JP2012042250A - 振動型角速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で感度と応答性が高い振動型角速度センサを提供する。
【解決手段】支持部と、錘部と、前記錘部からそれぞれ前記支持部まで延伸し前記錘部を支持している複数の梁部と、前記錘部を時分割駆動によって複数方向に励振する励振手段と、前記支持部に対する前記錘部の運動を検出する検出手段と、前記支持部および前記錘部の少なくとも一方の前記梁部との境界近傍に形成され、前記梁部の張力に応じて前記梁部の延伸方向に弾性変形し前記梁部の主撓み方向には実質的に変形しないばね定数安定化手段と、前記ばね定数安定化手段と結合し前記ばね定数安定化手段の振動を減衰させるダンパーと、を備える振動型角速度センサ。
【選択図】図4

Description

本発明は振動型角速度センサに関し、特にMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)として構成される振動型角速度センサに関する。
従来、MEMSとして構成される振動型角速度センサが知られている。振動型角速度センサでは、参照振動の振幅が大きくなるほど感度が高くなる。したがって錘部は錘部の形態と錘部を支持する弾性体の形態とで決まる固有振動数の近傍の振動数において励振される。しかし、錘部を支持する弾性体が延びると弾性体のばね定数が変化し、それにともなって固有振動数が変化する。このような固有振動数の変化はハードスプリング効果といわれる。一定の振幅に対しては弾性体が小型化するほどハードスプリング効果が起こりやすい。ハードスプリング効果による固有振動数の変化に追従して励振することは困難であるため、振動型角速度センサが小型化するほど振幅の大きな参照振動を実現することは困難になる。特許文献1、2,3に記載されているように、錘部を支持する弾性体としての梁部が例えばT字形である等、錘部を支持する弾性体としての梁部に屈曲部があるとハードスプリング効果による固有振動数の変化は起こりにくくなる。
特開2000−199714号公報 特開2007−333665号公報 国際公開WO00−079288号パンフレット 特開2002−55117号公報
しかし、屈曲部を形成するなどして梁部自体を柔らかくするとばね定数と固有振動数が大幅に低下する。したがって、従来の方法では、目標とする固有振動数を維持しながら弾性体のハードスプリング効果を低減することはできない。すなわち、振動型角速度センサには、小型化するほど、振幅の大きな参照振動を実現することは困難になるとともに感度を高めにくくなるという問題がある。
また、時分割駆動によって錘部を2方向に振動させることで角速度の直交する3成分を検出する振動型角速度センサでは、1方向の振動が十分減衰するまで振動方向を切り変えることができないため、応答性が悪くなるという問題がある。
本発明は、この問題を解決するために創作されたものであって、小型で感度と応答性が高い振動型角速度センサを提供することを目的の1つとする。
(1)上記目的を達成するための振動型角速度センサは、支持部と、錘部と、前記錘部からそれぞれ前記支持部まで延伸し前記錘部を支持している複数の梁部と、前記錘部を時分割駆動によって複数方向に励振する励振手段と、前記支持部に対する前記錘部の運動を検出する検出手段と、前記支持部および前記錘部の少なくとも一方の前記梁部との境界近傍に形成され、前記梁部の張力に応じて前記梁部の延伸方向に弾性変形し前記梁部の主撓み方向には実質的に変形しないばね定数安定化手段と、前記ばね定数安定化手段と結合し前記ばね定数安定化手段の振動を減衰させるダンパーと、を備える。
本発明によると梁部の張力に応じてばね定数安定化手段が梁部の延伸方向に弾性変形することによって梁部の伸びが抑制される。このため本発明によると、錘部の参照振動の振幅を大きくしても、ハードスプリング効果による固有振動数の変化を抑えることができる。すなわち本発明によると感度が高い振動型角速度センサを実現できる。また梁部の延伸方向のばね定数は梁部の主撓み方向のばね定数に比べて格段に大きい。したがって梁部の延伸方向におけるばね定数安定化手段のばね定数が相当大きくても、梁部のハードスプリング効果を抑制できる。梁部の延伸方向におけるばね定数安定化手段のばね定数を十分大きく設定することによって、ばね定数安定化手段によって錘部の固有振動数が大幅に低くなることを防止できる。さらに、ダンパーによってばね定数安定化手段の振動を減衰させるため、時分割駆動において錘部の振動方向の切換に要する時間を短縮し、応答性を高めることができる。なお、本明細書において、主撓み方向とは、板状の構造体を厚さ方向に撓ませる任意の変位方向である。また、厚さ方向とは板状の構造体の寸法について最も長さが短くなる方向である。
