JP2012026174A - 接続方法及び構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】基準柱に対して、新たな柱を真っ直ぐに接続することが可能な接続方法及び構造体を提供する。
【解決手段】新たな鋼管4を鋼管3に連結した後、カメラユニット11でシステム用ターゲット16を確認し、システム用ターゲット16の各反射鏡163の三次元座標をそれぞれ算出する。そして、各反射鏡163が基線a、bの延長線上に存在しているかを確認する。次に、隣接する新たな鋼管4の上端部同士及び下端部同士を連結棒5でそれぞれ連結する。また、鋼管4及び鋼管3に設置されたシステム用ターゲット16の各反射鏡163の三次元座標をそれぞれ算出して、構造物1全体のひずみを算出する。次に、鋼管3と新たな鋼管4と、新たな鋼管4と連結棒5とを溶接にて接続する。最後に、溶接後の構造物1全体のひずみが上記所定の管理基準値以下か否かを確認する。上述した作業を繰り返し実施して、塔状の構造物1を構築する。
【選択図】図14

Description

本発明は、鉄骨、プレキャスト等の柱や梁同士を接続する接続方法及びその接続方法を用いて構築された構造物に関する。
建設現場において、鉄骨、プレキャスト等の柱を所定の位置に設置する場合は、柱の鉛直精度を測定する。柱の鉛直精度は、トランシットやトータルステーションにて測定される。
トランシットを用いる場合は、例えば、特許文献1に従来技術として記載されているように、上端部にターゲット70を有する柱71を所定の位置に仮置きした後、図32、図33に示すように、柱71の設計基準位置より所定の距離だけX、Y基準軸方向に記載された逃げ墨S1、S2線上に設置したトランシットT1、T2でターゲット70の座標を測定し、その測定結果に基づいて柱の鉛直精度を算出する。
また、トータルステーションを用いる場合は、例えば、特許文献2に記載されているように、柱に取り付けられたターゲットに光波とレーザーを照射することによって、ターゲットの座標を測定し、その測定結果に基づいて柱の鉛直精度を算出する。
特開2000−275044号公報 特開平9−268553号公報
しかしながら、上述したトランシット及びトータルステーションによる測定では、クレーン等に吊り下げられて傾いた状態の柱(以下、基準柱という)の下に新たな柱を接続する場合、傾いた基準柱の芯線は鉛直軸と一致しないため、新たな柱を基準柱に沿って真っ直ぐに(すなわち、新たな柱の芯線が基準柱の芯線の延長線上に存在するように)接続できたか否かを測定にて確認することができないという問題点があった。それ故、傾いた状態の基準柱に新たな柱を接続すると、基準柱に対して新たな柱が傾いた状態で接続されてしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、芯線が鉛直軸と一致しない状態の基準柱に対して、新たな柱を基準柱に沿って真っ直ぐに(すなわち、新たな柱の芯線が基準柱の芯線の延長線上に存在するように)接続することが可能な柱の接続方法及びこの方法により接続された構造体を提供することを目的とする。
本発明は、第1部材の芯線を基準にして、第2部材の芯線が前記第1部材の芯線の延長線上に存在するように当該第2部材を前記第1部材に接続する接続方法であって、
前記第1部材の芯線から所定の距離だけ離間して当該芯線に平行な基線を設定する第1基線設定工程と、
前記第2部材の芯線から前記所定の距離だけ離間して当該芯線に平行な基線を設定する第2基線設定工程と、
目印が示された指標板を、当該目印が前記第2基線上に位置するように、前記第2部材に設置する指標板設置工程と、
前記指標板の目印が前記第1基線の延長線上に存在するように、前記第2部材を前記第1部材に連結する第2部材設置工程と、
前記第1基線に対する前記第2基線の傾きを測定して、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きが所定の範囲内であるか否かを確認する確認工程と、
前記確認工程において、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きが前記所定の範囲内である場合に、前記第2部材を前記第1部材に固定する接続工程と、
前記接続工程の後に、前記第1部材の芯線に対する前記第2部材の芯線の傾きを再び測定して、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きを算出する再確認工程と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記接続工程の後に、前記第1部材の芯線に対する前記第2部材の芯線の傾きを再び測定して、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きを算出する再確認工程を更に備えることとしてもよい。
また、本発明は、前記確認工程において、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きが前記所定の範囲よりも大きい場合に、前記第2部材の位置を調整する調整工程を実施することとしてもよい。
また、本発明において、前記基線は、2本設けられることとしてもよい。
また、本発明において、前記第1部材及び前記第2部材は、柱又は梁であることとしてもよい。
また、本発明の構造物は、上述した何れかの接続方法にて、前記第1部材と前記第2部材とを接続することにより構築されたことを特徴とする。
本発明によれば、芯線が鉛直軸と一致しない状態の基準柱に対して、新たな柱を基準柱に沿って真っ直ぐに接続することが可能な柱の接続方法及びこの方法により接続された構造体を提供することができる。
