以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠2Aと、外枠2Aの内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠11とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠11に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠11は、ガラス扉枠2の裏面側において外枠2Aに対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、前面枠の裏面側にて機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)と、を含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8a又は8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
演出表示装置9の下部には、第1始動入賞口又は第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する8つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動入賞口又は第2始動入賞口に始動入賞があるごとに、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8a又は8bで可変表示が開始されるごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8a又は8bで可変表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動入賞口又は第2始動入賞口への入賞による始動記憶数に上限数(8個まで)が設けられているが、上限数を8個以上にしてもよい。
演出表示装置9の上部には、各々が識別可能な複数種類の識別情報となる複数の特別図柄を変動可能に表示する可変表示を行い表示結果を導出表示(停止表示)する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8a及び8bが設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8a及び8bは、例えば0〜9の数字を可変表示する簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8a及び8bは、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、演出表示装置9は、特別図柄表示器8a又は8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置15aが設けられ、及び普通入賞球装置15aの真下には、第2始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置15bが設けられている。
普通入賞球装置15aで形成される第1始動入賞口は、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。普通可変入賞球装置15bは、羽根を開閉可能に構成され、羽根が開放しているときに遊技球が入賞し易い状態(開状態)となり、羽根が開放していないとき(閉じているとき)に遊技球が入賞し難い状態(閉状態)となる。尚、普通可変入賞球装置15bの閉状態は、羽根が開放していないとき(閉じているとき)であって、遊技球が入賞しない状態であっても良い。第1始動入賞口に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)によって検出され、第2始動入賞口に入った入賞球は、同様に、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14bによって検出される。なお、普通可変入賞球装置15bは、ソレノイド16によって開状態にされる。
普通可変入賞球装置15bの下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態に制御される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口を開閉する手段である。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ23で検出される。
大入賞口には、カウントスイッチ23が設けられている。このカウントスイッチ23は、例えば、第1始動入賞口及び第2始動入賞口と同様に、近接スイッチで構成されるとして説明するが、これに限定される訳ではなく、フォトセンサを用いてカウントスイッチ13を構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当たりになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、普通可変入賞球装置15bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始されるごとに、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30が設けられ、遊技球の入賞口29,30への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30aによって検出される。各入賞口29,30は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口及び第2始動入賞口や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。なお、各入賞口29,30に入賞した遊技球を入賞スイッチで検出する構成に代えて、遊技球が所定領域(例えばゲート)を通過したことを検出スイッチで検出する構成としてもよい。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。なお、この実施の形態では、遊技機に設けられている発光体をランプやLEDを用いて構成する場合を示しているが、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、遊技機に設けられている発光体を、全てLEDを用いて構成するようにしてもよい。
なお、図1および図2では、図示を省略しているが、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、プリペイドカード(会員カードやビジターカードを含む)が挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。カードユニット50は、プリペイドカード等の遊技用記録媒体に記録されている遊技用価値(プリペイド度数)をパチンコ遊技機1などの遊技機における遊技に使用させるための遊技用価値使用処理(貸出処理)を少なくとも実行可能な遊技用装置となるものであればよい。
カードユニット50には、例えば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニットを解放するためのカードユニット錠が設けられている。なお、カードユニット50は、パチンコ遊技機1とは別体としてパチンコ遊技機1に隣接して設置されているものにかぎらず、パチンコ遊技機1と一体化されていてもよい。また、コイン投入あるいは現金投入に応じて金額に応じた遊技球が貸し出されるものであってもよい。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8aにおいて特別図柄が可変表示(変動)を始め、特図ゲームの実行が開始される。また同様に、遊技球が第2始動入賞口に入り始動口スイッチ14bで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8bにおいて特別図柄が可変表示を始め、特図ゲームの実行が開始される。これらに対し、図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やし、特図ゲームの実行が保留される。
特別図柄表示器8a及び8bにおける特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止することにより、1回の特図ゲームが終了する。停止時の特別図柄(停止図柄あるいは確定特別図柄という)が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行し、小当り図柄であると、所定遊技状態である小当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放は、決定されたラウンド数の最後のラウンドまで(例えば、15ラウンドまで)許容される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、パチンコ遊技機1の仕様に応じて任意に設定可能である。なお、特別図柄表示装置8aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
停止時の特別図柄表示器8a又は8bにおける特別図柄(確定特別図柄)が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りになる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
この実施の形態では、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15R(ラウンド)大当り図柄とし、「5」の数字を示す特別図柄を2R(ラウンド)大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15R大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15R大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態である閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15R大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2R大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2R大当り状態)では、ラウンドにおいて特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15R大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2R大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15R大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。ここで、本実施形態において、第1期間及び第2期間は、閉鎖状態の大入賞口が開放状態となってから再び閉鎖状態となるまでの期間をいい、第2期間は、第1期間よりも短いとして説明した。しかしこれに限定される訳ではなく、第1期間及び第2期間は、それぞれ15R大当り状態及び2R大当り状態において閉鎖状態の大入賞口が開放状態となってから再び閉鎖状態となるまでの期間の総和であって、第2期間の方が第1期間よりも短い構成を採用できる。つまり、15R大当り状態と2R大当り状態とで、各ラウンドにおける大入賞口が開放状態となる期間が同じであっても、2R大当り状態におけるラウンドの繰り返し回数が、15R大当り状態におけるラウンドの繰り返し回数より少ないために、第2期間が第1期間よりも短くなる構成を採用できる。具体例として、15R大当り状態において15回繰り返されるラウンド毎の期間29秒(大入賞口が開放状態となる期間)を総和した435秒間が第1期間であり、2R大当り状態において2回繰り返されるラウンド毎の期間29秒(大入賞口が開放状態となる期間)を総和した58秒が第2期間であり、58秒の第2期間は、435秒の第1期間よりも短い構成を採用できる。なお、2R大当り状態では、ラウンドにおいて大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15R大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2R大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2R大当り状態では、ラウンドにおいて特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
15R大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして時短状態(「低確高ベース状態」ともいう)に制御され、通常状態(「低確低ベース状態」ともいう)に比べて特別図柄や演出図柄の可変表示時間(各図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる図柄が導出表示されるまでの所要時間)が短縮される時短制御(時間短縮制御)が行われる。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として15R大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく15R大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態の終了後に時短状態や通常状態へと制御される15R大当り図柄は、15R非確変図柄(15R通常特図ともいう)と称される。
確変状態や時短状態における時間短縮制御とともに、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置15bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態における時間短縮制御とともに、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、高開放制御が行われることにより、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかであるときに時間短縮制御が行われている期間と同一であればよい。
高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施の形態における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態である。また、確変状態において、高開放制御が行われる高開放制御期間であるときは、高確高ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間でないときは、高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
15R大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして高確率遊技状態である確変状態(「高確高ベース状態」ともいう)に制御され、例えば通常状態に比べて特別図柄や演出図柄の可変表示時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる。確変状態などのような高確率遊技状態では、各特図ゲームや演出図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。この実施の形態では、このような高確率遊技状態が、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。これに対して、高確率遊技状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、高確率遊技状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で高確率遊技状態が終了することがあるようにしてもよい。あるいは、確変状態となった後に、可変表示結果が「大当り」となることなく所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときには、時短制御を終了して特別図柄や演出図柄の可変表示時間を通常状態と同様の可変表示時間に戻す一方で、確変制御は継続して行われるようにしてもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に高確率遊技状態に制御される15R大当り図柄は、15R確変図柄(15R確変特図ともいう)と称される。
2R大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2R大当り状態が終了した後には、確変状態に制御される。確変状態への制御とともに、上記の時短制御が行われても良いし(つまり、「高確高ベース状態」への制御)、特別遊技状態として、例えば特別図柄や演出図柄の可変表示時間は通常状態と同様である一方で、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率遊技状態(「高確低ベース状態」ともいう)に制御されるようにしてもよい。こうした「5」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に高確率遊技状態に制御される2R大当り図柄は、2R確変図柄(2R確変特図ともいう)と称される。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2R大当り状態と同様に特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20が備える開閉板により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2R大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2R大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2R大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置20とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2R大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして特別図柄の変動表示を実行する条件(始動条件)が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。例えば、高確高ベース状態においては、普図変動時間を通常状態のときよりも短くする制御、普図当りとなる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変入賞球装置15の有する可動翼片の傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、及びその傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御が行われる。これに対して、高確低ベース状態においては、普図当りとなる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、普図変動時間を通常状態のときよりも短くする制御、可変入賞球装置15の有する可動翼片の傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、及びその傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御が行われない。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。尚、本実施形態において、遊技機1が後述する突確A大当たり遊技状態に制御された後には、高確高ベース状態に制御され、突確B大当たり遊技状態に制御された後には、高確低ベース状態に制御される。さらに、遊技機1が後述する小当たり遊技状態に制御された後には、小当たり遊技状態に制御される前の状態で引き続き制御される。
特別図柄表示器8a又は8bにより特別図柄を変動表示する特図ゲームが開始されることに対応して、演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにて、演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにて可変表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8種類のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す演出画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の演出図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」の英数字を示す演出図柄のそれぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されていればよい。なお、演出図柄の種類は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示中には、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるような演出図柄のスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、図柄表示エリアのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の図柄表示エリア)において、図柄番号が大きいものから小さいものへと演出図柄のスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。なお、演出図柄のスクロール表示が行われる方向は、上方から下方へと向かうものに限定されず、例えば右側から左側へ、あるいは、左側から右側へと向かう横方向のものや、下方から上方へと向かうものであってもよい。
演出図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、演出図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示画面にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの図柄表示エリア(例えば「中」の図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置9の表示画面に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行されることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置9の表示画面における表示動作のみならず、スピーカ27による音声出力動作や、枠LED28の点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」ともいう)が異なる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15R大当り図柄となる特別図柄のうち15R非確変図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が15R非確変図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「15R非確変」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。こうして「15R非確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15R大当り遊技状態に制御され、その15R大当り状態が終了すると、時短状態あるいは通常状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15R大当り図柄となる特別図柄のうち15R確変図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後、もしくは、大当り種別が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が15R確変図柄となることに対応して、リーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「15R確変」の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として15R確変図柄が停止表示される場合に、演出図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。このように、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示される場合でも、特図ゲームにおける確定特別図柄として15R確変図柄が停止表示されるときは、「15R確変」の可変表示態様に含まれる。こうして「15R確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15R大当り状態に制御され、その15R大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
確定演出図柄が通常大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されてもよい。再抽選演出では、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアの有効ライン上に通常大当り組合せの演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(導出表示)させる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2R大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合、また、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、2回開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定演出図柄の組合せのいずれかが停止表示される。特図ゲームにおける特別図柄が2R確変図柄である「5」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「2R突確」(「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(大当り種別ともいう)と称される。
なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2R大当り図柄や小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2R大当り図柄や小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、2回開放チャンス目とは異なる所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
こうして「2R突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2R大当り状態に制御され、その2R大当り状態が終了すると確変状態に制御されることになる。可変表示結果が「小当り」となった後には、小当り遊技状態に制御されて可変入賞動作が行われた後、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームに対応して、特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)を終了する旨の判定がなされた場合には、小当り遊技状態の終了後に通常状態へと制御される。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について説明する。パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ560等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、VSL(DC30V)、VLP(DC24V)、VDD(DC12V)、VBB(DC5V)およびVCC(DC5V)等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910が設けられている。
図3は、電源基板910に搭載された各種回路等を示している。例えば電源基板910には、変圧回路911と、直流電圧生成回路912と、電源監視回路913と、クリアスイッチ914とが搭載されている。また、電源基板910には、バックアップ電源となるコンデンサが設けられていてもよい。このコンデンサは、例えばVBB(DC5V)の電源ラインから充電されるものであればよい。
変圧回路911は、例えば商用電源が入力側(一次側)に印加されるトランスや、トランスの入力側に設けられた過電圧保護回路としてのバリスタなどを備えて構成されたものであればよい。ここで、変圧回路911が備えるトランスは、商用電源と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであればよい。変圧回路911は、その出力電圧として、AC24Vを生成する。直流電圧生成回路912は、例えばAC24Vを整流素子で整流昇圧することによってVSLを生成する整流平滑回路を含んでいる。VSLは、ソレノイド駆動用の電源電圧として用いられる。また、直流電圧生成回路912は、例えばAC24Vを整流素子で整流することによってVLPを生成する整流回路を含んでいる。VLPは、遊技効果ランプ(例えば装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c)等の発光体を点灯するための電源電圧として用いられる。加えて、直流電圧生成回路912は、例えばVSLに基づいてVDDおよびVCCを生成するDC−DCコンバータを含んでいる。このDC−DCコンバータは、例えば1つ又は複数のスイッチングレギュレータと、そのスイッチングレギュレータの入力側に接続された比較的大容量のコンデンサとを含み、外部からパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VBB等の直流電圧が比較的緩やかに低下するように構成されたものであればよい。VDDは、例えばゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a及び14b、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a、30aといった、遊技媒体を検出する各種スイッチに供給され、これらのスイッチを作動させるために用いられる。
図3に示すように、変圧回路911から出力されたAC24Vは、例えば所定のコネクタや電源ラインを介して、払出制御基板37へと伝送される。VLPは、例えば所定のコネクタや電源ラインを介して、ランプドライバ基板35へと伝送される。VSL、VDD及びVCCは、例えば所定のコネクタや電源ラインを介して、主基板31、ランプドライバ基板35及び払出制御基板37へと伝送される。VBBは、例えば所定のコネクタや電源ラインを介して、主基板31及び払出制御基板37へと伝送される。なお、演出制御基板80及び音声制御基板70には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給されればよい。あるいは、演出制御基板80及び音声制御基板70には、ランプドライバ基板35を経由することなく、電源基板910から直接に各電圧が供給されてもよい。
電源監視回路913は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、電源断信号を出力する電源監視手段を実現する回路である。例えば、電源監視回路913は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧(一例としてVSL)が所定値(一例として+22V)を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、所定電源電圧が所定値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。あるいは、電源監視回路913は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になると、直ちにオン状態の電源断信号を出力するようにしてもよい。電源断信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となりハイレベルとなることでオフ状態となる負論理の電気信号であればよい。電源監視回路913から出力された電源断信号は、例えば電源基板910に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板31や払出制御基板37へと伝送される。なお、電源断信号は、払出制御基板37を介して主基板31へと伝送されるようにしてもよい。
電源断信号を出力するための監視対象となる所定電源電圧は、例えば電源電圧VSLといった、スイッチ作動用の電源電圧VDDにおける規定値(一例として+12V)よりも高い電圧であることが好ましい。これにより、スイッチ作動用の電源電圧VDDが低下して各種スイッチ(例えばゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a及び14b、入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a、30aなど)の動作状態が不安定となる以前に、電源断信号を出力する(オン状態にする)ことで、各種スイッチによる誤検出に基づく遊技制御の進行を防止できる。すなわち、スイッチ作動用の電源電圧VDDが低下すると負論理(ローレベルでオン状態となる)のスイッチ出力がオン状態となるものの、電源電圧VDDよりも早く低下する電源電圧VSLを監視して電力供給の停止を認識することで、スイッチ出力がオン状態となる以前に、電源復旧待ちの状態となってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
電源電圧VSLなどを主基板31、ランプドライバ基板35及び払出制御基板37へと伝送する電源ラインには、大容量のコンデンサが接続されていてもよい。これに対して、電源電圧VSLを監視対象とするために電源監視回路913へと伝送する入力ラインには、このようなコンデンサが接続されていなくてもよい。この場合、監視対象となる電源監視回路913への入力ラインにおける電源電圧VSLは、コンデンサが接続された電源ラインにおける電源電圧VSLより早く低下する。すなわち、監視対象の電源電圧VSLが低下し始めた後でも、所定期間は、ソレノイドやモータなどに供給される電源ラインにおける電源電圧VSLの供給状態が維持される。したがって、監視対象となる電源電圧VSLが低下し始める場合でも、所定期間は、ソレノイドやモータなどを駆動可能な状態とすることができる。また、電源ラインにおける電源電圧VSLが低下し始める前に、電力供給の停止を認識することができる。
