JP2012019950A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】演出内容の整合性を保ちつつ、演出が出現する頻度の低下を防止する。
【解決手段】確変制御中であるときには(ステップS522;Yes)、第2特図保留記憶数が「0」である場合に(ステップS524;Yes)、図柄表示予告を実行するための決定や設定(ステップS525〜S527)が行われないようにする一方で、第2特図保留記憶数が「0」以外である場合には(ステップS524;No)、図柄表示予告を実行可能とし、第2始動入賞口を遊技球が通過したときの判定結果に基づいて、図柄表示予告が実行される。また、確変制御中であるときに(ステップS522;Yes)、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の決定結果に対応する可変表示が開始されることに基づいて(ステップS523;Yes)、その可変表示が終了するまでの期間において図柄表示予告の実行が制限される。
【選択図】図30

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、遊技領域に設けられた第1始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段と、遊技領域に設けられた第2始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段とを備え、識別情報の表示結果として予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、さらに、特別条件が成立したことに基づいて、特定遊技状態が終了した後に特定遊技状態となる確率が特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも高い高確率状態に制御する遊技機に関する。
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、入賞領域に遊技媒体が入賞する(始動条件が成立する)と識別情報を変動可能に表示(可変表示)する可変表示手段が設けられ、可変表示手段において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能になるように構成されたものがある。
このような遊技機において、特図始動口と称する入賞領域への入賞があったときに取得した乱数値が大当りの数値範囲に属するか否かを判定し、その判定結果に基づく事前予告などの抽選を行って、複数回の変動にわたり事前予告などの所定演出を実行可能とするものが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2010−57987号公報
特許文献1に記載の技術では、遊技状態が特図高確率状態などの高確率状態であるか否かに応じて、大当りの数値範囲が変化する。そこで、事前予告の抽選を行うときにも、入賞時の遊技状態が高確率状態であるか否かに応じて大当りの数値範囲を変化させることが考えられる。この場合には、入賞時の遊技状態と変動開始時の遊技状態とが相違することがあり、事前予告の内容と変動表示の結果との整合性を保持できなくなるおそれがあった。
その一方で、事前予告などの抽選を行うときには、入賞時の遊技状態が高確率状態であるか否かにかかわらず、大当りの数値範囲を一定にすることが考えられる。この場合には、高確率状態であるときでも、通常遊技状態(特図低確率状態などの当選確率を通常の確率に設定した遊技状態)に対応した大当りの数値範囲となることから、事前予告の出現頻度が低下して、遊技興趣を向上させることが困難になるおそれがあった。
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、演出内容の整合性を保ちつつ、演出の出現頻度が低下することを防止して、遊技興趣を向上させることができる遊技機の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本願の請求項に係る遊技機は、遊技領域に設けられた第1始動領域(例えば普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口など)を遊技媒体(例えば遊技球など)が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aや画像表示装置5など)と、遊技領域に設けられた第2始動領域(例えば普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口など)を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば第2特別図柄表示装置4Bや画像表示装置5など)とを備え、識別情報の表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば大当り図柄となる特別図柄や大当り組合せの確定飾り図柄など)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態など)に制御し、さらに、特別条件が成立したこと(例えば確変大当り図柄となる特別図柄や確変図柄からなる大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されたことなど)に基づいて、前記特定遊技状態が終了した後に前記特定遊技状態となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも高い高確率状態(例えば確変状態など)に制御する遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、前記第1始動領域または前記第2始動領域を遊技媒体が通過したときに、前記特定遊技状態に制御するか否かを決定するために用いる決定用数値を抽出する抽出手段(例えばステップS218の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103など)と、前記第1始動領域または前記第2始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず未だ開始されていない識別情報の可変表示について、前記抽出手段により抽出された前記決定用数値を所定の上限記憶数(例えば「4」など)の範囲内で記憶可能な保留記憶手段(例えば第1及び第2特図保留記憶部151A、151Bなど)と、識別情報の可変表示を開始するときに前記保留記憶手段から読み出した前記決定用数値に基づいて、前記特定遊技状態に制御させるか否かと、前記特別条件を成立させるか否かとを、識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(例えばステップS241の処理を実行するCPU103など)と、前記事前決定手段による決定前に、前記第1始動領域または前記第2始動領域を遊技媒体が通過したときに前記抽出手段により抽出された前記決定用数値を用いて、前記特定遊技状態に制御されるか否かを判定する始動時判定手段(例えばステップS404、S410の処理を実行するCPU103など)と、前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示よりも、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示を優先して実行する可変表示制御手段(例えばステップS231、S235の処理を実行した後にステップS111〜S113の処理を実行するCPU103など)と、前記始動時判定手段の判定結果に基づいて、該判定結果に対応する識別情報の可変表示が開始される以前に、前記特定遊技状態に制御される可能性を報知する特定演出(例えば保留表示予告や図柄表示予告となる連続予告演出など)を実行可能な特定演出実行手段(例えばステップS512、S513、S463の処理を実行する演出制御用CPU120など)とを備え、前記事前決定手段は、識別情報の可変表示が開始されるときの遊技状態が前記高確率状態ではないときに所定数の特定遊技状態決定値を含んだ通常決定用データ(例えば特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が「通常状態又は時短状態」に対応したテーブルデータなど)を用いる一方、識別情報の可変表示が開始されるときの遊技状態が前記高確率状態であるときに前記所定数より多数の特定遊技状態決定値を含んだ特別決定用データ(例えば特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が「確変状態」に対応したテーブルデータなど)を用いて、前記特定遊技状態に制御させるか否かを決定し(例えばステップS240の処理を実行した後にステップS241の処理を実行する)、前記始動時判定手段は、前記始動領域を遊技媒体が通過したときの遊技状態が前記高確率状態ではないときに前記通常決定用データを用いる一方、前記始動領域を遊技媒体が通過したときの遊技状態が前記高確率状態であるときに前記特別決定用データを用いて、前記特定遊技状態に制御されるか否かを判定し(例えばステップS401、S402の処理を実行した後にステップS404、S410の処理を実行する)、前記高確率状態であるときには、前記始動時判定手段の判定結果のうち前記第2始動領域を遊技媒体が通過したときの判定結果に基づいて、前記特定演出実行手段により前記特定演出を実行する一方、前記事前決定手段による特定遊技状態に制御する決定結果に対応して前記第1可変表示手段により識別情報の可変表示が開始されることに基づいて、該可変表示が終了するまでの期間において前記特定演出実行手段による前記特定演出の実行を制限する(例えばステップS505におけるNoの判定に基づいて、ステップS510〜S512の処理を実行せず、ステップS505にてYesと判定されたときでも、ステップS508、S509の処理を実行した後に、特図表示結果が「大当り」となる第1特図を用いた特図ゲームを実行中であるときには、ステップS510〜S512の処理を実行せずにステップS513の処理に進む。また、ステップS522におけるYesの判定とステップS523におけるYesの判定とに基づきステップS525〜S527の処理を実行せず、ステップS523にてNoと判定されたときでも、ステップS524にてYesと判定されればステップS525〜S527の処理を実行しない)。
このような構成によれば、第1始動領域や第2始動領域を遊技媒体が通過したときに抽出された決定用数値を用いて特定遊技状態に制御されるか否かを判定した結果に基づいて、その判定結果に対応する識別情報の可変表示が開始される以前に、特定遊技状態に制御される可能性を報知する特定演出が実行可能となる。ここで、第1始動領域や第2始動領域を遊技媒体が通過したときの遊技状態が高確率状態ではないときに通常決定用データを用いる一方、高確率状態であるときには特別決定用データを用いて、特定遊技状態に制御されるか否かが判定される。そして、高確率状態であるときには、第2始動領域を遊技媒体が通過したときの判定結果に基づいて特定演出が実行される一方、特定遊技状態に制御する決定結果に対応して第1可変表示手段により識別情報の可変表示が開始されることに基づいて、その可変表示が終了するまでの期間においては、特定演出の実行が制限される。これにより、演出内容の整合性を保ちつつ、特定演出の出現頻度を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
前記高確率状態であるときには、前記事前決定手段による前記特定遊技状態に制御する決定結果のうち前記特別条件を成立させない決定結果に対応して前記第1可変表示手段により識別情報の可変表示が開始されることに基づいて、該可変表示が終了するまでの期間において前記特定演出実行手段による前記特定演出の実行を制限してもよい(例えばステップS508、S509の処理を実行した後に、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる第1特図を用いた特図ゲームを実行中であるときには、ステップS510〜S512の処理を実行せずにステップS513の処理に進む。また、ステップS522におけるYesの判定とステップS523におけるYesの判定とに基づきステップS524の処理を実行しない)。
このような構成においては、高確率状態であるときに、特定遊技状態に制御する決定結果のうち特別条件を成立させない決定結果に対応して識別情報の可変表示が開始されることに基づいて、その可変表示が終了するまでの期間において特定演出の実行が制限される。これにより、特別条件が成立せずに特定遊技状態に制御されることで高確率状態が終了するにもかかわらず、高確率状態に対応した特別決定用データを用いて特定遊技状態に制御されるか否かを判定した結果に基づく特定演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
前記始動時判定手段は、前記特定遊技状態に制御されると判定したときに、前記特別条件が成立するか否かを判定し(例えばステップS406、S407、S412、S413の処理を実行する)、前記高確率状態であるときには、前記始動時判定手段による前記特定遊技状態に制御される判定結果のうち前記特別条件が成立しない判定結果に基づいて、該判定結果に対応する識別情報の可変表示に基づき前記高確率状態が終了するまでの期間において前記特定演出実行手段による前記特定演出の実行を制限してもよい(例えばステップS501におけるYesの判定とステップS503におけるYesの判定とに基づきステップS504の処理を実行した後、ステップS501にてNoと判定されるまで、ステップS502でYesと判定されてステップS509〜S511の処理を実行しない)。
このような構成においては、高確率状態であるときに、特定遊技状態に制御される判定結果のうち特別条件が成立しない判定結果に基づいて、その判定結果に対応する識別情報の可変表示に基づき高確率状態が終了するまでの期間において特定演出の実行が制限される。これにより、高確率状態が終了するにもかかわらず、高確率状態に対応した特別決定用データを用いて特定遊技状態に制御されるか否かを判定した結果に基づく特定演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
識別情報の可変表示パターンとして、識別情報の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦所定表示結果を仮停止させた後に全ての識別情報について可変表示を再度実行する再可変表示を所定回実行する再可変表示パターン(例えば「擬似連」の可変表示演出を伴う変動パターンなど)を含む複数種類のいずれかに決定する可変表示パターン決定手段(例えばステップS261〜S269の処理を実行するCPU103など)と、前記再可変表示パターンにより前記再可変表示が所定回実行されるときに、各回の再可変表示が実行される以前に前記特定演出と共通の態様の再可変表示演出(例えば擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる飾り図柄を仮停止させる可変表示演出など)を実行可能な再可変表示演出実行手段(例えばステップS469の処理を実行する演出制御用CPU120など)とを備え、前記特定演出実行手段は、前記特定演出の実行を開始した後、該特定演出を実行する起因となった前記始動時判定手段の判定結果に対応する識別情報の可変表示が開始される以前に、前記再可変表示パターンによる識別情報の可変表示が行われることに対応して、当該再可変表示パターンによる識別情報の可変表示が開始された以後における前記特定演出の実行を中止してもよい(例えばステップS528におけるYesの判定に基づきステップS529の処理を実行する)。
このような構成においては、再可変表示パターンにより再可変表示が所定回実行されるときには、各回の再可変表示が実行される以前に特定演出と共通の態様の再可変表示演出が実行可能となる。そして、特定演出の実行が開始された後、その特定演出を実行する起因となった判定結果に対応する識別情報の可変表示が開始される以前に、再可変表示パターンによる識別情報の可変表示が行われることに対応して、特定演出の実行が中止される。こうして、特定演出を実行している途中で再可変表示演出が実行されるときには、再可変表示演出の終了後に特定演出が続けて実行されないようにすることで、遊技者の過剰な期待感を防ぐことができる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 擬似連チャンス目を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 主基板の側にてカウントされる遊技用乱数を例示する説明図である。 変動パターンを例示する図である。 変動パターン種別を例示する図である。 特図表示結果決定テーブルの構成例を示す図である。 大当り種別決定テーブルの構成例を示す図である。 変動パターン種別決定テーブルの構成例を示す図である。 変動パターン決定テーブルの構成例を示す図である。 遊技制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。 演出制御パターンの構成例などを示す図である。 演出制御用データ保持エリアの構成例を示すブロック図である。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。 入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。 大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞時予告設定処理の一例を示すフローチャートである。 保留表示予告を実行するための設定例を示す図である。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示中予告設定処理の一例を示すフローチャートなどである。 再変動演出設定処理の一例を示すフローチャートなどである。 擬似連変動を実行する際の仮停止図柄などを示す説明図である。 可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。 演出動作の具体例を示す図である。 演出動作の具体例を示す図である。 演出動作の具体例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、例えば複数の表示部位において、非表示(透過色)と所定色表示(例えば青色表示や赤色表示など)とで変化させることなどにより、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別して特定可能に表示できればよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の上部には、回転自在に構成された円形の演出用点灯役物90が設けられている。演出用点灯役物90の内部にはランプあるいはLEDなどの点灯部材が内蔵されており、演出用点灯役物90が回転(動作)しているときに点灯するように構成されている。この演出用点灯役物90は、特定の演出動作(図柄表示予告や「擬似連」の可変表示演出など)が実行されるときに回転・点灯することによって、その演出動作が実行されることを予め報知する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ31Aの取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。図1に示す構成例では、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、スティックコントローラ31A及びプッシュボタン31Bの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、スティックコントローラ31Aとプッシュボタン31Bの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定期間(例えば29秒間や0.5秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「2」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
ラウンドの実行回数が「15」となる15R大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。この実施の形態において、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄は、いずれも15R大当り図柄となり、特図ゲームにおける確定特別図柄として導出表示されたときには、15R大当り状態に制御される。
大当り図柄のうちで「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄のうちで「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける特別図柄として停止表示されたことに基づき15R大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時間短縮制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続すればよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
一例として、「5」または「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。
他の一例として、「5」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が所定回数に達したときには、時短制御を終了させる。その一方で、確変制御は、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続させる。また、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変状態となって確変制御と時短制御がともに開始され、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで確変制御と時短制御をともに継続させる。
確変制御とともに時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。さらに、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
「5」の数字を示す特別図柄は、第1確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第1確変大当り」と称される。「7」の数字を示す特別図柄は、第2確変大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「第2確変大当り」と称される。なお、非確変大当り図柄「3」や第1確変大当り図柄「5」、および第2確変大当り図柄「7」は、一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に(連動して)行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了と必ずしも連動するものでなくてもよい。時短制御と高開放制御がともに行われている遊技状態を、高ベース状態ともいい、高ベース状態であることを高ベース中であるともいう。
パチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づき、大当り遊技状態に制御されてラウンドが実行され、開放状態となった大入賞口に遊技球を入賞させて遊技者が多数の賞球を容易に得られるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。また、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態になりやすくなるという、遊技者にとって有利な遊技価値が付与される。その他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となることや、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることといった、様々な遊技価値が付与されることがある。こうした所定の遊技価値が付与されるか否かは、例えば特図ゲームにおける可変表示結果となる確定大当り図柄といった、所定図柄の表示結果に応じて定められるものであればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定される。「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されればよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば図3に示す擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する飾り図柄が所定表示結果として一旦は仮停止表示された後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。ここで、「左図柄」は「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される飾り図柄である。「中図柄」は「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される飾り図柄である。「右図柄」は「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される飾り図柄である。擬似連チャンス目GC1〜GC8のそれぞれにおいて、「中図柄」となる飾り図柄は、各回の擬似連変動(再可変表示)が実行される以前に最終停止表示される飾り図柄であって、例えば通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を示す特殊な飾り図柄となっている。このように、各回の擬似連変動(再可変表示)が実行される以前に擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する飾り図柄を「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて一旦仮停止させる表示演出は、「第2特殊演出」または「再可変表示演出」ともいう。なお、「第1特殊演出」となる表示演出については後述する。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、連続予告演出となるものがあればよい。連続予告演出は、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する予告演出である。連続予告演出が実行される複数回の可変表示のうちで最終の可変表示は、連続予告演出により可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示であり、連続予告演出による予告対象となる可変表示ともいう。連続予告演出が実行される場合には、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。
