JP2012013342A - 温熱用蓄熱装置とその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単であり、熱交換効率が高く、温熱の蓄熱が効率的に可能な温熱用蓄熱装置とその運転方法を提供する。
【解決手段】液層と固相の間の相変態により、潜熱を蓄える酢酸ナトリウム3水和塩から成る蓄熱材と、この蓄熱材を収容した蓄熱槽12と、蓄熱槽12内の蓄熱材中に埋設された熱交換パイプ22,23を有する。蓄熱槽12の底部の蓄熱材を加熱する底部加熱器24を備える。蓄熱槽12の中央部に、上下方向に立設された対流用管部材26を備える。蓄熱槽12内の蓄熱材と熱交換パイプ22,23内の熱媒体との間で、蓄熱材の相変態を伴って熱エネルギーの授受が行われる。
【選択図】図1

Description

この発明は、液相と固相間の相変態による潜熱を利用して、給湯や空調等に利用可能な温熱を蓄積する温熱用蓄熱装置とその運転方法に関する。
近年、給湯や空調等におけるエネルギーの効率的な利用に鑑みて、蓄熱方式の空調給湯システムが提案されている。特に、蓄熱については、蓄えられるエネルギー密度の大きさから、物質の相変態により蓄えられる潜熱を利用したものがより適しており、温熱の蓄熱には例えば特許文献1に開示されているように、酢酸ナトリウムの水和塩を用いて蓄熱するものが提案されている。この蓄熱装置は、蓄熱槽に酢酸ナトリウムの水和塩を収容し、その中に金属フィンを有した銅やアルミニウムの金属製の通水管を通し、通水管内に熱交換用の媒体である水を通して、温熱を取り出す装置である。
一方、温熱の蓄熱や蓄熱した温熱の取り出しに際して、蓄熱材が固相と液相の間を相変態する際、蓄熱材は液相においても対流のない静的な状態にあるため、熱の伝達効率が悪く装置全体としての熱交換効率が低いという問題があった。そこで、特許文献2に開示されているように、蓄熱材を容器内に密閉し、熱を伝達する水等の熱媒体を対流させるようにした蓄熱槽が提案されている。この蓄熱槽の蓄熱材も、物質の融解熱を利用したものである。この蓄熱槽は、蓄熱槽の上部には、熱い熱媒体で内部の冷たい水を暖めるための熱交換器が配置され、蓄熱槽の下部には、冷めた熱媒体を外部の熱源からの熱で暖めるための熱交換器が配置されている。そして、その中間に蓄熱材である融解物質を入れて密閉した縦長の容器を置き、蓄熱槽内を熱媒体が上下方向に対流することにより、蓄熱材と熱媒体との熱交換が効果的に行われるようにしている。ここで、蓄熱材としては、ナフタレンが用いられている。
特開2007−225268号公報 特開2001−41585号公報
上記背景技術の特許文献1に開示された酢酸ナトリウムの水和塩を用いた蓄熱材は、58℃で約264kJ/kg程度の熱量を潜熱として蓄えることができ、比較的低温できわめて多くの熱量を蓄えることができる。しかし、酢酸ナトリウム3水和塩は、酢酸ナトリウムを60.3wt%及び水を39.7wt%含んだ無機水和塩であり、58℃で約264kJ/kgの熱を加えることにより液相状態となり、酢酸ナトリウム水溶液(58wt%)が97.7%と、酢酸ナトリウム無水塩2.3%を生成する。これにより、相対的に密度の高い酢酸ナトリウム無水塩が次第に容器底部に沈降し、時間の経過とともに相分離現象が生じるものであった。そしてこの2成分の分離量の増大とともに、蓄熱量が減少すると言う問題があった。
また、酢酸ナトリウム水和塩の蓄熱材は、静的な状態で液相から固相に相変態するので、熱の取り出し時に過冷却現象が生じ、十分に潜熱を取り出すことができないと言う現象も生じ、過冷却により、相分離も生じ易くなるものであった。過冷却の防止には、結晶の核になる過冷却防止剤を蓄熱材中に混合することもあるが、過冷却防止剤と蓄熱材の比重が異なるので、長期間の使用により過冷却防止剤も次第に沈降し分離してしまうものであった。
