JP2012016733A - ダイキャスト金型用ピン及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳造時にダイキャスト金型用ピンへのメンテナンスに掛かる時間及び工数を削減でき、その材料コストも抑えることができるダイキャスト金型用ピン及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ダイキャスト金型用ピンとしての鋳抜きピン32は、熱間工具鋼による柱形状のピン本体32aと、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金による柱形状のピン先端部32bとから成り、ピン本体とピン先端部との双方が同一軸線に沿って隣接して配列され、この双方の端面同士が耐熱重合金による溶接材で一体に溶接されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、アルミダイキャスト鋳造に用いられ、内部に冷却用空間を有した金型本体に組み合わされるダイキャスト金型用ピン及びその製造方法に関する。
従来、高圧アルミダイキャスト鋳造や低圧アルミダイキャスト鋳造に用いられる金型は、金型内部に冷却用空間を設けた種々のタイプのものが広く実用に供されており、例えば、自動車用エンジンのシリンダブロックの鋳造等に用いられている。この種の図1の断面図に示す金型10は、金型本体11の内部に冷却用空間11aを有し、この冷却用空間11aを形成する外壁11bに貫通して形成された複数の貫通口に、これら貫通口と同数の鋳抜き用のピン(鋳抜きピン)12を挿通して構成されている。
但し、鋳抜きピン12は、熱間工具鋼(例えば、材質:JIS SKD61の焼き入れ焼き戻し材、硬度:HRC48)によって、図2に示すように概略円柱形状に形成されている。図2(a)は鋳抜きピン12の平面図、(b)はピン頭部端面図、(c)はピン先端部の端面図である。また、鋳抜きピン12は、図示以外の各種の金型本体に応じて、1本から10本位組み合わされるようになっている。
このような構成の金型10においては、冷却用空間11aに高温の金属溶湯、例えば約700°Cのアルミニュウム(アルミ)溶湯を入れ、これが固化したのち、金型10を分解してアルミが固化したアルミ製品を取り出すようになっている。この際、鋳抜きピン12の先端部12aを金型本体11から抜くことによりアルミ製品の内部にその先端部12aの形状をした所定の空洞が形成されるようになっている。
この他、図3に示す金型20のように、金型本体が21aと21bで示すように分割できるタイプのものがある。この金型20では、金型本体21a,21bが一つに組み合わされて冷却用空間21cが構成され、移動側の金型本体21aに形成された複数の貫通口に、鋳抜きピン12が金型本体21aの外面から冷却用空間21cに挿通される。
この種の従来の鋳抜きピンとして例えば特許文献1に記載のものが有る。
特開2001−18051号公報
ところで、上述した金型10又は20で鋳造により所定のアルミ製品を製造する場合、冷却用空間11aにアルミ溶湯を流し込んで固化した後、鋳抜きピン12を抜くといった鋳造工程を2000〜3000回繰り返すと、鋳抜きピン12の先端部12aにアルミの焼き付きが付着してしまう。そこで、その付着したアルミを削って除去するが、この2000〜3000回毎に繰り返されるアルミ除去のメンテナンスを3〜4回繰り返すと、鋳抜きピン12の先端部12aの径が細くなって使用不可能となる。この鋳抜きピン12は、金型本体11に複数本組み合わされるので、上記のメンテナンスに時間及び工数が掛かるという問題がある。
また、金型本体11は、最大15万回位の鋳造工程に耐え得るが、鋳抜きピン12は、上記のように時間及び工数を掛けてメンテナンスを行っても、最大12000回位の鋳造工程で使用不可能となる。このため、鋳抜きピン12を途中で交換しなければならず、その分、材料コストが嵩むといった問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、鋳造時にダイキャスト金型用ピンへのメンテナンスに掛かる時間及び工数を削減することができ、その材料コストも抑えることができるダイキャスト金型用ピン及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、熱間工具鋼による柱形状のピン本体と、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金による柱形状のピン先端部とから成り、前記ピン本体と前記ピン先端部との双方が同一軸線に沿って隣接して配列され、この双方の端面同士が前記耐熱重合金による溶接材で一体に溶接されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダイキャスト金型用ピンのピン先端部が耐熱重合金で形成されているので、そのピン先端部の熱伝導率が良く、これによって次のような作用効果がある。ここで、内部に冷却用空間を有する金型の外壁に形成された貫通口にダイキャスト金型用ピンを鋳抜きピンとして挿通し、この挿通したピン先端部が冷却用空間に突き出るように組み合わせた金型が有るとする。この金型の冷却用空間に高温のアルミ溶湯を入れて固化し、このアルミ製品から鋳抜きピンを抜いてアルミ製品を完成させるといった鋳造を行った場合、タングステンは融点が約3460°C、鉄は約1500°Cであるため、約700°Cのアルミ溶湯に十分耐えうることができ、また、高温のアルミ溶湯に浸るピン先端部が熱伝導率がよいので、アルミ溶湯の熱を外部に逃がす効果が高く、このためアルミが付着し難くなる。
