JP2012019104A - 発光装置 - Google Patents

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弘也 樹神
Naoto Kijima
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Abstract

【課題】LEDチップと波長変換部材とを組み合わせて良好な調光機能と良好な発光効率とを維持しながら、製造コストを抑制可能な発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、配線基板と、配線基板に配置されて可視光領域から近紫外領域までの波長領域のうちの所定波長範囲の光を発し、複数のLED群に区分される複数のLEDチップと、配線基板のLEDチップ実装面に対向する位置に設けられ、複数のLEDチップに対応して複数の波長変換領域に分割されており、複数の波長変換領域がLED群に対応して複数の波長変換群に区分されると共に、波長変換群毎に異なる波長変換特性を有し、対応するLEDチップが発する光を波長変換して放射する波長変換部材と、LED群毎に独立してLEDチップに電流を供給する駆動手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、可視光領域から近紫外領域までの間における所定波長範囲の光を発するLEDチップと、このLEDチップが発する光を波長変換する波長変換部材とを用いた発光装置に関する。
LEDチップを用いた発光装置は、さまざまな照明装置や表示装置などの光源として従来より広く用いられている。近年では、所望の発光色や色温度などを得るべく、LEDチップが発する光を、蛍光体のような波長変換部材によって波長変換してから発光するようにした発光装置が開発されている。このような発光装置では、LEDチップを収容したLEDモジュールと、このLEDモジュールに収容されたLEDチップに電力を供給するための電気配線が形成された配線基板と、LEDチップが発する光を波長変換する蛍光体などの波長変換部材が設けられた蛍光体モジュールとを備えている。
例えば特許文献1は、LEDチップと蛍光体とを1つずつ砲弾型の樹脂モールドで覆うことにより、発光光源としてLED発光素子を形成し、このLED発光素子を複数配線基板上に配列するようにした発光装置を開示する。また、これに代えて、配線基板上に複数のLEDチップを配列した後、樹脂モールドにより配線基板全体を覆うことによってLEDモジュールを構成する一方、透明な板の表面に蛍光体含有部を塗布して蛍光体モジュールを構成し、これらLEDモジュールと蛍光体モジュールとを接合して発光光源を構成するようにした発光装置も開示している。特許文献1の発光装置では、それぞれ異なる種類の蛍光体を用いた複数の発光光源を組み合わせ、それぞれの発光光源から発せられた異なる光を合成することにより、所定の色温度の白色光など、所望の特性を有した合成光を得るようにしている。
国際公開第2008/018548号パンフレット
特許文献1に開示されるような発光装置では、LEDチップと蛍光体とを1つずつ砲弾型の樹脂モールドで覆って形成したLED発光素子を配線基板上に複数配列して発光装置を構成するようにしているので、全体として部品点数が多く、製造コストが増大するという問題がある。また、これに代えて、上述のようなLEDモジュールと蛍光体モジュールとの接合により発光光源を構成した場合も、所望の特性を有した合成光を得るためには、それぞれ異なる種類の蛍光体を用いた複数の発光光源を組み合わせる必要があり、同様に全体として部品点数が多くなるため、製造コストが増大するという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、LEDチップと波長変換部材とを組み合わせて良好な調光機能と良好な発光効率とを維持しながら、製造コストを抑制可能な発光装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の発光装置は、配線基板と、前記配線基板のLEDチップ実装面に配置されて可視光領域から近紫外領域までの波長領域のうちの所定波長範囲の光を発し、複数のLED群に区分される複数のLEDチップと、前記配線基板の前記LEDチップ実装面に対向する位置に設けられ、前記複数のLEDチップに対応して複数の波長変換領域に分割されており、前記複数の波長変換領域が前記LED群に対応して複数の波長変換群に区分されると共に、前記波長変換群毎に異なる波長変換特性を有し、対応するLEDチップが発する光を波長変換して放射する波長変換部材と、前記配線基板を介し、前記LED群毎に独立して前記LEDチップに電流を供給する駆動手段とを備えることを特徴とする。
このように構成された発光装置によれば、複数のLED群に区分される複数のLEDチップに対応して波長変換部材が複数の波長変換領域に分割される。これら複数の波長変換領域は、LED群に対応して複数の波長変換群に区分され、波長変換群毎に異なる波長変換特性を有している。従って、LEDチップが発する光を波長変換して得られる波長変換部材の放射光は波長変換群毎に異なるものとなり、これら放射光を合成した合成光が発光装置から放射されることになる。このとき、駆動手段はLED群毎に独立してLEDチップに電流を供給するので、LED群毎の供給電流の大きさを変更することにより、発光装置から放射される合成光の特性が変化する。
このような発光装置において前記複数のLEDチップは、異なるLED群のLEDチップが混在するように前記配線基板の前記LEDチップ実装面に配置されるようにしてもよい。この場合、前記波長変換部材は、同じLED群のLEDチップに対して同じ波長変換群の波長変換領域が対応するように、各波長変換領域が配置される。
また、このとき前記複数のLEDチップは、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように前記配線基板の前記LEDチップ実装面に配置されるようにしてもよい。この場合、前記波長変換部材は、前記LED群に対応し同じ波長変換群の波長変換領域同士が隣り合うことのないように、各波長変換領域が配置される。
或いは、このようなLEDチップの配置及び波長変換部材における波長変換領域の配置に代えて、前記複数のLEDチップは、前記LED群毎に列をなして前記配線基板の前記LEDチップ実装面に配置されるようにしてもよい。この場合、前記波長変換部材は、前記LEDチップの配置に対応して同じ波長変換群の波長変換領域が列をなすように、各波長変換領域が配置される。
発光装置では、同じLED群には同じ波長変換群が対応するように、1個のLEDチップに対して1個の波長変換領域が配置されるようにしてもよい。また、これに代えて、同じLED群には同じ波長変換群が対応するように、複数のLEDチップに対して1個の波長変換領域が配置されるようにしてもよい。
発光装置は、前記波長変換部材が放射する光に対して透過性を有し、前記配線基板の前記LEDチップ実装面に対向して設けられる板状部材を更に備え、前記波長変換部材は、前記板状部材の前記配線基板側に向く面に設けられるようにしてもよい。この場合には、板状部材を介し、配線基板のLEDチップ実装面に対向する位置に波長変換部材が配置される。
或いは、発光装置は、前記LEDチップが発する光に対して透過性を有し、前記配線基板の前記LEDチップ実装面に対向して設けられる板状部材を更に備え、前記波長変換部材は、前記板状部材の前記配線基板側に向く面とは反対側の面に設けられるようにしてもよい。この場合も、板状部材を介し、配線基板のLEDチップ実装面に対向する位置に波長変換部材が配置される。
前記波長変換部材は、前記LEDチップが発した光が、当該LEDチップに対応して設けられた波長変換領域に隣接する波長変換領域に漏れることなく、当該LEDチップに対応して設けられた波長変換領域に達する距離として予め定められた距離をもって当該LEDチップから離間して設けられるのが好ましい。
一方、前記波長変換部材は、必要に応じ、LEDチップに密着して設けてもよい。
前記波長変換部材が、前記LEDチップの発する光を波長変換して放射する蛍光体を有する場合、前記複数の波長変換群のうちの少なくとも1つの波長変換群に区分される前記波長変換領域には、複数種類の蛍光体が混在するようにしてもよい。
一方、前記波長変換部材が、前記LEDチップの発する光を波長変換して放射する蛍光体を有する場合に、前記複数の波長変換群のうちの少なくとも1つの波長変換群に区分される前記波長変換領域には、複数種類の蛍光体が種類毎に区分して設けられるようにしてもよい。
このように、波長変換領域に複数種類の蛍光体が種類毎に区分して設けられる発光装置において、前記波長変換部材が、同じ波長変換群に区分されると共に前記複数種類の蛍光体が設けられる前記波長変換領域を複数有する場合、同じ波長変換群に区分されて前記複数種類の蛍光体が設けられる前記波長変換領域の一部における前記複数の蛍光体の配設の形態は、その残部における前記複数の蛍光体の配設の形態と異なるようにしてもよい。
前記駆動手段は、前記波長変換部材の各波長変換領域から放射される光を合成して所望の特性を有した合成光が得られるように指示を与える指示部と、前記指示部からの指示に従い、前記LEDチップに供給する電流を、前記LED群毎に独立して制御する制御部とを備えていてもよい。
このように発光装置を構成した場合、指示部からの指示に応じ、制御部がLEDチップに供給する電流をLED群毎に独立して制御することにより、波長変換部材によって波長変換されて放射される光の強度が波長変換群毎に調整される。こうして波長変換群毎に強度が調整された放射光が合成され、所望の特性を有した合成光が得られる。
発光装置の具体的な構成として、例えば、前記LED群は、第1LED群と第2LED群との2つの群からなり、前記複数の波長変換領域は、第1波長変換群に区分され、前記第1LED群のLEDチップが発する光を波長変換して第1色温度の白色光を放射する第1波長変換領域と、第2波長変換群に区分され、前記第2LED群のLEDチップが発する光を波長変換して、前記第1色温度とは異なる第2色温度の白色光を放射する第2波長変換領域とからなるようにしてもよい。この場合、前記指示部は、前記第1色温度から前記第2色温度までの間の設定色温度に対応する指示を与えるものであって、前記制御部は、前記指示部の指示に従い、前記第1波長変換領域から放射される白色光と、前記第2波長変換領域から放射される白色光との合成光の色温度が前記設定色温度となるように、前記第1LED群のLEDチップに供給する電流と、前記第2LED群のLEDチップに供給する電流とを調整する。
このように発光装置を構成した場合、指示部からの指示に応じ、制御部が第1LED群のLEDチップに供給する電流と、第2LED群のLEDチップに供給する電流とをそれぞれ制御することにより、第1波長変換領域から放射される第1色温度の白色光の強度、及び第2波長変換領域から放射される第2色温度の白色光の強度がそれぞれ調整される。このようにして強度が調整された第1及び第2波長変換領域からの放射光が合成されることにより、指示部が指示する設定色温度の白色光が得られる。
或いは、前記LED群は、第1LED群と第2LED群と第3LED群との3つの群からなり、前記複数の波長変換領域は、第1波長変換群に区分され、前記第1LED群のLEDチップが発する光を波長変換して赤色光を放射する第1波長変換領域と、第2波長変換群に区分され、前記第2LED群のLEDチップが発する光を波長変換して緑色光を放射する第2波長変換領域と、第3波長変換群に区分され、前記第3LED群のLEDチップが発する光を波長変換して青色光を放射する第3波長変換領域とからなるようにしてもよい。この場合、前記制御部は、前記指示部からの指示に従い、前記所望の特性を有した合成光が得られるよう、前記第1LED群のLEDチップに供給する電流と、前記第2LED群のLEDチップに供給する電流と、前記第3LED群のLEDチップに供給する電流とを調整する。
このように発光装置を構成した場合、指示部からの指示に応じ、制御部が第1LED群のLEDチップに供給する電流、第2LED群のLEDチップに供給する電流、及び第2LED群のLEDチップに供給する電流をそれぞれ制御することにより、第1長変換領域から放射される赤色光の強度と、第2波長変換領域から放射される緑色光の強度と、第3波長変換領域から放射される青色光の強度とがそれぞれ調整される。このようにして強度が調整された第1乃至第3波長変換領域からの放射光が合成されることにより、指示部からの指示に対応する所望の特性を有した光が得られる。
また、前記複数のLEDチップは、第1LED群と第2LED群とに区分されて、それぞれ青色光を発するものであって、前記複数の波長変換領域は、第1波長変換群に区分され、前記第1LED群のLEDチップが発する青色光の全部又は一部を波長変換して得られる赤色光及び/又は黄色光を、前記第1LED群のLEDチップが発して波長変換されなかった場合の青色光と共に放射する第1波長変換領域と、第2波長変換群に区分され、前記第2LED群のLEDチップが発する青色光の一部を波長変換して得られる緑色光を、前記第2LED群のLEDチップが発して波長変換されなかった青色光と共に放射する第2波長変換領域とからなるようにしてもよい。この場合、前記制御部は、前記指示部からの指示に従い、前記所望の特性を有した合成光が得られるよう、前記第1LED群のLEDチップに供給する電流と、前記第2LED群のLEDチップに供給する電流とを調整する。
このように発光装置を構成した場合、指示部からの指示に応じて、制御部が第1LED群のLEDチップに供給する電流と、第2LED群のLEDチップに供給する電流とをそれぞれ制御することにより、第1波長変換領域から波長変換されて放射される赤色光及び/又は黄色光の強度、第1波長変換領域を透過して放射される場合の第1LED群のLEDチップの青色光の強度、第2波長変換領域から波長変換されて放射される緑色光の強度、並びに第2波長変換領域を透過して放射される第2LED群のLEDチップの青色光の強度がそれぞれ調整される。このようにして強度が調整された第1及び第2波長変換領域からの放射光が合成されることにより、指示部からの指示に対応して所望の特性を有した光が得られる。
このような発光装置の場合、前記第1波長変換領域における前記第1LED群のLEDチップから発せられた青色光の透過率が10%以下であると共に、前記第2波長変換領域における前記第2LED群のLEDチップから発せられた青色光の透過率が15%以上且つ50%以下であるのが好ましい。
本発明の発光装置によれば、配線基板上に配置されて複数のLED群に区分される複数のLEDチップと、配線基板のLEDチップ実装面に対向する位置に設けられ、前記複数のLEDチップのそれぞれに対応して複数の波長変換領域に分割されており、当該複数の波長変換領域がLED群に対応して複数の波長変換群に区分されると共に、波長変換群毎に異なる波長変換特性を有し、対応するLEDチップが発する光を波長変換して放射する波長変換部材とにより発光装置の発光光源を構成するようにしたので、従来の発光光源を用いる発光装置に比べ、部品点数を減少させて製造コストを低減することが可能となる。
また、上述のように配線基板のLEDチップ実装面に対向する位置に配置した波長変換部材により、LEDチップが発する光を波長変換して放射するようにしたので、良好な発光効率を確保することが可能となる。そして、配線基板を介し、駆動手段によりLED群毎に独立してLEDチップに電流を供給するようにしたので、LED群毎の供給電流を調整することにより、発光装置の良好な調光を実現することが可能となる。
また、異なるLED群のLEDチップが混在するように、複数のLEDチップを配線基板に配置した場合、波長変換部材は、同じLED群のLEDチップに対して同じ波長変換群の波長変換領域が対応するように、各波長変換領域が配置される。従って、波長変換部材においても、異なる波長変換群の波長変換領域が混在することになるので、波長変換部材におけるそれぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光を良好に合成することが可能となる。
特に、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないようにして、複数のLEDチップを配線基板に配置した場合、LED群に対応し同じ波長変換群の波長変換領域同士が隣り合うことのないように、各波長変換領域が配置されるので、それぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光の合成は、より一層良好なものとなる。
また、同じLED群には同じ波長変換群が対応するように、1個のLEDチップに対して1個の波長変換領域を配置するようにした場合、波長変換部材において波長変換領域を高密度に設けることができる。この結果、それぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光の合成は、より一層良好なものとなる。
一方、同じLED群には同じ波長変換群が対応するように、複数のLEDチップに対して1個の波長変換領域を配置するようにした場合、1個のLEDチップに対して1個の波長変換領域を配置する場合に比べ、個々の波長変換領域の大きさを大きくすることができるので、個々の波長変換領域の形成が容易になる。
また、波長変換部材が放射する光に対して透過性を有する板状部材を、配線基板のLEDチップ実装面に対向して設け、板状部材の配線基板側に向く面に波長変換部材を設けた場合、波長変換部材を板状部材で確実に保持できるだけでなく、LEDチップと、これに対応する波長変換部材とを互いに密着もしくはその直前の状態とすることが可能となる。また、必要に応じ、両者の間に適切な空隙を設けることも可能となる。
或いは、LEDチップが発する光に対して透過性を有する板状部材を、配線基板のLEDチップ実装面に対向して設け、板状部材の配線基板側に向く面とは反対側の面に波長変換部材を設けた場合、波長変換部材を板状部材で確実に保持できるだけでなく、LEDチップと、これに対応する波長変換部材とは、少なくとも板状部材の板厚分だけ離間した状態とすることができる。従って、板状部材をLEDチップに当接させれば、LEDチップと波長変換部材との間の空隙による影響を排除しながら、波長変換部材の発光効率を高く維持可能な間隔に両者を配置することが可能となる。また、必要に応じて、両者の間に更に適切な空隙を設けることも可能となる。
波長変換部材をLEDチップと離間して設ける場合、LEDチップが発した光が、当該LEDチップに対応して設けられた波長変換領域に隣接する波長変換領域に漏れることなく、当該LEDチップに対応して設けられた波長変換領域に達する距離として予め定められた距離をもって両者を離間させることにより、各波長変換領域の発光効率や、発光装置から放射される光の特性の精度を向上させることができる。
波長変換部材が、LEDチップの発する光を波長変換して放射する蛍光体を有する場合に、少なくとも1つの波長変換群に区分される波長変換領域には複数種類の蛍光体が混在するようにすれば、当該波長変換領域からは複数種類の蛍光体から発せられた光が合成されて放射されるので、発光装置としても良好な合成光を得ることができる。
一方、波長変換部材が、LEDチップの発する光を波長変換して放射する蛍光体を有する場合に、少なくとも1つの波長変換群に区分される波長変換領域には複数種類の蛍光体が種類毎に区分して設けられるようにすれば、当該波長変換領域において複数種類の蛍光体によるカスケード励起の発生を抑制することが可能となり、良好な発光効率を確保することができる。
更に、この場合に、同じ波長変換群に区分されて複数種類の蛍光体が設けられる波長変換領域のうちの一部における複数の蛍光体の配設の形態を、その残部における複数の蛍光体の配設の形態と異なるようにした場合、同じ波長変換群の複数の波長変換領域から放射される光の合成がより一層良好に行われるようになるので、発光装置としてもより一層良好な合成光を得ることができる。
駆動手段が、波長変換部材の各波長変換領域から放射される光を合成して所望の特性を有した合成光が得られるように指示を与える指示部と、指示部からの指示に従い、LEDチップに供給する電流を、LED群毎に独立して制御する制御部とを備える場合、指示部からの指示に応じ、制御部がLEDチップに供給する電流をLED群毎に独立して制御することにより、波長変換群毎に個別に強度が調整された放射光が合成され、指示部からの指示に対応して所望の特性を有した合成光を得ることができる。