本発明の第一実施形態にかかる塔状の構造物を構成する基準ユニットを示す斜視図である。 基準ユニットに新たな鋼管を接続する状態を示す概念図である。 (a)は直線性計測システムのカメラユニットを示す図、(b)はシステム用ターゲットを示す図である。 カメラユニット及びシステム用ターゲットを鋼管に取り付ける手順を示すフロー図である。 鋼管の端面に罫書き線を記した状態を示す平面図である。 (a)はテンプレートの平面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。 (a)はテンプレートを鋼管の端面に設置した状態を示す平面図、(b)は(a)のB−B矢視図である。 鋼管に上端側テンプレート及び下端側テンプレートを設置した状態を示す斜視図である。 上端側テンプレートにレーザー照射器を設置してレーザーを照射した状態を示す斜視図である。 下端側テンプレートにレーザー照射器を設置してレーザーを照射した状態を示す斜視図である。 カメラユニットを鋼管に設置した状態を示す斜視図である。 基準ユニットに新たな鋼管を接続する手順を示すフロー図である。 新たな鋼管にシステム用ターゲットを設置した状態を示す図である。 基準ユニットに新たな鋼管を連結した状態を示す斜視図である。 隣接する新たな鋼管同士を連結棒で連結した状態を示す斜視図である。 基準ユニットに複数の新規ユニットを延設して塔状の構造物を構築した状態を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態にかかる直線性計測システムを鋼管に設置した状態を示す斜視図である。 受光板を示す図である。 レーザー照射器及び受光板を鋼管に取り付ける手順を示すフロー図である。 基準ユニットに新たな鋼管を接続する手順を示すフロー図である。 新たな鋼管に受光板を設置した状態を示す図である。 連結された新たな鋼管の位置を確認する鋼管位置確認工程の作業内容を示す図である。 本発明の第三実施形態にかかる直線性計測システムをH型鋼に設置した状態を示す斜視図である。 カメラユニット及びシステム用ターゲットを鋼管に取り付ける手順を示すフロー図である。 H型鋼の端面に部材芯、罫書き線を記した状態を示す平面図である。 部材芯の検出方法を説明するための図である。 テンプレートの平面図である。 H型鋼の両端にテンプレートを設置した状態を示す斜視図である。 本発明の第四実施形態にかかる直線性計測システムを鋼管に設置した状態を示す斜視図である。 角型の鋼管の端面に罫書き線を記した状態を示す平面図である。 テンプレートの平面図である。 従来の測定方法を示す図である。 従来の測定方法を示す図である。
以下、本発明の接続方法について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、狭隘な鉛直立坑内で型鋼同士を接続して塔状の構造物を構築する場合について説明する。
−−−<第一実施形態について>−−−
図1は、本発明の第一実施形態にかかる塔状の構造物1を構成する基準ユニット2を示す斜視図である。また、図2は、基準ユニット2に新たな鋼管4を接続する状態を示す概念図である。
両図に示すように、基準ユニット2は、複数の鋼管3と、複数の連結棒5と、直線性計測システム10と、を備えている。
この基準ユニット2は、重力方向に平行な鉛直軸に対して斜めに傾いた状態で、立坑6の上部に設置されたクレーン(図示しない)により吊り下げられている。
鋼管3は互いに平行に配置されており、隣接する鋼管3の上端部同士及び下端部同士が連結棒5で連結されている。
本実施形態では、6本の丸型の鋼管3をそれぞれ正六角形の頂点の位置に配置して、隣接する頂点位置の鋼管3同士を連結棒5で連結した。なお、鋼管3の形状、本数及び配置はこれに限定されるものではなく、設計等により適宜、決定される。
図3(a)は直線性計測システム10のカメラユニット11を示す図、(b)はシステム用ターゲット16を示す図である。
本図に示すように、直線性計測システム10は、前方及び後方を撮像可能なカメラユニット11(製品名:ジェッピー、株式会社ソーキ製)と、システム用ターゲット16と、を備えている。
カメラユニット11は、カメラユニット本体12と、撮像装置13と、照明14と、カメラ用ターゲット15と、を備えている。
カメラユニット本体12は、各装置を載置するための架台121と、架台121に取り付けられた磁石122と、から構成されており、鋼管3の外周に着脱することができる。
撮像装置13は、カメラユニット本体12の上に搭載されており、カメラユニット11の前方及び後方に配置されたシステム用ターゲット16をそれぞれ撮像できるように前方用カメラ131及び後方用カメラ132を備えている。これらのカメラ131、132でシステム用ターゲット16を撮像し、その撮影データからシステム用ターゲット16の三次元座標を算出する。
照明14は、暗い環境下でもシステム用ターゲット16を撮像できるように各カメラ131、132の周りにそれぞれLEDが複数台ずつ設けられている。
カメラ用ターゲット15は、前方用反射鏡151と、後方用反射鏡152と、から構成されている。
前方用反射鏡151は、前方用カメラ131の両側にそれぞれ設けられており、両反射鏡151間の距離は、予め設定された所定の長さとなるように配置されている。
また、後方用反射鏡152は、後方用カメラ132の両側にそれぞれ設けられており、両反射鏡152間の距離は、前方用反射鏡151と同様に、上記所定の長さに設定されている。
カメラ用ターゲット15を備えることにより、カメラユニット11の前方側及び後方側からもカメラユニット11の位置を確認することができる。
システム用ターゲット16は、磁石161を有する板状部材162と、反射鏡163と、から構成されている。
反射鏡163は、板状部材162の片側の側面に2台取り付けられており、両反射鏡163間の距離は、カメラ用ターゲット15の前方用反射鏡151間の距離と同じ上記所定の長さに設定されている。
上述したカメラユニット11及びシステム用ターゲット16を鋼管3に取り付ける取付方法について以下に説明する。
<カメラユニット11及びシステム用ターゲット16の取付方法>
図4は、カメラユニット11及びシステム用ターゲット16を鋼管3に取り付ける手順を示すフロー図である。
