JP2012024647A - 浸漬型膜分離装置および微細気泡散気管 - Google Patents

浸漬型膜分離装置および微細気泡散気管 Download PDF

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Abstract

【課題】
一定長以上でも散気エアを均一に発生でき、片側からのみのエア供給で使用可能な前記微細気泡散気管を具備した浸漬型膜分離装置を提供する。
【解決手段】
原水を活性汚泥処理する生物処理槽内に浸漬型分離膜を配置し、前記浸漬型分離膜の下方に微細気泡散気装置を配置して連続的に曝気を行い、生物処理槽内の活性汚泥を含む処理混合液を生物処理槽内で浸漬型分離膜により膜ろ過分離する浸漬型膜分離装置において、前記微細気泡散気装置が、中心管および中心管を覆う伸縮により開閉するスリットが多数形成された弾性シートから構成される微細気泡散気管からなり、(a)前記微細気泡散気管の弾性シートの長軸方向中央付近のスリットが、長軸方向両端付近のスリットに比べて小さなスリットを有すること、(b)前記微細気泡散気管の弾性シートの長軸方向中央部のスリットが封止されていること、の少なくとも一つを具備することを特徴とする浸漬型膜分離装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、活性汚泥を含む微生物含有液を、膜を用いて固液分離する浸漬型膜分離装置に関する。具体的には、下水等の汚水を、活性汚泥処理した後に膜分離処理する、いわゆる膜分離活性汚泥法を用いた廃水処理に関するものである。
現在、廃水処理方法として、膜分離活性汚泥法が開発され普及しつつある。この膜分離活性汚泥法は、通常の活性汚泥法の最終沈殿池の代わりに、精密ろ過膜あるいは限外ろ過膜等の分離膜を用いて膜分離処理する処理方法であって、生物反応槽内の被処理水中の生物量(一般にMLSS(=Mixed Liquor Suspended Solids、混合液懸濁物質)で表す。)を高く保つことで、生物反応槽自体のサイズを小さくすることが出来ること、汚泥と処理水の分離は重力沈降によらず膜ろ過により行うため、処理水にSS(=Suspended Solids、懸濁物質)が流出することがなく、清澄な処理水を得ることができること、等の利点がある。中でも、膜分離装置を曝気槽内部に浸漬した浸漬型方式の膜分離活性汚泥法は、曝気エネルギーを酸素供給と膜面洗浄に兼用できるため、膜分離装置を曝気槽外部に設置し循環ポンプが必要な外部循環方式の膜分離活性汚泥法に比べて必要動力が少なく、最終沈澱池が不要となるため省スペースとなり、膜価格の低下などと併せて、急速に普及してきている。
浸漬型方式の膜分離活性汚泥法による膜分離処理を行う際には、通常、分離膜表面を洗浄するため、分離膜の下方に散気装置を設置して粗大気泡を発生(曝気)させ、この粗大気泡によって発生する気液混合上向流を膜表面に作用させて膜面洗浄することが行われている。ここで、膜面に作用する気泡が大きいほど、膜面への堆積汚泥に対する剪断力が高くなるので、分離膜表面の洗浄効率を高めることができる。従って、分離膜の洗浄には粗大気泡を用いることが必要と考えられている。
一方、槽内に設置した散気装置から発生する気泡は、被処理液を生物処理する活性汚泥に酸素供給するためにも必要である。しかし、分離膜表面の洗浄に好適な粗大気泡は水中での比表面積が小さいので、酸素を水中に溶解させる効率が低くなってしまうという問題があり、活性汚泥に必要な酸素量を供給するためには散気量を多くすることが必要となり、散気効率が低下する。
そこで、散気効率を高めるために、粗大気泡による分離膜表面の洗浄効率を維持しつつ、生物処理に必要な酸素供給のための散気量を極力少なくすることが検討され、微細気泡と粗大気泡とをともに発生させる散気方法や、微細気泡を発生させた後に気泡を粗大化させる散気方法が提案されている。例えば、分離膜(膜ユニット)の下方に、粗大気泡散気装置と微細気泡散気装置との両方を設置して、粗大気泡と微細気泡を共に発生させる処理装置が提案されている(特許文献1参照)。また、分離膜(膜ユニット)の下方に、上下2段に散気装置を設け、下段の散気装置からは微細気泡を発生させ、上段の散気装置からは粗大気泡を発生させる処理装置が提案されている(特許文献2参照)。さらにまた、分離膜(膜ユニット)よりもかなり下方位置に、微細気泡散気装置を設け、その上方で分離膜の直下の位置に気泡合一装置を設置して気泡を粗大化させる処理装置が提案されている(特許文献3参照)。また、平膜を複数枚並べてその下方から微細気泡を発生させる外部循環式の膜分離活性汚泥法が提案されている(特許文献4参照)。また、分離膜の下方位置に配置される微細気泡散気管の長さを長くして気体供給管を1つにした処理装置が提案されている(特許文献5参照)。
