JP2012011300A - 遠心分離装置および汚泥処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 凝集剤を多量に使用することなく、汚泥脱水性能を向上させると共に、脱水汚泥の含水率を低下させ、ランニングコストの低減、省エネルギー化、CO2排出削減に有効な遠心分離装置を得る。
【解決手段】 外胴ボウルおよび内胴スクリュウを備えた遠心分離機で、汚泥を分離物と分離液に分離する遠心分離装置において、汚泥を前記遠心分離機に供給する汚泥供給設備、汚泥に高分子凝集剤を注入する高分子凝集剤注入設備、および汚泥に石炭灰を注入する石炭灰注入設備を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水処理、排水処理、し尿処理、浄水処理、産業排水処理、汚水浄化槽など水処理全般において排出される汚泥、特に、生物学的水処理により発生する有機性汚泥の遠心分離処理(汚泥の濃縮・脱水処理)に関するものであって、特に、廃棄物である石炭灰を有効利用して分離(脱水・濃縮)性能を格段に向上させ得る遠心分離装置および汚泥処理方法に関する。
遠心分離機は、下水処理施設、し尿処理施設、産業排水処理施設、生産工場等幅広い産業分野で使用されており、遠心分離処理は、汚泥にある一定の遠心力を加え、固形物を液体中から分離し、固形物と分離液に分離する処理方式である。
遠心分離機には横型と縦型があり、通常大容量を処理する場合には横型が、処理規模が小さい場合には縦型が用いられる。
汚泥の遠心分離処理では、汚泥濃縮と汚泥脱水に大別される。基本原理は、ほぼ同じであるが、各々目的とする濃縮濃度(含水率)と運転条件が異なる。
例えば、下水処理においては、汚泥濃縮は濃縮濃度が4〜5%(含水率にして95〜96%)、通常凝集剤等の薬品は使用せず(無薬注)、薬注する場合も注入率は低い。それに対し、汚泥脱水は脱水汚泥の含水率が75〜85%、無機凝集剤や高分子凝集剤など薬品を使用し、注入率も高い。
ところで、下水処理分野における遠心分離技術は、昭和40年代に民間の生産工場向け遠心分離機を応用して、下水汚泥の脱水に使用されたのが最初であり、現在まで40年近い歴史がある。その間、脱水汚泥の含水率低減はもちろんのこと、高効率化や省エネルギー化等の改善・改良・工夫が施され、機械的には完成の域に近づいた。
一方、凝集剤等の薬品使用は、昭和40年〜50年代は高分子凝集剤等を用いた1液法が主流であり、また高分子凝集剤の種類も限られていた。その後、薬品製造技術の発達と共に高分子凝集剤は多種多様となり、対象物(汚泥)の性状に合わせた高分子凝集剤の選定が可能となり、また高分子凝集剤を複数組み合わせた薬注方式や、昭和60年代以降は無機凝集剤と高分子凝集剤を組み合わせた2液法が開発された。現在多用されている2液法は、1液法に比べて脱水汚泥の含水率を2〜3%低下させることができる。
1液法は、通常汚泥に高分子凝集剤を注入し、汚泥フロックを形成させて沈降速度を上げることにより、濃縮・脱水効率を向上させる方法である。高分子凝集剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系の薬品があり、汚泥性状により使い分ける。
2液法は、高分子凝集剤のみ(1液法)での濃縮・脱水効率を更に向上させる目的で、無機凝集剤を併用する方法である。無機凝集剤は、通常高分子凝集剤の前段で注入し、無機凝集剤注入後の汚泥に高分子凝集剤を注入する。これは、まず汚泥に無機凝集剤を注入して微小で強固な凝集フロック(汚泥フロック)を生成させ、次いで高分子凝集剤を注入して更に強固で大きく分離性(濃縮性、脱水性)のよいフロックを生成させるためである。
なお、高分子凝集剤は通常両性高分子凝集剤を使用する。また、高分子凝集剤注入後に無機凝集剤を注入するケースもある。無機凝集剤としては、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄等が使用される。
下水処理において、通常、1液法は比較的固液分離が容易な混合汚泥処理に用いられ、2液法は固液分離が難しい消化汚泥処理や小規模施設での余剰汚泥処理に使用される。
特開平7−256300号公報(0005段落) 特開平8−71600号公報(0021段落および図1)
従来技術における主要な課題は以下の通りである。
[1]凝集剤等の薬品面
機械的に完成の域にある遠心分離機の性能をより高めるためには、ソフト面、つまり凝集剤等の薬品の質・種類・使用が非常に重要となる。しかし、現在の薬品やその使用方法では、ランニングコスト面や技術面において限界があり、新たな薬品の質、種類、使用が望まれている。
従来から分離性能(濃縮性能、脱水性能)を高めるために使用されてきた無機凝集剤や高分子凝集剤は、品質や性能の面で適宜改良が図られているが、工業製品のためコストがかかり、また凝集剤成分の劣化を考慮した管理・保管・運用も求められる。また、高分子凝集剤については、原料が石油のため、資源保護の観点からも使用量を出来る限り抑えるべきである。
[2]温室効果ガス面
従来から汚泥脱水処理では、常に効率的な処理に努め、ランニングコストの低減を図ってきたが、昨今温室効果ガスの発生量を削減していくことも重要(社会的ニーズ)になっている。そのため、一層の運転効率化を図り、温室効果ガス発生の原因となる薬品使用量、運転動力使用量、汚泥処分量をさらに低減させる必要があるが、上述したとおり、効率よく脱水汚泥含水率をより低減させることは、従来の技術では難しく機械面の対応だけでは限界がある(脱水汚泥含水率として80%程度が一般的)。
[3]2液法
多用されている「2液法」での遠心分離処理(汚泥脱水処理)では、次のような課題がある。
(1)脱水汚泥の低含水率化のために、2種類の凝集剤を汚泥に多く供給する必要があり、その結果薬品使用量が増大し、運転コストの上昇を招く。費用対効果を考えると、効率的で十分な汚泥処理性能を発揮できない場合がある。
(2)汚泥に無機凝集剤を多量に注入した場合、pHが大きく低下して、後段の処理処分(乾燥、焼却、搬出など)や分離液の返流水処理に影響を及ぼすばかりか、遠心分離機等の内部を腐食させる恐れがある。
(3)pHが低下した汚泥を中和させるためにアルカリ薬品(苛性ソーダ溶液)等を供給すると、さらに運転コストの上昇を招き、運転管理を煩雑にさせてしまう。また、汚泥に多量の薬品類を供給した場合、濃縮汚泥や脱水汚泥に各種薬品成分が高濃度に残留し、有効利用(堆肥化や燃料化)に支障をきたす恐れもある。
(4)汚泥に無機凝集剤を供給することにより、pHが低下したりカチオン度が上昇したりするが、この度合いが無機凝集剤の供給量の多少により異なる。これに伴い、2液目である高分子凝集剤の適切な種類や適正な供給量も異なってくるため、最適な高分子凝集剤の選定や供給量の決定など別途作業が必要になる。
(5)運転コストを増大させず簡便な運転管理にするために凝集剤の種類や使用量を抑えると、分離物(脱水汚泥)の含水率を低減できず、取り扱いづらくなるばかりか、分離物の容積が増大してしまい、その後の処理処分に支障(処分費高騰、処分先確保難、貯留施設大型化など)を来たす。
[4]洗浄
汚泥に供給(注入)する無機凝集剤は固まりやすく、特に細孔から無機凝集剤を吐出させる場合には目詰対策をしなければならず、その他遠心分離機内の部位でも無機凝集剤の塊が成長してしまうと閉塞を起こして遠心分離機の運転に支障を来す。
そこで、洗浄設備を設けることが考えられるが、通常洗浄水は汚泥供給管に供給するため、無機凝集剤系統を十分に洗浄することは難しく、洗浄効果を上げるために洗浄設備を複数設置すると、設備コストの上昇を招くばかりか、装置が複雑化して運転管理や保守点検が煩雑になったり、不十分になったりする。