つまり、その鋳造工程を繰り返し行った際に、アルミの焼き付きがピン先端部に付着し難くなるので、ピン先端部に付着したアルミを切削除去しなければならなくなるまでの鋳造工程の繰り返し回数が、従来構成の熱間工具鋼のみによる鋳抜きピンよりも大幅に増加する。この鋳抜きピンの鋳造時の耐久回数は、金型の鋳造時の耐久回数よりも多いので、従来のような、鋳造繰り返し時のアルミ切削除去が不要となる。従って、鋳造時の鋳抜きピンとしてのダイキャスト金型用ピンのメンテナンスに掛かる時間及び工数を無くすことができるか、又は大幅に削減することが出来る。また、従来のような鋳造工程繰り返し途中でダイキャスト金型用ピンが使用不可能となり交換しなければならないといったことも無くなるので、その分、材料コストを削減することができる。更に、ダイキャスト金型用ピンのピン先端部がメンテナンスの繰り返しによって使用不能となった場合、ピン先端部のみを交換して再溶接すればよいので、ピン本体がそのまま使用可能となり、これによって材料コストを削減することができる。
請求項2に記載の発明は、前記ピン本体の先端に軸線に沿って凸部又は凹部が設けられ、前記ピン先端部の先端に軸線に沿って凹部又は凸部が設けられており、それら凸部と凹部とが嵌合されていることを特徴とする。
この構成によれば、ピン本体の先端の例えば凸部と、ピン先端部の先端の例えば凹部とが軸線に沿って嵌合されているので、ピン本体とピン先端部との双方を容易に一直線状に保持することができる。従って、溶接時にピン先端部がピン本体に対して斜めにずれるといったことが無くなる。このずれて溶着されることを懸念して、ピン先端部をピン本体よりもサイズを大きくし、ずれて溶着された場合に、これを削って直線状にするといった手間も省ける。また、ピン先端部のサイズを長さと直径とを規格化することができるので、これによっても材料コストを削減することができる。
請求項3に記載の発明は、熱間工具鋼による柱形状のピン本体における所定長の先端部分の表面に、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金によって所定厚みの膜が形成されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、ダイキャスト金型用ピンの所定長のピン先端部に所定膜厚の耐熱重合金の膜が形成されているので、そのピン先端部が鋳抜きピンのものとして金型の冷却用空間に突出して使用する場合、上記請求項1と同様の作用効果を奏す。
請求項4に記載の発明は、熱間工具鋼による柱形状のピン本体の先端面に、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金によって所定厚みの膜を形成して成ることを特徴とする。
この構成によれば、ダイキャスト金型用ピンを押出ピンとして使用した際に、金型に嵌って固定されたアルミ製品を押出ピンで押し出す際に、アルミ製品に当接する部分が耐熱重合金なので、その押し出し時の磨耗を大幅に少なくすることができ、またアルミが付着し難くなる。
請求項5に記載の発明は、前記耐熱重合金は、少なくとも、前記タングステンを50〜60%含み、前記鉄を20〜30%含むことを特徴とする。
この構成によれば、例えば耐熱重合金がタングステン100%であると硬すぎて削り難いが、耐熱重合金を例えばタングステンを50%、削り易い鉄を30%含ませた合金とすれば削り易くなる。これによって耐熱重合金であるピン先端部を削る必要が生じた際に削り易くなるという利点がある。
請求項6に記載の発明は、前記耐熱重合金は、重量%で、タングステン60%、ニッケル3.0%、モリブデン2.5%、コバルト5.0%、クロム5.0%、炭素0.2%、シリコン0.8%、鉄23.5%を含有する合金であることを特徴とする。
この構成によれば、金型の冷却用空間に高温のアルミ溶湯を入れて固化し、更に鋳抜きピンを抜いてアルミ製品を完成させるといった鋳造工程の耐力回数が40000回位に向上し、更に、その40000回位毎にアルミの焼き付きを切削除去する耐力回数を20回位に向上させることが出来る。つまり、本発明のダイキャスト金型用ピンは、凡そ40000×20=80万回くらい使用可能となる。従来のダイキャスト金型用ピンでは3000×4=12000回くらい使用可能であった。このことから、本発明のダイキャスト金型用ピンでは、メンテナンスに掛かる時間及び工数を大幅に削減することができ、また、材料コストを削減することができる。
