以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図4は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は、液晶表示装置および面光源装置の概略構成を示す斜視図であり、図2および図3は面光源装置の作用を説明するための断面図である。図4は面光源装置に含まれた導光板を示す斜視図である。
図1に示すように、表示装置10は、液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側に配置され液晶表示パネル15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、液晶表示パネル15および面光源装置20を制御する制御装置18と、を備えている。表示装置10は、表示面11を有している。液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、表示面11に像を表示するように構成されている。
図示された液晶表示パネル15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶セル12と、を有している。偏光板14,13は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶層12の配向は変化するようになる。一例として、入光側に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分は、電界印加された液晶層12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶層12を通過する際にその偏光方向を維持する。この場合、液晶層12への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分が、下偏光板14の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル(液晶表示部)15では、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御し得るようになっている。なお、液晶表示パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有し、液晶表示パネル15を背面側から照明する装置である。図1に示すように、面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板30と、導光板30の側方に配置された光源24a,24bと、導光板30にそれぞれ直面するようにして配置された一対の光学シート60,80と、光学シート80に対向して配置された反射シート28と、を有している。このうち、導光板30と、導光板30に対向して配置された裏面側光学シートとによって、光学部材95が構成されている。
導光板30は、液晶表示パネル15側の主面によって構成された出光面31と、出光面31に対向するもう一方の主面からなる裏面32と、出光面31および裏面32の間を延びる側面と、を有している。そして、導光板30の側面の一部分によって少なくとも一つの入光面が形成され、この入光面に対向して光源24a,24bが配置されている。また、側面の一部分によって一つの入光面33に対向する反対面34も形成され、当該一つの入光面33から導光板30に入射した光は、概ね、当該一つの入光面33と、当該一つの入光面33に対向する反対面34と、を結ぶ第1方向(導光方向)に沿って導光板30内を導光されるようになる。
そして、導光板30の出光面31に対向して出光面側光学シート60が配置され、導光板30の裏面32に対向して裏面側光学シート80が配置されている。出光面側光学シート60の出光面60aが面光源装置20の出光面21を構成している。また、裏面側光学シート80の導光板30に対面しない側に、反射シート28が配置されており、導光板30および一対の光学シート60,80を裏面側から覆っている。なお、本明細書においては、出光面側光学シート60と裏面側光学シート80の混同を防止するため、各光学シートに対して主として期待される作用効果(光の進行方向、とりわけ、当該シートからの出射方向を制御するといった作用効果)に因んで、出光面側光学シート60を制御光学シート60とも呼ぶとともに、裏面側光学シート80を反射光学シート80とも呼ぶ。
反射シート28は、導光板30の裏面32から出射した光を反射して、再び導光板30内に入射させるための部材である。反射シート28は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。この反射シート28は、裏面側光学シート80から裏面側に漏れ出す光を、反射によって出光側に戻すために設けられている。ただし、後述するように裏面側光学シート80が反射機能を有するため、反射シート28は省略可能である。
図示する例において、液晶表示装置10の表示面11、面光源装置20の発光面21および導光板30の出光面31は、四角形形状に形成されている。この結果、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光面31および裏面32)を有する四角形板状の部材として構成されており、一対の主面間に画成される側面は四つの面を含んでいる。同様に、制御光学シート60、反射光学シート80および反射シート28は、全体的に、四角形板状の部材として構成されている。
本実施の形態では、図1に示すように、側面のうちの第1方向に対向する二つの面が、入光面33,34をなしている。言い換えると、上述した一つの入光面が第1入光面33として機能し、この一つの入光面に対向する反対面が第2入光面34として機能するようになっている。図1に示すように、第1入光面33に対向して第1光源24aが設けられ、第2入光面34に対向して第2光源24bが設けられている。また、本実施の形態における導光板30は、第1方向に沿った各位置において、一定の断面形状を有するようになっている。
