JP2012019672A - くさびクランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】あらかじめのくさび押込力を不要としたくさびクランプを提供する。
【解決手段】2片のくさび5,5よりなるくさびクランプに於て、少なくとも1片のくさび内面はV字状形の溝を有するくさびとした。線状体に接するくさびの内面をV字状形の溝とした。クランプ本体2に仕切具を設け、この仕切具とくさび端面の間にコイルばねを介した。クランプ内に挿入された線状体の端末部にカラーを嵌め、このカラーと線状体端末部をネジで固定する構造とした。
【選択図】図4
【解決手段】2片のくさび5,5よりなるくさびクランプに於て、少なくとも1片のくさび内面はV字状形の溝を有するくさびとした。線状体に接するくさびの内面をV字状形の溝とした。クランプ本体2に仕切具を設け、この仕切具とくさび端面の間にコイルばねを介した。クランプ内に挿入された線状体の端末部にカラーを嵌め、このカラーと線状体端末部をネジで固定する構造とした。
【選択図】図4
Description
本発明は電線、ワイヤロープ及び鋼より線等の線状体を引留めるくさびクランプに関するものである。
従来のくさびクランプに使用されるくさびの内面形状は線状体に合致する様円溝を有していた。この事が結果としてあらかじめのくさび押込力を必要としていた。この事を理論的に以下説明する。
あらかじめのくさび押込力とこれによって生ずる線状体締付力の関係を図5に示した。この図に付されている記号について下記説明する。
F0 あらかじめのくさび押込力
P0 F0によって生ずる垂直抗力
R0 くさびと本体の摩擦力
α くさびのテーパー角
W0 線状体締付力
これらのくさびに働く力の平衡から次式が得られる。
F0=2(P0 sinα+R0 cosα)
であるからこれらを上式に代入すると
F0=2W0(tanα+μ)となり これによりW0を求めると
次に線状体の張力によって生ずる線状体締付力の関係を図6に示す。この図に付されている記号について下記説明する。
F 線状体張力
P Fによって生ずる垂直抗力
R くさびと本体の摩擦力
α くさびのテーパー角
W1 線状体締付力
これらのくさびに働く力の平衡関係は図5と全く同一であるので上式のW0の代りにW1、F0の代りにFを使用し
となり、全体の締付力をWとすると
となり、この締付力Wが図7に示す様に上下2方向より線状体に作用する。この時、線状体が滑りを生じないためには次式を満足する必要がある。
F≦2Wμ 但しμは線状体とくさびの摩擦係数
このWに▲1▼式を代入して
となり、この様に従来のくさびクランプはあらかじめのくさび押込力が必要となる。
例えばα=3° μ=0.15とした場合F0≦0.35FとなりF=5000kgfの線状体を引留めるにはあらかじめF0=1750kgf以上のくさび押込力が必要となる。
あらかじめのくさび押込力とこれによって生ずる線状体締付力の関係を図5に示した。この図に付されている記号について下記説明する。
F0 あらかじめのくさび押込力
P0 F0によって生ずる垂直抗力
R0 くさびと本体の摩擦力
α くさびのテーパー角
W0 線状体締付力
これらのくさびに働く力の平衡から次式が得られる。
F0=2(P0 sinα+R0 cosα)
であるからこれらを上式に代入すると
F0=2W0(tanα+μ)となり これによりW0を求めると
次に線状体の張力によって生ずる線状体締付力の関係を図6に示す。この図に付されている記号について下記説明する。
F 線状体張力
P Fによって生ずる垂直抗力
R くさびと本体の摩擦力
α くさびのテーパー角
W1 線状体締付力
これらのくさびに働く力の平衡関係は図5と全く同一であるので上式のW0の代りにW1、F0の代りにFを使用し
となり、全体の締付力をWとすると
となり、この締付力Wが図7に示す様に上下2方向より線状体に作用する。この時、線状体が滑りを生じないためには次式を満足する必要がある。
F≦2Wμ 但しμは線状体とくさびの摩擦係数
このWに▲1▼式を代入して
となり、この様に従来のくさびクランプはあらかじめのくさび押込力が必要となる。
例えばα=3° μ=0.15とした場合F0≦0.35FとなりF=5000kgfの線状体を引留めるにはあらかじめF0=1750kgf以上のくさび押込力が必要となる。
従来のくさびクランプはあらかじめのくさび押込力が必要のため、押込工具を現場に持込み、押込作業を行い、押込力が適正であるかどうかの施工管理に十分注意を払う等種々の問題があった。
本発明は線状体と接するくさび内面の形状をV字状形にすることにより、あらかじめのくさび押込力を不要とした。これを理論的に以下説明する。
図8に本発明の実施例その1を示す。これは下側のくさび3は従来と同様円溝を有しており、上側のくさび4はV字状形を有するものである。図8に付されている記号について下記説明する。
W 線状体締付力
N Wによって発生するくさびのV字状面の垂直抗力(線状体締付力)
R 線状体とくさびの摩擦力
θ V字状溝の半角
これらのくさびに働く力の平衡から次式が得られる。
