JP2012040455A - フィルタエレメントおよびフィルタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】全体を大型化させることがないように単一のハウジング内で複数個の濾材による直列回路を構成しながら、用いる濾材に濾過面積の制約を生じさせない構造のフィルタエレメントおよびこれを用いたフィルタ装置を得ること。
【解決手段】環状に形成された一対の濾材12(プレ濾材12a、メイン濾材12b)の一方の端面同士を仕切プレート17の両面に接合させて固定し、一対の濾材12のもう一方の端面のそれぞれに、流体経路となる開口20を有する一対のキャッププレート19を接合して固定し、これらの一対の濾材12を、一対のキャッププレート19を気密に保持した状態で一方の濾材12(プレ濾材12a)ともう一方の濾材12(メイン濾材12b)との外周面を流体流路となる一つの空間部CS内に配置する筒状のエレメントハウジング13に収納した。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料、水、オイル、空気等の流体を濾過するためのフィルタエレメントおよびこれに用いるフィルタ装置に関する。
フィルタ装置では、これを使用する技術分野での技術革新等に呼応して、従来以上の濾過能力を求められることがある。一例として、ディーゼルエンジンの分野では、近年における厳しい環境規制に応じて、いわゆる次世代ディーゼルと呼ばれている高圧噴射の燃料システムを備えた技術が登場している。このようないわゆる次世代ディーゼルエンジンの分野では、燃料噴射システムを構成する部品の磨耗やかじりがその寿命に大きく影響することから、燃料をより清浄な状態に管理しなければならない。
例えば、従来は、図10(a)に例示するように、高効率なメインフィルタ1だけによっても、要求される燃料の清浄度を維持することができていた。これに対して、次世代ディーゼルエンジンの分野では、そのような単一構成によっては、要求される燃料の清浄度を維持し得ないことが生じている。そこで、要求される燃料の清浄度を維持するためには、図10(b)に例示するようなプレフィルタ2とメインフィルタ1との間にポンプ3を介した組み合わせや、更には図10(c)に例示するようなプレフィルタ2と二つのメインフィルタ1との間にポンプ3を介した組み合わせというような構成が必要となる。
しかしながら、図10(b)や図10(c)のような濾過システムを構築する場合、どうしてもスペース効率が低下し、その上、コスト的にも割高となる。
そこで、複数個の濾材を一体的に組み込んで一つのフィルタ装置を構成することが考えられる。このような構造のフィルタ装置としては、従来、特許文献1に記載されているようなものが知られている。このフィルタ装置は、筒状の濾材の内側に小径の筒状の濾材を組み込んで二重構造にしたものである。これらの二つの濾材は、直列回路を構成している。このため、特許文献1中には特段の記載がないものの、図10(b)、(c)で紹介したようなプレフィルタとメインフィルタとからなる濾過システムを、単一のハウジング内で実現することができる。
特開2000−130142公報 特開平10−109022号公報 特開2002−153705公報 特開2002−153706公報
特許文献1に記載された発明は、図10(b)、(c)に記載された濾過システムと比較すると、フィルタ装置全体をコンパクトにすることができるという利点を有している。その反面、内側に収納する濾材は外側の濾材よりも濾過面積が相対的に小さくなってしまう。このため、濾過面積が小さい分だけ濾過能力が劣ることになるし、しかも、濾過時間の経過に伴う目詰まりが生じやすくなって圧力損失の増大を招くという問題がある。
そこで、この出願の発明者は、単一のハウジング内で複数個の濾材による直列回路を構成しながら、用いる濾材に濾過面積の制約を生じさせない新規な構造のフィルタ装置の実現に向けて研究開発を重ねた。その過程で先行技術調査をした結果、単一のハウジング内に複数個の濾材(フィルタエレメント)を収納するフィルタ装置こそ多々見受けられるものの(特許文献2〜4等)、直列回路を構成するように複数個の濾材(フィルタエレメント)を単一のハウジングに収納したフィルタ装置を見出すことができなかった。