(2)上記目的を達成するための振動型角速度センサにおいて、前記ばね定数安定化手段は、主撓み方向が前記梁部の延伸方向に一致するとともに当該主撓み方向において前記梁部と結合している板ばねの形態を有してもよい。
本発明によると板ばねの形態を有するばね定数安定化手段が梁部の延伸方向に撓むことによって梁部の伸びが抑制される。このため感度が高い振動型角速度センサを実現できる。また板ばねの形態を有するばね定数安定化手段の主撓み方向のばね定数を十分大きく設定することによって、錘部の固有振動数が大幅に低くなることを防止できる。
(3)上記目的を達成するための振動型角速度センサにおいて、前記支持部と前記錘部と前記梁部とは積層構造体からなり、前記積層構造体の積層方向において前記支持部または前記錘部を貫通する穴によって前記ばね定数安定化手段が形成され、前記ダンパーは前記穴の内部に充填された樹脂材料からなってもよい。
本発明によると、ばね定数安定化手段と支持部または錘部の残部との積層構造が同一になるため、ばね定数安定化手段を簡素な製造プロセスの中で形成することができる。また穴の内部に樹脂材料を充填することによってダンパーを形成するため、簡素な製造プロセスの中でダンパーを形成することができる。
図1Aは本発明の実施形態にかかる斜視図。図1Bおよび図1Cは本発明の実施形態にかかる側面図。 本発明の実施形態にかかるグラフ。 本発明の実施形態にかかるグラフ。 本発明の実施形態にかかる斜視図。 図5Aは本発明の実施形態にかかる上面図。図5Bは図5Aに示すBB線断面図。図5Cは図5Aに示すCC線断面図。図5Dは図5Aの部分図。 本発明の実施形態にかかる断面図。 本発明の実施形態にかかる断面図。 本発明の実施形態にかかる断面図。 本発明の実施形態にかかる断面図。 本発明の実施形態にかかる上面図。 本発明の実施形態にかかる上面図。 本発明の実施形態にかかる断面図。 本発明の実施形態にかかる断面図。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.ハードスプリング効果とその抑制原理
図1Aに示すように梁Rの両端が2つの支持体S1、S2に固定されているとき、梁Rの厚さ方向について変位aと復元力Fの関係を考える。梁Rの中間点の変位aが小さい範囲ではフックの法則F=kaが近似的に成立する。ばね定数kは変位aの関数であって、変位aが大きくなるとばね定数kは大きくなり梁Rはばねとして硬くなる。
図2は梁Rを励振する駆動電圧の大きさ(振幅)毎に梁Rの中間点の振幅と振動数の関係を示したグラフである。駆動電圧Vが大きくなるほど梁Rの振幅は増大する。また駆動電圧Vの振動数が固有振動数に近くなるほど梁Rの振幅は増大する。相対的に高い駆動電圧Vにおいて励振する場合、相対的に低い駆動電圧Vにおいて励振するよりも高い振動数において梁Rの振幅が極大になる。すなわち、梁Rの中間点の振幅が大きくなると梁Rの中間点の固有振動数が高くなる。これは梁Rの中間点の変位aの増大に伴って梁Rの主撓み方向である厚さ方向のばね定数kが大きくなるからである。これをハードスプリング効果という。
相対的に低い駆動電圧Vにおいて励振する場合、梁Rの中間点の振幅が極大になる固有振動数を境にして梁Rの中間点の振幅と振動数の関係は対称である。一方、相対的に高い駆動電圧Vにおいて励振する場合、図3において実線によって示すように、梁Rの中間点の振幅が極大になる固有振動数よりも高い振動数において振動する範囲では振動数に対する振幅の変化率の絶対値が、振幅が極大になる固有振動数よりも低い振動数において振動する範囲に比べて大きくなる。振動数に対する振幅の変化率の絶対値が大きくなると、駆動電圧によって振幅を制御することが困難になる。すなわち大きな振幅で梁Rを安定して励振することは困難である。なお、図3に示すグラフにおいて、実線は駆動電圧Vにおいて梁Rを励振するときに梁Rの中間点の振幅と振動数の関係を示し、破線は振幅が極大となる振動数を境にして梁Rの中間点の振動数と振幅の関係が対称である関係を示している。
