JP2012014719A - 同期制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 位置指令121を生成する位置指令生成部21と、2台の位置情報131,141に基づいてXY軸座標系である作業位置122を演算し、位置指令121と作業位置の一方の軸座標系位置122との差に基づいて新たな位置指令125を演算する第1の位置制御系を有する指令装置2と、新たな位置指令125と位置情報131,141との差に基づいてモータを駆動する指令を演算する第2の位置制御系をそれぞれ有する2台のモータ制御装置3,4と、を備える。
【選択図】図1
Description
第1乃至3の従来技術の同期制御装置は、このような第1の同期機構(ガントリ構造)を駆動する場合、同一の位置制御構成であるサーボアンプ15,16に対して指令器14から同一の位置指令を位置情報伝送路126を介して送信して2軸(X1軸、X2軸)を同期制御する。
この無効反力は、リニアスケール12の製造のばらつきや機構への取り付け誤差、機構自体の組み付け精度等に起因するものであって、サーボアンプ15,16に対する外乱として双方の位置制御系に影響を与えるものである。すなわち、この無効反力は、サーボアンプ15,16の推力指令値に対して逆符号の推力となり、サーボアンプ15,16ではこの無効反力を打ち消すために、更に推力指令値を増加させる必要があるため(負荷率の増加のため)、エネルギー効率が著しく悪化するという問題があった。また、この無効反力が大きい場合、サーボアンプ15,16が出力できる推力上限値を超える恐れがあり、越えた場合は正常な位置制御動作および同期制御も出来ないという問題もあった。
同期制御装置は、複数台のモータと、モータの位置情報をそれぞれ検出する複数台の位置検出器と、モータの可動部分を互いに締結する機械結合部を含む機械と、を有する制御対象に対して、モータを同期制御する同期制御装置であって、位置比例・速度比例制御系をそれぞれ構成し、それぞれに対応する位置検出器からの位置情報と駆動位置指令との差に基づいて、それぞれに対応するモータを駆動する複数台のモータ制御装置と、位置比例積分もしくは位置積分制御系を構成し、複数の位置情報に基づいて機械における作業中心である作業位置を算出すると共に、作業位置指令と作業位置との差に基づいて駆動位置指令を算出して、複数のモータ制御装置に駆動位置指令を出力する指令装置と、を備える。
また、機械結合部の剛性や粘性摩擦の影響によるずれを小さくすることができ、指令器内の作業位置情報を位置決め完了時点で位置指令に厳密に一致させることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る同期制御装置のブロック図である。図において、同期制御装置1は、指令器2、サーボアンプ3,4を備える。
指令器2は、位置指令生成部21、位置制御部22、位置情報演算部23で構成しており、位置指令生成部21は、モータ5,6を駆動するための内部位置指令121を生成して位置制御部22へ出力する。位置情報演算部23は、サーボアンプ3,4から位置情報伝送路126を介して、エンコーダ7,8で検出された検出位置情報131,141を入力し、後述する演算により作業位置情報122を出力する。位置制御部22は、内部位置指令121と作業位置情報122との偏差を入力して比例積分制御演算し、新たな位置指令信号125を位置情報伝送路126を介してサーボアンプ3,4に出力する。なお、位置情報伝送路126は、例えば高速のシリアル通信路等であればよく、各サーボアンプ3,4へ同期して位置情報を双方向で通信ができるものである。
また、作業位置情報122は、例えば、同期制御装置1が駆動する機構系がXY軸座標系であって、内部位置指令121がXY軸座標系での位置指令の場合、そのXY軸座標系上に存在する作業位置(作業中心)の座標である。
