JP2012040121A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体噴射装置の液体室内の気泡の有無を、液体室にセンサーを取り付けることな
く検出する。
【解決手段】一定流量で液体を液体室に供給するとともに、供給される液体の圧力(供給
圧力)を液体室の上流側で検出する。また、容積変動部を駆動して液体室の容積を減少さ
せることにより、液体室内の液体を加圧して噴射ノズルからパルス状に噴射する。このと
き、液体室内に気泡があると、気泡がない場合に比べて供給圧力は低下する。そこで、容
積変動部の駆動中に検出される供給圧力に基づいて、液体室内の気泡の有無を検出する。
こうすれば、供給圧力については液体室の上流側で検出可能なので、気泡の存在が問題と
なる液体室自体にセンサーを取り付けることなく、液体室内の気泡を検出することが可能
となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、噴射ノズルから液体を噴射する技術に関する。詳しくは、加圧した液体を生
体組織に向けて噴射することにより、生体組織を切開あるいは切除する技術に関する。
水や生理食塩水などの液体を加圧して、噴射ノズルから生体組織に向けて噴射すること
により、生体組織を切開あるいは切除する液体噴射装置が開発されている。このような液
体噴射装置を用いた手術では、血管等の脈管構造を傷つけることなく臓器などの組織だけ
を選択的に切開あるいは切除することが可能であり、周囲の組織に与える損傷が少ないの
で、患者の負担を小さくすることが可能である。
また、単に液体を噴射ノズルから連続的に噴射するのではなく、噴流を周期的に変化さ
せてパルス状に噴射することにより、少ない噴射量で生体組織の切開や切除を可能にした
液体噴射装置が提案されている(特許文献1)。この液体噴射装置では、噴射しようとす
る液体が供給される液体室と、液体室の容積を変動させるアクチュエーターとを備えてお
り、液体室に液体が満たされた状態で、液体室の容積を瞬間的に減少させて液体室内の液
体を加圧することにより、噴射ノズルから液体をパルス状に噴射することができる。
このように液体をパルス状に噴射する液体噴射装置では、液体室内に気泡が存在すると
、液体室の容積を減少させても気泡が圧縮される(収縮する)のみで液体には圧力がかか
らないので、液体を適切に噴射することができなくなってしまう。そのため、液体室内に
気泡が混入あるいは発生した場合には、気泡を噴射ノズルから排出させるなどによって取
り除く必要がある。また、液体室内の気泡を検出する技術としては、液体室にセンサーを
取り付けて、気泡の有無に応じて変化する液体室内の圧力等を検出することにより、気泡
の有無を判定することが提案されている(特許文献2)。
特開2008−082202号公報 特開2002−144604号公報
しかし、液体室にセンサーを取り付けて気泡を検出しようとすると、液体室自体が非常
に小さいので、センサーの取り付け位置を確保することが困難であり、また、液体室の容
積を減少させる際にセンサー付近で圧力損失が生じ易いことから、生体組織を切開あるい
は切除する能力に影響するおそれがあるという問題があった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、
液体噴射装置の液体室内の気泡の有無を、液体室にセンサーを取り付けることなく検出す
ることが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体噴射装置は次の構成を
採用した。すなわち、
噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
噴射しようとする液体が供給されるとともに、前記噴射ノズルと接続された液体室と、
単位時間あたりに規定量の液体を前記液体室に供給する液体供給手段と、
前記液体供給手段から供給される液体の圧力を、前記液体室の上流側で検出する圧力検
出手段と、
前記液体供給手段から供給される液体が前記液体室に充填された状態で、該液体室の容
積を変動させる容積変動部を駆動することにより、前記噴射ノズルから液体をパルス状に
噴射させる噴射制御手段と、
前記容積変動部が駆動しているときの前記圧力検出手段の検出圧力に基づいて、前記液
体室内の気泡を検出する気泡検出手段と
を備えることを要旨とする。
このような本発明の液体噴射装置においては、液体供給手段から単位時間あたりに規定
量の液体が液体室に供給されており、液体室の容積を変動させる容積変動部が駆動してい
ない状態では、液体室に供給される液体が噴射ノズルから連続的に流出する。一方、容積
変動部が駆動して液体室の容積を減少させることにより、液体室内の液体を加圧して噴射
ノズルからパルス状に噴射することができる。詳しくは後述するが、噴射ノズルから液体
がパルス状に噴射されると、連続的に流出しているときに比べて、液体室への液体の供給
抵抗が高まるので、容積変動部の駆動時に液体供給手段から供給される液体の圧力(供給
圧力)は、容積変動部の非駆動時よりも上昇する。ただし、液体室内に気泡が存在すると
、液体室の容積を減少させても気泡が圧縮されるだけで液体は加圧されないので、噴射ノ
ズルからの噴流はパルス状ではなく連続的になる。その結果、液体室内に気泡が存在する
場合には、気泡が存在しない場合に比べると液体室への液体の供給抵抗が低くなり、供給
圧力の低下として現れる。こうした点に鑑み、本発明の液体噴射装置では、圧力検出手段
によって供給圧力を液体室の上流側で検出可能となっており、容積変動部の駆動中に検出
した供給圧力に基づいて、上述のような供給圧力の低下が認められるか否かを判断するこ
とで、液体室内の気泡の有無を検出することができる。