さらに、高速で回転する遠心分離機はバランス調整がとても重要であるが、遠心分離機内の洗浄が不十分であるとバランスを崩してしまい重大な事故を招きかねず、効率的に且つ十分に洗浄しなければならないという課題があった。
[5]分離液性状
汚泥に予め無機凝集剤が供給されていない場合や汚泥と無機凝集剤成分とが十分に反応できない場合、分離液の清澄性(SS回収率)が悪くなる。また、汚泥に高濃度に含まれるリンは不溶性塩にならず、脱水汚泥に取り込まれないことから、分離液へ移行してリン濃度が高くなり、このような水質が悪化した分離液が排水処理設備に還流して汚濁負荷を増大させてしまう。
そこで、分離液の水質改善(リン濃度の低減化やSS回収率の向上)のため、無機凝集剤や高分子凝集剤の供給量を増やしたり、汚泥処理量を低減させたりすると、効率的で安定した汚泥処理に支障を来す。
本発明に係る遠心分離装置は、外胴ボウルおよび内胴スクリュウを備えた遠心分離機で、汚泥を分離物と分離液に分離する遠心分離装置において、汚泥を前記遠心分離機に供給する汚泥供給設備、汚泥に高分子凝集剤を注入する高分子凝集剤注入設備、および汚泥に石炭灰を注入する石炭灰注入設備を備えたものである。
本発明に係る遠心分離装置は、汚泥に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入設備を備えたものである。
本発明に係る遠心分離装置は、前記内胴スクリュウに設けられた汚泥供給室へ前記石炭灰および/または前記無機凝集剤を導入する導入管を備えたものである。
本発明に係る遠心分離装置は、前記汚泥供給室へ給水する給水管を備えたものである。
本発明に係る遠心分離装置は、前記石炭灰がフライアッシュである。
本発明に係る汚泥処理方法は、外胴ボウルおよび内胴スクリュウを備えた遠心分離機で、汚泥を分離物と分離液に分離する汚泥処理方法において、汚泥に高分子凝集剤および石炭灰を注入することである。
本発明に係る汚泥処理方法は、汚泥に無機凝集剤を注入することである。
本発明に係る汚泥処理方法は、前記内胴スクリュウに設けられた汚泥供給室へ前記石炭灰および/または前記無機凝集剤を導入することである。
本発明に係る汚泥処理方法は、前記汚泥供給室へ給水することである。
本発明に係る汚泥処理方法は、前記石炭灰がフライアッシュであることである。
廃棄物である石炭灰(フライアッシュ等)を有効活用することができるばかりか、入手しやすい、安価または無償で確保できる。そのため、フライアッシュを用いて汚泥処理を行うことにより、汚泥脱水性能を向上させることはもとより、ランニングコストの大幅に低減することができ、省エネルギー、CO2排出削減にも大いに寄与する。
石炭灰は含水率がほぼ0(ゼロ)の無機物で、フロックの核になると共にフロック自体を重くする役割を果たすため、強固で比重の大きい(重い)フロックが形成して固液分離性が格段に高くなり(遠心分離で分離されやすくなり)、これを使用しない場合と比較して、目標とする脱水汚泥含水率を得るために必要な凝集剤の注入量を削減できると共に、石炭灰や無機凝集剤は比重が大きく沈降性(固液分離性)が高い。そのため、これらを使用しない場合と比較して、遠心分離機の遠心効果(G)を下げても、目標とする脱水汚泥含水率を得ることができ、動力費の削減や運転時間の短縮ができ、省エネルギー、CO2排出削減に寄与する。
一般的に汚泥の有機物の濃度(VTS)が高いと固液分離しにくいが、汚泥に石炭灰を加えることにより、汚泥性状を改質(VTS低減)することもできる。また、石炭灰液(フライアッシュ混合液)のpHは10〜12とアルカリ性を呈するため、石炭灰を汚泥に注入することにより、汚泥のpHが低い(酸性)場合でも中性程度に改善することができ、無機凝集剤の凝集効果を阻害せず、また脱水汚泥の有効利用(用途)の範囲を広げることができる。
高分子凝集剤および石炭灰に加え無機凝集剤も併用することで、より固液分離性の高い強固で比重の大きい(重い)フロックを形成させることができ、一層効率的な遠心分離処理を行える。
また、導入管で無機凝集剤や石炭灰をテーパ注入することにより、ある程度固液分離が進んだ(テーパ部を上昇する)汚泥にこれらを直接作用させることができ、脱水汚泥の含水率をより低減することができる。
さらに、無機凝集剤を外胴ボウルの直胴部へ注入することにより、脱水分離液と無機凝集剤溶液とが確実に接触(混合)して効率よく反応し、脱水分離液のSS回収率が向上すると共に、脱水分離液に含まれるリンを効率よく確実に分離・回収することができる。
石炭灰は、粉体であればどのようなものでもよいが、中でもフライアッシュは、粒子径が小さく且つ均一であり、性状も安定しているため、水等に混合・分散させて効率的に且つ容易に汚泥へ注入することができ、遠心分離処理に用いるのにとても適している。さらに、フライアッシュは粒子径が小さいため、速やかに且つスムーズに汚泥内に入り込む(混合する)ことができ、強固で比重の大きい(重い)フロックの形成に大変有効である。
給水管から導入管へ給水することによって、無機凝集剤溶液や石炭灰液を効率よく確実に導入管内で希釈できるため、無機凝集剤や石炭灰を速やかに且つ広範囲に注入して、短時間で汚泥と混合・反応させることができ、より一層効率的に且つ確実に脱水汚泥の含水率を低減させる(従来に比べ2〜10%程度低い含水率の脱水汚泥を得る)ことができる。
また、石炭灰は比重が大きく沈積しやすいため、無機凝集剤は無機成分がスケールを生成しやすいため、遠心分離機内部や配管等で閉塞を発生させやすいが、導入管に給水することで、無機凝集剤溶液やフライアッシュ混合液が接触する配管や開口箇所を確実に且つ集中して洗浄でき、さらに遠心分離機内や導入管内に沈積・滞留する比重が大きく微細粒子であるフライアッシュを効率よく排除することもできる。
以下、本発明の複数の実施の形態について図面を参照して詳細に説明するが、先ずは、本明細書で使用する用語の定義について簡潔に説明する。なお、各実施形態の説明において、相互に重複する説明は適宜省略して要点を簡潔に説明すると共に、図面においても同様に同一部品・部分には同一の参照符号を適宜付与することにする。
「汚泥供給設備」
汚泥供給タンク、汚泥供給ポンプ、汚泥供給管を備えており、汚泥流量計を設けてもよい。また、自然流下で汚泥を供給する場合には、汚泥供給ポンプを省くことができる。なお、汚泥供給管は、導入管や各種(高分子凝集剤、無機凝集剤、石炭灰)注入管を内蔵(二重管構造など)させてもよい。
「高分子凝集剤注入設備」
高分子凝集剤タンク、高分子凝集剤注入ポンプ、高分子凝集剤注入管を備えており、流量計を設けてもよい。また、高分子凝集剤タンクで高分子凝集剤(粉体や高濃度溶液)を溶解(高分子凝集剤溶液を生成)する場合には、高分子凝集剤フィーダ(定量ポンプを含む供給機器類)、給水設備、撹拌機も設ける。なお、自然流下で高分子凝集剤溶液を汚泥に注入する場合には、高分子凝集剤注入ポンプを省くことができる。
「石炭灰注入設備」
石炭灰タンク、石炭灰注入ポンプ、石炭灰注入管、石炭灰フィーダ(定量ポンプを含む供給機器類)、給水設備、撹拌機を備えており、流量計を設けてもよい。通常、石炭灰を水と混合して石炭灰液として汚泥に注入するが、石炭灰を直接汚泥に注入してもよく、その場合汚泥供給タンクに石炭灰フィーダ(石炭灰注入管や流量計は任意)を設置して、石炭灰を汚泥供給タンク内へ注入する。なお、自然流下で石炭灰液を汚泥に注入する場合には、石炭灰注入ポンプを省くことができる。
「フライアッシュ」
石炭灰(ボトムアッシュ、クリンカアッシュ、フライアッシュ)の一種であって、シリカ(SiO)やアルミナ(Al)が主成分の粉状の無機物であり、比重が大きい。
「フライアッシュ混合液」は、水等(主に、水道水や工業用水などの浄水、排水処理水、雨水、清澄な淡水)に重量比で10〜40%となるようフライアッシュを混合・分散させた液状物である。
