JP2012030180A - 汚染地盤の浄化方法、及び、汚染地盤の浄化材 - Google Patents

汚染地盤の浄化方法、及び、汚染地盤の浄化材 Download PDF

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Abstract

【課題】メタンの発生を抑制しつつ、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された地盤を浄化できる汚染地盤の浄化方法、及び、浄化材を提供する。
【解決手段】本発明に係る汚染地盤の浄化方法は、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された汚染地盤に、鉄粉と、汚染地盤中に存在するメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材とを混合することを特徴とする。活性抑制材は、硫酸塩又はメタン生成抑制材の少なくとも一方である。硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム(石膏)、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等が用いられる。メタン生成抑制材としては、ブロモエタンスルホン酸塩(BES)、クロロフォルム、メルカプトプロピオン酸などが用いられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、汚染地盤の浄化方法、及び、汚染地盤の浄化材に関する。
例えば、塩素系揮発性有機化合物(VOC)によって汚染された汚染地盤を浄化する方法として、汚染地盤に鉄粉を混合し、この鉄粉の還元作用によって汚染地盤中のVOCを分解することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−272579号公報
前述したように汚染地盤に鉄粉を混合すると、水素が発生すると共に地盤の雰囲気が還元的になるため、汚染地盤中に存在し、水素を資化してメタンを生成するメタン生成菌が活性化する虞がある。メタン生成菌が活性化され、浄化処理を行った地盤からメタンが発生することは、土地利用の観点から好ましくない。このため、メタン生成菌の活性化によってメタンが発生することを抑制する必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された地盤を浄化しつつ、メタンの発生を抑制できる汚染地盤の浄化方法、及び、浄化材を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の汚染地盤の浄化方法は、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された汚染地盤に、鉄粉と、前記汚染地盤中に存在するメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材とを混合することを特徴とする。
この汚染地盤の浄化方法によれば、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された汚染地盤に鉄粉及び活性抑制材を混合するため、鉄粉によって地盤中に水素が発生しても、活性抑制材によって地盤中のメタン生成菌の活性を抑制することができる。よって、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された地盤を浄化しつつ、メタンの発生を抑制できる。
前記課題を解決するため、本発明の汚染地盤の浄化方法は、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された汚染地盤に、鉄粉を混合する第1混合工程と、前記第1混合工程によって前記塩素系揮発性有機化合物が分解された地盤に、前記汚染地盤中のメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材を混合する第2混合工程とを行うことを特徴とする。
この汚染地盤の浄化方法によれば、第1混合工程において汚染地盤に鉄粉を混合することで塩素系揮発性有機化合物が分解された地盤に、第2混合工程において活性抑制材を混合する。このため、鉄粉によって塩素系揮発性有機化合物を十分に分解した後に、活性抑制材によってメタンの発生を抑制でき、より効果的に汚染地盤を浄化しつつメタンの発生を抑制できる。
また、本発明の汚染地盤浄化方法において前記活性抑制材は、前記汚染地盤中に存在する硫酸還元菌を活性化する硫酸塩又は前記メタン生成菌によるメタン生成を抑制するメタン生成抑制材の少なくとも一方であることが好ましい。
