JP2012040496A - 窒素酸化物除去システム - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し再生が必要な脱硝装置の再生時期を、簡便かつ精度良く判定すること。
【解決手段】トンネル本坑1内と連通し、吸込口3と吐出口4を有した換気ダクト2内に、活性炭を成分の一つとして窒素酸化物を除去し、かつ繰り返し再生が必要な脱硝装置5と、トンネル本坑1から換気ダクト2内の脱硝装置5へ汚染空気を供給する送風機6と、脱硝装置5が吸引した窒素酸化物累積流入量を演算する演算装置8を設け、窒素酸化物累積流入量と予め設定した窒素酸化物累積流入量上限との比較により、脱硝装置5の再生時期を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車道路や鉄道等の車両が走行するトンネル内の窒素酸化物を除去する脱硝装置の再生時期判定方法に関する。
自動車や鉄道等の走行車両から排出される窒素酸化物(NOX)は、人の健康に悪影響を与える恐れがあるため、NOXのうち二酸化窒素(NO2)については、環境基準で上限濃度が定められている。近年、トンネル周辺環境に配慮し、トンネル内を走行する車両から排出されるNOXがそのままトンネル坑口から流出しないように、トンネル内空気を浄化する窒素酸化物除去システムを導入する事例が増えてきた。
これらの導入された窒素酸化物除去システムは、ほとんどが活性炭を成分の一つとした脱硝装置を用いている。脱硝装置の一例が特許文献1(特開平9−122483号公報)で開示されている。活性炭を用いた脱硝装置は、空気中のNO2を脱硝装置内部に取り込んで除去するため、脱硝装置内部に蓄積されたNO2(またはその化合物)が多くなるほどNO2除去率は低下する。
トンネル内換気用に導入された脱硝装置は、NO2を90%以上除去することを求められることが多く、これを継続的に実現するためには脱硝装置を繰り返し再生する必要がある。再生方法の一例が特許文献2(特開平7−88328号公報)で開示されている。
尚、NOXは一酸化窒素(NO)とNO2を総称するものであり、活性炭を用いた脱硝装置は主にNO2を除去するものであるが、特許文献3(特開平7−88326号公報)で開示されているように、脱硝装置流入側においてNOをNO2に酸化させることによって、NO濃度を削減することも可能である。
特開平9−122483号公報 特開平7−88328号公報 特開平7−88326号公報
再生時期を判定するために、従来は脱硝装置の流入側と流出側にNOX計を設け、流入側と流出側のNO2濃度の比からNO2除去率を求め、このNO2除去率が管理目標値を下回らないように再生を行うという考え方を取り入れていた。
しかしながら、NOX計により算出される日々のNO2除去率は実際には様々な要因により変動(上下)する。このため、たとえNO2除去率が管理目標値を下回ったとしても、それが一時的なものか継続的に発生するものかを判断するのが非常に難しかった。
NO2除去率が変動する一例を説明するために、表1にNOX計の代表的な仕様を示す。
Figure 2012040496
一般にトンネル内のNOX濃度はおよそ1ppm、NO2濃度はおよそ0.1ppmとされている。流入NO2濃度が0.1ppmで脱硝装置のNO2除去率が90%の場合、流出NO2濃度は0.01ppmとなるが、NOX計が表1に示す測定精度を有する場合、NOX計で検出される流入NO2濃度は(0.1±0.001±0.001±0.001±0.002)ppm、流出NO2濃度は(0.01±0.001±0.001±0.001±0.002)ppmとなる。すなわち0.1ppmの流入NO2濃度は0.095〜0.105ppmの範囲内で検出される可能性があり、0.01ppmの流出NO2濃度は0.005〜0.015ppmの範囲内で検出される可能性がある。これはNO2除去率が90%に対して84.2〜95.2%の範囲内で変動する可能性があることを示している。
尚、化学発光法を用いたNOX計はNO2濃度を直接測定するものではなく、NOX濃度とNO濃度をそれぞれ測定し、NOX濃度からNO濃度を引くことによりNO2濃度を求めている。このため、トンネル内のようにNO2濃度がNOX濃度の1割程度の場合、脱硝装置流出側もNOX濃度としては脱硝装置流入側の9割程度あるため、脱硝装置流出側のみ測定レンジを大幅に小さくすることはできない。
また、NOX計の測定精度以外にも、処理風量の変動等による脱硝装置そのもののNO2除去率の変動も発生する。
これら複数の要因により実設備におけるNO2除去率は、長期間で見ても徐々に低下するという明確な傾向を読み取ることが難しく、このためNO2除去率が管理目標値を下回る時期を実設備で精度良く把握することが困難であったが、具体的な解決方法についてはこれまで明示されてこなかった。
