JP2012012334A - 固定化タンパク質および固定化タンパク質作製用活性化担体 - Google Patents

固定化タンパク質および固定化タンパク質作製用活性化担体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、固定化対象のタンパク質の機能が固定化される以前の機能を全く失うことなく共有結合で担体に結合させることを目的とする。
【解決手段】本発明は、無機系多孔質連続体からなる担体上(1)に、介在タンパク質(2)を介して配向が制御された形態で共有結合により固定化された固定化タンパク質であって、介在タンパク質(2)がリジン及びシステインを含まず、該介在タンパク質(2)のカルボキシ末端が前記担体(1)の表面にアミド結合(5)を介して共有結合により固定化され、該担体上(1)に固定化された介在タンパク質(2)中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基と目的タンパク質(3)中のリジン残基の側鎖のアミノ基とがアミド結合(5)を介して結合している。
【選択図】図1

Description

本発明は、仲介タンパク質を介して目的とする抗体タンパク質をシリカを主成分とする無機系多孔質連続体に共有結合で固定化させることを簡便に行うために使用される活性化担体及び固定化タンパク質に関するものである。
当該技術分野の当業者にとって自明なこととして、目的タンパク質を担体に固定化する方法としては、固定化反応の形態に応じて、物理吸着と化学的結合の二つに大きく分けられること、また、化学結合の場合も、イオン結合など可逆的結合と共有結合などによる不可逆的結合に分けることができること、物理吸着や可逆的化学結合による固定化は、固定化方法としては、温和で且つ簡便であるが、固定化タンパク質が使用される環境条件として、溶液のpH、塩濃度、温度などの変化に対応できない場合が多く、その利用は非常に限定されること、従って、固定化タンパク質の幅広い用途を目指す場合、共有結合による固定化が望ましいことなどがあげられる。
共有結合によるタンパク質の固定化を実施する場合においては、担体基材の表面に固定化反応を行わせるための官能基を導入し、その官能基と反応できるタンパク質末端のアミノ基やカルボキシル基、もしくは、タンパク質側鎖のSH基、アミノ基、カルボキシル基などとの反応により固定化が通常行われる。時には、担体基材の官能基とタンパク質側鎖の官能基との間に架橋試薬(クロスリンカー)を用いて適当なスペーサーを介して共有結合を形成させることも行われている。
共有結合によるタンパク質の固定化を実施する場合において、固定化されるタンパク質からみた固定化状況に応じて、固定化に利用される部位(アミノ酸残基番号など)が特定される場合(部位特異的固定化)と特定できない場合(ランダム固定化)のカテゴリーに分けることができる。このうち、タンパク質の末端側1か所で固定化された場合は、固定化されたタンパク質の配向がそろうことから、配向制御固定化と呼ばれる。
このように、タンパク質の固定化技術は非常に多岐にわたるが、作製された固定化タンパク質の機能・性能・安定性など品質の観点で評価すると、理想的な固定化の形態としては、共有結合による配向が制御された形態での固定化タンパク質が望ましいことは、自明である。
しかしながら、タンパク質は、高々20種類のアミノ酸残基を構成要素とするアミノ酸残基の連鎖であることから、望ましい形態での固定化された固定化タンパク質を作製するためには、固定化対象タンパク質のアミノ酸配列に各種制限を加えることが必要となる。例えば、システイン残基のSH基を結合の官能基として利用して、タンパク質の末端側で配向制御固定化を行う場合は、目的とするタンパク質の機能を保持したままタンパク質中のシステイン残基をすべて他のアミノ酸残基に置換し、且つ、末端側に結合を担うシステイン残基を導入することが行われている。
配向を制御して固定化することにより、目的タンパク質の機能が最大限に発揮されることは、本発明者らがジヒドロ葉酸還元酵素を配向制御固定化することにより元の機能が完全に保たれることを示した結果(非特許文献1: Iwakura & S.Honda (1996) J. Biochem. 119, 414-420: Stability and Reversibility of Thermal Denaturation Are Greatly Improved by Limiting Terminal Flexibility of Escherichia coli Dihydrofolate Reductase.;非特許文献2:Masahiro Iwakura, Dai Nakamura, Tatsuyuki Takenawa & Yasushi Mitsuishi (2001) Protein engineer., 14, 583-589.; 非特許文献3:An approach for protein to be complete reversible to thermal denaturation even at autoclave temperatures)、及び、各種固定化方法により抗体分子の固定化を行った結果より明らかである。
ちなみに、抗体分子を共有結合で固定化した場合、担体の表面上での抗体分子の結合様式を整えることは原理的に不可能であり、極端な場合は、抗体分子の物質認識能に必須な部位が利用できない形での固定化が生じたり、物質認識能に大きく影響する形での結合が生じることが多くの文献で示されている。すなわち、共有結合による固定化された抗体の配向性は、分子としてまったく不均質な形での固定化抗体であり、このような不均質な固定化により抗体分子の機能、すなわち、抗原との結合能力が、抗体分子の変性、無秩序な配向や化学修飾などにより、低下することが報告されている。(非特許文献4:M.Nisnevitch, M.A.Firer, The solid phase in affinity chromatography: strategies for antibody attachment, J.Biochem.Biophys.Methods, vol. 49, pp.467-480(2001); 非特許文献5:R.Danczyk, B.Krieder, A,North, T.Webster, H.HogenEsch, A.Rundell, Comparison of antibody functionality using different immobilization methods, Biotechnol. Bioeng. Vol.84, pp.215-223(2003); 非特許文献6:Yongwong Jung, Hyo Jin Kang, Jeong Min Lee, Sun Ok Jung, Wan Soo Yun, Sang J, Chung, BVong Hyun Chung, Controlled antibody immobilization onto immunoanalytical platforms by synthetic peptide, Analytical Biochemistry, vol. 374, pp99-105(2008))。