特開2002−224685号公報 特開2001−212587号公報 特開2003−53368号公報 特開平8−323165号公報 特開2010−82597号公報
しかしながら、先述した先行技術の微細気泡散気装置で一般に用いられている微細気泡散気管は、その構造上、散気エアを均一に発生させることができる長軸方向の長さには限界があり、一定長以上の長さでは散気エアが均一に発生せず、散気エアが分離膜ユニット中央部へ偏るという問題点があった。
そこで従来、分離膜50枚を搭載した分離膜ユニットを運転する際には複数の一定長以下の微細気泡散気管をそのまま使用していたが、分離膜100枚を搭載した分離膜ユニットを運転する際には、複数の一定長以下の微細気泡散気管を、分離膜ユニットの鉛直下方部分を挟み対向するように配置していた。その為、大型の分離膜ユニットを運転する際には散気エアを両側から供給する必要があり、配管が複雑でメンテナンスが煩雑という問題点があった。
本発明は、散気エアを均一に発生可能な、一定長以上の微細気泡散気管を具備した浸漬型膜分離装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の浸漬型膜分離装置は、以下の構成のいずれかからなる。
(1)原水を活性汚泥処理する生物処理槽内に浸漬型分離膜を配置し、前記浸漬型分離膜の下方に微細気泡散気装置を配置して連続的に曝気を行い、生物処理槽内の活性汚泥を含む処理混合液を生物処理槽内で浸漬型分離膜により膜ろ過分離する浸漬型膜分離装置において、前記微細気泡散気装置が、中心管および中心管を覆う伸縮により開閉するスリットが多数形成された弾性シートから構成される微細気泡散気管からなり、(a)前記微細気泡散気管の弾性シートの長軸方向中央付近のスリットが、長軸方向両端付近のスリットに比べて小さなスリットを有すること、(b)前記微細気泡散気管の弾性シートの長軸方向中央部のスリットが封止されていること、の少なくとも一つを具備することを特徴とする浸漬型膜分離装置。
(2)前記微細気泡散気管の長軸方向全体の長さが1mよりも大きいことを特徴とする(1)に記載の浸漬型膜分離装置。
(3)前記微細気泡散気管の長軸方向全体の長さに対する前記(a)の長軸方向中央付近の割合が20〜30%であることを特徴とする(1)または(2)に記載の浸漬型膜分離装置。
(4)前記微細気泡散気管の長軸方向全体の長さに対する前記(b)の長軸方向中央部の割合が3〜5%であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の浸漬型膜分離装置。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の浸漬型膜分離装置で使用される微細気泡散気管。
本発明の浸漬型膜分離装置によれば、一定長以上の微細気泡散気管でも散気エアを偏りなく均一に発生でき、下水処理等の分野において長期間に亘りろ過性能が低下せず、安定運転可能な浸漬型膜分離装置として好適に利用することができる。また、大型の分離膜ユニットを運転する際に、微細気泡散気管を、分離膜ユニットの鉛直下方部分を挟み対向するように配置する必要がなくなる。さらに、片側からのみのエア供給で使用可能となるため、メンテナンスが容易でランニングコストの軽減につながる。
