JP2012017232A - シリコンインゴットの連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳造されたシリコンインゴットの外周に存在する金属不純物により汚染された領域を縮小でき、シリコンインゴットから切り出したウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率を向上させることができるシリコンインゴットの連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】無底の冷却ルツボを用い、電磁誘導により多結晶シリコンを連続的に鋳造するシリコンインゴットの連続鋳造方法であって、鋳造されるシリコンインゴットを冷却して均熱する際に、900℃以下に保持して均熱することを特徴とするシリコンインゴットの連続鋳造方法である。これによりシリコンインゴットが高温に滞在する時間が短くなるので、シリコンインゴット外周表面に導入された金属不純物が分子の拡散運動により外周表面から内部に侵入する範囲を狭くでき、インゴット外周に形成される金属不純物で汚染された領域を縮小できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池用基板の素材であるシリコンインゴットの連続鋳造方法に関し、さらに詳しくは、鋳造されたシリコンインゴットの外周に存在する金属不純物により汚染された領域を縮小でき、シリコンインゴットから切り出したウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率を向上させることができるシリコンインゴットの連続鋳造方法に関する。
近年、CO2排出による地球温暖化問題やエネルギー資源の枯渇問題が深刻化しており、それらの問題の対応策の一つとして、無尽蔵に降りそそぐ太陽光エネルギーを活用する太陽光発電が注目されている。太陽光発電は、太陽電池を使用して太陽光エネルギーを直接電力に変換する発電方式であり、太陽電池の基板には、多結晶のシリコンウェーハを用いるのが主流である。
太陽電池用の多結晶シリコンウェーハは、一方向性凝固のシリコンインゴットを素材とし、このインゴットをスライスして製造される。このため、太陽電池の普及を図るには、シリコンウェーハの品質を確保するとともに、コストを低減する必要があり、その前段階で、高品質のシリコンインゴットを安価に製造することが要求される。この要求に対応できる方法として、電磁誘導を利用した連続鋳造方法であるEMC法(Electromagnetic Casting法、電磁鋳造法)が実用化されている。
図1は、EMC法に用いる代表的な連続鋳造装置(以下、「EMC炉」という。)の構成を示す模式図である。同図に示すように、EMC炉はチャンバー1を備える。チャンバー1は、内部を外気から隔離し鋳造に適した不活性ガス雰囲気に維持する二重壁構造の水冷容器である。チャンバー1の上壁には、開閉可能なシャッター2を介し、図示しない原料供給装置が連結されている。チャンバー1は、上部の側壁に不活性ガス導入口5が設けられ、下部の側壁に排気口6が設けられている。
チャンバー1内には、無底の冷却ルツボ7、高周波コイル8、アフターヒーター9および均熱筒10が配置されている。無底の冷却ルツボ7は、融解容器としてのみならず、鋳型としても機能し、熱伝導性および電気伝導性に優れた金属(例えば、銅)製の角筒体で、チャンバー1内に吊り下げられている。この冷却ルツボ7は、上部を残して周方向で複数の短冊状の素片に分割され、内部を流通する冷却水によって強制冷却される。
高周波コイル8は、冷却ルツボ7を囲繞するように、冷却ルツボ7と同芯に周設され、図示しない電源装置に接続されている。アフターヒーター9は、冷却ルツボ7の下方に冷却ルツボ7と同芯に複数連設され、インゴット3を加熱するヒーターや保温材から構成される。均熱筒10は、アフターヒーター9の下方にアフターヒーター9と同芯に複数連設され、インゴット3を加熱するヒーターや保温材から構成される。
また、チャンバー1内には、原料供給装置に連結されたシャッター2の下方に原料導入管11が取り付けられている。シャッター2の開閉に伴って、粒状や塊状のシリコン原料12が原料供給装置から原料導入管11内に供給され、冷却ルツボ7内に装入される。
チャンバー1の底壁には、均熱筒10の下方に、インゴット3を抜き出すための引出し口4が設けられ、この引出し口4はガスでシールされている。インゴット3は、引出し口4を貫通して下降する支持台15によって支えられながら引き下げられる。
冷却ルツボ7の真上には、プラズマトーチ14が昇降可能に設けられている。プラズマトーチ14は、図示しないプラズマ電源装置の一方の極に接続され、他方の極は、インゴット3側に接続されている。このプラズマトーチ14は、下降させた状態で冷却ルツボ7内に挿入される。
