JP2012016147A - 電池パックおよび電池パックの充放電制御方法 - Google Patents

電池パックおよび電池パックの充放電制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池を備える電池パックにおいて、制御部による無駄な電力の消費を抑制するとともに、制御部が二次電池の温度環境を監視できない場合でも温度履歴を取得し、より電池状態に即した充放電を行う。
【解決手段】
制御部による無駄な電力の消費を抑制するために、二次電池の電圧が低くなりすぎた場合には制御部の電源をOFFする。制御部の電源がOFFとなって二次電池の温度環境を監視できない際は、ゼーベック効果による温度−電圧変換を用いることにより、二次電池の温度環境に応じた電気エネルギーがコンデンサに蓄積される。そして、制御部の電源が復帰した際にコンデンサの電圧を測定し、コンデンサの電圧もしくは充電コンデンサの電圧から基準電圧を引いた差を基に制御部OFF時の温度履歴を得る。制御部OFF時の温度履歴は積算され、積算された温度履歴を基に充放電制御がなされる。
【選択図】図7

Description

この発明は、電池パックおよび電池パックで用いられる制御方法に関し、特に、電池パック内での電力消費を抑制し、かつ二次電池の電池容量等に関係する温度環境を正確に検出することができる電池パックおよび電池パックで用いられる制御方法に関する。
近年、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯型電子機器では、その電源として、近年は例えばリチウムイオン二次電池を用いた電池パックが広く使用されている。リチウムイオン二次電池は、軽量、高容量、残容量検出の容易さ、サイクル寿命の長さといった利点を有する。
二次電池を備える電池パックは、携帯型電子機器やバックアップに用いられることから、様々な使用環境が想定されているが、使用環境によっては二次電池の寿命を縮めてしまう可能性がある。とくに、温度環境の影響は非常に大きい。
そこで、例えば引用文献1に示すように、二次電池を収容した電池パックの内部に、二次電池の温度を測定するための温度検出素子を設けた構成が提案されている。特許文献1では、充電時に、電池パック内部の温度検出素子を利用して、充電器で二次電池の温度を検出するようにしている。
そして、特許文献2のように、充電器および電池パックのそれぞれに温度検出素子を設けて、少なくともいずれかの温度検出素子の出力によって二次電池の充電を制御する技術も提案されている。
さらに、特許文献3のように、二次電池を充電器にはめ込んだ際に、二次電池の表面に温度検出素子が接触するようにした充電器も提案されている。
特開平7−147730号公報 特開平10−94189号公報 特開平10−94189号公報
二次電池の温度を検出する電池パックでは、二次電池の温度に応じて充放電制御を変えることが行われている。
一方、電池パック内の二次電池の電力を無駄に消費しないために、二次電池の電圧が所定値以下となった場合には、制御ICの電源をOFFさせる構成も用いられている。二次電池の充放電制御を行う制御ICは、二次電池の充放電時以外においても二次電池の電圧の監視等により電力を消費している。二次電池は、充放電サイクルが進むほど電池特性が低下し、電池寿命が短命となってしまう。また、電池パックを長期保存した場合に、制御ICの動作により二次電池の電力が消費されて、二次電池の電圧が極端に低下し、その後の充放電が不可とされるおそれもある。このため、二次電池の電力を無駄に消費することを目的として、制御ICの電源がOFFされる。
しかしながら、電池パックの制御ICの電源をOFFすると、二次電池の電圧・温度等の監視を行うことができなくなる。このため、制御ICの電源がOFFされている期間、電池パックが高温環境下に晒された際に生じる二次電池の劣化は、制御ICが検出することができない。したがって、制御ICの電源OFF状態が生じた場合、二次電池の環境温度に応じた精密な制御が困難となる。
したがって、この発明は、制御ICの電源OFF時における二次電池の温度環境を測定することができる構成を有する電池パックおよび電池パックの制御方法を提供することを目的とする。
課題を解決するために、この発明の電池パックは、1または複数の二次電池と、
第1の制御信号により制御され、二次電池に対する放電電流をON/OFFする放電制御スイッチと、
第2の制御信号により制御され、二次電池に対する充電電流をON/OFFする充電制御スイッチと、
第1および第2の制御信号を出力することにより、充電制御スイッチおよび放電制御スイッチを制御する充放電制御部と、
異なる金属材料からなる第1および第2の端子を備え、二次電池と接続され、ゼーベック効果により二次電池の温度に応じた電圧を生じる素子と、素子の電圧に応じた電気エネルギーが蓄えられるコンデンサと、コンデンサに蓄えられた電気エネルギーを放電するためのスイッチとを備える温度履歴測定回路と、
電源OFF時にコンデンサに蓄えられた電気エネルギーを電源ON時に電圧として測定し、この電圧から予め設定された基準電圧を引いた差を基に、所定温度環境下基準超過時間Tcを取得し、所定温度環境下基準超過時間Tcを積算した積算時間Tmを基に充放電制御を行う制御部と、
負荷と接続される第1および第2の接続端子と
を備える
ことを特徴とする。
また、この発明の二次電池の充放電制御方法は、充放電を制御する制御部が、二次電池の電圧が所定値以下であることを検出するOFF電圧検出ステップと、
制御部により、二次電池と接続され、ゼーベック効果により二次電池の温度に応じた電圧を生じる素子の電圧より電気エネルギーが蓄えられるコンデンサを放電させる放電ステップと、
充放電を制御する制御部の電源がOFFされる電源OFFステップと、
素子に生じた電圧により電気エネルギーがコンデンサに蓄積される充電ステップと、
二次電池の電圧が所定値以上となった場合に、制御部の電源がONされる電源ONステップと、
制御部の電源ON時に、制御部によりコンデンサの電圧が測定される電圧測定ステップと、
測定されたコンデンサの電圧から予め設定された基準電圧を引いた差を基に、所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する超過時間取得ステップと、
取得した所定温度環境下基準超過時間Tcを積算して積算時間Tmを算出する積算ステップと、
積算時間Tmを更新する更新ステップと、
積算時間Tmを基に充放電制御を行う制御ステップと
を備えることを特徴とする。
この発明では、制御部の電源がOFFとなり、二次電池の温度環境を監視できない場合であっても、ゼーベック効果による温度−電圧変換を用いることにより、二次電池の温度環境に応じた電気エネルギーがコンデンサに蓄積される。このため、制御部の電源が復帰した際にコンデンサの電圧を測定し、コンデンサ電圧を基に制御部の電源OFF時の温度履歴を得ることができる。したがって、通常充放電動作中に得られた温度履歴を、制御部OFF時の温度履歴で補正することもできる。
この発明によれば、制御部による無駄な電力の消費を抑制するとともに、制御部が二次電池の温度環境を監視できない場合でも温度履歴を取得し、より電池状態に即した充放電を行うことができる。
この発明の電池パックの一構成例を示す回路図である。 この発明の電池パックの制御ICと、温度履歴測定回路の一構成例を示す回路図である。 この発明のゼーベック効果によって温度を電圧に変換する素子の一構成例を示す略線図である。 この発明の電池パックの他の構成を示す回路図である。 この発明の温度履歴測定回路の充電コンデンサに所定の電圧をかけた場合の特性を示すグラフである。 この発明の温度履歴測定回路の充電コンデンサに所定の電圧をかけた場合の異なる温度環境下での特性を示すグラフである。 この発明の制御ICの電源がON状態に復帰した場合際の処理を示すフローチャートである。 この発明の制御ICの電源がOFFされる際の処理を示すフローチャートである。 この発明の電池パックにおける充電処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の電池パックにおける放電処理の流れを示すフローチャートである。 この発明における二次電池の一構成例を示す断面図である。 この発明における二次電池の一構成例を示す断面図である。 この発明の電池パックの一構成例を示す分解斜視図である。 この発明の第3の実施の形態における電池パックの一構成例を示す回路図である。 この発明の第3の実施の形態における制御ICの電源がON状態に復帰した場合際の処理を示すフローチャートである。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(温度履歴検出回路を用いた温度履歴測定方法の例)
2.第2の実施の形態(温度履歴検出回路を備える電池パックの例)
3.第3の実施の形態(温度履歴検出回路を備える電池パックの第2の例)
1.第1の実施の形態
(1−1)電池パックの構成
図1に、この発明の電池パックの回路構成を示す。電池パック1は、二次電池2、保護回路10、プラス端子3aおよびマイナス端子3bならびに通信端子4から構成される。
二次電池2は、例えばリチウムイオン二次電池である。また、複数の二次電池2が直列および/または並列接続された組電池が用いられてもよい。
プラス端子3aおよびマイナス端子3bは、それぞれ図示しない電子機器および充電器(以下、電子機器等と適宜称する)のプラス端子およびマイナス端子に接続され、二次電池2に対する充電および電子機器に対する放電が行われる。通信端子4は、電子機器等との通信を行い、例えば電子機器等に対して電池パックの状態を送信し、必要に応じて電子機器等においてステータス表示を行うためのものである。例えば、電子機器等のアラームランプを点灯させたり、電子機器等の表示部に電池状態を文字やアイコン等で表示させたりすることができる。また、通信端子4を介して電子機器等と通信を行うことにより、電池パック1が正規の製品であるかを認証したり、二次電池2の残容量を電子機器等に通知したりする。
