JP2012026853A - 距離センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】距離センサにおいて、低コストの簡単な構成により、対ノイズ信号比が悪い状態においても安定して精度よい距離測定を可能とする。
【解決手段】距離センサ1は、光を投光する投光部2と、投光のタイミングで出力されるスタート信号に基づいて光の往復時間の計測を開始する時間計測部3と、受光信号を処理してコンパレータ43に通すことによりコンパレータ43からの出力信号を時間計測部3の計測を終了するための候補ストップ信号として出力する受信処理部4とを備える。コンパレータ43は受光信号と所定の閾値との比較結果に応じて所定周期のタイミング毎に、出力信号が候補ストップ信号の場合はハイHの信号、それ以外ではローLの信号を出力する。時間計測部3は出力されるHの信号またはLの信号の時間的出現頻度が安定した時点におけるHの信号をストップ信号に採用する安定化処理を行って光の往復時間を求める。
【選択図】図1
【解決手段】距離センサ1は、光を投光する投光部2と、投光のタイミングで出力されるスタート信号に基づいて光の往復時間の計測を開始する時間計測部3と、受光信号を処理してコンパレータ43に通すことによりコンパレータ43からの出力信号を時間計測部3の計測を終了するための候補ストップ信号として出力する受信処理部4とを備える。コンパレータ43は受光信号と所定の閾値との比較結果に応じて所定周期のタイミング毎に、出力信号が候補ストップ信号の場合はハイHの信号、それ以外ではローLの信号を出力する。時間計測部3は出力されるHの信号またはLの信号の時間的出現頻度が安定した時点におけるHの信号をストップ信号に採用する安定化処理を行って光の往復時間を求める。
【選択図】図1
Description
本発明は、光の往復時間から対象物までの距離を求める距離センサに関する。
従来、光の往復時間から対象物までの距離を求めるTOF(タイムオブフライト)式測距センサとして、パルス光によるパルス信号間の時間間隔を直接計測する方式や、正弦波光の位相変化を計測する方式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。引用文献1は、2つの計測方式を両立させ、複数のフェーズロックループ回路を用いてパルス波の立上りと立下りの両方において位相差を検出し、その平均値を採用することにより、受光レベルやパルス幅の変動に影響されない計測とすることを提案している。ところで、TOF式の距離センサにおいて、高い測定精度や安定性を確保するためには、このようにフェーズロックループ回路や高速回路素子を用いることが行われるが、必然的に、高コストの距離センサとなる。
そこで、例えば、図17に示すように、コスト上昇を比較的抑えることができ、測定精度を高めることができるものとして、複数回行われた距離計測結果を平均化して測定誤差の影響を減らし測定結果を安定させるようにする距離センサが知られている。この従来の距離センサは、パルス光を対象物Mに投光する投光部91と、受光信号を出力する受信部92と、投光部91と受信部92からの信号に基づいて光の往復時間を求める計数器93と、計数器93による計数結果を平均化する平均処理器94とを備えている。投光部91は、パルス信号を生成する信号発生器91aと、そのパルス信号を受けてパルス光を投光する投光器91bとから成る。パルス信号はスタート信号として計数器93にも出力される。受信部92は、受光して信号を出力する受光器92aと、受光信号の増幅や比較信号の生成を行う信号処理器92bと、信号処理器92bからの受光信号と比較信号とに基づいて受光タイミングを決定してストップ信号を出力するコンパレータ92cとを備えている。計数器93は、スタート信号からストップ信号までの時間を計測して、対象物までの光の往復時間を求める。平均処理器94は、計数器93が出力する光の往復時間を所定回数分記録し、その回数で平均化して最終計測結果として光の往復時間を出力する。その光の往復時間を換算処理することにより、対象物までの距離を求めることができる。
しかしながら、近年、距離センサに対する低コスト化の要求はさらに強まり、より低コストの電子回路を用いることが必要になっている。低コストの電子回路は、通常、処理速度が遅いことにより、矩形のパルス信号などが急峻に立上らずになまった立上り波形となる。また、低コストの電子回路は、ノイズ対策が十分でない場合が多く、遠距離測定の際の受信信号強度(光強度)の低下時に、回路自体の熱雑音などの影響によって、対ノイズ信号比が悪化する。図18(a)(b)は、このような場合の不具合を示している。ストップ信号は、一定値であるリファレンス電圧VRとノイズののった信号電圧VSの立上り部分との交点を信号電圧VSの受信時刻として決定されて出力される。しかしながら、図18(a)の状態から図18(b)に示すように、信号電圧VSの立上り傾斜がなまって緩やかな状態になると、決定される交点の位置がノイズの影響をより強く受けることになり、本来の交点位置からより大きく変動する。例えば、ノイズの影響によって本来の交点の時刻よりも手前に交点が検出されると、実際の距離よりも短い距離を示す測定結果になってしまう。このような傾斜がゆるい波形と基準電圧との比較による交点の決定時におけるノイズの影響は、光信号として矩形波ではなく、正弦波などを用いる場合にも同様に発生する。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、対ノイズ信号比が悪い状態においても安定して精度よい距離測定を実現することができる低コストの距離センサを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明の距離センサは、対象物に投光した光が対象物から反射して戻ってくるまでの往復の時間の計測結果に基づいて対象物までの距離を求める距離センサにおいて、対象物に光を投光する投光部と、投光部から投光のタイミングで出力されるスタート信号に基づいて光の往復時間の計測を開始する時間計測部と、対象物からの反射光を受光する受光部とその受光部からの受光信号を所定の閾値と比較するコンパレータとを有する受信処理部と、を備え、コンパレータは、比較の結果に応じて所定サンプリング周期のタイミング毎に、時間計測部の計測を終了するためのストップ信号の候補信号(以下、候補ストップ信号と記す)またはそれ以外の信号の2種類の信号を出力し、時間計測部は、コンパレータから出力される2種類の信号の時間的出現頻度の計測結果に基づいて、その出現頻度が安定した時点における候補ストップ信号をストップ信号に採用する安定化処理を行って光の往復時間を求めることを特徴とする。