本発明の第1実施例に係る発光装置における発光光源の構成を示す斜視図である。 図1の発光光源の概略平面図である。 図2中のIII−III線に沿う概略断面図である。 図3におけるA部の拡大断面図である。 第1実施例の発光装置の回路構成を、LEDチップの実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図である。 図5の回路構成における各トランジスタの作動状態、及び各LEDチップの駆動電流の一例を示すタイムチャートである。 図5の回路構成における各LEDチップの駆動電流の別例を示すタイムチャートである。 図5の回路構成の発光装置で用いる操作部の一例を示す概略図である。 図1の発光装置で用いる蛍光部材の一領域の変形例を示す概略図である。 図1の発光装置で用いる蛍光部の変形例を示す概略平面図である。 本発明の第2実施例に係る発光装置で得られる放射光の色度点を、黒体輻射軌跡、等色温度線及び等偏差線と共にxy色度図上に示すグラフである。 LEDチップとして用いる青色LED、並びに赤色蛍光体及び緑色蛍光体の典型的な発光スペクトルを示すグラフである。 本発明の第2実施例に係る発光装置における蛍光部材の透過率を変化させた場合の、放射光の色度点を黒体輻射軌跡、等色温度線及び等偏差線と共にxy色度図上に示すグラフである。 本発明の第2実施例の変形例における各トランジスタの作動状態、及び各LEDチップの駆動電流の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施例の変形例における各トランジスタの作動状態、及び各LEDチップの駆動電流の別例を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施例の変形例における各トランジスタの作動状態、及び各LEDチップの駆動電流の更に別例を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施例に係る発光装置における第1蛍光領域の変形例を示す概略図である。 本発明の第2実施例に係る発光装置における第2蛍光領域の変形例を示す概略図である。 図17及び図18に示す第1蛍光領域及び第2蛍光領域の配置例を示す蛍光部の概略平面図である。 本発明の第3実施例に係る発光装置の回路構成を、LEDチップの実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図である。 図20の回路構成を有した発光装置における蛍光部の概略平面図である。 図20の回路構成の発光装置で用いる操作部の一例を示す概略図である。 図20の回路構成の発光装置で用いる操作部の別例を示す概略図である。 本発明の第4実施例に係る発光装置における蛍光部の概略平面図である。 図24の蛍光部に対応するLED部の回路構成を、LEDチップの実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図である。 本発明の第5実施例に係る発光装置の回路構成を、LEDチップの実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図である。 図26の回路構成における各トランジスタの作動状態、及び各LEDチップの駆動電流の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第6実施例に係る発光装置におけるLED部の回路構成を、LEDチップの実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図である。 図28の回路構成における外部接続端子及びその周辺の配線パターンを例示する部分拡大図である。 本発明の第7実施例に係る発光装置の回路構成を、LEDチップの実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図である。 図30の回路構成における各トランジスタの作動状態、及び各LEDチップの駆動電流の一例を示すタイムチャートである。 配線基板におけるLEDチップの実装の変形例を、図3と同様の断面により示す断面図である。 図32中の一部を拡大し、凹所の変形例を示す部分拡大図である。 図32中の一部を拡大し、凹所の更なる変形例を示す部分拡大図である。 蛍光領域の形状及び配置の変形例を示す模式図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について、いくつかの実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、各実施例の説明に用いる図面は、いずれも本発明による発光装置を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、各構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない。更に、各実施例で用いる様々な数値は、いずれも一例を示すものであり、必要に応じて様々に変更することが可能である。
<第1実施例>
図1は、本発明の第1実施例に係る発光装置1における発光光源の構成を示す斜視図であり、図2は、この発光光源を平面視したときの構成を示す概略平面図である。図1に示すように、本実施例において発光装置1は、LED部2と蛍光部3とを組み合わせて構成した発光光源を有する。図1では、説明の便宜上、LED部2と蛍光部3とを大きく離間した状態で示しているが、後述するように実際にはLED部2及び蛍光部3が互いに接近して配置され、固定されるようになっている。
(LED部)
本実施例においてLED部2は、電気絶縁性に優れて良好な放熱性を有したアルミナ系セラミックからなる基板本体4に、銅などの金属からなる配線パターン5が形成された配線基板6を備える。基板本体4は、各辺10mmの正方形の板状に形成され、その一方の面である第1の面4aに配線パターン5が形成され、配線基板6のLEDチップ実装面が形成されている。本実施例における配線パターン5は、図1に示すように、互いに平行に延設された5つの配線パターン5a、5b、5c、5d及び5eからなる。これら配線パターン5a〜5eは、それぞれ隣接する配線パターンに対し、同じ間隙をもって離間して配置されており、配線パターン5b、5c及び5dの幅、即ち延設方向に直交する方向の寸法は同一となっている。
なお、基板本体4の材質はアルミナ系セラミックに限定されるものではなく、例えば、電気絶縁性に優れた材料として、樹脂、ガラスエポキシ、樹脂中にフィラーを含有した複合樹脂などから選択された材料を用いて基板本体4を形成してもよい。一方、より優れた放熱性を得るため、金属製の基板本体4によって配線基板6を形成するようにしてもよい。この場合には、配線基板6の配線パターン5などを基板本体4から電気的に絶縁する必要がある。
基板本体4の第1の面4a側には、これら配線パターン5a〜5eに沿って、複数のLEDチップ7a及び7bが実装されている。これらLEDチップ7a及び7bは、第1LED群及び第2LED群の2つの群に区分され、LEDチップ7aが第1LED群を構成し、またLEDチップ7bが第2LED群を構成する。図1に示すように本実施例では、配線パターン5a〜5eに沿う方向に、第1LED群のLEDチップ7aと第2LED群のLEDチップ7bとが交互に等間隔で合計4個配置されると共に、配線パターン5a〜5eの延設方向に直交する方向においても、第1LED群のLEDチップ7aと第2LED群のLEDチップ7bとが交互に合計4個配置されている。従って、本実施例の場合、全部で16個のLEDチップ7a及び7bが基板本体4の第1の面4a上に実装され、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように分散して配列されている。
各LEDチップ7a及び7bは、いずれも互いに隣接する2つの配線パターン間に掛け渡して設けられており、上述したように、隣接する配線パターンの間隙が同じであると共に配線パターン5b、5c及び5dの幅も同一であるので、配線パターン5a〜5eの延設方向に直交する方向においても、LEDチップ7aとLEDチップ7bとは等間隔で配置される。各LEDチップ7a及び7bの基板本体4側に向く面にはp電極とn電極とが設けられており、各LEDチップ7a及び7bは、それぞれ隣接する2つの配線パターンの一方にp電極が電気的に接続されると共に、他方にn電極が電気的に接続された状態で実装されている。また、各LEDチップ7a及び7bの発光面は、基板本体4の第1の面4aが向く方向、即ち蛍光部1に向けられている。
本実施例において、第1LED群のLEDチップ7a及び第2LED群のLEDチップ7bは、いずれも405nmのピーク波長を有した近紫外光を発するLEDチップを用いている。具体的には、このようなLEDチップとして、InGaN半導体が発光層に用いられて近紫外領域の光を発するGaN系LEDチップなどが好ましい。なお、これらLEDチップ7a及び7bの種類や発光波長特性はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて、様々なLEDチップを用いることができる。本実施例においてLEDチップが発する光のピーク波長は、360nm〜420nmの波長範囲内にあるのが好ましい。
5つの配線パターン5a〜5eのうち、最も外側に位置する2つの配線パターン5a及び5eには、外部との電気接続用の端子が設けられている。即ち、図1に示すように、配線パターン5aの端部には外部接続端子8が接合され、配線パターン5eの端部には外部接続端子9が接合されている。これら外部接続端子8及び9と、対応する配線パターン5a及び5eとの接合は、ハンダ付け、かしめ、溶着、溶接、或いは圧着などによって行うことができる。
(蛍光部)
本実施例において蛍光部3は、ガラス製で板状の透光基板(板状部材)10と、この透光基板10の、LED部2に対向する第1の面10aとは反対側となる第2の面10bに設けられた蛍光部材(波長変換部材)11とからなる。透光基板10は、配線基板6の基板本体4と同様に各辺10mmの正方形の板状に形成され、厚さは0.1mmとなっている。なお、透光基板10の材質はガラスに限定されるものではなく、透光性を有した樹脂などによって透光基板を形成するようにしてもよい。このような透光基板10に蛍光部材11を設けることにより、蛍光部材11を確実に保持して、発光装置1の信頼性を高めることができる。
蛍光部材11は、配線基板6において縦方向及び横方向にそれぞれ4個ずつ配列されたLEDチップ7a及び7bに対応し、縦方向及び横方向にそれぞれ4個ずつ均等に分割され、合計16個の領域(波長変換領域)が形成されている。これら16個の領域は、第1蛍光群(第1波長変換群)及び第2蛍光群(第2波長変換群)の2つの群に区分され、第1蛍光群は8個の第1蛍光領域(第1波長変換領域)11aにより構成され、第2蛍光群は残りの8個の第2蛍光領域(第2波長変換領域)11bにより構成される。
蛍光部材11は、LED部2の各LEDチップから発せられる光により励起されて異なる波長の光を放射する蛍光体と、この蛍光体を分散保持するバインダとからなる。本実施例では、蛍光体として赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を用い、これら3種類の蛍光体を混合してバインダ内に分散させることにより、各LEDチップから発せられる近紫外光を波長変換した後に合成して白色光を得るようにしている。そして、第1蛍光領域11aと第2蛍光領域11bとでは、上記の3種類の蛍光体の混合比率を異ならせており、第1蛍光領域11aでは白色光の色温度T1(第1色温度)が2500°Kとなるように混合比率を調整し、第2蛍光領域11bでは白色光の色温度T2(第2色温度)が6000°Kとなるように混合比率を調整している。
なお、本実施例で用いる赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体については、本発明の要旨を変更しない限りにおいて、従来より知られている任意のタイプを用いることができるが、具体的な例としては、以下のようなものがあげられる。
赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上で、通常は780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあるものが好適である。中でも、赤色蛍光体として例えば、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr)S:Eu、(La,Y)S:Eu、Eu(ジベンゾイルメタン)・1,10−フェナントロリン錯体などのβ−ジケトン系Eu錯体、カルボン酸系Eu錯体、KSiF:Mnが好ましく、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Sr,Ca)AlSi(N,O):Eu、(La,Y)S:Eu、KSiF:Mnがより好ましい。また、赤色蛍光体には橙色蛍光体を含むものとする。橙色蛍光体としては、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ceなどを用いてもよい。
また、青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上で、通常は500nm未満、好ましくは490nm以下、より好ましくは480nm以下、更に好ましくは470nm以下、特に好ましくは460nm以下の波長範囲にあるものが好適である。中でも、青色蛍光体として例えば、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO(Cl,F):Eu、(Ba,Ca,Mg,Sr)SiO:Eu、(Ba,Ca,Sr)MgSi:Euが好ましく、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu、(Ca,Sr,Ba)10(PO(Cl,F):Eu、BaMgSi:Euがより好ましく、Sr10(POCl:Eu、BaMgAl1017:Euが特に好ましい。
また、緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は500nm以上、好ましくは510nm以上、より好ましくは515nm以上で、通常は550nm未満、好ましくは542nm以下、より好ましくは535nm以下の波長範囲にあるものが好適である。緑色蛍光体の発光ピーク波長が短すぎると緑色蛍光体が発する光が青みを帯びる傾向がある一方で、発光ピーク波長が長すぎると黄みを帯びる傾向があり、いずれの場合も緑色光としての特性が低下するおそれがある。中でも、緑色蛍光体として例えば、Y(Al,Ga)12:Ce、CaSc:Ce、Ca(Sc,Mg)Si12:Ce、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Si,Al)(O,N):Eu(β−サイアロン)、(Ba,Sr)Si12:N:Eu、SrGa:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mnが好ましい。
蛍光部材11において、第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bは、図1に示すように、横方向及び縦方向のそれぞれで交互に配置されており、同じ蛍光群の蛍光領域同士が隣り合うことのないように配列されている。蛍光部材11は、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷、或いは塗布などにより透光基板10の第2の面に形成することが可能である。いずれの場合においても、第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bの一方を形成する際には、他方をマスキングするなどして2つの領域に重複が生じないようにするのが、カスケード励起に起因した発光効率の低下を防止する上で好ましい。また、各領域の境界部分に遮光部を形成すれば、より一層確実にカスケード励起を防止することが可能となる。
(発光光源の構造)
こうして透光基板10の第2の面10bに蛍光部材11が形成された蛍光部3を、透光基板10の第1の面10aがLED部2の各LEDチップ7a及び7bに対向するようにしてLED部2に近接配置し固定することにより、本実施例の発光装置1の発光光源が構成される。このとき、蛍光部材11の第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bは、図2に示すように、配線基板6に実装されているLEDチップ7a及び7bに対応して配置されるようになっている。具体的には、それぞれの第1蛍光領域11aの中央部分に第1LED群のLEDチップ7aが1個ずつ配置され、それぞれの第2蛍光領域11bの中央部分には第2LED群のLEDチップ7bが1個ずつ配置される。
従って、LEDチップ7aが近紫外光を発すると、この近紫外光は、第1蛍光領域11aにおいて分散保持されている赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体によってそれぞれ赤色光、緑色光及び青色光に波長変換され、これら赤色光、緑色光及び青色光の合成により得られる色温度2500°Kの白色光が第1蛍光領域11aから放射される。一方、LEDチップ7bが近紫外光を発すると、この近紫外光は、第2蛍光領域11bにおいて分散保持されている赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体によってそれぞれ赤色光、緑色光及び青色光に波長変換され、これら赤色光、緑色光及び青色光の合成により得られる色温度6000°Kの白色光が第2蛍光領域11bから放射される。
図3は図2中のIII−III線に沿う発光装置1の概略断面図であり、図4は図3中におけるA部の拡大断面図である。図3に示すように、透光基板10はスペーサ12を介して配線基板6に接合されており、スペーサ12を介在させることにより、図4に示すように、透光基板10と各LEDチップ7a及び7bとの間に空隙を設けている。
ここで設ける空隙は、LEDチップから発せられた光が、このLEDチップに対応して設けられている蛍光部材11の蛍光領域に確実に達すると共に、当該蛍光領域に隣接する他の蛍光領域に漏れることのないよう、予め求められた距離L1をもって設けられる。即ち、例えば図4に示すように、LEDチップ7aから発せられた光は、図4中に一点鎖線で示す範囲で透光基板10に到達した後、更に透光基板10内を透過して蛍光部材11に達する。このときの蛍光部材11における光の到達範囲が、LEDチップ7aに対応して設けられている第1蛍光領域11aの範囲内となるように、空隙の距離L1が定められている。これを実現する上で、LEDチップ7aと蛍光部材11との間隔は5mm以下でなければならず、透光基板10の厚さを含めて5mm以下となるように空隙の距離L1を定めている。これは、図4には示されていないLEDチップ7bや他のLEDチップ7aについても同様である。このような距離L1の空隙を設けることにより、隣接する別の領域への光の漏れを確実に防止して、蛍光部材11における波長変換を精度よく行うと共に高い発光効率を確保することが可能となる。
なお、LEDチップを対応する蛍光領域にできるだけ近接させるようにすれば、LEDチップが発した光が蛍光領域に確実に到達することになるが、LEDチップが蛍光領域に近接しすぎると、LEDチップが発する熱により蛍光領域に含まれる蛍光体の温度が上昇して発光効率の低下を招いてしまう。このため、このような蛍光体の過剰な温度上昇を防止する上で、LEDチップ7a及び7bと蛍光部材11との間隔は0.01mm以上であるのが好ましい。従って、透光基板10の厚さを考慮した上で、LEDチップ7a及び7bと蛍光部材11との間隔が0.01mm〜5mmの範囲内となるように空隙の距離L1が定められている。
本実施例では、空隙の距離L1を0.1mmとし、これにLEDチップ7a及び7bの高さL2を加えたL3により、透光基板10の第1の面10aと配線基板6のLEDチップ実装面との距離を規定している。なお、このような空隙を設けず、透光基板10の第1の面10aをLEDチップ7a及び7bに密着させた状態で、LEDチップ7a及び7bと第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bとの距離が、上述のような適切な距離となるように、透光基板10の厚さを定めるようにしてもよい。また、LEDチップ7a及び7bと透光基板10とを離間する場合であっても、透光性を有したシリコン樹脂やエポキシ樹脂などで空隙を封止するようにしてもよい。こうすることにより、LEDチップ7a及び7bからの光を効率よく蛍光部材11に導くことができる。
前述したように、LEDチップ7aは配線基板6側の面にp電極13及びn電極14を有しており、図4に示すLEDチップ7aの場合、p電極13が配線パターン5cに接続され、n電極14が配線パターン5dに接続された状態で配線基板6に実装されている。p電極13及びn電極14の配線パターン5c及び5dへの接続は、図示しない金属バンプを介し、ハンダ付けによって行っている。他のLEDチップ7a及び7bについても、図4に示すLEDチップ7aと同様にして、それぞれ対応する配線パターンに接続されて実装されている。なお、LEDチップ7a及び7bの配線基板6への実装方法は、これに限定されるものではなく、LEDチップ7a及び7bの種類や構造などに応じて適切な方法を選択可能である。例えば、LEDチップ7a及び7bを配線基板6の所定位置に接着固定した後、各LEDチップ7a及び7bの2つの電極をワイヤボンディングで配線パターンに接続してもよいし、一方の電極を上述のように配線パターンに接合すると共に、他方の電極をワイヤボンディングで配線パターンに接続するようにしてもよい。
このようにして、配線基板6にLEDチップ7a及び7bが実装されることにより、LED部2の電気回路が構成される。以下では、LED部2における各LED7a及び7bの接続状態を含め、本実施例の発光装置1における電気回路の構成について詳細に説明する。
(発光装置の電気回路構成)
図5は、本実施例の発光装置1の電気回路構成を、配線基板6上における各LEDチップ7a及び7bの実装上の実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図である。図5に示すように、LEDチップ7a及び7bは、配線パターン5a〜5eのうちの互いに隣接する2つの配線パターンの間で、極性が互いに逆方向となるようにして交互に配置され並列に接続されている。また、配線パターン5a〜5eの延設方向に直交する方向で見た場合にも、前述したように、LEDチップ7aとLEDチップ7bとは交互に配置されている。そして、配線パターン5aの端部には外部接続端子8が設けられ、配線パターン5eの端部には外部接続端子9が設けられている。
