JP2012015108A - スイッチング・アレイ、並びに製造の方法及び動作の方法 - Google Patents

スイッチング・アレイ、並びに製造の方法及び動作の方法 Download PDF

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Subrahmanyan Kanakasabhai
カナカサババシ・スブラマニアン
En-Bak John
ジョン・エヌ・パク
James Primerani William
ウィリアム・ジェームズ・プレメーラニ
Owen Jannis Samuel Schelenz
オーウェン・ジャニス・サミュエル・シュレンツ
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Abstract

【課題】スイッチング・アレイのスイッチング定格の規模に応じた拡大を可能にする。また、既存のスイッチング・アレイを大電力切り換え条件において動作させることを可能にする。
【解決手段】スイッチング・アレイ(14)が、互いに電気的に結合されて各々が導通状態と非導通状態との間で切り換えられるように構成されている複数の切換素子(12)を含んでいる。スイッチング・アレイ(14)はまた、複数の切換素子(12)に電気的に結合されており、導通状態と非導通状態との間での複数の切換素子(12)の切り換え時に複数の切換素子(12)の各々に近ゼロの電圧及び電流を与えるように構成されている少なくとも一つの寄生振動最小化回路(20)を含んでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は一般的には、切換素子を含むアレイに関し、さらに具体的には、固体/微小電気機械スイッチのアレイに関する。
スイッチは、導通状態と非導通状態との間で選択的に切り換えられて、様々な形式の応用に対して望ましい電力を供給する。しかしながら、個々のスイッチは限定された切り換え能力を有し、非常に大きい電力を切り換えることはできない。結果として、大電力切り換えは典型的には、スイッチのアレイを用いることにより達成される。
米国特許第7554222号
スイッチは、電圧又は電流によって「入」又は「切」にされ得る。典型的には、スイッチのアレイはスイッチング寄生振動を蒙る。例えば、アレイは、スイッチング時間の固有のばらつきを呈し得る。スイッチング時間の固有のばらつきによって、アレイの比較的遅いスイッチにおける切り換え負荷が過大になり得る。電力負荷が過大になると、スイッチング・アレイのスイッチの性能及び寿命にとって有害になり得る。従って、スイッチング・アレイの電力切り換え能力はしばしば、スイッチ性能及び寿命とスイッチング・アレイの切り換え能力とを均衡させるように過度に束縛される。スイッチング・アレイの過度に束縛された動作によって、効率が低下し、所望よりも大型のスイッチング・アレイを利用しなければならず、複雑さ及び費用が増大する。時に、過大な寸法のアレイでは、例えば最も遅いスイッチが制限性スイッチである場合に、スイッチング定格をある点を超えて規模に応じて拡大(スケーリング)することができなくなる場合がある。スイッチング時の他の寄生振動効果としては、スイッチ・アレイにおける非ゼロ及び不等のインダクタンス及びキャパシタンスによるものがある。これにより、望ましくない電流及び/又は電圧の共有問題を招き、上述したような非効率性を生ずる場合がある。
従って、上述の問題の対策となる改善型スイッチング・アレイが必要とされている。
本発明の一実施形態によれば、スイッチング・アレイが提供される。このスイッチング・アレイは、互いに電気的に結合されて各々が導通状態と非導通状態との間で切り換えられるように構成されている複数の切換素子を含んでいる。スイッチング・アレイはまた、複数の切換素子に電気的に結合された少なくとも一つの寄生振動最小化回路を含んでいる。
本発明のもう一つの実施形態によれば、互いに電気的に結合されて各々が導通状態と非導通状態との間で切り換えられるように構成されている複数の切換素子を含むスイッチング・アレイを後付けする方法が提供される。この方法は、少なくとも一つの寄生振動最小化回路を複数の切換素子に電気的に結合するステップを含んでいる。