また、気泡の存在が問題となる液体室自体は非常に小さく、気泡検出のための装置(セ
ンサーなど)を液体室に取り付けようとすると、取り付け位置の確保が問題となる。しか
し、本発明の液体噴射装置のように、供給圧力に基づいて液体室内の気泡を検出するので
あれば、供給圧力については液体室の上流側で検出可能なので、液体室にはセンサーなど
を取り付ける必要がない。その結果、液体噴射装置の設計の自由度が向上して、液体噴射
装置の構造をシンプルにすることができる。加えて、液体室に取り付けたセンサーによっ
て生じ得る液体室の容積減少時の圧力損失についても回避できるので、安定した液体の噴
射を確保しつつ、液体室内の気泡を検出することが可能となる。
尚、このような構成を有する本発明の液体噴射装置は、生体組織に向けて液体を噴射す
ることで、生体組織の切開あるいは切除を行う装置として特に好適である。すなわち、生
体組織の切開あるいは切除に用いられる液体噴射装置では、液体室内に気泡が存在すると
、前述したように液体が適切に噴射されず、生体組織を切開あるいは切除する能力が低下
してしまう。そこで、本発明を適用すれば、液体室内に気泡が混入あるいは発生した場合
には直ちに検出できるので、切開あるいは切除する能力が低下したままでの使用の継続を
回避することができる。また、こうした液体噴射装置では、操作者が把持する部分に液体
室が設けられていることから、気泡検出のためのセンサーが液体室に不要であれば、把持
する部分の小型化および軽量化を図ることができる。
上述した本発明の液体噴射装置では、次のようにしてもよい。先ず、液体室内に気泡が
ない状態で、かつ容積変動部の駆動中に液体供給部から供給される液体の圧力(標準圧力
)を予め記憶しておく。そして、容積変動部の駆動中に実際に検出した供給圧力と、記憶
されている標準圧力とを比較することによって、液体室内の気泡を検出する。
このように液体室内に気泡がなく液体が適切に噴射されているときの標準圧力を予め記
憶しておけば、液体室内に気泡が存在して液体を適切に噴射できていないときの供給圧力
は、この標準圧力に比べて低くなる。そのため、たとえ僅かな気泡が存在する場合でも精
度良く検出することが可能となる。
また、こうした本発明の液体噴射装置では、弾性部材で形成された接続チューブで液体
供給手段と液体室とを接続するとともに、この接続チューブの外側面に圧力検出手段を設
けることとして、接続チューブの膨張による変形量を検出することで、液体供給手段から
供給される液体の圧力を検出するようにしてもよい。
弾性部材で形成された接続チューブは、接続チューブの内圧(すなわち、液体供給手段
から供給される液体の圧力)に応じて膨張する。従って、接続チューブの膨張による変形
量を検出すれば、液体室内の気泡の混入あるいは発生に伴う供給圧力の低下を容易に検出
することができる。また、接続チューブの外側面に圧力検出手段を取り付けるだけなので
、液体噴射装置の設計が複雑化することはなく、供給圧力に基づく液体室内の気泡検出を
簡便に実現することが可能となる。
また、生体組織の切開あるいは切除に用いられる液体噴射装置では、噴射ノズルから噴
射する液体に異物が混入するようなことがあってはならない。そこで、接続チューブの外
側面に設けた圧力検出手段で接続チューブの変形量を検出するようにすれば、圧力検出手
段が液体に直接触れることなく供給圧力を検出することが可能となる。その結果、供給圧
力の検出過程で液体に異物が混入する可能性を排除することができる。
本実施例の液体噴射装置の大まかな構成を示した説明図である。 噴射ユニットの詳細な構成を示した断面図である。 噴射ユニットが液体を噴射する様子を示した説明図である。 本実施例の液体噴射装置で液体室内の気泡を検出するために行われる気泡検出処理の流れを示したフローチャートである。 液体室内の気泡の有無に応じて供給ポンプの供給圧力が変化する様子を示した説明図である。 本実施例の液体噴射装置で用いられるルックアップテーブルを概念的に示した説明図である。 第2変形例の液体噴射装置において、接続チューブ上に設けた圧力センサーによって供給ポンプの供給圧力を測定する様子を示した説明図である。 接続チューブの途中に測定室を設けて、供給ポンプの供給圧力を測定する様子を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.装置構成:
A−1.液体噴射装置の構成:
A−2.噴射ユニットの構成:
B.本実施例の気泡検出処理:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
A.装置構成 :
A−1.液体噴射装置の構成 :
図1は、本実施例の液体噴射装置10の大まかな構成を示した説明図である。図示した
液体噴射装置10は、水や生理食塩水などの液体を生体組織に向けて噴射することで、生
体組織を切開あるいは切除する手術方法に用いられるものである。
図示されているように、本実施例の液体噴射装置10は、水や生理食塩水などの液体を
パルス状に噴射する噴射ユニット100や、噴射ユニット100から噴射する液体を噴射
ユニット100に供給する供給ポンプ300や、噴射する液体を収容する液体タンク30
6や、噴射ユニット100および供給ポンプ300の動作を制御する制御部200などか
ら構成されている。
噴射ユニット100は、前ケース106と後ケース108とを重ねてネジ止めしたよう
な構造となっており、前ケース106の前面には円管形状の流路管104が接続され、流
路管104の先端には噴射ノズル102が設けられている。前ケース106と後ケース1
08との合わせ面には、薄い円板形状の液体室110が設けられており、この液体室11
0は、流路管104を介して噴射ノズル102に接続されている。また、後ケース108