この実施の形態では、連続予告演出として、保留表示予告や図柄表示予告を実行することができる。保留表示予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位での表示態様を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、複数回の可変表示にわたり可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。図柄表示予告は、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させることにより、複数回の可変表示にわたり可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、各回の可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば青色など)を有する星型などの記号を示すものとすればよい。このように、飾り図柄の可変表示において特殊な飾り図柄を最終停止表示させる図柄予告演出は、「第1特殊演出」または「特定演出」ともいう。図柄表示予告(第1特殊演出または特定演出)と「擬似連」の可変表示演出における表示演出(第2特殊演出または再可変表示演出)とでは、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄を最終停止表示させるという演出動作の態様において共通している。その一方で、例えば最終停止表示される飾り図柄の表示色などを異ならせることにより、具体的な演出動作の態様においては、いずれの演出動作が実行されたかを認識可能な程度に相違していてもよい。なお、遊技者が容易に認識できる程度に相違させるものに限定されず、遊技者が認識困難あるいは認識不可能な程度(例えば飾り図柄の表示画像における1画素分の表示色を異ならせることなど)に相違させたものであってもよい。
擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる飾り図柄の組合せや、図柄表示予告が実行される場合に飾り図柄の可変表示結果として導出表示される確定飾り図柄の組合せのように、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄を含んだ飾り図柄の表示結果は、「特殊表示結果」ともいう。また、所定の表示色(例えば赤色や青色)を有する星型などの記号を示す飾り図柄のように、「1」〜「8」などの数字を示す通常の飾り図柄とは異なる飾り図柄は、「特殊識別情報」ともいう。
図柄表示予告が実行される場合や、「擬似連」の可変表示演出において再可変表示(擬似連変動)が実行される場合には、例えば全ての飾り図柄が可変表示を開始したときなどに、演出用点灯役物90を用いた所定の演出動作により、図柄表示予告や擬似連チャンス目GC1〜GC8の停止表示などが予め報知されることがある。このように、図柄表示予告(第1特殊演出)または「擬似連」の可変表示演出における表示演出(第2特殊演出)の実行を報知する演出動作は、「特別演出」ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち非確変大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が非確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、非確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「非確変」であるともいう。こうして「非確変大当り」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち第1確変大当り図柄である「5」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、この場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として第1確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態に制御されることが報知される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」で「再抽選・昇格あり」となる場合に対応した「第1確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「第1確変」であるともいう。再抽選演出や大当り中昇格演出のように、確変状態に制御されるか否かを報知するために実行される演出は、確変昇格演出ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄のうち第2確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。こうした飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」で「直当り」となる場合に対応した「第2確変大当り」の可変表示態様と称され、大当り種別が「第2確変」であるともいう。
なお、「直当り」とは、可変表示時間が経過したときに、飾り図柄の可変表示結果として確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されることを直ちに(大当り遊技状態の開始前に)認識可能とするものである。これに対して、再抽選演出や大当り中昇格演出が実行される場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、再抽選演出(例えば飾り図柄の再変動)が実行されて確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることが報知されたり、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることが報知される。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」である場合には、可変表示時間の経過時に、飾り図柄の可変表示結果として非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示され、「第1確変」の場合と同様に大当り遊技状態中に大当り中昇格演出が実行される場合がある。さらに、飾り図柄の可変表示中にも、「第1確変」の場合と同様に再抽選演出が実行される場合がある。ただし、「非確変」の場合には、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、大当り遊技状態中に大当り中昇格演出が実行されても、確変状態に制御されることは報知されない。
確変状態や時短状態では、例えば「確変中」や「時短中」といった確変状態や時短状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、画像表示装置5の表示領域における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態や時短状態であることを遊技者が認識できる演出モードとなるようにしてもよい。あるいは、確変状態では、例えば通常状態と同様の演出モードとなることにより、確変状態であることを遊技者が認識不可能あるいは認識困難になることがあってもよい(いわゆる潜伏確変)。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11の側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図4(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図4(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別(飾り図柄の可変表示態様)を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「非確変大当り」を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「第1確変大当り(再抽選・昇格あり)」を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果に対応して「第2確変大当り(直当り)」を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。なお、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば15R大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドB1XXHは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB2XXHは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、所定の数値データを用いた判定結果を通知する演出制御コマンドとしても用いられる。
例えば図4(C)に示すように、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定に用いる所定の決定用数値(例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データ)により、可変表示結果が「大当り」となる大当り遊技状態に制御すると決定される旨の判定がなされたか否かに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB100HやコマンドB200Hは、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定がなされなかった場合の「大当り判定なし」を通知する一方で、コマンドB101H、コマンドB102H、コマンドB201H及びコマンドB202Hは、可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定がなされたことを通知する。また、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を複数種別のいずれかに決定するために用いられる所定の決定用数値(例えば大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データ)により、特別条件が成立して大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される旨の判定がなされたか否かに応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンドB101HやコマンドB201Hは、大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御されない場合の「非確変大当り判定」を通知する一方で、コマンドB102HやコマンドB202Hは、大当り種別が「第1確変」または「第2確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後に確変状態へと制御される場合の「確変大当り判定」を通知する。
コマンドC0XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、乱数回路104やI/O105は、外付けであってもよい。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされた乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図5は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図12に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR5を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しがたい状態(通常開放状態)から遊技球が通過(進入)しやすい状態(拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。
図6は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図7は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図6に示す各変動パターンは、図7に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、ノーマルリーチを伴う変動パターンについては、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。その他の変動パターンについても、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図7に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図6に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図11に示すような変動パターン決定テーブル133の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル133において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図7に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図8は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立したときや、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立したときに、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果のいずれかに割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル130におけるテーブルデータを参照して特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
特図表示結果決定テーブル130では、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果を「大当り」とする決定結果に対する決定値の割当てが異なっている。より具体的には、遊技状態が確変状態である場合に、通常状態又は時短状態である場合よりも多くの決定値が特図表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられている。CPU103は、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、特図表示結果を決定するために用いる決定用データとなるテーブルデータを、特図表示結果決定用テーブルデータとして選択すればよい。
特図表示結果決定テーブル130では、個々の決定値が各決定結果に割り当てられるようにテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値が割り当てられた特図表示結果に決定できればよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、各決定結果に割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示すテーブルデータが設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定結果に割り当てられた決定値の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が含まれる決定値範囲に対応する特図表示結果に決定できるようにしてもよい。特図表示結果決定テーブル130以外に各種設けられた決定テーブルも、同様に設定されたものであればよい。
図9は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定(事前決定)されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「非確変」や「第1確変」や「第2確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当り種別決定テーブル131では、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「第1確変」や「第2確変」などの大当り種別に割り当てられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通の大当り種別決定テーブル131におけるテーブルデータを参照して大当り種別が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、大当り種別に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「非確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「第1確変」や「第2確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「2」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。また、大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、例えば大当り遊技状態において実行可能なラウンドの上限回数や、時短状態において実行可能な特図ゲームの上限回数といった、可変表示結果が「大当り」となることなどに基づいて所定の遊技価値を付与するか否かの決定結果に対応した決定用データを含んでいてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行態様(実行回数や大入賞口の開放時間など)と、確変状態に制御するか否かのうち、いずれか一方又は両方が特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、「非確変大当り」とするか「確変大当り」とするかの決定結果に対して、決定値が割り当てられていてもよい。あるいは、特図表示結果決定テーブル130では、「大当り」の特図表示結果となる場合に、複数種類の大当り種別に対して決定値が割り当てられており、乱数値MR1のみを用いて大当り種別を決定できるようにしてもよい。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図10(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図10(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、図10(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3のいずれかに割り当てられている。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」である場合と「第1確変」及び「第2確変」のいずれかである場合とでは、変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Cは、例えば遊技状態が時短状態や確変状態で時短制御が行われているときに、使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Cとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか時短状態や確変状態における高ベース中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Cとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか時短状態や確変状態における高ベース中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図11は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル133の構成例を示している。変動パターン決定テーブル133は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル133では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、1つ又は複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図12に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図12に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用点灯役物90、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して、飾り図柄の可変表示中などに実行される保留表示予告や図柄表示予告などとなる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図13(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図13(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには演出用点灯役物90といった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作とトリガボタンに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型が備える可動部材における動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図13(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図13(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば図柄表示予告といった予告演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
なお、図柄表示予告を実行するために専用の予告演出制御パターンを使用するものに限定されず、例えば変動パターンに対応する特図変動時演出制御パターンを使用しつつ、最終停止される飾り図柄のみを特殊な飾り図柄に差し替える設定が行われるようにしてもよい。また、保留表示予告を実行するために専用の予告演出制御パターンを用意せずに、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける所定の表示部位での表示態様を、通常時における表示態様とは異なる表示態様とするための演出画像を示す画像データを用意して、その画像データを用いて保留表示予告が開始された後に保留表示を更新するための処理などは、通常時と同様の処理が実行されるようにしてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図14に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図14に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドやコントローラセンサユニット35Aまたはプッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や演出用点灯役物90などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、特別図柄プロセス処理として、図15に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図17及び図18は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読み出す(図17のステップS201)。ここで、入力ポートレジスタは、例えばI/O105に含まれる入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値などが、格納されるレジスタである。この実施の形態では、入力ポートレジスタのビット番号[0]に格納される入力ポートデータが、第1始動口スイッチ22Aから伝送される検出信号となる第1始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示し、入力ポートレジスタのビット番号[1]に格納される入力ポートデータが、第2始動口スイッチ22Bから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示している。
ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[1]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの格納値である第2始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS203)。これに対して、ステップS202にて“0”であると判定された場合には(ステップS202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS204)。
ステップS203、S204の処理のいずれかを実行した後には、ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[0]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS205)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの格納値である第1始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS206)。これに対して、ステップS205にて“0”であると判定された場合には(ステップS205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS207)。
ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(例えば「2」)に達したか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS210)。
ステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS208;No)、第1始動入賞口への有効な遊技球の入賞が第1始動口スイッチ22Aにより検出されていないことに対応して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS211;No)、第2始動入賞口への有効な遊技球の入賞が第2始動口スイッチ22Bにより検出されていないことに対応して、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS213)。
ステップS210、S213の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS214)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み出す。そして、ステップS214における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(図18のステップS215)。このとき、ステップS214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。例えば、図17に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、図17に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立する。
