JP2012014461A - 筆記記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】開閉検知のための専用センサ等を別途設けずに、装置全体の小型化や部品点数の低減を図る。
【解決手段】手書き入力装置1は、電子ペン2及び座標検出装置3を備える。座標検出装置3は、左側シート部10L、右側シート部10R、及び折り曲げ部10Tを備え、開閉可能な見開き形状に構成されたシート体10と、センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnとを有する。そして、センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnと電子ペン2との間の、磁界の送受信結果に基づき、電子ペン2の座標データを算出する。そして、左側シート部10Lに配置された左側センスコイルLX1と、右側シート部10Rに配置された右側センスコイルRXmとの間の磁界の送受信結果に基づき、シート体10が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、使用者の手書きによる筆記内容を電子的に入力可能な筆記記録装置に関する。
従来、使用者の手書きによる筆記内容を電子的に入力可能な技術が、例えば特許文献1に開示されている。この従来技術においては、筆記記録装置としての電子機器が、見開き状態に開閉可能に設けられた第1及び第2の筐体、これら第1及び第2の筐体にそれぞれ設けられた第1及び第2の画面部、及び、筆記具としての電子ペンを備える。
この電子機器は、第1及び第2の筐体を見開き状態にすることにより、電子書籍として利用することができる。またこれと共に、第2の筐体を机等の水平面に載置することにより、PC型ノートとして利用することができる。
特開2005−266968号公報
また近年、上記従来技術のように見開き状態に開閉可能な筆記記録装置において、開閉検知のための専用センサ等を設け、開閉状態を検知することが行われつつある。しかしながら、開閉状態を検知するため、専用センサ等を別途設ける場合には、装置全体が大型化したり部品点数が増大したりする問題があった。
本発明の目的は、開閉検知のための専用センサ等を別途設けずに、装置全体の小型化や部品点数の低減を図ることができる筆記記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、筆記具を備え、被筆記体に設けられる筆記記録装置であって、第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた折り曲げ部と、を備えた可撓性部材により構成され、前記折り曲げ部を介した折り曲げにより開閉可能な見開き形状に構成された、シート体と、前記シート体の前記第1領域に配置された少なくとも1つの第1コイル、及び、前記シート体の前記第2領域に配置された少なくとも1つの第2コイル、を含む複数のコイルと、前記複数のコイルと前記筆記具との間の、電磁波の送受信結果に基づき、前記筆記具の位置情報を取得する位置取得手段と、前記少なくとも1つの第1コイルと、前記少なくとも1つの第2コイルとの間の電磁波の送受信結果に基づき、前記シート体が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
本願第1発明においては、見開き形状のシート体に複数のコイルが設けられている。使用者が筆記具を持って被筆記体に筆記を行うと、その筆記動作により移動する筆記具と、上記シート体の複数のコイルとの間の、電磁波の送受信結果に基づき、筆記具の位置が位置取得手段によって取得される。これにより、順次取得された複数の筆記具の位置によって使用者の筆記動作を識別し、使用者の筆記に対応した文字や図像の電子データを生成することが可能となる。
一方、シート体は、第1領域と第2領域と折り曲げ部とを備え、折り曲げ部での折り曲げによって開閉可能な見開き形状となっている。本願第1発明においては、シート体が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定するために、判定手段を設けている。
すなわち、シート体の上記複数のコイルは、第1領域に設けられた第1コイルと、第2領域に設けられた第2コイルとを含んでいる。上記判定手段は、上記第1コイルと上記第2コイルとの間の電磁波の送受信結果に基づき、上記判定を行う。折り曲げ部を介した折り曲げによりシート体が閉じ状態にある場合には、第1領域と第2領域とが非常に近接した状態となる。したがって、第1領域に配置された第1コイルと第2領域に配置された第2コイルとの距離が比較的短くなる。これに対し、この閉じ状態から折り曲げ部が押し開かれてシート体が開き状態になった場合は、第1領域と第2領域との間が離れた状態となる。したがって、第1コイルと第2コイルとの距離が遠くなるので、上記閉じ状態の場合に比べ、それらの間の電磁波の送受信が弱くなったり、送受信不能となったりする。判定手段は、このような第1コイル、第2コイル間の電磁波の送受信挙動の変化を利用し、シート体の開き状態又は閉じ状態の判定を行うことができる。
このようにして、本願第1発明では、筆記具の位置検出用に設けられているコイルを活用し、電磁波の挙動の変化を用いてシート体の開閉状態を検知する。これにより、従来構造のように、開閉検知のための専用センサ等を別途設ける必要がなくなるので、装置全体の小型化や部品点数の低減を図ることができる。
第2の発明は、上記第1発明において、前記位置取得手段は、前記複数のコイルの中で、少なくとも前記第1コイル又は前記第2コイルと、前記筆記具との間の、電磁波の送受信結果に基づき、前記筆記具の位置情報を取得することを特徴とする。
シート体の開閉状態の検知と筆記具の位置の取得とを、第1コイル及び第2コイルによって行うことにより、装置全体の小型化や部品点数の低減を確実に図ることができる。
第3の発明は、上記第2発明において、前記判定手段は、前記少なくとも1つの第1コイルと、前記シート体の折り曲げ時において当該第1コイルに対向するように配置された前記少なくとも1つの第2コイルとで送受信される、電磁波の受信信号強度に基づき、前記シート体が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定することを特徴とする。
シート体の折り曲げ時には、互いに対向する第1コイルと第2コイルとは互いの距離が極めて近くなり、良好に電磁波の送受信を行うことができる。これに対し、シート体が開き状態にある場合には、第1コイルと第2コイルとが対向しないため、良好な電磁波の送受信を行うことができない。したがって、シート体の閉じ状態での電磁波の受信信号強度とシート体の開き状態での電磁波の受信信号強度との差が大きくなり、開閉状態をより明確に区別することができる。この結果、開閉判定の精度をより向上することができる。
第4の発明は、上記第3発明において、前記第2コイルに接続され、前記第1コイルより送信された電磁波を前記第2コイルが受信したときに充電される充電回路を有し、前記判定手段は、充電後の前記充電回路からの放電に応じて前記第2コイルより送信された電磁波の前記第1コイルでの受信信号強度に基づき、前記シート体が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定することを特徴とする。
本願第4発明においては、第2領域に備えられた第2コイルに、充電回路が接続されている。第1コイルから電磁波が送信されると、その電磁波が第2コイルによって受信され、この受信により第2コイルに接続された充電回路への電荷の充電が行われる。その後、充電回路から電荷の放電が行われると、充電回路に接続された第2コイルから電磁波が送信され、その電磁波が第1コイルによって受信され、その受信信号強度によってシート体の開閉状態が判定される。このように、第1コイルから送信された電磁波のエネルギを用いて第2コイル側で充放電を繰り返すことができるので、装置構成を簡略化することができる。
第5の発明は、上記第3又は第4発明において、所定の周期で前記複数のコイルに通電し、前記複数のコイルと前記筆記具との間で所定の周波数による電磁波の送受信を行って、前記位置取得手段による前記筆記具の位置情報の取得を行う第1モードと、前記第1モードとは異なる動作モードであって、前記第1コイル又は前記第2コイルに通電し、前記第1コイルと前記第2コイルとの間で電磁波の送受信を行って、前記開閉判定手段による前記判定を行う第2モードと、を備えており、所定時間の間、前記位置取得手段により前記位置情報が取得されなかった場合、前記第2モードを実行し、前記判定手段により前記シート体が開き状態にあると判定された場合に前記第1モードへ移行するように、モード切り替えを行う、制御手段を有することを特徴とする。
シート体を開いたときにのみ、筆記具の位置の取得を行う第1モードを実行し、シート体を閉じているときには、シート体の開閉状態の検知を行う第2モードを実行する。これにより、消費電力を抑制することが可能となる。
第6の発明は、上記第5発明において、前記制御手段は、前記第1モードを実行し、前記位置取得手段により前記筆記具の位置情報が所定時間取得されなかった場合に前記第2モードへ移行するように、モード切り替えを行うことを特徴とする。
筆記具の位置情報が所定時間取得されないときには、上記第2モードへ移行するので、消費電力をさらに抑制することが可能となる。
第7の発明は、上記第5又は第6発明において、前記第2モードは、前記所定の周期よりも長い周期で前記第1コイル又は前記第2コイルに通電し、前記第1コイルと前記第2コイルとの間で電磁波の送受信を行って、前記判定手段による前記判定を行うモードであることを特徴とする。
シート体を開いたときのみ通電周期の短い上記第1モードを実行し、シート体を閉じているときには通電周期が長い上記第2モードを実行するので、消費電力を抑制することができる。
第8の発明は、上記第5又は第6発明において、前記第2モードは、前記第1コイル又は前記第2コイルに通電し、前記第1コイルと前記第2コイルとの間で前記所定の周波数よりも低い周波数による電磁波の送受信を行って、前記判定手段による前記判定を行うモードであることを特徴とする。
発振周波数が高くなると時間当たりの電荷の移動回数が増加するため、消費電力が大きくなる。これに対し、発振周波数が低くなると時間当たりの電荷の移動回数が減少するため、消費電力が小さくなる。本願第8発明においては、これに対応し、シート体を開いたときのみ送受信を行う電磁波の周波数の高い上記第1モードを実行し、シート体を閉じているときには送受信を行う電磁波の周波数の低い上記第2モードを実行するので、消費電力を抑制することができる。
第9の発明は、上記第2から第8発明のいずれかにおいて、前記判定手段は、前記第1コイルと前記第2コイルとで送受信される電磁波の受信信号強度が第1しきい値以上となる場合に、前記シート体が閉じ状態にあると判定し、前記第1コイルと前記第2コイルとで送受信される電磁波の受信信号強度が第1しきい値より小さい場合に、前記シート体が開き状態にあると判定することを特徴とする。
シート体が閉じ状態である場合には第1コイルと第2コイルとが十分に近いことから受信信号強度が大きいのに対し、シート体が開き状態である場合には第1コイルと第2コイルとが遠くなることから受信信号強度が小さくなる。本願第9発明は、このような挙動を利用し、受信信号強度と第1しきい値との大小に基づき開閉判定を行うことにより、高い精度でシート体の開閉判定を行うことができる。
第10の発明は、上記第9発明において、前記シート体を前記折り曲げ部により折り曲げた状態における、前記第1領域の背面側と前記第2領域の背面側とに、電磁波減衰機能を備えたシールド部材を設けたことを特徴とする。
本願第10発明においては、見開き状態のシート体の一方側から他方側へ向かって、第1領域、折り曲げ部、及び第2領域の順で配列される構成において、第1領域の背面側と第2領域の背面側とにシールド部材を設けている。使用者が折り曲げ部を介しシート体を内側に折り畳み、シート体を閉じ状態とした場合には、第1領域と第2領域とは比較的近接し、またそれら第1領域と第2領域との間にはシールド部材は介在しない。この結果、受信信号強度が第1しきい値よりも確実に大きくなるので、シート体の閉じ状態を精度よく検出することができる。
ここで、本願第10発明では、使用者は、上記閉じ状態から折り曲げ部を介しシート体を開いていき、第1領域と第2領域とのなす角が略360°に至る裏返し状態とすることが可能となっている。このような裏返し状態とした場合でも、第1領域と第2領域とは裏側同士を背中合わせにする形で、比較的近い距離に位置することとなる。しかしながら、本願第10発明では、上述したように、第1領域及び第2領域の背面側にそれぞれシールド部材を設けている。したがって、それら第1領域と第2領域との間には、第1領域の背面側に設けたシールド部材と、第2領域の背面側に設けたシールド部材と、が介在する。この結果、受信信号強度は第1しきい値よりも確実に小さくなるので、シート体の上記裏返し状態の開き状態を、精度よく検出することができる。