位置制御部31,41は、新たな位置指令信号125と検出位置情報131,141との偏差を入力して比例制御演算し、速度指令を出力する。速度演算部33,34は、検出位置情報131,141を入力して微分演算し、速度フィードバック信号を出力する。速度制御部32,42は、速度指令と速度フィードバック信号との偏差を入力して比例制御演算し、モータを駆動する指令を出力する。モータ巻き線に電圧を加え、電流を流すことでモータへ電力を供給するので、モータを駆動する指令としては、電圧または電流指令となる。通常は電流指令とすることが多い。すなわち、電流制御部34,44は、電流指令相当の電流を制御演算してモータ5,6に供給する。モータは、供給された電流に比例した力を発生する。例えば、同期回転型モータならばトルク、リニアモータならば推力を発生する。
このように、本発明の第1の実施形態に係る同期制御装置は、サーボアンプ3,4内に構成した位置制御系とは別に、指令器2で他の位置制御系を備えるものである。指令器2内の位置制御部22は積分演算を含むため、位置指令生成部21が出力する内部位置指令121に対して作業位置情報122が位置ずれなく追従または位置決め動作を行うことができる。
なお、位置制御22は積分制御のみでも同様の動作を行うことができる。
位置情報演算部23は、式(1)で作業位置情報122のX座標を演算する。なお、mは0≦m≦1であり、予め任意に指定される作業位置から決定されるものである(mの計算方法は後述の通りである)。
(作業位置情報122のX座標)
= m×(検出位置情報131)+(1−m)×(検出位置情報141) ・・・ (1)
例えば、式(1)におけるmを0.5とすれば、X1軸とX2軸との軸間の中央位置を作業位置情報122のX座標として算出することができる。
このように、X1軸とX2軸との軸間距離をLとした場合、mLのX軸方向の作業位置情報が算出できる。
なお、Y軸もX1軸とX2軸と同様に他の(Y軸用の)サーボアンプを備えて位置制御系を構成し、指令器2からの他の(Y軸用の)位置指令に基づいて、他の(Y軸用の)モータを駆動するように構成するものである。この場合、後述するようにX1軸、X2軸の座標に対し、これらに直交するY軸の座標にもとづいてmの値が計算できる。すなわち、Y軸の位置が作業位置情報122のY座標となり、mを用いた(1)式で計算した位置が作業位置情報122のX座標となる。
図16は、図6における第1の同期機構(ガントリ構造)を模式的に表した図である。図において、X1軸とX2軸はともにリニアスケールの位置であり、リニアスケールヘッドは検出位置131と141に位置している。Y軸は、ストロークLyである。Y軸のストロークエンドからX1軸エンコーダヘッドまでのオフセット距離をdY1とし、Y軸の原点(0位置)からX2軸までのオフセット距離をdY2とする。
Y軸の原点(0位置)をY座標(作業座標)の原点(0位置)にとり、X1軸、X2軸の原点(0位置)をX座標(作業座標)の原点(0位置)にとり、作業位置を(Px、Py)とする。
この場合、mは式(2)で計算できる。
m=(Py+dY2)/(dY1+Ly+dY2) ・・・ (2)
なお、図16ではY軸の傾きを誇張しているが、実際の機械では、1m前後のY軸ストロークに対して検出位置131と検出位置141の差は数十μm程度であるため、Y軸の傾きはごくわずかな量である。Y軸方向はY座標(作業座標)とほぼ平行と考えても計算上問題ないため、(2)式のmを上述の(1)式に適用して検出位置122のX座標(Px)を計算できる。
この場合、位置決め動作後の停止時(時間軸16以降)の無効反力に相当する推力は約0.05[p−p]程度であり、加減速時(時間軸0から3)の最大推力振幅(0.5程度)の約10%程度である。
図10は第1の従来技術の同期制御装置のブロック図、図12は第2の従来技術の同期制御装置のブロック図、図14は第3の従来技術の同期制御装置のブロック図である。また、図11は第1の従来技術の同期制御装置における速度およびトルクのシミュレーション波形を示す図、図13は第2の従来技術の同期制御装置における速度およびトルクのシミュレーション波形を示す図、図15は第3の従来技術の同期制御装置における速度およびトルクのシミュレーション波形を示す図である。図11,13,15において、図シミュレーション条件は図2と同様であり、上段は速度波形、下段はトルク波形、縦軸は各振幅、横軸は時間軸である。