活性抑制材として硫酸塩を混合すると、地盤中の硫酸還元菌が、塩素系揮発性有機化合物の分解によって発生した水素と硫酸塩とを資化して活性化する。これによって、メタン生成菌がメタン生成に利用していた水素を硫酸還元菌に消費させることができ、メタンの発生を抑制できる。また、活性抑制材としてメタン生成抑制材を混合することで、地盤中のメタン生成菌の活性化を抑制でき、メタンの発生が抑制される。よって、汚染地盤に、鉄粉と、活性抑制材として硫酸塩又はメタン生成抑制材の少なくとも一方とを混合することで、汚染地盤を浄化しつつメタンの発生を抑制できる。
前記課題を解決するため、本発明の汚染地盤の浄化材は、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された汚染地盤に混合され、鉄粉と、前記汚染地盤中に存在するメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材とを含有することを特徴とする。
この汚染地盤の浄化材によっても、鉄粉によって塩素系揮発性有機化合物を分解することで水素が発生しても、活性抑制剤によって地盤中のメタン生成菌の活性化を抑制できるため、汚染地盤を浄化しつつメタンの発生を抑制できる。
本発明によれば、塩素系揮発性有機化合物によって汚染された地盤を浄化しつつメタンの発生を抑制できる。
第1混合工程と水素の発生との関係について確認するための確認試験の結果を示す図である。 第1混合工程とメタンの発生との関係について確認するための確認試験の結果を示す図である。 第1混合工程後の地盤に存在するメタン生成菌について確認するための確認試験の結果を示す図である。 第1混合工程後の地盤におけるメタン生成菌群のDGGEバンドパターンを示す図である。 第2混合工程によるメタン発生の抑制効果について確認するための確認試験の結果を示す図である。
===汚染地盤の浄化方法について===
本実施形態にかかる汚染地盤の浄化方法について説明する。この浄化方法では、汚染地盤に鉄粉を混合する第1混合工程と、第1混合工程が行われた地盤にメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材を混合する第2混合工程とを行う。これらの第1混合工程と第2混合工程とを行うことで、地盤中の塩素系揮発性有機化合物(VOC)を分解し、VOCによって汚染された汚染地盤を浄化する。
尚、VOCには、テトラクロロエチレン(PCE)、TCE、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス1,2−ジクロロエチレン(cis−DCE)、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,3−ジクロロプロペン、トランス1,2−ジクロロエチレン、塩化ビニルモノマー等が含まれる。
<<<第1混合工程について>>>
第1混合工程は、汚染地盤に鉄粉を混合する工程である。第1混合工程で用いられる鉄粉は、還元性を有するものであれば特に限定されるものではないが、汚染地盤の性質に応じて、粒径又は地盤に対する混合量等を適宜調整したものが好ましい。尚、本実施形態の第1混合工程では、土壌に対する鉄粉の重さが約2%となる割合で、汚染地盤に鉄粉を攪拌混合する。
汚染地盤中において、VOCは鉄粉の脱塩素還元反応によって分解され無害化される。この際、鉄粉と地盤中の水分との反応によって水素が発生することが知られている。そこで、第1混合工程と水素の発生との関係について調べるため、鉄粉混合量と水素発生量の経時変化との関係を確認する確認試験を行った。確認試験の結果を図1に示す。尚、図1の縦軸は、乾土1kg相当量に換算した水素の発生量(mL)を示し、横軸は試験開始からの経過日数を示している。
この確認試験では、浄化予定地の土壌に鉄粉を2〜8重量%となる割合で混合し、水素の発生量を測定した。具体的には、ねじ口試験管に、土壌に対して2、4、6、8重量%となるように鉄粉を夫々混合した土壌を5gずつ詰めて純水1mLを加え、気相を窒素で置換し25℃の暗所に静置した。また、これらの試験区の他に、鉄粉及び水のみを鉄粉が2重量%となる割合で混合した対照区1と、土壌及び水のみを混合した対照区2とを作成し、試験区と同様に静置した。そして、静置を開始(試験開始)してから所定日数が経過するごとに夫々の試験区及び対照区の水素の発生量をTCD付クロマトグラフィーによって定量した。