の内部には、積層型圧電素子によって構成されたアクチュエーター112が設けられてお
り、駆動電圧波形を印加してアクチュエーター112を駆動することにより、液体室11
0の容積を変動させて、液体室110内の液体を噴射ノズル102からパルス状に噴射す
ることが可能となっている。尚、噴射ユニット100の詳細な構成については後述する。
供給ポンプ300は、液体通路302を介して液体タンク306と接続されており、液
体タンク306から吸い上げた液体を、接続チューブ304を介して噴射ユニット100
の液体室110に定量的に供給する。本実施例の供給ポンプ300は、2つのピストンが
シリンダ内で摺動する構成となっており、一方のピストンが前進しているときは他方のピ
ストンが後退して2つのピストンが互いに逆位相で摺動することで、単位時間あたりに規
定量の液体を噴射ユニット100に向かって圧送することが可能となっている。また、供
給ポンプ300には、圧力センサー308が搭載されており、供給ポンプ300から供給
される液体の圧力(供給圧力)を測定可能となっている。尚、供給ポンプ300は、定量
的に液体を供給可能なポンプであれば、ピストンポンプに限られるわけではなく、ダイア
フラムポンプなどを用いてもよい。加えて、単位時間あたりに規定量の液体を液体室11
0に供給する本実施例の供給ポンプ300は、本発明の「液体供給手段」に相当している
。さらに、供給ポンプ300から供給される液体の圧力を検出する本実施例の圧力センサ
ー308は、本発明の「圧力検出手段」に相当している。
制御部200は、噴射ユニット100に内蔵されたアクチュエーター112の動作や、
供給ポンプ300の動作を制御している。本実施例の液体噴射装置10では、供給ポンプ
300から供給する液体の流量や、アクチュエーター112に印加する駆動電圧波形の最
大電圧値および周波数を変更することによって、噴射ノズル102からの液体の噴射態様
を変化させることが可能となっている。このことと対応して、制御部200には、供給ポ
ンプ300の供給流量を設定する供給流量設定ダイヤル202、駆動電圧波形の最大電圧
値を設定する駆動電圧設定ダイヤル204、駆動電圧波形の周期を設定する駆動周期設定
ダイヤル206が設けられており、これらのダイヤルの設定に基づいて供給ポンプ300
およびアクチュエーター112の動作が制御される。また、前述したように、供給ポンプ
300には、供給圧力を測定する圧力センサー308が搭載されており、この圧力センサ
ー308の出力が制御部200に入力されるようになっている。詳しくは後述するが、本
実施例の液体噴射装置10では、供給ポンプ300の供給圧力に基づいて、液体室110
内の気泡を検出することが可能となっている。
A−2.噴射ユニットの構成 :
図2は、噴射ユニット100の詳細な構成を示した断面図である。前述したように、噴
射ユニット100は、前ケース106と後ケース108とを合わせてネジ止めして構成さ
れている。後ケース108には、前ケース106と合わさる面のほぼ中央に、円形の浅い
凹部108cが形成されており、凹部108cの中央位置には、後ケース108を貫通す
る円形断面の貫通穴108hが形成されている。
凹部108cの底面には、貫通穴108hを塞ぐように、金属薄板などで形成された円
形のダイアフラム114が気密に固着されている。更に、ダイアフラム114の上からは
、円環形状をした金属製の補強板120が、凹部108cに嵌め込まれている。この補強
板120の板厚は、ダイアフラム114および補強板120を足した厚さが凹部108c
の深さと同じになるような厚さに設定されている。
ダイアフラム114によって塞がれた貫通穴108hには、アクチュエーター112が
収納されており、更に、円板形状の底板118によって貫通穴108hの開口部が塞がれ
ている。また、アクチュエーター112とダイアフラム114との間には、金属製で円形
のシム板116が挿入されている。そして、後ケース108の貫通穴108hにアクチュ
エーター112を収納して、底板118で貫通穴108hを塞いだ時に、ダイアフラム1
14と、シム板116と、アクチュエーター112と、底板118とがちょうど接した状
態となるように、シム板116の厚さが設定されている。
前ケース106には、後ケース108と合わさる面に、円形の浅い凹部106cが形成
されている。この凹部106cの内径は、後ケース108に嵌め込まれた補強板120の
内径とほぼ同じ大きさに設定されている。そして、前ケース106と後ケース108とを
合わせてネジ止めした時に、前ケース106に設けられた凹部106cと、後ケース10
8側に設けられたダイアフラム114および補強板120の内周面とによって、略円板形
状の液体室110が形成される。
また、前ケース106には、供給ポンプ300によって供給される液体を前ケース10
6の側方から液体室110に導く供給通路106aが設けられている。更に、凹部106
cの中央位置には、液体室110で加圧された液体を流路管104へと導く噴射通路10
6bが設けられている。このように構成された噴射ユニット100では、アクチュエータ
ー112に駆動電圧波形を印加することにより、次のように液体を噴射するようになって
いる。
図3は、噴射ユニット100が液体を噴射する様子を示した説明図である。先ず、図3
(a)は、供給ポンプ300は駆動しているが、アクチュエーター112は駆動していな
い状態(駆動電圧波形を印加する前の状態)を表している。この状態では、図中に太い破
線の矢印で示したように、供給ポンプ300から供給される液体で液体室110が満たさ
れる。尚、前述したように、供給ポンプ300から液体が定量的に供給されているので、
液体室110が液体で満たされると、アクチュエーター112が駆動していない状態で、