すなわち、本発明の実施形態(第1の実施形態および後述する第2,3,4の実施形態)に係る同期制御装置は、N軸同期制御(Nは軸数であり、N>1の自然数)において、位置指令に一致させる検出位置は複数ではなく1つに限定すること、各サーボアンプでの位置制御系を備えると共に位置指令に対して1つの検出位置を用いた位置制御系が必要であること、に基づき構成したものである。
このように、本願の代表的な発明は、制御対象の機械の精度なども総合的・本質的に考察したものである。
次に、本発明の第2の実施形態について図を参照して説明する。
図7は、同期制御装置が駆動する第2の同期機構(他のガントリ構造)を示す図である。図において、作業位置近傍のX方向位置を正確に計測するために、レーザ干渉計101を用いた位置計測装置を取付けている。
レーザ干渉計101は、反射ミラーを機械結合部9上に設置し、レーザ干渉計からのレーザ光線の干渉により非接触で位置を計測する。このため、リニアスケール12を設置できない場所で、機械結合部9の作業位置がX軸方向に直接計測できる。
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、同期制御装置10が、レーザ干渉計101の検出位置情報をサーボアンプ17に入力し、検出位置情報171として位置情報伝送路126を介して指令器2内の位置情報演算部23に入力する点、位置情報演算部23は、レーザ干渉計101だけの検出位置情報171を用い、サーボアンプ3,4からの検出位置情報131と検出位置情報141は用いない点である。このため、同期制御装置10は、サーボアンプ17にはモータは接続せず、レーザ干渉計101の検出位置情報171のみを位置情報伝送路126に伝送するデータ変換器としてサーボアンプ17使用している。このように構成することで汎用製品のみで構成できる。
なお、エンコーダ(リニアスケール)7とエンコーダ8の検出分解能(1パルスあたりの長さ:例0.1μm/1パルスなど)と、レーザ干渉計101の検出位置分解能が異なる場合は、位置情報演算部23内で電子ギア演算を行い、分解能をあわせておけばよい。
図8は、同期制御装置が駆動する第3の同期機構(円弧リニア)を示す図である。図4は、本発明の第3の実施形態に係る同期制御装置のブロック図である。図4において、同期制御装置11は、指令器2、サーボアンプ3,4、17を備える。なお、サーボアンプ4,17の制御構成は、サーボアンプ3と同一のため詳細な記載を省略している。
本発明の第3の実施形態に係る同期制御装置は、図8における円弧形状のリニアモータ5,6,18に電力を供給して複数のリニアモータ可動子(例えば、リニアモータ可動子53)を同期制御するものである。各リニアモータ可動子にリニアスケールの位置読み取りヘッドを取付けており、テープ式のリニアスケールなどを用いることで円弧状にスケールを貼り付けることができ、1本のリニアスケールを3個のヘッドで位置検出もしくは各ヘッドに対してそれぞれにリニアスケールを取付けてもよい。
第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、同期制御装置11が、3軸で構成される同期機構(例えば、図8)を同期制御する点である。なお、第1の実施形態の代表図である図1と同一の符号を付した構成要素は、その作用効果が同一のため詳細な説明を省略する。
指令器2における位置情報演算部23は、サーボアンプ3,4、17からの検出位置情報131,141,171に基づいて作業位置情報122を算出する。例えば、第1の実施例で説明した式(1)を用いた2軸の算出方法を3軸に展開すればよい(式(3),(4)参照)。
また、このリニアスケール円周上に120度(2π/3)毎にそれぞれリニアスケールヘッドを配置すれば、サーボアンプ4の検出位置情報X2、サーボアンプ17の検出位置情報X3は、X2=θ+δsin(θ―2π/3)、X3=θ+δsin(θ―4π/3)となる。ここで、3個のリニアスケールヘッドは120度ずつ配置がずれているが、3つのモータで原点位置を共通の1つにすれば、真値θの値は同じにできるため、1周期の誤差は物理的な位置に依存し、θから120度、240度ずれた値となる。
