JP2012028054A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた導電性及び熱安定性を有する非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】非水電解液二次電池は、正極と負極とセパレータと電解液とを有する。正極及び負極のうち少なくとも一方がフッ素系樹脂を含有し、セパレータが炭化水素系樹脂を含有する。電解液が、非相溶状態となる炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分を含有する。フッ素系樹脂がポリフッ化ビニリデンである。炭化水素系樹脂がポリプロピレンである。炭化水素系溶媒成分がCHCHOCOOCHである。フッ素系溶媒成分がCHFCFCHOCOOCHCFCHFである。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。更に詳細には、優れた導電性及び熱安定性を有する非水電解液二次電池に関する。
近年、環境保護運動の高まりを背景として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及び燃料電池車(FCV)の開発が進められている。これらのモータ駆動用電源としては繰り返し充放電可能な二次電池が適しており、特に高容量、高出力が期待できるリチウムイオン二次電池などの非水電解液二次電池が注目を集めている。
非水電解液二次電池は、集電体表面に形成された正極活物質(例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiOなどを挙げることができる。)を含む正極活物質層を有する。また、非水電解液二次電池は、かかる集電体とは別の集電体表面に形成された負極活物質(例えば、金属リチウム、コークスや天然・人造黒鉛等の炭素質材料や、Sn、Si等の金属やその酸化物材料などを挙げることができる。)を含む負極活物質層を有する。更に、非水電解液二次電池は、この正極活物質層及び負極活物質層との間に設けられた非水電解液を有する。
特に、高容量、高出力が要求される電力貯蔵用電源や電気自動車等の非水電解液二次電池の用途には、引火のおそれのない非水電解液の使用が望まれており、難燃性を有する非水電解液を用いる技術が注目されている。
電池セルの熱安定性を向上させる技術として、高い難燃性を有するフッ素系電解液を用いることが提案されている(特許文献1参照。)。
フッ素系電解液を用いることにより、電池の電極に用いる結着剤(バインダー)として一般的に用いられるポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素系樹脂との親和性を向上させることができ、電池の熱安定性を向上させることができる。
特開2009−289557号公報
ところで、フッ素系電解液を用いた場合は、セパレータとして一般的に用いられるポリプロピレンやポリエチレンなどの炭化水素系樹脂とフッ素系電解液とは相対的に親和性が低いため、セパレータにフッ素系電解液がしみこみにくく、電池全体として電解液の含浸性に偏りがでてしまい、電池の導電率が低下するという問題点があった。
これに対して、本発明者らが、電池の導電率低下を抑制すべく、セパレータとの親和性が高い炭化水素系電解液と、フッ素系電解液との併用を試みた。
しかしながら、単にフッ素系電解液と炭化水素系電解液とを混合して用いるだけでは、熱安定性の十分な向上が望めないという新たな解決すべき課題が生じた。
本発明は、上記新たな課題に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、優れた導電性及び熱安定性を有する非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記新たな課題に対して、鋭意検討を重ねたところ、非相溶状態となる炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分を含有する電解液を用いることなどにより、上記新たな課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の非水電解液二次電池は、正極と負極とセパレータと電解液とを有する。
そして、正極及び負極のうち少なくとも一方がフッ素系樹脂を含有し、セパレータが炭化水素系樹脂を含有する。
また、電解液が、非相溶状態となる炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分を含有する。
本発明によれば、非相溶状態となる炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分を含有する電解液を用いることなどとしたため、優れた導電性及び熱安定性を有する非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解液二次電池の一例を示す説明図である。 フッ素系溶媒成分の炭素数とフッ素化率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池について詳細に説明する。
本実施形態の非水電解液二次電池は、正極と負極とセパレータと電解液とを有する。
そして、正極及び負極のうち少なくとも一方がフッ素系樹脂を含有し、セパレータが炭化水素系樹脂を含有する。
また、電解液が、非相溶状態となる炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分を含有する。
