以下に、本発明の実施形態に係る情報処理装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置が適用された、ロック状態及びロック解除状態のいずれか一方に置かれる移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、装置全体の制御を行う制御部11と、移動通信網通信部12と、移動通信網に属する基地局(図示せず)との間で無線信号の送受信を行うアンテナ12aと、移動通信網送受信部13と、通話部14と、受話音声出力に用いられるスピーカ14aと、送話音声入力に用いられるマイクロフォン14bと、使用者に情報を視覚的に提示する表示部15と、表示部15の表示画面に接して設置されたタッチパッド16と、使用者からの操作指示を入力するキー入力部17と、アプリケーション処理部20と、第2のアプリケーション処理部30と、記憶部40とならなる。記憶部40は、第1の記憶部40aと、第2の記憶部40bとに論理的に及び/又は物理的に分けられる。
なお、表示部15及びタッチパッド16は、タッチパネルを構成する。また、制御部11は、OSとして動作し、装置外からイベントを入力し、入力されたイベントに依存して装置を動作させるイベントハンドラ(図示せず)が存在する。更に、プログラムを実行することで実現される本発明に関する機能として、制御部11には、ロック制御機能11a、イベントフック制御機能11b、及び、情報統合制御機能11cが存在する。
また、制御部11、アプリケーション処理部20、及び、第2のアプリケーション処理部30は、第1の記憶部40aに記憶されたプログラムがCPU(図示せず)によって実行されることによって実装される。その他のハードウェアを動作させるドライバプログラムも、CPUによって実行されることによって実装される。
記憶部40は、第1の記憶部40aであるか、第2の記憶部40bであるかを問わず、階層をなすフォルダと、ファイルとからなる構造で情報を管理する。第1の記憶部40aは、装置がロック状態に置かれたか、ロック解除状態に置かれたかを問わず、制御部11の動作に伴ってアクセスされる情報の記憶に用いられる。ここで、制御部11によってアクセスされる情報には、フォルダと、ファイルとからなる構造に従わずに記憶されるものもある。第1の記憶部40aは、更に、装置がロック解除状態に置かれた場合、アプリケーション処理部20によって用いられる。
第2の記憶部40bは、装置がロック状態に置かれた場合、第2のアプリケーション処理部30によって情報が記憶される。そして、ロック解除状態に遷移した後、制御部11は、第2のアプリケーション処理部30によって記憶された情報を第1の記憶部40aに移すと共に、第2の記憶部40bから削除する。なお、制御部11の少なくとも一部は、制御動作の際に特権モードで動作し、第1の記憶部40aであるか、第2の記憶部40bであるかを問わず、記憶部40への任意のアクセスをし、また、装置の各部に記憶部40への任意のアクセスをさせる。
上記のように構成された、本発明の第1の実施形態に係る移動通信装置の各部の機能を、図1を参照して説明する。
移動通信網通信部12は、アンテナ12aが基地局から受信した無線信号から高周波信号を得て、この高周波信号を移動通信網送受信部13に送信する。また、移動通信網送受信部13から送信された高周波信号をアンテナ12aに送信する。
移動通信網送受信部13は、移動通信網通信部12からの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによって得たデジタル音声信号を通話部14へ、制御信号を制御部11へ、電子メール信号を含むデジタルデータ信号をアプリケーション処理部20又は第2のアプリケーション処理部30へ、それぞれ送信する。更には、移動通信網送受信部13は、通話部14から送信されたデジタル音声信号と、制御部11から送信された制御信号と、アプリケーション処理部20又は第2のアプリケーション処理部30から送信された電子メール信号を含むデジタルデータ信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを移動通信網通信部12に送信する。
通話部14は、移動通信網送受信部13から送信されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bが送信するアナログ音声信号を増幅し、それをデジタル音声信号に変換して移動通信網送受信部13へ送信する。
表示部15は、使用者に操作を促す表示や、使用者が操作した内容の表示や、装置の動作状態の表示等に用いられる有機ELディスプレーであって、描画領域(図示せず)に記憶された、制御部11及び装置の各部に制御されて、描画された文字、数字、更に、アイコンを含む画像データを表示する。
画像の一部は操作を識別するソフトキーであり、タッチパッド16のその画像に対応する位置への接触(以後、この接触を単にソフトキーへの接触と称する。)は、その位置と関係付けられた所定の動作をさせるための入力操作とされる。メニューや、アイコンもソフトキーに含まれる。また、キーボード状に配置され、キーボードに代えて文字入力に用いられるソフトキーを、ソフトキーボードと称する。
なお、描画領域として、いずれも表示部15の表示画面に表示される画像を記憶する記憶容量を有する基本描画領域と、ロック状態描画領域とを備え、表示部15は、基本描画領域に記憶された画像の上にロック状態描画領域に記憶された画像を重ねて表示する。そこで、簡単に説明すれば、表示部15は、後者に画像が記憶されていれば、その画像を表示する。後者に画像が記憶されていなければ、前者に記憶された画像を表示する。なお、ロック状態描画領域には、装置がロック状態に置かれた場合、主に第2のアプリケーション処理部30によって画像が記憶される。基本描画領域には、装置がロック解除状態に置かれた場合、アプリケーション処理部20を含む、装置の各部によって画像が記憶される。