この確認試験の結果、図1に示すように、鉄粉を混合した対照区1及び全ての試験区において水素の発生が確認され、鉄粉を混合していない対照区2のみ水素の発生が確認されなかった。このため、水素の発生は鉄粉と水との反応によるものであることが確認された。また、図1に示すように、土壌に対して鉄粉を混合している試験区については、鉄粉の混合量が多いほど水素の発生量が増加する傾向が確認された。特に、試験開始から14日目までの間において著しい水素の発生が見られた。よって、第1混合工程によって鉄粉が混合された汚染地盤では、混合した鉄粉と地盤中の水分との反応により、比較的速やかに水素が発生することが確認された。そして、水素の発生量は、土壌に対する鉄粉の混合比に応じた量であることも確認された。
次に、第1混合工程とメタンの発生との関係について調べるため、鉄粉混合によるメタン発生量の経時変化を確認する確認試験を行った。確認試験の結果を図2に示す。尚、図2の縦軸は、乾土1kg相当量に換算したメタンの発生量(mg)を示し、横軸は試験開始からの経過週を示している。
この確認試験では、浄化予定地の土壌において、第1混合工程後の鉄粉を2重量%となるように混合した土壌(上層)と、鉄粉が混合されていない土壌(下層)とを試験区とし夫々の試験区についてメタンの発生量、発生時期、発生速度等を調べた。具体的には、ねじ口試験管に上層及び下層の土壌を夫々5gずつ詰め、気相を窒素で置換し30℃の暗所に静置した。そして、静置を開始(試験開始)してから所定日数が経過するごとに夫々の試験区のメタン発生量をFID付ガスクロマトグラフィーによって定量した。
この試験の結果、図2に示すように、鉄粉を混合した上層の試験区において試験開始から16週でメタンの発生が確認され、40週が経過するあたりからメタンの発生量が増加することが確認された。したがって、第1混合工程によって水素が発生した後、16週が経過するあたりで、地盤中がメタン生成菌の活動に適した還元的な環境となることが確認された。そして、第1混合工程後の地盤では、鉄粉を混合してからVOCが分解されるまでの浄化期間(例えば略3ヶ月)を経過した後も、長期間にわたってメタンが発生することが確認された。
次に、第1混合工程後の地盤に存在するメタン生成菌について調べるため、土壌に添加するメタン生成菌の基質の違いによるメタン発生量の経時変化を確認する確認試験を行った。確認試験の結果を図3に示す。ここで、メタン生成菌は汚染地盤中に存在する絶対嫌気性の古細菌であり、水素、炭素、酢酸等を気質として資化しメタンを生成する。尚、図3の縦軸は、乾土1kg相当量に換算したメタンの発生量(mg)を示し、横軸は試験開始からの経過週を示している。
この確認試験では、第1混合工程後、メタンの発生が確認された土壌にメタン生成菌の基質として水素(H)、水素(H)+二酸化炭素(CO)、酢酸ナトリウム(CHCOONa)を夫々混合して試験区とした。また、鉄粉を混合していない浄化予定地の土壌にいずれの基質も添加していない対照区を作成した。具体的には、予め各土壌の仮比重を測定し、2.5cm分の湿潤土を量りとって窒素を通気しながらねじ口試験管に詰めて蓋をした。水素添加区では4mlの水素を試験管に添加し、水素+二酸化炭素添加区では4mlの水素と1mlの二酸化炭素とを試験管に添加し、酢酸ナトリウム添加区では1.5mlの酢酸ナトリウム溶液(30mM)を試験管に添加し、夫々を30℃の暗所に静置した。そして、静置を開始(試験開始)してから所定日数が経過するごとに夫々の試験区のメタン発生量をFID付ガスクロマトグラフィーによって定量した。
この試験の結果、図3に示すように、水素添加区と、水素及び二酸化炭素添加区とでは、試験開始から1週目の間にメタンの発生量が増加した。酢酸ナトリウム添加区では、水素添加区、水素及び二酸化炭素添加区に比べてメタンの発生速度が緩やかであった。また、対照区でもメタンの発生が確認された。ここから、第1混合工程後の土壌では、メタン生成菌が活性化しており、水素資化性のメタン生成菌が優占する土壌であることが確認された。つまり、第1混合工程後の地盤では、鉄粉混合による地盤の還元化と水素の存在から、水素資化性のメタン生成菌の活性が高くなり、これによってメタンが発生することが明らかとなった。
次に、DGGE(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis:変性剤濃度勾配ゲル電気泳動)法を用いて、第1混合工程後の土壌中に存在する微生物の優占種を特定するための確認試験を行った。確認試験の結果を図4に示す。尚、DGGE法とは、2本鎖のDNAが温度を上げていくと変成する性質を利用し、試料中に存在する微生物の種類及び優占種の推定や、およその種の同定を行うための方法である。図4は、DGGE法によって得られた、第1混合工程後の土壌における鉄粉混合から16週目(メタン発生初期)及び、48週目(メタン発生活発期)のDGGEバンドパターンである。