(作業位置情報122)
=((検出位置情報131)+(検出位置情報141)+(検出位置情報171))/3 ・・・ (3)
また、式(3)は式(4)で表される。
(作業位置情報122)
=θ+δ(sin(θ)+sin(θ―2π/3)+sin(θ―4π/3)) ・・・ (4)
ここで、sin(θ)+sin(θ―2π/3)+sin(θ―4π/3)=0であるから、(作業位置情報122)=θとなり、作業位置情報122は誤差のない真値として求められる。
円弧状のリニアモータの個数がm個の場合は、360/m度=2π/m毎にリニアスケールヘッドを配置すればよく、位置情報演算部23ではm個の平均化演算を行えばよい。
2台のモータと1枚の駆動歯車とをカップリング結合させた機構のプレス機械や射出成型機等の産業機械の場合、このカップリングが剛体の場合、一方の軸のモータのみを位置制御して他方のモータを連れ回しても、双方のモータのエンコーダ回転角度は一致するため、本発明の第1または3の実施形態に係る同期制御装置を適用できる。
一方、このカップリングの剛性が低い場合、駆動歯車の回転角度と2軸のモータ回転角度と必ずしも一致しないため、指令器内の位置情報演算部で式(5)の演算を行なう。
駆動歯車の回転角度=1軸目モータ回転角度+(ねじりモーメント÷ねじり剛性×1軸目エンコーダから駆動歯車までの距離) ・・・ (5)
このようにして駆動歯車の回転角度を作業位置情報とすれば、駆動歯車の回転角度を指令位置に追従させることができるため、本発明の第1または3の実施形態に係る同期制御装置を適用できる。
なお、ねじりモーメントは1軸目モータのトルクによって与えられ、ねじり剛性はカップリングの材質や形状によって与えられる。また、1軸目エンコーダから駆動歯車までの距離はモータを機械に組み付けた時点で幾何的に決定される。
本発明の第1の実施形態に係る同期制御装置は、サーボアンプ3,4における速度制御部32,42が比例制御のみであるため、サーボアンプ3、4の検出位置情報131,132は、位置決め完了時点で新たな位置指令125との差が出る場合がある。
本発明第1の実施形態では、作業位置情報122を位置決めする、すなわち内部位置指令121と作業位置情報122とを一致させることが目的のため、サーボアンプ3、4の検出位置情報131,132と位置決め完了時点の新たな位置指令125との差は問題ない。しかしながら、機械結合部9の剛性が低い場合や粘性摩擦が大きい場合等には、この差が大きくなる。この場合、サーボアンプ3,4における速度制御部32,42の制御系を不完全積分に変更することで、この差を少なくすることができる。
不完全積分の場合、不完全積分率を大きくすると比例制御に近づき、小さくすると積分制御に近づく。そのため、機械剛性が低い場合などは、モータトルクや推力での無効反力成分が小さいので、許容範囲内で不完全積分率を小さく調整すればよい(不完全積分率を小さくすると、この差は小さくなるが、無効反力が大きくなる。不完全積分率を大きくすると逆の動作となる)。
また、本発明の第1乃至3の実施形態に係る同期制御装置は、前述した構成にすることにより、機械の実際の作業位置を位置指令に追従させることができる。
また、外部からの位置指令を入力する装置であって、同様な2つの位置制御系を有する装置であってもよい。
図6のようなガントリ機構を備えた工作機械などでは、X, Y方向への単独の位置決め動作だけではなく、X軸とY軸を円弧補間動作して軌跡を制御することもできる。例えば、X軸を正弦波形でY軸を余弦波形とすることで円弧補間動作ができる。
工作機械用途における同期制御装置の制御系は、位置比例・速度積分比例制御系とすることが多い。ここで、図6のY軸は単軸駆動であるから、この制御系(位置比例・速度積分比例制御)とし、X軸はツイン駆動であるから、本発明の第1の実施形態と同様に図1のブロック図に示す同期制御装置を適用すればよい。ただし、制御系のバランスをとる意味で、ツイン駆動のX軸において図1における位置制御部22は、内部位置指令121と作業位置情報122との偏差を入力して積分制御演算し、新たな位置指令信号125を位置情報伝送路126を介してサーボアンプ3,4に出力する構成とすることで位置積分比例・速度比例制御系とする。
