JP2012024787A - レーザ加工装置 - Google Patents

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望月  学
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Abstract

【課題】加工対象物の加工深さに対して、レーザ光の加工条件を一定とする。
【解決手段】
レーザ加工装置1は、加工対象物2をレーザ加工する装置であって、レーザ光Lを出射するレーザ光源12と、レーザ光を加工対象物に集光させると共に、レーザ光における加工対象物のレーザ光の入射面から加工深さまでの光路長以上の所定光路長に応じた収差を補正する光学手段14と、光学手段と加工対象物との間のレーザ光の光路中に配置され、レーザ光に対して、加工対象物の所定光路長、及び加工対象物のレーザ光の入射面から加工深さまでの光路長の光路長差に応じた収差を付加する収差付加手段15とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、レーザ光を用いて加工対象物の加工を行うレーザ加工装置及び方法の技術分野に関する。
この種の装置として、ガラス基板などの加工対象物の表面又は内部にレーザ光を集光させ、多光子吸収による化学的又は物理的な改質領域を形成し、該改質領域を利用して加工対象物を切断するレーザカッティング装置などが知られている。このようなレーザ加工装置においては、加工精度の向上のために、種々の工夫が為されている。
例えば、後述する先行技術文献には、加工対象物内部にレーザ光を集光させる際に、光スポットの形成深さ、つまり加工深さに応じて、レーザ出力や収差の補正により、レーザ光の集光状態を調整する技術が説明されている。
特開2008−264831号公報
レーザ加工装置においては、加工対象物の内部に光スポットを形成する場合、レーザ加工装置に用いられる対物レンズによる球面収差などの収差により、加工深さに応じて光スポットの径が変化する。このため、加工深さに対する光スポットの径の自由度がなく、また、加工精度の向上のために光スポットの径を安定させるためには、適宜レーザ光の出力補正が求められている。
他方で、高精度の加工を実現するためには、加工対象物の表面又は内部に集光されるレーザ光の光スポットの径をより小さく絞ることが好ましいという要求がある。特に、レーザ加工装置の回折限界近くまで光スポットの径を絞る場合、収差による光スポットの径の変化は顕著となり、高精度の加工を困難としている。
本発明は、例えば上述の問題点に鑑み為されたものであり、加工対象物に対する加工条件を一定として、加工深さの変化に対して対応可能なレーザ加工装置及び方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のレーザ加工装置は、加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置であって、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を前記加工対象物に集光させると共に、前記レーザ光における前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長以上の所定光路長に応じた収差を補正する光学手段と、前記光学手段と前記加工対象物との間の前記レーザ光の光路中に配置され、前記レーザ光に対して、前記加工対象物の前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の光路長差に応じた収差を付加する収差付加手段とを備える。
上記課題を解決するために、本発明のレーザ加工方法は、加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置におけるレーザ加工方法であって、レーザ光源から出射されるレーザ光を前記加工対象物に集光させると共に、前記レーザ光における前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長以上の所定光路長に応じた収差を補正する光学工程と、前記光学手段と前記加工対象物との間において、前記レーザ光に対して、前記加工対象物の前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の光路長差に応じた収差を付加する収差付加工程とを備える。
実施例のレーザ加工装置の基本的な構成を示すブロック図である。 光学系と収差付加部材と加工対象物の関係を示す図である。 変形例のレーザ加工装置の基本的な構成を示すブロック図である。
本発明のレーザ加工装置の実施形態は、加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置であって、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を前記加工対象物に集光させると共に、前記レーザ光における前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長以上の所定光路長に応じた収差を補正する光学手段と、前記光学手段と前記加工対象物との間の前記レーザ光の光路中に配置され、前記レーザ光に対して、前記加工対象物の前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の光路長差に応じた収差を付加する収差付加手段とを備える。