本発明で用いられる浸漬型膜分離装置の一実施態様を示す概略斜視図である。 本発明で用いられる微細気泡散気装置の一実施形態を示す上面図である。 本発明で用いられる微細気泡散気管の長軸方向での縦断面図の一例である。 本発明で用いられる微細気泡散気管の弾性シートの拡大図の一例である。 本発明で用いられる微細気泡散気管を用いて、清水中での散気エアの偏りを測定した時の概略図である。 本発明で用いられる弾性シートのスリットがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管の散気エア供給口からの距離ごとの散気エア量を示したグラフである。 本発明で用いられる弾性シートのスリットがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管とスリット径変更部分のスリット径を1mmとした微細気泡散気管の散気エア供給口からの距離ごとの散気エア量を示したグラフである。 本発明で用いられる弾性シートのスリットがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管とスリット封止部分のスリットを完全に封止した微細気泡散気管の散気エア供給口からの距離ごとの散気エア量を示したグラフである。 本発明で用いられる弾性シートのスリットがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管とスリット径変更部分のスリットを1mmとし、かつスリット封止部分のスリットを完全に封止した微細気泡散気管の散気エア供給口からの距離ごとの散気エア量を示したグラフである。
本発明の浸漬型膜分離装置を、以下に説明する。
本発明の浸漬型膜分離装置により処理することができる廃水(汚水)としては、産業廃水や生活廃水等が挙げられる。特に、化学工場や食品工場などから排出される有機物に富んだ産業廃水に対する処理として本発明の浸漬型膜分離装置は有効である。
図1は本発明で用いられる浸漬型膜分離装置の一実施態様を示す概略斜視図である。活性汚泥を含む微生物含有液が貯留され活性汚泥による生物処理を行うための曝気槽(微生物含有液収容槽)3と、その曝気槽3に原水(被処理液としての廃水)を供給するための原水(廃水)供給ポンプ1及び原水供給管2と、生物処理された活性汚泥混合液を固液分離する浸漬型膜分離装置13と、膜分離装置で固液分離された膜透過水を吸引する吸引ポンプ6及び膜透過水配管7と、活性汚泥による好気処理を進行させるとともに、膜面の洗浄を行うための散気エア供給装置4及び散気エア配管(気体供給配管)5で構成される。
膜分離活性汚泥法における一般的な原水の流れとして、下水処理場等に流れてきた原水は、原水供給ポンプ1により汲み上げられ、原水供給管2を通り、曝気槽3内に排出され、微生物含有液により生物処理される。その後、吸引ポンプ6による吸引圧で分離膜ユニット8により固液分離された後、膜透過水として膜透過水配管7を通り、系外に排出される。その間散気エア供給装置4より生成された散気エアは散気エア配管5を通り、分離膜ユニット8の下部に配置された微細気泡散気管9より吐出され、分離膜の洗浄と活性汚泥の酸素源として供給される。
原水供給ポンプ1は、原水(廃水)を曝気槽3内に送液することができるポンプであれば特に制限されるものではなく、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプなどを用いることができる。
原水供給管2、膜透過水配管7及び散気エア配管5の材質については特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂、繊維強化樹脂(FRP)などの複合材料、その他の材質などを好ましく使用することができる。
曝気槽3としては、活性汚泥を貯え、浸漬型膜分離装置13を原水と活性汚泥の混合液(微生物含有液)に浸漬することができれば、その大きさや材質等は特に制限されるものではなく、例えば、コンクリート槽、繊維強化樹脂槽などが好ましく用いられる。その他、曝気槽の前段に、嫌気槽、無酸素槽、好気槽などを別に設けて、有機物のほか、窒素・リンなどの栄養塩を除去できるプロセスにしてもよい。
散気エア供給装置4は、圧縮空気を送風する装置のことであり、一般にはブロア、コンプレッサ等が用いられる。送風された空気は微細気泡散気装置12から槽内に微細気泡として送出され、この微細気泡により、膜分離装置の分離膜表面の洗浄が行なわれるとともに、生物処理(好気処理)に必要な酸素が液中に供給される。
吸引ポンプ6は、膜透過水配管7内の膜透過水を吸引するポンプであり、このポンプによる吸引力によって、浸漬型膜分離装置13による膜ろ過固液分離を行うために必要な駆動力が与えられ、水の流れが生じる。この吸引ポンプ6の形状等は特に制限されるものではないが、通常は減圧状態から300kPa以下で運転されるポンプが使用される。
