JP2012036361A - バイオマス由来の脂肪族ポリエステルを含有したポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、非石油原料由来であるバイオマス由来の樹脂を用いて、PHAの硬くて脆い性質と成形時の熱分解を改善し、広い温度範囲で柔軟性を有するバイオマス由来のポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】ポリアルキレンテレフタレートセグメントとポリアルキレンエーテルセグメントからなる融点が155℃〜200℃のブロック共重合体(A)と、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体からなる融点が100℃〜150℃の脂肪族ポリエステル(B)と、エポキシ基を分子内に1〜2個有するエポキシ化合物(C)とが、重量比率55〜70 / 20〜40 / 5〜25(重量%)で配合され、230℃以下の溶融温度でコンパウンドされたことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はバイオマス由来の脂肪族ポリエステルを含有したポリエステル樹脂組成物に関する。より詳細には、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体からなる脂肪族ポリエステルを含有したポリエステル樹脂組成物に関する。
従来バイオマス由来脂肪族ポリエステルのポリヒドロキシアルカノエート(以下PHAと略す)やポリ乳酸(以下PLAと略す)は生分解性を有することから、1980年代から成型品をシャンプーボトルなどの日用品として使用し、使用後生分解して自然に帰すように研究開発が進められてきた。
しかし、PHAは融点と熱分解点が近く成形加工性が難しいことや微生物由来の大きな球晶ができ成形後硬くて脆く、さらには、石油由来の汎用プラスチックに比べ材料コストが大幅に高いことなどの理由により実用化が進まなかった。
またPLAはPHAよりは成形加工性がよいものの成形品が加水分解し物性が低下することや材料コストが高いなどの理由により実用化が進んでいなかった。
上記課題を解決するために、特許文献1や特許文献2に開示されているようにPHAの硬くて脆い性質を改善するために3−ヒドロキシブチレートに柔軟成分である3−ヒドロキシヘキサノエートを共重合体したP(3HB−co−3HH)と脂肪族エステルとのブレンドを行い柔軟性を付与する試みがされているが、生分解を目的としたもので柔軟性は十分でない。
特許文献3では、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)とエチレン−ビニルアルコール系共重合体とのブレンドが提案されているが、柔軟性が十分ではない。その他にもポリ(3−ヒドロキシブチレート)と他のポリマーとのブレンドが広く研究されているが、汎用石油系のプラスチックに比べ十分な力学的物性が得られていない。
特表2004−510867 特表2004−510868 特開平6−322198
本発明の目的は、非石油原料由来であるバイオマス由来の樹脂を用いて、PHAの硬くて脆い性質と成形時の熱分解を改善し広い温度範囲で柔軟性を有するバイオマス由来ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)
ポリアルキレンテレフタレートセグメントとポリアルキレンエーテルセグメントからなる融点が155℃〜200℃のブロック共重合体(A)と、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体からなる融点が100℃〜150℃の脂肪族ポリエステル(B)と、エポキシ基を分子内に1〜2個有するエポキシ化合物(C)とが、重量比率55〜70/20〜40/5〜25(重量%)で配合され、230℃以下の溶融温度でコンパウンドされたことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
(2)
酸価が42eq/ton未満である(1)に記載のポリエステル樹脂組成物。
本発明のポリエステル樹脂組成物によれば、脂肪族ポリエステル(B)がバイオマス由来であり、環境にやさしいという特徴を損なうことなく、PHA単独で使用した場合に有する硬くて脆い性質を改善することができる。また、成形時の熱分解が抑制されるので成形加工性に優れ、広い温度範囲で柔軟性に優れるポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリステル樹脂組成物は、ポリアルキレンテレフタレートセグメントとポリアルキレンエーテルセグメントからなる融点が155℃〜200℃のブロック共重合体(A)と、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体からなる融点が100℃〜150℃の脂肪族ポリエステル(B)と、エポキシ基を分子内に1〜2個有するエポキシ化合物(C)とが、重量比率55〜70/20〜40/5〜25(重量%)で配合され、230℃以下の溶融温度でコンパウンドされたことを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