「無機凝集剤注入設備」
無機凝集剤タンク、無機凝集剤注入ポンプ、無機凝集剤注入管を備えており、流量計を設けてもよい。また、無機凝集剤タンクで無機凝集剤(粉体や高濃度溶液)を溶解(無機凝集剤溶液を生成)する場合には、無機凝集剤フィーダ(定量ポンプを含む供給機器類)、給水設備、撹拌機も設ける。なお、自然流下で無機凝集剤溶液を汚泥に注入する場合には、無機凝集剤注入ポンプを省くことができる。
「遠心分離機」
内胴ボウル、外胴スクリュウ、駆動機を備え、高速回転による遠心力で供給された汚泥を分離物(脱水汚泥、濃縮汚泥)と分離液(脱水分離液、濃縮分離液)に固液分離する回転機器(遠心脱水機、遠心濃縮機)である。
「導入管」
無機凝集剤溶液や石炭灰液を遠心分離機内に設けられた汚泥供給室内へ導入する配管であり、無機凝集剤注入管、高分子凝集剤注入管、石炭灰注入管と併存させてもよい。
「給水管」
遠心分離機内に設けられた汚泥供給室内へ給水する配管であり、「導入管」、「無機凝集剤注入管」、「石炭灰注入管」に接続して給水してもよい。
「高分子凝集剤」は、「高分子凝集剤(粉状)」と「高分子凝集剤溶液」を、
「無機凝集剤」は、「無機凝集剤(粉状)」と「無機凝集剤溶液」を、
「石炭灰」は、「石炭灰(粉状)」と「石炭灰液」を、
「フライアッシュ」は、「フライアッシュ(粉状)」と「フライアッシュ混合液」を、
それぞれ総称して用いる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
本実施形態1の遠心分離装置は、ケーシング内に回転可能に配設された外胴ボウルと、外胴ボウル内に回転可能に配設された内胴スクリュウと、外胴ボウルを回転駆動する回転駆動機と、内胴スクリュウを回転駆動する回転駆動機と、外胴ボウルと内胴スクリュウとに回転差を与える差速調整機(図示せず)とを備え、片側に分離液排出口、他側に分離物排出口が設けられており、また外胴ボウルと内胴スクリュウとの間に濃縮・脱水ゾーンが形成される基本構造から成っている。
図1に示す本発明の基本的な「高分子凝集剤および石炭灰を注入する遠心分離装置」にあっては、通常用いられる高分子凝集剤に加えて石炭灰を汚泥に注入することで、容易に分離物(脱水汚泥や濃縮汚泥)の含水率を低減(濃縮濃度の上昇)が図れる。石炭灰は、非常に安価な(廃棄物として無料のケースもある)ものであり、シリカ(SiO)やアルミナ(Al)が主成分の粉状の無機物であり、比重が大きい。
汚泥は、高分子凝集剤注入管から注入される高分子凝集剤と汚泥供給管内で混合され、その後石炭灰注入管から注入される石炭灰と混合され、強固で重いフロックを形成しつつ遠心分離機に供給される。
遠心分離機に供給された汚泥は、脱水汚泥(分離物)と脱水分離液(分離液)に分離され、各々分離物排出口、分離液排出口より排出される。
汚泥供給タンクと高分子凝集剤タンクは、一般的に遠心分離機で使われているものでよく、汚泥や高分子凝集剤を保持・貯留して適宜供給(注入)できるものであればよい。
石炭灰タンクは、石炭灰を水等に均等に混合・分散させるための撹拌機能を有し、且つ石炭灰を混合・分散した石炭灰液を保持・貯留して適宜注入できるものであればよい。
石炭灰はそのままでは粉体であり、遠心分離機へ直接注入するのは難しい。そこで、石炭灰と水を撹拌機等で混合して石炭灰液(スラリー液)を生成し、その石炭灰液を注入する。
石炭灰液を生成する設備としては、石炭灰(例えばフライアッシュ(FA))を貯留するホッパ、ホッパからFAを必要量切り出すフィーダ(定量ポンプを含む供給機器類)、切り出されたFAと水を混合する撹拌機を備えたタンク(石炭灰タンク)が一般的であり、石炭灰タンク内のFA濃度を均一に保つために、FAと水を定量的に石炭灰タンク内へ供給して、撹拌機で十分に混合撹拌する。
ここで、図1を参照すると、遠心分離機1は、一端側に分離液排出口2aを有し且つ他端側に分離物排出口2bを有するケーシング2と、このケーシング2内に回転可能に配設された外胴ボウル3と、この外胴ボウル3内に回転可能に配設された内胴スクリュウ4と、外胴ボウル3を回転駆動する回転駆動機5と、内胴スクリュウ4を回転駆動する回転駆動機6と、外胴ボウル3と内胴スクリュウ4とに回転差を与える差速調整機(図示せず)とを備え、外胴ボウル3と内胴スクリュウ4との間に濃縮・脱水ゾーンが形成される構造になっている。
外胴ボウル3は、分離液排出側に円筒形状の直胴部3aが形成されている。一方、分離物排出側には円錐形状のテーパ部が、2段テーパ3b、3cとして形成されている。2段テーパ3bは急傾斜に、2段テーパ3cは緩傾斜になるように製作されている。
このような2段テーパ3b、3cによって、スクリュウ羽根4cによる汚泥への圧搾効果と直胴部3a内での滞留時間を増加させ、特に遠心効果を強く受ける2段テーパ3bでの滞留時間(遠心効果を受ける時間)を長く確保することができる。
なお、外胴ボウル3の分離物排出側に形成されたテーパ部が後述する1段テーパ3dであっても高い遠心分離(濃縮・脱水)性能を得ることができる。
内胴スクリュウ4は、分離液排出側に形成された円筒形状の内胴直胴部4aと、分離物排出側に形成された内胴テーパ部4bと、これらの内胴直胴部4aと内胴テーパ部4bの外周に一体的に形成されたスクリュウ羽根4cとからなっている。
内胴スクリュウ4の内部には、内胴直胴部4aおよび内胴テーパ部4bに跨る汚泥供給室7が形成される。前記汚泥供給室7は、前記内胴スクリュウ4の内胴直胴部4aで開口する汚泥供給口7aを介して前記外胴ボウル3内に連通している。
遠心分離機1の外部には、汚泥供給タンク11と、高分子凝集剤タンク12と、石炭灰タンク13が設けられる。
汚泥供給タンク11には、汚泥供給ポンプ15を備えた汚泥供給管14が接続され、この汚泥供給管14は、遠心分離機1内へ延伸し、先端には、汚泥供給室7内で開口する汚泥供給管開口14aが形成される。この汚泥供給管14によって、汚泥供給タンク11から内胴スクリュウ4の汚泥供給室7内に汚泥が供給される。
高分子凝集剤タンク12には、高分子凝集剤注入ポンプ17、流量計18、および開閉弁19を備えた高分子凝集剤注入管16の一端が接続され、他端は、汚泥供給管14に接続される。この高分子凝集剤注入管16によって、汚泥に高分子凝集剤が注入される。
石炭灰タンク13には、石炭灰注入ポンプ24を備えた石炭灰注入管23の一端が接続され、他端は、2つに分岐されて、一方が汚泥供給管14の、高分子凝集剤注入箇所の上流側に、他方が汚泥供給管14の、高分子凝集剤注入箇所の下流側に、それぞれ開閉弁23Va、23Vbを介して接続され、この石炭灰注入管23によって、汚泥に石炭灰(例えばFA混合液)が注入される。
ここで、本実施形態1の実際の装置における実施例を以下に示す。
実施例にあっては、遠心分離機として、公称能力2.5m/hの低動力型遠心脱水機を使用し、下水処理場から発生する消化汚泥を対象に脱水処理を行なった。高分子凝集剤は、一般的なカチオン系のものを使用した。石炭灰は、FAを使用し、容積が0.7mの円筒型タンクに水中撹拌機を設け、水に重量比で20%になるようにFAを混合・分散させ、FA混合液はモーノポンプを用いて汚泥供給管へ定量注入した。なお、FAは、高分子凝集剤の注入前に、予め汚泥に注入してもよい。
運転性能の一例、すなわち、石炭灰、特にFAを用いた遠心脱水機の運転実施例の条件および結果を表1に示す。
Figure 2012011300
FAの注入率の増加とともに脱水汚泥含水率が低下していく傾向がある。
FAを注入しない高分子凝集剤だけの脱水処理では、脱水汚泥含水率が77.0%であったのに対し、FA注入率30%/TSでは、73.3%、同50%/TSでは、69.3%であるというように、FAを注入することにより、汚泥の固液分離性がよくなり(フロックの高比重化)、脱水汚泥含水率が確実に低下し、遠心脱水機の性能(分離性能)が大きく向上した。
