JP2012037427A - 地盤推定方法および地盤推定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】既存のボーリングデータに基づいて所望箇所の地層分布とその地質性状について効率良く推定する。
【解決手段】地盤推定箇所周辺の複数地点に関し既に得られているボーリングデータに基づいて、地盤推定箇所を含む領域の地層形状と層厚を推定する工程と、各ボーリングデータが含む各地層に関する地質特性値基づいて地盤推定箇所を含む領域の各地層における地質特性値の等高線図を生成し、当該各地層における等高線図中での地盤推定箇所の位置から、地盤推定箇所の各地層での地質特性値を推定する工程と、前記地盤推定箇所に関し推定した地層形状と層厚、および各地層の地質特性値を出力装置に表示する工程と、を含むことを特徴とする地盤推定方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、地盤推定方法および地盤推定システムに関するものであり、具体的には、既存のボーリングデータに基づいて所望箇所の地層分布とその地質性状について効率良く推定する技術に関する。
種々の構造物を構築する際、該当場所の地質性状を事前に把握しておくことは、工事に要するコストや採用すべき工法を想定する上で重要である。そこで、周辺のボーリングデータに基づいて所望の場所の地層等を予測する技術が提案されている。こうした技術としては、例えば、地質調査により直接地質データを収集する手段と、地盤内部の物性値に関する分布情報を非破壊で検出するジオトモグラフィ手段と、各地質区分毎のファジィ化したソフトマップを作成する手段と、前記ジオトモグラフィ手段により得られたジオトモグラムと前記ソフトマップ作成手段で得られたファジィ化したソフトマップデータとを階層型のニューラルネットワーク処理をする手段とからなることを特徴とする地質構造の空間分布を予測して地質図を作成する技術(特許文献1)などが提案されている。
特開2000−2769号公報
しかしながら従来技術によれば、例えば、ボーリング孔間の地質について何らかの推定を行うとしても、三次元に広がる様々な地層の形状を迅速に推定してユーザに提示し、更には、所望の場所および深度の地層についての地質性状を随意に推定することは出来ない。従って、例えば工事場所に関する詳細な地質データが提供される以前に、建築工事の提案営業等の活動が必要な状況があったとしても、該当場所に関する精度良好な地質情報を効率的に得ることは出来ず、当然そうした地質情報に基づく建築コスト、採用工法等を精度良く事前検討することも困難であった。
そこで本発明では、既存のボーリングデータに基づいて所望箇所の地層分布とその地質性状について効率良く推定する技術の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明の地盤推定方法は、地盤推定箇所周辺の複数地点に関し既に得られているボーリングデータに基づいて、地盤推定箇所を含む領域の地層形状と層厚を推定する工程と、各ボーリングデータが含む各地層に関する地質特性値に基づいて、地盤推定箇所を含む領域の各地層における地質特性値の等高線図を生成し、当該各地層における等高線図中での地盤推定箇所の位置から、地盤推定箇所の各地層での地質特性値を推定する工程と、前記地盤推定箇所に関し推定した地層形状と層厚、および各地層の地質特性値を出力装置に表示する工程と、を含むことを特徴とする。この地盤推定方法は、実行主体として、例えば前記既存ボーリングデータ、三次元地盤モデルの作成プログラム、および等高線図作成プログラムを記憶装置に備え、演算装置により上記各工程に対応した所定プログラムを実行する情報処理装置を想定できる。
これによれば、例えば、走向等が互いに入り組んだ地層で構成される地盤であっても、工事計画地など所望の地盤推定箇所について、その地層形状や層厚を三次元で推定すると共に、地盤推定箇所を含む領域中で既に得られている地質特性値の等高線図を作成して、地盤推定箇所における地質特性値(例:N値、粒度分布等々)を効率良く推定することが可能となる。従来のように、単純な二点間の直線近似等でボーリング孔間の地層形状を推定するといった技術ではこうした状況に対応して所望地点での地質特性値を自在に推定することは困難である。
なお、前記地盤推定方法において、地盤推定箇所における各地層での地質特性値、および地盤推定箇所に構築する構造物の仕様値を所定の算定式に適用して、構造物構築で地盤に生じる影響の値を算定し、出力装置に表示する工程を含むとしてもよい。例えば、ビルの建築予定地すなわち地盤推定箇所について、該当地盤を構成する各地層での平均N値を本発明により推定し、これを地盤の弾性係数の算定式に適用して各地層での弾性係数値を特定できる。また、こうして特定した各地層での弾性係数の値、各地層の土質に応じて決まるポアソン比、上記推定した各地層の形状、層厚、およびビル形状などを所定式(例:Steinbrennerの式など)に適用すれば、該当地盤においてビル建築により生じる沈下量を即座に算定することも可能となる。
