JP2012041822A - 蒸気タービン - Google Patents
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Abstract
【課題】クロスオーバー管の曲管における二次流れを抑制して損失を低減できるとともに、応力集中を緩和して機械的強度の低下を抑制することができる蒸気タービンを提供する。
【解決手段】蒸気タービンは、中圧タービン11から排出された蒸気を低圧タービン12a、12bへ導くクロスオーバー管20を備える。クロスオーバー管20は、中圧タービン11に連結される第1直管21と、第1直管21と第1曲管22を介して連結される第2直管23と、入口が第2直管23の出口と離間された状態で対向配置される第2曲管24と、第2曲管24と低圧タービン12a、12bとの間に連結される第3直管25とを備える。第2直管23の出口側の外周面に一端が固定され、第3直管25の端部に亘って、間隙をあけて、第2直管23の一部、第2曲管24および第3直管25の外周を覆うように外周配管26が設けられている。
【選択図】図3
【解決手段】蒸気タービンは、中圧タービン11から排出された蒸気を低圧タービン12a、12bへ導くクロスオーバー管20を備える。クロスオーバー管20は、中圧タービン11に連結される第1直管21と、第1直管21と第1曲管22を介して連結される第2直管23と、入口が第2直管23の出口と離間された状態で対向配置される第2曲管24と、第2曲管24と低圧タービン12a、12bとの間に連結される第3直管25とを備える。第2直管23の出口側の外周面に一端が固定され、第3直管25の端部に亘って、間隙をあけて、第2直管23の一部、第2曲管24および第3直管25の外周を覆うように外周配管26が設けられている。
【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、蒸気を低圧タービンに供給するクロスオーバー管を備えた蒸気タービンに関する。
蒸気タービンの中圧タービン(もしくは高圧タービン)から排出された蒸気を低圧タービンに導入するための連絡管は、一般にクロスオーバー管と呼ばれている。一般的に、クロスオーバー管は、中圧タービンから垂直上方に延び、90度に曲がる曲管を介して水平方向に延設され、さらに90度に曲がる曲管を介して垂直下方に延びて低圧タービンに連結されている(例えば、特許文献1参照。)。このように、クロスオーバー管は、90度に曲がる曲管を2箇所に備えている。
クロスオーバー管において、蒸気が曲管を通過する際に発生する二次流れに起因した圧力損失が発生することが知られている。クロスオーバー管の圧力損失が1%低減されると蒸気タービンのヒートレートは0.08%向上すると言われており、クロスオーバー管の圧力損失を低減することは重要な課題である。クロスオーバー管の曲管で誘起される二次流れの発生を抑え、損失低減を図る方法としては、通路断面の形状を変形させる手法が用いられる(例えば、特許文献2参照。)。一方で、クロスオーバー管においては、高圧の蒸気が流れるため、圧力容器としての設計が要求される。
クロスオーバー管において、断面形状を円形から逸脱する場合は、曲率の小さい場所での応力集中が問題となる。図22は、流路断面が楕円形状の一般的な直管に生じる最大応力を示した図である。図22において、横軸は、楕円形状の長軸と短軸との長さの比(直軸/短軸)であり、縦軸は、流路断面が円形状の直管に生じる最大応力に対する応力比(楕円形状の直管の最大応力/円形状の直管の最大応力)である。なお、最大応力は、数値解析の結果であり、楕円形状の直管および円形状の直管における肉厚および流路断面積は同一として数値解析を行っている。また、図22には、長軸と短軸との長さの比(直軸/短軸)が1、すなわち断面形状が円形となる条件における、肉厚と流路断面の直径との比(肉厚/直径)が0.95%または1.91%となる2条件の結果を示している。ここで、流路断面の形状が楕円形状となるときには、(長軸×短軸)の1/2乗を流路断面の直径としている。
曲管で形状を変形させても、曲管の出口の流路断面の形状がそのまま、その下流側に連結される直管に反映されるため、流路断面が楕円形となる直管においては、図22に示すように、強度的な問題が生じる。