噴射ノズル102からは連続的に液体が流出する。本明細書中では、噴射ノズル102か
らのこのような吐出形態を「連続流」と呼ぶことがあるものとする。
このように液体室110が液体で満たされた状態で、駆動電圧波形がアクチュエーター
112に印加されると、図3(b)に示すように、アクチュエーター112が駆動電圧の
増加により伸長して、ダイアフラム114を液体室110に向けて押す(変形させる)の
で、液体室110の容積が減少し、その結果、液体室110内の液体が加圧される。こう
して液体室110内で加圧された液体は、図3(b)中に太い破線の矢印で示したように
、噴射通路106bおよび流路管104を介して、噴射ノズル102から噴射される。
尚、液体室110には、前述したように供給通路106aおよび噴射通路106bの2
つの通路が接続されている。従って、液体室110内で加圧された液体は、噴射通路10
6bだけでなく、供給通路106aからも流出すると考えられる。しかし、通路の液体の
流れ易さは、通路の長さや通路の断面積等によって定まるので、供給通路106aおよび
噴射通路106bの長さや断面積を適切に設定しておけば、供給通路106aよりも噴射
通路106bから液体が流出し易くすることが可能である。また、供給通路106aでは
、供給ポンプ300から圧送される液体が液体室110内に流入しようとするので、液体
室110内の液体が供給通路106aから流出するには、この流れを押し戻す必要がある
のに対して、噴射通路106bでは、液体室110内の液体の流出を妨げるような流れは
存在しない。そのため、液体室110内で加圧された液体は、もっぱら噴射通路106b
から流出して、流路管104を介して先端の噴射ノズル102から高い流速で噴射される
。尚、本実施例の液体噴射装置10では、噴射ノズル102の内径が流路管104の内径
よりも小さく設定されていることから、噴射ノズル102から噴射される液体の流速をさ
らに高めることが可能である。
このようにして液体を噴射したら、駆動電圧の減少によりアクチュエーター112が収
縮して元の長さに戻ることから、それに伴って液体室110の容積が元の容積に復元する
とともに、供給ポンプ300から液体室110に液体が供給されて、図3(a)に示した
状態に復帰する。その後、再び駆動電圧の増加によりアクチュエーター112が伸長して
、図3(b)に示したように液体室110から押し出された液体が噴射ノズル102から
噴射される。こうした動作を繰り返すことにより、本実施例の液体噴射装置10では、液
体をパルス状に噴射することが可能となっている。本明細書中では、噴射ノズル102か
ら液体をパルス状に噴射する吐出形態を「パルス流」と呼ぶことがあるものとする。尚、
液体室110の容積を変動させる本実施例のアクチュエーター112は、本発明の「容積
変動部」に相当している。また、アクチュエーター112の駆動により液体をパルス状に
噴射する動作は制御部200によって制御されていることから、本実施例の制御部200
は、本発明の「噴射制御手段」に相当している。
以上のようにして液体をパルス状に噴射している関係上、液体室110に気泡が存在す
ると、アクチュエーター112を駆動して液体室110の容積を減少させても、気泡が圧
縮される(潰れる)だけで液体室110内の液体を十分に加圧することができないので、
適切なパルス流で液体を噴射することができなくなってしまう。そこで、本実施例の液体
噴射装置10では、以下のような気泡検出処理を行って、液体室110内の気泡を検出す
るようになっている。
B.本実施例の気泡検出処理 :
図4は、本実施例の液体噴射装置10で液体室110内の気泡を検出するために行われ
る気泡検出処理の流れを示したフローチャートである。この処理は、液体噴射装置10の
動作を制御する制御部200によって、アクチュエーター112の駆動中に実行される。
尚、制御部200が気泡検出処理を実行することによって、液体室110内の気泡を検出
していることから、本実施例の制御部200は、本発明の「気泡検出手段」に相当してい
る。
図示されているように気泡検出処理では、先ず初めに、供給ポンプ300の現在の供給
圧力を取得する(ステップS100)。前述したように、本実施例の供給ポンプ300に
は、圧力センサー308が搭載されており、供給ポンプ300によって噴射ユニット10
0に供給される液体の供給圧力を測定可能となっている。また、本実施例では、圧力セン
サー308として半導体圧力センサーが用いられており、供給ポンプ300の供給圧力が
電気信号として圧力センサー308から制御部200に向けて出力される。
圧力センサー308の出力に基づいて、供給ポンプ300の現在の供給圧力を取得する
と、アクチュエーター112の駆動開始時であるか否か、および噴射条件が変更されたか
否かを判断する(ステップS102)。前述したように、本実施例の液体噴射装置10で
は、駆動電圧波形を印加してアクチュエーター112を駆動することでパルス流を発生さ
せることが可能であり、また、制御部200に設けられた各種ダイヤル(供給流量設定ダ
イヤル202、駆動電圧設定ダイヤル204、駆動周期設定ダイヤル206)を操作する
ことにより、操作者が噴射条件を変更することが可能となっている。
そして、既にアクチュエーター112が駆動しており、パルス流での液体噴射を継続中
であって、噴射条件の変更が行われていない場合は(ステップS102:no)、ステッ
プS100で取得した現在の供給圧力を直前に取得した供給圧力と比較して、液体室11
0内の気泡の有無を判断する(ステップS104)。ここで、気泡の有無の判断方法につ
いて、図5を用いて詳しく説明する。
図5は、液体室110内の気泡の有無に応じて供給ポンプ300の供給圧力が変化する