請求項7に記載の発明は、内部に冷却用空間を有する金型の外壁に形成された1乃至は複数の貫通口にピン本体が挿通され、この挿通されたピン本体の先端側のピン先端部が冷却用空間に突き出るように金型に組み合わされるダイキャスト金型用ピンの製造方法において、前記ピン本体を熱間工具鋼により形成し、前記ピン先端部をタングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金により形成し、これら形成されたピン本体とピン先端部との双方の先端同士を突き合わせて当該双方の軸線が直線状となるように保持する第1のステップと、前記第1のステップで突き合わされた前記双方の先端同士を耐熱重合金の溶接材で溶接する第2のステップと、前記第2のステップで溶接された前記双方の先端部分に盛り上がった溶接材を、当該双方の外周面と一定面となる状態に切削して前記ダイキャスト金型用ピンを完成する第3のステップとを含むことを特徴とする。
この方法によれば、熱間工具鋼によるピン本体と、耐熱重合金によるピン先端部とを同一軸線に沿って配列し、この双方を耐熱重合金の溶接材で溶接するのみでダイキャスト金型用ピンを製造できるので、金型の冷却用空間に突き出るピン先端部のみを耐熱重合金としたダイキャスト金型用ピンを容易に製造することが出来る。
請求項8に記載の発明は、前記第1のステップにおいて、熱間工具鋼により形成されたピン本体と、前記耐熱重合金により形成されたピン先端部とは、互いが付き合わされる部分に凸部又は凹部による嵌合部分が軸線に沿って形成されており、この形成された嵌合部分でピン本体とピン先端部との双方を嵌合して当該双方の軸線が直線状となるように保持することを特徴とする。
この構成によれば、ピン本体及びピン先端部の双方に軸線に沿った凸部又は凹部による嵌合部分が形成されており、溶接前にその嵌合部分を嵌合して双方を保持すればよいので、双方を容易に一直線状に保持することができる。また、保持後に溶接によって双方を固着する場合でも、双方が嵌合部分で保持されているのでピン先端部がピン本体に対して斜めにずれるといったことが無くなる。この斜めにずれて溶着されることを懸念して、ピン先端部をピン本体よりもサイズを大きくし、ずれて溶着された場合に、これを削って直線状にするといった手間も省ける。また、ピン先端部のサイズをピン本体に応じて規格化することができるので、これによっても材料コストを削減することができる。
請求項9に記載の発明は、内部に冷却用空間を有する金型の外壁に形成された1乃至は複数の貫通口にピン本体が挿通され、この挿通されたピン本体の先端側のピン先端部が冷却用空間に突き出るように金型に組み合わされるダイキャスト金型用ピンの製造方法において、前記ピン本体を熱間工具鋼により形成し、この形成されたピン本体の軸方向の所定長の先端部分を、径方向に所定寸法の厚みで削り取る第1のステップと、前記第1のステップで削り取られた先端部分を、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金の溶接材で溶接する第2のステップと、前記第2のステップで溶接された先端部分に盛り上がった溶接材を、前記ピン本体の外周面と一定面となる状態で且つ端面がその外周面と直角面となる状態に切削して前記ダイキャスト金型用ピンを完成する第3のステップとを含むことを特徴とする。
この方法によれば、熱間工具鋼によるピン本体の先端部分を所定寸法の厚みで切削し、この切削した先端部分を耐熱重合金の溶接材で溶接し、この溶接部分をピン本体の外周面と一定面で且つ端面が外周面と直角面となるように切削するのみでダイキャスト金型用ピンを製造できるので、金型の冷却用空間に突き出るピン先端部の表面のみを耐熱重合金としたダイキャスト金型用ピンを容易に製造することが出来る。
請求項10に記載の発明は、前記第2のステップの溶接は、前記溶接材を少なくとも3層に分けて溶接することを特徴とする。
この方法によれば、1層目の溶接では、ピン本体のSKD61と溶接材の耐熱重合金とが混じり、2層目の溶接では、1層目のSKD61及び耐熱重合金の混合材と、耐熱重合金とが混じる。従って、2層目は耐熱重合金にSKD61が少量混じった状態となる。更に3層目の溶接では、SKD61が少量混じった耐熱重合金と耐熱重合金とが混じるので、SKD61は略混合していない状態となり、この部分がピン先端部となるので、前述した通り、アルミが付着し難くなる。
請求項11に記載の発明は、2つ以上の金型を組み合わせて内部に冷却用空間を形成する金型に、当該金型の冷却用空間で形成された製品を金型の外壁から貫通口を介して挿通されたピン本体で押し出して当該製品を金型から外すダイキャスト金型用ピンの製造方法において、前記ピン本体を熱間工具鋼により形成し、この形成されたピン本体の先端面に、耐熱重合金材による所定の厚みの膜を、耐熱重合金による溶接材を溶接して形成する第1のステップと、前記第1のステップで形成された膜を、平坦な所定寸法の厚みとなるように削り取ってダイキャスト金型用ピンを完成する第2のステップとを含むことを特徴とする。
この方法によれば、熱間工具鋼によるピン本体の先端面に耐熱重合金の溶接材を溶接して膜を形成し、この膜を平坦な所定厚みに切削するのみで押出ピンとなるダイキャスト金型用ピンを容易に製造することが出来る。
