JP2012026008A - 熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法ならびに該フィン材を用いた熱交換器 - Google Patents

熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法ならびに該フィン材を用いた熱交換器 Download PDF

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祥平 岩尾
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Abstract

【課題】半連続鋳造においても作製可能な高強度と高熱伝導性を有する熱交換器用アルミニウム合金フィン材を提供する。
【解決手段】Mn:0.40〜0.90%、Si:0.75〜1.25%、Fe:0.40〜0.90%、Zn:0.10〜1.50%を含有し、残部がAl と不可避不純物とからなり、前記Si、Mn、Fe含有量が質量%で、1.20≦Si/Mn≦2.25かつ1.70≦(Si+Mn)/Fe≦3.20の条件を満たす組成を有し、ろう付前において、板厚が0.06mm以下、導電率が52%IACS以上であって、円相当径1.0〜5.0μmの範囲の金属間化合物中で、Al−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物の数密度(D1)が1×10個/mm以上存在し、かつAl−(Mn、Fe)系金属間化合物の数密度(D2)との比D1/D2が25〜150の範囲内にある。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱交換器用アルミニウム合金フィン材および該フィン材を用いた熱交換器に関するものである。
熱交換器用アルミニウム合金フィン材には、熱交換器の耐圧強度および放熱性能の向上のため、ろう付後の高強度および高熱伝導性が要求される。一方で、フィン材は冷却水および冷媒の通路となるチューブ材に対する犠牲陽極効果や約600℃のろう付時に溶融ろうの侵食による座屈等が生じないように耐エロージョン性の向上、さらにはフィン成形時の切断加工性の向上など、様々な要求特性を同時に満足する必要があり、高性能のフィン材が求められている。特に高強度および高熱伝導性については、近年の熱交換器の軽量化の動きにより、フィン材の薄肉化が進む中で、従来以上に要求が大きくなっている。
高強度と高熱伝導性(高導電性)を満足させるため、製造法として鋳造時の冷却速度が比較的速いCC鋳造法(主として双ベルト鋳造法)を採用し、さらに合金成分として、アルミニウムへの固溶濃度が低いため導電性を阻害する影響が小さく、且つ分散強化による高強度化の期待できるFeを添加したAl−Fe系合金が提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2004-277756号公報 特表2002-521564号公報
しかし、一般的に採用されている半連続鋳造法(DC鋳造法)では、CC鋳造法に比べて鋳造時の冷却速度が遅いため、前記で提案されているようなFe添加量が高いAl−Fe系合金を用いると、鋳造時に粗大なAl−Fe系の晶出物が生成して圧延性に問題が生じるとともに、フィン単体の耐食性やフィン成形時の成形加工性などの材料特性が大きく低下する。したがって、製造方法として比較的一般的な半連続鋳造法によって、高強度と高熱伝導性(高導電性)を満足する高性能フィンを製造するためには、合金組成と製造面で新たな検討が必要となる。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、半連続鋳造によっても高強度と高熱伝導性(高導電性)を有する熱交換器用アルミニウム合金フィン材を得ることができる熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法ならびに該フィン材を用いた熱交換器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材のうち、第1の本発明は、 質量%で、Mn:0.40〜0.90%、Si:0.75〜1.25%、Fe:0.40〜0.90%、Zn:0.10〜1.50%を含有し、残部がAl と不可避不純物とからなり、前記Si、Mn、Fe含有量が質量%で、1.20≦Si/Mn≦2.25かつ1.70≦(Si+Mn)/Fe≦3.20の条件を満たす組成を有し、ろう付前において、板厚が0.06mm以下、導電率が52%IACS以上であって、円相当径1.0〜5.0μmの範囲の金属間化合物中で、Al−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物の数密度(D1)が1×10個/mm以上存在し、かつAl−(Mn、Fe)系金属間化合物の数密度(D2)との比D1/D2が25〜150の範囲内にあることを特徴とする。