また、本発明の地盤推定システムは、地盤推定を行う情報処理システムであって、標高、層厚等の各種データを含む既存のボーリングデータを格納している記憶装置と、地盤推定箇所に関し入力装置にてユーザからの指定を受け付け、地盤推定箇所周辺における複数地点での既存のボーリングデータを記憶手段から読み出して、このボーリングデータに基づいて、地盤推定箇所を含む領域の地層形状と層厚のデータを推定する処理と、前記複数地点に関する各ボーリングデータより、各地層に関する地質特性値を抽出して、この地質特性値に基づいて、地盤推定箇所を含む領域の各地層における地質特性値の等高線図のデータを生成し、当該各地層における等高線図中での地盤推定箇所の位置から、地盤推定箇所の各地層での地質特性値を算定する処理と、前記地盤推定箇所に関する地層形状と層厚、および各地層の地質特性値を出力装置に表示する処理と、を実行する演算装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、既存のボーリングデータに基づいて所望箇所の地層分布とその地質性状について効率良く推定できる。
本実施形態における地盤推定システムの構成例を示す図である。 本実施形態におけるボーリングデータベースのデータ構成例を示す図である。 本実施形態における地盤推定方法の処理手順例を示すフロー図である。 本実施形態における計画地(地盤推定箇所)を含む領域の表示画面例を示す図である。 本実施形態における三次元地盤モデルの作成例を示す図である。 本実施形態における各地層での平均N値(地質特性値)の分布状況例を示す図である。 本実施形態における各地層での平均N値(地質特性値)の等高線図例を示す図である。 本実施形態における計画地(地盤推定箇所)に関する推定結果例を示す図である。 本実施形態における構造物と地盤の解析モデル例を示す図である。 本実施形態における計画地(地盤推定箇所)での沈下量(地盤変化の値)分布例を示す図である。
−−−適用例−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態における地盤推定システムの構成例を示す図である。本実施形態の地盤推定システム100は、既存のボーリングデータに基づいて所望箇所の地層分布とその地質性状について効率良く推定する情報処理システムであり、例えばサーバ装置を想定できる。このサーバ装置は、各種工事を行う建設業者や或いは工事発注者などが運営して、ある地域で過去に行ったボーリング調査の結果すなわち既存ボーリングデータを記憶装置にて管理している。或いは、前記のサーバ装置が、インターネットやLANなど所定のネットワーク140を介し、既存ボーリングデータを格納しているデータベースサーバ200等にアクセスし、その格納データ(すなわち既存ボーリングデータ)を利用するとしてもよい。
続いて、地盤推定システム100のハードウェア構成について説明する。地盤推定システム100は、ハードディスクドライブなど不揮発性の記憶装置101、RAMなどの不揮発性の記憶手段であるメモリ103、記憶装置101に保持しているプログラム102をメモリ103に読み出して実行するCPUなどの演算装置104、キーボードやマウスといった入力装置105、およびディスプレイやスピーカー、プリンタ等の出力装置106らをBUS108やブリッジ109で結び、具備している。また、ネットワーク140を介して他装置と通信必要がある状況であれば、通信装置107が当然備わっているものとする。地盤推定システム100が本実施形態の地盤推定方法の実行に必要な機能は、プログラム102を演算装置104が実行することで実装される機能と言える。
記憶装置101には、プログラム102の他に、既存のボーリングデータを格納したボーリングデータベース125が格納されている。ボーリングデータベース125のデータ構造例等については後述する。また、記憶装置101には、地盤推定方法の各工程を実装するためのメインプログラムにあたるプログラム102の他、三次元地盤モデル作成プログラム110、等高線図作成プログラム111が格納されている。三次元地盤モデル作成プログラム110は、散在する複数箇所のボーリングデータから得られる各所の標高、層厚等のデータを入力として、ボーリング地点を含んだ領域における地盤の地層形状と層厚の分布を推定し出力するプログラムである(例:http://www.engineering-eye.com/GEORAMA_CIVIL3D/)。また、等高線図作成プログラム111は、いわゆるコンターマップ作成用の汎用ソフトウェアを採用すればよい。