保護回路10は、制御IC(Integrated Circuit;集積回路)11、温度履歴測定回路20、電圧検出回路12、温度検出回路13、電流検出回路14、放電制御FET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)16、充電制御FET17、充放電制御回路18およびメモリ19を備えている。
以下、図2および図3を用いてこの発明の温度履歴測定回路20について説明する。
温度履歴測定回路20は、二次電池2の電圧が所定値以下となったことを検出し、制御ICの電源がOFFされた場合に、二次電池2の環境温度の履歴を測定する。この発明では、二次電池2の環境温度の履歴は、温度履歴測定回路20内の積算回路の電圧によって示される。そして、例えば充電等により二次電池2の電圧が所定値以上となり、制御IC11の電源がONされた場合に、制御IC11によって温度履歴測定回路20内の積算回路の電圧が測定され、制御IC11において二次電池2の環境温度の履歴が判断される。
温度履歴測定回路20は、図2に詳細に示すように、ゼーベック効果を有する素子(以下、素子と適宜称する)21、逆流防止ダイオード22、充電用電流制限抵抗23、充電コンデンサ24、放電スイッチ25および放電用電流制限抵抗26を備えている。
素子21は、プラス端子とマイナス端子とがそれぞれ異なる金属材料からなり、プラス端子とマイナス端子に用いられる異なる金属材料によって生じるゼーベック効果により、二次電池2の電池温度もしくは二次電池2の環境温度を電圧に変換するものである。
素子21はプラス端子とマイナス端子との組み合わせの一例として、下記の表1のような組み合わせを用いることができる。また、表1には、プラス端子とマイナス端子との組み合わせと共に、使用可能な温度範囲を示す。
上述の金属材料を組み合わせた素子21は、単体で用いられてもよい。また、図3に示すように、複数の素子を直列および/または並列に接続して素子21として用いてもよい。
逆流防止ダイオード22は、温度履歴測定回路20の充電および放電時において、電流方向を一定に保つものである。この発明では、素子21に生じた電圧により充電コンデンサ24が充電され、充電コンデンサ24の電圧を基に温度履歴を判断する。したがって、逆流防止ダイオード22により、制御IC11の電源OFF時において、充電コンデンサ24が充電される際に電流が逆流することにより、実際の温度履歴と充電コンデンサ24の電圧との間にずれが生じるのを防止する。
充電用電流制限抵抗23は、充電コンデンサ24の保護のために、充電時に大電流が流れないようにするものである。
充電コンデンサ24は、制御IC11の電源OFF時において、素子21に生じた電圧により充電される。そして、制御IC11が電源ON状態に復帰した際に、制御IC11の電圧検出回路11aによって電圧が測定される。電圧が測定後、充電コンデンサ24は、制御IC11によって放電され、制御IC11の電源OFF時に備えてリセットされる。
放電スイッチ25は、制御IC11の電源OFF時に充電コンデンサ24が充電される際にはOFFとされ、制御IC11が電源ON状態に復帰して、充電コンデンサ24が放電される際にはONとされる。放電スイッチ25のON/OFFは、制御IC11によって制御される。
上述のようなこの発明の温度履歴測定回路20により、制御IC11の電源OFF時における温度履歴を、充電コンデンサ24の電圧から判断することが可能となる。
放電用電流制限抵抗26は、放電時に大電流が流れないようにするものであり、充電用電流制限抵抗23よりも低い抵抗値を有している。
電圧検出回路12は、二次電池2の電圧を検出する。二次電池2が複数設けられている場合には、複数の二次電池2それぞれの電圧を測定する。
温度検出回路13は、サーミスタ等の温度検出素子を備え、例えば電圧によって温度を検出する。
電流検出回路14は、測定した電流検出抵抗15の電圧と、電流検出抵抗15の抵抗値とから、電池パック1内の電流値を測定する。
放電制御FET16および充電制御FET17としては、例えばPチャンネル型FETを用いることができる。放電制御FET16および充電制御FET17のそれぞれのドレイン・ソース間には、寄生ダイオード16aおよび17aが存在する。寄生ダイオード16aは、プラス端子3aから二次電池2の方向に流れる充電電流に対して順方向で、マイナス端子3bから二次電池2の方向に流れる放電電流に対して逆方向の極性を有する。寄生ダイオード17aは、充電電流に対して逆方向で、放電電流に対して順方向の極性を有する。
放電制御FET16および充電制御FET17のそれぞれのゲートには、充放電制御回路18からの制御信号DOおよびCOがそれぞれ供給される。通常の充電動作および放電動作では、制御信号DOが論理“L”レベル(以下、ローレベルと適宜称する)とされて放電制御FET16がON状態とされる。また、制御信号COがローレベルとされて充電制御FET17がON状態とされる。放電制御FET16および充電制御FET17はPチャンネル型であるので、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号DOおよびCOがローレベルとされ、放電制御FET16および充電制御FET17がON状態とされる。一方、制御信号DOおよびCOがハイレベルとされた時には、放電制御FET16および充電制御FET17がOFF状態とされる。
放電制御FET16は寄生ダイオード16aを備え、上述のように保護IC11からの信号に応じてON/OFFされる。放電制御FET16がOFFされた場合には、寄生ダイオード16aを介した充電のみが可能とされる。充電制御FET17は寄生ダイオード17aを備え、保護IC11からの信号に応じてON/OFFされる。充電制御FET17がOFFされた場合には、寄生ダイオード17aを介した放電のみが可能とされる。
また、放電制御FET16および充電制御FET17として、N型FETを用いることもできる。なお、放電制御FET16および充電制御FET17としてN型FETを用いる場合には、図4に示すように、放電制御FET16および充電制御FET17が電池パック内の低電位側に配置される。
放電制御FET16および充電制御FET17のそれぞれのドレイン・ソース間には、寄生ダイオード16aおよび17aが存在する。寄生ダイオード16aは、プラス端子3aから二次電池2の方向に流れる充電電流に対して順方向で、マイナス端子3bから二次電池2の方向に流れる放電電流に対して逆方向の極性を有する。寄生ダイオード17aは、充電電流に対して逆方向で、放電電流に対して順方向の極性を有する。
放電制御FET16および充電制御FET17のそれぞれのゲートには、充放電制御回路18からの制御信号DOおよびCOがそれぞれ供給される。通常の充電動作および放電動作では、制御信号DOが論理“H”レベル(以下、ハイレベルと適宜称する)とされて放電制御FET16がON状態とされる。制御信号COがハイレベルとされて充電制御FET17がON状態とされる。放電制御FET16および充電制御FET17はNチャンネル型であるので、ソース電位より所定値以上高いゲート電位によってONする。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号DOおよびCOがハイレベルとされ、放電制御FET16および充電制御FET17がON状態とされる。
一方、制御信号DOおよびCOがローレベルとされた時には、放電制御FET16および充電制御FET17がOFF状態とされる。放電制御FET16がOFFされた場合には、寄生ダイオード16aを介した充電のみが可能とされ、充電制御FET17がOFFされた場合には、寄生ダイオード17aを介した放電のみが可能とされる。
充放電制御回路18は、放電制御FET16および充電制御FET17に対して制御信号を送信する。
メモリ19は、電池パック1を制御する制御プログラムが記憶されるとともに、電池パックの温度履歴が記憶される。また、電圧−温度積算時間テーブルが記憶される。電圧−温度積算時間テーブルは、制御IC11によって測定された温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24の電圧と、電池パック1もしくは二次電池2が設定温度以上の環境温度下にあった時間とを関連づけたものである。電圧−温度積算時間テーブルについては、後に詳細に説明する。また、電圧−温度積算時間テーブルの代わりに、温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24の電圧と、電池パック1もしくは二次電池2が所定温度以上の環境下にあった時間とを関連づけた数式もしくはグラフ等の関係式が記憶されていても良い。
制御IC11は、メモリ19に記憶されたプログラムに応じて保護回路10の各部を制御する。例えば、制御IC11は、電圧検出回路12で測定された二次電池2の電圧、電流検出回路14で測定された二次電池2の電流に応じて充放電制御回路18に対して制御信号を出力し、充放電の制御を行う。すなわち、二次電池2が過放電状態となった場合および放電電流が過電流状態になった場合には、放電制御FET16をOFFさせるように充放電制御回路18を制御する。また、二次電池2が過充電状態となった場合および充電電流か過電流状態になった場合には、充電制御FET17をOFFさせるように充放電制御回路18を制御する。また、温度検出回路13を用いて検出された二次電池2の温度が高くなりすぎた場合には、放電制御FET16および充電制御FET17の少なくとも一方をOFFさせるように充放電制御回路18を制御してもよい。
電池パック1内にヒューズを設けた場合には、温度検出回路13で測定された二次電池2の温度に応じてヒューズを溶断させ、充放電を切断するように制御することもできる。
また、制御IC11は、二次電池2の電圧が所定値以下となった場合には、制御IC自身の電源をOFFする。そして、二次電池2の電圧が所定値以上となった場合には、制御IC自身の電源をONする。