このように、ステップS215にて読出値が上限値に達していないときには(ステップS215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS216)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU103は、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値)と第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値)とを加算した合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算する(ステップS217)。
ステップS217の処理に続いて、CPU103は、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS218)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS219にて乱数値を記憶した後には、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS215にて読出値が上限値に達している場合や(ステップS215;Yes)、ステップS221の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS222)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS222;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS223)、図17に示すステップS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS222;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS224)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、図17に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図17に示すステップS209、S210、S214の処理を実行してから、図18に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS223の処理を実行してから、図17に示すステップS211の処理に進む。そして、ステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図17に示すステップS212〜S214の処理を実行してから、図18に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS224の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図19は、図18のステップS220にて実行される入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図16のステップS110、図20)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、大当り種別の決定が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)したと検出されたときには、CPU103がステップS220の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果が「大当り」に決定される乱数値MR1であるか否かや、特図表示結果が「大当り」に決定される場合に確変状態へと制御すると決定されるか否かを、予め特定する。これにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより連続予告演出を実行するか否かなどを決定することができる。
図19に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態をチェックすることなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。時短フラグは、遊技状態が時短状態であるときや、確変状態にて時短制御が行われるときなどに、オン状態にセットされる。確変フラグは、遊技状態が確変状態であるときに、オン状態にセットされる。したがって、CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、特図表示結果決定テーブル130を構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS403)。このとき、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞に基づき始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS403;「1」)、図18のステップS218にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS402では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS404の処理では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定が行われる。例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。これに対して、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。
ステップS404にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、第1始動入賞時に「大当り判定なし」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100H(図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS405)、入賞時乱数値判定処理を終了する。ステップS404にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、図18のステップS218にて抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づく大当り種別を特定する(ステップS406)。例えば、ステップS406の処理では、図9に示す大当り種別決定テーブル131を選択し、使用テーブルにセットする。続いて、この大当り種別決定テーブル131を参照することにより、ステップS218にて抽出された乱数値MR2に応じて決定される大当り種別が特定される。
ステップS406の処理に続いて、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS407)。そして、特定された大当り種別が「非確変」であるときには(ステップS407;Yes)、第1始動入賞時に「非確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB101H(図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、特定された大当り種別が「非確変」ではないときには(ステップS407;No)、第1始動入賞時に「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB102H(図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS409)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
ステップS403にて第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞に基づき始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS403;「2」)、ステップS404の処理と同様に、乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS410)。こうして、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。その一方で、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定する。
ステップS410にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS410;No)、第2始動入賞時に「大当り判定なし」を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200H(図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS411)、入賞時乱数値判定処理を終了する。ステップS410にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS410;Yes)、ステップS406の処理と同様に、乱数値MR2に基づく大当り種別を特定する(ステップS412)。
ステップS412の処理に続いて、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS413)。そして、特定された大当り種別が「非確変」であるときには(ステップS413;Yes)、第2始動入賞時に「非確変大当り判定」を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB201H(図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS414)、入賞時乱数値判定処理を終了する。これに対して、特定された大当り種別が「非確変」ではないときには(ステップS413;No)、第2始動入賞時に「確変大当り判定」を通知する第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB202H(図4(A)及び(C)を参照)を、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS415)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
以上のような入賞時乱数値判定処理が実行されることにより、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第1始動入賞時や、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第2始動入賞時に、特図表示結果が「大当り」に決定されて大当り遊技状態に制御されるか否かや、特別条件が成立して確変状態に制御されるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して伝送させることができる。
図16に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「第1確変」や「第2確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、15R大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図20は、図16のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。このとき、CPU103は、図19に示すステップS402の処理と同様に、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」と「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」や「第1確変」、「第2確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値と比較して、大当り種別を「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「第1確変」であれば「1」とし、「第2確変」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS246)。一例として、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第1確変」とする決定結果に応じて、第1確変大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「第2確変」とする決定結果に応じて、第2確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS246にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図21は、図16のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」や「第1確変」、「第2確変」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、時短状態や確変状態において時短制御や高開放制御が行われる高ベース中であるか否かを判定する(ステップS264)。このとき、遊技状態が高ベース中ではない場合には(ステップS264;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132Bを選択してセットする(ステップS265)。これに対して、遊技状態が高ベース中である場合には(ステップS264;Yes)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Cを選択してセットする(ステップS266)。
ステップS263、S265、S266の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS267)。ここで、ステップS267の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS265にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)132B、またはステップS266にて選択したハズレ変動パターン種別決定テーブル(高ベース中)132Cを参照して変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定する。このときには、変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とするか「リーチ」とするかが決定される。すなわち、ステップS267の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS267にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル133を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS268)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS268にてセットした変動パターン決定テーブル133を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS269の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS269の処理では、ステップS267における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS272での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
図22は、図16のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。ここで、特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS295の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS291;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS292)。このときには、図柄確定指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS294)。例えば、ステップS294の処理では、特図確定表示時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。こうして、ステップS292の処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS294にて設定された特図確定表示時間が経過するまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであると判定されることになる。
ステップS291にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS296)。例えば、ステップS296の処理では、ステップS294の処理によりタイマ初期値が設定された遊技制御プロセスタイマの格納値である遊技制御プロセスタイマ値を読み取り、そのタイマ値が「0」となったか否かに応じて、特図確定表示時間が経過したか否かを判定すればよい。なお、遊技制御プロセスタイマ値は、そのタイマ値が「0」以外の値であれば、タイマ割込みの発生に基づき遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるごとに、1減算されるように更新すればよい。ステップS296にて特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS296;No)、特別図柄停止処理を終了することで、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS296にて特図確定表示時間が経過したときには(ステップS296;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS297)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS298)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS298;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS299)。また、大当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS300)。例えば、ステップS300の処理では、大当り種別バッファ値に応じた大当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された大当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。
ステップS300の処理に続いて、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS301)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS302)。例えば、ステップS302の処理として、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などが実行されればよい。このときには、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS303)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態となることに対応して、時短状態や確変状態が終了することを、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、演出制御基板12の側では、大当り開始指定コマンドを受信したことにより、時短状態や確変状態が終了することを特定してもよい。この場合には、ステップS303の処理などにより遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS304)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS298にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS298;No)、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了させるか否かの判定を行う(ステップS305)。このとき、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行ってもよい(ステップS306)。これにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態から通常状態となったことなどを、演出制御基板12の側に対して通知することができる。なお、高ベース中における時短制御や高開放制御などが終了したときのみ遊技状態指定コマンドを送信するようにして、その他の場合にはステップS306の処理などにより遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。また、演出制御基板12の側で時短状態における可変表示の実行回数をカウントすることなどにより、主基板11の側とは独立して時短状態が終了するか否かを特定できるようにしてもよい。この場合にも、ステップS306の処理などにより遊技状態指定コマンドが送信されなくてもよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS307)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS305の処理では、例えば時短フラグがオンであるときに、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値を、例えば1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」など)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース中における時短制御や高開放制御などを終了すればよい。他方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持して、ステップS305の処理を終了すればよい。なお、遊技状態が確変状態であるときでも時短フラグがオンであれば時短制御を終了するか否かの判定を行い、終了するとの判定結果に基づき時短制御を終了するようにしてもよい。こうして時短制御を終了する一方で、確変制御については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで、あるいは、さらに所定回数の特図ゲームが実行されるまで、継続させてもよい。これにより、遊技状態が潜伏確変中となることができる。あるいは、時短フラグがオンであるとともに確変フラグがオンとなっている確変状態については、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続して時短制御が行われるようにしてもよい。
図23は、図16のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図16に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「第1確変」、「第2確変」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合には(ステップS323;Yes)、遊技状態を時短状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、遊技制御カウンタ設定部154などに設けられた時短回数カウンタに設定する。その一方で、大当り種別が「第1確変」または「第2確変」と判定された場合には(ステップS323;No)、遊技状態を確変状態とする制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、遊技制御フラグ設定部151などに設けられた確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットする。
なお、大当り種別が「第1確変」と判定された場合と、大当り種別が「第2確変」と判定された場合とで、種類が異なる確変状態へと制御するための設定を行うようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第2確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短回数カウント値の初期値設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定する。これに対して、大当り種別が「第1確変」と判定された場合には、確変フラグと時短フラグをともにオン状態にセットして、時短状態に制御される場合と同様に時短回数カウント値の初期値設定を行い、確変制御は次に特図表示結果が「大当り」となるまで継続して行われる一方、時短制御は特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば「100」)に達するまで継続するように設定してもよい。
ステップS324、S325の処理のいずれかを実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図24のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図24に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び演出用点灯役物90や装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型が備える可動部材の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図25は、コマンド解析処理として、図24のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介した主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS151)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS151;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS151にて受信コマンドがある場合には(ステップS151;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS152)。そして、受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるときには(ステップS152;Yes)、例えば受信コマンドのEXTデータを演出制御バッファ194に設けられた変動パターンバッファに格納することなどにより、変動パターンを記憶させる(ステップS153)。ステップS153の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。