続いて、地盤推定システム100の演算装置104がプログラム102により実現する処理について説明する。地盤推定システム100は、構造物の計画地すなわち地盤推定箇所に関し、その位置情報等(例:座標値など)のユーザ指定を入力装置105(ないしネットワーク140を介したユーザ端末300)にて受け付け、ここで指定を受け付けた地盤推定箇所の周囲(例:所定距離範囲内の領域)において過去になされた複数地点のボーリングの結果すなわち既存ボーリングデータを、ボーリングデータベース125より読み出して、この既存ボーリングデータが含んでいる、標高、層厚等のデータを三次元地盤モデル作成プログラム110に入力値として設定し、当該三次元地盤モデル作成プログラム110より、地盤推定箇所を含む領域の地層形状と層厚のデータを取得する。
また、地盤推定システム100は、前記複数地点の各既存ボーリングデータより、各地層に関する地質特性値(例:平均N値等)を抽出して、前記等高線図作成プログラム111に入力値として設定し、当該等高線図作成プログラム111より、地盤推定箇所を含む領域の各地層における地質特性値の等高線図のデータを取得する。また、地盤推定システム100は、当該各地層における等高線図中での地盤推定箇所の位置から、地盤推定箇所の各地層での地質特性値を算定する。例えば、ある座標値xで示される地盤推定箇所が、地質特性値aを示す等高線Aと、地質特性値bを示す等高線Bとの間に位置していたとする。その場合、地盤推定システム100は、座標値xと等高線Aないし等高線Bとの間の距離sを算定し、この距離sを、等高線Aおよび等高線Bとの間の地質特性値の傾き(等高線からの距離に比例して地質特性値が増加ないし減少する割合)に乗じることで、地盤推定箇所での地質特性値を算定できる。
また、地盤推定システム100は、こうして得られた地盤推定箇所に関する地層形状と層厚、および各地層の地質特性値を出力装置106に表示する。或いは、地盤推定システム100は、こうした情報を必要とするユーザ(例えば、建設業者の担当者等)が利用するユーザ端末300に宛てて、前記地盤推定箇所に関する地層形状と層厚、および各地層の地質特性値に関するデータを送信するとしてもよい。以下、出力装置106に表示を行う処理に関しては同様に、ユーザ端末300にデータ送信するとしてもよい。
こうした技術によれば、例えば、走向等が互いに入り組んだ地層で構成される地盤であっても、工事計画地など所望の地盤推定箇所について、その地層形状や層厚を三次元で推定すると共に、地盤推定箇所を含む領域中で既に得られている地質特性値の等高線図を作成して、地盤推定箇所における地質特性値(例:N値、粒度分布等々)を効率良く推定することが可能となる。従来のように、単純な二点間の直線近似等でボーリング孔間の地層形状を推定するといった技術ではこうした状況に対応して所望地点での地質特性値を自在に推定することは困難である。
なお、地盤推定システム100は、地盤推定箇所における各地層での地質特性値、および地盤推定箇所に構築する構造物の仕様値を所定の算定式に適用して、構造物構築で地盤に生じる影響の値を算定し、出力装置106に表示するとしてもよい。例えば、ビル建築の計画地すなわち地盤推定箇所について、該当地盤を構成する各地層での平均N値を上述の如く推定し、これを地盤の弾性係数の算定式(既存式)に適用して各地層での弾性係数値を特定できる。また、こうして特定した各地層での弾性係数の値、各地層の土質に応じて決まるポアソン比、上記推定した各地層の形状、層厚、およびビル形状などを所定式(例:Steinbrennerの式など)に適用すれば、該当地盤においてビル建築により生じる沈下量を即座に算定することも可能となる。ビル建築に伴う地盤の沈下量をこのように既存ボーリングデータを利用して迅速に算定可能であることは、例えば、構造物の発注主等から計画地の地盤データが提示されていない状況であっても、適宜な精度で推定された沈下量とそれに応じて採用すべき工法やそのコスト等を営業時の提案資料として作成可能となることにつながる。
ここで、前記地盤推定システム100が演算装置104によりプログラム102を実行することで、必要な機能を実装する例をあげたが、必要な機能を実現する電子回路等を地盤推定システム100が備えていて、同様の処理を実行するとしても勿論問題ない。
−−−データ構成例−−−