例えば、特許文献2には、複数本のフィルタエレメントを並列に配置し、これらのフィルタエレメントを直列に接続した濾過装置(特許文献2では、「フィルター直列接続型のろ過モジュール」)が記載されている。また、特許文献3および4には、フィルタエレメントを複数直列に配列し、これらのフィルタエレメントを接続したフィルタ装置が記載されている。その接続構造として、特許文献3に記載されているフィルタ装置は、二つのフィルタエレメントの端部にそれぞれ上部ソケットと下部ソケットとを取り付け、これらの上部ソケットと下部ソケットとを接続ソケットで連結するという構造を採用している。特許文献4に記載されているフィルタ装置では、二つのフィルタエレメントを単一の連結用コアソケットで連結するという構造を採用している。しかしながら、特許文献2〜4に示されているフィルタ装置は、いずれも、濾過容量を増大させるように複数個のフィルタエレメントを用いる構造であって、直列回路をなすように複数個のフィルタエレメントを用いているわけではない。
ここで、「直列回路」という用語について確認する。特許文献2〜4にも、「フィルター直列接続型のろ過モジュール(特許文献2の段落0002参照)」、「前記ろ過エレメントが、前記多孔管に沿って複数直列に配設(特許文献3の段落0010参照)」、「ろ過エレメントを複数直列に連結(特許文献3の段落0008参照)」などのように、「直列」の用語が用いられている。これに対して、「直列回路」というのは、濾過対象となる流体を一つの濾材(フィルタエレメント)で濾過した後、別の濾材(フィルタエレメント)で更に濾過するような、特許文献1や図10(b)および(c)に示されているような構成を指す。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、全体を大型化させることがないように単一のハウジング内で複数個の濾材による直列回路を構成しながら、用いる濾材に濾過面積の制約を生じさせない構造のフィルタエレメントおよびこれを用いたフィルタ装置を得ることを目的とする。
本発明は、環状に形成された一対の濾材と、前記一対の濾材の一方の端面同士を両面に接合させて固定する仕切プレートと、前記一対の濾材のもう一方の端面にそれぞれ接合して固定されており、流体経路となる開口を有する一対のキャッププレートと、前記一対のキャッププレートを気密に保持し、一方の前記濾材ともう一方の前記濾材との外周面を前記流体流路となる一つの空間内に配置する筒状のエレメントハウジングと、を備えるフィルタエレメントによって上記課題を解決した。
本発明は、また、筒状のハウジングと、前記ハウジング内に収容された上記フィルタエレメントと、前記フィルタエレメントに対する流体の流入側と流出側とを区分けして前記ハウジング内で前記フィルタエレメントを保持する保持機構と、を備えるフィルタ装置によって上記課題を解決した。
本発明によれば、一方の濾材の内周面側から一対の濾材の外周面側に位置する共通の空間内を経てもう一方の濾材の内周面側に至る流路を形成するので、単一のエレメントハウジング内で複数個の濾材による直列回路を構成することができ、こうして直列回路を形成しながらも、一対の濾材が互いの濾過面積に構造上の制約を生じさせないようにすることができ、したがって、初期性能として濾過能力が高く、しかも、濾過時間の経過に伴う目詰まりによる圧力損失が生じにくいフィルタエレメントおよびこれを用いたフィルタ装置を得ることができる。これに加えて、本発明によれば、一対の濾材を単一の仕切プレートの両面にそれぞれ接合させて固定しているので、濾材の配列方向の長さ寸法を極限まで詰めることができ、フィルタエレメントおよびこれを用いたフィルタ装置全体の小型化にも寄与することができる。