FAの注入位置は、高分子凝集剤注入位置の前後どちらでも良い。通常後段で注入するが、前段でFAを注入することにより汚泥のpHが低い場合でも汚泥を改質でき、脱水汚泥含水率の低下に有効である。
このように高分子凝集剤とFAとの併用により脱水汚泥の含水率を70%以下にすることが可能で、ランニングコストや脱水汚泥の処理処分費用を低減できるばかりか、廃棄物の有効利用、資源の保護、温室ガスの排出削減に大変有効である。
図2は、本発明の実施の形態2に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。図2aは、遠心脱水機の運転状態を示す内部詳細図である。
図2に示す遠心分離装置は、要するに、石炭灰を、遠心分離機内の汚泥供給室から流出口を介して外胴ボウルのテーパ部に注入する装置例である。
図1の装置構成と異なる点は、石炭灰の注入に関し、遠心脱水機1の汚泥供給室7内へ延伸する導入管10(汚泥供給管14に内蔵)を設け、石炭灰注入ポンプ24を用いて導入管10(その吐出孔10a)で石炭灰(FA混合液)を注入し、注入されたFA混合液は流出口7bを介してある程度固液分離が進んだ(テーパ部を上昇する)汚泥に注入される構造とした点である。
なお、図1の装置と同様に、汚泥供給管14の高分子凝集剤注入箇所の下流側にも、FA混合液を注入できるように構成してもよい。
図2aを参照すると、図1に関して上述したように、外胴ボウル3は、分離液排出側が円筒形状の直胴部3aに、分離物排出側が円錐形状のテーパ部になっており、テーパ部は2段テーパ3b、3cを採用している。2段テーパ3b、3cは、傾斜がやや急な部分(急傾斜部3b)と、傾斜が緩やかな部分(緩傾斜部3c)となるように製作されている。
この2段テーパ3b、3cにより、スクリュウ羽根4cによる汚泥への圧搾効果と直胴部3a内での滞留時間を増加させ、特に遠心効果を強く受ける2段テーパ3bでの滞留時間(遠心効果を受ける時間)を長く確保することができる。なお、外胴ボウル3の分離物排出側に形成されたテーパ部が後述する1段テーパ3d(図5参照)であっても高い遠心分離(濃縮・脱水)性能を得ることができる。
内胴スクリュウ4の内部には、内胴直胴部4aおよび内胴テーパ部4bに跨る汚泥供給室7が形成され、汚泥供給室7には、汚泥供給口7aと流出口7bと仕切板8が設けられる。
さらに詳述すると、汚泥供給室7は、内胴スクリュウ4の内胴直胴部4aに設けられた汚泥供給口7aを介して外胴ボウル3内に連通している。流出口7bは、内胴直胴部4aから内胴テーパ部4bにかけて開口しており、内胴テーパ部4bの内周面には、流出口7bの近傍(通常汚泥供給口寄り)に仕切板8が設けられる。
仕切板8は、汚泥供給室7内面にドーナツ状(連続または間欠)の形で設置されており、汚泥供給管14とのクリアランス(間隔)は通常2〜50mmに設定される。このような仕切板8を設置することにより、汚泥供給管14に内蔵された導入管10の吐出孔10aから注入されたFA混合液が、汚泥供給室7内で拡散することを抑制・防止して、流出口7bからテーパ部(2段テーパ3b、3c)に流出し易くすることができる。
本実施形態2においては、固液分離がある程度進んだ(テーパ部を上昇する)汚泥に直接FA混合液を導入管10で注入することができ、これにより、汚泥の比重が大きくなり、遠心効果を強く受けるテーパ部で、効率的に且つ確実に固液分離が促進され、脱水汚泥の含水率を低減することができる。
また、固液分離がある程度進んだ(テーパ部を上昇する)汚泥に直接FA混合液を注入するので、効率よく石炭灰を汚泥(フロック)に作用させることができる。
もちろん、上述したように、高分子凝集剤と石炭灰を用いることにより、薬品使用量が抑えられているにもかかわらず脱水汚泥の含水率を70%以下にすることが可能であり、ランニングコストや脱水汚泥の処理処分費用を低減できると共に、廃棄物の有効利用、資源の保護、温室ガスの排出削減等に極めて有効である。
図3は、本発明の実施の形態3に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
図3に示す遠心分離装置は、要するに、石炭灰を、汚泥供給管内(高分子凝集剤注入後のライン注入)と遠心分離機内のテーパ部(テーパ注入)の2箇所で注入する装置例である。
本実施形態3の遠心分離装置においては、石炭灰注入ポンプ24aを用いて流量計22aを備えた導入管10でFA混合液をテーパ部に注入すると共に、流量計22bを備えた石炭灰注入管23でFA混合液を前段で注入(ライン注入)する構成となっている。石炭灰注入管23の一端は、石炭灰タンク13に接続され、他端は、汚泥供給管14の、高分子凝集剤注入管16接続部下流側に接続される。
汚泥供給管14内でFA混合液を注入することで汚泥の改質(VTSの低減、低pHの改善)ができると共に、汚泥とFAが十分に混合されることにより固液分離性の高い重い汚泥フロックが生成でき、さらに2段テーパ3b、3cでもFA混合液を注入することで汚泥フロックの比重がより大きくなり、遠心効果を強く受ける2段テーパ3b、3cで、効率的に且つ確実に固液分離が促進される。そして、別途設けられた石炭灰注入ポンプ24a、24bをそれぞれ適切に稼動させることにより、安定して効率よく脱水汚泥の含水率を低減することができる。
また、固液分離がある程度進んだ(テーパ部を上昇する)汚泥に直接FA混合液を注入するため、効率よく石炭灰を汚泥(フロック)に作用させることができる。
図4は、本発明の実施の形態4に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
図4に示す遠心分離装置は、要するに、石炭灰を、汚泥供給管内(高分子凝集剤注入前のライン注入)と遠心分離機内のテーパ部(テーパ注入)の2箇所で注入し、高分子凝集剤は汚泥供給室7内で注入(機内注入)する装置例である。
本実施形態4の遠心分離装置においては、図3に関して上述したように、流量計22bを備えた石炭灰注入管23でFA混合液を前段で注入(ライン注入)し、FA混合液が前段で注入され汚泥供給室7内に供給された汚泥に対して高分子凝集剤を注入(機内注入)し、さらに石炭灰注入ポンプ24aを用いて流量計22aを備えた導入管10でFA混合液をテーパ部に注入する構成となっている。高分子凝集剤注入管16は、汚泥供給管14内に内蔵されて延伸し、端部が汚泥供給室7内で開口する構造になっている。
このような構成とすることにより、汚泥供給管14内でFA混合液が注入され、FAが十分に混合して改質(VTSの低減、低pHの改善)した汚泥に対して、汚泥供給室内で速やかに且つ効率的に高分子凝集剤が注入されるので、固液分離性の高い重い汚泥フロックが生成でき、さらに2段テーパ3b、3cでもFA混合液が注入されるので汚泥フロックの比重がより大きくなり、遠心効果を強く受ける2段テーパ3b、3cで、効率的に且つ確実に固液分離が促進される。そして、別途設けられた石炭灰注入ポンプ24a、24bをそれぞれ適切に稼動させることにより、安定して効率よく脱水汚泥の含水率を低減することができる。
図5は、本発明の実施の形態5に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
図5に示す遠心分離装置は、要するに、石炭灰を、汚泥供給管内(高分子凝集剤注入前のライン注入)と遠心分離機の汚泥供給室内(機内注入)の2箇所で注入する装置例である。
本実施形態5の遠心分離装置においては、上記実施形態3の装置構成に対して、少なくとも次の点で異なる。