上記構成からなる本発明のポリエステル樹脂組成物は、ブロック共重合体(A)と脂肪族ポリエステル(B)との親和性が特定範囲にあり、適量のエポキシ化合物(C)が相溶化剤として作用することで、ポリマーアロイ材として適度の相溶性を有する。そのため、溶融加工するとき相分離することを抑え、適正温度範囲で溶融加工することで熱劣化を防ぎ、粘度変化も少なく安定した構造や物性を示す。本発明のポリエステル樹脂組成物であれば、柔軟性に優れた高品位のバイオマス由来ポリエステル成形品を容易に提供することができる。
(1)ポリアルキレンテレフタレートセグメントとポリアルキレンエーテルセグメントからなる融点が155℃〜200℃のブロック共重合体(A)
本発明で用いる(A)成分は、ポリアルキレンテレフタレートセグメントとポリアルキレンエーテルセグメントからなるブロック共重合体である。(A)成分の融点は155℃〜200℃であり、好ましくは170℃〜190℃である。(A)成分の融点が155℃未満ではポリエステル樹脂組成物の軟化点が低下するため好ましくない。また、融点が200℃を超えるとコンパウンド時の溶融温度が上がり、ポリエステル樹脂組成物中の(B)成分である脂肪族ポリエステルが分解しやすくなるため好ましくない。
(A)成分のブロック共重合体に用られるポリアルキレンテレフタレートセグメントとしては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリヘキサンテレフタレート等を用いることができる。特に、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートを用いることが耐熱性の点から好ましい。
(A)成分のブロック共重合体に用いられるポリアルキレンエーテルセグメントとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・テトラメチレングリコール共重合体などを用いることができる。特に、ポリテトラメチレングリコールが柔軟性の点から好ましい。
(A)成分のブロック共重合体に用いられるポリアルキレンエーテルセグメントの数平均分子量は、20000〜40000が好ましく、より好ましくは25000〜35000である。数平均分子量が20000未満であると、(A)成分のガラス転移点が要求性能より高くなり、低温における柔軟性が損なわれるおそれがある。また、数平均分子量が40000を超えると、ポリアルキレンテレフタレートセグメントと相分離が起こることや低温で結晶化して弾性が損なわれるおそれがある。
(A)成分の融点は、ポリアルキレンテレフタレートセグメントの化学構造とこのセグメントの連鎖を左右するセグメント比率により調整することができる。(A)成分のブロック共重合体に占めるポリアルキレンテレフタレートセグメントの質量比率としては、55〜70質量%が好ましく、より好ましくは57〜63質量%である。55質量%未満であると軟化点が低下する傾向にある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、(A)成分を55〜70重量%含み、好ましくは60〜65重量%、より好ましくは60〜63重量%含む。55重量%未満であるとポリエステル樹脂組成物の柔軟性が十分でない。70重量%をこえるとブレンドさせる(B)成分の含有量が少なくなり、バイオマス由来の割合が低下する。
(2)3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体からなる融点が100℃〜150℃の脂肪族ポリエステル(B)
本発明で用いる(B)成分は、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体からなる脂肪族ポリエステルである。(B)成分をバイオマス由来とすることで、環境負荷の小さいポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
(B)成分の脂肪族ポリエステルは、例えばPolymer Commun.,29,P174(1988)に記載されている方法を用いて容易につくることができる。すなわち、水素細菌に炭素源として4−ヒドロキシ酪酸を与え共重合脂肪族ポリエステルP(3HB−co−4HB)を発酵合成によりつくることができる。
