本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例1又は実施例5などについて述べるような形態である。
図1Aは本発明の実施例1による液晶テレビを示すものである。図1A(a)において、31はテレビに使用される液晶表示パネル、40はこの表示パネル31などを保持する筐体である。前記筐体40の中には、図示は省略しているが、前記表示パネル31に所定の情報を表示するための処理装置や液晶用バックライト装置などが備えられている。
また、図1A(a)において、41は前記筐体40の内部に収容された赤外線発生源としての赤外線ランプ(図1Aの紙面に対して直交する方向に延びる細長い棒状のランプ)、43は前記赤外線ランブ41からの暖房用の赤外線(遠赤外線など)を後述の導光板44の方向に反射・集光させるために前記赤外線ランプ41の図示下方を覆っている断面が略半円状の反射板である(なお、前記反射板43は、前記赤外線ランプ40を保持及び保護するためのホルダーを兼ねる)。
また、図1A(a)において、44は前記赤外線ランプ41から導かれた暖房用の赤外線を、前記表示パネル31の画面と並行でこれと対向又は接触する面全体に拡散して、前記表示パネル31の画面と並行でこれと対向又は接触する面のほぼ全面から、面状に、ユーザー10の方向に反射させるための透明な導光板(Light Guide Plate)、である。前記導光板44は、アクリル樹脂などの透明樹脂で形成されている。
なお、ここで、前記導光板44の構造を図1A(b)を参照して説明する。図1A(b)に示すように、前記導光板44には、その表示パネル31側(図示左側)の面に、多数の反射プリズムBが形成されている。この反射プリズムBは、例えば100μm間隔の狭ピッチで形成されている。前記赤外線ランプ41からの赤外線は、導光板44の中に導入されると、前記反射プリズムBで反射されて、ユーザー方向(図示右方向)に反射される(図1A(b)の破線A参照)。
以上のように、前記導光板44は、前記表示パネル31に表示された画像をユーザーの方向に透過できる透明な構造を保ちながら、同時に、前記赤外線ランプ41からの赤外線を面状に拡散させて更にユーザー方向に反射させる機能をも有している。
すなわち、前記導光板44は、前記赤外線ランプ41からの赤外線を表示パネル31の画面と対向又は接触する部分の面全体に広げるという「赤外線拡散機能」と、この拡散した赤外線をユーザー方向に反射させるという「赤外線への指向性付与機能」との2つの機能を果たしている。
なお、前記の導光板44の反射プリズムBの機能及び構成の理解に資するため、日経BP社発行の雑誌「日経エレクトロニクス2004年3月1日号」の第35ページの「1枚のパネルで両面液晶 透明な導光板で実現」という記事の一部を、次の(a)及び(b)のとおり、引用しておく。前記導光板44は、この記事で紹介されているバックライト用の透明な導光板と同様のものである。
(a)「1枚のパネルを使って表と裏の両面ともに画像表示できる液晶パネル・モジュール「リバーシブルLCD」を三菱電機が試作した。バックライト光源の光を液晶パネルまで導く導光板を、従来の不透明なものから透明な構造に変えることで実現した。(中略)従来の導光板は,液晶パネルと反対側の面にすりガラスのような凹凸をつけ,液晶パネルに向け光を散乱させていた。パネルと反対の方向に散乱した光は,反射板でパネル側に戻していた。このすりガラスのような凹凸と反射板との2つが,導光板に入射した光の透過を拒んでいた。今回の導光板は,前記凹凸の代わりに「反射プリズム」を形成した。この「反射プリズム」が導光板内部を伝わる光をパネル側に全反射するので、反射板を省略できる。反射プリズムの面積は,パネル面に垂直な方向からみると非常に狭い。このため,パネル面に垂直方向から入射した光のほとんどは、導光板を透過できる。(後略)」
(b)「・透明な導光板の採用で、表も裏も画像表示。液晶パネルを2つの導光板が挟む構造を採る。パネルの垂直方向に進行する光(点線部)の大部分を透過する構造の導光板を開発したことで,表と裏の両方で画像が表示できるようになった。従来の導光板は,すりガラスのような凹凸を裏面に持つ上,導光板を通る光の利用率を高めるための反射板を付けているため,光を透過させることができなかった。今回の「リバーシブルLCD」の導光板は、100μm間隔で多数の反射プリズムを形成し、これらにより導光板を通る光を反射させるようにしたので、凹凸や反射板を不要にできた。・従来の液晶パネル・モジュールの導光板:導光板に凹凸を付け、光を散乱させる。液晶パネルの反対側に散乱した光は、反射板で跳ね返す。・「リバーシブルLCD」の導光板:100μm間隔で反射プリズムを付け、光を全反射させる。導光板の凹凸や反射板が不要になり、導光板を透明にできる。」
また、図1A(a)において、48は前記導光板44の図示上方の端面に接触且つ対向するように配置された反射板(例えば、銀スパッタフィルム)であって、前記導光板44に導光された赤外線が前記端面から無意味な方向に逃げないようにするための反射板である。
本実施例1は、ユーザー10がリモートコントローラ(図示せず)を使用して操作する。ユーザー10が、前記リモートコントローラにより、「赤外線を表示画面方向からユーザー方向に向けて、表示画面と対向又は接触する部分のほぼ全面から、面状に照射することによる輻射熱暖房(赤外線暖房)を行うように指令する信号」を送信すると、筐体40内に内蔵されたコントローラ(図示せず)の制御により、前記赤外線ランプ41に所定の電力が供給される。
これにより前記赤外線ランプ41からの暖房用の赤外線が前記導光板44に入射され、さらに、これが導光板44内で拡散され且つユーザー方向に反射されて、ユーザー10の方向に照射される(図1A(a)の符号Aで示す破線の矢印を参照)。なお、前記リモートコントローラは、前記赤外線ランプ41からの赤外線の照射量も調整できる。
なお、本実施例1においては、図1Aに示すように赤外線ランプ41は前記導光板44の下方に配置されているが、本発明では、前記赤外線ランプ41は導光板44又は表示パネル31の上方又は側方に配置するようにしてもよい。
なお、本実施例1と異なって、「図1Aの赤外線ランプ41を使用して、これから直接にユーザー方向に赤外線を照射する」という従来の赤外線暖房機による暖房方法も考えられる。しかしながら従来の赤外線暖房機による暖房方法では、赤外線ランプとユーザー10との間にテーブル20などの障害物が存在することが多いため、赤外線ランプからの赤外線の大部分はユーザー10に直接に照射できないという可能性が高い。
これに対して、本実施例1のように、赤外線ランプ41からの暖房用の赤外線をいったん導光板44に導き、この導光板44により、前記表示パネル31の表示画面と対向又は接触する部分の略全面から面状にユーザー10に供給するようにしたときは、赤外線ランプ41からの赤外線は、テーブル20などの障害物に邪魔されることなく、ユーザー10側に確実に照射される。すなわち、一般に、テレビの表示画面とユーザー10との間には障害物は存在しない(そうでないと、ユーザー10は障害なくテレビ画面を視聴することができない)ので、本実施例1のようにテレビの表示画面と対向又は接触する面(導光板44)から赤外線を照射することにより、暖房用の赤外線を確実にユーザー10に照射することができる。
また、本実施例1では、ユーザー10が操作する前記リモートコントローラの信号は、「近赤外線以外の無線」、例えば電波を使用することが望ましい。なぜなら、前記表示パネル31の画面方向から多量の赤外線(遠赤外線だけでなく近赤外線を含む)がユーザー方向に照射されるので、前記リモートコントローラからの信号の送信のために近赤外線を使用する場合は、前記リモートコントローラからの信号が前記赤外線ランプ41からの近赤外線と混信して、テレビの操作についての誤作動が発生してしまう恐れがあるためである。
また、本実施例1において、前記ユーザー10が手元で使用するリモートコントローラの信号として近赤外線を使用する場合は、近赤外線を吸収(遮蔽)する機能を有する透明の近赤外線吸収フィルムを、図1Aの前記導光板44のユーザー側に配置することが望ましい。なぜなら、前記透明の近赤外線吸収フィルムにより、前記赤外線ランプ41からの近赤外線が前記導光板44を介してユーザー方向に照射されることによる前記リモートコントローラの誤作動を防止できるからである。
また、本実施例1では、液晶テレビの液晶表示パネル31のユーザー側に導光板44を配置する例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、前記液晶表示パネル31に代えて様々な画面表示部を採用することができる。すなわち、本発明では、前記液晶表示パネル31に代えて、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネル、FED(フィールド・エミッション・ディスプレイ)パネル、背面投射型テレビのスクリーン、ホームシアタ用のフロント・プロジェクタからの映像を表示するためのスクリーン、などの様々な画面表示部を採用することができる。
また、本実施例1では、赤外線発生源として赤外線ランプ41を使用しているが、本発明では、この赤外線ランプ41に代えて、赤外線発生源として、様々な赤外線発生手段、例えば、ハロゲンランプ、赤外線放射セラミック、赤外線放射電気ヒーター、赤外線LED、などを使用することができる。
また、本実施例1では、図1Aに示すように、前記液晶表示パネル31の図示右側の面と導光板44の図示左側の面とが僅かな距離だけ離れているが、本発明では、前記液晶表示パネル31と導光板44とを互いに接触するように配置してもよいことは勿論である。
次に、図1B(a)は本実施例1の暖房装置に付加される制御装置を説明するための図である。図1B(a)において、31は液晶表示パネル、111はこの液晶表示パネル31の照度を検出するための(前記照度の検出により液晶表示パネル31が画像を表示しているかどうかを検出するための)照度センサ、112はユーザーが本実施例1を操作するために使用するリモートコントローラ、41は暖房用の赤外線を発生させるための赤外線ランプ、41aは前記リモートコントローラ112からの操作信号と前記照度センサ111からの検出信号とに基づいて前記赤外線ランプ41への電源供給の有無及び電源の供給量を制御するための電源制御装置、である。
本実施例1では、図1B(a)に示すように、前記表示パネル31の近傍に照度センサ111が付加的に備えられている。この照度センサ111は、前記表示パネル31が画面を表示しているかどうかを検出するためのものである。
前記電源制御装置41aは、ユーザーが手元で操作するリモートコントローラ(リモートコントローラ)112からの制御情報に基づいて、前記赤外線ランプ41への電源の供給の有無を切り換えるようになっている。また、前記電源制御装置41aは、前記リモートコントローラ112からの制御情報に基づいて、前記赤外線ランプ41からの赤外線の発生量をも制御する。さらに、前記電源制御装置41aは、前記照度センサ111からの出力に基づいて、前記照度センサ111からの出力が前記表示パネル31が画面を表示していることを示すものであるときに限り、前記赤外線ランプ41に電源を供給するようにしている。なお、前記リモートコントローラ112は、前記表示パネル31を含むテレビの遠隔操作もできるものであってもよい。
次に、図1B(a)に示す装置を付加された本実施例1の動作を説明する。本実施例1では、前記照度センサ111は常時、表示パネル31が画面を表示しているかどうかを検出し、その検出結果を前記電源制御装置41aに出力する(図1B(a)の矢印a参照)。前記電源制御装置41aは、前記照度センサ111から「前記表示パネル31が画面を表示していること」を示す信号を受信し、且つ、前記リモートコントローラ112から「前記赤外線ランプ41を点灯せよ」との制御情報を受信したときだけ、前記赤外線ランプ41に電源を供給して前記赤外線ランプ41を点灯させるようにしている。