ところで図1Bに示すように支持体S1、S2の位置が相対的に固定されているとき、変位aが大きくなるほど梁Rが延びる。そこで変位aに伴う梁Rの単位長さあたりの伸びを小さくすることにより、ハードスプリング効果を抑制する。
図1Cに示すように、梁Rの両端が固定されている支持体S1、S2の距離dが変位aの増加に伴って減少するように梁Rを支持すると、変位aに伴う梁Rの単位長さあたりの伸びを小さくすることができる。すなわち、梁Rの張力に応じて支持体S1、S2の距離dが縮むとき、変位aに伴う梁Rの単位長さあたりの伸びを小さくすることができる。したがって、支持体S1および支持体S2の少なくとも一方を、梁Rの延伸方向においてばねとして機能させることによってハードスプリング効果を抑制できる。
ただし、支持体S1および支持体S2の少なくとも一方を、梁Rの延伸方向においてばねとして機能させると、支持体S1、S2の位置を相対的に固定する場合に比べて梁Rの中間点の固有振動数は低くなる。したがって、梁Rの中間点の固有振動数を維持するには、梁Rの長さ方向における支持体S1および支持体S2のばね定数は大きいほど好ましい。また、変位aに伴う梁Rの単位長さあたりの伸びを小さくするためには、梁Rの長さ方向における支持体S1および支持体S2のばね定数は、梁Rの延伸方向における梁Rのばね定数よりも小さいことが好ましい。
なお、支持体S1、S2が梁Rの中間点の振動方向と同じ方向にばねとして振動するように構成すると、梁Rの中間点の固有振動数が大きく変動する。したがって、支持体S1、S2は、梁Rの延伸方向においてはばねとして機能し、梁Rの中間点の振動方向においては実質的な剛体として機能するように構成される。すなわち、支持体S1、S2は、主撓み方向が梁Rの延伸方向に一致するとともに主撓み方向において梁Rと結合している板ばねの形態とする。板ばねは、厚さ方向に成分を持つ主撓み方向についてはばね定数が小さく、厚さ方向と垂直な面と平行な方向についてはばね定数は実質的に無限大として扱えるほど大きい。したがって、支持体S1、S2は、厚さ方向が梁Rの延伸方向に一致するとともに厚さ方向において梁Rと結合している板ばねの形態とすればよい。
2.第一実施例
図4および図5は本発明による振動型角速度センサの第一実施例を示している。説明の便宜のために図4および図5に示すように直交するxyz軸を定める。振動型角速度センサ1は、MEMSとして構成され、単結晶珪素、酸化珪素、白金、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの積層構造体であって、図示しないパッケージに収容される。振動型角速度センサ1には、枠形の支持部10、底面が十字形の柱体である錘部15、梁部12a,12b,12c,12dなどが形成されている。
支持部10はパッケージに固定され、梁部12に比べて十分厚いため、実質的に剛体として振る舞う。支持部10は内側に梁部12および錘部15が収まる空間を形成し実質的に剛体として振る舞う形態であればどのような形態であっても良い。
4つの梁部12は、いずれも一端が支持部10に他端が錘部15に結合している。具体的には梁部12を構成する2つの層104と106とが支持部10および錘部15をも構成し、層104,106が錘部15、梁部12および支持部10にわたって連続していることによって梁部12が支持部10と錘部15とに結合している。4つの梁部12は、錘部15と支持部10とを構成している複数の層のうち突出して厚い層100を含まないため、錘部15と支持部10に対して十分z方向に薄い。したがって4つの梁部12は、それぞれ一端が支持部10に固定された弾性梁として振る舞う。4つの梁部12は、xy平面と平行に整列し、いずれもx軸と平行な方向に延伸している。梁部12a、12bの対はx方向において整列し、錘部15のy方向の一端部から互いに逆方向(x軸正方向およびx軸負方向)にそれぞれ支持部10まで延伸している。梁部12c、12dの対はx方向において整列し、錘部15のy方向の他端部から互いに逆方向(x軸正方向およびx軸負方向)にそれぞれ支持部10まで延伸している。梁部12と支持部10と錘部15は一方の主面がxy平面と平行に整列している。すなわちz方向において相対的に厚い支持部10と錘部15のz方向の端部に対して、z方向において相対的に薄い梁部12が結合している。