第1光源24aおよび第2光源24bは、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、第1光源24aおよび第2光源24bの各々は、対応する入光面33,34の長手方向に沿って、並べて配置された多数の点状発光体25、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。なお、図4には、第1光源24aをなす多数の点状発光体25の配置位置が示されている。制御装置18は、各点状発光体25の出力、すなわち、各点状発光体25の点灯および消灯、及び/又は、各点状発光体25の点灯時の明るさを、他の点状発光体の出力から独立して調節し得るように構成されている。
ところで、本明細書において、「出光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源24a,24bから導光板30や制御光学シート60等を経て観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、例えば図1における紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源24a,24bの発光体25から導光板および制御光学シート60等を経て観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
さらに、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、導光板30の板面、制御光学シート60のシート面、反射光学シート80のシート面、反射シート28のシート面、液晶表示パネルのパネル面、表示装置10の表示面11、および、面光源装置20の発光面21は、互いに平行となっている。さらに、本明細書において「正面方向」とは、表示装置10の表示面11への法線方向ndであり、本実施の形態においては、導光板30の板面への法線方向、制御光学シート60のシート面への法線方向、反射光学シート80のシート面への法線方向、面光源装置20の発光面21への法線方向および導光板30の出光面31への法線方向等にも一致する(例えば、図2および図3参照)。
次に、図2〜図4を主に参照して、導光板30についてさらに詳述する。図2〜図4によく示されているように、導光板30は、板状に形成された基部40と、基部40の一側の面(観察者側を向く面、出光側面)41上に形成された複数の単位光学要素50と、を有している。基部40は、一対の平行な主面を有する平板状の部材として構成されている。そして、反射光学シート80に対面している側に位置する基部40の他側の面42によって、導光板30の裏面32が構成されている。
なお、本明細書における「単位光学要素」、「単位形状要素」、「単位プリズム」および「単位レンズ」とは、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
図2に示すように、基部40は、樹脂からなる主部44と、主部44中に分散された拡散成分45と、を有している。ここでいう拡散成分45とは、基部40内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。このような拡散成分45の光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、主部44をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分45を構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分45を構成することにより、付与され得る。主部44をなす材料とは異なる屈折率を有する拡散成分45として、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。なお、図2以外の図においては、拡散成分45を省略している。
次に、基部40の一側の面41上に設けられた単位光学要素50について説明する。図4によく示されているように、複数の単位光学要素50は、第1方向に交差し且つ基部40の一側の面41と平行な配列方向に並べられて、基部40の一側の面41上に、配列されている。各単位光学要素50は、基部40の一側の面41上を、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。
とりわけ本実施の形態において、複数の単位光学要素50は、基部40の一側の面41上に、第1方向と直交する第2方向(配列方向)に隙間無く並べて配列されている。したがって、導光板30の出光面31は、単位光学要素50の表面によってなされる傾斜面37,38として、構成されている。また、各単位光学要素50は、配列方向と直交する第1方向に沿って、直線状に延びている。さらに、各単位光学要素50は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。また、本実施の形態において、複数の単位光学要素50は、互いに同一に構成されている。
図3に示す断面、つまり、単位光学要素の配列方向(第2方向)および基部40の一側の面41(導光板30の板面)への法線方向ndの両方向に平行な断面(以下においては、単に「導光板の主切断面」とも呼ぶ)において、各単位光学要素50は、基部40の一側の面41上に一辺が位置する三角形形状、又は、この三角形形状の基部40から突出した頂角が面取りされてなる形状を有している。図示する例において、各単位光学要素50の主切断面における断面形状は、基部40から突出する三角形の頂角56を面取りした形状となっている(図3参照)。
また、図3に示す例においては、正面方向輝度を効果的に上昇させること、および、第2方向に沿った面内での輝度の角度分布に対称性を付与することを目的として、導光板の主切断面における単位光学要素50の断面形状は、正面方向ndを中心として、対称性を有している。したがって、主切断面における断面三角形形状の二つの底角θa1,θa2(図3参照)は互いに等しい角度となっている。