従来のダイキャスト鋳造用の金型の断面図である。 従来の金型に組みあわされる鋳抜きピンの構成を示す図である。 従来のダイキャスト鋳造用の分割型の金型の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る鋳抜きピンの構成を示す平面図である。 第1実施形態の鋳抜きピンの製造方法を説明するための図である。 第1実施形態の鋳抜きピンが組み合わされたダイキャスト鋳造用の金型の断面図である。 第1実施形態の鋳抜きピンが組み合わされたダイキャスト鋳造用の分割型の金型の断面図である。 第1実施形態の変形例の鋳抜きピンの構成を示す平面図である。 第1実施形態の変形例の鋳抜きピンの製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る鋳抜きピンの構成を示す平面図である。 第2実施形態の鋳抜きピンの製造方法を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る押出ピンの構成を示す平面図である。 第3実施形態の押出ピンが組み合わされたダイキャスト鋳造用の金型の断面図である。 第3実施形態の押出ピンの製造方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書中の全図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適時省略する。
(第1実施形態)
図4は、本発明の第1実施形態に係る鋳抜きピンの構成を示す平面図である。図4に示すダイキャスト金型用ピンとしての鋳抜きピン32は、本体よりも大径の頭部を有する円柱形状を成し、熱間工具鋼としての例えばSKD61材によるピン本体32aと、後述の耐熱重合金材による円柱形状のピン先端部32bとを一体化して形成したものである。
耐熱重合金材(又は耐熱重合金)は、例えば、重量%で、W(タングステン):60%、Ni(ニッケル):3.0%、Mo(モリブデン):2.5%、Co(コバルト):5.0%、Cr(クロム):5.0%、C(炭素):0.2%、Si(シリコン)0.8%、Fe(鉄):23.5%を含有し、これら合計が100%の合金である。これは耐熱重合金材の一例であり、主成分がW:50〜60%の範囲で且つFe:30〜20%の範囲であって、更にこの他にMo:2.5%、Co:5.0%、Cr:5.0%を必須成分として含む耐熱重合金材であれば良い。
また、耐熱重合金材は、その特性として、800°C以上では硬度が約210(Hv)と他の合金と比べ最も高い。つまり、高温強度が高い。また、熱伝導率が他の合金よりも2倍以上高い。例えば、他の合金は熱伝導率が約30〜32W/(m・k)であるのに対して、本耐熱重合金材は約89W/(m・k)である。
このような耐熱重合金材をSKD61材と一体化して鋳抜きピン32を製造する方法を、図5を参照して説明する。
図5(a)に示すように、本体よりも大径の頭部を有する円柱形状であって先端が円錐状に形成されたSKD61材によるピン本体32aと、これと同様に先端が円錐状に形成された円柱状の耐熱重合金材32b1とを用いる。但し、耐熱重合金材32b1は、長さL2が、完成品である鋳抜きピン32の先端部32bの長さL1よりも長く、また、耐熱重合金材32b1の直径D2も、ピン先端部32bの直径D1よりも大きいサイズとする。
次に、図5(b)に示すように、ピン本体32aと耐熱重合金材32b1との先端同士を合わせて双方の軸線が直線状に配列されるように図示せぬ保持装置で保持する。これによって矢印Y1で示す双方の先端が付き合わされた位置に断面三角状の溝が円周状に構成される。以降、その溝を円周溝Y1と称す。
次に、図5(c)に示すように、例えばTIG(Tungsten Inert Gas)溶接によって円周溝Y1の部分を溶接する。この溶接材は耐熱重合金であり、この耐熱重合金の溶接材32b2が円周溝Y1を埋め尽くして、ピン本体32aと耐熱重合金材32b1との外周側よりも外側に盛り上がる状態に双方を溶接する。この溶接によってピン本体32aと耐熱重合金材32b1とが一体に固定される。
次に、耐熱重合金溶接材32b2と耐熱重合金材32b1との双方の外周部分を削り、この削った部分がピン本体32aの外周と同一な直径D1で、ピン本体32aと直線状となるようにする。更に耐熱重合金材32b1の端面を周面に対して直角状態に削り、当該耐熱重合金材32b1の長さL2が、完成品である鋳抜きピン32の先端部の長さL1となるようにする。この切削によって図4に示した鋳抜きピン32が完成する。
但し、図5(c)に示すように、ピン本体32aと耐熱重合金材32b1との先端同士を溶接するが、この際、耐熱重合金材32b1がピン本体32aの軸線から斜めに曲がってしまう場合がある。この場合に、耐熱重合金溶接材32b2及び耐熱重合金材32b1を切削した場合でも、耐熱重合金材32b1をピン本体32aの外周と同一な直径D1でピン本体32aと同一軸に合わせることができるサイズの耐熱重合金材32b1とする。即ち、耐熱重合金材32b1の長さL2及び直径D2を、完成品である鋳抜きピン32の先端部の長さL1及び直径D1よりも大きく余裕を持ったサイズとする。
