JP2012042559A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー製造工程における発泡による歩留り低下を抑制するとともに、排水処理工程での処理負荷を抑制する静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂および重合性界面活性剤を含む樹脂分散液を調製する樹脂分散液調製工程と、着色剤および重合性界面活性剤を含む着色剤分散液を調製する着色剤分散液調製工程と、離型剤および重合性界面活性剤を含む離型剤分散液を調製する離型剤分散液調製工程と、樹脂分散液、着色剤分散液および離型剤分散液を混合し、凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し融合させてトナー粒子を得る融合工程と、を含み、樹脂分散液調製工程、着色剤分散液調製工程および離型剤分散液調製工程のそれぞれにおいて重合性界面活性剤を重合する、または、凝集工程もしくは融合工程において重合性界面活性剤を重合する静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】樹脂および重合性界面活性剤を含む樹脂分散液を調製する樹脂分散液調製工程と、着色剤および重合性界面活性剤を含む着色剤分散液を調製する着色剤分散液調製工程と、離型剤および重合性界面活性剤を含む離型剤分散液を調製する離型剤分散液調製工程と、樹脂分散液、着色剤分散液および離型剤分散液を混合し、凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子を樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し融合させてトナー粒子を得る融合工程と、を含み、樹脂分散液調製工程、着色剤分散液調製工程および離型剤分散液調製工程のそれぞれにおいて重合性界面活性剤を重合する、または、凝集工程もしくは融合工程において重合性界面活性剤を重合する静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により像保持体上に静電潜像を形成し(潜像形成工程)、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)で静電潜像を現像し(現像工程)、転写工程、定着工程を経て可視化される。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。
近年、トナーの形状および表面構造などの制御を意図的に行うことが可能な手段として、乳化重合凝集法などの湿式製法によるトナーの製造方法が提案されている。乳化重合凝集法は、一般に乳化重合などにより樹脂分散液を作製し、一方、溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液、溶媒に離型剤を分散した離型剤分散液等を作製した後、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、加熱することによって融合・合一させてトナーとする製造方法である。樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤分散液等の作製には、通常、界面活性剤が用いられる。
特許文献1には、(i)着色剤と、樹脂、重合性界面活性剤、及びイオン性界面活性剤を含むラテックス乳濁液と、を凝集させてトナーサイズの凝集体を形成し、(ii)前記凝集体を合体又は融合させることを含み、任意に、(iii)生成したトナーを分離し、トナーを洗浄及び乾燥することを含むトナー調製プロセスが記載され、ラテックスは実質的に沈降物がなく、実質的に微小凝集体がないことが記載されている。
特許文献2には、少なくとも、結着樹脂と、着色剤とを含むトナーであって、前記着色剤は、アニオン性基を表面に有する顔料粒子が、カチオン性基と疎水性基と重合性基とを有するカチオン性重合性界面活性剤から誘導された繰り返し構造単位を有するポリマーにより被覆されたものであるトナーが記載され、このようにして得られたトナーは帯電特性、定着特性に優れることが記載されている。
特許文献3には、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を製造する方法であって、分散媒中に、樹脂材料と着色剤を含む材料で構成された分散質が分散した分散液を用意する工程と、前記分散液を液滴として噴霧することにより、前記分散媒を除去し、乾燥微粒子を得る分散媒除去工程と、前記乾燥微粒子を絶縁性液体中に分散させる分散工程とを有し、前記着色剤として、カチオン性基を表面に有する顔料粒子が、アニオン性基と疎水性基と重合性基とを有するアニオン性重合性界面活性剤から誘導された繰り返し構造単位を有するポリマーにより被覆されたものを用いる液体現像剤の製造方法が記載され、このようにして得られた液体現像剤は帯電特性、定着特性に優れることが記載されている。
特許文献4には、少なくとも、結着樹脂と、着色剤とを含むトナーであって、前記着色剤として、カチオン性基を表面に有する顔料粒子が、アニオン性基と疎水性基と重合性基とを有するアニオン性重合性界面活性剤から誘導された繰り返し構造単位を有するポリマーにより被覆されたものを用いるトナーが記載され、このようにして得られたトナーは帯電特性、定着特性に優れることが記載されている。
本発明は、トナー製造工程における発泡による歩留り低下を抑制するとともに、排水処理工程での処理負荷を抑制する静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項1に係る発明は、樹脂および重合性界面活性剤を含む樹脂分散液を調製する樹脂分散液調製工程と、着色剤および重合性界面活性剤を含む着色剤分散液を調製する着色剤分散液調製工程と、離型剤および重合性界面活性剤を含む離型剤分散液を調製する離型剤分散液調製工程と、前記樹脂分散液、前記着色剤分散液および前記離型剤分散液を混合し、凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を前記樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し融合させてトナー粒子を得る融合工程と、を含み、前記樹脂分散液調製工程、前記着色剤分散液調製工程および前記離型剤分散液調製工程のそれぞれにおいて前記重合性界面活性剤を重合する、または、前記凝集工程もしくは前記融合工程において前記重合性界面活性剤を重合する静電荷像現像用トナーの製造方法である。
本発明の請求項1によれば、本構成を有さない場合に比較して、トナー製造工程における発泡による歩留り低下を抑制するとともに、排水処理工程での処理負荷を抑制する。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法において、乳化重合凝集法(凝集・合一法)による湿式製法でトナーを製造する。本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂および重合性界面活性剤を含む樹脂分散液を調製する樹脂分散液調製工程と、着色剤および重合性界面活性剤を含む着色剤分散液を調製する着色剤分散液調製工程と、離型剤および重合性界面活性剤を含む離型剤分散液を調製する離型剤分散液調製工程と、前記樹脂分散液、前記着色剤分散液および前記離型剤分散液を混合し、凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を前記樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し融合させてトナー粒子を得る融合工程と、を含む方法である。必要に応じて、凝集系内のpHを調整して凝集粒子の凝集の成長を停止させる停止工程、融合して得られたトナー粒子を少なくとも水を用いて洗浄する洗浄工程、トナー粒子を乾燥する乾燥工程を有していてもよい。また、さらに必要に応じて、凝集工程の後に、同じまたは異なる樹脂を添加し、凝集粒子の表面に付着させるシェル層形成工程を有してもよい。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法において、乳化重合凝集法(凝集・合一法)による湿式製法でトナーを製造する。本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂および重合性界面活性剤を含む樹脂分散液を調製する樹脂分散液調製工程と、着色剤および重合性界面活性剤を含む着色剤分散液を調製する着色剤分散液調製工程と、離型剤および重合性界面活性剤を含む離型剤分散液を調製する離型剤分散液調製工程と、前記樹脂分散液、前記着色剤分散液および前記離型剤分散液を混合し、凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子を前記樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し融合させてトナー粒子を得る融合工程と、を含む方法である。必要に応じて、凝集系内のpHを調整して凝集粒子の凝集の成長を停止させる停止工程、融合して得られたトナー粒子を少なくとも水を用いて洗浄する洗浄工程、トナー粒子を乾燥する乾燥工程を有していてもよい。また、さらに必要に応じて、凝集工程の後に、同じまたは異なる樹脂を添加し、凝集粒子の表面に付着させるシェル層形成工程を有してもよい。