続いて、上記地盤推定システム100が記憶装置101にて保持するボーリングデータベース125について、そのデータ構成例を示しておく。図2は本実施形態におけるボーリングデータベース125のデータ構成例を示す図である。図に示すように、ボーリングデータベース125は、ボーリング孔を一意に特定するボーリングNo.と地図上の座標値をキーに、地表面から順次下方に各地層名、該当地層の地質特性値(この例では平均N値)、層厚、および標高といったデータが対応付けされたレコードの集合体となっている。
−−−処理手順例−−−
続いて、本実施形態の地盤推定方法における実際の処理手順例について説明する。図3は、本実施形態における地盤推定方法の処理手順例を示すフロー図である。以下で説明する地盤推定方法に対応する各種動作は、地盤推定システム100の演算装置104がメモリ103に読み出して実行するプログラム102によって実現される。そして、このプログラム102は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
この場合、地盤推定システム100は、構造物の計画地すなわち地盤推定箇所に関し、その位置情報等(例:座標値など)のユーザ指定を入力装置105(ないしネットワーク140を介したユーザ端末300)にて受け付ける(s100)。この地盤推定箇所に関するユーザ指定に際しては、例えば、地盤推定システム100が、記憶装置101にて予め保持している地図データを出力装置106に表示(ないしは、ネットワーク140を介したユーザ端末300に送信)し、表示した地図上における、カーソル等を介したマウスなど入力装置105(或いはユーザ端末300)でのクリック動作を受けて、クリック箇所の座標値を地盤推定箇所の位置情報として取得する、といった処理を実行すればよい。図4に、こうした計画地(地盤推定箇所)が含まれる領域の地図の表示画面例を示している。図4に示す例では、計画地を含む3km四方の領域にて得られている既存ボーリングデータとして、10点のボーリング孔(ボーリングNo.1〜No.10)に関するボーリングデータが存在する例を示している。
次に、地盤推定システム100は、前記ステップs100で指定を受け付けた地盤推定箇所の周囲(例:所定距離範囲内の領域)において過去になされた複数地点(ボーリングNo.1〜No.10)のボーリングの結果すなわち既存ボーリングデータを、ボーリングデータベース125より検索して抽出する(s101)。この場合、地盤推定システム100は、地盤推定箇所の座標値と、ボーリングデータベース125における各ボーリング孔の座標値との距離を算定し、地盤推定箇所から所定距離の範囲にある(あった)ボーリング孔で得られたボーリングデータすなわち既存ボーリングデータを検索することになる。勿論、こうした所定距離範囲にある既存ボーリングデータを検索することなく、地盤推定箇所以外の全ての既存ボーリングデータを利用するとしてもよい。例えば、図4に示すように、ボーリングNo.1〜No.10に関する計10個の既存ボーリングデータを抽出したとする。
この場合、地盤推定システム100は、抽出した既存ボーリングデータが含んでいる、標高、層厚等のデータを三次元地盤モデル作成プログラム110に入力値として設定し(s102)、当該三次元地盤モデル作成プログラム110より、地盤推定箇所を含む領域の地層形状と層厚のデータを取得する(s103)。図5は本実施形態における三次元地盤モデルの作成例を示す図である。三次元地盤モデルのデータ例としては、図5に示すように、各ボーリング地点における地表面の標高をもとにした地表面コンター500、各既存ボーリングデータ間で連続する各地層の走向や層厚を三次元で推定した、地層境界面(俯瞰図)510および地層境界断面520、などとなる。また、こうして得られる三次元地盤モデルについて、計画地を通る線(図4、図5中のA−A’線)で断面を生成すれば、二次元断面530が得られる。この二次元断面530は、計画地の直下における地盤が、どのような層厚のどのような地層で構成されているのか簡便に示している。図の例では、地表面から順に、A〜Eの地層が存在していることを示している。
また、地盤推定システム100は、前記複数地点の各既存ボーリングデータより、各地層に関する地質特性値(例:平均N値等)を抽出して、等高線図作成プログラム111に入力値として設定し(s104)、当該等高線図作成プログラム111より、地盤推定箇所を含む領域の各地層における地質特性値の等高線図のデータを取得する(s105)。