また、曲管の場合の応力の傾向は複雑であり、流路断面が円形の場合には、曲管の内径側に最大応力を生じるが、流路断面が楕円形状の曲管の場合には、その長軸と短軸との長さの比と曲率半径によって最大応力を生じる位置が異なる。
図23は、一般的な曲管に生じる最大応力を示した図である。図23において、横軸は、曲管の曲率半径Rjと曲管入口における流路断面の直径Djとの比(Rj/Dj)であり、縦軸は、流路断面が円形状の直管に生じる最大応力に対する応力比(曲管の最大応力/円形状の直管の最大応力)である。最大応力は、数値解析の結果であり、曲管および直管における、肉厚と流路断面の直径との比(肉厚/流路断面の直径)を0.95%とし、曲管の流路断面の長軸と短軸との長さの比(長軸/短軸)を1、1.2、1.8としたときの結果が示されている。なお、ここでは、曲管の流路断面が楕円形となる場合の流路断面の直径Djとして、後述する式(1)から(長軸A×短軸B)の1/2乗の値を用いている。
図23に示すように、曲率半径Rjを大きくすれば、断面形状が円形の曲管(長軸/短軸が1の場合)は、応力比は、単調に減少するが、断面形状が楕円形状の曲管では単純に増加する。一般的に、曲率半径Rjを大きくとることは二次流れの抑制につながるが、断面形状が楕円形状の曲管においては強度的な問題は避けられない。
一般的な低圧タービンの吸気室における蒸気の流れは、クロスオーバー管を経て、蒸気入口部からノズルに向けて流れ込み、ノズル全周にわたって均一な流量配分が望まれる。この場合、蒸気入口部と低圧タービンの中心軸を介して反対側に位置する領域へ蒸気が流れやすくするために、蒸気入口部における流路断面積を大きくする方法が考えられる。しかしながら、上流側に配置される曲管内における流れの影響により、主流は、蒸気入口部の中心部から流入しやすい速度分布を有するため、上記した均一な流量配分の実現は困難である。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、クロスオーバー管の曲管における二次流れを抑制して損失を低減できるとともに、応力集中を緩和して機械的強度の低下を抑制することができる蒸気タービンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態の蒸気タービンは、低圧タービンよりも高圧条件で作動される高圧側タービンから排出された蒸気を前記低圧タービンへ導くクロスオーバー管を備えている。このクロスオーバー管は、前記高圧側タービンの蒸気排出口に連結され、前記高圧側タービンのタービンロータ軸方向に直交する方向に延びる第1直管と、前記第1直管と第1曲管を介して連結され、水平方向に延びる第2直管と、入口が前記第2直管の出口と離間された状態で対向配置され、前記タービンロータ軸方向に直交する方向に曲がる第2曲管と、前記第2曲管と前記低圧タービンの蒸気導入口との間に連結される第3直管とを備えている。さらに、前記クロスオーバー管は、前記第2直管の出口側の外周面に一端が固定され、当該固定部から前記第3直管の端部に亘って、間隙をあけて、前記第2直管の一部、前記第2曲管および前記第3直管の外周を覆うように設けられた外周配管とを備えている。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンの系統の一例を模式的に示した図である。図2は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンにおける、クロスオーバー管20を介して連結された中圧タービン11と低圧タービン12a、12bの構成の一部を子午断面で示した図である。
図1に示すように、蒸気タービンは、高圧タービン10、中圧タービン11、低圧タービン12a、12bの3つの要素で構成され、それらが一本のタービンロータ13で貫かれ発電機14と連結されたタンデムコンパウンド型の蒸気タービンで構成されている。
この蒸気タービンにおいて、ボイラー(図示しない)で加圧、加熱された蒸気は、主蒸気配管15を介して高圧タービン10へ導入される。高圧タービン10で仕事をした蒸気は、蒸気管16に介在するボイラー再熱器(図示しない)によって再び加熱された後、中圧タービン11へ導入される。中圧タービン11で仕事をした蒸気は、クロスオーバー管20を通り低圧タービン12a、12bに導入される。
