JP2012029788A - 胃瘻造設術用拡張器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイドワイヤを用いる従来の手技に比較して、ガイドワイヤを用いるステップを省略することにより手術時間を短縮でき、且つ使用器具の削減を図ることができると共に、ガイドワイヤを使用しなくても安全、確実に胃瘻造設を行うことができる胃瘻造設術用拡張器を提供する。
【解決手段】先端部が鈍角又は略半球状な棒状部材4と、前記棒状部材4を挿通自在とする内腔を有する穿刺針3と、前記穿刺針3を挿通自在とする内腔を有し、先端に向かって先細りのテーパー部を有する拡張器2と、前記拡張器2を挿通自在とする内腔を有するシース1と、から構成されると共に、前記棒状部材4の先端部において、前記棒状部材4の基端部側に向かって発生する付勢力の有無により、前記棒状部材4を、前記穿刺針3の先端部から突没させる突没調整部5を有することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、胃瘻造設術用拡張器に関する。
口から栄養を摂取できない患者に対する栄養の投与方法としては、一般的に経静脈的栄養投与、鼻からチューブを胃等に挿入して行う経胃管的栄養投与、および胃瘻からの経腸的栄養投与等が行われている。
近年、経腸栄養剤とその投与法の発達により、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG:Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)による経腸栄養管理が頻繁に行われるようになってきた。
このPEGの設置方法には、従来から口腔より胃瘻チューブを挿入するPull法、及び、Push法と、体表からシースを介してチューブを挿入するIntroducer法の3つの方法が一般的に広く知られている。
Pull法及び、Push法においては、咽頭部を胃瘻チューブが通過するために胃瘻チューブを留置する部位の創部感染の可能性がある他、内視鏡を2回挿入する必要があるといった欠点を有していた。
一方、Introducer法は、胃瘻チューブが咽頭部を通過しないため、上記創部感染の危険性が低く、また内視鏡も1回の挿入ですむが、ガイドワイヤを用いないで太い穿刺針(外径4mm以上)を穿刺しなければならないため、穿刺に伴う危険性が大きく、さらにシースを介して比較的細径のバルーンカテーテルしか留置できないため栄養剤の投与に時間がかかるという問題点を有している。
最近、体内留置部を有する太径のボタン型胃瘻カテーテルを、体外から腹壁を通して直接胃内に挿入留置する新たな手法が普及しつつある。
この方法では、腹壁及び胃壁を胃壁腹壁固定具と呼ばれる器具を用いて、縫合糸により固定し、ガイドワイヤ下でダイレータを用いて、腹壁及び胃壁に瘻孔を開け、その瘻孔にガイドワイヤ下でオブチュレータにより体内留置部を伸展した太径のボタン型胃瘻カテーテルを挿入し、胃内で体内留置部の伸展を解除してカテーテルを留置する。
しかしながら、瘻孔は通常、チューブ部の外径とほぼ同程度の大きさに形成されるものであり、ダイレータによって新規な瘻孔を形成した時には、ダイレータを体内から抜去することで腹壁が瘻孔を縮めようとする方向に働き、胃瘻カテーテルを挿入する時に瘻孔はダイレータ挿入時より小さくなるものである。
これに対し、ボタン型胃瘻カテーテルは、体内留置部をオブチュレータによって縮径状態にしても、チューブ部よりも外径を小さくすることが困難であるため、ボタン型胃瘻カテーテルの挿入時には、体内留置部が瘻孔を押し拡げるように働き、挿入抵抗が若干大きくなる点でさらなる挿入性の向上が求められている。
また、新規瘻孔形成時は内視鏡から充分な送気をして胃を膨らませた状態で行うことが通常の方法である。しかしながら、太径のボタン型胃瘻カテーテルを挿入するためには、ダイレータでそれに見合った大きな瘻孔を開けなければならず、ダイレータを抜いたときには、瘻孔を通じて内視鏡から送気された空気が逃げることがあるため、内視鏡の視野が悪くなる場合があり、状況によりしばしば送気する必要がある。