この距離センサにおいて、時間計測部は、投光部からのスタート信号以降の所定時間の間、コンパレータから出力される候補ストップ信号以外の信号の信号数を計数し、その計数値から光の往復時間を求めることが好ましい。
この距離センサにおいて、時間計測部は、コンパレータから候補ストップ信号が所定個数以上連続して出力されたときに計数を終了し、そのときの候補ストップ信号以外の信号の信号数の計数値から光の往復時間を求めることが好ましい。
この距離センサにおいて、コンパレータと時間計測部との間にコンパレータから順次出力される前記2種類の信号の区別を順次記録するメモリを備え、時間計測部は、メモリに記録されたデータをソートし、ソートされたデータ列におけるデータ値の変化位置の情報に基づいて光の往復時間を求めることが好ましい。
この距離センサにおいて、受光信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部を備え、受信処理部および時間計測部は、アナログデジタル変換部によってデジタル信号に変換された受光信号をソフトウェアによって処理することにより光の往復時間を求めることが好ましい。
この距離センサにおいて、投光部は、所定の周波数の周期関数で変調した光を連続して投光し、受信処理部は、前記所定の周波数の周期毎の反射光の列を連続して受光し、その受光信号列に対してアンダーサンプリングまたはダウンコンバージョンを適用し、時間計測部は、受光信号列の各受光信号をコンパレータに通して出力される各信号に対して安定化処理を行うことが好ましい。
この距離センサにおいて、時間計測部が出力する光の往復時間の値を複数蓄積し、その平均値を出力する平均処理部をさらに備えることが好ましい。
この距離センサにおいて、コンパレータから出力される2種類の信号はハイの信号とローの信号の2種類であり、そのいずれか一方を候補ストップ信号とし、他を候補ストップ信号以外の信号とすることが好ましい。
本発明の距離センサによれば、2種類の信号の時間的出現頻度が安定した時点における候補ストップ信号をストップ信号に採用する安定化処理を行うので、対ノイズ信号比が悪い状態においても安定して精度よい距離測定を低コストで実現することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係る距離センサについて、図面を参照して説明する。図1乃至図4は第1の実施形態を示す。距離センサ1は、図1に示すように、対象物Mに投光した光が対象物から反射して戻ってくるまでの往復の時間の計測結果に基づいて対象物Mまでの距離を求める。距離センサ1は、対象物Mに投光する投光部2と、投光部2から投光のタイミングで出力されるスタート信号に基づいて光の往復時間の計測を開始する時間計測部3と、光を受光して信号を出力する受信処理部4と、不図示のクロック回路とを備えている。投光部2は、パルス信号を生成する信号発生器21と、信号発生器21からのパルス信号受信のタイミングで光の信号波であるパルス光を外部すなわち対象物Mに向けて送信する投光器22とを備えている。信号発生器21は、パルス信号を生成したタイミングでスタート信号を時間計測部3に出力する。受信処理部4は、対象物Mからの反射光を受光して受光信号を出力する受光器41と、受光器41からの受光信号の増幅や所定の閾値信号の生成を行う信号処理器42と、信号処理器42からの受光信号と閾値信号とを比較するコンパレータ43とを備えている。投光器22は、例えば、発光ダイオードやレーザダイオードであり、受光器41は、例えば、フォトダイオードである。
以下、本発明の一実施形態に係る距離センサについて、図面を参照して説明する。図1乃至図4は第1の実施形態を示す。距離センサ1は、図1に示すように、対象物Mに投光した光が対象物から反射して戻ってくるまでの往復の時間の計測結果に基づいて対象物Mまでの距離を求める。距離センサ1は、対象物Mに投光する投光部2と、投光部2から投光のタイミングで出力されるスタート信号に基づいて光の往復時間の計測を開始する時間計測部3と、光を受光して信号を出力する受信処理部4と、不図示のクロック回路とを備えている。投光部2は、パルス信号を生成する信号発生器21と、信号発生器21からのパルス信号受信のタイミングで光の信号波であるパルス光を外部すなわち対象物Mに向けて送信する投光器22とを備えている。信号発生器21は、パルス信号を生成したタイミングでスタート信号を時間計測部3に出力する。受信処理部4は、対象物Mからの反射光を受光して受光信号を出力する受光器41と、受光器41からの受光信号の増幅や所定の閾値信号の生成を行う信号処理器42と、信号処理器42からの受光信号と閾値信号とを比較するコンパレータ43とを備えている。投光器22は、例えば、発光ダイオードやレーザダイオードであり、受光器41は、例えば、フォトダイオードである。
コンパレータ43は、不図示のクロック回路からのクロック信号に基づき、所定サンプリング周期のタイミング毎に、受光信号と閾値信号とを比較し、その比較結果に応じて、時間計測部3の計測を終了するためのストップ信号の候補信号を出力する。この候補信号を、以下では候補ストップ信号と記すことにする。コンパレータ43は、その出力信号が候補ストップ信号の場合はハイ(以下、Hと記す)の信号、それ以外ではロー(以下、Lと記す)の信号を出力する。すなわち、コンパレータ43は、比較結果に応じて所定サンプリング周期のタイミング毎に、候補ストップ信号またはそれ以外の信号の2種類の信号を出力する。時間計測部3は、コンパレータ43から出力されるHの信号またはLの信号の時間的出現頻度の計測結果に基づいて、その出現頻度が安定した時点における候補ストップ信号であるHの信号をストップ信号として採用する安定化処理を行って光の往復時間を求める。