タッチパッド16は、表示部15の表示画面の大きさと略等しい大きさであって、指やスタイラスペン(以後、指及びスタイラスペンを指等と称する。)が接触されたこと、及び、接触がなくなったことを検出する。なお、接触とは、距離が所定の閾値未満であることを含む。そして、接触が検出された際、タッチパッド16は、接触が検出された1つ又は複数の位置を制御部11に通知する。指等が接触されたままタッチパッド16上を移動した場合、所定の時間間隔で接触された位置を制御部11に通知することによって、指等が表示画面をなぞったことが制御部11によって識別される。
このように、表示部15及びタッチパッド16は、タッチパネルとして動作する。以後、指等によるタッチパッド16への接触を、単に接触、また、指等が触れると称することがある。なお、タッチパッド16の接触を検出する方式は、抵抗膜方式、静電容量方式、電磁波の指等による反射を検出する方式等、任意の方式である。
キー入力部17は、装置の使用者によって押下操作されるキースイッチからなり、そのキーが押下されると、そのキーの識別子を制御部11に通知する。キーは、電源のオン、オフキー、通話の際の音量の調整キー、通話の着呼、発信、終話キー等の限られた指示を入力するためのキーからなる。
アプリケーション処理部20は、装置がロック解除状態に置かれた際に制御部11の制御によって動作を開始し、また、動作を終了する各種のアプリケーションからなる。本実施形態においては、記憶部40に情報を記憶させ、また、記憶された情報を読み出すアプリケーションの動作が重要である。アプリケーション処理部20に含まれるそれらのアプリケーションの例は、テキストエディタ部、手書きメモ処理部、ボイスメモ処理部、アドレス帳処理部、スケジュール処理部、写真撮影部、写真閲覧部、コンテンツ受信部、電子メール送受信部、電子メール閲覧部(いずれも図示せず)である。これらのアプリケーションは、第1の記憶部40aに情報を記憶させ、また、第1の記憶部40aに記憶された情報へアクセスする。また、これらのアプリケーションは、いずれも表示部15への表示に際し、基本描画領域に画像を記憶させる。
アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションを動作させ、また、動作を終了させる制御部11の制御は、主にタッチパッド16への接触に起因し、例えば、それぞれを示すアイコンへの接触、1段又は複数段に渡るメニュー項目への接触等による。
例えば、2段階のメニュー項目は、最初に表示されるメニューの項目によってアプリケーションを分類し、次に表示されるメニュー項目によって個々のアプリケーションを指定するように設計される。アプリケーションの分類の一例は、装置の使用者が遅滞なく情報入力を行うための、テキストエディタ部、手書きメモ処理部、ボイスメモ処理部、写真撮影部中の静止画撮影部(図示せず)、写真撮影部中の動画撮影部(図示せず)からなる情報入力アプリケーション群を1つの分類とし、他のアプリケーション群を別の分類とすることである。
テキストエディタ部は、文字を入力し、また、削除することによって作成した文字列を文字列ファイルとして第1の記憶部40aに新規記憶させる。また、第1の記憶部40aに記憶された文字列ファイルを読み出して表示部15に表示し、また、その文字列を修正して更新記憶させる。更には、文字列ファイルを削除する。ここで、文字の入力や、文字列ファイル名の指定は、表示部15に表示されたソフトキーへの接触によってなされる。
手書きメモ処理部は、手書きメモ(タッチパッド16への接触がされたまま接触した位置が移動した際の、接触した位置の集まり。)からなる画像を作成し、また、消去を指示するソフトキーへの接触の後のタッチパッド16への接触がされた部分の手書きメモを消去して、手書きメモファイルとして第1の記憶部40aに新規記憶させる。また、第1の記憶部40aに記憶された手書きメモファイルを読み出して表示部15に表示し、また、修正して、更新記憶させる。更には、手書きメモファイルを削除する。ここで、手書きメモファイル名の指定は、表示部15に表示されたソフトキーへの接触によってなされる。
ボイスメモ処理部は、マイクロフォン14b又はボイスメモ用の第2のマイクロフォン(図示せず)から入力された音声を音声ファイルとして第1の記憶部40aに新規記憶させる。また、第1の記憶部40aに記憶された音声ファイルを読み出して、スピーカ14a又はボイスメモ用の第2のスピーカ(図示せず)から出力させる。更には、音声ファイルを削除する。ここで、記憶させる音声ファイル名は、ボイスメモ処理部が、音声ファイル作成動作を行った時刻から作成する。読み出す、また、削除する音声ファイル名の指定は、表示部15に表示されたソフトキーへの接触によってなされる。
アドレス帳処理部は、ソフトキーへの接触に従い、第1の記憶部40aに記憶されたアドレス帳ファイルにアドレス帳データを追加し、アドレス帳ファイルに含まれるアドレス帳データを修正、また、削除する。アドレス帳データは、氏名、電話番号、電子メールアドレス等が関連付けられた情報である。
スケジュール処理部は、ソフトキーへの接触に従い、第1の記憶部40aに記憶されたスケジュールファイルに予定を追加し、スケジュールファイルに含まれる予定を修正、また、削除する。予定には少なくとも日が含まれ、スケジュールファイルは、日毎に分割され、予定へのアクセスは、日を指定して行われる。予定は、文字列であり、含まれる日に関連付けてスケジュールファイルに記憶される。ここで、同じ日に関連付けられる予定の数は、0以上の任意の自然数である。