この確認試験において、メタン発生初期とメタン発生活発期とではメタン生成菌の群集構造は大きく異なり、メタン発生活発期ではより単純な構造となっていた。つまり、メタン発生初期には複数種のメタン生成菌群がメタン生成に関与しているのに対し、メタン発生活発期には、優占するメタン生成菌群がメタン生成に関与していることが確認された。更に、メタン生成菌の種を同定するためのシークエンスの結果、メタン発生初期に優占しているメタン生成菌はMethanothermococcus okinawensisと相同性が高く、メタン発生活発期に優占しているメタン生成菌はMethanobacterium sp.GHまたはMethanobacterium sp.IM1と相同性が高いことが確認された。つまり、メタン発生初期、メタン発生活発期共にメタンの発生に関与しているのは水素資化性のメタン生成菌であることが確認された。
<<第2混合工程について>>
第2混合工程は、第1混合工程によってVOCが分解された地盤に、汚染地盤中のメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材を混合する。活性抑制材は、硫酸塩又はメタン生成抑制材の少なくとも一方である。
硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム(石膏)、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。第1混合工程において鉄粉が混合された地盤は還元的になっており、第2混合工程において硫酸塩を混合することで、地盤中に存在していた硫酸還元菌を活性化させることができる。硫酸還元菌は、水素及び硫酸塩を資化して活性化し、水素を資化するメタン生成菌と競合関係にあるが、地盤中に硫酸塩が存在する場合は硫酸還元菌が優占する。このため、第2混合工程において、硫酸還元菌を活性化することで、メタン生成菌の活性を抑制して、メタンの発生を抑制することができる。
メタン生成抑制材としては、ブロモエタンスルホン酸塩(BES)、クロロフォルム、メルカプトプロピオン酸などが挙げられる。メタン生成抑制材は、メタン生成菌の活性を抑制する。このため、第1混合工程において鉄粉が混合され還元的になった地盤であっても、第2混合工程においてメタン生成抑制材を混合することで、メタン生成菌の活性化を抑制してメタンの発生を抑制できる。
第2混合工程によるメタン発生の抑制効果について調べるため、第1混合工程後の地盤に、硫酸塩として硫酸ナトリウムを、メタン生成抑制材としてBESを用い、各単体と混合物とについて、メタン発生量の経時変化を確認する確認試験を行った。確認試験の結果を図5に示す。尚、図5の縦軸は、乾土1kg相当量に換算したメタンの発生量(mg)を示し、横軸は試験開始からの経過週を示している。
この確認試験では、ねじ口試験管に第1混合工程によって鉄粉を混合してから4週経過した土壌に、BESを混合する試験区と、硫酸ナトリウム(NaSO)を混合する試験区と、BES(B)及び硫酸ナトリウム(S)を混合する試験区とを作成した。
具体的には、土壌5gに対して、0.05mol/LのBES溶液、0.25mol/LのBES溶液、0.5mol/LのBES溶液を夫々1mL混合してBES混合試験区を作成した。また、土壌5gに対して、0.1mol/Lの硫酸ナトリウム溶液、0.5mol/Lの硫酸ナトリウム溶液、1.0mol/Lの硫酸ナトリウム溶液を夫々1mL混合して硫酸ナトリウム混合試験区を作成した。
また、土壌5gに対して、0.05mol/LのBES溶液及び0.1mol/Lの硫酸ナトリウム溶液を1mLずつ混合した試験区と、0.25mol/LのBES溶液及び0.5mol/Lの硫酸ナトリウム溶液を1mLずつ混合した試験区と、0.5mol/LのBES溶液及び1.0mol/Lの硫酸ナトリウム溶液を1mLずつ混合した試験区とを作成した。また、土壌5gにBES及び硫酸ナトリウムを混合しない対照区を作成した。
そして、夫々の試験区及び対照区の気相を窒素で置換し、30℃の暗所に静置した。静置を開始(試験開始)してから所定日数が経過するごとに夫々の試験区及び対照区のメタン発生量をFID付ガスクロマトグラフィーによって定量した。
この試験の結果、図5に示すように、対照区のみに4週から6週にかけてメタンが発生した。また、第2混合工程を行った全ての試験区ではメタンの発生が見られず、メタンの発生が抑制されることが確認された。つまり、BESによってメタン生成菌の活性化が抑制され、メタンの発生が抑制されることが確認された。また、硫酸塩によって硫酸還元菌が活性化され、これに伴ってメタン生成菌の活性化が抑制され、ひいてはメタンの発生が抑制されることが確認された。