(B)成分の融点は100℃〜150℃であり、好ましくは110℃〜120℃である。(B)成分である脂肪族ポリエステル中の4−ヒドロキシブチレート成分の割合を10mol%以上20mol%以下とすることで、融点を上記範囲にすることができる。
(B)成分の融点が100℃未満であると、4−ヒドロキシブチレート成分が多くなるため結晶性が著しく低下し、非晶性の樹脂となり成形が困難となる。一方、(B)成分の融点が150℃を超えると、4−ヒドロキシブチレート成分が少なくなり3−ヒドロキシブチレート成分が支配的になり、結晶性が高く硬くて脆い性質となる傾向にあり、また溶融時の熱劣化が激しくなるためコンパウンド後の物性が低下する。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、(B)成分を20〜40重量%含み、好ましくは25〜35重量%含む。20重量%未満ではバイオマス度が低下する。40重量%を超えるとコンパウンド時に熱劣化が激しくなり物性が低下する。
(3)エポキシ基を分子内に1〜2個有するエポキシ化合物(C)
本発明で用いる(C)成分は、エポキシ基を分子内に1〜2個有するエポキシ化合物である。エポキシ基が分子内に1個未満であると、(A)成分と(B)成分とが反応することができず、相溶性が悪くなる。エポキシ基が分子内に3個を超えて有すると、コンパウンド時の反応性が高すぎ溶融中の粘度制御が難しくなる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、(C)成分を5〜25重量%含み、好ましくは6〜11重量%含む。5重量%未満では、反応性が低くなり、(A)成分と(B)成分の相溶性が悪くなる。エポキシ化合物の割合が25重量%を超えるとコンパウンド時の反応性が高くなり溶融中の粘度制御が難しくなる。
(C)成分のエポキシ化合物としては、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(アクリル酸メチルエチレングリシジルメタクリレート)、ポリ(エチレングリシジルメタクリレート)、ポリ(スチレングリシジルメタクリレート)などがあげられる。
(4)ポリエステル樹脂組成物の製造方法
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリアルキレンテレフタレートセグメントとポリアルキレンエーテルセグメントからなる融点が155℃〜200℃のブロック共重合体(A)と、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体からなる融点が100℃〜150℃の脂肪族ポリエステル(B)と、エポキシ基を分子内に1〜2個有するエポキシ化合物(C)とを所定の割合で配合し、230℃以下の溶融温度でコンパウンドすることにより得ることができる。コンパウンド時の溶融温度は、より好ましくは220℃以下である。溶融温度が230℃を超えると(A)成分と(B)成分の溶融中の加水分解が激しくなり劣化の原因となる。またコンパウンド時の溶融温度は190℃以上であることが好ましい。190℃未満では(A)成分の融点に近づき、溶融粘度が上がり成形しにくくなる傾向にある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、酸価が42eq/ton未満であることが好ましい。より好ましくは 39eq/ton未満であり、最も好ましくは37eq/ton未満である。42eq/ton以上では、酸末端が増加し加水分解しやすくなるおそれがある。ポリエステル樹脂組成物の酸価は、(C)成分の添加量により調整することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、20分後のメルトインデックスと初期値の差であるΔMIが、10(g/10min)以下であることが好ましい。△MI=(20分後のメルトインデックス)―(初期値)である。なお、初期値とはメルトインデックス測定時に試料を測定器に入れ190℃で5分経過し押出直前の安定した溶融状態になったときのメルトインデックスの値をいう。20分後のメルトインデックスとは、初期値を測定した時点から20分後のメルトインデックスをいう。△MIは、より好ましくは8(g/10min)以下であり、特に好ましくは5(g/10min)以下である。ΔMIが10(g/10min)を超えると溶融加工中の粘度変化が大きくなり成形しにくくなるおそれがある。また、ΔMIは−5(g/10min)以上が好ましい。ΔMIが−5(g/10min)未満では粘度変化が大きくなるおそれがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、様々な改質樹脂や安定剤、着色剤、流動性改良剤、離型剤、結晶核剤、繊維状強化材を配合することができる。