したがって、図1B(a)に示す装置が付加された本実施例1では、もし、ユーザーが前記リモートコントローラ112により赤外線ランプ41の点灯(これによる前記導光板44からの赤外線の放出)を指示しても、前記表示パネル31が画面を表示していないときは、前記電源制御装置41aは前記赤外線ランプ41を点灯させない。
また、本実施例1では、前記表示パネル31が画面を表示しており、前記赤外線ランプ41が点灯し、前記導光板44から赤外線がユーザー方向に放出されている場合でも、その後に前記表示パネル31が画面の表示を停止したときは、前記電源制御装置111は、それを検知したことを示す前記照度センサ111からの信号に基づいて、自動的に、前記赤外線ランプ41への電源の供給を停止する。
以上により、図1B(a)に示す装置を本実施例1に付加したときは、前記表示パネル31の画面表示の動作と前記赤外線ランプ41の点灯動作とが互いに連動するようになる。図1B(a)に示す装置を本実施例1に付加することにより、前記表示パネル31が画面を表示しているときだけ(部屋内にテレビを視聴しているユーザーが居るときだけ)、前記赤外線ランプ41が点灯する。よって、「部屋内に誰もいないのに前記赤外線ランプ41だけが点灯している(ユーザーがテレビは消したのに、赤外線ランプ41を消し忘れている)」という事態を防止することができる。
なお、前記の説明では、前記照度センサ111からの出力を前記電源制御装置41aに出力するようにした(図1B(a)の矢印a参照)が、本発明では、前記照度センサ111からの出力を前記リモートコントローラ112に無線で送信する(図1B(a)の破線の矢印b参照)ようにしてもよい。このようにした場合は、前記リモートコントローラ112は、前記照度センサ111からの信号が前記表示パネル31が画面を表示していることを示すものであるときだけ、前記赤外線ランプ41を点灯させるための指示情報を、前記電源制御装置41aに無線送信するように設定される。
次に、図1B(b)は、前記の図1B(a)に示す装置に代替できる他の装置を説明するための図である。図1B(b)において、図1B(a)と共通する部分には同一の符号を付している。この図1B(b)の装置では、図1B(a)の前記照度センサ111を設置する代わりに、前記表示パネル31を制御する表示パネル制御装置31aが、前記表示パネル31が画面を表示しているとき、そのことを示す信号を前記電源制御装置41aに出力する(図1B(b)の矢印a参照)。したがって、前記の図1B(a)に示す装置に代えて、前記の図1B(b)に示す装置を本実施例1に付加する場合でも、前記表示パネル31の画面表示の動作と前記赤外線ランプ41の点灯動作とが互いに連動するようになり、前記の図1B(a)に関して説明したのと同様の効果を奏することができる。
なお、前記の説明では、前記表示パネル制御装置31aからの出力を前記電源制御装置41aに出力するようにした(図1B(b)の矢印a参照)が、本発明では、前記表示パネル制御装置31aからの出力を前記リモートコントローラ112に無線で出力する(図1B(b)の破線の矢印b参照)ようにしてもよいことは、図1B(a)で説明したのと同様である。
次に、図1B(c)は、前記の図1B(a)に示す装置に代替できる他の装置を説明するための図である。図1B(c)において、図1B(a)と共通する部分には同一の符号を付している。この図1B(c)の装置では、ユーザーが手元で操作するリモートコントローラ(リモートコントローラ)112aが、前記表示パネル制御装置31aと前記電源制御装置41aとに対して、同時に、互いに連動する制御情報を送信するようにしている。すなわち、前記リモートコントローラ112aは、「前記表示パネル31による画面表示を開始させると共に前記赤外線ランプ41の点灯を開始させることを指示する情報」を前記表示パネル制御装置31aと前記電源制御装置41aとに対して同時に無線送信する。また、前記リモートコントローラ112aは、「前記表示パネル31による画面表示を停止させると共に前記赤外線ランプ41の点灯を停止させることを指示する情報」を前記表示パネル制御装置31aと前記電源制御装置41aとに対して同時に無線送信する。以上により、図1B(c)に示す装置を本実施例1に付加した場合でも、前記表示パネル31の画面表示の動作と前記赤外線ランプ41の点灯動作とが互いに連動するようになり、前記の図1B(a)について説明したのと同様の効果を奏することができる。
次に、図1Cは本実施例1の変形例を示すものである。図1Cの例では、「赤外線ランプ41、反射板43、導光板44、及び反射板48」が、前記表示パネル31を収容している筐体40とは別個・独立に構成されている。すなわち、図1Cの例では、前記「赤外線ランプ41、反射板43、導光板44、及び反射板48」が、脚部兼用の支持部101に支持されて、前記筐体40の近傍に配置されている。そして、前記導光板44は、前記支持部101により、前記表示パネル31の近傍のユーザー10側の位置に、前記表示パネル31の表示面と対向又は接触するように配置されている。この図1Cの例では、前記の「赤外線ランプ41、導光板44、反射板43、反射板48、及び支持部101から成るセット」は、前記表示パネル31及び筐体40を含む液晶テレビとは別個・独立に、製造・販売することができる。また、図1Cの例によっても、図1Aを参照して説明した本実施例1と同様の作用効果を奏することができる。また、図1Cに示す変形例についても、前記の図1B(a)−(c)の装置を付加できることは勿論である。
次に、本発明の実施例2を図2に基づいて説明する。本実施例2の構成は、前記の実施例1と基本的に同様である。本実施例2が前記実施例1と異なる点は、図2に示すように、赤外線ランプ41からの赤外線を集光して導光板44に導くための集光レンズ42を赤外線ランプ41と導光板44との間に配置している点である。本実施例2では、この集光レンズ42により、前記赤外線ランプ41からの赤外線が効率的に導光板44の図示下方の端面に導かれるようになる。本実施例2によっても、前記実施例1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
なお、図2において、43aは、前記赤外線ランプ41からの赤外線が前記集光レンズ42を介して前記導光板44に導かれる過程で前記赤外線が無意味な方向に逃げないようにするために前記赤外線ランプ41と前記集光レンズ42を覆う反射板である。
次に、本発明の実施例3を図3Aに基づいて説明する。図3Aにおいて、図1Aと共通する部分には同一の符号を付している。図3Aにおいて、44は、赤外線ランプ41からの暖房用の赤外線を表示パネル31の画面と対向又は接触する部分の面全体に拡散して、ユーザー方向に反射させるための透明な導光板である。すなわち、前記導光板44は、前記赤外線ランプ41からの赤外線を表示パネル31の画面と対向又は接触する部分の面全体に拡散するという「赤外線拡散機能」と、この拡散した赤外線をユーザー方向に反射させるという「赤外線への指向性付与機能」との2つの機能を果たすためのものである。前記導光板44の構成は、図1の導光板44と同様である。
また、図3Aにおいて、45は、前記表示パネル31と前記導光板44との間に介在された透明な反射板(Reflection Sheet)であって、前記導光板44に導かれた光が前記表示パネル31方向に反射しないように(無意味な方向に逃げないように)するための透明な反射板である。前記反射板45は、例えば、銀スパッタフィルムにより、又は銀スパッタフィルムがコーティングされた透明板により、構成されている。この反射板45は、前記の導光板44の反射プリズム(図1A(b)の符号Bを参照)が有する「赤外線への指向性付与機能」が十分なものであるときは、省略してもよい。
また、図3Aにおいて、46は、前記導光板44のユーザー10側に配置された透明な拡散シート(Diffuser)であって、前記導光板44によって前記表示パネル31の画面と対向又は接触する面状に拡散された赤外線をさらに拡散させるための透明な拡散シートである。この拡散シート45は、前記の導光板44が有する「赤外線拡散機能」が十分なものであるときは、省略してもよい。
また、図3Aにおいて、47は、前記拡散シート46のユーザー10側に配置されたプリズムシートであって、前記導光板44及び前記拡散シート45からの赤外線がユーザー10方向に高い指向性を持って出射するように(前記赤外線が無駄な方向に出射しないように)前記赤外線の指向性を高めるためのプリズムシートである。なお、このプリズムシート47は、前記の導光板44が有する「赤外線への指向性付与機能」が十分なものであるときは、省略してもよい。
また、図3Aにおいて、48は、前記導光板44、拡散シート46、及びプリズムシート47の図示上方の端面に対向又は接触するように配置された反射板であって、前記導光板44、拡散シート46、及びプリズムシート47に導光された赤外線が前記端面から無意味な方向に逃げないようにするための反射板である。前記反射板48は、例えば、銀スパッタフィルムにより、又は銀スパッタフィルムがコーティングされた透明板により、構成される。
本実施例3においても、前記実施例1とほぼ同様の作用効果が得られる。すなわち、前記赤外線ランプ41からの暖房用の赤外線が前記導光板44に入射され、さらに、これが導光板44内で拡散されユーザー方向に反射されて(さらに、前記拡散シート46で拡散され、前記プリズムシート47で高い指向性を付与されて)、ユーザー10の方向に照射される(図3Aの符号Aで示す破線の矢印を参照)。
なお、前述のように、前記導光板44と前記表示パネル31との間には面状(平板状)の透明な反射板45が介在させられている。よって、本実施例では、前記導光板44に導光された赤外線による熱が表示パネル31の方向に伝導されて表示パネル31に対して熱による障害を与えてしまうことがより確実に防止されている。
次に、図3Bは本実施例3の変形例を示すものである。図3Bの例では、「赤外線ランプ41、導光板44、拡散シート46、プリズムシート47、及び反射板48」が、前記表示パネル31を収容している筐体40とは別個・独立に構成されている。すなわち、図3Bの例では、「赤外線ランプ41、導光板44、拡散シート46、プリズムシート47、及び反射板48」が、脚部兼用の支持部102に支持されて、前記筐体40の近傍に配置されている。そして、前記の「反射板45、導光板44、拡散シート46、及びプリズムシート47」は、前記支持部101により、前記表示パネル31の近傍の位置に、前記表示パネル31の表示面と対向又は接触するように配置されている。この図3Bの例では、前記の「赤外線ランプ41、導光板44、拡散シート46、プリズムシート47、反射板48、及び支持部102から成るセット」は、前記表示パネル31及び筐体40を含む液晶テレビとは別個・独立に、製造・販売することができる。この図3Bの例によっても、図3Aで説明した本実施例3と同様の作用効果を奏することができる。
図4Aは本発明の実施例4による液晶テレビを示すものである。図4Aにおいて、図1Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図4Aにおいて、51は、前記表示パネル31のユーザー側の表面に備えられた平板状の透明な赤外線反射体である。この透明赤外線反射体51は、後述の赤外線照射体53からの赤外線をユーザーの方向に反射させるためのもので、例えば、銀などの金属の薄膜などがコーティングされた透明なフィルム又はシートから成る。この透明赤外線反射体51は、公知の接着剤などにより、前記表示パネル31のユーザー側の面に固定されている。