なお、ソレノイド駆動用の電源電圧VSLに代えて、例えば発光体点灯用の電源電圧VLPといった、スイッチ作動用の電源電圧VDDにおける規定値よりも高い任意の電源電圧を監視対象として、電源断信号を出力するようにしてもよい。また、外部からパチンコ遊技機1に供給される電力の供給停止を検出するための条件としては、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になったことに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できる任意の条件であればよい。例えば、AC24V等の交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をデジタル化した信号を監視して、デジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことの検出条件としてもよい。
電源監視回路913は、例えば所定電源電圧(一例としてVCC)が所定値(一例として+4.5V)以下になったときに、リセット信号を出力してもよい。リセット信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。電源監視回路913から出力されたリセット信号は、例えば電源基板910に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板31、ランプドライバ基板35及び払出制御基板37へと伝送される。演出制御基板80には、ランプドライバ基板35を経由してリセット信号が伝送されればよい。あるいは、演出制御基板80に対しても、ランプドライバ基板35を経由せずにリセット信号が直接に伝送されるようにしてもよい。さらに、リセット信号を出力する回路は、電源監視回路913とは別個に設けられたウォッチドッグタイマ内蔵IC、あるいはシステムリセットICなどを用いて構成されてもよい。
パチンコ遊技機1への電力供給が停止するときには、電源監視回路913が、電源断信号を出力(ローレベルに設定)してから所定期間が経過したときに、リセット信号を出力(ローレベルに設定)する。ここでの所定期間は、例えば主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560及び払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370が、所定の電源断処理を実行するのに十分な時間であればよい。すなわち、電源監視回路913は、給電中止信号としての電源断信号を出力した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560及び払出制御用マイクロコンピュータ370が所定の電源断処理を実行完了してから、動作停止信号としてのリセット信号を出力(ローレベルに設定)する。電源監視回路913から出力されたリセット信号を受信した遊技制御用マイクロコンピュータ560や払出制御用マイクロコンピュータ370は、動作停止状態となり、各種の制御処理の実行が停止される。また、パチンコ遊技機1への電力供給が開始され、例えば所定電源電圧(一例としてVCC)が所定値(一例として+4.5V)を超えたときに、電源監視回路913はリセット信号の出力を停止(ハイレベルに設定)する。
図4は、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたとき、及び電力供給が停止するときにおける、AC24V、VSL、VCC、リセット信号及び電源断信号の状態を、模式的に示すタイミング図である。図4に示すように、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、VSL及びVCCは徐々に規定値(直流+30V及び直流+5V)に達する。このとき、VCCが第1の所定値を超えると、電源監視回路913はリセット信号の出力を停止(ハイレベルに設定)してオフ状態とする。また、VSLが第2の所定値を超えると、電源監視回路913は電源断信号の出力を停止(ハイレベルに設定)してオフ状態とする。他方、パチンコ遊技機1への電力供給が停止するときに、VSL及びVCCは徐々に低下する。このとき、VSLが第2の所定値にまで低下すると、電源監視回路913は電源断信号をオン状態として出力(ローレベルに設定)する。また、VCCが第1の所定値にまで低下すると、電源監視回路913はリセット信号をオン状態として出力(ローレベルに設定)する。
図3に示す電源基板910が備えるクリアスイッチ914は、例えば、押しボタン構造を有し、押下操作などの所定操作に応じてオン状態となるクリア信号を出力する。クリア信号は、例えば押下操作などの所定操作に応じてローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。あるいは、クリア信号は、例えば押下操作などの所定操作に応じてハイレベルとなることでオン状態となる電気信号であってもよい。クリアスイッチ914から出力されたクリア信号は、例えば所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板31へと伝送され、主基板31から払出制御基板37へと伝送される。また、クリアスイッチ914の操作がなされていないときには、クリア信号の出力を停止(ハイレベルあるいはローレベルに設定)する。なお、クリアスイッチ914は、押しボタン構造以外の他の構成(例えばスライドスイッチ構造やトグルスイッチ構造、ダイヤルスイッチ構造など)であってもよい。
なお、この実施の形態では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施の形態では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチ301によって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチ301は、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図36に示す各種信号、遊技機固有情報、投入時高確率信号、及び各種信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバー(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバーとしてのチップ個別ナンバーなど)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データを読み出して、特図保留メモリといったRAM55の所定領域に乱数値を格納し、特別図柄および演出図柄の変動開始時には格納された乱数値にもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
図6は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、主基板31の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路503は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、例えば図14に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路503とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路503によりCPU56とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU56がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路503により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか、又は可変表示結果を「ハズレ」とするかを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「2R確変大当り」であって、2R大当り状態が終了すると「高確高ベース状態」に制御される「突確A大当り」、または「2R確変大当り」であって、2R大当り状態が終了すると「高確低ベース状態」に制御される「突確B大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置15bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図7は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「15R大当り」となる場合のうち、可変表示態様が「非確変」又は「確変」である場合などに対応して、さらに、可変表示結果が「突確大当り(つまり、2R大当り)」又は「小当り」となる場合のうち、可変表示態様が「チャンス目」である場合とそうでない場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。また、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
図7に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4が、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2が、予め用意されている。可変表示結果が「15R大当り」となる場合に対応した当り変動パターンとしては、変動パターンPA4−1、変動パターンPA4−2、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPA5−1、変動パターンPA5−2、変動パターンPB5−1、変動パターンPB5−2が、予め用意されている。可変表示結果が「2R大当り」となる場合に対応した当り変動パターンと、可変表示結果が「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンとしては、共通の変動パターンである変動パターンPC1−1からPC1−4が、予め用意されている。この構成によれば、変動パターンに基づいて2R大当り遊技状態に制御されるか、小当り遊技状態に制御されるかを遊技者に認識されることを防止できる。
図8は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図7に示す各変動パターンは、図8に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチα又はスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。他の一例として、複数の変動パターンを「擬似連」の可変表示演出の有無や擬似連変動(再変動)の実行回数で分類(グループ化)して、「擬似連」の可変表示演出を実行しない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出にて擬似連変動(再変動)の実行回数を1回とする変動パターンが含まれる変動パターン種別と、「擬似連」の可変表示演出にて擬似連変動(再変動)の実行回数を2回以上とする変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。さらに他の一例として、複数の変動パターンを「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出の有無、あるいは、飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図8に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3が、予め用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3が、予め用意されている。可変表示結果が「突確大当り(つまり、2R大当り)」となる場合及び可変表示結果が「小当り」となる場合に対応して、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−2が、予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されず、また、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮なし」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−1を含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」や「滑り」などの可変表示演出が実行されない「短縮あり」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−2を含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、可変表示態様が「非リーチ」となる場合に「擬似連」や「滑り」の可変表示演出が実行される「滑り、擬似連」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−3及び変動パターンPA1−4を含んでいる。
変動パターン種別CA2−1は、「擬似連」の可変表示演出が実行されずに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連なし」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA2−1及び変動パターンPA2−2を含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、「擬似連」の可変表示演出が実行されて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)擬似連あり」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB2−1及び変動パターンPB2−2を含んでいる。変動パターン種別CA2−3は、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かにかかわらず、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチα又はスーパーリーチβ)を伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2を含んでいる。
変動パターン種別CA3−1は、「擬似連」の可変表示演出が実行されずに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)擬似連なし」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA4−1及び変動パターンPA4−2を含んでいる。変動パターン種別CA3−2は、「擬似連」の可変表示演出が実行されて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)擬似連あり」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB4−1及び変動パターンPB4−2を含んでいる。変動パターン種別CA3−3は、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かにかかわらず、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA5−1、変動パターンPA5−2、変動パターンPB5−1、変動パターンPB5−2を含んでいる。
図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図7に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図9は、ROM54に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否か、「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否か、またはいずれともしないかを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や、「小当り」や、「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、同一の特図表示結果決定テーブル130を参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。なお、図9の特図表示結果決定テーブル130は、「通常状態又は時短状態」の方が、「確変状態」よりも多くの決定値が小当りに割り当てられているが、これに限定される訳ではなく、「通常状態又は時短状態」と、「確変状態」とで同じ量の決定値が小当りに割り当てられても良い。
図10は、ROM54に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を「15R非確変大当り」や「15R確変大当り」、「突確A大当り」や「突確B大当り」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「15R非確変大当り」や「15R確変大当り」、「突確A大当り」や「突確B大当り」などの大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、15R大当り状態に制御するか2R大当り状態に制御するかの決定結果や、15R大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御するか否かの決定結果や、2R大当り遊技状態の終了後における遊技状態を高確高ベース状態に制御するか高確低ベース状態に制御するかの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「15R非確変大当り」又は「15R確変大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、15R大当り状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「突確A大当り」又は「突確B大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、2R大当り状態に制御するとの決定結果に対応する。また、「15R非確変大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御せず時短状態に制御するとの決定結果に対応する一方で、「15R確変大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、高確高ベース状態に制御するとの決定結果を示している。さらに、「突確A大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、高確高ベースに制御するとの決定結果に対応する一方で、「突確B大当り」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、高確低ベースに制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「3」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
この実施の形態では、図10に示す大当り種別決定テーブル131を参照して大当り種別を複数種別のいずれかに決定することにより、大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、確変状態に制御するか否かと、時短状態に制御するか否かとが一括して決定される。なお、これらが一括して決定されるものに限定されず、それぞれが別個に決定されるようにしてもよい。例えば、ラウンド決定用の乱数値を示す数値データなどに基づいて、大当り遊技状態を15R大当り状態や2R大当り状態のいずれかに決定した後、大当り遊技状態の決定結果や確変制御決定用の乱数値を示す数値データなどに基づいて確変状態に制御するか否か、必要に応じて大当り遊技状態の決定結果や時短制御決定用の乱数値を示す数値データなどに基づいて時短状態に制御するか否かが決定されるようにしてもよい。このように、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに代えて、ラウンド決定用の乱数値を示す数値データと、確変制御決定用の乱数値を示す数値データ及び時短制御決定用の乱数値を示す数値データとが用いられてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、確変状態に制御するか否かと、時短状態に制御するか否かとのうち、いずれか一つ以上が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、大当り遊技状態を15R大当り状態や2R大当り状態のいずれとするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、「非確変大当り」とするか「確変大当り」とするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図11は、ROM54に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図11(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図11(B)に示す小当り変動パターン種別決定テーブル132Bと、図12(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Cと、図12(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき複数種別のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「15R非確変」や「15R確変」、「2R確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「15R非確変大当り」であるか「15R確変大当り」であるか「突確A大当り」又は「突確B大当り」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA4−2に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り種別が「15R非確変大当り」や「15R確変大当り」、「2R大当り」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「15R非確変大当り」や「15R確変大当り」、「2R大当り」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
小当り変動パターン種別決定テーブル132Bは、特図表示結果を「小当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき複数種別のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別決定テーブル132Bでは、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aの大当り種別の決定結果「突確A大当り」又は「突確B大当り」(つまり、「2R大当り」)に対応する行と同じ割合で、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2のいずれかに割り当てられている。この構成によれば、変動パターン種別によって2R大当り遊技状態に制御されるか、小当り遊技状態に制御されるかを遊技者に認識されることを防止できる。
尚、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bは、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aの大当り種別の決定結果「突確A大当り」又は「突確B大当り」(つまり、「2R大当り」)に対応する行と同じ割合で、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Cと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Cは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dは、例えば時短状態や確変状態において時間短縮制御(時短制御)が行われているときに、使用テーブルとして選択される。なお、確変状態において時短制御が行われていないときには、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Cが使用テーブルとして選択されればよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dでは、合計保留記憶数としての特図保留記憶数に応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のいずれかに割り当てられている。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか時短状態や確変状態であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。なお、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分があってもよい。これにより、遊技状態が通常状態であるか時短状態や確変状態であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
この実施の形態では、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132C、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dのいずれかを参照することにより、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3や変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のいずれかに決定することができる。ここで、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−3は、図7に示すように、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別である。また、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別である。したがって、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Cやハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短中)132Dを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定することができる。
図13は、ROM54に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、1つ又は複数の変動パターンに割り当てられている。具体的には、図13(A)のハズレ変動パターン決定テーブル133Aは、図12(A)又は図12(B)のハズレ変動パターン種別決定テーブル132C又は132Dを参照して決定された変動パターン種別に応じて、乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。また、図13(B)の当り変動パターン決定テーブル133Bは、図11(A)の大当り変動パターン種別決定テーブル132A又は図11(B)の小当り変動パターン種別決定テーブル132Bを参照して決定された変動パターン種別に応じて、乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路505が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2チャネルのシリアル通信回路505を内蔵しており、払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信を行うことが可能であるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100ともシリアル通信を行うことが可能である。ただし、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100との間のシリアル通信に関しては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータに対してのみ信号が出力され、演出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータ560に対しては信号が出力されない。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータとの間の通信については、シリアル通信で行う構成に限られるわけではなく、パラレル通信で行うように構成してもよい。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMであり、パチンコ遊技機1における各種制御を行う際に発生する変動データを記憶する。したがって、RAM55の一部または全部の内容はすなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)において保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。RAM55に記憶される変動データには、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変状態などの特別遊技状態であるか否かを示すデータが含まれている。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
このようなRAM55には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図14に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図14に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置15aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生することにより第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装器8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データや、普通入賞球装置15bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生することにより第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装器8bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口や第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件や第2始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「8」)に達するまで記憶する。なお、第1始動入賞口への入賞に基づく保留データの記憶数と、第2始動入賞口への入賞に基づく保留データの記憶数の各々について、所定の上限値(例えば「4」)が予め定められていればよい。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データも保留データに含まれ、保留番号と対応付けて特図保留記憶部151Aに記憶される。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞を示す「第1」の始動口データ、あるいは第2始動入賞口への入賞を示す「第2」の始動口データを、各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留データと、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動条件の成立に基づく保留データとを、別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、始動口データを各遊技球の入賞順に従った保留番号と対応付けて記憶する始動口データ記憶部を設けて、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
普図保留記憶部151Bは、ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器10により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球がゲート32を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図30のステップS28や図31に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器10による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために図30のステップS29に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態や確変状態となり時間短縮制御などが開始されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短状態や確変状態における時間短縮制御が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1始動入賞判定カウンタ、第2始動入賞判定カウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、時短回数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路503とは別個に、あるいは、乱数回路503から抽出された数値データを用いて、CPU56がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU56によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU56がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路503における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路503から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