本発明のレーザ加工装置の実施形態によれば、レーザ光源が出射するレーザ光が加工対象物の表面又は内部に集光部を形成することで、該集光部近傍の加工対象物を改質させる。改質した加工対象物表面又は内部の領域には、例えばクラックが生じるため、該クラックを起点として加工対象物を分断するなどといった加工を容易に行うことが出来る。
実施形態のレーザ加工装置が備える光学手段は、レーザ光源より出射されるレーザ光を加工対象物の表面又は内部に集光させることで、集光部を形成する。このとき、光学手段は、レーザ光に対して、収差の補正を行う。補正される収差は、レーザ光が加工対象物内部を所定距離通過する場合に生じる収差に相当する収差である。言い換えれば、光学手段は、レーザ光に対して、レーザ光が加工対象物内部を所定距離通過する場合に生じる収差と等量の逆方向の収差(言い換えれば、負の収差)を付加する。ここに、所定距離とは、レーザ加工装置によって行われる加工対象物に対する加工の深さ以上の距離である。言い換えれば、所定距離は、加工対象物に入射するレーザ光の入射面から加工のための集光部を形成する位置までの距離以上の距離である。光学手段は、例えば、レーザ光に対して負の収差を付加可能であり、且つ集光可能な形状を有するレンズ、又は集光用のレンズと、収差を付加するための光学素子を含む構成などである。
収差付加手段は、レーザ光に対して、レーザ光が加工対象物内部を通過する場合と同様の収差を付加する。このとき収差付加手段は、光学手段による収差の補正量(言い換えれば、負の収差)と、レーザ光が加工対象物に入射した後、集光部を形成する加工深さに達するまでに付加される収差(言い換えれば、正の収差)との絶対値の差分に相当する正の収差をレーザ光に付加する。
以上説明した構成によれば、光学手段によってレーザ光に付加される負の収差と、収差付加手段と加工対象物とによってレーザ光に付加される正の収差とが打ち消し合うため、集光部におけるレーザ光に対する収差の影響を排することが出来る。後に詳述するように、加工対象物内部の加工深さが変更される場合であっても、加工深さに応じて、収差付加手段により付加される収差を調整することで、レーザ光の加工条件を一定に保つことが出来る。尚、同様のことが、加工対象物の屈折率の変化に対しても言える。
このように構成することで、加工対象物の屈折率や加工深さの変化に対して、レーザ光の加工条件を一定に保つことが可能となり、レーザ光の集光状態を適切な状態に維持することが出来る。このことは、特に収差による影響が大きい、光学手段における回折限界に近い領域での集光において特に顕著である。
本発明のレーザ加工装置の実施形態の一の態様では、前記収差付加手段は、当該収差付加手段内部を通過する前記レーザ光の光路長を、前記加工対象物における、前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の差分となるよう調整する。
この態様によれば、収差付加手段は、レーザ光が当該収差付加手段内部を通過する時の光路長(つまり、収差付加手段内部に形成されるレーザ光の光路の光路長)を変更することで上述した収差をレーザ光に付加する。収差付加手段は、例えばレーザ光の光路中に配置される、所定の厚さ及び屈折率を有する部材であって、レーザ光が該収差付加手段を通過する際に、レーザ光の光路長を調整する。
調整されるレーザ光の目標光路長は、加工対象物内部における所定光路長と入射面から加工深さまでの光路長との差分である。このように光路長が調整される光路をレーザ光が通過することで、レーザ光には、光学手段による負の収差と、レーザ光が加工対象物内部を通過することで付加される正の収差との絶対値の差分に相当する正の収差が付加される。従って、このように構成することで、比較的簡単にレーザ光の集光部における収差の影響を排し、加工条件を一定に保つことが可能となる。
本発明のレーザ加工装置の実施形態の一の態様では、前記収差付加手段は、前記加工対象物と屈折率が同一であり、且つ前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の差分に相当する厚さを有する。
このように構成することで、比較的簡単に、レーザ光に対して、光学手段による負の収差と、レーザ光が加工対象物内部を通過することで付加される正の収差との絶対値の差分に相当する正の収差を付加することが出来る。従って、レーザ光の集光部における収差の影響を排し、加工条件を一定に保つことが可能となる。
本発明のレーザ加工装置の実施形態の一の態様では、前記収差付加手段は、前記加工対象物への加工深さの変更に応じて、前記レーザ光に付加する収差を変更する。
この態様によれば、収差付加手段は、レーザ光に付加する収差を変更可能に構成される光学素子、又は複数の異なる収差に対応した部材などである。レーザ加工装置が加工対象物を加工する際の加工深さに応じて、レーザ光に付加する収差を適宜変更することで、異なる加工深さに対しても、レーザ光の加工条件を一定に保つことが出来る。
