JP2012040946A - 車両制御装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の左右非対称性に起因する直進制動時の偏向を抑制する。
【解決手段】車両には、ストローク量を調整可能に構成されたサスペンションが車輪毎に設置されている。直進制動判定部121は、操舵角センサの検出値に基づき車両が直進中か否かを判定し、さらにブレーキトルクセンサの検出値に基づき車両が制動されたか否かを判定する。偏向予測部122は、直進制動判定部121により直進時に車両が制動されたと判定されたとき、車両の左右非対称性に起因して車体に発生する偏向量を予測する。ストローク調整部126は、予測された偏向を減少させるようにサスペンションのストローク量を変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車高調整機構を備えた車両の制御技術に関する。
一般に、路面状態や走行特性に合わせて各車輪のサスペンション装置のストローク量を調整する機能を持った車両が知られている。このような車両では、車両の駆動時または制動時にストローク量を変えることで、車両挙動を制御することが可能である。
例えば、車両の制動時に発生する車両を偏向させるヨーモーメントを抑制する技術が知られている。特許文献1には、車両の構造に内在する左右の非対称性に起因して車両の制動時に生ずる車両の偏向を是正する運動制御装置が開示されている。
また、サスペンション装置におけるトー角の変化による影響を軽減する技術として、特許文献2には、車両用サスペンションにおいて、車体に対するタイヤの上下動に伴うトー角の変化が打ち消されるようにトー角変化の特性を設定することが開示されている。特許文献3には、左右操舵輪における車高の左右差が所定値以上のとき、左右操舵輪のサスペンションストロークに伴うトー角変化に起因して発生する車両のヨー運動が減少する方向に各輪の駆動力を修正する駆動力制御装置が開示されている。
特開2008−037259号公報 特開平08−034221号公報 特開2007−043837号公報
上記の特許文献1の技術では、車両の左右非対称に起因する直進制動時の偏向を抑制する方向にヨーモーメントを発生させるために、操舵角や左右の制動力等を制御している。そのため、車両の運転者の操舵とは独立に転舵可能な操舵装置や、車両の左右輪の間で制動力差を付与する制動装置といった構成が必要となり、構造が複雑化しコストも増大してしまうという問題がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の車高調整機能を使用して車両の直進制動時に発生する偏向を抑制する技術を提供することにある。
本発明の一態様は、車両制御装置である。この装置は、車輪毎に設置されストローク量を調整可能に構成されたサスペンションと、車両制動時の制動状態を検出する制動状態検出手段と、車両の操舵量を検出する操舵検出手段と、前記操舵検出手段の検出値に基づき車両が直進中か否かを判定し、前記制動状態検出手段の検出値に基づき車両が制動されたか否かを判定する直進制動判定手段と、前記直進制動判定手段により直進時に車両が制動されたと判定されたとき、車両の左右非対称性に起因して車体に発生する偏向量を予測する偏向量予測手段と、予測された偏向を減少させるように前記サスペンションのストローク量を変更するストローク調整手段と、を備える。
この態様によると、制動時に車体に発生するであろう偏向量が予測され、これを減少させる方向に各輪のサスペンション装置のストローク量が調整される。これによって、サスペンション装置のステア角が変わり、車体に発生する制動偏向が抑制される。
前記ストローク調整手段は、前記サスペンションのストローク調整に基づくトー角の左右差により生じるヨーモーメントを利用して前記偏向を減少させてもよい。
前記偏向量予測手段は、車体の重心と減速度から前記偏向量を予測してもよい。また、各車輪にかかる接地荷重に基づき車体の重心を推定する重心推定手段をさらに備えてもよい。
本発明の別の態様は、車輪毎に設置されストローク量を調整可能に構成されたサスペンションを備える車両において、直進制動時の車両の偏向を抑制する車両制御方法である。この方法は、車両制動時の制動状態を検出し、車両の操舵量を検出し、検出された操舵量に基づき車両が直進中か否かを判定し、検出された制動状態に基づき車両が制動されたか否かを判定し、直進時に車両が制動されたと判定されたとき、車両の左右非対称性に起因して車体に発生する偏向量を予測し、予測された偏向を減少させるように前記サスペンションのストローク量を変更することを含む。