低圧タービン12a、12bに流入した蒸気は、図2に示すように、吸気室100を通り、左右の低圧段落に分岐して流入して仕事をし、それぞれの最終段落の通過した後、図1に示すように、排気管17を介して復水器(図示しない)に導かれる。
なお、蒸気タービンの構成は、上記した構成に限定されるものではない。ここでは、クロスオーバー管20と連結される高圧側タービンを中圧タービン11とした一例を示しているが、例えば、中圧タービン11を備えない場合において、クロスオーバー管20と連結される高圧側タービンを高圧タービン10としてもよい。また、低圧タービンとして、複流タービンを示したが、単流タービンで構成されてもよい。また、蒸気タービンは、タンデムコンパウンド型の構成に限らず、クロスコンパウンド型に構成されてもよい。
次に、本発明の一実施の形態の蒸気タービンのクロスオーバー管20の構成について説明する。
図3は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンのクロスオーバー管20の断面を示す図である。図4は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンの低圧タービン12a、12b側のクロスオーバー管20の一部を示す断面斜視図である。図5は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンの低圧タービン12a、12b側のクロスオーバー管20の一部を示す断面図である。図6は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンにおけるクロスオーバー管の第2曲管24の流路断面を示す図である。図7は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンのクロスオーバー管20を低圧タービン12a、12bに固定する他の方法を示した、低圧タービン12a、12b側のクロスオーバー管20の一部を示す断面斜視図である。
クロスオーバー管20は、図3に示すように、中圧タービン11の蒸気排出口に連結され、タービンロータ軸方向に直交する方向に延びる第1直管21と、この第1直管21と第1曲管22を介して連結され、水平方向(例えばタービンロータ軸方向に平行)に延びる第2直管23と、入口が第2直管23の出口と離間された状態で対向配置され、タービンロータ軸方向に直交する方向に曲がる第2曲管24と、この第2曲管24と低圧タービン12a、12bの蒸気導入口との間に連結される第3直管25とを備える。また、クロスオーバー管20は、第2直管23の出口側の外周面に一端が固定され、この固定部27から第3直管25の端部に亘って、間隙をあけて、第2直管23の一部、第2曲管24および第3直管25の外周を覆うように設けられた外周配管26を備える。第2直管23と第2曲管24の隙間から流出した蒸気は、外周配管26で覆われているため、外部に排出されることはない。
第1直管21の一端は、図2に示すように、中圧タービン11の蒸気排出口を構成する外車連結フランジ28にボルト(図示しない)によって締結されている。また、第3直管25の一端および外周配管26の他端は、図4および図5に示すように、低圧タービン12a、12bの蒸気導入口を構成する内車連結フランジ50にボルト(図示しない)によって締結されている。
なお、クロスオーバー管20を低圧タービン12a、12bに固定する方法は、上記した方法に限られるものではない。例えば、図7に示すように、第3直管25の外周面の一部に周方向に亘ってフランジ25aを設け、外周配管26の内周面の一部に周方向に亘ってフランジ26aを設け、それぞれのフランジをボルトで締結してもよい。この場合、内車連結フランジ50における、第3直管25の出口側に張り出し部51を設け、第3直管25の出口側を張り出し部51の内側に挿入する構造となる。
上記したように、クロスオーバー管20は、90度に曲がる2つの曲管を備えて、中圧タービン11の蒸気排出口と低圧タービン12a、12bの蒸気導入口との間を連結している。
ここで、本明細書に記載する「平行」や「直交」、あるいは「水平」という表現は、厳密な平行、直交あるいは水平を限定するものではなく、製作公差や設計公差、またはこれらの累積による誤差等の範囲を許容するものである。
ここで、第2曲管24の構成について説明する。