実施の一形態である、フィルタエレメントの右半分を断面にして示すフィルタ装置の縦断正面図。 フィルタエレメントを構成する一つの濾材とこの濾材に対応する一対のキャップとを分解して示す分解斜視図。 折り畳んだ濾材の両端をカットする工程を示す(a)は斜視図、(b)は正面図。 右半分を断面にしてフィルタエレメントの一例を示す縦断正面図。 右半分を断面にしてフィルタエレメントの別の一例を示す縦断正面図。 右半分を断面にしてフィルタエレメントの別の一例を示す縦断正面図。 右半分を断面にしてフィルタエレメントの更に別の一例を示す縦断正面図。 右半分を断面にしてフィルタエレメントの更に別の一例を示す縦断正面図。 実施の別の一形態である、フィルタエレメントの右半分を断面にして示すフィルタ装置の縦断正面図。 (a)、(b)、(c)は、従来用いられるフィルタユニットのバリエーションをそれぞれ例示する模式図。
実施の一形態を図1ないし図9に基づいて説明する。本実施の形態は、燃料を濾過するための燃料フィルタ装置への適用例である。
図1は、フィルタエレメント11の右半分を断面にして示すフィルタ装置101の縦断正面図である。本実施の形態のフィルタ装置101は、エンジン等に設けられたフィルタマウント(いずれも図示せず)に着脱自在に取り付けられる構造を有している。フィルタマウントは、フィルタ装置101による濾過を必要とする燃料の流路中に配置され、濾過前の燃料をフィルタ装置101に供給する領域と、濾過後の燃料をフィルタ装置101から供給される領域とを有している。フィルタ装置101は、フィルタマウントに装着されることにより、濾過前の燃料を濾過する。
フィルタ装置101は、図示しないフィルタマウントに着脱自在に取り付けられるハウジング102を有している。ハウジング102は、例えばアルミダイキャストによって製造された円筒形状の部材であり、上部にインレット103aおよびアウトレット103bを有している。このようなハウジング102は、下面が開口しており、この開口部分からフィルタエレメント11を出し入れすることができる。ハウジング102の下面に形成された開口部分は、キャップ104によって閉じられる。キャップ104は、ハウジング102と同様にアルミダイキャストによって製造された部材であり、ハウジング102にねじ止めされる。つまり、ハウジング102の開口部分には雌ねじ105aが形成され、キャップ104にはその雌ねじ105aにねじ込まれる雄ねじ105bが形成されている。そこで、雌ねじ105aに雄ねじ105bをねじ込んで締め付けることで、ハウジング102にキャップ104を固定することができる。このようなねじ固定の構造は、互いに詰めつけられるハウジング102とキャップ104との接合部分にゴム製のOリング106を介在させ、ハウジング102とキャップ104との間に形成される収納空間107の気密性を維持している。
ハウジング102の内部には、フィルタエレメント11が内蔵されている。フィルタエレメント11は、一対の濾材12を直列に接続し、エレメントハウジング13に収納した構造のものである。ハウジング102は、その内部に上ポスト108を備え、この上ポスト108とキャップ104に形成された下ポスト109との間でフィルタエレメント11を挟んで保持している。ハウジング102は、上ポスト108によって、インレット103aからフィルタエレメント11の外周に至る流路とフィルタエレメント11の内部を通ってアウトレット103bに至る流路とを分離している。
つまり、上ポスト108は、ハウジング102の内部天井面とフィルタエレメント11の上面との間に導入空間ISを形成するようにフィルタエレメント11の位置を規制している。インレット103aは、こうして形成された導入空間ISに連絡している。そして、上ポスト108は、フィルタエレメント11の後述する開口20(図4参照)を円環状のパッキンPKで塞いでおり、フィルタエレメント11とアウトレット103bとを連絡させる連絡孔110を内部に形成している。これにより、インレット103aから導かれた燃料は導入空間ISに導かれ、ハウジング102の内壁とフィルタエレメント11の外周面との間を通ってキャップ104に至る。この際、フィルタエレメント11は、その上部を円環状のコアレッサCLに覆われているので、導入空間ISに導かれた燃料はコアレッサCLを通る。また、フィルタエレメント11は、エレメントハウジング13の外周面にフィン14を螺旋状に形成している。フィン14は、ハウジング102の内壁に近接しており、燃料を導く螺旋空間SSを形成している。そこで、インレット103aから導入空間ISに導かれた燃料は、螺旋空間SSを螺旋状に通過してキャップ104に至る。キャップ104に至った燃料は、フィルタエレメント11の内部を通って上昇し、上ポスト108に形成された連絡孔110を通ってアウトレット103bから排出される。ここに、フィルタエレメント11に対する燃料(流体)の流入側と流出側とを区分けしてハウジング102内でフィルタエレメント11を保持する保持機構111が形成されている。