なお、本件明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。また同様に、本明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「楕円」、「円」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
以上のような構成を有した導光板30の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、単位光学要素50の具体例として、導光板30の板面に沿った幅Wa(図3参照)を5μm以上500μm以下とすることができ、導光板30の板面への法線方向ndに沿った単位光学要素50の基部40の一側の面41からの高さHaを1μm以上250μm以下とすることができる。また、単位光学要素50の断面形状が三角形形状または三角形形状の頂角を面取りしてなる形状からなる場合には、当該頂角56の角度を90°以上145°以下とすることができる。単位光学要素50の断面形状が三角形形状の頂角56を面取りしてなる形状となっている場合、主切断面において、単位光学要素50の頂部52は、曲率半径の値が単位光学要素50の幅Waの値以下となっている曲線として、形成されていることが好ましい。一方、基部40の厚みは、0.5mm〜6mmとすることができる。
以上のような構成からなる導光板30は、押し出し成型により、あるいは、基材上に単位光学要素50を賦型することにより、作製することができる。導光板30の基部40の主部44および単位光学要素50をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。一方、拡散成分45は、一例として、平均粒径が0.5〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を、用いることができる。
なお、押し出し成型で作製された導光板30においては、基部40と、基部40の一側の面41上の複数の単位光学要素50と、が一体的に形成され得る。また、押し出し成型によって導光板30を作製する場合、単位光学要素50が、基部40の主部44をなす材料と同一の樹脂材料と、基部40の拡散成分45をなす粒子と、から構成されてもよい。あるいは、いわゆる共押し出しにより導光板30が作製され、基部40が、樹脂材料からなる主部44と、主部44中に分散された拡散成分45と、から構成され、その一方で、単位光学要素50が、基部40の主部44をなす材料と同一の樹脂材料と、基部40の拡散成分45とは別途の機能を有した粒子と、から構成されてもよいし、あるいは、基部40の主部44をなす材料と同一の樹脂材料のみから構成されてもよい。
次に、反射光学シート(裏面側光学シート)80について説明する。図1〜図3に示されているように、反射光学シート80は、シート状に形成された本体部85と、本体部85の導光板30に対面する一側面(観察者側を向く面)85aとは反対側の他側面85b、つまり導光板30の反射シート28に対面する側の面85b上に設けられた複数の単位光学要素90と、を有している。なお、反射光学シート80の単位光学要素90と導光板30の単位光学要素50との混同を避けるため、反射光学シート80の単位光学要素90を単位プリズム90とも呼ぶ。
図1〜図3から理解され得るように、複数の単位プリズム90は、本体部85の他側面85bと平行なある方向に並べて、本体部85の他側面85b上に、配列されている。各単位プリズム90は、本体部85の他側面85b上を、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。
とりわけ本実施の形態において、複数の単位プリズム90は、本体部85の他側面85b上に、その配列方向に沿って隙間無く並べて配列されている。したがって、反射光学シート80の導光板30に対面する一側面(観察者側面)80aとは反対側の他側面80bは、単位プリズム90の表面(出光面)90aによってなされる面(プリズム面)として、形成されている。また、各単位プリズム90は、その配列方向に直交する方向に沿って、直線状に延びている。さらに、各単位プリズム90は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。また、本実施の形態において、複数の単位プリズム90は、互いに同一に構成されている。
ところで、反射光学シート80は、面光源装置20の光学特性を改善する上で、次のようにして導光板30に対して位置決めされている。反射光学シート80の本体部85の法線方向(本実施の形態では、正面方向)ndからの観察した場合に、反射光学シート80の単位プリズム90の配列方向が、導光板30の第1方向に対して交差しており、とりわけ、反射光学シート80の単位プリズム90の配列方向が、導光板30の第1方向に対して45°以上90°以下の角度をなして交差していることが好ましい。ここでいう角度とは、対象となる二つの方向によってなされる角のうちの小さい方の角の角度のことを指している。したがって、この角度は、0°以上90°以下の値を取る。さらには、図示する例のように、反射光学シート80の本体部85の法線方向ndからの観察した場合に、反射光学シート80の単位プリズム90の配列方向が、導光板30の第1方向に対して直交していることが好ましい。
次に、図3を主として参照し、単位プリズム90の断面形状について説明する。図3は、単位プリズム90の配列方向(本実施の形態では、第2方向と平行な方向)および本体部85の他側面b85への法線方向ndの両方向に平行な断面(以下においては、単に「反射光学シートの主切断面」とも呼ぶ)において、反射光学シート80を示している。なお本実施の形態では、面光源装置20において、反射光学シートの主切断面は導光板の主切断面と平行な断面となる。図3の断面において、各単位プリズム90は、本体部85の他側面85b上に一辺が位置する三角形形状、又は、この三角形形状の本体部85から突出した頂角が面取りされてなる形状を有している。図示する例において、各単位プリズム90の主切断面における断面形状は、本体部85から突出した三角形形状となっている(図3参照)。