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明の窒素酸化物除去システムは、活性炭を成分の一つとして窒素酸化物を除去し、かつ繰り返し再生が必要な脱硝装置と、前記脱硝装置が吸引した窒素酸化物累積流入量を演算する演算装置を備え、前記窒素酸化物累積流入量と予め設定した窒素酸化物累積流入量上限との比較により、脱硝装置の再生時期を判定することを特徴とする。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物累積流入量を、脱硝装置の処理風量と、吸引空気の窒素酸化物濃度と、運転時間の積算値から演算することを特徴とする。
また、請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物濃度を測定するための窒素酸化物計を、前記脱硝装置の流入側に備えたことを特徴とする。
また、請求項4記載の本発明は、請求項2に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物濃度を、トンネル内の交通量情報と、予め設定した走行車両の窒素酸化物排出量から演算することを特徴とする。
また、請求項5記載の本発明は、請求項2に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物濃度を、トンネル内の光透過率と、予め設定した走行車両の窒素酸化物排出量から演算することを特徴とする。
また、請求項6記載の本発明は、請求項1に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物累積流入量を表示する表示装置を備えたことを特徴とする。
また、請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物累積流入量の表示値を、手動でリセット可能な入力装置を備えたことを特徴とする。
また、請求項8記載の本発明は、請求項6に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物累積流入量上限を表示する表示装置を備えたことを特徴とする。
また、請求項9記載の本発明は、請求項6に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物累積流入量が、予め設定した窒素酸化物累積流入量上限に到達した時点で、表示装置に再生時期であることを表示することを特徴とする。
また、請求項10記載の本発明は、請求項1に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物累積流入量を記録する記録装置を備えたことを特徴とする。
また、請求項11記載の本発明は、請求項1に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物除去システムの運転状態を出力する外部出力装置を備え、前期窒素酸化物累積流入量が、予め設定した窒素酸化物累積流入量上限に到達した時点で、外部出力装置から再生時期を示す信号を送信することを特徴とする。
また、請求項12記載の本発明は、請求項1に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、窒素酸化物累積流入量上限値を、手動で変更可能な入力装置を備えたことを特徴とする。
また、請求項13記載の本発明は、請求項6または10に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、脱硝装置の流入側と流出側にそれぞれ窒素酸化物計を備え、脱硝装置流入側の窒素酸化物濃度と、脱硝装置流出側の窒素酸化物濃度の比から窒素酸化物除去率を演算し、前記窒素酸化物除去率を表示装置に表示、または記録装置に記録することを特徴とする。
また、請求項14記載の本発明は、請求項6または10に記載の窒素酸化物除去システムにおいて、脱硝装置の運転時間と、窒素酸化物累積流入量から、窒素酸化物累積流入量上限値に到達する時期を予測して、前記再生予測時期を表示装置に表示、または記録装置に記録することを特徴とする。
本発明によれば、脱硝装置の再生時期と強い相関がある窒素酸化物累積流入量から再生時期を判定するため、再生時期をより簡便に、かつ精度良く判定することができる。
本実施例による窒素酸化物除去システムを示す概要図 本実施例による窒素酸化物除去システムの表示装置の画面例を示す図 本実施例による再生時期の判定方法を説明する図