一方、特許文献2に開示された蓄熱装置の場合も、蓄熱材を容器内に密封してその周囲を熱媒体である水により満たし、容器の上下に熱交換器を置いている構造であり、熱媒体である水が対流し移動するもので、上記と同様に容器内の蓄熱材は静的な状態が維持され、過冷却や相分離現象が生じ、熱交換効率が良くないものである。しかも、特許文献2に開示された蓄熱装置は、蓄熱材用の容器や上下の熱交換器等を必要とし、装置が大型化、複雑化するものである。
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、構造が簡単であり、熱交換効率が高く、温熱の蓄熱が効率的に可能な温熱用蓄熱装置とその運転方法を提供することを目的とする。
この発明は、液層と固相の間の相変態により潜熱を蓄える蓄熱材と、この蓄熱材を収容した蓄熱槽と、前記蓄熱材中に埋設された熱交換パイプと、前記蓄熱槽底部の前記蓄熱材を加熱する底部加熱器とを備え、前記蓄熱槽内の前記蓄熱材と前記熱交換パイプ内の熱媒体との間で、前記蓄熱材の相変態を伴って熱エネルギーの授受が行われる温熱用蓄熱装置である。前記蓄熱槽内には、前記蓄熱槽の中央部に上下方向に立設された対流用管部材を備える。
前記熱交換パイプは、少なくとも一対の樹脂製のメインパイプ間に、等間隔に樹脂製の多数の細い熱交換パイプが接続されて成るパイプユニットに設けられたものである。
前記対流用管部材は、螺旋状に巻き付けられた前記パイプユニットを支持した支持円盤の中央部に立設されているものである。前記支持円盤には、複数の透孔が形成されていても良い。前記蓄熱材は、酢酸ナトリウム3水和塩が好ましいものである。
またこの発明は、液層と固相の間の相変態により潜熱を蓄える蓄熱材と、この蓄熱材を収容した蓄熱槽と、前記蓄熱材中に埋設された熱交換パイプとを備え、前記蓄熱槽内の前記蓄熱材と前記熱交換パイプ内の熱媒体との間で、前記蓄熱材の相変態を伴って熱エネルギーの授受を行う温熱用蓄熱装置の運転方法であって、前記蓄熱槽底部の前記蓄熱材を加熱する底部加熱器を設け、蓄熱時にはこの底部加熱器に熱エネルギーを供給して、前記蓄熱材を液相にし、前記対流用管部材の中を液体の前記蓄熱材が通過するように前記蓄熱材を対流させる温熱用蓄熱装置の運転方法である。
前記熱交換パイプは、少なくとも一対の樹脂製のメインパイプ間に、等間隔に樹脂製の多数の細い熱交換パイプが接続されて成るパイプユニットに設けられたものであり、蓄熱時には、前記蓄熱槽内の前記蓄熱材の中心部のメインパイプに熱媒体を送り、前記蓄熱材を収容した前記蓄熱槽の周辺部に位置した前記メインパイプから前記熱媒体が戻って、前記蓄熱材に熱エネルーを蓄えるものである。また、熱エネルギーの取り出し時には、前記蓄熱材を収容した前記蓄熱槽の周辺部のメインパイプに熱エネルギー取り出し用の熱媒体を送り、前記蓄熱材の中心部に位置した前記メインパイプから前記熱媒体が戻り、前記蓄熱材の熱エネルーを取り出すものである。
また、前記底部加熱器は、前記蓄熱槽内の底部に配置された熱交換パイプから成り、熱エネルギーの取り出しに際して、前記底部加熱器の熱交換パイプに熱媒体を循環させて、前記底部加熱器の周囲の前記蓄熱材の熱エネルギーを回収するようにした温熱用蓄熱装置の運転方法である。
この発明の温熱用蓄熱装置とその運転方法によれば、蓄熱槽の底部に底部加熱器が設けられ、蓄熱材の対流を確実に起こし、蓄熱槽内の蓄熱材に効率的に蓄熱可能であるとともに、蓄熱した温熱の取り出しも効率的に行うことができる。さらに、蓄熱槽の中央部に上下方向に対流用管部材が設けられ、底部加熱器により液相化した蓄熱材が効果的に上方に向かって流れ、液相化した蓄熱材の対流が確実に生じ、より効率的な熱交換が可能となる。