第1始動入賞判定カウンタは、始動口スイッチ14aから伝送される遊技球の検出信号となる第1始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、始動口スイッチ14aからの第1始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、普通入賞球装置15aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第1始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。尚、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化され、その後、第1始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されるまで、第1始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定の実行が規制される構成を採用できる。これらの構成によれば、1つの遊技球による第1始動入賞口に対する進入を、複数の遊技球による第1始動入賞口に対する進入と誤判定することを防止できる。
第2始動入賞判定カウンタは、始動口スイッチ14bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、始動口スイッチ14bからの第2始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、普通入賞球装置15bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第2始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図を用いた特図ゲームに対応する保留データの数である第1特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1特図保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図を用いた特図ゲームに対応する保留データの数である第2特図保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2特図保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2特図保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
時短回数カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、時間短縮制御を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、時短回数カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、大当り種別バッファ値が「0」であるに対応したカウント初期値「100」を示すデータが、時短回数カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態を終了して通常状態へと移行する制御が行われる。なお、確変状態であるときにも特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより、時間短縮制御を終了させるようにしてもよい。この場合には、大当り種別バッファ値にかかわらず、大当り遊技状態が終了するときに、時短回数カウンタにカウント初期値を設定した後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新されればよい。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時間短縮制御を終了させればよい。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板31からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM54における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
始動口バッファには、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに進入した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、始動口スイッチ14aにより第1始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、始動口スイッチ14bにより第2始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示装器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図10に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「15R非確変大当り」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「15R確変大当り」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定され、大当り種別が「突確A大当り」であれば大当り種別バッファ値には「2」が設定され、大当り種別が「突確B大当り」であれば大当り種別バッファ値には「3」が設定される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。電源基板910には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板910には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、VSL(DC30V)やVCC(DC5V)など)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板910に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAM55の内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチ914が操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a及び14b、カウントスイッチ23、および各入賞口スイッチ29a,30aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、電力供給が開始されたときに、RAM55が特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)を示すデータを記憶しているため、パチンコ遊技機1の遊技状態が特別遊技状態に制御されることを示す投入時高確率信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
中継基板77を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置9における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27からの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ28や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図15(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図15(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図15(A)に示す例において、コマンド8001Hは、特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9における9つの各飾り図柄表示エリア5LTなどで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図15(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「小当り」、または「大当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「15R非確変」となる15R非確変大当り、「15R確変」となる15R確変大当り、または「2R確変」となる2R確変大当りのいずれであるかの大当り種別決定結果、さらに、大当り種別決定結果が「2R確変」となる場合において、2R大当り状態が終了すると高確高ベース状態に制御される突確A、または2R大当り状態が終了すると高確低ベース状態に制御される突確Bのいずれであるかの突確種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で、大当り種別が「2R確変」で、突確種別が2R大当り状態終了後に高確高ベース状態に制御される「突確A」である旨の事前決定結果、大当り種別決定結果、及び突確種別決定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「大当り」で、大当り種別が「2R確変」で、突確種別が2R大当り状態終了後に高確低ベース状態に制御される「突確B」である旨の事前決定結果、大当り種別決定結果、及び突確種別決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C05Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第6可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果など(「ハズレ」、「大当り」、または「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別「15R非確変」、「15R確変」、または「2R確変」と、「2R確変」となる場合における突確種別「突確A」、または「突確B」)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、演出表示装置9における3つの可変表示部で飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態が通常状態、確変状態及び時短状態のいずれであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを遊技状態が通常状態である場合に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを遊技状態が確変状態で時短制御や高開放制御が行われる高確高ベース状態に対応した遊技状態指定コマンドとし、コマンド9502Hを遊技状態が確変状態で時短制御や高開放制御が行われない高確低ベース状態(潜伏確変中)に対応した遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを遊技状態が時短状態である場合に対応した遊技状態指定コマンドとすればよい。尚、演出制御用CPU101aは、高確低ベース状態に対応した遊技状態指定コマンドを受信した場合と、低確低ベース状態に対応した遊技状態指定コマンドを受信した場合とで共通の演出を実行する。演出によって遊技機1が低確低ベース状態であるか高確低ベース状態であるかを遊技者に認識されることを防止するためである。
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンドとして、飾り図柄停止コマンドを主基板31から演出制御基板80に対して送信するようにしている。これに対して、飾り図柄停止コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板80の側では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに対応する特図変動時間を特定し、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された特図変動時間に達したときに、主基板31からの演出制御コマンドを受信しなくても、特図ゲームに対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り、小当り、又はハズレなどの事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンドA001Hを15R非確変大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドとし、コマンドA002Hを15R確変大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドとし、コマンドA003Hを突確A大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドとし、コマンドA004Hを突確B大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドとし、コマンドA005Hを小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンドとする。尚、当り開始指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかや、大入賞口が開放状態となった回数(ラウンドの実行回数)に応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドB1XXHは、普通入賞球装置15aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が始動口スイッチ14aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB2XXHは、普通可変入賞球装置15bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が始動口スイッチ14bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。
例えば図15(C)に示すように、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、可変表示結果を「当り」(つまり、「大当り」又は「小当り」)とするか否かの決定に用いる所定の決定用数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)と、可変表示結果が「当り」に対応した決定値(例えば特図表示結果決定テーブル130にて「大当り」又は「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値)とに基づき、可変表示結果が「当り」となる判定がなされたか否かに応じて、異なるEXTデータが設定される。また、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、大当り種別を「15R大当り」とするか、又は「2R大当り(つまり、突確大当り)」とするかの決定に用いる所定の決定用数値(例えば大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ)と、可変表示結果が「突確」(つまり、「突確A」又は「突確B」)に対応した決定値(例えば大当り種別決定テーブル131にて「突確A」又は「突確B」の大当り種別に割り当てられた決定値)とに基づき、可変表示結果が「突確大当り」となる判定がなされたか否かに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB100HやコマンドB200Hは、可変表示結果が「当り」の判定がなされなかった(「大当り」及び「小当り」のいずれにも判定がなされなかった)ことを通知する。これに対して、コマンドB101HやコマンドB201Hは、可変表示結果が「大当り」の判定がなされ、かつ大当り種別が「15R大当り」の判定がなされたことを通知する。同様に、コマンドB102HやコマンドB202Hは、可変表示結果が「大当り」の判定がなされ、かつ大当り種別が「2R大当り(突確大当り)」の判定がなされたことを通知する。さらに、コマンドB103HやコマンドB203Hは、可変表示結果が「小当り」の判定がなされたことを通知する。
また、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、所定の可変表示決定用数値(例えば変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ)と、特定変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)に対応した決定値(例えば特定パターン共通範囲に含まれる決定値)とに基づき、特定変動パターンとなる判定がなされたか否かに応じて、異なるEXTデータが設定される。尚、特定パターン共通範囲とは、通常時であるか時短中であるか、及び特図留保記憶数によって、変動パターンが「スーパーリーチ」に決定される乱数値MR3の範囲が異なる場合であっても、通常時であるか否か、時短中であるか否か、及び特図留保記憶数が幾つであるかに関わらず、変動パターンが「スーパーリーチ」に決定される乱数値MR3の範囲をいう。
コマンドC0XXHは、演出表示装置9にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する特図保留記憶数通知コマンドである。特図保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことや、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立して特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。特図保留記憶数通知コマンドでは、例えば図14に示す特図保留記憶部151Aにおける保留データの総記憶数(例えば「0」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板80の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときや、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立して特図ゲームの実行が開始されるときなどに、主基板31から伝送された特図保留記憶数通知コマンドを受信して、特図保留記憶部151Aにおける保留データの総記憶数(可変表示の合計保留記憶数)を特定することができる。
図16は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図16に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101a、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAM101cを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAM101cは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM101cは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するシリアル通信回路101bを内蔵している。また、演出制御用CPU101aは、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と協働して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101aは、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101aの指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU101aは、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101aは、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ここで、パチンコ遊技機1における演出モードの移行例を説明する。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9やスピーカ27などにおける演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。図17は、演出モードの移行例を説明するための図である。この実施の形態では、図17に示すように、モードA、モードB、モードC、モードD、モードNという、4つの演出モードが設けられている。これらの演出モードは、大当り遊技状態が終了したときや、小当り遊技状態が終了したときに、終了した遊技状態に応じて切り替わる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の演出モードが設けられてもよい。
モードNは、ノーマルモードともいい、いずれの演出モードにも移行していないとき、即ち電源投入後にクリアスイッチ914による操作が行われた場合などの演出モードはこのモードNとなる。図17に示すように、このモードNにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変大当り」である場合、及び可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A大当り」である場合には、大当り遊技状態の終了後にモードAの演出モード(確変モード)に移行する。さらに、モードNにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B大当り」である場合には、大当り遊技状態の終了後にモードNの演出モードからモードB、C、及びDいずれかのモード(潜伏モード)へ移行する。また、モードNにおいて、可変表示結果が「小当り」である場合にも、小当り遊技状態の終了後にモードNの演出モードからモードB、C、及びDいずれかのモードへ移行する。ここで、大当り種別が突確B大当りである場合には、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に制御される。これに対して、小当り遊技状態の終了後には、可変表示結果が小当りとなる以前の遊技状態に継続して制御される。つまり、モードB、C、及びDでは、確変状態に制御されているときと通常遊技状態に制御されているときとで共通の演出が実行される。
モードAにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変大当たり」又は「突確A大当り」である場合には、大当り遊技状態の終了後に演出モードを変更しない(モードAからモードAへ移行する)。また、モードAにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変大当り」の場合にはモードNの演出モードに移行する。さらに、モードAにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B大当り」の場合は、大当り遊技状態の終了後にモードAの演出モードからモードB、C、及びDいずれかのモードへ移行する。また、モードAにおいて、可変表示結果が「小当り」である場合にも、小当り遊技状態の終了後にモードAの演出モードからモードB、C、及びDいずれかのモードへ移行する。尚、モードAにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B大当り」である場合、又は可変表示結果が「小当り」である場合には、モードAからモードBからDのいずれにも移行しない(モードAからモードAへ移行する)としても良い。モードAの演出が実行されたことにより遊技機が高確率状態にあることが報知された後に、小当り状態が終了すると、高確率状態に継続して制御されることが遊技者に認識されるためである。つまり、高確率状態であることを報知するモードAから、小当り遊技状態又は2R大当り遊技状態の終了後に、確変状態と通常遊技状態とで共通の演出が実行されるモードBからDへ移行しても、遊技者は、遊技機が確変状態にあることを認識できるので、目的を達成しない無駄な演出の移行を防止できる。
モードB、C、及びDいずれかにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変大当り」である場合、及び可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確A大当り」である場合には、大当り遊技状態の終了後にモードAの演出モード(確変モード)に移行する。モードB、C、及びDいずれかにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R非確変大当り」の場合にはモードNの演出モードに移行する。モードB、C、及びDいずれかにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確B大当り」の場合は、大当り遊技状態の終了後にモードB、C、及びDの間でモードを移行するか、又はモードを移行しない(同じモード間で移行する)。また、モードB、C、及びDいずれかにおいて、可変表示結果が「小当り」である場合にも、小当り遊技状態の終了後にモードB、C、及びDの間でモードを移行するか、又はモードを移行しない(同じモード間で移行する)。
図18は、各演出モードにおける背景の一例を示した図である。図18(A)は、モードNにおける背景を示している。モードN(ノーマルモード)では、図18(A)に示すように背景に画像が表示されない。図18(B)は、モードAにおける背景を示している。モードAでは、図18(B)に示すように海の画像が表示される。図18(C)は、モードBにおける背景を示している。モードBでは、図18(C)に示すように朝日が昇る山の画像が表示される。図18(D)は、モードCにおける背景を示している。モードCでは、図18(D)に示すように昼の山の画像が表示される。図18(E)は、モードDにおける背景を示している。モードDでは、図18(E)に示すように宇宙の画像が表示される。このように、各演出モードは背景画像によって区別される。これ以外に各演出モードに対応した演出図柄やキャラクタ画像の一方または双方を表示させるなどして、各演出モードを区別してもよい。また、各演出モードに応じて、演出図柄の可変表示中にスピーカ27から出力される効果音を異ならせるなどして、各演出モードを区別してもよい。
演出制御基板80では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。図19は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図19に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、モード移行先決定用の乱数値SR1を示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる最終停止図柄決定用の乱数値を示す数値データなどが、カウント可能に制御されてもよい。
モード移行先決定用の乱数値SR1は、演出モードの移行先をどの演出モードとするかを決定するために用いられる乱数値である。一例として、連続演出実行決定用の乱数値SR1は「1」〜「100」の範囲の値をとる。
演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた演出制御用ROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、演出制御用ROMには、演出制御用CPU110aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
図20(A)は、演出用ROMに記憶されるテーブルデータで構成される突確・小当り後移行先決定テーブルの構成例を示している。図20(A)に示す突確・小当り後移行先決定テーブルは、2R大当り状態又は小当り遊技状態が終了したときに演出モードを移行させる移行先を決定するために参照されるテーブルである。突確・小当り後移行先決定テーブルでは、入賞時判定結果バッファ200の記憶内容をチェックした結果(入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果)と、演出モードの移行先を決定するときに終了した遊技状態のチェック結果(終了遊技状態チェック結果)とに応じて、モード移行先決定用の乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、移行先の演出モードAからDのいずれかに対して割り当てられている。入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果としては、入賞時判定結果バッファに2R大当り状態に制御すると決定される保留記憶情報及び入賞時判定結果バッファに小当り遊技状態に制御すると決定される保留記憶情報の双方が含まれない「保留中に突確・小当りなし」の判定結果と、2R大当り状態に制御すると決定される保留記憶情報及び入賞時判定結果バッファに小当り遊技状態に制御すると決定される保留記憶情報のいずれか1つ以上が含まれる「保留中に突確・小当りあり」の判定結果と、2R大当り状態に制御すると決定される保留記憶情報が含まれる「保留中に突確あり」の判定結果と、小当り遊技状態に制御すると決定される保留記憶情報が含まれる「保留中に小当りあり」の判定結果とがある。また、終了遊技状態チェック結果としては、終了した遊技状態が2R大当り状態であって、2R大当り状態の後の遊技状態が高確高ベース状態となる「突確A」と、終了した遊技状態が2R大当り状態であって、2R大当り状態の後の遊技状態が高確低ベース状態となる、又は終了した遊技状態が確変状態から制御された小当り遊技状態である(このため、小当り遊技状態の後に確変状態で引き続き制御され続ける)「突確B・確変時小当り」と、終了した遊技状態が通常遊技状態から制御された小当り遊技状態である(このため、小当り遊技状態の後に通常遊技状態で引き続き制御され続ける)「確変時小当り」と、がある。
図20(A)に示す突確・小当り後移行先決定テーブルの設定例では、終了遊技状態チェック結果に応じて、演出モードの移行先がモードAからDに決定される割合が異なるように、決定値が割り当てられている部分がある。例えば、突確・小当り後移行先決定テーブルの設定例としては、終了遊技状態チェック結果が「突確B・確変時小当り」である場合に、「通常時小当り」である場合よりも多くの決定値が「モードB」に割り当てられ、「通常時小当り」である場合よりも少ない決定値が「モードD」に割り当てられている。したがって、2R大当り状態又は小当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御されているときと通常遊技状態に制御されているときとで共通の演出が実行されるので、遊技者は、演出によって遊技状態が確変状態であるか否かを判断することができないが、モードBに演出モードが移行したときには、モードC又はDに移行した場合と比べて確変状態に制御されている可能性が高くなる(信頼度が高いともいう)ので、確変状態に対する遊技者の期待感が高められる。これに対して、モードDに演出モードが移行したときには、モードB又はCに移行した場合と比べて確変状態に制御されている可能性が低くなるので、確変状態に対する遊技者の期待感を高め難い。
また、終了遊技状態チェック結果「突確A」に対して、「モードA」にのみ決定値が割り当てられている。このため、遊技機1は、演出モードがモードAに移行することで確変状態にあることを遊技者へ報知する。ここで、遊技機1は、モード移行先を決定するときに突確A大当り状態が終了すると、終了後に高ベース状態となる。このため、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普図変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、普通可変入賞球装置15bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御が行われる。これらの制御により、突確A大当り遊技状態が終了すると、始動領域が遊技球の入賞しやすい状態となる割合が突確A大当り遊技状態に制御される前の割合よりも高まる。これに対して、遊技機1は、小当り状態が終了すると、小当り状態に制御される前の遊技状態に引き続き制御される。このため、小当り状態が終了しても、始動領域が遊技球の入賞しやすい状態となる割合は、小当り状態に制御される前の割合から変化しない。つまり、突確A大当り遊技状態が終了すると、始動領域が遊技球の入賞しやすい状態となる割合の変化に着目すれば、演出によらなくとも遊技状態が特別遊技状態(例えば、高確率状態)であることが遊技者に容易に認識される。このため、これらの構成によれば、遊技状態を高ベース状態に切り替える場合には、特別遊技状態に制御されているときと通常遊技状態に制御されているときとで共通の演出が実行される所定の演出モードBからDに移行しないので、目的を達成しない無駄な演出の実行を防止できる。
また、終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」である場合において、入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に突確・小当りなし」である場合には、終了遊技状態チェック結果が「突確B・確変時小当り」であり、かつ入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に突確・小当りなし」である場合よりも、「モードD」に対してより多くの決定値が割り当てられているので、演出モードの移行先がモードBよりも信頼度の低いモードDに決定される可能性が高い。
また、終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」である場合において、入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に小当りあり」である場合には、終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」であり、かつ入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に突確・小当りなし」である場合よりも、「モードD」に対してより多くの決定値が割り当てられているので、演出モードの移行先がモードBよりも信頼度の低いモードDに決定される可能性が高い。