図2は、フィルタエレメント11を構成する一つの濾材12とこの濾材12に対応する一対のプレート(仕切プレート17およびキャッププレート19)とを分解して示す分解斜視図である。濾材12は、一例として、ガラス、ポリエステル、セルロース等の材料からなるシート形状の部材から作られる。当初はシート形状をしていた濾材12は、波形形状に折目15が付され、全体がドーナツ形状となるように環状に両端が繋ぎ合わされて形成されている。これにより、濾材12には、複数個のプリーツ16が形成される。これらのプリーツ16は、濾材12の上下方向に等幅で形成されており、上端と下端とのカットの仕方によって、上端側が下端側よりも小径のテーパ形状になるように形成されている。
図3は、折り畳んだ濾材12の両端をカットする工程を示す(a)は斜視図、(b)は正面図である。濾材12の製造に際しては、濾材12をなす矩形の材料を折目15の部分で次々と折り込み、全てのプリーツ16の部分を重ね合わせる。そして、全てのプリーツ16の部分を重ね合わせた状態の材料の両端を斜めにカットする。図3(a)、(b)中、カットする部分CPをハッチングで示す。この場合、カットする傾斜方向を同一方向に揃え、カット後の両端が平行となるようにする。その後、斜めにカットした両端がそれぞれ一平面内に揃って位置付けられるように、矩形の材料の両端を繋ぎ合わせる。これにより、上端側が下端側よりも小径となるテーパ形状の濾材12が完成する。このような濾材12は、結果的に、大径となる下端側では、山折部分の方が谷折り部分よりも出っ張って形成され、小径となる上端側では、山折部分の方が谷折り部分よりも凹んで形成されている。このような出っ張りと凹みとの加減、換言すると、最初のカットの段階での傾斜角度の加減は、濾材12にどの程度のテーパを付けるかによって決められる。こうすることで、濾材12の両端面は、それぞれ、でこぼこすることなく一平面内に位置付けられる。図2では、一方の濾材12しか示していないが、もう一方の濾材12も同一形状で同一の大きさをしている。そして、ここでは、図2を参照して説明しているので、上端側が下端側よりも小径のテーパ形状と述べているが、濾材12を転地反転させれば、言うまでもなく、下端側が上端側よりも小径のテーパ形状になる。
別の一例として、濾材12の下端側から上端に向かうに従い折り間隔が狭くなるようにプリーツ16を形成するようにしても良い。また、別の一例として、大径となる下端側では山折部分の方が谷折り部分よりも出っ張って形成され、小径となる上端側では山折部分の方が谷折り部分よりも凹んで形成されるよう、濾材12の材料を折目15で折り込む前の平面形状の段階からカットするようにしても良い。
環状に形成された一対の濾材12は、一つの仕切プレート17の表裏面に、小径側の端面を接合させた状態で接着固定されている。仕切プレート17は、穴の開いていない平板状のもので、周縁部には表裏一対の土手部18を有している。濾材12は、これらの土手部18にはまり込んだ状態となり、一対の濾材12は仕切プレート17によって完全に遮蔽される。
一対の濾材12のもう一方の端部には、それぞれ、キャッププレート19が固定されている。キャッププレート19は、燃料のための流体流路となる開口20を有する平板状のもので、周縁部には土手部21を有している。濾材12は、その土手部21にはまり込んだ状態でキャッププレート19に接着されている。