第2の本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、前記第1の本発明において、さらに前記組成に、質量%で、Cu:0.01〜0.30%、Zr:0.05〜0.20%、Cr:0.05〜0.20%、Sr:0.01〜0.05%、Ti:0.05〜0.20%の1種以上を含有することを特徴とする。
第3の本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法は、前記第1または第2の本発明の組成を有するアルミニウム合金に対し、均質化処理を行わない、または、温度480℃以下で保持時間10時間以下の均質化処理を行うことを特徴とする。
第4の本発明の熱交換器は、本発明のアルミニウム合金フィン材を備えることを特徴とする。
以下に本発明で規定する組成等の限定理由について説明する。なお、以下における各成分の含有量はいずれも質量%で示されている。
Mn:0.40〜0.90%
Mnは、Al−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物を析出させ、分散強化によるろう付後の強度を得るために添加する。ただし、0.40%未満であると、Al−(Mn、Fe)−Si系金属化合物による分散強化の効果が小さく、所望のろう付後強度が得られない。一方、0.90%を越えるとMnの固溶量が大きくなり、所望のろう付後導電性が得られないので熱伝導性に劣る。またAl−(Mn、Fe)系の粗大な金属間化合物が増加し、フィン成形時の切断加工性が低下する。なお、同様の理由で下限を0.60%、上限を0.80%とするのが望ましい。
Si:0.75〜1.25%
Siは、Al−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物を析出させ、分散強化によるろう付後の強度を得るために添加する。ただし、0.75%未満の含有では、Al−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物による分散強化の効果が小さく、所望のろう付後強度が得られない。一方、1.25%を超えて含有するとSiの固溶量が大きくなり、所望のろう付後導電性が得られないので熱伝導性に劣る。またSiの固溶量が大きくなるため、固相線温度(融点)が低下し、ろう付時に著しいろう侵食が生じやすくなる。なお、同様の理由で下限を0.85%、上限を1.15%とするのが望ましい。
Fe:0.40〜0.90%
Feは、Al−(Mn、Fe)−Si系およびAl−(Mn、Fe)系金属間化合物を析出させ、分散強化によるろう付後の強度を得るために添加する。ただし、0.40%未満の含有では、Al−(Mn、Fe)−Si系およびAl−(Mn、Fe)系金属間化合物による分散強化の効果が小さく、所望のろう付後強度が得られない。また、相対的にAl−Mn−Si系の微細な金属間化合物の割合が増加し、これらが約600℃のろう付時に再固溶しやすいため、ろう付後導電性が低下し、熱伝導性が低下する。一方、0.90%を越えて含有すると、鋳造時の晶出物が粗大化し、製造性(圧延性)が低下する。また、金属間化合物が粗大化することでフィン成形時の金型磨耗性が大きく低下する。なお、同様の理由で下限を0.50%、上限を0.80%とするのが望ましい。
Zn:0.10〜1.50%
Znは、アルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、犠牲陽極効果を得るために添加する。ただし、0.10%未満の含有では、電位が十分に卑とならないため、所望の犠牲陽極効果が得られず、組み合わされるチューブの腐食深さが大きくなる。一方、1.50%を超えて含有すると電位が卑となり、フィン単体の耐食性が低下する。なお、同様の理由で下限を0.70%、上限を1.20%とするのが望ましい。
1.20≦Si/Mn≦2.25
上記したように、SiとMnはAl−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物を析出させて分散強化によるろう付後の強度を得るために添加するが、Si/Mnが1.20未満では、Al−(Mn、Fe)系の粗大な金属間化合物の割合が増加し、所望のろう付後強度およびろう付後導電性が得られない。一方、Si/Mnが2.25を超えるとSiのマトリクスへの固溶量が大きくなり、所望のろう付後導電性が得られない。なお、同様の理由で下限を1.25、上限を1.75とするのが望ましい。