以下、本発明の非水電解液二次電池について図面に基づいて更に詳細に説明する。
図1は、本発明の非水電解液二次電池の一例を示す説明図である。同図に示すように、非水電解液二次電池1は、正極11と負極12とセパレータ13とを有する。
なお、図示しないが、電解液は、正極11、負極12及びセパレータ13に含浸されて保持されている。また、正極11及び負極12がフッ素系樹脂からなる結着剤を含有し、セパレータ13が炭化水素系樹脂からなる多孔質膜で構成されている。更に、電解液が、炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分を含有している。
このような構成とすることにより、優れた導電性及び熱安定性を有する非水電解液二次電池となる。
現時点においては、このような効果が得られるメカニズムは以下のようなものであると推定している。
一般的に、電解液として複数の成分を混合して用いる場合には、通常、均一混合状態となる電解液、すなわち相溶状態となる電解液を用いる。
しかしながら、本発明においては、電解液として、不均一混合ないし相分離した状態となる電解液、すなわち非相溶状態となる炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分を含有する電解液を用いる。
これにより、非水電解液二次電池に適用されたときに、炭化水素系樹脂を含有するセパレータにはこれと親和性の高い炭化水素系溶媒成分が保持され、フッ素系樹脂を含有する正極及び負極にはこれと親和性の高いフッ素系溶媒成分が保持されるようになる。
結果として、正極及び負極において熱安定性が向上し、セパレータにおいて導電率の低下が抑制されるようになる。
但し、上記のメカニズムはあくまでも推測に基づくものである。従って、上記のメカニズム以外のメカニズムにより上述のような効果が得られていたとしても、本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
各構成要素について更に詳細に説明する。
(正極)
正極としては、例えば集電体上に正極活物質層を形成したものを用いることができる。集電体としては、特に限定されるものではなく、金属箔や導電性を有する樹脂層を含むフィルムを適用することができる。
金属箔としては、例えば、アルミニウム箔などを挙げることができる。
導電性を有する樹脂層を含むフィルムとしては、例えば、バインダーとなる樹脂に無機物質を中心とする導電剤を添加して成る複合導電性プラスチックからなるフィルムを適用することができる。
具体的には、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などの金属粉末や、グラファイトやハードカーボンなどの炭素粉末等を主成分として、これにバインダーとなる樹脂、溶剤を含む集電体形成用金属ペーストを加熱して成形して成るものであり、金属粉末や炭素粉末と、バインダーとにより形成されてなるものである。また、これら金属粉末や炭素粉末は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。更に、バインダーとしては、特に制限されるべきものではなく、例えば、ポリエチレンやエポキシ樹脂などの従来公知のバインダー材料を用いることができるが、これらに限定されるものではない。すなわち、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性高分子材料を用いてもよい。
更に、集電体が、スプレーコートなどの薄膜製造技術により製膜するものである場合には、製法上の特徴を生かして金属粉末の種類の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
なお、導電性を有する樹脂層を含む集電体としては、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性高分子材料からなるものを用いてもよい。
正極活物質層としては、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有するものを用いることができる。
正極活物質としては、一般的なリチウムイオン電池の構成材料である遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)が好適に使用される。具体的には、LiMnOやLiMnなどのLi−Mn系複合酸化物、LiCoOなどのLi−Co系複合酸化物、LiCrやLiCrOなどのLi−Cr系複合酸化物、LiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物、LiFeOやLiFeOなどのLi−Fe系複合酸化物、LiなどのLi−V系複合酸化物、及びこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したもの(例えば、LiNiCo1−x(0<x<1)等)などが使用できる。このようにLi金属酸化物から選択されるが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。リチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性やサイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。そのため、これらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた二次電池を形成することができる点で有利である。この他に、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や酸化物、硫化物(V、MnO、TiS、MoS)や、MoO、PbO、AgO、NiOOHなどの遷移金属酸化物などが挙げられる。