さらに、終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」である場合において、入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に小当りあり」である場合には、終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」であり、かつ入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「突確あり」である場合よりも、「モードD」に対してより多くの決定値が割り当てられているので、演出モードの移行先がモードBよりも信頼度の低いモードDに決定される可能性が高い。また、この場合(つまり、終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」である場合において、入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に小当りあり」である場合)には、「モードB」よりも「モードD」に多くの決定値が割り当てられているので、信頼度の低いモードDに決定される可能性が高い。ここで、終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」であり、かつ入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に小当りあり」である場合に決定されたモードDへ演出モードが移行した後に、入賞時判定結果バッファに記憶された内容に基づいて制御された小当り遊技状態が終了するときの終了遊技状態チェック結果は、「通常時小当り」となる。このときに、入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に突確あり」とならない限り、演出モードの移行先がモードBよりもモードD(又はモードC)と決定される可能性が高い。したがって、これらの構成によれば、小当り遊技状態の終了時にて、遊技者の特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)に対する期待感を高め難い演出を行う演出モードDから同じ演出モードDへ移行する可能性が高いので、遊技者の特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)に対する期待感を高める演出を行う演出モードBから期待感を高め難い演出を行う演出モードDへ移行するような、高められた遊技者の期待感を一気に低下させしまう演出モードの移行を防止できる。
またさらに、終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」である場合において、入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に突確あり」である場合には、「モードD」よりも「モードB」に多くの決定値が割り当てられているので、演出モードの移行先がモードDよりも信頼度の高いモードBに決定される可能性が高い。終了遊技状態チェック結果が「通常時小当り」であり、かつ入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に突確あり」である場合に決定されたモードBに演出モードが移行した後に、入賞時判定結果バッファに記憶された内容に基づいて制御された2R大当り状態が終了するときの終了遊技状態チェック結果は、「突確A」又は「突確B・確変時小当り」となる。このときに、演出モードの移行先は、確変状態を報知するモードAに決定される、又は信頼度がモードC又はDよりも高いモードBに決定される可能性が高い。したがって、これらの構成によれば、小当り遊技状態の終了時にて、遊技者の特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)に対する期待感を高める演出を行う演出モードBから演出モードB又は確変状態を報知するモードAへ移行するような、遊技者の期待感を高めたまま演出モードの移行を行うことができる。
さらに、終了遊技状態チェック結果が「突確B・確変時小当り」である場合において、入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に突確・小当りあり」である場合には、「モードD」よりも「モードB」に多くの決定値が割り当てられているので、演出モードの移行先がモードDよりも信頼度の高いモードBに決定される可能性が高い。終了遊技状態チェック結果が「突確B・確変時小当り」であり、かつ入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果が「保留中に突確・小当りあり」である場合に決定されたモードBに演出モードが移行した後に、入賞時判定結果バッファに記憶された内容に基づいて制御された2R大当り状態又は小当り遊技状態が終了するときは高確率状態であるので、このときの終了遊技状態チェック結果は、「突確A」又は「突確B・確変時小当り」となる。このときに、演出モードの移行先は、確変状態を報知するモードAに決定される、又は信頼度がモードC又はDよりも高いモードBに決定される可能性が高い。したがって、これらの構成によれば、小当り遊技状態の終了時にて、遊技者の特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)に対する期待感を高める演出を行う演出モードBから演出モードB又は確変状態を報知するモードAへ移行するような、遊技者の期待感を高めたまま演出モードの移行を行うことができる。
尚、図20(A)の突確・小当り後移行先決定テーブルは、さらに、入賞時判定結果バッファに記憶された2R大当り状態に制御すると決定される保留記憶情報の数、及び入賞時判定結果バッファに記憶された小当り遊技状態に制御すると決定される保留記憶情報の数のいずれか1つ以上に応じて、モード移行先決定用の乱数値SR1と比較される数値(決定値)が演出モードAからDに対して割り当てられていても良い。具体的には、突確・小当り後移行先決定テーブルは、入賞時判定結果バッファ記憶内容チェック結果と、終了遊技状態チェック結果とだけに応じて乱数値SR1が割り当てられるだけでなく、入賞時判定結果バッファに記憶された2R大当り状態に制御すると決定される保留記憶情報の数が多い程、演出モードAに割り当てられる乱数値SR1が多くなる構成を採用できる。また、入賞時判定結果バッファに記憶された2R大当り状態に制御すると決定される保留記憶情報の数と小当り状態に制御すると決定される保留記憶情報の数の和が多い程、演出モードAに割り当てられる乱数値SR1が多くなる構成を採用しても良い。これらの構成によれば、2R大当り状態に制御すると決定される保留記憶情報の数及び小当り状態に制御すると決定される保留記憶情報の数のいずれか1つ以上が多くなる程、遊技者の特別遊技状態(例えば、高確率状態)に対する期待感を高める演出を行う演出モードの間で移行を繰り返す確率が高くなるため、期待感を高める演出を行う演出モード期待感を高め難い演出を行う演出モードへ移行するような、高められた遊技者の期待感を一気に低下させしまう演出モードの移行を防止できる。
図20(B)は、演出用ROMに記憶されるテーブルデータで構成される15R大当り後移行先決定テーブルの構成例を示している。図20(B)に示す15R大当り後移行先決定テーブルは、大当り種別が15R確変大当り(確率変動)又は、15R非確変大当り(時短)である場合に大当り遊技状態が終了したときに演出モードを移行させる移行先を決定するために参照されるテーブルである。15R大当り後移行先決定テーブルは、大当り種別「15R確変大当り(確率変動)」の場合に大当り遊技状態が終了するとモードAの演出モードに移行すること、及び大当り種別「15R非確変大当り(時短)」の場合に大当り遊技状態が終了するとモードNの演出モードに移行することを表す。尚、15R大当り後移行先決定テーブルは、大当り種別「15R非確変大当り(時短)」の場合に大当り遊技状態が終了するとモードNの演出モードとは異なるモードMへ移行することを表す構成を採用できる。この構成において、遊技機1は、モードMへ移行した後に、高ベース状態を終了すると、モードMからモードNの演出モードへ移行する。
演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた演出制御用ROMには、モードA、モードB、モードC、モードD、モードNといった複数種類の演出モードに対応して、図21(A)に示すような演出制御パターンテーブル250A〜250Eを構成するテーブルデータが記憶されている。また、演出制御用ROMには、図21(B)に示すようなモード移行演出制御パターンテーブル251などを構成するテーブルデータが記憶されている。モード移行演出制御パターンテーブル251には、モード移行に伴って実行されるモード移行演出などにおける、各種の演出制御の内容を示すデータが、モード移行演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。その他にも、演出制御用ROMには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間などにおける、各種の演出制御の内容を示すデータが各種演出制御パターンとして複数種類格納された各種演出制御パターンテーブルなどが形成されていてもよい。
図21(A)に示す演出制御パターンテーブル250A〜250Eには、パチンコ遊技機1における演出モードが複数のモードA、モードB、モードC、モードD、モードNのいずれであるかに応じて、互いに演出態様が異なる各種の演出動作の制御内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、演出制御パターンテーブル250A〜250Eのそれぞれには、図柄変動制御パターンテーブルと、予告演出制御パターンテーブルとが含まれていればよい。
図柄変動制御パターンテーブルには、複数の変動パターン等に対応して、演出図柄の可変表示が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄を停止表示(導出表示)するまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の可変表示動作や、リーチ演出における演出表示動作、「擬似連」や「滑り」といった可変表示演出における演出図柄の表示動作といった、各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されていればよい。予告演出制御パターンテーブルには、予め複数用意された予告パターン等に対応して、予告演出における演出動作の制御内容を示すデータが、予告演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。なお、演出制御パターンテーブル250A〜250Eは、複数種類の演出制御パターンを構成するパターンデータの記憶アドレスを管理するアドレス管理テーブルとしてもよい。この場合、演出制御用ROMにおいて、各演出制御パターンテーブル250A〜250Eを構成するテーブルデータが所定の記憶領域に記憶され、この記憶領域とは別の領域に、個々の演出制御パターンを構成するパターンデータが記憶されればよい。
図22は、演出制御パターンの構成例を示している。図柄変動制御パターンや予告演出制御パターン、モード移行演出制御パターンテーブル251に格納されたモード移行演出制御パターン、あるいは各種演出制御パターンといった、各種の演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域7の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ100において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば演出図柄の可変表示中における各演出図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば装飾ランプ25や天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、所定の操作ボタンといった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図22(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用マイクロコンピュータ100において、演出制御用CPU101aは演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される期間において検出された操作部に対する操作に基づいて演出動作を変化させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101aは、例えば演出図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、演出制御用ROMから読み出して演出制御用RAMの所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータの演出制御用ROMにおける記憶アドレスを、演出制御用RAMの所定領域に一時記憶させて、演出制御用ROMにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU101aは、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、装飾ランプ25などの発光体等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ100からVDP109やランプドライバ基板35や音声出力基板70などに対して出力される。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプであるLEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ752を介して音声合成用IC753に入力される。音声合成用IC753は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路755に出力する。増幅回路755は、音声合成用IC753の出力レベルを、ボリューム756で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM754には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図16に示す演出制御基板80に搭載されたRAM101cには、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図23(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図23(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、例えば演出制御バッファ設定部194などに、図23(B)に示すような入賞時判定結果バッファ200が設けられている。入賞時判定結果バッファ200には、主基板31から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容などが記憶される。一例として、入賞時判定結果バッファ200は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信した順(遊技球の検出順)に記憶番号と関連付けて、「特定パターン共通範囲外」、「特定パターン共通範囲内」、「入賞時当り判定」といった通知内容や、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口情報などを、保留記憶情報として記憶する。
図24は、主基板31における回路構成および主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示すブロック図である。図24に示すように、この実施の形態では、主基板31が搭載する遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御信号送信用の1本の信号線を用いて、演出制御コマンド(演出制御信号)を演出制御基板80に送信する。
主基板31には、図24に示すように、始動口スイッチ14a及び14bからの配線が接続されている。また、主基板31には、大入賞口である特別可変入賞球装置20や、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各種スイッチ29a,30aからの配線も接続されている。さらに、主基板31には、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21への配線が接続されている。
主基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ560、入力ドライバ回路58および出力回路59を搭載する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クロック回路501、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ502、乱数回路503a,503b、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、プログラムに従って動作するCPU56、CPU56に割込要求信号(タイマ割込による割込要求信号)を送出するCTC504、払出制御基板37や演出制御基板80が備えるマイクロコンピュータと非同期シリアル通信を行うシリアル通信回路505、パチンコ遊技機1の製品ごとに、あるいは遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品(各チップ)ごとに、予め個別に付与された遊技機固有情報に含まれるチップ個別ナンバー等を記憶するチップ個別ナンバーレジスタ506およびI/Oポート部57を内蔵する。
なお、この実施の形態では、シリアル通信回路505を内蔵するマイクロコンピュータを搭載した基板(例えば、主基板31)とは異なる基板(例えば、払出制御基板37や演出制御基板80)のマイクロコンピュータとの通信にシリアル通信回路505を用いる場合を説明するが、シリアル通信回路505は、シリアル通信回路505を内蔵するマイクロコンピュータを搭載した基板が備える別のマイクロコンピュータとシリアル通信を行ってもよい。例えば、同じ構成の2つのマイクロコンピュータが同じ基板に搭載されている場合に、各マイクロコンピュータが内蔵するシリアル通信回路が相互にシリアル通信を行ってもよい。
クロック回路501は、システムクロック信号を27(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路503a,503bに出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路503a,503bに所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、この実施の形態では、図24に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路503a,503bを搭載する。乱数回路503aは、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路503aは、12ビットで発生できる範囲(すなわち、0から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、乱数回路503bは、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路503bは、16ビットで発生できる範囲(すなわち、0から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bを包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとのうちいずれかを指す場合に、乱数回路503という。
この実施の形態において使用される遊技機固有情報の構成例は、チップ個別ナンバーレジスタ506に記憶されたチップ個別ナンバーの他に、例えばパチンコ遊技機1の製造業者ごとに予め付与されたメーカーコードと、パチンコ遊技機1の型式ごとに予め付与された型式名コードとが、遊技機固有情報に含められて使用される。メーカーコードは、データ長(バイト数)が3バイトのアスキーデータであり、例えばROM54のプログラム管理エリアに記憶されている。チップ個別ナンバーは、データ長(バイト数)が4バイトの16進データであり、チップ個別ナンバーレジスタ506に記憶されている。型式名コードは、データ長(バイト数)が32バイトのアスキーデータであり、例えばROM54のプログラムデータエリアに記憶されている。なお、型式名が32バイト以下のデータで示される場合には、例えば16進データの「20H」(添字Hは16進数であることを示す)を不足バイト数だけ末尾に付加することにより、型式コードの全体ではデータ長が32バイトとなるように調整すればよい。
チップ個別ナンバーは、チップ個別ナンバーレジスタ506に一旦記憶された後、このチップ個別ナンバーレジスタ506が物理的に破壊等されない限り、消去されることがないものであればよい。チップ個別ナンバーレジスタ506は、ROM54とは別個の構成として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵された専用の回路であってもよい。あるいは、ROM54の所定領域にチップ個別ナンバーを記憶させることにより、チップ個別ナンバーレジスタ506として機能させてもよい。ROM54にチップ個別ナンバーを記憶させた場合でも、一旦記憶された後には消去されることがない。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56により、ROM54やチップ個別ナンバーレジスタ506などから読み出した遊技機固有情報を、1ビットずつ遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおける所定ビットにセットする。すなわち、CPU56がソフトウェアにより遊技機固有情報をシリアル信号方式で遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートから出力させる。なお、CPU56がソフトウェアにより遊技機固有情報をシリアル信号方式で遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートから出力させるものにかぎられない。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアとしてのシリアル出力回路(例えばシフトレジスタなど)により、パラレルデータとして読み出された遊技機固有情報をシリアルデータに変換して、ターミナル基板160へと伝送させてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、ROM54のプログラム管理エリアに記憶されたメーカーコード、チップ個別ナンバーレジスタ506に記憶されたチップ個別ナンバー、及び、ROM54のプログラムデータエリアに記憶された型式名コードを、所定バイト数(例えば1バイト)単位でパラレルデータとして順次に読み出し、読出データをシリアル出力回路に供給する。シリアル出力回路は、供給された遊技機固有情報の読出データを所定バイト数(例えば1バイト)単位でパラレルデータからシリアルデータに変換して順次に出力する。
なお、遊技機固有情報をシリアルデータに変換するシリアル出力回路は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されるものに限定されず、主基板31上にて遊技制御用マイクロコンピュータ560に外付けされたものであってもよい。あるいは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおいて所定バイト数(例えば1バイト)単位で遊技機固有情報をパラレルデータとして出力する複数のビットを割り当て、主基板31とターミナル基板160との間では、遊技機固有情報がパラレルデータとして伝送されるようにしてもよい。この場合には、例えばターミナル基板160上にシリアル出力回路を設けて、遊技機固有情報をパラレルデータからシリアルデータに変換してから、外部装置へと出力できるようにしてもよい。あるいは、ターミナル基板160上にシリアル出力回路を設けることなく、遊技機固有情報をパラレルデータとして外部装置へと出力できるようにしてもよい。
ここで、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードの全体について、所定順序でパラレルデータからシリアルデータに変換する1つのシリアル出力回路を設けてもよいし、メーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードを、それぞれ個別にパラレルデータからシリアルデータに変換して出力する複数のシリアル出力回路を設けるようにしてもよい。この場合、各シリアル出力回路からの出力データを順次に組み合わせて、遊技機固有情報が遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおける単一のビットからシリアル信号として出力されてもよいし、各シリアル出力回路からの出力データを個別のシリアル信号として、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードが、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおける複数のビットからシリアル信号として個別に出力されるようにしてもよい。
遊技機固有情報は、主基板31またはターミナル基板160の基板上における配線パターンや、基板外での配線結合、あるいは所定のICチップ内での配線やバス構成などのうち、いずれかを用いたハードウェア構成により複数に分岐された後に、複数の外部装置に対して出力されてもよい。所定バイト数(例えば1バイト)単位で読み出された遊技機固有情報がシリアル出力回路に供給されて所定バイト数(例えば1バイト)単位のシリアル信号方式で出力されること、シリアル出力回路が遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵または外付けされること、及び、遊技機固有情報がハードウェア構成により複数に分岐された後に出力されることのうち、一部または全部を含む構成を用いて、遊技機固有情報が外部装置へと出力されるようにしてもよい。
遊技機固有情報は、メーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードの全部を含む情報であってもよいし、少なくともチップ個別ナンバーといった、遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品(各チップ)ごとに異なるIDナンバー等を含む情報であってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品(各チップ)ごとに異なるチップ個別ナンバーとともに、あるいはチップ個別ナンバーに代えて、パチンコ遊技機1の各製品ごとに予め個別に付与された製品管理ナンバー(識別番号)などを、遊技機固有情報として使用してもよい。
次に、シリアル通信回路505の構成について説明する。シリアル通信回路505は、全二重方式、非同期方式および標準NRZ(ノンリターンゼロ)符号化を用いたデータフォーマットで、各制御基板(例えば、払出制御基板37や演出制御基板80)のマイクロコンピュータとシリアル通信を行う。シリアル通信回路505は、各制御基板のマイクロコンピュータに各種データ(例えば、賞球個数コマンドや演出制御コマンド)を送信する送信部と、各制御基板のマイクロコンピュータからの各種データ(例えば、賞球ACKコマンド)を受信する受信部とを含む。
図25は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図25に示すように、出力ポート0からは、例えば、払出制御基板37に送信される払出制御信号、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号等の各種信号が、出力ポート0から出力される。さらに、出力ポート0から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、投入時高確率信号が出力される。投入時高確率信号は、パチンコ遊技機1における制御に関わる各種情報出力用信号に含まれ、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、所定の初期化処理が実行されていないことに加えて確変状態であることを示すデータがRAM55の所定領域(例えば確変フラグを記憶するバックアップ領域など)に記憶されていることなどに基づいて、状態出力信号として出力される。
なお、図25に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよい。一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート0や出力ポート1から、ターミナル基板160を介し、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に向けて、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、投入時高確率信号及び各種信号)の出力データが出力される。
この実施の形態では、遊技機固有情報を示すシリアル信号に対して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポート1における単一のビット2のみが割り当てられている。したがって、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードは、すべて出力ポート1のビット2から出力されることになる。これに対して、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードに対して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおける複数のビットを別個に割り当てるようにしてもよい。この場合、遊技機固有情報に含まれるメーカーコードと、チップ個別ナンバーと、型式名コードとが、それぞれシリアル信号として遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおける別個のビットから出力されて、ターミナル基板160などへと伝送される。また、遊技機固有情報を出力する複数のビットを割り当てて、所定バイト数(例えば1バイト)単位で遊技機固有情報をパラレルデータとして出力するようにしてもよい。遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードは、いずれも出力ポートにおける共通のビットから出力されるようにしてもよいし、それぞれ別個のビットから出力されるようにしてもよい。
この実施の形態では、投入時高確率信号を示すパラレル信号に対して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポート0における専用のビット3が割り当てられている。尚、これに限定される訳ではなく、投入時高確率信号を示すシリアル信号に対して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポート0における専用のビット3のみが割り当てられているとして良い。これに対して、投入時高確率信号には、他の信号と共通の出力ポートにおけるビットが割り当てられるようにしてもよい。一例として、投入時高確率信号は、所定の信号が出力される出力ポート1におけるビット7から出力されるようにしてもよい。この場合には、投入時高確率信号と当該所定の信号とを時分割多重化するなどして、その出力タイミングに基づいて、投入時高確率信号とセキュリティ信号のいずれが外部出力されたかを外部装置にて認識できるようにすればよい。あるいは、投入時高確率信号とセキュリティ信号とで異なる信号出力パターン(例えば各信号がオン状態となるオン時間の長さを示すパターンなど)を用意して、いずれの信号出力パターンであるかに応じて、投入時高確率信号とセキュリティ信号のいずれが外部出力されたかを外部装置にて認識できるようにしてもよい。
図26は、ターミナル基板160の内部構成を示す説明図である。図26(A)は、ターミナル基板160に設けられたコネクタ等の接続を示す回路図である。図26(A)に示すターミナル基板160には、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するための入力側コネクタとなるコネクタCN−h(h=1)と、ホールコンピュータなどの外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するための出力側コネクタとなるコネクタCNj(j=1,2,…,10)とが備え付けてある。なお、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PCjが搭載されている。
図26(B)は、ターミナル基板160に設けられたコネクタの割り当ての例を示す説明図である。ターミナル基板160では、主基板31からのケーブルがコネクタCN−1に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」、「3」、「5」から「9」に各種信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に遊技機固有情報が入力され、コネクタCN−1の端子「10」に投入時高確率信号が入力される。
図26(A)に示すように、ターミナル基板160では、コネクタCN−1の端子「1」に基準電位の信号線が接続されている。その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPCj(j=1,2,…,10)の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCN−1の端子「i(i=2,…,10など)」(コネクタCN−1の端子「2」〜「10」)に接続された信号線は、それぞれ、1KΩ の抵抗Rjを介して半導体リレーPCjの入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPCjの出力端子「4」に接続された信号線は、コネクタCNjの端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPCjの出力端子「3」に接続された信号線は、コネクタCNjの端子「2」に接続されている。
半導体リレーPCjでは、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPCjの動作により、入力側のコネクタCN−1から入力された信号が出力側のコネクタCNjに伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1、CN2、及びCN4からCN8から各種信号が出力され、コネクタCN3から遊技機固有情報が出力され、コネクタCN9から投入時高確率信号が出力される。なお、ターミナル基板160における各外部出力信号に対するコネクタの割り当ては、この実施の形態で示したものにかぎられない。
この実施の形態では、投入時高確率信号に対応して、専用のコネクタCN10が設けられている。これに対して、投入時高確率信号は、他の信号と共通のコネクタから出力されるようにしてもよい。一例として、投入時高確率信号は、各種信号に含まれる所定の信号と共通のコネクタCN8から出力されるようにしてもよい。この場合には、時分割多重化を行うことや、信号出力パターンを異ならせることなどにより、いずれの信号が外部出力されたかを外部装置にて認識できるようにすればよい。
