JP2012026804A - レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な方法で、等距離にある複数の物体の方位検知を可能とするレーダ装置を提供する。
【解決手段】レドーム内に電波を放射する送信アンテナと物体から反射した反射波を受信する受信アンテナとを備えるレーダ装置である。当該レーダ装置は、送信アンテナから放射される電波を通過させる開口部と送信アンテナから放射される電波を遮蔽する遮蔽部とを有する遮蔽手段と、開口部を移動させる移動手段と、開口部の位置と反射波とに基づいてレーダ装置に対する物体の方位を検出する検出手段とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、レーダ装置に関する。
従来、例えば、車両の前方や側方から接近してくる物体を検出するために、当該車両に搭載されるレーダ装置が知られている。具体的には、レーダ装置は、送信電波(例えばミリ波)を放射する送信アンテナと、当該送信アンテナから放射された送信電波が物体によって反射された場合、当該反射波を受信するための受信アンテナとを備える。そして、レーダ装置は、例えば、物体と当該レーダ装置が搭載された車両との距離や相対速度や方位等を計測するものである(例えば特許文献1参照)。
特開2009−36514号公報
ここで、上述したレーダ装置が車両に搭載され、物体を検出するための装置として用いられる場合を仮に想定する。一般的に、上記レーダ装置は車両の前方や側方に存在する物体について、当該車両に対する物体の位置、方位、速度などの情報を精度良く取得し、車両と物体との位置関係を正確に把握することが要求される。しかしながら、車両に搭載される一般的なレーダ装置では、車両の前方や側方に存在する物体について、当該車両に対する物体の位置、方位、速度などの情報を精度良く取得することが難しいことがある。
具体的には、車両に搭載される一般的なレーダ装置は、車両の前方や側方に存在する物体が1つの場合には、上記車両に対する当該物体の距離や方位等を検出することができるが、物体が2つ以上の場合には車両に対する当該物体の方位を検出できないことがある。
一般的にミリ波レーダ装置は、周波数を時間でスイープさせて、送信アンテナから放射される電波(ミリ波)と、物体で反射した反射波とを比較し、差分からレーダ装置に対する物体の距離、方位等を検出している。なお、方位に関しては、特に、図9に示すように各受信アンテナに到達する反射波の位相差から算出している(式1)。しかしながら、同じ距離に2つ以上の物体が存在すると、各受信アンテナに入力される反射波の合成波が一致し、物体の方位を検出できなくなることがある。具体的には、例えば、同距離にある物体1、2からの同位相の反射波を受信アンテナ1、2のそれぞれが受信する。そして、例えば、以下の式(2)や式(3)の三角関数の公式より合成波が一致する(例えば、図10)。なお、仕様によっては計算式が異なることもあるので、以下の式(2)や式(3)は一例である。
φ=2π×(d×sinθ/λ) …(1)
Asinθ+Bcosθ=(A2+B21/2sin(θ+α) …(2)
ただし、cosα=A/(A2+B21/2 、sinα=B/(A2+B21/2
cosθ1+cosθ2=2cos[(A+B)/2]・cos[(A−B)/2]
…(3)
このようなレーダ装置における問題を解決する方法として、一般的に、レーダ装置の解像度を高めるために、当該レーダ装置内のアンテナ数を増やす方法がとられる。
しかしながら、アンテナの数を増やすと、その数に応じた高周波回路が必要となる上、一般的に高周波回路を構成する部品のコストは高い。また、アンテナの数が増えた分だけ情報量が多くなり、処理負荷が高くなる。さらに、当該情報を短時間で処理するためには高価なマイコン、半導体を必要とする。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡易な方法で、等距離にある複数の物体の方位検知を可能とするレーダ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の構成を採用した。すなわち、本発明は、レドーム内に電波を放射する送信アンテナと物体から反射した反射波を受信する受信アンテナとを備えるレーダ装置である。当該レーダ装置は、上記送信アンテナから放射される電波を通過させる開口部と上記送信アンテナから放射される電波を遮蔽する遮蔽部とを有する遮蔽手段と、上記開口部を移動させる移動手段と、上記開口部の位置と上記反射波とに基づいて上記レーダ装置に対する上記物体の方位を検出する検出手段とを備える。