これらの外部接続端子8及び9は、各LEDチップ7a及び7bに駆動電流を供給するために用いられ、この駆動電流を調整するための駆動ユニット(駆動手段)15が接続される。図5に示すように、駆動ユニット15は、4つのトランジスタQ1、Q2、Q3及びQ4によって構成されるフルブリッジタイプの駆動回路を有する。そして、トランジスタQ1及びQ2のコレクタが駆動電源16の正極に接続されると共に、トランジスタQ3及びQ4のエミッタが駆動電源16の負極に接続されている。一方、駆動回路の一方の出力側となるトランジスタQ1のエミッタとトランジスタQ3のコレクタとの接続部が、電流調整用の抵抗Rsを介して外部接続端子8に接続され、駆動回路の他方の出力側となるトランジスタQ2のエミッタとトランジスタQ4のコレクタとの接続部が外部接続端子9に接続されている。なお、抵抗Rsは各LEDチップ7a及び7bに流れる駆動電流を適正な大きさ(例えば、LEDチップ1個あたり60mA)に調整するために設けられている。
4つのトランジスタQ1〜Q4は、いずれもそれぞれのベース信号に応じてオン状態とオフ状態とに切り換え可能であって、それぞれのベースは、このような切り換えを制御するための制御部17に接続されている。制御部17は、トランジスタQ2及びQ3を共にオフ状態としている間にトランジスタQ1及びQ4を同期してオン状態とする一方、トランジスタQ1及びQ4を共にオフ状態としている間にトランジスタQ2及びQ3を同期してオン状態とするようにそれぞれのベース信号を出力する。
そして、トランジスタQ1及びQ4が共にオン状態になったときには、駆動電源16の正極がトランジスタQ1及び抵抗Rsを介して外部接続端子8に接続されると共に、駆動電源16の負極がトランジスタQ4を介して外部接続端子9に接続される。従って、この場合にはLEDチップ7aにのみ順方向電流が流れ、LEDチップ7aのみが近紫外光を発する。前述したように、LEDチップ7aから発せられた近紫外光は、LEDチップ7aに対応する位置に配置された第1蛍光領域11aに分散保持されている蛍光体によって波長変換され、2500°Kの白色光が第1蛍光領域11aから放射される。
一方、トランジスタQ2及びQ3が共にオン状態になったときには、駆動電源16の正極がトランジスタQ2を介して外部接続端子9に接続されると共に、駆動電源16の負極がトランジスタQ3及び抵抗Rsを介して外部接続端子8に接続される。従って、この場合はLEDチップ7bにのみ順方向電流が流れ、LEDチップ7bのみが近紫外光を発する。前述したように、LEDチップ7bから発せられた近紫外光は、LEDチップ7bに対応する位置に配置された第2蛍光領域11bに分散保持されている蛍光体によって波長変換され、6000°Kの白色光が第2蛍光領域11bから放射される。
このように、本実施例においては、LEDチップ7aの駆動電流と、LEDチップ7bの駆動電流とを独立して制御できるようにLED部2の電気回路が構成されている。そして、トランジスタQ1及びQ4のオン状態とトランジスタQ2及びQ3のオン状態とを交互に切り換えることにより、第1蛍光領域11aからの白色光と第2蛍光領域11bからの白色光との合成光が発光装置1から放射される。このとき合成光は、第1蛍光領域11aからの白色光の色温度T1(2500°K)から、第2蛍光領域11bからの白色光の色温度T2(6000°K)までの間の色温度を有することになる。このため、第1蛍光領域11aからの白色光と第2蛍光領域11bからの白色光との比率を変えることにより、第1蛍光領域11aからの白色光のみとした場合の2500°Kから、第2蛍光領域11bからの白色光のみとした場合の6000°Kまでの間の任意の色温度の白色光を得ることができる。
図6は、上述したような各トランジスタQ1〜Q4の作動状態、及び各LEDチップの駆動電流の一例を示すタイムチャートである。なお、図6では抵抗Rsに流れる電流を各LEDチップ7a及び7bの駆動電流として示しているので、LEDチップ7aに流れる電流Iaは正の値で示され、LEDチップ7bに流れる電流Ibは、−Ibとして負の値で示されている。
図6に示すように、トランジスタQ1及びQ4が共にオン状態となるとLEDチップ7aに駆動電流Iaが流れ、LEDチップ7aが近紫外光を発する。一方、トランジスタQ2及びQ3が共にオン状態となるとLEDチップ7bに駆動電流Ibが流れ、LEDチップ7bが近紫外光を発する。このようなオン状態の切り換えは、それぞれのLEDチップの発光の切り換えに伴う発光装置1からの放射光のちらつきが気にならない程度の周期t0(例えば20ms)で行われ、図6に示す例では、トランジスタQ1及びQ4のオン期間t1の方が、トランジスタQ2及びQ3のオン期間t2より長く設定されている(例えば、t1=14ms及びt2=6ms)。従って、この場合には2500°Kの色温度の白色光の強度の方が大きいので、2500°K〜6000°Kの色温度範囲のうちの比較的低い領域の色温度を有した白色光が発光装置1から放射されることになる。
一方、制御部17によりトランジスタQ1〜Q4のベース信号を変更し、トランジスタQ1及びQ4のオン期間t1を、トランジスタQ2及びQ3のオン期間t2より短く設定した場合の、LEDチップ7a及び7bの駆動電流の例を図7に示す(例えば、t1=6ms及びt2=14ms)。この場合には、6000°Kの色温度の白色光の強度の方が大きいので、2500°K〜6000°Kの色温度範囲のうちの比較的高い領域の色温度を有した白色光が発光装置1から放射されることになる。
このように、トランジスタQ1及びQ4のオン期間t1とトランジスタQ2及びQ3のオン期間t2との比率を変えることにより、発光装置1の放射光の色温度を変更することができるので、色温度の調整を外部から行うため、本実施例の発光装置1には操作部(指示部)18が設けられている。操作部18は制御部17に接続され、所望の色温度を設定するための外部からの操作に応じ、設定された色温度に対応した電気信号を制御部17に伝達して、設定色温度に対応する指示を行うようになっている。
このような操作部18の一例を図8に示す。図8は操作部18の概略の構成を示す図であって、図8に示すように操作部18は、外部から操作するための操作つまみ18aと、操作つまみ18aの操作量を電気信号に変換し、制御部17に送出するための電気回路(図示省略)を内蔵した操作部本体18bとによって構成されている。操作つまみ18aは外部からの操作によって回動するようになっており、図8に示すように、操作部本体18bの操作面には操作つまみ18aに設けられたマーク18cの移動範囲に沿って、時計回りの方向に、「電球色」、「温白色」、「白色」、「昼白色」、「昼光色」の表記がなされている。この表記は、発光装置1が放射する白色光の色温度に対応しており、色温度の数値を直接表記する場合よりも直感的に使用者が色温度の高低を理解できるようにしている。具体的には、例えば「電球色」が2500°K、「温白色」が3500°K、「白色」が4200°K、「昼白色」が5000°K、「昼光色」が6000°Kとなっている。操作つまみ18aは、このような表記に対応して段階的に回動するようにしてもよいし、連続的に回動できるようにしてもよい。
操作部本体18bは、操作つまみ18aの位置を色温度に対応させて検出し、操作つまみ18aによって設定された色温度に対応する電気信号を制御部17に送出することにより、設定された色温度を制御部17に対して指示する。制御部17では、2500°K〜6000°Kの色温度の範囲において、色温度に対応したトランジスタQ1及びQ4のオン期間t1とトランジスタQ2及びQ3のオン期間t2とを予め記憶しており、上述のようにして操作部18から指示された色温度に対応するオン期間t1及びt2を読み出し、トランジスタQ1〜Q4を制御する。この結果、制御部17からのベース信号に応じてトランジスタQ1〜Q4がオン・オフ作動し、操作つまみ18aによって設定された色温度の白色光が発光装置1から放射される。
以上のように、本実施例の発光装置1は、第1LED群と第2LED群とに区分される複数のLEDチップ7a及び7bを配線基板6上に実装したLED部2と、LEDチップ7a及び7bのそれぞれに対応して第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bに分割された蛍光部材11を備える蛍光部3とにより発光光源を構成するようにしたので、従来の発光光源を用いる発光装置に比べ、部品点数を減少させて製造コストを低減することが可能となる。
特に本実施例の場合、図5に示すように、配線基板6において配線パターンに交差箇所が存在しないので、基板本体4の第1の面4aのみで必要な配線パターンを形成することが可能であり、より一層のコスト低減が可能となる。また、外部との接続が2つの外部接続端子8及び9のみで行えるので、この点でも製造コストの更なる低減が可能である。
また、配線基板6のLEDチップ実装面、即ち基板本体4の第1の面4aに対向する位置に配置した蛍光部材11により、LEDチップ7a及び7bが発する近紫外光を波長変換して放射するようにしたので、良好な発光効率を維持することが可能となる。そして、駆動ユニット15により第1LED群と第2LED群とで独立して駆動電流を供給するので、それぞれの駆動電流を調整することにより、発光装置1の良好な調光を実現することが可能となる。
更に、本実施例では、1個のLEDチップに対して1個の蛍光領域を配置するようにしたので、複数の蛍光領域を高密度に配置することができ、それぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光を良好に合成することができる。
また本実施例では、第1LED群のLEDチップ7a及び第2LED群のLEDチップ7bを、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように配置し、これに対応して第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bについても、同じ蛍光領域同士が隣り合うことのないように配置しているので、第1蛍光領域11aからの放射光と第2蛍光領域11bからの放射光とを良好に合成することができる。
なお、本実施例では、制御部17のベース信号によって4つのトランジスタQ1〜Q4をそれぞれオン・オフ作動させるようにしたが、これに代えてベース信号によりこれらトランジスタQ1〜Q4に流れる電流も併せて制御するようにしてもよい。この場合には電流調整用の抵抗Rsが不要となる。また、抵抗Rsに代えて定電流回路を挿入し、4つのトランジスタQ1〜Q4をそれぞれオン・オフ作動させるようにしてもよい。
また、本実施例では、トランジスタQ1及びQ4がオン状態にあるときにはトランジスタQ2及びQ3をオフ状態とし、トランジスタQ2及びQ3がオン状態にあるときにはトランジスタQ1及びQ4をオフ状態としたが、4つのトランジスタQ1〜Q4がいずれもオフ状態となる期間を設けるようにしてもよい。この場合には、蛍光部材11の第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bから放射される白色光の強度を独立して調整できるので、蛍光部材11から放射される合成光の色温度に加え、明暗を調整することも可能となる。従って、この場合には、図8に示す操作部18に、明暗を調整するための操作つまみを追加するようにしてもよい。
ところで、蛍光部材11について本実施例では、蛍光部材11の第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bのいずれも、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体の3種の蛍光体を混合して分散保持するようにした。しかしながら、このような分散保持に代え、図9に示すように、1つの蛍光領域において赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体をそれぞれ別個に配置するようにしてもよい。
図9は、このような場合の一例として第1蛍光領域11a’を示しており、図の左側から、赤色蛍光体19a、緑色蛍光体19b及び青色蛍光体19cの順で、各蛍光体が別個に設けられている。第1蛍光領域11a’では、これら3種の蛍光体の面積比率を調整することにより、2500°Kの色温度の白色光が第1蛍光領域11a’から放射されるようになっている。図9に示していない第2蛍光領域11b’についても、この第1蛍光領域11a’と同様に、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体がそれぞれ別個に配置されており、これら3種の蛍光体の面積比率を第1蛍光領域11a’とは異ならせることにより、6000°Kの色温度の白色光が第2蛍光領域11b’から放射されるようになっている。このようにして第1蛍光領域11a’及び第2蛍光領域11b’を形成した場合にも、上述したような第1実施例の発光装置1と同様の効果を得ることができる。
また、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を混合して分散保持した場合には、個々の蛍光領域において光を良好に合成して放射できるという効果があるものの、1つの蛍光領域内で赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が混在することに起因してカスケード励起が生じる可能性がある。そこで、このように赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を別個に配置することにより、カスケード励起を良好に防止することが可能となる。一方、各蛍光体からの放射光の合成という点では、個々の蛍光領域単位で見た場合に、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を混合して分散保持した場合より劣るが、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を別個に配置した場合でも、放射光の合成を良好に行うような工夫が可能である。
即ち、第1蛍光群に属する複数の第1蛍光領域11a’の向きを様々に変えて分散配置すると共に、第2蛍光群に属する複数の第2蛍光領域11b’の向きを様々に変えて分散配置することにより、全体として各蛍光領域からの放射光の合成を良好に行うことが可能となる。このような蛍光領域の配置の例を図10に示す。図10は、蛍光部3’の概略平面図であって、上述の第1実施例と同じく、第1蛍光領域11a’及び第2蛍光領域11b’が交互に配置されている。また、同じ第1蛍光群の第1蛍光領域11a’であっても、向きを4種類に変化させており、同じ向きの第1蛍光領域11a’が2個ずつ分散して設けられる。第2蛍光群の第2蛍光領域11b’についても同様に向きを変えて分散配置されている。
なお、上記変形例では、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体の並び順を、第1蛍光領域11a’及び第2蛍光領域11b’のそれぞれにおいて同じとし、第1蛍光領域11a’の向き及び第2蛍光領域11b’の向きを様々に変えて分散配置するようにしたが、これに加え、同じ蛍光群の蛍光領域であっても、個々の蛍光領域で赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体の並び順を変えるようにしてもよい。
また、上記変形例では、第1蛍光領域11a’及び第2蛍光領域11b’にそれぞれ3種類の赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を用いたが、このような3種類の蛍光体を上述のように別個に配置した場合、発光装置1の発光スペクトルにおける連続性が低下して演色性が低下する可能性もある。このような場合には、例えばLEDチップが発する近紫外光を波長変換して黄色光(例えば、ピーク波長580nm)を放射する黄色蛍光体などの付加的な蛍光体を併用するようにしてもよい。この場合、この黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上で、通常は620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあるものが好適である。中でも、黄色蛍光体として例えば、YAl12:Ce、(Y,Gd)Al12:Ce、(Sr,Ca,Ba,Mg)SiO:Eu、(Ca,Sr)Si:Eu、α−サイアロン、LaSi11:Ceが好ましい。
なお、上記第1実施例では、第1蛍光領域11aから放射される白色光の色温度を2500°Kとし、第2蛍光領域11bから放射される白色光の色温度を6000°Kとしたが、これらの色温度は一例であって、それぞれの蛍光領域に含まれる蛍光体の種類や比率を様々に調整することにより色温度を変更することが可能である。また、第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bからの放射光を白色光とせず、異なる色の放射光としてもよい。
<第2実施例>
次に、本発明の第2実施例に係る発光装置について説明する。第1実施例では、LEDチップ7a及び7bとして近紫外光を発するLEDチップを用いたが、本実施例の発光装置では、これに代えて460nmのピーク波長を有した青色光を発するLEDチップを用いる。このようなLEDチップとしても、例えばInGaN半導体が発光層に用いられるGaN系LEDチップがある。このような使用するLEDチップの変更に対応し、本実施例で蛍光部材に用いる蛍光体も、第1実施例とは異なるものとなる。なお、本実施例においてLEDチップが発する光のピーク波長は、420nm〜500nmの波長範囲内にあるのが好ましい。
本実施例の発光装置の場合、使用するLEDチップ及び蛍光部材の種類が第1実施例とは相違しているが、その他の構造に関しては図1〜図4に示す第1実施例の発光装置1の構造と同様であり、電気回路構成も図5に示す第1実施例の電気回路構成を用いる。そこで、本実施例に関する以下の説明では図1〜図5を用いるものとし、第1実施例と異なるLEDチップ及び蛍光部材を中心に、本実施例の説明を行う。
(LED部)
上述したとおり、本実施例ではLEDチップ7a及び7bの種類、並びにこれに対応して用いる蛍光部材11の種類のみが第1実施例と相違している。即ち、本実施例においても第1実施例と同様の配線基板6を有しており、LEDチップ7a及び7bは図1に示すように基板本体4の第1の面4a側に実装される。そして、これらLEDチップ7a及び7bは、第1LED群及び第2LED群に区分され、LEDチップ7aが第1LED群を構成し、LEDチップ7bが第2LED群を構成している。これらLEDチップ7a及び7bの、配線基板6における配置及び接続方向も、第1実施例と同様となっている。
(蛍光部)
蛍光部3についても、蛍光部材11に用いられる蛍光体のみが第1実施例と相違している。即ち、本実施例においても、第1実施例と同様の透光基板10の第2の面10bに蛍光部材11が設けられている。そして、蛍光部材11は、配線基板6に配列されたLEDチップ7a及び7bに対応し、縦方向及び横方向にそれぞれ4個ずつ均等に分割され、合計16個の領域(波長変換領域)が形成されている。これらの領域は、第1蛍光群(第1波長変換群)及び第2蛍光群(第2波長変換群)の2つの群に区分され、8個の第1蛍光領域(第1波長変換領域)11aが第1蛍光群を構成し、残りの8個の第2蛍光領域(第2波長変換領域)11bが第2蛍光群を構成する。
本実施例で用いるLEDチップ7a及び7bが青色光を発するのに対応し、第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bに分散保持される蛍光体が第1実施例と相違している。本実施例の場合、第1蛍光領域11aにおいては、LEDチップが発する青色光により励起されて赤色光(例えば、ピーク波長650nm)を放射する赤色蛍光体をバインダ中に分散保持させ、第2蛍光領域11bにおいては、LEDチップが発する青色光により励起されて緑色光(例えば、ピーク波長550nm)を放射する緑色蛍光体をバインダ中に分散保持させている。なお、これら赤色蛍光体及び緑色蛍光体としては、前述した第1実施例で具体的に例示したような蛍光体を用いることができる。
また、第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bのいずれにおいても、これら蛍光体の含有率を調整することにより、LEDチップが発する青色光が部分的に蛍光部材11を透過して、そのまま外部に放射されるようにしている。即ち、LEDチップが発する青色光の一部が上述したような波長変換に用いられる一方で、残部の青色光のうち、蛍光部材11を透過した青色光が外部に放射されることになる。従って、第1蛍光領域11aからは青色光と赤色光とが放射され、第2蛍光領域11bからは青色光と緑色光とが放射される。
このように、本実施例では第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bに分散保持される蛍光体、及びその含有率が第1実施例と相違するが、蛍光部材11における第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bの配置は、第1実施例と同じく、図1に示すように横方向及び縦方向のそれぞれで交互に配置されている。従って、同じ蛍光群の蛍光領域同士が隣り合うことはない。なお、第1実施例と同じく、蛍光部材11は、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷、或いは塗布などにより透光基板10の第2の面に形成することが可能である。
本実施例では、上述のように、第1蛍光領域11aから青色光及び赤色光を放射し、第2蛍光領域11bから青色光及び緑色光を放射するので、これら青色光、赤色光及び緑色光の合成光を得ることが可能である。本実施例では、同じ蛍光群の蛍光領域同士が隣り合うことのないように第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bが配置されているので、このような光の合成を良好に行うことができる。