このように、樹脂成分、着色剤成分、離型剤成分を、凝集剤等を用いて凝集、融合させてトナーを製造する製造方法において、少なくともそれぞれの成分を分散させるために使用する分散剤として重合性界面活性剤を用いる。そして、樹脂分散液調製工程、着色剤分散液調製工程および離型剤分散液調製工程のそれぞれにおいて重合性界面活性剤を重合する、または、凝集工程もしくは融合工程において重合性界面活性剤を重合する。すなわち、これら重合性界面活性剤を用いた分散液はそれぞれの単位材料毎に重合性界面活性剤の重合反応を行ってもよいし、凝集後に重合反応を行ってもよいが、少なくとも洗浄工程以前に重合性界面活性剤の重合反応を終了させておけばよい。これにより、トナー製造工程における発泡による歩留り低下が抑制されるとともに、排水処理工程での処理負荷が抑制される。樹脂分散液調製工程、着色剤分散液調製工程および離型剤分散液調製工程のそれぞれにおいて重合性界面活性剤を重合することにより、トナー製造工程における発泡による歩留り低下がより抑制される。
乳化重合凝集法によりトナーを作製する場合、製造するトナー粒子が細かくなるほど製造中に存在する界面活性剤の量が多くなる傾向にある。界面活性剤の添加量の増加は、例えば、保存タンクへの移送、反応タンクへの仕込み等の際に発泡し易く、消泡作業や消泡待ち等による工程の歩留り低下が生じることがある。また、界面活性剤は凝集、融合工程後に水等に流出し、洗浄液等とともに排水されるが、この界面活性剤含有水の処理に多大な負担、コストが必要となることがある。
本実施形態では、トナーを構成する主要成分を分散させるための界面活性剤として重合性界面活性剤を用い、凝集、融合前あるいは凝集、融合後に重合性界面活性剤を重合させることが重要である。重合性界面活性剤が重合することで界面活性剤が必要とされる分散状態が達成された後はその機能を消失または低下させることとなる。このためトナー製造工程における発泡が抑制され、また、重合性界面活性剤が重合体となることからトナーに取り込まれたり、粒子となることから、排水成分が減るとともに凝集沈殿処理等の排水処理工程で容易に処理される状態となることから排水処理工程の負荷が抑制されるものである。
乳化樹脂懸濁液の作製における重合の際に乳化剤として重合性界面活性剤を使用することでトナーとしての帯電の安定性、分散状態の安定性(沈降物の発生抑制)を得る技術では、着色剤や離型剤といった界面活性剤が高濃度で必要な成分の調製から生じる、発泡による歩留り低下や排水処理工程での処理負荷の問題の影響を解決するには不十分である。また、重合反応を伴わない乳化樹脂懸濁液の作製の場合には効果が期待できない。
また、着色剤(顔料)分散の際に、アニオン系やカチオン系の重合性界面活性剤を用いて顔料固有の帯電性、定着安定性を改善する技術でも、やはり主要成分である樹脂成分に含有される界面活性剤成分の影響で、発泡による歩留り低下や排水処理工程での処理負荷の問題の影響を解決するには不十分である。
以下、静電荷像現像用トナーの製造方法の一例における各工程について詳細に説明する。なお、本実施形態に係るトナーの製造方法はこれに限定されるものではない。
[分散液調製工程]
分散液調製工程においては、樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤分散液などを準備する。
分散液調製工程においては、樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤分散液などを準備する。
(樹脂分散液調製工程)
樹脂粒子を生成するには、通常、重合性単量体と重合性界面活性剤とを水に加え、撹拌してエマルションとする。重合性単量体エマルションが生成したら、該エマルションの好ましくは25質量%以下(すなわち、少量のエマルション)と、遊離基開始剤とを、水相に加えて混合し、所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この種粒子含有組成物にさらに残りのエマルションを追加し、所定の温度で、所定の時間、重合を続けて重合を完了し、樹脂粒子を生成させ、樹脂分散液を得る。樹脂の生成とともに、あるいは樹脂の分散後、別途開始剤を加え加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
樹脂粒子を生成するには、通常、重合性単量体と重合性界面活性剤とを水に加え、撹拌してエマルションとする。重合性単量体エマルションが生成したら、該エマルションの好ましくは25質量%以下(すなわち、少量のエマルション)と、遊離基開始剤とを、水相に加えて混合し、所望の反応温度で種重合を開始する。種粒子の生成後、この種粒子含有組成物にさらに残りのエマルションを追加し、所定の温度で、所定の時間、重合を続けて重合を完了し、樹脂粒子を生成させ、樹脂分散液を得る。樹脂の生成とともに、あるいは樹脂の分散後、別途開始剤を加え加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
前記重合性単量体の種類としては、遊離基開始剤と反応しうるものであれば特に制限はない。重合性単量体の具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類等が挙げられ、これらの重合性単量体は重合されて、単独重合体あるいは共重合体とされる。
また、自己乳化性を持つポリエステル類、ポリウレタン類のような樹脂を重合性界面活性剤とともに水系媒体中でせん断し、分散させてもよい。また、樹脂粒子として、アンモニア成分を含むものも用いられる。あるいは転相乳化法で樹脂分散液を作製してもよい。転相乳化法は、ポリエステルなどの樹脂を有機溶媒に溶解させ、重合性界面活性剤を加え、必要に応じて中和剤を添加して、撹拌下にて、水系溶媒を滴下して、乳化粒子を得た後、樹脂分散液中の溶媒を除去して、乳化液を得る方法である。樹脂の分散後等において、別途開始剤を添加し加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
重合性界面活性剤としては、少なくとも1つの重合性基を有する界面活性剤であればよく、特に制限はない。重合性基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、ビニレン基等が挙げられる。アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基から選択されるものが好ましい。重合性基を有する界面活性剤としては、重合性基を有するスルホン酸塩、スルフィン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸エステル塩、スルフィン酸エステル塩、リン酸エステル塩等が挙げられる。重合性界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
市販の重合性界面活性剤の例としては、重合性基としてアリル基を有するスルホン酸塩であるSR−10(ADEKA社製)が挙げられる。