本発明によれば、車高調整機構を備えた車両において、車両の左右非対称性に起因する直進制動時の偏向を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置を備えた四輪の車両の模式図である。 制動時に車両の偏向が発生する原理を説明するための模式図である。 車両制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 車両制御装置によって偏向が抑制される原理を説明するための模式図である。 (a)〜(d)は、各輪における制御時のストローク量の変更を説明するグラフである。 車両の偏向を抑制する制御のフローチャートである。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御装置を備えた四輪の車両10の模式図である。車両10は、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL、右後輪RRからなる車輪を備える。図1では、説明を簡単にするために懸架装置を平面的に表しているが、実際の車両においては、懸架装置の機能を発揮するために適切な空間配置で、例えばナックル、タイロッド、アッパーアーム、ロアアームなどの他の部品と既知の方法で組み合わせて構成される。
車両10の車体12と各車輪FL、FR、RL、RRの間には、空気ばねとアブソーバとを組み合わせて構成されるエアサスペンション装置16がそれぞれ設けられている。アブソーバ(図示せず)を取り囲むように形成されたエアチャンバ(図示せず)に圧縮空気を充填することで、エアチャンバ内の圧縮空気がばねとして作用する。空気ばねによって車輪を弾性支持することで、車輪の衝撃が車体12に直接的に伝達されることが防止される。また、エアチャンバの容積を変化させることで、車輪毎に車高、すなわち車輪と車体との間の距離を調整することができる。アブソーバは、車両のばね上とばね下の間に減衰力を発生させる。
各車輪FL、FR、RL、RRの近傍には、対応するエアサスペンション装置16を構成するアブソーバのストローク量を測定するストロークセンサ106がそれぞれ配置されている。ストロークセンサ106の検出信号は、車体12に備えられる電子制御装置100(以下「ECU100」と表記する)に送られる。
一部の実施形態では、車輪の接地荷重を検出するための接地荷重センサ(図示せず)が各車輪のエアサスペンション16に組み込まれている。接地荷重センサを設ける代わりに、ストロークセンサ106で検出されるストローク量に空気ばねのばね定数を乗じることで、車輪の接地荷重を算出するようにしてもよい。
車輪速センサ104は、各車輪FL、FR、RL、RRの近傍、またはいずれか一つの車輪の近傍に設置され、車輪の回転数を検出してECU100に送信する。ステアリングホイール18には操舵角センサ102が設けられており、ステアリングホイールの操舵角を検出してECU100に送信する。
また、車体にはブレーキトルクセンサ110も設置されている。ブレーキトルクセンサ110は、例えば、ドライバーによるブレーキペダルの踏み込み量を検出し、この踏み込み量に応じたブレーキトルクをECU100に送信する。なお、本実施形態では、ブレーキペダルの踏み込み量とブレーキトルクとが略線形の範囲内にあるものとする。
エアサスペンション装置16のエアチャンバは、空気供給ライン190と連通している。空気供給ライン190の途中には、各車輪に対応してそれぞれ空気圧制御バルブ140が設けられている。空気圧制御バルブ140はECU100と電気的に接続されており、ECU100からの信号に応じて開弁状態と閉弁状態とに切り換えることができる。これによって、空気供給ライン190を介してエアサスペンション16のエアチャンバ20内部に空気を供給したり、内部から空気を排出したりすることができる。
車体12には、圧縮空気を蓄積し空気供給ライン190を介してエアチャンバに空気を供給するためのエアタンク166が設けられている。図1では、エアタンク166は前輪と後輪でそれぞれ一つずつ描かれているが、車体に一つのみのエアタンクを設けてもよいし、各車輪にエアタンクを設けてもよい。エアタンク166は、コンプレッサ(図示せず)から圧縮空気を送り込むことで、例えば700〜800kPaに維持されている。コンプレッサはモータ(図示せず)から動力の供給を受けて、外部から空気を取り込み圧縮空気を生成する。