様子を示した説明図である。先ず、アクチュエーター112が駆動していない状態では、
供給ポンプ300から定量的に供給される液体で液体室110が満たされた後は、噴射ノ
ズル102からの吐出形態は、液体が連続的に流出する連続流であり、供給ポンプ300
の供給圧力はほぼ一定となっている。この状態から、駆動電圧波形の印加によりアクチュ
エーター112が駆動を開始すると、噴射ノズル102からの吐出形態は、液体がパルス
状に噴射されるパルス流となり、連続流のときに比べて、供給ポンプ300の供給圧力が
上昇する。この点について補足して説明する。
先ず、供給ポンプ300の出口での液体の流速をv、圧力をpとし、噴射ノズル1
02から流出する液体の流速をv、圧力をpとすると、ベルヌーイの定理により、
/2+p=v /2+p
と表すことができる。また、供給ポンプ300からは液体が定量的に供給されているので
、vの時間平均は一定であり、pは大気圧で一定あるとすれば、Cを定数として、
=v /2+C
と表すことができる。つまり、供給ポンプ300の供給圧力は、噴射ノズル102から流
出する液体の流速の2乗に比例する。
そして、例えば、連続流のときに噴射ノズル102から流出する液体の流速をuとして
、パルス流のときには、アクチュエーター112の収縮時に噴射ノズル102から液体が
流出しなくなり(流速が0となり)、アクチュエーター112の伸長時に連続流のときの
2倍の流速(2u)で流出するとした場合には、パルス流のときの供給ポンプ300の平
均供給圧力をE(p)とすると、
E(p)={(2u)/2+2C}/2
=u+C
となり、連続流のときの供給ポンプ300の供給圧力(u/2+C)よりも高くなる。
尚、図5では、アクチュエーター112の駆動によりパルス流が発生しているときの供給
圧力は、時間平均を表している。
このように、アクチュエーター112が駆動して噴射ノズル102からの吐出形態がパ
ルス流になると、アクチュエーター112が駆動していない連続流のときに比べて、液体
室110に液体を供給する上での抵抗(供給抵抗)が大きくなり、供給ポンプ300の供
給圧力は高くなる。しかしながら、前述したように、液体室110内に気泡が混入あるい
は発生すると、液体室110の容積が減少しても、気泡が圧縮されるだけで液体室110
内の液体には圧力がかからないので、アクチュエーター112が駆動しているにもかかわ
らず、噴射ノズル102からの吐出形態は、パルス流ではなく連続流となる。その結果、
液体室110内に気泡が存在するときの供給ポンプ300の供給圧力は、気泡が存在しな
いときに比べて低下する。
従って、供給ポンプ300の現在の供給圧力が直前の供給圧力に比べて低下していれば
、液体室110に気泡が混入あるいは発生したと判断することができ、一方、低下してい
なければ、液体室110に気泡は存在しないと判断することができる。尚、ステップS1
04では、圧力センサー308の測定誤差を考慮して、現在の供給圧力が直前の供給圧力
から10%以上低下した場合に気泡があると判断して、10%未満の低下である場合には
、気泡がないと判断するようになっている。
一方、ステップS102において、アクチュエーター112の駆動開始時であるか、あ
るいは噴射条件が変更されたと判断された場合は(ステップS102:yes)、ルック
アップテーブルを参照して、現在の噴射条件での標準供給圧力を読み出す(ステップS1
06)。すなわち、アクチュエーター112の駆動開始時である場合には、供給ポンプ3
00の現在の供給圧力と比較する直前の供給圧力がない。また、制御部200に設けられ
た各種ダイヤルの操作によって噴射条件が変更された場合には、供給ポンプ300の供給
圧力が変化するので、この場合も比較対象となる直前の供給圧力が存在しない。そこで、
本実施例の液体噴射装置10では、様々な噴射条件で予め測定された標準供給圧力がルッ
クアップテーブルに記憶されている。
図6は、本実施例の液体噴射装置10で用いられるルックアップテーブルを概念的に示
した説明図である。前述したように、制御部200に設けられた各種ダイヤル(供給流量
設定ダイヤル202、駆動電圧設定ダイヤル204、駆動周期設定ダイヤル206)を操
作することで、噴射条件として、供給ポンプ300による液体の供給流量、アクチュエー
ター112に印加する駆動電圧波形の最大電圧値(液体室110の容積変動の大きさ)、
駆動電圧波形の周期(液体室110の容積変動の周期)を変更することが可能であり、こ
れらの噴射条件を変更すると、供給ポンプ300の供給圧力が変化する。ルックアップテ
ーブルには、これら3つの噴射条件を様々に変えた組み合わせで、液体室110内に気泡
がないときの供給ポンプ300の供給圧力を実験的に測定した標準供給圧力が記憶されて
いる。
図6に示した例では、最大電圧値および周期を所定の間隔で変更しながら標準供給圧力
を測定した2次元テーブルが、所定間隔で変更した流量毎に作成されている。このような
ルックアップテーブルを参照すれば、例えば、現在の噴射条件が、供給流量10ml/m
in、最大電圧値100V、周期400Hzである場合には、先ず、供給流量10ml/
min用の2次元テーブルを選択して、その中の最大電圧値100V、周期400Hzに
対応する標準供給圧力を簡単に読み出すことができる。尚、ルックアップテーブル内に直
接にはない噴射条件の組み合わせについては、ルックアップテーブル内の標準供給圧力か
ら線形補完などで導出することとしてもよい。
こうしてルックアップテーブルから現在の噴射条件での標準供給圧力を読み出したら、
ステップS100で取得した供給ポンプ300の現在の供給圧力を、読み出した標準供給
圧力と比較して、液体室110内の気泡の有無を判断する(ステップS108)。すなわ