W=2(Nsinθ+Rcosθ)
ここでR=Nμであるから上式は
W=2N(sinθ+μcosθ)
となり、これよりNを求めると
この実施例その1は図8に示す様にくさび4からはNが2方向、くさび3からはWが下方向より計3方向から線状体締付力が作用する。この時、線状体が滑りを生じないためには次式を満足する必要がある。
F≦(W+2N)μ 但しμは線状体とくさびの摩擦係数
このNに上式を代入して
このWに▲1▼式を代入して
これよりF0を求めると
となる。ここでF0=0とすると{ }=0であるから
となり、この式より tanαを求めると
となり、この式を満足する様テーパー角αを設定すればあらかじめのくさび押込力F0=0でも線状体は滑りを生じない。例えばV字状溝の半角θ=30°の場合、μ=0.15とした場合tanα=0.044となりα≦2.52°のテーパー角であればあらかじめのくさび押込力は不要となる。
次に図9に示した本発明実施例その2について説明する。この実施例のくさび5は上下共に同じもので、くさび内面の形状はV字状溝を有しており、V字状溝の底面も線状体に接するものである。図9に付されている記号説明は図8の場合と同一である。
この実施例は線状体締付力Wに対して図9に示す様にa、b、c点の3点に垂直荷重が夫々1/3づつ線状体に作用する。この場合、くさびに働く力の平衡から次式が得られる。
R=Nμであるからこれを上式に代入して
これよりNを求めると
となり、この実施例の場合、図9に示す様に6方向から線状体締付力が作用し、線状体が滑りを生じないためには次式を満足する必要がある。
このNに上式を代入して
このWに▲1▼式を代入して
これよりF0を求めると
となる。ここでF0=0とすると{ }=0であるから
これよりtanαを求めると
となり、この式を満足する様テーパー角を設定すればあれかじめのくさび押込力F0=0でも線状体は滑りを生じない。例えばV字状溝の半角θ=30°の場合、μ=0.15とした場合tanα=0.059となりα≦3.37°のテーパー角であればあらかじめのくさび押込力は不要となる。
図8に本発明の実施例その1を示す。これは下側のくさび3は従来と同様円溝を有しており、上側のくさび4はV字状形を有するものである。図8に付されている記号について下記説明する。
W 線状体締付力
N Wによって発生するくさびのV字状面の垂直抗力(線状体締付力)
R 線状体とくさびの摩擦力
θ V字状溝の半角
これらのくさびに働く力の平衡から次式が得られる。
W=2(Nsinθ+Rcosθ)
ここでR=Nμであるから上式は
W=2N(sinθ+μcosθ)
となり、これよりNを求めると
この実施例その1は図8に示す様にくさび4からはNが2方向、くさび3からはWが下方向より計3方向から線状体締付力が作用する。この時、線状体が滑りを生じないためには次式を満足する必要がある。
F≦(W+2N)μ 但しμは線状体とくさびの摩擦係数
このNに上式を代入して
このWに▲1▼式を代入して
これよりF0を求めると
となる。ここでF0=0とすると{ }=0であるから
となり、この式より tanαを求めると
となり、この式を満足する様テーパー角αを設定すればあらかじめのくさび押込力F0=0でも線状体は滑りを生じない。例えばV字状溝の半角θ=30°の場合、μ=0.15とした場合tanα=0.044となりα≦2.52°のテーパー角であればあらかじめのくさび押込力は不要となる。
次に図9に示した本発明実施例その2について説明する。この実施例のくさび5は上下共に同じもので、くさび内面の形状はV字状溝を有しており、V字状溝の底面も線状体に接するものである。図9に付されている記号説明は図8の場合と同一である。
この実施例は線状体締付力Wに対して図9に示す様にa、b、c点の3点に垂直荷重が夫々1/3づつ線状体に作用する。この場合、くさびに働く力の平衡から次式が得られる。
R=Nμであるからこれを上式に代入して
これよりNを求めると
となり、この実施例の場合、図9に示す様に6方向から線状体締付力が作用し、線状体が滑りを生じないためには次式を満足する必要がある。
このNに上式を代入して
このWに▲1▼式を代入して
これよりF0を求めると
となる。ここでF0=0とすると{ }=0であるから
これよりtanαを求めると
となり、この式を満足する様テーパー角を設定すればあれかじめのくさび押込力F0=0でも線状体は滑りを生じない。例えばV字状溝の半角θ=30°の場合、μ=0.15とした場合tanα=0.059となりα≦3.37°のテーパー角であればあらかじめのくさび押込力は不要となる。
本発明は前述の様にあらかじめのくさび押込力が不要であるため、クランプに線状体を差し込むだけで済むので作業時間が短縮でき、施工管理もきわめて楽になる。性能面ではくさび押込作業等の人為的要素の影響を受けず、テーパー角等設計的要素で性能が決まるので安定した性能が得られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