(発光光源の構造)
LED部2に対する蛍光部3の配置は第1実施例と同様にして行われ、蛍光部材11の第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bは、図2に示すように、LEDチップ7a及び7bに対応して配置される。即ち、各第1蛍光領域11aの中央部分に第1LED群のLEDチップ7aが1個ずつ配置され、各第2蛍光領域11bの中央部分には第2LED群のLEDチップ7bが1個ずつ配置される。なお、上述した第1実施例と同様の理由により、透光基板10と各LEDチップ7a及び7bとの間には、図4に示すように距離L1の空隙が設けられている。
このような配置により、LEDチップ7aが青色光を発すると、この青色光の一部は、第1蛍光領域11aに分散保持されている赤色蛍光体によって赤色光に波長変換される。そして、この赤色光は、赤色蛍光体によって波長変換されずに第1蛍光領域11aを透過した青色光と共に、第1蛍光領域11aから放射される。一方、LEDチップ7bが青色光を発すると、この青色光の一部は、第2蛍光領域11bに分散保持されている緑色蛍光体によって緑色光に波長変換される。そして、この緑色光は、緑色蛍光体によって波長変換されずに第2蛍光領域11bを透過した青色光と共に、第2蛍光領域11bから放射される。
(発光装置の電気回路構成)
上述したように、本実施例においても第1実施例と同様に、LEDチップ7a及びLEDチップ7bが配線基板6に実装され接続されており、図5に示す電気回路を用いてLEDチップ7a及びLEDチップ7bの駆動電流を個別に制御する。ここで、本実施例においてLEDチップ7a及びLEDチップ7bの駆動電流を個別に制御することにより、発光装置1からの放射光の特性を種々調整可能な理由について以下に説明する。
第1蛍光領域11aの赤色蛍光体を励起するためのLEDチップ7aからの青色光の放射束をPbr、第2蛍光領域11bの緑色蛍光体を励起するためのLEDチップ7bからの青色光の放射束をPbgとした場合、蛍光部材11から放射される赤成分、緑成分及び青成分の各放射束Φr、Φg及びΦbは、それぞれ下記式(1)〜(3)によって表される。なお、式(1)〜(3)中において、ηrは、LEDチップ7aから発せられた青色光が赤色蛍光体を励起することなく蛍光部材11を透過する透過率を表し、ηgは、LEDチップ7bから発せられた青色光が緑色蛍光体を励起することなく蛍光部材11を透過する透過率を表す。また、αrは第1蛍光領域11aにおける蛍光変換効率を表し、αgは第2蛍光領域11bにおける蛍光変換効率を表す。ストークス損失と量子損失とを考慮すると、これらの蛍光変換効率の値は、αr=0.55〜0.65、及びαg=0.65〜0.75となることを見出すことができる。
Φr=Pbr・(1−ηr)・αr ・・・ (1)
Φg=Pbg・(1−ηg)・αg ・・・ (2)
Φb=Pbr・ηr+Pbg・ηg ・・・ (3)
LEDチップ7a及び7bの青色光の放射束PbがLEDチップ7a及び7bの駆動電流Ibに比例する領域においては、比例係数をkとした場合に、Pb=k・Ibが成立するから、これをそれぞれの放射束Pbr及びPbgに当てはめると、式(1)〜(3)は以下のようになる。
Φr=k・Ibr・(1−ηr)・αr ・・・ (4)
Φg=k・Ibg・(1−ηg)・αg ・・・ (5)
Φb=k・(Ibr・ηr+Ibg・ηg) ・・・ (6)
上記式(4)〜(6)から明らかなように、第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bにおける赤色蛍光体及び緑色蛍光体の量を調節した結果として、変換効率ηrと変換効率ηgとがある値に固定されたとき、LEDチップ7aの駆動電流IbrとLEDチップ7bの駆動電流Ibgとを個別に調整した場合に得られる各放射束の比Φr:Φg:Φbは、これら駆動電流Ibrと駆動電流Ibgとの比のみに依存する。従って、蛍光部材11から放射される光は、駆動電流Ibr及び駆動電流Ibgの調節によって、色度座標上のある直線上で調色されることになる。
図11は、xy色度図上における黒体輻射軌跡、等色温度線及び等偏差線を示すグラフである。例えば、LEDチップ7a及び7bとして用いる青色LED、並びに赤色蛍光体及び緑色蛍光体の典型的な発光スペクトルを図12のように仮定する。これらのスペクトルは、GaN系の青色LED、CaAlSi(ON):Euの赤色蛍光体(発光スペクトルのピーク波長が635nm)、及びBaSiSrO:Euの緑色蛍光体(発光スペクトルのピーク波長が526nm)に対して実測したものである。図11に示すように、透過率ηrを0.001とし、透過率ηgを0.33とした場合に、黒体輻射軌跡からの偏差|Δuv|<0.01の範囲内で、色温度2500°K〜6000°Kの光を放射させることができることがわかる。このとき蛍光部材11からは、駆動電流の比Ibr:Ibg=85:15の場合に色温度2500°Kの光が放射され、Ibr:Ibg=53:47の場合に色温度6000°Kの光が放射される。従って、駆動電流の比Ibr:Ibgをこれらの比率の間で調整することにより、蛍光部材11から放射される光の色度点は図11中の直線S1上を移動し、2500°K〜6000°Kの範囲の色温度の光を蛍光部材11から放射させることができる。
なお、上述した例では、透過率ηrを0.001とし透過率ηgを0.33としたが、これら透過率の値はこれに限定されるものではなく、様々に変更可能である。図13は、図11と同様にxy色度図上における黒体輻射軌跡、等色温度線及び等偏差線を示すグラフであるが、第1蛍光領域11aの赤色蛍光体の透過率ηrを0〜0.05の範囲で変化させ、第1蛍光領域11aに対応するLEDチップ7aにのみ駆動電流Ibrを供給すると、図13に示すように、色度点はWr1からWr2までの範囲で直線的に変動する。一方、第1蛍光領域11bの赤色蛍光体の透過率ηgを0.2〜0.45の範囲で変化させ、第1蛍光領域11bに対応するLEDチップ7bにのみ駆動電流Ibgを供給すると、図13に示すように、色度点はWg1からWg2までの範囲で直線的に変動する。
このことから、透過率ηrを0とし透過率ηgを0.2とすれば、駆動電流Ibr及び駆動電流Ibgの比率を変えることにより、蛍光部材11から放射される光の色度点は、色度点Wg1と色度点Wr1とを結ぶ直線S2上を移動することになる。また、透過率ηrを0.05とし透過率ηgを0.45とすれば、駆動電流Ibr及び駆動電流Ibgの比率を変えることにより、蛍光部材11から放射される光の色度点は、色度点Wg2と色度点Wr2とを結ぶ直線S3上を移動することになる。従って、透過率ηrを0〜0.05の範囲に設定すると共に、透過率ηgを0.2〜0.45の範囲に設定すれば、駆動電流Ibr及び駆動電流Ibgの比率を変えることにより、黒体輻射線から大きく外れることなく様々な色温度の放射光を得ることができることが図13からわかる。即ち、人間の視覚に対してきわめて自然に近い白色光を得る上では、透過率ηrを0〜0.05とすると共に、透過率ηgを0.2〜0.45とするのが好ましいことがわかる。なお、透過率ηrを0とした場合、LEDチップ7aから発せられた青色光は、その全部が赤色蛍光体によって波長変換され、波長変換されずに第1蛍光領域11aを透過する青色光はなくなることになる。
再び電気回路の説明に戻ると、本実施例でも、第1実施例と同じく図5に示す電気回路構成を用い、同様にトランジスタQ1〜Q4のオン・オフ制御を行うことにより、上述のような駆動電流Ibrと駆動電流Ibgとの比の調整を行う。駆動電流Ibrと駆動電流Ibgとの比の調整は、第1実施例の場合と同じく、図6及び図7に例示するように、周期t0においてLEDチップ7aに電流Iaが流れる期間t1と、LEDチップ7bに電流Ibが流れる流れる期間t2とを変更することによって行われる。
即ち、LEDチップ7aの駆動電流Ibrと、LEDチップ7bの駆動電流Ibgは、それぞれに流れる電流Ia及びIbにより、下記式(7)及び(8)によって表されるので、期間t1と期間t2とを変更することによって駆動電流Ibrと駆動電流Ibgとの比を変更することができる。
Ibr=(t1/t0)・Ia ・・・ (7)
Ibg=(t2/t0)・Ib ・・・ (8)
なお、上述したように、トランジスタQ1〜Q4のオン・オフ制御や駆動ユニット15については、第1実施例と全く同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。また、なお、色温度2500°K〜6000°Kの光を放射させる場合の、駆動電流Ibrと駆動電流Ibgとの比の一例は、上述したとおりである。
前述した第1及び第2実施例では、トランジスタQ1〜Q4のオン・オフ制御により、図6及び図7に例示するように、LEDチップ7aに電流Iaが流れる期間t1と、LEDチップ7bに電流Ibが流れる流れる期間t2とを変更し、蛍光部材11から放射される光の色温度を変更するようにしたが、トランジスタQ1〜Q4のオン・オフ制御を工夫することにより、蛍光部材11から放射される光の明度を合わせて変更することも可能となる。
以下に、その具体的な方法を第2実施例の変形例として説明する。第1及び第2実施例では、周期t0のうち期間t1では常にLEDチップ7aに電流Iaを流し、期間t2では常にLEDチップ7bに電流Ibを流すようにした。しかしながら、このときに期間t1でLEDチップ7aに断続的に電流Iaを流し、期間t2でLEDチップ7bに断続的に電流Ibを流すようにすれば、期間t1と期間t2との比率の変更によって蛍光部材11から放射される光の色温度を変更しつつ、その明度も変更することができる。
本変形例では、このように断続的に電流Ia及びIbを流すため、トランジスタQ1がオン状態の間、トランジスタQ4は常にオン状態に維持されるのではなく、オン・オフ動作を繰り返し、トランジスタQ3も同様に、トランジスタQ2がオン状態の間に、オン・オフ動作を繰り返すように、制御部17がトランジスタQ1〜Q4にベース信号を送る。
図14〜図16は、このようなトランジスタQ1〜Q4の作動状態、及び各LEDチップの駆動電流の例を示すタイムチャートである。図14〜図16においても、抵抗Rsに流れる電流を各LEDチップ7a及び7bの駆動電流として示しているので、LEDチップ7aに流れる電流Ia’は正の値で示され、LEDチップ7bに流れる電流Ib’は−Ib’として負の値で示されている。また、トランジスタQ1及びQ2のオン・オフ周期t0は上述した第1及び第2実施例と同じく20msとしている。そして、トランジスタQ1がオン状態にある間のトランジスタQ4のオン期間、即ち電流Ia’のパルス幅と、トランジスタQ2がオン状態にある間のトランジスタQ3のオン期間、即ち電流Ib’のパルス幅とを同一のt3とし、このパルス幅t3を増減させるようにしている。
期間t1における電流Ia’のパルスの数をn1、期間t2における電流Ib’のパルスの数をn2とすると、前述した式(7)及び(8)から明らかなように、LEDチップ7aの駆動電流Ibrと、LEDチップ7bの駆動電流Ibgは、下記式(9)及び(10)によって表される。
Ibr=(n1・t3/t0)・Ia’ ・・・ (9)
Ibg=(n2・t3/t0)・Ib’ ・・・ (10)
従って、パルス幅t3を変更することによって駆動電流Ibr及び駆動電流Ibgの大きさを同じ割合で同一方向に増減することができる。なお、パルス幅t3を最大限拡大すれば、上述した第2実施例と同様に、期間t1では常にLEDチップ7aに電流Iaが流れ、期間t2では常にLEDチップ7bに電流Ibが流れることになる。
ここで、図14の例と図15の例とを比較すると、パルス幅t3は同一(例えば1ms)となっており、期間t1と期間t2との比率が異なっている。従って、第2実施例と同様に、駆動電流Ibrと駆動電流Ibgとの比率が変化するので、蛍光部材11から放射さえる光の色温度が変化することになる。即ち、第2実施例の場合と同じく、図14の例の方が、LEDチップ7aの駆動電流がLEDチップ7bの駆動電流より大きいことによって色温度の低い放射光が得られることになる。
一方、図14の例と図16の例とを比較した場合、期間t1と期間t2との比率は同一となっている一方で、図16の例の方がパルス幅t3が拡大されている(例えば2ms)。従って、式(9)及び(10)から明らかなように、駆動電流Ibrと駆動電流Ibgとの比率は変化せず、駆動電流Ibr及び駆動電流Ibgの大きさが同一方向に変化していることになる。このため、図14の例に比べて例16の例の方がLEDチップ7a及び7bから強い青色光が発せられるので、明度の増した白色光が得られることになる。
このように本変形例では、トランジスタQ1のオン期間t1とトランジスタQ2のオン期間t2との比率を変えることにより、発光装置1の放射光の色温度を変更することができると共に、パルス幅t3を変更することにより、発光装置1の放射光の明度を変更することができる。なお、電流Ia’のパルス幅と電流Ib’のパルス幅とは、上記変形例のように同一とせず、異なるようにしてもよい。
以上のように、本実施例及びその変形例の発光装置1の構造は、LEDチップ7a及び7bの種類と、これに対応して設けられる蛍光部材11の蛍光体が、前述の第1実施例と相違するのみであるので、第1実施例の発光装置1と同様の効果を得ることができる。また、第1実施例の発光装置1と共通する部分について同様の変更が可能であるほか、上述したように駆動電流の制御についても、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々変更することが可能である。
なお、上記第2実施例では、第1蛍光領域11aに赤色蛍光体を用い、第2蛍光領域11bに緑色蛍光体を用いたが、このような2種類の蛍光体のみでは、発光装置1の発光スペクトルにおける連続性が低下して演色性が低下する可能性がある場合には、第1実施例の変形例に関して説明したように、例えばLEDチップが発する青色光を波長変換して黄色光(例えば、ピーク波長580nm)を放射する黄色蛍光体などの付加的な蛍光体を併用するようにしてもよい。
また、上記第2実施例における第1蛍光領域11aに用いる蛍光体を、赤色蛍光体(例えば、発光スペクトルのピーク波長が635nm)の代わりに、橙色蛍光体(例えば、発光スペクトルのピーク波長が600nm)や黄色蛍光体(例えば、発光スペクトルのピーク波長が580nm)を用いてもよい。これにより、駆動電流Ibr及びIbgを制御して得られる蛍光部材11からの発光を、人間の視覚によってより自然に近い白色光とすることができる。
また、上記第2実施例における第1蛍光領域11a及び第2蛍光領域11bをそれぞれ更に分割し、いずれの領域にも赤色蛍光体及び緑色蛍光体を配置するようにしてもよい。この場合、例えば第1蛍光領域では赤色蛍光体の面積を緑色蛍光体の面積より大きくする一方、第2蛍光領域では緑色蛍光体の面積を赤色蛍光体の面積より大きくする。また、前述した第1実施例の変形例と同様に、同じ蛍光領域であっても、それぞれ向きを変えて分散配置するのが、放射光の良好な合成を行う上で好ましい。
図17は、このような第2実施例の変形例における第1蛍光領域11a”の一例を示す概略図であり、図18は、同じく第2蛍光領域11b”の一例を示す概略図である。図17及び図18に示すように、第1蛍光領域11a”及び第2蛍光領域11b”は、いずれも更に3つの領域に区分されている。第1蛍光領域11a”は、赤色蛍光体19a”を中央部分に挟むようにして両端に緑色蛍光体19b”が配置され、赤色蛍光体19a”の面積の方が、2つの緑色蛍光体19b”の面積の和より大きくなっている。一方、第2蛍光領域11b”は、緑色蛍光体19b”を中央部分に挟むようにして両端に赤色蛍光体19a”が配置され、緑色蛍光体19b”の面積の方が、2つの赤色蛍光体19a”の面積の和より大きくなっている。
蛍光部3”の透光基板10”には、このように形成される第1蛍光領域11a”及び第2蛍光領域11b”を、第1実施例の場合と同じく、互いに隣り合うことのないように交互に配置するが、このときにそれぞれ向きを変えて配置するようにした場合の一例を図19に示す。図19に示すように、同じ蛍光領域であっても、2種類に向きを変えて配置するようにしており、同じ向きの第1蛍光領域11a”が4個ずつ分散して設けられると共に、第2蛍光領域11b” が4個ずつ分散して設けられる。
このようにして第1蛍光領域11a”及び第2蛍光領域11b”を形成した場合にも、上述した第2実施例と同様の効果を得ることができるが、更に、各蛍光体から放射される光の合成を、より一層良好に行うことができる。
<第3実施例>
次に、本発明の第3実施例に係る発光装置21について説明する。本実施例の発光装置21も、第1実施例と同様に、LED部と蛍光部とを組み合わせて構成した発光光源を有する。そして、LED部及び蛍光部の個々の構成については、後述するように第1及び第2実施例と相違しているものの、これらLED部及び蛍光部の組み付けについては、第1実施例と同じく図1、図3及び図4に示すようにして行われ、LED部及び蛍光部が互いに近接して配置され、固定されるようになっている。
(LED部)
本実施例のLED部は、LEDチップの配列及び接続状態が第1実施例と相違しているほか、このような相違に対応して、配線パターン及び外部接続端子が第1実施例と相違しているが、その他の点では第1実施例と同様に構成される。即ち、本実施例においても、各辺10mmの正方形の板状に形成されたアルミナ系セラミックからなる基板本体に、銅などの金属からなる配線パターンが形成された配線基板26を備える。図20は、本実施例における発光装置21の回路構成を、LEDチップ27a、27b及び27cの実装上の実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図であり、配線基板26の配線パターンに対応して示された回路によって、配線基板26が模式的に示されている。即ち配線基板26には、図20に示すようなLEDチップ27a、27b及び27cの回路を構成する配線パターンが形成されている。従って、本実施例においても、配線基板26には交差する配線パターンが存在せず、配線基板26の一方の面のみで、必要な配線パターンを形成することができる。
図20に示すように、配線基板26には複数のLEDチップ27a、27b及び27cが実装されている。これらのLEDチップ27a、27b及び27cは、第1LED群、第2LED群及び第3LED群の3つの群に区分され、4個のLEDチップ27aが第1LED群を、4個のLEDチップ27bが第2LED群を、また4個のLEDチップ27cが第3LED群を、それぞれ構成する。図20に示すように、LEDチップ27a、27b及び27cは、これらの群毎に、等間隔で1列に配列されると共に極性を同じくして直列に接続されている。また、群を横切る方向においても、LEDチップ27a、27b及び27cが1個ずつ等間隔で直線上に並ぶようになっている。各LEDチップ27a、27b及び27cの配線基板26への実装方法は、第1実施例と同様であり、LEDチップ27a、27b及び27cの発光面は、配線基板26のLEDチップ実装面が向く方向に向いている。
本実施例では第1実施例と同じく、LEDチップ27a、27b及び27cとして、いずれも405nmのピーク波長を有した近紫外光を発するLEDチップを用いている。なお、第1実施例でも述べたとおり、これらLEDチップ27a、27b及び27cの種類や発光波長特性は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて、様々なLEDチップを用いることができる。
第1LED群(LEDチップ27a)の最もアノード側端部、第2LED群(LEDチップ27b)の最もアノード側端部、及び第3LED群(LEDチップ27c)の最もアノード側端部は、それぞれ共通の外部接続端子28に接続されている。一方、第1LED群(LEDチップ27a)の最もカソード側端部は外部接続端子29aに、第2LED群(LEDチップ27b)の最もカソード側端部は外部接続端子29bに、また第3LED群(LEDチップ27c)の最もカソード側端部は外部接続端子29cに、それぞれ接続されている。
(蛍光部)
図21は、本実施例の発光装置21における蛍光部の概略平面図である。図21に示すように、本実施例の蛍光部は、第1実施例と同じくガラス製で板状の透光基板(板状部材)30と、この透光基板30の、LED部に対向する第1の面とは反対側となる第2の面30bに設けられた蛍光部材(波長変換部材)31とからなる。透光基板10は、配線基板26の基板本体と同様に各辺10mmの正方形の板状に形成され、厚さは0.1mmとなっている。
蛍光部材31は、上述のように配線基板26に配列されたLEDチップ27a、27b及び27cに対応して複数の領域(波長変換領域)に分割されており、第1〜第3LED群の並設方向に3個、各LED群におけるLEDチップの配列方向に4個の、合計12個の領域が形成されている。これら12個の領域は、第1蛍光群(第1波長変換群)、第2蛍光群(第2波長変換群)及び第3蛍光群(第3波長変換群)の3つの群に区分され、4個の第1蛍光領域(第1波長変換領域)31aが第1蛍光群、4個の第2蛍光領域(第2波長変換領域)31bが第2蛍光群、そして4個の第3蛍光領域(第3波長変換領域)31cが第3蛍光群をそれぞれ構成する。
蛍光部材31は、第1実施例と同じく、各LEDチップから発せられる近紫外光により励起されて異なる波長の光を放射する蛍光体と、この蛍光体を分散保持するバインダとからなる。本実施例では、第1蛍光領域31a、第2蛍光領域31b及び第3蛍光領域31cのそれぞれで分散保持する蛍光体が異なっている。即ち、第1蛍光領域31aでは近紫外光を波長変換して青色光(例えば、ピーク波長460nm)を放射する青色蛍光体を用い、第2蛍光領域31bでは近紫外光を波長変換して緑色光(例えば、ピーク波長550nm)を放射する緑色蛍光体を用い、第3蛍光領域31cでは近紫外光を波長変換して赤色光(例えば、ピーク波長650nm)を放射する赤色蛍光体を用いる。なお、これら赤色蛍光体及び緑色蛍光体としては、前述した第1実施例で具体的に例示したような蛍光体を用いることができる。