特に、底部加熱器により、蓄熱材が確実に対流して混ざり合うので、相分離現象を生じさせず、この点からも効率の良い蓄熱及び熱交換が可能である。さらに、樹脂製の熱交換パイプを並列に多数配設したパイプユニットにより、大量の温熱の蓄熱が効率的に可能であり、熱交換効率が良く、配管の耐久性も高い。
またこの発明の温熱用蓄熱装置とその運転方法によれば、底部加熱器により熱交換パイプの下の蓄熱材を加熱して、液相化し、蓄熱するので、相分離することなく蓄熱が可能であり、効率的に蓄熱が行われる。
蓄熱時には、蓄熱材の中心部から蓄熱し、取り出し時には蓄熱材の周辺部から熱エネルギーを取り出すので、投入及び取り出しの熱エネルギーが他へ逃げることなく、高効率で利用することができる。
また、熱エネルギーの取り出しに際しては、底部加熱器の周囲の蓄熱材の熱エネルギーも取り出すことにより、蓄熱した熱エネルギーの効率的な利用が可能となる。
この発明の第一実施形態の温熱用蓄熱装置の縦断面図である。 この実施形態の温熱用蓄熱装置の横断面図である。 この実施形態の温熱用蓄熱装置のパイプ支持部材を示す斜視図である。 この実施形態の底部加熱器の平面図である。 この実施形態の温熱用蓄熱装置の蓄熱動作を示すフローチャートである。 この実施形態の温熱用蓄熱装置の熱の取り出し動作を示すフローチャートである。 この発明の第二実施形態の温熱用蓄熱装置の横断面図である。 この発明の第二実施形態の温熱用蓄熱装置の縦断面図である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図6はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の温熱用蓄熱装置10は、円筒状に形成され、上方の開口部には蓋12aが取り付けられた蓄熱槽12が設けられている。蓄熱槽12及び蓋12aは、FRP等の合成樹脂製又は耐腐食性の金属により形成され、その内側には発泡樹脂等の断熱材13が設けられて多層に形成され、保温性を有した構造となっている。
蓄熱槽12内には、内部タンク14が蓄熱槽12の内壁に接するように嵌合されている。内部タンク14もFRP等の合成樹脂製又は耐腐食性の金属製であり、有底の円筒状に形成され、上方が開口している。内部タンク14の上方開口部には、FRP等の合成樹脂製又は耐腐食性の金属製の蓋14aが被せられている。なお、蓄熱槽12及び内部タンク14は、収容した蓄熱材の水分の蒸散を最小限に抑えるため、気密状態で取り付けられることが好ましい。
内部タンク14内には、酢酸ナトリウム(CHCOONa)の水和塩からなる温熱蓄熱材が収納されている。ここで用いる酢酸ナトリウム3水和塩は、相変態温度が58度で、融解熱が264kJ/kg(蓄熱密度)であり、極めて高い蓄熱量を有する。その他、同様の温熱蓄熱材として利用できる物質としては、硫酸ナトリウムの水和塩、炭酸ナトリウムの水和塩、その他所望の融解温度で利用可能な無機水和塩系の蓄熱材等を用いることができる。酢酸ナトリウム水和塩は、液相状態で、酢酸ナトリウム水溶液(58wt%)が97.7%と、酢酸ナトリウム無水塩2.3%となるものであるが、長期間の使用により水分の蒸発があるので、若干水分量を多くして密封しておくと良い。