さらに、制御IC11は、制御IC11自身の電源をOFFした後、再度制御IC11の電源がON状態となった場合には、図2に示す電圧検出回路11aにより温度履歴測定回路20内の積算回路の電圧を測定する。そして、測定した積算回路の電圧と、メモリ19に記憶された電圧−温度積算時間テーブルとから、電池パック1もしくは二次電池2が所定温度以上の環境下にあった時間等の温度履歴を得る。そして、制御IC11の電源が再度ON状態となった場合には、温度履歴測定回路20をリセットするように制御する。
温度履歴は、それまでの温度履歴に対して積算され、メモリ19に記憶される。これにより、制御IC11が二次電池2の温度環境を測定できない状況が存在する場合においても、二次電池2の温度環境を把握することができる。
(1−2)電圧−温度積算時間テーブル
この発明では、温度履歴の算出に、メモリ19に記憶された電圧−温度積算時間テーブルが用いられる。まず、電圧−温度積算時間テーブルについて説明する。
電圧−温度積算時間テーブルは、例えば、温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24の電圧と、電池パック1もしくは二次電池2が設定温度以上の環境温度下にあった時間とを対応づけたものである。また、充電コンデンサ24の電圧から基準となる時間まで電池パック1もしくは二次電池2を設定温度以上の環境温度下に放置したときの充電コンデンサ24の電圧である基準電圧を引いた差と、基準となる時間を超えて設定温度以上の環境温度下にあった超過時間とを対応づけたものであってもよい。電圧−温度積算時間テーブルは、下記のようにして決定される。
なお、下記の説明では、プラス端子にクロメル、マイナス端子にアルメルを用い、100本直列に接続された素子を用いた場合について説明する。また、制御IC11は、二次電池2が90℃の環境下に置かれた90℃環境下放置時間Tc’T=90が基準時間である1000時間以上になった場合に、1000時間を超えた時間を所定温度環境下基準超過時間Tcとして順次積算して行くことにより、積算時間Tmを得る。そして、積算時間Tmに応じて、電池パック1の制御を行うものとして説明する。
図5Aに充電時間と充電コンデンサ24の電圧との関係を示し、図5Bに図5Aに対応する充電時間と環境温度との関係を示す。充電コンデンサ24の電圧は、充電開始時には0[V]となっている。これは、制御IC11の電源がOFF状態となる前に、放電スイッチ25をONさせて充電コンデンサ24を放電させておくためである。そして、充電コンデンサ24は、充電時間が長くなるにしたがってコンデンサ容量が増加し、電圧が上昇する。
充電コンデンサ24の電圧VCを推定するために、充電時間tに依存するVC(t)を下記の式(1)により近似する。
式(1)において、VEは、組電池の温度に応じて変換された素子21の起電力である。RCは、積算時間決定のための時定数である。下記の表2に、素子21のプラス端子にクロメル、マイナス端子にアルメルを用いた場合の起電力テーブルを示す。
なお、表2において、横軸は百の位の温度を示し、縦軸は十の位の温度を示す。
まず、表2の起電力テーブルから、基準温度である90℃における素子ひとつあたりの起電力は3.681[mV]と読み取ることができる。したがって、二次電池2が90℃の環境下にある場合、100本直列に接続された素子21の起電力VEが368.1[mV]となることが分かる。
例えば充電開始時から二次電池2が基準温度である90℃環境下にある状態で1000時間経過した場合、素子21の起電力VE=368.1[mV]、時間t=1000であり、予め設定した基準時間である時定数RC=1000である。したがって、二次電池2が90℃の環境下にある状態で1000時間経過した場合の充電コンデンサ24の電圧VC(1000)は、368.1×{1−Exp(−1)}より232.7[mV]と算出される。この電圧が基準電圧とされる。
算出されたVC(1000)は、基準電圧とされ、制御IC11の電源が復帰した際に電圧検出回路11aによって測定された充電コンデンサ24の電圧VC(t)と基準電圧とが比較される。そして、充電コンデンサ24の電圧VC(t)≧基準電圧となった場合には、制御IC11の電源OFF時に二次電池2が長く高温環境下に晒されたものと判断する。そして、制御IC11は、上述するように、二次電池2が90℃以上の環境下に置かれた時間Tc’のうち、基準時間である1000時間を超えた時間を所定温度環境下基準超過時間Tcとして順次積算した積算時間Tmに応じて、電池パック1の制御を行う。すなわち、この発明で順次積算していく所定温度環境下基準超過時間Tcとは、この例においては90℃の環境下で放置された場合の1000時間を超える部分の時間を示す。
また、制御IC11の電源が復帰した際の充電コンデンサ24の電圧VC(t)から基準電圧を引いた差が0以上、すなわち充電コンデンサ24の電圧VC(t)−基準電圧≧0の場合には、二次電池2が長く高温環境下に晒されたものと判断するようにしてもよい。
電池パック1もしくは二次電池2の温度環境が一定温度であり、この温度が基準温度とされた場合、充電時間t(すなわち制御IC11のOFF時間)と、所定温度環境下放置時間Tc’とが一致する。したがって、基準時間が1000時間の場合、
充電時間t=所定温度環境下放置時間Tc’=所定温度環境下基準超過時間Tc+1000
が成立する。
まず、充電コンデンサ24の電圧VC(t)≧基準電圧となった場合に、制御IC11の電源OFF時に二次電池2が長く高温環境下に晒されたものと判断した場合について説明する。
表3に、この発明の電圧−温度積算時間テーブルの一例を示す。表3の電圧−温度積算時間テーブルは、プラス端子をクロメル、マイナス端子をアルメルとした素子21を用い、基準温度を90℃とした場合の一例である。表3に記載の時間は、所定温度環境下基準超過時間Tcである。また、表3は、充電コンデンサ24の電圧VCと、所定温度環境下基準超過時間Tcとの関係を示す表である。
なお、表3において、横軸は十の位の温度を示し、縦軸は一の位の温度を示す。また、表中の数値は、式(1)から得られた数値を小数第2位で四捨五入した場合の値である。素子としては、クロメル−アルメルを用いたものである。
表3に示す電圧−温度積算時間テーブルは、所定温度環境下基準超過時間Tcに対する充電コンデンサ24の電圧を示している。なお、所定温度環境下基準超過時間Tcは上述のように所定温度環境下放置時間Tc’と基準時間との差分であり、表3は基準時間を1000時間としたものである。
上述したように、基準時間1000時間における基準電圧は232.7[mV]である。したがって、所定温度環境下基準超過時間Tc=0の場合の電圧も232.7[mV]となる。この発明では、検出した充電コンデンサ24の電圧と電圧−温度積算時間テーブルとを比較し、充電コンデンサ24の電圧を基に、所定温度環境下基準超過時間Tcを得ることができる。例えば、充電コンデンサ24が237.6[mV]の場合には、表3から所定温度環境下基準超過時間Tc=37[hour]を得ることができる。一方、充電コンデンサ24の電圧が基準電圧232.7[mV]未満の場合には、所定温度環境下基準超過時間Tcを積算時間Tmに積算しないようにする。このため、表3には充電コンデンサ24の電圧が232.7[mV]未満の場合に対応する所定温度環境下基準超過時間Tcを記載する必要がない。
なお、表3では、所定温度環境下基準超過時間Tcが1時間毎の電圧値を表示しているが、例えば所定温度環境下基準超過時間Tcが10時間毎の電圧値を表示するようにしても良い。この場合、表3を用いる場合に比べて積算時間Tmの精度が落ちるものの、電圧−温度積算時間テーブルのデータ量が小さくなる等の点で好ましい。
また、上述の表3では、式(1)から得られた数値を小数第2位で四捨五入した電圧値を記載しているが、これに限られたものではない。
また、下記の表4のように、表に記載される時間を所定温度環境下放置時間Tc’とし、所定温度環境下放置時間Tc’と基準時間との差から所定温度環境下基準超過時間Tcを得ることもできる。このような演算は、例えば制御IC11でなされる。
なお、表4において、横軸は十の位の温度を示し、縦軸は一の位の温度を示す。また、表中の数値は、式(1)から得られた数値を小数第2位で四捨五入した値である。素子としては、クロメル−アルメルを用いたものである。
表4に示す電圧−温度積算時間テーブルは、所定温度環境下放置時間Tc’に対する充電コンデンサ24の電圧を示している。上述したように、基準時間1000時間における基準電圧は232.7[mV]である。したがって、充電コンデンサ24の電圧と電圧−温度積算時間テーブルとを比較し、充電コンデンサ24の電圧を基に、所定温度環境下放置時間Tc’を求めることができる。所定温度環境下放置時間Tc’が基準時間を超えている場合には、所定温度環境下放置時間Tc’と基準時間との差を演算することにより所定温度環境下基準超過時間Tcを得ることができる。
表4を用いる場合、制御IC11での演算を必要とするものの、ユーザにより基準時間の設定を変更できる点で好ましい。このような設定の変更は、例えば制御IC11が電子機器からの制御信号を通信端子4を介して受信することにより、行うことができる。また、基準時間を数種類設定して基準時間毎の電圧−温度積算時間テーブルを設け、ユーザにより選択された基準時間に応じた電圧−温度積算時間テーブルを選択するようにしても良い。この場合、数種類の電圧−温度積算時間テーブルを記憶するためデータ量が多くなるものの、制御IC11での演算が不要で複数の基準時間を選択できる点で好ましい。
なお、表4のように所定温度環境下放置時間Tc’ に対する充電コンデンサ24の電圧を記載する場合には、広い時間範囲における電圧値、すなわち、少なくとも想定される基準時間の下限値以上の範囲に対応する電圧値を記載する必要がある。
また、充電コンデンサ24の電圧VC(t)から基準電圧を引いた差が0以上となった場合に、制御IC11の電源OFF時に二次電池2が長く高温環境下に晒されたものと判断する場合について説明する。