特に、正極活物質としてLi−Mn系複合酸化物を用いると、電圧−SOCプロファイルを傾けることができるようになる。これより、電圧を計測することで電池の充電状態(SOC)が判明するため、電池の信頼性を向上させることができる。
また、導電剤としては、例えば人造黒鉛又は天然黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維又は金属繊維などの導電性繊維類、銅粉末又はニッケル粉末などの金属粉末類、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料等を挙げることができ、中でも、アセチレンブラック、ケッチェンブラック又は炭素繊維が好ましい。
更に、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)若しくはフッ化ビニリデン(VdF)の共重合体又はこれらの変性物、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はテトラフルオロエチレン(TFE)の共重合体などのフッ素系樹脂や、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂等を用いることができる。特に、フッ化ビニリデンは、耐久性、特に耐膨潤性に優れているので好ましい。
フッ化ビニリデンの共重合体としては、より具体的には、例えばフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。
このような結着剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
(負極)
負極としては、例えば集電体上に負極活物質層を形成したものを用いることができる。集電体としては、特に限定されるものではなく、金属箔や導電性を有する樹脂層を含むフィルムを適用することができる。
金属箔としては、例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス鋼(SUS)箔などを挙げることができる。
導電性を有する樹脂層を含むフィルムとしては、例えば、バインダーとなる樹脂に無機物質を中心とする導電剤を添加して成る複合導電性プラスチックからなるフィルムを適用することができる。
具体的には、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などの金属粉末や、グラファイトやハードカーボンなどの炭素粉末等を主成分として、これにバインダーとなる樹脂、溶剤を含む集電体形成用金属ペーストを加熱して成形して成るものであり、金属粉末や炭素粉末と、バインダーとにより形成されてなるものである。また、これら金属粉末や炭素粉末は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。更に、バインダーとしては、特に制限されるべきものではなく、例えば、ポリエチレンやエポキシ樹脂などの従来公知のバインダー材料を用いることができるが、これらに限定されるものではない。すなわち、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性高分子材料を用いてもよい。
更に、集電体が、スプレーコートなどの薄膜製造技術により製膜するものである場合には、製法上の特徴を生かして金属粉末の種類の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
なお、導電性を有する樹脂層を含む集電体としては、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性高分子材料からなるものを用いてもよい。
負極活物質層としては、例えば負極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有するものを用いることができる。
負極活物質としては、結晶性炭素材や非結晶性炭素材が挙げられる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボンなどが挙げられる。場合によっては、上記負極活物質の2種以上が併用されてもよい。負極活物質を結晶性炭素材や非結晶性炭素材にすることで、電圧−SOCプロファイルを傾けることができるようになる。これより、電圧を計測することで電池の充電状態(SOC)が判明するため、電池の信頼性を向上させることができる。この効果は非晶質炭素において特に顕著である。
また、導電剤としては、例えば人造黒鉛又は天然黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維又は金属繊維などの導電性繊維類、銅粉末又はニッケル粉末などの金属粉末類、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料等を挙げることができ、中でも、アセチレンブラック、ケッチェンブラック又は炭素繊維が好ましい。