図4は、右半分を断面にしてフィルタエレメント11の一例を示す縦断正面図である。図4では、コアレッサCLおよびフィン14を省略してフィルタエレメント11を示している。直列に接続された一対の濾材12は、エレメントハウジング13に収納されている。エレメントハウジング13は、直菅状の円筒形状をした部材であり、それ故、内径が均一に形成されている。エレメントハウジング13は、一対のキャッププレート19を例えば接着によって固定することで、それらのキャッププレート19の外周面を気密に保持している。そして、直列接続された一対の濾材12は、仕切プレート17の部分でくびれたような形状を有することから、エレメントハウジング13は、一方の濾材12ともう一方の濾材12との外周面を一つの空間である空間部CS内に配置している。この空間部CSは、燃料のための流体流路となる。説明の便宜上、以下、下側に位置する入口側の濾材12をプレ濾材12a、上側に位置する出口側の濾材12をメイン濾材12bと呼ぶ。
このような構成において、濾過すべき燃料は、インレット103aからハウジング102内の導入空間ISに流入し、螺旋空間SSを通ってキャップ104に至り、プレ濾材12aの一端側からフィルタエレメント11に流入する。そして、プレ濾材12aの内側から外側に抜けて空間部CSに至る。空間部CSに導かれた燃料は、メイン濾材12bの外側から内側に抜け、そのメイン濾材12bの端面から出てフィルタ装置101から流出する。こうして、濾過対象となる燃料は、プレ濾材12aとメイン濾材12bとによって濾過される。
このような燃料の濾過過程において、フィルタエレメント11は、プレ濾材12aとメイン濾材12bとを有することから、優れた異物の濾過効率を発揮する。例えば、プレ濾材12aのダスト補足効率を50%、メイン濾材12bのダスト補足効率を90%に設定したとする。すると、フィルタエレメント11のダスト濾過効率は95%となる。この場合には、燃料に100個の異物が含まれていると想定した場合、プレ濾材12aを通過することで50個の異物が濾過され、残りの50個の異物がメイン濾材12bを通過することで5個となるからである。別の一例として、プレ濾材12aおよびメイン濾材12bとも、ダスト補足効率を90%に設定したとすると、フィルタエレメント11のダスト濾過効率は99%となる。この場合には、燃料に100個の異物が含まれていると想定した場合、プレ濾材12aを通過することで90個の異物が濾過され、残りの10個の異物がメイン濾材12bを通過することで1個となるからである。このように、本実施の形態のフィルタ装置101によれば、一つのフィルタエレメント11にプレ濾材12aとメイン濾材12bとが含まれているので、優れた異物の濾過効率を得ることができる。
このような基本的な濾過装置としての性能の高さのみならず、本実施の形態のフィルタ装置101は、幾つかの別の利点を備えている。以下、これらの利点を紹介する。
一つ目の利点は、組み合わせる濾材12に構造上の制約をもたらさないということである。つまり、一対の濾材12であるプレ濾材12aとメイン濾材12bとは、例えば一方をもう一方に収納するというような構造ではなく、互いに配置上の影響をもたらすことなく配列されている。このため、プレ濾材12aとメイン濾材12bとの濾過面積や濾過効率等を、別個独立して設定することができる。したがって、求める濾過性能を十分に発揮し得るようなプレ濾材12aとメイン濾材12bとの組み合わせが容易であり、設計の容易性および自由度を高めることができる。その結果、初期性能として濾過能力が高く、しかも、濾過時間の長さに応じた目詰まりによる圧力損失が生じにくいフィルタエレメント11およびこれを用いたフィルタ装置101を実現することができる。
二つ目の利点は、装置の小型化を実現することができるということである。つまり、本実施の形態によれば、一対の濾材12であるプレ濾材12aとメイン濾材12bとを単一の仕切プレート17の両面にそれぞれ接合させて固定しているので、一対の濾材12の配列方向の長さ寸法を極限まで詰めることができる。これにより、直列回路を構成しながらも、より小型のフィルタ装置101とすることができる。
装置の小型化を実現することができる理由は、これに留まらない。本実施の形態においては、テーバ形状に形成した一対の濾材12(プレ濾材12a、メイン濾材12b)を互いの小径部分で接続することで、接続後の濾材12にくびれた形状を作り出している。そして、このくびれ部分によって、空間部CSを形成している。これにより、フィルタ装置101の径方向の小型化が実現している。