1.70≦(Si+Mn)/Fe≦3.20
上記したように、SiとMnとFeはAl−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物を析出させて分散強化によるろう付後の強度を得るために添加するが、(Si+Mn)/Feが1.70未満では、Al−(Mn、Fe)系の粗大な金属間化合物の割合が増加し、所望のろう付後強度および所望のろう付後導電性が得られない。また、フィン成形時の切断加工性が低下する。一方、(Si+Mn)/Feが3.20を超えると、Al−Mn−Si系の微細な金属間化合物の割合が増加し、これらが約600℃のろう付時に再固溶しやすいため、ろう付後導電性が低下し、熱伝導性が低下する。なお、同様の理由で下限を2.00、上限を2.50とするのが望ましい。
Cu:0.01〜0.30%、Zr:0.05〜0.20%、Cr:0.05〜0.20%、Sr:0.01〜0.05%、Ti:0.05〜0.20%のうち1種以上を含有
Cu、Zr、Cr、Sr、Tiは金属間化合物を形成し、分散強化および固溶強化により強度が向上するので、所望により1種以上を含有する。ただし、それぞれ含有量が下限未満であると、分散強化および固溶強化への影響が小さく、強度が向上する効果が小さい。一方、Cuについて、0.30%を超えるとマトリクスへの固溶度が増加し、ろう付後の導電性が低下して熱伝導性が低下するとともに、フィン単体の耐食性が低下する。Zr、Cr、Sr、Tiがそれぞれの上限を超えると、鋳造時の晶出物が粗大化し、製造性が低下する。したがって、それぞれの含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由でCu:下限0.05%、上限0.20%、Zr、Cr、Ti:下限0.05%、上限0.15%、Sr:下限0.02%、上限0.04%とするのが望ましい。
導電率:52%IACS以上
本発明における各添加元素の固溶度はろう付前の状態においても高く、約600℃のろう付に供するとさらに固溶度が増加する。固溶度が高いほど導電性は低下するので、ろう付前のアルミニウム合金フィン材の導電率が52%IACS未満であると、所望のろう付後導電性を確保できなくなり、したがって、所望の熱伝導性が確保できなくなる。また、ろう付前導電率が52%IACS未満では、各添加元素の析出量が小さいため、各化合物による分散強化の効果が小さく、所望のろう付後強度が得られない。なお、同様の理由で下限を53%とするのが望ましい。上限としては現実的には57%IACSである。
円相当径1.0〜5.0μmのAl−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物の数密度(D1):1×10個/mm以上
円相当径1.0μm未満の微細な金属間化合物は、約600℃のろう付時に再固溶しやすく、ろう付後導電性が低下する原因となる。また、円相当径5.0μmを超える粗大な金属間化合物は、フィン成形時の切断加工性が大きく低下する原因となる。このため、円相当径1.0〜5.0μmのAl−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物の数密度を規定する。この数密度が1×10個/mm未満の場合、ろう付後の導電性(熱伝導性)および切断加工性が十分でなくなる。このため、ろう付前における、円相当径1.0〜5.0μmの範囲のAl−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物の数密度(D1)は1×10個/mm以上とする。
なお、同様の理由で5×10個/mm以上が望ましい。上限としては1×10個/mmである。
円相当径1.0〜5.0μmの金属間化合物中で、前記数密度(D1)と、
Al−(Mn、Fe)系化合物の数密度(D2)の化合物比D1/D2:25〜150
上記D1と、円相当径1.0〜5.0μmの範囲のAl−(Mn、Fe)系金属間化合物の数密度(D2)との比D1/D2の値が25未満の場合、Al−(Mn、Fe)系の粗大な金属間化合物の割合が増加し、フィン成形時の切断加工性が低下する。D1/D2の値が150を超える場合、Al−Mn−Si系の微細な金属間化合物の割合が増加し、これらが約600℃のろう付時に再固溶しやすいため、ろう付後導電性が低下し、熱伝導性が低下する。このため、ろう付け前におけるD1/D2を25〜150の範囲内とする。同様の理由で下限を50、上限を100とするのが望ましい。