収差付加手段が、加工対象物への加工深さの変更に応じて、レーザ光に付加する収差を変更する態様の一例として、前記収差付加手段は、前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の差分に相当する厚さより小さい厚さを有する複数の補正部材と、前記複数の補正部材を通過する前記レーザ光の光路長の合計が、前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の差分となるよう前記複数の補正部材を設定する設定手段とを備える。
この態様によれば、所定光路長、及び加工対象物に入射するレーザ光の入射面から加工深さの光路長の差分に相当する厚さ(つまり、収差付加手段が付加する収差に対応する厚さ)より小さい厚さを単位厚さとする複数の補正部材を備える。従って、レーザ光が該補正部材を一つ通過する毎に、光学手段により付加される負の収差と加工対象物により付加される正の収差との絶対値の差分より小さい収差量を有する正の収差がレーザ光に付加される。
設定手段は、該複数の補正部材を通過するレーザ光の光路長の合計が、所定光路長と加工対象物内における入射面から加工深さまでの光路長の差分となるよう、複数の補正部材の一部又は全部をレーザ光の光路中に配置する。
このように構成することで、比較的簡単に、レーザ加工装置が加工対象物を加工する際の加工深さに応じて、レーザ光に付加する収差を適宜変更することが可能となる。設定手段は、好適には、加工対象物における加工深さが変化することで、加工対象物により付加される正の収差量が変化する場合、該変化に伴って光路中に配置される補正部材を再設定する。これにより、加工深さの変化に応じた収差の変化に追従して、収差を調整することが出来る。
本発明のレーザ加工装置の実施形態の一の態様では、前記光学手段は、前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を前記加工対象物に集光させる集光レンズと、前記レーザ光における前記所定光路長に応じた収差を補正する収差補正手段とを備える。
この態様では、好適には、レーザ光源と集光レンズとの間に設けられる収差補正手段によって、レーザ光に対して負の収差が付加される。集光レンズは、該負の収差が付加されるレーザ光の入射を受け、加工対象物の表面又は内部に集光させる。
このように構成することで、加工対象物の屈折率や加工深さに応じて、収差補正手段が付加する負の収差量を適宜変更することで、屈折率又は加工深さの異なる加工対象物の加工に対応することが出来る。
本発明のレーザ加工方法の実施形態は、加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置におけるレーザ加工方法であって、レーザ光源から出射されるレーザ光を前記加工対象物に集光させると共に、前記レーザ光における前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長以上の所定光路長に応じた収差を補正する光学工程と、前記光学手段と前記加工対象物との間において、前記レーザ光に対して、前記加工対象物の前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の光路長差に応じた収差を付加する収差付加工程とを備える。
本発明のレーザ加工方法の実施形態によれば、レーザ加工装置を用いて、上述した本発明のレーザ加工装置の実施形態によるものと同様の効果を得ることが出来る。尚、本発明のレーザ加工方法の実施形態についても、上述した本発明のレーザ加工装置の実施形態の各種態様と同様の各種態様を採用してもよい。
以上、説明したように、本発明のレーザ加工装置の実施形態は、レーザ光源と、光学手段と、収差付加手段とを備える。本発明のレーザ加工方法の実施形態は、光学工程と、収差付加工程とを備える。
このため、加工対象物における加工深さに応じてレーザ光に付加される収差の影響を好適に抑制し、レーザ光の加工条件を一定に保つことが可能となる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
(1)レーザ加工装置の構成
先ず、図1を参照して、本発明のレーザ加工装置の一例である、レーザカッティング装置1の基本的な構成について説明する。
図1に示されるように、レーザカッティング装置1は、制御装置11と、レーザ光源12と、ダイバージングレンズ13と、Dレンズアクチュエータ13aと、光学系14と、Fレンズアクチュエータ14aと、収差付加部材15と、ステージ16と、ステージアクチュエータ16aとを備える。
制御装置11は、レーザ光源12、Dレンズアクチュエータ13a、Fレンズアクチュエータ15a、収差付加部材15及びステージアクチュエータ16aに接続され、各部からの出力を受けると共に、各部の動作を制御する制御信号を供給する。
レーザ光源12は、本発明のレーザ光源の一例であって、レーザ発生部、結集素子、位相変調器及び共振器などを備え、レーザ光Lをダイバージングレンズ13方向へ出射する。