これまで、本発明のくさびクランプはあらかじめのくさび押込力が不要であることを理論的に説明したが、これは線状体が真直であることが前提条件である。実際の線状体はドラム等に巻かれたり、把取りされており、そのため曲りぐせが付いている。その曲りくせを直す対策として本発明実施例その3を図10に示す。この実施例は線状体1をクランプに挿入し、線状体の端末部にカラー6を嵌めカラーと線状体端末部をネジ7で固定するものである。線状体に張力が作用し始めるとカラーがくさびを押込みながら線状体が真直になる。この真直になった時点でカラーの役目は終了するがそのまゝ取り付けておいて差支えない。
又、曲りくせ対策として本発明実施例その4を図11に示す。この実施例はクランプ本体2に仕切具9を設け、これとくさび端面の間にコイルばね8を介したものである。このばねは線状体が真直になるに必要な力でくさびに作用するものでクランプとしての引留力には寄与しない。
これまで、本発明のくさびクランプはあらかじめのくさび押込力が不要であることを理論的に説明したが、これは線状体が真直であることが前提条件である。実際の線状体はドラム等に巻かれたり、把取りされており、そのため曲りぐせが付いている。その曲りくせを直す対策として本発明実施例その3を図10に示す。この実施例は線状体1をクランプに挿入し、線状体の端末部にカラー6を嵌めカラーと線状体端末部をネジ7で固定するものである。線状体に張力が作用し始めるとカラーがくさびを押込みながら線状体が真直になる。この真直になった時点でカラーの役目は終了するがそのまゝ取り付けておいて差支えない。
又、曲りくせ対策として本発明実施例その4を図11に示す。この実施例はクランプ本体2に仕切具9を設け、これとくさび端面の間にコイルばね8を介したものである。このばねは線状体が真直になるに必要な力でくさびに作用するものでクランプとしての引留力には寄与しない。
1 線状体
2 クランプ本体
3 従来品のくさび
4 本発明実施例その1のくさび
5 本発明実施例その2のくさび
6 カラー
7 ネジ
8 コイルばね
9 仕切具
2 クランプ本体
3 従来品のくさび
4 本発明実施例その1のくさび
5 本発明実施例その2のくさび
6 カラー
7 ネジ
8 コイルばね
9 仕切具
Claims (3)
- 2片のくさびよりなるくさびクランプに於て、少なくとも1片のくさび内面はV字状形の溝を有するくさびクランプ。
- クランプ内に挿入された線状体の端末部にカラーを嵌め、このカラーと線状体端末部をネジで固定する請求項1のくさびクランプ。
- クランプ本体に仕切具を設け、この仕切具とくさび端面の間にコイルばねを介した請求項1のくさびクランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010183466A JP2012019672A (ja) | 2010-07-09 | 2010-07-09 | くさびクランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010183466A JP2012019672A (ja) | 2010-07-09 | 2010-07-09 | くさびクランプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012019672A true JP2012019672A (ja) | 2012-01-26 |
Family
ID=45604473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010183466A Pending JP2012019672A (ja) | 2010-07-09 | 2010-07-09 | くさびクランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012019672A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6009611B1 (ja) * | 2015-04-22 | 2016-10-19 | 東京製綱株式会社 | くさびクランプ |
JP2017009121A (ja) * | 2016-09-14 | 2017-01-12 | 東京製綱株式会社 | くさびクランプ |
JP2017180840A (ja) * | 2017-06-20 | 2017-10-05 | 東京製綱株式会社 | くさびクランプ |
-
2010
- 2010-07-09 JP JP2010183466A patent/JP2012019672A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6009611B1 (ja) * | 2015-04-22 | 2016-10-19 | 東京製綱株式会社 | くさびクランプ |
JP2017009121A (ja) * | 2016-09-14 | 2017-01-12 | 東京製綱株式会社 | くさびクランプ |
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