本発明の第1の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、活性炭を成分の一つとして窒素酸化物を除去し、かつ繰り返し再生が必要な脱硝装置と、前記脱硝装置が吸引した窒素酸化物累積流入量を演算する演算装置を備え、前記窒素酸化物累積流入量と予め設定した窒素酸化物累積流入量上限との比較により、脱硝装置の再生時期を判定するものである。本実施の形態によれば、脱硝装置の再生時期と強い相関がある窒素酸化物累積流入量から再生時期を判定するため、再生時期をより簡便に、かつ精度良く判定することができる。
本発明の第2の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物累積流入量を、脱硝装置の処理風量と、吸引空気の窒素酸化物濃度と、運転時間の積算値から演算するものである。本実施の形態によれば、窒素酸化物累積流入量を正確に把握することができる。
本発明の第3の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物濃度を測定するための窒素酸化物計を、前記脱硝装置の流入側に備えたものである。本実施の形態によれば、窒素酸化物累積流入量をより正確に把握することができる。
本発明の第4の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物濃度を、トンネル内の交通量情報と、予め設定した走行車両の窒素酸化物排出量から演算するものである。本実施の形態によれば、窒素酸化物計を用いずに窒素酸化物累積流入量を把握することができる。
本発明の第5の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物濃度を、トンネル内の光透過率と、予め設定した走行車両の窒素酸化物排出量から演算するものである。
本発明の第6の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物累積流入量を表示する表示装置を備えたものである。本実施の形態によれば、窒素酸化物累積流入量の現在値を常に把握することができる。
本発明の第7の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物累積流入量の表示値を、手動でリセット可能な入力装置を備えたものである。本実施の形態によれば、脱硝装置の再生実施時に窒素酸化物累積流入量をリセットすることで、再生を繰り返した場合も常に窒素酸化物累積流入量を正しく表示することができる。
本発明の第8の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物累積流入量上限を表示する表示装置を備えたものである。本実施の形態によれば、表示装置において窒素酸化物累積流入量と累積流入量上限値を常に比較することができる。
本発明の第9の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物累積流入量が、予め設定した窒素酸化物累積流入量上限に到達した時点で、表示装置に再生時期であることを表示するものである。本実施の形態によれば、表示装置において再生時期に到達したか否かを明確に把握することができる。
本発明の第10の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物累積流入量を記録する記録装置を備えたものである。本実施の形態によれば、窒素酸化物累積流入量の過去の推移を把握することができる。
本発明の第11の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物除去システムの運転状態を出力する外部出力装置を備え、前期窒素酸化物累積流入量が、予め設定した窒素酸化物累積流入量上限に到達した時点で、外部出力装置から再生時期を示す信号を送信するものである。本実施の形態によれば、遠隔地において脱硝装置が再生時期に到達したか否かを把握することができる。
本発明の第12の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、窒素酸化物累積流入量上限値を、手動で変更可能な入力装置を備えたものである。本実施の形態によれば、実際のシステム運用実態に応じて、再生が必要と判断する時期を変更することができる。
本発明の第13の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、脱硝装置の流入側と流出側にそれぞれ窒素酸化物計を備え、脱硝装置流入側の窒素酸化物濃度と、脱硝装置流出側の窒素酸化物濃度の比から窒素酸化物除去率を演算し、前記窒素酸化物除去率を表示装置に表示、または記録装置に記録するものである。本実施の形態によれば、窒素酸化物累積流入量と窒素酸化物除去率の相関関係を把握することができる。