第11の発明は、上記第2から第8発明のいずれかにおいて、前記判定手段は、前記第1領域に備えられる1つの前記第1コイルとこの第1コイルに対向するように前記第2領域に備えられる1つの前記第2コイルとで送受信される電磁波の受信信号強度と、前記第1領域に備えられる別の前記第1コイルとこの第1コイルに対向するように前記第2領域に備えられる別の前記第2コイルとで送受信される電磁波の受信信号強度と、の強度差が、第2しきい値以下となる場合に、前記シート体が閉じ状態にあると判定し、前記強度差が第2しきい値より大きい場合に、前記シート体が開き状態にあると判定することを特徴とする。
シート体が閉じ状態にある場合には、第1領域と第2領域との間に被筆記体を挟んでいたとしても、第1領域と第2領域とは略平行であり、それらの間の距離が概ね均一となる。したがって、第1領域の1つの第1コイルとこれに対向する1つの第2コイルとで送受信される受信信号強度と、それらとは別の第1コイル及び第2コイルとの間で送受信される受信信号強度との強度差は、比較的小さい。これに対し、シート体が開き状態にある場合には、ほとんどの場合で第1領域と第2領域とは平行にはならない。これにより、第1領域の1つの第1コイルとこれに対向する1つの第2コイルとで送受信される受信信号強度と、それらとは別の第1コイル及び第2コイルとの間で送受信される受信信号強度との強度差が、比較的大きくなる。
本願第11発明は、このような挙動を利用し、受信信号強度の上記強度差と第2しきい値との大小に基づき開閉判定を行うことにより、高い精度でシート体の開閉判定を行うことができる。
第12の発明は、上記第11発明において、前記第1領域と前記第2領域とを接続する中間領域を設け、前記折り曲げ部は、前記中間領域と前記第1領域との間、及び、前記中間領域と前記第2領域との間、に合計2つ設けられており、それら2つの折り曲げ部は、前記シート体の開き方向に沿って、前記第1領域と前記第2領域とのなす角が略360°に至る裏返し状態となるまで、折れ曲がり可能に構成されていることを特徴とする。
本願第12発明においては、見開き状態のシート体の一方側から他方側へ向かって、第1領域、折り曲げ部、中間領域、折り曲げ部、及び第2領域の順で配列される。使用者が2つの折り曲げ部を介しシート体を内側に折り畳み、シート体を閉じ状態とした場合には、第1領域と第2領域との間に被筆記体が挟まれているのが通常である。この場合、被筆記体の厚みによってそれら第1領域と第2領域とは略平行となり、それらの間の距離はほぼ均一となる。この結果、1つの第1コイル及び1つの第2コイルでの受信信号強度と、別の第1コイル及び別の第2コイルでの受信信号強度との強度差が、確実に第2しきい値以下となるので、シート体の閉じ状態を精度よく検出することができる。
ここで、本願第12発明では、使用者は、上記閉じ状態から折り曲げ部を介しシート体を開いていき、第1領域と第2領域とのなす角が略360°に至る裏返し状態とすることができる。このような裏返し状態とした場合でも、第1領域と第2領域とは裏側同士を背中合わせにする形で、比較的近い距離に位置することとなる。しかしながら、本願第12発明では、上述したように、第1領域と第2領域との間にある程度の幅方向寸法をもつ中間領域を設けている。このため、上記のように裏返し状態とした場合に、その中間領域の幅方向寸法によって第1領域と第2領域とは平行とならずある角度を持つようになり、それらの間の距離は不均一となる。この結果、1つの第1コイル及び1つの第2コイルでの受信信号強度と、別の第1コイル及び別の第2コイルでの受信信号強度との強度差は、第2しきい値よりも確実に大きくなるので、シート体の上記裏返し状態の開き状態を、精度よく検出することができる。
第13の発明は、上記第11又は第12発明において、前記別の第1コイルは、前記1つの第1コイルから前記折り曲げ部と反対側の部位に設けられており、前記別の第2コイルは、前記1つの第2コイルから前記折り曲げ部と反対側の部位に設けられていることを特徴とする。
これにより、使用者がシート体を開いて上記裏返し状態としたときにおいて、1つの第1コイル及び1つの第2コイルでの受信信号強度と、別の第1コイル及び別の第2コイルでの受信信号強度との強度差を、大きくすることができる。この結果、シート体の開き状態を、さらに精度よく検出することができる。
本発明によれば、開閉検知のための専用センサ等を別途設けずに、装置全体の小型化や部品点数の低減を図ることができる。
本発明の一実施の形態の手書き入力装置の外観を表す斜視図である。 見開き状態のシート体、閉じ状態のシート体、及び、裏返し状態の開き状態のシート体を表す外観図である。 手書き入力装置の機能的構成を表すブロック図である。 コイルシートの内部構成を表す概念的平面図である。 座標データの算出を行う場合に送受される信号の流れを説明するための説明図である。 シート体の開閉判定を行う場合に送受される信号の流れを説明するための説明図である。 座標検出装置のCPUによって行われる制御処理の内容を表すフローチャートである。 コイルシートを用いて電子ペンの座標を検出する原理を説明する説明図及びグラフである。 電子ペンの座標を検出する原理を説明するためのグラフ及びテーブルである。 シート体が背表紙のような部位を備える変形例において、手書き入力装置の外観を表す斜視図である。 見開き状態のシート体、閉じ状態のシート体、及び、裏返し状態の開き状態のシート体を表す外観図である。 座標検出装置のCPUによって行われる制御処理の内容を表すフローチャートである。 座標検出装置が充電回路を備える変形例において、手書き入力装置の機能的構成を表すブロック図である。 座標データの算出を行う場合に送受される信号の流れを説明するための説明図である。 シート体の開閉判定を行う場合に送受される信号の流れを説明するための説明図である。 座標検出装置のCPUによって行われる制御処理の内容を表すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の筆記記録装置である手書き入力装置1は、図1に示すように、筆記具である電子ペン2と、座標検出装置3とを備える。手書き入力装置1では、使用者が電子ペン2を持つ。電子ペン2は、筆記具としての機能に加え、入力される位置情報すなわち座標データの入力手段として機能する。
図1、図2(a)、図2(b)、及び図2(c)に示すように、座標検出装置3は、略ノート形状の被筆記体であるノート30を備えている。この座標検出装置3は、後述の折り曲げ部10Tを介した折り曲げ、すなわち後述の折り曲げ部10Tを軸として回動する折り曲げにより、所定の方向(図2(a)中左右方向)に開閉可能な見開き形状に構成されたシート体10を有している。
シート体10は、第1領域である左側シート部10Lと、上記第1領域とは異なる第2領域である右側シート部10Rと、上記所定の方向に沿った略中央部に位置する折り曲げ部10Tとを備えた可塑性部材により構成されている。左側シート部10Lは、シート体10の一方側(図2(a)中左側)、言い換えれば上記折り曲げ部10Tよりも一方側に設けられている。右側シート部10Rは、シート体10の他方側(図2(a)中右側)、言い換えれば上記折り曲げ部10Tよりも他方側に設けられている。折り曲げ部10Tは、使用者により折り曲げ可能な部分であり、左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間に設けられている。すなわち、見開き状態(図2(a)の状態)のシート体10の上記一方側から上記他方側へ向かって、左側シート部10L、折り曲げ部10T、及び右側シート部10Rの順で配列される構成となっている。
また、折り曲げ部10Tは、シート体10の開き方向(図2(b)中の矢印B方向)に沿って、シート体10を左側シート部10Lと右側シート部10Rとのなす角が略360°に至る、すなわち、左側シート部10Lの背面20L及び右側シート部10Rの背面20Rが接近又は接触した、裏返し状態(図2(c)の状態)となるまで、折れ曲がり可能に構成されている。
なお、図2(a)には、見開き状態のシート体10を示している。図2(b)には、閉じ状態のシート体10を示している。図2(c)には、上記裏返し状態の開き状態のシート体10を示している。すなわち、使用者は、図2(a)に示す見開き状態のシート体10を、折り曲げ部10Tを介し閉じ方向(図2(a)中の矢印A方向)に閉じていき、閉じ状態(図2(b)の状態)とすることができる。また、使用者は、図2(b)に示す閉じ状態のシート体10を、折り曲げ部10Tを介し開き方向(図2(b)中の矢印B方向)に開いていき、上記裏返し状態の開き状態(図2(c)の状態)とすることができる。
また、シート体10を折り曲げ部10Tにより折り曲げた状態における、左側シート部10Lの背面20L側と、右側シート部10Rの背面20R側とには、それぞれ、シールド部材としての磁気シールド15L,15Rが設けられている。これら磁気シールド15L,15Rは、電磁波減衰機能を備えた磁性材料等から構成されている。
そして、上記所定の方向に見開き可能な形状のノート30が、上記シート体10に重なるように配置されている。ノート30は、上記閉じ状態(図2(b)の状態)においては、シート体10に略覆われる。なお、本発明のシート体は、ピンを立て、立てられたピンに電線を巻いてコイルにするタブレット構造であっても良い。
使用者は、電子ペン2を用いてノート30の図示しない筆記面に手書きの所望の文字や図像等を筆記する。この筆記動作に対応した電子ペン2の移動により、筆記された文字や図像等に対応したストロークデータが電子ファイルに保存される。その際、実際にインクを用いてノート30のページを切り替えながら筆記が行われるのと同様、電子ファイルのページを切り替えながら保存することができる。
使用者が、手書き入力装置1を使用する際には、電子ペン2に備えられた図示しない電源スイッチがオンされる。電子ペン2は、図3に示すように、先端スイッチ42と、LC発振回路41と、電池43とを有する。
先端スイッチ42は、使用者が、電子ペン2を用いて、文字や図像等を記述するために電子ペン2の先端2aをノート30の筆記面に押しつけたときにオンとなる。そして、LC発振回路41に対して指令信号S0を出力する。一方、先端スイッチ42は、使用者が、文字や図像等の記述を止め、電子ペン2の先端2aをノート30の筆記面から離したときにオフとなる。この場合には、上記指令信号S0は出力されない。
LC発振回路41は、先端スイッチ42から上記指令信号S0が入力されることによって、所定の周波数f1(後述)による電磁波を送信する、この例では所定の周波数f1による交番磁界(以下適宜、単に「磁界」と称する)を発生する回路である。LC発振回路41は、図示しないコンデンサ及びコイルを含む。
電池43は、電子ペン2の電源スイッチがオンにされることで、LC発振回路41に電力を供給する。
座標検出装置3は、図3に示すように、左側コイルシート100L及び右側コイルシート100Rと、マイコン80と、3つのマルチプレクサ(以下適宜、「MUX」と称する)62a,62b,62cと、増幅回路64と、整流回路66と、フラッシュメモリ72と、電池21とを有する。
左側コイルシート100Lは、上記左側シート部10Lに備えられており、図4に示すように、左側センスコイル部110Lを含む。一方、右側コイルシート100Rは、上記右側シート部10Rに備えられており、図4に示すように、右側センスコイル部110Rを含む。すなわち、図4に示すように配置された左側センスコイル部110L及び右側センスコイル部110Rが、例えば外形が長方形の薄板状に成形されて、左側コイルシート100L及び右側コイルシート100Rが構成されている。
左側センスコイル部110Lは、図4に示すように、磁界を送受信すなわち送受信可能な、x軸方向に配列されたm個のループ状の左側センスコイルLX1〜LXmと、y軸方向に配列されたn個のループ状の左側センスコイルLY1〜LYnとによって構成されている。左側センスコイルLX1〜LXmと、左側センスコイルLY1〜LYnとは、直交した位置関係で配置されている。左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnは、例えば表面に絶縁被膜層が形成された銅線によって形成されている。
左側センスコイルLX1〜LXmは、それぞれ、x軸方向の幅P1の辺とP1より長いy軸方向の長さP2の辺とを備えた、略長方形状に形成されている。また、左側センスコイルLX1〜LXmのそれぞれは、所定の一定ピッチでx軸方向に連続して配列されている。例えば、隣接する左側センスコイルLX1〜LXmは、P1の略2分の1のピッチでそれぞれ重ねられている。
左側センスコイルLY1〜LYnは、それぞれ、x軸方向の幅P3の辺とP3より短いy軸方向の長さP1の辺とを備えた、略長方形状に形成されている。左側センスコイルLY1〜LYnのそれぞれは、所定の一定ピッチでy軸方向に連続して配列されている。例えば、隣接する左側センスコイルLY1〜LYnは、P1の略2分の1のピッチでそれぞれ重ねられている。
一方、右側センスコイル部110Rは、図4に示すように、磁界を送受信可能な、x軸方向に配列されたm個のループ状の右側センスコイルRX1〜RXmと、y軸方向に配列されたn個のループ状の右側センスコイルRY1〜RYnとによって構成されている。右側センスコイルRX1〜RXmと、右側センスコイルRY1〜RYnとは、直交した位置関係で配置されている。右側センスコイルRX1〜RXmは、上記左側センスコイルLX1〜LXmと同等の構造である。右側センスコイルRY1〜RYnは、上記左側センスコイルLY1〜LYnと同等の構造である。