板厚:0.06mm以下
軽量化達成のため、フィン材の板厚は0.06mm以下とする。下限としては0.03mmである。
均質化処理を行わない、または、温度480℃以下で保持時間10時間以下の均質化処理を行う
アルミニウム合金板材を製造する際、480℃を超える温度条件または10時間を超こえる時間条件にて鋳塊の均質化処理を行うと、粗大な金属間化合物(析出物)が増加し、フィン単体の耐食性が低下するとともに、フィンの成形加工性が大幅に低下する。したがって、均質化処理を行わない、または、温度480℃以下で保持時間10時間以下の均質化処理を行うこととする。
以上説明したように、本発明の熱交換器用アルミニウム合金フィン材は、質量%で、Mn:0.40〜0.90%、Si:0.75〜1.25%、Fe:0.40〜0.90%、Zn:0.10〜1.50%を含有し、残部がAl と不可避不純物とからなり、前記Si、Mn、Fe含有量が質量%で、1.20≦Si/Mn≦2.25かつ1.70≦(Si+Mn)/Fe≦3.20の条件を満たす組成を有し、ろう付前において、板厚が0.06mm以下、導電率が52%IACS以上であって、円相当径1.0〜5.0μmの範囲の金属間化合物中で、Al−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物の数密度(D1)が1×10個/mm以上存在し、かつAl−(Mn、Fe)系金属間化合物の数密度(D2)との比D1/D2が25〜150の範囲内にあるので、高強度、高熱伝導性の特性を有しており、さらにフィン加工時の切断加工性にも優れる。また、半連続鋳造法による製造も可能である。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
本発明のフィン材は、例えば常法により製造することができ、本発明組成に調製してアルミニウム合金を溶製する。該溶製は半連続鋳造法によって行うことができる。得られたアルミニウム合金鋳塊に対しては、均質化処理を施さないか、所定条件で均質化処理を行う。すなわち、均質化処理を行う場合、温度480℃以下、保持時間10時間以下とする。その後、熱間圧延、冷間圧延などを経て板厚0.06mm以下の薄板状フィン材とすることができる。本発明では、上記のように半連続鋳造法の適用が可能であるが、CC鋳造法(連続鋳造圧延法)の適用を排除するものではなく、CC鋳造法の後、冷間圧延を行ってもよい。
上記冷間圧延によって得られるフィン材は、その後、必要に応じてコルゲート加工などが施される。コルゲート加工は、回転する2つの金型の間を通すことによって行うことができ、良好に加工を行うことができ、優れた成形性を示す。
上記で得られたフィン材は、熱交換器の構成部材として、他の構成部材(チューブやヘッダーなど)と組み合わせて、ろう付に供される。なお、ろう付における条件(ろう付温度、雰囲気、フラックスの使用の有無、ろう材の種別など)は特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。
上記で作製された熱交換器は、自動車などの用途に使用される。該熱交換器のフィン部は、上記で得られたフィン材を使用しているので、薄肉化されつつも高強度と高熱伝導性を兼ね備えたものとなっている。
なお、本発明のフィン材の製造工程は、上記工程に限定されるものではなく、適宜の工程によって製造することができる。
以下に、本発明の一実施例を比較例と比較しつつ説明する。
表1に示す組成(残部Al+不可避不純物)を有するアルミニウム合金ろう材を、半連続鋳造法により溶解、鋳造した。得られた鋳塊に対し、表1に示す条件にて均質化処理を行い、その後、熱間圧延、冷間圧延を行った。冷間圧延工程では90%以上で冷間圧延を行った後、400℃にて中間焼鈍を行い、その後圧延率30%の最終圧延を行い、板厚0.05mm、質別H14の板材(供試材)を得た。得られた供試材について、強度および導電率を算出し、表1に示した。また、得られた供試材について、断面のSEM観察におけるEPMA分析(Electron Probe Micro Analyzer)により金属間化合物を二値化処理し、円相当径1.0〜5.0μmの金属間化合物の個数を画像解析により計測した。さらに、EDS分析により金属間化合物の化学成分を測定した。これらの測定結果に基づいて、金属間化合物のうち、Al−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物数密度D1およびAl−(Mn、Fe)系金属間化合物の数密度D2を0.2mmの範囲内で算出した。これらの測定結果に基づいて、D1およびD1/D2を表1に示した。