ところで、第2混合工程において地盤に硫酸塩を混合すると、硫酸還元菌は、硫酸塩及び水素を資化するため、メタンと共に水素の発生についても抑制しつつ汚染地盤を浄化できる。このため、浄化処理を行った地盤から発生するガスを減らすことができ、土地利用の観点からより好ましい。
第1混合工程において発生する水素は、汚染地盤中のVOCを分解することに寄与する。また、この水素によって地盤が還元的になった後に嫌気性のメタン生成菌が活性化する。このため、第1混合工程において汚染地盤に鉄粉を混合してからVOCが分解されるまでの浄化期間が経過した後に、第2混合工程を行うことで、より効果的に汚染地盤を浄化しつつメタンの発生を抑制できる。特に、第2混合工程において硫酸塩を混合する場合、硫酸還元菌も嫌気性であるため、浄化期間経過後の還元的となった地盤に対して、第2混合工程を行うことで、より効率よく硫酸還元菌を活性化して、効果的にメタンの発生を抑制できる。
また、第2混合工程において地盤にBESを混合する場合、第1混合工程後のメタン生成活発期においてもメタン生成菌の活性化を効率よく抑制でき、効果的にメタンの発生を抑制できる。
以上より、本実施形態にかかる汚染地盤の浄化方法では、第1混合工程によって鉄粉を混合することで汚染地盤中のVOCを分解しても、第2混合工程によってメタンが発生することを抑制できるため、メタンの発生を抑制しつつ汚染地盤を浄化できる。
===汚染地盤の浄化材について===
また、以上の説明から明らかなように、第1混合工程で用いた鉄粉と第2混合工程で用いた活性抑制材の組は、汚染地盤の浄化材を構成する。すなわち、この浄化材を汚染地盤中に混合することで、鉄粉によって汚染地盤中のVOCを分解できる。また、鉄粉と地盤中の水分とが反応して水素が発生しても、地盤中のメタン生成菌が活性化することを活性抑制材によって抑制できる。よって、メタンの発生を抑制しつつ汚染地盤を浄化できる。
===その他の実施形態について===
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、前述した汚染地盤の浄化方法では、第1混合工程によって汚染地盤に鉄粉を混合してVOCを分解した地盤に、第2混合工程によって活性抑制材を混合することとした。しかし、特にこれに限定されるものではなく、鉄粉及び活性抑制材を同時に汚染地盤に混合することとしてもよい。これによって、汚染地盤を浄化するための処理工程を減らすことができる。
また、前述した汚染地盤の浄化方法では、第1混合工程において鉄粉を混合してから4週経過した土壌及び浄化期間(略3ヶ月)が経過した土壌に対して第2混合工程を行う例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。第1混合工程後、メタンの発生が収束するまでの間に第2混合工程を行うことで、メタンの発生を抑制しつつ汚染地盤を浄化できる。

Claims (4)

  1. 塩素系揮発性有機化合物によって汚染された汚染地盤に、鉄粉と、前記汚染地盤中に存在するメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材とを混合することを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  2. 塩素系揮発性有機化合物によって汚染された汚染地盤に、鉄粉を混合する第1混合工程と、
    前記第1混合工程によって前記塩素系揮発性有機化合物が分解された地盤に、前記汚染地盤中のメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材を混合する第2混合工程と、
    を行うことを特徴とする汚染地盤の浄化方法。
  3. 前記活性抑制材は、前記汚染地盤中に存在する硫酸還元菌を活性化する硫酸塩又は前記メタン生成菌によるメタン生成を抑制するメタン生成抑制材の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染地盤の浄化方法。
  4. 塩素系揮発性有機化合物によって汚染された汚染地盤に混合される汚染地盤の浄化材であって、
    鉄粉と、前記汚染地盤中に存在するメタン生成菌の活性を抑制する活性抑制材とを含有することを特徴とする汚染地盤の浄化材。
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