図2は、車両の直進制動時に偏向が発生するメカニズムを説明するための模式図である。車両の構造が左右対称である車両であれば、車両を偏向させるような外的な要因がない限り、直進制動時に車両が偏向することはないはずである。しかし、現実には、車両に搭載されている各種装置の搭載位置が左右対称ではなく、また乗員や荷物も偏って積載されることが多いため、車両の重量分布が左右対称になることは少ない。つまり、重心が車両の中心から左右いずれかにずれている。重心が左右いずれかにずれた状態で、左右の車輪に等しいブレーキトルクが加えられると、車体の重心周りにヨー方向のモーメントが発生するので、直進制動時であっても車両が偏向する。
図2は、右ハンドルの車両で乗員が運転者一名であるときの車両10の模式図である。この場合、重心Gは、車体の中心線Cよりも右側にずれて位置することになる。ブレーキがかけられたとき、左右の車輪に加わる制動力が等しい(すなわち、D1=D2=D3=D4)と仮定する。重心に加わるヨーモーメントは、重心からの各車輪FL、FR、RL、RRの距離と制動力との積で表されるから、重心Gが右寄りであるとき、重心Gには図示するように反時計回りのモーメントMが発生する。したがって、車体は図の左方向BLに偏向する。
本実施形態では、この偏向を抑制するため、直進制動時にサスペンションのストローク量が左右の車輪で異なるように制御する。この結果、左右の車輪のステア量が車体に生じる偏向を減少させる方向に働き、結果として車体の偏向が抑制される。
図3は、ECU100のうち本実施形態に係る車両制御に関与する部分(以下「車両制御装置150」と呼ぶ)の構成を示す機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
車両制御装置150は、検出値取得部120、直進制動判定部121、偏向予測部122、ストローク調整部126を含む。
検出値取得部120は、車両に設置された各種センサから様々な検出値を受け取る。この検出値には、ストロークセンサ106で検出されるストローク量、車輪速センサ104で検出される車輪速、操舵角センサ102で検出される操舵角、ブレーキトルクセンサ110で検出されるペダル踏み込み量などが含まれる。
直進制動判定部121は、検出値取得部120で取得された検出値に基づき、車両10が直進制動状態であるか否かを判定する。具体的には、操舵角が所定の角度範囲内(例えば−5度〜+5度)である場合、車両10が直進していると判定し、この状態でブレーキペダルが所定量以上踏み込まれたとき、すなわちブレーキトルクが所定値以上であるときに、直進制動状態であると判定する。
偏向予測部122は、直進制動判定部121により直進時に車両が制動されたと判定されたとき、車両の左右非対称性に起因して車体に発生する偏向の方向と大きさとを推定する。偏向予測部122は、重心推定部123と偏向量推定部124とを含む。
重心推定部123は、車体12の重心位置を推定する。車体12に荷重センサが設置されている場合には、各車輪の接地荷重の分布から車体の重心位置を推定することができる。車体12に荷重センサが設定されていない場合には、ストロークセンサ106により検出されたストローク量に所定のばね定数を乗じて各車輪の接地荷重を算出した後、重心位置を推定する。この重心位置は、制動時に各車輪に発生するヨーモーメントの値に関連する。なお、重心位置は固定値であってもよい。
偏向量推定部124は、重心推定部123で求められた車体の重心、車輪速センサ104により検出される車速、およびブレーキトルクセンサ110で検出されるブレーキトルクに基づき、直進制動時に車体に発生するであろう偏向の向きおよび大きさを推定する。
偏向量推定部124は、車速とブレーキトルクから車両の減速度を算出する。そして、偏向量推定部124は、算出した減速度と車体の重心の各パラメータの組み合わせに対して車体に発生する偏向の大きさが一意に定められた偏向量マップを参照して、車体に発生する偏向量を推定する。なお、偏向の向きは、マップ内で偏向量の正負で表されていてもよいし、車体の中心線に対して重心が左右どちら側にあるかに応じて偏向量推定部124が決定してもよい。偏向量マップは、車両毎にまたは車両の型式毎に、実車による試験またはシミュレーション等に基づき、各パラメータの組み合わせを与えたときの車両の偏向を計測または計算することで作成することができる。