なお、図4では、視覚的にわかりやすくするため、便宜上、左側センスコイルLX1〜LXmと左側センスコイルLY1〜LYnとの各辺、及び、右側センスコイルRX1〜RXmと右側センスコイルRY1〜RYnとの各辺が、それぞれ重ならないようにしており、上記ピッチで配列された状態では図示されていない。
また、左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnの両端は、一方がMUX62aに接続され、他方が接地電圧に接続されている。また、右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnの両端は、一方がMUX62bに接続され、他方が接地電圧に接続されている。
なお、左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnのそれぞれ(以下適宜、単体を指す場合は「左側センスコイルLX,LY」と称する)、及び、右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのそれぞれ(以下適宜、単体を指す場合は「右側センスコイルRX,RY」と称する)は、各請求項記載のコイルに相当する。
図3に戻り、マイコン80は、CPU80aと、ROM80bと、RAM80cと、その他のA/D変換機能部や割り込み機能部等とを、一つの集積回路として構成したものである。マイコン80は、座標検出装置3で実行される各種の処理を制御する。
例えば、マイコン80は、第1モードとしての筆記検出モードと、上記第1モードとは異なる動作モードである第2モードとしての省電力モードとの切り替えを行う。筆記検出モードは、電子ペン2の座標データの取得すなわち算出を行うモードである。省電力モードは、シート体10が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定するモードである。本実施形態においては、まず、省電力モードが実行され、シート体10が開き状態にあると判定された場合に、筆記検出モードへ移行するように、モード切り替えが行われる。そして、筆記検出モードが実行され、電子ペン2の座標データが所定時間算出されなかった場合に、省電力モードへ移行するように、モード切り替えが行われる。なお、筆記検出モード及び省電力モードの詳細、及び、筆記検出モードと省電力モードと切り替えの詳細は、後述する。
MUX62a,62b,62cは、それぞれ、複数のスイッチから構成されている。MUX62aには、上記左側センスコイル部110Lの各左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnが接続されている。MUX62aは、マイコン80の制御に基づき、これら左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnの中から、1つの左側センスコイルLX,LYを選択する。MUX62bには、上記右側センスコイル部110Rの右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnが接続されている。MUX62bは、マイコン80の制御に基づき、これら右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnの中から、1つの右側センスコイルRX,RYを選択する。MUX62cには、上記MUX62a,62bが接続されている。MUX62cは、マイコン80の制御に基づき、これらMUX62a,62bのうち、どちらか一方を選択する。
増幅回路64は、MUX62cから入力される信号を増幅し、整流回路66に出力する。整流回路66は、増幅回路64から入力した信号を振幅検波した後、平滑化して直流信号に変換し、マイコン80に出力する。
フラッシュメモリ72には、電子ファイルが予め用意されており、マイコン80で算出された座標データ等が、上記電子ファイルに書き込まれ、保存される。
電池21は、座標検出装置3に備えられた図示しない電源スイッチがオンにされることで、マイコン80等に電力を供給する。
上記構成の本実施形態の特徴は、センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnと電子ペン2との間の、磁界の送受信結果に基づき、電子ペン2の座標データを算出すること、及び、左側シート部10Lに配置された少なくとも1つの左側センスコイルLX,LYと、右側シート部10Rに配置された少なくとも1つの右側センスコイルRX,RYとの間の、磁界の送受信結果に基づき、シート体10が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定すること、にある。すなわち、座標検出装置3は、前述したように、電子ペン2の座標データの算出を行う筆記検出モード、及び、シート体10の開閉判定を行う省電力モードを備えている。
図5に示すように、電子ペン2の座標データの算出を行う場合には、MUX62a,62b,62cの選択状態は、所定の筆記検出状態に設定される。すなわち、MUX62aは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnを順番に選択する状態に設定される。MUX62bは、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnを順番に選択する状態に設定される。MUX62cは、上記MUX62a,62bを一定時間ごとに切り替えて選択する状態に設定される。
またこのとき、マイコン80は、マイコン80とMUX62aとの間の信号ライン(図5中の点線で示すライン)のマイコン80側のポートをハイインピーダンス(Hi−Z)状態にして、MUX62aからの出力電流が当該信号ラインに流れないようにしている。
また、図5では、図示の煩雑を防止するため、便宜上、上記y軸方向に配列された左側センスコイルLY1〜LYn,RY1〜RYnの図示が省略されて、上記x軸方向に配列された左側センスコイルLX1〜LXn,RX1〜RXnだけが図示されている。
そして、MUX62a,62b,62cの選択状態が上記筆記検出状態に設定された後、センスコイル部110L,100Rのスキャン処理が実行される。具体的には、センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnと電子ペン2との間で、所定の周波数f1による磁界の送受信が行われる。すなわち、電子ペン2からの上記周波数f1の磁界と、通電されたセンスコイルLX,LY,RX,RYとの磁気誘導によって、信号S1が発生される。なお、磁界と磁気誘導することが、実質的には、磁界を受信することに相当する。
上記発生された信号S1は、MUX62a,62bに入力される。MUX62aは、所定の周期T1で、左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnを順次選択する。そして、選択された左側センスコイルLX,LYで発生された信号S1が、MUX62aの出力信号S2として出力される。同様に、MUX62bも、所定の周期T1で、右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnを順次選択する。そして、選択された右側センスコイルRX,RYで発生された信号S1が、MUX62bの出力信号S2として出力される。これらの出力信号S2は、MUX62cに入力され、MUX62a,62bのうち、MUX62cで選択されたMUX側のセンスコイルの出力が、MUX62cの出力信号S3として出力される。出力信号S3は、増幅回路64に入力され、増幅回路64で増幅される。増幅された信号S4は、整流回路66に入力され、整流回路66で振幅検波され、信号S5となってマイコン80に入力される。
マイコン80は、前述したように、A/D変換機能部を備えており、当該A/D変換機能部の機能により、上記入力された信号S5をデジタル信号に変換する。このとき、マイコン80の上記ROM80bに後述の位置座標テーブルが記憶されている。マイコン80は、上記デジタル信号に対し、上記位置座標テーブルを適用することにより、x軸方向のx座標及びy軸方向のy座標を算出する(詳細は後述)。
一方、図6に示すように、シート体10の開閉判定を行う場合には、MUX62a,62b,62cの選択状態は、所定の開閉判定状態に設定される。
すなわち、MUX62aは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnのうち、少なくとも1つの左側センスコイルLXを選択する状態に設定される。この例では、左側センスコイルLX1を選択する状態に設定されている。この場合には、この左側センスコイルLX1が、各請求項記載の少なくとも1つの第1コイルに相当する。
MUX62bは、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのうち、シート体10の折り曲げ時(図2(b)の状態時)において上記少なくとも1つの第1コイル(この例では左側センスコイルLX1)に接近し、当該少なくとも1つの第1コイル(この例では左側センスコイルLX1)と極めて近い位置に対向するように配置された右側センスコイルRXを選択する状態に設定される。この例では、右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのうち、上記シート体10の折り曲げ時において上記少なくとも1つの第1コイルである左側センスコイルLX1と接近し、当該左側センスコイルLX1と最も近い位置に対向するように配置された右側センスコイルRXmを選択する状態に設定されている。この場合には、この右側センスコイルRXが、各請求項記載の少なくとも1つの第2コイルに相当する。
なお、少なくとも1つの第2コイルとしては、上記シート体10の折り曲げ時において少なくとも1つの第1コイルと最も近い位置に対向するように配置された右側センスコイルRXに限られない。例えば、上記シート体10の折り曲げ時において少なくとも1つの第1コイルに接近し、当該少なくとも1つの第1コイルに対向する所定の範囲内に配置された右側センスコイルRXを少なくとも1つの第2コイルとしてもよい。あるいは、上記シート体10の折り曲げ時において少なくとも1つの第1コイルに対向する、当該少なくとも1つの第1コイルと磁界の送受信が可能な右側センスコイルRXを少なくとも1つの第2コイルとしてもよい。
MUX62cは、上記MUX62bを選択する状態に設定される。
なお、このとき、上記のようにMUX62cによってMUX62bが選択されるので、MUX62cとMUX62aとの間の信号ライン(図6中の点線で示すライン)に加えられるマイコン80からの出力電流は、MUX62cに入力されないようになっている。
また、図6では、上記図5と同様、図示の煩雑を防止するため、便宜上、上記y軸方向に配列された左側センスコイルLY1〜LYn,RY1〜RYnの図示が省略されて、上記x軸方向に配列された左側センスコイルLX1〜LXn,RX1〜RXnだけが図示されている。
そして、MUX62a,62b,62cの選択状態が上記開閉判定状態に設定された後、マイコン80から上記周波数f1の信号が左側センスコイルLX1に通電される。すなわち、マイコン80のMUX62cとMUX62aとの間の信号ラインに接続されているポートの出力状態(On/Off)が1/(2×f1)間隔で変更される。そして、この左側センスコイルLX1と右側センスコイルRXmとの間で、上記周波数f1の磁界の送受信が行われる。なお、このとき送受信される磁界の周波数は周波数f1に限られず、他の周波数でもよい。そして、上記通電された左側センスコイルLX1から周波数f1の磁界が発生されて、当該磁界と、上記右側センスコイルRXmとの磁気誘導によって、信号S6が発生される。
上記発生された信号S6は、MUX62b,62cを介して増幅回路64に入力され、増幅回路64で増幅される。増幅された信号S9は、整流回路66に入力され、整流回路66で振幅検波され、信号S10となってマイコン80に入力される。
マイコン80は、上記入力された信号S10に基づき、上記左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとで送受信される磁界の受信信号強度RSSI、すなわち上記右側センスコイルRXmで受信すなわち磁気誘導された磁界の受信信号強度RSSIを検出する。そして、このとき検出された受信信号強度RSSIと、第1しきい値としての第1強度しきい値SI1とを比較することにより、上記シート体10の開閉判定を行う(詳細は後述)。なお、上記の開閉判定状態におけるシート体10の開閉判定は、常時行う必要はなく、後述の周期T2間隔で行えばよい。なお、左側センスコイルLX1と右側センスコイルRX1の距離によって、左側センスコイルLX1で送出される磁界と右側センスコイルRXmで受信される磁界の位相差が異なるため、開閉判断は、受信信号強度RSSIで行うのではなく、左側センスコイルLX1送出される磁界と右側センスコイルRXmで受信される磁界の位相差から判断しても良い。
以上説明した機能を実現するために、座標検出装置3が備えるマイコン80のCPU80aで行われる制御処理の内容を、図7により説明する。
図7において、この処理は、使用者が座標検出装置3の電源をオンした場合に開始される。まずステップSS10で、CPU80aは、座標検出装置3のモードを上記省電力モードに切り替える。