図21に示すように、蛍光部材31において、第1蛍光群の第1蛍光領域31aは第1LED群のLEDチップ27aに沿って配置され、第2蛍光領域31bは第2LED群のLEDチップ27bに沿って配置され、第3蛍光領域31cは第3LED群のLEDチップ27cに沿って配置されている。蛍光部材31は、第1実施例の場合と同じく、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷、或いは塗布などにより透光基板30の第2の面30bに形成することができる。いずれの場合においても、第1蛍光領域31a、第2蛍光領域31b及び第3蛍光領域31cのいずれか1つを形成する際には、残りの領域をマスキングするなどして、各領域に重複が生じないようにするのが、カスケード励起に起因した発光効率の低下を防止する上で好ましい。また、異なる蛍光群の境界部分に遮光部を形成すれば、より一層確実にカスケード励起を防止することが可能となる。
(発光光源の構造)
こうして透光基板30の第2の面30bに蛍光部材31が形成された蛍光部を、第1実施例と同様にしてLED部に近接配置し、固定することにより、本実施例の発光装置21の発光光源が構成される。このとき、蛍光部材31の第1蛍光領域31a、第2蛍光領域31b及び第3蛍光領域31cは、図21に示すように、LEDチップ7a、7b及び7cにそれぞれ対応して配置されるようになっている。具体的には、各第1蛍光領域31aの中央部分に第1LED群のLEDチップ27aが1個ずつ配置され、各第2蛍光領域31bの中央部分には第2LED群のLEDチップ27bが1個ずつ配置され、各第3蛍光領域31cの中央部分には第3LED群のLEDチップ27cが1個ずつ配置される。
従って、LEDチップ27aが近紫外光を発すると、第1蛍光領域31aにおいて分散保持されている青色蛍光体により、近紫外光が青色光に波長変換され、第1蛍光領域31aから青色光が放射される。また、LEDチップ27bが近紫外光を発すると、第2蛍光領域31bにおいて分散保持されている緑色蛍光体により、近紫外光が緑色光に波長変換され、第2蛍光領域31bから緑色光が放射される。更に、LEDチップ27cが近紫外光を発すると、第3蛍光領域31cにおいて分散保持されている青色蛍光体により、近紫外光が赤色光に波長変換され、第3蛍光領域31cから赤色光が放射される。
本実施例においても、蛍光部とLED部との位置関係は第1実施例と同様であり、第1実施例の場合と同様の理由により、図4に示すように、透光基板30と各LEDチップ27a、27b及び27cとの間に距離L1の空隙を設けている。なお、本実施例においても、空隙をなくして透光基板30をLEDチップ27a、27b及び27cに密着させるようにしてもよい。
(発光装置の電気回路構成)
本実施例の発光装置21は、図20に示すような電気回路構成を有しており、配線基板26におけるLEDチップ27a、27b及び27cの回路は前述したとおりである。配線基板26に設けられている外部接続用端子28、外部接続端子29a、外部接続端子29b、及び外部接続端子29cは、各LEDチップ27a、27b及び27cに駆動電流を供給するための駆動ユニット(駆動手段)35が接続される。
具体的には、第1〜第3LED群の共通端子である外部接続端子28が駆動電源36の正極に接続される。また、第1LED群用の外部接続端子29aは電流調整用の抵抗Rbを介してトランジスタQbのコレクタに接続され、第2LED群用の外部接続端子29bは電流調整用の抵抗Rgを介してトランジスタQgのコレクタに接続され、第3LED群用の外部接続端子29cは電流調整用の抵抗Rrを介してトランジスタQrのコレクタに接続されている。更に、トランジスタQb、Qg及びQrの各エミッタは、駆動電源36の負極に接続されている。なお、抵抗Rb、Rg及びRrは、それぞれLEDチップ27a、27b及び27cに流れる駆動電流を適正な大きさ(例えばLEDチップ1個あたり60mA)に調整するために設けられている。
3つのトランジスタQb、Qg及びQrは、いずれもそれぞれのベース信号に応じてオン状態とオフ状態とに切り換え可能であって、それぞれのベースは、このような切り換えを制御するための制御部37に接続されている。
駆動電源36の正極は外部接続端子28に接続されているので、トランジスタQbがオン状態になると、駆動電源36の負極が抵抗Rb及びトランジスタQbを介して外部接続端子29aに接続されることにより、直列に接続されている4つのLEDチップ27aに順方向電流が流れ、LEDチップ27aが近紫外光を発する。こうした発せられた近紫外光により、第1蛍光領域31aから青色光が放射される。また、トランジスタQgがオン状態になると、駆動電源36の負極が抵抗Rg及びトランジスタQgを介して外部接続端子29bに接続されることにより、直列に接続されている4つのLEDチップ27bに順方向電流が流れ、LEDチップ27bが近紫外光を発する。こうした発せられた近紫外光により、第2蛍光領域31bから緑色光が放射される。また、トランジスタQrがオン状態になると、駆動電源36の負極が抵抗Rr及びトランジスタQrを介して外部接続端子29cに接続されることにより、直列に接続されている4つのLEDチップ27cに順方向電流が流れ、LEDチップ27cが近紫外光を発する。こうした発せられた近紫外光により、第3蛍光領域31cから緑色光が放射される。
このように、本実施例においても、LEDチップ27aの駆動電流、LEDチップ27bの駆動電流、及びLEDチップ27cの駆動電流を、それぞれ独立して制御することが可能である。従って、本実施例では、トランジスタQb、Qg及びQrを所定の周期(例えば20ms)でオン・オフさせ、それぞれのオン期間を制御することにより、青色光、緑色光及び赤色光の強度を独立して制御する。蛍光部材31からは、これら青色光、緑色光及び赤色光の合成光が放射されるので、トランジスタQb、Qg及びQrのオン期間を制御して、青色光、緑色光及び赤色光の強度や比率を変化させることにより、合成光の色温度、色度、輝度、或いは彩度などの特性を様々に変化させることができる。
このように、トランジスタQb、Qg及びQrの駆動電流を調整することにより、発光装置21で得られる合成光の特性を様々に変更することができるので、本実施例の発光装置21には、所望の特性を有した合成光が得られるように外部から指示を与える操作部(指示部)38が設けられている。操作部38は制御部37に接続され、合成光の特性を指定するための外部からの操作に対応した電気信号を制御部37に伝達するようになっている。
このような操作部38の一例を図22に示す。図22は、操作部38の概略の構成を示す図である。操作部38には、外部から操作するための操作つまみとして、第1蛍光領域31aから放射される青色光の強度を調整するための青色光用つまみ38a、第2蛍光領域31bから放射される緑色光の強度を調整するための緑色光用つまみ38b、及び第3蛍光領域31cから放射される赤色光の強度を調整するための赤色光用つまみ38cが設けられている。更に操作部38は、これら操作つまみの操作量を電気信号に変換して制御部37に送出するための電気回路(図示省略)を内蔵した操作部本体38dを備える。
青色光用つまみ38a、緑色光用つまみ38b及び赤色光用つまみ38cは、いずれも時計回りに回すほど、対応する色の光の強度が増大するようになっており、操作者は、発光装置21から所望の合成光が得られるように、青色光用つまみ38a、緑色光用つまみ38b及び赤色光用つまみ38cをそれぞれ操作する。操作部本体38dは、青色光用つまみ38a、緑色光用つまみ38b及び赤色光用つまみ38cのそれぞれの位置を、合成光の特性に関する指示として検出し、これら操作つまみのそれぞれの位置に対応する電気信号を制御部37に送出する。制御部37では、操作部本体38dからの電気信号に基づき、青色光用つまみ38a、緑色光用つまみ38b及び赤色光用つまみ38cの各位置に応じた強度の青色光、緑色光及び赤色光が放射されるようにトランジスタQb、Qg及びQrのオン期間を制御する。この結果、青色光用つまみ38a、緑色光用つまみ38b及び赤色光用つまみ38cの各操作位置に対応した特性の合成光が発光装置21から放射される。
図22に示す操作部38の場合、青色光、緑色光及び赤色光の強度及び比率と、それによって得られる合成光との関係に関し、ある程度の知識が操作者に求められる。そこで、このような関係を予め操作部に記憶しておき、操作者の負担を減らして、簡単に操作することが可能な操作部を設けるようにしてもよい。そのような操作部38’の一例を図23に示す。図23の例では、発光装置から得られる合成光を白色光に特化し、その明暗と色温度とを調整できるようになっている。図22の操作部38に比べて合成光に対する調整の自由度が減るものの、直感的に合成光を調整することが可能となっている。
図23に示すように、操作部38’には、発光装置から放射する白色光の色温度を調整するための色温度つまみ38a’と、白色光の明度を調整するための明度つまみ38b’との2つの操作つまみが設けられている。色温度つまみ38a’は、青色光、緑色光及び赤色光の比率を変化させて、合成光として得られる白色光の色温度を調整するためのものであり、明度つまみ38b’は、青色光、緑色光及び赤色光の強度を変化させて、合成光として得られる白色光の明度を調整するためのものである。操作部本体38d’には、これら操作つまみの操作量を電気信号に変換して制御部37に送出するための電気回路(図示省略)が内蔵されている。
操作者は、発光装置21から所望の白色光が得られるように、色温度つまみ38a’及び明度つまみ38b’を操作する。操作部本体38d’は、これら操作つまみの位置を、合成光の特性に関する指示として検出し、これら操作つまみのそれぞれの位置に対応する電気信号を制御部37に送出する。制御部37では、操作部本体38dからの電気信号に基づき、色温度つまみ38a’の位置に応じた比率、及び明度つまみ38b’の位置に応じた強度で青色光、緑色光及び赤色光が放射されるようにトランジスタQb、Qg及びQrのオン期間を制御する。この結果、色温度つまみ38a’及び明度つまみ38b’の各操作位置に対応した色温度及び明度の白色光が発光装置21から放射される。
以上のように、本実施例の発光装置21は、第1〜第3LED群に区分される複数のLEDチップ27a、27b及び27cを配線基板26上に実装したLED部と、LEDチップ27a、27b及び27cのそれぞれに対応して第1蛍光領域31a、第2蛍光領域31b及び第3蛍光領域31cに分割された蛍光部材31を備える蛍光部とにより発光光源を構成するようにしたので、前述の第1及び第2実施例と同様に、従来の発光光源を用いる発光装置に比べ、部品点数を減少させて製造コストを低減することが可能となる。
本実施例の場合も、図20に示すように、配線基板26において配線パターンに交差箇所が存在しないので、基板本体の片面のみに配線パターンを設けることが可能であり、より一層のコスト低減が可能となる。
また、配線基板26のLEDチップ実装面に対向する位置に配置した蛍光部材31により、LEDチップ27a、27b及び27cが発する近紫外光を波長変換して放射するようにしたので、良好な発光効率を維持することが可能となる。そして、駆動ユニット35により第1〜第3LED群のそれぞれに独立して駆動電流を供給するので、各駆動電流を独立して調整することにより、発光装置21の良好な調光を実現することが可能となる。
更に、本実施例でも、1個のLEDチップに対して1個の蛍光領域を配置するようにしたので、複数の蛍光領域を高密度に配置することができ、それぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光を良好に合成することができる。
なお、本実施例では、制御部37のベース信号によってトランジスタQb、Qg及びQrをそれぞれオン・オフ作動させるようにしたが、これに代えてベース信号によりこれらトランジスタQb、Qg及びQrに流れる電流も併せて制御するようにしてもよい。この場合には電流調整用の抵抗Rb、Rg及びRrが不要となる。また、これら抵抗Rb、Rg及びRrに代えて定電流回路を挿入し、トランジスタQb、Qg及びQrをそれぞれオン・オフ作動させるようにしてもよい。
また、蛍光部材31について、本実施例では、図21において左から青色蛍光体を分散保持する第1蛍光領域31a、緑色蛍光体を分散保持する第2蛍光領域31b、赤色蛍光体を分散保持する第3蛍光領域31cの順で配置したが、この配置は一例であり、必要に応じて種々並び換えることが可能である。
<第4実施例>
第3実施例では、青色蛍光体を分散保持する領域、緑色蛍光体を分散保持する領域、及び赤色蛍光体を分散保持する領域をそれぞれ1列に並べるような配置で蛍光部材を形成するようにしたが、これら3種類の領域を分散して配置することにより、それぞれの領域から放射される青色光、緑色光及び赤色光の良好な合成を優先することも考えられる。そこで以下では、このように3種類の領域を分散配置した場合の一例を第4実施例として、詳細に説明する。
本実施例の発光装置も、これまで説明した各実施例と同様に、LED部と蛍光部とを組み合わせて構成した発光光源を有する。そして、LED部及び蛍光部の個々の構成については、後述するようにこれまでに説明した実施例と相違しているものの、これらLED部及び蛍光部の組み付けについては、第1実施例と同じく図1、図3及び図4に示すようにして行われ、LED部及び蛍光部が互いに近接して配置され、固定されるようになっている。
(蛍光部)
図24は、本実施例の発光装置における蛍光部の概略平面図である。図24に示すように、本実施例の蛍光部は、第1実施例と同じくガラス製で板状の透光基板(板状部材)50と、この透光基板50の、LED部に対向する第1の面とは反対側となる第2の面50bに設けられた蛍光部材(波長変換部材)51とからなる。透光基板50は、後述する配線基板46の基板本体と同様に各辺10mmの正方形の板状に形成され、厚さは0.1mmとなっている。
蛍光部材51は、後述するように配線基板46に配列され実装された複数のLEDチップ47a、47b及び47cに対応して複数の領域(波長変換領域)に分割されている。具体的には、縦横それぞれ等間隔で3個ずつの9個の領域に分割され、これら9個の領域は、第1蛍光群(第1波長変換群)、第2蛍光群(第2波長変換群)及び第3蛍光群(第3波長変換群)の3つの群に区分される。そして、3個の第1蛍光領域(第1波長変換領域)51aが第1蛍光群を、3個の第2蛍光領域(第2波長変換領域)51bが第2蛍光群を、また3個の第3蛍光領域(第3波長変換領域)51cが第3蛍光群を、それぞれ構成する。
本実施例においても第3実施例と同様に、第1蛍光領域51aでは近紫外光を波長変換して青色光を放射する青色蛍光体を用い、第2蛍光領域51bでは近紫外光を波長変換して緑色光を放射する緑色蛍光体を用い、第3蛍光領域51cでは近紫外光を波長変換して赤色光を放射する赤色蛍光体を用いる。第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cは、同じ蛍光群の蛍光領域同士が隣り合うことのないよう、図24に示すように分散して配置されている。なお、これら赤色蛍光体及び緑色蛍光体としては、前述した第1実施例で具体的に例示したような蛍光体を用いることができる。
蛍光部材51は、第1〜第3実施例の場合と同じく、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷、或いは塗布などにより透光基板50の第2の面50bに形成することができる。いずれの場合においても、第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cのいずれか1つを形成する際には、残りの領域をマスキングするなどして、各領域に重複が生じないようにするのが、カスケード励起に起因した発光効率の低下を防止する上で好ましい。また、異なる蛍光群の境界部分に遮光部を形成すれば、より一層確実にカスケード励起を防止することが可能となる。
図24に示すように、蛍光部材51において、第1蛍光群の第1蛍光領域51aはLEDチップ47aに対応して配置され、第2蛍光領域51bはLEDチップ47bに対応して配置され、第3蛍光領域51cはLEDチップ47cに対応して配置されている。従って、本実施例の場合、LEDチップ47a、LEDチップ47b及びLEDチップ47cが、それぞれ3個ずつ用いられる。
(LED部)
本実施例においてもLED部は、各辺10mmの正方形の板状に形成されたアルミナ系セラミックからなる基板本体に、銅などの金属からなる配線パターンが形成された配線基板46を備え、LEDチップ47a、LEDチップ47b及びLEDチップ47cがLED部の配線基板46に実装されている。図25は、本実施例におけるLED部の回路構成を、LEDチップ47a、47b及び47cの実装上の実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図であり、配線基板46の配線パターンに対応して示された回路によって、配線基板46が模式的に示されている。即ち、配線基板46には、図25に示すようなLEDチップ47a、47b及び47cの回路を構成する配線パターンが形成されている。従って、本実施例の場合には、交差する配線パターンが必要となるため、配線基板46の裏表両方の面を用いて必要な配線パターンを形成し、図示しないスルーホールを用いて表側の配線パターンと裏側の配線パターンとを接続している。
上述したように、本実施例では、3個ずつ形成された第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cに対応して、LEDチップ47a、LEDチップ47b及びLEDチップ47cを3個ずつ用いる。これらのLEDチップ47a、47b及び47cは、第1LED群、第2LED群及び第3LED群の3つの群に区分され、LEDチップ47aが第1LED群を、LEDチップ47bが第2LED群を、そしてLEDチップ47cが第3LED群を、それぞれ構成する。また、上述したように、第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cにそれぞれ対応してLEDチップ47a、47b及び47cが配置され、同じ蛍光群の蛍光領域同士が隣り合うことのないように各蛍光領域が配置されるので、LEDチップ47a、47b及び47cについても、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように分散して配置されている。
図25に示すように、LEDチップ47a、47b及び47cは、それぞれが属するLED群毎に、極性を同じくして直列に接続されている。なお、LEDチップ47a、47b及び47cの配線基板46への実装は、第1実施例と同様の方法で行われ、各LEDチップ47a、47b及び47cの発光面は、配線基板46のLEDチップ実装面が向く方向と同じ方向を向いている。
本実施例においても第1及び第3実施例と同じく、LEDチップ47a、47b及び47cとして、いずれも405nmのピーク波長を有した近紫外光を発するLEDチップを用いている。なお、第1実施例で述べたように、これらLEDチップ47a、47b及び47cの種類や発光波長特性はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて、様々なLEDチップを用いることができる。
図25に示すように、第1LED群(LEDチップ47a)の最もアノード側端部、第2LED群(LEDチップ47b)の最もアノード側端部、及び第3LED群(LEDチップ47c)の最もアノード側端部は、それぞれ共通の外部接続端子48に接続されている。一方、第1LED群(LEDチップ47a)の最もカソード側端部は外部接続端子49aに、第2LED群(LEDチップ47b)の最もカソード側端部は外部接続端子49bに、また第3LED群(LEDチップ47c)の最もカソード側端部は外部接続端子49cに、それぞれ接続されている。
(発光光源の構造)
透光基板50の第2の面50bに蛍光部材51が形成された蛍光部を、LEDチップ47a、47b及び47cが配線基板46に実装されたLED部に、第1〜第3実施例と同様にして近接配置し固定することにより、本実施例の発光装置の発光光源が構成される。このとき、蛍光部材51の第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cは、前述したように、LEDチップ47a、47b及び47cにそれぞれ対応して配置されるようになっている。具体的には、図24に示すように、各第1蛍光領域51aの中央部分に第1LED群のLEDチップ47aが1個ずつ配置され、各第2蛍光領域51bの中央部分には第2LED群のLEDチップ47bが1個ずつ配置され、各第3蛍光領域51cの中央部分には第3LED群のLEDチップ47cが1個ずつ配置される。
従って、LEDチップ47aが近紫外光を発すると、第1蛍光領域51aにおいて分散保持されている青色蛍光体により、近紫外光が青色光に波長変換され、第1蛍光領域51aから青色光が放射される。また、LEDチップ47bが近紫外光を発すると、第2蛍光領域51bにおいて分散保持されている緑色蛍光体により、近紫外光が緑色光に波長変換され、第2蛍光領域51bから緑色光が放射される。更に、LEDチップ47cが近紫外光を発すると、第3蛍光領域51cにおいて分散保持されている青色蛍光体により、近紫外光が赤色光に波長変換され、第3蛍光領域51cから赤色光が放射される。