図6は本実施形態における各地層での平均N値(地質特性値)の分布状況例を示す図であり、図7は本実施形態における各地層での平均N値(地質特性値)の等高線図例を示す図である。この例の場合、地盤推定システム100は、ボーリングNo.1〜No.10の各既存ボーリングデータより、地図上の座標値および各地層に関する平均N値のデータを取得し、これらデータを等高線図作成プログラム111に入力値として与えることになる。等高線図作成プログラム111では、どの座標値すなわち場所の、どの地層において、いくらの平均N値が分布しているか認識し、上記図4にて例示した、計画地を含む3km四方の領域における、各地層での平均N値に関する等高線図(コンターマップ)を作成することになる。図7の例では、等高線図作成プログラム111が作成して、地盤推定システム100が得た等高線図として、上記地層“A”〜“E”のうち、“地層B”と“地層C”における平均N値の等高線図700、710を示している。
また、地盤推定システム100は、当該各地層における等高線図中での地盤推定箇所の位置から、地盤推定箇所の各地層での地質特性値を算定する(s106)。例えば、図7の“地層B”の等高線図700に示すように、計画地の座標値xが、平均N値“5.0”を示す等高線Aと、平均N値“5.5”を示す等高線Bとの間に位置していたとする。その場合、地盤推定システム100は、計画地の座標値xと等高線Aないし等高線Bとの間の距離sを算定し、この距離sを、等高線Aおよび等高線Bとの間の地質特性値の傾き(等高線からの距離に比例して地質特性値が増加ないし減少する割合)に乗じることで、地盤推定箇所での平均N値を算定できる。例えば、座標値xを挟んだ等高線Aおよび等高線Bとの間の距離が、0.3キロメートルであれば、地質特性値の傾きは、(5.5−5.0)/0.3=“1.67”となる。また、計画地の座標値xと、平均N値“5.0”を示す等高線Aとの間の(最短)距離sが0.18キロメートルだっとすれば、これを地質特性値の傾きたる“1.67”に乗算し、“0.18×1.67=0.3”となる。そこでこの“0.3”が、平均N値“5.0”からの増分だとして、5.0+0.3=“5.3”を、計画地における“地層B”での平均N値と推定できる。本実施形態では、地質特性値として平均N値を例としてあげたが、勿論これに限定されることはなく、その他の値について適用してもよい。
続いて、地盤推定システム100は、こうして得られた計画地すなわち地盤推定箇所に関する地層形状と層厚(前記ステップs103で得た)、および各地層の地質特性値(前記ステップs106で得た)を含む推定結果を、出力装置106に表示する(s107)。図8は本実施形態における計画地(地盤推定箇所)に関する推定結果例800を示す図である。但しこの例では、地盤推定システム100が、地盤推定箇所における各地層での地質特性値たる平均N値を、所定の算定式に適用して微小ひずみにおけるせん断弾性係数Gを推定し、更にはこのせん断弾性係数Gを、該当地層のポアソン比νを含む所定式に適用して変形係数Eを算定し、推定結果として出力している。こうした推定に用いる手法や算定式については、既存文献(例:土と基礎47-10、「杭基礎の鉛直荷重〜変位特性の評価入門」桑原、堀越)に示されている通りであり、記憶装置101にて必要な算定式は予め格納されている。図8で例示した推定結果では、計画地の地層“B”〜“E”のそれぞれについて、層厚、平均N値、ポアソン比ν(地質で決まるもの)、微小ひずみにおけるせん断弾性係数G0、および変形係数Eの各推定値(大崎の式:土質工学会論文報告集,Vol.13,No.4,pp.61〜73,1973、太田の式:第7回土質工学研究発表会,pp.269〜272,1972、など)、変形係数Eの各推定値から求めた変形係数Eの平均値、および変形係数Eに常数(図の例では、0.4ないし0.5)を乗じて得られる弾性係数E、の各値を含んでいる。
また、本実施形態において地盤推定システム100は、地盤推定箇所における各地層での地質特性値、および地盤推定箇所に構築する構造物の仕様値を所定の算定式に適用し、構造物構築で地盤に生じる影響の値を算定し、出力装置106に表示するとしてもよい。図9は本実施形態における構造物と地盤の解析モデル例を示す図である。図9にて例示するように、例えば、計画地にてビル建築を行う工事が予定されているとする。例示したビルは、そのサイズが幅50メートル、奥行き15メートル、高さ22mであり、地下に高さ7メートルの階を有している。こうしたビルが、上述してきた計画地上に建築されるとした場合、その際に地盤に生じる変化、例えば地盤沈下について本実施形態の地盤推定システム100が推定する。地盤を構成する地層は上述のとおり、“地層A”〜“地層E”であるが、地下階の構築時に“地層A”は掘削され、直接基礎としてビルが接するのは“地層B”となる。よって、沈下量計算時の解析対象としてはこの“地層B”以下の地層となる。各地層の平均N値、弾性係数E、ポアソン比ν、および層厚に関しては、上述までの処理で求めてきた通りである。