内部タンク14内には、熱交換器として樹脂製の一対のパイプユニット16,17が螺旋状に巻かれて収容されている。一方のパイプユニット16は、図1,図2に示すように、ほぼ内部タンク14の深さ程度の長さを有する一対のメインパイプ18,20間に、等間隔で多数の細い熱交換パイプ22が互いに平行に接続されている。熱交換パイプ22は、メインパイプ18,20に対してほぼ直角に接続され、管内が連通している。メインパイプ18,20の上端部には、コネクタ18a,20aが各々設けられ、下端部は閉鎖されている。他方のパイプユニット17も、図1,図2に示すように、上記と同様にほぼ内部タンク14の深さ程度の長さを有する一対のメインパイプ19,21間に、等間隔で多数の細い熱交換パイプ23が互いに平行に接続されている。熱交換パイプ23は、メインパイプ19,21に対してほぼ直角に接続され、管内が連通している。メインパイプ19,21の上端部には、コネクタ19a,21aが各々設けられ、下端部は閉鎖されている。
一対のパイプユニット16,17は、内部タンク14内でメインパイプ18,19が外側に位置し、メインパイプ20,21が内側に位置するようにして、互いに螺旋状に巻き付けられ、メインパイプ18,19,20,21が、内部タンク14の円筒の中心軸と平行に位置して収容される。コネクタ18a,19a,20a,21aには、図示しない配管が接続され、蓋14a,12aを貫通して外部に引き出されている。そして、コネクタ20aは、後述する他の熱交換パイプ32の一方の先端部が接続され、コネクタ18a,19a,21aには、図示しない熱源に接続された図示しない配管が接続されている。ここで、図2に示すように、蓄熱する際に用いる加熱側のパイプユニット16の熱交換パイプ22は、他方のパイプユニット17の熱交換パイプ23を囲むように最外周に最後の一巻きが位置している。これにより、溶け残りやすい内部タンク14の内周面近くに位置する蓄熱材を、効率よく確実に溶かすことができる。
内部タンク14内には、一対のパイプユニット16,17を保持した傘状のパイプ支持部材24が設けられている。パイプ支持部材24は、底部に支持円盤25が設けられ、支持円盤25の中央部から直角方向に一体的に設けられた柱状の対流用管部材26が形成されている。支持円盤25には、表裏を貫通した透孔28が適宜の位置に形成されている。対流用管部材26は中空の円筒で、支持円盤25の裏面側の開口25aと対流用管部材26の上端の開口26aが連通している。また対流用管部材26の上方にも、透孔28を形成しても良い。支持円盤25は、内部タンク14の底面と所定の隙間を空けて配置され、その隙間に、後述する底部加熱器30と蓄熱材が収容される。
パイプ支持部材24には、対流用管部材26の周囲に一対のパイプユニット16,17のメインパイプ20,21が互いに反対側に配置され、熱交換パイプ22,23が螺旋を描くように設けられている。メインパイプ18,19は、螺旋状の最外周に位置し、内部タンク14の内壁に近接して位置している。
熱交換パイプ22,23の螺旋状の半径方向に隣接する熱交換パイプ22,23同士の間には、樹脂部材などで形成された整列部材34が配置されている。整列部材34は、図2に示すように、熱交換パイプ22,23を等ピッチに整列させて保持するもので、熱交換パイプ22,23の間隔を維持させるものである。このピッチは、メインパイプ18,19,20,21に取り付けられた間隔とほぼ等しい。さらに整列部材34は、熱交換パイプ22,23の浮き上がりを抑えるために、ボルト等で保持部材に取り付けられている。
パイプ支持部材24の支持円盤25の裏面側には、内部タンク14の底面上に設けられた底部加熱器30が設けられている。底部加熱器30は、1本の上記と同様の熱交換パイプ32が渦巻き状に内部タンク14の底面上に配置され、その両端部が、支持円盤25の開口25aから対流用管部材26内に挿通され、対流用管部材26の上端の開口26aから延出している。開口26aから延出した熱交換パイプ32の一方の端部はメインパイプ20のコネクタ20aに接続されている。この接続部分は、蓄熱槽12の外部で図示しない3方弁を介して接続されている。他方の端部は、蓋14a、12aを貫通して外部に引き出されている。