写真撮影部は、ソフトキーへの接触に従い、カメラ(図示せず)によって静止画、又は、動画を撮影し、撮影された画像を画像ファイルとして第1の記憶部40aに新規記憶させる。ここで、記憶させる画像ファイル名は、写真撮影部が、撮影動作を行った時刻から作成する。
写真閲覧部は、ソフトキーへの接触に従い、第1の記憶部40aに記憶された画像ファイルを読み出して、表示部15に表示させる。また、画像ファイルを削除する。ここで、削除する画像ファイルの指定は、表示部15に表示されたソフトキーへの接触によってなされる。
コンテンツ受信部は、移動通信網送受信部13によってデータ着信信号が受信され、かつ、事前にソフトキーへの接触によってデータ受信を行なう旨が指定されていた場合、動作を開始し、制御部11にその着信信号に対する着呼をさせ、データ受信を行い、受信されたデータをコンテンツファイルとして第1の記憶部40aに新規記憶させる。ここで、記憶させるコンテンツファイル名は、データ送信元がコンテンツを一意に識別可能に付した識別子に基づいて作成する。
電子メール送受信部は、電子メール送信機能及び電子メール受信機能を備え、まず、電子メール送信機能として、タッチパッド16への所定の接触によって入力された電子メールアドレス宛ての、タッチパッド16への所定の接触によって入力された電子メールを第1の記憶部40aに記憶された電子メールファイルに送信メールとして追加させる。また、その送信メールに送信させる旨を付す。この送信させる旨が付された送信メールは、移動通信網送受信部13を介してメールサーバ装置(図示せず)に対して送信される。また、電子メール受信機能として、電子メール送受信部は、メールサーバ装置から送信された電子メールを、移動通信網送受信部13を介して受信して、その電子メールを第1の記憶部40aに記憶された電子メールファイルに受信メールとして追加させる。
電子メール閲覧部は、タッチパッド16への所定の接触に従って、第1の記憶部40aに記憶された電子メールファイルに含まれる送信メール及び受信メールを表示部15に表示させる。
第2のアプリケーション処理部30は、装置がロック状態に置かれた際に制御部11の制御によって動作を開始し、また、動作を終了する各種のアプリケーションからなる。本実施形態においては、記憶部40に情報を記憶させ、また、記憶された情報を読み出すアプリケーションの動作が重要である。第2のアプリケーション処理部30に含まれるそれらのアプリケーションの例は、第2のテキストエディタ部、第2の手書きメモ処理部、第2のボイスメモ処理部、第2のアドレス帳処理部、第2のスケジュール処理部、第2の写真撮影部、第2のコンテンツ受信部、第2の電子メール送受信部(いずれも図示せず)である。これらのアプリケーションは、第2の記憶部40bに情報を記憶させ、また、第2の記憶部40bに記憶された情報へアクセスする。また、これらのアプリケーションは、いずれも表示部15への表示に際し、ロック状態描画領域に画像を記憶させる。
第2のアプリケーション処理部30に含まれる各アプリケーションを動作させ、また、動作を終了させる契機は、アプリケーション処理部20に含まれるそのアプリケーションに対応するアプリケーションを動作させ、また、動作を終了させる契機と同じである。
ここで、これらの第2のテキストエディタ部、第2の手書きメモ処理部、第2のボイスメモ処理部、第2のアドレス帳処理部、第2のスケジュール処理部、第2の写真撮影部、第2のコンテンツ受信部、及び、第2の電子メール送受信部のそれぞれは、アプリケーション処理部20に含まれるテキストエディタ部、手書きメモ処理部、ボイスメモ処理部、アドレス帳処理部、スケジュール処理部、写真撮影部、コンテンツ受信部、電子メール送受信部に対応する。
第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションは、アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションと比較して、上述したように、ロック状態描画領域を用いることと、第2の記憶部40bを用いることの相違がある。更に、第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションは、装置外から入力された情報を第2の記憶部40bに記憶させる動作を行い、第2の記憶部40bに記憶された情報を装置外へ出力しない相違がある。即ち、アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションと比較して、第1に、装置外から入力された情報を記憶させる動作は、同じ指示入力によって同じ動作を行なう。言い換えると、タッチパッド16への同じ接触や、移動通信網送受信部13による同じデータ信号の受信によって同じ動作を行う。
第2に、表示部15への表示、移動通信網送受信部13を経たデータ信号の送信、及び、スピーカ14aや、第2のスピーカからの音声出力を伴う動作を行わない。第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションにその送信や、出力動作をさせる指示入力がされても、少なくとも装置がロック状態に置かれた間、その指示に従った動作をしない。ここで、第2のアプリケーション処理部30は、アプリケーション処理部20に含まれる写真閲覧部に相当する処理部、及び、電子メール閲覧部に相当する処理部を含まない。なぜなら、写真閲覧部及び電子メール閲覧部は、装置外から入力された情報を記憶部40に記憶させる動作を行わず、記憶部40に記憶された情報を装置外へ出力する動作のみをするからである。
アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションと、第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションとの相違を明確にするため、第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションの動作を簡明に説明する。第2のテキストエディタ部は、文字を入力、また、削除することによって作成した文字列を文字列ファイルとして第2の記憶部40bに新規記憶させる。第2の手書きメモ処理部は、手書きメモからなる画像を手書きメモファイルとして第2の記憶部40bに新規記憶させる。第2のボイスメモ処理部は、マイクロフォン14b又は第2のマイクロフォンから入力された音声を音声ファイルとして第2の記憶部40bに新規記憶させる。
第2のアドレス帳処理部は、第2の記憶部40bに記憶されたアドレス帳ファイルにアドレス帳データを追加する。アドレス帳データの構造は、アドレス帳処理部の動作説明で述べた通りである。第2のスケジュール処理部は、第2の記憶部40bに記憶されたスケジュールファイルに予定を追加する。予定には少なくとも日が含まれ、予定は、含まれる日に関連付けてスケジュールファイルに記憶されることは、アドレス帳処理部の動作説明で述べた通りである。
第2の写真撮影部は、画像ファイルを第2の記憶部40bに新規記憶させる相違はあるものの、写真撮影部と同じ動作をする。なぜなら、写真撮影部は、装置外から入力された情報を記憶部40に記憶させる以外の動作を行わないからである。第2のコンテンツ受信部は、コンテンツファイルを第2の記憶部40bに新規記憶させる相違はあるものの、コンテンツ受信部と同じ動作をする。なぜなら、コンテンツ受信部は、装置外から入力された情報を記憶部40に記憶させる以外の動作を行わないからである。
第2の電子メール送受信部は、電子メール送信機能として、送信メールを第2の記憶部40bに記憶された電子メールファイルに送信メールとして追加させる。送信させる旨の指示も付すが、送信させることはない。また、第2の電子メール送受信部は、電子メール受信機能として、受信メールを第2の記憶部40bに記憶されたメールファイルに追加させる相違はあるものの、電子メール送受信部の電子メール受信機能と同じ動作をする。
ロック制御機能11aは、装置をロック状態に遷移させる設定が制御部11内に記憶され、かつ、所定のロック遷移イベントが発生した場合、装置をロック状態に置く。この際、表示部15に、装置がロック状態に置かれている旨を報知する画像を表示しても良く、また、何ら表示を変化させないとしても良い。なお、表示をさせる場合、表示させる画像を基本描画領域に記憶させる。ロック遷移イベントの例は、タッチパッド16への接触によってロック遷移を示す指示入力が行なわれた、電源が投入された、所定の時間に渡ってタッチパッド16への接触がなかった、所定の時間に渡って表示部15の表示が変化しなかった、移動通信網送受信部13によってロック遷移を示す制御信号が受信された、等である。
装置がロック状態に置かれた際、タッチパッド16への接触によって入力されたパスワードや、暗証番号による認証、又は、生体情報による認証が行われると、ロック制御機能11aは、情報統合制御機能11cを動作させて、装置をロック解除状態に置く。装置をロック状態に置いた際、装置がロック状態に置かれている旨を示す画像を表示したのであれば、ロック制御機能11aは、その画像を消去する。
イベントフック制御機能11bは、発生したイベントをフックにより入力する。ここで、イベントとは、少なくとも、タッチパッド16への接触に係るもの、及び、移動通信網送受信部13によるデータ着信信号の受信に係るものである。イベントが発生した際、装置がロック状態に置かれ、そのイベントは、第2のアプリケーション処理部30の動作に係るものである場合(これは、そのイベントは、装置がロック解除状態に置かれていればアプリケーション処理部20の動作に係るものであることを意味する。)、イベントフック制御機能11bは、そのイベントを第2のアプリケーション処理部30を送って、そのイベントに従う動作をさせる。
装置がロック解除状態に置かれた場合、イベントフック制御機能11bは、そのイベントを制御部11内のイベントハンドラに送る。なお、イベントハンドラによって、そのイベントは、アプリケーション処理部20に送られる。
情報統合制御機能11cは、第2の記憶部40bに記憶された情報を第1の記憶部40aに移動させる。また、この移動に伴い、装置の各部を動作させることがある。
ここで、イベントフック制御機能11b及び情報統合制御機能11cによる、ロック状態に置かれていても情報入力処理を動作させる制御動作の詳細を説明する。まず、図2に示すフローチャートを参照して、イベントフック制御機能11bの制御動作を説明する。イベントフック制御機能11bは、装置の電源投入と共に動作を開始し(ステップS101)、制御部11にイベントが入力される際のフックによってそのイベントを入力する(ステップS102)。
そして、装置がロック状態に置かれており(ステップS103の「YES」)、かつ、入力されたイベントが第2のアプリケーション処理部30の動作に係る入力(例えば、その処理部に含まれるアプリケーションの動作を開始される指示の入力。)である場合(ステップS104の「YES」)、イベントフック制御機能11bは、そのイベントを第2のアプリケーション処理部30に送って動作させ(ステップS105)、その後、第2のアプリケーション処理部30の動作終了に至るまで(ステップS106の「NO」)、ステップS105の入力されたイベントを第2のアプリケーション処理部30に送って動作させる制御を続ける。そして、第2のアプリケーション処理部30の動作が終了した場合(ステップS106の「YES」)、ステップS102のイベントを入力する動作に移る。