表5に、この発明の電圧−温度積算時間テーブルの一例を示す。表5の電圧−温度積算時間テーブルは、プラス端子をクロメル、マイナス端子をアルメルとした素子21を用い、基準温度を90℃とした場合の一例である。表5に記載の時間は、所定温度環境下基準超過時間Tcである。また、表5は、充電コンデンサ24の電圧VCから基準電圧を引いた差と、所定温度環境下基準超過時間Tcとの関係を示す表である。基準電圧は、二次電池2が90℃以上の環境下に基準時間である1000時間置かれた場合の電圧である232.7[mV]を基準電圧としている。
なお、表5において、横軸は十の位の温度を示し、縦軸は一の位の温度を示す。また、表中の数値は、式(1)から得られた数値を小数第2位で四捨五入した場合の値である。素子としては、クロメル−アルメルを用いたものである。
表5に示す電圧−温度積算時間テーブルは、所定温度環境下基準超過時間Tcに対する充電コンデンサ24の電圧から基準電圧を引いた差を示している。なお、所定温度環境下基準超過時間Tcは上述のように所定温度環境下放置時間Tc’と基準時間との差分であり、表5は基準時間を1000時間としたものである。
上述したように、90℃環境下、基準時間1000時間における基準電圧は232.7[mV]である。したがって、所定温度環境下基準超過時間Tc=0の場合の電圧差は0[mV]となる。この発明では、検出した充電コンデンサ24の電圧から基準電圧を引いた差と電圧−温度積算時間テーブルとを比較し、充電コンデンサ24の電圧から基準電圧を引いた差を基に、所定温度環境下基準超過時間Tcを得ることができる。例えば、充電コンデンサ24が237.6[mV]の場合には、充電コンデンサ24の電圧から基準電圧を引いた差が4.9[mV]である。表5から所定温度環境下基準超過時間Tc=37[hour]を得ることができる。
一方、充電コンデンサ24の電圧が基準電圧232.7[mV]未満の場合には、充電コンデンサ24の電圧から基準電圧を引いた差が負の値となり、表5に示す電圧−温度積算時間テーブルから、所定温度環境下基準超過時間Tcは得られない。この場合は、所定温度環境下基準超過時間Tcを積算時間Tmに積算しないようにする。このため、表5には充電コンデンサ24の電圧から基準電圧を引いた差が負の値の場合に対応する所定温度環境下基準超過時間Tcを記載する必要がない。
なお、表5では、所定温度環境下基準超過時間Tcが1時間毎の電圧値を表示しているが、表3と同様に例えば所定温度環境下基準超過時間Tcが10時間毎の電圧値を表示するようにしても良い。この場合、表5を用いる場合に比べて積算時間Tmの精度が落ちるものの、電圧−温度積算時間テーブルのデータ量が小さくなる等の点で好ましい。
また、上述の表3では、式(1)から得られた数値を小数第4位で四捨五入した電圧値を記載しているが、これに限られたものではない。
ここで、上述の式(1)によれば、二次電池2の温度が120℃で640時間程度経過した場合にも、充電コンデンサ24の電圧が232.5[mV]となり、90℃で1000時間経過した場合と略同等の電圧となる。また、二次電池2の温度が80℃で300時間経過した後、100℃で450時間程度経過した場合にも、充電コンデンサ24の電圧が233.0[mV]となり、90℃で1000時間経過した場合と略同等の電圧となる。
すなわち、基準温度より高い温度環境下に晒された場合には、充電コンデンサ24の電圧がより早い時間で基準電圧に達する。また、電池パック1の温度環境が一定でない場合には、温度とその温度にあった時間との関係により基準電圧に達する時間が変化する。したがって、この発明では、充電コンデンサ24の電圧を基に、二次電池2の環境温度が一定の温度であったと見なす。そして、基準温度での経過時間に換算した値である所定温度環境下放置時間Tc’を用いて電池パック1の状態を判断することができる。
例えば、図6に、充電コンデンサ24の充電電圧を示す。図6において、二次電池2の環境温度が90℃(一定)の場合を実線、120℃(一定)の場合を点線で示す。この場合、90℃で1000時間充電した場合の充電コンデンサ24の電圧Vct=90と、120℃で640時間充電した場合の充電コンデンサ24の電圧Vct=120とが略同等となる。
したがって、この発明において120℃における充電時間t=640と、90℃における充電時間t=1000とは、実質的な充電時間は異なるものの、温度履歴の観点から同等であるとみなされる。すなわち、120℃における充電時間t=640は、90℃環境下放置時間Tc’T=90に換算すると、Tc’=1000[hour]と考えることができる。
また、同様に、(80℃における充電時間t=300)+(100℃における充電時間t=450)と、90℃における充電時間t=1000とは、実質的な充電時間は異なるものの、温度履歴の観点から同等であるとみなされる。
同様にして、二次電池2の環境温度が常に一定でない場合についても、充電コンデンサ24の電圧Vcから例えば90℃等の基準温度に換算した場合の所定温度環境下放置時間Tc’および所定温度環境下基準超過時間Tcを得ることができる。
これにより、一般的に一定しない温度環境下で充電される電池パック1の状態を例えば90℃等の一定温度基準に置き換えた時間で表し、比較することができる。すなわち、電池パック1の温度環境は常に一定ではなく、電池パック1の置かれた環境や季節によって変化する。したがって、このように変化する温度環境にある電池パック1を、ある一定の温度環境に放置されていたものとして、基準温度での放置時間に換算することができる
。これにより、単に時間や温度だけでなく、時間と温度が相関した本願発明の所定温度環境下放置時間Tc’および所定温度環境下基準超過時間Tcによって、電池状態を一定基準で判断することができる。
なお、基準温度は任意に設定可能である。例えば基準温度を100℃、基準時間を1000時間とした場合、基準電圧VC(1000)は258.9[mV]と算出される。また、基準温度を120℃、基準時間を1000時間とした場合、基準電圧VC(1000)は310.9[mV]と算出される。
このようにして、素子21の金属材料の組み合わせ、温度および充電時間に対応する充電コンデンサ24の電圧Vcをまとめたテーブルを電圧−温度積算時間テーブルとする。制御IC11は、測定した充電コンデンサ24の電圧VCを電圧−温度積算時間テーブルと比較する。そして、制御IC11の電源がOFF状態となっている間に、基準温度環境下に晒されたとみなされる所定温度環境下放置時間Tc’もしくは基準時間を超えた分の時間である所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する。制御IC11は、制御IC11の電源がOFF状態からON状態に復帰する毎に所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する。そして、積算した積算時間Tmを記憶する。そして、積算時間Tmが基準時間を超えた場合には、例えば充放電を永久的に中止したり、電池パック1の充放電永久中止領域が近いことをユーザに警告するように制御を行う。
なお、積算時間Tmは、制御IC11の電源OFF時における所定温度環境下基準超過時間Tcのみでなく、制御IC11の電源がON状態における温度積算時間Tdも積算されたものである。制御IC11の電源がONとされている場合には、温度検出回路13により検出された電圧を基に二次電池の温度を検出する。温度積算時間Tdは、従来用いられた方法により算出することができるが、例えば所定の電圧値もしくは電圧値から換算した温度以上となった時間をカウンタでカウントすることによって得ることができる。
上記説明で用いた数値は、上述の通り、プラス端子をクロメル、マイナス端子をアルメルとした素子21を用いた場合の一例である。この他の金属材料が組み合わされた場合の起電力テーブルを、表6〜表8に示す。表6は、プラス端子を鉄、マイナス端子をコンスタンタンとした場合の起電力テーブルである。表7は、プラス端子を銅、マイナス端子をコンスタンタンとした場合の起電力テーブルである。表8は、プラス端子を白金・ロジウム、マイナス端子を白金とした場合の起電力テーブルである。電池パック1のプラス端子とマイナス端子に用いる金属材料の組み合わせにより、対応する起電力テーブルと式(1)とから得た電圧−温度積算時間テーブルをメモリ19に記憶させ、所定温度環境下基準超過時間Tcおよび積算時間Tmを算出する。
この発明では、上述の電圧−温度積算時間テーブルを用いて、二次電池2の温度履歴が下記のようにして算出される。
(1−3)温度履歴算出方法
この発明の温度履歴算出方法では、制御IC11が電源OFF状態から電源ON状態に復帰する際になされる第1の処理と、制御IC11が電源ON状態から電源OFF状態となる際になされる第2の処理を有している。そして、以下、それぞれの処理について説明する。
[第1の処理]
第1の処理は、制御ICのパワー復帰時の処理である。二次電池2の温度履歴は、制御IC11が電源OFF状態から電源ON状態に復帰する際に、制御IC11が温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24の電圧を読み出すことにより測定される。以下、制御IC11が電源OFF状態から電源ON状態に復帰する際の制御IC11における処理を説明する。なお、第1の処理における電池パック1の初期状態は、二次電池2の電圧が所定値以下となり、制御ICがOFF状態となった状態である。なお、以下の説明では、表5に示すような電圧−温度積算時間テーブルを用い、充電コンデンサ24の電圧から基準電圧を引いた差から直接所定温度環境下基準超過時間Tcを求める例について説明する。
図7のステップS1に示すように、二次電池2の電圧が充電等により所定電圧以上となると、制御IC11の電源がONとなる。次に、処理がステップS2に移り、制御IC11の電圧測定回路11aにより、温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24の電圧VCを測定する。