ダイバージングレンズ13は、入射したレーザ光Lの光束角度を調整し、好適には平行光の態様で光学系14方向へ出射させるレンズである。ダイバージングレンズ13は、支持部材を介して、レーザ光Lの光軸方向(以下、Z方向と記載する)に移動可能なDレンズアクチュエータ13aに接続される。Dレンズアクチュエータ13aは、制御装置11からの制御信号に応じてダイバージングレンズ13をZ方向に移動させることで、レーザ光Lの光束角度を任意の角度に変更する。
光学系14は、レーザ光Lを加工対象物2の表面又は内部に集光するための集光レンズを含む構成である。光学系14に入射したレーザ光Lは、収差付加部材15を介して加工対象物2に入射し、集光部Fを形成する。光学系14は、上述した集光レンズの他に、該集光レンズを支持する支持部材と、該支持部材に接続されるFレンズアクチュエータ14aと、レーザ光Lに対して球面収差を付加する部材とを含む。Fレンズアクチュエータ14aは、制御装置11からの制御信号に応じて、ステージ16に載置される加工対象物2に対して相対的に光学系14をZ方向に移動させることで、加工対象物2の表面又は内部に形成されるレーザ光Lの集光部FのZ方向の位置を任意の位置に変更する。
光学系14は、レーザ光Lにおける、加工対象物2における最大加工深さTに応じた球面収差を補正する。言い換えれば、光学系14は、レーザ光Lに対して、加工対象物2内部を最大加工深さT通過する際に付加される球面収差(以下、正の球面収差と称して説明する)の絶対値と同一の絶対値を有する逆方向の球面収差(以下、負の球面収差と称して説明する)を付加する。ここに、加工対象物2における最大加工深さTとは、加工対象物2において考えられ得る、レーザ光Lの集光部Fを形成して加工を行う位置の表面からの距離である加工深さWの最大値以上の距離である。例えば、加工対象物2の下面、つまり図1のZ方向下方の表面に対して、加工対象物2を透過して加工を行う場合、最大加工深さTは、Z方向の加工対象物2の厚さ以上の値となる。尚、最大加工深さTは、加工対象物2の厚さより長い距離であってよい。
上述の構成を実現するために、光学系14は、例えば所定の形状を有する非球面レンズや、複数のレンズを備える構成であってよい。
また、Fレンズアクチュエータ14aには、光学系14の移動距離を検出可能な位置センサが内蔵され、制御装置11は、位置センサからの出力を検出して光学系14のZ方向の位置を取得及び制御可能となっている。このため、制御装置11は、加工対象物2の表面から任意の位置に光学系14の集光位置を合わせることが可能であり、且つ該集光位置の表面からの加工深さWを取得可能である。
収差付加部材15は、Z方向における上面及び下面の夫々が、平坦且つレーザ光Lの光軸に直行する面に平行に構成され、距離T−Wに相当する光路長を有する部材である。収差付加部材15は、好適には、レーザ光Lが入射する面(例えば、上面)における表面反射及びレーザ光Lが出射する面(例えば、下面)における表面反射が生じ難い素材により構成される。例えば、収差付加部材15は、加工対象物2と同一の屈折率Nを有し、Z方向の厚さがT−Wのガラスになどである。また、上述した要件を満たしていればその他の固体又は液体材料により構成されてもよい。
光学系14より出射したレーザ光Lは、収差付加部材15を通過して加工対象物2に入射する。このとき、収差付加部材15内部を通過するレーザ光Lには、加工対象物2内を距離T−W通過する場合と同様の正の球面収差が付加される。
加工対象物2は、光学系14によってレーザ光Lが集光される集光部Fが加工対象物2の表面又は内部に位置するように、ステージ16に載置される。
ステージアクチュエータ16aは、ステージ16をレーザ光Lの光軸に直行する面内(図1におけるXY面内)及びレーザ光Lの光軸方向(Z方向)において移動させるアクチュエータである。ステージアクチュエータ16aは、制御装置11からの制御信号に応じてステージ16を移動させる。
上述した構成によれば、予め光学系14に付加される負の球面収差により、集光レンズ15を通過するレーザ光Lに対して、加工対象物2内部を最大加工深さT分通過する際に付加される収差量に相当する球面収差が補正される。また、レーザ光Lには、収差付加部材15により、加工対象物2に等しい屈折率N及び距離T−Wに基づく正の球面収差が付加される。更に、レーザ光Lは、加工対象物2内を透過して加工深さWの位置に集光部Fを形成するために、加工深さW分の正の球面収差が付加される。従って、レーザ光Lに対して、収差付加部材15及び加工対象物2内において付加される正の球面収差が、予め光学系14により付加される負の球面収差により補正される。このため、加工深さWの位置に形成される集光部Fは、加工対象物2内の加工深さWに応じた球面収差による影響を受けない。これにより、レーザカッティング装置1は、加工深さWに応じてレーザ光Lの加工条件に変化を受けることなく、加工対象物2の任意の加工深さWに集光部Fを形成して加工を行うことが出来る。