また、図4Aにおいて、52は、前記透明赤外線反射体51のユーザー側の表面に備えられた平板状の透明ヒーターで、後述の透明赤外線照射体53を加熱するためのものである。この透明ヒーター52は、例えば、従来より公知のTFT(Thin Film Trasistor)型液晶表示装置の透明電極に使用されているITO(インジウム・スズ酸化物(酸化インジウム))などを材料とする透明導電性フィルムにより構成される。この透明ヒーター52は、ユーザー10が操作するリモートコントローラ操作により、図示しない電源から電流が供給されることにより所定温度まで加熱させられる。この透明ヒーター52は、公知の接着剤などにより、前記透明赤外線反射体51のユーザー側の面に固定されている。
また、図4Aにおいて、53は、前記透明ヒーター52のユーザー側の面に備えられた平板状の透明の赤外線照射体である。この透明の赤外線照射体53は、前記透明ヒーター52からの熱で加熱されて遠赤外線を発生しこれをユーザー側に照射する性質を有するものである。この透明の赤外線照射体53は、例えば、公知の透明セラミック材料から成る薄膜(film)又は平板(sheet)により構成される。公知の透明セラミック材料としては、例えば、株式会社村田製作所(日本国京都府長岡京市東神足1−10−1)が製造・販売している「ルミセラ」(商品名)がある。この「ルミセラ」は、光学ガラスと同等の透過率・透光性を有しており、カメラ用レンズなどに使用されている。この透明赤外線照射体53は、公知の接着剤などにより、前記透明ヒーター52のユーザー側の面に固定されている。
また、図4Aにおいて、54は、前記透明赤外線照射体53により発生された赤外線がユーザー方向以外の無意味な方向(図示上下方向)に逃げないようにするために、前記の透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、及び透明赤外線照射体53の各上下の端面に設置された反射板、である。
次に、本実施例4の動作を説明する。ユーザー10が、リモートコントローラ(図示せず)の操作により、暖房用の赤外線の照射による輻射熱暖房(赤外線暖房)を指示する信号を送信すると、前記筐体40内のコントローラ(図示せず)は、このリモートコントローラからの信号に対応して、図示しない電源から前記透明ヒーター52に所定の電流を流して、前記透明ヒーター52を加熱する。この透明ヒーター52からの熱により前記透明赤外線照射体53が加熱され、この加熱された前記透明赤外線照射体53から暖房用の赤外線が発生して、それがユーザー方向に照射される(図4Aの符号Aで示す破線の矢印を参照)。
なお、前記透明赤外線照射体53から発生された赤外線の中、前記表示パネル31の方向に照射された赤外線は、前記透明赤外線反射体51により反射されてユーザー方向に照射される。したがって、前記透明赤外線照射体53からの赤外線は、そのほとんど全てがユーザー10方向に照射される。よって、効率的な輻射熱暖房を達成できると共に、前記透明赤外線照射体53からの赤外線の熱が前記表示パネル31の障害を発生させてしまうという問題が回避される。
なお、図4Aでは図示していないが、前記表示パネル31と前記透明赤外線反射体51との間に平板状の透明な断熱体を介在させることも可能であり、このようにすれば、前記透明ヒーター52及び前記透明赤外線照射体53からの熱が表示パネル31に伝導することが回避され、表示パネル31の熱による障害がより確実に防止できる。
また、本実施例4において、前記ユーザー10が手元で使用するリモートコントローラの信号に近赤外線を使用するときは、前記透明赤外線照射体53から暖房用の赤外線の中に含まれる近赤外線がユーザー方向に照射されることによるリモートコントローラの誤作動を防止するために、近赤外線を吸収する透明の近赤外線吸収フィルムを図4Aの前記透明赤外線照射体53のユーザー側に配置させることが望ましい。
また、本実施例4においては、前記透明赤外線照射体53に暖房用の赤外線を発生させるために前記透明ヒーター52を使用しているが、本発明では、前記透明赤外線照射体53に透明ヒーターの役割をも持たせることにより、前記透明ヒーター52を省略するようにしてもよい。すなわち、前記透明赤外線照射体53に導電性材料を混合するなどの方法により前記透明赤外線照射体53に導電性を付与するように構成したときは、前記透明赤外線照射体53に外部から電流を供給することにより、前記透明赤外線照射体53は、自ら発熱し(図4Aの例のように前記透明ヒーター52からの熱伝導により加熱させられるのではなく)、暖房用の赤外線を発生するようになる(実施例5参照)。
次に、図4Bは本実施例4の変形例を示すものである。図4Bの例では、「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」が、前記表示パネル31を収容している筐体40とは別個・独立に構成されている。すなわち、図4Bの例では、「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」が、脚部兼用の支持部103に支持されて、前記筐体40の近傍に配置されている。そして、前記の「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」は、前記支持部103により、前記表示パネル31の近傍の位置に、前記表示パネル31の表示面と対向又は接触するように配置されている。この図4Bの例では、前記の「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、反射板54、及び支持部103から成るセット」は、前記表示パネル31及び筐体40を含む液晶テレビとは別個・独立に、製造・販売することができる。図4Bの例によっても、図4Aで説明した本実施例4と同様の作用効果を奏することができる。
図5Aは本発明の実施例5による液晶テレビを示すものである。図5Aにおいて、図4Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。本実施例5は、前記の実施例4と基本的構成は同様であるので、以下では、前記実施例4と異なる点についてのみ説明する。前記実施例4においては、図4Aの前記透明赤外線放射体53から暖房用の赤外線を発生させるために、前記透明赤外線放射体53を加熱するための前記透明加熱体(透明ヒーター)52を使用している。これに対して、本実施例5では、前記透明赤外線放射体に透明加熱体の役割をも持たせることにより、前記透明加熱体52を省略するようにしている。
すなわち、図5Aにおいて、53aは図4Aの前記透明赤外線放射体53に例えばITO(酸化インジウム)などの導電性材料を混合するなどの方法により導電性を有するように構成された透明赤外線放射体である。
したがって、本実施例5においては、前記透明赤外線放射体53aに外部の電源から電流を供給することにより、前記透明赤外線放射体53aは、自ら発熱し(図4Aの例のように前記透明加熱体52からの熱伝導により加熱させられるのではなく)、この発熱により、自ら、暖房用の赤外線を発生し、これをユーザー方向に放射する。なお、図5Aにおいて、55は前記透明赤外線放射体53aのユーザー側に配置された透明な絶縁シートである(前記透明赤外線放射体53aに印加される電圧は数〜数十ボルト程度の弱いもので済むから、前記絶縁シート55は省略も可能である)。
次に、図5Bは本実施例5の変形例を示すものである。図5Bの例では、前記の「透明赤外線反射体51、導電性を有する透明赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54」が、前記表示パネル31を収容している筐体40とは別個・独立に構成されている。すなわち、図5Bの例では、前記の「透明赤外線反射体51、透明赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54」が、脚部兼用の支持部103に支持されて、前記筐体40の近傍に配置されている。そして、前記の「透明赤外線反射体51、透明赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54」は、前記支持部103により、前記表示パネル31の表面の近傍の位置に、これと対向又は接触するように配置されている(なお、前記透明赤外線反射体51は、前記表示パネル31の表面と接触するように配置するのが望ましい)。この図5Bの例では、前記の「透明赤外線反射体51、透明赤外線放射体53a、絶縁シート55、反射板54、及び支持部103」は、前記表示パネル31及び筐体40を含む液晶テレビとは別個・独立に、製造・販売することができる。また、図5Bの例によっても、図5Aで説明した本実施例5と同様の作用効果を奏することができる。
図6Aは本発明の実施例6による鏡台を説明するための図である。図6Aにおいて、図1Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図6A(a)において、131は鏡、140はこの鏡131などを保持・収容するための筐体、140aは前記筐体140を下方から支持するための支持脚、である。
また、図6A(a)において、44は、赤外線ランプ41からの赤外線を、前記鏡131の鏡面と対向又は接触する面全体に拡散して、この拡散した赤外線を面状にユーザー10の方向に反射射させるための透明な導光板(Light Guide Plate)、である。前記導光板44の構造は、図6A(b)に示す多数の反射プリズムBが形成されていることなど、図1Aで説明した実施例1の導光板44と同一である。
次に本実施例6の動作を説明する。ユーザー10が、前記筐体140に取り付けられた操作パネル(図示せず)又はリモートコントローラ(図示せず)を操作して、「鏡131の鏡面方向からユーザー方向に向けて、暖房用の赤外線を照射せよ」という指令信号を、前記筐体140内に内蔵されたコントローラ(図示せず)に送信すると、前記コントローラの制御により、前記赤外線ランプ41に所定の電力が供給される。これにより、前記赤外線ランプ41から暖房用の赤外線が前記導光板44に入射される。この入射された赤外線は、前記導光板44の内部に拡散され、さらに前記導光板44によりユーザー方向に反射されて、ユーザー10に照射される(図6A(a)の符号Aで示す破線の矢印を参照)。なお、ユーザー10は、前記操作パネル又は前記リモートコントローラを操作することにより、前記赤外線ランプ41からの赤外線の照射量も調整できる。
なお、本実施例6においては、図6A(a)に示すように赤外線ランプ41は前記導光板44の下方に配置されているが、本発明では、前記赤外線ランプ41は前記導光板44又は鏡131の上方又は側方に配置するようにしてもよい。また、図6A(a)の例では、鏡31のユーザー側の鏡面と導光板44との間に微小な間隔が開いているが、本発明では、前記鏡面に導光板44を接触(密着)させるようにしてもよい。また、図6Aの例では、赤外線発生源として赤外線ランプ41を使用しているが、本発明では、この赤外線ランプ41に代えて、様々な赤外線発生手段(例えば、ハロゲンランプ、カーボンランプ、赤外線放射セラミック、赤外線放射電気ヒーター、赤外線LED、など)を使用することができる。
次に、図6Bは本実施例6の暖房装置に付加される制御装置を説明するための図である。図6Bにおいて、111aは前記鏡131(図6A参照)の前方にユーザー10が存在しているかどうかを検出するための人体感知センサ、112はユーザーが本実施例6を操作するために使用するための操作部、41は暖房用の赤外線を発生させるための赤外線ランプ、41aは前記操作部112からの操作信号と前記人体感知センサ111aからの信号とに基づいて前記赤外線ランプ41への電源供給の有無及び電源の供給量の制御を行うための電源制御装置、である。