本発明の第14の実施の形態による窒素酸化物除去システムは、脱硝装置の運転時間と、窒素酸化物累積流入量から、窒素酸化物累積流入量上限値に到達する時期を予測して、前記再生予測時期を表示装置に表示、または記録装置に記録するものである。本実施の形態によれば、再生が必要なおよその時期を予め把握することができる。
以下、本発明の一実施例について図面に基づいて説明する。尚、実施例ではNOX中のNO2を対象として説明するが、本発明の対象をNOX中のNO2に限定することを意図するものではない。また、実施例は実際の実施方法に基いて説明しているが、説明の中で用いる各種数値は例示である。
図1は、本実施例による窒素酸化物除去システムを示す概要図である。1はトンネル本坑、2はトンネル本坑1内と連通する吸込口3と吐出口4を有した換気ダクト、5は換気ダクト2に設けられた脱硝装置、6はトンネル本坑1から換気ダクト2内の脱硝装置5へ汚染空気を供給する送風機、7は窒素酸化物除去システムの運転を制御する制御盤、8はNO2累積流入量を演算する演算装置、9は脱硝装置流入側のNO2濃度を検出する流入側NOX計、10はトンネル本坑1内の交通量を検出する交通量計、11はトンネル本坑1内の空気の光透過率を検出する光透過率計、12はNO2累積流入量を表示する表示装置、13はNO2累積流入量をリセットする入力装置、14はNO2累積流入量を記録する記録装置、15は脱硝装置5が再生時期に到達したことを外部に送信する外部出力装置、16は脱硝装置流出側のNO2濃度を検出する流出側NOX計である。尚、図1では、脱硝装置5を通過した空気をトンネル本坑1に戻しているが、トンネル本坑1に戻さずそのままトンネル外へ排気する場合もある。
上記構成において、脱硝装置5と送風機6が運転されると、トンネル本坑1内の汚染空気が吸込口3より換気ダクト2内に吸込まれ、脱硝装置5によりトンネル本坑1内のNO2は脱硝装置5で除去される。演算装置8は、制御盤7より脱硝装置5の処理風量と運転時間を取得し、脱硝装置5の流入側に設置した流入側NOX計9よりNO2濃度を取得し、これらの積によりNO2累積流入量を演算する。演算したNO2累積流入量と予め設定したNO2累積流入量上限との比較により、脱硝装置が再生時期に到達したか否かを判定する。
また、図2は、本実施例による窒素酸化物除去システムの表示装置12の画面例を示す図である。図2では、脱硝装置5の処理風量、累積運転時間、NO2流入濃度、NO2流出濃度、NO2除去率、NO2累積流入量、NO2累積流入量上限、再生後稼動開始日、現在日、再生予測時期を表示している。画面上の数値は定期的、例えば1分毎に更新する。
また、図3は、本実施例による再生時期の判定方法を説明する図である。
図1、図2、図3を用いて具体的に再生時期の判定方法を説明する。
まず、NO2累積流入量上限の決定方法について説明する。活性炭を用いた脱硝装置は、空気中のNO2を脱硝装置内部に取り込んで除去するため、脱硝装置内部に蓄積されたNO2、またはその化合物が多くなるほどNO2除去率は低下する。つまり、NO2除去率はNO2累積流入量に応じて変化する。そこで、NO2累積流入量とNO2除去率の関係を予め把握しておく。
NO2累積流入量とNO2除去率の関係は、実験設備を用いて求める。実験設備は、脱硝装置5の通風断面積以外の条件を実設備と合わせる。例えば10m3/sの実設備に対して、実験設備は1m3/s(1/10のスケールダウン)を用意する。
実設備の場合、NO2は走行車両の排出ガス中に含まれるが、実験設備ではガスボンベと精密流量計を用いてNO2を供給する。これにより、NO2を一定の濃度で供給することができる。また、実設備では排出ガス中にはNOとNO2が含まれるが、実験設備ではNO2のみ供給する。これにより、NOX計のNOX測定レンジとNO2測定レンジを一致させることができる。
ここで、NO2流入濃度は1ppmとし、流入側NOX計の測定レンジも1ppmとする。脱硝装置のNO2除去率が90%以上であれば、脱硝装置流出側のNO2濃度は0.1ppm以下となるため、流出側NOX計16の測定レンジは0.1ppmとする。この条件で、NOX計が表1に示す測定精度を有する場合、NOX計で検出される流入NO2濃度は(1±0.01±0.01±0.001±0.02)ppm、流出NO2濃度は(0.1±0.001±0.001±0.001±0.002)ppmとなる。すなわち1ppmの流入NO2濃度は0.959〜1.041ppmの範囲内で検出される可能性があり、0.1ppmの流出NO2濃度は0.095〜0.105ppmの範囲内で検出される可能性がある。これはNO2除去率が90%に対して89.1〜90.9%の範囲内で変動する可能性があることを示している。課題部分で示した実設備例では、NO2除去率は90%に対して約10%変動する可能性があることを示したが、実験設備で理想的な測定環境を整えることによって、変動範囲を2%以内に抑えることができる。このような条件で、実験設備のNO2除去率が90%を下回るまでに333時間要したとすると、NO2累積流入量上限は、実験設備の処理風量1m3/sと、NO2流入濃度1ppmと、運転時間333時間の積から1.2m3となる。実設備の処理風量は、実験設備の処理風量の10倍のため、実設備のNO2累積流入量上限は12m3となる。