メインパイプ18,19,20,21及び熱交換パイプ22,23,32は、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂製であり、熱交換パイプ22,23,32の内径はメインパイプ18,19,20,21よりも細く、2.0〜3.5mm、好ましくは2.3〜3.1mmである。熱交換パイプ22,23,32の肉厚はできる限り薄い方が熱抵抗が小さく好ましいが、強度上必要な厚さであればよく、管の内径に合わせて肉厚も設定される。この内部タンク14の容量は設置上の便宜や容易さからが、例えば20リットルである。
次に、この実施形態の温熱用蓄熱装置10の使用方法について説明する。まず、温熱蓄熱材に熱エネルギーを溜める場合は、夜間電力を利用したヒーターや太陽熱パネル等の図示しない熱源から配管を介して熱媒体であるエチレングリコールや水を供給する。この蓄熱動作は、図5のフローチャートに示すように、蓄熱開始の後、熱源から水等の熱媒体が送られ、先ず。底部の熱交換パイプ32の一方の端部から熱媒体が送られ、熱交換パイプ32内を通過して、内部タンク14の底面上の熱交換パイプ32により、支持円盤25の裏面と内部タンク14の底面との間の蓄熱材と熱交換が行われる。熱交換パイプ32を通過した熱媒体は、コネクタ20aから、蓄熱槽12の中央部のメインパイプ20内に送られ、メインパイプ20から熱交換パイプ22に、並列に熱媒体が送られ、熱交換パイプ22の周囲の蓄熱材との間で熱交換が行われる。熱交換パイプ22を通過した熱媒体は次第に蓄熱材に熱エネルギーが奪われて、蓄熱槽12の周辺部に位置したメインパイプ18に戻り、熱源に戻される。熱媒体は、この経路を循環し、熱源の熱エネルギーを熱交換パイプ22,32に送り込んで、蓄熱材と熱交換を行わせる。
これにより、先ず支持円盤25の裏面側の蓄熱材が液相になり体積が膨張した液体の蓄熱材は、透孔28から支持円盤25の上方に移動するとともに、対流用管部材26内を通過して上昇し、上端の開口26aから流出する。また、次第に熱交換パイプ22の周囲の蓄熱材も温められて液相になり、対流用管部材26を中心として、内部タンク14内で対流が生じる。この対流により、内部タンク14内の蓄熱材は、均一に熱せられ、液相中の酢酸ナトリウム無水塩は、対流とともに内部タンク14内を循環し、液層と固相が相分離することがない。また、加熱された熱交換パイプ22の熱エネルギーは、蓄熱材の対流により効率的に蓄熱材に吸収されて蓄熱材が液相になり、効果的に潜熱を蓄える。
蓄熱槽の加熱は、図5に示すように、熱媒体の往きの温度と、戻りの温度を測定し、所定範囲内になるように温度制御を行いながら蓄熱するものである。そして、蓄熱槽内の温度が所定の温度となったところで、図示しないモニタ等に蓄熱量を表示して、蓄熱が完了する。
次に、蓄熱した熱エネルギーを取り出すときは、蓄熱槽12の周辺部に位置したメインパイプ19のコネクタ19aから図示しない配管を介して、熱媒体または温水として使用する冷水を注入する。蓄熱装置10は、図6のフローチャートに示すように、図示しないモニタに蓄熱量が表示され、熱媒体や冷水等がメインパイプ19から熱交換パイプ23に流れ、蓄熱材との間で熱交換を行う。このとき、温度が一定となるように、メインパイプ21を経て蓄熱槽12から出た温水に所定量の給水側からの水を混合して、設定温度になるようにするとともに、流量を調節する。また、蓄熱槽12の中央部のメインパイプ21から出てきた温水の温度を測定し、蓄熱量を演算してモニタ等に表示する。