本図に示すように、罫書き工程S10からシステム用ターゲット設置工程S80までを実施する。具体的な方法を施工手順にしたがって以下に説明する。
まず、罫書き工程S10を実施する。
図5は、鋼管3の端面に罫書き線31を記した状態を示す平面図である。
本図に示すように、罫書き工程S10では、鋼管3を製作する際に設定される部材芯32を南北方向に通過する仮想線と鋼管3の端面とが交差する位置に罫書き線31を記す。なお、仮想線と鋼管3の端面とは2箇所で交差するが、少なくとも何れか一方に罫書き線31を記せばよい。
なお、本実施形態では、南北方向に通過する仮想線としたが、この方向に限定されるものではなく、東西方向等でもよいし、設計等により決定された方向でもよい。
次に、テンプレート製作工程S20を実施する。
図6(a)はテンプレート20の平面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。
本図に示すように、テンプレート製作工程S20では、鋼管3の上端面及び下端面に取り付けるテンプレート20を2台製作する。
各テンプレート20は、透明な円盤状の板(以下、円形板という)21と、円形板21の側面に取り付けられた延設部22と、円形板21を鋼管3に固定するための固定部23と、取っ手24と、から構成されている。
円形板21は、その径が鋼管3の外径と一致するように形成されおり、円形板21の中心に中心点211が記載されている。なお、本実施形態では、鋼管3を支持するためのワイヤーロープを挿通させるために、円形板21の内方部分をくり抜いた形状にしたが、この形状に限定されるものではなく、単なる円盤状のものを用いてもよい。
延設部22には、上記中心点211からそれぞれ所定の距離だけ離間した位置に2つの基準点221a、221bが設けられている。これらの基準点221a、221bには、レーザー(後述する)を通過させるための小さい孔が設けられている。
各テンプレート20を鋼管3の上端面及び下端面に取り付けた際に、各延設部22の向きを同じ向きに揃えることができるように、円形板21の外周縁部に線状の目印212が記載されている。
固定部23は、円形板21の径方向に突出した扇状の突起231と、ピン233と、から構成されている。
ピン233は、突起231を貫通するように形成された孔234を貫通するように設置されている。
また、取っ手24は、両手で操作可能となるように2台設けられている。
次に、テンプレート設置工程S30を実施する。
図7(a)はテンプレート20を鋼管3の端面に設置した状態を示す平面図、(b)は(a)のB−B矢視図である。
本図に示すように、テンプレート設置工程S30では、テンプレート20を鋼管3の上端面及び下端面にそれぞれ取り付けて、円形板21の外周が鋼管3の外周と一致し、かつ、テンプレート20に記載された線状の目印212の位置が、鋼管3の各端面に記載された罫書き線31の位置と一致するようにテンプレート20の位置を調整する。
次に、目印位置確認工程S40を実施する。
本工程では、テンプレート20の線状の目印212の位置が、鋼管3に記載された罫書き線31の位置と一致しているか否かを確認する。目印212の位置が罫書き線31の位置と一致している場合は、テンプレート20の中心点211の位置が鋼管3の上端面及び下端面の部材芯32の位置と一致することとなる。
目印位置確認工程S40において、目印212の位置が罫書き線31の位置と一致している場合は、次のテンプレート固定工程S50を実施する。
テンプレート固定工程S50では、固定部23のピン233と鋼管3との隙間にライナープレート232を挿入してテンプレート20を鋼管3に固定する(図7参照)。
なお、以下の説明では、鋼管3の上端面及び下端面に設置されたテンプレート20をそれぞれ上端側テンプレート20U、下端側テンプレート20Dという。
図8は、鋼管3に上端側テンプレート20U及び下端側テンプレート20Dを設置した状態を示す斜視図である。なお、本図以降、各テンプレート20U、20Dの固定部23の図示を省略している。
本図に示すように、上端側テンプレート20Uの基準点221a及び下端側テンプレート20Dの基準点221aは、鋼管3の部材芯32から半径方向の同じ向きへ同じ距離だけ離間した位置に設けられている。したがって、上端側テンプレート20Uの基準点221aと下端側テンプレート20Dの基準点221aとを結ぶ仮想線(以下、基線aという)は、鋼管3の両端の部材芯32同士を結ぶ芯線CLに平行となる。
また、上端側テンプレート20Uの基準点221bと下端側テンプレート20Dの基準点221bとを結ぶ仮想線(以下、基線bという)も基線aと同様に、芯線CLに平行となる。
次に、基線設定工程S60を実施する。
図9は、上端側テンプレート20Uにレーザー照射器222、223を設置してレーザーを照射した状態を示す斜視図である。
本図に示すように、基線設定工程S60では、上端側テンプレート20Uの基準点221aの上方にレーザー照射器222を仮置きしてこの孔内を通過するようにレーザーを照射する。このとき、レーザーの照射される位置が下端側テンプレート20Dの基準点221aに一致するようにレーザー照射器222の向きを調整する。そして、一致したらレーザー照射器222を上端側テンプレート20Uに固定する。
また、上端側テンプレート20Uの基準点221bの上方にレーザー照射器223を仮置きして、上記と同様の方法でレーザー照射器223の向きを調整して上端側テンプレート20Uに固定する。
これらの作業によって、両レーザー照射器222、223のレーザーは、それぞれ基線a、bと同一直線上に照射される。
図10は、下端側テンプレート20Dにレーザー照射器224、225を設置してレーザーを照射した状態を示す斜視図である。
本図に示すように、下端側テンプレート20Dの基準点221aの下方にレーザー照射器224を上向きに仮置きしてこの孔内を通過するようにレーザーを照射する。このとき、レーザーの照射される位置が上端側テンプレート20Uの対応する基準点221aに一致するようにレーザー照射器224の向きを調整する。そして、一致したらレーザー照射器224を下端側テンプレート20Dに固定する。