更に、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン若しくはフッ化ビニリデンの共重合体又はこれらの変性物、ポリテトラフルオロエチレン又はポリテトラフルオロエチレンの共重合体などのフッ素系樹脂や、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂等を用いることができる。特に、フッ化ビニリデンは、耐久性、特に耐膨潤性に優れているので好ましい。
フッ化ビニリデンの共重合体としては、より具体的には、例えばフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。
このような結着剤は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
なお、本発明においては、正極及び負極のうち少なくとも一方がフッ素系樹脂を含有するものである。
(セパレータ)
セパレータとしては、炭化水素系樹脂を含有する多孔質膜であれば特に限定されるものではないが、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂からなる多孔質膜などを挙げることができる。この多孔質膜は、通常、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜から構成されている。また、2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。特に、ポリオレフィン系の多孔質膜を含むものは、正極と負極との分離性に優れ、内部短絡や開回路電圧の低下をいっそう低減できるので好適である。
(電解液)
電解液は、支持電解質を含み、非相溶状態となる炭化水素系溶媒とフッ素系溶媒とを含有するものであれば特に限定されるものではない。
ここで、「非相溶状態」とは、例えば以下の方法に従って組成の確認を行った結果、溶媒の採取位置によって組成が異なっている状態をいう。
ます、炭化水素系溶媒とフッ素系溶媒とをポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂製の容器に入れ、室温(25℃)で撹拌し、15分間静置する。その後、液上部と液下部の溶媒を採取し、NMR測定を行い、組成の確認を行う。
炭化水素系溶媒としては、フッ素を構成元素として有さないものであって、通常リチウムイオン二次電池で用いられる有機溶媒であれば、特に限定されるものではない。
例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、スチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、プロピルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類の中から選ばれる1種類又は2種以上を混合して使用できる。
フッ素系溶媒としては、例えば上記炭化水素系溶媒の少なくとも1つの水素をフッ素で置換したものを挙げることができる。
炭化水素系溶媒成分とフッ素系溶媒成分との混合比割合は特に限定されるものではないが、例えば図1に示す非水電解液二次電池の場合には、フッ素系溶媒成分の量が正極及び負極の合計体積量以上であることが好ましい。このような量とすると正極及び負極をフッ素系溶媒だけで満たすことができる。
また、例えば、炭化水素系溶媒成分とフッ素系溶媒成分とが非相溶状態になるものとして以下のものを挙げることができる。
炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分がそれぞれ下記一般式(1)及び(2)で表されるとき、式(1)及び式(2)におけるn、m、k及びiが(k+i)≧1.4×(n+m)の関係を満足し、式(2)におけるk、j、i及びhが0.25≦(j+h)/(2k+2i+2)の関係を満足するものを挙げることができる。
なお、上記(n+m)は炭化水素系溶媒成分の炭素数を示し、(k+i)はフッ素系溶媒成分の炭素数を示し、(2k+2i+2)はフッ素系溶媒成分のフッ素化前の水素の数を示し、(j+h)はフッ素系溶媒成分のフッ素の数を示し、(j+h)/(2k+2i+2)はフッ素系溶媒成分のフッ素化率を示す。
Figure 2012028054
(式(1)中におけるn及びmは、それぞれ独立して、1以上の整数を示し、好ましくは1〜10の整数を示す。)
Figure 2012028054
(式(2)中におけるk及びiは、それぞれ独立して、1以上の整数、好ましくは1〜10の整数を示す。式(2)におけるj及びhは、0以上の整数、好ましくは1〜15の整数であって、0≦j≦2k+1、0≦h≦2i+1及びj+h≧1の関係を満足する。)
上記一般式(1)及び(2)で表される炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分の場合には、例えばフッ素系溶媒成分の炭素数とフッ素化率とを上述の関係を満足するものとすることにより、これらを非相溶状態となるようにすることができる。このような関係を図示すると、図2に示すグラフのようになる。
つまり、フッ素系溶媒成分の炭素数を炭化水素系溶媒成分の炭素数の1.4倍以上とし、そのフッ素化率を0.25以上とすることにより、炭化水素系溶媒成分とフッ素系溶媒成分とを非相溶状態とすることができる。なお、図示しないが、六フッ化リン酸リチウムなどの支持電解質を用いる場合、これらの溶解性の観点からフッ素系溶媒成分のフッ素化率は0.75未満であることが好ましい。フッ素化率が0.75以上であると支持電解質が溶解しないことがある。