これらは重合前後に混合することもできるが、単軸押出機、2軸押出機やニーダーなどの装置を用いて、混練することにより製造することができる。配合剤をより高濃度に含む組成物を予め溶融混練して、成形時にこれをマスターバッチとして混合することもできる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の用途は特に限定されない。本発明のポリエステル樹脂組成物はバイオマス成分由来の原料を使用しており、大気中の二酸化炭素濃度の増大を抑制できる点でエコロジー的に優れており、燃焼熱が小さく環境負荷が小さい。また、架橋ゴム組成物と異なりリサイクル成形が可能である。さらに、(A)成分と(B)成分とが相溶性に優れるので、本発明のポリエステル樹脂組成物を用いて成型して得られた成型品は高い力学特性を有し、自動車部品、電気・電子部品、日常器具、家具、ベッド、車両用座席等に使用することができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお明細書中の物性評価は以下の方法で測定した。
(融点)
示差走査熱量計を使用して、試験体を10mgアルミパンに採取して、窒素50ml/min流動雰囲気にて、昇温速度20℃/分で、250℃まで昇温したときの、走査温度―熱量曲線上の融解吸熱のピーク温度を測定した。
(デルタメルトインデックス(ΔMI))
JIS K7210に従い、荷重2160g、溶融温度190℃で5分溶融時のポリマー落下量と25分溶融後のポリマー落下量より、その差ΔMIを測定した。
(酸価測定)
試料をハンディーミル(粉砕器)にて粉砕し、70℃で一晩減圧乾燥させた。試料 0.20gを試験管に精秤し、ベンジルアルコール10mlを加えて5分間それぞれ攪拌しながら溶解させた。溶解後、15秒間水浴で冷却し、試料をビーカーに移しクロロホルム10mlで試験管を一回洗浄し洗浄液もビーカーに入れた。フェノールレッドを指示薬として、N/25−KOHのエタノール溶液を使用して滴定を行った。試料を入れずにブランクも同じ測定を行った(3分間の溶解操作を実施した)。なお事前に、N/10−塩酸5mlとN/25−KOHのエタノール溶液10mlとを混合した溶液を、フェノールフタレインを指示薬として、N/25−KOHのエタノール溶液で滴定し、該溶液のファクター(F)を下記式に従い求めておいた。
F=0.1×f×5/(a+10)
(f=N/10−塩酸のファクター、a=滴定数(ml))
下記式に従って、カルボキシル末端基濃度(eq/ton)を算出した。
カルボキシル末端基濃度=(A−B)×F×1000/W
(A=滴定数(ml)、B=ブランクの滴定数(ml)、F=N/25−KOHのエタノール溶液のファクター、W=試料の重量(g))
(破断伸長率測定)
ASTM D638に従い射出成形によりダンベル試験片を作成し引張試験を行い、破断伸長率(%)を測定した。破断伸長率は450%以上が好ましい。
(相溶性の評価)
コンパウンドを行ったレジンの相溶性をレジンチップ断面の電子顕微鏡により形態観察を行い評価した。海島構造を観察し界面の状態が均一で相溶性の特によいものを◎、良好なものを○、相溶性の悪かったものを×とした。
実施例および比較例に使用した材料および表に示したそれらの略号は、以下の通りである。
<ポリアルキレンテレフタレート−ポリアルキレンエーテルブロック共重合体[A成分]>
・PEL:GP400(ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングルコール共重合体、東洋紡績(株)融点 180℃、メルトフローレート(190℃、21.1N)10g/10min
<脂肪族ポリエステル[B成分]>
・P(3HB−co−16mol%4HB):ポリ3−ヒドロキシブチレート−ポリ4−ヒドロキシブチレート共重合体
融点 113℃、重量平均分子量(Mw):60万、数平均分子量(Mn):15.7万、Mw/Mn:3.86
・P(3HB):ポリ3−ヒドロキシブチレート重合体
融点 170℃、重量平均分子量(Mw):100万、数平均分子量(Mn):18.4万、Mw/Mn:5.50
<エポキシ化合物[C成分]>
・BF−E:ボンドファーストEタイプ(エポキシ基1個含有エチレン共重合体、住友化学(株))
融点103℃、メルトフローレート(190℃)3g/10min
上記材料を表1、2に示す配合比にドライ状態で予備混合し、これを熱風乾燥機で80℃10時間乾燥した後、その状態で220℃に温度調節した東芝機械(株)製、2軸押出機TEM35(同方向回転)のホッパーに投入して、スクリュー回転数 100rpmにて溶融混練した。押出されたストランドを約15℃の水槽でクエンチした後ペレタイズした。