続いて、ステップS3において、充電コンデンサ24の電圧VCから基準電圧を引いた差が0以上であるか否かを判断する。ステップS3において充電コンデンサ24の電圧VC−基準電圧≧0であると判断された場合には、制御IC11の電源OFF期間中に電池パック1もしくは二次電池2が高温環境下に基準時間以上放置されたものと判断され、処理がステップS4に移る。なお、基準電圧は、例えば、90℃環境下に1000時間放置したとみなされる232.7[mV]等の数値である。
一方、ステップS3において充電コンデンサ24の電圧VC−基準電圧≧0でないと判断された場合には、制御IC11の電源OFF期間中に電池パック1もしくは二次電池2が高温環境下に基準時間以上放置されていないものと判断される。この場合には、所定温度環境下基準超過時間Tcを得ずに、処理がステップS7に移る。
続いて、ステップS4において、充電コンデンサ24の電圧VCから基準電圧を引いた差(電圧VC−基準電圧)と電圧−温度積算時間テーブルとを比較し、制御IC11の電源OFF時における所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する。そして、ステップS5において、メモリ19に記憶されている積算時間Tmを取得し、ステップS6において所定温度環境下基準超過時間Tcを積算時間Tmに積算し、新たな積算時間Tmとしてメモリ19に記憶する。
続いて、ステップS7において放電スイッチ25をONさせる制御信号を出力する。放電スイッチ25がONされることにより、温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24に蓄えられた電力が放電され、温度履歴測定回路20がリセットされる。制御IC11は、充電コンデンサ24の容量が0となるまで放電スイッチ25がONされるように放電スイッチ25を制御する。制御IC11は、放電スイッチ25を所定時間ONするように制御した後、放電スイッチ25への制御信号の送信を停止する。また、制御IC11の電源がOFFされるまで放電スイッチ25を常にONし続けるようにしてもよい。
そして、ステップS8において、所定温度環境下基準超過時間Tcが積算された積算時間Tmが例えば2000時間等に設定された設定時間を超えたか否かが判断される。積算時間Tmが設定時間を超えていないと判断された場合には、処理がステップS9に移り、通常の充放電動作が行われる。なお、ステップS9の通常モードは、制御IC11の電源がOFFされない範囲での充放電動作を示す。一方、積算時間Tmが設定時間を超えたと判断された場合には、処理がステップS10に移り、二次電池2が長時間高温に晒されたものとしてその後の充放電が禁止される。
[第2の処理]
第2の処理は、制御ICのパワーダウン時の処理である。二次電池2の温度履歴は、制御IC11が電源OFF状態となると、温度検出回路13の測定結果をモニターできない。このため、温度履歴測定回路20により、ゼーベック効果により電池温度を電圧に変換し、充電コンデンサ24を充電して温度履歴を検出する。以下、制御IC11の電圧が所定値以下となり、電源ON状態から電源OFF状態に移る際の制御IC11における処理を説明する。なお、第2の処理における電池パック1の初期状態は、制御ICの電源がONされた状態である。
図8のステップS11に示すように、電圧検出回路12を監視することにより、二次電池2の電圧Vを測定する。ステップS12で、二次電池2の電圧Vが電源オフ電圧未満となったか否かが判断される。ステップS12において、二次電池2の電圧Vが電源オフ電圧未満となっていないと判断された場合には、処理がステップS11に戻る。そして、ステップS12において、二次電池2の電圧Vが電源オフ電圧未満であると判断された場合には、処理がステップS13に移る。ステップS13では、制御IC11が、温度履歴測定回路20の放電スイッチ25をONするように制御する。これにより、温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24が放電される。
ステップS14において温度履歴測定回路20の放電回路がリセットされたかを判断する。ステップS14において放電回路がリセットされたと判断されなかった場合には、処理がステップS13に戻り、充電コンデンサ24の放電動作を継続する。ステップS14において放電回路がリセットされたと判断された場合には、処理がステップS15に移り、放電スイッチ25をOFFするように制御する。最後に、制御IC11の電源をOFFとして、制御IC11での処理を終了する。この後、温度履歴測定回路20では、素子21で発生した電圧により充電コンデンサ24が充電され、制御IC11の電源がONされるまで、充電コンデンサ24の充電が継続される。
(1−4)充放電時の動作
この発明の電池パック1では、下記のような充電時動作がなされる。
[充電時の動作]
図9は、制御IC11が電源OFF状態の電池パック1の充電動作を示すフローチャートである。なお、図9において、図7のフローチャートと同じ動作を示す部分には同じ参照符号を付す。
ステップS20に示すように、電池パック1に充電器が接続されて充電が開始される。そして、ステップS21において、二次電池2の電圧が電源復帰電圧以上となったか否かが判断される。ステップS21において、二次電池2の電圧が電源復帰電圧以上となったと判断されなかった場合には、二次電池2の電圧が電源復帰電圧以上となるまで処理が継続される。また、ステップS21において、二次電池2の電圧が電源復帰電圧以上となったと判断された場合には、処理がステップS1に移る。
ステップS1では、電池パック1の制御ICの電源がONされる。続いて、ステップS22において、温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24の電圧を基に、温度履歴の取得・更新がなされる。なお、図9におけるステップS22は、図7のフローチャートにおけるステップS2〜ステップS7の動作を示す。
そして、ステップS8において、所定温度環境下基準超過時間Tcが積算された積算時間Tmが設定時間を超えたか否かが判断される。ステップS8において積算時間Tmが設定時間を超えたと判断された場合には、処理がステップS27に移る。ステップS27では、制御IC11が放電制御FET16および充電制御FET17をOFFさせるように充放電制御回路18を制御する。一方、ステップS8において積算時間Tmが設定時間を超えていないと判断された場合には、処理がステップS23に移る。
ここで、ステップS27は、図7のフローチャートにおけるステップS10であり、二次電池2が長時間高温に晒されたものとしてその後の充放電が禁止され、放電制御FET16および充電制御FET17が永久にOFFとされる。
ステップS23では、二次電池2の充電が開始(継続)される。なお、ステップS23〜ステップS26の動作は、図7のフローチャートにおけるステップS9の通常モードに含まれる。ステップS9の通常モードは、制御IC11の電源がOFFされない範囲での充放電動作を示す。
続いて、ステップS24で二次電池2の電圧Vおよび電流Iが測定される。ステップS24で得た電圧Vおよび電流Iを基に、ステップS25において、二次電池2が満充電状態となったか否かが判断される。満充電状態は、二次電池2の材料や電池パック1の構成により選択された充電方式に応じて任意に設定できるものである。例えば、定電流・定電圧充電を行う場合には、二次電池2の電圧が一定となった後、電流が所定値以下に減少した時点で満充電と判断する。また、定電流充電と定電圧充電との総充電時間により、満充電を検出するようにしてもよい。
ステップS25において、二次電池2が満充電状態でないと判断された場合には、処理がステップS24に戻り、充電が継続される。ステップS25において二次電池2が満充電状態であると判断された場合には、制御IC11が充電制御FET17をOFFさせるように充放電制御回路18を制御する。これにより、充電動作が終了する。
なお、ステップS25では、満充電状態のみならず、過充電状態または充電過電流状態を検出することによっても制御IC11が充電制御FET17をOFFさせるように充放電制御回路18を制御する。OFFされた充電制御FET17では、寄生ダイオード17aにより、放電のみ可能とされる。したがって、過充電状態となった場合でも放電が可能であり、二次電池2の電圧が正常範囲となった場合には、充電制御FET17が再度ONされて、充放電が可能となる。
[放電時の動作]
図10は、電池パック1の放電動作を示すフローチャートである。なお、図10において、図8のフローチャートと同じ動作を示す部分には同じ参照符号を付す。
ステップS31で放電が開始されると、ステップS32において二次電池2の電圧Vおよび電流Iが測定される。ステップS32で得た電圧Vおよび電流Iを基に、ステップS33において、二次電池2が過放電状態となったか否かが判断される。過放電状態は、例えば、二次電池2の電圧Vが、二次電池2の材料や電池パック1の構成により任意に設定された放電終止電圧以下となるか否かで判断される。
ステップS33において、二次電池2が過放電状態でないと判断された場合には、処理がステップS32に戻り、放電が継続される。ステップS33において二次電池2が過放電状態であると判断された場合には、処理がステップS34に移る。ステップS34では、制御IC11が放電制御FET16をOFFさせるように充放電制御回路18を制御する。これにより、放電動作が終了する。
放電動作終了後、電池パック1は、充電等により二次電池2の電圧が放電終止電圧を超えた場合に、再度充放電が可能となる。
また、電池パック1の自己放電等により二次電池2の電圧が低下し続け、電源オフ電圧未満となった場合には、図8に示すような動作がなされる。すなわち、放電停止後も制御IC11は電源がONとされ、二次電池2の電圧を監視する。そして、二次電池2の電圧が放電終止電圧よりも低い電源オフ電圧未満となった場合には、制御IC11の電源をOFFするための準備に入る。