第2曲管24の曲率半径Rc方向に沿う、第2曲管24の流路断面は、図6に示すように、第2曲管24の曲率半径Rc方向が短軸30となる楕円形状に構成されている。すなわち、図5においては、紙面に垂直な方向が長軸31となる。
この楕円形の、長軸31の長さをA、短軸30の長さをBとしたときに、長軸31の長さAと短軸30の長さBとの比(A/B)が、下流に行くに伴い大きくなるように、第2曲管24の流路が構成されていることが好ましい。A/Bの値が下流に行くに伴い大きくなるように第2曲管24を構成することで、二次流れを抑制することができる。
ここで、A/Bを大きくするために、Bを固定してAを大きくすることも考えられるが、第2曲管24の製造コストの増大につながる。そこで、第2曲管24の流路断面積を第2直管23の流路断面積と等しくしつつ、A/Bの値が下流に行くに伴い大きくなるように第2曲管24を構成することが好ましい。なお、第2直管23の流路断面積(換言すると、流路断面の直径)は、長さ方向に一定である。
これを関係式で示すと式(1)となる。
π/4×A×B=π/4×D×D …式(1)
π/4×A×B=π/4×D×D …式(1)
ここで、Dは、第2直管23の流路断面の直径(第2直管23の内径)であり、上記したように一定値である。
また、A/BをCとし、上記した式(1)を整理すると式(2)が得られる。
C=D2/B2 …式(2)
C=D2/B2 …式(2)
このCの値が0.8〜2.2となる範囲で数千種類の第2曲管24の形状を作成し、数値解析を行った。図8は、圧力損失の数値解析を行った結果を示す図である。ここで、θは、図5に示すように、第2曲管24の曲率半径Rcの中心Oを原点とし、第2曲管24の入口端面からの曲げ角度を示す角度(度)である。Cの範囲を0.8〜2.2とすることで従来よりも損失を低減することができる。
図8に斜線で示した領域は、θが0〜90度のすべての範囲において、従来よりも二次流れが抑制され、圧力損失が小さくなる範囲を示している。この範囲をCとθの関係で示すと以下の式(3)となる。
0.007×θ+1.05≦C≦0.009×θ+1.15 …式(3)
0.007×θ+1.05≦C≦0.009×θ+1.15 …式(3)
そのため、第2曲管24において、各曲げ角度θにおける流路断面が、式(3)の関係を満たすようにC、すなわちA/Bを設定することが好ましい。なお、Cの値は、上記した式(3)を満たす範囲内で、曲げ角度θの増加とともに増加する範囲で設定されることが好ましい。具体的には、例えば、曲げ角度θが30度のときのCの範囲と、曲げ角度θが40度のときのCの範囲では、図8からも明らかなように、重複するCの範囲が存在する。このような場合、曲げ角度θが30度のときのCの値よりも、曲げ角度θが40度のときのCの値を大きく設定することが好ましい。
次に、Rc/Dが0.9〜1.0となる範囲で数千種類の第2曲管24の形状を作成し、数値解析を行った。図9は、圧力損失の数値解析を行った結果を示す図である。Rc/Dの範囲を0.9〜1.0とすることで従来よりも損失を低減することができる。
図9に斜線で示した領域は、θが0〜90度のすべての範囲において、従来よりも二次流れが抑制され、圧力損失が小さくなる範囲を示している。この範囲をRc/Dとθの関係で示すと以下の式(4)となる。
0.0001×θ+0.96≦Rc/D≦0.0001×θ+0.98 …式(4)
0.0001×θ+0.96≦Rc/D≦0.0001×θ+0.98 …式(4)
そのため、第2曲管24において、各曲げ角度θにおける流路断面が、式(4)の関係を満たすようにRcを設定することが好ましい。なお、Rc/Dの値は、上記した式(4)を満たす範囲内で、曲げ角度θの増加とともに増加する範囲で設定されることが好ましい。具体的には、例えば、曲げ角度θが30度のときのRc/Dの範囲と、曲げ角度θが40度のときのRc/Dの範囲では、図9からも明らかなように、重複するRc/Dの範囲が存在する。このような場合、曲げ角度θが30度のときのRc/Dの値よりも、曲げ角度θが40度のときのRc/Dの値を大きく設定することが好ましい。
上記した第2曲管24と連結される第3直管25は、第2曲管24の出口断面形状と同じ形状の断面形状で形成された直管である。