本実施例6では、前記鏡31の近傍に人体感知センサ111aが備えられている。この人体感知センサ111aは、例えば人体から発生する赤外線を検出するなどの方法により、前記鏡131の前方にユーザー10が存在しているかどうかを検出する。図6Bにおいて、前記電源制御装置41aは、前記赤外線ランプ41への電源の供給の有無を制御する。また、前記電源制御装置41aは、前記赤外線ランプ41からの赤外線の発生量も制御できる。
また、図6Bにおいて、前記操作部112は、ユーザーが前記赤外線ランプ41などを操作するための操作情報を入力するための操作パネル又はリモートコントローラである。前記電源制御装置41aは、前記操作部112から入力される操作情報に基づいて、前記赤外線ランプ41への電源の供給の有無を制御する。また、前記電源制御装置41aは、前記操作部112から入力される操作情報に基づいて、前記赤外線ランプ41からの赤外線の発生量を制御する。さらに、前記電源制御装置41aは、前記人体感知センサ111aからの出力に基づいて、前記人体感知センサ111aからの出力が前記鏡31の前方にユーザーが存在していることを示すものであるときに限り、前記赤外線ランプ41に電源を供給するようにしている。
次に、図6Bに示す装置を付加された本実施例6の動作を説明する。本実施例6では、前記人体感知センサ111aは、常時、鏡131の前方にユーザーが存在しているかどうかを検出し、その検出結果を前記電源制御装置41aに出力する(図6Bの矢印a参照)。前記電源制御装置41aは、冬季においては、前記人体感知センサ111aから「前記鏡31の前方にユーザーが存在していること」を示す信号を受信し、且つ、前記操作部112から「前記赤外線ランプ41を点灯せよ」との操作情報を受信したときだけ、前記赤外線ランプ41に電源を供給して前記赤外線ランプ41を点灯させるようにしている。
したがって、図6Bに示す装置が付加された本実施例6においては、もし、前記操作部112から赤外線ランプ41の点灯(前記導光板44からの赤外線の放出による赤外線暖房)を指示する情報が入力されても、前記鏡131の前方にユーザーが存在していないときは、前記電源制御装置41aは、前記赤外線ランプ41を点灯させない。また、本実施例6では、前記鏡131の前方にユーザーが存在しており、前記赤外線ランプ41が点灯している(よって前記導光板44から赤外線がユーザー方向に放出されている)場合でも、その後に前記鏡131の前方からユーザーが存在しなくなったときは、前記電源制御装置41aは、そのことを示す前記人体感知センサ111aからの信号に基づいて、自動的に、前記赤外線ランプ41への電源の供給を停止する。
以上により、図6Bに示す装置を本実施例6に付加したときは、前記鏡131の前方にユーザーが存在しているかどうかと前記赤外線ランプ41の点灯動作とが互いに連動するようになる。よって、本実施例6では、前記鏡131の前方にユーザーが存在しているときだけ、前記赤外線ランプ41が点灯するので、「前記鏡131の前方にユーザーが存在していないのに前記赤外線ランプ41だけが点灯している(ユーザーが前記鏡131の前方から離れたのに、赤外線ランプ41を消し忘れている)」という事態を防止することができる。
なお、前記の説明では、前記人体感知センサ111aからの信号を前記電源制御装置41aに出力するようにした(図6Bの矢印a参照)が、本発明では、前記人体感知センサ111aからの出力を前記操作部112に送信する(図6Bの破線の矢印b参照)ようにしてもよい。この場合は、前記操作部112は、冬季において、前記人体感知センサ111aからの信号が「前記鏡131の前方にユーザーが居ること」を示すものであるときだけ、前記赤外線ランプ41を点灯させるための指示情報を、前記電源制御装置41aに送信するように設定される。
次に、図6Cは本実施例6の変形例を示すものである。図6Cの例では、「赤外線ランプ41、反射筒43、導光板44、及び反射板48」が、前記鏡131を保持している筐体140とは別個に構成されている。すなわち、図6Cの例では、「赤外線ランプ41、反射筒43、導光板44、及び反射板48」が、脚部兼用の支持部101に支持されて、前記筐体140の近傍に配置されている。そして、前記導光板44は、前記支持部101により、前記鏡131の鏡面の近傍の位置に、前記鏡面と対向又は接触するように配置されている。この図6Cの例では、前記の「赤外線ランプ41、反射筒43、導光板44、反射板48、及び支持部101」から成るセット(赤外線放出装置)は、前記鏡131及び筐体140から構成される鏡台(鏡台)(家具)とは別個・独立に、製造又は販売することができる。図6Cに示す変形例によっても、図6Aで説明した本実施例6と同様の作用効果を奏することができる。また、図6Cに示す変形例についても、前記の図6Bの装置を付加できる。
次に、本発明の実施例7を図7に基づいて説明する。本実施例7の構成は、前記の実施例6と基本的に同様である。本実施例7が前記実施例6と異なる点は、図7に示すように、赤外線ランプ41からの赤外線を集光して導光板44に導くための集光レンズ42を赤外線ランプ41と導光板44との間に配置している点である。本実施例7では、この集光レンズ42により、前記赤外線ランプ41からの赤外線が効率的に導光板44の図示下方の端面に導かれるようになる。なお、図7において、43aは、前記赤外線ランプ41からの赤外線が前記集光レンズ42を介して前記導光板44に導かれる過程で前記赤外線が無意味な方向に逃げないようにするために前記赤外線ランプ41と前記集光レンズ42を覆う反射板である。本実施例7によっても、前記実施例6と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施例7においては、「赤外線ランプ41、集光レンズ42、及び反射板43a」を前記導光板44の図示下方に配置しているが、本発明においては、「赤外線ランプ41、集光レンズ42、及び反射板43a」を前記導光板44の図示上方又は側方に配置するようにしてもよい。
次に、本発明の実施例8を図8Aに基づいて説明する。図8Aにおいて、図6A及び図7Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図8Aにおいて、44は導光板である。この導光板44は、図示下方の赤外線ランプ41からの赤外線を、自らの鏡131の鏡面(ユーザー側の面)と対向又は接触する部分の面全体に広げ、さらに、ユーザー方向に反射させる。すなわち、前記導光板44は、前記赤外線ランプ41からの赤外線を、前記鏡131の鏡面と対向又は接触する部分の面全体に広げるという「赤外線拡散機能」と、この拡散した赤外線をユーザー方向に反射させるという「赤外線への指向性付与機能」と、の2つの機能を有している。本実施例8の前記導光板44の構成は、前記の実施例6,実施例7の導光板44と同様である。
本実施例8においても、前記実施例6,7と同様の作用効果が得られる。すなわち、前記赤外線ランプ41からの赤外線が前記導光板44に入射され、さらに、この入射された赤外線が導光板44内で拡散されユーザー10の方向に反射されて(さらに、前記拡散シート46で拡散され、前記プリズムシート47で高い指向性を付与されて)、ユーザー10に向けて照射される(図8Aの符号Aで示す破線の矢印を参照)。なお、本実施例8においては、前記赤外線ランプ41が前記導光板44の図示下方に配置されているが、本発明では、前記赤外線ランプ41を前記導光板44の図示上方又は側方に配置するようにしてもよい。
次に、図8Bは本実施例3の変形例を示すものである。図8Bの例では、図8Aの前記「赤外線ランプ41、導光板44、拡散シート46、プリズムシート47、及び反射板45,48」が、前記鏡131を収容している前記筐体140とは別個・独立に構成されている。すなわち、図8Bの例では、前記「赤外線ランプ41、導光板44、拡散シート46、プリズムシート47、及び反射板45,48」が、脚部兼用の支持部102に支持されて、前記筐体140のユーザー側の近傍に配置されている。また、前記の「反射板45、導光板44、拡散シート46、及びプリズムシート47」は、前記支持部101により、前記鏡131の鏡面のユーザー側に、これと対向又は接触するように配置されている。この図8Bの例では、前記の「赤外線ランプ41、導光板44、拡散シート46、プリズムシート47、反射板45,48、及び支持部102」から成るセット(赤外線放出装置)は、前記鏡131及び筐体140から成る鏡台とは別個・独立に、製造又は販売することができる。また、図8Bの例によっても、図8Aで説明した本実施例8と同様の作用効果を奏する。また、図8Bの例では、赤外線ランプ41は前記導光板44の図示下方に配置されているが、本発明では前記赤外線ランプ41を前記導光板44の図示上方又は側方に配置するようにしてもよい。
図9Aは本発明の実施例9による鏡台を示すものである。図9Aにおいて、131は鏡、140はこの鏡131を収容する筐体である。また、51は、前記鏡131のユーザー側の鏡面に備えられた平板状の透明な赤外線反射体である。この透明赤外線反射体51は、後述の赤外線照射体53からの赤外線をユーザー10の方向に反射させるためのものである。前記透明赤外線反射体51は、例えば、銀などの金属の薄膜などがコーティングされた透明薄膜(film)又は透明薄板(sheet)により構成されている。
また、図9Aにおいて、52は、前記透明赤外線反射体51のユーザー側に備えられたフィルム状又はシート状の透明ヒーターである。前記透明ヒーター52は、後述の透明赤外線照射体53を加熱するためのものである。前記透明ヒーター52は、例えば、透明導電フィルムにより構成される。この透明ヒーター52は、ユーザー10が前記筐体140に設置された操作パネル(図示せず)又はリモートコントローラ(図示せず)を操作することにより、前記筐体140に内蔵されている電源(図示せず)から電流が供給されることにより所定温度まで発熱する。
また、図9Aにおいて、53は、前記透明ヒーター52のユーザー側に備えられたフィルム状又はシート状の透明赤外線照射体である。この透明赤外線照射体53は、前記透明ヒーター52からの熱で加熱されることにより遠赤外線を発生しこの発生した遠赤外線をユーザー側に照射するものである。この透明赤外線照射体53は、例えば、公知の透明セラミック材料から成る薄膜(film)又は平板(sheet)により構成される。公知の透明セラミック材料としては、例えば、株式会社村田製作所(日本国京都府長岡京市天神2−26−10)が製造・販売している「ルミセラ」(商品名)がある。この「ルミセラ」は、光学ガラスと同等の透過率・透光性を有しており、カメラ用レンズなどに使用されている。
また、図9Aにおいて、54は、前記透明赤外線照射体53により発生された赤外線がユーザー10の方向以外の無意味な方向(図示上下方向)に逃げないようにするために、前記の透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、及び透明赤外線照射体53の上下の各端面に設置された反射板、である。
次に本実施例9の動作を説明する。前記操作パネル又はリモートコントローラから、前記鏡131の鏡面と対向又は接触する部分の全面から暖房用の赤外線を照射するように指示する情報が入力されると、前記筐体140に内蔵されたコントローラ(図示せず)は、この入力された指示情報に対応して、前記透明ヒーター52に前記電源から所定の電流を供給して、前記透明ヒーター52を加熱する。この透明ヒーター52からの熱により前記透明赤外線照射体53が加熱される。すると、この加熱された前記透明赤外線照射体53から暖房用の赤外線が発生して、ユーザー方向に照射される(図9Aの符号Aで示す破線の矢印を参照)。