上記の課題に対して、ボタン型胃瘻カテーテルを留置する際の挿入抵抗を低減させることが可能で、かつ内視鏡の送気コントロールを容易にし、術中の内視鏡の視野を安定化させることが可能な胃瘻用シース、シース付ダイレータが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−148554号公報
ところが、特許文献1によれば、シース付ダイレータにて組織を安全、確実に拡張する際には、まずガイドワイヤを留置し、そのガイドワイヤに沿って、シース付ダイレータを挿入するステップが必要であった。
一般的に、ガイドワイヤを用いて胃瘻カテーテルを留置する従来の方法では、以下の(1)〜(5)のステップを行う必要がある。
(1)胃瘻造設部位にカニューラ針を穿刺する。
(2)カニューラ針の内針を抜去する。
(3)カニューラの中を通してガイドワイヤを胃内に挿入する。
(4)カニューラを抜去し、ガイドワイヤを留置する。
(5)ガイドワイヤの後端側から拡張器の先端を通す。(その後、拡張器により瘻孔を拡張する。)
本発明の課題は、従来のガイドワイヤを用いる胃瘻造設手技に比較して、ガイドワイヤを用いるステップを省略することにより手術時間を短縮でき、且つ使用器具の削減を図ることができると共に、ガイドワイヤを使用しなくても安全、確実に胃瘻造設を行うことができる胃瘻造設術用拡張器を提供することである。
このような目的は、下記(1)〜(5)に記載の本発明により達成される。
(1)先端部が鈍角又は略半球状な棒状部材4と、
前記棒状部材4を挿通自在とする内腔を有する穿刺針3と、
前記穿刺針3を挿通自在とする内腔を有し、先端に向かって先細りのテーパー部を有する拡張器2と、
前記拡張器2を挿通自在とする内腔を有するシース1と、
から構成されると共に、
前記棒状部材4の先端部において、前記棒状部材4の基端部側に向かって発生する付勢力の有無により、前記棒状部材4を、前記穿刺針3の先端部から突没させる突没調整部(5)を有することを特徴とする胃瘻造設術用拡張器。
(2)前記突没調整部5は、前記棒状部材4の基端部に付設されたフランジ部材44と、前記フランジ部材44に当接する弾性部材52とを内部に有するケース部材51から構成されている(1)に記載の胃瘻造設術用拡張器。
(3)先端部が鈍角又は略半球状な棒状部材4と、
前記棒状部材4を挿通自在とする内腔を有し、基端部近傍にガス注出孔35を有する穿刺針3と、
前記穿刺針3を挿通自在とする内腔を有し、先端に向かって先細りのテーパー部を有する拡張器2と、
前記拡張器2を挿通自在とする内腔を有するシース1と、
から構成されると共に、
前記棒状部材4の先端部に発生する付勢力の有無により、前記棒状部材4を前記穿刺針3の先端部から突没させる突没調整部5と、を有し、
更に、前記突没調整部5を内装すると共に、前記棒状部材4と前記穿刺針3との隙間を通って前記ガス注出孔35から注入されたガスを貯留させるガス貯留室72を有する気密チャンバー7と、
から構成されていることを特徴とする胃瘻造設術用拡張器。
(4)更に、前記気密チャンバー7の後端部には、前記突没調整部5の基端部と当接するストッパー5が嵌装された(3)に記載の胃瘻造設術用拡張器。
(5)前記穿刺針3の外径が0.5mm以上、4mm以下である(1)乃至(4)のいずれかに記載の胃瘻造設術用拡張器。
本発明によれば、ガイドワイヤを用いる従来の手技に比較して、ガイドワイヤを用いるステップを省略することにより手術時間を短縮でき、且つ使用器具の削減を図ることができると共に、ガイドワイヤを使用しなくても安全、確実に胃瘻造設を行うことができる胃瘻造設術用拡張器を提供することができる。
本発明の一実施例における第一の胃瘻造設術用拡張器の棒状部材先端部に付勢力が作用していない状態での正面図(a)、(a)の断面図(b)、棒状部材先端部に付勢力が作用した際の断面図(c)を示す。 本発明の他の実施例における第二の胃瘻造設術用拡張器の棒状部材先端部に付勢力が作用していない状態での正面図(a)、(a)の断面図(b)、棒状部材先端部において棒状部材4の基端部側に向かって付勢力が作用した際の断面図(c)、棒状部材先端部に付勢力が作用していない状態でストッパーを取り外した時の断面図(d)、穿刺針が拡張器内部に収納された時の断面図(e)を示す。