ストローク調整部126は、偏向予測部122で予測された偏向の影響を減少させるために、各車輪のサスペンション装置のストローク量を調整する。具体的には、ストローク調整部126は、サスペンション装置のストローク量の変更によるトー角の左右差によって車体に生じるヨーモーメントを利用して、偏向を抑制する。
ストローク調整部126は、ストローク量算出部128とバルブ制御部130を含む。ストローク量算出部128は、各車輪のサスペンション装置に発生させるべきストローク量を計算する。このストローク量の計算は、例えば、エアサスペンション装置のジオメトリに基づいて予め設定された計算式に、偏向量推定部124で求められた偏向の方向および大きさを入力することで行われてもよい。または、偏向の向きおよび大きさの組み合わせに対して各車輪のサスペンション装置で実現すべきストローク量が一意に定められているストローク量マップを参照して、各車輪のストローク量を求めてもよい。このストローク量マップは、車両毎にまたは車両の型式毎に、実車による試験またはシミュレーション等に基づき、制動偏向の影響を軽減するのに必要な各車輪のサスペンション装置のストローク量を計測または計算することで作成することができる。
バルブ制御部130は、ストローク量算出部128で算出されたストローク量が各車輪のエアサスペンション装置で発生するように、それぞれのエアチャンバに通じる空気圧制御バルブの開度や時間等を制御する。エアサスペンション装置のストローク量をバルブの開閉で調節することは周知なので、詳細な説明は省略する。
車両制御装置150の作用について説明する。ステアリングホイールによる操舵入力がほとんどない状態でブレーキ入力があったと直進制動判定部121が判定すると、偏向予測部122が、車体の重心、制動力の大きさ、車速等に基づき、車体に発生するであろう制動偏向の向きと大きさを予測する。ストローク調整部126は、予測された制動偏向を抑制するために必要な各車輪のエアサスペンション装置のストローク量を算出し、算出したストローク量が実現されるように、エアチャンバに通じる空気制御バルブの開閉量を調整する。これによって、サスペンション装置のステア角が変わり、車体に発生する制動偏向が抑制される。
図4は、本実施形態に係る車両制御装置において、車両の左右非対称性に起因する偏向を抑制する原理を説明するための模式図であり、図2と同様に重心が右寄りの車両10が直進制動したときの様子を示す。図中の車輪FL、FR、RL、RRにおいて、点線は非制御時の各車輪の向きを示し、実線は制御時の各車輪の向きを示している。
車両10の制動時には荷重が前輪側に移動するので、前輪側のサスペンション装置はバウンド側に、後輪側のサスペンション装置はリバウンド側にストロークする。なお、ストローク量は荷重とサスペンションのばね定数とに依存する。通常の状況においては、制動時の荷重移動は左右の車輪で大きな差はなく、また車両のサスペンション装置は左右の車輪でばね定数が等しく設定されている。したがって、車両の制動時、左右の車輪のサスペンション装置におけるストローク量はほぼ等しくなる。
一般的にサスペンション装置は、ストロークが変位すると車輪がステアするような構造となっている。このステア量は、サスペンションのジオメトリによって幾何学的に決定される。通常の車両では、サスペンション装置はバウンド時にトーイン、リバウンド時にトーアウトとなるように設計されている。したがって、図4の車両10が直進制動するとき、前輪FL、FRはトーイン方向に、後輪RL、RRはトーアウト方向にステアする。図4中の点線はこの状態を示している。
本実施形態の車両制御装置150は、車両の直進制動時に、車体に右回りのヨーモーメントが発生するように各車輪のサスペンション装置のストローク量を制御する。図2のように重心が右寄りで左偏向する車両の場合には、左前輪FLのサスペンションをバウンド増(すなわちトーイン増)の方向に、右前輪FRのサスペンションをバウンド減(すなわちトーイン減)の方向に、それぞれストローク量を強制的に変更する。同様に、左後輪RLのサスペンションをリバウンド増(すなわちトーアウト増)の方向に、右後輪RRのサスペンションをリバウンド減(すなわちトーアウト減)の方向に、それぞれストローク量を強制的に変更する。図4中の矢印E1〜E4は、各車輪の向きと変位量を矢印の向きと長さで表している。これらのストローク量の変更によって、重心Gの周りに右方向のヨーモーメントが発生する。このヨーモーメントは車体を右向きBRに曲げる。この結果、車両の左右非対称性に起因して発生する左向きBLに曲げる力と相殺されるので、車体に生じる偏向量を抑制することが可能になる。