図2により、コンパレータ43の動作を説明する。投光器22から投光されるパルス光が矩形波形、すなわち時間的幅を有するパルスであるとして説明する。なお、一般的には、投光器22から投光される光は、受光時刻を特定できる適宜に急峻に立ち上がる波形と、一定時間持続する強度とを有する光であればよい。図2(a)に示すように、信号発生器21からスタート信号が出された後、コンパレータ43には、図2(b)に示すように、一定値のリファレンス電圧VRと、受信信号電圧VSとが入力される。スタート信号は、所定の時間Tmaxの間持続し、その信号が出ている間は、距離センサ1は1回分の距離測定に当てられる。受信信号電圧VSは、通常、ノイズがのっており、その波形は矩形波形からくずれると共に、凹凸の激しい波形となっている。コンパレータ43は、図2(c)に示すように、例えば、受信信号電圧VSがリファレンス電圧VR以上に大きい場合にHの信号、すなわち候補ストップ信号を出力し、小さい場合にはLの信号を出力する。その比較と比較結果の出力は、図2(d)に示す周期Δtのサンプルタイミング信号に同期して行われる。図2(b)〜(d)において、時刻txに立上るHの信号が真のストップ信号とすべき信号であり、時刻tx以前のHの信号はノイズによる信号であって真のストップ信号とはすべきでない信号である。また、時間Tmaxは、測定すべき最大距離に対応する往復時間を十分カバーできる時間幅に設定される。
図3は、上述のHの信号の信号数カウント値CHと、Lの信号の信号数カウント値CLとを示す。各カウント値CH,CLの時間変化は、Hの信号またはLの信号の時間的出現頻度を反映するものであり、一方の時間的出現頻度が増加すると、他方が減少し、これに対応してカウント値CH,CLの増加率が増減する。そして、カウント値CHが時間と共に単調増加する状態では、カウント値CLは時間に対して一定値のままの状態となり、いずれのカウント値も安定した状態となる。すなわち、Hの信号およびLの信号には、スタート信号が出された後、その時間的出現頻度が安定した状態が現出する。この安定した状態になった時点(図中時刻tx)は、投光したパルス光の反射波に対応する光の受光信号を真に捕捉した時点と考えられる。すなわち、この安定した状態になった時点以前においても候補ストップ信号としてHの信号が出力されているが、そのHの信号は、真のストップ信号ではなくノイズによる信号であると判断して、除外される。つまり、Hの信号またはLの信号の時間的出現頻度の計測結果に基づいて、その出現頻度が安定した時点におけるHの信号を真のストップ信号として採用することができる。なお、出現頻度が安定したか否かは、安定した時点を経過してから判明するものであるが、その安定化した時点におけるLの信号数のカウント値CLを用いて光の往復時間、従って、対象物Mまでの距離を求めることができる。ここで、例えば、光速V、カウント値CL、対象物Mまでの距離x、サンプルタイミングの周期Δt、光の往復時間τなどの記号を用いると、光の往復時間τ=CL×Δt、対象物Mまでの距離x=V×τ/2=V×CL×Δt/2となる。なお、時間Tmaxが長すぎる場合、受信信号を越えてHの信号やLの信号をカウントすることにより、カウント値の安定した状態が2度現れると誤検出のもとになる。そこで、最初の安定した状態を検出するための別途の処理を追加するか、または、パルス光のパルス幅と測定しようとする距離xとの兼ね合いに基づいて、時間Tmaxを適切に設定する必要がある。
図4のフローチャートによって、距離センサ1の動作を説明する。距離センサ1が動作を開始すると、時間計測部3は、時間計測カウンタTSをリセットし(S1)、さらにLの信号数カウンタCLをリセットする(S2)。カウンタTSは、図2に示した時間Tmaxの経過を監視するカウンタである。時間計測部3は、前記各リセット後、スタート信号の有無を監視し(S3)、投光部2からのスタート信号があれば(S3でYes)、サンプリングのタイミングか否かを監視する(S4)。なお、サンプリングのタイミングの周期は、上述の周期Δtであり、周期Δtは距離センサ1の不図示のクロック回路のクロック信号の周期よりは長いことが想定されている。サンプリングのタイミングであれば(S4でYes)、カウンタTSをインクリメント、すなわちカウント値にプラス1を行い(S5)、さらに、コンパレータ出力がLであれば(S6でYes)、カウンタCLをインクリメントする(S7)。ここで、簡単のため、カウンタCLとそのカウント値CLとの両方に同じ記号CLを用いている。記号TSや後述の記号CHも同様である。コンパレータ出力がLでない(S6でNo)と判断された後、またはカウンタCLをインクリメント(S7)した後、時間計測完了を判断し(S8)、カウンタTSのカウント値TSがTmax以上でなければ(S8でNo)、ステップ(S4)からの処理を繰り返す。カウンタTSのカウント値TSがTmax以上であれば(S8でYes)、光の往復時間の測定値としてカウンタCLのカウント値CLを採用して(S9)、時間計測を終了する。なお、本明細書において、各種の時間やカウント値、例えば、TmaxやCL等は、適宜周期Δt等を用いて時間に換算されるものとして、整数値と時間とを区別せずに同じ記号で記述している。
(第2の実施形態)
図5、図6、図7は第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、上述の第1の実施形態における時間Tmaxが経過しない場合であっても計測を終了できるように、カウンタTSに変えて、Hの信号数をカウントする信号数カウンタCHを備えるものである。すなわち、本実施形態の距離センサ1の時間計測部3は、コンパレータ43からLとは異なるHの信号が所定個数、例えば10個連続して出力されたときに、時間計測のための計数を終了し、そのときのLの信号数の計数値、すなわちカウント値CLから光の往復時間を求める。他の点については、第一の実施形態と同様である。
図5、図6、図7は第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、上述の第1の実施形態における時間Tmaxが経過しない場合であっても計測を終了できるように、カウンタTSに変えて、Hの信号数をカウントする信号数カウンタCHを備えるものである。すなわち、本実施形態の距離センサ1の時間計測部3は、コンパレータ43からLとは異なるHの信号が所定個数、例えば10個連続して出力されたときに、時間計測のための計数を終了し、そのときのLの信号数の計数値、すなわちカウント値CLから光の往復時間を求める。他の点については、第一の実施形態と同様である。