また、図5に示すように、第2曲管24の入口端部から第2直管23側に向かって徐々に内径が増加する、いわゆるベルマウス状の環状管60を備えることが好ましい。この環状管60は、第2直管23と第2曲管24との間の隙間内に位置するように設けられ、環状管60の入口端部と第2直管23の出口端部との間に、若干の隙間を備えるように形成されている。また、環状管60の入口端部の口径Dbは、第2直管23の流路断面の直径Dよりも大きくなるように構成され、環状管60と第2直管23との中心軸がほぼ同一線上となるように構成されている。
このように、第2直管23と環状管60との間に隙間を設け、第2直管23の出口側、第2曲管24および第3直管25と外周配管26との間に形成される空間と、蒸気が主として流れる流路とを連通させることで、第2曲管24の外側にも流体である蒸気の圧力が作用することとなる。そのため、第2曲管24の内部と外部とで大きな差圧が生じず、第2曲管24に生じる最大応力の値を小さくすることができる。
図10は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンにおけるクロスオーバー管の第3直管25の他の構成を示す断面図である。
図10に示すように、第3直管25の出口側の管壁に貫通孔70aを設けてもよい。貫通孔70aを設けることで、排除しきれない二次流れを使用して外周配管26との間の圧力を均衡させて局所的な圧力上昇を抑えることにより、全圧損失を低減することができる。
貫通孔は、例えば、楕円形状となる第3直管25の流路断面の短軸30と交わる位置(図10において実線で示した貫通孔70aの位置や破線で示した貫通孔70bの位置)や、第3直管25の流路断面の長軸31と交わる位置(図10において破線で示した貫通孔70cの位置)などの、第3直管25の周方向のいずれかの位置に設けることができる。特に、全圧損失をより低減するために、楕円形状となる第3直管25の流路断面の短軸30と交わり、かつ第1直管21側とは異なる側の位置(図10において実線で示した貫通孔70aの位置)に設けることが好ましい。
なお、貫通孔は、複数形成されてもよい。この場合には、貫通孔を形成する位置は、第3直管25とすることが好ましい。この場合においても、上記同様に全圧損失を低減することができる。
上記したように本発明の一実施の形態の蒸気タービンによれば、第2曲管24の形状を、上記したCおよびRc/Dの範囲を満たすように構成して流路断面形状を楕円形状とし、第2曲管24等を覆うように環状管60を設けることで、第2曲管24の内部と外部の圧力差を小さくすることができる。これによって、第2曲管24に生じる最大応力の値を小さくし、応力集中を緩和して、機械的強度の低下を抑制することができる。
また、第2曲管24の流路断面形状を楕円形状とすることで、二次流れを抑制して損失を低減することができる。さらに、第2曲管24の出口の断面形状に対応させて、この第2曲管24に連結する第3直管25の流路断面形状を楕円形状とすることで、低圧タービン12a、12bの吸気室100における蒸気の速度分布の均一化を図ることができる。
(圧力損失の評価)
上記したCおよびRc/Dの範囲で第2曲管24を構成した場合にける第2曲管24内における圧力損失と、従来の曲管と同様に、流路断面が円形となるように構成された曲管(以下、従来曲管という)内における圧力損失を評価した。これらの圧力損失を数値解析により求めた。
上記したCおよびRc/Dの範囲で第2曲管24を構成した場合にける第2曲管24内における圧力損失と、従来の曲管と同様に、流路断面が円形となるように構成された曲管(以下、従来曲管という)内における圧力損失を評価した。これらの圧力損失を数値解析により求めた。
図11は、圧力損失の数値解析の結果を示す図である。ここで、図11の縦軸は、従来曲管の出口における全圧損失を1としたときの全圧損失比を示し、横軸は曲げ角度θを示している。また、第2曲管24における結果は、上記したCおよびRc/Dの範囲で第2曲管24を構成した場合にける全圧損失を平均した結果である。なお、全圧とは、静圧と動圧の和である。
図11に示すように、従来曲管における全圧損失は、θが45度をピークに一旦下降し、θが80度付近で再び上昇している。これこそが二次流れの発生による影響を示すものである。一方、第2曲管24では、θの増加に伴って全圧損失が漸増し、二次流れが抑制されていることがわかる。
(応力分布の評価)