表1中の評価は酸価が低く△MIが好ましい範囲であり、バイオマス度が高い組成で、形態観察より相溶性について評価し、さらに破断伸長率から示される柔軟性も考慮して総合的に判断し、バイオマス由来ポリエステル樹脂組成物として実用性が高く非常に良いものを◎、良いものを○、悪いものを×とした。
(実施例1)
上記の方法により表1に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンは、ΔMIが好ましい範囲であり、溶融中の熱劣化による粘度変化も少なく相溶性も非常に良かった。また、ダンベル試験片より測定した破断伸長率が非常に高く柔軟性が特に良かった。
(実施例2)
上記の方法により表1に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンは、ΔMIが好ましい範囲にあり、溶融中の熱劣化による粘度変化も少なく相溶性も特に良かった。また、ダンベル試験片より測定した破断伸長率が高く柔軟性が特に良かった。
(実施例3)
上記の方法により表1に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンは、ΔMIが好ましい範囲にあり、溶融中の熱劣化による粘度変化も少なく相溶性も良かった。また、ダンベル試験片より測定した破断伸長率が高く柔軟性が良かった。
(実施例4)
上記の方法により表1に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンはΔMIが好ましい範囲にあり、溶融中の熱劣化による粘度変化も少なく相溶性も良かった。また、ダンベル試験片より測定した破断伸長率が高く柔軟性が良かった。
(実施例5)
上記の方法により表1に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンはΔMIが好ましい範囲にあり、溶融中の熱劣化による粘度変化も少なく相溶性も良かった。また、ダンベル試験片より測定した破断伸長率が高く柔軟性が良かった。
(比較例1)
上記の方法により表2に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンは、エポキシ化合物の割合が少ないため酸価が高い。また、溶融中の熱劣化が激しいためΔMIが高く、相溶性も非常に悪かった。
(比較例2)
上記の方法により表2に示す配合比でペレタイズを行った。比較例2ではバイオマス由来の脂肪族ポリエステルとしてP(3HB)を使用しているため分解しやすく、分解物とエポキシ化合物が反応するためと予想されるが増粘し、△MIの値は好ましい範囲外となった。酸価も高く、破断伸長率も低く、相溶性も悪かった。
(比較例3)
上記の方法により表2に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンは溶融中の熱劣化が激しいためΔMIが高く、酸価も高く熱安定性も非常に悪かった。
(比較例4)
上記の方法で表2に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンは溶融中の熱劣化が激しいためΔMIが高く、酸価も高く熱安定性も非常に悪かった。
(比較例5)
上記の方法で表2に示す配合比でペレタイズを行った。得られたレジンは、バイオマス由来の脂肪族ポリエステルの割合が多いため分解しやすく、分解物がエポキシ化合物と反応するためと予想されるが増粘し、△MIの値が好ましい範囲外となった。酸価も高く、破断伸長率も低く、相溶性も非常に悪かった。
本発明により柔軟性に優れた高品位のバイオマス由来ポリエステル成形品を安定して提供できることから、柔軟部品の省資源化が可能となり、廃棄時の環境負荷も低いことから、環境保護しつつ産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (2)

  1. ポリアルキレンテレフタレートセグメントとポリアルキレンエーテルセグメントからなる融点が155℃〜200℃のブロック共重合体(A)と、3−ヒドロキシブチレートと4−ヒドロキシブチレートの共重合体からなる融点が100℃〜150℃の脂肪族ポリエステル(B)と、エポキシ基を分子内に1〜2個有するエポキシ化合物(C)とが、重量比率55〜70/20〜40/5〜25(重量%)で配合され、230℃以下の溶融温度でコンパウンドされたことを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 酸価が42eq/ton未満である請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
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