コネクタCN3から出力される遊技機固有情報は、遊技機において遊技制御用マイクロコンピュータ560のチップごとに、あるいは遊技機ごとに、予め個別に付与された情報であり、メーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードを含んでいる。この実施の形態では、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始される電源投入時に、遊技機固有情報がホールコンピュータなどの外部装置に出力される。これにより、予め定められた複数の異なる情報出力条件のうち、いずれかの情報出力条件の成立に基づいて、遊技機固有情報を出力し、ホールコンピュータなどの外部装置側にて遊技機固有情報の正当性を判定可能にする。
遊技機固有情報として共通のコネクタから外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、メーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードを含む情報にかぎらず、遊技場におけるパチンコ遊技機1の包括的な管理番号(識別番号)を示す情報や、遊技場においてパチンコ遊技機1の設置位置(例えば島番号や台番号の一部または全部)を示す情報、のうち一部または全部が、遊技機固有情報に含まれて外部出力されるようにしてもよい。
各種の年月日や日時を示す情報を遊技機固有情報に含めて外部出力するために、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ560にはRTCM(Real Time Clock Module)が内蔵されていてもよい。あるいは、遊技制御用マイクロコンピュータ560に外付けされたRTCMから取得した年月日や日時を示す情報に基づいて、遊技機固有情報に含めて外部出力する時間情報などを作成してもよい。
遊技機固有情報が外部出力されるための情報出力条件は、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合に、投入時高確率信号が外部出力されることを含む。さらに、遊技機固有情報が外部出力されるための情報出力条件としては、予め定められた任意のものであってもよい。
この実施の形態では、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードの全部を、1本の信号線で伝送されるシリアル信号として、ターミナル基板160に設けられた共通のコネクタCN3から外部出力している。これにより、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数や配線数を低減し、配線作業の複雑化を防ぐことができる。すなわち、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減できる。
遊技機固有情報を外部出力するための構成は、共通のコネクタCN3を用いて1本の信号線によるシリアル信号方式で出力する構成にかぎられない。例えば、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、型式名コードについて、それぞれ別々に信号線を設けるようにし、ターミナル基板160からホールコンピュータなどの外部装置に対して、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、型式名コードが、それぞれはシリアル信号方式で並行して出力され、遊技機固有情報の全体としてみればパラレル信号方式で出力される構成としてもよい。あるいは、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、型式名コードにかかわらず、全体について所定バイト数(例えば1バイト)に対応した複数の信号線を設けるようにし、ターミナル基板160からホールコンピュータなどの外部装置に対して、遊技機固有情報の全体が所定バイト数(例えば1バイト)単位のパラレル信号方式で順次に出力される構成としてもよい。あるいは、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、型式名コードが、それぞれパラレル信号方式で並行して出力される構成としてもよい。
また、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、型式名コードの一部については、シリアル信号方式で外部出力される一方、遊技機固有情報に含まれる他の情報については、パラレル信号方式で外部出力されるようにしていもよい。一例として、遊技機固有情報に含まれるメーカーコードやチップ個別ナンバーについては、データ長(バイト数)が3バイトまたは4バイトと比較的短いことから、ターミナル基板160に設けられた共通のコネクタから、あるいはメーカーコードとチップ個別ナンバーのそれぞれに対応した別個のコネクタから、シリアル信号方式で外部出力する。その一方で、遊技機固有情報に含まれる型式名コードは、データ長(バイト数)が32バイトと比較的長いことから、ターミナル基板160に設けられた複数のコネクタから、パラレル信号方式で外部出力する。
上記の構成では、いずれも遊技機固有情報がターミナル基板160にてセキュリティ信号を出力するコネクタCN8とは別個に設けられたコネクタCN3などから外部出力される。これに対して、セキュリティ信号が出力されるコネクタCN8を、遊技機固有情報がシリアル信号方式で出力される共通のコネクタとしてもよい。例えば、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードの全部について、セキュリティ信号と共通する1本の信号線で伝送されるシリアル信号とし、ターミナル基板160に設けられた共通のコネクタCN8から外部出力されてもよい。あるいは、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードの一部(例えばメーカーコードとチップ個別ナンバーなど)については、セキュリティ信号と共通する1本の信号線で伝送されるシリアル信号とし、共通のコネクタCN8から外部出力される一方、遊技機固有情報に含まれる他の情報(例えば型式名コードなど)については、セキュリティ信号が外部出力されるコネクタCN8とは別個のコネクタ(例えばコネクタCN3など)から、シリアル信号方式またはパラレル信号方式で外部出力されるようにしてもよい。
また、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードのうち1つの情報については、セキュリティ信号が外部出力されるコネクタCN8からシリアル信号方式で外部出力する一方、他の2つの情報については、それぞれの情報に対応して別個に設けたコネクタから、シリアル信号方式またはパラレル信号方式で外部出力されるようにしてもよい。
遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードの全部を、1本の信号線で伝送されるシリアル信号として、ターミナル基板160に設けられた共通のコネクタCN3から外部出力する場合には、メーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードが、予め定められた任意の一定順序で外部出力されればよい。具体的な一例として、遊技機固有情報が外部出力される際には、まず、メーカーコードを出力してから、チップ個別ナンバーを出力し、最後に型式名コードを出力してもよい。他の一例として、まず、チップ個別ナンバーを出力してから、型式名コードを出力し、最後にメーカーコードを出力してもよい。あるいは、遊技機固有情報に含まれるメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードの全部に対して、暗号化処理(スクランブル処理を含む)やデータ圧縮処理などの一方または両方を施してから出力することにより、それぞれの情報が順序不定で外部出力されてもよい。
上記実施の形態では、遊技機固有情報が外部出力されるコネクタCN3とは別個のコネクタから、各種信号が外部出力されるように構成されている。これに対して、各種信号について、遊技機固有情報と共通のコネクタCN3などから外部出力されるように構成してもよい。例えば、各種信号で表される各種情報を、遊技機固有情報のヘッダー情報またはフッター情報として、遊技機固有情報が外部出力される前または後に、共通のコネクタCN3から外部出力されるようにしてもよい。あるいは、各種情報と遊技機固有情報を一括して、暗号化処理(スクランブル処理を含む)やデータ圧縮処理などの一方または両方を施してから出力することにより、それぞれの情報が順序不定で外部出力されてもよい。
上記のように、半導体リレーPCjをターミナル基板160に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、ターミナル基板160に半導体リレーPCjを設けていたが、半導体リレーPCjではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
コネクタCN9から出力される投入時高確率信号は、パチンコ遊技機1における電力供給開始時(電源投入時)に遊技状態が確変状態等の特別遊技状態(例えば、高確率状態)となっているか否かを示す信号である。具体的には、後述するように、パチンコ遊技機1において電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ914が操作されておらずオフであることなどに基づいて、RAM55の所定領域に特別遊技状態を示すデータが記憶されているか否かの判定が行われ、特別遊技状態を示すデータが記憶されている場合に、所定の信号停止条件が成立するまで、投入時高確率信号がホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、例えばモードAやモードBの演出モードといった、確変状態であるか確変状態以外であるかにかかわらず共通の演出態様となる演出モードがある場合において、電源投入時のパチンコ遊技機1が確変状態となっていることを、ホールコンピュータなどの外部装置側で統括して容易に認識できるようにする。
投入時高確率信号の外部出力を停止するための信号停止条件は、遊技機1が高確率状態でなくなる場合に成立する。例えば、遊技機1が高確率状態でなくなる場合とは、大当り遊技状態に制御される場合、又は小当り遊技状態に制御される場合を含む。具体例としては、信号停止条件は、電源投入後に最初の第2特定遊技状態(つまり、2R大当り遊技状態)又は小当り遊技状態に制御された場合に成立して、投入時高確率信号の外部出力が停止すればよい。また、信号停止条件は、電源投入後に最初の15R大当り遊技状態に制御された場合にも成立して、投入時高確率信号の外部出力が停止する。尚、信号停止条件は、電源投入後に最初の15R大当り遊技状態に制御された場合に成立しなくても良い。このような構成においては、外部出力信号の出力を停止しない場合と比べて、遊技機が特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)か否かを外部から認識されることを防止できる。
なお、投入時高確率信号の信号停止条件は、これにかぎられない。例えば、電源投入後に最初に第1始動入賞口を通過した遊技球が始動口スイッチ14aにより検出された場合、または電源投入後に最初に第2始動入賞口を通過した遊技球が始動口スイッチ14bにより検出された場合に、信号停止条件が成立して投入時高確率信号の外部出力が停止してもよい。あるいは、電源投入後に最初の確変状態に制御された場合に、信号停止条件が成立して投入時高確率信号の外部出力が停止してもよい。あるいは、電源投入後に実行された可変表示の回数が所定回数に達した場合に、信号停止条件が成立して投入時高確率信号の外部出力が停止してもよい。あるいは、電源投入時からの経過時間が所定時間に達した場合に、信号停止条件が成立して投入時高確率信号の外部出力が停止してもよい。あるいは、電源投入後に遊技領域7へと発射された遊技球の個数が所定数に達した場合に、信号停止条件が成立して投入時高確率信号の外部出力が停止してもよい。あるいは、電源投入後にクリアスイッチ914の操作が検出されるまで、信号停止条件が成立せずに投入時高確率信号の外部出力が継続されてもよい。
図27は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図27に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160に対して、遊技機固有情報、投入時高確率信号、及びその他各種信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の情報出力処理(ステップS31参照)によって出力される。
投入時高確率信号は、電源投入時における遊技状態が特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)であるか否かを示す信号である。具体的には、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行されない場合に、RAM55の所定領域などに特別遊技状態であることを示すデータが記憶されていることにもとづいて、投入時高確率信号が所定の信号停止条件が成立するまでホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
次に、投入時高確率信号の出力タイミングについて説明する。図28は、投入時高確率信号の出力タイミングを示す説明図である。この実行の形態では、遊技機への電力供給開始時に、図28(A)に示すように電源電圧が所定電圧に達して遊技制御用マイクロコンピュータ560が起動された後(つまり、電力供給が開始復旧された後、所定の復旧条件が成立し(ステップS6;NoかつステップS7;YesかつステップS8;Yes)、初期化処理が実行されずに電断復旧時の設定が行われた場合に(ステップS9参照)、例えばRAM55の所定領域に形成された確変フラグがオンであることなどにより、特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)を示すデータが記憶されていることに基づいて、投入時高確率信号の出力指示がなされる(図29のステップS11参照)。ここで、所定の復旧条件とは、クリアスイッチ914からオン状態のクリア信号が伝送されていないと判別され(図29のステップS6参照)、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理が行われたと判別され(ステップS7参照)、かつバックアップRAM領域のパリティチェック結果が正常であると判別された場合(ステップS8参照)に成立する。尚、ステップS6からS8の判別の実行順序はこの順序に限られない。情報出力処理では、ステップS329A〜S329F、S330、S331の処理が実行されて、図28(B)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN9などから、ホールコンピュータなどの外部装置に対して投入時高確率信号が出力される。このように、この実施の形態では、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチ914からのクリア信号が入力されておらず(図29のステップS6のNo)、初期化処理が実行されていないことに加えてRAM55の所定領域に特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)を示すデータが記憶されていることに基づいて、ターミナル基板160のコネクタCN9などから投入時高確率信号が外部出力される。
こうして投入時高確率信号の外部出力が開始された後には、所定の信号停止条件が成立するまで、投入時高確率信号の外部出力が継続して行われる。例えば、遊技機1の電源投入後に最初の大当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御されるまで投入時高確率信号を継続して外部出力することができる。またこれに限定される訳ではなく、遊技機1の電源投入後に最初の2R大当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御されるまで、遊技機1の電源投入後に最初の確変状態に制御されるまで、遊技機1の電源投入後に実行された可変表示の回数が所定回数に達するまで、遊技機1の電源投入時からの経過時間が所定時間に達するまで、電源投入後1に遊技領域7へと発射された遊技球の個数が所定数に達するまで、電源投入後にクリアスイッチ914の操作が検出されるまでといった、所定の信号停止条件が成立するまで、投入時高確率信号を継続して外部出力することができる。
次に遊技機の動作について説明する。図29は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降の遊技制御メイン処理を開始する。遊技制御メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS5)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチ914からオン状態のクリア信号が伝送されたか否か、すなわち、クリアスイッチ914がオンされているか否か確認する(ステップS6)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態(オン/オフ)を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS6でクリアスイッチ914がオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS7において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS8では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS12,S13の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態へと戻すために、電断復旧時の設定を行う(ステップS9)。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。これによって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定することにより、電断復旧時に対応したコマンドの送信設定を行う。なお、この送信設定がなされた後、後述するステップS14dのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
こうしてステップS9にて電断復旧時の設定が行われた後には、パチンコ遊技機1の電力供給停止時(電断時)における遊技状態が確変状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定を行う(ステップS10)。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ914がオフであり初期化処理が実行されないことに対応して、電断復旧時の設定が行われるときには、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態としての確変状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する。
一例として、RAM55のバックアップ領域にて確変フラグの状態(オン/オフ)を示す記憶データをチェックする。このとき、確変フラグがオンであるか否かに対応して、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定すればよい。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が電源バックアップされていることから、確変フラグがRAM55のどのような領域に記憶されていても、その内容は電力供給が停止された後に所定期間は保存されることになる。
なお、確変フラグがオンであるか否かに対応して、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定するものにかぎられない。例えば、確変フラグとは別個に所定の記憶領域などから記憶データを読み出すようにしてもよい。より具体的には、電源断処理(図30のステップ20参照)が実行されたときに、電源断信号が出力されていることに基づいて、確変フラグの状態を示すデータがRAM55の所定領域(バックアップ領域)に記憶され、電力供給が停止されても所定期間は、このデータが保存されるようにする。この場合、ステップS9の処理により、RAM55の所定領域における記憶データに対応した確変フラグの設定が行われて、電力供給停止時(電断時)における遊技状態へと復旧されるようにしてもよい。また、特別遊技状態として、確変状態だけでなく時短状態であることも示すデータが記憶されているか否かを判定してもよい。例えば、RAM55のバックアップ領域に記憶された時短フラグの状態をチェックして、時短フラグがオンであるか否かに応じて、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定してもよい。
こうして電断時の確変記憶(あるいは時短状態を含めた特別遊技状態の記憶)があるときには(ステップS10;Yes)、投入時高確率信号の出力指定の有無を表す投入時高確率信号出力指定フラグをオン状態に設定することで、投入時高確率信号の出力指定を行う(ステップS11)。この投入時高確率信号出力指定フラグは、初期状態においてオフ状態に設定されている。この投入時高確率信号の出力指定がなされた後、後述するステップS329A〜S329F、S330、S331の処理(図38参照)が実行されることにより、投入時高確率信号がパチンコ遊技機1から外部装置へと外部出力されることになる。なお、ステップS11で投入時高確率信号の出力指定を行った後に、タイマ割込の発生に基づく情報出力処理(図30のステップS31参照)により投入時高確率信号の外部出力が開始されるものにかぎられない。例えば、ステップS11の処理として、情報バッファの投入時高確率信号出力ビット位置(図25に示す例では出力ポート0のビット3)をセットした後、情報バッファを出力値にセットするとともに、その出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時高確率信号の外部出力を開始させるようにしてもよい。
この実施の形態では、確変フラグとは別個に設けられた投入時高確率信号出力指定フラグをオン状態にセットすることにより、投入時高確率信号の出力指示がなされる。投入時高確率信号出力指定フラグは、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されないことに加えて確変状態等の特別遊技状態であることに基づいてオン状態にセットされることにより、投入時高確率信号の出力指示を示す。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS12)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。続いて、作業領域の初期設定を行う(ステップS13)。例えば、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する。
ステップS13の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、初期化コマンドの送信設定を行う(ステップS14a)。例えば、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。なお、後述するステップS14dのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
CPU56は、パチンコ遊技機1における電力供給の開始(電源投入)に対応して、遊技機固有情報を外部出力するための設定を行う(ステップS14b)。遊技機固有情報を外部出力するための設定としては、例えば、遊技機固有情報の外部出力を要求する固有情報出力要求フラグをセットし、遊技機固有情報の読出開始アドレスを固有情報読出ポインタにセットする。
また、CPU56は、各乱数回路503a,503bを初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14c)。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、各乱数回路503a,503bに乱数値を更新させるための設定を行う。
また、CPU56は、シリアル通信回路505を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS14d)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路505に設定することによって、シリアル通信回路505に払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路505を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS14e)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラムに従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態では、CPU56は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路505において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU56は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路505からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
なお、ステップS14c〜S14eだけでなく、乱数回路503やシリアル通信回路505の設定処理の一部は、ステップS4の処理においても実行される。例えば、ステップS4において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路505のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS14f)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS15)、初期値用乱数更新処理(ステップS16a)と表示用乱数更新処理(ステップS16b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS17)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、特別図柄表示器8a及び8bの表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS16a,S16bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS16a,S16bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
ステップS17で割込許可状態に設定されると、次にステップS15の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路505からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路505から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述する各割込処理(通信エラー割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。また、本実施の形態では、ステップS15からステップS17までのループ処理の前にステップS14eを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始された電源投入時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54のプログラムデータエリアに記憶されたユーザプログラムに基づいてCPU56により実行される遊技制御メイン処理において、ステップS14bの処理にて遊技機固有情報の出力設定が行われる。すなわち、電源投入時における遊技機固有情報の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われる。なお、電源投入時における遊技機固有情報の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われるものにかぎらない。例えば、電源投入時にメーカーコード、チップ個別ナンバー、型式名コードといった遊技機固有情報を構成する各種情報をROM54やチップ個別ナンバーレジスタ506から読み出して、出力ポート1のビット2などから順次にシリアル信号方式でターミナル基板160へと出力する読出回路を、遊技制御用マイクロコンピュータ560の内蔵回路あるいは外付け回路として設けてもよい。すなわち、電源投入時における遊技機固有情報の外部出力は、ハードウェアにより行われるようにしてもよい。あるいは、電源投入時にROM54から読み出したユーザプログラムを実行する前に、遊技機の動作を制御するために用いられる制御データのROM54などにおける記憶内容が不正に変更されたかを検査するセキュリティチェックプログラムが実行される場合であれば、このセキュリティチェックプログラムに基づいてCPU56により実行される処理において、遊技機固有情報の出力設定や情報バッファの設定などが行われてもよい。すなわち、電源投入時における遊技機固有情報の外部出力は、ユーザプログラムとは異なるシステムプログラムなどに基づいて行われるようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1の電源投入時には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54のプログラムデータエリアに記憶されたユーザプログラムに基づいてCPU56により実行される遊技制御メイン処理において、初期化処理が実行されないことに加えて遊技状態が特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)であることを示すデータが記憶されていることに基づき、ステップS11にて投入時高確率信号の出力指定が行われる。すなわち、投入時高確率信号の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われる。なお、投入時高確率信号の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われるものにかぎらない。例えば、電源投入時における投入時高確率信号の外部出力は、ハードウェアにより行われるようにしてもよい。あるいは、電源投入時にROM54から読み出したユーザプログラムを実行する前にセキュリティチェックプログラムが実行される場合であれば、このセキュリティチェックプログラムに基づいてCPU56により実行される処理において、投入時高確率信号の出力設定や情報バッファの設定などが行われてもよい。すなわち、投入時高確率信号の外部出力は、ユーザプログラムとは異なるシステムプログラムなどに基づいて行われるようにしてもよい。この場合、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定は、ユーザプログラムにおいて実行されるクリアスイッチ914がオンであるか否かの判定よりも先に実行されるシステムプログラムなどにおいて実行されてもよい。そのように構成しても、投入時高確率信号が外部出力されたパチンコ遊技機1については、電源投入時に特別遊技状態であることを示すデータが記憶されていると認識することができ、例えば遊技場の管理者がクリアスイッチ914を操作することなどにより、初期化処理を実行させてパチンコ遊技機1の記憶内容を確実に初期化(クリア)させることができる。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ914の所定操作(例えば押下操作など)が行われた場合には(ステップS6のYes)、ステップS12,S13の初期化処理が実行される。この場合には、ステップS13でセキュリティ信号出力時間が設定されることにより、所定時間(例えば30秒)にわたりオン状態のセキュリティ信号が外部出力される。これに対して、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ914の所定操作が行われていないことなどに基づいて(ステップS6のNo)、ステップS12,S13の初期化処理が実行されていない場合には、電断復旧時の設定が行われるとともに(ステップS9)、確変状態等の特別遊技状態を示すデータが記憶されているか否かが判定される(ステップS10)。そして、このようなデータが記憶されているときには(ステップS10のYes)、ステップS11での出力指示などに基づいて、オン状態の投入時高確率信号が外部出力される。
次に、タイマ割込処理について説明する。図30は、遊技制御用マイクロコンピュータ560において所定時間(例えば4ms)ごとに発生するタイマ割込に基づいて実行される4msタイマ割込処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS15〜S17のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動される4msタイマ割込処理を実行する。4msタイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。具体的には、電源断処理において、CPU56は、電源監視回路913からオン状態(ローレベル)の電源断信号が出力されているか否かを判別する。このオン状態の電源断信号は、電源電圧が所定値(一例として+22V)以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに監視回路913から出力され、例えば電源基板910に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板31へ出力される。CPU56は、このオン状態(ローレベル)の電源断信号が出力されていると判別すると、バックアップ監視タイマの値を電源断処理などの電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)にしてRAM55のバックアップ領域に保存した後に、バックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、バックアップRAM領域のデータに対するパリティデータの付加処理等)を行う。ステップS20の後に、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a及び14b、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8a及び8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8a及び8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、磁石センサから検出信号を入力したことにもとづいて磁石センサエラー報知を行う磁石センサエラー報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドをシリアル通信回路505の送信データレジスタに設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される各種信号及び投入時高確率信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