イベントフック制御機能11bは、装置がロック解除状態に置かれている(ステップS103の「NO」)、又は、入力されたイベントが第2のアプリケーション処理部30の動作に係る入力でない場合(ステップS104の「NO」)、入力されたイベントを制御部11のイベントハンドラに送って(ステップS107)、ステップS102のイベントを入力する動作に移る。
ステップS104の「YES」からステップS106の「YES」に至る間、第2のアプリケーション処理部30の動作による表示部15への表示画像は、図3に示すように、ロック状態描画領域に記憶される。一方、第2のアプリケーション処理部30の動作前に表示部15に表示されていた画像、例えば、ロック状態に置かれていることを報知する画像は、基本描画領域に記憶される。そこで、第2のアプリケーション処理部30の動作後、ロック状態描画領域に記憶された画像が消去されることによって、基本描画領域に記憶された第2のアプリケーション処理部30の動作前の表示が再び表示部15に現れる。このために、その表示を行った、第2のアプリケーション処理部30以外の処理部、例えば、制御部11が再び基本描画領域に画像を記憶させる動作をする必要がない。
更に、イベントフック制御機能11bは、イベントをフックにより入力するので、ロック状態に置かれた際に情報入力処理を動作させる制御動作を行っていない制御部11にその制御動作を追加する際、既存の制御部11等へ修正を施すことなしに、イベントフック制御機能11bの制御動作の追加を容易に行なうことができる。
次に、図4に示すフローチャートを参照して、情報統合制御機能11cの情報統合の制御動作を説明する。情報統合制御機能11cは、ロック制御機能11aによってロック状態からロック解除状態に遷移した際、ロック制御機能11aによって起動されて動作を開始する(ステップS201)。そして、第2の記憶部40bに情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS202)。記憶されていない場合(「NO」)、情報統合制御機能11cは、制御動作を終了する(ステップS203)。
ステップS202で記憶されている場合(「YES」)、情報統合制御機能11cは、第2の記憶部40bに記憶された情報を1つ読み出し、その読み出した情報を第2の記憶部40bから削除する(ステップS204)。ここで、1つの情報とは、第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションの1回の動作で記憶された情報で、例えば、1つのファイルである。そして、読み出した情報の種類を判断する(ステップS205)。その情報の種類が第1種であれば、読み出した情報を第1の記憶部40aに記憶させて(ステップS206)、ステップS202の第2の記憶部40bに情報が記憶されているか否かを判断する動作に移る。
ここで、第1種の情報とは、その情報が既に第1の記憶部40aに記憶されている可能性が低く、かつ、その情報は、第1の記憶部40a及び第2の記憶部40bを通じて一意に識別可能な識別情報、例えば、ファイル名を持つものである。第1種の情報の例は、第2の写真撮影部によって入力された静止画又は動画の画像ファイルである。このファイル名は、撮影動作を行った時刻から作成されるので、一意に識別可能である。別の例は、第2のコンテンツ受信部によって受信されたコンテンツファイルである。
更に別の例は、電子メールファイルに含まれる送信メール及び受信メール、即ち、第2の電子メール送受信部によって追加された送信メール及び受信された受信メールである。これらは、追加された時刻や、受信された時刻によって一意に識別可能である。なお、送信メールに付された送信させる旨も併せて第1の記憶部40aに移されるので、その情報が付された送信メールは、電子メール送受信部によって送信される。
ステップS205で判断された情報の種類が第2種であれば、情報統合制御機能11cは、その情報の少なくとも一部を出力する。出力先は、情報に応じて表示部15又はスピーカ14a若しくは第2のスピーカである。また、出力は、その情報を第2の記憶部40bに記憶させたアプリケーションに対応する、アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションを制御して行わせる。そして、その出力に対して、タッチパッド16から記憶指示が入力された場合、第1の記憶部40aに記憶させ、また、廃棄指示が入力された場合、第1の記憶部40aに記憶させずに廃棄して(ステップS207)、ステップS202の第2の記憶部40bに情報が記憶されているか否かを判断する動作に移る。
ここで、第2種の情報とは、その情報が既に第1の記憶部40aに記憶されている可能性や、記憶させる価値がない可能性もあるが、その情報は、第1の記憶部40a及び第2の記憶部40bを通じて一意に識別可能な識別情報、例えば、ファイル名を持つものである。第2種の情報の例は、第2のボイスメモ処理部によって入力された音声ファイル、第2のアドレス帳処理部によって入力されたアドレス帳データ、第2のスケジュール処理部によって入力された予定である。なお、アドレス帳データは、必ずしも一意に識別可能ではないが、アドレス帳ファイル中で記憶されるべき位置は、そのデータで識別可能である。また、予定は、必ずしも一意に識別可能ではないが、スケジュールファイル中で記憶されるべき位置は、それに含まれる日によって一意に決定される。