まず、石炭灰注入管23aが汚泥供給管14内を延伸して、端部が汚泥供給室7内で開口してFA混合液を注入(機内注入)する構成とした点である。すなわち、石炭灰注入管23aは、端部の開口から汚泥供給室7内にFA混合液を直接注入(機内注入)して、FA混合液と高分子凝集剤が注入された汚泥に再度FA混合液を注入するように構成される。
次に、予め汚泥にFA混合液を注入(ライン注入)するため、石炭灰注入管23bが、汚泥供給管14の、高分子凝集剤注入箇所の上流側に接続される。
さらに、外胴ボウル3の分離物排出側に形成されるテーパ部を、2段テーパではなく、1段テーパ3d(緩傾斜)として構成される。
汚泥供給管14内で、高分子凝集剤が注入される前にFA混合液を注入することで、汚泥の改質(VTSの低減、低pHの改善)ができ、高分子凝集剤の凝集効果を高めることができる。
もちろん、汚泥とFAが十分に混合されるので、固液分離性の高い重い汚泥フロックが生成でき、さらに汚泥供給室7内でも石炭灰を注入することで汚泥フロックの比重がより大きくなり、固液分離が促進され、脱水汚泥の含水率を低減することができる。
なお、FA混合液は、汚泥供給口7aを介して直胴部3aに流出するが、比重の大きいFAが直胴部3aに沈積滞留しないように、外胴ボウル3の分離物排出側に形成されたテーパ部は、1段テーパ3d(緩傾斜)を採用したので、FAがより排出し易くなっている。
また、汚泥処理状況(固液分離性能)に応じて、FA混合液のライン注入と機内注入をそれぞれ制御することが好ましいため、石炭灰注入設備は独立した2つの注入系統(石炭灰注入管23a,23bや石炭灰注入ポンプ24a,24b)を設ける構成とした。
図6aは、本発明の実施の形態6に係る遠心分離装置の汚泥供給系統を示す概略断面図である。
図6aに示す遠心分離装置は、要するに、石炭灰(粉状のFAなど)を直接汚泥に注入する装置例(石炭灰注入の応用例)である。
上述したように、石炭灰は通常水に混合・分散させた状態で、注入ポンプを使用して汚泥供給管や遠心分離機内へ注入するが、汚泥に直接粉状の石炭灰を注入してもよい。また、濃度管理や撹拌が担保できるなら、粉状の石炭灰を汚泥供給管に直接注入してもよい。
図6aの装置例においては、汚泥移送ポンプ41によって汚泥移送管42を介して汚泥供給タンク11に供給される汚泥に関して、粉状のFAが、フィーダ(定量ポンプを含む供給機器類)26によって直接汚泥供給タンク11に注入(直入)される。
撹拌混合機11aは、FAを沈積させず汚泥と確実に混合するように、また濃度が一定になるように、十分に撹拌混合(数十秒〜数分程度)を行う。
FAが注入された汚泥は、自然流下(オーバーフロー)して汚泥供給管14の中を流れ、途中高分子凝集剤注入管16から高分子凝集剤が注入された後、遠心脱水機1に供給される。
なお、遠心分離機1は、基本的にポンプと同様に、吸込側が陰圧となって汚泥を吸い込むので、若干の落差(1m程度)あれば自然流下で汚泥を遠心分離機1に供給することができる(汚泥供給ポンプ15を省略できる)。
また、汚泥とFAが十分に混合しないまま自然流下(オーバーフロー)するのを防止するため、汚泥供給タンク11の流出部(汚泥供給管14接続部)付近に短絡防止板27を設けることが好ましい。
石炭灰(粉状FA)を直接汚泥に注入することにより、汚泥の改質(VTSの低減、低pHの改善)ができると共に、汚泥と石炭灰が十分に混合されることにより固液分離性の高い重い汚泥フロックが生成できる。また、簡素な石炭灰注入設備にすることができるため、設備コストが削減できると共に、維持管理を軽減することができ、装置のコンパクト化も図れる。また、石炭灰の連続注入が容易となり、無駄のない効率的な使用ができる。
図6bは、本発明の実施の形態6に係る遠心分離装置の別の汚泥供給系統を示す概略断面図である。
図6bに示す装置は、石炭灰(粉状のFAなど)を直接汚泥に注入する別の構成例(石炭灰注入の応用例)である。
構成的には、図6aと略同様であるが、汚泥を汚泥供給タンクへ移送する汚泥移送管42に高分子凝集剤を注入する高分子凝集剤注入設備(高分子凝集剤タンク12、高分子凝集剤注入管16、高分子凝集剤注入ポンプ17、流量計18等)を設けたものである。
このような構成により、汚泥は、汚泥移送管42内で高分子凝集剤注入管16から注入される高分子凝集剤と混合し、その後汚泥供給タンク11で粉状のFAが直接注入されて混合し、固液分離性の優れた強固で重い汚泥フロックを形成しつつ遠心脱水機1に供給される。このため、各注入物の効果を十分に利用でき、効率よく固液分離(脱水)することができる。
なお、図6aや図6bの装置において、汚泥供給管14や遠心脱水機1内へさらに石炭灰液(FA混合液)や無機凝集剤を注入するような構成を採用することができ、これにより汚泥の固液分離性を尚一層向上(=脱水汚泥の含水率の低減)することができる。
図7は、本発明の実施の形態7に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
図7に示す装置は、要するに、高分子凝集剤および石炭灰に加え、無機凝集剤を注入する装置例である。
本実施形態7の遠心分離装置は、構成的に図1に示す装置と略同様であるが、高分子凝集剤注入前に汚泥供給管に無機凝集剤を注入する「無機凝集剤注入設備」を設けたものである。
詳細には、汚泥供給タンク11、高分子凝集剤タンク12、および石炭灰タンク13に加えて、無機凝集剤タンク53を別途設ける。無機凝集剤タンク53には、無機凝集剤注入ポンプ54および流量計55を備えた無機凝集剤注入管56の一端が接続され、他端は、汚泥供給管14の、高分子凝集剤注入箇所の上流側に接続され、汚泥に無機子凝集剤が注入される。
高分子凝集剤タンク12には、高分子凝集剤注入ポンプ17および流量計18を備えた高分子凝集剤注入管16の一端が接続され、他端は、汚泥供給管14に接続される。この高分子凝集剤注入管16によって、汚泥に高分子凝集剤が注入される。
石炭灰タンク13には、石炭灰注入ポンプ24および流量計22を備えた石炭灰注入管23の一端が接続され、他端は、汚泥供給管14の、高分子凝集剤供給箇所の下流側に接続され、汚泥に石炭灰(例えばFA混合液)が注入される。
上述したように、遠心分離機に石炭灰を注入すると、通常注入率を増加させるほど脱水汚泥含水率は低下し、固液分離性能の向上や凝集剤使用量の削減に有効である。
しかし、過度に比重の大きい石炭灰を汚泥に注入すると、発生する脱水汚泥量(重量)が増加してしまうことになる。そうすると、処理処分しなければならない脱水汚泥量(重量)が増加し、処分費用が増大したり、維持管理など作業負担が増えたりしてしまう。
そこで、石炭灰と共に無機凝集剤を併用することで、注入する石炭灰の量を削減しても固液分離性能の向上(脱水汚泥の含水率低減)を維持できると共に、発生する脱水汚泥量(重量)を抑制(軽減)することができる。
また、従来の高分子凝集剤と無機凝集剤を用いた運転では、注入する無機凝集剤溶液のpHが1程度と強酸性であるため、無機凝集剤の注入量によっては脱水汚泥のpHが3程度まで低下する場合がある。脱水汚泥のpHが極端に低い場合、脱水汚泥の農地還元や堆肥化などの再利用・有効利用に支障を来たすおそれがあり、脱水汚泥の利用・用途を狭めることになってしまう。
そこで、汚泥脱水処理で無機凝集剤と共にアルカリ性である石炭灰を用いることにより、固液分離性能を向上させるばかりか、脱水汚泥のpHを7前後の中性程度に改善することができ、脱水汚泥の利用・用途の範囲を拡大(利用促進)することができる。
なお、石炭灰と無機凝集剤については、汚泥性状、使用薬品、遠心分離機仕様、脱水・濃縮性能等により、上述した実施形態において説明したライン注入、機内注入、テーパ注入、後述する直胴注入に関係する装置構成を適宜採用して実施することができる。