これに加えて、本実施の形態では、一対の濾材12(プレ濾材12a、メイン濾材12b)に同一形状で同一の大きさのものを用いている。その結果、プレ濾材12aとメイン濾材12bとは、小径側同士と大径側同士とを同一径としている。このため、どの部分でも内径が同一径である直管形状のエレメントハウジング13を用いることができる。また、プレ濾材12aとメイン濾材12bとの小径部分同士を接合固定させる仕切プレート17についても、その表裏面の形状および大きさの共通化を図ることができる。したがって、エレメントハウジング13および仕切プレート17について、部品形状の単純化を図ることができる。
三つ目の利点は、燃料に混入する水分による濾過性能への影響を軽減することができるということである。つまり、燃料に水分が混入している場合、これが濾材12に付着し、濾過効率を低下させることが知られている。これに対して、本実施の形態のフィルタエレメント11では、燃料を最初に濾過するプレ濾材12aの内面が垂直ではなく下方を向いて傾斜配置されている。このため、プレ濾材12aに至った燃料中の水分は、プレ濾材12aから下方に落とされる作用をより強く受ける。この場合、プレ濾材12aに撥水性を持たせることで、このような水分の落下作用がより顕著に発生する。その結果、燃料に混入している水分が濾材12に付着することによる濾過効率の低下が抑制され、濾過効率の向上を図ることができる。
図5は、右半分を断面にしてフィルタエレメント11の別の一例を示す縦断正面図である。図5では、コアレッサCLおよびフィン14を省略してフィルタエレメント11を示している。本例では、燃料の流入側となるプレ濾材12aの方が流出側となるメイン濾材12bよりも軸方向に長く形成されている。これにより、フィルタエレメント11の軸線に対する傾斜角度が、プレ濾材12aとメイン濾材12bとの比較において、プレ濾材12aは小さくメイン濾材12bは大きくなる。このため、プレ濾材12aの内側から空間部CSに流れる燃料の流れの屈曲具合が小さくなってその流れを滑らかにすることができ、また、空間部CSからメイン濾材12bの内側に入り込む燃料の流れの屈曲具合も小さくなってその流れを滑らかにすることができる。したがって、燃料の流れがより円滑になり、フィルタエレメント11で発生する圧力損失をより抑えることができる。
また、図5に例示するフィルタエレメント11では、燃料の流入側となるプレ濾材12aの方が流出側となるメイン濾材12bよりも軸方向に長く形成されているので、プレ濾材12aの濾過面積の方がメイン濾材12bの濾過面積よりも大きく設定されている。そこで、プレ濾材12aとメイン濾材12bとの濾過面積を適宜調節することで、両者のライフのバランスを最適化することが可能となる。つまり、例えば図10(b)、(c)に例示するようなメインフィルタ1とプレフィルタ2とからなるシステムを、燃料の汚染状態が悪い条件下で使用した場合、プレフィルタ2の濾材(図10中には図示せず)の方がメインフィルタ1の濾材(図10中には図示せず)よりも早期に閉塞する。そこで、従来、プレフィルタ2の交換時期をメインフィルタ1の交換時期の半分となるように設定したり、図10(b)、(c)に示すようにプレフィルタ2の濾過面積をメインフィルタ1の濾過面積よりも増やして両者の交換時期を一致させたりするようにしている。これに対して、図5に例示するフィルタエレメント11は、プレ濾材12aの濾過面積の方がメイン濾材12bの濾過面積よりも大きく設定されているのであるから、プレ濾材12aとメイン濾材12bとの濾過面積を適宜調節することで、両者のライフのバランスを最適化することができるわけである。
図6は、右半分を断面にしてフィルタエレメント11の別の一例を示す縦断正面図である。図6では、コアレッサCLおよびフィン14を省略してフィルタエレメント11を示している。本例では、燃料の流入側となるプレ濾材12aよりも流出側となるメイン濾材12bの方が軸方向に長く形成されている。これにより、濾過時間の経過に伴う目詰まりに関して、目詰まりが生ずるまでの時間の長さ、つまり耐用時間を長くすることができる。つまり、プレ濾材12aとメイン濾材12bとを比較した場合、ダスト補足率を高めるためにより目を細かくしたメイン濾材12bの方が目詰まりしやすい。これに対して、本例では、プレ濾材12aとの比較においてメイン濾材12bの方が相対的に大きな濾過面積を有しているため、メイン濾材12b単独で見た場合のみならず、フィルタエレメント11全体として、目詰まりが生ずるまでの時間の長さを長くして、耐用時間が長いフィルタエレメント11を得ることができる。