図5(a)〜(d)は、図4を参照して述べた各車輪のサスペンション装置に対するストローク量の制御をより詳細に説明する図である。なお、図5(a)〜(d)は、いずれも図2および図4で説明した重心が右寄りの車両についてのものである。
図5(a)は、前輪FL、FRにおけるバウンド方向のストローク量と接地荷重との関係を示すグラフである。通常走行時のストローク量と接地荷重との関係が、図中の実線で表されるものとする。ストローク調整部126は、直進制動時に、左前輪FLについてはバウンド方向のストローク量を増加させ、右前輪FRについてはバウンド方向のストローク量を減少させるように制御する。
図5(b)は、前輪FL、FRにおけるバウンド方向のストローク量とトーイン方向のステア角との関係を示すグラフである。本実施形態では、ストローク量とステア角とが線形関係にあるものとする。上述したように、直進制動時にストローク調整部126は、左前輪FLについてはバウンド方向のストローク量を増加させ、右前輪FRについてはバウンド方向のストローク量を減少させる。この結果、左前輪FLのトーイン方向のステア角が増大し、右前輪FRのトーイン方向のステア角が減少することが分かる。したがって、車体に右周りのヨーモーメントが発生し、左偏向を抑制することができる。
図5(c)は、後輪RL、RRにおけるリバウンド方向のストローク量と接地荷重との関係を示すグラフである。ストローク調整部126は、直進制動時に、左後輪RLについてはリバウンド方向のストローク量を増加させ(すなわち、バウンド方向のストローク量を減少させ)、右後輪RRにおいてはリバウンド方向のストローク量を減少させるように制御する。
図5(d)は、後輪RL、RRにおけるリバウンド方向のストローク量とトーアウト方向のステア角との関係を示すグラフである。上述したように、直進制動時にストローク調整部126は、左後輪RLについてはリバウンド方向のストローク量を増加させ、右後輪RRについてはリバウンド方向のストローク量を減少させる。この結果、左後輪RLのトーアウト方向のステア角が増大し、右後輪RRのトーアウト方向のステア角が減少することが分かる。したがって、車体に右回りのヨーモーメントが発生し、左偏向を抑制することができる。
なお、サスペンション特性がバウンド時にトーアウトとなるように設定されている場合は、上記とは左右逆向きの制御とすればよい。
また、重心が左寄りであるため車両に右向きの偏向が生じる場合にも、上記とは左右逆向きの制御とすればよい。
図6は、本実施形態に係る偏向抑制プロセスのフローチャートである。まず、直進制動判定部121は、車両の直進時にブレーキが踏まれたか否かを判断する(S10)。すなわち、ステアリングホイールの操舵角が所定範囲内であるときに、所定値以上のブレーキトルクが発生したか否かを判断する。車両が旋回中にブレーキが踏まれた場合、または直進中でもブレーキトルクが小さい場合は(S10のN)、偏向抑制制御を実行するのは適切でないため、このフローを終了する。
車両直進時に所定のブレーキトルク以上でブレーキが踏まれた場合(S10のY)、重心推定部123は接地荷重センサまたはストローク量センサの検出値に基づき、車体の重心位置を推定する(S12)。偏向量推定部124は、車体の重心、車速およびブレーキトルクに基づき、今回のブレーキで車体に発生するであろう偏向の向きと大きさを推定する(S14)。
ストローク量算出部128は、推定された制動偏向を減少させるために各車輪のサスペンション装置で達成すべきストローク量を求める(S16)。バルブ制御部130は、各車輪のサスペンション装置のエアチャンバに通じる空気バルブを制御する(S18)。