次いで、CPU56は、シリアル通信回路505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ370と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には入賞口スイッチ29a,30a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。なお、この実施の形態では、入賞口スイッチ29a,30a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、賞球個数コマンドの下位4ビットを異ならせることにより賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドに設定し、シリアル通信回路505を介して当該設定した賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続信号に関する内容およびソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、遊技機のエラー状態などを表示させるために遊技機のエラー状態などを示す情報が設定された枠状態表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する枠状態出力処理を実行する(ステップS39)。その後、割込許可状態に設定し(ステップS40)、処理を終了する。
図31は、図30に示すステップS28にて実行される特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図32及び図33は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU56は、まず、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読み出す(図32のステップS201)。ここで、入力ポートレジスタは、例えばI/O57に含まれる入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値などが、格納されるレジスタである。この実施の形態では、入力ポートレジスタのビット番号[0]に格納される入力ポートデータが、始動口スイッチ14aから伝送される検出信号となる第1始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示し、入力ポートレジスタのビット番号[1]に格納される入力ポートデータが、始動口スイッチ14bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示している。
ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[1]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの格納値である第2始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS203)。これに対して、ステップS202にて“0”であると判定された場合には(ステップS202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS204)。
ステップS203、S204の処理のいずれかを実行した後には、ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[0]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS205)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの格納値である第1始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS206)。これに対して、ステップS205にて“0”であると判定された場合には(ステップS205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS207)。
ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(例えば「2」)に達したか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS210)。
ステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS208;No)、第1始動入賞口への有効な遊技球の入賞が始動口スイッチ14aにより検出されていないことに対応して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS211;No)、第2始動入賞口への有効な遊技球の入賞が始動口スイッチ14bにより検出されていないことに対応して、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS213)。
ステップS210、S213の処理のいずれかを実行した後、CPU56は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS214)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み出す。そして、ステップS214における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(図33のステップS215)。このとき、ステップS214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。例えば、図32に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、図32に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立する。
このように、ステップS215にて読出値が上限値に達していないときには(ステップS215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS216)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算する(ステップS217)。
ステップS217の処理に続いて、CPU56は、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS218)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS219)。このときには、始動口バッファ値も始動口データとして、保留データに含めて特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされる。
ステップS219にて乱数値を記憶した後には、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。続いて、例えばROM54における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図30に示すステップS30の演出図柄コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
ステップS215にて読出値が上限値に達している場合や(ステップS215;Yes)、ステップS221の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS222)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS222;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS223)、図32に示すステップS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS222;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS224)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、始動口スイッチ14aと始動口スイッチ14bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、図32に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図32に示すステップS209、S210、S214の処理を実行してから、図33に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS223の処理を実行してから、図32に示すステップS211の処理に進む。そして、ステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図32に示すステップS212〜S214の処理を実行してから、図33に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS224の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、始動口スイッチ14aと始動口スイッチ14bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図34は、図33のステップS220にて実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図31のステップS110、図35)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか、「小当り」として小当り遊技状態に制御するか、またはそれらの制御をしないかの決定や、大当り種別が「突確大当り」であるか否かの決定が行われる。本実施形態においては、この決定された特図表示結果に基づいて制御された大当り遊技状態又は小当り遊技状態が終了するときに、この決定された特図表示結果よりも後に表示される特図表示結果について、「大当り」とするか「小当り」とするか「ハズレ」とするか、及び「大当り」とする場合には大当り種別が「突確大当り」であるかをCPU56が別個に判定し、判定結果を表すコマンド(例えば、第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)を演出制御基板80へ送信する。演出制御基板80の側でコマンドを受信すると、コマンドで表される判定結果などに基づいて演出制御用CPU101Aなどにより実行する演出モードをいずれのモードに切替るかを決定する。
図34に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU56は、まず、図33のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに応じた特図表示結果を特定する(ステップS401)。例えば、ステップS401の処理では、図9に示す特図表示結果決定テーブル130を選択して、使用テーブルにセットする。ここで、使用テーブルにセットする際には、例えばRAM55の所定領域に設けられたテーブルポインタなどに、ROM54におけるテーブルデータの記憶アドレス(先頭アドレス)をセットすればよい。続いて、使用テーブルにセットした特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、ステップS218にて抽出された乱数値MR1に応じて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かが特定される。より具体的には、乱数値MR1を示す数値データと、特図表示結果決定テーブル130に格納された決定値とを比較して、乱数値MR1と合致した決定値が割り当てられている特図表示結果が「大当り」であるか、「小当り」であるか、「大当り」でも「小当り」でもない「ハズレ」であるかを特定する。ここでは、パチンコ遊技機1における遊技状態にかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に応じたテーブルデータ、又は遊技状態が確変状態である場合に応じたテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」、「小当り」、及び「ハズレ」のいずれかであるか否かを特定すればよい。こうしたステップS401の処理により、図33のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データは、特図表示結果が「大当り」に決定される決定用数値であるか、「小当り」に決定される決定用数値であるか、それら以外の決定用数値であるか否かが判定される。
ステップS401の処理に続いて、特定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、特定された特図表示結果が「大当り」であれば(ステップS402;Yes)、CPU56は、図33のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR2を示す数値データに応じた大当り種別を判定する(ステップS403)。例えば、ステップS403の処理では、図10に示す大当り種別決定テーブル131を選択して、使用テーブルにセットする。続いて、使用テーブルにセットした大当り種別決定テーブル131を参照することにより、ステップS218にて抽出された乱数値MR2に応じて大当り種別が「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「突確A大当り」、及び「突確B大当り」のいずれかに判定される。より具体的には、乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別決定テーブル131に格納された決定値とを比較して、乱数値MR2と合致した決定値が割り当てられている大当り種別が「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「突確A大当り」、及び「突確B大当り」のいずれかを特定する。こうしたステップS403の処理により、図33のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR2を示す数値データは、大当り種別が「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「突確A大当り」、及び「突確B大当り」のいずれに決定される決定用数値であるかが判定される。ステップS403の処理に続いて、特定された大当り種別が「突確A大当り」又は「突確B大当り」(つまり、「突確」)であるか否かを判定する(ステップS404)。このとき、特定された大当り種別が「突確A大当り」又は「突確B大当り」(つまり、突確)であれば(ステップS404;Yes)、CPU56は、「突確大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB102H(図15(A)及び(C)を参照)を、主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(ステップS406)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対し、特定された大当り種別が「突確A大当り」又は「突確B大当り」のいずれでもなければ(つまり、突確でなければ)(ステップS404;No)、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS405)。そして、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS405;「1」)、「15R大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB101H(図15(A)及び(C)を参照)を、主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(ステップS407)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、ステップS405にて始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS405;「2」)、「15R大当り判定」を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB201H(図15(A)及び(C)を参照)を、主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(ステップS408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS402にて特図表示結果が「大当り」ではないと判別した場合には(ステップS402;No)、CPU56は、ステップS401で特定された特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS409)。このとき、特定された特図表示結果が「小当り」であれば(ステップS409;Yes)、CPU56は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS410)。そして、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS410;「1」)、「小当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB103H(図15(A)及び(C)を参照)を、主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(ステップS411)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、ステップS410にて始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS410;「2」)、「小当り判定」を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB203H(図15(A)及び(C)を参照)を、主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(ステップS412)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS409にて特図表示結果が「小当り」ではないと判別した場合には(ステップS409;No)、CPU56は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS413)。そして、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS413;「1」)、「当り判定なし」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100H(図15(A)及び(C)を参照)を、主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(ステップS414)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、ステップS413にて始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS413;「2」)、「当り判定なし」を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200H(図15(A)及び(C)を参照)を、主基板31から演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(ステップS415)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
この実施の形態では、ステップS401の処理でパチンコ遊技機1における遊技状態にかかわらず、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に応じたテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」であるか否かを特定している。これに対して、パチンコ遊技機1における遊技状態の変化を予測して、その予測結果に基づき特図表示結果決定テーブル130において参照するテーブルデータを切り換えるようにしてもよい。一例として、可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御が継続して行われる場合であれば、ステップS402にて特図表示結果が「大当り」に決定されると判定したときに、図33のステップS218にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、図10に示す大当り種別決定テーブル131を参照することにより、大当り種別が「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「突確A大当り」、及び「突確B大当り」のいずれに決定されるかを判定する。そして、大当り種別が「15R非確変大当り」ではなく「15R確変大当り」、「突確A大当り」、及び「突確B大当り」のいずれかになると判定されたときに、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変時判定フラグをオン状態にセットする。その一方で、大当り種別が「15R非確変」になると判定されたときには、確変時判定フラグをクリアしてオフ状態とする。そして、ステップS401の処理では、確変時判定フラグがオンであるかオフであるかを判定する。このとき、確変時判定フラグがオンであれば、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態である場合に応じたテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」であるか否かを特定する。これに対して、確変時判定フラグがオフであるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に応じたテーブルデータを参照すればよい。このような処理が実行されることなどにより、特図保留記憶部151Aに記憶された保留データに基づく特図ゲームが開始されるときの遊技状態が確変状態である場合に対応して、通常状態や時短状態のときよりも高い割合で特図表示結果が「大当り」に決定されるテーブルデータを使用して特図表示結果を特定することができ、実際の遊技状態に適合して、より正確な特図表示結果を特定できる。尚、これに対して、確変フラグが表す遊技機1の遊技状態に基づいて特図表示結果決定テーブル130において参照するテーブルデータを切り換えるようにしてもよい。一例として、確変フラグがオン状態である場合には、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態である場合に応じたテーブルデータを参照して、特図表示結果が「大当り」であるか「小当り」であるか「ハズレ」であるかを特定し、確変フラグがオフ状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に応じたテーブルデータを参照すればよい。
図34に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402、S404、及びS409の処理にて乱数値MR1や乱数値MR2に基づく判定を行ってから、ステップS405、S410、S413の処理により、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定している。これに対して、始動口バッファ値の判定を先に行ってから、乱数値MR1や乱数値MR2に基づく判定を行うようにしてもよい。
図31に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU56は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS110〜S117の各処理を実行する。
特別図柄通常処理(ステップS110):特別図柄の可変表示を開始できる状態(例えば、特別図柄表示器8a及び8bのいずれにおいても図柄の変動がなされておらず、特別図柄表示器8a及び8bにおける前回の図柄変動が終了してから所定期間が経過しており、かつ、大当り遊技中でもない状態)になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特図保留メモリに記憶されている乱数回路503が発生した乱数値にもとづいて、特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。また、大当りとすると決定した場合には、さらに、確変大当りとするか否かなど大当り種別を決定し、決定した表示結果を特定可能な表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS111に移行するように値”1”に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS111):変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、決定した特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS112に移行するように値”2”に更新する。
特別図柄変動処理(ステップS112):所定時間(ステップS111の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS113に移行するように値”3”更新する。
特別図柄停止処理(ステップS113):演出制御基板80に対して、演出図柄の停止を指示するための演出図柄停止コマンドを送信する。また、特別図柄表示器8a及び8bにおける特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS114に移行するように値”4”に更新し、特別図柄の停止図柄が小当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS117に移行するように値”7”に更新し、特別図柄の停止図柄が大当り図柄でも小当り図柄でもない場合には、内部状態をステップS110に移行するように値”0”に更新する。なお、演出図柄停止コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合、演出制御基板80は、主基板31から受信した変動パターン指定コマンドにもとづいて変動時間タイマに変動時間を設定するとともに、その変動時間タイマを更新していくことで演出図柄の変動時間を独自に監視し、その変動時間が経過したと判定したときに演出図柄を停止する処理を行うようにすればよい。
大当り開放前処理(ステップS114):大当り遊技状態にて大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)やフラグ(入賞口への入賞を検出する際に用いられるフラグ)を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大当り開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。このときには、例えば大当り種別が「15R非確変大当り」や「15R確変大当り」、「突確A大当り」、あるいは「突確B大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「15R非確変大当り」、又は「15R確変大当り」であることに対応して15R大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確A大当り」又は「突確A大当り」であることに対応して2R大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS115に移行するように値”5”に更新する。
大当り開放中処理(ステップS115):ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件(例えば、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞したこと)の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS114に移行するように値”4”に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS116に移行するように値”6”へ更新する。
大当り終了処理(ステップS116):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS110に移行するように値”0”へ更新する。
小当り時処理(ステップS117):小当り遊技状態にて大入賞口を開放した後に閉鎖する制御を行う。具体的には、プロセスタイマによって小当り時処理の実行時間を設定し、プロセスタイマがタイムアウトするまで、小当り時処理を繰り返し実行する。大入賞口の閉成条件が成立したら、大入賞口を再び開放する場合には、さらに小当り時処理を繰り返し実行する。一例として、大当り種別が「突確A大当り」又は「突確A大当り」である場合と同様の態様(つまり、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」)に設定し、大入賞口の開放回数が「2」に達した場合には、内部状態をステップS110に移行するように値”0”へ更新する。
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS110)について説明する。この実施の形態では、特別図柄の変動表示が開始可能となる開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定や、特図表示結果を「小当り」とするか否かの決定が行われる。そして、特図表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされたときには、大当り種別を「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「突確大当り」といった複数種類のいずれかに決定する。
図35は、図31のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す特別図柄通常処理において、CPU56は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて合計保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と対応付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データ、及び始動口データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3などを示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。このときには、ステップS232にて読み出した保留データに含まれる始動口データに示される始動口が、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかを判定する(ステップS234)。
ステップS234にて第1始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「1」)、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS235)。このときには、変動特図指定バッファの値を「1」に更新する(ステップS236)。
ステップS234にて第2始動入賞口であると判定されたときには(ステップS234;「2」)、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新する(ステップS237)。このときには、変動特図指定バッファの値を「2」に更新する(ステップS238)。
ステップS236、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」とするか、「小当り」とするか、「ハズレ」とするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。CPU56は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」、「小当り」、又は「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、及び「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。このときには、ステップS240にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。
ステップS241にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「15R非確変大当り」や「15R確変大当り」、「突確A大当り」、及び「突確B大当り」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「突確A大当り」、及び「突確B大当り」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。尚、大当り種別が決定されることで、決定された種別の大当り遊技状態が終了した後に、高確高ベース状態に制御するか、高確低ベース状態に制御するかが決定される。具体的には、決定された大当り種別が15R確変大当りの場合には高確高ベース状態へ、大当り種別が15R非確変大当りの場合には低確高ベース状態へ、大当り種別が突確A大当りの場合には高確高ベース状態へ、大当り種別が突確B大当りの場合には高確低ベース状態へ制御すると決定する。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「15R非確変大当り」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「15R確変大当り」であれば「1」とし、「突確A大当り」であれば「2」とし、「突確B大当り」であれば「3」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には、CPU56は、ステップS240にて決定された特図表示結果を「小当り」するか否かを判定する(ステップS246)。このとき特図表示結果を「小当り」とすると判定されると(ステップS246;Yes)、CPU56は、特図表示結果が「小当り」に決定されたことを示す小当りフラグをオン状態にする(ステップS247)。なお、特図表示結果を「小当り」でなく(ステップS246のNo)、「ハズレ」とすると決定したときには、大当りフラグや小当りフラグがオフ状態のまま保持される。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245又S247の処理を実行した後には、大当り遊技状態又は小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS241及びS246にて特図表示結果が「大当り」でも「小当り」もないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「15R非確変」とする決定結果に応じて、15R非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「15R確変」とする決定結果に応じて、15R確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、大当り種別が「2R突確」に決定された場合には、2R確変図柄となる「5」の数字を示す特別図柄が、確定特別図柄に決定される。尚、大当り種別が「突確A大当り」に決定された場合と、「突確B大当り」に決定された場合とで異なる特別図柄が確定特別図柄として決定されても良い。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS113)について説明する。図36は、特別図柄停止処理を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、RAM55の所定領域に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS421)。ここで、特図確定表示中フラグは、特別図柄表示器8a又は8bにおける表示結果となる特図表示結果(確定特別図柄)が導出表示されたことに対応して、後述するステップS425にてオン状態に設定される。