図5のフローチャートによって、距離センサ1の動作を説明する。距離センサ1が動作を開始すると、時間計測部3は、Lの信号数カウンタCLおよびHの信号数カウンタCHをリセットする(S11)。時間計測部3は、前記各リセット後、スタート信号の有無を監視し(S12)、受信処理部4からのスタート信号があれば(S12でYes)、サンプリングのタイミングか否かを監視する(S13)。サンプリングのタイミングであり(S13でYes)、さらにコンパレータ出力がLであれば(S14でYes)、カウンタCLのインクリメント(S15)、およびカウンタCHのリセットを行い(S15)、その後、処理をステップ(S13)に戻す。
また、コンパレータ出力がLでなければ(S14でNo)、カウンタCHのインクリメントを行い(S17)、Hの信号が所定の個数n、例えば、n=10個、連続したか否か、すなわち、n≦CHか否かを判断する(S18)。カウント値CHが10個より少なければ(S18でNo)、処理をステップ(S13)に戻し、カウント値CHが10個以上であれば(S18でYes)、光の往復時間の測定値としてカウンタCLのカウント値CLを採用して(S19)、時間計測を終了する。本実施形態によると、所定の時間(第1の実施形態における時間Tmax)が経過しないでも計測を終了できるので、距離計測の時間を第1の実施形態よりも短くすることができ、計測回数を増やすことができる。この場合、所定の時間Tmaxは、設定する必要がなく、設定するとしても、十分大きな時間または無限大の時間とすればよい。
図6は本実施形態の時間計測部3の具体的回路例を示す。時間計測部3は、10ビットのシフトレジスタ10と、2入力の2つのアンド回路11,12と、10入力のアンド回路13と、2入力の比較器14と、Lの信号のカウンタ回路31とを備えて構成されている。アンド回路11は、コンパレータ43からの出力信号と不図示のクロック回路からのクロック信号とを入力され、クロック信号毎に、コンパレータ43からの出力信号のHとLの信号に対応する信号(例えば、1と0)をシフトレジスタ10に向けて出力する。アンド回路12は、不図示のクロック回路からのクロック信号と所定の周期Δtのサンプリングタイミング信号とを入力され、周期Δt毎に、シフトレジスタ10にビットシフトとデータ取り込みをさせるためのクロック信号を出力する。シフトレジスタ10の第1ビットの値D0は、比較器14に入力される。カウンタ回路31は、前記第1ビットの値がLの信号に対応する場合に比較器14から出力される信号に基づいて、Lの信号数を計数する。アンド回路13は、シフトレジスタ10からの各ビットの値D0〜D9が入力され、すべての値がHの信号の場合に、ストップ信号をカウンタ回路31に出力する。カウンタ回路31は、アンド回路13からのストップ信号が入力されると、そのときのカウント値CLを光の往復時間の測定値として採用して時間計測を終了する。
図7のフローチャートによって、図6に示した時間計測部3の動作を説明する。距離センサ1が動作を開始すると、時間計測部3のカウンタ回路31は、内蔵しているカウンタCLをリセットし(S21)、スタート信号の入力が確認されると(S22でYes)、比較器14から出力される信号(Lの信号)を計数する動作を開始する。アンド回路12からの出力によってサンプリングのタイミングか否かについての判断が行われ(S23)、アンド回路12からの出力毎に(S23でYes)、アンド回路11の出力、従ってコンパレータ43の出力がシフトレジスタ10に入力される(S24)。また、比較器14からの出力によって、コンパレータ43の出力がLの信号か否か判断され(S25)、Lの信号であれば(S25でYes)、カウンタ回路31はカウンタCLをインクリメントする(S26)。また、アンド回路13からの出力によって、シフトレジスタ10の全ビットがHの信号か否か、すなわちストップ信号が出されたか否かが判断される(S27)。全ビットがHの信号でなければ(S27でNo)、アンド回路13からはストップ信号が出されず、処理はステップ(S23)に戻される。全ビットがHの信号であれば(S27でYes)、アンド回路13からはストップ信号が出されて、カウンタ回路31は、そのときのカウント値CLを光の往復時間の測定値として採用して時間計測を終了する(S28)。
(第3の実施形態)
図8、図9は第3の実施形態を示す。第3の実施形態は、図8に示すように、上述の第1の実施形態において、コンパレータ43と時間計測部3との間にコンパレータ43から順次出力される信号のハイHまたはローL、すなわち2種類の信号の区別を順次記録するメモリ32を備えているものである。そして、本実施形態の時間計測部3は、所定の時間Tmax経過後に、メモリ32に記録されたデータをソートし、ソートされたデータ列におけるデータ値の変化位置に基づいて光の往復時間を求めるものである。メモリ32は、周期Δtのサンプリングのタイミングで記録動作を行う。また、メモリ32は、第1の実施形態におけるカウンタCLを代替するものである。これらの点を除いて、他は第1の実施形態と同様である。
図8、図9は第3の実施形態を示す。第3の実施形態は、図8に示すように、上述の第1の実施形態において、コンパレータ43と時間計測部3との間にコンパレータ43から順次出力される信号のハイHまたはローL、すなわち2種類の信号の区別を順次記録するメモリ32を備えているものである。そして、本実施形態の時間計測部3は、所定の時間Tmax経過後に、メモリ32に記録されたデータをソートし、ソートされたデータ列におけるデータ値の変化位置に基づいて光の往復時間を求めるものである。メモリ32は、周期Δtのサンプリングのタイミングで記録動作を行う。また、メモリ32は、第1の実施形態におけるカウンタCLを代替するものである。これらの点を除いて、他は第1の実施形態と同様である。