円弧補間動作を行う場合、通常通りにX軸とY軸の制御系の対応するゲイン設定を同じにした場合、図17に示すように軌跡が歪み、X軸方向に長い楕円となる問題がある。すなわち、位置指令に対して検出位置情報が追従しない。
ツイン駆動のX軸において、位置積分比例・速度比例制御系の位置指令から検出位置情報までの伝達関数をまとめると式(6)で表される。
Kp1Kv=Kv/Ti ・・・ (8)
Kp1Kv/Tir=KpKv/Ti ・・・ (9)
Kp1=1/Ti ・・・ (10)
であり、式(10)を式(9)に代入して、
Tir=1/Kp ・・・ (11)
である。このとき、式(6)と式(7)の分子も一致する。
第5の実施形態では、ツイン駆動のX軸において図1における位置制御部22は位置積分比例・速度比例制御系としたが、位置比例積分・速度比例制御系であっても同様の効果を得ることは可能である。その場合、式(10)および式(11)とは異なるゲイン設定式を使用する必要がある。
2Kp1Kv=Kv/Ti+KpKv ・・・ (14)
Kp1Kv/Tir=KpKv/Ti ・・・ (15)
Kp1=1/(2Ti)+Kp/2 ・・・ (16)
であり、式(16)を式(15)に代入して、
Tir=1/(2Kp)+Ti/2 ・・・ (17)
である。
Ti=1/Kp ・・・ (18)
このように式(10)と式(11)から求められるゲイン設定値を使用した場合、図18を見れば、図17に示した軌跡の歪みは改善されて位置指令に対して検出位置情報が追従していることがわかる。
このように式(16)〜式(18)から求められるゲイン設定値を使用した場合、図20を見れば、図19に示した軌跡の歪み(X軸方向へ長い楕円)は改善されて位置指令に対して検出位置情報が追従していることがわかる。
図1における新たな位置指令125に対する検出位置情報131,141の検出遅れが数ms程度の小さい場合、第5の実施形態の図18に示したように、式(10)と式(11)から求められるゲイン設定値を使用すれば、図17に示した軌跡の歪みは改善されて位置指令に対して検出位置情報が追従する。
また、図23は本発明の第7の実施形態に係る同期制御装置のブロック図、図24は本発明の第7の実施形態に係る位置オブザーバの制御ブロック図、図25は本発明の第7の実施形態に係る位置オブザーバの他の制御ブロック図である。
図23における同期制御装置12の構成において、図1における同期制御装置1と異なる部分は、ツイン駆動のX軸のサーボアンプ3,4に対して更に単軸駆動のY軸のサーボアンプ200およびモータ211、エンコーダ212の構成を追加した部分、指令器2内における位置オブザーバ24の構成を追加した部分である。なお、図1と同一の符号を付した構成要素は、その作用効果が同一のため詳細な説明を省略する。
また、第5乃至7の実施の形態では、X軸をツイン駆動とするガントリ機構を備えた工作機械として説明しているが、可動テーブルが幅広な超大型機械のようにX軸を3軸以上の複数軸駆動としても、同様に作用効果を発揮する。
特に、第7の実施の形態における位置オブザーバ24は、位置情報演算部23で複数軸の検出位置情報を演算した作業位置情報122と位置偏差124とを位置オブザーバ24に入力して作業位置情報122を演算して出力しているため、ツイン軸から複数軸となっても設計変更が不要という効果もある。さらに、本発明の第2の実施形態(図3)に示したレーザ干渉計を使用してフィードバックを行なう場合も同様に作用効果を発揮する。
2,14 指令器
21 位置指令生成部
22 位置制御部
23 位置情報演算部
24 位置オブザーバ
3,4,15,16,17,200 サーボアンプ
31,41,201 位置制御部
32,42,202 速度制御部
33,43,203 速度演算部
34,44,204 電流制御部
5,6,18,211 モータ
7,8,19,212 エンコーダ