このように製造された鋳抜きピン32は、図6に示すように、例えば自動車用エンジンのシリンダブロック等の鋳造に用いられるダイキャスト用の金型30に組み合わされる。この金型30は、金型本体31の内部に冷却用空間31aを有しており、この冷却用空間31aを形成する外壁31bに貫通して形成された複数の貫通口に、これと同数の鋳抜きピン32が挿通される。この挿通された鋳抜きピン32は、直径D1のピン先端部32bが冷却用空間31aに突き出ており、この突き出たピン先端部32bの長さがL1となる。例えばピン先端部32bの長さL1は40mm、直径D1は8〜40mmなどのサイズである。なお、金型30に挿通される鋳抜きピン32は、図示以外の各種の金型本体に応じて、1本から10本位組み合わされるようになっている。
このような構成の金型30においては、冷却用空間31aに例えば約700°Cのアルミ溶湯を入れ、これが固化したのち、金型30を分解してアルミが固化したアルミ製品を取り出すようになっている。この際、鋳抜きピン32の先端部32bを金型本体31から抜くことによりアルミ製品の内部にそのピン先端部32bの形状をした所定の空洞が形成される。
この他、図7に示す金型40のように、金型本体が41aと41bで示すように分割できるタイプのものがある。この金型40では、金型本体41a,41bが一つに組み合わされて冷却用空間41cが構成され、移動側の金型本体41aに形成された複数の貫通口に、鋳抜きピン32が金型本体41aの外面から冷却用空間41cに挿通される。このような金型40においても、前述同様に冷却用空間41cにアルミ溶湯を入れて固化し、この固化したアルミ製品から鋳抜きピン32を抜いてアルミ製品を完成させるようになっている。
このように第1実施形態の鋳抜きピン32は、熱間工具鋼による柱形状のピン本体32aと、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金による柱形状のピン先端部32bとから成り、ピン本体32aとピン先端部32bとの双方が同一軸線に沿って隣接して配列され、この双方の端面同士が耐熱重合金による溶接材で一体に溶接されている。
この構成によって、鋳抜きピン32のピン先端部32bが耐熱重合金で形成されているので、そのピン先端部32bの熱伝導率が良く、これによって次のような作用効果がある。ここで、内部に冷却用空間を有する金型30(又は40)の外壁に形成された貫通口に鋳抜きピン32を挿通し、この挿通したピン先端部32bが冷却用空間に突き出るように組み合わせた金型30が有るとする。この金型30の冷却用空間に高温のアルミ溶湯を入れて固化し、このアルミ製品から鋳抜きピン32を抜いてアルミ製品を完成させるといった鋳造を行った場合、タングステンは融点が約3460°C、鉄は約1500°Cであるため、約700°Cのアルミ溶湯に十分耐えうることができ、また、高温のアルミ溶湯に浸るピン先端部32bが熱伝導率がよいので、アルミ溶湯の熱を外部に逃がす効果が高く、このためアルミが付着し難くなる。
つまり、その鋳造工程を繰り返し行った際に、アルミの焼き付きがピン先端部32bに付着し難くなるので、ピン先端部32bに付着したアルミを切削除去しなければならなくなるまでの鋳造工程の繰り返し回数が、従来構成の熱間工具鋼のみによる鋳抜きピン32よりも大幅に増加する。この鋳抜きピン32の鋳造時の耐久回数は、金型の鋳造時の耐久回数よりも多いので、従来のような、鋳造繰り返し時のアルミ切削除去が不要となる。従って、鋳造時のダイキャスト金型用ピンとしての鋳抜きピン32のメンテナンスに掛かる時間及び工数を無くすことができるか、又は大幅に削減することが出来る。また、従来のような鋳造工程繰り返し途中で鋳抜きピン32が使用不可能となり交換しなければならないといったことも無くなるので、その分、材料コストを削減することができる。更に、鋳抜きピン32のピン先端部32bがメンテナンスの繰り返しによって使用不能となった場合、ピン先端部32bのみを交換して再溶接すればよいので、ピン本体32aがそのまま使用可能となり、これによって材料コストを削減することができる。
また、ピン先端部32bの耐熱重合金は、少なくとも、タングステンを50〜60%含み、鉄を20〜30%含む合金とする。これによって、例えば耐熱重合金がタングステン100%であると硬すぎて削り難いが、耐熱重合金を例えばタングステンを50%、削り易い鉄を30%含ませた合金とすれば削り易くなる。これによって耐熱重合金であるピン先端部32bを削る必要が生じた際に削り易くなるという効果がある。
更に、耐熱重合金は、重量%で、タングステン60%、ニッケル3.0%、モリブデン2.5%、コバルト5.0%、クロム5.0%、炭素0.2%、シリコン0.8%、鉄23.5%を含有する合金とする。これによって、金型30(又は40)の冷却用空間に高温のアルミ溶湯を入れて固化し、更に鋳抜きピンを抜いてアルミ製品を完成させるといった鋳造工程の耐力回数が40000回位に向上し、更に、その40000回位毎にアルミの焼き付きを切削除去する耐力回数を20回位に向上させることが出来る。つまり、本実施形態の鋳抜きピン32は、凡そ40000×20=80万回くらい使用可能となる。従来の鋳抜きピン12では3000×4=12000回くらい使用可能であった。このことから、本実施形態の鋳抜きピン32では、メンテナンスに掛かる時間及び工数を大幅に削減することができ、また、材料コストを削減することができる。