なお、フッ素系溶媒成分の炭素数やフッ素化率を制御することにより、炭化水素系溶媒成分とフッ素系溶媒成分との非相溶状態(若しくは相溶状態)は適宜制御することができるが、炭化水素系溶媒成分とフッ素系溶媒成分の非相溶状態(若しくは相溶状態)はこれ以外の方法によっても制御することができる。例えば、フッ素系溶媒成分の炭素数やフッ素化率を制御することなく、水酸基などの極性の高い基を有するものとすることなどによっても、非相溶状態(若しくは相溶状態)を制御することができる。
支持電解質としては、通常リチウムイオン二次電池で用いられるものであればよく、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li(CFSON)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(Li(CSON)、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(Li(FSON)を好適例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、六フッ化タンタル酸リチウム(LiTaF)、塩化アルミニウムリチウム(LiAlCl)、塩化ホウ素リチウム(Li10Cl10)等の無機酸陰イオン塩や有機酸陰イオン塩の中から選ばれるリチウム塩を適用することもできる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<電解液の作製>
炭化水素系溶媒成分としてCHCHOCOOCH(炭素数:3)を用意し、フッ素溶媒成分としてCHFCFCHOCOOCHCFCHF(炭素数:6、フッ素化率:0.57)を用意し、これらを炭化水素系溶媒成分:フッ素系溶媒成分=4:1(体積比)となるように混合させ、更にLiPFを添加して、本例で用いる電解液を得た。
得られた電解液をポリプロピレン製の容器に入れ、室温(25℃)で撹拌し、15分間静置した。その後、液上部と液下部の溶媒を採取し、NMR測定を行い、組成の確認を行った。その結果、液上部と液下部において、組成が異なっており、得られた電解液は非相溶状態となることが分かった。
<正極の作製>
正極活物質としてのLiMn(平均粒子径:15μm)85質量部と、導電剤としてのアセチレンブラック5質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)10質量部とからなる固形分を用意した。次に、この固形分に対して、粘度調整溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極スラリーを調製した。しかる後、正極スラリーを、集電体であるアルミニウム箔(厚み:20μm)の片側に塗布し、乾燥させて、本例で用いる正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としてのメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)(平均粒子径:20μm)85質量部、導電剤としてのアセチレンブラック5質量部、結着剤としてのPVdF10質量部からなる固形分を用意した。次に、この固形分に対して、粘度調整溶媒としてのNMPを適量添加して、負極スラリーを調製した。しかる後、負極スラリーを、集電体である銅箔(厚み:15μm)の片側い塗布し、乾燥させて、本例で用いる負極を得た。
<非水電解液二次電池の作製>
正極及び負極のそれぞれに加熱ロールプレスを加え、電極が膜を突き破らない程度に加熱プレスを行った。この際、正極活物質層及び負極活物質層の厚みは、それぞれ75μm及び65μmであった。
次いで、これらを90×90mmの正方形状に切断し、正極と負極を95×95mmの正方形状のセパレータ(ポリプロピレン微多孔膜、厚み:20μm)を介して貼り合わせた。
しかる後、正極及び負極のそれぞれにタブを溶接し、アルミニウムラミネートフィルムからなる外装中に本例の電解液とともに密封して、本例の非水電解液二次電池を得た。
(実施例2)
電解液の作製に際して、炭化水素系溶媒成分としてCHCHOCOOCH(炭素数:3)を用意し、フッ素溶媒成分としてCHFCFCHOCOOCHCFCHF(炭素数:6、フッ素化率:0.57)を用意し、これらを炭化水素系溶媒成分:フッ素系溶媒成分=1:1(体積比)となるように混合させ、更にLiPFを添加し、本例で用いる電解液を得たこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の非水電解液二次電池を得た。
得られた電解液をポリプロピレン製の容器に入れ、室温(25℃)で撹拌し、15分間静置した。その後、液上部と液下部の溶媒を採取し、NMR測定を行い、組成の確認を行った。その結果、液上部と液下部において、組成が異なっており、得られた電解液は非相溶状態となることが分かった。
(比較例1)
電解液の作製に際して、炭化水素系溶媒成分としてCHCHOCOOCH(炭素数:3)を用意し、更にLiPFを添加し、本例で用いる電解液を得たこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の非水電解液二次電池を得た。
(比較例2)
電解液の作製に際して、フッ素溶媒成分としてCHFCFCHOCOOCHCFCHF(炭素数:6、フッ素化率:0.57)を用意し、更にLiPFを添加し、本例で用いる電解液を得たこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の非水電解液二次電池を得た。