以上説明したように、本実施形態によれば、車体の重心、ブレーキトルクおよび車速に基づき、車体に発生するであろう制動偏向の向きと大きさを予測し、これを減少する方向に各車輪のエアサスペンション装置のストローク量を調整する。これによって、サスペンション装置のステア角が変わり、車体に発生する制動偏向が抑制される。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態はあくまで例示であり、実施の形態どうしの任意の組み合わせ、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスの任意の組み合わせなどの変形例もまた、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能である。
実施の形態では、車両の四輪のストローク量を同時に調整することを述べたが、例えば前輪FL、FRのみ、または後輪RL、RRのみについてストローク量を調整してもよい。この場合、四輪全てを調整するときよりも、偏向の抑制量は小さくなる可能性がある。
さらに、前輪FL、FRのうちの一輪や、後輪RL、RRのうちの一輪についてストローク量を調節してもよいし、前後輪のそれぞれから一輪についてストローク量を調整してもよい。前輪一輪のみのストローク量を調整する場合には、例えば左前輪FLを制御し右前輪FRは非制御とすることで、左前輪のトーイン量を増加させて右方向のヨーモーメントを発生させることができる。
実施の形態では、圧縮空気の量によって車高を調整するエアサスペンション装置を備えた車両について説明したが、ECUからの信号によってストローク量が可変である任意のサスペンション装置を備えた車両においても、本発明を適用することができる。
FL 左前輪、 FR 右前輪、 RL 左後輪、 RR 右後輪、 10 車両、 12 車体、 16 エアサスペンション、 18 ステアリングホイール、 100 ECU、 102 操舵角センサ 104 車輪速センサ、 106 ストロークセンサ、 110 ブレーキトルクセンサ、 120 検出値取得部、 121 直進制動判定部、 122 偏向予測部、 123 重心推定部、 124 偏向量推定部、 126 ストローク調整部、128 ストローク量算出部、 130 バルブ制御部、 140 空気圧制御バルブ、 150 車両制御装置、 166 エアタンク、 C 車両中心線、 G 車両重心。

Claims (5)

  1. 車輪毎に設置されストローク量を調整可能に構成されたサスペンションと、
    車両制動時の制動状態を検出する制動状態検出手段と、
    車両の操舵量を検出する操舵検出手段と、
    前記操舵検出手段の検出値に基づき車両が直進中か否かを判定し、前記制動状態検出手段の検出値に基づき車両が制動されたか否かを判定する直進制動判定手段と、
    前記直進制動判定手段により直進時に車両が制動されたと判定されたとき、車両の左右非対称性に起因して車体に発生する偏向量を予測する偏向量予測手段と、
    予測された偏向を減少させるように前記サスペンションのストローク量を変更するストローク調整手段と、
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記ストローク調整手段は、前記サスペンションのストローク調整に基づくトー角の左右差により生じるヨーモーメントを利用して前記偏向を減少させることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記偏向量予測手段は、車体の重心と減速度から前記偏向量を予測することを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。
  4. 各車輪にかかる接地荷重に基づき車体の重心を推定する重心推定手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 車輪毎に設置されストローク量を調整可能に構成されたサスペンションを備える車両において、直進制動時の車両の偏向を抑制する車両制御方法であって、
    車両制動時の制動状態を検出し、
    車両の操舵量を検出し、
    検出された操舵量に基づき車両が直進中か否かを判定し、
    検出された制動状態に基づき車両が制動されたか否かを判定し、
    直進時に車両が制動されたと判定されたとき、車両の左右非対称性に起因して車体に発生する偏向量を予測し、
    予測された偏向を減少させるように前記サスペンションのストローク量を変更することを含む車両制御方法。
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