また、鋳抜きピン32の製造方法によれば、熱間工具鋼によるピン本体32aと、耐熱重合金によるピン先端部32bとを同一軸線に沿って配列し、この双方を耐熱重合金の溶接材で溶接するのみで鋳抜きピン32が製造されるので、金型30(又は40)の冷却用空間31a(又は41a)に突き出るピン先端部32bのみを耐熱重合金とした鋳抜きピン32を容易に製造することが出来る。
(第1実施形態の変形例)
この他、第1実施形態の鋳抜きピン32の変形例を図8に符号52で示す。この鋳抜きピン52は、ピン本体52aとピン先端部52bとの接合部分に凹凸による嵌合部分53cを有する。即ち、図9(a)に示すように、ピン本体52aは、SKD61材によるものであり、本体よりも大径の頭部を有する円柱形状であって先端が円錐状で且つその先端部が凸部52a1に形成されている。ピン先端部52bとなる耐熱重合金材52b1の円錐状に形成された先端部は、ピン本体52aの凸部52a2に嵌合する凹部52b2が形成されている。凸部52a2及び凹部52b2は、ピン本体52a及びピン先端部52bの軸線に沿って形成されている。また、ピン先端部52bは、図8に示した完成時の鋳抜きピン52のピン先端部52bの寸法と同じ、長さL1及び直径D1のサイズである。
このような鋳抜きピン52を製造する方法を、図9を参照して説明する。
図9(a)に示すピン本体52aの先端の凸部52a2と、ピン先端部52bの先端の凹部52b2とを、図9(b)に示すように嵌合する。ここで、双方のピン本体52a及びピン先端部52bは、同一軸線に沿って凸部52a2と凹部52b2とが嵌合されるので、双方は直線状に組み合わされる。これによって矢印Y2で示す双方の先端が嵌合された位置に断面三角状の溝(円周溝)Y2が円周状に構成される。
次に、図9(c)に示すように、例えばTIG溶接によって円周溝Y2の部分を、耐熱重合金の溶接材52b3で円周溝Y1を埋め尽くして溶接する。これはピン本体52aと耐熱重合金材52b1との外周側よりも外側に盛り上がる状態に双方を溶接し、この溶接によってピン本体52aと耐熱重合金材52b1とが一体に固定されるようにする。
次に、耐熱重合金溶接材52b3の外周部分を削り、この削った部分がピン本体52a及び耐熱重合金材52b1の外周と同一な直径D1となるように成形すると、図8に示した鋳抜きピン52が完成する。なお、ピン本体52aの凸部52a2が凹部52b2とされ、ピン先端部52bの凹部52b2が凸部52a2とされていても良い。
このように第1実施形態の変形例の鋳抜きピン52によれば、ピン本体52aの先端の軸線に沿った凸部52a2と、ピン先端部52bの先端の軸線に沿った凹部52b2とを嵌合し、この嵌合部分52cを溶接するようにした。従って、溶接時に凸部52a2と凹部52b2とを嵌合すれば、ピン本体52aとピン先端部52bとの双方が軸線に沿って一直線となって保持されるので、双方を容易に一直線状に保持することができる。
また、保持後に溶接によって双方を固着する場合でも、ピン先端部52bがピン本体52aに対して斜めにずれるといったことが無くなる。この斜めにずれて溶着されることを懸念して、ピン先端部52bをピン本体32aよりもサイズを大きくし、ずれて溶着された場合に、これを削って直線状にするといった手間も省ける。また、ピン先端部52bのサイズを長さL1で直径D1と規格化することができるので、これによっても材料コストを削減することができる。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係る鋳抜きピンの構成を示す断面図である。図10に示すダイキャスト金型用ピンとしての鋳抜きピン62は、本体よりも大径の頭部を有する円柱形状を成し、熱間工具鋼としての例えばSKD61材によるピン本体62aを備え、このピン本体62aの所定長さの先端部分に、耐熱重合金材による所定の厚みの膜62b1を形成したものである。その膜62b1が形成された部分をピン先端部62bと称す。
ピン先端部62bの軸方向の長さは、上述の金型30の冷却用空間31aに突き出る長さL1であり、直径はD1である。また、膜62b1の直径方向の厚みは少なくとも2〜3mm以上であり、軸方向の厚みも同様に2〜3mm以上である。
このような鋳抜きピン62を製造する方法を、図11を参照して説明する。図11(a)に示すように、本体よりも大径の頭部を有する円柱形状のSKD61材による部材であるピン本体62aを用いる。次に、図11(b)に示すように、ピン本体62aにおける冷却用空間31aに突き出る部分の長さL1よりも所定寸法h1(少なくとも2〜3mm以上)短い長さの部分を、径方向に所定寸法h1(少なくとも2〜3mm以上)削り取る。
次に、図11(c)に示すように、例えばTIG溶接によって、上記で削り取られた部分を溶接材62b2で溶接する。この溶接材62b2は耐熱重合金であり、ピン本体62aの外周側及び端面側よりも外側に盛り上がる状態に溶接する。そして、その盛り上がった溶接材62b2の部分を、軸方向長さL1で直径D1となるように削り取る。この切削によって図10に示した鋳抜きピン62が完成する。