前述したように、例えば図10(b)、(c)に例示するようなメインフィルタ1とプレフィルタ2とからなるシステムを使用した場合、プレフィルタ2の濾材(図10中には図示せず)の方がメインフィルタ1の濾材(図10中には図示せず)よりも早期に閉塞する。このため、図10(b)、(c)に示すように、プレフィルタ2の濾過面積をメインフィルタ1の濾過面積よりも増やして両者の交換時期を一致させようにしていることは、前述の通りである。これに対して、図6に例示するフィルタエレメント11では、燃料の流入側となるプレ濾材12aよりも流出側となるメイン濾材12bの方が軸方向に長く形成されているので、プレ濾材12aの濾過面積よりもメイン濾材12bの濾過面積の方が大きく設定されてしまう。このため、本例のフィルタエレメント11は、プレ濾材12aの閉塞が殆ど問題とならないような、比較的燃料が清浄な地域向け用として適用することが好適である。
図7は、右半分を断面にしてフィルタエレメント11の更に別の一例を示す縦断正面図である。図7では、コアレッサCLおよびフィン14を省略してフィルタエレメント11を示している。本例では、一対の濾材12であるプレ濾材12aおよびメイン濾材12bとして、共に、外径が均一の円筒形状のものを採用している。その上で、エレメントハウジング13の形状の工夫によってその内部に空間部CSを形成している。つまり、エレメントハウジング13は、一対のキャッププレート19よりも大径に形成されている。これにより、濾材12とエレメントハウジング13との間に自ずと空間部CSが形成されている。このようなフィルタエレメント11は、濾材12としてテーパを付けたような特殊形状のものを用いる必要がないため、採用する濾材12の選択の幅を広げることができる。
図8は、右半分を断面にしてフィルタエレメント11の更に別の一例を示す縦断正面図である。図8では、コアレッサCLおよびフィン14を省略してフィルタエレメント11を示している。本例では、一対の濾材12であるプレ濾材12aおよびメイン濾材12bとして、共に、外径が均一の円筒形状のものを採用している。その上で、エレメントハウジング13の形状上の工夫によってその内部に空間部CSを形成している。つまり、エレメントハウジング13は、一対のキャッププレート19を保持する両端側に対して、中央部分が膨らんだ形状を有している。そして、この膨らんだ中央部分の内部は、一対の濾材12の外周に凹面22を対面させる曲面形状に形成されている。このようなフィルタエレメント11は、図7に示すフィルタエレメントと同様に、濾材12としてテーパを付けたような特殊形状のものを用いる必要がないため、採用する濾材12の選択の幅を広げることができる。また、一対の濾材12の外周に対面する凹面22が曲面形状となっているので、流体である燃料の流れがより円滑になり、フィルタエレメント11で発生する圧力損失を抑えることができる。
図9は、実施の別の一形態である、フィルタエレメント11の右半分を断面にして示すフィルタ装置101の縦断正面図である。本実施の形態では、プレ濾材12aとメイン濾材12bとからなる一対の濾材12が、二組組み合わされてフィルタエレメント11に収納されている。二組の一対の濾材12は、キャッププレート19を共用している。図9中、共用しているキャッププレート19をキャッププレート19Aの符号で示す。フィルタエレメント11は、そのキャッププレート19Aを挟んで上下一対ずつの空間部CSを有している。