ち、標準供給圧力は、設定された噴射条件における正常な状態(液体室110内に気泡が
ないとき)の供給圧力であることから、現在の供給圧力が標準供給圧力に比べて低下して
いれば、液体室110内に気泡が存在すると判断することができ、一方、現在の供給圧力
が標準供給圧力と同程度であれば、液体室110内に気泡は存在しないと判断することが
できる。尚、ステップS108では、圧力センサー308の測定誤差を考慮して、現在の
供給圧力が標準供給圧力から10%以上低下している場合は、気泡が存在すると判断して
、10%未満の低下である場合は、気泡が存在しないと判断するようになっている。
以上のようにして、液体室110内の気泡の有無を判断した結果(ステップS104,
S108)、気泡が存在しないと判断された場合は(ステップS110:no)、気泡検
出処理の先頭に戻って、再び供給ポンプ300の現在の供給圧力を取得した後(ステップ
S100)、上述した続く一連の処理を行う。
一方、液体室110内に気泡が存在すると判断された場合は(ステップS110:ye
s)、気泡が存在する旨の報知を行う(ステップS112)。報知の方法としては、例え
ば、図示しないスピーカーあるいはブザーを用いてアラーム音を出力するようにしてもよ
い。
気泡が存在する旨の報知に続いて、気泡排出処理を実行する(ステップS114)。本
実施例の液体噴射装置10では、液体室110内の気泡を噴射ノズル102から排出する
のに適した噴射条件(供給流量、最大電圧値、周期)が予め設定されており、現在設定さ
れている噴射条件にかかわらず、この気泡排出用の噴射条件に切り換えて供給ポンプ30
0および噴射ユニット100の動作が制御される。こうして気泡排出処理を実行したら、
気泡検出処理の先頭に戻って、供給ポンプ300の現在の供給圧力を取得する(ステップ
S100)。
以上に説明したように、本実施例の液体噴射装置10では、液体室110に向けて液体
を定量的に供給する供給ポンプ300の供給圧力を、供給ポンプ300に搭載された圧力
センサー308で測定可能となっている。そして、液体室110内に気泡が存在する場合
には、アクチュエーター112が駆動していても噴射ノズル102からパルス流が適切に
噴射されず、気泡が存在しない場合に比べて供給ポンプ300の供給圧力(液体室110
への液体の供給抵抗)が低下することから、このような供給ポンプ300の供給圧力の低
下を検出することによって、液体室110内の気泡を検出することができる。
また、気泡の存在が問題となる液体室110自体は非常に小さく、気泡検出のためのセ
ンサー等を取り付ける位置の確保が困難であるところ、本実施例のように供給ポンプ30
0の供給圧力に基づいて液体室110内の気泡を検出するのであれば、液体室110にセ
ンサーを取り付ける必要がないので、液体室110が設けられる噴射ユニット100の構
造をシンプルにすることができる。加えて、操作者が把持する部分である噴射ユニット1
00に、気泡検出のためのセンサー等が不要であることから、噴射ユニット100の小型
化および軽量化を図ることが可能となる。
さらに、液体室110に取り付けたセンサーによって生じ得る液体室110の容積減少
時の圧力損失についても、液体室110にセンサーを取り付けないことで回避できるので
、噴射ノズル102からの安定した液体の噴射を確保しながら、液体室110内の気泡を
検出することが可能となる。
C.変形例 :
以上に説明した本実施例の液体噴射装置10には、幾つかの変形例が存在している。以
下では、これら変形例について説明する。尚、変形例の説明にあたっては、前述した実施
例と同様の構成部分については、先に説明した実施例と同様の符号を付し、その詳細な説
明を省略する。
C−1.第1変形例 :
上述した実施例では、適切なパルス流で液体を噴射している状態で予め測定した標準供
給圧力と、現在の供給圧力とを比較して、液体室110内の気泡の有無を判断していた(
図4のステップS106,S108参照)。しかし、アクチュエーター112を駆動して
いない(連続流で液体が流出している)状態で予め測定した基準供給圧力と、現在の供給
圧力とを比較して、液体室110内の気泡の有無を判断するようにしてよい。
前述したように、液体室110内に気泡がない状態でアクチュエーター112を駆動す
ることによりパルス流が適切に発生すると、連続流のときに比べて、液体室110への液
体の供給抵抗が大きくなり、供給ポンプ300の供給圧力が上昇する(図5参照)。この
点に着目して、第1変形例の液体噴射装置10では、アクチュエーター112を駆動せず
に、供給ポンプ300による液体の供給流量を所定の間隔で変えながら実験的に測定した
基準供給圧力がルックアップテーブルに記憶されており、設定された供給流量での基準供
給圧力をルックアップテーブルから読み出して、アクチュエーター112の駆動中に実際
に測定した供給ポンプ300の供給圧力と比較することにより、液体室110内の気泡の
有無を判断するようになっている。すなわち、アクチュエーター112が駆動しているに
もかかわらず、現在の供給圧力が基準供給圧力と同程度であれば、液体室110内に気泡
が存在すると判断することができ、一方、現在の供給圧力が基準供給圧力よりも上昇して
いれば、液体室110内に気泡が存在しないと判断することができる。尚、圧力センサー
308の測定誤差を考慮して、例えば、実際に測定した供給圧力が基準供給圧力から10
%以上上昇している場合は、気泡が存在しないと判断して、10未満の上昇である場合は
、気泡が存在すると判断してもよい。
このように第1変形例の液体噴射装置10では、アクチュエーター112が駆動してい
ない連続流のときの基準供給圧力を比較対象としているので、ルックアップテーブルの作
成に際して、アクチュエーター112に印加する駆動電圧波形の最大電圧値および周期に