このように第2実施形態の鋳抜きピン62によれば、熱間工具鋼であるSKD61材によるピン本体62aの先端部分を所定寸法h1の厚みで切削し、この切削した先端部分を耐熱重合金の溶接材62b2で溶接し、この溶接部分62b2をピン本体62aの外周面と一定面で且つ端面が外周面と直角面となるように切削するのみで鋳抜きピン62を製造できるので、鋳抜きピン62を容易に製造することが出来る。
但し、鋳抜きピン62は、上述した第1実施形態の鋳抜きピン32と同様の作用効果を有する。また、鋳抜きピン62を抜いてアルミ製品を完成させるといった鋳造工程の耐力回数の40000回位毎に、ピン先端部62bに付着したアルミの焼き付きを切削除去するが、ピン先端部62bは少なくとも2〜3mmといった膜厚を有するので、その切削除去時の耐力回数を20回位といった規定の回数に十分耐え得るものとなる。
また、図11(c)に示した溶接を、少なくとも3層に渡って行う。例えば全体の溶接材62b2の膜厚が約3mmとすると、約1mmずつ3層に分けて行う。1層目の溶接では、ピン本体62aのSKD61と耐熱重合金とが混じり、2層目の溶接では、1層目のSKD61及び耐熱重合金の混合材と、耐熱重合金とが混じる。従って、2層目は耐熱重合金にSKD61が少量混じった状態となる。更に3層目の溶接では、SKD61が少量混じった耐熱重合金と耐熱重合金とが混じるので、SKD61は略混合していない状態となる。この部分がピン先端部62bとなるので、前述した通り、アルミが付着し難くなる。
(第3実施形態)
図12は、本発明の第3実施形態に係る押出ピンの構成を示す断面図である。図12に示すダイキャスト金型用ピンとしての押出ピン72は、本体よりも大径の頭部を有する円柱形状を成し、熱間工具鋼としての例えばSKD61材によるピン本体72aを備え、このピン本体72aの先端面に、耐熱重合金材による所定の厚みの膜72bを形成したものである。
この押出ピン72は、図13(a)に示す金型70のように、金型本体が71aと71bで示すように分割できるタイプのもので、これら金型本体71a,71bが一つに組み合わされて冷却用空間71cが構成されたものに用いられる。即ち、移動側の金型本体71aに形成された貫通口に、押出ピン72を冷却用空間71cの境界面まで挿通する。この金型70においては、前述同様に冷却用空間71cにアルミ溶湯を入れて固化させる。この後、図13(b)に示すように、移動側の金型本体71aを移動させると、金型本体71aにアルミ製品75が嵌った固定状態に付いて来る。そこで、押出ピン72を矢印Y3で示す方向に押し出すことにより、図13(c)に示すようにアルミ製品75を押し出し、これによってアルミ製品75を金型本体71aから離して分離する。
このような押出ピン72を製造する方法を、図14を参照して説明する。図14(a)に示すように、本体よりも大径の頭部を有する円柱形状のSKD61材による部材であるピン本体72aを用いる。次に、図11(b)に示すように、ピン本体72aの先端面に少なくとも2〜3mm以上の所定厚さの盛り上がり膜72b1を、耐熱重合金による溶接材で溶接して形成する。そして、その盛り上がった溶接材72b1の端面部分を、フラット面となるように削り取る。この切削によって図12に示した押出ピン72が完成する。
このように第3実施形態の押出ピン72は、熱間工具鋼による柱形状のピン本体72aの先端面に、耐熱重合金によって所定厚みの膜72bを形成して成る。この押出ピン72によれば、金型70に嵌って固定されたアルミ製品75を押出ピン72で押し出す際に、アルミ製品75に当接する部分が耐熱重合金なので、その押し出し時の磨耗を大幅に少なくすることができ、またアルミが付着し難くなる。
また、熱間工具鋼によるピン本体72aの先端面に耐熱重合金の溶接材を溶接して膜72b1を形成し、この膜72b1を平坦な所定厚みに切削するのみで押出ピン72を製造することができるので、容易に製造することが出来る。
以上説明したダイキャスト金型用ピンとしての鋳抜きピン32,52,62又は押出ピン72は、円柱形状であるとして説明したが、楕円柱形状や、3角柱、4角柱及び5角柱等の多角形状の柱形状であっても良い。
30,40,70 金型
31 金型本体
31a,41c,71c 冷却用空間
31b 金型外壁
32,52,62 鋳抜きピン
32a,52a,62a 鋳抜きピンのピン本体
32b,52b,62b 鋳抜きピンのピン先端部
32b1 ピン先端部となる耐熱重合金材
32b2 耐熱重合金による溶接材
41a,41b,71a,71b 分割金型
52a1 凸部
52b2 凹部
52b3,62b2,72b1 溶接材
62b1,72b 膜
72 押出ピン
72a 押出ピンのピン本体
75 アルミ製品

Claims (11)

  1. 熱間工具鋼による柱形状のピン本体と、
    タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金による柱形状のピン先端部とから成り、
    前記ピン本体と前記ピン先端部との双方が同一軸線に沿って隣接して配列され、この双方の端面同士が前記耐熱重合金による溶接材で一体に溶接されていることを特徴とするダイキャスト金型用ピン。