また、下端側テンプレート20Dの基準点221bの下方にレーザー照射器225を上向きに仮置きして、上記と同様の方法でレーザー照射器225の向きを調整して下端側テンプレート20Dに固定する。
これらの作業によって、両レーザー照射器224、225のレーザーは、それぞれ基線a、bと同一直線上に照射される。
したがって、各レーザー照射器222〜225から照射されるレーザーは、芯線CLに対して平行に照射されることとなる。
次に、カメラユニット設置工程S70を実施する。
図11は、カメラユニット11を鋼管3に設置した状態を示す斜視図である。
本図に示すように、カメラユニット設置工程S70では、カメラユニット11の前側が上方を向くようにカメラユニット11を鋼管3の下端部付近に設置する。その際、上端側テンプレート20Uに設置した各レーザー照射器222、223からのレーザーが、前方用反射鏡151をそれぞれ照射するようにカメラユニット11の位置を調整する。
さらに、下端側テンプレート20Dに設置した各レーザー照射器224、225からのレーザーが、後方用反射鏡152をそれぞれ照射するようにカメラユニット11の位置を調整する。
2本の基線a、bに基づいてカメラユニット11の位置を決定することにより、鋼管3の周方向において、1本の基線に基づいて位置を決定する場合よりも、カメラユニット11を所定の位置へ正確に設置することが可能となる。
カメラユニット11を設置したら、上端側テンプレート20Uの基準点221a、221b及び下端側テンプレート20Dの基準点221a、221bを撮像装置13で撮影してそれぞれの三次元座標を算出するとともに、これらの三次元座標に基づいて基線a、bを表す直線の式A、Bをそれぞれ算出する。
次に、システム用ターゲット設置工程S80を実施する。
本工程では、上端側テンプレート20Uの基準点221a、221bの真下にシステム用ターゲット16を設置する。その際、システム用ターゲット16に取り付けられた2つの反射鏡163がそれぞれ基準点221a、221bの真下になるように仮置きする。
その後、撮像装置13でこれらの反射鏡163の位置を撮影して三次元座標を算出し、それぞれが基線a、b(すなわち、直線の式A、B)上に存在することを確認する。
システム用ターゲット16が基線a、b上に存在することを確認できたら、上端側テンプレート20U及び下端側テンプレート20Dを鋼管3から取り外す。
ところで、上記目印位置確認工程S40において、目印212の位置が罫書き線31の位置と一致していない場合は、芯振り分けを行って、最適な位置に上端側テンプレート20U及び下端側テンプレート20Dを設置する。設置後、上記テンプレート固定工程S50を実施する。
上述した罫書き工程S10からシステム用ターゲット設置工程S80までを実施し、すべての鋼管3に直線性計測システム10を設置する。
なお、本実施形態では、カメラユニット11を鋼管3の下端部に、システム用ターゲット16を鋼管3の上端部に取り付けたが、この位置に限定されるものではなく、鋼管3の外周の任意の位置に取り付けてよい。ただし、測定精度が向上するように、カメラユニット11とシステム用ターゲット16とは、できるだけ離して設置することが望ましい。なお、カメラユニット11は、新たな鋼管4の位置を確認する際のカメラとして使用するため、必ずシステム用ターゲット16よりも下側に設置する。
上述した直線性計測システム10を備えた各鋼管3を並列に配置し、隣接する鋼管3同士を連結棒5で連結して基準ユニット2(図1参照)を構築する。
この基準ユニット2に丸型の新たな鋼管4を接続する接続方法について以下に説明する。
<基準ユニット2に新たな鋼管4を接続する接続方法>
図12は、基準ユニット2に新たな鋼管4を接続するためのフロー図である。
本図に示すように、新鋼管用ターゲット設置工程S100から形状再確認工程S700までを実施することにより、新たな鋼管4を基準ユニット2に接続する。具体的な方法を施工手順にしたがって以下に説明する。
まず、新鋼管用ターゲット設置工程S100を実施する。
本工程では、新たな鋼管4について、図4で示した罫書き工程S10、テンプレート製作工程S20、テンプレート設置工程S30、目印位置確認工程S40、テンプレート固定工程S50、基線設定工程S60を実施する。これらの工程によって、新たな鋼管4には罫書き線31が記されるとともに、上端側テンプレート20U、下端側テンプレート20Dが取り付けられ、さらに、基線a、bが設定される。
その後で、図13に示すように、新たな鋼管4にシステム用ターゲット16を設置する。このとき、システム用ターゲット16を下端側テンプレート20Dの基準点221a、221bの真上に配置し、上端側テンプレート20Uに設置した各レーザー照射器222、223からのレーザーが、反射鏡163をそれぞれ照射するように位置を調整しながら鋼管4に設置する。
その後、上端側テンプレート20U及び下端側テンプレート20Dを鋼管4から取り外す。
次に、鋼管設置工程S200を実施する。
図14は、基準ユニット2に新たな鋼管4を連結した状態を示す斜視図である。
本図に示すように、鋼管設置工程S200では、新たな鋼管4の上端を基準ユニット2の鋼管3の下端に連結する。
次に、鋼管位置確認工程S300を実施する。
本工程では、カメラユニット11の後方用カメラ132で、新たな鋼管4に設置されたシステム用ターゲット16の各反射鏡163の三次元座標をそれぞれ算出する。
そして、各反射鏡163が基線a、bの延長線上に存在しているか否かを確認する。なお、各反射鏡163が基線a、bの延長線上に存在しない場合であっても、予め設計等により定められた誤差の範囲内であれば、基線a、bの延長線上に存在するものとする。
ここで、システム用ターゲット16の反射鏡163の位置が基線a、bの延長線上に存在していない場合や誤差の範囲内に存在していない場合は、新たな鋼管4の位置を調整する調整工程S350を実施して、システム用ターゲット16の位置を基線a、bの延長線上に移動させる。