ステップS152にて受信コマンドが変動パターン指定コマンドではない場合には(ステップS152;No)、その受信コマンドは可変表示結果通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS154)。そして、受信コマンドが可変表示結果通知コマンドであるときには(ステップS154;Yes)、例えば受信コマンドのEXTデータを演出制御バッファ194に設けられた可変表示結果バッファに格納することなどにより、特図表示結果等の可変表示結果を記憶させる(ステップS155)。ステップS155の処理にて可変表示結果通知コマンドのEXTデータを可変表示結果バッファに格納すれば、特図表示結果を「大当り」や「ハズレ」のいずれとするかの事前決定結果とともに、特図表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別の決定結果を、記憶させることができる。ステップS155の処理を実行した後には、ステップS151の処理に戻る。
ステップS154にて受信コマンドが可変表示結果通知コマンドではない場合には(ステップS154;No)、その受信コマンドは第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS156)。このとき、受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドでなければ(ステップS156;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS157)。ステップS156にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるときや(ステップS156;Yes)、ステップS157にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS157;Yes)、始動入賞時予告設定処理を実行してから(ステップS158)、ステップS151の処理に戻る。
ステップS157にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS157;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS159)、ステップS151の処理に戻る。
図26は、図25のステップS158にて実行される始動入賞時予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す始動入賞時予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、遊技状態が確変状態であることによる確変制御の実行中であるか否かを判定する(ステップS501)。例えば演出制御用CPU120は主基板11から伝送された遊技状態指定コマンドに基づいて現在の遊技状態を特定し、その遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、確変制御中であるか否かを判定できればよい。
ステップS501にて確変制御中であるときには(ステップS501;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた予告制限フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS502)。予告制限フラグは、確変制御中に「非確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドが伝送されたときに、後述するステップS504の処理によりオン状態にセットされる。その後、確変制御が終了したときには、後述するステップS507の処理などにより予告制限フラグがクリアされてオフ状態となる。
ステップS502にて予告制限フラグがオフであるときには(ステップS502;No)、例えば第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、「非確変大当り判定」が通知されたか否かを判定する(ステップS503)。このとき、「非確変大当り判定」が通知された場合には(ステップS503;Yes)、予告制限フラグをオン状態にセットする(ステップS504)。
ステップS503にて「非確変大当り判定」が通知されていない場合や(ステップS503;No)、ステップS504の処理を実行した後には、第2始動口入賞指定コマンドを受信したか否かに応じて、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞時であるか否かを判定する(ステップS505)。
ステップS501にて確変制御中ではないときには(ステップS501;No)、予告制限フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS506)。このとき、予告制限フラグがオンであれば(ステップS506;Yes)、予告制限フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS507)。
ステップS505にて第2始動入賞時である場合や(ステップS505;Yes)、ステップS506にて予告制限フラグがオフである場合(ステップS506;No)、あるいはステップS507の処理を実行した後には、例えば第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、「大当り判定なし」が通知されたか否かを判定する(ステップS508)。このとき、「大当り判定なし」ではなく「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知された場合には(ステップS508;No)、例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた大当り保留バッファに、始動入賞後の特図保留記憶数をセットする(ステップS509)。
ステップS509の処理では、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれを受信したかに応じた特図保留記憶数を、大当り保留バッファにセットすればよい。例えば、図20に示した特別図柄通常処理などにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、始動入賞後の合計保留記憶数を大当り保留バッファ値として設定する一方で、第2始動口入賞指定コマンドを受信したときに、始動入賞後の第2特図保留記憶数を大当り保留バッファ値として設定すればよい。これにより、「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」の通知に対応する可変表示が実行されるまでの可変表示回数を、大当り保留バッファ値から特定することができる。
ステップS508にて「大当り判定なし」が通知された場合や(ステップS508;Yes)、ステップS509の処理を実行した後には、保留表示予告の有無を決定する(ステップS510)。このときには、例えば図27(A)に示すように、大当り判定の有無に応じた決定割合で、保留表示予告を実行するか否かが決定されればよい。
ステップS510における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどにより更新される保留表示予告実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の保留表示予告実行決定テーブルを参照することにより、保留表示予告となる連続予告演出を実行するか否かを決定すればよい。
保留表示予告実行決定テーブルでは、図25に示すステップS158の処理で判定対象とされた第1始動口入賞指定コマンドや、ステップS159の処理で判定対象とされた第2始動口入賞指定コマンドにより、大当り判定(「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」)が通知されたか否かに応じて、保留表示予告実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、保留表示予告を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、保留表示予告実行決定用の乱数値を、大当り判定の有無に応じたテーブルデータで示される決定値と比較することなどにより、保留表示予告の有無を決定できればよい。
図27(A)に示す決定割合の設定例では、大当り判定の有無に応じて、保留表示予告を実行するか否かの決定割合が異なっている。より具体的には、大当り判定が通知された場合には、通知されなかった場合よりも高い割合で、保留表示予告を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、保留表示予告が実行されたときには、実行されないときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、図27(A)に示す決定割合の設定例に限定されず、保留表示予告が実行されたときには、実行されないときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなるような任意の設定であればよい。また、特図保留記憶数が所定数(例えば「2」など)以上であるときには、所定数未満であるときよりも高い割合で、保留表示予告を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。このような割当ては、大当り判定が通知された場合に対応して行われる一方で、大当り判定が通知されない場合には行われないようにしてもよい。あるいは、大当り判定が通知された場合には、特図保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で保留表示予告を実行すると決定される一方で、大当り判定が通知されない場合には、特図保留記憶数が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも低い割合で保留表示予告を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。こうして、保留表示予告による予告対象となる可変表示が開始されるまでに行われる可変表示の回数が多い場合に、その回数が少ない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなってもよい。
ステップS510における決定に続いて、その決定結果が保留表示予告を実行する「実行あり」か否かを判定する(ステップS511)。保留表示予告を実行する場合には(ステップS511;Yes)、保留表示予告となる連続予告演出における演出動作の態様に対応した保留表示予告パターンを決定する(ステップS512)。このときには、例えば図27(B)に示すように、大当り判定の有無に応じた決定割合で、予め複数パターンが用意された保留表示予告パターンのうちいずれかに決定されればよい。
ステップS512における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどにより更新される保留表示予告パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された保留表示予告パターン決定テーブルを参照することにより、保留表示予告パターンを決定すればよい。
保留表示予告パターン決定テーブルでは、図25に示すステップS158の処理で判定対象とされた第1始動口入賞指定コマンドや、ステップS159の処理で判定対象とされた第2始動口入賞指定コマンドにより、大当り判定(「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」)が通知されたか否かに応じて、保留表示予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、保留表示予告パターンの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、保留表示予告パターン決定用の乱数値を、大当り判定の有無に応じたテーブルデータで示される決定値と比較することなどにより、保留表示予告パターンを決定できればよい。
図27(B)に示す決定割合の設定例では、大当り判定の有無に応じて、保留表示予告パターンの決定割合が異なっている。より具体的には、大当り判定が通知されない場合には保留表示予告パターンPHAの決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には保留表示予告パターンPHBの決定割合が最も高くなる。また、大当り判定が通知されない場合には保留表示予告パターンPHCに決定されることがない一方で、大当り判定が通知された場合には保留表示予告パターンPHCに決定されることがある。このような設定により、保留表示予告パターンPHBによる「保留表示柄変化」の保留表示予告が実行されたときには、保留表示予告パターンPHAによる「保留表示色変化」の保留表示予告が実行されたときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。また、保留表示予告パターンPHCによる「特別キャラクタ表示」の保留表示予告が実行されたときには可変表示結果が「大当り」となることが確定し、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を大幅に高めることができる。
なお、図27(B)に示す決定割合の設定例に限定されず、保留表示予告パターンに対応する演出動作の態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる任意の設定であればよい。
その後、始動入賞時に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留の表示を更新する設定を行ってから(ステップS513)、始動入賞時予告設定処理を終了する。ステップS513の処理では、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのうちいずれを受信したかに応じて、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞表示エリア5Hで非表示となっている表示部位のうちの1つを、始動条件の成立に応じて表示色などを変化させるための表示設定などが行われればよい。ここで、ステップS512にて保留表示予告パターンが決定された場合には、その決定結果に応じた表示態様に変化させるための表示設定が行われればよい。これに対して、ステップS512の処理が実行されずにステップS513の処理が実行されたときには、第1始動入賞時であるか第2始動入賞時であるかに応じた表示設定が行われればよい。
こうした始動入賞時予告設定処理を実行することにより、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したときに、これらのコマンドによる通知内容に基づいて、保留表示予告を実行するか否かを決定することができる。第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、例えばEXTデータなどにより第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果を通知する。このとき抽出された数値データは、保留データとして第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶され、特図ゲームの実行が開始されるときに読み出されて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定などに用いられる。このように、保留表示予告は、第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果に起因して実行される。
ここで、ステップS502にて予告制限フラグがオンであるときには(ステップS502;Yes)、ステップS508〜S512の処理が実行されずにステップS513の処理に進む。すなわち、予告制限フラグがオンであるときには、保留表示予告が実行されないように制限(禁止)される。予告制限フラグは、確変制御中に「非確変大当り判定」が通知された場合に、ステップS504の処理が実行されることによりオン状態となる。そして、ステップS501にて確変制御中ではないと判定されるまで、予告制限フラグはオン状態のまま維持される。したがって、確変制御中の第1始動入賞時や第2始動入賞時に特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には、大当り遊技状態に制御される際に確変状態を終了させる設定(図22のステップS302を参照)が行われるまで、保留表示予告の実行が制限(禁止)される。
一例として、確変制御中に合計保留記憶数が「0」であるとき、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。このとき、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定される場合には、第1始動入賞時に「非確変大当り判定」が通知されたことに対応して、ステップS504の処理にて予告制限フラグがオン状態にセットされる。そして、ステップS501にて確変制御中ではないと判定されるまで、予告制限フラグはオン状態のまま維持される。したがって、確変制御中に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の決定結果に対応して第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに基づいて、その特図ゲームが終了するまでの期間において保留表示予告の実行が制限(禁止)される。
なお、予告制限フラグは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したことに基づいて実行される始動入賞時予告設定処理にて確変制御中ではないと判定されたときにクリアされるものに限定されず、例えば大当り開始指定コマンドや遊技状態指定コマンドを受信して確変状態の終了を特定できたときに、クリアされるようにしてもよい。
また、ステップS505にて第2始動入賞時ではなく第1始動入賞時である場合にも(ステップS505;No)、ステップS508〜S512の処理が実行されずにステップS513の処理に進む。すなわち、確変制御中に第1始動入賞が発生したときには保留表示予告が実行されないように制限(禁止)される。その一方で、ステップS505にて第2始動入賞時である場合には(ステップS505;Yes)、ステップS508〜S512の処理が実行されることで、確変制御中における第2始動入賞の発生に基づいて保留表示予告を実行することができる。したがって、確変制御中であるときには、始動入賞時の判定結果のうち第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの判定結果に基づいて、保留表示予告が実行される。
確変状態において高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなっており、第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて保留表示予告などの連続予告演出を実行すると、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることで、可変表示結果が「大当り」となる保留データを保持した状態で多数回の可変表示を継続して実行することができる。この場合、保留表示予告などの連続予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる保留データが保持されている状態を報知する演出となり、第2特図を用いた特図ゲームを実行することで可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。また、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。そこで、確変制御中であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの判定結果に基づく保留表示予告が実行されないように制限(禁止)することで、第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。
なお、同様の問題は時短状態において高開放制御が行われているときにも発生し得る。そこで、時短制御中であるとき、あるいは、より一般的に高開放制御中であるときには、第1始動入賞が発生したときに保留表示予告が実行されないように制限(禁止)してもよい。その一方で、第2始動入賞が発生したときには保留表示予告を実行できるようにすることで、保留表示予告が出現する頻度の低下を防止できる。すなわち、遊技状態が通常状態であるときに比べて、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる高開放制御が行われているときには、始動入賞時の判定結果のうち第2始動入賞時の判定結果に基づいて保留表示予告が実行されればよい。
図26に示すステップS508にて「大当り判定なし」が通知された場合や、ステップS509の処理を実行した後には、第1特図を用いた特図ゲームの実行中であるか否かの判定が行われるようにしてもよい。例えば、第1変動開始コマンドを受信した後、図柄確定指定コマンドを未だ受信していない期間であれば、第1特図を用いた特図ゲームの実行中であると判定すればよい。このとき、第1特図を用いた特図ゲームの実行中である場合には、例えば可変表示結果通知コマンドの受信結果などに基づいて、その特図ゲームにおける可変表示結果である特図表示結果が「大当り」か否かを判定すればよい。そして、特図表示結果が「大当り」であると判定されたときには、ステップS510〜S512の処理を実行せずに、ステップS513の処理に進むようにしてもよい。これにより、確変制御中の第1特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、その特図ゲームに対応する可変表示が終了するまでの期間において保留表示予告の実行を制限(禁止)することができる。なお、確変制御中に第1特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」に決定された場合のうち、大当り種別が「非確変」に決定された場合に限り、ステップS510〜S512の処理を実行せずにステップS513の処理に進み、大当り遊技状態に制御される際に確変状態を終了させる設定(図22のステップS302を参照)が行われるまで、保留表示予告の実行が制限(禁止)されるようにしてもよい。
こうした第1特図を用いた特図ゲームが実行中であるか否かの判定は、ステップS501にて確変制御中であると判定されたときには実行される一方で、ステップS501にて確変制御中ではないと判定されたときには実行されないようにしてもよい。例えば、確変制御中であるときには、第1特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」に決定された場合、その特図ゲームに対応する可変表示が終了するまでの期間において保留表示予告の実行を制限(禁止)する一方で、確変制御中ではないときには、第1特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」に決定された場合でも、保留表示予告の実行を制限(禁止)しないようにして、保留表示予告の出現頻度を高めることができればよい。
ここで、ステップS501にて確変制御中であると判定した場合、例えばステップS502の処理を実行するより前に、第1特図を用いた特図ゲームを実行中であるか否かの判定や、実行中である場合に特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定などを行うようにすることも考えられる。しかしながら、この場合に特図表示結果が「大当り」となる判定結果に対応してステップS513の処理に進むようにすると、ステップS508、S509の処理が実行されない。そのため、予告制限フラグがオフであるときに、第1特図を用いて実行中の特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」であっても、その特図ゲームが終了するまでに第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、たとえ第2始動入賞時に「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知された場合であっても、大当り判定バッファ値の設定が行われないことから、「大当り判定なし」が通知された場合と同様の割合で図柄表示予告を実行するか否かが決定されてしまうことになる。こうして、「0」以外の大当り判定バッファ値に基づく図柄表示予告の実行が制限されることで、図柄表示予告の出現頻度が低下することがある。これに対して、ステップS508、S509の処理を実行してから、第1特図を用いた特図ゲームを実行中であるか否かの判定や、実行中である場合に特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定などを行うようにすれば、図柄表示予告の出現頻度を高めることができる。
なお、第1特図を用いた特図ゲームを実行中であるときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定されたか否かを判定する場合には、ステップS501にて確変制御中であると判定してからステップS502の処理を実行するより前に、こうした判定が行われてもよい。すなわち、確変制御中であるときに第1特図を用いて実行中の特図ゲームにおいて特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合は、ステップS504の処理により予告制限フラグをオンにセットすべき場合に含まれる。そのため、確変制御中に大当り種別が「非確変」となる第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの判定結果に起因する保留表示予告や図柄表示予告については、その実行を制限(禁止)することが望ましく、ステップS502の処理を実行するより前の判定結果に応じてステップS513の処理に進めるようにしてもよい。
図28は、演出制御プロセス処理として、図24のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図29は、図28のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、可変表示中予告設定処理を実行する(ステップS431)。図30(A)は、ステップS431にて実行される可変表示中予告設定処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中予告設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、図柄表示予告となる連続予告演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS521)。一例として、演出制御フラグ設定部191などには図柄表示予告を実行中であるときにオン状態となる図柄表示予告中フラグを設けておく。そして、ステップS521の処理では、図柄表示予告中フラグがオンであれば図柄表示予告を実行中であると判定する一方、図柄表示予告中フラグがオフであれば図柄表示予告を実行中ではないと判定すればよい。他の一例として、演出制御カウンタ設定部193などに図柄表示予告の残り実行回数をカウントするための図柄表示残回数カウンタを設けてもよい。図柄表示残回数カウンタには、図柄表示予告の実行が開始されるときに、その図柄表示予告による予告対象となる可変表示が実行されるまでの残り可変表示回数に対応するカウント初期値が設定され、特図ゲームの実行開始に対応して飾り図柄の可変表示が開始されるごとに、その格納値である図柄表示残回数カウント値が1減算されるように更新されればよい。そして、ステップS521の処理では、図柄表示残回数カウント値が「0」であれば図柄表示予告を実行中ではないと判定すればよい。