熱エネルギーの取り出し中は、使用により蓄熱槽12内の蓄熱量が既定値以下となったか否かを判断し、既定値以下でなければ、そのまま運転を続行し給湯を続ける。また、規定値以下の場合は、モニタに蓄熱量の残量警報等を表示する。さらに、不足した熱量を補って蓄熱するための追加運転を開始する。追加の蓄熱運転は、所定時間でも良く、所定の蓄熱量に回復するまででも良い。
さらに、追加運転を行っても給湯により出湯温度が低下するようになると、図示しない3方弁を切り換えて、底部加熱器30への熱媒体の接続を取り出し側に接続し、底部加熱器30の周囲の蓄熱材の熱エネルギーを回収する。支持円盤25と内部タンク14の底面との間の蓄熱材には、取り出し用の熱交換パイプ23が配置されていないので、この部分の熱エネルギーはまだ残っており、これを利用するものである。蓄熱槽12からの熱エネルギーの取り出しは、注入される熱媒体の温度と等しい温度に蓄熱材の温度が下がるまで可能であり、蓄熱材の潜熱を全て取り出し、さらに蓄熱材が固相になった後の顕熱も利用可能である。
この実施形態の温熱用蓄熱装置10によれば、先ず底部加熱器30により、酢酸ナトリウム3水和塩の蓄熱材を底部より加熱し、引き続いて熱交換パイプ22で蓄熱材全体を加熱する。蓄熱材は一様に液相状態に変化するのではなく、先ず底部加熱器30の熱交換パイプ32の周辺から液相になり、体積が膨張して液体の蓄熱材が内部タンク14内を上昇する。これにより、液相状態の蓄熱材を効果的に対流させることができ、液体中に溶け残った酢酸ナトリウム水和塩の結晶を均一に分散させることができ、長期間の使用による相分離を防止することができる。さらに、溶け残った酢酸ナトリウム水和塩の結晶が均一に分散していることから、凝固時の核が分散して存在し、過冷却現象も抑えることができる。しかも、表面積の大きい熱交換パイプ22,23,32が蓄熱材中に配置されているので、これによっても過冷却現象を起きにくくしている。
次に、この発明の第二実施形態の温熱用蓄熱装置40について、図7、図8を基にして説明する。この実施形態は、3枚のパイプユニット41,42,43を等間隔で配置したもので、1枚の加熱回路のパイプユニット42と、2枚の取り出し用のパイプユニット41,43が、円筒状の蓄熱槽46に収容されている。蓄熱槽46も、断熱材を有した断熱構造に形成されている。3枚のパイプユニット41,42,43の一方のメインパイプ47,48,49が外側に位置し、内側には他方のメインパイプ51,52,53が等間隔に配置されている。加熱側のパイプユニット42の熱交換パイプ50は、他のパイプユニット41,43の熱交換パイプ52,54を囲むように最外周に最後の一巻きが位置している。これにより、溶け残りやすい蓄熱槽内周面近くに位置する蓄熱材を、効率よく確実に溶かすことができる。また、蓄熱槽46の底部には、上記と同様の底部加熱器30やその他のヒーターから成る底部加熱器が設けられている。
この実施形態の温熱用蓄熱装置によっても上記実施形態と同様の効果を得ることができ、より大規模な容量の蓄熱を可能にする。特に、取り出し用のパイプユニット41,43を2枚としたことにより、一度により多くの温水等の熱エネルギーを取り出すことが可能となる。
この発明の温熱用蓄熱装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、温熱蓄熱材は適宜の種類のものを利用することができ、例えば臭化テトラnブチルアンモニウムの水和物等も利用することができる。また、矩形の蓄熱タンクであっても、それぞれの角部に整列部材を配置し、発泡スポンジ等の多孔質のスペーサ部材を用いて熱交換パイプを正確に整列させて収容することができる。さらに、パイプユニットの形状も適宜設定可能である。