本発明の一実施例における第一の胃瘻造設術用拡張器を、図1(a)〜(c)を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の一実施例における第一の胃瘻造設術用拡張器01において、シース1、拡張器2、穿刺針3、棒状部材4、突没調整部5、固定部6を組み合わせた時の未使用時の正面図を示す。ここで未使用時とは、棒状部材先端部に付勢力が働いていない状態のことを指す。
図1(b)は、図1(a)の断面図を示しており、図1(b)を用いて、各部の構成を説明する。
シース1は、シース本体となる円筒形状のシース胴体部12と、その先端に向かってテーパー形状のシース先端部11及びシース後端部13に付設されたシース把持部14を有している。シース把持部14は、シース1の基端部側の内腔からシース先端部11へ向けて胃瘻カテーテル(ボタン型カテーテル)(図示せず)を挿入する際に、シース1を把持するために付設されていることが好ましい。
また、シース1は、長手方向に渡って中空構造の内腔を有しており、拡張器2が挿通可能となっている。シース先端部11の内径は、拡張器胴体部22の外径とほぼ同径が好ましい。また、シース先端部11と、拡張器胴体部22との段差は最小限にすることが好ましい。こうすることで、拡張器2を挿入後、シース先端部11が挿入される際の抵抗を下げることができるため、拡張器2を容易に挿入することができる。
更に、シース1の外表面の長手方向に渡り、切込み溝(図示せず)を有していることが望ましい。シース1の基端部側の内腔からシース先端部11へ向けて胃瘻カテーテル (図示せず)を挿入する際に、切込み溝の薄肉部を引きちぎることにより、胃瘻カテーテルを容易に留置することができる。
拡張器2は、拡張器本体となる円筒形状の拡張器胴体部22と、その先端に向かって先細りのテーパー部である拡張器先端部21及び固定部6を介して突没調整部5と接続される拡張器後端部23を有している。
また、拡張器2は、長手方向に渡って中空構造の拡張器内腔24を有しており、穿刺針3が挿通可能となっている。拡張器先端部21の内径は、穿刺針胴体部32の外径とほぼ同径が好ましい。
また、拡張器先端部21と、穿刺針胴体部32の外径との段差は最小限にすることが好ましい。こうすることで、穿刺針3を穿刺後、拡張器先端部21が挿入される際の抵抗を下げることができるため、拡張器2を容易に挿入することができる。
穿刺針3は、穿刺針本体となる円筒形状の穿刺針胴体部32と、その先端に向かって鋭利な刃を有する穿刺針先端部31及び固定部6を介して突没調整部5と接続される穿刺針後端部33を有している。
また、穿刺針3は、長手方向に渡って中空構造の穿刺針内腔34を有しており、棒状部材4が挿通可能となっている。
穿刺針3の外径は、組織に対してガイドワイヤなどのガイドなしに穿刺するために、極力細いほうが安全に穿刺できる点で好ましく、特に限定されないが、0.5mm以上、4mm以下の範囲が好ましく、特に0.5mm以上、3mm以下の範囲が好ましい。
棒状部材4は、棒状部材本体となる円筒形状の棒状部材胴体部42と、先端が鈍角又は略半球状な棒状部材先端部41及び棒状部材後端部43に付設されたフランジ部44を有している。棒状部材先端部41は、胃壁損傷防止のために先端が鈍角または略半球状になっているため、未使用状態においては、棒状部材先端部41において棒状部材4の基端部側に向かって付勢力が作用しておらず、穿刺針先端部31より先端側に突出した位置となっている。体表への穿刺開始時および、穿刺中においては、組織によって棒状部材先端部41において棒状部材4の基端部側に向かって付勢力が作用するために、棒状部材先端部41は穿刺針先端部31より基端部側へ移動する。(図1(c)参照)
棒状部材後端部43に付設されたフランジ部44は、ケース部材51の内部に位置しており、同じくケース部材51の内部に存在する弾性部材52に当接している。上述した棒状部材先端部41において棒状部材4の基端部側に向かって付勢力が作用したときには、フランジ部44が弾性部材52を押し縮め、穿刺針3に対する棒状部材4の相対位置が変化する(図1(c)参照)。
フランジ部44の形状は特に規定しないが、円盤形状であることが好ましい。円盤形状にすることにより、弾性部材52に均等な力で付勢力を作用させることができる。