また、図3に示す例においては、正面方向輝度を効果的に上昇させること、および、第2方向に沿った面内での輝度の角度分布に対称性を付与することを目的として、反射光学シートの主切断面における単位プリズム90の断面形状は、正面方向ndを中心として、対称性を有している。したがって、反射光学シートの主切断面における単位プリズム90をなす断面三角形形状の二つの底角θb1,θb2(図3参照)は互いに等しい角度となっている。とりわけ図示する例において、反射光学シートの主切断面における単位プリズム90の断面形状は、後述する再帰反射機能が効果的に発揮されることを期待して、90°の頂角が本体部85から突出した直角二等辺三角形形状となっている。
以上のような構成を有した反射光学シートの寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、単位プリズム90の具体例として、反射光学シート80のシート面に沿った幅Wb(図3参照)を10μm以上500μm以下とすることができ、反射光学シート80のシート面への法線方向ndに沿った単位プリズム90の本体部85の他側面85bからの高さHbを4μm以上250μm以下とすることができる。また、単位プリズム90の断面形状が三角形形状または三角形形状の頂角を面取りしてなる形状からなる場合には、当該頂角の角度を75°以上125°以下とすることができる。単位プリズム90の断面形状が三角形形状の頂角を面取りしてなる形状となっている場合、主切断面において、単位プリズム90の頂部は、曲率半径の値が単位プリズム90の幅Wbの値以下となっている曲線として、形成されていることが好ましい。一方、本体部85の厚みは、0.5mm〜2mmとすることができる。また、このような反射光学シート80は、導光板30の作製に用いられ得る上述の材料と同様の材料を用いて、上述した導光板の作製方法と同様の方法によって、作製することができる。
次に、制御光学シート(出光面側光学シート)60について説明する。図1および図2に示されているように、制御光学シート60は、シート状に形成された本体部65と、本体部65の導光板30に対面する面65bとは反対側の面(観察者側を向く面)65a、つまり本体部65の出光側面65a上に設けられた複数の単位光学要素70と、を有している。なお、制御光学シート60の単位光学要素70と、反射光学シート80の単位光学要素90または導光板30の単位光学要素50との混同を避けるため、制御光学シート60の単位光学要素70を単位レンズ70とも呼ぶ。
図1および図2から理解され得るように、複数の単位レンズ70は、本体部65の出光側面65aと平行なある方向に並べて、本体部65の出光側面65a上に、配列されている。各単位レンズ70は、本体部65の出光側面65a上を、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。
とりわけ本実施の形態において、複数の単位レンズ70は、本体部65の出光側面65a上に、その配列方向に沿って隙間無く並べて配列されている。したがって、制御光学シート60の出光面60aは、単位レンズ70の表面(出光面)70aによってなされるレンズ面として、形成されている。また、各単位レンズ70は、その配列方向に直交する方向に沿って、直線状に延びている。さらに、各単位レンズ70は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。また、本実施の形態において、複数の単位レンズ70は、互いに同一に構成されている。
図1に示すように、制御光学シート60は、制御光学シート60の本体部65の法線方向(本実施の形態では、正面方向)ndから観察した場合に、制御光学シート60の単位プリズム90の配列方向が第1方向と平行となるようにして、導光板30に対して位置決めされている。
図2は、単位レンズ70の配列方向(本実施の形態では、第1方向と平行な方向)および本体部65の出光側面65bへの法線方向ndの両方向に平行な断面(以下においては、単に「制御光学シートの主切断面」とも呼ぶ)において、制御光学シート60を示している。図2の断面において、各単位レンズ70は、曲線状の外輪郭を有するようになっている。すなわち、制御光学シートの主切断面における単位レンズ70の外輪郭は、一以上の弧をつなぎ合わせて構成されている。また、本実施の形態においては、制御光学シートの主切断面における単位レンズ70の外輪郭は、本体部65の法線方向ndと平行な軸を対称軸として、線対称となっている。これにより、制御光学シート60の出光面60aにおける輝度は、単位レンズ70の配列方向に平行な面において、正面方向を中心として対称的な輝度の角度分布を有するようになる。
以上のような構成を有した制御光学シート60の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、以上のような構成からなる単位レンズ70の具体例として、単位レンズ70の幅Wc(図2参照)を20μm以上200μm以下とすることができる。また、制御光学シート60のシート面への法線方向ndに沿った本体部65の出光側面65aからの単位レンズ70の突出高さHcを14μm以上160μm以下とすることができる。一方、本体部65の厚みは、0.5mm〜2mmとすることができる。また、このような制御光学シート60は、導光板30の作製に用いられ得る上述の材料と同様の材料を用いて、上述した導光板の作製方法と同様の方法によって、作製することができる。
次に、以上のような構成からなる表示装置10の作用について説明する。