ステップS205で判断された情報の種類が第3種であれば、情報統合制御機能11cは、その情報を、その情報を第2の記憶部40bに記憶させたアプリケーションに対応する、アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションを制御して出力させる。そして、その情報を修正するか、第1の記憶部40aに記憶させるか、破棄するか等の扱いを使用者の操作に委ね(ステップS208)、ステップS202の第2の記憶部40bに情報が記憶されているか否かを判断する動作に移る。
ここで、第3種の情報とは、その情報をそのまま第1の記憶部40aに記憶させず、他の情報と結合の上、記憶させることが有効なことが少なくない情報である。第3種の情報の例は、第2のテキストエディタ部によって入力された文字列ファイル、第2の手書きメモ処理部によって入力された手書きメモファイルである。
なお、以上説明した情報の第1〜第3種の区分けは、必ずしも固定的なものではない。例えば、第2のアドレス帳処理部によって入力されたアドレス帳データは、第1種の情報と扱い、既に第1の記憶部40aに記憶されたアドレス帳データと重複する際に、出力して使用者の指示を入力しても良い。また、第2のスケジュール処理部によって入力された予定は、重複を問わず、その予定に含まれる日で決定される位置に記憶させても良いし、重複と判断される場合、出力して使用者の指示を入力しても良い。
また、第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションが第2の記憶部40bに情報を記憶させる度に、情報統合制御機能11cに対する指示をタッチパッド16への接触によって入力して、その指示を第2の記憶部40bに記憶させ、情報統合制御機能11cは、その指示に従うとしても良い。なお、この指示の入力に際し、生体認証処理を含む認証処理が伴うことが望ましい。なぜなら、装置の使用者以外の者によって、装置の使用者が予期しない指示が入力されることを避けるためである。更には、情報の区分けは、以上説明した情報の性質を問わず、使用者の事前の設定に依存してアプリケーション毎に、又は、全てのアプリケーションに対して決定されるとしても良い。
情報統合制御機能11cの情報統合は、個々の情報の独立した統合に止まると限るものではなく、複数の統合が影響する動作が含まれる。例えば、第2の電子メール送受信部が、第2の写真撮影部によって撮影され、第2の記憶部40bに記憶された画像ファイルを添付ファイルとして添付された送信メールを第2の記憶部40bに記憶された電子メールファイルに追加し、かつ、その送信メールに送信させる旨を付した場合、情報統合制御機能11cの情報統合の結果、その画像ファイルが添付された送信メールが送信される。
いずれにせよ、情報統合制御機能11cがステップS203の制御動作の終了に至る際、第2の記憶部40bには、情報が記憶されていない。言い替えると、ロック解除状態に遷移した後、第1の記憶部40aに情報が統合されているので、アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションの動作に際し、使用者は、情報が第1、2の記憶部40a、40bのいずれに記憶されているかを意識する必要がない。
情報統合制御機能11cは、情報を第1の記憶部40aに記憶させる際、その情報にウィルスが含まれているか否かの調査をしても良い。ロック状態に置かれ、情報を第2の記憶部40bに記憶させる際に調査をすることと比較すると、長い調査時間が許容されるからである。ロック状態に置かれていて情報入力を行なうことは、一刻を争って情報入力をさせたいのであって、入力以外の動作に時間が費やされることが望ましくない。
以上説明した第1の実施形態によれば、ロック状態に置かれていても情報入力処理を動作させることができる。この動作は、装置に記憶された情報の秘密保持に何ら支障を与えない。このように、装置がロック状態に置かれている際、情報入力動作に限ってロック解除を経ずに即座に動作させることによって、思いついたことを直ちにメモ等に記憶させること、シャッターチャンスを逃すことなく直ちに写真を撮影すること、移動通信網を介して送られてきたコンテンツを直ちに受信すること、等が可能となる。
また、ロック解除状態に遷移した後、その入力処理を指示する入力操作を繰り返す必要がなく、操作回数が増加しない。更には、ロック状態に置かれている際、入力された情報が第2の記憶部40bに記憶され、第1の記憶部40aに記憶されるのではないが、記憶される情報は、その入力処理がロック解除状態に置かれている際に行われた場合と同じであり、記憶される情報の観点から、装置は同じ状況にある。そして、ロック解除状態に遷移した後、第2の記憶部40bに記憶された情報が第1の記憶部40aに移されることによって、記憶された情報の観点からのみならず、如何なる送信メールが送信されたか等を含め、装置の状況は、上記入力処理がロック解除状態に置かれている際に行われた場合と全く等しくなる。
以上の説明は、タッチパネルを有した移動通信装置に本発明を適用した例を用いたが、本発明は、当然にタッチパッド16を有さず、キー入力部17に代えてキー入力部17より多数のキーを備えた第2のキー入力部を有する装置に適用することが可能である。ここで、第2のキー入力部は、キースイッチからなり、例えば、通信相手の電話番号等を指定し、また、トグル式の入力方式によってひらがな文字、アルファベット文字及び記号文字を入力するための数字キーと、カーソル移動や、表示のスクロール指示を示す矢印キーや、決定キー、着呼キー、終話キー、電源投入及び切断キーを含む複数の機能キーとを含む。
(第1の実施形態の第1の変形例)