なお、本実施例9では、前記透明赤外線照射体53の図示右側の面には、図1A(b)に示すものと同様の多数の反射プリズムBが狭ピッチで形成されている。そのため、前記透明赤外線照射体53が発生した赤外線は、前記反射プリズムBにより指向性を与えられ、そのほとんどがユーザー10方向に照射される。また、前記透明赤外線照射体53から発生された赤外線の中の前記鏡131の方向に照射された一部の赤外線は、前記透明赤外線反射体51により反射されてユーザー10の方向に照射される。したがって、前記透明赤外線照射体53からの赤外線は、そのほぼ全てがユーザー10方向に照射されることになり、効率的な輻射熱暖房を達成できる。
また、本実施例9においては、前記透明赤外線照射体53に暖房用の赤外線を発生させるために前記透明ヒーター52を使用しているが、本発明では、前記透明赤外線照射体53に透明ヒーターの役割をも持たせることにより、前記透明ヒーター52を省略するようにしてもよい。すなわち、前記透明赤外線照射体53に導電性材料を混合するなどの方法により前記透明赤外線照射体53に導電性を付与するように構成したときは、前記透明赤外線照射体53に外部から電流を供給することにより、前記透明赤外線照射体53は、自ら発熱し(図4Aの例のように前記透明ヒーター52からの熱伝導により加熱させられるのではなく)、暖房用の赤外線を発生するようになる(次の実施例10参照)。
次に、図9Bは本実施例9の変形例を示すものである。図9Bの例では、図9Aの前記「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」が、前記鏡131を収容している筐体140とは別個・独立に構成されている。すなわち、図9Bの例では、前記「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」が、脚部兼用の支持部103に支持されて、前記筐体140のユーザー側に配置されている。そして、前記の「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」は、前記支持部103により、前記鏡131の鏡面の近傍の位置に、前記鏡面と対向又は接触するように配置されている。また、図示は省略するが、前記支持部103には、前記透明ヒーター52を制御及び駆動するためのコントローラ及び電源などが内蔵されている。この図9Bの例では、前記の「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、反射板54、及び支持部103」から成るセット(赤外線放出装置)は、前記鏡131及び筐体140から成る鏡台(家具)とは別個・独立に、製造又は販売することができる。また、図9Bの例によっても、図9Aで説明した本実施例9と同様の作用効果を奏する。
図10Aは本発明の実施例10による液晶テレビを示すものである。図10Aにおいて、図9Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。本実施例10は、前記の実施例9と基本的構成は同様であるので、以下では、前記実施例9と異なる点についてのみ説明する。
前記の実施例9においては、図9Aの前記透明赤外線放射体53から暖房用の赤外線を発生させるために、前記透明赤外線放射体53を加熱するための前記透明加熱体(透明ヒーター)52を使用している。これに対して、本実施例10では、前記透明赤外線放射体に透明加熱体の役割をも持たせることにより、前記透明加熱体52を省略するようにした。
すなわち、図10Aにおいて、53aは図9Aの前記透明赤外線放射体53に例えばITO(酸化インジウム)などの導電性材料を混合するなどの方法により導電性を有するように構成された透明赤外線放射体である。したがって、本実施例10においては、前記透明赤外線放射体53aに外部の電源から電流を供給することにより、前記透明赤外線放射体53aは、自ら発熱し(図9Aの例のように前記透明加熱体52からの熱伝導により加熱させられるのではなく)、この発熱により、自ら、暖房用の赤外線を発生し、ユーザー方向に放射する。なお、図10Aにおいて、55は前記透明赤外線放射体53aのユーザー側に配置された透明な絶縁シートである(前記透明赤外線放射体53aに印加される電圧は数〜数十ボルト程度の弱いもので済むから、前記絶縁シート55は省略してもよい)。
次に、図10Bは本実施例10の変形例を示すものである。図10Bの例では、前記の「透明赤外線反射体51、導電性を有する透明赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54」が、前記表示パネル131を収容している筐体140とは別個・独立に構成されている。すなわち、図10Bの例では、前記「透明赤外線反射体51、透明赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54」が、脚部兼用の支持部103に支持されて、前記筐体140の近傍に配置されている。そして、前記「透明赤外線反射体51、透明赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54」は、前記支持部103により、前記表示パネル131の表面の近傍の位置に、これと対向又は接触するように配置されている(なお、前記透明赤外線反射体51は、前記表示パネル131の表面と接触するように配置するのが望ましい)。この図10Bの例では、前記の「透明赤外線反射体51、透明赤外線放射体53a、絶縁シート55、反射板54、及び支持部103」は、前記表示パネル31及び筐体40を含む液晶テレビとは別個・独立に、製造・販売することができる。また、図10Bの例によっても、図10Aで説明した本実施例10と同様の作用効果を奏することができる。
次に、図11Aは本発明の実施例11による窓板を利用した暖房装置を示す断面図である。図11Aにおいて、図1Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図11Aにおいて、90は建物の外壁(外壁90の図示左側が戸外、同図示右側が室内)、91は前記外壁90の開口部に取り付けられたガラス製の窓板、92は前記窓板91を前記外壁90の開口部に固定するための金属製のサッシ(窓枠)、である。
本実施例11では、図11Aに示すように、前記窓板91の室内側の面に、前記実施例1(図1A)で説明したものと同様の導光板44が、公知の接着剤などを使用して固定されている。また、前記導光板44の図示下方には、前記赤外線ランプ41と、前記赤外線ランプ41からの赤外線を前記導光板44に導くと共に前記赤外線ランプ41を保持・保護するための断面が略半円状の反射板43と、が備えられている。なお、前記反射板43は、前記赤外線ランプ41を保持するための赤外線ランプホルダーを兼ねる。また、図11Aにおいて、93は前記の赤外線ランプホルダーを兼ねる反射板43を、前記サッシ92に取り付けるための取り付け部である。この取り付け部93は、ネジ94などにより前記サッシ92に固定されている。なお、図11A(b)は前記導光板44の構成を説明するための図であるが、前記の図1A(b)と基本的に同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施例11によれば、前記赤外線ランプ40に電源を供給して赤外線を発生させることにより、前記の実施例1について述べたことと同様の動作が行われ、前記窓板91の室内側(ユーザー10側)の面と対向する部分(前記導光板44)から、暖房用の赤外線をユーザー10に照射して赤外線暖房を行うことができる。
なお、本実施例11で使用されている前記窓板91は、前記外壁90に固定されているタイプ(「嵌め殺し」タイプ)のものであるが、本発明においては、これに限られることなく、例えばユーザーから見て左右方向にスライド可能な窓板、ユーザーから見て前後方向に回動可能な窓板なども使用することができる。
次に、図11Bは本実施例11の変形例を示すものである。図11Bの例では、「赤外線ランプ41、反射板43、導光板44、及び反射板48」が、前記窓板91とは別個・独立に構成されている。すなわち、図11Bの例では、「赤外線ランプ41、反射板43、導光板44、及び反射板48」が、脚部兼用の支持部101に支持されて、前記窓板91の近傍に配置されている。そして、前記導光板44は、前記支持部101により、前記表示パネル31の近傍の位置に、前記窓板91のユーザー側の面と対向するように配置されている。この図11Bの例によっても、図11Aを参照して説明した本実施例11と同様の作用効果を奏することができる。
次に、図12Aは本発明の実施例12による窓板を利用した暖房装置を示す断面図である。図12Aにおいて、図4Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図12Aにおいて、90は建物の外壁(外壁90の図示左側が戸外、同図示右側が室内)、91は前記外壁90の開口部に取り付けられる窓板、92は前記窓板91を前記外壁90の開口部に固定するための金属製のサッシ(窓枠)、である。
本実施例12では、図12Aに示すように、窓板91の室内側の面に、前記実施例4で説明したものと同様の透明赤外線反射板51が、公知の接着剤などを使用して固定されている。また、この透明赤外線反射体51のユーザー10側の面に、前記実施例4で説明したものと同様の透明ヒーター52が、公知の接着剤などを使用して固定されている。また、この透明ヒーター52のユーザー10側の面に、前記実施例4で説明したものと同様の透明赤外線放射体53が、公知の接着剤などを使用して固定されている。また、前記反射板51、透明ヒーター52、及び赤外線放射体53の図示上下の端面には、赤外線が無意味な方向に逃げることを防止するための反射板54が備えられている。
本実施例12によれば、前記透明ヒーター52に図示しない電源から電流を流すことにより、前記実施例4について述べたことと同様の動作が行われ、窓板91の室内側(ユーザー10側)の面と対向する部分(前記透明赤外線放射体51)から、暖房用のの赤外線をユーザー10に照射して赤外線暖房を行うことができる。
なお、本実施例12においては、前記透明赤外線照射体53に暖房用の赤外線を発生させるために前記透明ヒーター52を使用しているが、本発明では、前記透明赤外線照射体53に透明ヒーターの役割をも持たせることにより、前記透明ヒーター52を省略するようにしてもよい。すなわち、前記透明赤外線照射体53に導電性材料を混合するなどの方法により前記透明赤外線照射体53に導電性を付与するように構成したときは、前記透明赤外線照射体53に外部から電流を供給することにより、前記透明赤外線照射体53は、自ら発熱し(図4Aの例のように前記透明ヒーター52からの熱伝導により加熱させられるのではなく)、暖房用の赤外線を発生するようになる。
なお、本実施例12で使用されている前記窓板91は、前記外壁90に固定されているタイプ(「嵌め殺し」タイプ)のものであるが、本発明においては、これに限られることなく、例えばユーザーから見て左右方向にスライド可能な窓板、ユーザーから見て前後方向に回動可能な窓板なども使用することができる。