ステップS521にて図柄表示予告を実行中ではない場合には(ステップS521;No)、確変制御中であるか否かを判定する(ステップS522)。このとき、確変制御中であれば(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、通知された可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる「非確変大当り」であるか否かを判定する(ステップS523)。そして、「非確変大当り」ではないと判定されたときには(ステップS523;No)、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS524)。
ステップS522にて確変制御中ではないと判定されたときや(ステップS522;No)、ステップS524にて第2特図保留記憶数が「0」以外であると判定されたときには(ステップS524;No)、図柄表示予告の有無を決定する(ステップS525)。このときには、例えば図30(B)に示すように、大当り保留バッファ値が「0」であるか否かに応じた決定割合で、図柄表示予告を実行するか否かが決定されればよい。
ステップS525における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタなどにより更新される図柄表示予告実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の図柄表示予告実行決定テーブルを参照することにより、図柄表示予告となる連続予告演出を実行するか否かを決定すればよい。
図柄表示予告決定テーブルでは、大当り保留バッファ値が「0」であるか否かに応じて、図柄表示予告実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、図柄表示予告を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、図柄表示予告実行決定用の乱数値を、大当り保留バッファ値に応じたテーブルデータで示される決定値と比較することなどにより、図柄表示予告の有無を決定できればよい。
図30(B)に示す決定割合の設定例では、大当り保留バッファ値が「0」であるか否かに応じて、図柄表示予告を実行するか否かの決定割合が異なっている。大当り判定バッファ値は、図26に示すステップS508にて「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されたと判定した場合に、ステップS509の処理により、その通知に対応する可変表示が実行されるまでの可変表示回数が設定される。したがって、大当り保留バッファ値が「0」以外であるときには、特図表示結果が「大当り」となる特図ゲームの保留データが記憶されていることになる。そこで、大当り保留バッファ値が「0」以外である場合には、「0」である場合よりも高い割合で、図柄表示予告を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられていればよい。このような設定により、図柄表示予告が実行されたときには、実行されないときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、特図ゲームの実行が開始されることで、特図保留記憶数が1減算されることから、これに対応して大当り判定バッファ値を1減算するように更新してから、更新後の大当り保留バッファ値が「0」であるか否かに応じて図柄表示予告を実行するか否かを決定すればよい。
図30(B)に示す決定割合の設定例に限定されず、図柄表示予告が実行されたときには、実行されないときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなるような任意の設定であればよい。また、大当り保留バッファ値が所定値(例えば「2」など)以上であるときには、所定値未満であるときよりも高い割合で、図柄表示予告を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。あるいは、大当り保留バッファ値が所定値以上であるときに、所定値未満であるときよりも高い割合で図柄表示予告を実行すると決定される一方で、大当り保留バッファ値が「0」である場合には、特図保留記憶数(第2特図保留記憶数または合計保留記憶数)が所定数以上であるときに、所定数未満であるときよりも低い割合で図柄表示予告を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられてもよい。こうして、図柄表示予告による予告対象となる可変表示が開始されるまでに行われる可変表示の回数が多い場合に、その回数が少ない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなってもよい。
ステップS525における決定に続いて、その決定結果が図柄表示予告を実行する「実行あり」か否かを判定する(ステップS526)。図柄表示予告を実行する場合には(ステップS526;Yes)、図柄表示予告の残り実行回数などを設定する(ステップS527)。このとき、演出制御用CPU120は、大当り保留バッファ値が「0」であるか否かを判定し、「0」以外であれば、可変表示の開始により特図保留記憶数が1減算されることに対応して、大当り保留バッファ値を1減算するように更新する。なお、ステップS525の処理で既に大当り保留バッファ値を更新した場合には、ここで更新する必要はない。そして、更新後の大当り保留バッファ値を図柄表示残回数カウンタのカウント初期値として設定することなどにより、図柄表示予告の残り実行回数を設定すればよい。なお、確変制御中であるときには、大当り保留バッファ値が第2特図保留記憶数より大きな値であっても、第2特図保留記憶数を上限とする図柄表示残回数カウント値の初期設定が行われるようにすればよい。大当り保留バッファ値が「0」であるときには、合計保留記憶数以下の値を図柄表示残回数カウンタのカウント初期値として設定することなどにより、図柄表示予告の残り実行回数を設定すればよい。また、例えば演出制御フラグ設定部191などに図柄表示予告中フラグを設けた場合には、その図柄表示予告中フラグをオン状態にセットすることにより、図柄表示予告を実行中であることが特定できるようにすればよい。
なお、大当り保留バッファ値が「0」以外であるときには、可変表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されている。そして、この保留データに対応する可変表示を図柄表示予告による予告対象の可変表示とする場合、その可変表示では大当り組合せの飾り図柄が最終停止図柄として導出表示されるので、特殊な飾り図柄を導出表示させる図柄表示予告は実行することができない。そこで、大当り保留バッファ値が「0」以外である場合には、1減算するように更新した後の大当り保留バッファ値よりもさらに1少ない数値を、図柄表示残回数カウンタのカウント初期値として設定することで、図柄表示予告の残り実行回数を設定してもよい。
その後、大当り保留バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS528)、可変表示中予告設定処理を終了する。こうして図柄表示予告の実行中ではないときには、図柄表示予告を実行するか否かの判定結果にかかわらず大当り保留バッファが「0」に初期化されることから、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知されたことに対応する割合で図柄表示予告を実行すると決定されるのは、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した直後に可変表示が開始されるときのみとなる。そして、新たに第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知されたときには、図26に示すステップS509の処理が実行されることで、「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」に対応する新たな保留データに基づく可変表示が実行されるまでの可変表示回数を、大当り保留バッファ値から特定することができるようになる。したがって、図柄表示予告は、複数回の可変表示にて可変表示結果が「大当り」となることを示す保留データが記憶されている場合に、可変表示結果が「大当り」となる最前の保留データに基づく可変表示だけでなく、それより後の保留データに基づく可変表示をも予告対象とすることができる。
ステップS521にて図柄表示予告の実行中であるときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、「擬似連」の可変表示演出を実行する「擬似連あり」であるか否かを判定する(ステップS529)。このとき、「擬似連あり」である場合には(ステップS529;Yes)、図柄表示予告の実行を中止するための設定を行ってから(ステップS530)、可変表示中予告設定処理を終了する。ステップS530の処理では、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられた図柄表示残回数カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する。また、演出制御フラグ設定部191などに図柄表示予告中フラグを設けた場合には、その図柄表示予告中フラグをクリアしてオフ状態とすればよい。こうして、図柄表示予告の実行中に「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンとなる場合には、未だ予告対象となる可変表示が実行されていなくても、図柄表示予告の実行が中止される。したがって、図柄表示予告の実行が開始された後、その図柄表示予告を実行する起因となった始動入賞時の判定結果に対応する可変表示が開始される以前に、「擬似連」の可変表示演出を実行する再可変表示パターンとなる変動パターンによる可変表示が行われることに対応して、その再可変表示パターンによる可変表示が開始された以後における図柄表示予告の実行が中止される。
ステップS529にて「擬似連あり」ではない場合には(ステップS529;No)、例えば図柄表示残回数カウント値を1減算することなどにより、図柄表示予告の残り実行回数を更新してから(ステップS531)、可変表示中予告設定処理を終了する。
このような可変表示中予告設定処理を実行することにより、大当り保留バッファ値に基づいて、図柄表示予告を実行するか否かを決定することができる。大当り保留バッファには、主基板11から伝送された第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」が通知されたときに、図26に示すステップS509にて、その通知に対応した保留データの記憶位置(保留番号)を特定可能な値が設定される。第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、例えばEXTデータなどにより第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果を通知する。このとき抽出された数値データは、保留データとして第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶され、特図ゲームの実行が開始されるときに読み出されて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定などに用いられる。このように、図柄表示予告は、第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された数値データの判定結果に起因して実行される。
ここで、ステップS524にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS524;Yes)、ステップS525〜S527の処理が実行されずにステップS528の処理に進む。すなわち、確変制御中に第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの保留データしか記憶されていないときには図柄表示予告が実行されないように制限(禁止)される一方で、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの保留データが記憶されているときには図柄表示予告を実行することができる。ステップS527の処理では、確変制御中であるときには第2特図保留記憶数を上限とする図柄表示残回数カウント値がセットされる。こうして、確変制御中であるときには、始動入賞時の判定結果のうち第2始動入賞口を遊技球が通過したときの判定結果に基づいて、図柄表示予告が実行される。これにより、確変状態において高開放制御が行われているときに、第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて図柄表示予告などの連続予告演出を実行しないようにして、健全な遊技性を確保しつつ、図柄表示予告が出現する頻度の低下を防止できる。
なお、時短制御中であるとき、あるいは、より一般的に高開放制御中であるときには、始動入賞時の判定結果のうち第2始動入賞口を遊技球が通過したときの判定結果に基づいて、図柄表示予告が実行されるようにしてもよい。すなわち、遊技状態が通常状態であるときに比べて、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる高開放制御が行われているときには、始動入賞時の判定結果のうち第2始動入賞時の判定結果に基づいて図柄表示予告が実行されればよい。
ステップ523にて「非確変大当り」であるときには(ステップS523;Yes)、ステップS524〜S527の処理が実行されずにステップS528の処理に進む。すなわち、確変制御中に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の可変表示が開始されることに基づいて、その可変表示が終了するまでの期間において図柄表示予告の実行が制限(禁止)される。例えば、確変制御中の第1特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定された場合には、大当り遊技状態に制御される際に確変状態を終了させる設定(図22のステップS302を参照)が行われるまで、図柄表示予告の実行が制限(禁止)される。
なお、確変制御中の第1特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「非確変」であるか否かにかかわらず、その特図ゲームに対応する可変表示が終了するまでの期間において図柄表示予告の実行が制限(禁止)されるようにしてもよい。また、確変制御中の第2特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」に決定された場合にも、大当り遊技状態に制御される際に確変状態を終了させる設定が行われるまで、図柄表示予告の実行が制限(禁止)されればよい。あるいは、確変制御中の第2特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「非確変」であるか否かにかかわらず、その特図ゲームに対応する可変表示が終了するまでの期間において図柄表示予告の実行が制限(禁止)されるようにしてもよい。
確変制御中に「非確変大当り判定」が通知されたときには、図26に示すステップS504の処理により予告制限フラグがオン状態にセットされ、その後さらに始動入賞が発生した場合には、ステップS502の処理により、ステップS508、S509の実行が制限され、大当り保留バッファの設定が行われない。これにより、遊技状態が確変状態であるときには、始動入賞時に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる判定がなされたことに応じて、「0」以外の大当り判定バッファ値に基づく図柄表示予告の実行が制限され、その後の始動入賞時に可変表示結果が「大当り」となる判定結果が通知されたとしても、「大当り判定なし」が通知された場合と同様の割合で図柄表示予告を実行するか否かが決定される。
なお、確変制御中に「非確変大当り判定」が通知されたときには、その確変制御が終了するまでの期間において、図柄表示予告を実行することがないように制限してもよい。例えば、図30(A)に示すステップS522の処理で確変制御中であると判定されたときに、予告制限フラグがオンであれば、ステップS525〜S527の処理を実行しないようにすればよい。
第1特図を用いた特図ゲームの保留データに対応する図柄表示予告の実行を開始した後、予告対象となる可変表示が実行される以前に、図25に示すステップS157の処理により第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されたときには、図柄表示残回数カウント値を1加算するように更新してもよい。すなわち、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した後に第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しても、第2始動入賞口における始動入賞に基づく特図ゲームが先に実行されることになる。そのため、図柄表示残回数カウント値が第1特図を用いた特図ゲームの保留データに対応する保留位置(保留番号)を示しているときに、第2始動入賞口における始動入賞が発生した場合には、図柄表示残回数カウント値と図柄表示予告を実行する起因となった特図ゲームが実行される順番とが相違してしまうおそれがある。そこで、第2始動口入賞指定コマンドの受信に対応して図柄表示残回数カウント値を1加算するように更新することで、こうした相違の発生を防止できる。なお、図柄表示残回数カウント値が第2特図を用いた特図ゲームの保留データに対応するものである場合には、このような相違は発生しないから、図柄表示残回数カウント値の更新は不要である。
なお、図柄表示残回数カウント値が第1特図を用いた特図ゲームの保留データに対応するものであるか否かは、第2特図保留記憶数を用いて特定することができる。例えば、図柄表示残回数カウント値が第2特図保留記憶数よりも大きい場合には、図柄表示予告による予告対象となる可変表示が第1特図を用いた特図ゲームの保留データに対応するものとなっている。
図29に示すステップS431にて以上のような可変表示中予告設定処理を実行した後には、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS432)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(ステップS432;Yes)、図柄表示予告を実行中であるか否かを判定する(ステップS433)。
図柄表示予告を実行中であるときには(ステップS433;Yes)、図柄表示予告用となる最終停止図柄を決定する(ステップS434)。一例として、ステップS434の処理では、まず、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する。そして、非リーチ変動パターンである場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに対応して、互いに異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。また、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける最終停止図柄として、例えば所定の表示色(青色など)を有する星型などの記号を示す飾り図柄といった、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない図柄表示予告に特有の飾り図柄を決定する。また、リーチ変動パターンである場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに対応して、互いに同一(共通)の飾り図柄を最終停止図柄に決定する。また、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける最終停止図柄については、非リーチ変動パターンの場合と同様に、図柄表示予告に特有の飾り図柄を決定すればよい。
ステップS433にて図柄表示予告を実行中ではないときには(ステップS433;No)、変動パターンに応じた最終停止図柄を決定する(ステップS435)。すなわち、非リーチ変動パターンの場合には非リーチ組合せとなる飾り図柄を最終停止図柄に決定し、リーチ変動パターンの場合にはリーチ組合せとなる飾り図柄の最終停止図柄を決定する。
ステップS432にて特図表示結果が「ハズレ」ではなく「大当り」であると判定されたときには(ステップS432;No)、確変昇格演出を実行するための設定が行われる(ステップS436)。ステップS436の処理では、例えば大当り種別が「非確変」や「第1確変」である場合に、再抽選決定テーブルや大当り中昇格決定テーブルを参照することなどにより、再抽選演出や大当り中昇格演出を実行するか否かを決定する。また、例えば再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS436での設定に続いて、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS437)。ステップS437における処理の一例として、まず、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「第1確変」または「第2確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「第1確変」でステップS436において大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときや、大当り種別が「第2確変」であるときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「第1確変」である場合であっても、ステップS436において大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにする。
ステップS434、S435、S437の処理のいずれかを実行した後には、再変動演出設定処理を実行する(ステップS438)。続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS439)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。このときには、例えばステップS438の再変動演出設定処理における「滑り」の可変表示を実行するか否かの決定結果に応じて、異なる特図変動時演出制御パターンが選択されてもよい。また、図柄表示予告報知や擬似連報知を実行する場合には、各々の報知となる演出動作を実行するために予め用意された演出制御パターンが選択され、使用パターンとしてセットされてもよい。
ステップS439の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS440)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS441)。このときには、例えばステップS439にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS442)、可変表示開始設定処理を終了する。
また、ステップS441の処理では、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留の表示を更新する設定が行われるようにしてもよい。このときには、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのうちいずれを受信したかに応じて、画像表示装置5の画面上に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで表示色が変化している表示部位のうちの1つを、開始条件の成立に応じて非表示(透過色)とするための表示設定が行われればよい。加えて、表示色が変化したまま残された表示部位を1つずつシフトさせるための表示設定が行われるようにしてもよい。これにより、保留表示予告が実行されている場合には、その予告対象となる可変表示が開始するときに、保留の表示が消去されることで、保留表示予告の実行が終了する。
図31(A)は、図29のステップS438にて実行される再変動演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図31(A)に示す再変動演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示のうち、可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を導出表示(最終停止表示)するための変動中に「滑り」の可変表示演出を実行するか否かを、最終停止前滑りの有無として決定する(ステップS541)。ここで、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、初回変動及び全ての擬似連変動のうち、最終の擬似連変動が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでに飾り図柄の少なくとも一部を変動させる期間が、確定飾り図柄を導出表示するための変動中となる。また、「擬似連」の可変表示演出が実行されない場合には、開始条件(第1開始条件または第2開始条件)の成立に基づき飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄が導出表示されるまでに飾り図柄の少なくとも一部を変動させる期間が、確定飾り図柄を導出表示するための変動中となる。最終停止前滑りの有無は、例えば図31(B)に示すように、図柄表示予告を実行するか否かに応じた割合で決定されればよい。
ステップS541における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される最終停止前滑り実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の最終停止前滑り実行決定テーブルを参照することにより、最終停止前滑りとなる「滑り」の可変表示演出を実行するか否かを決定すればよい。
最終停止前滑り実行決定テーブルでは、図柄表示予告が実行されるか否かに応じて、最終停止前滑り実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、最終停止前滑りを実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、最終停止前滑り実行決定用の乱数値を、図柄表示予告の有無に応じたテーブルデータで示される決定値と比較することなどにより、最終停止前滑りの有無を決定できればよい。