図8は、本発明の実施の形態8に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図であり、図8aは、遠心脱水機の運転状態を示す内部詳細図であり、図8bは、機内詳細図である。
本実施形態8の遠心分離装置は、要するに、高分子凝集剤および石炭灰(をライン注入すること)に加え、無機凝集剤を、遠心分離機内の汚泥供給室から流出口を介してテーパ部へ注入(テーパ注入)する構造とし、複数(本実施形態では2箇所)に分散注入する装置例である。
これにより、汚泥には高分子凝集剤と石炭灰(FA混合液)が注入され、固液分離性の高い重い汚泥フロックが生成し、遠心分離機に供給されてある程度固液分離が進んだテーパ部を上昇する汚泥に直接無機凝集剤を注入することができ、遠心効果を強く受けるテーパ部で無機凝集剤が直接注入された固液分離性の進んだ汚泥は、効率的に且つ確実に固液分離が促進され、脱水汚泥の含水率をより一層低減することができる。
本実施形態8では、汚泥供給タンク11、高分子凝集剤タンク12、および石炭灰タンク13に加えて、無機凝集剤タンク53が別途設けられる。
内胴スクリュウ4(内胴直胴部4aや内胴テーパ部4b)には、無機凝集剤を2段テーパ3b,3cへ流出させる流出口7b、7cが設けられる。
無機凝集剤タンク53から遠心脱水機1の汚泥供給室7内へ延伸する導入管10(汚泥供給管14に内蔵)は、流出口7b、7cに対応する位置で開口する吐出孔10a、10bを有する。
また、吐出孔10a、10bから注入される無機凝集剤を汚泥供給室7内で拡散させずに流出口7b、7cに誘導する、汚泥供給室7内面にドーナッツ状(連続または間欠)の形で設置された仕切板8a、8bが設けられる。
本実施形態8においては、導入管10から注入され、仕切板8a、8bによりスムーズに流出口7b、7cから流出した無機凝集剤を、主に内胴スクリュウ4のスクリュウ羽根4cにより分離物排出側へ移行して水面(WL)上に掻き上げられたある程度固液分離が進んだ汚泥に直接且つ集中して注入できるため、無機凝集剤と(水分がある程度抜けていて、さらに高分子凝集剤および石炭灰が注入され重く強固な汚泥フロックが生成している)汚泥が速やかに作用(反応)し、遠心効果を強く受けるテーパ部(3b,3c)で、効率的に且つ確実に分離液が分離して、より一層含水率の低い(従来に比べ2〜10%程度低い)脱水汚泥を得ることができる。
なお、無機凝集剤を注入する導入管10は、通常パイプ形状で汚泥供給管14の内部を汚泥供給管14と共に延伸し、汚泥供給室7内で開口させる構造としたが、これに限定されるものではなく、遠心脱水機1の運転に支障が無く、流出口7b、7cから無機凝集剤を流出させることができる構造であればよい。また、無機凝集剤の注入(吐出孔10a、10bや流出口7b、7c)は2箇所としたが、遠心脱水機の大きさ、構造、注入量等により1〜10箇所程度、大きさ(直径)を含め適宜設ければよく、仕切板8の形状、数、設置場所等も同様で、無機凝集剤を汚泥供給室内で拡散させずに流出口へ確実に誘導できればよい。
このように、石炭灰(FA混合液)を汚泥供給管14に、無機凝集剤を2段テーパ3b,3cに注入することで、注入する比重の大きいFAの量を削減しても固液分離性能の向上(脱水汚泥の含水率低減)を維持できると共に、発生する脱水汚泥量(重量)を抑制することができる。また、無機凝集剤もテーパ部での注入に使用するだけなので、使用量を抑えることができる。
ここで、本実施形態8の実際の装置における実施例を以下に示す。
実施例にあっては、遠心分離機として、公称能力2.5m/hの低動力型遠心脱水機を使用し、下水処理場から発生する消化汚泥を対象に脱水処理を行なった。高分子凝集剤は、一般的なカチオン系の薬品を使用し、無機凝集剤は、ポリ硫酸第二鉄を使用した。
石炭灰は、FAを使用し、容積が0.7mの円筒型タンクに水中撹拌機を設け、水に重量比で20%になるように混合・分散させ、FA混合液はモーノポンプを用いて汚泥供給管へ定量注入した。
運転性能の一例、すなわち、石炭灰、特にFAと無機凝集剤とを併用した遠心脱水機の運転実施例の条件および結果を表2に示す。
Figure 2012011300
FAも無機凝集剤も使用しない1液法(高分子凝集剤の注入のみ)では、脱水汚泥含水率が77.0%であったのに対して、FAを20%/TS注入した時の脱水汚泥含水率は75.6%であった。さらに無機凝集剤を注入すると無機凝集剤の注入量にともない脱水汚泥含水率は低下する傾向であった。無機凝集剤注入量1000ppmでは脱水汚泥含水率が73.0%、2000ppmでは71.2%、3000ppmでは70.3%、5000ppmでは68.7%であった。
上記の通り、比重の高いFAの注入量を20%/TSと低く抑えても、無機凝集剤(ポリ鉄)をテーパ注入することにより、脱水汚泥含水率は十分に低下し、無機凝集剤注入量を5000ppmにした場合には、汚泥の含水率が70%切る68.7%という大変良好な結果が得られた。
図9は、本発明の実施の形態9に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図であり、図9aは、遠心脱水機内の詳細図であり、図9bは、遠心脱水機に設けられた汚泥供給管と導入管と石炭灰注入管の配管構造例を示す断面図である。
本実施形態9の装置は、要するに、高分子凝集剤を汚泥供給管に注入(ライン注入)し、石炭灰(FA混合液)を汚泥供給室内へ注入(機内注入)し、さらに導入管で無機凝集剤を遠心分離機内の汚泥供給室から流出口を介してテーパ部へ注入(テーパ注入)する遠心分離装置である。
遠心脱水機1内を延伸する汚泥供給管14内には、無機凝集剤溶液をテーパ注入する導入管10とFA混合液を機内注入する石炭灰注入管23が内蔵される。すなわち、汚泥供給管14の内部には、導入管10と石炭灰注入管23の2つのパイプが延伸配設される。これにより、遠心脱水機1における内胴スクリュウ4の軸受やシール等の構造を簡素化することが可能になる。複数の配管を汚泥供給室7に延伸させる構造より、汚泥供給管14に内蔵させる方が効率的で安全性も高い。なお、このような構造に代えて、効率的で安全性が高い別の配管構造を採用することもできる。
汚泥供給室7内には、高分子凝集剤が注入された汚泥が供給され、またFA混合液が注入される。そして、ある程度固液分離が進んだテーパ部(3b、3c)を上昇する汚泥に無機凝集剤が流出口7bから確実に注入される。なお、無機凝集剤が汚泥供給室7内で拡散しないように仕切板8が設けられる。
本実施形態9においては、先ず、高分子凝集剤が汚泥供給管14内で汚泥と混合され、次いで、この汚泥と石炭灰が汚泥供給室7内で混合され、そして、固液分離性の高い重い汚泥フロックが生成した(フロック性が改善された)汚泥は、汚泥供給口7aを介して直胴部3aへ流出し、ある程度固液分離が進み(水が抜け)2段テーパ3b、3cを上昇する汚泥に(流出口7bから)直接且つ集中して無機凝集剤を注入することができ、効率的に且つ確実に固液分離が促進され、脱水汚泥の含水率をより一層低減することができる。
また、遠心脱水機1内部を延伸する配管が実質上一本で済むために、遠心脱水機1を安定して運転でき、また複雑な構造とならないため安全でありメンテナンスも容易である。なお、FAは、汚泥供給口7aを介して直胴部3aへ流出するが、比重の大きいFAが直胴部3aに沈積滞留しないように、外胴ボウル3の分離物排出側に形成されたテーパ部を、FAがより排出し易い1段テーパ3d(緩傾斜)にしてもよい。
本実施形態10の装置は、要するに、無機凝集剤を汚泥供給管に注入(ライン注入)し、高分子凝集剤を汚泥供給室内へ注入(機内注入)し、さらに導入管で石炭灰(FA混合液)を遠心分離機内の汚泥供給室から流出口を介してテーパ部へ注入(テーパ注入)する遠心分離装置である。