特図確定表示中フラグがオフ状態である場合に(ステップS421のNo)、CPU56は、特別図柄表示器8a又は8bにおける特別図柄の変動を止めて、停止図柄(確定特別図柄)を導出表示する(ステップS422)。また、演出図柄停止コマンドを演出制御基板80に対して送信する設定を行う(ステップS423)。そして、特図確定表示時間として予め定められた所定時間(例えば1秒間)を設定する(ステップS424)。このときには、特図確定表示中フラグをオン状態に設定する(ステップS425)。その後、CPU56は、特別図柄プロセス処理の実行を終了する。
特図確定表示中フラグがセットされていれば(ステップS421のYes)、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS426)。特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS426のNo)、特別図柄停止処理を終了して待機する。これに対して、特図確定表示時間が経過したときには(ステップS426のYes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS427)。そして、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS428)。
大当りフラグがオン状態であれば(ステップS428のY)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた所定時間を設定する(ステップS429)。そして、当り開始指定コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS430)。次に、CPU56は、投入時高確率信号出力指定フラグをオフ状態として、投入時高確率信号の出力を停止するように指定する(つまり、停止指定を行う)(ステップS431)。この投入時高確率信号の停止指定がなされた後、後述するステップS329A〜S329F、S330、S331の処理(図38参照)が実行されることにより、パチンコ遊技機1から外部装置に対する投入時高確率信号の外部出力が停止されることになる。なお、ステップS431で投入時高確率信号の停止指定を行った後に、タイマ割込の発生に基づく情報出力処理(図30のステップS31参照)により投入時高確率信号の外部出力が停止されるものにかぎられない。例えば、ステップS431の処理として、情報バッファの投入時高確率信号出力ビット位置(図25に示す例では出力ポート0のビット3)を値”0”にセットした後、情報バッファを出力値にセットするとともに、その出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時高確率信号の外部出力を停止させるようにしてもよい。ステップS431の後に、CPU56は、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS432)。さらに、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS433)。一例として、RAM55の所定領域に格納された確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とし、時短制御が実行される特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアすればよい。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(ステップS114)に対応した値に更新する(ステップS434)。
ステップS428にて大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS428のNo)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS436)。小当りフラグがセットされている場合には(ステップS436のYes)、小当り開始時演出待ち時間として予め定められた所定時間を設定する(ステップS437)。そして、当り開始指定コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(ステップS438)。また、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS439)。次に、CPU56は、投入時高確率信号出力指定フラグをオフ状態とすることなどにより投入時高確率信号の停止指定を行う(ステップS440)。ステップS440の後に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り時処理(ステップS117)に対応した値’7’に更新する(ステップS441)。
ステップS436にて小当りフラグがセットされていない場合に(ステップS436のNo)、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値’0’に更新する(ステップS442)。
その後、確変状態や時短状態における時短制御を終了するか否かの判定が行われる(ステップS443)。一例として、時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、確変状態や時短状態における時短制御を終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、時短制御を継続させればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときには、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、時短制御を継続させてもよい。あるいは、遊技状態が確変状態であるときには、ステップS443にて時短制御を終了させることがある一方で、確変制御については、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。また、遊技状態が確変状態であるときに、ステップS443にて時短制御を終了させるとともに、確変制御も終了させるようにしてもよい。
次に、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS116)を説明する。図37は、大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。大当り終了時演出待ち時間は、大当り中開放処理(ステップS115)において、特別図柄プロセスフラグの値が大当り終了時演出待ち処理に対応した値に更新されるときに設定されればよい。大当り終了時演出待ち時間が経過していない場合には(ステップS451のNo)、大当り終了処理を終了させて待機する。
大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS451のYes)、RAM55の所定領域に格納された大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS452)。そして、大当り種別が「15R非確変大当り」、「15R確変大当り」、「突確A大当り」、「突確B大当り」のいずれであったかを特定する(ステップS453)。
特定された大当り種別が「15R非確変大当り」である場合には(ステップS453;15R非確変)、大当り遊技状態の終了後にパチンコ遊技機1の遊技状態を時短状態(低確高ベース)とする制御を開始するための設定を行う(ステップS454)。例えば、CPU56は、時短フラグをオン状態に設定するとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。なお、高ベース状態において2R大当り状態に制御されると、2R大当り状態の終了後には、大当り種別が突確A大当りである場合に、後述するステップS456の処理により高確高ベース状態に制御され、大当り種別が突確B大当りである場合に、後述するステップS457の処理により高確低ベース状態に制御される。また、低ベース状態において2R大当り状態に制御された場合であって、大当り種別が突確A大当りである場合には、2R大当り状態の終了後に、後述するステップS456の処理により高確高ベース状態に制御され、大当り種別が突確B大当りである場合には、後述するステップS457の処理により高確低ベース状態に制御される。しかし、これに限定される訳ではなく、高ベース状態において2R大当り状態に制御されると、大当り種別が突確B大当りである場合には、2R大当り状態の終了後に、高確低ベース状態ではなく、高確高ベース状態に制御されるとして良い。これは、高ベース状態において制御された小当り状態の終了後は引き続き高ベース状態で制御されるためである。つまりこの構成によれば、高ベース状態において制御された突確B大当り状態の終了後に高確低ベース状態に制御することを規制することで、始動領域が遊技球の入賞しやすい状態となる割合に基づいて遊技状態が高確率状態であることを認識することを防止できる。
特定された大当り種別が「15R確変大当り」である場合には(ステップS453;15R確変)、パチンコ遊技機1の遊技状態を高確高ベース状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS455)。
特定された大当り種別が「突確A大当り」である場合には(ステップS453;突確A)、大当り遊技状態の終了後にパチンコ遊技機1の遊技状態を高確高ベース状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS456)。特定された大当り種別が「突確B大当り」である場合には(ステップS453;突確B)、CPU56は、パチンコ遊技機1の遊技状態を高確低ベース状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS457)。このため、大当り種別が「突確B大当り」である場合には、小当りの場合と同様の態様(つまり、低ベース)に制御されるので、例えば、普通可変入賞球装置15bの傾動制御などの始動領域における遊技球の入賞し易さによって小当り遊技状態の終了と2R遊技状態の終了とを遊技者が判断できなくる。
ステップS454、S455、S456、又はS457の後に、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新する(ステップS458)。
図38は、4msタイマ割込処理における情報出力処理(ステップS31)を示すフローチャートである。なお、図38に示す処理のうち、ステップS311〜S326が遊技機固有情報を出力するための処理であり、ステップS329A〜S329Fが投入時高確率信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、CPU56は、遊技機固有情報の出力中であるか否かを判定する(ステップS311)。遊技機固有情報の出力中であるときには(ステップS311のYes)、ステップS317の処理に移行する。遊技機固有情報の出力中ではないときには(ステップS311のNo)、例えば固有情報出力要求フラグがセットされているか否かを確認することなどにより、遊技機固有情報の出力設定があるか否かを判定する(ステップS312)。遊技機固有情報の出力設定がない場合には(ステップS312のNo)、S329Aの処理に移行する。遊技機固有情報の出力設定があるときには(ステップS312のYes)、遊技機固有情報の出力先となる最初の外部装置を指定する(ステップS313)。例えば、CPU56は、固有情報出力先テーブルの開始アドレスに記憶されている出力先指定データを読み取り、その出力先指定データに示される遊技機固有情報の出力先を遊技機固有情報のヘッダ情報として出力することなどにより、出力先となる最初の外部装置を指定すればよい。あるいは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおいて、遊技機固有情報の出力先となる複数の外部装置に対応して、複数のビットに遊技機固有情報を割り当て、出力先となる外部装置に応じて異なるビットから、遊技機固有情報を出力するように設定してもよい。あるいは、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおいて、遊技機固有情報に割り当てられたビットとは異なるビットに、遊技機固有情報の出力先となる外部装置を指定する外部装置指定情報を割り当て、出力先となる外部装置を指定する外部装置指定情報を遊技機固有情報とは別個に出力するようにしてもよい。
その後、CPU56は、遊技機固有情報の先頭1ビットを読み出す(ステップS314)。例えば、CPU56は、固有情報読出ポインタにセットされている遊技機固有情報の読出開始アドレスから、遊技機固有情報の先頭1ビットを選択的に読み出す。このとき、CPU56により、遊技機固有情報の先頭1ビットのみを直接に読み出すものにかぎらず、所定バイト数(例えば1バイト)単位で読み出された遊技機固有情報に基づいて、先頭1ビットの値(「0」または「1」)を特定するようにしてもよい。一例として、遊技機固有情報の先頭から1バイト分のデータを読み出した後、CPU56は、先頭1ビットの値を特定するために用意されたマスク用の所定値(具体的には、10000000)と論理積をとる。そして、演算結果がフラグレジスタに反映されて、ゼロフラグがオンであれば先頭1ビットの値が「0」であり、ゼロフラグがオフであれば先頭1ビットの値が「1」であると特定すればよい。
また、CPU56は、1ビット固有情報タイマに1ビット出力時間に相当する値を設定する(ステップS315)。そして、情報バッファの遊技機固有情報出力ビット位置(図25に示す例では出力ポート1のビット2)に、ステップS314などでの読出結果に応じたビット値をセットする(ステップS316)。情報バッファの遊技機固有情報出力ビット位置がセットされると、その後のS329Aで情報バッファを出力値にセットし、ステップS331で出力値を出力ポート1に出力することによって、遊技機固有情報に含まれる1ビットのデータ値が出力ポート1から出力される。
ステップS311にて遊技機固有情報を出力中であるときに(ステップS311のYes)、CPU56は、1ビット固有情報タイマをロードし(ステップS317)、1ビット固有情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS318)、1ビット固有情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS319)。この実施の形態では、遊技機固有情報を1ビットずつシリアル信号方式で出力するときに、1ビットの出力時間にあわせて1ビット固有情報タイマに所定時間がセットされ(ステップS315参照)、その所定時間が経過していないときは、1ビット固有情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(1ビット固有情報タイマの値が0のとき)に、1ビット固有情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
1ビット固有情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS319のN)、1ビット固有情報タイマを1減算し(ステップS320)、演算結果を1ビット固有情報タイマにストアする(ステップS321)。このときには、ステップS314,S322あるいはステップS324の処理にて前回読み出されたものと同様の遊技機固有情報のビット値を読み出す(ステップS322)。なお、CPU56は、前回読み出されたものと同様の遊技機固有情報のビット値を再度読み出すものにかぎらず、前回読み出されたビット値を内蔵レジスタなどに保持しておき、これを今回のビット値として再度使用するようにしてもよい。その後、ステップS316の処理に移行して、読出結果に応じたビット値を情報バッファにセットする。
また、CPU56は、ステップS319にて1ビット固有情報タイマがタイムアウトしたときに(ステップS319のYes)、遊技機固有情報に含まれる全ビットの出力が完了したか否かを判定する(ステップS323)。例えば、CPU56は、固有情報読出ポインタにセットされているアドレスが所定の終了アドレスに合致するとともに、当該アドレスから読み出した最終ビットの出力が完了していれば、遊技機固有情報に含まれる全ビットの出力が完了したと判定する。全ビットの出力が完了していなければ(ステップS323のNo)、遊技機固有情報に含まれる次の1ビットを読み出す(ステップS324)。ステップS324にてビット値を読み出す方式としては、ステップS314にて先頭1ビットを読み出す方式を、他のビットに適用したものであればよい。なお、固有情報読出ポインタにセットされているアドレスから読み出した遊技機固有情報の全ビットについて出力が完了していれば、固有情報読出ポインタの値を1加算して、次のアドレスから遊技機固有情報の1ビットを読み出すようにすればよい。その後、ステップS315の処理に移行して、1ビット固有情報タイマの設定を行う。
また、CPU56は、ステップS323にて全ビットの出力が完了していれば(ステップS323のYes)、遊技機固有情報について次の出力先があるか否かを判定する(ステップS325)。例えば、CPU56は、固有情報出力先テーブルから読み出される出力先指定データで示される遊技機固有情報の出力先となる外部装置のうちに、未だ遊技機固有情報を出力していないものがあるか否かを判定する。次の出力先がなければ(ステップS325のNo)、S329Aの処理に移行する。次の出力先があれば(ステップS325のYes)、遊技機固有情報の出力先となる次の外部装置を指定する(ステップS326)。例えば、CPU56は、固有情報出力テーブルにおける次のアドレスに記憶されている出力先指定データを読み取り、その出力先指定データに示される遊技機固有情報の出力先を遊技機固有情報のヘッダ情報として出力することなどにより、出力先となる次の外部装置を指定すればよい。この後には、ステップS314の処理に移行して、遊技機固有情報の先頭1ビットを読み出す。
以上に示したステップS311〜S326の処理によって、遊技機固有情報が1ビットずつ順次に読み出されて、ターミナル基板160のコネクタCN3を用いて遊技機固有情報がシリアル信号方式で出力される。こうしたCPU56がソフトウェアにより遊技機固有情報をシリアル信号方式で出力させるものにかぎらず、ハードウェアとしてのシリアル出力回路を用いて、遊技機固有情報をシリアル信号方式で出力するようにしてもよい。例えば、CPU56は、遊技機固有情報を所定バイト数(例えば1バイト)単位で順次に読み出して、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵または外付けされたシリアル出力回路に供給する。これにより、遊技機固有情報は、所定バイト数(例えば1バイト)単位のシリアル信号方式で出力されるようにすればよい。
また、以上に示したステップS313,S326の処理によって、遊技機固有情報の出力先となる外部装置が指定される。こうしたCPU56がソフトウェアにより遊技機固有情報の出力先となる外部装置が指定されるものにかぎらず、ハードウェア構成により複数に分岐された信号線を用いて、遊技機固有情報が複数の外部装置へと出力されるようにしてもよい。例えば、主基板31またはターミナル基板160の基板上における配線パターンや、基板外での配線結合、あるいは所定のICチップ内での配線やバス構成などのうち、いずれかを用いたハードウェア構成により、遊技機固有情報を伝送する信号線が複数に分岐されるようにすればよい。こうしたハードウェア構成により、ステップS313,S326の処理が実行されなくても、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力された遊技機固有情報を、複数の外部装置に対して伝送させることができればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵または外付けされたシリアル出力回路を使用すること、所定バイト数(例えば1バイト)単位のシリアル信号方式として遊技機固有情報を出力すること、ハードウェア構成により信号線を複数に分岐することのうち、一部又は全部を含めた構成により、遊技機固有情報が外部装置へと出力されてもよい。
なお、遊技機固有情報は、ターミナル基板160においてセキュリティ信号を出力する共通のコネクタCN8などから、外部出力が可能なように構成してもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560の出力ポートにおいても、例えば図25に示すように、各種信号が出力される共通のビット位置(例えば出力ポート1のビット番号7)から、遊技機固有情報がシリアル信号方式で出力されるようにすればよい。情報出力処理では、遊技機固有情報を遊技機のセキュリティ状態を示すセキュリティ信号と共通の出力ポートやコネクタから出力する際に、両者の競合を回避するための処理が実行されるようにすればよい。尚、セキュリティ信号は、例えば、始動口スイッチ14aによる検出結果や入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出された場合や、例えば、RAM55のクリア処理(ステップS12)及びRAM55の作業領域の初期設定処理(ステップS13)などの初期化処理が実行された場合に出力される。
次に、CPU56は、投入時高確率信号出力中フラグがオンであるかを確認する(ステップS329A)。投入時高確率信号出力中フラグは、初期状態においてオフ状態に設定されており、投入時高確率信号の外部出力を開始することに対応して、後述するステップS329Cでオン状態に設定される。投入時高確率信号出力中フラグがオフであれば(ステップS329AのN)、投入時高確率信号の出力指示があるか否かを判定する(ステップS329B)。具体的には、CPU56は、RAM55に記憶された投入時高確率信号出力指定フラグがオン状態である場合に、投入時高確率信号の出力指示指示ありと判別し、オフ状態である場合に指示なしと判別する。なお、この実施の形態では、CPU56は、以下の出力条件が成立した場合に、投入時高確率信号出力指定フラグをオン状態と設定することで投入時高確率信号の出力指示を行う(遊技制御メイン処理におけるステップS6からS11参照)。具体的には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理が行われ、電力供給が開始復旧されたときに、所定の復旧条件が成立し、かつRAM55の所定領域に特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)であることを示すデータが記憶されている場合に(ステップS10;Yes)、上記の出力条件が成立する。尚、所定の復旧条件は、遊技機の電源投入時にクリアスイッチが操作されず(ステップS6;No)、電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理が行われたと判別され(ステップS7;Yes)、バックアップRAM領域のパリティチェック結果が正常であり(ステップS8;Yes)、初期化処理が実行されずに電断復旧時の設定が行われた場合(つまり、ステップS6;No、ステップS7;Yes、及びステップS8;Yesの条件が全て満足された場合)に成立する。つまり、CPU56は、図29に示すステップS6からS11の処理を順に実行することで、上記の出力条件が成立したか否かを判定している。しかし、これに限定される訳ではなく、ステップS6からS11の実行順序を任意に変更した順序でこれらのステップを実行することで、出力条件が成立したか否かを判別することができる。
投入時高確率信号の出力指示が設定されているときには(ステップS329BのYes)、投入時高確率信号出力中フラグをオン状態にセットする(ステップS329C)。また、ステップS329Aにて投入時高確率信号出力中フラグがオンであるときには(ステップS329AのYes)、投入時高確率信号出力指定フラグがオフ状態であるか否かを判別することで、投入時高確率信号の信号停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS329D)。
投入時高確率信号の信号停止条件は、遊技機1が高確率状態でなくなる場合に成立し、信号停止条件が成立すると、図36のステップS431又はS440で投入時高確率信号出力指定フラグがオフ状態に設定される。ここで、遊技機1が高確率状態でなくなる場合とは、例えば、大当り遊技状態に制御される場合、又は小当り遊技状態に制御される場合を含む。具体例としては、信号停止条件は、遊技機の電源投入後に最初の第2特定遊技状態(つまり、2R大当り遊技状態)又は小当り遊技状態に制御されたときに成立する。また信号停止条件は、遊技機の電源投入後に最初の15R大当り遊技状態に制御されたときにも成立する。しかし、これに限定されるのではなく、信号停止条件は、遊技機の電源投入後に最初の15R大当り遊技状態に制御されたときに成立しないとしても良い。また、信号停止条件は、遊技機の電源投入後に最初に第1始動入賞口を通過した遊技球が始動口スイッチ14aにより検出されたときや、遊技機の電源投入後に最初に第2始動入賞口を通過した遊技球が始動口スイッチ14bにより検出されたときや、遊技機の電源投入後に最初の確変状態に制御されたとき、遊技機の電源投入後に実行された可変表示の回数が所定回数に達したとき、遊技機の電源投入時からの経過時間が所定時間に達したとき、電源投入後に遊技領域7へと発射された遊技球の個数が所定数に達したとき、電源投入後にクリアスイッチ914の操作が検出されたときのいずれかといった、予め定められた任意のタイミングにて、投入時高確率信号の信号停止条件が成立してもよい。
ステップS329Cにて投入時高確率信号出力中フラグをオン状態にセットしたときや、ステップS329Dにて投入時高確率信号の信号停止条件が成立していないと判定したときには(ステップS329DのNo)、情報バッファの投入時高確率信号出力ビット位置(図25に示す例では出力ポート0のビット3)をセットする(ステップS329E)。情報バッファの投入時高確率信号出力ビット位置がセットされると、その後のS329Aで情報バッファを出力値にセットし、ステップS331で出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時高確率信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。
ステップS329Dにて投入時高確率信号の信号停止条件が成立したと判定されたときには(ステップS329DのYes)、投入時高確率信号出力中フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS329F)。なお、ステップS329Bで投入時高確率信号の出力指示がない場合や(ステップS329BのNo)、ステップS329Dで投入時高確率信号の信号停止条件が成立した場合には(ステップS329DのYes)、ステップS329Eの処理が実行されない結果、投入時高確率信号はオフ状態となる。ステップS329Bで投入時高確率信号出力指定がないと判別された場合、ステップS329E又はS329Fを実行した後に、情報バッファを出力値にセットし(ステップS330)、出力値を出力ポートに出力した後に(ステップS331)、情報出力処理を終了する。
尚、本実施形態の情報出力処理において、CPU56は、投入時高確率信号出力中フラグを使用するとして説明したが、投入時高確率信号出力中フラグを使用しなくとも良い。例えば、CPU56は、図39(A)に示すように、ステップS312において遊技機固有情報の出力中でないと判別した場合(ステップS312;No)、ステップS325のおいて次の出力先がないと判別した場合(ステップS325;No)、及びステップS316を実行した後には、ステップS329Aの処理を実行せず、ステップS329Bの処理を実行する構成を採用できる。この構成において、CPU56は、ステップS329Bで、投入時高確率信号出力指定フラグがオン状態であると判別すると(ステップS329B;Yes)、ステップS329Cの処理を実行せずに、ステップS329Eの処理を実行した後にステップS330の処理を実行する。これに対して、CPU56は、投入時高確率信号出力指定フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS329B;No)、ステップS330の処理を実行する。尚、この構成において、CPU56は、ステップS329D及びS329Fの処理を実行しない。
投入時高確率信号の出力指示は、遊技機の電源投入時に設定されることがあるだけで(遊技制御メイン処理のステップS11参照)、その後に出力指示が設定されることはない。したがって、遊技機の電源投入後に遊技の進行などが開始されてからは、たとえ特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)を示すデータが記憶された場合であっても、投入時高確率信号が外部出力されることはないように制限される。また、電源投入時の出力指示にもとづいて投入時高確率信号の外部出力を開始した後、信号停止条件の成立により投入時高確率信号の外部出力を停止した以後は、たとえ特別遊技状態を示すデータが記憶された場合であっても、投入時高確率信号が外部出力されることはないように制限される。
本実施形態のCPU56は、図29のステップS10において、遊技機1の電力供給停止時(電断時)における遊技状態が確変状態であることを示すデータが記憶されていると判定した後に(ステップS10;Yes)、投入時高確率信号出力指定フラグをオン状態にする(ステップS11)として説明した。また、本実施形態のCPU56は、図38のS329Bで投入時高確率信号出力指定フラグがオン状態であると判別すると(ステップS329;Yes)、ステップS329Eで情報バッファの投入時高確率信号出力ビット位置がセットされ、その後のステップS331で出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時高確率信号が出力ポート0から出力されるとして説明した。しかし、これに限定されるわけではない。例えば、図39(B)に示すように、CPU56は、図29のステップS9の処理の後に、確変状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判別するステップS10の処理を実行せずに、投入時高確率信号出力指定フラグをオン状態にする(ステップS11)構成を採用できる。尚、この構成における投入時高確率信号出力指定フラグは、投入時高確率信号の出力指定がある場合にオン状態に設定されるフラグではなく、単に、電力供給が開始されたときに上記所定の復旧条件が成立した場合にオン状態に設定されるフラグである。また、投入時高確率信号出力指定フラグは、初期状態においてオフ状態に設定されている。この構成において、CPU56は、図39(C)に示すように、CPU56は、図38のステップS312において遊技機固有情報の出力中でないと判別した場合(ステップS312;No)、ステップS325のおいて次の出力先がないと判別した場合(ステップS325;No)、及びステップS316を実行した後には、投入時高確率信号出力指定フラグはオン状態であるか否かを判別するステップS329Bの処理を実行し、投入時高確率信号出力指定フラグはオン状態であると判別すると(ステップS329B;Yes)、ステップS10の遊技機1の電力供給停止時(電断時)における遊技状態が確変状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判別する処理を実行する。このとき、CPU56は、電断時における遊技状態が確変状態であることを示すデータが記憶されていると判別すると(ステップS10;Yes)、ステップS329Eで情報バッファの投入時高確率信号出力ビット位置をセットし、その後のステップS331で出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時高確率信号を出力ポート0から出力するとしても良い。尚、電断時における遊技状態が確変状態であることを示すデータが、全領域が電源バックアップされたRAM55の確変フラグである場合には、ステップS329Bにおいて、CPU56は、投入時高確率信号出力指定フラグはオン状態であると判別すると(ステップS329B;Yes)、確変フラグがオン状態であるか否かを判別する処理(ステップS10)を実行する。このとき、CPU56は、確変フラグがオン状態であると判別すると(ステップS10;Yes)、ステップS329Eで情報バッファの投入時高確率信号出力ビット位置をセットし、その後のステップS331で出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時高確率信号を出力ポート0から出力する。また、電断時における遊技状態が確変状態であることを示すデータが、図30の電源断処理(ステップS20)でRAM55の所定領域(バックアップ領域)にバックアップされた確変フラグの状態を示すデータである場合には、ステップS329Bにおいて、CPU56は、投入時高確率信号出力指定フラグはオン状態であると判別すると(ステップS329B;Yes)、バックアップ領域にバックアップされた確変フラグの状態を示すデータがオン状態を表すデータであるか否かを判別する処理(ステップS10)を実行する。このとき、CPU56は、バックアップされた確変フラグの状態を示すデータがオン状態を表すデータであると判別すると(ステップS10;Yes)、ステップS329Eで情報バッファの投入時高確率信号出力ビット位置をセットし、その後のステップS331で出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時高確率信号を出力ポート0から出力する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図40は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101a)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101aは、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS781)。その後、演出制御用CPU101aは、タイマ割込フラグの監視(ステップS782)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101aは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101aは、そのフラグをクリアし(ステップS783)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101aは、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS784)。