ここでは、クロスオーバー管の低圧タービン12a、12b側(下流側)の曲管に生じる応力分布について評価した。応力分布の評価は、従来曲管、本実施の形態に係るクロスオーバー管20の第2曲管24のみで構成され、外周配管26構成を備えない曲管(以下、単体第2曲管24という)、および本実施の形態に係るクロスオーバー管20の、外周配管26構成を備える第2曲管24(以下、外周配管26付き第2曲管24という)について実施した。なお、単体第2曲管24および外周配管26付き第2曲管24においては、Cが1.8、Rc/Dが0.98の形状のものについて評価した。
ここでは、クロスオーバー管の低圧タービン12a、12b側(下流側)の曲管に生じる応力分布について評価した。応力分布の評価は、従来曲管、本実施の形態に係るクロスオーバー管20の第2曲管24のみで構成され、外周配管26構成を備えない曲管(以下、単体第2曲管24という)、および本実施の形態に係るクロスオーバー管20の、外周配管26構成を備える第2曲管24(以下、外周配管26付き第2曲管24という)について実施した。なお、単体第2曲管24および外周配管26付き第2曲管24においては、Cが1.8、Rc/Dが0.98の形状のものについて評価した。
応力分布を数値解析により求めた。図12は、従来曲管における応力分布を示す図であり、図13は、単体第2曲管24における応力分布を示す図であり、図14は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンにおけるクロスオーバー管に係る外周配管26付き第2曲管24における応力分布を示す図である。なお、図12〜図14において、最大応力が発生する領域を斜線で示している。
従来曲管においては、図12に示すように、最大応力80は、従来曲管の曲率半径よりも内側で、かつ従来曲管の内周部に発生している。
単体第2曲管24においては、図13に示すように、最大応力81は、単体第2曲管24の曲率半径よりも外側で、かつ単体第2曲管24の内周部に発生している。この最大応力81の値は、図12に示した最大応力80の4倍程度である。クロスオーバー管における配管の肉厚の値は、配管の内径の値よりも小さいため、圧力強度の観点では、肉厚と応力が比例する。すなわち、最大応力が4倍の場合、肉厚も4倍必要となり、配管を構成する材料の量も4倍必要となる。
外周配管26付き第2曲管24においては、図14に示すように、最大応力82は、第2曲管24のほぼ曲率半径上で、かつ第2曲管24の外周部に発生している。この最大応力82の値は、図12に示した最大応力80の1/10程度である。
ここで、図15は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンにおけるクロスオーバー管に係る外周配管26付き第2曲管24における圧力分布を示す図である。圧力分布は、数値解析により求めた。
図15に示すように、第2曲管24の曲率半径よりも内側では、蒸気の流速が高くなるため、この領域における静圧は低くなり、低圧領域90(斜線で示した領域)が存在する。一方、第2曲管24の曲率半径よりも外側では、蒸気の流速が低くなるため、この領域における静圧は高くなり、高圧領域91(斜線で示した領域)が存在する。また、環状管60と第2直管23との隙間により、第2曲管24の外側にも蒸気の圧力が作用するため、第2曲管24の内部と外部との差圧は小さくなる。そのため、第2曲管24に発生する最大応力82が低くなる。
ここで、図16は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンにおけるクロスオーバー管に係る外周配管26付き第2曲管24の外周配管26における応力分布を示す図である。この応力分布も上記同様に数値解析により求めた。
図16に示すように、最大応力83は、外周配管26の曲率半径よりも内側で、かつ外周配管26の内周部に発生している。この最大応力83の値は、図12に示した最大応力80の1.5倍程度であり、強度上設計変更が必要となるレベルではない。
以上のことから、外周配管26付き第2曲管24の構成とすることで、第2曲管24に発生する最大応力82の値を、従来曲管における最大応力80の値よりも大幅に小さくすることができる。
(第3直管25に貫通孔を備える場合の圧力損失の評価)