その後、ステップSS20で、CPU80aは、MUX62a,62b,62cの選択状態を、上述の開閉判定状態に設定する。すなわち、CPU80aは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnのうち、左側センスコイルLX1を選択するコイル選択信号を、MUX62aに出力する。また、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのうち、右側センスコイルRXmを選択するコイル選択信号を、MUX62bに出力する。さらに、上記MUX62a,62bのうち、MUX62bを選択するMUX選択信号を、MUX62cに出力する。
そして、ステップSS30に移り、CPU80aは、上記左側センスコイルLX1に通電し、当該左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間で、上記周波数f1の磁界の送受信を行う。すなわち、CPU80aは、マイコン80のMUX62cとMUX62aとの間の信号ラインに接続されているポートの出力状態(On/Off)を1/(2×f1)間隔で変更することにより、上記左側センスコイルLX1に周波数f1の電流を流す。これにより、当該左側センスコイルLX1から上記周波数f1の磁界を発生させ、その発生された磁界と、上記右側センスコイルRXmとを磁気誘導させる。
その後、ステップSS40で、CPU80aは、上記左側センスコイルLX1から発生された磁界と、上記右側センスコイルRXmとの磁気誘導を契機に、マイコン80に入力された上記信号S10(図6参照)に基づき、上記右側センスコイルRXmで磁気誘導された磁界の受信信号強度RSSIを検出する。
そして、ステップSS50に移り、CPU80aは、上記ステップSS40で検出された受信信号強度RSSIが上記第1強度しきい値SI1以上となるかどうかを判定する。これは実質的に、上記左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間の磁界の送受信結果、すなわち、上記左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間で送受信される磁界の受信信号強度RSSIに基づき、シート体10が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定することに相当する。すなわち、このステップSS50は、各請求項記載の判定手段として機能する。受信信号強度RSSIが第1強度しきい値SI1よりも小さい場合には、シート体10が閉じ状態にあると判定され、ステップSS50の判定が満たされず、ステップSS60に移る。
ステップSS60では、CPU80aは、一定時間待機した後、上記ステップSS20に戻り同様の手順を繰り返す。この待機時間により、上記シート体10の開閉判定が、上記周期T1よりも長い周期T2間隔で行われることになる。なお、待機中は、増幅回路64等の電源を落とし、消費電力を低減できる。したがって、上記ステップSS30での左側センスコイルLX1に対する通電は、上記周期T2間隔で行われる。
一方、ステップSS50において、受信信号強度RSSIが第1強度しきい値SI1以上となる場合には、シート体10が開き状態にあると判定され、ステップSS50の判定が満たされて、ステップSS70に移る。
ステップSS70では、CPU80aは、座標検出装置3のモードを上記筆記検出モードに切り替える。言い換えれば、筆記検出モードへ移行するように、座標検出装置3のモード切り替えを行う。
その後、ステップSS80で、CPU80aは、MUX62a,62b,62cの選択状態を、上述の筆記検出状態に設定する。すなわち、CPU80aは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnを順番に選択するコイル選択信号を、MUX62aに出力する。また、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnを順番に選択するコイル選択信号を、MUX62bに出力する。さらに、上記MUX62a,62bを一定時間ごとに切り替えて選択するMUX選択信号を、MUX62cに出力する。
そして、ステップSS90に移り、CPU80aは、コイルシート100L,100Rに備えられたセンスコイル部110L,110Rのスキャン処理を実行する。具体的には、CPU80aは、上記周期T1で上記センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnに通電し、これらセンスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnと電子ペン2との間で、上記周波数f1の磁界の送受信を行う。すなわち、CPU80aは、上記周期T1で上記センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnに通電し、電子ペン2の上記LC発振回路41(図2参照)から発生された上記周波数f1の磁界と、上記通電されたセンスコイルLX,LY,RX,RYとを磁気誘導させる。
その後、ステップSS100で、CPU80aは、上記電子ペン2のLC発振回路41から発生された磁界と、上記通電されたセンスコイルLX,LY,RX,RYとの磁気誘導を契機に、整流回路66から出力される上記信号S5(図5参照)が、マイコン80に入力されたかどうかを判定する。これは言い換えれば、電子ペン2によって筆記が行われているかどうかを判定することに相当する。上記信号S5がマイコン80に入力されていない場合には、電子ペン2によって筆記が行われていないとみなされ、ステップSS100の判定が満たされず、ステップSS110に移る。
ステップSS110では、CPU80aは、現時点から最も直近に上記ステップSS100の判定が満たされてから、すなわち、電子ペン2によって筆記が行われてから、所定時間が経過したかどうかを判定する。これは実質的には、後述のステップS120で電子ペン2の座標データが、所定時間算出されていないかどうかを判定することに相当する。電子ペン2によって筆記が行われてから所定時間が経過していない場合には、ステップSS110の判定が満たされず、上記ステップSS90に戻り同様の手順を繰り返す。一方、電子ペン2によって筆記が行われてから所定時間が経過した場合には、電子ペン2の座標データが所定時間算出されていないとみなされ、ステップSS110の判定が満たされて、上記ステップSS90に戻り同様の手順を繰り返す。すなわち、省電力モードへ移行するように、座標検出装置3のモード切り替えを行う。
一方、ステップSS100において、上記信号S5がマイコン80に入力されていた場合には、電子ペン2によって筆記が行われているとみなされ、ステップSS100の判定が満たされて、ステップSS120に移る。
ステップSS120では、CPU80aは、上記ステップSS90におけるセンスコイル部110L,110Rのスキャン結果、すなわちセンスコイル部110L,110RのセンスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnと電子ペン2との間の、磁界の送受信結果に基づく電子ペン2の座標データの算出を行う。この座標データの算出の詳細を、以下、順を追って説明する。
(1)位置座標テーブル
前述したように、座標データの算出には、マイコン80のROM80bに記憶された位置座標テーブルを用いる。この位置座標テーブルについて、図8(a)、図8(b)、図8(c)、図9(a)、及び図9(b)を参照して説明する。なお、図8(a)では、左側センスコイルLX1〜LX3の配置を分かり易くするために、左側センスコイルLX1〜LX3の各辺が重ならないように図示している。
図8(a)において、3つの左側センスコイルLX1,LX2,LX3の中心線をそれぞれC1,C2,C3とする。これら左側センスコイルLX1,LX2,LX3にそれぞれ発生する電圧値ex1,ex2,ex3は、図8(b)に示すように、左側センスコイルLX1〜LX3の中心C1〜C3においてそれぞれ最大になる。このとき、左側センスコイルLX1〜LX3は、自己のヌル点が隣接するセンスコイルの中心の外側となるように、前述したように、x軸方向の幅P1の略2分の1の幅で重ねられている。
このとき、図8(c)に示すように、左側センスコイルLX1〜LX3の相互に隣接するセンスコイル間の電圧差は、左側センスコイルLX1〜LX3の中心C1〜C3上においてそれぞれ最大値となる。また、当該電圧差は、左側センスコイルLX1〜LX3の中心と、隣接する左側センスコイルLX1〜LX3が重なった部分との中間点において、それぞれ最小値となる。例えば、図8(c)において、(ex1−ex2)のグラフの右半分つまり実線で示す部分は、左側センスコイルLX1の中心C1から、左側センスコイルLX2が重ねられた部分の中間点Q1までの距離、すなわち重ねピッチの略2分の1であるP1の略4分の1における、ex1−ex2の挙動を示している。
仮に電子ペン2が中間点Q2に存在したとすると、(ex1−ex2)を検出すれば、中心C1から中間点Q2点までの距離△X1を検出でき、その結果中間点Q2のx座標が求められる。仮に左側センスコイルLX1〜LX3の幅P1が50mmであるとすれば、△X=P1/4=12.5mmである。したがって、例えば、図8(c)における上記(ex1−ex2)の特性を示す実線部分を8bitのデジタルデータに変換すると、図9(a)に示すグラフが得られる。このグラフをテーブル形式に変換することにより、図9(b)に示す位置座標テーブルが得られる。
(2)コイル電圧値を用いた座標決定
前述したように、電子ペン2から発生した磁界とセンスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnとの磁気誘導によって発生した信号S1は、増幅回路64で増幅され、整流回路66で振幅検波され、信号S5(図5参照)となってマイコン80に入力される。マイコン80は、入力された信号S5を、振幅つまり電圧値に対応したデジタル信号に変換する。CPU80aは、このデジタル信号の表す電圧値を用いて、前述の位置座標テーブルを用いて電子ペン2の座標を決定する。以下、左側センスコイルLX1〜LXmを例にとって上記座標決定の詳細手順を説明する。
まず、CPU80aは、上記信号S5から変換されたデジタル信号によって示される電圧値e1〜emを、左側センスコイルLX1〜LXmのコイル番号と対応付けて、RAM80cの電圧値記憶エリアに順次記憶する。
その後、CPU80aは、左側センスコイルLX1〜LXmのコイル番号に対応付けて、電圧値記憶エリアに記憶されている電圧値e1〜emの中で最大の電圧値emaxを選択する。そして、CPU80aは、電圧値emaxを発生した左側センスコイルLX1〜LXmのコイル番号XmaxをRAM80cに記憶する。
次に、CPU80aは、電圧値emaxを発生した左側センスコイルLX1〜LXmの両隣の左側センスコイルLX1〜LXmの電圧値e1〜emのうちいずれか大きい方を決定する。そして、CPU80aは、決定された電圧値e1〜emを発生した左側センスコイルLX1〜LXmのコイル番号を、コイル番号Xmax2としてRAM80cに記憶する。例えば、電圧値emaxが左側センスコイルLX2によって発生されていた場合、CPU80aは、その両隣の左側センスコイルLX1の電圧値e1及び左側センスコイルLX3の電圧値e3を比較し、大きい電圧値e1又は電圧値e3を決定する。そして、CPU80aは、決定された電圧値e1を発生した左側センスコイルLX1のコイル番号又は電圧値e3を発生した左側センスコイルLX3のコイル番号を、コイル番号Xmax2としてRAM80cに記憶する。
その後、CPU80aは、RAM80cに記憶されたコイル番号max及びコイル番号max2を比較して、コイル番号max2はコイル番号maxからx軸の+方向又は−方向のどちらに存在しているかを判定する。なお、x軸の+方向とは図4のx軸を示す矢印の方向であり、x軸の−方向とはその逆の方向である。判定の結果、コイル番号Xmax2がコイル番号Xmaxに対して+方向である場合、CPU80aは、変数SIDEを1に設定する。一方、コイル番号Xmax2がコイル番号Xmaxに対して−方向である場合、CPU80aは、変数SIDEを−1に設定する。例えば、電圧値emaxが左側センスコイルLX2で発生され、コイル番号Xmaxとして左側センスコイルLX2を示すコイル番号がRAM80cに記憶され、左側センスコイルLX3のコイル番号がコイル番号Xmax2として記憶されていた場合、CPU80aは、変数SIDEを1に設定する。一方、電圧値emaxが左側センスコイルLX2で発生され、コイル番号Xmaxとして左側センスコイルLX2を示すコイル番号がRAM80cに記憶され、左側センスコイルLX1のコイル番号がコイル番号Xmax2として記憶されていた場合、CPU80aは、変数SIDEを−1に設定する。
そして、変数SIDEを設定したCPU80aは、下記(式1)により、変数DIFFを算出する。
DIFF=e(max)−e(max2)・・・(式1)
CPU80aは、算出されたDIFFに最も近い位置座標を、ROM80bに予め記憶されている前述の位置座標テーブル(図9(b)参照)から読み出す。そして、CPU80aは、位置座標テーブルから読み出した位置座標を、変数OFFSETとする。