さらに、固定化タンパク質の利用において、担体基材の表面に固定化反応を行わせるために導入した官能基を不活性化するために、いわゆる、マスク反応を施す必要があるが、そのために、固定化の対象となるタンパク質は、用いられるマスク反応に非感受性であることが求められる。
本発明者らは、タンパク質配列の末端一か所での結合を確実なものにするために、シアノシステインを介したタンパク質の固定化反応を開発すると共に、その反応だけでなく官能基のマスク反応にも非感受性であるタンパク質の一般的形態を開発している(特許文献1:特開2008-115151;特許文献2:特開2008-115152;特許文献3:特開2008-115153;特許文献4:特開2008-266219;特許文献5:特開2008-266221;特許文献6:特開2008-280259)。配向を制御して共有結合で固定化するためには、固定化の対象となるタンパク質の配列もしくは構成するアミノ酸の種類が大きく制限されることになる。
Iwakura & S.Honda (1996) J. Biochem. 119, 414-420: Stability and Reversibility of Thermal Denaturation Are Greatly Improved by Limiting Terminal Flexibility of Escherichia coli Dihydrofolate Reductase. Masahiro Iwakura, Dai Nakamura, Tatsuyuki Takenawa & Yasushi Mitsuishi (2001) Protein engineer., 14, 583-589. An approach for protein to be complete reversible to thermal denaturation even at autoclave temperatures M.Nisnevitch, M.A.Firer, The solid phase in affinity chromatography: strategies for antibody attachment, J.Biochem.Biophys.Methods, vol. 49, pp.467-480(2001) R.Danczyk, B.Krieder, A,North, T.Webster, H.HogenEsch, A.Rundell, Comparison of antibody functionality using different immobilization methods, Biotechnol. Bioeng. Vol.84, pp.215-223(2003) Yongwong Jung, Hyo Jin Kang, Jeong Min Lee, Sun Ok Jung, Wan Soo Yun, Sang J, Chung, BVong Hyun Chung, Controlled antibody immobilization onto immunoanalytical platforms by synthetic peptide, Analytical Biochemistry, vol. 374, pp99-105(2008)
特開2008-115151 特開2008-115152 特開2008-115153 特開2008-266219 特開2008-266221 特開2008-280259
抗体は、抗体医薬品としての利用に限らず、それぞれの分子種がそれぞれ、非常に特異的にある特定の物質を認識して結合することから、診断などを含む各種分析に幅広く利用されるだけでなく、抗体そのものをアフィニティリガンドとして利用することにより、分離精製用担体としても利用できる。各種分析や分離に抗体を利用する場合は、抗体分子を不溶性基板もしくは担体に固定化した形、すなわち、固定化抗体の形状とすることが便利である。たとえば、96穴イムノプレートに抗体分子をいわゆる物理吸着により固定化することにより、簡便なイムノアッセイ系を構築することができる。また、不溶性担体基材の表面に官能基を導入し、抗体のアミノ酸側鎖との化学的に結合させた形で固定化することが行われている。しかしながら、このような形態での抗体の固定化を行った場合、担体の表面上での抗体分子の結合様式を整えることは原理的に不可能であり、極端な場合は、抗体分子の物質認識能に必須な部位が利用できない形での固定化が起こった場合、物質認識能に大きく影響する形での結合が生じる可能性がある。このことを固定化された抗体の配向性という観点で考えると、分子としてまったく不均質な形での固定化抗体と言わざるを得ない。このような不均質な固定化により抗体分子の機能、すなわち、抗原との結合能力が、抗体分子の変性、無秩序な配向や化学修飾などにより、低下することが報告されている(前述非特許文献4乃至6)。従って、より均質な固定化抗体の製造が望まれている。
この問題を解消するために、抗体分子の配向を制御して固定化することが行われるようになってきた。抗体分子の担体表面上における配向性を改善するために、プロテインAとかプロテインGと呼ばれる抗体結合タンパク質を利用することが考案された。これらの抗体結合タンパク質は、抗原認識部位とは異なったFcと呼ばれる部位と特異的の結合するタンパク質である。これらの抗体結合タンパク質を、担体表面上に配向を制御して固定化できれば、固定化したこれら抗体結合タンパク質を介して、配向を制御して、抗体分子そのものを固定化することが可能となる。