本実施形態10の遠心分離装置においては、汚泥供給管14へ無機凝集剤注入ポンプ54および流量計55を備えた無機凝集剤注入管56で無機凝集剤を注入(ライン注入)し、無機凝集剤が前段で注入され汚泥供給室7内に供給された汚泥に対して高分子凝集剤注入ポンプ17および流量計18を備えた高分子凝集剤注入管16で高分子凝集剤を注入(機内注入)し、さらに石炭灰注入ポンプ24および流量計22を備えた導入管10でFA混合液をテーパ部に注入する構成となっている。なお、高分子凝集剤注入管16は、汚泥供給管14内に内蔵されて延伸し、端部が汚泥供給室7内で開口する構造になっている。
このような構成とすることにより、汚泥供給管14内で無機凝集剤が前段注入され、無機凝集剤の作用により改質(汚泥フロックの形成、不溶性リン化合物の生成)した汚泥に対して、汚泥供給室7内で速やかに且つ効率的に高分子凝集剤が注入されるので、固液分離性の高い汚泥フロックが生成でき、さらにテーパ部でFA混合液が注入されるので汚泥フロックの比重がより大きくなり、遠心効果を強く受ける2段テーパ3b、3cで、効率的に且つ確実に固液分離が促進され、脱水汚泥の含水率をより一層低減することができる。さらに、生成した不溶性リン化合物は脱水汚泥に取り込まれて回収(排除)されるので、脱水分離液の水質を改善(栄養塩であるリンを除去)できる。
図11は、本発明の実施の形態11に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
本実施形態11の遠心分離装置は、要するに、高分子凝集剤および石炭灰を汚泥供給管に注入(ライン注入)し、更に汚泥供給室内へ無機凝集剤を注入(機内注入)する装置例である。
本実施形態11においては、まず高分子凝集剤と石炭灰(FA混合液)が汚泥供給管14内に順次注入され、固液分離性の高い重い汚泥フロックが生成される。次いで、この汚泥と、無機凝集剤タンク53から無機凝集剤注入管56を介して汚泥供給室7内へ注入された無機凝集剤とが、混合してより強固で重く固液分離性の高い汚泥フロックが生成され、この汚泥が汚泥供給口7aから直胴部3aへ流出して効率よく遠心分離される。
さらに、汚泥供給室7内に注入された無機凝集剤は、本実施形態10でも述べたように汚泥中の未凝集の溶解成分、特に富栄養化物質である溶解性リンと反応して不溶性リン化合物となり、主に脱水汚泥に取り込まれて回収(排除)される。
換言すると、汚泥供給室7へ供給される汚泥は高分子凝集剤と石炭灰の注入によりある程度フロック化が進んでいて、凝集剤等の薬品を注入しない汚泥に無機凝集剤を注入した場合に比べて無機凝集剤の消費(利用)が抑えられ、消費されていない無機凝集剤が汚泥中の未凝集の溶解成分(溶解性リン)と十分に反応して不溶性塩(不溶性リン化合物塩)となり分離・回収される。
リンは富栄養化物質として除去する必要があるが、通常の排水処理では十分に除去できない。リンは排水の生物学的処理に由来する汚泥の中に多く溶存していて、分離・回収されないと脱水分離液に含まれて排出されてしまい、後段での処理(返流水処理設備等)に悪影響を及ぼし、放流水のリン濃度を増大させてしまい、放流先(河川など公共用水域)の富栄養化の要因になってしまう。
そこで、本装置を用いることにより、汚泥を効率よく確実に遠心分離し、脱水汚泥の含水率を十分に低減させると共に、汚泥中の溶解性リンを分離・回収することも可能である。
図12は、本発明の実施の形態12に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
本実施形態12の遠心分離装置は、要するに、無機凝集剤、高分子凝集剤および石炭灰を汚泥供給管14に注入(ライン注入)すると共に(実施形態7と同様)、さらに、無機凝集剤タンク53に接続された導入管10(吐出孔10a)により、無機凝集剤を汚泥供給室7から流出口7bを介してテーパ部(3b、3c)に注入(テーパ注入)する装置例である。
無機凝集剤タンク53から汚泥供給管14へ延びる無機凝集剤注入ポンプ54bおよび流量計55bを備えた無機凝集剤注入管56とは別に、無機凝集剤タンク53から遠心脱水機1の汚泥供給室7内へ延伸する無機凝集剤注入ポンプ54aおよび流量計55aを備えた導入管10(汚泥供給管14に内蔵)が設けられ、この導入管10は、流出口7bに対応する位置で開口する吐出孔10aを有する。
吐出孔10aから注入される無機凝集剤は、仕切板8によって汚泥供給室7内に拡散することなく、流出口7bに誘導され、ある程度固液分離が進んでテーパ部を上昇する汚泥に注入される。
本実施形態12においては、上記実施形態7と同様の作用効果が得られる。すなわち、石炭灰と共に無機凝集剤が併用されるので、注入する石炭灰の量を削減しても固液分離性能の向上(脱水汚泥の含水率低減)を維持できると共に、発生する脱水汚泥量(重量)を抑制することができる。
汚泥供給管14内の汚泥には、先ず、無機凝集剤注入管56を介して無機凝集剤が注入され、これにより汚泥フロックが形成されると共に、汚泥中の溶解性リンと無機凝集剤とが十分に反応して不溶性塩が生成され、上記実施形態10と同様にリンを分離・回収することができる。
そして、無機凝集剤が注入された汚泥には、高分子凝集剤注入管16を介して高分子凝集剤が、石炭灰注入管23を介して石炭灰が注入される。これにより、通常の2液法に比べ固液分離性の高い重い汚泥フロックが生成された汚泥を確実に遠心脱水機1(汚泥供給室7)内に供給することができる。
さらに、上記実施形態8や実施形態9と同様に、導入管10で無機凝集剤を遠心脱水機1内の汚泥供給室7の流出口7bを介してテーパ部へ注入(テーパ注入)することにより、ある程度固液分離が進んだ(水が抜けた)テーパ部(3b、3c)を上昇する汚泥に直接且つ集中して無機凝集剤を注入することができ、効率的に且つ確実に固液分離が促進され、脱水汚泥の含水率をより一層低減することができる。
このように無機凝集剤をライン注入およびテーパ注入することにより、確実にリンの分離・回収および脱水汚泥の低含水率化が図れ、無機凝集剤のそれぞれ適切な注入(制御)のため独立した注入系統(導入管10や無機凝集剤注入管56、無機凝集剤注入ポンプ54aや54b、流量計55aや55b)を設けることにより、無機凝集剤の使用量を的確に管理でき、無駄な使用を防ぎランニングコストの削減に有効である。
従来、脱水汚泥の低含水率化およびリンの分離・回収のため、汚泥に無機凝集剤を多量にライン注入する場合もあったが、無機凝集剤の注入量が多いと脱水汚泥や脱水分離液のpHが酸性側(pH4〜5)へ傾き、脱水分離液による返送先(排水処理設備)への影響(腐食や生物処理槽へのダメージ)が懸念され、また脱水汚泥の利用・用途を狭めてしまう。
本実施形態12においては、アルカリ性の石炭灰もライン注入することで汚泥のpHを6〜7程度に保つことができ、脱水分離液や脱水汚泥の性状を良好に維持できる。加えて、無機凝集剤の効果が最も発揮できる(最適)pHが6程度であるが、無機凝集剤をテーパ注入およびプール注入する際、石炭灰のライン注入より汚泥のpHが中性付近であるため、さらに凝集効率(分離性能)が向上する。
図13は、本発明の実施の形態13に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図であり、図13aは、図13の遠心脱水機内の運転状態を示す要部構造図である。
本実施形態13の遠心分離装置は、要するに、高分子凝集剤および石炭灰を汚泥供給管14に注入(ライン注入)し、さらに、無機凝集剤注入管56を汚泥供給室7内の奥まで延伸(途中汚泥供給管14に内蔵)させ、内胴スクリュウ4の分離液排出側に開口7dを設け、無機凝集剤注入管56の注入孔59からの無機凝集剤を直接直胴部3aへ注入(プール注入)する装置例であって、上記実施形態12のリンの分離・回収の効率をさらに向上させた装置例とである。