突没調整部5は、ケース部材51及び弾性部材52からなり、上述したとおり、棒状部材後端部43に付設されたフランジ部44を内部に有している。
ケース部材51は、弾性部材52の状態変化が確認できることが好ましいため、透明性を有している材料から構成されることが好ましい。
また、ケース部材51の長手方向の長さは、穿刺針先端部31より棒状部材先端部41が基端部側へ移動するだけの長さがあればよく、特に規定しない。
弾性部材52は、付勢力により状態変化できるものであれば、特に限定しないが、バネ、スポンジなどが好ましい。
固定部6は、本実施例において固定部材A61であり、拡張器後端部23、穿刺針後端部33及びケース部材51を固定している。この固定により、拡張器2と穿刺針3と突没調整部5の相対位置は変化しないため、穿刺針先端31に対して棒状部材4のみの相対位置が変化するように構成されている。固定部材A61は、各構成部品と接着してもよいし、拡張器2もしくはケース部材51と一体的に成形しても構わない。
次に図2(a)〜(e)を参照して、本発明の他の実施例における第二の胃瘻造設術用拡張器02について説明する。
図2(a)は、本発明の他の実施例における第二の胃瘻造設術用拡張器02において、シース1、拡張器2、穿刺針3、棒状部材4、突没調整部5、固定部6、気密チャンバー7を組み合わせた時の未使用時の正面図を示す。ここで未使用時とは、棒状部材先端部に付勢力が作用していない状態のことを指す。
図2(b)は、図2(a)の断面図を示しており、図2(c)は棒状部材先端部において棒状部材4の基端部側に向かって付勢力が作用した際の断面図、図2(d)は、棒状部材先端部に付勢力が作用していない状態でストッパーを取り外した時の断面図、図2(e)は、穿刺針が拡張器内部に収納された時の断面図をそれぞれ示す。
図2(b)を参照しながら、第二の胃瘻造設術用拡張器02における第一の胃瘻造設術用拡張器01との相違点を中心に説明する。
第二の胃瘻造設術用拡張器02は、基端部側に気密チャンバー7を有しており、固定部B62を介して拡張器2と固定されている。
気密チャンバー7は、気密チャンバーケース71と、気密弁74及び気密チャンバーケース71の基端部側に設けられたストッパー差込み孔73を介して、ストッパー75が着脱自在に嵌装されている。
また気密チャンバーケース71の内部には突没調整部5を内包している。ストッパー75は、突没調整部5の基端部と当接するように嵌装されており、ストッパー75が嵌装している状態においては、気密チャンバー7と突没調整部5の相対位置が変化しないようになっている。
気密チャンバーケース71の突没調整部5よりも先端側の空間は、ガス貯留室72となっており、気密性を有している。
気密弁74は、ガス貯留室72の先端側に付設されており、穿刺針胴体部32が移動可能で且つ、気密性を保持するように設けられている。
ストッパー75を取り外した状態で、ガス貯留室72の内部にガスが入ることにより体積を増加させることができ、気密チャンバー7に対する突没調整部5の相対位置が変化することになる。
穿刺針後端部33には、ガス注入孔35を有している。ガス注入孔35は、穿刺針3の内部と外表面を貫通する孔であればよく、十分な量のガスが放出可能であれば、1つの孔であっても複数の孔でも良い。また、孔の形状については、円形でも四角形でも特に規定しない。
穿刺針先端部31と棒状部材胴体部42との隙間からガスが入った場合、ガス注入孔35が出口となり、ガス貯留室72の内部にガスが入ることが可能となる。
上述したように、穿刺針先端部31と棒状部材胴体部42との隙間からガスが入ると、ガス注入孔35から、ガス貯留室72の内部にガスが入り、ガス貯留室72の体積が増加することにより、気密チャンバー7に対する突没調整部5の相対位置が変化する。
更に、突没調整部5の相対位置が変化することにより、拡張器2に対する穿刺針3の相対位置が変化し、穿刺針先端部31は拡張器先端部21よりも基端部側へ移動し、拡張器2内に収納された状態となる。
次に、図2(a)〜(e)を参照しながら、本発明の第二の胃瘻造設術用拡張器02を用いた経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)の一例について説明する。