このことを、より一般化して表現すると、配向制御固定化を目的とするタンパク質の固定化において、目的タンパク質と特異的に結合する小タンパク質(リガンドタンパク質)を介在タンパク質として、あらかじめ担体表面上に配向制御固定化しておき、介在タンパク質に目的タンパク質を結合させると、介在タンパク質自身は配向が制御されており、且つ、介在タンパク質と目的タンパク質の結合は、定まった構造で結合することから、配向が定まったタンパク質に定まった結合をすることで、配向が定まるという帰結になる。このとき、介在タンパク質が結合する部位が、固定化を目的とするタンパク質の機能発現を損なわない部位であれば、このような形での目的タンパク質の固定化は、目的タンパク質の配向が整った上で機能的にも均質な機能が保証できる形態での固定化が実現できることになる。
配向を制御しない形での介在タンパク質を介した共有結合での固定化は、1978年ごろに提唱されている。D.M. Gersten and J.J. Marchalonisは、セファローズ4Bにランダム共有結合で固定化したプロテインAとイムノグロブリンGと混合し、結合させたのちに、二価性試薬であるジメチルスベルイミデートで処理することにより、プロテインAとイムノグロブリンGとの間に架橋反応を行わせ、共有結合で両者を結合させたことを示している。(D.M. Gersten and J.J. Marchalonis , A rapid, novel method for the solid-phase derivatization of IgG antibodies for immune-affinity chromatography. J. Immunol. Methods 24 (1978), pp. 305-309. )
しかしながら、架橋反応で結合したイムノグロブリンGの機能が保持されたままであったかの記載はなく、また、今日に至るまでに、このような架橋により作製された固定化抗体が実用的であるとの報告も見当たらない。このことは、架橋反応に用いられる試薬が、主にタンパク質のリジン残基の側鎖のアミノ基と反応すること、また、架橋は、プロテインAとイムノグロブリンGの側鎖間で反応が生じた場合にだけ成立し、分子内での架橋、もしくは、片方だけの反応(いわゆる、単なる化学修飾)が生じ、固定化した抗体そのものの機能が大きく失われ、プロテインAを介した抗体分子の固定化そのものに成功したとしても、固定化抗体として利用できる形態に反応を制御することが困難であることによるものであると考えられる。これを模式的に表したのが図2である。
配向を制御した形での介在タンパク質を介した固定化の優位性は、1996年ごろまでに提唱されている。例えばR. Polziusらは、プロテインGを、固定化基板に結合する際、物理吸着、各種化学的カップリング、ビオチン-アビジンを介した配向制御固定化などにより固定化し、固定化したプロテインGを介してイムノグロブリンを非共有結合的に固定化することにより、機能が保たれること、さらに、配向制御固定化したプロテインGを介してイムノグロブリンGを固定化した場合、抗体の機能を最大限発揮することを示し、配向制御固定化が望ましいことを明らかにしている。
(非特許文献:R. Polzius, T. Schneider, F.F. Biert, U. Bilitewski and W. Koschinski , Optimization of biosensing using grating couplers: immobilization on tantalum oxide waveguides. Biosens. Bioelectron. 11 (1996), pp. 503-514. )
しかしながら、プロテインAもしくはプロテインGなどの介在タンパク質を共有結合により配向を制御して固定化したとしても、介在タンパク質と目的タンパク質との結合を非共有結合として場合、類似タンパク質の存在や、溶液のpH変化、塩濃度変化などにより、目的タンパク質が、固定化基板から遊離するため、その利用が大幅に制限を受ける。例えば、プロテインAを配向制御した担体に蛍光ラベルしたイムノグロブリンGを中性条件で結合した固定化抗体においては、高濃度の蛍光非標識イムノグロブリンGを共存させることにより、徐々に蛍光ラベルしたイムノグロブリンGが遊離すること、また、pHを3から2の酸性にするだけで、ほぼすべてのイムノグロブリンGが遊離する。
本発明者らは、固定化タンパク質の利用を考える場合、固定化対象のタンパク質の機能が固定化される以前の機能を全く失うことなく共有結合で担体に結合していることが最も望ましい形態であることから、この目的を達成するためには、上述のように、固定化対象のタンパク質を、機能を損なわない部位を介して配向をそろえて共有結合で固定化することが確実な方法であるとの考案の元、介在配列を活用した、抗体の配向制御固定化法を開発した(特願2009−290887、特願2009−291152、特願2009−291032)。
すなわち、本発明者らは、リジンおよびシステインを全く含まないタンパク質をアミノもしくはカルボキシ末端側のいずれか一か所で共有結合により固定化基板に配向制御して固定化した固定化タンパク質(これを介在タンパク質と称する)に着目し、この介在タンパク質が固定化の対象となるタンパク質が機能発現部位以外の部位で特異的にタンパク質−タンパク質相互作用により強く結合できる場合において、介在タンパク質中のアスパラギン酸残基もしくはグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基をカルボジイミド法などによりアミノ基と特異的に縮合反応をするように活性化し、活性化した状態で目的タンパク質と結合させるとタンパク質構造の揺らぎとの兼ね合いで、両タンパク質の結合部位もしくはその近傍のリジン残基のアミノ基だけがアミド結合を優先的に結合できること、このことにより、目的タンパク質において、結合に関与したアミノ酸残基以外のアミノ酸は、全く変化しないことから、介在タンパク質と目的タンパク質との共有結合の形成において、目的タンパク質の機能を保持したまま共有結合(アミド結合)により結合できることを示し、且つ、すでに本発明者らが発明しているイムノグロブリンGタンパク質のFcドメインに特異的に結合するプロテインAもしくはプロテインGタンパク質のアミノ酸配列を改変し、リジンおよびシステイン残基を全く含まない形で、共有結合で且つ配向制御固定化した固定化タンパク質を、介在タンパク質として利用することにより、イムノグロブリンGタンパク質を配向制御固定化できることを明らかにした。
このようにして作製される固定化抗体は、図1に示されるように、担体(1)、介在タンパク質(2)、目的タンパク質(3)で構成され、介在タンパク質(2)を介して、配向が制御された形態で、目的タンパク質(3)が、担体(1)と共有結合で結合しているものである。(4)は、前述した介在タンパク質(2)のカルボキシ末端、(5)はアミド結合、(6)は目的タンパク質(3)の固定化部位(ドメイン)、(7)は目的タンパク質(3)の機能発現部位(ドメイン)を示す。