浸漬型膜分離装置13は、上部の膜分離ユニット8と下部の微細気泡散気装置12によって構成され、金属や樹脂などの部材を利用して枠体を形成するなどして、前記膜分離ユニット8と微細気泡散気装置12を支持することが好ましい。
図2は本発明で用いられる微細気泡散気装置12の一実施形態を示す上面図である。微細気泡散気装置12は、微細気泡を発生させることができる散気面を備えた散気装置であれば特に限定されるものではないが、例えば、弾性シート9aの材質に、多孔性のゴム、メンブレンを用いた散気装置を使用することができ、一般に酸素溶解効率が高い散気装置として知られているものを使用することができる。また微細気泡散気装置12の圧力損失は、高すぎると消費電力が増し、省エネルギー性、経済性を損ねることにつながるため、圧力損失が低い方が好ましい。
図2において、微細気泡散気装置12は、微細気泡を発生させることができる散気面を備えた散気装置である。微細気泡散気装置12には複数の微細気泡散気管9が配置されており、それぞれ散気エア供給管10及び微細気泡散気管固定具11に、分岐管10a及び分岐固定具11aを介して連接されている。この散気エア供給管10及び微細気泡散気管固定具11は、分離膜モジュールの鉛直下方部分を挟み対向するように配置されている。
散気エア供給管10、微細気泡散気管固定具11、分岐管10a及び分岐固定具11aの材質としては、散気による振動などの負荷によって破損しない剛性を持つ材質であれば特に限定されるものではない。例えば、ステンレスなどの金属類などを好ましく使用することができる。
図3は本発明で用いられる微細気泡散気管の長軸方向での縦断面図、図4は本発明で用いられる微細気泡散気管の弾性シートの拡大図である。微細気泡散気管9は、中心部に貫通孔9eが複数個設けられた中心管9dがあり、この中心管9dの外周全面を覆うように弾性シート9aが設けられ、弾性シート9aの長軸方向両端部は、環状留め具9bにより固定されている。弾性シート9aは散気面が伸縮により開閉する図4に示すようなスリット9fが多数形成されており、散気エア供給口9cから供給された空気は貫通孔9eを通った後、中心管9dと弾性シート9aとの間に入り、弾性シート9aが膨らみ、スリット9fが開くことにより、微細気泡が放出される構造である。また、空気供給が停止した時には弾性シート膜9aが収縮してスリット9fが閉じるので、微細気泡が放出されない時にスリット9fから、槽内の微生物含有液が微細気泡散気管9内に流入することがなく、膜ろ過運転を行う過程で微生物含有液中の汚泥によるスリット9fの閉塞や微細気泡散気管9内の汚れを防ぐことができる。
弾性シート9aのスリット9fは1〜2mm程度であり、弾性シート9aの長軸方向中央付近のスリット9fは長軸方向両端付近のスリット9fと比較し小さくなっている。ここで、弾性シート9aの長軸方向中央付近のスリット径が変更される部分をスリット径変更部分9L1とする。スリット径変更部分9L1の長さは特に限定されないが、微細気泡散気管9の長軸方向全体の長さに対するスリット径変更部分9L1の長さの割合が20〜30%であると好ましい。
また、弾性シート9aの長軸方向中央部のスリット9fが封止されているものも好適である。ここで、弾性シート9aの長軸方向中央部のスリット9fが封止される部分をスリット封止部分9L2とする。スリット封止部分9L2の長さは特に限定されないが、スリット封止部分9L2の真上部に位置する分離膜への洗浄効果を考慮すると、微細気泡散気管9の長軸方向全体の長さに対するスリット封止部分9L2の長さの割合が3〜5%であると好ましい。
さらに図3、図4に示すように弾性シート9aの長軸方向中央付近のスリット9fが長軸方向両端付近のスリット9fと比較し小さく、かつ長軸方向中央部のスリット9fが封止されていればより好ましい。ここで、スリット径変更部分9L1のスリット9fの径が一様でなく、弾性シート9aの長軸方向中央に向かうにつれ、除々に小さくなっている形態も好ましく採用できる。
弾性シート9aの材質については特に限定されず、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、シリコンゴム、ウレタンゴムなどの合成ゴムや、その他の弾性材を適宜選択して使用することができる。なかでも、エチレンプロピレンジエンゴムは耐薬品性に優れるので好ましい。