次に、図12Bは本実施例12の変形例を示すものである。図12Bの例では、図12Aの前記「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」が、前記窓板91とは別個・独立に構成されている。すなわち、図12Bの例では、前記「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」が、脚部兼用の支持部103に支持されて、前記窓板91の近傍に配置されている。そして、前記の「透明赤外線反射体51、透明ヒーター52、透明赤外線照射体53、及び反射板54」は、前記支持部103により、前記窓板91の近傍の位置に、前記窓板91のユーザー側の面と対向するように配置されている。この図12Bの例によっても、図12Aで説明した本実施例12と同様の作用効果を奏することができる。
図13Aは本発明の実施例13による窓板を使用する暖房装置を示すものである。図13Aにおいて、図12Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。本実施例13は、前記の実施例12と基本的構成は同様であるので、以下では、前記実施例12と異なる点についてのみ説明する。
前記の実施例12においては、図12Aの前記透明赤外線放射体53から暖房用の赤外線を発生させるために、前記透明赤外線放射体53を加熱するための前記透明加熱体(透明ヒーター)52を使用している。これに対して、本実施例13では、後述の透明赤外線放射体53aに透明加熱体の役割をも持たせることにより、前記透明加熱体52を省略するようにしている。
すなわち、図13Aにおいて、53aは図12Aの前記透明赤外線放射体53に例えばITO(酸化インジウム)などの導電性材料を混合するなどの方法により導電性を有するように構成された透明な赤外線放射体である。したがって、本実施例13においては、前記透明な赤外線放射体53aに外部の電源から電流を供給することにより、前記透明な赤外線放射体53aは、自ら発熱し(図12Aの例のように前記透明加熱体52からの熱伝導により加熱させられるのではなく)、この発熱により、自ら、暖房用の赤外線を発生し、ユーザー方向に放射する。なお、図13Aにおいて、55は前記透明な赤外線放射体53aのユーザー側に配置された透明な絶縁シートである(前記透明な赤外線放射体53aに印加される電圧は数〜数十ボルト程度の弱いもので済むから、前記絶縁シート55は省略してもよい)。
次に、図13Bは本実施例13の変形例を示すものである。図13Bの例では、前記の透明赤外線反射体51、導電性を有する透明な赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54が、前記窓板91及びサッシ92とは別個・独立に構成されている。すなわち、図13Bの例では、前記「透明赤外線反射体51、透明な赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54」が、脚部兼用の支持部103に支持されて、前記窓板91及びサッシ92の近傍(室内側)に配置されている。そして、前記「透明な赤外線反射体51、透明な赤外線放射体53a、絶縁シート55、及び反射板54」は、前記支持部103により、前記窓板91の室内側の面の近傍の位置に、これと対向又は接触するように配置されている(なお、前記透明な赤外線反射体51は、前記窓板91の内表面と接触するように配置するのが望ましい)。この図13Bの例では、前記の「透明な赤外線反射体51、透明な赤外線放射体53a、絶縁シート55、反射板54、及び支持部103」は、前記窓板91及びサッシ92とは別個・独立に、製造・販売することができる。また、図13Bの例によっても、図13Aで説明した本実施例13と同様の作用効果を奏することができる。
図14A(a)は本発明の実施例14による液晶テレビを示すものである。図14A(a)において、10はユーザー、1は液晶テレビ用の液晶表示パネル、2は液晶パネル用の可視光放射用バックライト(例えば蛍光灯や白色LED)である。また、図14Aにおいて、3aは前記液晶表示パネル1のユーザーに近い側に設置され遠赤外線を前記液晶表示パネル1に向けて放射するための遠赤外線放射装置(例えば遠赤外線ランプ)、4aは前記遠赤外線放射装置3aからの遠赤外線を受けてこれをユーザー側に反射させるために前記液晶表示パネル1のユーザー側表面に備えられた透明の反射部、5はこれらを収容又は保持するための筐体、20はユーザー10と前記遠赤外線放射装置3aとの間に介在するテーブル(家具)、である。
前記反射部4aは、例えば、前記液晶表示パネル1の表面に透明の遠赤外線反射塗料をコーティングした反射膜、又は、前記液晶表示パネル1の表面に貼られた透明の遠赤外線反射フィルム、などにより構成される。なお、前記の透明の遠赤外線反射塗料、又は、透明の遠赤外線反射フィルムは、既に、窓ガラス用などとして多数販売されている。例えば、株式会社ヤマヒラ(東京都台東区台東3−8−12第八江波戸ビル1F)が製造販売している窓用の透明熱線反射(遮断)フィルム「reftel(レフテル)」、NTTアドバンストテクノロジ株式会社(東京都三鷹市下連雀3−35−1ネオシティ三鷹ビル6F)が製造販売している遠赤外線反射塗料「アットシールド・カラー」及び「アットシールド・クリア」、日笠工業株式会社(兵庫県神戸市灘区大石南町3−3−1)が販売している透明遠赤外線反射塗料「アットシールド・クリア」、横河東亜工業株式会社(東京都品川区上大崎1−2−8)が販売施工している「窓ガラス断熱塗装用の遠赤外線反射塗料」、など。
また、図14Aの例では、前記反射部4aは、その表面が図14A(b)のような凹凸を有するように形成されている。前記遠赤外線放射装置3aからの遠赤外線は、前記反射部4aの凹凸に当たることにより、図14A(b)の破線Aで示すように、ユーザー10の方向に反射される。
図14A(a)の液晶テレビでは、前記液晶表示パネル1で画像を表示しているとき、バックライト2からの可視光が前記液晶表示パネル1を透過してユーザー側に画像を表示させると同時に、前記遠赤外線放射装置3からの遠赤外線が前記液晶表示パネル1の表面にコーティングされた透明な反射部4aで反射されてユーザー側に放射(供給)される。よって、ユーザーは、前記液晶表示パネル1に表示される画像を見ながら、同時に、前記液晶表示パネル1の表面の前記反射部4aにより反射(供給)された遠赤外線(図14Aの破線A参照)の輻射熱により身体を温めることができる。
図14A(a)に示す例では、前述のように、ユーザー10と遠赤外線放射装置3aとの間にはテーブル20が存在している。したがって、遠赤外線放射装置3aからの遠赤外線を直接にユーザー10方向に放射しようとしても、前記テーブル20が障害物となって、ユーザー10にはほとんど放射されない。これに対して、本実施例3では、前記遠赤外線放射装置3aからの遠赤外線を前記液晶表示パネル1の表面の反射部4aで反射するようにしているので、前記遠赤外線放射装置3aからの遠赤外線は、前記テーブル20に邪魔されることなく、ユーザー10側に確実に放射される。一般に、テレビの表示面とユーザー10との間には障害物は存在しない(そうでないと、ユーザー10はテレビ画面を障害なく視聴することができない)ので、本実施例3のようにテレビの表示面に形成された反射部4aを使用することにより、遠赤外線放射装置3aからの遠赤外線をユーザー10に確実に放射することができる。なお、本発明では、前記遠赤外線放射装置3aからの遠赤外線をいったん他の反射板で反射させてから前記反射部4aに放射するようにしてもよい。
次に、図14Bは図14Aで説明した本実施例14の変形例を示すものである。図14Bの例では、前記遠赤外線放射装置3aからの遠赤外線をユーザー側に反射させるための透明の反射部4a’が、脚部兼用の支持部104に支持されて、前記筐体5に支持された表示パネル1の近傍の位置に、配置されている。前記透明な反射部4a’は、表面に透明な遠赤外線反射塗料がコーティングされた透明板、又は、表面に透明の遠赤外線反射フィルムが貼られた透明板により構成される。そして、前記の透明の反射部4a’は、前記支持部104により、前記表示パネル1の表面の近傍の位置に、これと対向又は接触するように配置されている(なお、前記透明の反射部4a’は、前記表示パネル1の表面と接触するように配置するのが望ましい)。この図14Bの例では、前記の透明の反射部4a’及び支持部104は、前記表示パネル1及び筐体5を含む液晶テレビとは別個・独立に、製造・販売することができる。また、図14Bの例によっても、図14Aで説明した本実施例14と同様の作用効果を奏することができる。
図15Aは、本発明の実施例15による、液晶表示素子を使用する背面投射型テレビを示すものである。図15Aにおいて、11はスクリーン、12は映像投射用光源ランプ、13は映像投射用液晶表示素子、14は前記表示素子13からの画像を反射するためのミラー、15は前記ミラーからの画像を拡大してスクリーン11に投射するための投射レンズ、16aは前記スクリーン11とユーザー10との間に配置された遠赤外線放射装置であって遠赤外線を前記スクリーン11に向けて放射するための遠赤外線放射装置、17aは前記スクリーン11のユーザー側表面に備えられた透明の反射部であって前記遠赤外線放射装置16aからの遠赤外線をユーザー10の方向に反射させるための透明の反射部、18はこれらを収容・保持するための筐体、20は前記遠赤外線放射装置16aとユーザー10との間に配置されたテーブル(家具)、である。前記反射部17aの構成は前記の図14Aに関して説明した反射部4aと同様であるので説明を省略する。
この図15Aの背面投射型テレビでは、前記表示素子13から投射された画像が、前記ミラー14及び投射レンズ15を介して、ユーザーに見えるようにスクリーン11に表示される。そして、この画像が前記スクリーン11に表示されているとき、同時に、前記遠赤外線放射装置16aからの遠赤外線が前記スクリーン11の表面に存在する透明の反射部17aにより反射されてユーザー方向に放射(供給)される。よって、ユーザーは、前記スクリーン11に表示された画像を見ながら、同時に、前記スクリーン11側の前記反射部17aにより反射された遠赤外線(図15Aの破線A参照)の輻射熱により身体を温めることができる。
図15Aに示す例では、前述のように、ユーザー10と遠赤外線放射装置16aとの間にテーブル20が存在する。そのため、前記遠赤外線放射装置16aからの遠赤外線を直接にユーザー10に放射しようとしても、前記遠赤外線放射装置16aからの遠赤外線は、前記テーブル20が障害物となって、ユーザー10側にほとんど放射できない。これに対して、図15Aの例では、前述のようなテーブル20が存在している場合でも、前記遠赤外線放射装置16aからの遠赤外線が、前記スクリーン11の表面の反射部17aで反射されることにより、前記テーブル20に邪魔されることなく、ユーザー10側に放射される。一般に、テレビの表示面とユーザー10との間には障害物は存在しない(そうでないと、ユーザー10はテレビ画面を障害なく視聴することができない)ので、図15Aの例のようにテレビの表示面に形成された反射部17aを使用することにより、前記遠赤外線放射装置16aからの遠赤外線を確実にユーザー10に放射することができる。
次に、図15Bは図15Aで説明した本実施例15の変形例を示すものである。図15Bの例では、前記遠赤外線放射装置16aからの遠赤外線をユーザー側に反射させるための透明の反射部17a’が、脚部兼用の支持部105に支持されて、前記筐体18に支持された表示パネル11の近傍の位置に、配置されている。そして、前記の透明の反射部17a’は、前記支持部105により、前記スクリーン11の表面の近傍の位置に、これと対向又は接触するように配置されている。この図15Bの例では、前記の透明の反射部17a’及び支持部105は、前記スクリーン11及び筐体18を含む背面投射型テレビとは別個・独立に、製造・販売することができる。また、図15Bの例によっても、図15Aで説明した本実施例15と同様の作用効果を奏することができる。