本発明によれば、簡易な方法で、等距離にある複数の物体の方位検知を可能とするレーダ装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るレーダ装置を含むドライバーサポートシステムの構成の一例を示した図 車両におけるレーダ装置の搭載位置を示した図 図2のレーダ装置1を拡大し、図2の任意の点を原点とするXY平面で切断した断面図 シャッター機構111の動きと、受信アンテナ13により受信した反射波の検出状態の関係を説明するための図 シャッター機構111による送信アンテナ14の覆われ方と、受信アンテナ13による受信した反射波の検出状態の関係を説明するための図 周波数とシャッター機構111の駆動タイミングとの関係を示した図 スライド機構112の動きと、受信アンテナ13により受信した反射波の検出状態の関係を説明するための図 レドーム12上にシャッター機構111が備わった図 受信アンテナに到達する反射波の位相差を示す図 合成波を説明するための図
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係るレーダ装置1について説明する。なお、本実施形態では、当該レーダ装置1を含むドライバーサポートシステム(DSS(Driver Support System))が、車両(以下、例えば乗用車等)に搭載される場合を想定して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るレーダ装置を含むドライバーサポートシステムの構成の一例を示した図である。
図1に示すように、ドライバーサポートシステムは、レーダ装置1、制御ECU(Electrical Control Unit)2、車両制御ECU3、等を備える。
レーダ装置1は、後に詳細は図示するが、レドーム12に覆われた受信アンテナ13と送信アンテナ14とを備えている。さらに、レーダ装置1は遮蔽手段11(後述ではシャッター機構と称すこともある)を備えている。
レーダ装置1は、具体的には、車両の所定の位置(例えば、図2に示すように、車両の前部等)に設置されている。そして、レーダ装置1の送信アンテナ14は、車両の外側に向けて電磁波(例えばミリ波)を放射し、車両前方の周囲に存在する物体からの反射波を受信アンテナ13で受信する。
なお、レーダ装置1におけるレーダ方式は例えばFMCW方式を採用することができる。具体的には、上述した方式では、送信アンテナ14から放射する電波の周波数を時間に対し、直線的に上昇または下降させて、当該送信アンテナ14から電波を放射する。そして、送信アンテナ14から放射する電波が、例えば車両周辺の物体で反射した場合、当該反射波を受信アンテナ13が受信する。
制御ECU3(レーダECUとも称される)は、送信アンテナ14から放射した送信波と受信アンテナ13で受信した受信波(反射波)とをミキシングし、レーダ装置1から物体までの距離に比例したビート周波数を持つビート信号を抽出し、当該ビート信号をFFT解析し、ピーク検出により周波数を検出する。つまり、レーダ装置1は、物体を検出した場合、ビート信号をFFT解析することによってピークを検出することができる。
また、レーダ装置1に対して真正面の物体から反射した反射波はビート周波数間の位相は揃う。一方、ある角度を伴って反射波がかえってくる場合は、ビート周波数間に経路差に基づいた分だけ位相差があらわれる。これによって、制御ECU3は、レーダ装置1に対する物体の方位を検出することができる。なお、上述したように、同じ距離に2つ以上の物体が存在すると、受信アンテナ13に入力される反射波の合成波が一致し、物体の方位を検出できなくなることがある。
ここで、レーダ装置1の断面図の一例を示す。図3は、図2のレーダ装置1を拡大し、図2の任意の点を原点とするXY平面において、当該平面で切断した断面図である。なお、図3では一例としてレーダ装置1に上述した制御ECU3が備わっている例を示した。また、図3や上述した図1〜2の説明において、本実施形態と直接関係の無い構成は省略している。
図3に示すように、レーダ装置1の送信アンテナ14は遮蔽手段11に覆われている。なお、以下、図3を参照しつつレーダ装置1の内部構造を説明するが、遮蔽手段11をシャッター機構111と称して説明する。