重合性界面活性剤の使用量は樹脂に対して0.5質量%以上10質量%以下の範囲であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下の範囲であることがより好ましい。重合性界面活性剤の使用量が0.5質量%未満であると分散粒子径の制御ができない場合があり、10質量%を超えるとトナーにした時にトナーの帯電量が大きく低下し、地カブリやトナー飛散などの障害を発生する場合がある。
重合性界面活性剤とともに、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および非イオン系界面活性剤のうちの少なくとも1つを併用してもよい。界面活性剤は、1種単独で併用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
併用する界面活性剤の使用量は重合性界面活性剤に対して0質量%以上100質量%以下の範囲であることが好ましく、0質量%以上50質量%以下の範囲であることがより好ましい。併用する界面活性剤の使用量が100質量%を超えると所望の特性すなわち発泡の抑制や廃水処理の負荷低減効果が不十分になる場合がある。
重合性界面活性剤を重合させるために、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。重合開始剤の使用量は重合性界面活性剤に対して0.1質量%以上50質量%以下の範囲であることが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下の範囲であることがより好ましい。重合開始剤の使用量が0.5質量%未満であると十分な重合反応が得られない場合がある。
重合性開始剤は、加熱条件の調整により分散液の調製時等に最初から添加してもよいし、重合性界面活性剤の重合を行う段階で系に添加してもよい。
また、重合性界面活性剤を重合させる際、モノマを添加して重合性界面活性剤と共重合させてもよい。モノマを添加して共重合させることにより、トナーに残存する重合性界面活性剤の量が低減される。ただし、トナーに残存する重合性界面活性剤の量が多い(例えば、10質量%以上)とトナーの帯電性能が低下することがある。モノマとしては、例えば、上記重合性単量体が挙げられる。用いるモノマの量は、例えば、重合性界面活性剤に対して100質量%以上1000質量%以下の範囲であることが好ましい。
遊離基開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。
本実施形態において、樹脂分散液中の樹脂粒子の大きさは、レーザ/ハロゲン散乱法粒度分布測定装置(ベックマンコールター製、LS320)で測定した体積平均粒径で、0.05μm以上1μm以下程度である。
(着色剤分散液調製工程)
着色剤分散液は、例えば、重合性界面活性剤を用いて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等の所望の色の着色剤粒子を水中にビーズミルなどの分散機を用い分散させることにより調製すればよい。着色剤の分散後等において、加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
着色剤分散液は、例えば、重合性界面活性剤を用いて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等の所望の色の着色剤粒子を水中にビーズミルなどの分散機を用い分散させることにより調製すればよい。着色剤の分散後等において、加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
着色剤としては、無機系の染料および顔料ならびに有機系の染料および顔料のうち少なくとも1つを用いればよい。例えばカーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカライトグリーンオキサレート、などの種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料などが挙げられる。これらの着色剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性界面活性剤の使用量は着色剤に対して1質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下の範囲であることがより好ましい。重合性界面活性剤の使用量が1質量%未満であると所望の粒子径が得られない場合があり、20質量%を超えるとトナー粒子にした場合に帯電性が低下する場合がある。
また、着色剤分散液中の着色剤の大きさは、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.02μm以上0.5μm以下程度である。
(離型剤分散液調製工程)
離型剤分散液は、例えば、離型剤を、水中に重合性界面活性剤とともに分散し、離型剤の融点以上に加熱するとともに、強い剪断をかけられるホモジナイザや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調製すればよい。離型剤の分散後等において、加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
離型剤分散液は、例えば、離型剤を、水中に重合性界面活性剤とともに分散し、離型剤の融点以上に加熱するとともに、強い剪断をかけられるホモジナイザや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調製すればよい。離型剤の分散後等において、加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
離型剤としては特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;などが挙げられる。
重合性界面活性剤の使用量は離型剤に対して1質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下の範囲であることがより好ましい。重合性界面活性剤の使用量が1質量%未満であると所望の粒子径が得られない場合があり、20質量%を超えるとトナーにした場合にトナーの帯電量が低下する場合がある。
また、離型剤分散液中の離型剤の大きさは、例えば、上記レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)で測定した体積平均粒径で、0.05μm以上0.5μm以下程度である。
[凝集工程]
凝集工程においては、樹脂分散液と着色剤分散液と離型剤分散液とを混合し、樹脂粒子と離型剤と必要に応じて着色剤とをヘテロ凝集させ、所望のトナー径にほぼ近い径を持つ凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。分散液調製工程(樹脂分散液調製工程、着色剤分散液調製工程、離型剤分散液調製工程)において重合性界面活性剤の重合を行わなかった場合は、凝集工程において、例えば凝集粒子の形成とともに、あるいは凝集粒子の形成後に、加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
凝集工程においては、樹脂分散液と着色剤分散液と離型剤分散液とを混合し、樹脂粒子と離型剤と必要に応じて着色剤とをヘテロ凝集させ、所望のトナー径にほぼ近い径を持つ凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。分散液調製工程(樹脂分散液調製工程、着色剤分散液調製工程、離型剤分散液調製工程)において重合性界面活性剤の重合を行わなかった場合は、凝集工程において、例えば凝集粒子の形成とともに、あるいは凝集粒子の形成後に、加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
[シェル層形成工程]
シェル層形成工程においては、コア凝集粒子の表面に、樹脂粒子を含む樹脂分散液を用いて樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することにより、コア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造を持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。