上述した構成において、制御装置11は、Fレンズアクチュエータ14aより入力される加工深さWに応じて、収差付加部材15の厚さがT−Wとなるよう適宜設定可能であることが好ましい。収差付加部材15は、例えば、比較的小さい厚さを有する複数の板状の部材と、制御装置11からの制御信号に応じて、該複数の板状の部材をレーザ光Lの光路中に挿入又は光路中から除去可能な機構を備えた構成であってよい。制御装置11は、Fレンズアクチュエータ14aより入力される加工深さWに応じて、距離T−Wに相当する厚さの板状の部材を光路中に付加させることで、加工深さWに変化に応じて、自動的に球面収差の補正を行うことが出来る。尚、上述の説明では、球面収差を例としているが、その他の収差についても同様に影響を排除して、レーザ光の加工条件を一定に保つことが出来る。
尚、上述したレーザカッティング装置1によれば、加工対象物2と光学系14との間にガラス板などにより構成される収差付加部材15が配置される。このため、加工対象物2の加工の際に生じるデブリ等の汚れが光学系14の集光レンズに付着することを防ぎ、レンズの損傷を抑制することが出来る。
図2に、光学系14と、収差付加部材15と、加工対象物2の加工深さWとの関係を示す。図2の例では、光学系14がレーザ光Lに付加する負の球面収差の収差量を、加工対象物2内部の光路長20mm相当の収差量としている。つまり、最大加工深さT=20mmに設定される。
図2(a)に示されるように、加工深さW=0mmの場合、レーザ光Lが加工対象物2の内部を通過する光路長は0mmとなる。このため、レーザ光Lが加工対象物2の内部を通過することに起因する正の球面収差が生じない。他方で、レーザ光Lに対して、光学手段14により光路長20mm相当の負の球面収差が生じているため、収差付加部材15は、レーザ光に対して、光路長20mm相当の正の球面収差を付加するよう調整される。結果、集光部Fにおいては正と負の球面収差が打ち消し合い、球面収差の影響が生じない。
図2(b)に示されるように、加工深さW=10mmの場合、レーザ光Lが加工対象物2の内部を通過する光路長は10mmとなる。このため、集光部Fにおいては、レーザ光Lが加工対象物2の内部を通過することに起因して、光路長10mmに相当する正の球面収差が生じている。他方で、レーザ光Lに対して、光学手段14により光路長20mm相当の負の球面収差が生じているため、収差付加部材15は、レーザ光に対して、光路長10mm相当の正の球面収差を付加するよう調整される。結果、集光部Fにおいては正と負の球面収差が打ち消し合い、球面収差の影響が生じない。
収差付加部材15の構成について、例えば、収差付加部材15の屈折率が加工対象物2の屈折率Nと同一である場合、収差付加部材15の厚さは、光学系14により付加される負の球面収差に対応する光路長と、加工対象物2内部の加工深さに応じた光路長との差分に相当する厚さとなる。図2(c)に示される例では、加工深さW=10mmであり、光学系14により付加される負の球面収差が光路長20mmに相当する場合、収差付加部材15の厚さは10mmとなる。収差付加部材15の厚さは、好適には、付加する正の球面収差と、収差補正部材15の屈折率に応じて変化する。
また、図2(d)に示されるように、夫々屈折率N且つ厚さ5mmの収差付加部材15a及び15bをレーザ光Lの光路中に配置する構成であってもよい。この場合でも、収差付加部材15a及び15bの夫々においてレーザ光Lに付加される球面収差の合計は、加工対象物2の加工深さ10mmに相当するため、上述したものと同様の効果が得られる。尚、収差付加部材15a及び15bは、互いに密着していても、離間していてもよい。
(2)変形例
レーザカッティング装置1の変形例であるレーザカッティング装置1’について説明する。図3は、レーザカッティング装置1’の構成を示す図である。尚、図3において、図1と同一の番号を付している部分は、図1に示されるレーザカッティング装置1と同様の構成であってよい。例えば、レーザカッティング装置1’は、レーザカッティング装置1と同様に、制御装置11と、レーザ光源12と、ダイバージングレンズ13と、Dレンズアクチュエータ13aと、Fレンズアクチュエータ14aと、収差付加部材15と、ステージ16と、ステージアクチュエータ16aとを備える。また、レーザカッティング装置1’は、集光レンズ17と、収差補正部材18とを有する。
集光レンズ17は、入射したレーザ光Lを加工対象物2方向に集光させ、加工対象物2の表面又は内部に集光部Fを形成させる。
収差補正部材18は、ダイバージングレンズ13と集光レンズ17との間に配置される。ダイバージングレンズ13を透過したレーザ光Lは、収差補正部材18内部を透過して集光レンズ17に入射する。収差補正部材18は、内部を通過するレーザ光Lに対して加工対象物2における最大加工深さTに応じた負の球面収差を付加する。収差補正部材18は、典型的には、内部を通過するレーザ光Lの光路長が、加工対象物2の屈折率N及び最大加工深さTに応じて決定される光路長に対応するものとなるよう設定される光学素子又は複数のレンズを備える構成である。
上述した構成によれば、変形例のレーザカッティング装置1’は、上述したレーザ加工装置1と同様に加工深さWに応じてレーザ光Lの加工条件に変化を受けることなく、加工対象物2の任意の加工深さWに集光部Fを形成して加工を行うことが出来る。