図3に示すように、シャッター機構111は、送信アンテナ14とレドーム12との間に設けられている。また、図3に示すように、送信アンテナ14の中心をy軸とし、当該y軸の右側をRとし、左側をLとすると、シャッター機構111は送信アンテナ14の右側または左側を覆うものである(図3の例であると送信アンテナ14の左側が覆われている)。つまり、シャッター機構111は、送信アンテナ14の右側(R)または左側(L)を覆うように左右に駆動(左右交互に開閉)するものである。
なお、シャッター機構111において、送信アンテナ14を覆う部分は、送信アンテナ14が放射する電波を吸収することのできる素材であることが好ましい。
つまり、シャッター機構111は、送信アンテナ14から放射される電波を通過させる開口部と送信アンテナ14から放射される電波を遮蔽する遮蔽部とを備えるものである。さらに、制御ECU3は、当該シャッター機構111の遮蔽状態と受信アンテナ13により受信した反射波の検出状態に基づいて、車両周辺の物体の方位を検出する。
次に、シャッター機構111の動きと、受信アンテナ13により受信した反射波の検出状態との関係を説明する。なお、以下の説明においても、図3で示したレーダ装置1を例に説明する。
図4の(状態L)は、シャッター機構111によって送信アンテナ14の左側(L)が覆われている様子を示した図である。なお、図4の(状態L)に示すように送信アンテナ14の右側(R)はシャッター機構111によって覆われてはいない。つまり、図4の(状態L)に示すように、例えば、送信アンテナ14が電波を放射したとしても、当該送信アンテナ14の左側(L)はシャッター機構111により覆われているのでレーダ装置1から外側に電波が放射されることはない。一方、送信アンテナ14の右側(R)はシャッター機構111により覆われてはいないので、右側方向にのみ電波が放射される。
図4の(状態Lのときの波形)は、図4の(状態L)に示した状態で送信アンテナ14が電波を照射し、図示しない受信アンテナ13が受信した電波を制御ECU3によってビート信号をFFT解析し、信号強度と周波数との関係を示した図である。
次に、シャッター機構111によって送信アンテナ14の左側(L)が覆われていたのを、制御ECU3はシャッター機構111を制御し、当該シャッター機構111によって送信アンテナ14の右側(R)を覆う。
図4の(状態R)は、シャッター機構111によって送信アンテナ14の右側(R)を覆っている様子を示した図である。つまり、図4の(状態R)に示すように、例えば、送信アンテナ14が電波を放射したとしても、当該送信アンテナ14の右側(R)はシャッター機構111により覆われているのでレーダ装置1から外側に電波が放射されることはない。一方、送信アンテナ14の左側(L)はシャッター機構111により覆われてはいないので、左側方向にのみ電波が放射される。
図4の(状態Rのときの波形)は、図4の(状態R)に示した状態で送信アンテナ14が電波を照射し、図示しない受信アンテナ13が受信した電波を制御ECU3によってビート信号をFFT解析し、信号強度と周波数との関係を示した図である。
ここで、図2に示したような車両に搭載されたレーダ装置1から、図4にそれぞれ示した波形が得られたと仮に想定する。
図4の(状態Lのときの波形)と(状態Rのときの波形)とを比較すると、波形に変化が見られることがわかる。具体的には、図4の(状態Lのときの波形)であらわれていたピークpが、図4の(状態Rのときの波形)では消失していることがわかる。上述したように、上記レーダ装置1を含む、車両に搭載された一般的なミリ波レーダ装置では、車両の外側に向けて電磁波(例えばミリ波)を放射し、車両前方の周囲に物体が存在したとすれば、当該物体からの反射波を受信アンテナで受信することができる。そして、受信アンテナで受信した反射波について予め定められた処理を行うことにより、例えば図4の(状態Lのときの波形)に示すような、ピークを持つ波形を得ることができる。
つまり、制御ECU3は、図4の(状態Lのときの波形)および(状態Rのときの波形)から、y軸を基準に、当該y軸の右側(R)に物体が存在していると処理する。なお、y軸を基準に、当該y軸の左側(L)にも物体が存在していると仮定するならば、信号強度と周波数との関係は、図4の(状態Lのときの波形)となる。
言い換えると、例えば、従来では、レーダ装置から同じ距離に2つ以上の物体が存在すると、当該2つの物体のレーダ装置に対する方位をそれぞれ検出することができなかった。しかしながら、本実施形態に係るレーダ装置1によれば、当該レーダ装置1に対して同じ距離に、例えば、y軸を基準に右側(R)および左側(L)にそれぞれ物体が存在したとしても方位検出が可能となる。