次に、演算装置8におけるNO2累積流入量の演算方法について説明する。脱硝装置5の処理風量が10m3/s、運転時間が3175時間、NO2流入濃度平均が0.1ppmとすると、NO2累積流入量は、これらの積の11.43m3となる。この値は、NO2累積流入量上限の12m3よりも小さいため、この時点ではまだ再生時期には到達していないと判断できる。尚、実設備ではNO2流入濃度と処理風量は時間により変化するため、NO2累積流入量は、定期的、例えば1分毎にNO2流入濃度と処理風量の平均値を求め、その積から毎分のNO2流入量を求めた上で、毎分のNO2流入量を加算することにより求める。
次に、NO2流入濃度の取得方法について説明する。NO2流入濃度は脱硝装置5の流入側に設けた流入側NOX計9の検出値を取得するのが最も精度が良い。一方で、流入側NOX計9は高価でメンテナンス頻度も高いため、流入側NOX計9を用いずにNO2流入濃度を取得する方法も選択肢として考えられる。一般に窒素酸化物除去システムが導入されるトンネルには、トンネル用の他設備で交通量計10や光透過率計11が設置されている場合が多い。これらからの取得情報を用いることで流入側NOX計9を省略することが可能である。
交通量計10からの交通量情報を用いる場合、車両1台あたりのNO2排出量を設定しておき、これと交通量の積からおよそのNO2流入濃度を把握することが可能である。
光透過率計11からの光透過率は、一般に煤煙濃度の対数に比例すると言われている。よって、まず光透過率から煤煙濃度を演算することができる。一方で、車両1台あたりの煤煙排出量とNO2排出量は比例関係にあると考えられるため、演算により求めた煤煙濃度に対し、NO2濃度への換算係数をかけることによって、およそのNO2流入濃度を把握することが可能である。
次に、表示装置12について説明する。図2に示すように、NO2累積流入量を表示することで演算装置8の判断根拠を視覚的に確認することができる。
また、NO2累積流入量の「リセット」を押すことで、脱硝装置5の再生を行った際にNO2累積流入量の演算を初期化することができる。尚、図2では、タッチパネル画面のような表示装置12と入力装置13が一体となった例を示しているが、表示装置12と入力装置13を個別に設けても良い。
また、表示装置12にNO2累積流入量上限を表示することで、NO2累積流入量上限とNO2累積流入量の差異を視覚的に確認することができる。
また、NO2累積流入量上限の「変更」ボタンを押すことで、NO2累積流入量上限を変更することができる。これにより、管理目標値の変更等が発生した場合にも同じ判定方法で再生時期を変更できる。
また、図2に示す表示装置12では、NO2累積流入量がNO2累積流入量上限を上回った時点で、「脱硝装置再生」部分の「必要」を表示する。これにより、脱硝装置5の再生が必要か否かを視覚的に確認することができる。
また、表示装置12に脱硝装置5の流出側のNO2濃度を表示し、これとNO2流入濃度の比から演算されるNO2除去率を表示することで、NO2累積流入量とNO2除去率の関係を検証することができる。実設備のNO2除去率は、前述したように流入側NOX計9の測定精度の影響で10%程度変動する可能性がある。この場合、図3に示すようにNO2除去率の明確な低下傾向を見出すのが困難な場合が多い。例えば、図2に示すように2009年10月1日のある1分間のNO2除去率が87%(管理目標値90%)だったとする。図3に示すNO2除去率の推移だけを見た場合、脱硝装置5が再生時期に達したのか、それとも一時的なNO2除去率の低下なのかの判断が非常に難しい。そこで、NO2累積流入量に着目すると、NO2累積流入量は11.43m3であり、上限の12m3よりも小さいため、NO2除去率の低下は一時的なものであると推察することができる。
ここまでで説明した情報を用いると、脱硝装置5のおよその再生時期を予測することが可能である。図3に示すように、ある時点でのNO2累積流入量(縦軸)と、その時点までの脱硝装置5の稼動期間(横軸)から、将来のNO2累積流入量の上昇度合(傾き)を予測することができ、NO2累積流入量上限に達する時期も予測可能である。脱硝装置5の再生には事前準備が必要な場合が多く、再生時期を予測することによって準備期間を確保することができる。