錘部15は、支持部10に対して運動可能に4つの梁部12によって支持されている。錘部15は、支持部10に対して固定されたxyz座標系において3次元運動する剛体として振る舞う。z方向において相対的に厚い錘部15のz方向の端部に対して、z方向において相対的に薄い梁部12が結合しているため、錘部15の重心は梁部12を含む平面からz方向に離間している。したがって、錘部15にx方向またはy方向の慣性力が作用すると、錘部15の重心の運動はx軸またはy軸周りの回転を伴う運動となる。
それぞれの梁部12の表面の支持部10との境界近傍に励振手段として駆動用圧電素子13が設けられる。駆動用圧電素子13に交流の駆動電圧を印加することによって錘部15を振動させる。本実施形態では、x軸方向の参照振動とy軸方向の参照振動とを時分割駆動によって異なる時に発生させる。なおx軸方向の参照振動とy軸方向の参照振動とを同時に発生させるには、たとえば駆動用圧電素子13aおよび駆動用圧電素子13dに印加する駆動信号と駆動用圧電素子13bおよび駆動用圧電素子13cに印加する駆動信号との位相をずらせばよい。
梁部12および錘部15は、錘部15の重心の固有振動数がx軸方向とy軸方向とz軸方向とで異なるように構成されている。これはx軸方向の参照振動がy軸およびz軸に漏れたり、z軸方向の参照振動がx軸及びy軸に漏れる、所謂メカニカルカップリングを防止するためである。本実施例ではz軸方向、x軸方向、y軸方向の順に固有振動数が高くなるように梁部12および錘部15が構成されている(後記の表2参照)。
それぞれの梁部12の表面の錘部15との境界近傍に検出手段として検出用圧電素子14が設けられる。検出用圧電素子14は支持部10に対する錘部15の運動を検出する。
振動型角速度センサ1がx軸周りに回転するとz軸方向に進行する錘部15の重心に対してy軸と平行なコリオリ力が作用する。錘部15がz軸方向に振動している場合、x軸周りの回転に伴うy軸と平行なコリオリ力も振動するため、振動型角速度センサ1がx軸周りに回転すると錘部15の重心はz軸の参照振動と同じ振動数においてy軸と平行に振動する。錘部15の重心がy軸と平行に変位するとき、錘部15のx軸周りの回転に伴って検出用圧電素子14a、14bの対と検出用圧電素子14c、14dの対とは伸縮が逆になる。すなわち、検出用圧電素子14a、14bの対が延びるとき検出用圧電素子14c、14dの対は縮み、検出用圧電素子14a、14bの対が縮むとき検出用圧電素子14c、14dの対は延びる。
振動型角速度センサ1がy軸周りに回転するとx軸方向に進行する錘部15の重心に対してz軸と平行なコリオリ力が作用する。錘部15がx軸方向に振動している場合、y軸周りの回転に伴うz軸と平行なコリオリ力も振動するため、振動型角速度センサ1がy軸周りに回転すると錘部15の重心はx軸の参照振動と同じ振動数においてz軸と平行に振動する。錘部15の重心がz軸と平行に変位するとき、4つの検出用圧電素子14a、14b、14c、14dは伸縮方向が揃う。すなわち4つの検出用圧電素子14a、14b、14c、14dは同時に延びるとともに同時に縮む。
振動型角速度センサ1がz軸周りに回転するとx軸方向に進行する錘部15の重心に対してy軸と平行なコリオリ力が作用する。錘部15がx軸方向に振動している場合、z軸周りの回転に伴うy軸と平行なコリオリ力も振動するため、振動型角速度センサ1がz軸周りに回転すると錘部15の重心はx軸の参照振動と同じ振動数においてy軸と平行に振動する。
4つの検出用圧電素子14の出力信号と駆動用圧電素子13に印加する駆動信号とに基づいてxyzの各軸周りの角速度を検出する回路と、駆動用圧電素子13に印加する駆動信号を出力して時分割駆動する回路とは、振動型角速度センサ1を構成するダイに形成しても良いし、振動型角速度センサ1を構成するダイとは別のダイに形成しても良い。
上述したように4つの梁部12の固有振動数を維持しつつハードスプリング効果を抑制するために、ばね定数安定化手段として梁部12毎にばね部11が支持部10に形成されている。ばね部11は支持部10の内周面近傍に形成された穴10hと支持部10の内周面との間に位置するL字形に屈曲した板状の部分であって、図5において等間隔のハッチングによって示されている部分である。ばね部11と支持部10の残部とを隔てる穴10hは支持部10を貫通している。支持部10を貫通している穴10hによって支持部10の残部と隔てられているばね部11は、支持部10の残部と同一の積層構造を有する。したがって、ばね部11のz方向の長さWは支持部10の残部のz方向の長さと等しく一定である。ばね部11は屈曲部を境にして一方がy軸と平行に延び他方がx軸と平行に延び、両端が支持部10の残部と結合している。