まず、図2に示すように、光源24b,24bをなす発光体25で発光された光は、入光面33,34を介し、導光板30に入射する。図2には、一例として、第1光源24aから第1入光面33を介して導光板30に光が入射する例が示されている。以下、この図2に示された例に基づいて面光源装置20および表示装置10の作用について説明する。ただし、導光板30は、第1方向における中央位置Pcを中心として対称的な構成を有している。また、第1光源24aおよび第2光源24bは、第1方向に導光板30を挟んで、対称的に構成されている。さらに、制御光学シート60や反射光学シート80等の面光源装置20の他の構成要素、および、液晶表示パネル15も、同様に対称性を有している。このような構成の対称性にともない、第2光源24bから第2入光面34を介して導光板30に入射する光に対しても、以下の説明が同様に当てはまる。
図2に示すように、導光板30へ入射した光L21,L22は、導光板30の出光面31および裏面32において、反射、とりわけ導光板30をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返し、導光板30の入光面33と反対面(他方の入光面)34とを結ぶ第1方向(導光方向)へ進んでいく。ただし、導光板30の基部40内には拡散成分45が分散されている。このため、図2に示すように、導光板30内を進む光L21,L22は、拡散成分45によって進行方向を不規則に変更され、全反射臨界角未満の入射角度で出光面31に入射することもある。この場合、当該光は、導光板30の出光面31から、出射し得るようになる。出光面31から出射した光L21,L22は、導光板30の出光側に配置された制御光学シート60へと向かう。
導光板30内を進行する光と、導光板30内に分散された拡散成分45と、の衝突は、導光板30内の導光方向に沿った各区域において、生じる。このため、導光板30内を進んでいる光は、少しずつ、出光面31から出射していくようになる。これにより、導光板30の出光面31から出射する光の導光方向(第1方向)に沿った光量分布を、或る程度、均一化させることができる。
ところで、図示する導光板30の出光面31は複数の単位光学要素50によって構成され、各単位光学要素50の主切断面における断面形状は、三角形形状または三角形形状の頂角56を面取りしてなる形状となっている。すなわち、出光面31、導光板30の裏面32に対して傾斜した傾斜面37,38として、構成されている(図3参照)。そして、この傾斜面37,38で全反射して導光板30内を進む光およびこの傾斜面37,38を通過して導光板30から出射する光は、この傾斜面37,38から、以下に説明する作用を及ぼされるようになる。まず、傾斜面37,38で全反射して導光板30内を進む光に対して及ぼされる作用について説明する。
図3には、出光面31および裏面32において全反射を繰り返しながら導光板30内を進む光L31,L32の光路が、導光板の主切断面内に示されている。上述したように、導光板30の出光面31をなす傾斜面37,38は、三角形形状の頂角を面取りしてなる形状を断面形状として有している単位光学要素50の外表面によって形成され、基部40の一側の面41への法線方向ndを挟んで互いに逆側に傾斜した二種類の面を含んでいる。また、互いに逆側に傾斜した二種類の傾斜面37,38は、第2方向に沿って、交互に並べられている。そして、図3に示すように、導光板30内を出光面31に向けて進み出光面31に入射する光L31,L32は、多くの場合、二種類の傾斜面37,38のうちの、導光板の主切断面において基部40の一側の面41への法線方向ndを基準として当該光の進行方向とは逆側に傾斜した傾斜面へ入射する。
この結果、図3に示すように、導光板30内を進む光L31,L32は、出光面31の傾斜面37,38で全反射する多くの場合、第2方向に沿った成分を低減されるようになり、さらには、主切断面においてその進行方向は正面方向ndを中心として逆側に向くようにもなる。このようにして、導光板30の出光面31をなす傾斜面37,38によって、ある発光点で放射状に発光された光が、そのまま第2方向に拡がり続けることが規制される。すなわち、光源24a,24bの発光体25から第1方向に対して大きく傾斜した方向に発光され導光板30内に入射した光も、第2方向への移動を規制されながら、主として第1方向へ進むようになる。
このように、第2方向への光の移動が規制されながら、その一方で、第1方向への光の移動が促進されることから、導光板30の出光面31から出射する光の第2方向に沿った光量分布を、光源24a,24bの構成(例えば、発光体25の配列)や、発光体25の出力によって、調節するといったことが可能となる。また、第2方向への光の移動が規制されながら、その一方で、第1方向への光の移動が促進されることから、入光面33,34の近傍において多量の光が導光板30から出射してしまうことを抑制するとともに、導光板30の第1方向(導光方向)における中央領域まで光を誘導することができるようにもなる。これにより、観察者によって明るさの変動を最も感知されやすくなる表示面11の中央の明るさを効果的に上昇させることができる。
次に、出光面31を通過して導光板30から出射する光に対して及ぼされる作用について説明する。図3に示すように、出光面31を介し導光板30から出射する光L31,L32は、導光板30の出光面31をなす単位光学要素50の出光側面51において屈折する。この屈折により、主切断面において正面方向ndから傾斜した方向に進む光L31,L32の進行方向(出射方向)は、主として、導光板30内を通過している際における光の進行方向と比較して、正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げられる。このような作用により、単位光学要素50は、導光方向と直交する第2方向に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、単位光学要素50は、導光方向と直交する第2方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。このようにして、導光板30から出射する光の出射角度は、導光板30の単位光学要素50の配列方向と平行な面内において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれる。