鋼管位置確認工程S300において、システム用ターゲット16の反射鏡163の位置が基線a、bの延長線上に存在している場合は、次の連結棒設置工程S400を実施する。
連結棒設置工程S400では、図15に示すように、隣接する新たな鋼管4の上端部同士及び下端部同士を連結棒5でそれぞれ連結する。
以下の説明では、新たな鋼管4と新たな連結棒5とを連結したものを新規ユニット7という。
次に、形状確認工程S500を実施する。
本工程では、新規ユニット7と基準ユニット2とからなる塔状の構造物1全体の形状を確認する。具体的には、新規ユニット7の鋼管4及び基準ユニット2の鋼管3に設置されたシステム用ターゲット16、22の各反射鏡163の三次元座標をそれぞれ算出して、構造物1全体のひずみを算出する。そして、構造物1全体のひずみが所定の管理基準値以下か否かを確認する。
本工程において、構造物1全体のひずみが所定の管理基準値以下の場合には、次の固定工程S600を実施する。
固定工程S600では、鋼管3と新たな鋼管4と、新たな鋼管4と新たな連結棒5と、を溶接にて接続する。
次に、形状再確認工程S700を実施する。
本工程では、上記形状確認工程S500と同様に、溶接後の構造物1全体の形状を確認して、ひずみが上記所定の管理基準値以下か否かを確認する。
本工程において、構造物1全体のひずみが上記管理基準値以下の場合には、構造物1を延設するために、再び、新たな鋼管4に対してシステム用ターゲット16を設置する新鋼管用ターゲット設置工程S100を実施する。
ところで、上記形状確認工程S500において、構造物1全体のひずみが所定の管理基準値よりも大きい場合には、新規ユニット7の鋼管4や連結棒5の位置を調整して構造物1全体のひずみを修正するひずみ直し工程S550を実施して、ひずみを所定の管理基準値以下にする。
また、上記形状再確認工程S700において、構造物1全体のひずみが所定の管理基準値よりも大きい場合には、その旨を記録する記録工程S750を実施し、次の新規ユニット7を接続する際の資料として用いる。
このようにして、新鋼管用ターゲット設置工程S100から形状再確認工程S700までを繰り返し行うことにより基準ユニット2の下に新規ユニット7を延設して、図16に示すように、塔状の構造物1を構築する。
−−−<第二実施形態について>−−−
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では、他の直線性計測システム50を用いた場合について説明する。
以下の説明において、第一実施形態に対応する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図17は、本発明の第二実施形態にかかる直線性計測システム50を鋼管3に設置した状態を示す斜視図である。また、図18は、受光板60を示す図である。
両図に示すように、直線性計測システム50は、レーザー照射器222、223と、レーザーを受光するための受光板60と、を備えている。
レーザー照射器222、223は、第一実施形態と同様に、上端側テンプレート20Uに固定されている。
受光板60は、磁石122と、透明なアクリル板601と、から構成されており、鋼管3の外周に着脱することができる。
受光板60には、十字形状の目印621a、621bが2箇所記載されており、両目印621a、621b間の距離は、上端側テンプレート20Uの基準点221a、221b間の距離と同じ長さに調整されている。
上述したレーザー照射器222、223及び受光板60を取り付ける取付方法について以下に説明する。
<レーザー照射器222、223及び受光板60の取付方法>
図19は、レーザー照射器222、223及び受光板60を鋼管3に取り付ける手順を示すフロー図である。
本図に示すように、罫書き工程S10から受光板設置工程S90までを実施することにより、レーザー照射器222、223及び受光板60を鋼管3に取り付ける。具体的な方法を施工手順にしたがって以下に説明する。
まず、第一実施形態と同様に、罫書き工程S10から基線設定工程S60までを実施する。
次に、受光板設置工程S90を実施する。
本工程では、図17に示すように、受光板60を鋼管3の下端部に設置する。このとき、上端側テンプレート20Uに設置したレーザー照射器222、223からのレーザーが、十字形状の各目印621a、621bの交点位置をそれぞれ照射するように受光板60の位置を調整する。
さらに、下端側テンプレート20Dに設置したレーザー照射器222、223からのレーザーが、十字形状の各目印621a、621bの交点位置をそれぞれ照射するように受光板60の位置を調整する。
受光板60を設置したら、下端側テンプレート20Dを鋼管3から取り外す。
上述した罫書き工程S10から受光板設置工程S90までを実施し、鋼管3に直線性計測システム50を設置する。
直線性計測システム50を備えた鋼管3を並列に配置し、第一実施形態と同様に、隣接する鋼管3同士を連結棒5で連結して基準ユニット2を構築する。
この基準ユニット2に新たな鋼管4を接続する接続方法について以下に説明する。
<基準ユニット2に新たな鋼管4を接続する接続方法>
図20は、基準ユニット2に新たな鋼管4を接続する手順を示すフロー図である。
本図に示すように、新鋼管用受光板設置工程S150から形状再確認工程S700までを実施することにより、新たな鋼管4を基準ユニット2に接続する。具体的な方法を施工手順にしたがって以下に説明する。
まず、新鋼管用受光板設置工程S150を実施する。
本工程では、新たな鋼管4について、図19で示した罫書き工程S10、テンプレート製作工程S20、テンプレート設置工程S30、目印位置確認工程S40、テンプレート固定工程S50、基線設定工程S60を実施する。これらの工程によって、新たな鋼管4には罫書き線13が記されるとともに、上端側テンプレート20U、下端側テンプレート20Dが取り付けられ、さらに、基線a、bが設定される。
その後で、図21に示すように、この新たな鋼管4の上端部に受光板60を設置する。