9,105,106 機械結合部
121 内部位置指令
122 作業位置情報
123 新たな作業位置情報
124 位置偏差
125 新たな位置指令
126 位置情報伝送路
131,141,171,251 検出位置情報
191 外乱トルク(反力)
10,11 ガイド
12 リニアスケール
13 ヘッド
51,52 モータ固定子(磁石)
53,54 モータ可動子
101 レーザ干渉計
102 シリアル変換器
103 SIN/COS信号
104 シリアル通信
Claims (6)
- 複数台のモータと、前記モータの位置情報をそれぞれ検出する複数台の位置検出器と、前記モータの可動部分を互いに締結する機械結合部を含む機械と、を有する制御対象に対して、前記モータを同期制御する同期制御装置であって、
位置比例・速度比例制御系をそれぞれ構成し、それぞれに対応する前記位置検出器からの前記位置情報と駆動位置指令との差に基づいて、それぞれに対応する前記モータを駆動する複数台のモータ制御装置と、
位置比例積分もしくは位置積分制御系を構成し、複数の前記位置情報に基づいて前記機械における作業中心である作業位置を算出すると共に、作業位置指令と前記作業位置との差に基づいて前記駆動位置指令を算出して、複数の前記モータ制御装置に前記駆動位置指令を出力する指令装置と、を備えることを特徴とする同期制御装置。 - 前記制御対象が、ガントリ機構である前記機械を有する場合、
前記指令装置が、2台の前記モータの軸間距離を1とした際、前記軸間距離範囲内のある割合mに一方の前記位置検出器からの前記位置情報を乗じた値と、残りの割合(1−m)に他方の前記位置検出器からの前記位置情報を乗じた値と、を加算して前記作業位置における第1の軸座標系位置を算出する位置情報演算部と、
前記作業位置指令と前記第1の軸座標系位置との差を、位置比例積分もしくは位置積分制御する位置制御部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。 - 前記制御対象が、円弧軌道機構である前記機械を有する場合、
前記指令装置が、全ての前記位置検出器からの前記位置情報を平均化演算して前記作業位置における第2の軸座標系位置を算出する位置情報演算部と、
前記作業位置指令と前記第2の軸座標系位置との差を、位置比例積分もしくは位置積分制御する位置制御部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。 - 前記作業位置の近傍位置を計測する位置計測装置と、
前記モータ制御装置と同一構成であって、前記第3の軸座標系位置を入力して前記指令装置に出力する単数の他のモータ制御装置と、を更に備え、
前記指令装置が、前記作業位置における第3の軸座標系位置を算出する位置情報演算部と、
前記作業位置指令と前記第3の軸座標系位置との差を、位置比例積分もしくは位置積分制御する位置制御部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。 - 複数台の前記モータ制御装置が、それぞれに対応する前記位置検出器からの前記位置情報に基づいてそれぞれに対応する前記モータの速度情報を算出する速度演算部と、
前記駆動位置指令と前記位置情報との差を比例制御して速度指令を算出する位置制御部と、
前記速度指令と前記速度情報との差を比例制御する速度制御部と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の同期制御装置。 - 複数台の前記モータ制御装置が、それぞれに対応する前記位置検出器からの前記位置情報に基づいてそれぞれに対応する前記モータの速度情報を算出する速度演算部と、
前記駆動位置指令と前記位置情報との差を比例制御して速度指令を算出する位置制御部と、
前記速度指令と前記速度情報との差を比例および不完全積分制御する速度制御部と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の同期制御装置。
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