図16Aは、本発明の実施例16による、フロント・プロジェクターを使用するホームシアター装置を示すものである。図16Aにおいて、20はテーブル(家具)、21はスクリーン、22はこのスクリーン21のユーザー側表面に備えられた反射部(この反射部22の構成は、前記の図16Aに関して説明した反射部4aとほぼ同様のものである)、23は前記スクリーン21の前面側すなわちユーザー側に配置されたフロント・プロジェクター(画像をスクリーン21に投射するもの)、24は前記フロント・プロジェクター23の上方に配置され遠赤外線を前記スクリーン21方向に放出するための遠赤外線放射装置、25は前記スクリーン21を支持するためのスクリーン支持部である。なお、前記スクリーン支持部25は、本実施例15では床に設置されて図示下方からスクリーン21を支持するタイプのものを使用しているが、本発明では、天井に設置されて図示上方からスクリーン21を吊り下げて支持するタイプのものでもよい。
この図16Aのホームシアター装置では、前記フロント・プロジェクター23から投射された画像がスクリーン21に表示される。この画像が前記スクリーン21に表示されているとき、これと同時に、遠赤外線放射装置24からの遠赤外線は前記スクリーン21の表面に備えられた前記反射部22によりユーザー方向に反射される。よって、ユーザーは、前記スクリーン21の画像を見ながら、同時に、前記スクリーン21の表面の反射部22からの遠赤外線の輻射熱により身体を温めることができる。
図16Aに示す例では、前述のように、ユーザー10と遠赤外線放射装置24との間にテーブル20が存在している。そのため、前記遠赤外線放射装置24からの遠赤外線を直接にユーザー10に放射しようとしても、前記遠赤外線放射装置24からの遠赤外線は、前記テーブル20が障害物となって、ユーザー10側にほとんど放射できない。これに対して、本実施例16では、前述のようなテーブル20が存在しているような場合でも、遠赤外線放射装置24からの遠赤外線が、前記スクリーン21の表面の反射部22で反射されることにより、前記テーブル20に邪魔されることなく、ユーザー10側に確実に放射される。一般に、ホームシアター装置のスクリーン21の表示面とユーザー10との間の空間には障害物は存在しない(そうでないと、ユーザー10はテレビ画面を障害なく視聴することができない)ので、本実施例5のようにホームシアターの表示面に形成された反射部22を使用することにより、前記遠赤外線放射装置24からの遠赤外線を確実にユーザー10に放射することができる。
次に、図16Bは図16Aで説明した本実施例16の変形例を示すものである。図16Bの例では、前記遠赤外線放射装置24からの遠赤外線をユーザー側に反射させるための平板状の透明の反射部22aが、脚部兼用の支持部106に支持されて、前記スクリーン21の近傍の位置に、配置されている。そして、前記の透明の反射部22aは、前記支持部106により、前記スクリーン21の表面の近傍の位置に、これと対向又は接触するように配置されている(なお、前記透明の反射部22aは、前記スクリーン21の表面と近接するように配置するのが望ましい)。この図16Bの例では、前記の透明の反射部22a及び支持部106は、前記スクリーン21及び支持部25とは別個・独立に、製造・販売することができる。また、図16Bの例によっても、図16Aで説明した本実施例16と同様の作用効果を奏することができる。なお、図16Bの支持部106は、図示のように建物の床に載置することに代えて、天井に設置して、この天井に設置した支持部106により反射部22aを吊り下げるようにしてもよい。
なお、前記の実施例16では、図16A及び図16Bに示すように、前記遠赤外線放射装置24を前記プロジェクター24と同じ「前記スクリーン21のユーザー10側」に配置しておき、前記遠赤外線放射装置24からの遠赤外線を前記反射部22,22aでユーザー方向に反射するようにしている。しかし、本発明においては、これに限られることなく、例えば、前記スクリーン21から前記反射部22,22aを取り外して、前記遠赤外線放射装置24を前記プロジェクター24と反対側の「前記スクリーン21のユーザー10と反対側」に配置しておき、前記遠赤外線放射装置24からの遠赤外線が前記スクリーン21を透過してユーザー方向に送られるようにしてもよい。
図17(a)は本発明の実施例17による鏡台を示すものである。図17(a)において、31は鏡、32は前記鏡131のユーザー側に備えられた透明の反射部(後述の赤外線照射装置34a,34bからの赤外線をユーザー側に反射させるために前記鏡131の鏡面のユーザー側に備えられた透明の反射部)、34a,34bは前記鏡131のユーザー側斜め上下方向の近傍の各位置の複数箇所(筐体40の前記鏡131より各斜め上下方向の部分140b,140cの複数箇所)にそれぞれ配置された遠赤外線照射装置、140はこれらを収容・支持するための筐体、である。前記遠赤外線照射装置34a,34bは、前記筐体140の前記鏡131の上下の部分140b,140cの位置から前記鏡131に向けて遠赤外線を照射するように構成されている。
この図17(a)の鏡台では、ユーザーが前記鏡131の前方(図示右方向)に居るとき、遠赤外線照射装置34からの遠赤外線が前記鏡131の鏡面に備えられ、さらに前記反射部32により反射されてユーザー方向に照射される。よって、ユーザーは、前記鏡131に自分の顔や身体を写しながら、前記鏡131の鏡面と対向するか又はこれと平行に接触する前記反射部32からの遠赤外線の輻射熱により、自分の顔や身体を温めることができる。
前記反射部32は、例えば、前記鏡131の鏡面の表面に透明の遠赤外線反射塗料をコーティングした反射膜、又は、前記鏡面の表面に貼られた透明の遠赤外線反射フィルム、などにより構成される。なお、前記の透明の遠赤外線反射塗料、又は、透明の遠赤外線反射フィルムは、既に、窓ガラス用などとして多数販売されている。例えば、株式会社ヤマヒラ(東京都台東区台東3−8−12第八江波戸ビル1F)が製造販売している窓用の透明熱線反射(遮断)フィルム「reftel(レフテル)」、NTTアドバンストテクノロジ株式会社(東京都三鷹市下連雀3−35−1ネオシティ三鷹ビル6F)が製造販売している遠赤外線反射塗料「アットシールド・カラー」及び「アットシールド・クリア」、日笠工業株式会社(兵庫県神戸市灘区大石南町3−3−1)が販売している透明遠赤外線反射塗料「アットシールド・クリア」、横河東亜工業株式会社(東京都品川区上大崎1−2−8)が販売施工している「窓ガラス断熱塗装用の遠赤外線反射塗料」、など。
また、図17(a)に示す例では、前記反射部32は、その表面が図17(b)のような凹凸(略階段状の斜面)を有するように形成されている。前記遠赤外線照射装置34a,34bからの遠赤外線は、前記反射部32の凹凸に当たることにより、図17(b)の破線Aで示すように、ユーザー10の方向に反射される。
なお、図17(a)では、前記鏡131の上下の各位置にそれぞれ赤外線照射装置34a,34bを配置しているが、本発明では、前記鏡131の上側又は下側の一方の位置のみに「前記鏡131の鏡面に向けて赤外線を照射するための赤外線照射装置」を備えるようにしてもよい。また、本発明では、前記図17(a)の反射部32などの表面側(ユーザー側)に透明(可視光を透過可能)であり且つ遠赤外線を透過可能な保護膜その他の膜をコーティングしたり、前記図17(a)の反射部32などの表面側(ユーザー側)に透明であり且つ遠赤外線を透過可能な保護フィルムを貼付したりすることも可能である。また、この実施例17を含む本発明の全ての実施例について、前記の図1Bの装置を付加できる。
図18Aは本発明の実施例18による窓板を利用した暖房装置を示すものである。図18Aにおいて、図11Aと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図18Aにおいて、32bは、前記窓板91の室内側(ユーザー側)に備えられた透明の反射部(後述の赤外線照射装置3aからの赤外線をユーザー側に反射させるために前記窓板91のユーザー側に備えられた透明の反射部)、3aは前記窓板91のユーザー側斜め上下方向の近傍の位置に配置された遠赤外線照射装置、である。前記遠赤外線照射装置3aは、前記窓板91の下方から前記窓板91に向けて遠赤外線を照射するように構成されている。
この図18Aの暖房装置では、ユーザーが前記窓板91の前方(図示右方向)に居るとき、遠赤外線照射装置3aからの遠赤外線が前記反射部32bにより反射されてユーザー方向に照射され、前記反射部32bからの遠赤外線の輻射熱により、ユーザーの顔や身体が温められる。
前記反射部32bは、例えば、前記窓板91の室内側の面に透明の遠赤外線反射塗料をコーティングした反射膜、又は、前記鏡面の表面に貼られた透明の遠赤外線反射フィルム、などにより構成される。なお、前記の透明の遠赤外線反射塗料、又は、透明の遠赤外線反射フィルムは、既に、窓ガラス用などとして多数販売されている。例えば、株式会社ヤマヒラ(東京都台東区台東3−8−12第八江波戸ビル1F)が製造販売している窓用の透明熱線反射(遮断)フィルム「reftel(レフテル)」、NTTアドバンストテクノロジ株式会社(東京都三鷹市下連雀3−35−1ネオシティ三鷹ビル6F)が製造販売している遠赤外線反射塗料「アットシールド・カラー」及び「アットシールド・クリア」、日笠工業株式会社(兵庫県神戸市灘区大石南町3−3−1)が販売している透明遠赤外線反射塗料「アットシールド・クリア」、横河東亜工業株式会社(東京都品川区上大崎1−2−8)が販売施工している「窓ガラス断熱塗装用の遠赤外線反射塗料」、など。
また、図18Aに示す例では、前記反射部32bは、その表面が図17(b)で説明したような凹凸(略階段状の斜面)を有するように形成されている。前記遠赤外線照射装置3aからの遠赤外線は、前記反射部32bの凹凸に当たることにより、図17(b)の破線Aで示すように、ユーザー10の方向に反射される。
次に、図18Bは本実施例18の変形例を示すものである。図18Bの例では、「透明な反射部32b」が、前記窓板91及びサッシ92とは別個・独立に構成されている。すなわち、図18Bの例では、前記透明な反射部32bが、脚部兼用の支持部104に支持されて、前記窓板91及びサッシ92の近傍に配置されている。この変形例においても、前記遠赤外線照射装置3aからの赤外線は、前記透明な反射部32bにより反射されてユーザーに送られる。この変形例は、前記窓板91及びサッシ92とは別個・独立に、製造又は販売することができる。この変形例によっても、図18Aで説明した本実施例18と同様の作用効果を奏することができる。
図19は本発明の実施例19による液晶テレビを示すものである。図19において、10はユーザー、1は液晶テレビ用の液晶表示パネル、2は液晶パネル用の可視光放射用バックライト(例えば蛍光灯や白色LED)、3は遠赤外線放射装置(例えば、遠赤外線ランプ)、4は前記遠赤外線放射装置3からの遠赤外線の一部であって前記液晶パネル1の反対方向に放射された遠赤外線を前記液晶表示パネル1の方向(ユーザー10の方向)に反射させるための反射部、5はこれらを収容する筐体、である。
図19の液晶テレビでは、液晶表示パネル1で画像を表示しているとき、前記バックライト2からの可視光が前記パネル1を透過してユーザー10側に画像を表示させると同時に、前記遠赤外線放射装置3からの遠赤外線(前記反射部4で反射された遠赤外線をも含む)が前記液晶表示パネル1を透過して、ユーザー10側に放射(供給)される。よって、ユーザー10は、前記液晶表示パネル1からの画像を見ながら、同時に、前記液晶表示パネル1から放射される遠赤外線(図1Aの破線A参照)の輻射熱により身体が温められる。一般に、テレビの表示面とユーザー10との間には障害物は存在しない(そうでないと、ユーザー10はテレビ画面を障害なく視聴することができない)ので、本実施例1のようにテレビの表示パネル1を使用することにより、遠赤外線放射装置3からの遠赤外線を確実にユーザー10に放射することができる。