本発明のもう一つの実施形態によれば、スイッチング・アレイの動作の方法が提供される。この方法は、電気的に結合されて導通状態又は非導通状態にあるスイッチング・アレイを形成する複数の切換素子を設けるステップを含んでいる。この方法はまた、寄生振動最小化回路を起動するステップを含んでいる。この方法はさらに、スイッチング・アレイの複数の切換素子を導通状態から非導通状態へ又は非導通状態から導通状態へ作動させるステップを含んでいる。
本発明のこれらの特徴、観点及び利点、並びに他の特徴、観点及び利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むとさらに十分に理解されよう。図面全体にわたり、類似の参照符号は類似の部材を表わす。
複数の切換素子を含む従来のスイッチング・アレイの模式図であって、複数の切換素子の切り換え時間の固有のばらつきによってスイッチング・アレイの遠隔の切換素子に対する過大な負荷が生じていることを示す図である。 本発明の一実施形態によるスイッチング・アレイにおいて複数の切換素子に結合された寄生振動最小化回路を含む図1のスイッチング・アレイの模式図である。 本発明の一実施形態による図2のスイッチング・アレイにおいて寄生振動最小化回路に結合された単一の切換素子のブロック図である。 本発明の一実施形態による切換素子に結合された少なくとも1個の機械的バイパス・スイッチを含む図3の寄生振動最小化回路の一実施形態のブロック図である。 本発明の一実施形態による図2のスイッチング・アレイにおいて導通状態にある寄生振動最小化回路に結合された複数の切換素子を含むスイッチング・アレイの詳細な模式図である。 本発明の一実施形態による図5のスイッチング・アレイにおいて非導通状態にある寄生振動最小化回路に結合された複数の切換素子を含むスイッチング・アレイの詳細な模式図である。 本発明の一実施形態による少なくとも一つの寄生振動最小化回路に結合された複数のスイッチを含む図5のスイッチング・アレイの動作の方法に関わる各ステップを示す流れ図である。
以下で詳細に説明するように、本発明の各実施形態は、スイッチング・アレイ、スイッチング・アレイの寄生振動を最小化する方法、及びスイッチング・アレイの動作の方法を含んでいる。スイッチング・アレイは、互いに電気的に結合されて各々が導通状態と非導通状態との間で切り換えられるように構成されている複数の切換素子を含んでいる。スイッチング・アレイはまた、複数の切換素子に電気的に結合された少なくとも一つの寄生振動最小化回路であって、一実施形態では、複数の切換素子の切り換え時に複数の切換素子の各々に跨がって近ゼロ電力を与えるように構成されている少なくとも一つの寄生振動最小化回路を含んでいる。
図1は、複数の切換素子12を含む従来のスイッチング・アレイ10の模式図である。切換素子12は、共に電気的に結合されてスイッチング・アレイ10を形成している。「切換素子」との用語は、抵抗及び状態を個々に又は組み合わせての何れかで変調させ得る少なくとも2本の別個の導通路を含む離散型装置を指す。図面のさらに十分な理解のために、スイッチング・アレイは、横列121、122、123、124、125及び126、並びに縦列132、134及び136に分割されている。一般的には、スイッチング・アレイ10は「スイッチング定格」を含んでいる。「スイッチング定格」は、スイッチング・アレイ10の最大電流及び電圧切り換え能力を指す。スイッチング・アレイ10の内部を流れる電流及び電圧を、スイッチング・アレイ10の「負荷」と呼ぶ。スイッチング・アレイ10の内部を流れる電流を負荷電流ILと呼ぶ。電気的切り換えの場合には、切換素子12は、導通状態と非導通状態との間で切り換わるように構成される。切換素子12は、電流ILがスイッチの入力から出力までスイッチを流れ得るときに導通状態にあると言われる。切換素子の非導通状態は、電流が切換素子を流れ得ないときの状態である。
状態の間を切り換わるときに、切換素子12は寄生振動効果を蒙る。寄生振動効果は、固有の時間的ばらつきを含み得る。固有の時間的ばらつきは、切り換え事象時の特定の瞬間に複数の切換素子の異なる配置を生ずる。