このようなEMC炉を用いたEMC法では、無底の冷却ルツボ7にシリコン原料12を装入し、高周波コイル8に交流電流を印加するとともに、下降させたプラズマトーチ14に通電を行う。このとき、冷却ルツボ7を構成する短冊状の各素片が互いに電気的に分割されていることから、高周波コイル8による電磁誘導に伴って各素片内で渦電流が発生し、冷却ルツボ7の内壁側の渦電流が無底冷却ルツボ7内に磁界を発生させる。これにより、冷却ルツボ7内のシリコン原料12は電磁誘導加熱されて融解し、溶融シリコン13が形成される。また、プラズマトーチ14とシリコン原料12、さらには溶融シリコン13との間にプラズマアークが発生し、そのジュール熱によっても、シリコン原料12が加熱されて融解し、電磁誘導加熱の負担を軽減して効率良く溶融シリコン13が形成される。
溶融シリコン13は、冷却ルツボ7の内壁の渦電流に伴って生じる磁界と、溶融シリコン13の表面に発生する電流との相互作用により、溶融シリコン13の表面の内側法線方向に力(ピンチ力)を受けるため、冷却ルツボ7と非接触の状態に保持される。無底の冷却ルツボ7内でシリコン原料12を融解させながら、溶融シリコン13を支える支持台15を徐々に下降させると、高周波コイル8の下端から遠ざかるにつれて誘導磁界が小さくなることから、発熱量およびピンチ力が減少し、さらに冷却ルツボ7からの冷却により、溶融シリコン13は外周から凝固が進行する。そして、支持台15の下降に伴ってシリコン原料12を連続的に装入し、融解および凝固を継続することにより、溶融シリコン13が一方向に凝固し、インゴット3を連続して鋳造することができる。
凝固したインゴット3は、アフターヒーター9および均熱筒10を用いて長時間かけて室温まで冷却される。冷却する際にインゴット3に欠陥が発生するのを防ぐため、アフターヒーター9が備えるヒーターによりインゴット3を加熱し、引き下げ軸方向に適切な温度勾配を与える。また、冷却により残留応力が生じ、インゴット3にクラックが発生するのを防止するため、冷却する際に均熱筒10が備えるヒーターによりインゴット3を加熱し、所定温度に一定時間保持して均熱する。均熱する際にインゴット3を保持する温度は、1200℃を超える温度では転位が増殖する速度が速く、すなわち欠陥が発生し易いことから、通常、1100℃程度で行われる。
このようなEMC法によれば、溶融シリコン13と無底の冷却ルツボ7との接触が軽減されるため、その接触に伴う冷却ルツボ7からの不純物の汚染が防止され、高品質のインゴット3を得ることができる。しかも、連続鋳造であることから、安価に一方向凝固されたインゴット3を製造することが可能になる。
EMC法によりシリコンインゴットを鋳造する方法に関し、従来から種々の提案がなされており、例えば特許文献1がある。特許文献1では、鋳造されるインゴットを冷却する際に、1420℃から1200℃までの温度域を通過するときの温度勾配を15〜25℃/cmの範囲内に制御するインゴットの連続鋳造方法が提案されている。特許文献1では、1420℃から1200℃までの狭い温度域で温度勾配を制御することにより、鋳造されるインゴットにおいて欠陥の発生を、容易かつ簡単に防ぐことができるとしている。
特許第3005633号公報
従来のEMC法によるシリコンインゴットの連続鋳造方法では、鋳造されたシリコンインゴットから切り出したウェーハについて、金属不純物による汚染を評価するライフタイム評価を実施すると、金属不純物に汚染された低ライフタイム領域が必ずウェーハの一部の外周に存在する。
後述する図5は、従来のシリコンインゴットの連続鋳造方法により鋳造されたインゴットを分割した後、ウェーハを切り出し、当該ウェーハのライフタイム評価を示す図である。同図のライフタイム評価は、後述する実施例の比較例1により得られたウェーハのライフタイム評価を示し、ウェーハ外周40aを二点鎖線で示す。同図に示すように、ウェーハ外周40aのうちの2辺で幅40mm程度の低ライフタイム領域が確認され、低ライフタイム領域はウェーハ表面の約44%を占める。
このような低ライフタイム領域は、切り出されたウェーハを太陽電池に用いた際、光電変換効率を悪化させる。また、ウェーハで確認される低ライフタイム領域は、分割して切り出す前のインゴットでは外周に位置する。したがって、鋳造されるインゴットの外周において、金属不純物により汚染された領域を縮小させることにより、インゴットから切り出されたウェーハの低ライフタイム領域を縮小させ、太陽電池に用いた際に光電変換効率を向上させることが望まれる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、鋳造されたシリコンインゴットの外周に存在する金属不純物で汚染された領域を縮小でき、シリコンインゴットを切り出したウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率を向上させることができるシリコンインゴットの連続鋳造方法を提供することを目的としている。
鋳造されるシリコンインゴットをアフターヒーターや均熱筒を用いて冷却する際、金属不純物がアフターヒーターや均熱筒といった炉内部品からチャンバー内の雰囲気に放出される。雰囲気に含まれる金属不純物が、インゴット外周表面と接触してインゴットに取り込まれた後、分子の拡散運動によりインゴットの表面から内部に侵入することにより、インゴット外周に金属不純物で汚染された領域を形成する。