このとき、図8のステップS13ないしステップS15に示すように、温度履歴測定回路20の放電スイッチをONさせて充電コンデンサ24を放電させ、温度履歴測定回路20をリセットする。電池パック1が充電器に接続されて、二次電池2の電圧が上昇した場合には、充放電が可能とされる。また、取得した温度履歴に応じて、永久的に充放電が禁止される。
以上の動作により、二次電池の電力の無駄な消費を防止し、電池寿命の長期化を実現するために、二次電池の電圧低下時に制御ICの電源をOFFさせる電池パックにおいて、正確な二次電池の温度履歴を得ることができる。すなわち、制御ICの電源がOFF状態となり、二次電池の温度環境を監視できない電池パックにおいて、制御ICの電源復帰時に二次電池の温度履歴の補正を正確に行うことができる。このため、二次電池の状態に応じた制御が可能となり、より二次電池の長寿命化、充放電制御の最適化を図ることができる。
2.第2の実施の形態
第2の実施の形態では、この発明の第1の実施の形態における二次電池2の温度履歴検出回路を備える電池パック1の構成について説明する。
(2−1)電池パックの第1の構成
図11は、この発明の二次電池2の断面構造を示す。この電池は、例えばリチウムイオン二次電池である。
図11に示すように、この二次電池2は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶41の内部に、帯状の正極51と帯状の負極52とがセパレータ53を介して巻回された巻回電極体50を有している。電池缶41は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶41の内部には、巻回電極体50を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板46,47がそれぞれ配置されている。
電池缶41の開放端部には、電池蓋42と、この電池蓋42の内側に設けられた安全弁機構43および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)44とが、絶縁封口ガスケット45を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶41の内部は密閉されている。電池蓋42は、例えば、電池缶41と同様の材料により構成されている。
安全弁機構43は、熱感抵抗素子44を介して電池蓋42と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板43Aが反転して電池蓋42と巻回電極体50との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子44は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。絶縁封口ガスケット45は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体50は、例えば、センターピン54を中心に巻回されている。巻回電極体50の正極51にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード55が接続されており、負極52にはニッケル(Ni)などよりなる負極リード56が接続されている。正極リード55は安全弁機構43に溶接されることにより電池蓋42と電気的に接続されており、負極リード56は電池缶41に溶接され電気的に接続されている。
図12は図11に示した巻回電極体50の一部を拡大して表すものである。
[正極]
正極51は、例えば、正極集電体51Aと、正極集電体51Aの両面に設けられた正極活物質層51Bとを有している。なお、正極集電体51Aの片面のみに正極活物質層51Bが存在する領域を有するようにしてもよい。正極集電体51Aは、例えば、アルミニウム(Al)箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層51Bは、例えば、正極活物質と、繊維状炭素やカーボンブラック等の導電剤と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤とを含む。正極活物質としては、例えば、LiXMO2(式中、Mは、一種以上の遷移金属を表し、xは、電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である)を主体とする、リチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)等が挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。例えば、ニッケルコバルト複合リチウム酸化物(LiNi0.5Co0.52、LiNi0.8Co0.22等)がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。さらに、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V25等のリチウムを有しない金属硫化物または金属酸化物を使用してもよい。正極活物質としては、これら材料を複数混合して用いてもよい。
また、導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が用いられる。
[負極]
負極52は、例えば、負極集電体52Aと、負極集電体52Aの両面に設けられた負極活物質層52Bとを有している。なお、負極集電体52Aの片面のみに負極活物質層52Bが存在する領域を有するようにしてもよい。負極集電体52Aは、例えば銅(Cu)箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層52Bは、例えば負極活物質を含んでおり、必要に応じて導電剤、結着剤あるいは粘度調整剤などの充電に寄与しない他の材料を含んでいてもよい。導電剤としては、黒鉛繊維、金属繊維あるいは金属粉末などが挙げられる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素系高分子化合物、またはスチレンブタジエンゴム(SBR)あるいはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDR)などの合成ゴムなどが挙げられる。
負極活物質としては、対リチウム金属2.0V以下の電位で電気化学的にリチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されている。
リチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料、金属化合物、酸化物、硫化物、LiN3などのリチウム窒化物、リチウム金属、リチウムと合金を形成する金属、あるいは高分子材料などが挙げられる。
炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維あるいは活性炭が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
このようなリチウム(Li)を吸蔵および離脱可能な負極材料のなかでも、充放電電位が比較的リチウム金属に近いものが好ましい。負極52の充放電電位が低いほど電池の高エネルギー密度化が容易となるからである。なかでも炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性を得ることができるので好ましい。
リチウム(Li)を吸蔵および離脱可能な負極材料としては、また、リチウム金属単体、リチウム(Li)と合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が挙げられる。これらは高いエネルギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうち2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。これらの合金あるいは化合物としては、例えば、化学式MafMbgLih、あるいは化学式MasMctMduで表されるものが挙げられる。これら化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはリチウムおよびMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、Mcは非金属元素の少なくとも1種を表し、MdはMa以外の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表す。また、f、g、h、s、tおよびuの値はそれぞれf>0、g≧0、h≧0、s>0、t>0、u≧0である。
なかでも、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素(Si)あるいはスズ(Sn)、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
リチウムを吸蔵・放出可能な負極材料としては、さらに、酸化物、硫化物、あるいはLiN3などのリチウム窒化物などの他の金属化合物が挙げられる。酸化物としては、MnO2、V25、V613、NiS、MoSなどが挙げられる。その他、比較的電位が卑でリチウムを吸蔵および放出することが可能な酸化物として、例えば酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズなどが挙げられる。硫化物としてはNiS、MoSなどが挙げられる。
[セパレータ]
セパレータ53としては、例えば、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム、合成樹脂製不織布などを用いることができる。セパレータ53には、液状の電解質である非水電解液が含浸されている。
[非水電解液]