図9のフローチャートによって、本実施形態の距離センサ1の動作を説明する。距離センサ1が動作を開始すると、メモリ32と時間計測部3の時間計測カウンタTSがリセットされる(S31)。カウンタTSは、図2に示した時間Tmaxの経過を監視するカウンタである。時間計測部3は、前記各リセット後、スタート信号の有無を監視し(S32)、受信処理部4からのスタート信号があれば(S32でYes)、サンプリングのタイミングか否かを監視する(S33)。サンプリングのタイミングであれば(S33でYes)、カウンタTSをインクリメントし(S34)、メモリ32は、コンパレータ43から順次出力される信号のハイHまたはローLの区別を順次追加記録する(S35)。その後、時間計測部3は、時間計測完了か否かを判断し(S36)、カウンタTSのカウント値TSがTmax以上でなければ(S36でNo)、ステップ(S33)からの処理を繰り返す。カウンタTSのカウント値TSがTmax以上であれば(S36でYes)、メモリ32のデータをソートし(S37)、ソートされたデータ列におけるデータ値の変化位置に基づいて光の往復時間を求める(S38)。つまり、何番目の位置でデータ値が変化したかという情報から、L信号のカウント値CLが求められる。
上述のソートは、メモリ32中のデータについて、例えば、Lの信号に相当するデータをアドレス順(格納順)に集めて並べ、その後に、Hの信号に相当するデータを集めてアドレス順(格納順)に並べるように行う。すると、前述の図3に示したL信号のカウント値CLが、飽和することから分かるように、メモリ32内のアドレスが、Lの信号に相当するデータによってカウント値CLまで埋められると、その後のアドレスはHの信号に相当するデータで埋められることになる。つまり、ソートされたメモリ中のデータが、例えば、アドレス0から1つづつ順に埋められているとすると、データの変わり目のアドレスがカウント値CLを与えることになる。この第3の実施形態によれば、メモリとソーティングによってカウント値CLが得られるので、デジタル処理を行う汎用のコンピュータを用いる低コストで簡便な距離センサを実現することができる。
(第1の変形例)
図10は上述の第1、第2、第3の実施形態に係る距離センサの第1の変形例を示す。この第1の変形例は、受信処理部4における受光器41からの受光信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部44を備え、その後の処理をソフトウェアによって処理するものである。時間計測部3は、コンピュータとその上で動作するプログラムを用いて構成され、アナログデジタル変換部44によってデジタル信号に変換された受光信号をソフトウェアによって処理することによりLの信号のカウント値CLを求めて光の往復時間を求める。そこで、この第1の変形例では、コンパレータ43はCPU(マイコン)とソフトウエアによって置き換えられ、第3の実施形態におけるメモリ32には、時間計測部3内のメモリが用いられることになる。この第1の変形例によれば、時間計測部3の処理を一般的なマイコンを用いて実現することができ、しかも、信号処理器42、コンパレータ43、およびメモリ32を別途設ける必要がなくなるので、低コストで汎用性のある距離センサを実現することができる。
図10は上述の第1、第2、第3の実施形態に係る距離センサの第1の変形例を示す。この第1の変形例は、受信処理部4における受光器41からの受光信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部44を備え、その後の処理をソフトウェアによって処理するものである。時間計測部3は、コンピュータとその上で動作するプログラムを用いて構成され、アナログデジタル変換部44によってデジタル信号に変換された受光信号をソフトウェアによって処理することによりLの信号のカウント値CLを求めて光の往復時間を求める。そこで、この第1の変形例では、コンパレータ43はCPU(マイコン)とソフトウエアによって置き換えられ、第3の実施形態におけるメモリ32には、時間計測部3内のメモリが用いられることになる。この第1の変形例によれば、時間計測部3の処理を一般的なマイコンを用いて実現することができ、しかも、信号処理器42、コンパレータ43、およびメモリ32を別途設ける必要がなくなるので、低コストで汎用性のある距離センサを実現することができる。
(第2の変形例)
図11、図12は上述の第1、第2、第3の実施形態に係る距離センサの第2の変形例を示す。この第2の変形例において、投光部2は所定の周波数でパルス光を連続して投光し、受信処理部4は反射光のパルス列を連続して受光しその受光信号列に対してアンダーサンプリング処理を適用する。投光部2が投光するパルス光の列は、所定の周波数の周期関数、例えば、連続矩形波(方形波)で変調した光である。時間計測部3は、受光信号列の各受光信号をコンパレータ43に通して出力される各信号に対して前記安定化処理を行うことにより、光の往復時間を求めることになる。以下、構成と動作を詳細に説明する。
図11、図12は上述の第1、第2、第3の実施形態に係る距離センサの第2の変形例を示す。この第2の変形例において、投光部2は所定の周波数でパルス光を連続して投光し、受信処理部4は反射光のパルス列を連続して受光しその受光信号列に対してアンダーサンプリング処理を適用する。投光部2が投光するパルス光の列は、所定の周波数の周期関数、例えば、連続矩形波(方形波)で変調した光である。時間計測部3は、受光信号列の各受光信号をコンパレータ43に通して出力される各信号に対して前記安定化処理を行うことにより、光の往復時間を求めることになる。以下、構成と動作を詳細に説明する。
図11示すように、投光部2は、投光器22の他に、第1、第2、第3の実施形態における信号発生器21に代わる第1の周波数の信号を生成する第1のシンセサイザ23と、スタート信号発生器24とを備えている。また、受信処理部4は、受光器41の他に、第1、第2、第3の実施形態における信号処理器42に代わるサンプルホールド信号処理回路44と、第1の周波数とは異なる第2の周波数の信号を生成する第2のシンセサイザ45とを備えている。スタート信号発生器24は、第1のシンセサイザ23からの第1の周波数の信号を、第2のシンセサイザ45からの第2の周波数に基づいてサンプリングすることによりスタート信号を生成して出力する。投光器22は、第1の周波数に基づいてパルス化したパルス光をパルス列として連続投光する。受光器41は、対象物Mから反射して戻ってくる反射光のパルス列を連続して受光し、その受光信号列を出力する。