シェル層形成工程においては、コア凝集粒子の表面に、樹脂粒子を含む樹脂分散液を用いて樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することにより、コア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造を持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。
なお、凝集工程、シェル層形成工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
[停止工程]
停止工程においては、凝集系内のpHを調整することにより、凝集粒子の凝集成長を停止させる。具体的には凝集系内のpHを6以上9以下の範囲に調整することにより、凝集粒子の成長を停止させる。
停止工程においては、凝集系内のpHを調整することにより、凝集粒子の凝集成長を停止させる。具体的には凝集系内のpHを6以上9以下の範囲に調整することにより、凝集粒子の成長を停止させる。
[融合工程]
融合工程(融合・合一工程)においては、まず、凝集工程および必要に応じて行われたシェル形成工程を経て得られた凝集粒子を含有する溶液中にて、凝集粒子中に含まれる樹脂粒子の融点あるいはガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合・合一することによりトナー粒子を得る。分散液調製工程(樹脂分散液調製工程、着色剤分散液調製工程、離型剤分散液調製工程)、凝集工程において重合性界面活性剤の重合を行わなかった場合は、融合工程において、例えばトナー粒子の形成とともに、あるいはトナー粒子の形成後に、加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
融合工程(融合・合一工程)においては、まず、凝集工程および必要に応じて行われたシェル形成工程を経て得られた凝集粒子を含有する溶液中にて、凝集粒子中に含まれる樹脂粒子の融点あるいはガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合・合一することによりトナー粒子を得る。分散液調製工程(樹脂分散液調製工程、着色剤分散液調製工程、離型剤分散液調製工程)、凝集工程において重合性界面活性剤の重合を行わなかった場合は、融合工程において、例えばトナー粒子の形成とともに、あるいはトナー粒子の形成後に、加熱等により重合性界面活性剤を重合してもよい。
[洗浄工程]
洗浄工程においては、融合工程にて得られたトナー粒子の分散液にイオン交換水による置換洗浄を少なくとも施し、固液分離を行う。固液分離方法には特に制限はないが、生産性などの点から、吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。
洗浄工程においては、融合工程にて得られたトナー粒子の分散液にイオン交換水による置換洗浄を少なくとも施し、固液分離を行う。固液分離方法には特に制限はないが、生産性などの点から、吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。
[乾燥工程]
乾燥工程においては、固液分離されたウェットケーキを乾燥し、トナー粒子を得る。乾燥方法には特に制限はないが、生産性などの点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
乾燥工程においては、固液分離されたウェットケーキを乾燥し、トナー粒子を得る。乾燥方法には特に制限はないが、生産性などの点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
トナーに含まれるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、無機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
本実施形態のトナーには必要に応じて無機粒子を添加してもよい。前記無機粒子としてはシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理したもの等公知の無機粒子を単独または二種以上を組み合わせて使用すればよいが、発色性やOHP透過性等透明性を損なわないという観点から屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましい。またシリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましい。
これら無機粒子を添加することによりトナーの粘弾性を調整してもよく、画像光沢度や紙への染み込みを調整してもよい。無機粒子はトナー原料100質量部に対して0.5質量%以上20質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上15質量%以下がさらに好ましい。
本実施形態のトナーには必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としてはクロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体などを使用すればよい。
このようにして得られるトナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は、蛍光X線分析法(主要元素による)により測定すると、0.1質量%以上5質量%以下の範囲である。ちなみにSおよびP等の重合性界面活性剤の主要元素量はその約1/20程度に測定される。
<静電荷像現像用トナーの物性>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒径としては、2μm以上8μm以下の範囲が好ましい。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒径としては、2μm以上8μm以下の範囲が好ましい。
前記体積平均粒径および個数平均粒径の測定は、コールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャ径で測定することにより行われる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒分散させた後に行う。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.27以下であり、好ましくは1.25以下である。GSDvが1.27を超えると粒度分布がシャープとならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画像欠陥の原因となる場合がある。
なお、体積平均粒径D50vおよび体積平均粒度分布指標GSDvは、以下のようにして求める。前述のコールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。なお、(D84p/D16p)1/2は数平均粒度分布指標(GSDp)を表す。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの、下記式で表される形状係数SF1は好ましくは110以上140以下の範囲、より好ましくは115以上130以下の範囲である。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を超えると、長期にわたって、優れた帯電性、クリーニング性、転写性が得られないことがある。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を超えると、長期にわたって、優れた帯電性、クリーニング性、転写性が得られないことがある。
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定する。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML2/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求める。