(比較例3)
電解液の作製に際して、炭化水素系溶媒成分としてCHCHOCOOCH(炭素数:3)を用意し、フッ素溶媒成分としてCHCHOCOOCHCHF(炭素数:4、フッ素化率:0.2)を用意し、これらを炭化水素系溶媒成分:フッ素系溶媒成分=1:1(体積比)となるように混合させ、更にLiPFを添加し、本例で用いる電解液を得たこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の非水電解液二次電池を得た。
得られた電解液をポリプロピレン製の容器に入れ、室温(25℃)で撹拌し、15分間静置した。その後、液上部と液下部の溶媒を採取し、NMR測定を行い、組成の確認を行った。その結果、液上部と液下部において、組成が同じであり、得られた電解液は非相溶状態とならないことが分かった。
[性能評価]
各例について、導電性及び熱安定性を評価した。
(導電性評価試験)
各例における電解液を用い、正極及び負極の双方にリチウム金属を用い、セパレータを挟んでセルを作製した後に25℃で導電率を測定して、導電性を評価した。
導電率は、インピーダンス測定法を用いて行い、実数軸との交点の値を導電率とした。
得られた結果を表1に示す。なお、導電性評価における表中の値は、比較例1の導電率を1としたときの相対値である。
(熱安定性評価試験)
各例における電解液を用い、電解液と充電状態の負極とを共存させ、示唆走査熱量測定(DSC測定)を行い、発熱開始温度を測定して、熱安定性を評価した。
なお、測定サンプルの作成はアルゴン雰囲気下グローブボックス中で行った。この際、各例の充電状態の負極としては、後述する方法により作成したグラファイト負極を用いた。まず、アルゴン雰囲気下グローブボックス中において、作用極としてグラファイト負極、対極としてリチウム金属、電解液として熱分析に使用する電解液と同じ電解液、ガラス繊維セパレータを使用してハーフセルを組み立てた。次いで、ハーフセルにおいて10mVまで定電圧充電を行った。しかる後、セルを解体して、充電状態のグラファイト負極を取り出した。
得られた結果を表1に示す。なお、熱安定性評価における表中の「AA」は発熱開始温度が300℃以上であること、「A」は発熱開始温度が250℃以上300℃未満であること、「B」は発熱開始温度が250℃未満であることを示す。
Figure 2012028054
表1より、本発明の範囲に含まれる実施例1及び実施例2における電解液は、本発明外の比較例1〜比較例3における電解液と比較して、優れた導電性及び熱安定性を有していることが分かる。
具体的には、実施例1及び実施例2における電解液は、フッ素系電解液を用いた比較例2における電解液と比較して、導電率が高く、導電性が向上していることが分かる。
また、実施例1及び実施例2における電解液は、炭化水素系電解液を用いた比較例1における電解液や相溶状態となる比較例3における電解液と比較して、発熱開始温度が高く、熱安定性が向上していることが分かる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 非水電解液二次電池
11 正極
12 負極
13 セパレータ

Claims (2)

  1. 正極と負極とセパレータと電解液とを有し、
    上記正極及び上記負極のうち少なくとも一方がフッ素系樹脂を含有し、
    上記セパレータが炭化水素系樹脂を含有し、
    上記電解液が、非相溶状態となる炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分を含有する、ことを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 上記非相溶状態となる炭化水素系溶媒成分及びフッ素系溶媒成分がそれぞれ下記一般式(1)及び(2)
    Figure 2012028054
    (式(1)中におけるn及びmは、それぞれ独立して、1以上の整数を示す。)
    Figure 2012028054
    (式(2)中におけるk及びiは、それぞれ独立して、1以上の整数を示す。式(2)におけるj及びhは、0以上の整数であって、0≦j≦2k+1、0≦h≦2i+1及びj+h≧1の関係を満足する。)
    で表され、
    式(1)及び式(2)におけるn、m、k及びiが(k+i)≧1.4×(n+m)の関係を満足し、式(2)におけるk、j、i及びhが0.25≦(j+h)/(2k+2i+2)の関係を満足する、ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018067532A (ja) * 2016-10-14 2018-04-26 三洋化成工業株式会社 リチウムイオン電池用正極及びリチウムイオン電池
JP2018110260A (ja) * 2018-03-01 2018-07-12 サン電子工業株式会社 電解コンデンサ及びその製造方法
JP2018110259A (ja) * 2018-03-01 2018-07-12 サン電子工業株式会社 電解コンデンサ及びその製造方法
US10811729B2 (en) 2015-10-30 2020-10-20 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Nonaqueous electrolyte secondary battery

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