環状留め具9b、散気エア供給口9cおよび中心管9dの材質としては、散気による振動などの負荷によって破損しない剛性を持つ材質であれば特に限定されるものではない。例えば、ステンレスなどの金属類、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂、繊維強化樹脂(FRP)などの複合材料、その他の材質などを好ましく使用することができる。
(比較例1)
弾性シート9aのスリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管9(長軸方向全体の長さは140cm)を図5に示す水槽15に浸漬し、水深1m70cm、散気エア量が12NL/min/ELで散気した時に、エア供給口9cからの距離(10、20、40、60、80、100、120、140cm地点)ごとの分離膜ユニット8の上端付近の散気エア量を、メスシリンダー14(直径約10cm)を用い定量的に測定した。ここで、NL(ノルマルリットル)/minとは、1分当たりに流れる基準状態(圧力0.1013MPa、温度0℃、湿度0%)の空気量を指し、NL/min/ELとは分離膜(EL:エレメント)1枚当たりの基準状態で測定した空気量を指す。
弾性シート9aの材質はエチレンプロピレンジエンゴム、中心管9dの材質はポリ塩化ビニル、分岐管10a、環状留め具9b、及び散気エア供給口9cの材質としてはステンレスを使用した。
図6には、弾性シート9aのスリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管の散気エア供給口9cからの距離ごとの散気エア量を示している。図6から読みとれるとおり、弾性シート9aのスリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管9を用いた比較例1の態様では、微細気泡散気管9の中央付近と両端付近との間に散気エアの偏りがあることが確認された。
この傾向が微生物含有液中での運転にどの様に影響するのか確認するため、該微細気泡散気管9を具備する浸漬型膜分離装置13を、原水及び微生物含有液で満たされた曝気槽3に浸漬させ、生物処理が行われた微生物含有液を吸引ポンプ6で吸引し、圧力計16、ろ過流量計17が図1のような配置になるようにしてろ過水を通過させ、曝気槽3内の原水のろ過を行った。なお、この間散気エア供給装置4により散気エア配管5を通し、該微細気泡散気管9から散気エアを吐出し、分離膜のエアスクラビングを行った。
活性汚泥濃度(MLSS)が6000〜8000mg/L程度の原水が入っている槽内の微生物含有溶液を、総膜面積90m2の分離膜ユニット8を介し、吸引ポンプ6で9分間吸引後、1分間停止し、トータルとして36m3/day(0.4m3/m2/d)のろ過水を製造し、更にその間10.0NL/min/ELの散気エア量でエアスクラビングを行ったところ、約3ヶ月間の運転で差圧が急上昇し連続運転が困難となった。
ここで浸漬型膜分離装置13を引き上げ、分離膜への汚泥ケーク付着状況を確認したところ、分離膜ユニット8両端付近の分離膜に大きな汚泥ケークの形成が見られた。
これらは、微細気泡散気管9から吐出された散気エアから生じる旋回流が中央に偏るため、分離膜ユニット8両端の分離膜が効率よく洗浄されず、洗浄効果の比較的高い中央付近の分離膜への負担が増大していることが原因であると推測される。
(実施例1)
比較例1で使用した弾性シート9aのスリット径変更部分9L1のスリット9fを1mmとした微細気泡散気管9を用いて、比較例1と同様の方法で散気エア量を測定した。なお、スリット径変更部分9L1上部の散気エアの過度の減少をさけるため、スリット径変更部分9L1の長さは30cm(長軸方向全体の長さに対する割合は21.4%である。)とした。
図7には弾性シート9aのスリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管9(比較例1)とスリット径変更部分9L1のスリット径を1mmとした微細気泡散気管9(実施例1)の散気エア供給口9cからの距離ごとの散気エア量を示している。図7から読みとれるとおり、スリット径変更部分9L1のスリット径を1mmとした微細気泡散気管9を用いた実施例1の態様の方が、スリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管9を用いた比較例1の態様よりも散気エアが均一化しており、微細気泡散気管9の中央付近と両端付近との間の散気エアの偏りが小さくなっている。