サンプルホールド信号処理回路44は、第2のシンセサイザ45からの第2の周波数に基づくサンプリングのタイミングで第1の周波数を有する反射光の信号をサンプルホールドすると共に、そのサンプルホールドした信号をコンパレータ43に向けて出力する。また、サンプルホールド信号処理回路44は、コンパレータ43で用いるリファレンス信号を生成してコンパレータ43に向けて出力する。時間計測部3は、第2の周波数に基づくサンプリングのタイミング毎に出力されるコンパレータ43からの出力について、例えば、所定の時間Tmaxの間、Lの信号数をカウンタCLでカウントする。時間計測部3は、後述するように、カウント値CLによって、光の往復時間、従って、対象物Mまでの距離を求める。なお、所定の時間Tmaxを計測終了の判定に用いる代わりに、第2の実施形態のように、Hの信号の連続の有無によって計測終了の判定を行ってもよい。
次に、図12よって、距離センサ1の動作を説明する。図12(a)〜(f)に示すように、第1、第2のシンセサイザ23,45が生成する信号は、それぞれ周期T1,T2を有する方形波である。また、投光器22から送信されるパルス光、従って、受光器41によって受光されて出力される受信信号は、周期T1の方形波である。スタート信号発生器24は、第1の周波数の信号と第2の周波数の信号とが同期(例えば、波形の立ち上がり位相が一致)したとき、スタート信号を生成し、そのスタート信号を時間計測部3に対して出力する。図12(f)における時刻t0に同期が発生し、スタート信号が生成されている。なお、距離センサ1が動作を開始すると、各部が不図示のクロック回路からの同一クロックのもとで動作し、第1、第2のシンセサイザ23,45はそれぞれの信号を生成し続け、投光器22による投光と、受光器41による受信信号の出力がそれぞれ連続して行われる。受光器41から出力される受信信号は、時刻t0から時間τだけ遅れた立ち上がり波形となっている。この時間τが、距離センサ1から対象物Mまでの距離xを往復するパルス光の往復時間である。
サンプルホールド信号処理回路44は、図12(e)において、リファレンス電圧VRを時刻t1に動的に出力している。電圧VRは、例えば、受信信号の強度に応じて設定される。リファレンス電圧VRとして所定の一定電圧をコンパレータ43に常時入力しておいてもよい。コンパレータ43は、周期T2毎に、サンプルホールド信号処理回路44から出力されるサンプルホールドされた受信信号と、リファレンス電圧VRとの比較を行うことによって、ストップ信号を検出し、ハイHの信号を出力する。しかしながら、このストップ信号は、ノイズによるストップ信号であることもあり、真のストップ信号であることもあるので、真の信号を得るために時間計測部3による安定化処理が行われる。図12に示した例では、回数N=2回目(時刻t2)におけるストップ信号が、真のストップ信号である。時間計測部3は、時刻t2,t3において、Hの信号が連続して出力されることに基づいて、時刻t2におけるストップ信号を真のストップ信号と判定する。すなわち、時間計測部3は、このような安定化処理を用いて真のストップ信号を決定し、回数Nを決定する。時間計測部3は、時間τを、τ=N×(T2−T1)によって求める。距離xは、前記同様に、x=V×τ/2、によって求められる。この第2の変形例によれば、アンダーサンプリングを適応することにより信号処理速度を緩和することができ、低コストの距離センサを実現することができる。上記では、安定化処理の適用を、周期T2毎に出力されたH,Lの信号に対して行う旨説明したが、もっと細かい処理に対して適用することもできる。すなわち、各周期T2毎にHまたはLの信号を出力する際の判断にも適用することができる。この場合、周期T2を分割した周期でH,Lの判断を行い、その結果から周期T2毎のHまたはLの信号を出力することになる。
(第3の変形例)
図13、図14は上述の第1、第2、第3の実施形態に係る距離センサの第3の変形例を示す。この第3の変形例は、第2の変形例におけるアンダーサンプリングに代えてダウンコンバージョンを適用するものである。この第3の変形例において、投光部2は所定の周波数の周期関数、例えば、正弦波で変調した光を連続して投光し、受信処理部4は、反射光の列(一連の正弦波変周光)を連続して受光し、その受光信号列に対してダウンコンバージョンを適用する。時間計測部3は、ダウンコンバージョンされた受光信号をコンパレータ43に通して出力される信号に対して前記安定化処理を行うことにより、光の往復時間を求めることになる。以下、各部の構成とその動作を詳細に説明する。
図13、図14は上述の第1、第2、第3の実施形態に係る距離センサの第3の変形例を示す。この第3の変形例は、第2の変形例におけるアンダーサンプリングに代えてダウンコンバージョンを適用するものである。この第3の変形例において、投光部2は所定の周波数の周期関数、例えば、正弦波で変調した光を連続して投光し、受信処理部4は、反射光の列(一連の正弦波変周光)を連続して受光し、その受光信号列に対してダウンコンバージョンを適用する。時間計測部3は、ダウンコンバージョンされた受光信号をコンパレータ43に通して出力される信号に対して前記安定化処理を行うことにより、光の往復時間を求めることになる。以下、各部の構成とその動作を詳細に説明する。
図13示すように、投光部2は、投光器22の他に、第1、第2、第3の実施形態における信号発生器21に代わる第1の周波数の信号を生成する第1のシンセサイザ23を備えている。また、受信処理部4は、受光器41の他に、第1、第2、第3の実施形態における信号処理器42に代わるダウンコンバージョン信号処理回路46と、第1の周波数とは異なる第2の周波数の信号を生成する第2のシンセサイザ45とを備えている。第1のシンセサイザ23は、投光器22による投光開始のタイミングでスタート信号を生成して時間計測部3に向けて出力する。投光器22は、第1の周波数の正弦波によって変調した連続光を投光する。受光器41は、対象物Mから反射して戻ってくる一連の反射光を連続して受光し、その受光信号を出力する。