例えば、図1に示す切り換え事象では、横列121、縦列132に位置するスイッチの接点の間の距離は、横列122、縦列134に位置するスイッチの接点の間の距離よりも遠い。さらに、横列124〜126のスイッチは開状態にあるが、横列122〜123のスイッチは開状態及び閉状態にある。この切り換え事象時の複数の切換素子の時間及び配置のばらつきは、遠隔のスイッチ(横列123、縦列136のスイッチ等)に過大な負荷を生ずる。周知のように、負荷電流ILは、スイッチング・アレイにおいて最低抵抗の経路を求める。従って、負荷電流ILは、横列121、縦列132の切換素子が非導通状態にあって負荷電流ILに高抵抗を与えると、横列121から横列122へ進路変更する。さらに、横列122、縦列132の切換素子における負荷電流ILは2ILまで増大する。横列122、縦列134のスイッチが導通状態から非導通状態への移行相にあるときには、抵抗が増大するため、負荷電流ILは横列122、縦列134のスイッチから現状で導通状態にある横列123、縦列134のスイッチへ進路変更する。結果的に、横列123、縦列136の遠隔のスイッチでの負荷電流ILが3ILまで増大して、遠隔のスイッチに高負荷が生ずる。
従って、スイッチング・アレイ10での寄生振動効果が、スイッチング・アレイ10の最も遠隔のスイッチにおいて高電圧及び大電流を含む高負荷を生ずることは明らかである。高負荷の電圧及び電流は、スイッチ12の寿命の短縮及び性能の低下を招く。さらに、スイッチ12の寿命及び性能を保つためには、スイッチ12での高電圧及び大電流の流れを減少させることが必要である。切換素子12での電圧及び電流は、スイッチング・アレイ10の寄生振動効果を低減することにより減少させることができる。このことは、複数の切換素子12に寄生振動最小化回路を結合して、スイッチング・アレイ10の寄生振動効果を減少させることにより達成される。寄生振動最小化回路を含むスイッチング・アレイ10について、以下で図2に関してさらに詳細に議論する。
図2は、本発明の一実施形態によるスイッチング・アレイ14において複数の切換素子12に結合された寄生振動最小化回路20を含むスイッチング・アレイ14の模式図である。スイッチング・アレイ14は、互いに電気的に結合された複数の切換素子12を含んでいる。切換素子12の各々は、導通状態と非導通状態との間で切り換わるように構成されている。少なくとも一つの寄生振動最小化回路20が複数の切換素子12に電気的に結合されている。一実施形態では、寄生振動最小化回路は、複数の切換素子12の切り換えに数マイクロ秒先立って複数の切換素子12の各々に跨がる電力を迂回させるバイパス回路を含んでいる。寄生振動最小化回路20は、複数の切換素子12に並列に結合され得る。複数の切換素子12及び寄生振動最小化回路20の結合は、以下で説明する図3に関してさらに十分に理解され得る。
図3は、本発明の一実施形態による図2のスイッチング・アレイ14において寄生振動最小化回路20に結合された1個の切換素子12のブロック図である。寄生振動最小化回路20は、この実施形態では切換素子12に並列に結合されており、切換素子12の入力負荷電流ILが、切換素子12の導通状態と非導通状態との間の切り換えに先立って予め決められた時間にわたり寄生振動最小化回路20を流れるようにしている。特定の一実施形態では、予め決められた時間は、数マイクロ秒〜数10マイクロ秒にわたり生ずる。本発明の単純化及びさらに十分な理解のために、寄生振動最小化回路20に結合された1個の切換素子12が図示されている。但し、例えば後に図5に示すように、複数の切換素子12が1個の寄生振動最小化回路20に結合され得る。
図4は、本発明の一実施形態による機械的バイパス・スイッチ23を含む図3の寄生振動最小化回路20の一実施形態のブロック図である。図4に示す実施形態では、寄生振動最小化回路20は、複数の切換素子12の各々に並列に結合された低抵抗経路21を提供する。一実施形態では、低抵抗経路はバイパス回路の2個の点の間に電圧差降下(differential voltage drop)を含んでいる。実施形態の一例では、低抵抗経路21は少なくとも1個の機械的バイパス・スイッチ23によって設けられ得る。少なくとも1個の機械的バイパス・スイッチ23は論理回路によって制御されて、非導通状態から導通状態への切り換え事象に先立って作動させられ、機械的スイッチ23を介して電流を迂回させる低抵抗経路21を設けて、切り換え時に切換素子12に近ゼロの電圧及び電流を与える。