このようにインゴット外周に形成される金属不純物で汚染された領域を縮小するため、本発明者らは、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた結果、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に高温に滞在する時間を短くすることにより、インゴット外周の金属不純物で汚染された領域を縮小できることを知見した。
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記のシリコンインゴットの連続鋳造方法を要旨としている。
無底の冷却ルツボを用い、電磁誘導により多結晶シリコンを連続的に鋳造するシリコンインゴットの連続鋳造方法であって、鋳造されるシリコンインゴットを冷却して均熱する際に、900℃以下に保持して均熱することを特徴とするシリコンインゴットの連続鋳造方法。
本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法は、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に、900℃以下に保持して均熱することにより、鋳造されたシリコンインゴットの外周に存在する金属不純物により汚染された領域を縮小でき、シリコンインゴットから切り出したウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率を向上させることができる。
EMC法に用いる代表的な連続鋳造装置(以下、「EMC炉」という。)の構成を示す模式図である。 本発明および従来のシリコンインゴットの連続鋳造法により鋳造されるシリコンインゴットを冷却して均熱する際、シリコンインゴットの温度と経過時間の関係を示す図である。 シリコンインゴットを分割する位置を示す模式図である。 光電変換効率測定用の試料の作成手順を示す工程図であり、同図(a)は切り出した状態のウェーハ、同図(b)はダメージ層を除去したウェーハ、同図(c)はn+層およびPSG膜が形成されたウェーハ、同図(d)は保護フィルムを貼付したウェーハ、同図(e)はシリコンが露出した状態のウェーハ、同図(f)はアルミニウム電極が蒸着されたウェーハ、同図(g)は銀電極を塗布したウェーハ、同図(h)は銀電極を焼成したウェーハを、それぞれ示す。 従来のシリコンインゴットの連続鋳造方法を用いたウェーハのライフタイム評価を示す図である。 本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法を用いたウェーハのライフタイム評価を示す図である。
上述のとおり、本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法は、無底の冷却ルツボを用い、電磁誘導により多結晶シリコンを連続的に鋳造するシリコンインゴットの連続鋳造方法であって、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に、900℃以下に保持して均熱することを特徴とする。以下に、本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法を、上記のように規定した理由および好ましい範囲について説明する。
図2は、本発明および従来のシリコンインゴットの連続鋳造法により鋳造されるシリコンインゴットを冷却して均熱する際、シリコンインゴットの温度と経過時間の関係を示す図である。同図は、後述する実施例の比較例1または本発明例1でシリコンインゴットを鋳造した際、ボトム側から2000mmの位置におけるインゴット外周の表面温度を測定した結果を示す。また、同図の横軸は、鋳造されたインゴットが冷却ルツボから引き下げられてアフターヒーターに装入された時点(開始時)を左端の原点とし、右に行くほど時間が経過していることを示す。
EMC法によるシリコンインゴットの連続鋳造方法では、冷却ルツボを用いてシリコン原料を溶融した後、凝固させてインゴットとする。図2の比較例1で示すように、凝固されたインゴットは引き下げ軸方向に適切な温度勾配を与えつつ冷却される。冷却する際にインゴットにクラックが発生するのを防止するため、従来のシリコンインゴットの連続鋳造方法では、1100℃程度に保持して均熱していた。
ここで、鋳造されたインゴット外周に存在する金属不純物で汚染された領域は、インゴットをアフターヒーターや均熱筒を用いて冷却する際に、雰囲気に含まれる金属不純物がインゴットの外周表面に導入された後、分子の拡散運動によりインゴットの表面から内部に侵入することにより形成される。インゴットに導入された金属不純物が拡散運動する速度は温度に依存することから、インゴットを高温に滞在させる時間を短くすることにより、インゴット外周表面に導入された金属不純物が外周表面から内部に侵入する範囲を狭くできる。
鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に、図2の本発明例1に示すように900℃以下に保持して均熱することにより、従来の1100℃程度で均熱する場合に比べ、インゴットが900℃を超える高温に滞在する時間が短くなる。このため、インゴット外周表面に導入された金属不純物が外周表面から内部に侵入する範囲を狭くでき、インゴット外周に形成される金属不純物で汚染された領域を縮小できる。