ここでは、第3直管25に貫通孔を備える場合の圧力損失を評価した。圧力損失の評価は、図10に示した貫通孔70a、貫通孔70b、貫通孔70cをそれぞれ形成したときの全圧圧力損失を数値解析により求めた。なお、比較のため、第3直管25に貫通孔を備えない場合についても全圧損失を求めた。
ここでは、第3直管25に貫通孔を備える場合の圧力損失を評価した。圧力損失の評価は、図10に示した貫通孔70a、貫通孔70b、貫通孔70cをそれぞれ形成したときの全圧圧力損失を数値解析により求めた。なお、比較のため、第3直管25に貫通孔を備えない場合についても全圧損失を求めた。
図17は、全圧損失の結果を示す図である。ここで、図17の縦軸には、第3直管25に貫通孔を備えない場合における全圧損失を1としたときの全圧損失比を示している。
図17に示すように、貫通孔を備えることによって全圧損失が低減している。特に、貫通孔70aを備える場合には、全圧損失が著しく低減している。
(低圧タービンの吸気室における速度分布の評価)
低圧タービン12a、12bの初段のノズルに蒸気が導入される際、周状に配置された各ノズル間に均一な流量の蒸気が導入されることが好ましい。そのためには、低圧タービン12a、12bの吸気室100(図2参照)における速度分布を均一にすることが必要となる。そこで、ここでは、低圧タービン12a、12bの吸気室100の所定の流路断面における速度分布を評価した。
低圧タービン12a、12bの初段のノズルに蒸気が導入される際、周状に配置された各ノズル間に均一な流量の蒸気が導入されることが好ましい。そのためには、低圧タービン12a、12bの吸気室100(図2参照)における速度分布を均一にすることが必要となる。そこで、ここでは、低圧タービン12a、12bの吸気室100の所定の流路断面における速度分布を評価した。
図18は、本発明の一実施の形態の蒸気タービンにおける、クロスオーバー管20を備えた低圧タービン12a、12bをタービンロータ軸方向から見たときの外観を示す図である。図19は、従来の蒸気タービンにおける、流路断面が円形のクロスオーバー管110を備えた低圧タービン12a、12bをタービンロータ軸方向から見たときの外観を示す図である。
低圧タービン12a、12bの吸気室100の入口(すなわち、クロスオーバー管の出口)の流路断面120、および低圧タービン12a、12bの吸気室100の出口の流路断面121での速度分布を数値解析により求めた。図20は、吸気室100の入口における速度分布の結果を示す図である。図21は、吸気室100の出口における速度分布の結果を示す図である。なお、ここで示された速度分布は、上記した流路断面120、121のタービンロータ軸方向に直交し、かつ流路断面120、121の中心を通る直線上における速度分布である。
ここで、図20および図21において、横軸は、流路断面120、121の中心を原点(0)とし、原点からの距離を第2直管23の流路断面の直径Dで除して無次元化している。例えば、本発明の一実施の形態の蒸気タービンにおいては、吸気室100の入口における流路断面形状は楕円となり、速度分布は、この楕円の長軸31上の速度分布となる。縦軸は、数値解析により求められた速度を、(流量/流路断面積)で求められる平均速度で除して無次元化している。
吸気室100の入口において、図20に示すように、クロスオーバー管20を備えた場合(以下、本実施の形態という)には、流路断面が円形のクロスオーバー管110を備えた場合(以下、従来の形態という)よりも、流路断面中心部で速度が小さくなり、外周部(横軸の±0.6付近)で速度が大きくなる。
吸気室100の出口において、図21に示すように、本実施の形態では、従来の形態よりも、流路断面中心部で速度が小さくなり、外周部で速度が大きくなる。
これらの結果から、吸気室100の出口において、本実施の形態の方が従来の形態よりも、均一な速度分布が得られることがわかる。すなわち、第2曲管24の出口の断面形状(楕円形状)に対応するように第3直管25の流路断面形状を構成することで、従来の形態よりも、均一な速度分布が得られる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…高圧タービン、11…中圧タービン、12a,12b…低圧タービン、13…タービンロータ、14…発電機、15…主蒸気配管、16…蒸気管、17…排気管、20,110…クロスオーバー管、21…第1直管、22…第1曲管、23…第2直管、24…第2曲管、25…第3直管、25a,26a…フランジ、26…外周配管、27…固定部、28…外車連結フランジ、30…短軸、31…長軸、50…内車連結フランジ、51…張り出し部、60…環状管、70a,70b,70c…貫通孔、80,81,82,83…最大応力、90…低圧領域、91…高圧領域、100…吸気室。