その後、CPU80aは、上記のようにして算出された変数SIDE及び変数OFFSETを用いて、下記(式2)により、電子ペン2のx軸方向の位置を示すx座標を求める。
X1=(P1/2)×max+OFFSET×SIDE・・・(式2)
ここで、(P1/2)×maxは、コイル番号maxの中心のx座標を示す。
なお、以上は、x軸方向の左側センスコイルLX1〜LXmでの磁気誘導に基づく信号S5による電子ペン2のx座標の算出を例に説明した。電子ペン2のy座標についても、y軸方向の左側センスコイルLY1〜LYnでの磁気誘導に基づく信号S5により、同様の手法により算出される。また、右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnでの磁気誘導に基づく信号S5による電子ペン2のx座標及びy座標についても、同様の手法により算出される。
以上説明したように、ステップSS120では、センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnと、電子ペン2との磁界との送受信結果に基づき、上記(1)(2)の手法により、電子ペン2の座標データ(x,y)が算出される。すなわち、上記少なくとも1つの第1コイルである左側センスコイルLX1や、上記少なくとも1つの第2コイルである右側センスコイルRXmと、電子ペン2との間の、磁界の送受信結果に基づいても、電子ペン2の座標データ(x,y)が算出される。算出された座標データ(x,y)は、フラッシュメモリ72に記憶される。なお、上記ステップSS90及びステップSS120が、各請求項記載の位置取得手段として機能する。そして、このようにしてステップSS120が終了した後は、上記ステップSS80に戻り同様の手順を繰り返す。なお、このフローは、例えば使用者が座標検出装置3の電源をオフにした場合に終了する。
なお、上記において、ステップSS10及びステップSS70が、各請求項記載の制御手段として機能する。
以上説明したように、本実施形態においては、見開き形状のシート体10にセンスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnが設けられている。使用者が電子ペン2を持ってノート30の筆記面に筆記を行うと、その筆記動作により移動する電子ペン2と、センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnとの間の磁界の送受信結果に基づき、電子ペン2の座標データが算出される。これにより、順次算出された複数の電子ペン2の座標データによって使用者の筆記動作を識別し、使用者の筆記に対応した文字や図像の電子データを生成することができる。
一方、シート体10は、左側シート部10L、右側シート部10R、及び折り曲げ部10Tを備え、折り曲げ部10Tでの折り曲げによって開閉可能な見開き形状となっている。すなわち、左側シート部10Lに配列された左側センスコイルLX1と、右側シート部10Rに配列された右側センスコイルRXmとの間の、磁界の送受信結果に基づき、シート体10が開き状態にあるか閉じ状態にあるかが判定される(ステップSS50を参照)。折り曲げ部10Tを介した折り曲げによりシート体10が閉じ状態(図2(b)の状態)にある場合には、左側シート部10Lと右側シート部10Rが非常に近接した状態となる。したがって、上記左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの距離が比較的短くなる。これに対し、この閉じ状態から折り曲げ部10Tが押し開かれてシート体10が開き状態(図2(a)の状態)になった場合は、左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間が離れた状態となる。したがって、上記左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの距離が遠くなるので、上記閉じ状態の場合に比べ、それらの間の磁界の送受信が弱くなったり、送受信不能となったりする。本実施形態では、このような左側センスコイルLX1、右側センスコイルRXm間の磁界の送受信挙動の変化を利用し、シート体10の開き状態又は閉じ状態の判定を行う。
このようにして、本実施形態では、電子ペン2の座標データ算出用に設けられているセンスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnを活用し、磁界の挙動の変化を用いてシート体10の開閉状態を検知する。これにより、従来構造のように、開閉検知のための専用センサ等を別途設ける必要がなくなるので、装置全体の小型化や部品点数の低減を図ることができる。
また、本実施形態では特に、左側センスコイルLX1又は右側センスコイルRXmと、電子ペン2との間の磁界の送受信結果に基づき、電子ペン2の座標データを算出する。すなわち、シート体10の開閉状態の検知と電子ペン2の座標データの算出とを、左側センスコイルLX1及び右側センスコイルRXmによって行うことにより、装置全体の小型化や部品点数の低減を確実に図ることができる。
また、本実施形態では特に、左側センスコイルLX1と、シート体10の折り曲げ時において当該左側センスコイルLX1に対向するように配置された右側センスコイルRXmとで送受信される、磁界の受信信号強度RSSIに基づき、シート体10が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定する。すなわち、シート体10の折り曲げ時(図2(b)の状態のとき)には、互いに対向する左側センスコイルLX1と右側センスコイルRXmとは互いの距離が極めて近くなり、良好に磁界の送受信を行うことができる。これに対し、シート体10が開き状態(図2(a)の状態)にある場合には、左側センスコイルLX1と右側センスコイルRXmとが対向しないため、良好な電磁波の送受信を行うことができない。すなわち、左側センスコイルLX1と右側センスコイルRXmとが離れた位置に存在するため、左側センスコイルLX1で発生された磁界を、右側センスコイルRXmで受信することは困難となる。したがって、シート体10の閉じ状態での磁界の受信信号強度RSSIとシート体10の開き状態での磁界の受信信号強度RSSIとの差が大きくなり、開閉状態をより明確に区別することができる。この結果、開閉判定の精度をより向上することができる。
また、本実施形態では特に、省電力モードを実行し、ステップSS50でシート体10が開き状態にあると判定された場合に、ステップSS70において、筆記検出モードへ移行するように、モード切り替えを行う。すなわち、シート体10を開いたときにのみ、電子ペン2の座標データの算出を行う筆記検出モードを実行し、シート体10を閉じているときには、シート体10の開閉状態の検知を行う省電力モードを実行する。これにより、消費電力を抑制することができる。
また、本実施形態では特に、筆記検出モードを実行し、ステップSS110で電子ペン2の座標データが所定時間取得されなかったと判定された場合に、ステップSS10において、省電力モードへ移行するように、モード切り替えを行う。すなわち、電子ペン2の座標データが所定時間取得されないときには、上記省電力モードへ移行するので、消費電力をさらに抑制することができる。
また、本実施形態では特に、省電力モードは、筆記検出モードでの通電周期T1よりも長い周期T2で、上記左側センスコイルLX1に通電し、当該左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間で磁界の送受信を行って、シート体10が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定する。すなわち、シート体10を開いたときのみ通電周期の短い筆記検出モードを実行し、シート体10を閉じているときには通電周期が長い省電力モードを実行する。この結果、消費電力を抑制することができる。
また、本実施形態では特に、上記左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとで送受信される磁界の受信信号強度RSSIが、上記第1強度しきい値SI1以上となる場合に、シート体10が閉じ状態にあると判定する。そして、上記左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとで送受信される磁界の受信信号強度RSSIが、上記第1強度しきい値SI1より小さい場合に、シート体10が開き状態にあると判定する。すなわち、シート体10が閉じ状態である場合には上記左側センスコイルLX1と、上記右側センスコイルRXmとが十分に近いことから受信信号強度RSSIが大きいのに対し、シート体10が開き状態である場合には上記左側センスコイルLX1と、上記右側センスコイルRXmとが遠くなることから受信信号強度RSSIが小さくなる。したがって、このような挙動を利用し、受信信号強度RSSIと第1強度しきい値SI1との大小に基づき上記シート体10の開閉判定を行うことにより、高い精度でシート体の開閉判定を行うことができる。
また、本実施形態では特に、左側シート部10Lの背面20L側と、右側シート部10Rの背面20R側とに、磁気シールド15L,15Rを設けている。使用者が折り曲げ部10Tを介しシート体10を内側に折り畳み、シート体10を閉じ状態(図2(b)の状態)とした場合には、左側シート部10Lと右側シート部10Rとは比較的近接し、またそれら左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間には、磁気シールド15L,15Rは介在しない。この結果、受信信号強度RSSIが第1強度しきい値SI1よりも確実に大きくなるので、シート体10の閉じ状態を精度よく検出することができる。ここで、本実施形態では、使用者は、上記閉じ状態から折り曲げ部10Tを介しシート体10を開いていき、上記裏返し状態(図2(c)の状態)とした場合でも、左側シート部10Lと右側シート部10Rとは裏側同士を背中合わせにする形で、比較的近い距離に位置する。しかしながら、本実施形態では、上述したように、左側シート部10L及び右側シート部10Rの背面側にそれぞれ磁気シールド15L,15Rを設けている。したがって、それら左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間には、磁気シールド15L,15Rが介在する。この結果、受信信号強度RSSIは第1強度しきい値SI1よりも確実に小さくなるので、シート体10の上記裏返し状態の開き状態を、精度よく検出することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順次説明する。
(1)シート体が背表紙のような部位を備える場合
すなわち、多数ページを備えるノート30に設けられる座標検出装置3のシート体においては、当該ノート30の多数ページの綴じ目を覆うため、当該シート体の左側シート部10L及び右側シート部10Rを接続する、いわゆる背表紙のような部位が設けられている場合がある。本変形例の手書き入力装置は、このような場合に対応する実施の形態である。
本変形例の手書き入力装置1′は、図10に示すように、電子ペン2と、座標検出装置3′とを備える。電子ペン2は、上記実施形態と同様である。
図10、図11(a)、図11(b)、及び図11(c)に示すように、座標検出装置3′は、ノート30を備えている。この座標検出装置3′は、後述の折り曲げ部10Ta,10Tbを介した折り曲げ、すなわち後述の折り曲げ部10Ta,10Tbを軸として回動する折り曲げにより、所定の方向(図11(a)中左右方向)に開閉可能な見開き形状に構成されたシート体10′を有している。
シート体10′は、左側シート部10Lと、右側シート部10Rと、これら左側シート部10Lと右側シート部10Rとを接続する、中間領域である中間シート部10Mと、2つの折り曲げ部10Ta,10Tbとを備えた可塑性部材により構成されている。中間シート部10Mは、ある程度の幅方向寸法を備えている。折り曲げ部10Taは、使用者により折り曲げ可能な部分であり、中間シート部10Mと左側シート部10Lとの間に設けられている。折り曲げ部10Tbは、使用者により折り曲げ可能な部分であり、中間シート部10Mと左側シート部10Rとの間に設けられている。すなわち、見開き状態(図11(a)の状態)のシート体10′の一方側(図11(a)中の左側)から他方側(図11(a)中の右側)へ向かって、左側シート部10L、折り曲げ部10Ta、中間シート部10M、折り曲げ部10Tb、及び右側シート部10Rの順で配列される構成となっている。
また、それら2つの折り曲げ部10Ta,10Tbは、シート体10′の開き方向(図11(b)中の矢印B方向)に沿って、シート体10′を左側シート部10Lと右側シート部10Rとのなす角が略360°に至る、すなわち、左側シート部10Lの背面20L及び右側シート部10Rの背面20Rが接近又は接触した、裏返し状態(図11(c)の状態)となるまで、折れ曲がり可能に構成されている。