担体として用いる無機系多孔質連続体は、相分離を利用したゾル―ゲル法によって調製することが好ましく、本発明における無機系多孔質連続体は、直径100nm〜20000nmのマクロ孔と骨格が共連続構造をした無機系多孔質連続体で、骨格には直径6nm〜200nmのメソ孔が存在する。
無機系多孔質連続体は、シリカを主成分とする反応溶液を相分離を伴うゾル-ゲル転移を起こさせることにより得られる。ゾル−ゲル反応に用いられるゲル形成を起こす網目成分の前駆体としては、金属アルコキシド、錯体、金属塩、有機修飾金属アルコキシド、有機架橋金属アルコキシド、およびこれらの部分加水分解生成物、部分重合生成物である多量体を用いることができる。水ガラスほかケイ酸塩水溶液のpHを変化させることによるゾル−ゲル転移も、同様に利用することができる。
さらに具体的には、上記目的達成の手段は、水溶性高分子、熱分解する化合物を酸性水溶液に溶かし、それに加水分解性の官能基を有する金属化合物を添加して加水分解反応を行い、生成物が固化した後、次いで湿潤状態のゲルを加熱することにより、ゲル調製時にあらかじめ溶解させておいた低分子化合物を熱分解させ、次いで乾燥し加熱して製造することが好ましい。
ここで、水溶性高分子は、理論的には適当な濃度の水溶液と成し得る水溶性有機高分子であって、加水分解性の官能基を有する金属化合物によって生成するアルコールを含む反応系中に均一に溶解し得るものであれば良いが、具体的には高分子金属塩であるポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、高分子酸であって解離してポリアニオンとなるポリアクリル酸、高分子塩基であって水溶液中でポリカチオンを生ずるポリアリルアミンおよびポリエチレンイミン、あるいは中性高分子であって主鎖にエーテル結合を持つポリエチレンオキシド、側鎖にカルボニル基を有するポリビニルピロリドン等が好適である。また、有機高分子に代えてホルムアミド、多価アルコール、界面活性剤を用いてもよく、その場合多価アルコールとしてはグリセリンが、界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル類が最適である。
加水分解性の官能基を有する金属化合物としては、金属アルコキシド又はそのオリゴマーを用いることができ、これらのものは例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数の少ないものが好ましい。また、その金属としては、最終的に形成される酸化物の金属、例えばSi、Ti、Zr、Alが使用される。この金属としては1種又は2種以上であっても良い。一方オリゴマーとしてはアルコールに均一に溶解分散できるものであればよく、具体的には10量体程度まで使用できる。
また、酸性水溶液としては、通常塩酸、硝酸等の鉱酸0.001モル濃度以上のもの、あるいは酢酸、ギ酸等の有機酸0.01モル濃度以上のものが好ましい。
相分離・ゲル化にあたっては、溶液を室温40〜80℃で0.5〜5時間保存することにより達成できる。相分離・ゲル化は、当初透明な溶液が白濁してシリカ相と水相との相分離を生じついにゲル化する過程を経る。この相分離・ゲル化で水溶性高分子は分散状態にありそれらの沈殿は実質的に生じない。
あらかじめ共存させる熱分解性の化合物の具体的な例としては、尿素あるいはヘキサメチレンテトラミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の有機アミド類を利用できるが、加熱後の溶媒のpH値が重要な条件であるので、熱分解後に溶媒を塩基性にする化合物であれば特に制限はない。
共存させる熱分解性化合物は、化合物の種類にもよるが、例えば尿素の場合には、反応溶液10gに対し、0.05〜0.8g、好ましくは0.1〜0.7gである。また、加熱温度は、例えば尿素の場合には40〜200℃で、加熱後の溶媒のpH値は、6.0〜12.0が好ましい。
また、熱分解によってフッ化水素酸のようにシリカを溶解する性質のある化合物を生じるものも、同様に利用できる。
上記方法では、水溶性高分子を酸性水溶液に溶かし、それに加水分解性の官能基を有する金属化合物を添加して加水分解反応を行うと、溶媒リッチ相と骨格相とに分離したゲルが生成する。生成物(ゲル)が固化した後、適当な熟成時間を経た後、湿潤状態のゲルを加熱することによって、反応溶液にあらかじめ溶解させておいたアミド系化合物が熱分解し、骨格相の内壁面に接触している溶媒のpHが上昇する。そして、溶媒がその内壁面を浸食し、内壁面の凹凸状態を変えることによって細孔径を徐々に拡大する。
シリカを主成分とするゲルの場合には、酸性あるいは中性領域においては変化の度合は非常に小さいが、熱分解が盛んになり水溶液の塩基性が増すにつれて、細孔を構成する部分が溶解し、より平坦な部分に再析出することによって、平均細孔径が大きくなる反応が顕著に起こるようになる。
巨大空孔を持たず3次元的に束縛された細孔のみを持つゲルでは、平衡条件としては溶解し得る部分でも、溶出物質が外部の溶液にまで拡散できないために、元の細孔構造が相当な割合で残る。これに対して巨大空孔となる溶媒リッチ相を持つゲルにおいては、2次元的にしか束縛されていない細孔が多く、外部の水溶液との物質のやり取りが十分頻繁に起こるため、大きい細孔の発達に並行して小さい細孔は消滅し、全体の細孔径分布は顕著に広がることがない。
なお、加熱過程においては、ゲルを密閉条件下に置き、熱分解生成物の蒸気圧が飽和して溶媒のpHが速やかに定常値をとるようにすることが有効である。
溶解・再析出反応が定常状態に達し、これに対応する細孔構造を得るために要する、加熱処理時間は、巨大空孔の大きさや試料の体積によって変化するので、それぞれの処理条件において実質的に細孔構造が変化しなくなる、最短処理時間を決定することが必要である。
加熱処理を終えたゲルは、溶媒を気化させることによって乾燥ゲルとなる。この乾燥ゲル中には、出発溶液中の共存物質が残存する可能性があるので、適当な温度で熱処理を行い、有機物等を熱分解することによって、目的の無機系多孔質体を得ることができる。なお、乾燥は、30〜80℃で数時間〜数十時間放置して行い、熱処理は、200〜1100℃程度で加熱する。
介在タンパク質を活用することにより、配向が制御され且つ機能余分は副反応を防ぐことができ、物質として均質性の高い固定化タンパク質を高効率に製造することができる。このようにして得られた固定化タンパク質は、センシング材料やアフィニテイ精製用の分離材料などを含め多くの分野での利用が期待できる。