以上のようにして、導光板30から出射する光の出射角度は、導光板30の単位光学要素50の配列方向と平行な面において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれる。その一方で、導光板30から出射する光の出射角度は、それまで、導光板30内を主として第1方向に進んでいたことに起因して、第1方向(導光方向)と平行な面において、比較的大きな出射角度となる。具体的には、導光板30から出射する光の第1方向成分の出射角度(出射光の第1方向成分と導光板30の板面への法線方向ndとがなす角度θc(図2参照))は、比較的大きな領域にある特定の角度範囲(例えば、60°〜70°をピークとする角度範囲)内に偏る、傾向がある。
導光板30から出射した光は、その後、制御光学シート60へ入射する。制御光学シート60の単位レンズ70は、導光板30の単位光学要素50と同様に、単位レンズ70の出光面70aでの屈折によって透過光に対して集光作用を及ぼす。ただし、制御光学シート60でその進行方向を変化させられる光は、制御光学シート60の主切断面と平行な成分であり、導光板30で正面方向に集光させられた成分とは異なる。つまり、導光板30は、導光板30の単位光学要素50の配列方向と平行な面において、光の進行方向を正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込むようになり、その一方で、制御光学シート60は、制御光学シート60の単位レンズ70の配列方向と平行な面において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に光の進行方向を絞り込むようになる。したがって、制御光学シート60での光学的作用によって、集光シート30で上昇されられた正面方向輝度を害すことなく、さらに、正面方向輝度を上昇させることができる。
制御光学シート60を出射した光は、液晶表示パネル15の下偏光板14に入射する。下偏光板14は、入射光のうち、一方の偏光成分(本実施の形態においてはP波)を透過させ、その他の偏光成分(本実施の形態においてはS波)を吸収する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶表示パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
ところで、制御光学シート60へ入射する光、言い換えると、導光板30から出射する光が強い指向性を有している場合、制御光学シート60の単位レンズ70による集光機能が効果的に発揮され、これにより、正面方向輝度を効果的に上昇させることができる。制御光学シート60へ強い指向性を有した光が入射する面光源装置20においては、当該指向性に着目して集光機能を最適化することができるように、制御光学シート60の単位レンズ形状を設計することができるからである。同様に、導光板30の単位光学要素50による第2方向に沿った面内での集光機能も、導光板30の出光面31に向かう光が指向性を持っている場合に、より効果的に発揮される。
上述したように、導光板31内を誘導される光は、出光面31および裏面32での反射を繰り返し、第2方向への移動を規制されるとともに第1方向への移動を促進されている。したがって、導光板30の出光面31へ入射する光は、或る程度の指向性を有してものと推測される。
しかしながら、導光板31内を誘導される光は、常に、出光面31を介して導光板30から出射するのではなく、裏面32を介して導光板30から出射することもある。そして、従来のエッジライト型の面光源装置では導光板の背面に反射シートが設けられており、この反射シートによって、導光板の裏面から出射した光を再度導光板内へ戻して、光源光の有効利用を図っていた。ただし、導光板の背面側に設けられた反射シートでの反射が拡散反射である場合には、図3に二点鎖線で示すように、それまで第2方向への移動を規制されながら第1方向へ導光されてきた光L38,L39が、第2方向へ拡散されてしまうようになる。また、導光板へ再入射した光の第2方向成分が増大することは、第1方向成分の減少も意味する。
すなわち、導光板の裏面に散乱反射シート(拡散反射シート)が設けられている場合には、導光板の出光面から出射する光のうち、導光板の裏面から出射することなく直接出光面から出射する光は強い指向性を有するものの、導光板の裏面から一度出射して拡散反射によって導光板へ再入射した光は、強い指向性を持たず、或いは、拡散反射によって指向性自体を持たなくなる。すなわち、図2に二点鎖線で示すように、裏面から一度出射して拡散反射によって導光板へ再入射した光L29は、裏面から一度も出射することなく導光板の出光面から出射する光L21,L22とは大きく異なる進路を進むようにもなる。
そして、導光板の出光側に設けられた出光面側光学シート(制御光学シート)の単位レンズ形状が、裏面から一度も出射することなく導光板の出光面から出射する光の指向性に対応して設計されている場合には、出光面側光学シートの単位レンズは、裏面から一度出射して拡散反射によって導光板へ再入射した光L29に対して、集光作用を効果的に及ぼすことができず、当該光L29は、一例として、正面方向から大きく傾斜した方向に向けて、面光源装置20の発光面21から出射するようにもなる。正面方向ndから大きく傾斜した光L29は、表示装置10における映像の形成に、有効に寄与し得ない。すなわち、当該光L29の発生は、正面方向輝度を低下させるといった点だけでなく、光源光の有効利用といった点からも好ましくない。さらには、正面方向から大きく傾斜した光L29は液晶表示パネル15で遮断されることなく漏れ出すこともあり、この場合、映像の画質を劣化させてしまうことにもなる。