なお、図11(a)には、見開き状態のシート体10′を示している。図11(b)には、閉じ状態のシート体10′を示している。図11(c)には、上記裏返し状態の開き状態のシート体10′を示している。すなわち、使用者は、図11(a)に示す見開き状態のシート体10′を、折り曲げ部10Ta,10Tbを介し閉じ方向(図11(a)中の矢印A方向)に閉じていき、閉じ状態(図11(b)の状態)とすることができる。また、使用者は、図11(b)に示す閉じ状態のシート体10′を、折り曲げ部10Ta,10Tbを介し開き方向(図11(b)中の矢印B方向)に開いていき、上記裏返し状態の開き状態(図11(c)の状態)とすることができる。なお、シート体10′は、上述したように、左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間に上記中間シート部10Mを備えている。このため、図11(c)に示すように、上記裏返し状態とした場合に、中間シート部10Mの幅方向寸法によって、左側シート部10Lと右側シート部10Rとは平行とならず、すなわち上記実施形態におけるシート体10のように正対な裏返し状態とならず、左側シート部10Lと右側シート部10Rとはある程度の角度を持つようになる。したがって、左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間の距離は不均一となる。
なお、本変形例におけるシート体10′は、上記実施形態におけるシート体10と異なり、左側シート部10Lの背面20L側と、右側シート部10Rの背面20R側とのいずれにも、電磁波減衰機能を備えたシールド部材は設けられていない。上記以外の手書き入力装置1′の構成は、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。電子ペン2の機能構成は、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。座標検出装置3′の機能構成は、上記実施形態の座標検出装置3と同様であるので説明を省略する。
本変形例では、座標検出装置3′のCPU80aは、前述の省電力モードにおいて、左側シート部10Lに備えられる1つの左側センスコイルLX(この例では左側センスコイルLXm)と、シート体10の折り曲げ時(図11(b)の状態時)において上記左側センスコイルLXmと対向するように、右側シート部10Rに備えられる1つの右側センスコイルRX(この例では上記左側センスコイルLXmと最も近い位置に対向するように右側シート部10Rに備えられる右側センスコイルRX1)とで送受信される磁界の受信信号強度RSSIを検出する。
またさらに、座標検出装置3′のCPU80aは、前述の省電力モードにおいて、左側シート部10Lに備えられる上記とは別の左側センスコイルLX(この例では左側センスコイルLX1)と、シート体10の上記折り曲げ時において上記左側センスコイルLX1と対向するように、右側シート部10Rに備えられる上記とは別の右側センスコイルRX(この例では上記左側センスコイルLX1と最も近い位置に対向するように右側シート部10Rに備えられる右側センスコイルRXm)とで送受信される磁界の受信信号強度RSSIを検出する。
なお、前述の図4に示すように、上記別の左側センスコイルLX(この例では左側センスコイルLX1)は、上記1つの左側センスコイルLX(この例では左側センスコイルLXm)から、上記折り曲げ部10Ta,10Tbと反対側の部位に設けられている。また、上記別の右側センスコイルRX(この例では右側センスコイルRXm)は、上記1つの右側センスコイルRX(この例では右側センスコイルRX1)から、上記折り曲げ部10Ta,10Tbと反対側の部位に設けられている。したがって、この場合には、左側シート部10Lに備えられる左側センスコイルLXm及び左側センスコイルLX1が、各請求項記載の少なくとも1つの第1コイルに相当する。そして、そのうち、左側センスコイルLXmが1つの第1コイルに相当し、左側センスコイルLX1が別の第1コイルに相当する。また、右側シート部10Rに備えられる右側センスコイルRX1及び右側センスコイルRXmが、各請求項記載の少なくとも2つの第1コイルに相当する。そして、そのうち、右側センスコイルRX1が1つの第2コイルに相当し、右側センスコイルRXmが別の第2コイルに相当する。
そして、座標検出装置3′のCPU80aは、上記検出した2つの受信信号強度RSSIの強度差△RSSIを算出する。その後、この強度差△RSSIと、第2しきい値としての第2強度しきい値SI2とを比較することにより、上記シート体10′の開閉判定を行う(詳細は後述)。
本変形例において、座標検出装置3′のCPU80aで実行される制御内容を図12により説明する。本変形例でのCPU80aの制御手順は、前述の図7のフローに示されたステップSS20、ステップSS30、及びステップSS40が省略される。そして、ステップSS50に代えてステップSS50′が設けられている。すなわち、図12において、前述の図7と同様のステップSS10において座標検出装置3′のモードが省電力モードに切り替えられた後は、ステップSS20Aに移る。
ステップSS20Aでは、CPU80aは、前述のMUX62a,62b,62cの選択状態を、左側センスコイルLX1,RXmの開閉判定状態に設定する。すなわち、CPU80aは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnのうち、左側センスコイルLX1を選択するコイル選択信号を、MUX62aに出力する。また、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのうち、右側センスコイルRXmを選択するコイル選択信号を、MUX62bに出力する。さらに、上記MUX62a,62bのうち、MUX62bを選択するMUX選択信号を、MUX62cに出力する。
そして、ステップSS30Aに移り、CPU80aは、上記左側センスコイルLX1に通電し、当該左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間で、上記周波数f1の磁界の送受信を行う。すなわち、CPU80aは、マイコン80のMUX62cとMUX62aとの間の信号ラインに接続されているポートの出力状態(On/Off)を1/(2×f1)間隔で変更することにより、上記左側センスコイルLX1に周波数f1の電流を流す。これにより、当該左側センスコイルLX1から上記周波数f1の磁界を発生させ、その発生された磁界と、上記右側センスコイルRXmとを磁気誘導させる。
その後、ステップSS40Aで、CPU80aは、上記左側センスコイルLX1から発生された磁界と、上記右側センスコイルRXmとの磁気誘導を契機に、マイコン80に入力された上記信号S10(図6参照)に基づき、上記右側センスコイルRXmで磁気誘導された磁界の受信信号強度RSSIを検出する。
そして、ステップSS20Bに移り、CPU80aは、前述のMUX62a,62b,62cの選択状態を、左側センスコイルLXm,RX1の開閉判定状態に設定する。すなわち、CPU80aは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnのうち、左側センスコイルLXmを選択するコイル選択信号を、MUX62aに出力する。また、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのうち、右側センスコイルRX1を選択するコイル選択信号を、MUX62bに出力する。さらに、上記MUX62a,62bのうち、MUX62aを選択するMUX選択信号を、MUX62cに出力する。
その後、ステップSS30Bで、CPU80aは、上記左側センスコイルLXmに通電し、当該左側センスコイルLXmと上記右側センスコイルRX1との間で、上記周波数f1の磁界の送受信を行う。すなわち、CPU80aは、マイコン80のMUX62cとMUX62aとの間の信号ラインに接続されているポートの出力状態(On/Off)を1/(2×f1)間隔で変更することにより、上記左側センスコイルLXmに通電し、当該左側センスコイルLXmから上記周波数f1の磁界を発生させ、その発生された磁界と、上記右側センスコイルRX1とを磁気誘導させる。
そして、ステップSS40Bに移り、CPU80aは、上記左側センスコイルLXmから発生された磁界と、上記右側センスコイルRX1との磁気誘導を契機に、マイコン80に入力された信号(図示せず)に基づき、上記右側センスコイルRX1で磁気誘導された磁界の受信信号強度RSSIを検出する。
その後、ステップSS45で、CPU80aは、上記ステップSS40Aで検出された受信信号強度RSSIと、上記ステップSS40Bで検出された受信信号強度RSSIとの、強度差△RSSIを算出する。
そして、ステップSS50′に移り、CPU80aは、上記ステップSS45で算出された上記強度差△RSSIが上記第2強度しきい値SI2より大きいかどうかを判定する。これは実質的に、上記左側センスコイルLX1,LXmと上記右側センスコイルRX1,RXmとの間の磁界の送受信結果、すなわち、上記左側センスコイルLX1,LXmと上記右側センスコイルRXm,RXmとの間で送受信される磁界の受信信号強度RSSIに基づき、シート体10が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定することに相当する。すなわち、このステップSS50′は、各請求項記載の判定手段として機能する。上記強度差△RSSIが第2強度しきい値SI2以下である場合には、シート体10′が閉じ状態にあると判定され、ステップSS50′の判定が満たされず、ステップSS60に移る。
ステップSS60は、前述の図7とほぼ同様であり、一定時間待機した後、上記ステップSS20Aに戻り同様の手順を繰り返す。この待機時間により、上記シート体10′の開閉判定が、上記周期T2間隔で行われることになる。したがって、上記ステップSS30A及びステップSS30Bでの左側センスコイルLX1,LXmに対する通電は、上記周期T2間隔で行われる。
一方、ステップSS50′において、上記強度差△RSSIが第2強度しきい値SI2より大きい場合には、シート体10′が開き状態にあると判定され、ステップSS50′の判定が満たされて、ステップSS70に移る。
ステップSS70、ステップSS80、ステップSS90、ステップSS100、ステップSS110、及びステップSS120は、前述の図7と同様であるので、説明を省略する。
以上説明したような本変形例においては、上記強度差△RSSIが上記第2強度しきい値SI2以下となる場合に、シート体10′が閉じ状態にあると判定する。そして、上記強度差△RSSIが第2強度しきい値SI2よりも大きい場合に、シート体10′開き状態にあると判定する。すなわち、シート体10′が閉じ状態(図11(b)の状態)にある場合には、左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間にノート30を挟んでいても、左側シート部10Lと右側シート部10Rとは略平行であり、それらの間の距離が概ね均一となる。したがって、上記強度差△RSSIは、比較的小さい。これに対し、シート体10′が開き状態(図11(a)の状態)にある場合には、ほとんどの場合で左側シート部10Lと右側シート部10Rとは平行にはならない。これにより、上記強度差△RSSIが、比較的大きくなる。
本変形例においては、このような挙動を利用し、上記強度差△RSSIと第2強度しきい値SI2との大小に基づき開閉判定を行うことにより、高い精度でシート体の開閉判定を行うことができる。
また、本変形例においては、シート体10′を閉じ状態(図11(b)の状態)とした場合には、左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間にノート30が挟まれている。この場合、ノート30の厚みによってそれら左側シート部10Lと右側シート部10Rとは略平行となり、それらの間の距離はほぼ均一となる。この結果、上記強度差△RSSIが、確実に第2強度しきい値SI2以下となるので、シート体10′の閉じ状態を精度よく検出することができる。
また、本変形例では、上述したように、左側シート部10Lと右側シート部10Rとの間にある程度の幅方向寸法をもつ中間シート部10Mを設けている。このため、シート体10′を裏返し状態(図11(c)の状態)とした場合に、その中間シート部10Mの幅方向寸法によって左側シート部10Lと右側シート部10Rとは平行とならずある角度を持ち、それらの間の距離は不均一となる。この結果、上記強度差△RSSIは、第2強度しきい値SI2よりも確実に大きくなるので、シート体10′の上記裏返し状態の開き状態を、精度よく検出することができる。したがって、上記実施形態のように、シート部10L,10Rの背面20L,20R側にシールド部材を設けなくても、シート体10′の上記裏返し状態の開き状態を、精度よく検出することができる。
また特に、左側シート部10Lに備えられた左側センスコイルLX1は、左側センスコイルLXmから上記折り曲げ部10Ta,10Tbと反対側の部位に設けられている。また、右側シート部10Rに備えられた右側センスコイルRXmは、右側センスコイルRX1から上記折り曲げ部10Ta,10Tbと反対側の部位に設けられている。これにより、使用者がシート体10′を開いて上記裏返し状態としたときにおいて、上記強度差△RSSIを大きくすることができる。この結果、シート体10′の開き状態を、さらに精度よく検出することができる。
(2)座標検出装置が充電回路を備える場合