配向を制御した形での介在タンパク質を介した固定化を示す模式図 架橋により作製された固定化抗体
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の固定化タンパク質の用途として幅広い用途が考えられるものとして、固定化イムノグロブリンGその中でもモノクローナル抗体があげられる。
以下に、固定化抗体および固定化モノクローナル抗体に関して、より詳細に本発明の内容、その利用法及び効果を説明する。
[抗体もしくはモノクローナル抗体の入手方法]
抗体は、免疫系を有する生物が作り出すタンパク質であり、抗原に対して特異的に結合する機能を有することから、抗体の物質認識機能を人工的に利用することが幅広く行われている。また、一つの抗原を認識結合できる抗体としては、各種生物由来もしくは同一の生物種由来でも数多くのタンパク質分子が分離されている。それらのうちでも、利用価値の高い抗体は、市販されており、ある抗原に対して特異的に結合できる抗体については、多くは、市販品として入手できる。入手できない場合でも、免疫動物に対して目的抗原を免疫することにより、当業者であれば目的抗体を作製することができる。従って、固定化抗体を作製する際に、抗体の入手には、ほぼ制限がなく、入手できることから、抗体タンパク質の入手により本発明は制限を受けないことは自明である。
モノクローナル抗体は、免疫動物が作る抗体タンパク質が、複数の抗体産生細胞由来であることから、エピトープなどの抗原認識においてヘテロであることと大きく異なり、単一の抗体産生細胞由来であるから、それを暗号化する遺伝子配列が一種類であり、したがって、タンパク質配列も均一な抗体であるこという特徴を有する。モノクローナル抗体も、市販品としての入手、もしくは、当業者による作製が可能である。
本発明は、市販品として入手可能な抗体タンパク質を、特別の処理を施すことなく、共有結合により配向を制御して担体に固定化して、利用できることを可能とする技術を提供する。また、本発明によって作製される固定化抗体においては、固定化反応に関与したリジン残基の側鎖のアミノ基もしくはアミノ末端のアミノ基以外のアミノ酸残基は、固定化処理によっても化学的に全く変化を受けていない、ということに、特徴を有する。従って、固定化に関与する残基が該抗体タンパク質の機能発現に関与しない場合においては、固定化により該抗体タンパク質の機能が完全に保たれることも保証されることになる。
[介在タンパク質としての抗体分子に結合能を有するタンパク質]
本発明において介在タンパク質として抗体の共有結合による配向制御固定化に利用される固定化タンパク質としては、すでに、本発明者らが発明している、リジンおよびシステイン残基を全く含まず且つアミノ末端もしくはカルボキシ末端1箇所で担体と共有結合により結合した固定化タンパク質を用いることができる(特許文献1乃至6)。
抗体分子に結合能を有するタンパク質としては、Staphylococcus aureus由来のプロテインA(A. Forsgren and J. Sjoquist, J. Immunol. (1966) 97, 822-827.に記載)、Streptococus sp. Group C/G由来のプロテインG (EP0131142A2(1983)に記載)、Preptostreptococcus magnus由来のプロテインL(US5965390(1992)に記載)、group A Streptococcus由来のプロテインH(US5180810(1993)に記載)、Haemophilus influenzae由来のプロテインD(US6025484(1990)に記載)、Streptococcus AP4由来のプロテインArp (Protein Arp 4)(US5210183(1987)に記載)、group C Streptococcus 由来のStreptococcal FcRc(US4900660(1985)に記載)、group A streptococcus, Type II strain 由来のタンパク質(US5556944(1991)に記載)、Human Colonic Mucosal Epithelial Cell由来のタンパク質(US6271362(1994)に記載)、Staphylococcus aureu , strain 8325-4由来のタンパク質(US6548639(1997)に記載)、Pseudomonas maltophilia由来のタンパク質(US5245016(1991)に記載)等が知られている。また、これらのタンパク質に関しては、多くの場合繰り返し配列を持ち、断片化したタンパク質においても抗体分子との結合能を有することが明らかにされているが、これらのタンパク質の抗体結合能を有する断片もしくはすべての配列を基にして、抗体結合能を保ったままで、該結合タンパク質配列中に存在するすべてのリジン残基およびシステイン残基をほかの18種類のアミノ酸残基に置換することにより、本発明に供する介在タンパク質を作製することができることは、すでに、本発明者らによる発明で公知である(特許文献1乃至6)。
上記の、抗体結合タンパク質のうち、プロテインAおよびプロテインGは、抗体タンパク質イムノグロブリンGのFcドメインと呼ばれる、抗原認識結合部位とは全く異なるドメインを認識し、非共有結合で結合する。また、Fcドメインには、リジン残基が複数含まれ、それらがタンパク質構造において、タンパク質表面に露出しており、リジン残基の側鎖のアミノ基を結合反応に利用できる構造をしている。
本発明の実施例においては、介在タンパク質として、リジン残基およびシステイン残基を全く含まない改変プロテインAドメインもしくは改変プロテインGドメインをカルボキシ末端をグリシンリンカーを介して結合した固体化タンパク質を担体として用いた例を示しているが、本発明は、介在タンパク質が改変プロテインAドメインもしくは改変プロテインGドメインに限定されないことは自明である。
介在タンパク質の担体への固定化に用いるタンパク質としては、すでに本発明者らが発明している、配列のタンパク質を大腸菌などの生物宿主で発現精製したものを用いることができる。このタンパク質を、シアノシステインを介した固定化反応により、アミノ基を官能基とする担体にアミド結合により末端1箇所で結合し、その後、無水酢酸で処理し、担体中の結合に関与しないアミノ基をアセチル化により、未反応のアミノ基をマスクする。このことにより、介在タンパク質のアミノ末端を含め、フリーなアミノ基が無い、固定化タンパク質担体を作製することができる。なお、アミノ基のマスク反応により、介在タンパク質のアミノ末端もアセチル化されることになる。なお、改変プロテインAドメインもしくは改変プロテインGドメインの場合は、マスク反応によりアミノ末端をアセチル化しても抗体結合機能には何らの影響も認められなかった。