一方、上述してきた本実施の形態によれば、導光板30の裏面32には、拡散反射シートではなく、裏面側光学シート(反射光学シート)80が対向(直面)している。この反射光学シート80は、シート状の本体部85と、導光板30から離れる側に向けて突出した単位プリズム90と、を有している。この単位プリズム90は、第1方向に沿って直線状に延びるとともに、第2方向に配列されている。したがって、上述した導光板30の単位光学要素50と同様に、反射光学シート80の単位プリズム90は、プリズム面90aへの入射光を反射(とりわけ、全反射)して、第2方向への移動を規制しながら第1方向への移動を促進するようになる。図2に示すように、反射光学シート80の単位プリズム90で反射された光L23は、その後、導光板30へ再入射する。導光板30へ再入射した光は、その後、第2方向への移動を規制されるとともに第1方向への移動を促進されながら、導光板30内を導光される。
この結果、裏面32から出射した後に反射光学シート80での反射によって導光板30に戻され、その後に、導光板30の出光面31から出射するようになる光L23は、導光板30の裏面32から出射することなく直接出光面31から出射する光と、同様の指向性を持つようになる。したがって、導光板30の出光面31から出射する光は、全体として、鋭い指向性を呈するようになる。このため、導光板30から出射する光を、極めて高い利用効率で利用することができるとともに、導光板30の出光側に設けられた制御光学シート60によって、極めて効果的に正面方向ndに集光させることができる。
とりわけ、図3に示すように、反射光学シート80の単位プリズム90によって、光L33,L34が再帰反射される場合には、図2に示すように、導光板30から出射する直前の導光板30内での光路と導光板30に再入射した直後の導光板30内での光路とが概ね対称的となる(図3の光L23)。言い換えると、この場合、反射光学シート80の単位プリズム90での再帰反射により導光板30内へ再入射する光L33,L34は、第2方向からの観察において、導光板30の裏面31から出射することなく当該裏面32で反射された場合の光路(図2における光L23aの光路)と平行な光路(図2におけるL23の光路)を進むことも可能となる。このような場合には、導光板30の出光面31から出射する光は、あたかもすべての光が導光板30の裏面32から出射することなく出光面31から出射したかのような、極めて鋭い指向性を有するようになる。
なお、本件発明者が確認したところ、従来の面光源装置において、拡散反射シートに代えて、鏡面反射シートを用いた場合にも、導光板30の出光面31から出射する光の指向性を強めることができた。
ただし、既に説明したように、鏡面反射シートは、散乱反射シートと比較してかなり高価であり、また、図示された反射光学シート60のようなプリズムシートと比較してもなお高価である。そもそも、鏡面反射シートの反射率は、せいぜい80%〜90%と低く、一回あたりの反射でかなりの光が損失される。一方、図示された反射光学シート60によれば、全反射によって100%の反射率で、すなわち損失無しで反射することも可能となる。したがって、従来の面光源装置において、拡散反射シートに代えて鏡面反射シートを用いた場合、導光板の出光面から出射する光の指向性を確保することを期待し得るが、全体としての光源光の利用効率が悪いので、正面方向輝度を十分に向上させることはできない。
加えて、反射光学シート80の単位プリズム90は、反射光学シート80に入射する光の第2方向への移動を規制するようになる。さらに、導光板30の裏面32から出射した後に反射光学シート80で反射して導光板30に再入射する光L23は、拡散成分45との衝突のリスクを回避しながら、第1方向に沿って遠くまで進むことができる。すなわち、反射光学シート80を用いた場合には、光の第1方向に沿った直進性を効果的に向上させることができる。これにより、昨今の傾向にともなって表示装置10が大型化されたとしても、表示装置10において最も明るさの上昇を感知されやすい中央領域までの光の第1方向への移動を効果的に実現させることができる。
このようにして、本実施の形態による面光源装置20では、光源光は、導光板30の単位光学要素50および反射光学シート80の単位プリズム90によって、第2方向への移動を規制されながら、第1方向へ進むようになる。すなわち、光源24a,24bをなす多数の発光体25の各々で発光された光は、導光板30の出光面31のうちの、第2方向における所定の範囲内に位置し且つ第1方向に延びる特定の領域内から、主として出射することになる。したがって、表示装置10の表示面11に表示される映像に対応して、制御装置18が、各発光体25の出力を調節するようにしてもよい。
例えば、表示装置10の表示面11内のある領域に何も表示しない場合、言い換えると、表示装置10の表示面11内のある領域に黒を表示する場合、表示面10の当該領域に対応する導光板30の出光面31の領域に光を供給する点状発光体25を消灯させるようにしてもよい。この場合、面光源装置20からの照明光を表示パネル15で完全に遮断できないことに起因するコントラストの低下といった従来の不具合を解消することができる。また、電気使用量を節約することができ、省エネルギーの観点からも好ましい。
さらに、黒を表示する例に限られず、表示面11に表示される映像に対応して各点状発光体25の出力の程度を調節することにより、表示パネル15のみに依存することなく、表示される映像の各領域における明るさを調節するようにしてもよい。このような例においても、表示される像のコントラストを向上させることができるとともに、省エネルギーを実現することができる。