図5は、本発明の一実施形態による図2のスイッチング・アレイ14において導通状態にある寄生振動最小化回路20に結合された複数の切換素子12を含むスイッチング・アレイ14の詳細な模式図である。複数の切換素子12は、微小電気機械スイッチ、固体スイッチ、又は電気機械スイッチと固体スイッチとの組み合わせを含んでいる。固体スイッチの非限定的実例としては、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、シリコン制御式整流器、並びに絶縁型ゲート・バイポーラ・トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ゲルマニウム・バイポーラ・トランジスタ、三極管交流電流スイッチ、二極管交流電流スイッチ、シリコン・ダイオード交流電流スイッチ、ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ、シリコン−ゲルマニウム・ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ、ガリウム電界効果トランジスタ、金属酸化物半導体スイッチ、金属酸化物半導体制御式サイリスタ、ゲート・ターンオフ・サイリスタ及びソリッドトロン(solidtron)が挙げられる。実施形態の一例では、複数の切換素子12は、直列若しくは並列で、又はこれらの組み合わせで電気的に結合される。本発明の単純化及びさらに十分な理解のために、1個の寄生振動最小化回路20がスイッチング・アレイ14の一部において数個の切換素子12に結合されるものとして示されている。但し、1個の寄生振動最小化回路がさらに多くのスイッチに結合されていてもよいし、且つ/又は多数の寄生振動最小化回路ユニットを用いてもよい。
低抵抗経路21は、複数の切換素子12での入力負荷電流ILを迂回させるように構成されている平衡ダイオード・ブリッジ22によって設けられ得る。本書で用いられる「平衡ダイオード・ブリッジ22」との用語は、第一の枝及び第二の枝を含んでいる。平衡ダイオード・ブリッジ22の第一の枝は、直列で共に結合された第一のダイオード24及び第二のダイオード26を含んでいる。同様の態様で、第二の枝は、直列で共に結合されて動作する第三のダイオード27及び第四のダイオード28を含み得る。さらに、第一の枝に跨がる電圧降下及び第二の枝に跨がる電圧降下は実質的に等しく、低抵抗の経路を生ずる。
寄生振動最小化回路20はさらに、スイッチング・アレイ14に結合された1又は複数の中間ダイオードを含むことができ、中間ダイオード29及び30を用いてスイッチング・アレイ14の中点での残留電圧を均衡させるようにする。ダイオード・ブリッジ22は、スイッチング・アレイ14に残った残留電圧から中間点を保護し得ない場合があり、従って中間ダイオードをスイッチング・アレイに設けることができる。
一実施形態では、寄生振動最小化回路20はまた、パルス信号を形成するように構成されて平衡ダイオード・ブリッジ22を通るパルス電流の流れを生ずるパルス・キャパシタ34を含むパルス回路32を含んでいる。一実施形態では、パルス回路32は、パルス・スイッチ36を含んでいる。実施形態の一例では、パルス・スイッチ36は、数ナノ秒〜数マイクロ秒の範囲の切り換え速度を有するように構成され得る固体スイッチであってよい。パルス回路32は、制御論理信号を介して切り換え事象を検出するように構成されている。本書で用いられる「切り換え事象」との用語は、スイッチング・アレイの切換素子12の現状の動作状態を変化させるきっかけとなる条件を指す。これらの動作状態は、導通状態及び非導通状態を含んでいる。パルス信号は、切り換え事象と関連して発生される。一実施形態では、複数の切換素子12及び平衡ダイオード・ブリッジ22は、切換素子12と寄生振動最小化回路20との間の合計インダクタンスが、スイッチング・アレイ14の特性タイミング拡散と最小特性抵抗との積以下となるように配設され得る。特性時間の一例は約15マイクロ秒以下である。さらに、一実施形態では、寄生振動最小化回路は、本出願と共通の譲受人に譲渡された米国特許第7554222号において転流回路に関して記載されたものと同様の態様で動作することができ、この特許を参照によりその全体として本出願に援用する。
図6は、本発明の一実施形態による図5のスイッチング・アレイ14において非導通状態への切り換えが開始されたときの電流路を示す詳細な模式図である。パルス・スイッチ36は、切換素子12の開放に先立ってトリガを受け、共振半正弦波パルス電流IPULSEを発生する。パルス電流IPULSEが増大するにつれて、パルス・キャパシタ34に跨がる電圧はパルス回路32の共振動作のため減少する。しかしながら、導通状態では、切換素子12は、スイッチング・アレイ14を流れる負荷電流ILに相対的に低いインピーダンスの経路を提供する。