ばね部11のy軸と平行に延びる部分においてz方向の一端に梁部12の一端が結合している。具体的には梁部12を構成する2つの層104、106とがばね部11をも構成し、層104、106がばね部11および梁部12わたって連続していることによって梁部12がばね部11に結合している。梁部12との結合部においてばね部11の主撓み方向はばね部11の厚さ方向(x方向)であって、梁部12の延伸方向(錘部15に結合する端と支持部10に結合する端とを結ぶ方向)と一致している。梁部12の張力に伴ってばね部11の梁部12との結合部がx軸方向に変位する。ばね部11の梁部12との結合部のx軸方向の変位とこの変位に伴うばね部11のx軸方向の復元力との関係、すなわちばね部11のx軸方向(梁部12の延伸方向)のばね定数は、図5Bおよび図5Dに示す各部位の寸法T、T、L、L、LおよびWに相関する。ばね部11のx軸方向のばね定数とL、L、Lとの関係は負の相関である。ばね部11のx軸方向のばね定数とT、T、Wとの関係は正の相関である。すなわちばね部11のx軸方向のばね定数を大きくするには、板ばねの厚さに対応するTおよびTならびに板ばねの幅に対応するWを大きくし、板ばねの長さに対応するL、L、およびLを小さくすればよい。ばね部11の形態は支持部10に形成する穴10hの位置および寸法によって設定される。穴10hは支持部10を貫通しているため、ばね部11は二辺が支持部10の残部に固定されている。穴10hは支持部10を貫通しない形態にしてもよく、この場合、ばね部11は三辺が支持部10の残部に固定される形態となる。ばね部11の厚さT、Tは屈曲部を境にして変えても良い。ばね部11のx軸と平行に延びる部分を十分厚く(Tを大きく)かつ十分短く(Lを小さく)設計すると、ばね部11のy軸と平行に延びる部分のみが実質的にばねとして機能する。ばね部11のz方向の長さ(幅)Wは厚さT、Tに比べて十分大きいため、ばね部11のz方向のばね定数は実質的に無限大と考えられる。すなわち、ばね部11は梁部12の延伸方向であるx方向には弾性変形するが、梁部12の主撓み方向であるz方向においては変形しない。ばね部11と梁部12との結合部が梁部12の主撓み方向であるz方向に固定されている場合、その結合部がz方向に変位する場合に比べて錘部15の固有振動数を高くすることができる。
図5Bに示すように支持部10と梁部12と錘部15のz方向の端面がxy平面と平行に整列し、梁部12が全く撓んでいない状態を初期状態とするとき、錘部15が支持部10に対して運動すると4つの梁部12a,12b,12c,12dの少なくともいずれか1つの張力が増大する。この張力の増大に応じてばね部11が撓むため、張力の増大に伴う梁部12の伸びとばね定数の増大が抑制される。具体的には例えば錘部15の重心が初期状態からz方向に変位すると、4つの梁部12a,12b,12c,12dの張力がいずれも増大し、梁部12a,12b,12c,12dにそれぞれ結合しているばね部11a,11b、11c、11dは梁部12a,12b,12c,12dの張力の増大に伴ってx軸方向に撓む。すなわち、梁部12aの伸びに伴う梁部12aのz方向のばね定数の増大はばね部11aによって、梁部12bの伸びに伴う梁部12bのz方向のばね定数の増大はばね部11bによって、梁部12cの伸びに伴う梁部12cのz方向のばね定数の増大はばね部11cによって、梁部12dの伸びに伴う梁部12dのz方向のばね定数の増大はばね部11dによって、それぞれ抑制される。
一方、梁部12の主撓み方向であるz方向における梁部12のばね定数に比べると、梁部12の延伸方向であるx方向における梁部12のばね定数は十分大きい。したがって、梁部12のz方向のばね定数に比べてばね部11のx方向のばね定数を十分大きく設定しても、梁部12の伸びを抑制し、梁部12のz方向のばね定数の増大を抑制できる。そして、梁部12のz方向のばね定数に比べてばね部11のx方向のばね定数を十分大きく設定することにより、錘部15の重心の固有振動数の変化を抑制できる。