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態において、静電荷像現像用現像剤は、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。本実施形態における静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像用現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像用現像剤となる。
本実施形態において、静電荷像現像用現像剤は、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られる静電荷像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。本実施形態における静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像用現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像用現像剤となる。
例えばキャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30μm以上200μm以下程度の範囲である。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマ;などの単独重合体、または2種類以上のモノマからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下程度の範囲が好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダ、加熱型ヘンシェルミキサ、UMミキサなどを使用すればよく、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用してもよい。
静電荷像現像用現像剤における前記本実施形態の静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。
<トナーカートリッジ>
本実施形態に係るトナーカートリッジは、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有するものであればよく、特に制限はない。トナーカートリッジは、例えば、現像手段を備えた画像形成装置に着脱され、この現像手段に供給されるためのトナーとして、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーが収納されているものである。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有するものであればよく、特に制限はない。トナーカートリッジは、例えば、現像手段を備えた画像形成装置に着脱され、この現像手段に供給されるためのトナーとして、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーが収納されているものである。
<プロセスカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、像保持体と、像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段とを備える。本実施形態のプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体の表面を帯電させるための帯電手段と、帯電部材を清掃するための帯電部材清掃部材と、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像保持体の表面に残留した残留トナーを除去する残留トナー除去手段とからなる群より選択される少なくとも一種を備えていてもよい。現像剤として、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーを含む現像剤が用いられる。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、像保持体と、像保持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段とを備える。本実施形態のプロセスカートリッジは、必要に応じて、像保持体の表面を帯電させるための帯電手段と、帯電部材を清掃するための帯電部材清掃部材と、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像保持体の表面に残留した残留トナーを除去する残留トナー除去手段とからなる群より選択される少なくとも一種を備えていてもよい。現像剤として、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーを含む現像剤が用いられる。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、現像剤として、前記静電荷像現像用現像剤が用いられる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記した手段以外の手段、例えば、像保持体を帯電する帯電手段、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段、像保持体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段等を含むものであってもよい。現像剤として、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーを含む現像剤が用いられる。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、現像剤として、前記静電荷像現像用現像剤が用いられる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記した手段以外の手段、例えば、像保持体を帯電する帯電手段、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段、像保持体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段等を含むものであってもよい。現像剤として、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナーを含む現像剤が用いられる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<樹脂分散液(ラテックス)の作製>
[乳化液の準備]
ポリエステル樹脂(重量平均分子量Mw 2万、融点Tm 120℃、ガラス転移温度Tg 65℃) 100質量部
酢酸エチル 40質量部
NaOH 1質量部
以上の成分を50℃に加熱し、溶解混合した。次いで、イオン交換水200質量部を除々に添加し、転相乳化した。次いで、50℃に加熱し、溶剤である酢酸エチルを分離回収した。
<樹脂分散液(ラテックス)の作製>
[乳化液の準備]
ポリエステル樹脂(重量平均分子量Mw 2万、融点Tm 120℃、ガラス転移温度Tg 65℃) 100質量部
酢酸エチル 40質量部
NaOH 1質量部
以上の成分を50℃に加熱し、溶解混合した。次いで、イオン交換水200質量部を除々に添加し、転相乳化した。次いで、50℃に加熱し、溶剤である酢酸エチルを分離回収した。
[樹脂分散液の準備]
乳化液(脱溶剤後:固形分 30%) 100質量部
重合性界面活性剤(スルホン酸塩系、ADEKA社製、SR−10) 1質量部
過硫酸アンモニウム(APS) 0.01質量部
乳化液と重合性界面活性剤を添加混合した後、液温を75℃とし、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)を加え3時間保持させ、重合性界面活性剤を重合させた。その後、30℃まで冷却し、樹脂分散液(ラテックス)を作製した。得られた樹脂分散液は、レーザ回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒径(D50)を測定したところ、200nmであった。