本実施例においても、蛍光部とLED部との位置関係は第1実施例と同様であり、第1実施例と同様の理由により、図4に示すように、透光基板50と各LEDチップ47a、47b及び47cとの間に距離L1の空隙を設けている。なお、本実施例においても、空隙をなくして透光基板50をLEDチップ47a、47b及び47cに密着させるようにしてもよい。
(発光装置の電気回路構成)
本実施例においては、配線基板46の回路構成のみが前述の第3実施例と相違しており、配線基板46の回路構成は、上述したように図25に示すとおりである。また、各LEDチップ47a、47b及び47cに駆動電流を供給するために配線基板46に接続して用いる駆動ユニットは、第3実施例で用いる駆動ユニット35と全く同一であるので、ここでは図示を省略し、図20に示す第3実施例の駆動ユニット35に基づき説明を行うものとする。
本実施例においても、第1〜第3LED群の共通端子である外部接続端子48が、図20に示す駆動ユニット35の駆動電源36の正極に接続される。また、第1LED群用の外部接続端子49aは電流調整用の抵抗Rbを介してトランジスタQbのコレクタに接続され、第2LED群用の外部接続端子49bは電流調整用の抵抗Rgを介してトランジスタQgのコレクタに接続され、第3LED群用の外部接続端子49cは電流調整用の抵抗Rrを介してトランジスタQrのコレクタに接続されている。
本実施例における駆動ユニット35の作動も、前述の第3実施例の場合と同様である。即ち、制御部37からのベース信号により、3つのトランジスタQb、Qg及びQrのオン・オフ状態の切り換えが制御される。そして、トランジスタQbがオン状態になると、直列に接続された3つのLEDチップ47aに順方向電流が流れ、LEDチップ47aが近紫外光を発する。こうした発せられた近紫外光により、第1蛍光領域51aから青色光が放射される。また、トランジスタQgがオン状態になると、直列に接続された3つのLEDチップ47bに順方向電流が流れ、LEDチップ47bが近紫外光を発する。こうした発せられた近紫外光により、第2蛍光領域51bから緑色光が放射される。また、トランジスタQrがオン状態になると、直列に接続された3つのLEDチップ47cに順方向電流が流れ、LEDチップ47cが近紫外光を発する。こうした発せられた近紫外光により、第3蛍光領域51cから緑色光が放射される。
このように、本実施例においても、LEDチップ47aの駆動電流、LEDチップ47bの駆動電流、及びLEDチップ47cの駆動電流を、それぞれ独立して制御することが可能である。従って、本実施例では、トランジスタQb、Qg及びQrを所定の周期(例えば20ms)でオン・オフさせ、それぞれのオン期間を制御することにより、青色光、緑色光及び赤色光の強度を独立して制御する。蛍光部材51からは、これら青色光、緑色光及び赤色光の合成光が放射されるので、トランジスタQb、Qg及びQrのオン期間を制御して、青色光、緑色光及び赤色光の強度や比率を変化させることにより、合成光の色温度、色度、輝度、或いは彩度などの特性を様々に変化させることができるようになっている。
また、本実施例においても、駆動ユニット35には所望の特性を有した合成光が得られるように外部から指示を与える操作部(指示部)38が設けられており、第3実施例の場合と同様にして、所望の特性を有した合成光が得られるように外部から指示を与えることができる。操作部38の詳細については、第3実施例において説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。
以上のように、本実施例の発光装置は、第1〜第3LED群に区分される複数のLEDチップ47a、47b及び47cを配線基板46上に実装したLED部と、LEDチップ47a、47b及び47cのそれぞれに対応して第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cに分割された蛍光部材51を備える蛍光部とにより発光光源を構成するようにしたので、前述の第1〜第3実施例と同様に、従来の発光光源を用いる発光装置に比べ、部品点数を減少させて製造コストを低減することが可能となる。
また、配線基板46のLEDチップ実装面に対向する位置に配置した蛍光部材51により、LEDチップ47a、47b及び47cが発する近紫外光を波長変換して放射するようにしたので、良好な発光効率を維持することが可能となる。そして、駆動ユニット35により第1〜第3LED群のそれぞれに独立して駆動電流を供給するので、各駆動電流を独立して調整することにより、発光装置の良好な調光を実現することが可能となる。
更に、本実施例でも、1個のLEDチップに対して1個の蛍光領域を配置するようにしたので、複数の蛍光領域を高密度に配置することができ、それぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光を良好に合成することができる。
なお、蛍光部材51について、本実施例では第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cの分散配置の一例として、図24に示すような配置を用いたが、これら領域の配置は様々に変更可能であり、各領域の配置の変更に対応してLEDチップ47a、47b及び47cの配置も変更することが可能である。
また、図24に示すような蛍光部材51を用いる場合、これに対応して形成する配線基板上のLEDチップの回路は、第4実施例のものに限られるものではなく、様々な回路構成を適用することが可能である。そこで、以下では、図24に示すような蛍光部材51に対応して設けることが可能な配線基板上のLEDチップの回路について、いくつかの実施例を示して説明する。
<第5実施例>
本実施例の発光装置61も、これまで説明した各実施例と同様に、LED部と蛍光部とを組み合わせて構成した発光光源を有する。本実施例における蛍光部の構成は、上述のように第4実施例と全く同一であるので、蛍光部については図24を用いて説明するものとし、ここでは蛍光部の詳細な説明を省略する。このような蛍光部に対応して設けられるLED部も、複数のLEDチップが実装される配線基板66の回路構成が上述のように相違すると共に、これに対応して設けられる外部接続端子が相違するのみであって、その他の構成については第4実施例と同様である。また、これらLED部及び蛍光部の組み付けについては、第1実施例と同じく図1、図3及び図4に示すようにして行われ、LED部及び蛍光部が互いに近接して配置され固定されるようになっている。
(LED部)
本実施例のLED部は、LEDチップの接続状態のみが第4実施例と相違しており、このような相違に対応して、配線基板66における配線パターンが第4実施例と相違しているが、その他の点では第4実施例と同様に構成される。図26は、本実施例における発光装置61の回路構成を、LEDチップ67a、67b及び67cの実装上の実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図であり、配線基板66の配線パターンに対応して示された回路によって、配線基板66が模式的に示されている。即ち配線基板66には、図26に示すようなLEDチップ67a、67b及び67cの回路を構成する配線パターンが形成されている。従って、本実施例の場合にも交差する配線パターンが必要となるため、配線基板66の裏表両方の面を用いて必要な配線パターンを形成し、図示しないスルーホールを用いて表側の配線パターンと裏側の配線パターンとを接続している。但し、第4実施例の場合には配線パターンの交差が4箇所であったのに対し、本実施例では交差が2箇所のみとなっており、スルーホールの数を低減した回路構成を採用している。
上述したように、本実施例のLED部では、LEDチップの接続状態のみが第4実施例と相違しており、第4実施例と同様に、図24に示す第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cに対応して、LEDチップ67a、LEDチップ67b及びLEDチップ67cを3個ずつ用いる。これらLEDチップ67a、67b及び67cは、第4実施例におけるLEDチップ47a、47b及び47cと全く同じものである。即ち、LEDチップが67aLEDチップ47aに、LEDチップ67bがLEDチップ47bに、そしてLEDチップ67cがLEDチップ47cにそれぞれ対応している。そして、第4実施例の場合と同様に、LEDチップ67aが第1LED群、LEDチップ67bが第2LED群、またLEDチップ67cが第3LED群をそれぞれ構成する。
また、図24に示す第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cにそれぞれ対応してLEDチップ67a、67b及び67cが配置され、同じ蛍光群の蛍光領域同士が隣り合うことのないように各蛍光領域が配置されるので、LEDチップ67a、67b及び67cについても、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように分散して配置されている。
本実施例では、図26に示すように、第1LED群に属する3個のLEDチップ67aが極性を同じくして直列に接続されている。一方、第2LED群に属する3個のLEDチップ67bと、第3LED群に属する3個のLEDチップ67cとは、図26に示すように、1個ずつのLEDチップ67bとLEDチップ67cとが対をなし、互いに極性を逆にした状態で並列に接続されると共に、各対が直列に接続されている。この結果、第2LED群に属する3個のLEDチップ67bが極性を同じくして直列に接続されると共に、第3LED群に属する3個のLEDチップ67cが極性を同じくして直列に接続されていることになる。なお、LEDチップ67a、67b及び67cの配線基板66への実装は第1実施例の場合と同様にして行われ、各LEDチップ67a、67b及び67cの発光面は配線基板66のLEDチップ実装面が向く方向と同じ方向に向いている。
図26に示すように、第1LED群(LEDチップ67a)の最もアノード側端部、第2LED群(LEDチップ67b)の最もカソード側端部、及び第3LED群(LEDチップ67c)の最もアノード側端部は、それぞれ共通の外部接続端子68に接続されている。一方、第1LED群(LEDチップ67a)の最もカソード側端部は外部接続端子69aに接続され、第2LED群(LEDチップ67b)の最もアノード側端部、及び第3LED群(LEDチップ67c)の最もカソード側端部は、いずれも外部接続端子69bに接続されている。
このように、第2LED群(LEDチップ67b)及び第3LED群(LEDチップ67c)は、外部接続端子68及び69bを共用するようにしているので、前述した第4実施例に比べ、外部接続端子の数が少なくなる。従って、配線基板66におけるスルーホールの数の低減と併せ、第4実施例に比べて製造コストを低減することができる。
(発光光源の構造)
第4実施例の蛍光部と同様に構成された蛍光部を、LEDチップ67a、67b及び67cが配線基板46に実装されたLED部に、第1〜第4実施例と同様にして近接配置して固定することにより、本実施例の発光装置61の発光光源が構成される。このとき、LEDチップ67a、67b及び67cは、上述したように、第4実施例のLEDチップ47a、47b及び47cにそれぞれ対応しているので、第4実施例の場合と同様に、各第1蛍光領域51aの中央部分に第1LED群のLEDチップ67aが1個ずつ配置され、各第2蛍光領域51bの中央部分には第2LED群のLEDチップ67bが1個ずつ配置され、各第3蛍光領域51cの中央部分には第3LED群のLEDチップ67cが1個ずつ配置される。
従って、LEDチップ67aが近紫外光を発すると、第1蛍光領域51aにおいて分散保持されている青色蛍光体により、近紫外光が青色光に波長変換され、第1蛍光領域51aから青色光が放射される。また、LEDチップ67bが近紫外光を発すると、第2蛍光領域51bにおいて分散保持されている緑色蛍光体により、近紫外光が緑色光に波長変換され、第2蛍光領域51bから緑色光が放射される。更に、LEDチップ67cが近紫外光を発すると、第3蛍光領域51cにおいて分散保持されている青色蛍光体により、近紫外光が赤色光に波長変換され、第3蛍光領域51cから赤色光が放射される。
本実施例においても、蛍光部とLED部との位置関係は第1実施例と同様であり、第1実施例と同様の理由により、図4に示すように、透光基板50と各LEDチップ67a、67b及び67cとの間に距離L1の空隙を設けている。なお、本実施例においても、空隙をなくして透光基板50をLEDチップ67a、67b及び67cに密着させるようにしてもよい。
(発光装置の電気回路構成)
上述したように、本実施例ではLED部における各LEDチップの回路構成が第4実施例と相違しているため、配線基板66に接続して使用する駆動ユニット(駆動手段)75の回路構成も第4実施例で用いた駆動ユニット35とは相違している。駆動ユニット75の回路構成は図26に示すとおりであり、前述した図5に示す第1実施例の駆動ユニット15と同様のフルブリッジタイプの駆動回路を部分的に変形したものとなっている。
即ち、本実施例の駆動ユニット75は、第1実施例の駆動ユニット15と同様に4つのトランジスタQ11、Q12、Q13及びQ14で構成されるフルブリッジタイプの駆動回路に、更なるトランジスタQ15の回路を付加したものとなっている。そして、フルブリッジタイプの駆動回路における一方の出力であるトランジスタQ11のエミッタとトランジスタQ13のコレクタとの接続部が、電流調整用の抵抗Rsを介して共通の外部接続端子68に接続され、フルブリッジタイプの駆動回路におけるもう一方の出力であるトランジスタQ12のエミッタとトランジスタQ14のコレクタとの接続部が外部接続端子69bに接続されている。また、トランジスタQ15のコレクタは外部接続端子69aに接続され、トランジスタQ15のエミッタは駆動電源76の負極に接続されている。なお、第1実施例の場合と同様に、抵抗Rsは各LEDチップに流れる駆動電流を適正な大きさ(例えばLEDチップ1個あたり60mA)に調整するために設けられている。
5つのトランジスタQ11〜Q15は、いずれもそれぞれのベース信号に応じてオン状態とオフ状態とに切り換え可能であって、それぞれのベースは、このような切り換えを制御するための制御部77に接続されている。本実施例の制御部77は、第1実施例の場合と同様に、トランジスタQ12及びQ13を共にオフ状態としている間にトランジスタQ11及びQ14をオン状態とする一方、トランジスタQ11及びQ14を共にオフ状態としている間にトランジスタQ12及びQ13をオン状態とするだけではなく、トランジスタQ12〜Q14をいずれもオフ状態としている間にトランジスタQ11及びQ15をオン状態とするようにそれぞれのトランジスタQ11〜Q15に対してベース信号を出力する。なお、制御部77は、トランジスタQ11及びQ14を共にオン状態とする場合、及びトランジスタQ12及びQ13を共にオン状態とする場合には、トランジスタQ15をオフ状態とするようにトランジスタQ15にベース信号を出力する。
そして、トランジスタQ11及びQ14が共にオン状態になったときには、駆動電源76の正極が、トランジスタQ11及び抵抗Rsを介して外部接続端子68に接続されると共に、駆動電源76の負極が、トランジスタQ14を介して外部接続端子69bに接続される。従って、この場合にはLEDチップ67cにのみ順方向電流が流れ、LEDチップ67cのみが近紫外光を発する。前述したように、この近紫外光は、LEDチップ67cに対応する位置に配置された第3蛍光領域51cに分散保持されている赤色蛍光体によって波長変換され、赤色光が第3蛍光領域51cから放射される。
また、トランジスタQ12及びQ13が共にオン状態になったときには、駆動電源76の正極が、トランジスタQ12を介して外部接続端子69bに接続されると共に、駆動電源76の負極が、トランジスタQ13及び抵抗Rsを介して外部接続端子68に接続される。従って、この場合にはLEDチップ67bにのみ順方向電流が流れ、LEDチップ67bのみが近紫外光を発する。前述したように、この近紫外光は、LEDチップ67bに対応する位置に配置された第2蛍光領域51bに分散保持されている緑色蛍光体によって波長変換され、緑色光が第2蛍光領域51bから放射される。
また、トランジスタQ11及びQ15が共にオン状態になったときには、駆動電源76の正極が、トランジスタQ11及び抵抗Rsを介して外部接続端子68に接続されると共に、駆動電源76の負極が、トランジスタQ15を介して外部接続端子69aに接続される。従って、この場合にはLEDチップ67aにのみ順方向電流が流れ、LEDチップ67aのみが近紫外光を発する。前述したように、この近紫外光は、LEDチップ67aに対応する位置に配置された第1蛍光領域51aに分散保持されている青色蛍光体によって波長変換され、青色光が第1蛍光領域51aから放射される。
このように、本実施例においても、LEDチップ67a、LEDチップ67b及びLEDチップ67cの駆動電流を、それぞれ独立して制御することが可能である。そして、トランジスタQ11〜Q15の個々のオン状態及びオフ状態を上述のように様々に組み合わせて切り換え、トランジスタQ11〜Q15のオン期間を制御することにより、青色光、緑色光及び赤色光の強度を独立して調整することができる。そして、これら青色光、緑色光及び赤色光の合成光が蛍光部材51から放射されるので、青色光、緑色光及び赤色光の強度や比率を変化させることにより、合成光の色温度、色度、輝度、或いは彩度などの特性を様々に変化させることができる。
図27は、上述したようなトランジスタQ11〜Q15の作動状態、及びLEDチップ67a、67b及び67cの駆動電流の一例を示すタイムチャートである。図27に示すように、トランジスタQ11及びQ14が共にオン状態となるとLEDチップ67cに駆動電流Icが流れ、LEDチップ67cが近紫外光を発する。また、トランジスタQ12及びQ13が共にオン状態となるとLEDチップ67bに駆動電流Ibが流れ、LEDチップ67bが近紫外光を発する。そして、トランジスタQ11及びQ15が共にオン状態となるとLEDチップ67aに駆動電流Iaが流れ、LEDチップ67aが近紫外光を発する。
このような各トランジスタQ11〜Q15のオン状態の切り換えは周期t10(例えば20ms)で行われる。従って、1回の周期t10において、駆動電流Ia、Ib及びIcが異なるタイミングで1回ずつ流れることになる。そして、図27に示す例では、1回の周期t10において駆動電流Icが流れる期間t11、駆動電流Ibが流れる期間t12、及び駆動電流Iaが流れる期間t13は、t11>t12>t13の関係になっている(例えば、t11=8ms、t12=7ms、t13=5ms)。
LEDチップ67a、67b及び67cのそれぞれに駆動電流を流す期間は、各トランジスタQ11〜Q15のオン期間を変更することにより変えることができるので、蛍光部材51から放射される青色光、緑色光及び赤色光の強度や比率を変化させることにより、合成光の色温度、色度、輝度、或いは彩度などの特性を様々に変化させることができる。そこで、本実施例においても、駆動ユニット75には所望の特性を有した合成光が得られるように外部から指示を与える操作部(指示部)78が設けられており、第3実施例や第4実施例の場合と同様にして、所望の特性を有した合成光が得られるように外部から指示を与えることができるようになっている。操作部78の詳細については、第3実施例において説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。
以上のように、本実施例の発光装置61は、第1〜第3LED群に区分される複数のLEDチップ67a、67b及び67cを配線基板66上に実装したLED部と、LEDチップ67a、67b及び67cのそれぞれに対応して第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cに分割された蛍光部材51を備える蛍光部とにより発光光源を構成するようにしたので、前述の第1〜第4実施例と同様に、従来の発光光源を用いる発光装置に比べ、部品点数を減少させて製造コストを低減することが可能となる。
また、配線基板66のLEDチップ実装面に対向する位置に配置した蛍光部材51により、LEDチップ67a、67b及び67cが発する近紫外光を波長変換して放射するようにしたので、良好な発光効率を維持することが可能となる。そして、駆動ユニット75により第1〜第3LED群のそれぞれに独立して駆動電流を供給するので、各駆動電流を独立して調整することにより、発光装置61の良好な調光を実現することが可能となる。
更に、本実施例でも、1個のLEDチップに対して1個の蛍光領域を配置するようにしたので、複数の蛍光領域を高密度に配置することができ、それぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光を良好に合成することができる。
<第6実施例>
図24に示すような蛍光部材51を用いる場合に、これに対応してLED部に設けるLEDチップの回路の別例を、第6実施例として以下に説明する。本実施例では、LED部の配線基板86に形成するLEDチップの回路構成のみが相違しており、その他の構成は上述した第5実施例と全く同様である。そこで、以下ではLED部について詳細に説明するものとし、その他の部分についての詳細な説明は省略する。なお、本実施例における蛍光部の構成は、上述のように第4実施例と全く同一であるので、蛍光部については図24を用いて説明する。また、本実施例で用いる駆動ユニットは、図26に示す第5実施例で用いる駆動ユニット75と全く同一であり、駆動ユニットについては図26を用いて説明する。
(LED部)