x軸方向およびz軸方向の参照振動を時分割駆動によって個別に実現するには、参照振動の方向を切り換えるために素早く振動を減衰させる必要がある。そこでダンパー20によって穴10hの内部を埋めるとともに支持部10にダンパー20を結合する。なお図5においてダンパー20は樹脂ハッチングによって示されている。ダンパー20の材料としては、梁部12よりもばね部11よりも弾性率やQ値が小さいポリイミドなどの樹脂を用いる。このようなダンパー20をばね部12に設けることによってQ値を下げることができる。
3.製造方法
図6から図9は図4に示した振動型角速度センサ1の製造方法を示す断面図である。なお、図8Aおよび図9Aは図5に示すBB線断面を示し、図8Bおよび図9Bは図5に示すCC線断面を示す。
はじめに図6に示すように、厚さ625μmの単結晶珪素層100と厚さ1μmの酸化珪素層102と厚さ10μmの単結晶珪素層104からなるSOI(Silicon On Insulator)基板を熱酸化することによって厚さ0.5μmの絶縁層106を形成する。続いて絶縁層106の上にスパッタ法によって厚さ0.1μmの白金からなる電極層108、厚さ3μmのPZTからなる圧電層110、厚さ0.1μmの白金からなる電極層112を順に積層する。
次に図7に示すようにフォトレジストからなる2種類の図示しない保護膜部を用いたミリング法によって電極層108、112および圧電層110を所定形状にパターニングする。その結果、電極層108、112および圧電層110からなる駆動用圧電素子13および検出用圧電素子14、並びにおよび電極層108、112からなる図示しない配線要素(導線およびボンディングパッド)が形成される。
次に図8に示すようにフォトレジストからなる図示しない保護膜部を用いた反応性イオンエッチングによって絶縁層106および単結晶珪素層104を所定形状にパターニングする。その結果、絶縁層106および単結晶珪素層104からなる梁部12のパターンが形成されるとともにばね部11および錘部15の上層部が形成される。また、支持部10にばね部11を形成するための穴10hの上層部が形成される。
次に図9に示すようにフォトレジストからなる図示しない保護膜部を用いたDeep−RIE(Reactive Ion Etching)によって単結晶珪素層100を所定形状にパターニングする。その結果、ばね部11および錘部15の下層部が形成される。また、支持部10にばね部11を形成するための穴10hの下層部が形成される。
次に酸化珪素層102の露出している部分をエッチングによって除去する。その結果、支持部10の穴10hが貫通し、梁部12、ばね部11および錘部15がリリースされる。
次にばね部11にダンパー20を結合する。具体的には例えば、ディスペンサーなどを用いて樹脂材料を穴10hに充填した後に硬化させてもよいし、感光性樹脂を塗布して穴10hに充填した後にフォトリソグラフィ技術によって不要部を除去するとともに穴10h内に残存させてもよい。
その後、ダイシング等の後工程を実施すると、図4および図5に示す振動型角速度センサ1が完成する。
支持部10の穴10hが支持部10を貫通しているためにばね部11が支持部10の残部と同一の層構造を有する場合、ばね部11が無い支持部10を製造する場合と保護膜部のパターンが異なるだけでその他は全く同一である上記の製造方法によって、ばね部11を形成することができる。すなわち、支持部10を貫通する穴10hによってばね部11が形成される場合には、プロセスを追加すること無しにばね部11を形成することができる。
8.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、図10に示すように2つのばね部11a、11bに4つの梁部12a、12b、12c、12dを結合し、ばね部11a、11bを形成している穴10h内にダンパー20を設けても良い。また例えば、図11に示すようにばね部16a、16b、16c、16dを錘部15に形成し、ばね部16a、16b、16c、16dを形成している穴15h内にダンパー20を設けても良い。
また、ダンパー20で支持部10の穴10hを完全に埋めずに、図12、図13に示すように穴10hの一部をダンパー20で埋めても良い。穴10hの壁面を構成しているばね部11a、11bの幅方向(z方向)の端部に梁部12a、12bが結合しているため、梁部12a、12bがz方向に撓むとばね部11a、11bはねじれる。このとき、穴10hをxy平面と平行に切断した断面積の増減は梁部12a、12bに近い側の端部と遠い側の端部とで逆になる。したがって、ダンパー20で支持部10の穴10hを完全に埋めた場合には、ダンパー20の体積変化が内部で一部相殺される。これに対し、図12、図13に示すように穴10hの一端から半分程度までをダンパー20で埋める場合には、ダンパー20の体積変化が内部で相殺されないため、ダンパー20による振動の減衰効果を高めることができる。