乳化液(脱溶剤後:固形分 30%) 100質量部
重合性界面活性剤(スルホン酸塩系、ADEKA社製、SR−10) 1質量部
過硫酸アンモニウム(APS) 0.01質量部
乳化液と重合性界面活性剤を添加混合した後、液温を75℃とし、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)を加え3時間保持させ、重合性界面活性剤を重合させた。その後、30℃まで冷却し、樹脂分散液(ラテックス)を作製した。得られた樹脂分散液は、レーザ回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒径(D50)を測定したところ、200nmであった。
<離型剤分散液の作製>
ポリエチレンワックス(ベーカーペトロライト社製、POLYWAX725)30質量部
重合性界面活性剤(ADEKA社製、SR−10) 1.5質量部
イオン交換水 100質量部
以上の成分を120℃で30分溶解後、加圧分散機(ゴーリンホモジナイザ)にて4パス相当の時間分散を実施した。次いで、乳化液を75℃とした後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)0.015質量部添加し、3時間保持させ、重合性界面活性剤を重合させた。その後、30℃まで冷却し、離型剤分散液を作製した。得られた離型剤分散液は、レーザ式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分析計)で体積平均粒径(D50)を測定したところ、250nmであった。
ポリエチレンワックス(ベーカーペトロライト社製、POLYWAX725)30質量部
重合性界面活性剤(ADEKA社製、SR−10) 1.5質量部
イオン交換水 100質量部
以上の成分を120℃で30分溶解後、加圧分散機(ゴーリンホモジナイザ)にて4パス相当の時間分散を実施した。次いで、乳化液を75℃とした後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)0.015質量部添加し、3時間保持させ、重合性界面活性剤を重合させた。その後、30℃まで冷却し、離型剤分散液を作製した。得られた離型剤分散液は、レーザ式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分析計)で体積平均粒径(D50)を測定したところ、250nmであった。
<着色剤分散液の作製>
C.I.ピグメントブルー15:3(大日精化社製) 30質量部
重合性界面活性剤(ADEKA社製、SR−10) 5質量部
イオン交換水 100質量部
以上の成分を0.3μmのジルコニアビーズを入れたメディア式分散機にて4時間相当の時間分散を実施した。次いで、分散液を75℃とした後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)0.05質量部添加し、3時間保持させ、重合性界面活性剤を重合させた。その後、30℃まで冷却し、着色剤分散液を作製した。得られた青色着色剤分散液は、レーザ式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分析計)で体積平均粒径(D50)を測定したところ、140nmであった。
C.I.ピグメントブルー15:3(大日精化社製) 30質量部
重合性界面活性剤(ADEKA社製、SR−10) 5質量部
イオン交換水 100質量部
以上の成分を0.3μmのジルコニアビーズを入れたメディア式分散機にて4時間相当の時間分散を実施した。次いで、分散液を75℃とした後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)0.05質量部添加し、3時間保持させ、重合性界面活性剤を重合させた。その後、30℃まで冷却し、着色剤分散液を作製した。得られた青色着色剤分散液は、レーザ式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分析計)で体積平均粒径(D50)を測定したところ、140nmであった。
<トナーの作製>
実施例1の樹脂分散液 65質量部(固形分として)
実施例1の離型剤分散液 10質量部(固形分として)
実施例1の着色剤分散液 10質量部(固形分として)
以上の成分を混合し、硝酸にてpH3とした後、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム 15000ppm)を添加した後、40℃まで加熱混合した。マルチサイザー(ベックマン−コールター社製)で測定した粒子径が5.0μmに到達した時点で実施例1の樹脂分散液15質量部を添加し、粒子径が6.0μmになるまで凝集反応を継続した。粒子径が6.0μmに到達後、80℃まで加熱し、3時間保持し凝集粒子を融合・合一させた。次いで室温(25℃)にまで冷却し、トナースラリを得た。フィルタプレスによる処理において洗浄脱水処理を実施した。次いで室温の雰囲気にて真空乾燥して1日乾燥し、体積平均粒径5.8μmのトナー粒子を得た。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.65質量%であった。
実施例1の樹脂分散液 65質量部(固形分として)
実施例1の離型剤分散液 10質量部(固形分として)
実施例1の着色剤分散液 10質量部(固形分として)
以上の成分を混合し、硝酸にてpH3とした後、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム 15000ppm)を添加した後、40℃まで加熱混合した。マルチサイザー(ベックマン−コールター社製)で測定した粒子径が5.0μmに到達した時点で実施例1の樹脂分散液15質量部を添加し、粒子径が6.0μmになるまで凝集反応を継続した。粒子径が6.0μmに到達後、80℃まで加熱し、3時間保持し凝集粒子を融合・合一させた。次いで室温(25℃)にまで冷却し、トナースラリを得た。フィルタプレスによる処理において洗浄脱水処理を実施した。次いで室温の雰囲気にて真空乾燥して1日乾燥し、体積平均粒径5.8μmのトナー粒子を得た。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.65質量%であった。
<評価>
[発泡性評価]
発泡性試験に関しては、検体(トナースラリ)100gを250mLのポリ容器(内径58mm)に計量し、ペイントシェーカにて1分間混合した。その後、10分間静置し、泡面の高さを下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:≦5mm
○:≦10mm
△:≦20mm
×:>20mm
[発泡性評価]
発泡性試験に関しては、検体(トナースラリ)100gを250mLのポリ容器(内径58mm)に計量し、ペイントシェーカにて1分間混合した。その後、10分間静置し、泡面の高さを下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:≦5mm
○:≦10mm
△:≦20mm
×:>20mm
[排水処理性評価]
排水処理性に関しては、排水をフィルタプレスにより分離した母液成分を用いて凝集沈殿性の評価を行った。
(評価条件)
固形分分離後母液 100mL
塩化第二鉄 300mg
高分子凝集剤(アニオン系化合物、栗田工業製) 5mg
凝集沈殿性に関してはフロック形成状態を目視にて以下の基準でグレード評価を行った。G1〜G3が許容レベルである。結果を表1に示す。
G1:フロックが大きく、液の透明性が極めて良好
G2:フロックがやや細かいが透明性が良好(G1とG3の間のレベル)
G3:透明性がやや劣るが実使用上問題とならないレベル
G4:フロックができるものの沈降性が悪く着色もある(G3とG4の間のレベル)
G5:フロックが細かく着色が著しく悪いレベル
排水処理性に関しては、排水をフィルタプレスにより分離した母液成分を用いて凝集沈殿性の評価を行った。
(評価条件)
固形分分離後母液 100mL