ダウンコンバージョン信号処理回路46は、受光器41からの受信信号と第2のシンセサイザ45からの第2の周波数を持つ信号とを互いにミキシング(すなわちダウンコンバージョン)して生成された中間周波信号をコンパレータ43に向けて出力する。また、ダウンコンバージョン信号処理回路46は、コンパレータ43で用いるリファレンス信号を生成してコンパレータ43に向けて出力する。時間計測部3は、所定のサンプリングのタイミング毎に出力されるコンパレータ43からの出力について、例えば、図14(d)に示す所定の時間Tmaxの間、Lの信号数をカウンタCLでカウントする。時間計測部3は、後述するように、カウント値CLによって、光の往復時間、従って、対象物Mまでの距離を求める。なお、所定の時間Tmaxを計測終了の判定に用いる代わりに、第2の実施形態のように、Hの信号の連続の有無によって計測終了の判定を行ってもよい。
次に、図14よって距離センサ1の動作を説明する。投光器22から送信される光(送信信号)、従って、受光器41によって受光されて出力される受信信号は、図14(a)(b)に示すように、送信信号は第1の周波数f1=1/T1、周期T1を持つ正弦波である。また、受信信号は、送信信号の送信開始から時間τ経過後に、受信部13から出力されている。このような送信信号と受信信号は、それぞれ第2の周波数f2(ただし、f1≠f2)を持つ正弦波でミキシングしてローパスフィルタを通すことにより、図14(c)(d)に示すように、より低周波数化された信号(中間周波信号)となる。その周波数は、差|f1−f2|(ただし、|*|は*の絶対値)である。図14(d)に示す受信信号の中間周波信号は、ダウンコンバージョン信号処理回路46によって生成され、コンパレータ43に向けて出力される。なお、図14(c)に示す送信信号の中間周波信号は、説明のために示したものであり、本変形例においては用いていない。
送信信号と受信信号の互いの位相の関係は、ミキシングによって中間周波信号とされた送信信号と受信信号とにおいても保存される。従って、ミキシング後の送信信号と受信信号の位相差、より一般的には、2つの中間周波信号の時間差tmとミキシング後の送信信号の周期Tmとは、上述のτ,T1に対して、τ/T1=tm/Tm、の関係がある。時間差tmに注目すると、tm=τ×(Tm/T1)=τ×(f1/fm)であり、f1=1/T1、fm=|f1−f2|=1/Tmである。つまり、例えば、周波数を1/10000に変換(fm=f1/10000)したならば、時間τを10000倍に引き伸ばしたことと同等となる(tm=τ×10000)。
そこで、コンパレータ43は、上述の時間的に引き伸ばされた受信信号の立ち上がりを検出する処理を所定のサンプリングのタイミング毎に行い、その検出結果をストップ信号とすべく、Hの信号として時間計測部3に向けて出力する。その検出の動作は、所定の時間Tmaxの間行われる。時間計測部3は、所定のサンプリングのタイミング毎に出力されるコンパレータ43からの出力について、時間Tmaxの間、Lの信号数をカウンタCLでカウントして、カウント値CLを換算して上述の時間差tmを求める。測定された時間差tmと、時間差tmを実際の測定値(時間τ)に換算するための係数kとを用いて、対象物Mまでの距離xを、x=k×τ×V/2として求めることができる。係数kは、上述のtm=t×10000の場合には、k=1/10000である。
なお、次に示すように、スタート信号を投光器22による投光開始のタイミングとしない方法を用いることもできる。すなわち、別途設けたミキシング回路により、図14(c)に示す送信信号の中間周波信号を生成する。そして、時間差tmの測定に際し、図14(c)(d)における各波形の、例えば、各信号の立上り点を検出して2つの立上り点間の時間差を測定する、または、各波形のゼロクロス点を検出して2つのゼロクロス点間の時間差を測定する方法を用いることができる。各信号の立上り点や、ゼロクロス点の検出、より一般的には、同位相点の検出を行う際に、時間計測部3における安定化処理を行って光の往復時間を求めるようにすることができる。
(第4の変形例)
図15、図16は上述の第1、第2、第3の実施形態に係る距離センサの第4の変形例を示す。この第4の変形例は、時間計測部3が出力する光の往復時間、または光の往復時間から求められた距離の測定値を複数蓄積し、その平均値を出力する平均処理部33をさらに備えるものである。図15に示す距離センサ1は、第1、第2の実施形態の変形例となっているが、メモリ32を備えることにより、第3の実施形態の変形例とすることができる。図16のフローチャートによって、この変形例の動作を説明する。距離センサ1は、第1、第2、第3の実施形態で説明した距離計測を行い(S41)、その計測を所定回数まで繰り返し(S42)、所定回数に達したならば(S42でYes)、平均処理部33において、計測結果の平均値が、距離xの値として出力される。この第4の変形例によれば、時間計測部3が安定化処理を行って求めた光の往復時間、または光の往復時間から求められた距離の平均値を求めるので、測定精度の更なる向上を見込むことができる。
図15、図16は上述の第1、第2、第3の実施形態に係る距離センサの第4の変形例を示す。この第4の変形例は、時間計測部3が出力する光の往復時間、または光の往復時間から求められた距離の測定値を複数蓄積し、その平均値を出力する平均処理部33をさらに備えるものである。図15に示す距離センサ1は、第1、第2の実施形態の変形例となっているが、メモリ32を備えることにより、第3の実施形態の変形例とすることができる。図16のフローチャートによって、この変形例の動作を説明する。距離センサ1は、第1、第2、第3の実施形態で説明した距離計測を行い(S41)、その計測を所定回数まで繰り返し(S42)、所定回数に達したならば(S42でYes)、平均処理部33において、計測結果の平均値が、距離xの値として出力される。この第4の変形例によれば、時間計測部3が安定化処理を行って求めた光の往復時間、または光の往復時間から求められた距離の平均値を求めるので、測定精度の更なる向上を見込むことができる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述の第1、第2、第3の実施形態、および第1乃至第4の変形例において、コンパレータ43の出力がハイHの信号を、候補ストップ信号に対応させて説明したが、出力がローLの信号を、候補ストップ信号に対応させる構成とすることもできる。