本発明の胃瘻造設術用拡張器を用いた経皮内視鏡的胃瘻造設術は、胃内に内視鏡を挿入し、術部を観察しながら行う。
その工程は、以下の工程からなる。
(1)腹壁と胃壁とを固定する固定する工程(以下、第1工程とも記載する)。
(2)腹壁及び胃壁に本発明の胃瘻造設術用拡張器を穿刺・挿入し、穿刺針の貫通孔の径を拡張して瘻孔を形成する工程(以下、第2工程とも記載する)。
(3)シースのみを残して、胃瘻造設術用拡張器を抜去する工程(以下、第3工程とも記載する)。
(4)シースを介して胃瘻カテーテルを胃内に留置する工程(以下、第4工程とも記載する)
第1工程の前に、患者の胃内に内視鏡を挿入し送気を十分に行い、腹壁と胃壁とを密着させる。次に、胃内の内視鏡からの透過光により胃の位置及び穿刺予定位置を確認し、腹部皮膚を消毒、局所麻酔を行う。
続いて、第1工程として、その部位において、腹壁と胃壁の相対位置のずれを防止するため、胃壁腹壁固定を行う。
穿刺予定位置に、メスで小切開を加えておく。場合によっては、金属鉗子によって充分に組織(筋層)剥離を行うことにより、より瘻孔造設術用拡張器が挿入しやすくなる。この部位が、カテーテルの挿入予定部位となる。
第2工程では、小切開部位に本発明の第二の胃瘻造設術用拡張器02を穿刺・挿入し、腹部と胃の貫通孔形成を経て、貫通孔の径を拡張して瘻孔を形成する。以下に詳細に説明する。
図2(a)及び(b)の状態の第二の胃瘻造設術用拡張器02の棒状部材先端部41を小切開部位に押し当て、先端側へ力を加えていくことにより、棒状部材先端部41において棒状部材4の基端部側に向かって付勢力が作用し、図2(c)に見られるように棒状部材先端部41は穿刺針先端部31よりも基端部側へ移動し、穿刺針先端部31が小切開部位に当接する状態となる。この状態にてさらに先端側へ力を加えることにより、穿刺針3が腹壁、胃壁を穿刺することが可能となる。
胃内に穿刺針先端部31が到達したとき、棒状部材先端部41に付勢力が作用しなくなるため、図2(d)のように棒状部材先端部41は穿刺針先端部31よりも先端側へ移動し、穿刺針先端部31による胃後壁損傷等を防止することが可能となる。
また、穿刺針3により設けられた貫通孔は、穿刺針3と拡張器2とシース1は一体型に構成されているため、連続して拡張器2、続いてシース1にて貫通孔の径を拡張する。
内視鏡にて、胃内に拡張器先端部21が到達したことを確認した後、図2(d)のようにストッパー75を取り外す。本術式において、内視鏡の送気ガスにより、胃を膨張させているため、胃内圧が高くなっている。そのため、ストッパー75を取り外すと、穿刺針先端部31と棒状部材4との隙間からガスが入り、穿刺針内腔34を通って、ガス注入孔35からガス貯留室72にガスが貯留されることにより、突没調整部5が基端部側へ移動し、突没調整部5と連結され、連動して可動するように取り付けられた穿刺針3も連動して基端部側へ移動する。このようにして、穿刺針先端部31は、拡張器2内に収納される。(図2(e)参照)
穿刺針先端部31が拡張器2内に収納されることにより、拡張器2で組織拡張を続ける際に、鋭利な刃を有する穿刺針先端部31が胃後壁へ誤穿刺されるのを防止できるため、安全に組織の拡張を行うことができる。
ここで、ストッパー75は、必ずしも必要としない。ストッパー75を付設しない実施形態において、胃内からのガスがガス貯留室72に入らない限り、突没調整部5が基端部側へ移動しないように、穿刺針3の基端部側への移動を制限できるように構成したほうが、ストッパー75の取り外す動作を省略できる点でより好ましい。
上記第3工程では、上記第2工程で瘻孔に留置された胃瘻造設術用拡張器のうち、上記シース1は留置した状態を維持し、それ以外の上記拡張器2を含む構成品を体外へ抜去する。このとき、上記シース1の留置した状態を維持するために、一方の手で上記シース把持部14を把持固定し、もう一方の手で上記拡張器2を把持して抜去する。こうすることで、上記シース1のみが瘻孔に留置した状態となる。