すなわち、シャッター機構111によって送信アンテナ14の左側(L)が覆われているときに、図4の(状態Lのときの波形)に示すような波形が得られ、送信アンテナ14の右側(R)が覆われているときに、図4の(状態Rのときの波形)に示すような波形が得られれば、レーダ装置1に対して右側(R)に物体が存在していることが分かる。
同様に、シャッター機構111によって送信アンテナ14の右側(R)が覆われているときに、ピークpを持った図4の(状態Lのときの波形)に示すような波形が得られ、送信アンテナ14の左側(L)が覆われているときに、図4の(状態Rのときの波形)に示すような波形が得られれば左側(L)に物体が存在していることが分かる。
また、シャッター機構111によって送信アンテナ14の左側(L)が覆われているときも、ピークpを持った図4の(状態Lのときの波形)に示すような波形が得られ、右側(R)が覆われているときも、ピークpを持った図4の(状態Lのときの波形)に示すような波形が得られれば、y軸を基準に右側(R)および左側(L)にそれぞれ物体が存在することがわかる。
なお、レドーム12自体の透過特性により物体の方位検出をしたり、誘電率の変化に伴う波長の変化から物体の方位検出をしたりすることも可能である。
以下、図5を参照して、反射波強度変化による物体の方位検出について説明する。図5は、シャッター機構111の動きと、受信アンテナ13により受信した反射波の検出状態との関係を説明するための図である。
図5の(状態OP)は、シャッター機構111によって送信アンテナ14の右側(R)および左側(L)は覆われていない。言い換えるなら送信アンテナ14はシャッター機構111によって覆われてはおらず、送信アンテナ14は方向に制限を受けずに電波を放射することができる。
図5の(状態OPのときの波形)は、図5の(状態OP)に示した状態で送信アンテナ14が電波を放射し、図示しない受信アンテナ13が受信した電波を制御ECU3によってビート信号をFFT解析し、信号強度と周波数との関係を示した図である。
まず、状態OPにおいて図5の(状態OPのときの波形)に示すような波形がみられた場合、車両前方の周囲に少なくとも物体が存在することが分かる。つまり、車両前方の周囲の物体からの反射波を受信アンテナ13で受信し、制御ECU3が予め定められた処理を行いピークpを検出したと考えられる。
次に、図5の(状態R)に示すように、シャッター機構111によって、例えば、送信アンテナ14の右側(R)を覆った場合に、図5の(状態Rのときの波形1)または(状態Rのときの波形2)に示すような波形がみられた場合を仮に想定する。
図5の(状態Rのときの波形1)のように、波形に変化がなかった場合、y軸を基準に左側(L)に物体が存在することがわかる。
一方、図5の(状態Rのときの波形2)に示すように、ピークpの減衰がみられた場合、制御ECU3はシャッター機構111を制御し、一旦、図5の(状態CL)に示すように送信アンテナ14の全体を覆う。
このとき、送信アンテナ14が放射した電波が同じ物体に反射し受信アンテナ13が反射波を受信した場合、シャッター機構111により送信アンテナ14が覆われていない場合と比べて、送信アンテナ14が覆われてはいる場合ではピーク強度は小さくなったと想定する。
例えば、図5の(状態CLのときの波形1)に示すように、図5の(状態Rのときの波形2)に示す波形と変化がなければ、y軸を基準に右側(R)に物体が存在することがわかる。つまり、y軸を基準に左側(L)を覆っても覆わなくとも波形に変化が無いことにより、y軸を基準に右側(R)に物体が存在するとわかる。
次に、例えば、図5の(状態CLのときの波形2)に示すように、図5の(状態Rのときの波形2)に示す波形と比べてピークpがさらに減衰したら、y軸を基準に右側(R)および左側(L)の両側に物体が存在することがわかる。つまり、これまで覆われていなかった左側(L)を覆うと波形に変化(減衰)がみられたことにより、y軸を基準に右側(R)および左側(L)の両側に物体が存在することがわかる。
なお、図5で示した例では、先に送信アンテナ14の右側(R)を覆う例を説明したが、先に左側(L)を覆い、同様の処理を行ってもよいことは言うまでもない。
また、上述したようにシャッター機構111は、送信アンテナ14の右側(R)または左側(L)を覆うように左右に駆動(左右交互に開閉)するものであるが、その駆動タイミングは、具体的には数ミリ秒間隔程度が好ましいが、送信アンテナ14の放射する電波の周波数に合わせて上記駆動のタイミングは適宜変更されてもよい。