図31(B)に示す決定割合の設定例では、図柄表示予告が実行されるか否かに応じて、最終停止前滑りを実行するか否かの決定割合が異なっている。より具体的に、図柄表示予告が実行される場合には、実行されない場合よりも高い割合で、最終停止前滑りとなる「滑り」の可変表示演出を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、確定飾り図柄(最終停止図柄)を導出表示(最終停止表示)するための変動中において、「滑り」の可変表示演出が実行されたときには、実行されないときよりも図柄表示予告により特殊な飾り図柄が停止表示(最終停止)されやすくなる。例えば可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、「滑り」の可変表示演出が実行されて飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止表示されたときに、「滑り」の可変表示演出が実行されずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止表示されたときよりも高い割合で、図柄表示予告に対応して特殊な飾り図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cに最終停止する特殊表示結果としての確定飾り図柄になる。
なお、図31(B)に示す決定割合の設定例に限定されず、図柄表示予告が実行される場合には、実行されない場合よりも高い割合で、最終停止前滑りとなる「滑り」の可変表示演出を実行すると決定されるような任意の設定であればよい。
このように、ステップS541の処理では、図柄表示予告を実行するか否かの決定結果に基づいて、「滑り」の可変表示演出を実行するか否かが決定される。これにより、「滑り」の可変表示演出が実行されたか否かに応じて図柄表示予告となる連続予告演出が実行される割合(可能性)を、適切に設定することができる。例えば変動パターンにより「滑り」の可変表示演出を実行するか否かが指定される場合には、図柄表示予告のような連続予告演出が実行される場合に、「滑り」の可変表示演出を実行するか否かの割合を、予告演出の有無に応じた所定割合に設定することが不可能または困難になるという問題がある。これに対して、ステップS541の処理では、図柄表示予告の有無に応じて「滑り」の可変表示演出を実行するか否かを決定していることから、上記の問題が生じることがなく、「滑り」の可変表示演出と図柄表示予告の一方または両方が実行される割合を適切に設定することができる。
ステップS541における決定に続いて、その決定結果が最終停止前滑りを実行する「実行あり」か否かを判定する(ステップS542)。最終停止前滑りを実行する場合には(ステップS542;Yes)、最終停止前滑りに対応した滑り前仮停止図柄を決定する(ステップS543)。ステップS543における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される滑り前仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の滑り前仮停止図柄決定テーブルを参照することにより、滑り前仮停止図柄を決定すればよい。
ステップS543の処理で用いられる滑り前仮停止図柄決定テーブルでは、図柄表示予告が実行されるか否かに応じて、滑り前仮停止図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、滑り前仮停止図柄の決定結果に割り当てられていればよい。そして、滑り前仮停止図柄の決定結果に応じて、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となる「リーチ経由あり」と、リーチ状態とはならない「リーチ経由なし」のいずれかになるようにすればよい。一例として、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて一旦仮停止された飾り図柄を再可変表示させる「滑り」の可変表示演出が実行される場合には、滑り前仮停止図柄を「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて停止表示される飾り図柄(確定飾り図柄)と同一のものにすれば、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となり、その後に「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されることで、非リーチ組合せを構成する飾り図柄を「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示させることができる。なお、可変表示態様が「リーチ」となる場合には、滑り前仮停止図柄が停止表示されることで飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となり、その後に「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行され、その後に「右」の飾り図柄表示エリア5Lにて確定飾り図柄となる飾り図柄(右図柄)が停止表示することで、再び飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となればよい。
また、滑り前仮停止図柄を「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて停止表示される飾り図柄(左図柄)と同一のものにすることで「リーチ経由あり」となるものに限定されず、例えば左図柄と1つ異なるものにしてから再可変表示を行うときに一旦はリーチ状態とすることで「リーチ経由あり」となるものであってもよい。
こうしたリーチ経由の有無は、例えば図31(C)に示すように、図柄表示予告を実行するか否かに応じた割合で決定されればよい。図31(C)に示す決定割合の設定例では、図柄表示予告が実行されるか否かに応じて、「リーチ経由あり」とするか否かの決定割合が異なっている。より具体的に、図柄表示予告が実行される場合には、実行されない場合よりも高い割合で、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となる「リーチ経由あり」に決定されるように、滑り前仮停止図柄の決定結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、確定飾り図柄(最終停止図柄)を導出表示(最終停止表示)するための変動中において、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となってから「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されたときには、リーチ状態とはならずに「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されたときよりも図柄表示予告により特殊な飾り図柄が停止表示(最終停止)されやすくなる。例えば可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って停止表示されることで飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となった後に「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されて非リーチ組合せを構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止表示されたときに、リーチ状態となることなく「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されて非リーチ組合せを構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止表示されたときよりも高い割合で、図柄表示予告に対応して特殊な飾り図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cに最終停止する特殊表示結果としての確定飾り図柄になる。
なお、図31(C)に示す決定割合の設定例に限定されず、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となってから「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されたときには、リーチ状態とならずに「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されたときよりも高い割合で、図柄表示予告により特殊表示結果が停止表示されるような任意の設定であればよい。
ステップS542にて最終停止前滑りを実行しない「実行なし」である場合には(ステップS542;No)、演出用点灯役物90を用いて図柄表示予告の実行を予め報知する図柄表示予告報知を実行するための演出設定を行う(ステップS544)。ステップS544における処理の一例として、演出制御用CPU120は、図柄表示予告が実行されるか否かを判定し、実行されると判定した場合には、図柄表示予告報知用に予め用意された予告報知パターンを選択することなどにより、常に図柄表示予告報知が実行されるように設定してもよい。あるいは、図柄表示予告が実行される場合でも、所定割合で図柄表示予告報知を実行しないことに決定してもよい。また、図柄表示予告が実行されないと判定した場合には、常に図柄表示予告報知が実行されないように設定してもよい。あるいは、図柄表示予告が実行されない場合でも、所定割合で図柄表示予告報知を実行することに決定してもよい。
このように、図柄表示予告報知用の演出設定は、最終停止前滑りが実行されないときに行われる一方で、最終停止前滑りが実行されるときには行われない。したがって、確定飾り図柄(最終停止表示)を導出表示(最終停止表示)するための変動中において、図柄表示予告に対応して特殊表示結果となる飾り図柄の組合せが停止表示される以前に「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されるときには、演出用点灯役物90を用いた図柄表示予告報知が実行されないように制限(禁止)される。
ステップS543、S544の処理のいずれかを実行した後には、「擬似連」の可変表示演出を実行する「擬似連あり」であるか否かを判定する(ステップS545)。そして、「擬似連あり」ではないときには(ステップS545;No)、再変動演出設定処理を終了する。これに対して、「擬似連あり」の場合には(ステップS545;Yes)、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応した擬似連変動の実行回数(擬似連回数)を変数Mにセットする(ステップS546)。ここでの擬似連回数は、初回変動を除き、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されるまでに「擬似連」の可変表示演出で実行される再可変表示の実行回数であればよい。
その後、擬似連時仮停止図柄を決定する(ステップS547)。ステップS547における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ193に設けられたランダムカウンタなどにより更新される各種の乱数値を示す数値データのうち変数Mの値に対応する擬似連時仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された複数種類の擬似連時仮停止図柄決定テーブルのうち変数Mの値に対応する図柄決定テーブルを参照することにより、擬似連時仮停止図柄となる飾り図柄の組合せを、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかに決定すればよい。
ステップS547の処理に続いて、飾り図柄の可変表示のうち、ステップS547の処理により変数Mの値に対応して決定した擬似連時仮停止図柄が停止表示(仮停止)される直前の変動中に「滑り」の可変表示演出を実行するか否かを、擬似連前滑りの有無として決定する(ステップS548)。ここで、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合に、初回変動及び全ての擬似連変動のうち、M回目の擬似連変動が実行される直前の初回変動または擬似連変動を実行する期間が、変数Mの値に対応して決定した擬似連時仮停止図柄を停止表示(仮停止)する直前の変動中となる。擬似連前滑りの有無は、例えば図31(D)に示すような割合で決定されればよい。
ステップS548における処理の一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される各種の乱数値を示す数値データのうち変数Mの値に対応する擬似連前滑り実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された複数種類の擬似連前滑り実行決定テーブルのうち変数Mの値に対応する滑り実行決定テーブルを参照することにより、変数Mの値に対応して擬似連前滑りとなる「滑り」の可変表示演出を実行するか否かを決定すればよい。
擬似連前滑り実行決定テーブルでは、擬似連前滑り実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、擬似連前滑りを実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、擬似連前滑り決定用の乱数値を、擬似連前滑り実行決定テーブルのテーブルデータで示される決定値と比較することなどにより、擬似連前滑りの有無を決定できればよい。
図31(D)に示す決定割合の設定例では、擬似連前滑りとなる「滑り」の可変表示を実行する「実行あり」に決定される割合が、「実行なし」に決定される割合よりも高くなるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、「擬似連」の可変表示演出において各回の再可変表示(擬似連変動)が実行される以前には、「滑り」の可変表示演出が実行されやすくなる。また、図31(D)に示す決定割合の設定例では、図31(A)に示す決定割合の設定例において図柄表示予告を実行しない「実行なし」の場合よりも高い割合で、「滑り」の可変表示演出を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。このような設定により、飾り図柄の可変表示中において、「滑り」の可変表示演出が実行されたときには、実行されないときよりも「擬似連」の可変表示演出における再可変表示(擬似連変動)が実行されやすくなり、その再可変表示以前に擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなり特殊な飾り図柄が停止表示(最終停止)されやすくなる。例えば可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、「滑り」の可変表示演出が実行されて飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止表示されたときに、「滑り」の可変表示演出が実行されずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに停止表示されたときよりも高い割合で、「擬似連」の可変表示演出に対応して擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する特殊な飾り図柄が「中」の飾り図柄表示エリア5Cに最終停止する特殊表示結果が停止表示(仮停止)される。
なお、図31(D)に示す決定割合の設定例に限定されず、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、「擬似連」の可変表示演出と図柄表示予告のいずれも実行されない場合よりも高い割合で、擬似連前滑りとなる「滑り」の可変表示演出を実行すると決定されるような任意の設定であればよい。
ステップS548における決定に続いて、その決定結果が擬似連前滑りを実行する「実行あり」か否かを判定する(ステップS549)。擬似連前滑りを実行する場合には(ステップS549;Yes)、擬似連前滑りに対応した滑り前仮停止図柄を決定する(ステップS550)。ステップS550における処理の一例として、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って停止表示されるように滑り前仮停止図柄を決定することで、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となる「リーチ経由あり」になるようにすればよい。このような設定により、「擬似連」の可変表示演出において各回の再可変表示(擬似連変動)が実行される以前に「滑り」の可変表示演出が実行される場合には、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となってから「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されることになる。これに対して、ステップS543の処理により最終停止前滑りを実行する「実行あり」と判定された場合には、ステップS543にて図31(C)に示すような決定割合で滑り前仮停止図柄が決定されるので、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とはならずに「滑り」の可変表示演出が実行される場合もある。したがって、飾り図柄の可変表示中において、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となってから「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されたときには、リーチ状態とならずに「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されたときよりも「擬似連」の可変表示演出における再可変表示(擬似連変動)が実行されやすくなり、その再可変表示(擬似連変動)以前に擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなり特殊な飾り図柄が停止表示(最終停止)されやすくなる。
なお、ステップS550の処理にて常に「リーチ経由あり」とするものに限定されず、飾り図柄の可変表示状態が一旦はリーチ状態となってから「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されたときには、リーチ状態とならずに「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されたときよりも高い割合で、「擬似連」の可変表示演出における再可変表示(擬似連変動)が実行されて、その以前に擬似連チャンス目GC1〜CG8のいずれかとなる特殊表示結果が仮停止するような任意の設定であればよい。
ステップS549にて擬似連前滑りを実行しない「実行なし」である場合には(ステップS549;No)、演出用点灯役物90を用いて「擬似連」の可変表示演出における再可変表示(擬似連変動)の実行を予め報知する擬似連報知を実行するための設定を行う(ステップS551)。ステップS551における処理の一例として、演出制御用CPU120は、擬似連報知用に予め用意された擬似連報知パターンを選択することなどにより、常に擬似連報知が実行されるように設定してもよい。あるいは、所定割合で擬似連報知を実行しないことに決定してもよい。
このように、擬似連報知用の演出設定は、擬似連前滑りが実行されないときに行われる一方で、擬似連前滑りが実行されるときには行われない。したがって、「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行されてから「擬似連」の可変表示演出における再可変表示(擬似連変動)の以前に特殊表示結果となる擬似連チャンス目GC1〜GC8のうちいずれかとなる飾り図柄の組合せが仮停止されるときには、演出用点灯役物90を用いた擬似連報知が実行されないように制限(禁止)される。
ステップS550、S551の処理のいずれかを実行した後には、変数Mの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS552)。このとき、変数Mの値が「1」であれば(ステップS552;Yes)、再変動演出設定処理を終了する。これに対して、変数Mの値が「1」以外であれば(ステップS552;No)、変数Mの値を1減算するように更新した後(ステップS553)、ステップS547の処理に戻る。
こうした再変動演出設定処理を実行することにより、例えば図32に示すように、「擬似連」の可変表示演出における再可変表示(擬似連変動)の実行回数に応じて、各回の再可変表示が実行される以前に「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて仮停止させる飾り図柄を、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとして、特殊な飾り図柄を最終停止させることができる。また、初回変動や各回の再可変表示において、擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかや確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される以前に「滑り」の可変表示演出における再可変表示を実行するか否かが、所定割合で決定される。
図33は、図28のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS461)。一例として、ステップS461の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS461にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS461;No)、図柄表示予告を実行するための図柄表示予告実行期間であるか否かを判定する(ステップS462)。図柄表示予告実行期間は、例えば図柄表示予告に対応した予告演出制御パターン、あるいは図柄表示予告に対応した特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。図柄表示予告実行期間には、図柄表示予告に対応して演出用点灯役物90を用いた図柄表示予告報知が実行される場合に、その実行期間も含まれればよい。
ステップS462にて図柄表示予告実行期間であるときには(ステップS462;Yes)、図柄表示予告を実行するための演出動作制御を行う(ステップS463)。一例として、ステップS463の処理では、予告演出制御パターンあるいは特図変動時演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用の可動部材の動作などのうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。特に、画像表示装置5の画面上に設けられた「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおいて、図柄表示予告に対応した特殊な飾り図柄を導出表示させるための表示動作制御が行われればよい。また、図柄表示予告の実行に対応して演出用点灯役物90を用いた図柄表示予告報知を実行する場合には、その実行期間中にランプ制御基板14へと演出用点灯役物90の動作指令を伝送させることなどにより、演出用点灯役物90を回転・点灯させる動作制御が行われればよい。
ステップS462にて図柄表示予告実行期間ではないときや(ステップS462;No)、ステップS463の処理を実行した後には、「擬似連」の可変表示演出における各回の再可変表示(擬似連変動)に対応して擬似連報知を実行するための擬似連報知実行期間であるか否かを判定する(ステップS464)。擬似連報知実行期間は、例えば擬似連報知パターンに対応した演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。
ステップS464にて擬似連報知実行期間であるときには(ステップS464;Yes)、擬似連報知を実行するための演出動作制御を行う(ステップS465)。一例として、ステップS465の処理では、ステップS463の処理にて図柄表示予告報知の演出動作制御を行う場合と同様に、ランプ制御基板14へと演出用点灯役物90の動作指令を伝送させることなどにより、演出用点灯役物90を回転・点灯させる演出制御が行われればよい。
ステップS464にて擬似連報知実行期間ではないときや(ステップS464;No)、ステップS465の処理を実行した後には、「滑り」の可変表示演出を実行するための滑り実行期間であるか否かを判定する(ステップS466)。滑り実行期間は、例えば「滑り」の可変表示演出に対応した特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。ステップS466にて滑り実行期間であるときには(ステップS466;Yes)、「滑り」の可変表示演出における飾り図柄の仮停止や再可変表示を実行するための滑り時における演出動作制御を行う(ステップS467)。
ステップS466にて滑り実行期間ではないときや(ステップS466;No)、ステップS467の処理を実行した後には、「擬似連」の可変表示演出を実行するための擬似連実行期間であるか否かを判定する(ステップS468)。擬似連実行期間は、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンなどにより、予め定められていればよい。ステップS468にて擬似連実行期間であるときには(ステップS468;Yes)、「擬似連」の可変表示演出における特殊表示結果の仮停止や再可変表示(擬似連変動)を実行するための擬似連時における演出動作制御を行う(ステップS469)。
ステップS468にて擬似連実行期間ではないときや(ステップS468;No)、ステップS469の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他の演出動作制御を行ってから(ステップS470)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS461にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS461;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS471)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS471;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS471にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS471;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS472)。また、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS473)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS474)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1において実行される演出動作の具体例について説明する。