[介在タンパク質を介した抗体タンパク質の共有結合による結合]
リジン残基およびシステイン残基を全く含まない改変プロテインAドメインもしくは改変プロテインGドメインのカルボキシ末端側1箇所で固定化したのち、マスク反応を施した固定化タンパク質を用い、これをカルボジイミドとスクシイミドで処理することにより、固定化された改変プロテインAドメインもしくは改変プロテインGドメインのアスパラギン酸残基とグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基をスクシイミド化することができる。スクシイミド化されたカルボキシル基は、アミノ基と強い反応性を有し、反応によりアミド結合を形成する。従って、スクシイミド化した固定化担体を抗体タンパク質と混合することにより、抗体分子中のリジン残基のアミノ基もしくはアミノ末端のアミノ基は、改変プロテインAドメインもしくは改変プロテインGドメインのアスパラギン酸残基とグルタミン酸残基の側鎖のスクシイミド化したカルボキシル基と反応して、アミド結合を形成することにより、共有結合で結合する。
この反応は、改変プロテインAドメインもしくは改変プロテインGドメインが、抗体分子のFcドメインと特異的に結合することから、非常に限定されたアミノ酸側鎖間で優先的に形成される。このことは、実施例において顕著に示され、抗体結合能を失った改変プロテインAドメインを用いた場合、抗体との結合反応がほとんど起こらないこと、さらに、介在タンパク質を固定化した担体と抗体タンパク質と混合した後、できるだけ速やかに、洗浄することにより、非特異的結合を避けることにより達成できる。固定化反応後、介在タンパク質中のスクシイミド化したカルボキシル基は、エタノールアミンなどで処理することによりマスクすることができる。
本発明においては、介在タンパク質をスクシイミド化した後、抗体タンパク質を加え、固定化反応を起こされることから、この固定化反応において、抗体タンパク質は、結合反応によりアミド結合を形成したリジン残基以外の側鎖のアミノ酸残基は、化学的に全く変化しない。
この反応により、固定化された抗体タンパク質は、介在タンパク質である改変プロテインAドメインと抗体のFcドメインとアミド結合で共有結合、すなわち、配向が制御された形態で、固定化されており、抗体タンパク質そのものの抗原認識結合機能は完全に保たれている。また、介在タンパク質そのものも、共有結合で且つ配向が制御された形で固定化されていることから、抗体タンパク質が共有結合で且つ配向が制御された形で固定化した固定化タンパク質が形成されたことになる。このような、形態での固定化タンパク質が、全く新規な物質であることは、従来の方法を駆使しても、固定化反応を制御することが困難であり、本発明以前には作製が不可能であったことなどを考慮すると明白である。
従って、本発明は、共有結合で配向が制御された形で固定化されたタンパク質の製造方法を提供するだけでなく、物質としても全く新規な物質を提供するものである。
[介在タンパク質を固定化するための担体]
本発明に用いられる担体として、シリカを主成分とする反応溶液を相分離を伴うゾル-ゲル転移を起こさせることにより得られる無機系多孔質連続体を用いる。
従来の固定化担体としては、多孔質粒子状の担体、多孔質膜状の担体、繊維状の担体が用いられてきた。その中でも多孔質粒子が最も一般的に用いられており、多孔質であるのは表面積を大きくし固定化できるタンパク質の量を多くするためであり、球状であるのは粒子間隙を液が流れるので、通液性を安定させるためである。
本発明の目的は固定化したタンパク質と特異的に相互作用するタンパク質、例えば抗体と抗原との相互作用を利用して機能を発揮するものであり、粒子中の細孔表面に固定化されたタンパク質と相互作用をするためには細孔内を拡散で移動しなければならない。拡散時間は拡散距離の2乗に比例するため、効率よく相互作用を起こさせるためには拡散距離すなわち粒子径を小さくしなければならない。しかしながら、粒子径を小さくすると通液性が悪くなってしまい、粒子間隙を通液するためには大きな圧力をかけなければならず、使用上大きな制約となる。繊維状の担体、膜状の担体はいずれも通液可能な間隙あるいは細孔は存在するが、それだけでは表面積が小さく固定できるタンパク質の量は多孔質粒子と比較すると1/10以下となる。
これに対して、マイクロメーターサイズの連続細孔とナノメーターサイズのメソ孔を有するシリカ骨格からなる無機系多孔質連続体では、連続細孔の細孔径を大きくすることにより大きな通液性を確保しつつ、シリカ骨格径を小さくすることにより拡散距離を小さくできると言う、粒子を充填したものでは実現不可能な分離媒体を実現できる。さらに、ナノメーターサイズのメソ孔をシリカ骨格内に作製でき、多孔質粒子に匹敵する表面積も有している。これにより、固定化したタンパク質と特異的に相互作用するタンパク質を効率よく相互作用を起こさせることが可能となり、高性能な固定化タンパク質を得ることができる。多孔質粒子を用いた場合では、相互作用をするタンパク質を含む溶液を粒子間隙に通液する場合、上述のように細孔内をタンパク質が拡散する時間を確保するためには通液する速度を非常にゆっくりとしなければならない。一般に用いられている多孔質粒子の粒子径は10〜50μm程度であるが、無機系多孔質連続体ではシリカ骨格径を1〜3μmで多孔質粒子と同等の通液性を確保することが可能である。この場合、拡散に必要な時間は多孔質粒子と比較し1/100以下となり、100倍程度の高速で通益しても同等の効率を得られることになる。
無機系多孔質連続体は主成分がシリカであり、その表面にはシラノール基が高密度で存在し、このシラノール基とアミノ基あるいはカルボキシル基を含む化合物とを化学結合させることによりアミノ基あるいはカルボキシル基を高密度に導入することは容易である。
使用可能な無機系多孔質連続体のマクロ孔の細孔径が1.2μm〜6μmの範囲である。細孔径が1.2μm以下であれば通液性が悪く、タンパク質を含む溶液を無機系多孔質連続体中に通益するための圧が高くなってしまい、実用上使用が困難になる。また、細孔径が6μm以上になると、シリカ骨格径が最小でも3μm程度となり、多孔質連続体としての拡散距離が小さいと言う優位性が小さくなってしまう。