本実施例においても、上述した第4及び第5実施例と同様に、図24に示す第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cに対応し、LEDチップ87a、LEDチップ87b及びLEDチップ87cを3個ずつ用いる。これらLEDチップ87a、87b及び87cは、第4実施例におけるLEDチップ47a、47b及び47cと全く同じものである。即ち、LEDチップ87aがLEDチップ47aに、LEDチップ87bがLEDチップ47bに、そしてLEDチップ87cがLEDチップ47cにそれぞれ対応している。そして、第4及び第5実施例の場合と同様に、LEDチップ87aが第1LED群を、LEDチップ87bが第2LED群を、またLEDチップ87cが第3LED群を、それぞれ構成する。
図28は、本実施例におけるLED部の回路構成を、LEDチップ87a、87b及び87cの実装上の実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図であり、配線基板86の配線パターンに対応して示された回路により、配線基板86が模式的に示されている。即ち配線基板86には、図28に示すようなLEDチップ87a、87b及び87cの回路を構成する配線パターンが形成されている。従って、本実施例の場合には、配線85aの部分を除き、交差する配線パターンが存在せず、配線基板86の一方の面のみでを必要な配線パターンを形成することができる。
配線85aについては、後述する外部接続端子89bを、これまでに述べた各実施例における外部接続端子と同様に配線基板86の縁部に設けた場合には、ジャンパ線などを用いて形成する必要がある。しかし、配線基板の縁部より内側に外部接続端子89bを移動することにより、配線85aについても他の配線パターンと同じ面に形成した配線パターンで実現することが可能となる。
このように、外部接続端子89bを移動した場合の一例を図29に示す。図29は、外部接続端子89bの周辺を示す部分拡大図である。図29に示すように、外部接続端子89bはピン状に形成された金属製の端子であり、配線基板86の基板本体84に形成された嵌合孔(図示省略)に嵌挿されている。図28に示すように外部接続端子89bは配線パターン85bに接続されており、図29に示す配線基板86の配線パターン85bに対し、外部接続端子89bがハンダ付け、かしめ、溶着、溶接、或いは圧着などにより接続され固定されている。なお、外部接続端子89bの配線基板86への装着は、これに限定されるものではなく、配線基板86の縁部より内側において、外部接続端子89bが配線パターン85bに電気的に接続されれば、どのような方法を用いてもよい。
図28に示す配線85a、即ち図29に示す配線パターン85aは、このように配置された外部接続端子89bを迂回するように形成される。これにより、ジャンパ線を不要とすると共に、配線基板86の一方の面だけで全ての配線パターンを形成することが可能となる。なお、他の2つの外部接続端子88及び89aについても、外部接続端子89bと同様に配線基板86の縁部より内側に設けるようにしてもよい。
本実施例においても、第4及び第5実施例の場合と同じく、図24に示す第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cにそれぞれ対応してLEDチップ87a、87b及び87cが配置されている。同じ蛍光群の蛍光領域同士が隣り合うことのないように各蛍光領域が配置されているので、LEDチップ87a、87b及び87cについても、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように分散して配置される。
本実施例では、図28に示すように、2個のLEDチップ87aの実装上の向きが第5実施例におけるLEDチップ67aの向きと相違するものの、各LEDチップ87a、87b及び87cの電気的な接続状態は、第5実施例における各LEDチップ67a、67b及び67cの場合と全く同じである。即ち、第1LED群に属する3個のLEDチップ87aは、極性を同じくして直列に接続されている。一方、第2LED群に属する3個のLEDチップ87bと、第3LED群に属する3個のLEDチップ87cとは、図28に示すように、1個ずつのLEDチップ87bとLEDチップ87cとが対をなし、互いに極性を逆にした状態で並列に接続されると共に、各対が直列に接続される。この結果、第2LED群に属する3個のLEDチップ87bが極性を同じくして直列に接続されると共に、第3LED群に属する3個のLEDチップ87cが極性を同じくして直列に接続されていることになる。なお、LEDチップ87a、87b及び87cの配線基板86への実装は第1実施例の場合と同様にして行われ、各LEDチップ87a、87b及び87cの発光面は配線基板86のLEDチップ実装面が向く方向と同じ方向に向いている。
図28に示すように、第1LED群(LEDチップ87a)の最もアノード側端部、第2LED群(LEDチップ87b)の最もカソード側端部、及び第3LED群(LEDチップ87c)の最もアノード側端部は、それぞれ共通の外部接続端子88に接続されている。一方、第1LED群(LEDチップ87a)の最もカソード側端部は外部接続端子89aに接続され、第2LED群(LEDチップ87b)の最もアノード側端部、及び第3LED群(LEDチップ87c)の最もカソード側端部は、いずれも外部接続端子89bに接続されている。
このように、本実施例においても第2LED群(LEDチップ87b)及び第3LED群(LEDチップ87c)は、外部接続端子88及び89bをそれぞれ共用するようにしているので、前述した第4実施例に比べて外部接続端子の数が少なくなる。また、上述したように、外部接続端子89bを配線基板86の縁部より内側に移動することにより、交差する配線パターンがなくなり、配線基板86の一方のみの面で配線パターンを形成することができる。従って、第4及び第5実施例に比べて製造コストを低減することが可能となる。
(発光光源の構造)
前述したように、本実施例はLED部における回路構成のみが第5実施例と相違しているので、蛍光部とLED部とを第1〜第5実施例と同様にして近接配置して固定することにより、本実施例の発光装置の発光光源が構成される。このとき、LEDチップ87a、87b及び87cは、第4実施例のLEDチップ47a、47b及び47cにそれぞれ対応しているので、第4実施例の場合と同様に、各第1蛍光領域51aの中央部分に第1LED群のLEDチップ87aが1個ずつ配置され、各第2蛍光領域51bの中央部分には第2LED群のLEDチップ87bが1個ずつ配置され、各第3蛍光領域51cの中央部分には第3LED群のLEDチップ87cが1個ずつ配置される。
従って、第4及び第5実施例と同様にして、LEDチップ87a、87b及び87cから発せられる近紫外光が、第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cによって波長変換され、それぞれの蛍光領域から発せられる青色光、緑色光及び赤色光を合成した光が蛍光部材51から放射される。
なお、本実施例においても、蛍光部とLED部との位置関係は第1実施例と同様であって、第1実施例と同様の理由により、図4に示すように、透光基板50と各LEDチップ87a、87b及び87cとの間に距離L1の空隙を設けている。なお、本実施例においても、空隙をなくして透光基板50をLEDチップ87a、87b及び87cに密着させるようにしてもよい。
(発光装置の電気回路構成)
上述したように、本実施例ではLED部における各LEDチップの回路構成が第5実施例と相違しているだけなので、第5実施例で用いた駆動ユニット75を配線基板86に接続して使用する。本実施例における駆動ユニット75の動作内容も第5実施例の場合と同一であり、同様にLEDチップ87a、87b及び87cの各駆動電流を独立して制御するので、ここでは詳細な説明を省略する。
このように、本実施例においても、LEDチップ87a、87b及び87cの駆動電流を、それぞれ独立して制御することが可能であり、第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cから放射される青色光、緑色光及び赤色光の強度を独立して調整することができる。そして、これら青色光、緑色光及び赤色光の強度や比率を変化させることにより、合成光の色温度、色度、輝度、或いは彩度などの特性を様々に変化させることができる。
以上のように、本実施例の発光装置も、第1〜第3LED群に区分される複数のLEDチップ87a、87b及び87cを配線基板86上に実装したLED部と、LEDチップ87a、87b及び87cのそれぞれに対応して第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cに分割された蛍光部材51を備える蛍光部とにより発光光源を構成するようにしたので、前述の第1〜第5実施例と同様に、従来の発光光源を用いる発光装置に比べ、部品点数を減少させて製造コストを低減することが可能となる。
また、配線基板66のLEDチップ実装面に対向する位置に配置した蛍光部材51により、LEDチップ67a、67b及び67cが発する近紫外光を波長変換して放射するようにしたので、良好な発光効率を維持することが可能となる。そして、駆動ユニット75により第1〜第3LED群のそれぞれに独立して駆動電流を供給するので、各駆動電流を独立して調整することにより、発光装置61の良好な調光を実現することが可能となる。
更に、本実施例でも、1個のLEDチップに対して1個の蛍光領域を配置するようにしたので、複数の蛍光領域を高密度に配置することができ、それぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光を良好に合成することができる。
本実施例の説明は以上の通りであるが、前述したように、本発明の要旨を変更しない範囲において、第5実施例の場合と同様に本実施例を種々変更することが可能である。
<第7実施例>
図24に示すような蛍光部材51を用いる場合に、これに対応してLED部に設けるLEDチップの回路のもう1つの例を、第7実施例として以下に説明する。本実施例では、LED部の配線基板106に形成されるLEDチップの回路構成が相違すると共に、これに対応して駆動ユニット(駆動手段)115の回路構成が相違しているが、その他の構成は上述した第4〜第6実施例と全く同様である。そこで、以下ではLED部及び電気回路構成について詳細に説明するものとし、その他の部分についての詳細な説明は省略する。なお、本実施例における蛍光部の構成は、上述のように第4実施例と全く同一であるので、蛍光部については図24を用いて説明する。
(LED部)
本実施例においても、上述した第4〜第6実施例と同様に、図24に示す第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cに対応し、LEDチップ107a、LEDチップ107b及びLEDチップ107cを3個ずつ用いる。これらLEDチップ107a、107b及び107cは、第4実施例におけるLEDチップ47a、47b及び47cと全く同じものである。即ち、LEDチップ107aがLEDチップ47aに、LEDチップ107bがLEDチップ47bに、そしてLEDチップ107cがLEDチップ47cにそれぞれ対応している。そして、第4〜第6実施例の場合と同様に、LEDチップ107aが第1LED群、LEDチップ107bが第2LED群、またLEDチップ107cが第3LED群をそれぞれ構成する。
図30は、本実施例における発光装置101の回路構成を、LEDチップ107a、107b及び107cの実装上の実際の配置に対応させて模式的に示す電気回路図であり、配線基板106の配線パターンに対応して示された回路によって、配線基板106が模式的に示されている。即ち、配線基板106には、図30に示すようなLEDチップ107a、107b及び107cの回路を構成する配線パターンが形成されている。従って、本実施例の場合も、配線105aの部分を除き、交差する配線パターンが存在せず、配線基板106の一方の面のみでを必要な配線パターンを形成することができる。
配線105aについては、ジャンパ線で実現することも可能であるが、前述した第6実施例の外部接続端子89bと同様に、後述する外部接続端子109bを配線基板106の縁部より内側に移動することにより、外部接続端子108を迂回する配線パターンによって実現することができる。従って、本実施例においても、配線基板106の一方の面のみでを必要な配線パターンを形成することが可能である。
本実施例においても、第4〜第6実施例の場合と同じく、図24に示す第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cにそれぞれ対応してLEDチップ107a、107b及び107cが配置されている。同じ蛍光群の蛍光領域同士が隣り合うことのないように各蛍光領域が配置されているので、LEDチップ107a、107b及び107cについても、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように分散して配置される。
本実施例では、図30に示すように、第2LED群に属する3個のLEDチップ107bが極性を同じくして直列に接続されている。一方、第1LED群に属する3個のLEDチップ107aと、第3LED群に属する3個のLEDチップ107cとは、図30に示すように、1個ずつのLEDチップ107aとLEDチップ107cとが対をなし、互いに極性を逆にした状態で並列に接続されると共に、各対が直列に接続されている。この結果、第1LED群に属する3個のLEDチップ107aが極性を同じくして直列に接続されると共に、第3LED群に属する3個のLEDチップ107cが極性を同じくして直列に接続されていることになる。なお、各LEDチップ107a、107b及び107cの配線基板106への実装は第1実施例の場合と同様にして行われ、各LEDチップ107a、107b及び107cの発光面は配線基板106のLEDチップ実装面が向く方向と同じ方向に向いている。
図30に示すように、第1LED群(LEDチップ107a)の最もアノード側端部、第2LED群(LEDチップ107b)の最もカソード側端部、及び第3LED群(LEDチップ107c)の最もカソード側端部は、それぞれ共通の外部接続端子108に接続されている。一方、第1LED群(LEDチップ107a)の最もカソード側端部、及び第3LED群(LEDチップ107c)の最もアノード側端部は、いずれも外部接続端子109bに接続され、第2LED群(LEDチップ107b)の最もアノード側端部は外部接続端子109aに接続されている。
このように、本実施例の場合、第1LED群(LEDチップ107a)及び第3LED群(LEDチップ107c)は、外部接続端子108及び109bをそれぞれ共用するようにしているので、前述した第4実施例に比べて外部接続端子の数が少なくなる。また、上述したように、外部接続端子109bを配線基板106の縁部より内側に移動することにより、交差する配線パターンがなくなり、配線基板106の一方のみの面で配線パターンを形成することができる。従って、第4及び第5実施例に比べて製造コストを低減することが可能となる。
(発光光源の構造)
前述したように、本実施例のLED部は配線基板86に形成される回路構成のみが第5実施例と相違しているので、蛍光部とLED部とを第1〜第6実施例と同様にして近接配置して固定することにより、本実施例の発光装置の発光光源が構成される。このとき、LEDチップ107a、107b及び107cは、第4実施例のLEDチップ47a、47b及び47cにそれぞれ対応しているので、第4実施例の場合と同様に、各第1蛍光領域51aの中央部分に第1LED群のLEDチップ107aが1個ずつ配置され、各第2蛍光領域51bの中央部分には第2LED群のLEDチップ107bが1個ずつ配置され、各第3蛍光領域51cの中央部分には第3LED群のLEDチップ107cが1個ずつ配置される。
従って、第4〜第6実施例と同様にして、LEDチップ107a、107b及び107cから発せられる近紫外光が、第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cによって波長変換され、それぞれの蛍光領域から発せられる青色光、緑色光及び赤色光を合成した光が蛍光部材51から放射される。
なお、本実施例においても、蛍光部とLED部との位置関係は第1実施例と同様であって、第1実施例と同様の理由により、図4に示すように、透光基板50と各LEDチップ107a、107b及び107cとの間に距離L1の空隙を設けている。なお、本実施例においても、空隙をなくして透光基板50をLEDチップ107a、107b及び107cに密着させるようにしてもよい。
(発光装置の電気回路構成)
上述したように、本実施例ではLED部における各LEDチップの回路構成が第5及び第6実施例と相違しているため、配線基板106に接続して使用する駆動ユニット115の回路構成も第5及び第6実施例で用いた駆動ユニット75とは相違している。駆動ユニット115の回路構成は図30に示すとおりであり、前述した図5に示す第1実施例の駆動ユニット15と同様のフルブリッジタイプの駆動回路を部分的に変形したものとなっている。
即ち、本実施例の駆動ユニット115は、第1実施例の駆動ユニット15と同様に4つのトランジスタQ21、Q22、Q23及びQ24で構成されるフルブリッジタイプの駆動回路に、更なるトランジスタQ25の回路を付加したものとなっている。そして、フルブリッジタイプの駆動回路における一方の出力であるトランジスタQ21のエミッタとトランジスタQ23のコレクタとの接続部が外部接続端子109bに接続され、フルブリッジタイプの駆動回路におけるもう一方の出力であるトランジスタQ22のエミッタとトランジスタQ24のコレクタとの接続部が、電流調整用の抵抗Rsを介して共通の外部接続端子108に接続されている。また、トランジスタQ25のエミッタは外部接続端子109aに接続され、トランジスタQ25のコレクタは駆動電源116の負極に接続されている。なお、第1及び第5実施例の場合と同様に、抵抗Rsは各LEDチップに流れる駆動電流を適正な大きさ(例えばLEDチップ1個あたり60mA)に調整するために設けられている。
5つのトランジスタQ21〜Q25は、いずれもそれぞれのベース信号に応じてオン状態とオフ状態とに切り換え可能であって、それぞれのベースは、このような切り換えを制御するための制御部117に接続されている。本実施例の制御部117は、第1実施例の場合と同様に、トランジスタQ22及びQ23を共にオフ状態としている間にトランジスタQ21及びQ24をオン状態とする一方、トランジスタQ21及びQ24を共にオフ状態としている間にトランジスタQ22及びQ23をオン状態とするだけではなく、トランジスタQ21〜Q23をいずれもオフ状態としている間にトランジスタQ24及びQ25をオン状態とするようにそれぞれのベース信号を出力する。なお、制御部117は、トランジスタQ21及びQ24を共にオン状態とする場合、及びトランジスタQ22及びQ23を共にオン状態とする場合に、いずれもトランジスタQ25がオフ状態となるようにトランジスタQ25にベース信号を出力する。
そして、トランジスタQ21及びQ24が共にオン状態になったときには、駆動電源116の正極がトランジスタQ21を介して外部接続端子109bに接続されると共に、駆動電源116の負極がトランジスタQ24及び抵抗Rsを介して外部接続端子108に接続される。従って、この場合にはLEDチップ107cにのみ順方向電流が流れ、LEDチップ107cのみが近紫外光を発する。この近紫外光は、LEDチップ107cに対応する位置に配置された第3蛍光領域51cに分散保持されている赤色蛍光体によって波長変換され、赤色光が第3蛍光領域51cから放射される。
また、トランジスタQ22及びQ23が共にオン状態になったときには、駆動電源116の正極がトランジスタQ22及び抵抗Rsを介して外部接続端子108に接続されると共に、駆動電源116の負極がトランジスタQ23を介して外部接続端子109bに接続される。従って、この場合にはLEDチップ107aにのみ順方向電流が流れ、LEDチップ107aのみが近紫外光を発する。前述したように、この近紫外光は、LEDチップ107aに対応する位置に配置された第1蛍光領域51aに分散保持されている青色蛍光体によって波長変換され、青色光が第1蛍光領域51aから放射される。
また、トランジスタQ24及びQ25が共にオン状態になったときには、駆動電源116の正極がトランジスタQ25を介して外部接続端子109aに接続されると共に、駆動電源116の負極がトランジスタQ24及び抵抗Rsを介して外部接続端子108に接続される。従って、この場合にはLEDチップ107bにのみ順方向電流が流れ、LEDチップ107bのみが近紫外光を発する。前述したように、この近紫外光は、LEDチップ107bに対応する位置に配置された第2蛍光領域51bに分散保持されている緑色蛍光体によって波長変換され、緑色光が第2蛍光領域51bから放射される。
このように、本実施例においても、LEDチップ107a、107b及び107cの駆動電流を、それぞれ独立して制御することが可能である。そして、トランジスタQ21〜Q25の個々のオン状態及びオフ状態を上述のように様々に組み合わせて切り換え、トランジスタQ21〜Q25のオン期間を制御することにより、青色光、緑色光及び赤色光の強度を独立して調整することができる。そして、これら青色光、緑色光及び赤色光の合成光が蛍光部材51から放射されるので、青色光、緑色光及び赤色光の強度や比率を変化させることにより、合成光の色温度、色度、輝度、或いは彩度などの特性を様々に変化させることができる。