例えば、シャッター機構111の駆動のタイミングとして、以下のような例も挙げられる。図6は、周波数とシャッター機構111の駆動タイミングとの関係を示した図である。なお、図6において、Lとはシャッター機構111によって送信アンテナ14の左側(L)が覆われている時間帯であり、Rとはシャッター機構111によって送信アンテナ14の右側(R)が覆われている時間帯のことである。つまり、図6のLは図4の(状態L)に相当し、図6のRは図4の(状態R)に相当する。
上述したように、レーダ装置1を含む一般的なFMCW方式のレーダ装置では送信アンテナから放射する電波の周波数を時間に対し、直線的に上昇または下降し、当該送信アンテナから電波を放射する。そして、送信アンテナから放射される電波は、例えば車両周辺に物体が存在するとすれば、当該物体で反射し、当該反射波を受信アンテナで受信することができる。
ここで、シャッター機構111の駆動タイミングを、例えば、図6で示した三角波と同期させる。具体的には、シャッター機構111の駆動タイミングを、例えば、図6に示すようにアップビート、ダウンビート各々に対してLとRとになるように制御ECU3は、シャッター機構111を制御する。また、図6において図示はしていないが、図6の1つの三角波に対してLおよびRの何れか1の状態となるように制御ECU3は、シャッター機構111を制御してもよい。このようにすれば、送信アンテナ14から放射した送信波と受信アンテナ13で受信した受信波とをミキシングする際の処理に影響を与えることはない。
なお、上述したシャッター機構111の「シャッター機構」との名称は本実施形態を説明するために付した名称である。つまり、上述したシャッター機構111は、送信アンテナ14が放射する電波を吸収することのできる素材で、送信アンテナ14の一部(上述の例ではy軸に対して左右交互)を異なる時間間隔で、異なる位置を覆うことのできる公知の機構でも構わない。例えば、メカ式のシャッターや電子式のシャッター等も適応可能であるし、円状開閉方式などの開閉方式であってもよい。
以上、本発明の第1の実施形態に係るレーダ装置1によれば、レーダ装置1にシャッター機構111を備えるといった簡易な方法で、等距離にある複数の物体の方位検知が可能となる。
なお、第1の実施形態に係るレーダ装置1を含むドライバーサポートシステムの構成の一例を示した上記図1において、制御ECU3は車両制御ECU4と接続されていてもよい。
上記車両制御ECU4は、制御ECU3から出力された情報(物体の位置、速度等)に基づき、当該物体と車両とが衝突する危険があるか否か等の危険を判断する。そして、車両制御ECU4は、当該判断結果に応じて、車両に搭載されている各種装置を制御し、危険回避動作や被害低減動作などを行わせる。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の第2の実施形態に係るレーダ装置2について説明する。なお、本実施形態でも上述した第1の実施形態と同様に、当該レーダ装置2を含むドライバーサポートシステム(DSS(Driver Support System))が、車両(以下、例えば乗用車等)に搭載される場合を想定して説明する。
また、以下の第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、同様の動作については、その説明は省略し、同様の構成要素は同じ参照符号を付して、その説明は省略する。
具体的に、上述した第1の実施形態と異なる点は、上記シャッター機構111がスライド機構112である点である。
上述した第1の実施形態では、シャッター機構111によって、送信アンテナ14の右側(R)または左側(L)を覆うように左右に駆動(左右交互に開閉)するものであった。図7の詳細は後述するが、例えば、図7の(状態B)に示すように、スライド機構112は、図7の(状態B)のx軸方向における任意の位置で予め定められた大きさの隙間を構成するものである。なお、上記スライド機構112は、送信アンテナ14を覆わないようにすることもできる(図7の状態A参照)。
次に、スライド機構112の動きと、受信アンテナ13により受信した反射波の検出状態との関係を説明する。
図7の(状態A)は、スライド機構112によって送信アンテナ14が覆われていない場合を示した図である。
図7の(状態B)は、スライド機構112によって送信アンテナ14の一部が覆われている、つまり、送信アンテナ14を覆う一部に隙間が構成されている場合を示した図である。なお、x軸方向における上記隙間の位置をxBとする。