一旦、パルス電流IPULSEの振幅が負荷回路電流ILの振幅よりも十分に大きくなったら(例えばパルス回路の共振動作のため)、ゲート電圧を切換素子12に印加して、切換素子12の現在の動作状態を導通状態から非導通状態の抵抗増大条件に切り換えることができる。これにより、特性スイッチ抵抗が増加し、次に負荷電流ILが切換素子12から寄生振動最小化回路20に進路変更し始める。本実施形態では、平衡ダイオード・ブリッジ22は、今は特性抵抗の増大に関連している切換素子12を通る経路に比較して相対的に低インピーダンスの経路を負荷電流ILに提供する。この切換素子12からの負荷電流ILの進路変更は、負荷回路電流ILの変化速度に比較して極めて速い過程であることが特筆され得る。本発明の一実施形態では、平衡ダイオード・ブリッジ22は、切換素子12が約近ゼロ電圧にある電流を流しつつ導通状態から非導通状態へ高速に(例えばナノ秒単位〜マイクロ秒単位)切り換わるのを可能にすることができる。
負荷電流ILが平衡ダイオード・ブリッジ22に進路変更される結果として、第一のダイオード24及び第四のダイオード30の各々の電流が増大し、同時に第二のダイオード26及び第三のダイオード28の各々の電流が減少するにつれて、ダイオード・ブリッジ22の内部に不均衡が形成する。さらに、パルス電流IPULSEが減衰するにつれて、パルス・キャパシタ34に跨がる電圧が続けて反転し(例えば「逆起電力」として作用する)、これにより、最終的には負荷電流ILが減少してゼロになる。但し、ダイオード・ブリッジ22は、切換素子12が非導通状態に完全に切り換わるまで、切換素子12に跨がる近ゼロ電圧を保つように構成されてもよい。
切り換え時の切換素子12における近ゼロの電圧及び電流によって、切換素子12は、増大された大きさを有する電力を切り換えることが可能になる。切り換え時に各スイッチが近ゼロの電圧及び電流を経るときに、増大された大きさを有する電力は、この大きさのため切換素子を介して切り換えられた電力に対する差を無視できるものにするので、切り換えられ得るようになる。
図7は、本発明の一実施形態による電気的に結合されて導通状態又は非導通状態にあるスイッチング・アレイを形成する複数の切換素子と、図6の複数の切換素子に電気的に結合された少なくとも一つの寄生振動最小化回路とを含むスイッチング・アレイの動作の方法に関わるステップを表わす流れ図である。方法50は、ステップ52において、寄生振動最小化回路を起動するステップを含んでいる。さらに、ステップ54において、スイッチング・アレイの複数の切換素子は導通状態から非導通状態へ又は非導通状態から導通状態へそれぞれ作動させられる。一実施形態では、電力は低抵抗経路を介して迂回される。もう一つの実施形態では、低抵抗経路は機械的スイッチを含み得る。
寄生振動最小化回路は、新規製造のスイッチング・アレイにも既存のアレイにも適用され得る。例えば、少なくとも一つの寄生振動最小化回路が既存のスイッチ・アレイの複数の切換素子に電気的に結合されて、これらの複数の切換素子の切り換えに先立って複数の切換素子の各々に跨がる電力を迂回させるように構成され得る。一実施形態では、低抵抗経路が複数の切換素子に並列に結合される。もう一つの実施形態では、機械的スイッチが複数の切換素子に並列に結合され得る。
以上に記載したスイッチング・アレイの様々な実施形態は、切り換えに先立って複数の切換素子からの電力を迂回させる寄生振動最小化回路に電気的に結合された複数の切換素子を含んでいる。このように、これらの手法は、スイッチング・アレイのスイッチング定格の規模に応じた拡大(スケーリング)を可能にし、大電力切り換えに特に有用である。さらに、本書に記載するように寄生振動最小化回路を加えて、制御系統を修正することにより、既存のスイッチング・アレイを大電力切り換え条件において動作させるように上位機種化することができる。
言うまでもなく、上述のような全ての目的又は利点が任意の特定の実施形態に従って必ずしも達成される訳ではないことを理解されたい。従って、例えば当業者は、本書に記載されるシステム及び手法が、本書に教示するような一つ又は一群の利点を達成する又は最適化するような態様で具現化され又は実施され得るのであって、本書に教示され又は示唆され得るような他の目的又は利点を必ずしも達成しない場合もあることを認められよう。
さらに、当業者は、異なる実施形態からの様々な特徴の互換性を認められよう。例えば、一実施形態に関する少なくとも1個の機械的バイパス・スイッチを、スイッチング・アレイのスイッチング定格を規模に応じて拡大するために、本発明のもう一つの実施形態に関して記載される微小電気機械装置と共に用いるように適応構成することができる。同様に、所載の様々な特徴、及び各々の特徴についての他の公知の均等構成を当業者によって混成し適合させて、本開示の原理によるさらに他のシステム及び手法を構築することができる。