これは、例えば、コンパレータ43が、ノーマルローの特性のものか、ノーマルハイの特性のものかの違いに相当する。また、コンパレータ43に関する入出力信号の反転操作の有無などにも依存する。従って、Hの信号とLの信号の定義は、コンパレータ43とその入出力信号等に応じて適宜設定すればよい。また、本発明は、例えば、上述した各実施形態および各変形例の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。また、本発明は、TOF(タイムオブフライト)式測距センサとして、光を用いる例で説明したが、より一般的に電磁波、さらには、超音波を伝搬信号として用いるTOF式測距センサにおいても、本発明における安定化処理の技術を適応することができる。
1 距離センサ
2 投光部
3 時間計測部
32 メモリ
4 受信処理部
43 コンパレータ
44 アナログデジタル変換部
M 対象物
2 投光部
3 時間計測部
32 メモリ
4 受信処理部
43 コンパレータ
44 アナログデジタル変換部
M 対象物
Claims (8)
- 対象物に投光した光が対象物から反射して戻ってくるまでの往復の時間の計測結果に基づいて対象物までの距離を求める距離センサにおいて、
対象物に光を投光する投光部と、
前記投光部から投光のタイミングで出力されるスタート信号に基づいて光の往復時間の計測を開始する時間計測部と、
対象物からの反射光を受光する受光部とその受光部からの受光信号を所定の閾値と比較するコンパレータとを有する受信処理部と、を備え、
前記コンパレータは、前記比較の結果に応じて所定サンプリング周期のタイミング毎に、前記時間計測部の計測を終了するためのストップ信号の候補信号(以下、候補ストップ信号と記す)またはそれ以外の信号の2種類の信号を出力し、
前記時間計測部は、前記コンパレータから出力される2種類の信号の時間的出現頻度の計測結果に基づいて、その出現頻度が安定した時点における候補ストップ信号をストップ信号に採用する安定化処理を行って前記光の往復時間を求めることを特徴とする距離センサ。 - 前記時間計測部は、前記投光部からのスタート信号以降の所定時間の間、前記コンパレータから出力される候補ストップ信号以外の信号の信号数を計数し、その計数値から前記光の往復時間を求めることを特徴とする請求項1に記載の距離センサ。
- 前記時間計測部は、前記コンパレータから候補ストップ信号が所定個数以上連続して出力されたときに前記計数を終了し、そのときの候補ストップ信号以外の信号の信号数の計数値から前記光の往復時間を求めることを特徴とする請求項2に記載の距離センサ。
- 前記コンパレータと前記時間計測部との間に前記コンパレータから順次出力される前記2種類の信号の区別を順次記録するメモリを備え、
前記時間計測部は、前記メモリに記録されたデータをソートし、ソートされたデータ列におけるデータ値の変化位置の情報に基づいて前記光の往復時間を求めることを特徴とする請求項1に記載の距離センサ。 - 受光信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部を備え、
前記受信処理部および時間計測部は、前記アナログデジタル変換部によってデジタル信号に変換された受光信号をソフトウェアによって処理することにより前記光の往復時間を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の距離センサ。 - 前記投光部は、所定の周波数の周期関数で変調した光を連続して投光し、
前記受信処理部は、前記所定の周波数の周期毎の反射光の列を連続して受光し、その受光信号列に対してアンダーサンプリングまたはダウンコンバージョンを適用し、
前記時間計測部は、前記受光信号列の各受光信号を前記コンパレータに通して出力される各信号に対して前記安定化処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の距離センサ。 - 前記時間計測部が出力する光の往復時間の値を複数蓄積し、その平均値を出力する平均処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の距離センサ。
- 前記コンパレータから出力される2種類の信号はハイの信号とローの信号の2種類であり、そのいずれか一方を候補ストップ信号とし、他を候補ストップ信号以外の信号とすることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の距離センサ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010165316A JP2012026853A (ja) | 2010-07-22 | 2010-07-22 | 距離センサ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016199267A1 (ja) * | 2015-06-11 | 2016-12-15 | 日立マクセル株式会社 | 光測距装置及びその制御方法、及びそれを用いたジェスチャ検出装置 |
US11500098B2 (en) * | 2018-10-24 | 2022-11-15 | Genoptics Precision Biotechnologies Inc. | Time-of-flight ranging device and time-of-flight ranging method |
US12092769B2 (en) | 2018-05-30 | 2024-09-17 | Nikon Vision Co., Ltd. | Photodetectors and methods and ranging devices and methods |
-
2010
- 2010-07-22 JP JP2010165316A patent/JP2012026853A/ja not_active Withdrawn
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