図7の(状態C)は、スライド機構112によって送信アンテナ14の一部が、上記状態Bと異なる位置において覆われている場合を示した図である。なお、x軸方向における上記隙間の位置をxCとする。
つまり、上記状態Bの場合に、送信アンテナ14が電波を放射するとxBの方向に電波を放射することになる。同様に、上記状態Cの場合に、送信アンテナ14が電波を放射するとxCの方向に電波を放射することになる。
なお、図7には状態Aと状態Bとにおいて、それぞれ送信アンテナ14が電波を放射し、図示しない受信アンテナ13が受信した電波を制御ECU3によってビート信号をFFT解析し、信号強度と周波数との関係を示してある。
ここで、図2に示すように車両に搭載されたレーダ装置2から、図7の(状態Aのときの波形)、(状態Bのときの波形1)、および(状態Bのときの波形2)に示した波形がそれぞれ得られたと仮に想定して、以下説明する。
まず、上記状態Aにおいて図7の(状態Aのときの波形)に示すような波形がみられた場合、車両前方の周囲に少なくとも物体が存在することが分かる。つまり、車両前方の周囲の物体からの反射波を受信アンテナ13が受信し、制御ECU3が予め定められた処理を行いピークpを検出したと考えられる。
次に、スライド機構112が、xBの位置で送信アンテナ14の一部を覆った場合に、図7の(状態Aのときの波形)と波形の変わらない、波形が得られたとする。(図7における「変化なし」)。この場合、xBの方向に物体が存在することが分かる。
一方、スライド機構112が、xBの位置で送信アンテナ14の一部を覆った場合に、図7の(状態Aのときの波形)と異なる波形が得られたとする。具体的には、ピークpの消滅(図7の(状態Bのときの波形1))やピークpの減衰(図7の(状態Bのときの波形2))などである。このような波形がみられた場合、制御ECU3は、スライド機構112を制御して、例えば、図7の状態Cのように送信アンテナ14の一部が上記状態Bと異なる位置において覆われるようにする。
なお、制御ECU3は、スライド機構112を制御して、送信アンテナ14を覆う位置をさらに変化させ、図7の(状態Aのときの波形)と同じ波形が得られる隙間の位置を特定する。これによって、物体の位置を検出することができる。例えば、図示はしないが、仮に状態Cのときに得られた波形が図7の(状態Aのときの波形)と同じであれば、そのときの隙間の位置に応じた方向、つまりxCの方向に物体が存在していることが分かる。
なお、上述したスライド機構112の「スライド機構」との名称は本実施形態を説明するために付した名称である。つまり、上述したスライド機構112は、送信アンテナ14が放射する電波を吸収することのできる素材で、送信アンテナ14を任意の位置で、異なる時間間隔で覆うことのできる公知の機構でも構わない。
また、上述ではシャッター機構111やスライド機構112は、送信アンテナ14とレドーム12との間に設けたが、図8に示すように、レドーム12上に設けても構わない。
以上、本発明の第2の実施形態に係るレーダ装置2によれば、レーダ装置2にスライド112を備えるといった簡易な方法で、等距離にある複数の物体の方位検知が可能となる。
上記実施形態で説明した態様は、単に具体例を示すものであり、本願発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。よって、本願の効果を奏する範囲において、任意の構成を採用することが可能である。
本発明に係るレーダ装置は、例えば、車両に搭載され、等距離にある複数の物体の方位検知が可能な車載用レーダ装置等に有用である。
1、2…レーダ装置
11…遮蔽手段
111…シャッター機構
112…スライド機構
12…レドーム
13…受信アンテナ
14…送信アンテナ
3…制御ECU
4…車両制御ECU

Claims (1)

  1. レドーム内に電波を放射する送信アンテナと物体から反射した反射波を受信する受信アンテナとを備えるレーダ装置であって、
    前記送信アンテナから放射される電波を通過させる開口部と前記送信アンテナから放射される電波を遮蔽する遮蔽部とを有する遮蔽手段と、
    前記開口部を移動させる移動手段と、
    前記開口部の位置と前記反射波とに基づいて前記レーダ装置に対する前記物体の方位を検出する検出手段とを備える、レーダ装置。
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