塩化第二鉄 300mg
高分子凝集剤(アニオン系化合物、栗田工業製) 5mg
凝集沈殿性に関してはフロック形成状態を目視にて以下の基準でグレード評価を行った。G1〜G3が許容レベルである。結果を表1に示す。
G1:フロックが大きく、液の透明性が極めて良好
G2:フロックがやや細かいが透明性が良好(G1とG3の間のレベル)
G3:透明性がやや劣るが実使用上問題とならないレベル
G4:フロックができるものの沈降性が悪く着色もある(G3とG4の間のレベル)
G5:フロックが細かく着色が著しく悪いレベル
また、上澄み液のTOC(全有機炭素:Total Organic Carbon)をTOC計により測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:≦100
○:≦150
△:≦200
×:>200
◎:≦100
○:≦150
△:≦200
×:>200
[トナーの帯電性評価]
フッ素系樹脂を2.0容量%コートした35μmのフェライトキャリア100重量部とトナー5重量部とを計量し、ペイントシェーカを用いてオフィス環境下にて10分間混合した。混合物の帯電量を東芝ブローオフトライボ測定装置にてトナーの帯電性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:≧40μC/g
○:≧30μC/g
△:≧25μC/g
×:<25μC/g
フッ素系樹脂を2.0容量%コートした35μmのフェライトキャリア100重量部とトナー5重量部とを計量し、ペイントシェーカを用いてオフィス環境下にて10分間混合した。混合物の帯電量を東芝ブローオフトライボ測定装置にてトナーの帯電性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:≧40μC/g
○:≧30μC/g
△:≧25μC/g
×:<25μC/g
<実施例2>
実施例1の樹脂分散液、離型剤分散液、着色剤分散液の調製において用いた重合性界面活性剤の量を半量とし、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS、アニオン系界面活性剤、ネオゲンSC、第一工業製薬製)でその半量を充当させたこと以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:240nm、離型剤分散液:230nm、着色剤分散液:130nm、トナー:5.9μmであった。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.3質量%であった。結果を表1に示す。
実施例1の樹脂分散液、離型剤分散液、着色剤分散液の調製において用いた重合性界面活性剤の量を半量とし、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS、アニオン系界面活性剤、ネオゲンSC、第一工業製薬製)でその半量を充当させたこと以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:240nm、離型剤分散液:230nm、着色剤分散液:130nm、トナー:5.9μmであった。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.3質量%であった。結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1の樹脂分散液を以下に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。ただし、この時の凝集温度は48℃、融合・合一温度は92℃とした。
[樹脂分散液の作製]
スチレン 65質量部
n−ブチルアクリレート 25質量部
アクリル酸 10質量部
重合性界面活性剤(ADEKA社製、SR−10) 5質量部
過硫酸アンモニウム(APS) 1質量部
イオン交換水 200質量部
実施例1の樹脂分散液を以下に変更した以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。ただし、この時の凝集温度は48℃、融合・合一温度は92℃とした。
[樹脂分散液の作製]
スチレン 65質量部
n−ブチルアクリレート 25質量部
アクリル酸 10質量部
重合性界面活性剤(ADEKA社製、SR−10) 5質量部
過硫酸アンモニウム(APS) 1質量部
イオン交換水 200質量部
APS水溶液を除く上記成分を混合して乳化液を作製し、これに重合開始剤である過硫酸アンモニウムを溶解したイオン交換水20質量部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、3時間重合を実施した。その後乳化液を室温まで冷却し、ガラス転移温度57℃、重量平均分子量が50万、D50:250nmの樹脂分散液を調製した。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は2.0質量%であった。結果を表1に示す。
<実施例4>
トナー作製まで重合性界面活性剤の重合を実施せずに、融合工程において重合を実施したこと以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。トナー作製方法としては、
実施例1の樹脂分散液(APS無添加で75℃の加熱処理なし) 65質量部(固形分)
実施例1の離型剤分散液(APS無添加で75℃の加熱処理なし)10質量部(固形分)
実施例1の着色剤分散液(APS無添加で75℃の加熱処理なし)10質量部(固形分)
を混合し、硝酸にてpH3とした後、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム 15000ppm)を添加した後、40℃まで加熱混合した。粒子径が5.0μmに到達した時点で実施例1の樹脂分散液15質量部を添加し、粒子径が6.0μmになるまで凝集反応を継続した。6.0μmに到達後、APSを1質量部添加した後、80℃まで加熱して3時間保持し、凝集粒子を合一させた。次いで室温にまで冷却し、トナースラリを得た。フィルタプレスによる処理において洗浄脱水処理を実施。次いで室温の雰囲気にて真空乾燥して1日乾燥し、体積平均粒径5.8μmのトナー粒子を得た。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.25質量%であった。結果を表1に示す。
トナー作製まで重合性界面活性剤の重合を実施せずに、融合工程において重合を実施したこと以外は実施例1と同様にしてトナーを作製した。トナー作製方法としては、
実施例1の樹脂分散液(APS無添加で75℃の加熱処理なし) 65質量部(固形分)
実施例1の離型剤分散液(APS無添加で75℃の加熱処理なし)10質量部(固形分)
実施例1の着色剤分散液(APS無添加で75℃の加熱処理なし)10質量部(固形分)
を混合し、硝酸にてpH3とした後、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム 15000ppm)を添加した後、40℃まで加熱混合した。粒子径が5.0μmに到達した時点で実施例1の樹脂分散液15質量部を添加し、粒子径が6.0μmになるまで凝集反応を継続した。6.0μmに到達後、APSを1質量部添加した後、80℃まで加熱して3時間保持し、凝集粒子を合一させた。次いで室温にまで冷却し、トナースラリを得た。フィルタプレスによる処理において洗浄脱水処理を実施。次いで室温の雰囲気にて真空乾燥して1日乾燥し、体積平均粒径5.8μmのトナー粒子を得た。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.25質量%であった。結果を表1に示す。
<実施例5>
重合性界面活性剤を重合させる際、モノマとしてメタクリル酸メチル(MMA)を添加して重合性界面活性剤と共重合させた以外は実施例1と同様にして各種分散液、およびトナーを作製した。MMAの添加量および出来上がった粒子の体積平均粒径D50は以下の通りであった。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.8質量%であった。結果を表1に示す。