本書では発明の幾つかの特徴のみを図示して説明したが、当業者には多くの改変及び変形が想到されよう。従って、特許請求の範囲は、発明の要旨に含まれるような全ての改変及び変形を網羅するものと理解されたい。
10:従来のスイッチング・アレイ
12:複数の切換素子
14:スイッチング・アレイ
20:寄生振動最小化回路
21:低抵抗経路
22:平衡ダイオード・ブリッジ
23:機械的バイパス・スイッチ
24:第一のダイオード
26:第二のダイオード
27:第三のダイオード
28:第四のダイオード
29、30:中間ダイオード
32:パルス回路
34:パルス・キャパシタ
36:パルス・スイッチ
50:スイッチング・アレイの動作の方法
121、122、123、124、125、126:従来のスイッチング・アレイの横列
132、134、136:従来のスイッチング・アレイの縦列

Claims (10)

  1. 互いに電気的に結合されて各々が導通状態と非導通状態との間で切り換えられるように構成されている複数の切換素子(12)と、
    該複数の切換素子(12)に電気的に結合されており、導通状態と非導通状態との間での該複数の切換素子(12)の切り換え時に該複数の切換素子(12)の各々に近ゼロの電圧及び電流を与えるように構成されている少なくとも一つの寄生振動最小化回路(20)と
    を備えたスイッチング・アレイ(14)。
  2. 前記寄生振動最小化回路(20)はバイパス回路を含んでいる、請求項1に記載のスイッチング・アレイ(14)。
  3. 前記バイパス回路は、前記複数の切換素子(12)の切り換えに先立って高抵抗状態から低抵抗状態へ変化して、前記複数の切換素子(12)の各々に跨がる前記電力を迂回させる低抵抗経路(21)を設ける、請求項2に記載のスイッチング・アレイ(14)。
  4. 前記低抵抗経路(21)は少なくとも一つの機械的バイパス・スイッチ(23)を含んでいる、請求項3に記載のスイッチング・アレイ(14)。
  5. 前記低抵抗経路(21)は少なくとも一つの半導体デバイスを含んでいる、請求項3に記載のスイッチング・アレイ(14)。
  6. 前記低抵抗経路(21)は、前記バイパス回路の2個の点の間に電圧差降下を含んでいる、請求項3に記載のスイッチング・アレイ(14)。
  7. 互いに電気的に結合されて各々が導通状態と非導通状態との間で切り換えられるように構成されている複数の切換素子(12)を含むスイッチング・アレイ(14)の寄生振動を最小化する方法であって、
    前記複数の切換素子(12)に、前記導通状態と前記非導通状態との間での前記複数の切換素子(12)の切り換え時に前記複数の切換素子(12)の各々に跨がって近ゼロ電力を与えるように構成されている少なくとも一つの寄生振動最小化回路(20)を電気的に結合するステップ
    を備えた方法。
  8. 前記複数の切換素子(12)に少なくとも一つの寄生振動最小化回路(20)を電気的に結合する前記ステップは、前記複数の切換素子(12)に並列に結合されたバイパス回路を設けることを含んでいる、請求項7に記載の方法。
  9. 電気的に結合されて導通状態又は非導通状態にあるスイッチング・アレイ(14)を形成する複数の切換素子(12)と、該複数の切換素子(12)に電気的に結合された少なくとも一つの寄生振動最小化回路(20)とを含むスイッチング・アレイ(14)の動作の方法であって、
    前記寄生振動最小化回路(20)を起動するステップと、
    次いで、前記導通状態から非導通状態状態へ又は前記非導通状態から導通状態へ前記スイッチング・アレイ(14)の前記複数の切換素子(12)をそれぞれ作動させるステップと
    を備えた方法。
  10. 前記寄生振動最小化回路(20)を起動する前記ステップは、前記複数の切換素子(12)の中での各々の切換素子(12)に跨がって、前記複数の切換素子(12)の中での前記対応するスイッチの切り換え時に近ゼロ電力を与えることを含んでいる、請求項9に記載の方法。
JP2011139972A 2010-06-29 2011-06-24 スイッチング・アレイ、並びに製造の方法及び動作の方法 Pending JP2012015108A (ja)

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