この傾向が微生物含有液中での運転にどの様に影響するのか確認するため、該微細気泡散気管を用いて、比較例1と同様の方法により微生物含有液中でろ過を行った。
活性汚泥濃度(MLSS)が6000〜8000mg/L程度の原水が入っている槽内の微生物含有溶液を、総膜面積90m2の分離膜ユニット8を介し、吸引ポンプ6で9分間吸引後、1分間停止し、トータルとして36m3/day(0.4m3/m2/d)のろ過水を製造し、更にその間10.0NL/min/ELの散気エア量でエアスクラビングを行ったところ、約4ヶ月間の連続運転が可能であった。
ここで浸漬型膜分離装置13を引き上げ、分離膜への汚泥ケーク付着状況を確認したところ、分離膜ユニット8両端付近の分離膜の汚泥ケーク形成量は比較例1に比べ減っていた。
これは、微細気泡散気管9の弾性シート9aの長軸方向中央付近のスリット9fが、両端付近のスリット9fに比べて小さいことにより、微細気泡散気管9の中央部への散気エアの偏りが抑制され、旋回流の影響が小さくなり、全ての分離膜が均等に洗浄され、分離膜への負担が均一化したことが要因であると推測された。
(実施例2)
比較例1で使用した弾性シート9aのスリット封止部分9L2のスリット9fを完全に封止した微細気泡散気管9を用いて、比較例1と同様の方法で散気エア量を測定した。なお、スリット封止部分9L2上部の散気エアの過度の減少をさけるため、スリット封止部分9L2の長さは7cm(長軸方向全体の長さに対する割合は5.0%である。)とした。
図8には弾性シート9aのスリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管9(比較例1)とスリット封止部分9L2のスリットを完全に封止した微細気泡散気管9(実施例2)の散気エア供給口9cからの距離ごとの散気エア量を示している。図8から読みとれるとおり、スリット封止部分9L2のスリット9fを完全に封止した微細気泡散気管9を用いた実施例2の態様の方が、スリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管9を用いた比較例1の態様よりも散気エアが均一化しており、微細気泡散気管9の中央付近と両端付近との間の散気エアの偏りが小さくなっている。
この傾向が微生物含有液中での運転にどの様に影響するのか確認するため、該微細気泡散気管を用いて、比較例1と同様の方法により微生物含有液中でろ過を行った。
活性汚泥濃度(MLSS)が6000〜8000mg/L程度の原水が入っている槽内の微生物含有溶液を、総膜面積90m2の分離膜ユニット8を介し、吸引ポンプ6で9分間吸引後、1分間停止し、トータルとして36m3/day(0.4m3/m2/d)のろ過水を製造し、更にその間10.0NL/min/ELの散気エア量でエアスクラビングを行ったところ、約4ヶ月間の連続運転が可能であった。
ここで浸漬型膜分離装置13を引き上げ、分離膜への汚泥ケーク付着状況を確認したところ、分離膜ユニット8両端付近の分離膜の汚泥ケーク形成量は比較例1に比べ減っていた。
これは、微細気泡散気管9の弾性シート9aの長軸方向中央部分のスリット9fが完全に封止されることにより、微細気泡散気管9の中央部への散気エアの偏りが抑制され、旋回流の影響が小さくなり、全ての分離膜が均等に洗浄され、分離膜への負担が均一化したことが要因であると推測された。
(実施例3)
比較例1で使用した弾性シート9aのスリット径変更部分9L1のスリット9fを1mmとし、かつスリット封止部分9L2のスリット9fを完全に封止した微細気泡散気管9を用いて、比較例1と同様の方法で散気エア量を測定した。なお、スリット径変更部分9L1の長さは30cm(長軸方向全体の長さに対する割合は21.4%である。)とし、スリット封止部分9L2の長さは7cm(長軸方向全体の長さに対する割合は5.0%である。)とした。