以上の説明では、第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションは、第2の記憶部40bに情報を記憶させるとしたが、これに限るものではない。それに加えて、第2の記憶部40bに記憶された情報を読み出すこと、更に、装置外へ出力することができるとしても良い。第1の記憶部40aに記憶された情報を読み出すことができなければ、装置に記憶された情報の秘密が保たれる。この場合、第2のアプリケーション処理部30に含まれるアプリケーションは、アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションと同じ動作をする。
また、第2のアプリケーション処理部30は、写真閲覧部と同じ動作をする第2の写真閲覧部を含んでも良い。また、電子メール閲覧部と同じ動作をする第2の電子メール閲覧部を含んでも良い。ただし、第2の電子メール閲覧部は、送信メールに限って閲覧することができる。第2の記憶部40bに記憶された電子メールファイルに含まれる受信メールは、たまたまロック状態に置かれている際に受信されたのであって、秘密の保持がされるべきだからである。
(第1の実施形態の第2の変形例)
以上の説明では、ロック状態からロック解除状態へ遷移した後、情報統合制御機能11cの制御動作によって、第2の記憶部40bには、情報が記憶されていないとしたが、これに限るものではない。情報統合制御機能11cは、使用者の指示に従い、第2の記憶部40bに記憶された情報を移動させないとしても良い。この変形と、上述した第1の変形例との組合せによれば、装置がロック状態に置かれている際、第2の記憶部40bに記憶された情報に限って、記憶させることと共に読み出して出力することも可能となる。秘密が保持されないものの、装置がロック状態に置かれている際にも速やかに参照したい情報を第2の記憶部40bに記憶させることができる。
この変形を施す場合、装置がロック解除状態に置かれている際、アプリケーション処理部20に含まれるアプリケーションは、第2の記憶部40bに情報を記憶させること、参照することを含め、全ての利用を可能とすることが望ましい。装置がロック解除状態に置かれている際、記憶部40に記憶された情報を、第1の記憶部40aに記憶されているか第2の記憶部40bに記憶されているかを問わず一括管理することができるからである。
(第1の実施形態の第3の変形例)
以上の説明で、アプリケーション処理部20に含まれる写真撮影部と、第2のアプリケーション処理部30に含まれる第2の写真撮影部とは、画像ファイルを記憶させるのが第1の記憶部40aであるか第2の記憶部40bであるかの相違、及び、表示部15に表示させる画像を基本描画領域に記憶させるかロック状態描画領域に記憶させるかの相違はあるのもの、同じ機能を有する。そこで、第2のアプリケーション処理部30は第2の写真撮影部を含まず、イベントフック制御機能11bは、それに代えて、アプリケーション処理部20に含まれる写真撮影部を動作させても良い。写真撮影部の処理が複雑になるものの、アプリケーションの削減が可能である。第2のコンテンツ受信部、更に、第2のメール送受信部についても同じである。
また、第2のメール送受信部は、電子メール受信機能を備えず、イベントフック制御機能11bは、装置がロック状態に置かれているか、ロック解除状態に置かれているかを問わず、電子メール着信信号が受信された際、メール送受信部の電子メール受信機能を動作させても良い。このような動作によれば、全ての受信メールは第2の記憶部40bに記憶された電子メールファイルに追加されることなく、第1の記憶部40aに記憶された電子メールファイルに追加されるので、何の支障もなく、情報を移す処理を削減することができる。また、第2のメール送受信部のメール受信機能を削減することができる。
(第1の実施形態の第4の変形例)
以上の説明で、装置がロック状態に置かれているかロック解除状態に置かれているかを参照し、異なる状態で異なる動作をさせたのはイベントフック制御機能11bがフックしたイベントの送信先を制御することに依ったが、これに限るものではない。例えば、装置は、イベントフック制御機能11b及び第2のアプリケーション処理部30を備えず、アプリケーション処理部20に含まれる各アプリケーションは、装置がロック状態に置かれているかロック解除状態に置かれているかを参照し、異なる状態に置かれている場合、異なる動作をするとしても良い。この処理によれば、アプリケーションの数を減らすことができる。
(第1の実施形態の第5の変形例)
以上の説明で、描画領域は、基本描画領域とロック状態描画領域とからなるとした。これは、ロック状態で情報入力処理を動作させる制御動作を行っていない制御部11に、その制御動作を追加する際、既存の制御部11や、アプリケーション処理部20に含まれる各アプリケーションへの修正を減らすためであるが、これに限るものではない。描画領域は、基本描画領域のみからなり、装置がロック状態からロック解除状態に遷移した際に、装置がそのロック状態に遷移する直前に基本描画領域に記憶されていた際の画像を再度記憶させても良い。
(第1の実施形態のその他の変形例)
以上説明した変形例は、適宜組み合わせることができる。以上説明した変形を施した又は施さない第1の実施形態によれば、ロック状態に置かれていても情報入力処理を動作させることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置が適用された、ロック状態及びロック解除状態のいずれか一方に置かれる移動通信装置の構成は、第1の実施形態に係る移動通信装置と類似している。そこで、同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、又は、簡単な説明に止める。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る移動通信装置の構成を示すブロック図である。この移動通信装置は、第1の実施形態に係る移動通信装置と比較して、第2のアプリケーション処理部30を備えず、記憶部40は、第1の記憶部40aからなり、更に、制御部11には、イベントフック制御機能11b、及び、情報統合制御機能11cに代えて、イベント保留機能11dが存在する。なお、描画領域は、基本描画領域からなり、ロック状態描画領域を備えない。