受光板60を設置したら、上端側テンプレート20Uを鋼管4から取り外す。
次に、鋼管設置工程S200を実施する。
本工程では、第一実施形態と同様に、新たな鋼管4の上端を基準ユニット2の鋼管3の下端に連結する。
次に、鋼管位置確認工程S301を実施する。
本工程では、図22に示すように、基準ユニット2の鋼管3に設置されている各レーザー照射器222、223からのレーザーが、新たな鋼管4の受光板60の目印621a、621bの交差点及び下端側テンプレート20Dの基準点221a、221bを照射しているか否かを確認する。
基準ユニット2の鋼管3に設置されている受光板60及び新たな鋼管4に設置されている受光板60は共に透過性なので、レーザーは両受光板60を透過して下端側テンプレート20Dを照射することができる。
ここで、レーザーが鋼管4に設置された受光板60の目印621a、621bの交差点及び下端側テンプレート20Dの基準点221a、221bを照射しておらず、照射位置がずれている場合であっても、そのずれ量が予め設計等により定められた誤差の範囲内であれば、受光板60の目印621a、621bの交差点及び下端側テンプレート20Dの基準点221a、221bは、基線a、bの延長線上に存在するものとする。
なお、レーザーの照射位置が誤差の範囲内に存在していない場合は、新たな鋼管4の位置を調整する調整工程S350を実施して、レーザーの照射位置を基線a、bの延長線上に移動させる。
鋼管位置確認工程S301において、レーザーが鋼管4に設置された受光板60の目印621a、621bの交差点及び下端側テンプレート20Dの基準点221a、221bを照射している場合は、次の工程を実施する。
次に、第一実施形態と同様に、連結棒設置工程S400、形状確認工程S500、固定工程S600、形状再確認工程S700を実施する。
このようにして、新鋼管用受光板設置工程S150から形状再確認工程S700までを繰り返し行うことにより基準ユニット2の下に新規ユニット7を延設して、柱状の構造物1を構築する。
上述した第一及び第二実施形態における鋼管3、4同士の接続方法によれば、基準ユニット2の鋼管3の芯線CLが鉛直軸と一致しない場合であっても、基準ユニット2の鋼管3に対して新たな鋼管4を真っ直ぐに接続することができる。すなわち、新たな鋼管4の芯線CLが、基準ユニット2の鋼管3の芯線CLの延長線上に存在するように接続することができる。
また、直線性計測システム10、50が各鋼管3に設置されているので、狭隘な立坑6空間内でも、基準ユニット2の鋼管3に対して新たな鋼管4を真っ直ぐに接続することができる。
また、基準ユニット2の鋼管3に連結された新たな鋼管4の位置を確認する鋼管位置確認工程S300、S301において、基準ユニット2及び新たな鋼管4等はクレーンに吊り下げられているので、揺れをともなう場合があるものの、直線性計測システム10、50を用いることにより、揺れた状態のまま位置を確認することができる。したがって、この揺れが止まるまで新たな鋼管4の傾き等を測定することができなかった従来よりも、大幅に作業効率が向上する。
−−−<第三実施形態について>−−−
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態では、H型鋼を用いた場合について説明する。
図23は、直線性計測システム10をH型鋼8に設置した状態を示す斜視図である。
本図に示すように、直線性計測システム10がH型鋼8に設置されている。この直線性計測システム10を構成するカメラユニット11及びシステム用ターゲット16をH型鋼8に取り付ける取付方法について以下に説明する。
<カメラユニット11及びシステム用ターゲット16の取付方法>
図24は、カメラユニット11及びシステム用ターゲット16をH型鋼8に取り付ける手順を示すフロー図である。
本図に示すように、罫書き工程S11からシステム用ターゲット設置工程S80までを実施する。具体的な方法を施工手順にしたがって以下に説明する。
まず、罫書き工程S11を実施する。
図25は、H型鋼8の端面に部材芯34、罫書き線33を記した状態を示す平面図である。
本図に示すように、罫書き工程S11では、部材芯34の位置に目印を記し、フランジの中点の位置に罫書き線33を記す。
本実施形態では、H型鋼8の部材芯34を以下の方法で検出した。検出方法を図26を用いながら説明する。
最初に、H型鋼8のウエブの幅を測定して中点(以下、ウエブ中点という)の位置を算出する。また、両側のフランジの幅をそれぞれ測定して各フランジの中点(以下、一方側中点、他方側中点という)の位置を算出する。
そして、ウエブ中点を通過し、かつ、フランジに平行な仮想線と、一方側中点と他方側中点とを結ぶ仮想線と、が交差する位置を部材芯34とした。
フランジの中点の位置に記される罫書き線3は、少なくとも一方側中点又は他方側中点のうち、少なくとも何れか一方に記されていればよい。
次に、テンプレート製作工程S21を実施する。
図27は、テンプレート40の平面図である。
本図に示すように、テンプレート製作工程S21では、H型鋼8の上端面及び下端面に取り付けるテンプレート40を2台製作する。
各テンプレート40は、透明な四角形の板41と、延設部22と、固定部23と、取っ手24と、から構成されている。
板41は、その外形寸法がH型鋼8の外形寸法と一致するように形成されおり、板41の対角線の交差する位置に中心点411が記載されている。
各テンプレート40をH型鋼8の上端面及び下端面に取り付けた際に、各延設部22の向きを同じ向きに揃えることができるように、延設部22が設置されている板41の辺の中点位置に線状の目印212が記載されている。
延設部22には、第一及び第二実施形態と同様に、中心点411からそれぞれ所定の距離だけ離間した位置に2つの基準点221a、221bが設けられている。
固定部23の突起231は、テンプレート40がH型鋼8から外れないように、板41の各側面に一つずつ設けられている。
次に、テンプレート設置工程S31を実施する。
図28は、H型鋼8の両端にテンプレート40を設置した状態を示す斜視図である。