図34は、図柄表示予告を実行した後に可変表示結果が「大当り」となる場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、まず、図34(A)に示すように、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が停止表示されており、第1特図保留記憶数が「3」であるものとする。ここで、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号が「3」と関連付けられた保留データは、大当り判定範囲内となる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示している。この場合、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第1始動入賞時に、図18に示すステップS220にて入賞時乱数値判定処理が実行され、ステップS404にて乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定されたことに対応して、ステップS408、S409の処理のいずれかなどにより、「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが主基板11から演出制御基板12へと伝送される。この演出動作例では、「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが伝送される。
演出制御基板12の側では、この第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、図25に示すステップS158の始動入賞時予告設定処理を実行する。そして、図26に示すステップS508にて「大当り判定なし」ではないと判定することで(ステップS508;No)、ステップS509の処理により大当り保留バッファに始動入賞後の特図保留記憶数(この例では第1特図保留記憶数)である「3」がセットされる。
その後、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、図29に示すステップS431の可変表示中予告設定処理を実行する。このとき、図30(A)に示すステップS525での図柄表示予告を実行する決定結果に基づいて(ステップS526;Yes)、複数回の可変表示にわたる図柄表示予告の実行が開始される。ステップS527の処理では、図柄表示予告の残り実行回数が更新後の大当り保留バッファ値と同一の「2」、あるいは1少ない「1」に、設定される。図柄表示予告が実行される可変表示では、図29に示すステップS434の処理にて決定された最終停止図柄が可変表示結果として導出表示される。このとき決定される最終停止図柄は、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時の飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄(特殊識別情報)を停止させる特殊表示結果となっている。また、図29に示すステップS438の再変動演出設定処理が実行され、図31(A)に示すステップS541にて最終停止前滑りを実行しないと決定されたときには(ステップS542;No)、ステップS544の処理により図柄表示予告報知を実行するための演出設定が行われる。
こうして、例えば図34(B)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図33に示すステップS463の演出動作制御などにより、演出用点灯役物90を用いて図柄表示予告報知となる演出動作が実行される。なお、このときには第1特図保留記憶数が「2」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。その後、例えば図34(C)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図34(D)に示すような特殊表示結果を導出表示する。例えば、図33に示すステップS463の演出動作制御などにより、「左」→「右」→「中」の順で確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示させることにより、特殊識別情報となる飾り図柄を最終停止させればよい。
続いて、特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、図柄表示予告を実行中であり(図30のステップS521;Yes)、「擬似連」の可変表示演出を実行しない変動パターンであれば(ステップS529;No)、ステップS531の処理により図柄表示予告の残り実行回数が更新される。そして、図29に示すステップS434の処理にて最終停止図柄が決定される。また、図31(A)に示すステップS541にて最終停止前滑りを実行しないと決定されたときには(ステップS542;No)、ステップS544の処理により図柄表示予告報知を実行するための演出設定が行われる。
以上の決定や設定などに基づいて、例えば図34(E)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、図33に示すステップS463の演出動作制御などにより、演出用点灯役物90を用いて図柄表示予告報知となる演出動作が実行される。なお、このときには第1特図保留記憶数が「1」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。その後、例えば図34(F)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図34(G)に示すような特殊表示結果を導出表示する。
続いて、特図保留記憶数が「1」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。この可変表示は、図柄表示予告を実行する起因となった第1始動入賞時の判定結果に対応する可変表示であり、図柄表示予告による予告対象となる。そして、図29に示すステップS432にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたことに基づいて(ステップS432;No)、ステップS437にて大当り組合せの最終停止図柄が決定される。こうして、例えば図34(H)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始され、図34(I)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図34(J)に示すような飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となる。
図35は、図柄表示予告の実行を開始した後、その予告対象となる可変表示が実行されるより前に「擬似連」の可変表示演出が実行される場合の演出動作例を示している。この演出動作例でも、まずは図34の演出動作例と同様に、図35(A)に示すような飾り図柄が停止表示されている。そして、第1特図保留記憶数が「3」になる第1始動入賞時に「確変大当り判定」を通知する第1始動口入賞指定コマンドが伝送される。
演出制御基板12の側では、この第1始動口入賞指定コマンドを受信したときに、図26に示すステップS509の処理により大当り保留バッファに「3」がセットされる。その後、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、図30(A)に示すステップS525にて図柄表示予告を実行すると決定され、図29に示すステップS434にて特殊表示結果となる最終停止図柄が決定される。また、図31(A)に示すステップS541にて最終停止前滑りを実行しないと決定され、ステップS544の処理により図柄表示予告報知を実行するための演出設定が行われれる。
こうして、例えば図35(B)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、演出用点灯役物90を用いて図柄表示予告報知となる演出動作が実行される。このときには第1特図保留記憶数が「2」に更新され、これに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示態様も更新される。その後、例えば図35(C)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図35(D)に示すような特殊表示結果を導出表示する。
続いて、特図保留記憶数が「2」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。このときには、図柄表示予告を実行中であるが(図30のステップS521;Yes)、「擬似連」の可変表示演出を実行する変動パターンとなることで(ステップS529;Yes)、ステップS530の処理により図柄表示予告の実行を中止させる設定が行われる。そして、図29に示すステップS435の処理が実行されて、変動パターンに応じた最終停止図柄が決定される。この演出動作例では、「擬似連」の可変表示演出を実行する非リーチ変動パターンの変動パターンPA1−4(図6を参照)となることで、非リーチ組合せの確定飾り図柄(最終停止図柄)が決定される。また、図31(A)に示すステップS541にて最終停止前滑りを実行しないと決定されるとともに(ステップS542;No)、ステップS548にて擬似連前滑りも実行しないと決定される(ステップS549;No)。これにより、ステップS544の処理により図柄表示予告報知を実行するための演出設定が行われるとともに、ステップS551の処理により擬似連報知を実行するための演出設定が行われる。加えて、ステップS547の処理により擬似連時仮停止図柄が決定される。
このような決定や設定などに基づいて、例えば図35(E)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されるときに擬似連報知となる演出動作が実行されてから、図35(F)に示すような飾り図柄の可変表示が実行される。その後、例えば図35(G)に示すように擬似連チャンス目GC7を所定表示結果として一旦仮停止させてから、全ての飾り図柄を再変動させる再可変表示(擬似連変動)が行われる。このときには、例えば図35(H)に示すような擬似連報知が実行されてもよい。そして、図35(I)に示すような飾り図柄の可変表示が実行された後に、図35(J)に示すような非リーチ組合せの確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示される。このように、「擬似連」の可変表示演出が実行されるときには、各回の再可変表示(擬似連変動)が実行される以前に擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる特殊表示結果を所定表示結果として一旦仮停止させることにより、図柄表示予告と共通の態様で演出動作を実行できる。
続いて、特図保留記憶数が「1」であることに対応して、新たな可変表示が開始される。この可変表示は、図柄表示予告を実行する起因となった第1始動入賞時の判定結果に対応する可変表示であるが、前回の可変表示中に「擬似連」の可変表示演出が実行されたことで、既に図柄表示予告の実行は中止されている。そして、例えば図35(K)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始され、図35(L)に示すように飾り図柄の可変表示が実行されてから、図35(M)に示すような飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となる。
図36は、「擬似連」の可変表示演出における再可変表示(擬似連変動)が実行される以前に「滑り」の可変表示演出における再可変表示が実行される場合の演出動作例を示している。この場合、図31(A)に示すステップS548での擬似連前滑りを実行する決定結果に基づいて(ステップS549;Yes)、ステップS550の処理により滑り前仮停止図柄が決定される。このときには、ステップS551の処理が実行されないことから、擬似連報知は実行しないように制限(禁止)される。なお、ステップS547の処理により擬似連時仮停止図柄が決定される。
以上の決定などに基づいて、例えば図36(A)に示すように飾り図柄が停止表示された状態から、図36(B)に示すように飾り図柄の可変表示が開始されるときには、擬似連報知となる演出動作が実行されない。そして、図36(C)に示すような飾り図柄の可変表示が行われ、図36(D)に示すように「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄が停止表示されてから、図36(E)に示すように「右」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄が停止表示される。その後、例えば図36(F)に示すように、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて飾り図柄を再可変表示させる「滑り」の可変表示演出が実行され、図36(G)に示すように左図柄と同一の飾り図柄が「右」の飾り図柄表示エリア5Rに表示されることで、一旦はリーチ状態となって「リーチ経由あり」となる。しかしながら、さらに再可変表示が進行することで、リーチ状態ではなくなり、例えば図36(H)に示すような非リーチ組合せを構成する飾り図柄が仮停止される。
図36(H)に示すような飾り図柄が仮停止した後には、例えば図36(I)に示すように擬似連チャンス目GC7を所定表示結果として一旦仮停止させてから、図36(J)に示すように全ての飾り図柄を再変動させる再可変表示(擬似連変動)が行われる。その後には、変動パターンに対応する特図変動時演出制御パターンなどに基づいて、飾り図柄の可変表示を進行させればよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、図19に示すステップS404、410の処理のいずれかにより特図表示結果決定用の乱数値MR1が大当り判定範囲内であるか否かを判定した結果に基づいて、図30(A)に示すステップS525〜S527の処理や図33に示すステップS463の処理などにより図柄表示予告が実行される。図柄表示予告は、複数回の可変表示にわたり予告演出となる演出動作を行う連続予告演出となっている。また、「擬似連」の可変表示演出が実行されるときには、各回の再可変表示(擬似連変動)が実行される以前に、例えば擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを構成する飾り図柄を仮停止させることなどにより、図柄表示予告と共通の態様で演出動作が行われる。そして、図柄表示予告の実行を開始した後、その図柄表示予告を実行する起因となった始動入賞時の判定結果に対応する可変表示が開始される以前に、「擬似連」の可変表示演出を実行する再可変表示パターンとなる変動パターンによる可変表示が行われることに対応して、図30(A)に示すステップS530の設定により、以後の可変表示における図柄表示予告の実行が中止される。
一般的に、図柄表示予告のような連続予告演出は、連続して実行される回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる場合が多い。すなわち、連続予告演出による予告対象となる可変表示が開始されるまでに行われる可変表示の回数が多い場合に、その回数が少ない場合よりも可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなることがある。そして、図柄表示予告と共通の態様で「擬似連」の可変表示演出における演出動作が行われた後、さらに続けて図柄表示予告における演出動作が実行されると、可変表示結果が「大当り」となることに対する遊技者の期待感が過剰に高められてしまう。そこで、図30(A)に示すステップS530の設定により図柄表示予告の実行を中止する。これにより、「擬似連」の可変表示演出が実行される可変表示の終了後にも図柄表示予告が続けて実行されてしまうことを防止して、遊技者の過剰な期待感を抑制できる。
図19に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS401の処理により現在の遊技状態を特定し、その特定結果に応じてステップS402の処理で選択した特図表示結果決定用テーブルデータを用いて、ステップS404、S410の処理により乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かが判定される。また、ステップS407、S413の処理により大当り種別が「非確変」に決定されるか否かを判定することにより、確変状態に制御されるか否かが判定される。図26に示すステップS508にて「大当り判定なし」ではなく「非確変大当り判定」または「確変大当り判定である」と判定されたときには、ステップS509の処理により大当り判定バッファの設定が行われ、図30(A)に示すステップS525の処理では、大当り判定バッファ値に基づいて図柄表示予告を実行するか否かが決定される。これにより、遊技状態が確変状態であるときには「非確変大当り判定」または「確変大当り判定」が通知されやすくなるので、大当り判定バッファ値に基づいて図柄表示予告を実行すると決定されやすくなり、図柄表示予告の出現頻度を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
その一方で、遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞時に抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を用いた判定結果が大当り判定範囲内であり大当り遊技状態に制御される判定結果であり、なおかつ確変状態に制御されない「非確変大当り判定」が第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知されたときには、図26に示すステップS504の処理により予告制限フラグがオン状態にセットされ、ステップS509の処理による大当り保留バッファの設定が制限される。こうして、「0」以外の大当り判定バッファ値に基づく図柄表示予告の実行を制限する。遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の可変表示に対応する保留データが記憶されている場合には、新たな始動入賞が発生すると、始動入賞時の遊技状態と可変表示開始時の遊技状態とが相違してしまう。そのため、確変状態の終了前における始動入賞時には可変表示結果が「大当り」に決定されると判定しても、可変表示開始時には確変状態が終了しているために、実際の可変表示結果が「大当り」にならないことがある。このような場合に始動入賞時の判定結果に基づいて図柄表示予告などの連続予告演出を実行してしまうと、演出の出現頻度が過剰に高められ、また、大当り信頼度が設計段階よりも低下してしまい、演出内容の整合性が保てなくなるおそれがある。そこで、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる始動入賞時の判定結果に基づいて、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき確変状態が終了するまでの期間において図柄表示予告などの連続予告演出の実行を制限(禁止)する。これにより、図柄表示予告などの連続予告演出の出現頻度が高められてしまうことなどを防止して演出内容の整合性を保つことができる。
なお、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100において、第1始動入賞時や第2始動入賞時に抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データなどから、最新の保留データに基づく特図ゲームの実行後における遊技状態を特定可能に記憶しておくことで、新たな第1始動入賞や第2始動入賞が発生したときに、その始動入賞に基づく可変表示の開始時における遊技状態に応じて選択したテーブルデータを用いて、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定することが考えられる。しかしながら、このような構成では、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100において、確変フラグの状態(オフまたはオン)を示すデータなどの遊技制御に通常用いられる記憶データの他に、各保留データに基づく特図ゲームの実行後における遊技状態を特定可能にする専用の記憶データが必要となり、遊技制御のための記憶データ容量が増大し、遊技制御の処理負担も増大するという問題がある。これに対して、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、現在の遊技状態を特定できればよいので、確変フラグや時短フラグの状態を示すデータといった遊技制御に通常用いられる記憶データがあればよく、専用の記憶データは不要となり、遊技制御のための記憶データ容量や処理負担の増大を防止することができる。
図31(A)に示すステップS541の処理では、図31(B)に示すような割合で最終停止前滑りを実行するか否かを決定することにより、図柄表示予告が実行される場合に、実行されない場合よりも「滑り」の可変表示演出の出現頻度が高められる。また、図31(A)に示すステップS548の処理では、図31(D)に示すような割合で擬似連前滑りを実行するか否かを決定することにより、「擬似連」の可変表示演出における再可変表示(擬似連変動)が実行される場合に、実行されない場合よりも「滑り」の可変表示演出の出現頻度が高められる。こうして、「滑り」の可変表示演出が実行されて飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されたときには、「滑り」の可変表示演出が実行されずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときよりも高い割合で、図柄表示予告や「擬似連」の可変表示演出における特殊表示結果となる飾り図柄の停止表示が実行される。したがって、「滑り」の可変表示演出の有無に応じて特殊表示結果を停止表示する演出が実行される期待感を異ならせて、遊技興趣を向上させることができる。
「滑り」の可変表示演出が実行されてから図柄表示予告が実行される場合には、図31(A)に示すステップS544の処理が実行されないようにすることで、演出用点灯役物90を用いた図柄表示予告報知の実行が制限される。また、「滑り」の可変表示演出が実行されてから「擬似連」の可変表示演出において擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかとなる飾り図柄の組合せが仮停止される場合には、図31(A)に示すステップS551の処理が実行されないようにすることで、演出用点灯役物90を用いた擬似連報知の実行が制限される。これにより、図柄表示予告や「擬似連」の可変表示演出により特殊表示結果を停止表示する演出が実行される場合の意外性を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
遊技状態が確変状態であるときには、図26に示すステップS505の処理にて第2始動入賞時ではなく第1始動入賞時である場合にステップS508〜S512の処理が実行されない一方で、第2始動入賞時である場合にはステップS508〜S512の処理が実行される。こうして、確変制御中であるときには、始動入賞時の判定結果のうち第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの判定結果に基づいて、保留表示予告が実行される。これにより、健全な遊技性を確保しつつ、保留表示予告が出現する頻度の低下を防止して、遊技興趣を向上させることができる。
また、遊技状態が確変状態であるときには、図30(A)に示すステップS524の処理にて第2特図保留記憶数が「0」である場合にステップS525〜S527の処理が実行されない一方で、第2特図保留記憶数が「0」以外である場合にはステップS525〜S527の処理が実行される。こうして、確変制御中であるときには、始動入賞時の判定結果のうち第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの判定結果に基づいて、図柄表示予告が実行される。これにより、健全な遊技性を確保しつつ、図柄表示予告が出現する頻度の低下を防止して、遊技興趣を向上させることができる。
そして、確変制御中に第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第1始動入賞時に「非確変大当り判定」が通知されたことに対応して、ステップS504の処理にて予告制限フラグがオン状態にセットされることなどにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の決定結果に対応して第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに基づいて、その特図ゲームが終了するまでの期間において保留表示予告の実行が制限される。
また、図30(A)に示すステップS523の処理にて「非確変大当り」が通知されたときには、ステップS524〜S527の処理が実行されずにステップS528の処理に進む。こうして、確変制御中であるときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の決定結果に対応する可変表示が開始されることに基づいて、その可変表示が終了するまでの期間において図柄表示予告の実行が制限される。
このように、遊技状態が確変状態であるときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の決定結果に対応して第1特図を用いた特図ゲームが開始されることなどに基づいて、その特図ゲームなどが終了するまでの期間において保留表示予告や図柄表示予告といった連続予告演出の実行が制限される。これにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の可変表示が行われて確変状態が終了する場合に、終了前の確変状態における始動入賞時の判定結果に基づいて連続予告演出の出現頻度が高められてしまうことを防止して、遊技者の過剰な期待感を抑制できる。
なお、確変制御中の第1始動入賞時に「非確変大当り」が通知されたときに保留表示予告や図柄表示予告の実行を制限するものに限定されず、確変制御中の第1始動入賞時に可変表示結果が「大当り」に決定される判定結果が通知されたときであれば、保留表示予告や図柄表示予告の実行を制限してもよい。例えば、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果を通知して、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されるか否かの判定結果は通知されない場合には、遊技状態が確変状態であるときに、第1始動入賞の発生に対応して可変表示結果が「大当り」に決定されるという判定結果に基づいて、その判定結果に対応する可変表示が終了するまでの期間において、あるいは確変状態が終了するまでの期間において、保留表示予告や図柄表示予告の実行を制限(禁止)してもよい。
この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な応用や変形が可能である。例えば、パチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、「擬似連」の可変表示演出を実行する再可変表示パターンによる可変表示が行われることに対応して図柄表示予告の実行を中止するための構成と、遊技状態が確変状態であるときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる可変表示に対応して図柄表示予告の実行を制限する構成とのうち、いずれか一方の構成を備えていればよく、他方の構成を備えていないものであってもよい。また、保留表示予告と図柄表示予告の双方を実行可能としたパチンコ遊技機1に限定されず、いずれか一方のみを実行可能な遊技機として構成されたものであってもよい。