尚、レーザカッティング装置1’では、例えば制御装置11の制御により、収差補正部材18がレーザ光Lに対して付加する負の球面収差を適宜変更可能な態様であってもよい。このような態様では、収差補正部材18は、好適には、制御装置11からの制御信号により、光学素子の設定、又は光路状に配置される複数のレンズ配置を変更可能となる。このように構成することで、加工対象物2の最大加工深さT及び屈折率Nに基づく球面収差に応じて、適宜等量の負の球面収差を付加することで、球面収差を補正することが出来る。このため、レーザカッティング装置1’により加工可能な加工対象物2のサイズ、加工の態様及び材質の自由度を向上させることが出来る。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うレーザ加工装置及び方法などもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 レーザカッティング装置、
2 加工対象物、
11 制御装置、
12 レーザ光源、
13 ダイバージングレンズ、
14 光学系、
15 収差付加部材、
16 ステージ、
17 集光レンズ、
18 収差補正部材、
L レーザ光、
N 加工対象物の屈折率、
T 加工対象物の加工最大深さ、
W 加工対象物の加工深さ。

Claims (7)

  1. 加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置であって、
    レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を前記加工対象物に集光させると共に、前記レーザ光における前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長以上の所定光路長に応じた収差を補正する光学手段と、
    前記光学手段と前記加工対象物との間の前記レーザ光の光路中に配置され、前記レーザ光に対して、前記加工対象物の前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の光路長差に応じた収差を付加する収差付加手段と
    を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記収差付加手段は、当該収差付加手段内部を通過する前記レーザ光の光路長を、前記加工対象物における、前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の差分となるよう調整することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記収差付加手段は、前記加工対象物と屈折率が同一であり、且つ前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の差分に相当する厚さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記収差付加手段は、前記加工対象物への加工深さの変更に応じて、前記レーザ光に付加する収差を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記収差付加手段は、
    前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の差分に相当する厚さより小さい厚さを有する複数の補正部材と、
    前記複数の補正部材を通過する前記レーザ光の光路長の合計が、前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の差分となるよう前記複数の補正部材を設定する設定手段と
    を備えることを特徴とする請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記光学手段は、
    前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を前記加工対象物に集光させる集光レンズと、
    前記レーザ光における前記所定光路長に応じた収差を補正する収差補正手段と
    を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  7. 加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置におけるレーザ加工方法であって、
    レーザ光源から出射されるレーザ光を前記加工対象物に集光させると共に、前記レーザ光における前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長以上の所定光路長に応じた収差を補正する光学工程と、
    前記光学手段と前記加工対象物との間において、前記レーザ光に対して、前記加工対象物の前記所定光路長、及び前記加工対象物の前記レーザ光の入射面から前記加工深さまでの光路長の光路長差に応じた収差を付加する収差付加工程と
    を備えることを特徴とするレーザ加工方法。
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