようとするので、発電機11の出力を増加させてもロータ1は回転し続ける。このため発電が可能になる。
図4は、発電機ステータ14の他の例を示す。この例の発電機ステータ14においては、複数のコア17aそれぞれの、永久磁石に対向する対向面34が階段状に形成される。複数のコア17aの対向面34によって、発電機ステータ14の内周面17cは、発電機ロータ12の外周面32aと相似のテーパ状に形成される。発電機ロータ12、コイル18、及びヨーク17の上記対向面34以外の構成は、上記第一の実施形態の発電機11と同一であるから、同一の符号を附してその説明を省略する。上述のように、ヨーク17は、多数の鋼板を発電機ロータ12の軸線方向に積層してなる。各鋼板は金型を用いたプレスの打抜きにより形成される。各コア17aの、発電機ロータ12に対向する対向面34を階段状に形成することで、段数に応じた数の金型を用意すればよいことになる。このため、金型の数を減らすことができる。
図5は、発電機ステータ14のさらに他の例を示す。この例の発電機ステータ14においても、複数のコア17aそれぞれの、発電機ロータ12に対向する対向面34が階段状に形成される。しかし、図4に示す発電機ステータと異なり、コイル18が段階的に径(発電機ロータ12の軸線方向の長さ)が異なる複数の分割コイル18aから構成されている。そして、複数の分割コイル18aは、複数のコア17aそれぞれの、階段状に形成される対向面34の複数の段に巻かれる。この例の発電機ステータによれば、複数の分割コイル18aを繋げたコイル18に発生する電流が大きくなり、発電機11の効率が高くなる。
図6は、発電機ステータ14のさらに他の例を示す。この例の発電機ステータ14においては、各コア17aの、階段状に形成される対向面の複数の段の幅が、コイル18の導線35の一本分の線径に対応するように、コイル18の導線35の1.3〜1.7倍に設定される。そして、階段状に形成される対向面34の複数の段それぞれに、コイル18の一本の導線35が巻かれる。この例の発電機ステータによれば、コア17aにコイル18を巻き易くなる。
なお、本発明は上記実施形態に限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲でさまざまに変更可能である。
本発明は、上記実施形態のような垂直軸風車だけでなく、主軸が水平面内にある水平軸風車にも適用することができる。また、風車だけではなく、水力を利用して電力を発生する水力発電装置にも適用することができる。
上記実施形態では、発電機ロータに永久磁石を設け、発電機ステータにコイルを設けたが、これとは逆に発電機ロータにコイルを設け、発電機ステータに永久磁石を設けてもよい。発電機には、上記に記載した同期発電機以外に誘導発電機を用いてもよい。
ロータの主軸と発電機との間に増速機を設け、ロータの回転数を増速させて発電機のロータ軸に伝達してもよい。
発電機ステータを発電機ロータの中心線の方向に直線運動させるステータ駆動装置として、錘が遠心力により移動する半径方向の変位をカムを介して発電機ステータの変位に変換するものを用いてもよい。
1…ロータ,4…主軸,8…風速計(流速測定装置),10…制御装置,11…発電機,12…発電機ロータ,13…ステータ駆動装置,14…発電機ステータ,17a…コア,17c…発電機ステータの内周面,18…コイル,18a…分割コイル,32…永久磁石,32a…発電機ロータの外周面,34…対向面,35…導線
Claims (6)
- 風力又は水力を受けて回転するロータと、
前記ロータの回転力を発電機に伝達する主軸と、
前記主軸と共に回転し、外周面がテーパ状に形成される発電機ロータ、及び前記発電機ロータにすきまを介して対向し、内周面がテーパ状に形成される発電機ステータを有する発電機と、
前記発電機ステータを前記発電機ロータの軸線方向に移動させるステータ駆動装置と、を備え、
前記ステータ駆動装置が、前記発電機ロータと前記発電機ステータとの対向面積が小さくなるように前記発電機ステータを前記発電機ロータの前記軸線方向に移動させることによって、前記発電機ロータと前記発電機ステータとの間のすきまが大きくなる流体発電装置。 - 前記流体発電装置はさらに、
流体の流速を測定する流速測定装置と、
前記流速測定装置が測定した流体の流速に基づいて、前記ステータ駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、流体の流速がカットイン流速以下のとき、前記発電機の出力が零に近づくように前記ステータ駆動装置を制御し、
前記発電機の出力が零に近づいた状態において、前記発電機の側方から見て、前記発電機ロータと前記発電機ステータとが一部重なることを特徴とする請求項1に記載の流体発電装置。 - 前記発電機ロータは、外周面がテーパ状に形成された複数の永久磁石を有し、
前記発電機ステータは、前記発電機ロータの周方向に配列される複数のコア、及び前記複数のコアに巻かれる複数のコイルを有し、
前記複数のコアの内周面がテーパ状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体発電装置。 - 前記複数のコアそれぞれの、前記永久磁石に対向する対向面が、階段状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の流体発電装置。
- 前記複数のコイルそれぞれは、段階的に径が異なる複数の分割コイルを有し、
前記複数の分割コイルは、前記複数のコアそれぞれの、階段状に形成される対向面の複数の段に巻かれることを特徴とする請求項4に記載の流体発電装置。 - 前記複数のコアそれぞれの、階段状に形成される対向面の複数の段の幅が、コイルの導線の一本分の線径に対応し、
階段状に形成される対向面の複数の段それぞれに、一本のコイルの導線が巻かれることを特徴とする請求項4に記載の流体発電装置。
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