Claims (7)
- 低圧タービンよりも高圧条件で作動される高圧側タービンから排出された蒸気を前記低圧タービンへ導くクロスオーバー管を備えた蒸気タービンにおいて、
前記クロスオーバー管が、
前記高圧側タービンの蒸気排出口に連結され、前記高圧側タービンのタービンロータ軸方向に直交する方向に延びる第1直管と、
前記第1直管と第1曲管を介して連結され、水平方向に延びる第2直管と、
入口が前記第2直管の出口と離間された状態で対向配置され、前記タービンロータ軸方向に直交する方向に曲がる第2曲管と、
前記第2曲管と前記低圧タービンの蒸気導入口との間に連結される第3直管と、
前記第2直管の出口側の外周面に一端が固定され、当該固定部から前記第3直管の端部に亘って、間隙をあけて、前記第2直管の一部、前記第2曲管および前記第3直管の外周を覆うように設けられた外周配管と
を備えることを特徴とする蒸気タービン。 - 前記第3直管の流路断面が、前記第2直管の軸方向が短軸となる楕円形状に構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
- 前記第2曲管の流路断面が、前記第2曲管の曲率半径方向が短軸となる楕円形状に構成され、前記短軸の長さをB、前記短軸に直交する長軸の長さをAとしたときに、前記長軸の長さAと前記短軸の長さBとの比(A/B)が、下流に行くに伴い大きくなることを特徴とする請求項1または2記載の蒸気タービン。
- 前記第2曲管の曲率半径の中心を原点とし、前記第2曲管の入口端面からの曲げ角度をθ(度)とし、前記第2直管の流路断面積と前記第2曲管の流路断面積を等しくしたときに、前記(A/B)が、0.007×θ+1.05≦A/B≦0.009×θ+1.15の関係を満たしていることを特徴とする請求項3記載の蒸気タービン。
- 前記第2直管の直径をDとし、前記第2曲管の曲率半径をRcとし、前記第2曲管の曲率半径の中心を原点として前記第2曲管の入口端面からの曲げ角度をθ(度)としたときに、前記曲率半径Rcと前記第2直管の流路断面の直径Dとの比(Rc/D)が、0.0001×θ+0.96≦Rc/D≦0.0001×θ+0.98の関係を満たしていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の蒸気タービン。
- 前記第2直管と前記第2曲管との間の隙間内に、前記第2曲管の入口端部から前記第2直管側に向かって徐々に内径が増加する環状管を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の蒸気タービン。
- 前記第3直管の出口側の管壁に貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010180971A JP2012041822A (ja) | 2010-08-12 | 2010-08-12 | 蒸気タービン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012041822A true JP2012041822A (ja) | 2012-03-01 |
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JP (1) | JP2012041822A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103437834A (zh) * | 2013-08-30 | 2013-12-11 | 中国化学工程第三建设有限公司 | 汽轮机进口蒸汽管段法兰无应力装配的方法 |
-
2010
- 2010-08-12 JP JP2010180971A patent/JP2012041822A/ja not_active Withdrawn
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