非水電解液は、液状の溶媒、例えば有機溶媒などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解された電解質塩とを含むものである。
非水溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)およびプロピレンカーボネート(PC)などの環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。特に、エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)とを混合して含むようにすれば、よりサイクル特性を向上させることができるので好ましい。
非水溶媒は、また、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)あるいはメチルプロピルカーボネート(MPC)などの鎖状炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。サイクル特性をより向上させることができるからである。
非水溶媒は、さらに、2,4−ジフルオロアニソールおよびビニレンカーボネート(VC)のうちの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。2,4−ジフルオロアニソールは放電容量を改善することができ、ビニレンカーボネート(VC)はサイクル特性をより向上させることができるからである。特に、これらを混合して含んでいれば、放電容量およびサイクル特性を共に向上させることができるのでより好ましい。
非水溶媒は、さらに、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、これら化合物の水素基の一部または全部をフッ素基で置換したもの、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシドあるいはリン酸トリメチルなどのいずれか1種または2種以上を含んでいてもよい。
組み合わせる電極によっては、上記非水溶媒群に含まれる物質の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものを用いることにより、電極反応の可逆性が向上する場合がある。したがって、これらの物質を適宜用いることも可能である。
電解質塩としては、リチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、リチウム塩としては、例えば六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl4)などの無機リチウム塩や、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(CF3SO22)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiN(C25SO22)、およびリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3SO23)などのパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体などが挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することも可能である。中でも、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)は、高いイオン伝導性を得ることができると共に、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
(2−2)電池パックの構成
電池パック1は、上述の二次電池2に保護回路10を接続したものである。
図13は、この発明の一実施形態による電池パック1の一構成例を示す斜視分解図である。電池パック1には、例えば、4本の二次電池2aないし10d(以下、二次電池2と適宜称する)が用いられ、二次電池2aないし10dが順に直列に接続されたものである。
二次電池2のプラス端子側には、例えば接続板6aが配置され、二次電池2と接続板6aとが電気的に接続される。図11に示すように、接続板6aは、保護回路10を備えた回路基板61と電気的に接続される。
また、二次電池2のマイナス端子側には、接続板6bが配置され、二次電池2と接続板6bとが電気的に接続される。接続板6bは、回路基板61と電気的に接続される。
回路基板61は、電子機器と電池パック1とを接続するためのコネクタ5を有している。コネクタ5は、電池パック1の外部に露出するように構成されており、プラス端子3a、マイナス端子3bおよび通信端子4等の端子が備えられている。コネクタ5は、充電器または電子機器のコネクタと嵌合することにより、充電器または電子機器と電池パック1が電気的に接続される。
これらの二次電池2、接続板6aおよび6bおよび保護回路10およびコネクタ5を備える回路基板61は、上ケース60aと下ケース60bとからなる外装ケースに収容される。上ケース60aおよび下ケース60bは、例えばプラスチックモールドケースからなる。そして、上ケース60aおよび下ケース60bの少なくとも一方には、上ケース60aおよび下ケース60bを嵌合した際にコネクタ5を電池パック1の外部に露出させるための凹部が設けられている。
なお、上述の電池パック1は、円筒型非水電解質二次電池を用いた電池パックの一例である。二次電池2は、ラミネートフィルムで外装された薄型電池、コイン型もしくはボタン型電池、角形電池など、種々の形状の電池を用いることができる。
また、上述の電池パック1は、コネクタ5を備えた構成とされているが、保護回路10を備える矩形状の回路基板の一面に導電性の接点部が設けられており、この接点部を外部に露出させるようにして作製した電池パック構成としてもよい。
この発明の特徴は、二次電池2の制御部にあるため、二次電池2の構成によらず適用することが可能である。
3.第3の実施の形態
第3の実施の形態では、この発明の第1の実施の形態における二次電池2の温度履歴検出回路を備える電池パック1の他の構成について説明する。
(3−1)回路構成
図14は、第3の実施の形態における二次電池2の温度履歴検出回路を備える電池パック1の回路構成を示す回路図である。第3の実施の形態における回路構成は、表示部70を設ける点で第1の実施の形態と異なる。以下、表示部70以外の説明は省略する。
表示部70は、電池パック1の表面に設けられ、電池パック1の状態をユーザに知らせる機能を備える。表示部70としては、具体的にLCD(Liquid Crystal Display;液晶表示装置)等の表示装置およびLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)等の、文字情報等の表示もしくは点灯により情報を通知する機能を備える装置が用いられる。
第3の実施の形態では、積算時間Tmに基づく電池の制御情報を表示部70に表示させることにより、ユーザに電池パック1もしくは二次電池2の状態を通知する。
なお、電池パック1に設ける表示部70は、電子機器の電池パック1挿入部に窓部を設け、電池パック1が電子機器に挿入された状態でユーザが確認できるように構成する必要がある。
(3−2)制御方法
図15は、表示部70を備える第3の実施の形態の電池パック1の制御方法を示すフローチャートの一例である。第3の実施の形態では電池パック1の充放電が永久に禁止される前の一定の期間、表示部70に電池パック1の充放電永久禁止が近いことを知らせる表示を行うことを特徴とする。
図15のステップS41に示すように、二次電池2の電圧が充電等により所定電圧以上となると、制御IC11の電源がONとなる。次に、処理がステップS42に移り、制御IC11の電圧測定回路11aにより、温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24の電圧VCを測定する。
続いて、ステップS43において、電圧VCと基準電圧とを比較する。ステップS43において電圧VC≧基準電圧であると判断された場合には、制御IC11の電源OFF期間中に電池パック1もしくは二次電池2が高温環境下に基準時間以上放置されたものと判断され、処理がステップS44に移る。なお、基準電圧は、例えば、90℃環境下に1000時間放置したとみなされる232.7[mV]等の数値である。
一方、ステップS43において電圧VC≧基準電圧でないと判断された場合には、制御IC11の電源OFF期間中に電池パック1もしくは二次電池2が高温環境下に基準時間以上放置されていないものと判断される。この場合には、所定温度環境下基準超過時間Tcを得ずに、処理がステップS47に移る。
続いて、ステップS44において、充電コンデンサ24の電圧VCと電圧−温度積算時間テーブルとを比較し、制御IC11の電源OFF時における所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する。そして、ステップS45において、メモリ19に記憶されている積算時間Tmを取得し、ステップS46において所定温度環境下基準超過時間Tcを積算時間Tmに積算し、新たな積算時間Tmとしてメモリ19に記憶する。
続いて、ステップS47において放電スイッチ25をONさせる制御信号を出力する。放電スイッチ25がONされることにより、温度履歴測定回路20の充電コンデンサ24に蓄えられた電力が放電され、温度履歴測定回路20がリセットされる。制御IC11は、充電コンデンサ24の容量が0となるまで放電スイッチ25がONされるように放電スイッチ25を制御する。制御IC11は、放電スイッチ25を所定時間ONするように制御した後、放電スイッチ25への制御信号の送信を停止する。