ところで、制御光学シート60を出射した光は、その後、液晶表示パネル15に入射するが、実際に映像の形成に寄与する光は、一方の直線偏光成分だけであって、他方の直線偏光成分は、液晶表示パネル15の下偏光板14で吸収される。この点からすると、下偏光板14を透過し得る一方の直線偏光成分が、他方の直線偏光成分から分離されて選択的に制御光学シート60を透過するようになっていることが好ましい。一般に、界面への入射角度が同一であれば、一方の直線偏光成分(例えばP波成分)の当該界面の透過率と、他方の直線偏光成分(例えばS波成分)の当該界面の透過率とは異なるようになる。そして、一方の直線偏光成分の透過率と他方の直線偏光成分の透過率との差は、界面の入射角度へ依存して変化する。すなわち、界面への入射角度によっては、一方の直線偏光成分の透過率と他方の直線偏光成分の透過率とを大きく異ならせて、一方の直線偏光成分を選択的透過させることができる。
そして、上述したように、本実施の形態では、導光板30の出光面31から出射する光に対して鋭い指向性を付与することができる。すなわち、導光板30の出光面31から出射する光が、概ね同一の方向に進むようにすることができる。そして、導光板30の出光面31から出射する光が進む方向と、および、当該出射光の制御光学シート60の単位レンズ表面70aへの入射角度と、の両方を適宜調節しておくことにより、一方の直線偏光成分が選択的に高い透過率で制御光学シート60の単位レンズ70を透過し得るようにすること、且つ、選択的に透過する当該一方の直線偏光成分が制御光学シート60の単位レンズ70での屈折により正面方向ndへ集光されることの両方を同時に実現することも可能である。この場合、面光源装置20から正面方向ndへ発光される光に、一方の直線偏光成分がより多く含まれることになる。なおこの際、下偏光板14を透過し得ない他方の直線偏光成分は、制御光学シート60の出光面60aで反射されて、導光板30の側へ戻される。このような光は、その後の反射や屈折によって偏光状態を変えた後に制御光学シート60へ再入射することも可能となり、この場合、液晶表示パネル15での映像の形成に使用され得る。結果として、光源光の利用効率を飛躍的に向上させることも可能となる。
以上のような本実施の形態によれば、導光板30の出光面31から出射する光の指向性を強くすることができる。これにより、導光板30の出光面31から出射した光を極めて効果的に集光させることが可能となる。これにより、正面方向輝度を効果的に向上させることができる。加えて、本実施の形態によれば、導光板30内を進む光の直進性を改善することできる。このため、導光板30の入光面31から離間した領域まで光が進むことが促進され、結果として、出光面31のうちの光源近傍の領域から出射する光の光量が多くなり過ぎてしまうことを抑制し、これにともなって、出光面31の中央を含む領域から出射する光の光量を多く確保することができる。これにより、表示装置10の表示面11の中央に像を明るく表示することができ、観察者に感知される像の明るさを効果的に上昇させることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
上述した導光板30の単位光学要素50の断面形状は、例示に過ぎず、種々の変更が可能である。また、上述した裏面側光学シート(反射光学シート)80の単位光学要素(単位プリズム)90の断面形状は、例示に過ぎず、種々の変更が可能である。さらに、上述した出光面側光学シート(制御光学シート)60の単位光学要素(単位レンズ)70の断面形状は、例示に過ぎず、種々の変更が可能である。一例として、単位光学要素50,70,90の断面形状が、三角形以外の多角形や楕円の一部分に相当する形状等となっていてもよい。
また、上述した実施の形態において、出光面側光学シート(制御光学シート)60が、本体部65と、本体部65の出光面65a上に設けられて出光側に突出する単位光学要素70を有する例を示したが、これに限られない。図5に示すように、出光面側光学シート(制御光学シート)60が、本体部65と、本体部65の入光面65b上に設けられて入光側に突出する単位光学要素70を有するようにしてもよい。すなわち、出光面側光学シート(制御光学シート)60が、全反射型の集光シートとして構成されていてもよい。図5に示された例では、導光板から出射した光L51は、断面三角形形状からなる単位光学要素70の一辺を介して出光面側光学シート(制御光学シート)60へ入射した後、当該単位光学要素70の他辺で全反射して、その進行方向を正面方向ndへ偏向させるようになっている。
さらに、上述した実施の形態において、導光板30の側面のうちの対向する二つの面33,34が入光面を構成する例を示したが、これに限られない。導光板30の側面のうちの一つの面33のみが入光面として機能するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、導光板30の基部40内に拡散成分45を分散させることによって、導光板30に入射した光が導光板30から出射し得るようにした例を示したが、この例に限られない。例えば、拡散成分45を内添する構成に加えて或いは拡散成分45を内添する構成に代えて、導光板30の裏面32を傾斜面として構成してもよい。
さらに、上述した実施の形態において、光源24a,24bが、導光板30の入光面33,34の長手方向(第1方向)に沿って並べて配置された複数の点状発光体(LED)25から構成される例を示したが、これに限られず、エッジライト型の面光源装置に用いられ得る種々の光源、例えば、導光板30の入光面33,34の長手方向と平行に延びるように配置された冷陰極管から、光源24a,24bが構成されてもよい。
さらに、上述した面光源装置20および表示装置10の構成は、単なる例示に過ぎず、種々の変更が可能である。例えば、透過光を拡散させる機能を有した光拡散シートや、特定の偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分を反射する偏光分離機能を有した反射型の偏光分離シート等を、光学シート26の出光側に設けるようにしてもよい。また、反射シート28を取り除いても良い。
なお、以上において、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。