  2. 前記ピン本体の先端に軸線に沿って凸部又は凹部が設けられ、前記ピン先端部の先端に軸線に沿って凹部又は凸部が設けられており、それら凸部と凹部とが嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載のダイキャスト金型用ピン。
  3. 熱間工具鋼による柱形状のピン本体における所定長の先端部分の表面に、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを成分として合金化した耐熱重合金によって所定厚みの膜が形成されて成ることを特徴とするダイキャスト金型用ピン。
  4. 熱間工具鋼による柱形状のピン本体の先端面に、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金によって所定厚みの膜を形成して成ることを特徴とするダイキャスト金型用ピン。
  5. 前記耐熱重合金は、少なくとも、前記タングステンを50〜60%含み、前記鉄を20〜30%含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイキャスト金型用ピン。
  6. 前記耐熱重合金は、重量%で、タングステン60%、ニッケル3.0%、モリブデン2.5%、コバルト5.0%、クロム5.0%、炭素0.2%、シリコン0.8%、鉄23.5%を含有する合金であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイキャスト金型用ピン。
  7. 内部に冷却用空間を有する金型の外壁に形成された1乃至は複数の貫通口にピン本体が挿通され、この挿通されたピン本体の先端側のピン先端部が冷却用空間に突き出るように金型に組み合わされるダイキャスト金型用ピンの製造方法において、
    前記ピン本体を熱間工具鋼により形成し、前記ピン先端部をタングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金により形成し、これら形成されたピン本体とピン先端部との双方の先端同士を突き合わせて当該双方の軸線が直線状となるように保持する第1のステップと、
    前記第1のステップで突き合わされた前記双方の先端同士を耐熱重合金の溶接材で溶接する第2のステップと、
    前記第2のステップで溶接された前記双方の先端部分に盛り上がった溶接材を、当該双方の外周面と一定面となる状態に切削して前記ダイキャスト金型用ピンを完成する第3のステップと
    を含むことを特徴とするダイキャスト金型用ピンの製造方法。
  8. 前記第1のステップにおいて、熱間工具鋼により形成されたピン本体と、前記耐熱重合金により形成されたピン先端部とは、互いが付き合わされる部分に凸部又は凹部による嵌合部分が軸線に沿って形成されており、この形成された嵌合部分でピン本体とピン先端部との双方を嵌合して当該双方の軸線が直線状となるように保持することを特徴とする請求項7に記載のダイキャスト金型用ピンの製造方法。
  9. 内部に冷却用空間を有する金型の外壁に形成された1乃至は複数の貫通口にピン本体が挿通され、この挿通されたピン本体の先端側のピン先端部が冷却用空間に突き出るように金型に組み合わされるダイキャスト金型用ピンの製造方法において、
    前記ピン本体を熱間工具鋼により形成し、この形成されたピン本体の軸方向の所定長の先端部分を、径方向に所定寸法の厚みで削り取る第1のステップと、
    前記第1のステップで削り取られた先端部分を、タングステン及び鉄を主成分とし、モリブデン、コバルト及びクロムを必須成分として合金化した耐熱重合金の溶接材で溶接する第2のステップと、
    前記第2のステップで溶接された先端部分に盛り上がった溶接材を、前記ピン本体の外周面と一定面となる状態で且つ端面がその外周面と直角面となる状態に切削して前記ダイキャスト金型用ピンを完成する第3のステップと
    を含むことを特徴とするダイキャスト金型用ピンの製造方法。
  10. 前記第2のステップの溶接は、前記溶接材を少なくとも3層に分けて溶接することを特徴とする請求項9に記載のダイキャスト金型用ピンの製造方法。
  11. 2つ以上の金型を組み合わせて内部に冷却用空間を形成する金型に、当該金型の冷却用空間で形成された製品を金型の外壁から貫通口を介して挿通されたピン本体で押し出して当該製品を金型から外すダイキャスト金型用ピンの製造方法において、
    前記ピン本体を熱間工具鋼により形成し、この形成されたピン本体の先端面に、耐熱重合金材による所定の厚みの膜を、耐熱重合金による溶接材を溶接して形成する第1のステップと、
    前記第1のステップで形成された膜を、平坦な所定寸法の厚みとなるように削り取ってダイキャスト金型用ピンを完成する第2のステップと
    を含むことを特徴とするダイキャスト金型用ピンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101469187B1 (ko) * 2013-05-30 2014-12-09 이수영 금형제품용 이젝터 핀의 제조방법

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