図9には弾性シート9aのスリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管9(比較例1)とスリット径変更部分9L1のスリット9fを1mmとし、かつスリット封止部分9L2のスリット9fを完全に封止した微細気泡散気管9(実施例3)の散気エア供給口9cからの距離ごとの散気エア量を示している。図9から読みとれるとおり、スリット径変更部分9L1のスリット9fを1mmとし、かつスリット封止部分9L2のスリット9fを完全に封止した微細気泡散気管9を用いた実施例3の態様の方が、スリット9fがいずれも2mmで一定である微細気泡散気管9を用いた比較例1の態様よりも散気エアが均一化しており、微細気泡散気管9の中央付近と両端付近との間の散気エアの偏りが小さくなっている。
この傾向が微生物含有液中での運転にどの様に影響するのか確認するため、該微細気泡散気管を用いて、比較例1と同様の方法により微生物含有液中でろ過を行った。
活性汚泥濃度(MLSS)が6000〜8000mg/L程度の原水が入っている槽内の微生物含有溶液を、総膜面積90m2の分離膜ユニット8を介し、吸引ポンプ6で9分間吸引後、1分間停止し、トータルとして36m3/day(0.4m3/m2/d)のろ過水を製造し、更にその間10.0NL/min/ELの散気エア量でエアスクラビングを行ったところ、約6ヶ月間の連続運転が可能であった。
ここで浸漬型膜分離装置13を引き上げ、分離膜への汚泥ケーク付着状況を確認したところ、分離膜ユニット8両端付近の分離膜の汚泥ケーク形成量は比較例1、実施例1及び実施例2に比べ減っていた。
これは、微細気泡散気管9の弾性シート9aの長軸方向中央付近のスリット9fが両端付近のスリット9fに比べて小さく、かつ長軸方向中央部のスリット9fが完全に封止されるようなスリット径を除々に変化させる構造にすることにより、微細気泡散気管9の中央部への散気エアの偏りがより抑制され、旋回流の影響が小さくなり、全ての分離膜が均等に洗浄され、分離膜への負担が均一化したことが要因であると推測された。
本発明の浸漬型膜分離装置は、下水処理等の分野において長期間にわたりろ過性能が低下せず、安定運転可能な浸漬型膜分離装置として好適に利用することができる。
1:原水(廃水)供給ポンプ
2:原水供給管
3:曝気槽(微生物含有液収容槽)
4:散気エア供給装置
5:散気エア配管(気体供給配管)
6:吸引ポンプ
7:膜透過水配管
8:分離膜ユニット
9:微細気泡散気管
9a:弾性シート
9b:環状留め具
9c:散気エア供給口(ニップル)
9d:中心管
9e:貫通孔
9f:スリット
9L:スリット径変更部分
10:散気エア供給管
10a:分岐管
11:微細気泡散気管固定具
11a:分岐固定具
12:微細気泡散気装置
13:浸漬型膜分離装置
14:メスシリンダー
15:水槽
16:圧力計
17:ろ過流量計

Claims (5)

  1. 原水を活性汚泥処理する生物処理槽内に浸漬型分離膜を配置し、前記浸漬型分離膜の下方に微細気泡散気装置を配置して連続的に曝気を行い、生物処理槽内の活性汚泥を含む処理混合液を生物処理槽内で浸漬型分離膜により膜ろ過分離する浸漬型膜分離装置において、前記微細気泡散気装置が、中心管および中心管を覆う伸縮により開閉するスリットが多数形成された弾性シートから構成される微細気泡散気管からなり、(a)前記微細気泡散気管の弾性シートの長軸方向中央付近のスリットが、長軸方向両端付近のスリットに比べて小さなスリットを有すること、(b)前記微細気泡散気管の弾性シートの長軸方向中央部のスリットが封止されていること、の少なくとも一つを具備することを特徴とする浸漬型膜分離装置。
  2. 前記微細気泡散気管の長軸方向全体の長さが1mよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の浸漬型膜分離装置。
  3. 前記微細気泡散気管の長軸方向全体の長さに対する前記(a)の長軸方向中央付近の割合が20〜30%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浸漬型膜分離装置。
  4. 前記微細気泡散気管の長軸方向全体の長さに対する前記(b)の長軸方向中央部の割合が3〜5%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の浸漬型膜分離装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の浸漬型膜分離装置で使用される微細気泡散気管。
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