そして、ステップS48において、積算時間Tmと第1の設定時間を比較し、積算時間Tm>第1の設定時間であると判断された場合には、処理がステップS51に移る。ステップS51では、放電制御FET16および充電制御FET17がOFFされることにより、充放電が禁止される。これにより処理が終了する。ここで、ステップS48における第1の設定時間は、図7のステップS8で用いた設定時間と同じく、充放電を永久に禁止させるための設定時間である。
ステップS48において積算時間Tm>第1の設定時間でないと判断された場合には、処理がステップS49に移る。ステップS49において、積算時間Tmと第1の設定時間よりも短く設定された第2の設定時間とが比較される。ステップS49において積算時間Tm>第2の設定時間でないと判断された場合には、処理がステップS50に移り、通常の充放電動作が行われる。
一方、ステップS49において積算時間Tm>第2の設定時間であると判断された場合には、処理がステップS52に移る。ステップS52では、制御IC11が表示部70に対して電池パック1の充放電永久禁止が近いことを知らせる文字表示もしくはランプの点灯、点滅等をさせるための制御信号を送信し、表示を行わせる。すなわち、第1の設定時間>積算時間Tm>第2の設定時間の状態にある場合には、充放電永久禁止が近いことを知らせる文字表示もしくはランプの点灯、点滅等を行う。なお、充放電については継続して行うことができる。このため、ステップS52での処理の後、処理がステップS50に移り、通常の充放電動作が行われる。
このような制御を行うことにより、電池パック1の充放電が突然永久禁止状態となることを防止する。すなわち、ユーザに対して予め永久禁止状態が近いことを知らせることにより、ユーザに予備の電池パック1の準備期間を与えることができる。
また、表示部70を設けず、充放電永久禁止が近いことを知らせる文字表示もしくはランプの点灯、点滅等をさせるための制御信号を通信端子4を介して電子機器側に送信する構成としても良い。電子機器側の表示部に電池パック1の状態を表示させることで、ユーザへの通知がより容易となるため好ましい。
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、オリビン結晶構造を有する複合酸化物粒子以外の化合物で、上述のような充電末期に急激な電圧変動を有する化合物を用いた場合も、本願発明と同様の方法により充電終了を検出することができる。また、上述の各実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。二次電池の種類に応じて電池状態の判定基準が異なるため、用いる二次電池に応じて適切な基準値を設定する。
また、電池パックの構造についても、任意の構造を用いることができる。
1・・・電池パック
2・・・二次電池
3a・・・プラス端子
3b・・・マイナス端子
4・・・通信端子
10・・・保護回路
11・・・制御IC
12,11a・・・電圧検出回路
13・・・温度検出回路
14・・・電流検出回路
15・・・電流検出抵抗
16・・・放電制御FET
17・・・充電制御FET
16a,17a・・・寄生ダイオード
18・・・充放電制御回路
19・・・メモリ
20・・・温度履歴測定回路
21・・・素子
22・・・逆流防止ダイオード
23・・・充電用電流制限抵抗
24・・・充電コンデンサ
25・・・放電スイッチ
26・・・放電用電流制限抵抗
70・・・表示部

Claims (15)

  1. 1または複数の二次電池と、
    第1の制御信号により制御され、上記二次電池に対する放電電流をON/OFFする放電制御スイッチと、
    第2の制御信号により制御され、上記二次電池に対する充電電流をON/OFFする充電制御スイッチと、
    上記第1および第2の制御信号を出力することにより、上記充電制御スイッチおよび上記放電制御スイッチを制御する充放電制御部と、
    異なる金属材料からなる第1および第2の端子を備え、上記二次電池と接続され、ゼーベック効果により該二次電池の温度に応じた電圧を生じる素子と、該素子の電圧に応じた電気エネルギーが蓄えられるコンデンサと、該コンデンサに蓄えられた電気エネルギーを放電するためのスイッチとを備える温度履歴測定回路と、
    電源OFF時に上記コンデンサに蓄えられた電気エネルギーを電源ON時に電圧として測定し、該電圧から予め設定された基準電圧を引いた差を基に、所定温度環境下基準超過時間Tcを取得し、該所定温度環境下基準超過時間Tcを積算した積算時間Tmを基に充放電制御を行う制御部と、
    負荷と接続される第1および第2の接続端子と
    を備える電池パック。
  2. 上記所定温度環境下基準超過時間Tcと、該コンデンサの電圧とが対応づけられたテーブルとを記憶する記憶部
    を備え、
    上記制御部が、電源ON時に測定した上記コンデンサの電圧と上記テーブルとを基に上記所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する
    請求項1に記載の電池パック。
  3. 上記記憶部に基準電圧が記憶され、
    上記制御部の電源ON時に測定した上記コンデンサの電圧から予め設定された基準電圧を引いた差が0を超える場合に上記所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する
    請求項2または請求項3に記載の電池パック。
  4. 上記制御部が、
    上記二次電池の電圧が所定値以上となった場合に電源がONとなり、
    上記温度履歴測定回路の上記コンデンサの電圧を測定し、
    上記テーブルと該コンデンサの電圧とを基に上記所定温度環境下基準超過時間Tcを取得し、
    上記メモリに記憶された積算時間Tmに対して該所定温度環境下基準超過時間Tcを積算して積算時間Tmを更新する
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電池パック。
  5. 上記制御部が、
    上記二次電池の電圧が所定値以下となった場合に、上記温度履歴測定回路の上記充電コンデンサを放電させた状態で電源がOFFとなる
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電池パック。
  6. 上記制御部が、
    上記温度履歴測定回路の上記スイッチをOFFさせることにより上記充電コンデンサの放電を行う
    請求項5に記載の電池パック。
  7. 上記制御部が、
    上記積算時間Tmが第1の設定時間を超えた場合に、上記二次電池の充放電を永久的に禁止させる
    請求項1に記載の電池パック。
  8. 表示部をさらに備え、
    上記制御部が、
    上記積算時間Tmが上記第1の設定時間より短い第2の設定時間を超えた場合に、上記二次電池の充放電永久禁止状態が近いことを上記表示部に表示させる
    請求項7に記載の電池パック。
  9. 上記二次電池の温度を検出する検出部を備え、
    上記積算時間Tmが
    上記検出部により検出した温度を基にした温度履歴Tdと上記所定温度環境下基準超過時間Tcとを積算したものである
    請求項1に記載の電池パック。
  10. 上記制御部が、
    上記二次電池の電圧、電流および電池温度を監視し、監視結果に応じて該上記充電制御スイッチおよび上記放電制御スイッチに対して制御信号を出力することにより上記充電制御スイッチおよび上記放電制御スイッチをOFFさせる
    請求項1に記載の電池パック。
  11. 充放電を制御する制御部が、二次電池の電圧が所定値以下であることを検出するOFF電圧検出ステップと、
    上記制御部により、上記二次電池と接続され、ゼーベック効果により該二次電池の温度に応じた電圧を生じる素子の電圧より電気エネルギーが蓄えられるコンデンサを放電させる放電ステップと、
    充放電を制御する制御部の電源がOFFされる電源OFFステップと、
    上記素子に生じた電圧により電気エネルギーが上記コンデンサに蓄積される充電ステップと、
    上記二次電池の電圧が所定値以上となった場合に、上記制御部の電源がONされる電源ONステップと、
    上記制御部の電源ON時に、上記制御部により上記コンデンサの電圧が測定される電圧測定ステップと、
    測定された上記コンデンサの電圧から予め設定された基準電圧を引いた差を基に、所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する超過時間取得ステップと、
    取得した上記所定温度環境下基準超過時間Tcを積算して積算時間Tmを算出する積算ステップと、
    上記積算時間Tmを更新する更新ステップと、
    上記積算時間Tmを基に充放電制御を行う制御ステップと
    を備える二次電池の充放電制御方法。
  12. 上記超過時間取得ステップにおいて、
    上記所定温度環境下基準超過時間Tcと該コンデンサの電圧とが対応づけられたテーブルと、電源ON時に測定した上記コンデンサの電圧とを基に上記所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する
    請求項11に記載の二次電池の充放電制御方法。
  13. 上記超過時間取得ステップにおいて、
    上記制御部の電源ON時に測定した上記コンデンサの電圧から予め設定された上記基準電圧を引いた差が0を超える場合に上記所定温度環境下基準超過時間Tcを取得する
    請求項12に記載の二次電池の充電制御方法。
  14. 上記制御ステップにおいて、
    上記積算時間Tmが第1の設定時間を超えた場合には、上記二次電池の充放電を永久的に禁止させる
    請求項11〜請求項13のいずれかに記載の二次電池の充放電制御方法。
  15. 上記積算時間Tmが上記第1の設定時間より短い第2の設定時間を超えた場合に、上記二次電池の充放電永久禁止状態が近いことを表示部に表示させる表示ステップを備える
    請求項14に記載の二次電池の充放電制御方法。
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