使用可能な無機系多孔質連続体のメソ孔の細孔径が30nm〜100nmの範囲である。30nm以下であれば、分子量の大きなタンパク質が出入りするための十分な大きさではなく、細孔表面を利用できない。また。100nm以上になると表面積が小さくなってしまい、機能が低下してしまう。
上記は、抗体分子を固定化した固定化タンパク質を例に本発明を詳細に説明したが、上述しているように、固定化目的タンパク質と介在タンパク質との組み合わせは無限にあり、リジンおよびシステインを全く含まない介在タンパク質は、当業者であれば創製できることは自明であることから、本発明の固定化タンパク質は、対象となるタンパク質によって制限を受けず、どのようなタンパク質も適用が可能である。
例えば、目的タンパク質として、Affibody(R) Moleculeなる一群の小タンパク質が開発、販売されており、各々の小タンパク質はそれぞれ特異的にある目的タンパク質だけと結合することが公知である。Affibody(R) Moleculeは、Staphylococcus aureus由来のプロテインAのBドメイン由来のタンパク質の配列を改変する事により創製されているが、その配列中には、リジン残基が含まれているが、元の機能を保ったままリジン残基部分を他のアミノ酸に変換することは、本発明者らがStaphylococcus aureus由来のプロテインAのAドメインを用いてすでに示しているように、当事者であれば達成できる(特許文献1乃至6)。従って、本発明の技術は、対象とするタンパク質によって制限を受けないことは明らかであり、一般性が保たれる。
<1.材料>
ヒトポリクローナル抗体は、市販品を用いた。抗IL8ヒト型モノクローナル抗体は、CHO細胞としてATCCCRL-12445株を培養し、培養上清から精製したものを用いた。ヒトモノクローナル抗体、アバスチン、ハーセプチン、リツキサンは、医薬品として販売されているものを用いた。
リガンドタンパク質としては、改変プロテインA用としては、配列表1に示すタンパク質を、改変プロテインGとしては、配列表2に示すタンパク質を用い、これを、シアノシステインを介して配向制御固定化反応により固定化して得られたものを用いた。なお、このリガンド固定化反応による固定化により、介在配列としては、リジン残基およびシステイン残基を全く含まない改変プロテインAドメイン(配列表3)もしくはリジン残基およびシステイン残基を全く含まない改変プロテインGドメイン(配列表4)がC末端側を介して担体基材と固定化された形で介在タンパク質の役割を果たす。
無機系多孔質体を以下の方法で作製した。水溶性高分子であるポリエチレンオキシド(アルドリッチ製 商品番号85,645-2)0.80gおよび尿素0.90gを0.01規定酢酸水溶液10gに溶解し、この溶液にテトラメトキシシラン4mlをかくはん下で加えて、加水分解反応を行った。数分かくはんしたのち、得られた透明溶液を内径6ミリメートルのガラスチューブ内に注入し40℃の恒温漕中に保持したところ約30分後に固化した。
固化した試料をさらに数時間熟成させ、密閉条件下で140℃に1時間保った。この処理の後、ゲルを40℃で3日間乾燥し、100℃/hの昇温速度で800℃まで加熱し、直径4.5mmの棒状の無機系多孔質体を得た。
得られた多孔質体中には中心孔径3.5μm(=3500nm)程度の揃った貫通孔が3次元網目状に絡み合った構造で存在していることが確かめられた。そして、その貫通孔の内壁に直径40nm程度の細孔が多数存在していることが、窒素吸着測定によって確かめられた。この棒状の無機系多孔質体を厚さ1.5mmに切断することにより円盤状の無機系多孔質体を得た。
この円盤状の無機系多孔質体を、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランをトルエン溶媒で20%の濃度に希釈した溶液に浸漬し、10時間加熱還流して反応させることにより無機系多孔質体の表面にエポキシ基を導入した。ポリ‐L-リジン水素化臭素 (Mw≧15,000) を2 mlの50 mMホウ酸緩衝液 (pH8.5) で0.5%濃度に調製し、エポキシ基を導入した無機系多孔質体50枚を浸漬し15時間振盪混和させ、担体機材表面にポリ‐L‐リジンを固定化した。
続いて、2 mlの10 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.0) 中に10 mgのリジン残基およびシステイン残基を全く含まない改変プロテインAドメイン(リガンドタンパク質)を溶解させた(リガンド溶液)。リガンド溶液に、10 mM ホウ酸緩衝液 (pH8.5) で調製した45 mMの2-nitro-5-thiocyanobenzoic acid (NTCB)を加えてリガンド溶液のNTCB濃度を5 mMに調整し、リガンドタンパク質のスルフヒドリル基を活性化させた(固定化反応溶液)。50個のポリ‐L‐リジンを固定化させた円盤状の無機系多孔質体を上記調製の固定化反応溶液20 ml中に浸漬し15時間振盪混和させ、担体機材表面にリジン残基およびシステイン残基を全く含まない改変プロテインAドメインを固定化した。固定化反応後担体表面上の余分なアミノ基を1%無水酢酸溶液20mlに浸漬することで、マスク反応を行った。このようにして得られたものを、介在タンパク質を導入した担体として用いた。
改変プロテインGドメインも改変プロテインAドメインとまったく同じ方法で無機系多孔質担体に結合させることができる。
<2.モノリス担体を用いた結果>
モノリス担体に改変プロテインAもしくは改変プロテインGを導入した担体を用いた場合の詳細に示す。
固定化対象となる抗体として、抗ヒトIL8ヒト型抗体を用いた。
抗体濃度:0.34mg/mL
アプライした抗体タンパク質総量 (これを、Aとする。):
0.34mg×0.8mL=0.272mg
非吸着タンパク質総量:
改変プロテインA担体: 0mg
改変プロテインG担体: 0mg
洗浄工程1溶出タンパク質:
改変プロテインA担体: 0.008mg
改変プロテインG担体: 0.068mg
洗浄工程2溶出タンパク質:
改変プロテインA担体: 0.072mg
改変プロテインG担体: 0.024mg
ブロッキング工程溶出タンパク質:
改変プロテインA担体: 0mg
改変プロテインG担体: 0mg
非固定化タンパク質総量 (これを、Uとする。)
改変プロテインA担体: 0.080mg
改変プロテインG担体: 0.092mg
固定化タンパク質総量 (これを、Bとする。)
改変プロテインA担体: 0.192mg