なお、前記液晶表示パネル1には、カラー表示のために、赤色の部分と青色の部分と緑色の部分とから成るカラーフィルタが備えられていることが多い。このようなカラーフィルタが前記液晶表示パネル1に備えられている場合は、前記遠赤外線放射装置3からの遠赤外線は、前記カラーフィルタの中の青と緑の部分(赤外線を吸収する部分)は透過することができないが、前記カラーフィルタの中の赤の部分(赤外線を吸収しない部分)は透過することができる。
また、図19では、図示していないが、ユーザーは、テレビ用リモートコントローラを使用して、前記遠赤外線放射装置3の作動開始、作動停止、及び発生する遠赤外線量の調整などを制御することができる。
また、図19では、前記遠赤外線放射装置3は、遠赤外線を放射するが近赤外線はなるべく放射しないように構成している。その理由は、ユーザーが希望する操作情報はテレビ用リモートコントローラから近赤外線によりテレビ側に無線送信されているため、前記液晶表示パネル1の側から多量の近赤外線が放出されると、この表示パネル1側からの近赤外線により、前記テレビ用リモートコントローラからの操作情報(近赤外線)の送信が妨害されてしまう可能性があるからである。なお、テレビ用リモートコントローラからの操作情報を近赤外線でなく近距離通信用電波(例えばブルートュース規格の電波)などによりテレビ側に無線送信するようにすれば、前記遠赤外線放射装置3から遠赤外線だけでなく近赤外線も放出し、表示パネル1から遠赤外線だけでなく近赤外線もユーザー方向に放出するようにしても、問題はない。
また、本発明では、前記バックライト2と遠赤外線放射装置3は、例えばハロゲンランプなどにより一体的に構成する(ハロゲンランプなどの一つの光源が、バックライトと遠赤外線放射装置とを兼ねる)ようにしてもよい。
図20は液晶表示パネルを使用する背面投射(リア・プロジェクション)型テレビを示すものである。図20において、11はスクリーン、12は映像投射用光源ランプ、13は映像投射用表示素子(液晶表示パネル)、14は前記表示素子13からの画像を反射するためのミラー、15は前記ミラー14からの画像を拡大してスクリーン11に投射するための投射レンズ、16は遠赤外線放射装置、17は遠赤外線放射装置16からの遠赤外線をスクリーン11の方向(ユーザーの居る方向)に反射させるための反射部、18はこれらを収容・保持する筐体、である。
この図20の背面投射型テレビでは、前記映像投射用表示素子(液晶表示パネル)13に前記映像投射用光源ランプ12からの光を透過させることにより、前記表示素子13からの画像が、前記ミラー14及び投射レンズ15を介して、ユーザーに見えるようにスクリーン11に表示される。そして、この画像が前記スクリーン11に表示されているとき、同時に、前記遠赤外線放射装置16からの遠赤外線が、前記反射部17で反射されてスクリーン11に到達し、さらにスクリーン11を透過して、ユーザー方向に放射(供給)される。よって、ユーザーは、前記スクリーン11に表示された画像を見ながら、同時に、前記スクリーン11を透過した遠赤外線(図20の破線A参照)の輻射熱により身体が温められる。一般に、テレビの表示面とユーザー10との間には障害物は存在しない(そうでないと、ユーザー10はテレビ画面を障害なく視聴することができない)ので、図20の例のようにテレビの表示面となるスクリーン11を使用することにより、遠赤外線放射装置16からの遠赤外線Aを確実にユーザー10に放射することができる。
なお、図20の例では、前記映像投射用表示素子(液晶表示パネル)13に前記映像投射用光源ランプ12からの光を透過させることにより、映像を前記ミラー14及び投射レンズ15を介してスクリーン11に投射するようにしているが、本発明では、図20のミラー14の位置に映像投射用の反射型液晶(LCOS)を配置して、前記反射型液晶(LCOS)で投射用光源ランプ12からの光を反射することにより、前記反射型液晶(LCOS)に表示された映像を前記投射レンズ15を介してスクリーン11に投射するようにしてもよい(この場合は、前記ミラー14は省略される)。
また、図20の例でも、図19の例と同様に、ユーザー10は、前記遠赤外線放射装置16からの赤外線の発生の有無及びその量について、手元のリモートコントローラ(図示せず)により操作可能である。また、前記遠赤外線放射装置16は、図19の例と同様に、遠赤外線を放射し近赤外線はなるべく放射しないように構成している。しかし、前記リモートコントローラからの操作情報を近赤外線でなく近距離通信用電波などによりテレビ側に無線送信するように構成するときは、前記遠赤外線放射装置16から遠赤外線だけでなく近赤外線も放射し、この遠赤外線及び近赤外線を前記スクリーン11を介してユーザー方向に放射するようにしても、問題はない。
また、本実施例において、前記ユーザー10が手元で使用するリモートコントローラからの信号を近赤外線により無線送信するときは、近赤外線に乗せられたリモートコントローラ信号が前記スクリーン11からの多量の近赤外線と混信してしまうことを防止するために、近赤外線を吸収する機能を有する透明の近赤外線吸収フィルムを図20のスクリーン11の例えばユーザー側に配置させることが望ましい。
以上、本発明の各実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく様々な変更が可能である。例えば、前記の実施例1、実施例6、及び実施例11などにおいては、前記赤外線ランプ41から発生した光をそのまま前記導光板44に供給するようにしているが、本発明においては、前記赤外線ランプ41から発生した光(赤外線と可視光を含む)を、いったん「可視光を遮断して赤外線のみを通過させるフィルタ」に通して、赤外線のみを導光板44に供給するようにしてもよい。このようにすれば、可視光がユーザー10側に供給されることが防止されるので、ユーザーに「可視光による眩しさ」を与えることを防止することができる。なお、「可視光を遮断して赤外線のみを通過させるフィルタ(赤外線の透過率が可視光線の透過率よりも高い可視光線遮断フィルタ)」は、既に公知である。
また、以上の記述においては、「室内のユーザーから見て縦方向の面のスペース」を利用して暖房用の赤外線をユーザー方向に放出するようにした暖房装置の一例として、「テレビの表示面と対向又は接触するスペース」や「鏡台の鏡面と対向又は接触するスペース」や「窓板の面と対向又は接触するスペース」を利用して暖房用の赤外線をユーザー方向に放出するようにした暖房装置を紹介したが、本発明の適用対象はこれらに限られるものではない。本発明では、例えば、冷蔵庫のユーザーからみて縦方向の外面のスペース、洋服ダンスのユーザーから見て縦方向のスペースなどのような「様々な家具のユーザーから見て縦方向のスペース」を、暖房用の赤外線をユーザー方向に放出するためのスペースとして利用することができる。
また、前記の実施例4(図4A,4B参照)、前記の実施例9(図9A,図9B参照)、及び前記の実施例12(図12A,12B参照)においては、前記透明な赤外線放射体53とは別個に備えられた前記透明ヒーター52により前記透明な赤外線放射体53を加熱するようにしているが、本発明においては、例えば、「前記透明な赤外線放射体53に導電性繊維などを混入させることにより前記透明な赤外線放射体53に導電性を持たせておき、前記透明な赤外線放射体53に直接に電流を流して加熱できるようにし、前記透明ヒーター52は省略する」ようにしてもよい(前記の実施例5,実施例10,実施例13参照)。
また、前記の前記の実施例4(図4A,4B参照)、前記の実施例9(図9A,図9B参照)、及び前記の実施例12(図12A,12B参照)においては、前記透明な赤外線放射体53とは別個に備えられた前記透明ヒーター52により前記透明な赤外線放射体53を加熱するようにしているが、本発明においては、例えば、「前記液晶表示パネル31の熱や表示装置のCPUの熱が前記透明な赤外線放射体53に効率的に伝導されるようにして、前記熱により前記透明な赤外線放射体53を加熱するようにし、前記透明ヒーター52は省略するか又は前記透明ヒーター52と併せて加熱する」ようにしてもよい。
また、前記実施例の一部では、画面表示部として液晶表示装置やスクリーンを備えたテレビなどを例示したが、本発明の画面表示部は、パーソナル・コンピュータのディスプレイ、DVDプレーヤのディスプレイ、携帯電話などの携帯型情報機器のディスプレイなど、様々なディスプレイを含む。特に、携帯電話などの携帯型情報機器のディスプレイに本発明を適用した場合、例えば前記実施例4の「透明ヒーターと透明なシート状の赤外線放射体との組合せ」又は前記実施例5の「導電性を有する(自らが発熱できる)透明なシート状の赤外線放射体」を携帯型情報機器のディスプレイに取り付けた場合は、その携帯型情報機器のディスプレイから暖房用赤外線を放出させることができるので、ユーザーが戸外でも手軽に利用できる携帯型の暖房装置を実現できる。
また、前記の実施例11、実施例12、及び実施例13においては、建物の窓板91と対向する対向面から暖房用の赤外線を放出するようにしているが、本発明においては、例えば、自動車、バス、電車、飛行機、客船などの乗り物の窓板と対向する対向面から暖房用の赤外線を放出するようにしてもよい。また、前記窓板91はガラス製としたが、登録プラスチック製などでもよい。
近年は、テレビの表示画面、並びに、鏡台又は化粧台の鏡面の大面積化が進んでいる。また、近年は建物の建築技術の向上と住居やオフィスの快適性の要請から、建物の開口部に取り付けられる窓板面の広面積化が進んでいる。そのため、近年の住宅などの建物においては、「大面積化したテレビの表示画面、鏡台又は化粧台の鏡面のユーザー側の面、又は建物の窓板のユーザー側の面」が、室内のユーザーから見て縦方向(垂直方向)のスペースの相当の部分を占有してしまうために、室内の家具などの自由なレイアウト・デザインにとって大きな制約を与えてしまうという問題が発生している。
前述のような従来技術を検討しても、近年の大型化したテレビの表示画面、鏡台又は化粧台の鏡面のユーザー側の面、又は建物の窓板のユーザー側の面のスペース(ユーザーからみて垂直方向のスペース)を、室内の暖房のために利用するという発想は、全く窺うことができない。
また、本発明によれば、室内のスペースの有効利用を実現でき、「室内のユーザーから見て縦方向のスペースの相当部分を、近年大型化したテレビの表示画面、鏡台あるいは化粧台の鏡面、又は窓板面のスペースが占有してしまうために、室内の家具などのレイアウト・デザインに大きな制約が生じてしまうという問題」を解決することができる。
また、一般の住宅では、「テレビなどの表示装置の表示画面、鏡台あるいは化粧台の鏡面、又は窓板面」とユーザーとの間には、ユーザーが前記表示画面、鏡面、又は窓板面を見るための障害となるような障害物は、存在しないようにするのが通常である。また、一般の住宅では、前記表示画面、鏡面、又は窓板面は、ユーザーから良く見えるように、日常的に活動しているユーザーの正面側と所定の距離を介して対向又は接触するように配置されている。したがって、本発明によれば、前記表示画面、鏡面、又は窓板面と対向又は接触する部分を利用して暖房用の赤外線をユーザー側に供給するようにしているので、暖房用の赤外線暖房を、途中の障害物に邪魔されることなく確実に、且つ効率的に、ユーザー側に供給することができる。