また、図13に示すように穴10hの両端をダンパー材20a、20bによって閉塞し、穴10hの内部に空気を密封してもよい。この場合、ダンパー材20a、20b自体がダンパーとして機能するだけでなく、穴10hの内部に密封された空気もダンパーとして機能する。主に穴10hの内部に密封された空気をダンパーとして機能させる場合には、感光性ドライフィルムなどの樹脂膜によって穴10hの両端を閉塞すればよい。なお、図13に示すように穴10hの内部にダンパー材20bを充填するとともにダンパー材20aによって穴10hの一端を閉塞するには次の方法を実施すればよい。すなわち、まずフォトレジストなどの感光性樹脂を穴10hに充填した後に露光深さを制御したフォトリソグラフィ技術によって不要部を除去してダンパー材20bを形成する。次に感光性ドライフィルムを貼り付けて穴10hの一端を閉塞し、感光性ドライフィルムの不要部を露光・現像によって除去し、ダンパー材20aを形成すればよい。
また、ばね定数安定化手段は板ばねの形態に限らず、例えば梁部との境界近傍において支持部または錘部を積層方向に貫通する穴によって梁部の延伸方向において剛性が低下した領域をばね定数安定化手段として構成しても良いし、支持部または錘部を積層方向に貫通する複数の穴によって形成されるハニカム構造をばね定数安定化手段として構成しても良い。また錘部を励振する励振手段は、静電引力や電磁力を用いて実現しても良い。また錘部の運動を検出する検出手段は、静電容量やピエゾ抵抗効果を用いて実現しても良い。また上記実施形態で示した材質や寸法や製造方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である変形例については説明が省略されている。
1:振動型角速度センサ、2:振動型角速度センサ、3:振動型角速度センサ、10:支持部、10h:穴、11a:ばね部、11b:ばね部、11c:ばね部、11d:ばね部、12a:梁部、12b:梁部、12c:梁部、12d:梁部、13a:駆動用圧電素子、13b:駆動用圧電素子、13c:駆動用圧電素子、13d:駆動用圧電素子、14a:検出用圧電素子、14b:検出用圧電素子、14c:検出用圧電素子、14d:検出用圧電素子、15:錘部、16b:ばね部、16c:ばね部、16d:ばね部、16e:ばね部、100:単結晶珪素層、102:酸化珪素層、104:単結晶珪素層、106:絶縁層、108:電極層、110:圧電層、112:電極層、R:梁、S1:支持体、S2:支持体

Claims (3)

  1. 支持部と、
    錘部と、
    前記錘部からそれぞれ前記支持部まで延伸し前記錘部を支持している複数の梁部と、
    前記錘部を時分割駆動によって複数方向に励振する励振手段と、
    前記支持部に対する前記錘部の運動を検出する検出手段と、
    前記支持部および前記錘部の少なくとも一方の前記梁部との境界近傍に形成され、前記梁部の張力に応じて前記梁部の延伸方向に弾性変形し前記梁部の主撓み方向には実質的に変形しないばね定数安定化手段と、
    前記ばね定数安定化手段と結合し前記ばね定数安定化手段の振動を減衰させるダンパーと、
    を備える振動型角速度センサ。
  2. 前記ばね定数安定化手段は、主撓み方向が前記梁部の延伸方向に一致するとともに当該主撓み方向において前記梁部と結合している板ばねの形態を有する、
    請求項1に記載の振動型角速度センサ。
  3. 前記支持部と前記錘部と前記梁部とは積層構造体からなり、
    前記積層構造体の積層方向において前記支持部または前記錘部を貫通する穴によって前記ばね定数安定化手段が形成され、
    前記ダンパーは前記穴の内部に充填された樹脂材料からなる、
    請求項1または2に記載の振動型角速度センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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