上記第4工程では、上記シース1を介して胃瘻カテーテル(図示せず)を胃内へ留置する。胃瘻カテーテルは、胃内アンカー部、体内留置部、体外固定部で構成されており、胃内アンカー部は胃から不用意に抜去されるのを防ぐために、マレコット状等の嵩張りのある形状をしている。そのため、オブチュレータと呼ばれる伸展具(図示せず)によって、胃内アンカー部を伸展し、嵩張りを減少させた状態にて胃内に留置する。
上述したように、伸展具によって伸展させた胃瘻カテーテルを上記シース1の基端部側の内腔より、挿入していくことにより、上記シース1の外表面長手方向に設けられた切込み溝(図示せず)が裂けながら、胃内に留置させる。(特許文献1参照)
胃瘻カテーテルが胃内に留置された後に、上記シース1を抜去し、続いて伸展具による胃瘻カテーテルの伸展を解除し、伸展具を抜去することで、胃瘻カテーテルの留置が完了する。
このように、本願発明の胃瘻造設術用拡張器は、従来のガイドワイヤを用いた拡張方法で必要としていた(1)胃瘻造設部位にカニューラ針を穿刺する、(2)カニューラ針の内針を抜去する、(3)カニューラからガイドワイヤを留置する、(4)カニューラを抜去する、(5)ガイドワイヤの後端側から拡張器の先端を通す(その後、拡張器により拡張)という5ステップを省略することができことにより、手術時間を短縮でき、且つ使用器具の削減を図ることができると共に、ガイドワイヤを使用しなくても安全、確実に胃瘻造設を行うことができる。
01 第一の胃瘻造設術用拡張器
02 第二の胃瘻造設術用拡張器
1 シース
11 シース先端部
12 シース胴体部
13 シース後端部
14 シース把持部
2 拡張器
21 拡張器先端部
22 拡張器胴体部
23 拡張器後端部
24 拡張器内腔
3 穿刺針
31 穿刺針先端部
32 穿刺針胴体部
33 穿刺針後端部
34 穿刺針内腔
35 ガス注入孔
4 棒状部材
41 棒状部材先端部
42 棒状部材胴体部
43 棒状部材後端部
44 フランジ部
5 突没調整部
51 ケース部材
52 弾性部材
6 固定部
61 固定部材A
62 固定部材B
7 気密チャンバー
71 気密チャンバーケース
72 ガス貯留室
73 ストッパー差込み孔
74 気密弁
75 ストッパー

Claims (5)

  1. 先端部が鈍角又は略半球状な棒状部材4と、
    前記棒状部材4を挿通自在とする内腔を有する穿刺針3と、
    前記穿刺針3を挿通自在とする内腔を有し、先端に向かって先細りのテーパー部を有する拡張器2と、
    前記拡張器2を挿通自在とする内腔を有するシース1と、
    から構成されると共に、
    前記棒状部材4の先端部において、前記棒状部材4の基端部側に向かって発生する付勢力の有無により、前記棒状部材4を、前記穿刺針3の先端部から突没させる突没調整部5を有することを特徴とする胃瘻造設術用拡張器。
  2. 前記突没調整部5は、前記棒状部材4の基端部に付設されたフランジ部材44と、前記フランジ部材44に当接する弾性部材52とを内部に有するケース部材51から構成されている請求項1に記載の胃瘻造設術用拡張器。
  3. 先端部が鈍角又は略半球状な棒状部材4と、
    前記棒状部材4を挿通自在とする内腔を有し、基端部近傍にガス注出孔35を有する穿刺針3と、
    前記穿刺針3を挿通自在とする内腔を有し、先端に向かって先細りのテーパー部を有する拡張器2と、
    前記拡張器2を挿通自在とする内腔を有するシース1と、
    から構成されると共に、
    前記棒状部材4の先端部に発生する付勢力の有無により、前記棒状部材4を前記穿刺針3の先端部から突没させる突没調整部5と、を有し、
    更に、前記突没調整部5を内装すると共に、前記棒状部材4と前記穿刺針3との隙間を通って前記ガス注出孔35から注入されたガスを貯留させるガス貯留室72を有する気密チャンバー7と、
    から構成されていることを特徴とする胃瘻造設術用拡張器。
  4. 更に、前記気密チャンバー7の後端部には、前記突没調整部5の基端部と当接するストッパー5が嵌装された請求項3に記載の胃瘻造設術用拡張器。
  5. 前記穿刺針3の外径が0.5mm以上、4mm以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の胃瘻造設術用拡張器。
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