ついては考慮する必要がなく、供給ポンプ300による液体の供給流量だけを変更して基
準供給圧力を測定すればよい。このようにルックアップテーブルのパラメーターが少なく
なることによって、供給ポンプ300の供給圧力に基づく液体室110内の気泡検出をよ
り簡便に実現することが可能となる。
C−2.第2変形例 :
前述した実施例では、供給ポンプ300に圧力センサー308が搭載されており、この
圧力センサー308によって供給ポンプ300の供給圧力を測定していた。しかし、供給
ポンプ300の供給圧力を測定する位置は、液体室110よりも上流側であればよく、供
給ポンプ300に限られるわけではない。例えば、供給ポンプ300と噴射ユニット10
0とを接続する接続チューブ304上に圧力センサー310を設けることとしてもよい。
図7は、第2変形例の液体噴射装置10において、接続チューブ304上に設けた圧力
センサー310によって供給ポンプ300の供給圧力を測定する様子を示した説明図であ
る。図示されているように、第2変形例の液体噴射装置10では、接続チューブ304が
肉厚の異なる2種類のチューブ304a,304bから構成されており、これら2種類の
チューブがジョイント304cによって接合されている。そして、接続チューブ304の
大部分は肉厚の厚いチューブ304aであるが、一部が肉厚の薄いチューブ304bとな
っており、この肉厚の薄いチューブ304bの外側面に圧力センサー310が取り付けら
れている。
このような接続チューブ304は、弾性材料(例えば、シリコン製材料)で形成されて
おり、供給ポンプ300から供給される液体の供給圧力(すなわち、接続チューブ304
の内圧)に応じて膨張する。特に、肉厚の薄いチューブ304bでは、膨張による変形が
顕著である。例えば、図7(a)に示すように、供給ポンプ300の供給圧力が高い場合
には、肉厚の薄いチューブ304bは外側に大きく変形する。これに比較して、図7(b
)に示すように、供給ポンプ300の供給圧力が低い場合には、肉厚の薄いチューブ30
4bの変形量は小さいものとなる。第2変形例の液体噴射装置10では、圧力センサー3
10として歪みゲージ式圧力センサーが用いられており、このような肉厚の薄いチューブ
304bの膨張による変形量を検出することで、供給ポンプ300の供給圧力を測定する
ことが可能となっている。尚、図7中の矢印の長さは、肉厚の薄いチューブ304bにか
かる内圧の大きさを表している。また、圧力センサー310は、歪みゲージ式に限られる
わけではなく、例えば、カンチレバー式であってもよく、レーザー変位計あるいは超音波
変位計などを用いてもよい。さらに、圧力センサー310は、肉厚の薄いチューブ304
bの膨張による変形量ではなく、応力を検出するものであってもよい。
そして、前述したように、液体室110内に気泡が存在するときの供給ポンプ300の
供給圧力は、気泡が存在しないときに比べて低下することから、接続チューブ304上に
設けた圧力センサー310を用いて供給ポンプ300の供給圧力(接続チューブ304の
内圧)の低下を検出することによって、液体室110自体に気泡検出のためのセンサーを
設けておかなくても、液体室110内の気泡を検出することができる。
また、第2変形例の液体噴射装置10では、接続チューブ304の膨張による変形量を
、肉厚の薄いチューブ304bの外側面に取り付けた圧力センサー310で検出すること
によって、供給ポンプ300の供給圧力を測定していることから、次のようなメリットが
ある。すなわち、生体組織を切開あるいは切除する手術方法に用いられる液体噴射装置1
0では、噴射ノズル102から噴射する液体に異物が混入するようなことがあってはなら
ない。この点、第2変形例のように、接続チューブ304の外側面に取り付けた圧力セン
サー310によって供給ポンプ300の供給圧力を測定するのであれば、供給ポンプ30
0から供給される液体に圧力センサー310が直接触れることはないので、供給圧力の測
定に伴って液体に異物が混入する可能性を排除することができる。
加えて、第2変形例の液体噴射装置10では、接続チューブ304が肉厚の異なる2種
類のチューブ304a,304bから構成されており、肉厚の薄いチューブ304bでは
、内圧の変化に伴う変形量が肉厚の厚いチューブ304aよりも大きい。そのため、肉厚
の薄いチューブ304bの外側面に圧力センサー310を取り付けることによって、供給
ポンプ300の供給圧力の低下を高い精度で検出することができ、その結果、液体室11
0内の気泡の検出精度を高めることが可能となる。
さらに、一般にチューブは押し出し成形されるために外径、内径、肉厚寸法にバラツキ
が生じ易い。しかし、圧力センサー310を取り付ける部分に限定した短いチューブであ
れば、型成形することも可能であり、これにより外径、内径、肉厚寸法のバラツキを抑え
ることができるので、これらのバラツキから生じる供給圧力の測定誤差を抑えることがで
きる。その結果、液体室110内の気泡の検出精度をより高めることが可能となる。
尚、肉厚の薄いチューブ304bに代えて、図8に示すような測定室312を接続チュ
ーブ304の途中に設けておいてもよい。すなわち、図8(a)に示すように、接続チュ
ーブ304の途中に接続した箱状の測定室312の一面を、弾性材料で形成された薄いフ
ィルム312fで構成しておき、このフィルム312fの外側に圧力センサー314を取
り付けておいてもよい。こうすれば、液体室110内に気泡がなく供給ポンプ300の供
給圧力が高い場合には、フィルム312fが測定室312の外側に大きく膨らむ(図8(
b)参照)のに対して、液体室110内に気泡があり供給ポンプ300の供給圧力が低い
場合には、フィルム312fの膨らみは小さくなる(図8(c)参照)。そのため、圧力