樹脂分散液 MMA 1質量部 D50:220nm
離型剤分散液 MMA 1.5質量部 D50:260nm
着色剤分散液 MMA 5質量部 D50:160nm
重合性界面活性剤を重合させる際、モノマとしてメタクリル酸メチル(MMA)を添加して重合性界面活性剤と共重合させた以外は実施例1と同様にして各種分散液、およびトナーを作製した。MMAの添加量および出来上がった粒子の体積平均粒径D50は以下の通りであった。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.8質量%であった。結果を表1に示す。
樹脂分散液 MMA 1質量部 D50:220nm
離型剤分散液 MMA 1.5質量部 D50:260nm
着色剤分散液 MMA 5質量部 D50:160nm
<実施例6>
重合性界面活性剤としてSR−10の代わりにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系化合物(第一工業製薬社製、アクアロンKH−10)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナーを作製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:180nm、離型剤分散液:230nm、着色剤分散液:120nm、トナー:5.6μmであった。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.6質量%であった。結果を表1に示す。
重合性界面活性剤としてSR−10の代わりにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩系化合物(第一工業製薬社製、アクアロンKH−10)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナーを作製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:180nm、離型剤分散液:230nm、着色剤分散液:120nm、トナー:5.6μmであった。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.6質量%であった。結果を表1に示す。
<実施例7>
重合性界面活性剤としてSR−10の代わりにアルキルアリルスルホコハク酸塩化合物(三洋化成社製、JS2)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナーを作製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:160nm、離型剤分散液:220nm、着色剤分散液:130nm、トナー:5.5μmであった。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.55質量%であった。結果を表1に示す。
重合性界面活性剤としてSR−10の代わりにアルキルアリルスルホコハク酸塩化合物(三洋化成社製、JS2)を用いた以外は実施例1と同様にして、トナーを作製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:160nm、離型剤分散液:220nm、着色剤分散液:130nm、トナー:5.5μmであった。トナー中の重合性界面活性剤に起因する成分の含有量は0.55質量%であった。結果を表1に示す。
<比較例1>
重合性界面活性剤の全量をドデシルベンゼンスルホン酸(DBS、アニオン系界面活性剤、ネオゲンSC、第一工業製薬製)にしたこと以外は、実施例1と同様の条件で樹脂分散液、離型剤分散液、着色剤分散液およびトナーを調製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:200nm、離型剤分散液:220nm、着色剤分散液:120nm、トナー:5.8μmであった。結果を表1に示す。
重合性界面活性剤の全量をドデシルベンゼンスルホン酸(DBS、アニオン系界面活性剤、ネオゲンSC、第一工業製薬製)にしたこと以外は、実施例1と同様の条件で樹脂分散液、離型剤分散液、着色剤分散液およびトナーを調製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:200nm、離型剤分散液:220nm、着色剤分散液:120nm、トナー:5.8μmであった。結果を表1に示す。
<比較例2>
樹脂分散液作製の際、重合性界面活性剤の全量をドデシルベンゼンスルホン酸(DBS、アニオン系界面活性剤、ネオゲンSC、第一工業製薬製)にしたこと以外は、実施例3と同様の条件で樹脂分散液を作製した。その他は比較例1と同様にして、離型剤分散液、着色剤分散液およびトナーを調製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:250nm、トナー:5.9μmであった。結果を表1に示す。
樹脂分散液作製の際、重合性界面活性剤の全量をドデシルベンゼンスルホン酸(DBS、アニオン系界面活性剤、ネオゲンSC、第一工業製薬製)にしたこと以外は、実施例3と同様の条件で樹脂分散液を作製した。その他は比較例1と同様にして、離型剤分散液、着色剤分散液およびトナーを調製した。体積平均粒径はそれぞれ、樹脂分散液:250nm、トナー:5.9μmであった。結果を表1に示す。
実施例1〜7の製造方法により、比較例1,2に比べて、トナー製造工程における発泡による歩留り低下が抑制されるとともに、排水処理工程での処理負荷が抑制された。分散液作製時に重合性界面活性剤の重合を行わなかった実施例4は、実施例1に比べて樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤分散液の発泡レベルはやや悪かった。重合性界面活性剤を重合させる際にモノマとしてメタクリル酸メチル(MMA)を添加して重合性界面活性剤と共重合させた実施例5は、実施例1に比べてTOCが良好であったが、トナーの帯電性はやや低下した。
Claims (1)
- 樹脂および重合性界面活性剤を含む樹脂分散液を調製する樹脂分散液調製工程と、
着色剤および重合性界面活性剤を含む着色剤分散液を調製する着色剤分散液調製工程と、
離型剤および重合性界面活性剤を含む離型剤分散液を調製する離型剤分散液調製工程と、
前記樹脂分散液、前記着色剤分散液および前記離型剤分散液を混合し、凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子を前記樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱し融合させてトナー粒子を得る融合工程と、
を含み、
前記樹脂分散液調製工程、前記着色剤分散液調製工程および前記離型剤分散液調製工程のそれぞれにおいて前記重合性界面活性剤を重合する、または、前記凝集工程もしくは前記融合工程において前記重合性界面活性剤を重合することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010181703A JP2012042559A (ja) | 2010-08-16 | 2010-08-16 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102013002309A1 (de) | 2012-02-28 | 2013-08-29 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Getriebevorrichtung der flexiblen Eingriffsbauart |
US20210253846A1 (en) * | 2020-02-17 | 2021-08-19 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Resin particle |
-
2010
- 2010-08-16 JP JP2010181703A patent/JP2012042559A/ja not_active Withdrawn
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