上記のように構成された、本発明の第2の実施形態に係る移動通信装置の各部の機能を、図5を参照して説明する。
イベント保留機能11dは、発生したイベントをフックにより入力する。ここで、イベントとは、イベントフック制御機能11bの動作説明で説明した通りである。イベントが発生した際、装置がロック解除状態にあれば、イベント保留機能11dは、そのイベントを制御部11内のイベントハンドラに送る。その際、装置がロック状態に置かれていれば、装置がロック解除状態に遷移するまで待ち、ロック解除状態に遷移した際、そのイベントを制御部11内のイベントハンドラに送る。
図6に示すフローチャートを参照して、イベント保留機能11dのイベントを保留する制御動作を説明する。イベント保留機能11dは、イベントの発生によって制御動作を開始し(ステップS301)、制御部11にイベントが入力される際のフックによってそのイベントを入力する(ステップS302)。ここで、そのイベントがアプリケーション処理部20に含まれる特定のアプリケーション、例えば、写真撮影部を動作させるためのタッチパッド16への接触である場合を例に取る。
そして、装置がロック状態に置かれているか否かを判断し(ステップS303)、ロック解除状態に置かれている場合(「NO」)、イベント保留機能11dは、入力されたイベントを制御部11のイベントハンドラに送信して(ステップS304)、制御動作を終了する(ステップS305)。この結果、写真撮影部が動作を開始し、タッチパッド16への撮影を指示する接触によって静止画又は動画を撮影して、第1の記憶部40aに画像ファイルとして記憶させる。
一方、ロック状態に置かれている場合(ステップS303の「YES」)、イベント保留機能11dは、表示部15にロック中画面、即ち、ロック中である旨と、入力されたイベントによって行なわれる動作、上述した例では、写真撮影部による動作を識別可能な情報、例えば、カメラを示す画像とが含まれる画像を表示する(ステップS306)。そして、装置がロック状態に置かれているか否かを判断し(ステップS307)、ロック状態に置かれている場合(「YES」)、ステップS307の装置がロック状態に置かれているか否かを判断する動作を続ける。
ロック解除状態に置かれている場合(「NO」)、イベント保留機能11dは、ステップS304の入力されたイベントを制御部11のイベントハンドラに送信する動作に移る。この際、表示部15に表示されたロック中画面を消去し、その画面を表示する直前に表示されていた画面を表示させても良く、させなくとも良い。表示させない場合、表示部15の表示は、入力されたイベントによって行なわれる動作、上述した例では、写真撮影部による動作によって行われるので、ロック中画面は表示されなくなる。
ステップS306でロック中画面を表示させてから、ロック解除状態に遷移する(ステップS307の「NO」)までの間、タッチパッド16の取り消しを指示する接触がされた場合、イベント保留機能11dは、上記入力されたイベントを破棄し、表示部15に表示されたロック中画面を消去し、その画面を表示する直前に表示されていた画面を表示させる(図示せず)。
なお、ステップS301で動作を開始した後、イベント保留機能11dは、イベントが発生しても、そのイベントを契機として動作を開始することはない。即ち、そのイベントをフックしない。又は、そのイベントをフックして制御部11のイベントハンドラに送信する。これによって、イベントイベント保留機能11dは、ロック制御機能11aによるロック解除の動作を妨げることはない。
以上説明した第2の実施形態によれば、ロック状態に置かれていてもイベントを入力することができ、ロック解除状態に遷移した際、そのイベントに対応する動作が行われる。そのため、ロック状態に置かれている際のタッチパッド16への接触のイベントが破棄される装置と比較して、必要なタッチパッド16への接触回数が減少する。なぜなら、上記接触のイベントを破棄する装置では、そのイベントに対応する動作をさせるために、ロック解除の操作をした後、再びそのイベントを発生させる操作が必要となるのに対し、この第2の実施形態によれば、そのイベントを発生させる操作が不要だからである。
更には、ロック状態に置かれていて上記イベントを入力した後、ロック解除状態に遷移した場合の装置の状況を、ロック解除状態に置かれていて上記イベントを入力した場合の装置の状況と同じにすることができる。ここで、装置の状況とは、上記イベントに対応する動作を経た状態を意味し、例えば、そのイベントがアプリケーション処理部20に含まれる特定のアプリケーションを動作させるためのタッチパッド16への接触である場合、装置の状況は、そのアプリケーションが動作中である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
以上の説明は、本発明を移動通信装置に適用した例を用いたが、本発明は、当然にロック状態と、ロック解除状態とのいずれか一方の状態に置かれるあらゆる情報処理装置、例えば、PDAや、パソコン等に適用することが可能である。
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。