次いで、演出制御用CPU101aは、演出制御プロセス処理を行う(ステップS785)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(ステップS786)。その後、ステップS782に移行する。
図41及び図42は、コマンド解析処理(ステップS784)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から演出制御コマンドが送信されると、演出制御基板80のシリアル通信回路100bが演出制御コマンドを受信し、演出制御用CPU101aの割込信号線に対して割込信号を出力する。演出制御用CPU101aは、割込信号を入力されると、コマンド受信用の割込処理を実行し、シリアル通信回路100bが受信した演出制御コマンドを受信コマンドバッファに格納する。このため、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101aは、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
図41に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU101aは、まず、第1始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。例えば演出制御基板12の側で受信した演出制御コマンドは演出制御コマンド受信用バッファに格納されており、演出制御用CPU101aは、この演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドを読み出して内容を確認することにより、受信した演出制御コマンドを特定できればよい。
ステップS501にて第1始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されたときには(ステップS501;Yes)、演出制御用CPU101aは、第1始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS502)。例えば、ステップS502の処理において、演出表示装置9の下部に設けられた特別図柄保留記憶表示器18のLEDのうちの1つを、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS501にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS501;No)、演出制御用CPU101aは、第2始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS503)。このとき、第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されれば(ステップS503;Yes)、演出制御用CPU101aは、第2始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS504)。例えば、ステップS504の処理において、演出表示装置9の下部に設けられた特別図柄保留記憶表示器18のLEDのうちの1つを、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS502、S504の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU101aは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を、入賞時判定結果バッファ200に記憶させる(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、主基板31から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータを、保留記憶情報として入賞時判定結果バッファ200における空きエントリの先頭にセットすることで、保留記憶情報が記憶されるようにすればよい。このときには、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのMODEデータなどに応じた始動口情報も、保留記憶情報に含めて入賞時判定結果バッファ200における空きエントリの先頭にセットされればよい。
ステップS505の処理を実行したときには、演出制御用CPU101aは、判定結果記憶数を1加算するように更新した後に(ステップS506)、コマンド解析処理の実行を終了する。例えば、ステップS506の処理では、演出制御カウンタ設定部193に設けられた判定結果記憶カウンタの格納値である判定結果記憶数を1加算することにより、判定結果記憶数が1加算されるようにすればよい。判定結果記憶カウンタは、入賞時判定結果バッファ200における保留記憶情報の記憶数をカウントするためのものであり、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知されて入賞時判定結果バッファ200に記憶された判定結果と対応付けられた記憶番号の最大値を、判定結果記憶数により特定することができる。
ステップS503にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS503;No)、演出制御用CPU101aは、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドといった、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS507)。このとき、変動開始コマンドを受信したと判定されれば(ステップS507;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた変動開始コマンド受信フラグをオン状態にセットし(ステップS508)、入賞時判定結果バッファ200の記憶内容をシフトさせる(ステップS509)。例えば、入賞時判定結果バッファ200において、記憶番号「1」と対応付けて記憶されている保留記憶情報を消去するとともに、記憶番号「1」より下位のエントリ(例えば記憶番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された保留記憶情報を、1エントリずつ上位にシフトする。そして、演出制御用CPU101aは、例えば判定結果記憶数を1減算することなどにより、判定結果記憶数を1減算するように更新してから(ステップS510)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS507にて変動開始コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS507;No)、演出制御用CPU101aは、可変表示結果通知コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS511)。このとき、可変表示結果通知コマンドを受信したと判定されれば(ステップS511;Yes)、演出制御用CPU101aは、コマンドの通知内容は「小当り」であるか否かを判別する(ステップS512)。このとき、コマンドの通知内容は「小当り」であると判別されると、当り種別変数に対して小当りを表す値を代入する(ステップS513)。次に、演出制御用CPU101aは、例えば、遊技状態指定コマンドを受信する毎に、受信したコマンドで指定された遊技状態に基づいて更新される確変状態であることを示すRAM101cの所定領域に記憶されているデータに基づいて、現在の遊技状態が確変状態か否かを判別する(ステップS514)。その後、演出制御用CPU101aは、小当り前確変フラグに対して、ステップS514の判別結果を代入した後に(ステップS515)、コマンド解析処理の実行を終了する。尚、小当り前確変フラグは、小当り遊技状態に制御される前の遊技状態が確変状態である場合にオン状態に設定され、確変状態でない場合にオフ状態に設定される。
ステップS512にてコマンドの通知内容は、「小当り」でないと判別された場合には(ステップS512;No)、演出制御用CPU101aは、コマンドの通知内容は「突確A大当り」であるか否かを判別する(ステップS516)。このとき、コマンドの通知内容は「突確A大当り」であると判別されると、演出制御用CPU101aは、当り種別変数に対して突確A大当りを表す値を代入した後に(ステップS517)、コマンド解析処理の実行を終了する。
ステップS516にてコマンドの通知内容は、「突確A大当り」でないと判別された場合には(ステップS516;No)、演出制御用CPU101aは、コマンドの通知内容は「突確B大当り」であるか否かを判別する(ステップS518)。このとき、コマンドの通知内容は「突確B大当り」であると判別されると、演出制御用CPU101aは、当り種別変数に対して突確B大当りを表す値を代入した後に(ステップS519)、コマンド解析処理の実行を終了する。
ステップS518にてコマンドの通知内容は、「突確B大当り」でないと判別された場合には(ステップS518;No)、演出制御用CPU101aは、コマンドの通知内容は「15R確変大当り」であるか否かを判別する(ステップS520)。このとき、コマンドの通知内容は「15R確変大当り」であると判別されると、演出制御用CPU101aは、当り種別変数に対して15R確変大当りを表す値を代入した後に(ステップS521)、コマンド解析処理の実行を終了する。
ステップS520にてコマンドの通知内容は、「15R確変大当り」でないと判別された場合には(ステップS520;No)、演出制御用CPU101aは、コマンドの通知内容は「15R非確変大当り」であるか否かを判別する(ステップS522)。このとき、コマンドの通知内容は「15R非確変大当り」であると判別されると、演出制御用CPU101aは、当り種別変数に対して15R非確変大当りを表す値を代入した後に(ステップS523)、コマンド解析処理の実行を終了する。
ステップS511において、可変表示結果通知コマンドを受信しなかったと判定された場合には(ステップS511;No)、主基板31から中継基板15を介して受信した他のコマンドに応じた設定を行ってから(ステップS524)、コマンド解析処理を終了する。ここで、他のコマンドとは、例えば、図15(A)を参照して説明した変動パターン指定コマンド及び当り開始指定コマンドを含み、他のコマンドに応じた設定とは、例えば、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合に、演出制御フラグ設定部191などに設けられた変動パターン指定コマンド受信フラグをオン状態にセットすること、及び当り開始指定コマンドを受信したと判別した場合に、演出制御フラグ設定部191などに設けられた当り開始指定コマンド受信フラグをオン状態にセットすることを含む。
尚、1回のコマンド解析処理の実行によって、複数のコマンドの内容を解析することが望ましい。このため、演出制御用CPU101aは、1つのコマンドに対する解析処理が終了した場合に(例えば、ステップS506、S510、S515、S517、S519、S521、S523、及びS524を実行した後に)、内容の解析が終了していないコマンド(以下、未処理のコマンドという)がコマンド受信バッファに格納されているか否かを判別し、未処理のコマンドが格納されていると判別するとステップS501から上記処理再度繰り返し、未処理のコマンドが格納されてないと判別するとコマンド解析処理の実行を終了するとしても良い。
図43は、図40に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS785)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101aは、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現される。
可変表示開始待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出設定処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
可変表示中演出設定処理(ステップS801):演出図柄の可変表示中における各種の演出動作を実行するための設定を行う。その後に、演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
可変表示中演出処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、演出図柄の可変表示における進行状況などに対応して、各種の演出動作を実行するための制御を行う。そして、変動時間が終了したら、演出図柄を停止表示させた後、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
特図当り待ち処理(ステップS803):遊技制御用マイクロコンピュータ560から当り開始指定コマンドを受信しているか否かを確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する。当り開始指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を当り中演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り中演出処理(ステップS806):小当り遊技中又は大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。また、図42のステップS513、S517、S519、S521、又はS523で更新した当り種別変数が「小当り」を表す値である場合には、各種演出制御パターンに含まれる小当り用のパターンを用いて、演出表示装置9における演出画像の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
エンディング演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
次に、演出制御プロセス処理における特図当り待ち処理(ステップS803)を説明する。図44は、特図当り待ち処理の一例を示すフローチャートである。特図当り待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101a)は、まず、所定の当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS811)。当り開始指定コマンド受信待ち時間は、例えば可変表示中演出処理にて変動時間の終了に伴い演出図柄を停止表示(導出表示)したときに設定されればよい。
当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS811のNo)、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS812)。当り開始指定コマンドの受信がある場合には(ステップS812のYes)、各種演出制御パターンテーブルに複数格納された各種演出制御パターンのうちで、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を報知するために用意された当り報知用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS813)。このときには、例えば当り開始指定コマンドのEXTデータなどから特定される特図表示結果(「大当り」または「小当り」や、大当り種別など)に基づき、複数の各種演出制御パターンのいずれを使用パターンとするかが決定されればよい。
その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、当り報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS814)。例えば、当り報知動作が行われる実行時間となる当り報知時間として、予め定められた時間を設定する。そして、表示制御データが指定する表示制御指令をVDP109に対して伝送させること、音声制御データが指定する音声データに応じた指令を音声出力基板70に対して伝送させること、ランプ制御データが指定する信号出力をランプドライバ基板35に対して行うことのうち、一部または全部が順次にまたは並行して(1つの動作のみであれば単独で)行われればよい。これにより、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示や、スピーカ27からの音声や効果音の出力動作、装飾ランプ25等の発光体における点灯動作などにより、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」となって、遊技状態が大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されることを報知できる。
続いて、演出制御プロセスフラグの値を当り中演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する(ステップS816)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特図当り待ち処理の実行を終了する。つまり、ステップS811で当り開始指定コマンドの受信ありと判別された場合には(ステップS811)、演出制御用CPU101aは、当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定するか、又は小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定するかに関わらず、ステップS816において、演出制御プロセスフラグの値を当り中演出処理に対応した値に更新する。
ステップS811にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS811のYes)、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS818)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特図当り待ち処理の実行を終了する。
次に、演出制御プロセス処理における当り中演出処理(ステップS806)を説明する。図45は、当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。当り中演出処理において、演出制御用CPU101aは、まず、当り報知時間が経過したか否かを判定する(ステップS831)。当り報知時間が経過していない場合には(ステップS831のNo)、当り報知動作の制御が行われた後に(ステップS832)、当り中演出処理の実行が終了される。
当り報知時間が経過した場合には(ステップS831のYes)、当り中演出の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS833)。例えば、主基板31から伝送される当り終了指定コマンドを受信したときに、当り中演出の終了タイミングであると判定されればよい。当り中演出の終了タイミングではない場合には(ステップS833のNo)、図42のステップS513、S517、S519、S521、又はS523で更新した当り種別変数が「大当り」を表す値であるか否かを判別する。このとき、当り種別変数が「大当り」を表す値である場合には、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数であるラウンド数などに応じた大当り中演出における動作制御が行われ、当り種別変数が「小当り」を表す値である場合には、小当り中演出における動作制御が行われる(ステップS834)。
当り中演出の終了タイミングである場合には(ステップS833のYes)、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する(ステップS833)。
次に、演出制御プロセス処理におけるエンディング演出処理(ステップS807)を説明する。図46は、エンディング演出処理の一例を示すフローチャートである。エンディング演出処理において、演出制御用CPU101aは、まず、図42のステップS513、S517、S519、S521、又はS523で更新した当り種別変数が「突確A大当り」を表す値であるか否かを判別する(ステップS841)。このとき、演出制御用CPU101aは、当り種別変数が「突確A大当り」を表す値であると判別すると(ステップS841;Yes)、演出モードの移行先をモードA(確変モード)に決定する(ステップS842)。一例として、ステップS842の処理では、演出制御用CPU101aは、図16の乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるモード移行先決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する。次に、演出制御用CPU101aは、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた演出制御用ROMなどに予め記憶された、図20(A)に示すような突確・小当り後移行先決定テーブルを参照し、終了した遊技状態の遊技種別「突確A大当り」に基づいて、演出モードの移行先を決定すればよい。
ステップS841において、演出制御用CPU101aは、当り種別変数が「突確A大当り」を表す値でないと判別すると(ステップS841;No)、当り種別変数が「小当り」又は「突確B大当り」を表す値であるか否かを判別する(ステップS843)。このとき、演出制御用CPU101aは、当り種別変数が「小当り」又は「突確B大当り」を表す値であると判別すると(ステップS843;Yes)、入賞時判定結果バッファ200の記憶内容をチェックする保留中突確・小当り判定処理を実行する(ステップS844)。この保留中突確・小当り判定処理において、演出制御用CPU101aは、入賞時判定結果バッファ200が「小当り」又は「突確B大当り」の通知内容を記憶すると判別すると、突確・小当り保留変数の値を「小当り」を表す値又は「突確B大当り」を表す値とし、「小当り」及び「突確B大当り」のいずれの通知内容も記憶しないと判別すると、突確・小当り保留変数を「小当り」を表す値でも「突確B大当り」を表す値でもない値(つまり、初期値)とする。次に、演出制御用CPU101aは、図16の乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから、モード移行先決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する(ステップS845)。次に、演出制御用CPU101aは、ステップS844で更新された突確・小当り保留変数と、ステップS845で抽出した乱数値SR1と、図42のステップS515で更新された小当り前確変フラグとに基づいて、演出モードの移行先をモードB、C、及びD(潜伏モードのいずれか)に決定する(ステップS846)。
一例として、ステップS846の処理では、演出制御用CPU101aは、演出制御用ROMなどに予め記憶された、図20(A)に示すような突確・小当り後移行先決定テーブルを参照することなどにより、突確・小当り保留変数と乱数値SR1と小当り前確変フラグとに基づいて演出モードの移行先を決定すればよい。
ステップS843において、演出制御用CPU101aは、当り種別変数が「小当り」を表す値及び「突確B大当り」を表す値のいずれでもない判別すると(ステップS843;No)、当り種別変数が「15R確変大当り」を表す値であるか否かを判別する(ステップS847)。このとき、演出制御用CPU101aは、当り種別変数が「15R確変大当り」を表す値であると判別すると(ステップS847;Yes)、演出モードの移行先をモードA(確変モード)に決定する(ステップS848)。一例として、ステップS848の処理では、演出制御用CPU101aは、モード移行先決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出し、演出制御用ROMなどに予め記憶された、図20(B)に示すような15R大当り後移行先決定テーブルを参照し、終了した遊技状態の遊技種別「15R確変大当り(確率変動)」に基づいて、演出モードの移行先を決定すればよい。
ステップS847において、演出制御用CPU101aは、当り種別変数が「15R確変大当り」を表す値でない判別すると(ステップS847;No)、演出モードの移行先をモードN(通常モード)に決定する(ステップS849)。一例として、ステップS849の処理では、演出制御用CPU101aは、モード移行先決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出し、演出制御用ROMなどに予め記憶された、図20(B)に示すような15R大当り後移行先決定テーブルを参照し、終了した遊技状態の遊技種別「15R非確変大当り(時短)」に基づいて、演出モードの移行先を決定すればよい。
ステップS842、S846、S848、又はS849の処理の後に、演出制御用CPU101aは、ステップS842、S846、S848、又はS849で決定された演出モードに演出モードを移行させる(ステップS850)。その後、演出制御用CPU101aは、エンディング演出処理の実行を終了する。
本実施形態において、演出制御用CPU101aは、例えば、突確Bなどの第2特定遊技状態、及び小当り遊技状態などの所定遊技状態が終了したときに、例えば、高確率遊技状態などの特別遊技状態に制御されているときと、通常遊技状態に制御されているときとで、共通の演出が実行される所定の演出モードBからDのいずれかに制御する(ステップS850)として説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、演出制御用CPU101aは、例えば、突確Bなどの第2特定遊技状態に遊技機1を制御している間、及び小当り遊技状態などの所定遊技状態に制御している間において、所定の演出モードBからDのいずれかに移行制御させても良い。具体的には、演出制御用CPU101aは、図31に示すステップS115の大当り開放中処理において、図46のステップS841からS850の処理を実行すれば良い。
次に、エンディング演出処理における保留中突確・小当り判定処理(ステップS844)を説明する。図47は、保留中突確・小当り判定処理の一例を示すフローチャートである。保留中突確・小当り判定処理において、演出制御用CPU101aは、まず、入賞時判定結果バッファ200の記憶番号を表す変数Nの値を”1”として初期化し、突確・小当り保留変数を初期値として初期化する(ステップS861)。次に、演出制御用CPU101aは、記憶番号Nの判定結果を入賞時判定結果バッファ200から読み出す(ステップS862)。次に、演出制御用CPU101aは、読み出した判定結果が「15R大当り」であるか否かを判別する(ステップS863)。このとき、演出制御用CPU101aは、読み出した判定結果が「15R大当り」であると判別した場合には(ステップS863;Yes)、突確・小当り保留変数が初期値のまま保留中突確・小当り判定処理を終了する。これは、次に終了する15R大当り遊技状態の終了時に、ステップS846の突確・小当り保留変数を用いた処理が実行されないためである。
ステップS863において、演出制御用CPU101aは、読み出した判定結果が「15R大当り」であると判別した場合には(ステップS863;No)、読み出した判定結果が「突確大当り」であるか否かを判別する(ステップS864a)。このとき、演出制御用CPU101aは、読み出した判定結果が「突確大当り」であると判別した場合には(ステップS864a;Yes)、突確・小当り保留変数に突確大当りを表す値を代入した後に(ステップS865a)、突確・小当り判定処理を終了する。
ステップS864aにおいて、判定結果が「突確大当り」でないと判別した場合には(ステップS864a;No)、判定結果が「小当り」であるか否かを判別する(ステップS864b)。このとき、演出制御用CPU101aは、読み出した判定結果が「小当り」であると判別した場合には(ステップS864b;Yes)、突確・小当り保留変数に小当りを表す値を代入した後に(ステップS865b)、突確・小当り判定処理を終了する。
ステップS864において、演出制御用CPU101aは、読み出した判定結果が「小当り」及び「突確大当り」のいずれでもないと判別した場合には(ステップS864a;NoかつステップS864b;No)、変数Nが判定結果記憶数に達したか否かを判定する(ステップS866)。このとき、演出制御用CPU101aは、変数Nが判定結果記憶数に達したと判定した場合には、突確・小当り判定処理を終了し、そうでないと判定した場合には、変数Nを値”1”だけインクリメントした後に(ステップS867)、ステップS862から上記のステップを繰り返す。
尚、演出制御用CPU101aは、保留中突確・小当り判定処理のステップS863において、入賞時判定結果バッファ200から読み出した判定結果が「15R大当り」であると判別すると、保留中突確・小当り判定処理の実行を終了するとして説明した。また、演出制御用CPU101aは、ステップS864aにおいて、判定結果が「突確大当り」であると判別すると、ステップS865aの処理を実行した後に、保留中突確・小当り判定処理の実行を終了するとして説明した。また、演出制御用CPU101aは、ステップS864bにおいて、判定結果が「小当り」であると判別すると、ステップS865bの処理を実行した後に、保留中突確・小当り判定処理の実行を終了するとして説明した。しかし、これらに限定されるのではなく、演出制御用CPU101aは、判定結果が「15R大当り」であると判別する場合(ステップS863;Yes)、判定結果が「突確大当り」であると判別する場合(ステップS864a;Yes)、判定結果が「小当り」であると判別する場合(ステップS864b;Yes)に、保留中突確・小当り判定処理の実行を終了せず、記憶番号Nが判定結果記憶数と等しくなるまで(ステップS866;Yes)実行を続ける構成を採用できる。この構成において、演出制御用CPU101aは、「15R大当り」であると判別された判定結果よりも前の記憶番号の判定結果が「突確大当り」であると判別された場合に、ステップS865aの突確・小当り保留変数に「突確大当り」を表す値を代入する処理を実行した後に、値を代入された突確・小当り保留変数を用いて図46のエンディング処理のS843からS846を実行する構成を採用できる。また、演出制御用CPU101aは、「15R大当り」であると判別された判定結果よりも前の記憶番号の判定結果が「小当り」であると判別された場合に、ステップS865bの突確・小当り保留変数に「小当り」を表す値を代入する処理を実行した後に、値を代入された突確・小当り保留変数を用いて図46のエンディング処理のS843からS846を実行する構成を採用できる。さらに、演出制御用CPU101aは、「15R大当り」であると判別された判定結果よりも前の記憶番号の判定結果の内少なくとも2つがそれぞれ「突確大当り」及び「小当り」であると判別された場合に、より前の記憶番号の判定結果の判別結果に基づいてステップS865a又はステップS865bを実行した後に、値を代入された突確・小当り保留変数を用いて図46のエンディング処理のS843からS846を実行する構成を採用できる。つまり、演出制御用CPU101aは、「突確大当り」と判別された判定結果の方の記憶番号が前であると判別するとステップS865aの処理を実行し、「小当り」と判別された判定結果の方の記憶番号が若いと判別するとステップS865bの処理を実行しても良い。
また、演出制御用CPU101aは、ある判定結果について「突確大当り」又は「小当り」であると判別し、ステップS865a又はステップS865bを実行することで突確・小当り保留変数に「突確大当り」又は「小大当り」を表す値を代入した場合であっても、当該判定結果よりも記憶番号が後の判定結果が「15R大当り」であると判別すると、突確・小当り保留変数の値を初期化する構成を採用できる。
さらに、演出制御用CPU101aは、ステップS862において、判定結果が15R大当りであると判別した場合のみならず、突確A大当りであると判別した場合にも、保留中突確・小当り判定処理の実行を終了しても良い。突確A大当りに基づいて制御された2R大当り遊技状態が終了すると、図46のステップS842により高確状態を報知するモードAへ演出モードが移行する。このため、高確率状態に対する期待感を高める演出を行う演出モードから期待感を高め難い演出を行う演出モードへ移行するような、高められた遊技者の期待感を一気に低下させしまう演出モードの移行が生じないためである。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば遊技機への電源投入時に、初期化処理が実行されないことに加えて特別遊技状態(例えば、高確率遊技状態)を示すデータが記憶されていることにもとづいて、所定の信号停止条件が成立するまで、遊技機の外部に投入時高確率信号を出力する。これにより、遊技機の電力供給が開始されたときの遊技状態をホールコンピュータなどの外部装置で統括して管理可能とし、遊技場の管理者などが容易に把握することができる。例えば、遊技機における前回の電力供給停止時(電断時)に遊技状態が確変状態であった場合に、遊技機の電力供給が開始されるときに電断復旧時の設定(図29のステップS9参照)が行われて確変状態のまま復旧が行われる可能性がある。特に、モードBやモードCやモードDの演出モードといったように、遊技状態が確変状態であるか通常遊技状態であるにかかわらず共通の演出を実行可能な共通演出モードが設けられている場合には、遊技機の外見上からは確変状態となっているか否かを判別することが不可能あるいは著しく困難になるおそれがある。そして、確変状態のまま復旧が行われてしまい、復旧後に遊技が行われると、容易に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されてしまい、遊技場が意図せぬ不利益を受けるおそれがある。そこで、この実施の形態では、遊技機の電力供給が開始されたときの遊技状態を外部で容易に認識できるようにして、こうした不利益の発生を防止することができる。この場合、遊技場の管理者などは、個別の遊技機を電源投入時に監視して確変状態等の特別遊技状態であるか否かを確認する必要がなく、ホールコンピュータなどの外部装置において、特別遊技状態となっている遊技機の有無を統括して容易に確認することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技機固有情報をシリアル信号方式で出力することができる。これにより、遊技機と外部装置との配線数を低減しつつ、不正行為を防止することができる。
なお、上記の実施の形態において本発明による遊技機としてパチンコ機を適用した場合について説明したが、本発明による遊技機としてパロット機を適用することも可能である。この場合、上記の実施の形態で示した任意の構成や動作(処理)を適用できればよい。