図31は、上述したようなトランジスタQ21〜Q25の作動状態、及びLEDチップ107a、107b及び107cの駆動電流の一例を示すタイムチャートである。図31に示すように、トランジスタQ21及びQ24が共にオン状態となるとLEDチップ107cに駆動電流Icが流れ、LEDチップ107cが近紫外光を発する。また、トランジスタQ22及びQ23が共にオン状態となるとLEDチップ107aに駆動電流Iaが流れ、LEDチップ107aが近紫外光を発する。そして、トランジスタQ24及びQ25が共にオン状態となるとLEDチップ107bに駆動電流Ibが流れ、LEDチップ107bが近紫外光を発する。
このような各トランジスタQ21〜Q25のオン状態の切り換えは周期t20(例えば20ms)で行われる。従って、1回の周期t20において、駆動電流Ia、Ib及びIcがそれぞれ異なるタイミングで1回ずつ流れることになる。そして、図31に示す例では、1回の周期t20において駆動電流Icが流れる期間t21、駆動電流Iaが流れる期間t22、及び駆動電流Ibが流れる期間t23は、t21>t22>t23の関係になっている(例えば、t21=8ms、t22=7ms、t23=5ms)。
LEDチップ107a、107b及び107cのそれぞれに駆動電流を流す期間は、各トランジスタQ21〜Q25のオン期間を変更することにより変えることができるので、蛍光部材51から放射される青色光、緑色光及び赤色光の強度や比率を変化させることにより、合成光の色温度、色度、輝度、或いは彩度などの特性を様々に変化させることができる。そこで、本実施例においても、駆動ユニット115には所望の特性を有した合成光が得られるように外部から指示を与える操作部(指示部)118が設けられており、第3実施例や第4実施例の場合と同様にして、所望の特性を有した合成光が得られるように外部から指示を与えることができる。操作部118の詳細については、第3実施例において説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。
以上のように、本実施例の発光装置101は、第1〜第3LED群に区分される複数のLEDチップ107a、107b及び107cを配線基板106に実装したLED部と、LEDチップ107a、107b及び107cのそれぞれに対応して第1蛍光領域51a、第2蛍光領域51b及び第3蛍光領域51cに分割された蛍光部材51を備える蛍光部とにより発光光源を構成するようにしたので、前述の第1〜第6実施例と同様に、従来の発光光源を用いる発光装置に比べ、部品点数を減少させて製造コストを低減することが可能となる。
また、配線基板66のLEDチップ実装面に対向する位置に配置した蛍光部材51により、LEDチップ107a、107b及び107cが発する近紫外光を波長変換して放射するようにしたので、良好な発光効率を維持することが可能となる。そして、駆動ユニット115により第1〜第3LED群のそれぞれに独立して駆動電流を供給するので、各駆動電流を独立して調整することにより、発光装置101の良好な調光を実現することが可能となる。
更に、本実施例でも、1個のLEDチップに対して1個の蛍光領域を配置するようにしたので、複数の蛍光領域を高密度に配置することができ、それぞれの波長変換群の波長変換領域から放射される光を良好に合成することができる。
本実施例の説明は以上の通りであるが、前述したように、本発明の要旨を変更しない範囲において、第5及び第6実施例の場合と同様に本実施例を種々変更することが可能である。
以上で本発明の実施例に係る発光装置についての説明を終えるが、これまでにも述べたように、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、第1〜第7実施例においては、平坦な配線基板の表面に各LEDチップを実装するようにしたが、配線基板のLEDチップ実装面に凹所を形成し、この凹所内にLEDチップを実装するようにしてもよい。
図32は、その一例として第1実施例における発光装置1の変形例を、図3と同様の断面図により示すものである。本変形例において配線基板6”には、第1実施例における配線パターン5a〜5eの延設方向に沿って4本の凹溝6a”が上記凹所として形成されている。図32に示すように、各LEDチップ7a及び7bは、これらの凹溝6a”内に実装されており、第1実施例と同様に蛍光部材11が設けられた透光基板10が、直接的に配線基板6”に接合されることにより、各凹溝6a”の開口部分を塞いでいる。各凹溝6a”の深さは、内部に収容されたLEDチップ7a及び7bの高さより深くなっており、前述した第1実施例における透光基板10とLEDチップ7a及び7bとの間の空隙と同じ距離の空隙が透光基板10とLEDチップ7a及び7bとの間に形成されるように調整されている。
このような凹溝6a”を設けることにより、第1実施例のようなスペーサ12を用いずに、透光基板10とLEDチップ7a及び7bとの間に必要な空隙を設けることが可能となる。また、ワイヤボンディングを用いてLEDチップ7a及び7bと配線基板6”の配線パターンとの接続を行う場合に、この凹溝6a”内にワイヤボンディングを収容することができる。更に、凹溝6a”内に各LEDチップ7a及び7bを収容することにより、LEDチップ7a及び7bから発せられた光の拡散が、凹溝6a”の側壁部分によって妨げられるので、LEDチップ7a及び7bからの光を、それぞれのLEDチップ7a及び7bに対応する蛍光領域に効率よく集中させることが可能となる。
このような蛍光領域に対するLEDチップ7a及び7bからの光の集中を、より効率的に行うため、凹溝6a”の側壁部分の形状を単なる垂直な壁面とせず、様々に調整してもよい。図33及び図34は、このような変形例を示すものであり、図33の例においては凹溝6a”の側壁部分を平坦な斜面とし、図34の例においては凹溝6a”の側壁部分を曲面状の斜面としている。
また、LEDチップ7a及び7bを収容する凹所を上述したような凹溝とせず、個々のLEDチップにそれぞれ個別に凹所を設けるようにしてもよいし、いくつかのLEDチップのグループ毎に凹所を設けるようにしてもよい。更に、上記変形例では、LEDチップ7a及び7bの高さより深い凹溝6a”を設けるようにしたが、凹溝6a”などの凹所からLEDチップ7a及び7bが部分的に突出するようにしてもよい。
このほかにも、上述した各実施例に対して様々な変形が可能である。例えば、各実施例において、LEDチップは個々の蛍光領域に対して1個ずつ設けるようにしたが、個々の蛍光領域に対し、同一のLED群の複数のLEDチップを設けるようにしてもよい。この場合、蛍光領域によって設けられるLEDチップの数を異なるようにすることもできる。
図9に示す第1実施例の変形例のように、個々の蛍光領域において蛍光体を混在させずに蛍光体毎に分けて設けるようにした場合、1個のLEDチップに1個の蛍光領域を対応させると、個々の蛍光領域の面積が比較的小さくなり、1個の蛍光領域を更に蛍光体毎に分割するのが難しくなる場合がある。そこで、このような場合には、上述のように個々の蛍光領域に複数のLEDチップを設けるようにすれば、各蛍光領域の面積を比較的大きくすることができるので、蛍光体を別個に設けるのが容易になり、特に有効である。
上述した第1〜第7実施例のうち、第2実施例では近紫外光を発するLEDチップを使用し、それ以外の実施例では青色光を発するLEDチップを使用したが、LEDチップが発する光の波長領域は、これに限定されるものではない。第1実施例において述べたように、近紫外光を発するLEDチップとしては、360nm〜420nmの波長範囲内に発光ピーク波長があるものが好ましい。また、可視光を発するLEDチップとしては、420nm〜750nmの波長範囲内に発光ピーク波長があるものが好ましく、特に420nm〜500nmの範囲内に発光ピーク波長があるものが好ましい。
各実施例で採用した配線基板におけるLEDチップの回路は、本発明を適用可能ないくつかの例を示すものであって、これらの回路に限定されるものではない。例えば、いずれの実施例においても、同じLED群のLEDチップを直列に接続するようにしているが、全てを同方向で並列に接続してもよいし、直列接続と並列接続とを混在させてもよい。また、いずれの実施例においても少なくとも1つの外部接続端子を共通として外部接続端子の数を減らすようにしたが、LED群毎に全く独立した回路とし、それぞれの回路に対して別個に外部接続端子を1対ずつ設けるようにしてもよい。この場合、配線基板の一方の面のみで必要な配線パターンを形成することが可能となる。また、併せて使用する駆動ユニットに対応した回路構成となるように、配線基板の外部で外部接続端子同士の接続を行うこともできる。
また、各実施例では、蛍光領域の正方形などの四角形状に形成したが、蛍光領域の形状は、これに限定されるものではなく、様々な形状とすることができる。即ち、一例として個々の蛍光領域を円形に形成した場合、例えば第4実施例のような第1蛍光領域11a、第2蛍光領域11b及び第3蛍光領域11cの3種類の蛍光領域を図35に示すように配列することにより、それぞれの蛍光領域からの光に対する合成距離を短くすることが可能となり、良好な合成光を得ることができる。同様に、例えば各蛍光領域を6角形状に形成した場合も、ハニカム状に配列できるので、良好な合成光を得ることができる。
また、第3〜第7実施例のように、赤色蛍光体を用いた蛍光領域、緑色蛍光体を用いた蛍光領域、及び青色蛍光体を用いた蛍光領域の3種類の蛍光領域を用いる場合でも、発光装置の発光スペクトルにおける連続性が低下して演色性が低下する可能性がある場合は、例えばLEDチップが発する近紫外光を波長変換して黄色光(例えば、ピーク波長580nm)を放射する黄色蛍光体などの付加的な蛍光体を併用するようにしてもよい。この場合、この黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上で、通常は620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあるものが好適である。中でも、黄色蛍光体として例えば、YAl12:Ce、(Y,Gd)Al12:Ce、(Sr,Ca,Ba,Mg)SiO:Eu、(Ca,Sr)Si:Eu、α−サイアロン、LaSi11:Ceが好ましい。
更に、各実施例で蛍光部材に用いた蛍光体の種類、数及び組み合わせは、いずれも適用例を示すものであり、各実施例で適用した形態に限定されるものではない。上述したような使用するLEDチップの発光波長特性や、発光装置に求められる放射光の特性や使用環境などに応じ、本発明の要旨を変更しない範囲において、適切な種類、数及び組み合わせを選択して適用することが可能である。
また、各実施例において、蛍光部材が設けられた透光基板とLEDチップとの間に空隙を設けるようにしたが、このような空隙による影響を排除したい場合には、透光基板をLEDチップの発光面に当接させるようにしてもよい。この場合、透光基板の厚さを変更することにより、LEDチップが発する光が、対応する蛍光領域に隣接した蛍光領域に漏れないように、蛍光部材とLEDチップとの間隔を最適に調整すればよい。
更にまた、各実施例では、透光基板の配線基板とは反対側に向く面に蛍光部材を設けたが、透光基板の配線基板側の面に蛍光部材を設けるようにしてもよい。この場合にも、蛍光部材とLEDチップとの間に適切な空隙を設けることが可能であるが、蛍光部材をLEDチップに密着またはその直前まで近接させることも可能となる。
各実施例で用いた駆動ユニットの駆動回路についても、これらに限定されるものではなく、様々な形式の回路を適用することが可能である。即ち、各実施例において構成されるLED部におけるLEDチップの回路に対応し、それぞれの実施例と同様にして駆動電流の供給が行えるものであればよい。
また、各実施例において駆動ユニットで用いる指示部は、いずれも発光装置から所望の特性を有した放射光が得られるように、使用者が外部から操作するものであったが、このような外部からの操作に代えて、発光装置から所定の特性を有した放射光が得られるように、自動的に制御部に指示を与えるものであってもよい。即ち、例えば指示部が発光装置からの放射光をセンサなどで検知すると共に、センサの検知結果に応じた指示を制御部に送り、この指示に基づき、制御部が各LEDチップの駆動電流を調整することにより、発光装置から所定の特性を有した放射光が得られるよう制御を行うようにしてもよい。
1,21,61,101 発光装置
6,26,46,66,86,106 配線基板
7a,7b LEDチップ
10,10’,30,50 透光基板(板状部材)
11,31,51 蛍光部材(波長変換部材)
11a,11a’ ,11a” 第1蛍光領域(第1波長変換領域)
11b,11b’ ,11b” 第2蛍光領域(第2波長変換領域)
15,35,75,115 駆動ユニット(駆動手段)
17,37,77,117 制御部
18,38,38’,78,118 操作部(指示部)
27a,27b,27c LEDチップ
31a,51a 第1蛍光領域(第1波長変換領域)
31b,51b 第2蛍光領域(第2波長変換領域)
31c,51c 第3蛍光領域(第3波長変換領域)
47a,47b,47c LEDチップ
67a,67b,67c LEDチップ
87a,87b,87c LEDチップ
107a,107b,107c LEDチップ

Claims (18)

  1. 配線基板と、
    前記配線基板のLEDチップ実装面に配置されて可視光領域から近紫外領域までの波長領域のうちの所定波長範囲の光を発し、複数のLED群に区分される複数のLEDチップと、
    前記配線基板の前記LEDチップ実装面に対向する位置に設けられ、前記複数のLEDチップに対応して複数の波長変換領域に分割されており、前記複数の波長変換領域が前記LED群に対応して複数の波長変換群に区分されると共に、前記波長変換群毎に異なる波長変換特性を有し、対応するLEDチップが発する光を波長変換して放射する波長変換部材と、
    前記配線基板を介し、前記LED群毎に独立して前記LEDチップに電流を供給する駆動手段と
    を備えることを特徴とする発光装置。
  2. 前記複数のLEDチップは、異なるLED群のLEDチップが混在するように前記配線基板の前記LEDチップ実装面に配置され、
    前記波長変換部材は、同じLED群のLEDチップに対して同じ波長変換群の波長変換領域が対応するように、各波長変換領域が配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記複数のLEDチップは、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように前記配線基板の前記LEDチップ実装面に配置され、
    前記波長変換部材は、前記LED群に対応し同じ波長変換群の波長変換領域同士が隣り合うことのないように、各波長変換領域が配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記複数のLEDチップは、前記LED群毎に列をなして前記配線基板の前記LEDチップ実装面に配置され、
    前記波長変換部材は、前記LEDチップの配置に対応して同じ波長変換群の波長変換領域が列をなすように、各波長変換領域が配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  5. 同じLED群には同じ波長変換群が対応するように、1個のLEDチップに対して1個の波長変換領域が配置されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  6. 同じLED群には同じ波長変換群が対応するように、複数のLEDチップに対して1個の波長変換領域が配置されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  7. 前記波長変換部材が放射する光に対して透過性を有し、前記配線基板のLEDチップ実装面に対向して設けられる板状部材を更に備え、
    前記波長変換部材は、前記板状部材の前記配線基板側に向く面に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  8. 前記LEDチップが発する光に対して透過性を有し、前記配線基板のLEDチップ実装面に対向して設けられる板状部材を更に備え、
    前記波長変換部材は、前記板状部材の前記配線基板側に向く面とは反対側の面に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  9. 前記波長変換部材は、前記LEDチップが発した光が、当該LEDチップに対応して設けられた波長変換領域に隣接する波長変換領域に漏れることなく、当該LEDチップに対応して設けられた波長変換領域に達する距離として予め定められた距離をもって当該LEDチップから離間して設けられることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  10. 前記波長変換部材は、前記LEDチップに密着して設けられることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  11. 前記波長変換部材は、前記LEDチップが発する光を波長変換して放射する蛍光体を有し、
    前記複数の波長変換群のうちの少なくとも1つの波長変換群に区分される前記波長変換領域には、複数種類の蛍光体が混在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  12. 前記波長変換部材は、前記LEDチップが発する光を波長変換して放射する蛍光体を有し、
    前記複数の波長変換群のうちの少なくとも1つの波長変換群に区分される前記波長変換領域には、複数種類の蛍光体が種類毎に区分して設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  13. 前記波長変換部材は、同じ波長変換群に区分されると共に前記複数種類の蛍光体が設けられる前記波長変換領域を複数有し、
    同じ波長変換群に区分されて前記複数種類の蛍光体が設けられる前記波長変換領域の一部における前記複数の蛍光体の配設の形態は、その残部における前記複数の蛍光体の配設の形態と異なる
    ことを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
  14. 前記駆動手段は、
    前記波長変換部材の各波長変換領域から放射される光を合成して所望の特性を有した合成光が得られるように指示を与える指示部と、
    前記指示部からの指示に従い、前記LEDチップに供給する電流を、前記LED群毎に独立して制御する制御部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  15. 前記LED群は、第1LED群と第2LED群との2つの群からなり、
    前記複数の波長変換領域は、第1波長変換群に区分され、前記第1LED群のLEDチップが発する光を波長変換して第1色温度の白色光を放射する第1波長変換領域と、第2波長変換群に区分され、前記第2LED群のLEDチップが発する光を波長変換して、前記第1色温度とは異なる第2色温度の白色光を放射する第2波長変換領域とからなり、
    前記指示部は、前記第1色温度から前記第2色温度までの間の設定色温度に対応する指示を与えるものであって、
    前記制御部は、前記指示部からの指示に従い、前記第1波長変換領域から放射される白色光と、前記第2波長領域から放射される白色光との合成光の色温度が前記設定色温度となるように、前記第1LED群のLEDチップに供給する電流と、前記第2LED群のLEDチップに供給する電流とを調整する
    ことを特徴とする請求項14に記載の発光装置。
  16. 前記LED群は、第1LED群と第2LED群と第3LED群との3つの群からなり、
    前記複数の波長変換領域は、第1波長変換群に区分され、前記第1LED群のLEDチップが発する光を波長変換して赤色光を放射する第1波長変換領域と、第2波長変換群に区分され、前記第2LED群のLEDチップが発する光を波長変換して緑色光を放射する第2波長変換領域と、第3波長変換群に区分され、前記第3LED群のLEDチップが発する光を波長変換して青色光を放射する第3波長変換領域とからなり、
    前記制御部は、前記指示部からの指示に従い、前記所望の特性を有した合成光が得られるよう、前記第1LED群のLEDチップに供給する電流と、前記第2LED群のLEDチップに供給する電流と、前記第3LED群のLEDチップに供給する電流とを調整する
    ことを特徴とする請求項14に記載の発光装置。
  17. 前記複数のLEDチップは、第1LED群と第2LED群とに区分されて、それぞれ青色光を発するものであって、
    前記複数の波長変換領域は、第1波長変換群に区分され、前記第1LED群のLEDチップが発する青色光の全部又は一部を波長変換して得られる赤色光及び/又は黄色光を、前記第1LED群のLEDチップが発して波長変換されなかった場合の青色光と共に放射する第1波長変換領域と、第2波長変換群に区分され、前記第2LED群のLEDチップが発する青色光の一部を波長変換して得られる緑色光を、前記第2LED群のLEDチップが発して波長変換されなかった青色光と共に放射する第2波長変換領域とからなり、
    前記制御部は、前記指示部からの指示に従い、前記所望の特性を有した合成光が得られるよう、前記第1LED群のLEDチップに供給する電流と、前記第2LED群のLEDチップに供給する電流とを調整する
    ことを特徴とする請求項14に記載の発光装置。
  18. 前記第1波長変換領域における前記第1LED群のLEDチップから発せられた青色光の透過率が10%以下であると共に、前記第2波長変換領域における前記第2LED群のLEDチップから発せられた青色光の透過率が15%以上且つ50%以下であることを特徴とする請求項17に記載の発光装置。
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