改変プロテインG担体: 0.180mg
この結果、固定化効率は、
固定化効率=100×(固定化タンパク質総量(B))/(アプライした抗体タンパク質総量(A)−非吸着タンパク質総量(U))
で計算されることから、
固定化効率 (E=100×B/(A−U)の計算式)
改変プロテインA担体: 約71%
改変プロテインG担体: 約66%
という結果であった。
<3.固定化抗体を用いた抗原の回収>
上記3で得られたヒト抗IL8ヒト型抗体を固定化した円盤状の無機系多孔質体をスピンカラム内に固定化したスピンカラム型の分離カラムを用いて、市販品として売られているヒトIL8ペプチドを用いて、結合溶出実験を行った。
ヒトIL8ペプチドを0.1Mのリン酸緩衝液、pH7.4に溶かし、最終濃度、0.1mg/mlになるようにした。タンパク質濃度は、BCA法により測定し、牛血清アルブミン換算として求めた。
ペプチド溶液0.4mLを添加し、添加攪拌後、速やかに3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(吸着工程と称する)。この操作を2回行った。分離した溶液を集め、溶液中のタンパク質量を測定した(非吸着ペプチド量と称する)。
遠心分離後の担体に、0.5MのNaClを含む0.1Mのリン酸緩衝液、pH7.4、0.4mLを添加攪拌後、速やかに3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(この操作を、洗浄工程と称する)。洗浄工程を3回行った。分離した溶液を集め、溶液中のタンパク質量を測定した。
次に、0.1Mグリシン緩衝液、pH2.5,0.4mLを添加攪拌後、3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(この操作を、溶出工程と称する)。溶出工程3回行い、得られた溶液を回収し、溶液中のタンパク質量を測定した。
その結果
アプライしたペプチド総量:
0.1mg/ml×0.8mL=0.08mg
非吸着ペプチド総量: 0.002
洗浄工程溶出ペプチド総量:0mg
溶出工程タンパク質総量:0.074mg
吸着効率=100×(アプライしたペプチド総量−非吸着IL8ペプチド総量)/アプライしたIL8ペプチド総量=約98%
溶出回収効率=100×溶出工程タンパク質総量/アプライしたペプチド総量=約93%
という結果であった。
本発明が関係する技術分野としては、固定化抗体が関わる幅広い技術分野、例えば、抗体カラム、抗体アレイなどのほか、固定化抗体を用いた、成分検査、臨床検査など幅広い検査技術分野、また、抗体カラムを用いた分離精製分野などが含まれる。
(1) 担体(無機系多孔質連続体)
(2) 介在タンパク質
(3) 目的タンパク質
(4) 前述した介在タンパク質(2)のカルボキシ末端
(5) アミド結合
(6) 目的タンパク質の固定化部位(ドメイン)
(7) 目的タンパク質の機能発現部位(ドメイン)

Claims (7)

  1. 反応溶液を相分離を伴うゾル−ゲル転移を起こさせて作製したシリカを主成分とする無機系多孔質連続体からなる担体上に、介在タンパク質を介して配向が制御された形態で共有結合により固定化された固定化タンパク質であって、介在タンパク質がリジン及びシステインを含まず、該介在タンパク質のカルボキシ末端が前記担体の表面にアミド結合を介して共有結合により固定化され、該担体上に固定化された介在タンパク質中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基と目的タンパク質中のリジン残基の側鎖のアミノ基とがアミド結合を介して、該目的タンパク質が少なくとも1か所で結合している固定化タンパク質。
  2. 反応溶液を相分離を伴うゾル−ゲル転移を起こさせて作製したシリカを主成分とする無機系多孔質連続体からなる担体上に、介在タンパク質を介して配向が制御された形態で、共有結合により固定化された固定化タンパク質であって、介在タンパク質がリジン及びシステインを含まず、該介在タンパク質のカルボキシ末端が担体の表面にアミノ末端のαアミノ基を介して共有結合により固定化され、該担体上に固定化された介在タンパク質中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基又はカルボキシ末端のカルボキシル基と目的タンパク質中のリジン残基の側鎖のアミノ基とがアミド結合を介して、該目的タンパク質が少なくとも1か所で結合している固定化タンパク質。
  3. 介在タンパク質が、抗体結合機能を有するタンパク質であり、目的タンパク質がイムノグロブリンである、請求項1又は2に記載の固定化タンパク質。
  4. 介在タンパク質が、プロテインA、プロテインG及びプロテインLからなる群から選択されるタンパク質由来の抗体結合ドメインの改変タンパク質であり、リジン残基及びシステイン残基を含まない改変タンパク質である、請求項3記載の固定化タンパク質。
  5. 無機系多孔質連続体のマクロ孔の細孔径が1.2μm〜6μmの範囲であり、メソ孔の細孔径が30nm〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固定化タンパク質。
  6. 介在タンパク質を介して目的のタンパク質を固定化するための、介在タンパク質と担体を含む固定化タンパク質作製用活性化担体であって、担体が反応溶液を相分離を伴うゾル−ゲル転移を起こさせて作製したシリカを主成分とする無機系多孔質連続体であり、リジン及びシステインを含まない介在タンパク質が該タンパク質のカルボキシ末端を介して担体と共有結合により結合しており、該タンパク質のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基がスクシイミド化されている、固定化タンパク質作製用活性化担体。
  7. 介在タンパク質を介して目的のタンパク質を固定化するための、介在タンパク質と担体を含む固定化タンパク質作成用活性化担体であって、担体が反応溶液を相分離を伴うゾル−ゲル転移を起こさせて作製したシリカを主成分とする無機系多孔質連続体であり、リジン及びシステインを含まない介在タンパク質が該タンパク質のアミノ末端を介して担体と共有結合により結合しており、該タンパク質のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基がスクシイミド化されている、固定化タンパク質作製用活性化担体。
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