また、上述の実施形態では、2枚乃至3枚のパイプユニットを用いて、蓄熱と熱の取り出しを別々のパイプユニットにより行ったが、蓄熱材への蓄熱とその熱エネルギーの取り出しとを、回路を切り替えて1枚のパイプユニットにより行うことも可能である。また、底部加熱器は、熱交換パイプを用いる他、耐食性のステンレスを内部タンクに使用した場合には、底部加熱器として内部タンクの底面を電磁誘導加熱器や電熱ヒーター等で加熱するものでも良い。
10 温熱用蓄熱装置
12 蓄熱槽
14 内部タンク
16,17 パイプユニット
18,19,20,21 メインパイプ
22,23,32 熱交換パイプ
24 パイプ支持部材
25 支持円盤
26 対流用管部材
30 底部加熱器

Claims (10)

  1. 液層と固相の間の相変態により潜熱を蓄える蓄熱材と、この蓄熱材を収容した蓄熱槽と、前記蓄熱材中に埋設された熱交換パイプと、前記蓄熱槽底部の前記蓄熱材を加熱する底部加熱器とを備え、前記蓄熱槽内の前記蓄熱材と前記熱交換パイプ内の熱媒体との間で、前記蓄熱材の相変態を伴って熱エネルギーの授受が行われることを特徴とする温熱用蓄熱装置。
  2. 前記蓄熱槽内には、前記蓄熱槽の中央部に上下方向に立設された対流用管部材を備えた請求項1記載の温熱用蓄熱装置。
  3. 前記熱交換パイプは、少なくとも一対の樹脂製のメインパイプ間に、等間隔に樹脂製の多数の細い熱交換パイプが接続されて成るパイプユニットに設けられたものである請求項1記載の温熱用蓄熱装置。
  4. 前記対流用管部材は、螺旋状に巻き付けられた前記パイプユニットを支持した支持円盤の中央部に立設されている請求項2記載の温熱用蓄熱装置。
  5. 前記支持円盤には、複数の透孔が形成されている請求項4記載の温熱用蓄熱装置。
  6. 前記蓄熱材は、酢酸ナトリウム3水和塩である請求項1記載の温熱用蓄熱装置。
  7. 液層と固相の間の相変態により潜熱を蓄える蓄熱材と、この蓄熱材を収容した蓄熱槽と、前記蓄熱材中に埋設された熱交換パイプとを備え、前記蓄熱槽内の前記蓄熱材と前記熱交換パイプ内の熱媒体との間で、前記蓄熱材の相変態を伴って熱エネルギーの授受を行う温熱用蓄熱装置の運転方法において、
    前記蓄熱槽底部の前記蓄熱材を加熱する底部加熱器を設け、蓄熱時にはこの底部加熱器に熱エネルギーを供給して、前記蓄熱材を液相にし、前記対流用管部材の中を液体の前記蓄熱材が通過するように前記蓄熱材を対流させることを特徴とする温熱用蓄熱装置の運転方法。
  8. 前記熱交換パイプは、少なくとも一対の樹脂製のメインパイプ間に、等間隔に樹脂製の多数の細い熱交換パイプが接続されて成るパイプユニットに設けられたものであり、蓄熱時には、前記蓄熱槽内の中心部のメインパイプに熱媒体を送り、前記蓄熱材を収容した前記蓄熱槽の周辺部に位置した前記メインパイプから前記熱媒体が戻って、前記蓄熱材に熱エネルギーを蓄える請求項7記載の温熱用蓄熱装置の運転方法。
  9. 前記熱交換パイプは、少なくとも一対の樹脂製のメインパイプ間に、等間隔に樹脂製の多数の細い熱交換パイプが接続されて成るパイプユニットに設けられたものであり、熱エネルギーの取り出し時には、前記蓄熱材を収容した前記蓄熱槽の周辺部のメインパイプに熱エネルギー取り出し用の熱媒体を送り、前記蓄熱材の中心部に位置した前記メインパイプから前記熱媒体が戻り、前記蓄熱材の熱エネルーを取り出す請求項7記載の温熱用蓄熱装置の運転方法。
  10. 前記底部加熱器は、前記蓄熱槽内の底部に配置された熱交換パイプから成り、熱エネルギーの取り出しに際して、前記底部加熱器の熱交換パイプに熱媒体を循環させて、前記底部加熱器の周囲の前記蓄熱材の熱エネルギーを回収する請求項7記載の温熱用蓄熱装置の運転方法。
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