上記実施の形態では、図柄表示予告における演出動作と、「擬似連」の可変表示演出において擬似連チャンス目GC1〜GC8のいずれかを仮停止させるという表示演出の演出動作とが、共通の態様であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、共通の態様で任意の演出動作を実行できるものであればよい。例えば、画像表示装置5の画面上における表示態様を変化させる演出動作や、スピーカ8L、8Rから所定の効果音や音声を出力させる演出動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDあるいは演出用点灯役物90に含まれる所定の点灯部材における点灯態様を変化させる演出動作、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させる演出動作のうち、少なくともいずれか1つで共通の態様を含むものであり、遊技者がその共通性を認識できるものであればよい。こうした場合でも、連続予告演出における演出動作を開始した後、その連続予告演出を実行する起因となった始動入賞時の判定結果に対応する可変表示が開始される以前に、「擬似連」の可変表示演出を実行する再可変表示パターンによる可変表示が行われることに対応して、以後の可変表示における連続予告演出の実行が中止されるようにすればよい。なお、連続予告演出における演出動作は、再可変表示パターンによる可変表示の実行中にも行われるようにして、その可変表示が終了したときには、以後の可変表示における演出動作が中止されるようにしてもよい。
また、図柄表示予告報知や擬似連報知となる演出動作は、演出用点灯役物90を用いたものに限定されず、例えば、画像表示装置5の画面上における表示態様を変化させる演出動作や、スピーカ8L、8Rから所定の効果音や音声を出力させる演出動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDに含まれる所定の点灯部材における点灯態様を変化させる演出動作、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させる演出動作のうち、少なくともいずれか1つの演出動作を含んだものであってもよい。
上記実施の形態では、図8に示す特図表示結果決定テーブル130の構成例において、遊技状態が通常状態又は時短状態である場合に特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値は、遊技状態が確変状態であるときにも全部が「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。すなわち、確変状態である場合に特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲は、通常状態又は時短状態である場合に特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲をすべて含んでいる。こうした構成例では、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる可変表示に対応して、確変制御が終了するまでの期間などにおいて保留表示予告や図柄表示予告といった連続予告演出の実行を制限することで、予告演出の出現頻度や大当り信頼度の異常な変化を防止したり、遊技者の期待感が過剰に高められることを防止したりする。
これに対して、遊技状態が通常状態又は時短状態であるか確変状態であるかに応じて、異なる決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられるように構成されてもよい。この構成例では、遊技状態が通常状態又は時短状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1確変」または「第2確変」となる可変表示に対応して、確変制御が開始されるまでの期間において保留表示予告や図柄表示予告といった連続予告演出の実行を制限してもよい。すなわち、遊技状態が確変状態以外であるときに、可変表示結果が「大当り」で確変状態に制御されるという始動入賞時の判定結果に基づいて、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき確変状態が開始するまでの期間において保留表示予告や図柄表示予告の実行を制限(禁止)する。これにより、確変状態の場合に通常状態や時短状態の場合とは異なる決定値が「大当り」の特図表示結果に割り当てられたテーブルデータを用いて特図表示結果が決定されるにもかかわらず、確変制御前における始動入賞時の判定結果に基づいて連続予告演出を実行するか否かが決定されてしまい、出現頻度や大当り信頼度の異常な変化を防止して、遊技者の過剰な期待感や演出に対する不信感を抑制できる。なお、大当り遊技状態に制御される前後の遊技状態が同一になる場合には、保留表示予告や図柄表示予告といった連続予告演出の実行が制限されないようにすればよい。
上記実施の形態において、保留表示予告は、予告対象となる可変表示が開始されるときに実行が終了するものとして説明した。また、図柄表示予告は、予告対象となる可変表示における可変表示結果が「大当り」となる場合には、実行されないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、予告対象となる可変表示における可変表示結果が「大当り」となる場合でも、その可変表示中に連続予告演出となる演出動作が実行されるものであってもよい。例えば、飾り図柄の表示態様とは異なる画像表示装置5の画面上における所定の表示態様を変化させる演出動作や、スピーカ8L、8Rから所定の効果音や音声を出力させる演出動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDもしくは演出用点灯役物90に含まれる所定の点灯部材における点灯態様を変化させる演出動作、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させる演出動作、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせた演出動作が連続予告演出として、予告対象となる可変表示中でも実行可能となるようにしてもよい。
この場合、連続予告演出を実行するか否かの決定は、図30(A)のステップS525における図柄表示予告の有無と同様に決定することができればよい。そして、連続予告演出の実行中であるときには、ステップS531の処理と同様にして連続予告演出の残り実行回数を更新する。また、予告対象となる可変表示における可変表示結果が「大当り」となる場合でも、連続予告演出における演出動作を実行するための設定を行うことで、可変表示中に連続予告演出となる演出動作が実行されればよい。その一方で、図30(A)のステップS524にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには、連続予告演出を実行するか否かの決定が行われないようにすればよい。すなわち、確変制御中に第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの保留データしか記憶されていないときには連続予告演出が実行されないように制限(禁止)される一方で、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときの保留データが記憶されているときには連続予告演出を実行することができればよい。また、図30(A)のステップS523にて「非確変大当り」であるときには、連続予告演出を実行するか否かの決定が行われないようにすればよい。すなわち、確変制御中に可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」の可変表示が開始されることに基づいて、その可変表示が終了するまでの期間において連続予告演出の実行が制限(禁止)されればよい。また、第1特図を用いた特図ゲームの開始時に特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、その特図ゲームに対応する可変表示が終了するまでの期間において連続予告演出の実行が制限(禁止)されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる始動入賞時の判定結果に基づいて、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき確変状態が終了するまでの期間において連続予告演出の実行を制限(禁止)するものとして説明した。こうした連続予告演出の実行制限設定とともに、あるいは連続予告演出の実行制限設定に代えて、保留データを用いた一般的な先読み予告の実行制限設定が行われるものであってもよい。一例として、保留データの記憶内容に対応して、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの通知内容などを、演出制御基板12の側にて入賞時判定結果バッファなどに記憶させておき、大当り遊技状態の終了時などに入賞時判定結果バッファの記憶内容を読み取り、可変表示結果が「大当り」となる保留データの有無などを報知する大当り保留報知演出となる先読み予告が実行される場合がある。
大当り保留報知演出では、例えば画像表示装置5の画面上に特別なキャラクタ画像を表示することや、そのキャラクタ画像の表示態様(表示色、表示柄、キャラクタのポーズや動作の一部または全部)を通常とは異ならせること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに含まれる所定の点灯部材を点灯させること、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることにより、可変表示結果が「大当り」となる保留データの有無などを報知する。なお、可変表示結果が「大当り」のうち大当り種別が「確変」となる保留データの有無を報知するようにしてもよい。
可変表示結果が「大当り」となる保留データの有無を判定するための処理は、大当り遊技状態の終了時に入賞時判定結果バッファの記憶内容を確認するものであればよい。あるいは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信した時点で、「非確変大当り判定」や「確変大当り判定」の通知に対応して所定のカウンタ(例えば確変保留カウンタなど)の格納値を1加算するように更新してもよい。その一方で、大当り遊技状態の終了時には所定のカウンタにおける格納値を1減算するように更新する。そして、減算後の格納値が「1」以上であるときには、可変表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていると判定してもよい。「確変大当り判定」の通知や「確変大当り」に基づく大当り遊技状態の終了に対応してカウンタの格納値を更新するようにすれば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる保留データが記憶されているか否かを判定することができる。
こうした場合に、確変状態の終了前における始動入賞時の判定結果を用いて可変表示結果が「大当り」となる保留データの有無を特定すると、上記実施の形態における連続予告演出と同様に、演出内容の整合性が保てなくなるおそれがある。そこで、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる始動入賞時の判定結果に基づいて、その判定結果に対応する特図ゲームなどに基づき確変状態が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を用いた先読み予告の実行を制限(禁止)するようにしてもよい。
具体的な一例として、図28に示すステップS176の大当り終了演出処理では、図26のステップS509にて設定される大当り保留バッファの格納値が「0」以外である場合に、可変表示結果が「大当り」となる保留データが記憶されていることを報知する大当り保留報知演出を実行可能とする。これに対して、大当り保留バッファ値が「0」である場合には、大当り保留報知演出が実行されないように制限(禁止)する。図26に示すステップS501にて確変制御中であり、ステップS502にて予告制限フラグがオンであるときには、大当り保留バッファの設定が行われない。したがって、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる始動入賞時の判定結果に基づいて予告制限フラグがオンとなった後には、大当り保留バッファの格納値が「0」以外の値に設定されることがなく、大当り保留報知演出が実行されないように制限(禁止)することができる。
その他にも、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる可変表示が開始されたときには、その可変表示が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を用いた大当り保留報知演出といった先読み予告の実行を制限(禁止)するようにしてもよい。あるいは、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示結果が「大当り」となる可変表示が開始されたときには、大当り種別にかかわらず、その可変表示が終了するまでの期間内に第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく始動入賞時の判定結果を用いた大当り保留報知演出といった先読み予告の実行を制限(禁止)するようにしてもよい。
上記実施の形態では、確変制御中や高開放制御中に第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第1始動入賞時の判定結果に基づく保留表示予告や図柄表示予告の実行を制限することにより、健全な遊技性を確保するものとして説明した。これに加えて、大当り遊技状態中の第1始動入賞時における判定結果についても、その判定結果に基づく保留表示予告や図柄表示予告の実行を制限してもよい。これにより、大当り遊技状態の終了後に高開放制御などが行われる場合でも、第1特図を用いた特図ゲームで可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。その一方で、第2始動入賞時における判定結果に基づく保留表示予告や図柄表示予告は実行可能とすることで、保留表示予告や図柄表示予告が出現する頻度の低下を防止できる。
上記実施の形態では、図26に示すステップS510の処理で図27(A)に示すような大当り判定の有無に応じた決定割合で保留表示予告の有無を決定することで、保留表示予告が実行されるか否かに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせるものとして説明した。また、図30(A)に示すステップS525の処理で図30(B)に示すような大当り保留バッファ値が「0」であるか否かに応じた決定割合で図柄表示予告の有無を決定することで、図柄表示予告が実行されるか否かに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば大当り遊技状態の終了後に確変状態へと制御される可能性や、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が所定回数(例えば「15」など)となる可能性、大当り遊技状態の終了後に時短状態で実行可能な特図ゲームの上限回数が所定回数(例えば「100」など)となる可能性、確変状態における大当り確率が所定確率(例えば1/20など)となる可能性といった、所定図柄の表示結果などに応じて様々な遊技価値が付与される可能性を予告するようにしてもよい。さらに、保留表示予告や図柄表示予告を実行することにより、特定のリーチ演出を伴う変動パターン(例えばスーパーリーチを伴う変動パターン)となる可能性などが予告されるようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを備えたパチンコ遊技機1に限定されず、1つの特別図柄表示装置が設けられたものであってもよいし、3つ以上の特別図柄表示装置が設けられたものであってもよい。一例として、1つの特別図柄表示装置が設けられた場合に、遊技状態が確変状態である確変制御中にて「非確変大当り判定」が第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドにより通知されたときには、確変制御が終了するまでの期間において保留表示予告や図柄表示予告の実行が制限されるようにすればよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第1始動入賞時や、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した第2始動入賞時に、図18に示すステップS218の処理を実行することで、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の数値MR2を示す数値データだけでなく、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出し、ステップS219の処理にて保留データとして第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶しておき、特図ゲームの実行が開始されるときに読み出して、変動パターン種別の決定に用いるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図ゲームの実行が開始されるときに、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出するようにしてもよい。図19に示した入賞時乱数値判定処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の数値MR2を示す数値データを用いて、特図表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定や、大当り種別が「非確変」に決定されるか否かの判定を行う一方で、乱数値MR3を示す数値データは用いられないことから、特図ゲームの開始時にこの乱数値を抽出するようにしても、適切に保留表示予告や図柄表示予告などを実行することができる。
なお、遊技状態が確変状態である確変制御中に可変表示結果が「大当り」に決定される始動入賞時の判定結果に基づいて保留表示予告や図柄表示予告の実行を制限する場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データについても、特図ゲームの実行が開始されるときに抽出するようにしてもよい。
また、保留表示予告や図柄表示予告により特定のリーチ演出を伴う変動パターンとなる可能性が予告される場合には、入賞時乱数値判定処理において、乱数値MR1が大当り判定範囲内ではないと判定されたときに、さらに乱数値MR3を用いて変動パターン種別が特定の変動パターン種別となる範囲内であるか否かを判定すればよい。この場合には、図18に示すステップS218の処理にて、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データとともに、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する。第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドでは、乱数値MR3が特定の範囲内であるか否かの判定結果に応じて異なるEXTデータが設定されることなどにより、その判定結果を演出制御基板12の側に通知することができればよい。演出制御基板12の側では、例えば乱数値MR3が特定の範囲内であるとの判定結果が通知されたか否かに応じて異なる割合で、保留表示予告や図柄表示予告を実行するか否かが決定されればよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、図25のステップS158や図26に示す始動入賞時予告設定処理、図29に示すステップS432〜S437、S439〜S441、図29のステップS431や図30(A)に示す可変表示中予告設定処理、図29のステップS438や図31(A)に示す再変動演出設定処理、図28のステップS172や図33に示す可変表示中演出処理などを実行することにより、各種演出動作の決定や制御を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、I/Oとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、表示制御基板に搭載されればよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、図25のステップS158や図26に示す始動入賞時予告設定処理、図29に示すステップS432〜S437、S439〜S441、図29のステップS431や図30(A)に示す可変表示中予告設定処理、図29のステップS438や図31(A)に示す再変動演出設定処理、図28のステップS172や図33に示す可変表示中演出処理の一部または全部を実行してもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの制御指令を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
あるいは、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。この場合には、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、前述したような表示制御基板を設け、演出制御用CPU120により図29のステップS439にて決定した演出制御パターンなどに応じた表示制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送されるようにしてもよい。図2に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9や装飾用LEDあるいは演出用点灯役物90といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1やスロットマシン700に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部

Claims (4)

  1. 遊技領域に設けられた第1始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段と、遊技領域に設けられた第2始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段とを備え、識別情報の表示結果として予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、さらに、特別条件が成立したことに基づいて、前記特定遊技状態が終了した後に前記特定遊技状態となる確率が前記特定遊技状態とは異なる通常遊技状態よりも高い高確率状態に制御する遊技機であって、
    前記第1始動領域または前記第2始動領域を遊技媒体が通過したときに、前記特定遊技状態に制御するか否かを決定するために用いる決定用数値を抽出する抽出手段と、
    前記第1始動領域または前記第2始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず未だ開始されていない識別情報の可変表示について、前記抽出手段により抽出された前記決定用数値を所定の上限記憶数の範囲内で記憶可能な保留記憶手段と、
    識別情報の可変表示を開始するときに前記保留記憶手段から読み出した前記決定用数値に基づいて、前記特定遊技状態に制御させるか否かと、前記特別条件を成立させるか否かとを、識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段と、
    前記事前決定手段による決定前に、前記第1始動領域または前記第2始動領域を遊技媒体が通過したときに前記抽出手段により抽出された前記決定用数値を用いて、前記特定遊技状態に制御されるか否かを判定する始動時判定手段と、
    前記第1可変表示手段による識別情報の可変表示よりも、前記第2可変表示手段による識別情報の可変表示を優先して実行する可変表示制御手段と、
    前記始動時判定手段の判定結果に基づいて、該判定結果に対応する識別情報の可変表示が開始される以前に、前記特定遊技状態に制御される可能性を報知する特定演出を実行可能な特定演出実行手段とを備え、
    前記事前決定手段は、識別情報の可変表示が開始されるときの遊技状態が前記高確率状態ではないときに所定数の特定遊技状態決定値を含んだ通常決定用データを用いる一方、識別情報の可変表示が開始されるときの遊技状態が前記高確率状態であるときに前記所定数より多数の特定遊技状態決定値を含んだ特別決定用データを用いて、前記特定遊技状態に制御させるか否かを決定し、
    前記始動時判定手段は、前記始動領域を遊技媒体が通過したときの遊技状態が前記高確率状態ではないときに前記通常決定用データを用いる一方、前記始動領域を遊技媒体が通過したときの遊技状態が前記高確率状態であるときに前記特別決定用データを用いて、前記特定遊技状態に制御されるか否かを判定し、
    前記高確率状態であるときには、前記始動時判定手段の判定結果のうち前記第2始動領域を遊技媒体が通過したときの判定結果に基づいて、前記特定演出実行手段により前記特定演出を実行する一方、前記事前決定手段による特定遊技状態に制御する決定結果に対応して前記第1可変表示手段により識別情報の可変表示が開始されることに基づいて、該可変表示が終了するまでの期間において前記特定演出実行手段による前記特定演出の実行を制限する、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記高確率状態であるときには、前記事前決定手段による前記特定遊技状態に制御する決定結果のうち前記特別条件を成立させない決定結果に対応して前記第1可変表示手段により識別情報の可変表示が開始されることに基づいて、該可変表示が終了するまでの期間において前記特定演出実行手段による前記特定演出の実行を制限する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記始動時判定手段は、前記特定遊技状態に制御されると判定したときに、前記特別条件が成立するか否かを判定し、
    前記高確率状態であるときには、前記始動時判定手段による前記特定遊技状態に制御される判定結果のうち前記特別条件が成立しない判定結果に基づいて、該判定結果に対応する識別情報の可変表示に基づき前記高確率状態が終了するまでの期間において前記特定演出実行手段による前記特定演出の実行を制限する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 識別情報の可変表示パターンとして、識別情報の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦所定表示結果を仮停止させた後に全ての識別情報について可変表示を再度実行する再可変表示を所定回実行する再可変表示パターンを含む複数種類のいずれかに決定する可変表示パターン決定手段と、
    前記再可変表示パターンにより前記再可変表示が所定回実行されるときに、各回の再可変表示が実行される以前に前記特定演出と共通の態様の再可変表示演出を実行可能な再可変表示演出実行手段とを備え、
    前記特定演出実行手段は、前記特定演出の実行を開始した後、該特定演出を実行する起因となった前記始動時判定手段の判定結果に対応する識別情報の可変表示が開始される以前に、前記再可変表示パターンによる識別情報の可変表示が行われることに対応して、当該再可変表示パターンによる識別情報の可変表示が開始された以後における前記特定演出の実行を中止する、
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の遊技機。
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