本図に示すように、テンプレート設置工程S31では、テンプレート40をH型鋼8の上端面及び下端面にそれぞれ取り付けて、テンプレート40に記載された中心点411の位置及び線状の目印212の位置が、それぞれH型鋼8の部材芯32、罫書き線33の位置と一致するようにテンプレート40の位置を調整する。
次に、目印位置確認工程S41を実施する。
本工程では、テンプレート40の中心点411及び線状の目印212の位置が、それぞれH型鋼8の部材芯34、罫書き線33の位置と一致しているか否かを確認する。
中心点411の位置が部材芯34の位置と一致し、かつ、目印212の位置が罫書き線33の位置と一致している場合は、テンプレート40の中心点411の位置がH型鋼8の上端面及び下端面の部材芯33の位置と一致することとなる。
なお、以下の説明では、H型鋼8の上端面及び下端面に設置されたテンプレート40をそれぞれ上端側テンプレート40U、下端側テンプレート40Dという。
ところで、上端側テンプレート40Uの基準点221a及び下端側テンプレート40Dの基準点221aは、H型鋼8の部材芯34から水平方向へ同じ距離だけ離間した位置に設けられている。したがって、上端側テンプレート40Uの基準点221aと下端側テンプレート40Dの基準点221aとを結ぶ基線aは、H型鋼8の両端の部材芯34同士を結ぶ芯線CLに平行となる。
また、上端側テンプレート40Uの基準点221bと下端側テンプレート40Dの基準点221bとを結ぶ基線bも基線aと同様に、芯線CLに平行となる。
目印位置確認工程S41において、中心点411の位置が部材芯32の位置と一致し、かつ、目印212の位置が罫書き線31の位置と一致している場合は、次のテンプレート固定工程S50を実施して、テンプレート40をH型鋼8に固定する。
次に、第一及び第二実施形態と同様に、基線設定工程S60、カメラユニット設置工程S70、システム用ターゲット設置工程S80を実施する。
上述した罫書き工程S11からシステム用ターゲット設置工程S80までを実施し、H型鋼8に直線性計測システム10を設置する。
直線性計測システム10を備えたH型鋼8に新たなH型鋼9を接続する際は、第一実施形態と同様に、新鋼管用ターゲット設置工程S100(図12参照)から形状再確認工程S700までを実施する。
このようにして、新鋼管用ターゲット設置工程S100から形状再確認工程S700までを繰り返し行うことにより、塔状の構造物を構築する。
なお、本実施形態においては、H型鋼8に直線性計測システム10を設置した場合について説明したが、直線性計測システム50を設置することも可能である。
−−−<第四実施形態について>−−−
次に、本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態では、角型の鋼管18を用いた場合について説明する。
図29は、直線性計測システム10を鋼管18に設置した状態を示す斜視図である。
本図に示すように、カメラユニット11及びシステム用ターゲット16が角型の鋼管18に設置されている。
カメラユニット11及びシステム用ターゲット16を設置するための罫書き工程S12について以下に説明する。
図30は、角型の鋼管18の端面に罫書き線35を記した状態を示す平面図である。
本図に示すように、罫書き工程S12では、鋼管18を製作する際に設定される部材芯32を原点とする仮想X軸及び仮想Y軸と鋼管3の端面とが交差する位置にそれぞれ罫書き線35を記す。
次に、テンプレート製作工程S22を実施する。
図31は、テンプレート40の平面図である。本図に示すように、テンプレート製作工程S21では、鋼管18の上端面及び下端面に取り付けるテンプレート40を2台製作する。
各テンプレート40を鋼管18の上端面及び下端面に取り付けた際に、各延設部22の向きを同じ向きに揃えることができるように、延設部22が取り付けられている板41の辺の中点位置及びこの辺に隣接する辺の中点位置に線状の目印212が記載されている。
次に、テンプレート設置工程S32を実施する。
テンプレート設置工程S32では、テンプレート40を鋼管18の上端面及び下端面にそれぞれ取り付けて、板41の外周が鋼管18の外周と一致し、かつ、テンプレート40に記載された線状の目印212の位置が、鋼管18の各端面に記載された罫書き線35の位置と一致するようにテンプレート40の位置を調整する。
次に、第一実施形態と同様に、目印位置確認工程S40、テンプレート固定工程S50、基線設定工程S60、カメラユニット設置工程S70、システム用ターゲット設置工程S80を実施する。
上述した罫書き工程S12からシステム用ターゲット設置工程S80までを実施し、鋼管18に直線性計測システム10を設置する。
直線性計測システム10を備えた鋼管18に新たな角型の鋼管19を接続する際は、第一及び第三実施形態と同様に、新鋼管用ターゲット設置工程S100(図12参照)から形状再確認工程S700までを実施する。
このようにして、新鋼管用ターゲット設置工程S100から形状再確認工程S700までを繰り返し行うことにより、塔状の構造物を構築する。
なお、本実施形態においては、鋼管18に直線性計測システム10を設置した場合について説明したが、直線性計測システム50を設置することも可能である。
上述した第三及び第四実施形態におけるH型鋼8、9同士、鋼管18、19同士の接続方法によれば、H型鋼8及び鋼管18の芯線CLが鉛直軸と一致しない場合であっても、H型鋼8及び鋼管18に対してそれぞれ新たなH型鋼9、鋼管19を真っ直ぐに接続することができる。すなわち、新たなH型鋼9及び鋼管19の芯線CLが、それぞれH型鋼8、鋼管18の芯線CLの延長線上に存在するように接続することができる。
また、直線性計測システム10がH型鋼8及び鋼管18に設置されているので、狭隘な立坑6空間内でも、H型鋼8及び鋼管18に対してそれぞれ新たなH型鋼9、鋼管19を一直線状に接続することができる。