また、上記供試材に対し、ろう付相当の熱処理(600℃×3分)を行い、ろう付後強度およびろう付後導電率を測定した。なお、ろう付前後の強度は、圧延方向と平行にサンプルを切り出し、JIS13号B試験片を作製し、引張試験を行うことにより、強度を評価した。
さらに、各供試材について以下の項目の評価を行った。
(切断加工性)
供試材のコイルを幅32mmの条材にスリット加工し、得られた条材を用いて、高速プレス機(株式会社黒田製作所製)のエンドシャー(切断刃の材質:SKD6(硬度HRC50))による切断試験を実施した。試験条件は、条材の送り速度200spm、5mmピッチで供試材の圧延垂直方向に切断した。切断加工性として、切断回数5万ショット後の切断片断面のバリ高さを測定し、バリ高さが50μm未満のものを切断加工性が非常に良好(◎)、50μm以上で80μm未満のものを良好(○)、80μm以上のものは不良(×)と評価し、各評価結果を前記記号によって表2に示した。
(フィン単体での耐食性)
前記供試材について、窒素ガス雰囲気中で600℃で3分間ろう付加熱した後、30mm×80mmの短冊状に切り出し、SST(塩水噴霧試験)を240時間実施することでフィン単体での耐食性を評価した。腐食試験後にリン酸クロムにて腐食生成物を除去した後、腐食減量を測定し、腐食減量が4.0mg/cm未満のものを○、4.0mg/cm以上のものを×と評価して表2に示した。
(供試材のフィンとチューブのコアでの腐食試験)
得られたフィンとチューブとを接合してなるコアについて、SST(塩水噴霧試験)を2000時間実施した。腐食試験後にリン酸クロムにて腐食生成物を除去した後、チューブに生じた最大腐食深さを測定し、表2に示した。
(ろう付性)
供試材のフィン材について、コルゲート成形加工を行い、ろう材JIS A4343合金/芯材JIS A3003合金のクラッドチューブ材と組付けて、フッ化物系のフラックスを塗布後、窒素ガス雰囲気中で600℃で3分間ろう付加熱した。その後、ろう付接合後のフィンをカッター刃にて物理的に除去し、チューブ表面に残存するフィン接合部跡を観察し、全接合箇所の数に対する、接合箇所の数の割合((接合箇所/全接合箇所)×100(%))を求めた。これを接合率と定義し、表2に示した。
また、上記ろう付品のろう付部について断面観察を実施し、フィンにろうが溶融拡散していないものをろう侵食性○と評価し、ろうが溶融拡散し、ろう侵食しているものをろう侵食性×と評価して評価結果を表2に示した。比較例4は、ろう侵食性が×で侵食性大であった。
Figure 2012026008
Figure 2012026008

Claims (4)

  1. 質量%で、Mn:0.40〜0.90%、Si:0.75〜1.25%、Fe:0.40〜0.90%、Zn:0.10〜1.50%を含有し、残部がAl と不可避不純物とからなり、前記Si、Mn、Fe含有量が質量%で、1.20≦Si/Mn≦2.25かつ1.70≦(Si+Mn)/Fe≦3.20の条件を満たす組成を有し、ろう付前において、板厚が0.06mm以下、導電率が52%IACS以上であって、円相当径1.0〜5.0μmの範囲の金属間化合物中で、Al−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物の数密度(D1)が1×10個/mm以上存在し、かつAl−(Mn、Fe)系金属間化合物の数密度(D2)との比D1/D2が25〜150の範囲内にあることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  2. さらに前記組成に、質量%で、Cu:0.01〜0.30%、Zr:0.05〜0.20%、Cr:0.05〜0.20%、Sr:0.01〜0.05%、Ti:0.05〜0.20%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の熱交換器用アルミニウム合金フィン材。
  3. 請求項1または2に記載の組成を有するアルミニウム合金に対し、均質化処理を行わない、または、温度480℃以下で保持時間10時間以下の均質化処理を行うことを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のアルミニウム合金フィン材を備えることを特徴とする熱交換器。
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