すなわち、座標検出装置3が、電荷の充電及び放電が可能な充電回路を備えていてもよい。
本変形例の手書き入力装置1の構成は、前述の実施形態の手書き入力装置1と同様である。本変形例の手書き入力装置1が備える座標検出装置3は、図13に示すように、左側コイルシート100L及び右側コイルシート100Rと、マイコン80と、3つのMUX62d,62e,62fと、2つの切替部63a,62bと、充電回路としてのコンデンサ67と、増幅回路64と、整流回路66と、フラッシュメモリ72と、電池21とを有する。
MUX62d,62e,62fは、それぞれ、複数のスイッチから構成されている。MUX62dには、上記左側センスコイル部110Lの各左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnが接続されている。MUX62dは、マイコン80の制御に基づき、これら左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnの中から、1つの左側センスコイルLX,LYを選択する。MUX62eには、上記右側センスコイル部110Rの右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnが接続されている。MUX62eは、マイコン80の制御に基づき、これら右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnの中から、1つの右側センスコイルRX,RYを選択する。MUX62fには、上記MUX62d及び切替部63aが接続されている。MUX62fは、マイコン80の制御に基づき、これらMUX62d及び切替部63aのうち、どちらか一方を選択する。
切替部63a,63bは、それぞれ、スイッチから構成されている。切替部63aには、上記MUX62f及びコンデンサ67が接続されている。切替部63aは、マイコン80の制御に基づき、これらMUX62f及びコンデンサ67のうち、どちらか一方を選択する。切替部63bには、上記マイコン80及び増幅回路64が接続されている。切替部63bは、マイコン80の制御に基づき、これらマイコン80及び増幅回路64のうち、どちらか一方を選択する。
コンデンサ67は、静電容量により電荷を充電したり、電荷を放電したりする受動素子である。このコンデンサ67は、上記MUX62eを介し上記右側センスコイル部110Rの右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnに接続されている。
なお、上記以外の座標検出装置3の機能構成及び電子ペン2の機能構成は、前述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本変形例においては、図14に示すように、電子ペン2の座標データの算出を行う場合には、まず、MUX62d,62e,62f、及び、切替部63a,63bの選択状態の設定が行われる。すなわち、MUX62dは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnを順番に選択する状態に設定される。MUX62eは、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnを順番に選択する状態に設定される。MUX62fは、上記MUX62d,62eを一定時間ごとに切り替えて選択する状態に設定される。切替部63aは、上記MUX62fを選択する状態に設定される。切替部63bは、上記マイコン80及び増幅回路64を一定時間ごとに切り替えて選択する状態に設定される。
なお、このとき、上記のように切替部63aによってMUX62fが選択されるので、切替部63aとコンデンサ67との間の信号ライン(図14中の点線で示すライン)に加えられるマイコン80からの出力電流は、切替部63aに入力されないようになっている。
また、図14では、図示の煩雑を防止するため、便宜上、上記y軸方向に配列された左側センスコイルLY1〜LYn,RY1〜RYnの図示が省略されて、上記x軸方向に配列された左側センスコイルLX1〜LXn,RX1〜RXnだけが図示されている。
そして、MUX62d,62e,62f、及び、切替部63a,63bの選択状態の設定が行われた後、センスコイル部110L,100Rのスキャン処理が実行される。具体的には、センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYn,RX1〜RXm,RY1〜RYnと電子ペン2との間で、上記周波数f1による磁界の送受信が行われる。すなわち、電子ペン2からの上記周波数f1の磁界と、通電されたセンスコイルLX,LY,RX,RYとの磁気誘導によって、上記信号S1が発生される。
上記発生された信号S1は、MUX62d,62eに入力される。MUX62dは、所定の周期T1で、左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnを順次選択する。そして、選択された左側センスコイルLX,LYで発生された信号S1が、MUX62dの出力信号S2として出力される。同様に、MUX62eも、所定の周期T1で、右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnを順次選択する。そして、選択された右側センスコイルRX,RYで発生された信号S1が、MUX62eの出力信号S2として切替部63aを介してMUX62fに出力される。これらの出力信号S2は、MUX62fに入力され、MUX62d,62eのうち、MUX62fで選択されたMUX側のセンスコイルの出力が、MUX62fの出力信号S3として出力される。出力信号S3は、切替部63bを介し増幅回路64に入力され、増幅回路64で増幅される。増幅された上記信号S4は、整流回路66に入力され、整流回路66で振幅検波され、上記信号S5となってマイコン80に入力される。
マイコン80は、前述のA/D変換機能部の機能により、上記入力された信号S5をデジタル信号に変換する。そして、当該デジタル信号に対し、前述の位置座標テーブルを適用することにより、x軸方向のx座標及びy軸方向のy座標を算出する。
一方、図15に示すように、シート体10の開閉判定を行う場合には、まず、MUX62d,62e,62f、及び、切替部63a,63bの選択状態の設定が行われる。
すなわち、MUX62dは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnのうち、少なくとも1つの左側センスコイルLXを選択する状態に設定される。この例では、左側センスコイルLX1を選択する状態に設定されている。この場合には、この左側センスコイルLX1が、各請求項記載の少なくとも1つの第1コイルに相当する。
MUX62eは、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのうち、シート体10の折り曲げ時(図2(b)の状態時)において上記少なくとも1つの第1コイル(この例では左側センスコイルLX1)に接近し、当該少なくとも1つの第1コイル(この例では左側センスコイルLX1)と極めて近い位置に対向するように配置された右側センスコイルRXを選択する状態に設定される。この例では、右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのうち、上記シート体10の折り曲げ時において上記少なくとも1つの第1コイルである左側センスコイルLX1と接近し、当該左側センスコイルLX1と最も近い位置に対向するように配置された右側センスコイルRXmを選択する状態に設定されている。この場合には、この右側センスコイルRXが、各請求項記載の少なくとも1つの第2コイルに相当する。
MUX62fは、上記MUX62dを選択する状態に設定される。切替部63aは、上記コンデンサ67を選択する状態に設定される。切替部63bは、上記マイコン80及び増幅回路64を一定時間ごとに切り替えて選択する状態に設定される。
なお、このとき、上記のように切替部63aによってコンデンサ67が選択されるので、切替部63aとMUX62fとの間の信号ライン(図15中の点線で示すライン)に加えられるマイコン80からの出力電流は、切替部63aに入力されないようになっている。
また、図15では、上記図14と同様、図示の煩雑を防止するため、便宜上、上記y軸方向に配列された左側センスコイルLY1〜LYn,RY1〜RYnの図示が省略されて、上記x軸方向に配列された左側センスコイルLX1〜LXn,RX1〜RXnだけが図示されている。
そして、MUX62d,62e,62f、及び、切替部63a,63bの選択状態の設定が行われた後、マイコン80から上記周波数f1の信号が左側センスコイルLX1に通電される。すなわち、マイコン80の切替部63bとMUX62fとMUX62dとの間の信号ラインに接続されているポートの出力状態(On/Off)が1/(2×f1)間隔で変更される。そして、この左側センスコイルLX1と右側センスコイルRXmとの間で、上記周波数f1の磁界の送受信が行われる。すなわち、上記通電された左側センスコイルLX1から周波数f1の磁界が発生されて、当該磁界と、上記右側センスコイルRXmとの磁気誘導によって、信号S11が発生される。
上記発生された信号S11は、MUX62eに入力され、MUX62eで対応する信号S12が発生される。その発生された信号S12は、切替部63aを介しコンデンサ67に入力される。これにより、コンデンサ67への電荷の充電が行われる。その後、上記左側センスコイルLX1への通電を止めると、蒸気信号S12によるコンデンサ67への充電が終わり、逆にコンデンサ67から電荷の放電が行われるようになる。そして、この放電電流により、上記右側センスコイルRXmから磁界が発生されて、当該磁界と、上記左側センスコイルLX1との磁気誘導によって、信号S13が発生される。
上記発生された信号S13は、MUX62dに入力され、MUX62dで対応する信号S14が発生される。その発生された信号S14は、MUX62fに入力され、MUX62fで対応する信号S15が発生される。その発生された信号S15は、左側センスコイルLX1への通電を止めた時点で切替方向を変更された切替部63bを介し増幅回路64に入力され、増幅回路64で増幅される。増幅された信号S16は、整流回路66に入力され、整流回路66で振幅検波され、信号S17となってマイコン80に入力される。
マイコン80は、上記入力された信号S17に基づき、上記充電後のコンデンサ67からの放電に応じて上記右側センスコイルRXmより発生された磁界の上記左側センスコイルLX1での受信信号強度RSSI、すなわち上記左側センスコイルLX1で磁気誘導された磁界の受信信号強度RSSIを検出する。そして、このとき検出された受信信号強度RSSIと、前述の第1強度しきい値SI1とを比較することにより、上記シート体10の開閉判定を行う。
本変形例において、座標検出装置3のCPU80aで実行される制御内容を図16により説明する。
図16において、この処理は、使用者が座標検出装置3の電源をオンした場合に開始される。ステップSS10は、前述の図7と同様であり、CPU80aは、座標検出装置3のモードを上記省電力モードに切り替える。
その後、ステップSS22で、CPU80aは、MUX62d,62e,62f、及び、切替部63aの選択状態の設定を行う。すなわち、CPU80aは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnのうち、左側センスコイルLX1を選択するコイル選択信号を、MUX62dに出力する。また、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnのうち、右側センスコイルRXmを選択するコイル選択信号を、MUX62eに出力する。さらに、上記MUX62d,62eのうち、MUX62dを選択するMUX選択信号を、MUX62fに出力する。またさらに、上記MUX62f及びコンデンサ67のうち、コンデンサ67を選択するコンデンサ選択信号を、切替部63aに出力する。
そして、ステップSS24に移り、CPU80aは、上記マイコン80及び増幅回路64のうち、マイコン80を選択するマイコン選択信号を、切替部63bに出力する。
その後のステップSS30は、前述の図7とほぼ同様であり、CPU80aは、上記左側センスコイルLX1に通電し、当該左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間で、上記周波数f1の磁界の送受信を行う。すなわち、CPU80aは、マイコン80の切替部63bとMUX62fとMUX62dとの間の信号ラインに接続されているポートの出力状態(On/Off)を1/(2×f1)間隔で変更することにより、上記左側センスコイルLX1に周波数f1の電流を流す。そして、上記右側センスコイルRXmでの磁気誘導を契機に、コンデンサ67に上記信号S12が入力され、コンデンサ67への電荷の充電が行われる。すなわち、コンデンサ67は、上記MUX62eを介し上記右側センスコイルRXmに接続され、上記左側センスコイルLX1より発生された磁界を上記右側センスコイルRXmが受信したときに充電される。
そして、ステップSS32に移り、CPU80aは、上記マイコン80から上記左側センスコイルLX1への通電を止める。またこれと共に、CPU80aは、上記マイコン80及び増幅回路64のうち、増幅回路64を選択する増幅回路選択信号を、切替部63bに出力する。