このような構成において、濾過すべき燃料は、インレット103aからハウジング102内の導入空間ISに流入し、螺旋空間SSを通ってキャップ104に至り、下方に位置するプレ濾材12a1の一端側からフィルタエレメント11に流入する。そして、そのプレ濾材12a1の内側から外側に抜けて下方に位置する空間部CSに至る。空間部CSに導かれた燃料は、下方に位置するプレ濾材12a2の外側から内側に抜け、プレ濾材12a2の端面からキャッププレート19Aに形成された開口20を介して上方に位置するメイン濾材12b1の内側に至る。そして、そのメイン濾材12b1の内側から外側に抜けて上方に位置する空間部CSに至る。空間部CSに導かれた燃料は、上方に位置するメイン濾材12b2の外側から内側に抜け、フィルタ装置101から流出する。こうして、濾過対象となる燃料は、一対のプレ濾材12a1および12a2からなる一組の濾材12aと、別の一対のメイン濾材12b1および12b2からなるもう一組の濾材12bとによって濾過される。
本実施の形態のような濾材12の多層構造は、様々な種類の濾材12を組み合わせる必要がある場合に、極めて有効な構造である。
11 フィルタエレメント
12 濾材
13 エレメントハウジング
17 仕切プレート
19 キャッププレート
20 開口
22 凹面
102 ハウジング
111 保持機構

Claims (9)

  1. 環状に形成された一対の濾材と、
    前記一対の濾材の一方の端面同士を両面に接合させて固定する仕切プレートと、
    前記一対の濾材のもう一方の端面にそれぞれ接合して固定されており、流体経路となる開口を有する一対のキャッププレートと、
    前記一対のキャッププレートを気密に保持し、一方の前記濾材ともう一方の前記濾材との外周面を前記流体流路となる一つの空間内に配置する筒状のエレメントハウジングと、
    を備えることを特徴とするフィルタエレメント。
  2. 前記一対の濾材は、共に、前記仕切プレート側の方が前記キャッププレート側よりも小径に形成された形状を有し、
    前記エレメントハウジングは、内径が均一の円筒形状を有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタエレメント。
  3. 前記一対の濾材の小径側同士と大径側同士とは同一径に形成されている、ことを特徴とする請求項2または3に記載のフィルタエレメント。
  4. 流体の流入側となる前記濾材の方が流体の流出側となる前記濾材よりも軸方向に長く形成されている、ことを特徴とする請求項2または3に記載のフィルタエレメント。
  5. 流体の流出側となる前記濾材の方が流体の流入側となる前記濾材よりも軸方向に長く形成されている、ことを特徴とする請求項2または3に記載のフィルタエレメント。
  6. 前記一対の濾材は、共に、外径が均一の円筒形状を有し、
    前記エレメントハウジングは、前記キャッププレートを保持する両端側に対して中央部分が膨らんだ形状を有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタエレメント。
  7. 前記エレメントハウジングの膨らんだ中央部分の内部は、一対の前記濾材の外周に凹面を対面させる曲面形状に形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載のフィルタエレメント。
  8. 一方の前記キャッププレートを共用して二組の一対の濾材を連結した、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一に記載のフィルタエレメント。
  9. 筒状のハウジングと、
    前記ハウジング内に収容された請求項1ないし8のいずれか一に記載のフィルタエレメントと、
    前記フィルタエレメントに対する流体の流入側と流出側とを区分けして前記ハウジング内で前記フィルタエレメントを保持する保持機構と、
    を備えるフィルタ装置。
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JP2015169176A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 トヨタ自動車株式会社 オイルフィルター

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