センサー314でフィルム312fの変形量を検出することによって、液体室110内の
気泡を高い精度で検出することができる。また、フィルムであれば、チューブに比べて製
造時のバラツキを抑えることができる。
以上、本発明の液体噴射装置について各種の実施形態を説明したが、本発明は上記すべ
ての実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で
実施することが可能である。
例えば、前述した実施例では、供給ポンプ300の供給圧力の低下を圧力センサー30
8によって直接的に検出するようになっていた。しかし、液体を定量的に供給している供
給ポンプ300の駆動電流を測定することによって、供給圧力の低下を間接的に検出する
ようにしてもよい。すなわち、前述したように、アクチュエーター112の駆動によりパ
ルス流が適切に発生すると、連続流のときに比べて、液体室110への液体の供給抵抗が
大きくなる(供給ポンプ300の供給圧力が上昇する)。そのため、液体を定量的に供給
する供給ポンプ300にかかる負荷が大きくなり、供給ポンプ300の駆動電流の増加と
して現れる。一方、液体室110内に気泡が存在すると、適切なパルス流が発生せず、気
泡が存在しない場合に比べて液体室110への液体の供給抵抗が小さくなる(供給ポンプ
300の供給圧力が低下する)ので、供給ポンプ300の負荷が小さくなり、駆動電流は
減少する。従って、供給ポンプ300の駆動電流を測定することによって、供給ポンプ3
00の供給圧力の低下を間接的に検出すれば、液体室110内の気泡を検出することがで
きる。
また、前述した実施例では、供給ポンプ300による液体の供給流量、アクチュエータ
ー112に印加する駆動電圧波形の最大電圧値、駆動電圧波形の周期の3つの噴射条件を
様々に変えた組み合わせで、供給ポンプ300の供給圧力を予め測定した標準供給圧力が
ルックアップテーブルに記憶されており、現在の噴射条件での標準供給圧力と、実際に測
定した供給圧力とを比較して、液体室110内の気泡の有無を判断していた。しかし、気
泡の検出に適した噴射条件(供給流量、最大電圧値、周期)での標準供給圧力だけを予め
測定しておき、アクチュエーター112の駆動開始時などには、現在設定されている噴射
条件にかかわらず、気泡検出用の噴射条件に切り換えて実際に測定した供給圧力と、気泡
検出用の標準供給圧力とを比較することによって、液体室110内の気泡の有無を判断し
てもよい。こうすれば、予め測定しておく標準供給圧力は、気泡検出用の1つの噴射条件
についてだけでよいので、供給ポンプ300の供給圧力に基づく液体室110内の気泡検
出を簡便に実現することできる。
さらに、上述した実施例および変形例では、供給ポンプ300の供給圧力に基づいて液
体室110内の気泡の有無を検出するようになっていた。しかし、供給ポンプ300の供
給圧力の変化は、液体室110の気泡の有無に応じて現れるだけでなく、例えば、噴射ノ
ズル102に異物が詰まった場合にも現れる。すなわち、噴射ノズル102に異物が詰ま
って噴射ノズル102から噴射される液体の流速が変わると、液体室110への液体の供
給抵抗が変化して、供給ポンプ300の供給圧力にも変化が現れるので、供給ポンプ30
0の供給圧力に基づいて、噴射ノズル102の詰りを検出することも可能である。
10…液体噴射装置、 100…噴射ユニット、 102…噴射ノズル、
104…流路管、 110…液体室、 112…アクチュエーター、
114…ダイアフラム、 200…制御部、 300…供給ポンプ、
302…液体通路、 304…接続チューブ、 306…液体タンク、
308…圧力センサー

Claims (3)

  1. 噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置であって、
    噴射しようとする液体が供給されるとともに、前記噴射ノズルと接続された液体室と、
    単位時間あたりに規定量の液体を前記液体室に供給する液体供給手段と、
    前記液体供給手段から供給される液体の圧力を、前記液体室の上流側で検出する圧力検
    出手段と、
    前記液体供給手段から供給される液体が前記液体室に充填された状態で、該液体室の容
    積を変動させる容積変動部を駆動することにより、前記噴射ノズルから液体をパルス状に
    噴射させる噴射制御手段と、
    前記容積変動部が駆動しているときの前記圧力検出手段の検出圧力に基づいて、前記液
    体室内の気泡を検出する気泡検出手段と
    を備える液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
    前記液体室内に気泡がない状態で、かつ前記容積変動部の駆動中に前記液体供給手段か
    ら供給される液体の圧力である標準圧力を記憶している記憶手段を備え、
    前記気泡検出手段は、前記圧力検出手段の検出圧力と、前記記憶手段に記憶されている
    前記標準圧力とを比較することによって、前記液体室内の気泡を検出する手段である液体
    噴射装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置であって、
    弾性材料で形成されて、前記液体供給手段から供給される液体を前記液体室へ導く接続
    チューブを備え、
    前記圧力検出手段は、前記接続チューブの外側面に設けられて、該接続チューブの膨張
    による変形量を検出することで、前記液体供給手段から供給される液体の圧力を検出する
    手段である液体噴射装置。
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