鋳造されたインゴットは、一般的に、切断して鋳肌面を除去した後、引き下げ軸と平行な断面で分割し、その後、ウェーハに切り出される。本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法は、金属不純物の多くを、インゴット外周表面の近傍、すなわち、鋳肌面を除去する際に切断される部分に留めることができ、切り出されたウェーハに存在する低ライフタイム領域を縮小できる。
また、冷却して均熱する際に保持する温度は800℃以上とするのが好ましい。均熱する温度を低下させるほどインゴット外周に存在する金属不純物で汚染された領域を縮小することができるが、800℃未満で均熱すると、冷却する際に生じる残留応力を開放することができず、その結果、インゴットにクラックが発生したり、あるいはインゴットを切断する際に残留応力により一気に割れが生じ易くなり、その結果、ウェーハの製造歩留りが低下するおそれがあるからである。
均熱する時間は、引き下げ軸に垂直な断面におけるインゴットの寸法や均熱する温度から適宜決定することができる。
インゴット外周に存在する金属不純物で汚染された領域を縮小するため、インゴットを高温に滞在させる時間を短くする方法として、凝固したインゴットを冷却する際に付与する温度勾配を大きくする方法(冷却速度を増加させる方法)を採用することも考えられるが、温度勾配を大きくすると、急冷により結晶欠陥が増大したり、生じる残留応力が増大してインゴットにクラックが発生したりする懸念がある。したがって、本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法では、インゴットを冷却して均熱する際に保持する温度を低下させる方法を採用した。
本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法の効果を確認するため、下記の試験を行った。
[試験条件]
前記図1に示すEMC炉を用い、EMC法により引き下げ長さが7000mmからなるシリコンインゴットを連続鋳造した。EMC法による連続鋳造では、アフターヒーター9および均熱筒10が備えるヒーターの出力を調整し、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に保持する温度を750〜1100℃に変化させた。本実施例では、鋳造されるインゴットを均熱温度まで冷却する際に付与する温度勾配を10℃/hrとし、冷却されたインゴットのトップ側が保持温度に到達してから所定時間が経過した時点で均熱処理を終了し、一定の冷却速度でインゴットを室温まで冷却した。室温まで冷却されたインゴットを目視により観察してクラックの有無を確認する外観評価を行った後、外周から10mmの位置でインゴットを切断して鋳肌面を除去した。
図3は、シリコンインゴットを分割する位置を示す模式図である。同図に示すように、シリコンインゴット20は引き下げ軸に平行な面において縦2個、横3個に分割し、引き下げ軸方向を長手方向とする6個の分割インゴット21とした。本実施例では、斜線を付した位置の分割結晶21を用い、ボトム側から2000mmの位置からウェーハを切り出した。切り出したウェーハを、ライフタイム評価により金属不純物による汚染を調査するとともに、ソーラセルプロセスに導入して光電変換効率を測定した。
ライフタイムの評価は、切り出したウェーハを研磨した後、フッ硝酸で表面ダメージ層をエッチングし、バッファードフッ酸(BHF)で表面酸化膜を除去し、さらに、ヨウ素にて表面をケミカルパシベーションした後にμ−PCD法を用いて行った。
図4は、光電変換効率測定用の試料の作成手順を示す工程図であり、同図(a)は切り出した状態のウェーハ、同図(b)はダメージ層を除去したウェーハ、同図(c)はn+層およびPSG膜が形成されたウェーハ、同図(d)は保護フィルムを貼付したウェーハ、同図(e)はシリコンが露出した状態のウェーハ、同図(f)はアルミニウム電極が蒸着されたウェーハ、同図(g)は銀電極を塗布したウェーハ、同図(h)は銀電極を焼成したウェーハを、それぞれ示す。
まず、図4(a)に示す切り出した状態のウェーハ40の表面に形成されたダメージ層41を、洗浄液を用いて同図(b)に示すように除去した。次に、ウェーハ40をリン(P)デポジション炉に導入し、POCl3を拡散源とするリン拡散を行った。これにより、同図(c)に示すようにウェーハ40の表層にはn+層42が形成され、表面にはPSG膜43が形成された。
次に、図4(d)に示すように、ウェーハ40のおもて面に保護フィルム44を貼付し、この状態でn+層42をエッチング除去した。これにより、同図(e)に示すように、ウェーハ40の裏面はシリコンが露出した状態となった。次に、同図(f)に示すように、露出したウェーハ40の裏面にアルミニウム(Al)電極45を蒸着し、同図(g)に示すようにウェーハ40のおもて面にペースト状の銀(Ag)電極46を塗布した。最後に、同図(h)に示すように、熱処理によってペースト状の銀電極46を焼成した。これにより、銀電極46に含まれるフィラーがPSG膜43を突き抜けるため、銀電極46とn+層42とが接続される。ウェーハ40の裏面のアルミニウム電極45を先に形成したのは、銀の拡散による接合破壊を防ぐためである。