次に、記録装置14について説明する。図2に示すような表示と同様の項目を定期的、例えば1分毎に記録装置14に記録することで、NO2累積流入量その他の推移を把握することができる。
次に、外部出力装置15について説明する。NO2累積流入量がNO2累積流入量上限を上回った時点で、外部出力装置15から脱硝装置5の再生が必要であることを示す信号を送信する。これにより、脱硝装置5の再生が必要か否かを遠隔地で確認することができる。
本発明は、自動車道路や鉄道等の車両が走行するトンネル内の窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去システムであって、活性炭を成分の一つとして窒素酸化物を除去し、かつ繰り返し再生が必要な脱硝装置に適している。
1 トンネル本坑
2 換気ダクト
3 吸込口
4 吐出口
5 脱硝装置
6 送風機
7 制御盤
8 演算装置
9 流入側NOX計
10 交通量計
11 光透過率計
12 表示装置
13 入力装置
14 記録装置
15 外部出力装置
16 流出側NOX計

Claims (14)

  1. トンネル内の窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去システムであって、
    活性炭を成分の一つとして窒素酸化物を除去し、かつ繰り返し再生が必要な脱硝装置と、
    前記脱硝装置が吸引した窒素酸化物累積流入量を演算する演算装置を備え、
    前記窒素酸化物累積流入量と予め設定した窒素酸化物累積流入量上限との比較により、脱硝装置の再生時期を判定することを特徴とする窒素酸化物除去システム。
  2. 前記窒素酸化物累積流入量は、脱硝装置の処理風量と、吸引空気の窒素酸化物濃度と、運転時間の積算値から演算することを特徴とする、請求項1に記載の窒素酸化物除去システム。
  3. 前記窒素酸化物濃度を測定するための窒素酸化物計を、前記脱硝装置の流入側に備えたことを特徴とする、請求項2に記載の窒素酸化物除去システム。
  4. 前記窒素酸化物濃度を、トンネル内の交通量情報と、予め設定した走行車両の窒素酸化物排出量から演算することを特徴とする、請求項2に記載の窒素酸化物除去システム。
  5. 前記窒素酸化物濃度を、トンネル内の光透過率と、予め設定した走行車両の窒素酸化物排出量から演算することを特徴とする、請求項2に記載の窒素酸化物除去システム。
  6. 前記窒素酸化物累積流入量を表示する表示装置を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の窒素酸化物除去システム。
  7. 前記窒素酸化物累積流入量の表示値を、手動でリセット可能な入力装置を備えたことを特徴とする、請求項6に記載の窒素酸化物除去システム。
  8. 前記窒素酸化物累積流入量上限を表示する表示装置を備えたことを特徴とする、請求項6に記載の窒素酸化物除去システム。
  9. 前記窒素酸化物累積流入量が、予め設定した窒素酸化物累積流入量上限に到達した時点で、表示装置に再生時期であることを表示することを特徴とする、請求項6に記載の窒素酸化物除去システム。
  10. 前記窒素酸化物累積流入量を記録する記録装置を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の窒素酸化物除去システム。
  11. 前記窒素酸化物除去システムの運転状態を出力する外部出力装置を備え、前期窒素酸化物累積流入量が、予め設定した窒素酸化物累積流入量上限に到達した時点で、外部出力装置から再生時期を示す信号を送信することを特徴とする、請求項1に記載の窒素酸化物除去システム。
  12. 前記窒素酸化物累積流入量上限を、手動で変更可能な入力装置を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の窒素酸化物除去システム。
  13. 前記脱硝装置の流入側と流出側にそれぞれ窒素酸化物計を備え、脱硝装置流入側の窒素酸化物濃度と、脱硝装置流出側の窒素酸化物濃度の比から窒素酸化物除去率を演算し、前記窒素酸化物除去率を表示装置に表示、または記録装置に記録することを特徴とする、請求項6または10に記載の窒素酸化物除去システム。
  14. 前記脱硝装置の運転時間と、窒素酸化物累積流入量から、窒素酸化物累積流入量上限値に到達する時期を予測して、前記再生予測時期を表示装置に表示、または記録装置に記録することを特徴とする、請求項6または10に記載の窒素酸化物除去システム。
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