なお、上述したすべての実施形態においては、鋼管3、18の下にそれぞれ新たな鋼管4、19を接続する場合やH型鋼8の下に新たなH型鋼9を接続する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、鋼管3、18の上にそれぞれ新たな鋼管4、19を接続したり、H型鋼8の上に新たなH型鋼9を接続したりしてもよい。
なお、上述したすべての実施形態においては、略鉛直方向に配置された鋼管3、18の下にそれぞれ新たな鋼管4、19を接続する場合や略鉛直方向に配置されたH型鋼8の下に新たなH型鋼9を接続する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、梁同士を水平方向に接続するように、鋼管3、18又はH型鋼8を略水平方向に配置し、その左右側にそれぞれ新たな鋼管4、19又はH型鋼9を接続してもよい。
なお、上述したすべての実施形態においては、固定工程S600において溶接で鋼管3、4同士等を接続したことによりひずみが生じる可能性があるので、形状再確認工程S700を実施したが、これに限定されるものではなく、形状確認工程S500で確認した所定の管理基準値以下のまま固定工程S600にて鋼管3、4同士等を接続することができる場合には、形状再確認工程S700を実施しなくてもよい。
1 構造物
2 基準ユニット
3 鋼管
4 新たな鋼管
5 連結棒
6 立坑
7 新規ユニット
8 H型鋼
9 新たなH型鋼
10 直線性計測システム
11 カメラユニット
12 カメラユニット本体
121 架台
122 磁石
13 撮像装置
131 前方用カメラ
132 後方用カメラ
14 照明
15 カメラ用ターゲット
151 前方用反射鏡
152 後方用反射鏡
16 システム用ターゲット
161 磁石
162 板状部材
163 反射鏡
18 角型鋼管
19 新たな角型鋼管
20 テンプレート
20U 上端側テンプレート
20D 下端側テンプレート
21 板
211 中心点
212 線状の目印
22 延設部
221a 基準点
221b 基準点
222 レーザー照射器
223 レーザー照射器
224 レーザー照射器
225 レーザー照射器
23 固定部
231 突起
232 ライナープレート
233 ピン
234 孔
24 取っ手
31 罫書き線
32 部材芯
33 罫書き線
34 部材芯
35 罫書き線
40 テンプレート
40U 上端側テンプレート
40D 下端側テンプレート
41 板
411 中心点
50 直線性計測システム
60 受光板
601 アクリル板
621a 目印
621b 目印
70 ターゲット
71 柱
S10 罫書き工程
S11 罫書き工程
S12 罫書き工程
S20 テンプレート製作工程
S21 テンプレート製作工程
S22 テンプレート製作工程
S30 テンプレート設置工程
S31 テンプレート設置工程
S32 テンプレート設置工程
S40 目印位置確認工程
S41 目印位置確認工程
S50 テンプレート固定工程
S60 基線設定工程
S70 カメラユニット設置工程
S80 システム用ターゲット設置工程
S90 受光板設置工程
S100 新鋼管用ターゲット設置工程
S150 新鋼管用受光板設置工程
S200 鋼管設置工程
S300 鋼管位置確認工程
S301 鋼管位置確認工程
S350 調整工程
S400 連結棒設置工程
S500 形状確認工程
S550 ひずみ直し工程
S600 固定工程
S700 形状再確認工程
S750 記録工程
a 基線
b 基線
CL 芯線

Claims (6)

  1. 第1部材の芯線を基準にして、第2部材の芯線が前記第1部材の芯線の延長線上に存在するように当該第2部材を前記第1部材に接続する接続方法であって、
    前記第1部材の芯線から所定の距離だけ離間して当該芯線に平行な基線を設定する第1基線設定工程と、
    前記第2部材の芯線から前記所定の距離だけ離間して当該芯線に平行な基線を設定する第2基線設定工程と、
    目印が示された指標板を、当該目印が前記第2基線上に位置するように、前記第2部材に設置する指標板設置工程と、
    前記指標板の目印が前記第1基線の延長線上に存在するように、前記第2部材を前記第1部材に連結する第2部材設置工程と、
    前記第1基線に対する前記第2基線の傾きを測定して、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きが所定の範囲内であるか否かを確認する確認工程と、
    前記確認工程において、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きが前記所定の範囲内である場合に、前記第2部材を前記第1部材に固定する接続工程と、
    を備えることを特徴とする接続方法。
  2. 前記接続工程の後に、前記第1部材の芯線に対する前記第2部材の芯線の傾きを再び測定して、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きを算出する再確認工程を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の接続方法。
  3. 前記確認工程において、前記第1部材に対する前記第2部材の傾きが前記所定の範囲よりも大きい場合に、前記第2部材の位置を調整する調整工程を実施することを特徴とする請求項1に記載の接続方法。
  4. 前記基線は、2本設けられることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の接続方法。
  5. 前記第1部材及び前記第2部材は、柱又は梁であることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の接続方法。
  6. 請求項1〜5のうち何れか一項に記載された接続方法にて、前記第1部材と前記第2部材とを接続することにより構築されたことを特徴とする構造物。
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