この場合、地盤推定システム100は、こうした計画地すなわち地盤推定箇所について、該当地盤を構成する各地層“地層B”〜“地層E”での平均N値、弾性係数E、ポアソン比ν、層厚、および、ビル形状を示す上記幅と奥行き、更には建物荷重の各値を、所定式(例:沈下量を算定するSteinbrennerの式など)に適用し、該当地盤においてビル建築により生じる沈下量を算定する。なお、ビル形状を示す上記幅と奥行き、更には建物荷重については、地盤推定システム100が、入力装置105(ないしネットワーク140を介したユーザ端末300)を介してユーザから予め指定を受けておいて記憶装置101に保持しているものとする。また地盤推定システム100は、こうして算定した沈下量について、出力装置106にて表示することとなる。図10は本実施形態における計画地(地盤推定箇所)での沈下量(地盤変化の値)分布例を示す図である。この例では、ビルが直接当接する、すなわち直接基礎となる箇所を中心に沈下量が大きくなっている分布を示している。こうした沈下量の大きさや分布に基づいて、例えば、当該ビル建築の工事に際して、基礎工の種類を直接基礎から杭基礎に変更する、或いは地盤改良を行う、といった工法の提案や、それに要するコストの算定が可能となる。したがって、ビル建築に伴う地盤沈下量をこのように既存ボーリングデータを利用して迅速に算定可能であることは、例えば、構造物の発注主等から計画地の地盤データが提示されていない状況であっても、適宜な精度で推定された沈下量とそれに応じて採用すべき工法やそのコスト等を営業時の提案資料として作成可能となることにつながる。
以上、本実施形態によれば、走向等が互いに入り組んだ地層で構成される地盤であっても、工事計画地など所望の地盤推定箇所について、その地層形状や層厚を三次元で推定すると共に、地盤推定箇所を含む領域中で既に得られている地質特性値の等高線図を作成して、地盤推定箇所における地質特性値を効率良く推定することが可能となる。従来のように、単純な二点間の直線近似等でボーリング孔間の地層形状を推定するといった技術ではこうした状況に対応して所望地点での地質特性値を自在に推定することは困難である。
すなわち、既存のボーリングデータに基づいて所望箇所の地層分布とその地質性状について効率良く推定できる。
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
100 地盤推定システム
101 記憶装置
102 プログラム
103 メモリ
104 演算装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信装置
108 BUS
109 ブリッジ
110 三次元地盤モデル作成プログラム
111 等高線図作成プログラム
125 ボーリングデータベース
200 データベースサーバ
300 ユーザ端末

Claims (3)

  1. 地盤推定箇所周辺の複数地点に関し既に得られているボーリングデータに基づいて、地盤推定箇所を含む領域の地層形状と層厚を推定する工程と、
    各ボーリングデータが含む各地層に関する地質特性値に基づいて、地盤推定箇所を含む領域の各地層における地質特性値の等高線図を生成し、当該各地層における等高線図中での地盤推定箇所の位置から、地盤推定箇所の各地層での地質特性値を推定する工程と、
    前記地盤推定箇所に関し推定した地層形状と層厚、および各地層の地質特性値を、出力装置に表示する工程と、
    を含むことを特徴とする地盤推定方法。
  2. 請求項1において、
    地盤推定箇所における各地層での地質特性値、および地盤推定箇所に構築する構造物の仕様値を所定の算定式に適用して、構造物構築で地盤に生じる影響の値を算定し、出力装置に表示する工程を含むことを特徴とする地盤推定方法。
  3. 地盤推定を行う情報処理システムであって、
    標高、層厚等の各種データを含む既存のボーリングデータを格納している記憶装置と、
    地盤推定箇所に関し入力装置にてユーザからの指定を受け付け、地盤推定箇所周辺における複数地点での既存のボーリングデータを記憶手段から読み出して、このボーリングデータに基づいて、地盤推定箇所を含む領域の地層形状と層厚のデータを推定する処理と、
    前記複数地点に関する各ボーリングデータより、各地層に関する地質特性値を抽出して、この地質特性値に基づいて、地盤推定箇所を含む領域の各地層における地質特性値の等高線図のデータを生成し、当該各地層における等高線図中での地盤推定箇所の位置から、地盤推定箇所の各地層での地質特性値を算定する処理と、
    前記地盤推定箇所に関する地層形状と層厚、および各地層の地質特性値を、出力装置に表示する処理と、を実行する演算装置と、
    を備えることを特徴とする地盤推定システム。
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