その後、ステップSS34で、CPU80aは、上記電荷の充電が行われたコンデンサ67に電荷の放電を行わせて、上記右側センスコイルRXmから磁界を発生させ、その発生された磁界と、上記左側センスコイルLX1とを磁気誘導させる。
そして、ステップSS40′に移り、CPU80aは、上記充電後のコンデンサ67からの放電に応じて上記右側センスコイルRXから発生された磁界と、上記左側センスコイルLX1との磁気誘導を契機に、マイコン80に入力された上記信号S17(図15参照)に基づき、上記左側センスコイルLX1で磁気誘導された磁界の受信信号強度RSSIを検出する。
その後のステップSS50、ステップSS60、ステップSS70は、前述の図7と同様である。ステップSS70において、CPU80aが、座標検出装置3のモードを上記筆記検出モードに切り替えたら、ステップSS80′に移る。
ステップSS80′では、CPU80aは、MUX62d,62e,62f、及び、切替部63a,63bの選択状態の設定を行う。すなわち、CPU80aは、上記左側シート体10Lに配置された左側センスコイルLX1〜LXm,LY1〜LYnを順番に選択するコイル選択信号を、MUX62dに出力する。また、上記右側シート体10Rに配置された右側センスコイルRX1〜RXm,RY1〜RYnを順番に選択するコイル選択信号を、MUX62eに出力する。さらに、上記MUX62d,62eを一定時間ごとに切り替えて選択するMUX選択信号を、MUX62fに出力する。またさらに、上記MUX62f及びコンデンサ67のうち、MUX62fを選択するMUX選択信号を、切替部63aに出力する。そして、上記マイコン80及び増幅回路64を一定時間ごとに切り替えて選択する選択信号を切替部63aに出力する。
その後のステップSS80〜ステップSS120は、前述の図7とほぼ同様であるので、説明を省略する。
以上説明したような本変形例においては、右側シート部10Rに備えられた右側センスコイルRXmに、コンデンサ67が接続されている。左側シート部10Lに備えられた左側センスコイルLX1から磁界が発生されると、その磁界が上記右側センスコイルRXmによって受信され、その受信により右側センスコイルRXmに接続されたコンデンサ67への電荷の充電が行われる。その後、コンデンサ67から電荷の放電が行われると、コンデンサ67に接続された上記右側センスコイルRXmから磁界が発生され、その磁界が上記左側センスコイルLX1によって受信され、その受信信号強度RSSIによってシート体10の開閉状態が判定される。このように、左側センスコイルLX1から発生された磁界のエネルギを用いて右側センスコイルRXm側で充放電を繰り返すことができるので、装置構成を簡略化することができる。
(3)その他
なお、前述の実施形態においては、省電力モードは、上記周期T2で上記左側センスコイルLX1に通電し、当該左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間で、電子ペン2が用いる周波数と同じ周波数f1による磁界の送受信を行って、シート体10の開閉判定を行うモードであった。しかしながら、これに限られず、省電力モードの際、当該左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間で、上記周波数f1よりも低い周波数による磁界の送受信を行って、シート体10の開閉判定を行うモードとしてもよい。このような場合には、シート体10を開いたときのみ送受信を行う磁界の周波数の高い筆記検出モードを実行し、シート体10を閉じているときには送受信を行う磁界の周波数の低い省電力モードを実行するので、消費電力を抑制することができる。
また、前述の実施形態において、当該左側センスコイルLX1と上記右側センスコイルRXmとの間で、電子ペン2が用いる周波数f1と異なる周波数f2を用いて送受信を行っても良い。この場合、周波数フィルタ等で周波数f1と周波数f2を分離することで、電子ペン2の出力検出と、開閉判断を同時に実現することができる。これは、右側センスコイルRXmの受信時に、CPU80から左側センスコイルLX1に周波数f2の信号を流すことで実現できる。
また、以上においては、電子ペン2が自己電源としての電池43を備え、この電池43の起電力によりLC発振回路41が発生した磁界をセンスコイルLX,LY,RX,RYで検出し、座標データの算出を行ったが、これに限られない。すなわち、電子ペン側に自己電源を設けず、装置側のコイルからの磁気誘導により電子ペンの共振回路に起電力を誘起して電子ペンのコンデンサに電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を用いて電子ペンが発生した磁界を装置側のコイルで検出し、座標データの算出を行ってもよい。この場合も同様の効果を得る。
なお、以上において、図5、図6、図14、図15等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図7、図12、図16に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 手書き入力装置(筆記記録装置)
2 電子ペン(筆記具)
3,3′ 座標検出装置
10,10′ シート体
10L 左側シート部(第1領域)
10M 中間シート部(中間領域)
10R 右側シート部(第2領域)
10T,Ta,Tb 折り曲げ部
15L,R 磁気シールド(シールド部材)
20L 背面(第1領域の背面)
20R 背面(第2領域の背面)
30 ノート(被筆記体)
LX1〜LXm,LY1〜LYn コイル
LX1 別の第1コイル、少なくとも1つの第1コイル、コイル
LXm 1つの第1コイル、少なくとも1つの第1コイル、コイル
RX1〜RXm,RY1〜RYn コイル
RX1 1つの第2コイル、少なくとも1つの第2コイル、コイル
RXm 別の第2コイル、少なくとも1つの第2コイル、コイル
67 コンデンサ(充電回路)

Claims (13)

  1. 筆記具を備え、被筆記体に設けられる筆記記録装置であって、
    第1領域と、前記第1領域とは異なる第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられた折り曲げ部と、を備えた可撓性部材により構成され、前記折り曲げ部を介した折り曲げにより開閉可能な見開き形状に構成された、シート体と、
    前記シート体の前記第1領域に配置された少なくとも1つの第1コイル、及び、前記シート体の前記第2領域に配置された少なくとも1つの第2コイル、を含む複数のコイルと、
    前記複数のコイルと前記筆記具との間の、電磁波の送受信結果に基づき、前記筆記具の位置情報を取得する位置取得手段と、
    前記少なくとも1つの第1コイルと、前記少なくとも1つの第2コイルとの間の電磁波の送受信結果に基づき、前記シート体が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする筆記記録装置。
  2. 請求項1に記載の筆記記録装置において、
    前記位置取得手段は、前記複数のコイルの中で、少なくとも前記第1コイル又は前記第2コイルと、前記筆記具との間の、電磁波の送受信結果に基づき、前記筆記具の位置情報を取得する
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  3. 請求項2に記載の筆記記録装置において、
    前記判定手段は、
    前記少なくとも1つの第1コイルと、前記シート体の折り曲げ時において当該第1コイルに対向するように配置された前記少なくとも1つの第2コイルとで送受信される、電磁波の受信信号強度に基づき、前記シート体が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定する
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  4. 請求項3に記載の筆記記録装置において、
    前記第2コイルに接続され、前記第1コイルより送信された電磁波を前記第2コイルが受信したときに充電される充電回路を有し、
    前記判定手段は、
    充電後の前記充電回路からの放電に応じて前記第2コイルより送信された電磁波の前記第1コイルでの受信信号強度に基づき、前記シート体が開き状態にあるか閉じ状態にあるかを判定する
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の筆記記録装置において、
    所定の周期で前記複数のコイルに通電し、前記複数のコイルと前記筆記具との間で所定の周波数による電磁波の送受信を行って、前記位置取得手段による前記筆記具の位置情報の取得を行う第1モードと、
    前記第1モードとは異なる動作モードであって、前記第1コイル又は前記第2コイルに通電し、前記第1コイルと前記第2コイルとの間で電磁波の送受信を行って、前記開閉判定手段による前記判定を行う第2モードと、
    を備えており、
    所定時間の間、前記位置取得手段により前記位置情報が取得されなかった場合、前記第2モードを実行し、前記判定手段により前記シート体が開き状態にあると判定された場合に前記第1モードへ移行するように、モード切り替えを行う、制御手段を有する
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  6. 請求項5に記載の筆記記録装置において、
    前記制御手段は、
    前記第1モードを実行し、前記位置取得手段により前記筆記具の位置情報が所定時間取得されなかった場合に前記第2モードへ移行するように、モード切り替えを行う
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の筆記記録装置において、
    前記第2モードは、
    前記所定の周期よりも長い周期で前記第1コイル又は前記第2コイルに通電し、前記第1コイルと前記第2コイルとの間で電磁波の送受信を行って、前記判定手段による前記判定を行うモード
    であることを特徴とする筆記記録装置。
  8. 請求項5又は請求項6に記載の筆記記録装置において、
    前記第2モードは、
    前記第1コイル又は前記第2コイルに通電し、前記第1コイルと前記第2コイルとの間で前記所定の周波数よりも低い周波数による電磁波の送受信を行って、前記判定手段による前記判定を行うモード
    であることを特徴とする筆記記録装置。
  9. 請求項2から請求項8のいずれかに記載の筆記記録装置において、
    前記判定手段は、
    前記第1コイルと前記第2コイルとで送受信される電磁波の受信信号強度が第1しきい値以上となる場合に、前記シート体が閉じ状態にあると判定し、
    前記第1コイルと前記第2コイルとで送受信される電磁波の受信信号強度が第1しきい値より小さい場合に、前記シート体が開き状態にあると判定する
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  10. 請求項9に記載の筆記記録装置において、
    前記シート体を前記折り曲げ部により折り曲げた状態における、前記第1領域の背面側と前記第2領域の背面側とに、電磁波減衰機能を備えたシールド部材を設けた
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  11. 請求項2から請求項8のいずれかに記載の筆記記録装置において、
    前記判定手段は、
    前記第1領域に備えられる1つの前記第1コイルとこの第1コイルに対向するように前記第2領域に備えられる1つの前記第2コイルとで送受信される電磁波の受信信号強度と、前記第1領域に備えられる別の前記第1コイルとこの第1コイルに対向するように前記第2領域に備えられる別の前記第2コイルとで送受信される電磁波の受信信号強度と、の強度差が、第2しきい値以下となる場合に、前記シート体が閉じ状態にあると判定し、前記強度差が第2しきい値より大きい場合に、前記シート体が開き状態にあると判定する
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  12. 請求項11に記載の筆記記録装置において、
    前記第1領域と前記第2領域とを接続する中間領域を設け、
    前記折り曲げ部は、前記中間領域と前記第1領域との間、及び、前記中間領域と前記第2領域との間、に合計2つ設けられており、
    それら2つの折り曲げ部は、
    前記シート体の開き方向に沿って、前記第1領域と前記第2領域とのなす角が略360°に至る裏返し状態となるまで、折れ曲がり可能に構成されている
    ことを特徴とする筆記記録装置。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の筆記記録装置において、
    前記別の第1コイルは、前記1つの第1コイルから前記折り曲げ部と反対側の部位に設けられており、前記別の第2コイルは、前記1つの第2コイルから前記折り曲げ部と反対側の部位に設けられている
    ことを特徴とする筆記記録装置。
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