このような方法で作成した試料に対し、ソーラーシミュレータおよびカーブトレーサー測定器により、光電変換効率を測定した。表1に、鋳造されるシリコンインゴットを冷却して均熱する際の保持温度、太陽電池に用いた際の光電変換効率、および鋳造されたインゴットの外観評価を示す。ここで、表1に示す光電変換効率は、比較例1の光電変換効率を基準(1.000)とした場合の相対値である。
Figure 2012017232
[試験結果]
図5は、従来のシリコンインゴットの連続鋳造方法を用いたウェーハのライフタイム評価を示す図であり、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に、1100℃に保持して均熱した比較例1のライフタイム評価を示す図である。
図6は、本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法を用いたウェーハのライフタイム評価を示す図であり、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に、900℃に保持し均熱した本発明例1のライフタイム評価を示す図である。
図5および6ではウェーハ外周40aを二点鎖線で示す。また、図5および6では、凡例に示すように、白色と黒色の濃淡によりライフタイム値の分布を示し、白色部はライフタイム値が最も高く、黒色が濃くなるとともにライフタイム値が低下し、黒色部はライフタイム値が最も低いことを示す。
図5に示す1100℃に保持して均熱した比較例1の低ライフタイム領域に比べ、900℃に保持して均熱した本発明例1では、図6に示すように低ライフタイム領域が縮小し、その幅は約40%減少した。
また、表1に示す結果から、光電変換効率は、1100℃で保持して均熱した比較例1が最も低く、均熱する際の保持温度が低くなるのに伴い向上し、900℃で保持して均熱した本発明例1で1.025に、750℃で保持して均熱した本発明例3で1.028となった。これらから、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に、900℃以下に保持して均熱することにより、インゴットから切り出されたウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率を向上できることが明らかになった。
鋳造されたインゴットの外観評価は、1100〜800℃で保持して均熱した比較例1および2並びに本発明例1および2では、クラックは観察されなかったのに対し、750℃で保持して均熱した本発明例3では、長さ5mm程度以下の微少なクラックが観察された。これらから、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に、800℃以上に保持して均熱するのが好ましいことが確認できた。
これらから、本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法は、鋳造されるインゴットを冷却して均熱する際に、900℃以下に保持して均熱することにより、鋳造されるシリコンインゴットの外周に存在する金属不純物により汚染された領域を縮小でき、シリコンインゴットを切り出したウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率を向上できることが明らかになった。
本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法は、鋳造されたインゴットを冷却して均熱する際に、900℃以下に保持して均熱することにより、鋳造されるシリコンインゴットの外周に存在する金属不純物により汚染された領域を縮小でき、シリコンインゴットから切り出したウェーハを太陽電池に用いた際に光電変換効率を向上させることができる。
したがって、本発明のシリコンインゴットの連続鋳造方法を、太陽電池用ウェーハの製造に適用すれば、太陽電池の品質向上に大きく寄与することができる。
1:チャンバー、 2:シャッター、 3:シリコンインゴット、 4:引出し口、
5:不活性ガス導入口、 6:排気口、 7:無底冷却ルツボ、 8:高周波コイル、
9:アフターヒーター、 10:均熱筒、 11:原料導入管、
12:シリコン原料、 13:溶融シリコン、 14:プラズマトーチ、
15:支持台、 20:シリコンインゴット、 21:分割インゴット、
40:ウェーハ、 40a:ウェーハ外周、 41:ダメージ層、 42:n+層、
43:PSG膜、 44:保護フィルム、 45:アルミニウム電極、 46:銀電極

Claims (1)

  1. 無底の冷却ルツボを用い、電磁誘導により多結晶シリコンを連続的に鋳造するシリコンインゴットの連続鋳造方法であって、
    鋳造されるシリコンインゴットを冷却して均熱する際に、900℃以下に保持して均熱することを特徴とするシリコンインゴットの連続鋳造方法。
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