無機凝集剤のテーパ注入は、脱水汚泥含水率の低減効果はとても高いが、脱水分離液の「SS回収率向上」や「リンの分離・回収」にはあまり効果が期待できない。そこで、無機凝集剤を開口7dを介して直胴部3aへ集中的に注入すると、脱水分離液と無機凝集剤とが確実に接触(混合)して効率よく反応し、これにより脱水分離液のSS回収率が向上すると共に、脱水分離液に含まれるリンを効率よく確実に分離・回収することができる。
図13aが示すように、無機凝集剤を汚泥供給室7の分離液排出側に設けられた開口7dを介して注入することにより、汚泥より分離した水(溶解性リンを含む脱水分離液)に無機凝集剤が直接作用するので、溶解性リンは速やかに且つ確実に無機凝集剤と反応して不溶性塩(不溶性リン化合物)となり、主に脱水汚泥に取り込まれて回収(排除)される。
また、脱水分離液に含まれるSS成分(ピンフロックなどの懸濁物質)も無機凝集剤と反応してフロック化して分離されるので、SS回収率が大幅に改善されると共に、リン濃度もSS濃度も低い良好な水質の脱水分離液が得られ、脱水分離液を処理する後段の排水処理施設への汚濁負荷も大幅に削減できる。
なお、無機凝集剤注入管56の注入孔59から注入された無機凝集剤が汚泥供給室7で拡散したり、汚泥と混合したりしてしまうことを避けるため、汚泥供給室7に仕切板57を、無機凝集剤注入管56の注入孔59近傍に拡散防止板58などを設けることが好ましい。
無機凝集剤は汚泥供給室7から開口7dを介して直胴部3a内に注入されるが、遠心脱水機1内部は高速で回転しているため、遠心力などにより注入された無機凝集剤は速やかに分散し、直胴部3a内に行き渡って広範に作用させることができる。
直胴部3a内の脱水分離液はSS濃度が比較的低く、溶解性成分が主体であり、注入された無機凝集剤は微細フロック(ピンフロック)や溶解性リン等と効率的に反応し、脱水分離液のSS濃度を更に低下させると共に、リン濃度を確実に低下(リンの分離・回収)させることが可能であり、脱水分離液の性状を格段に向上(良好な水質に)させることができる。
図14は、本発明の実施の形態14に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
本実施形態14の遠心分離装置は、要するに、無機凝集剤の注入において、上記実施形態12および実施形態13を組み合わせたような構造からなり、高分子凝集剤および石炭灰を汚泥供給管14に注入(ライン注入)し、さらに無機凝集剤を注入する導入管10を汚泥供給管14と共に汚泥供給室7内の奥まで延伸(汚泥供給管14に内蔵)させ、導入管10に設けられた2箇所の吐出孔10a、10cから無機凝集剤をテーパ注入およびプール注入する装置例である。
汚泥供給室7には、吐出孔10a、10cからの無機凝集剤を汚泥供給室7内に拡散させずに流出口7bおよび開口7dに誘導するために、仕切板8,57を設ける。
本実施形態14においては、導入管10(吐出孔10a、10c)で無機凝集剤を遠心脱水機1内の汚泥供給室7から流出口7bを介してテーパ部へ注入(テーパ注入)できるため、ある程度固液分離が進んだ(水が抜けた)テーパ部(3b、3c)を上昇する汚泥に直接且つ集中して無機凝集剤を注入することができ、効率的に且つ確実に固液分離が促進され、脱水汚泥の含水率をより一層低減することができる。
さらに、無機凝集剤を汚泥供給室7の分離液排出側に設けられた開口7dを介して直胴部3aへ注入(プール注入)することにより、汚泥より分離した水(溶解性リンを含む脱水分離液)に無機凝集剤が直接作用するので、溶解性リンは速やかに且つ確実に無機凝集剤と反応して不溶性塩となり、主に脱水汚泥に取り込まれて回収(排除)される。
また、脱水分離液に含まれるSS成分(ピンフロックなどの懸濁物質)も無機凝集剤と反応してフロック化して分離されるので、SS回収率が大幅に改善される。すなわち、リン濃度もSS濃度も低い良好な水質の脱水分離液が得られ、脱水分離液を処理する後段の排水処理施設への汚濁負荷も大幅に削減でき、放流先の水環境の保全に有益である。
このように無機凝集剤をテーパ注入およびプール注入することにより、脱水汚泥の含水率をより一層低減することができると共に、確実に溶解性リンの分離・回収およびSS回収率の向上が図れる。
また、上述の通り、アルカリ性の石炭灰もライン注入するので、汚泥のpHを6〜7程度に保つことができ、脱水分離液や脱水汚泥の性状を良好に維持できる。加えて、無機凝集剤の効果が最も発揮できる(最適)pHが6程度であるが、無機凝集剤をテーパ注入およびプール注入する際、石炭灰のライン注入より汚泥のpHが中性付近であるため、さらに凝集効率(分離性能)が向上する。
図15は、本発明の実施の形態15に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。また、図15aは、遠心脱水機の運転状態を示す機内詳細図であり、図15bは、遠心脱水機に設けられた汚泥供給管と導入管と石炭灰注入管の配管構造例を示す断面図である。
本実施形態15の遠心分離装置は、要するに、無機凝集剤および高分子凝集剤を汚泥供給管14に注入(ライン注入)し、そして導入管10(吐出孔10a)を介して石炭灰(FA混合液)を汚泥供給室7に注入してから流出口7bを介してテーパ部へ注入(テーパ注入)し、さらに無機凝集剤注入管56aから無機凝集剤を汚泥供給室7の分離液排出側に設けられた開口7dを介して直胴部3aへ注入(プール注入)する装置例である。
なお、無機凝集剤のそれぞれ適切な注入(制御)のため、独立した注入系統(無機凝集剤注入管56aや56b、無機凝集剤注入ポンプ54aや54b、流量計55aや55b)を設けている。また、汚泥供給管14は、それ自体が二重管構造となっており、外周管部分は2つに仕切られ、下方はFA混合液のテーパ注入用(導入管10)として、上方は無機凝集剤のプール注入用(無機凝集剤注入管56a)として構成され、中央の内管部分は汚泥の供給路(汚泥供給管14)を構成している。導入管10は、分離物排出側に吐出孔10aを、無機凝集剤注入管56aは、分離液排出側に注入孔59を有する。
また、汚泥供給室7には、無機凝集剤注入管56a(注入孔59)からの無機凝集剤を汚泥供給室7内に拡散させずに開口7dに誘導するために、仕切板57が設けられると共に、導入管10(吐出孔10a)からの石炭灰(FA混合液)を汚泥供給室7内に拡散させずに流出口7bに誘導するために、仕切板8が設けられる。
本実施形態15においては、汚泥供給管14内の汚泥に対して、先ず無機凝集剤を注入(ライン注入)し、次いで高分子凝集剤を注入(ライン注入)することにより、強固な汚泥フロックが生成される。
導入管10でFA混合液を遠心脱水機1内の汚泥供給室7から流出口7bを介してテーパ部へ注入(テーパ注入)し、ある程度固液分離が進んだ(水が抜けた)テーパ部(3b、3c)を上昇する汚泥に直接且つ集中してFA混合液を注入するため、比重が大きくより固液分離性が高くなった汚泥を、遠心効果を強く受ける2段テーパ3bで効率的に且つ確実に固液分離でき、脱水汚泥の含水率をより一層低減することができる。
また、汚泥に無機凝集剤をライン注入しているが、さらに無機凝集剤を汚泥供給室7の分離液排出側に設けられた開口7dを介して直胴部3aへ注入(プール注入)することにより、直胴部3a内の脱水分離液に含まれる微細フロック(ピンフロック)や溶解性リン等と速やかに且つ効率的に反応し、脱水分離液のSS濃度やリン濃度を低下させることが可能であり、脱水分離液の性状を格段に向上(良好な水質に)させることができる。
さらに、汚泥に直接FA混合液をテーパ注入するため、効率よくFA混合液を汚泥(フロック)に作用させることができ、比重の高いFAの過度の使用を防ぐことができ、脱水汚泥の減量化に一層有効である。
加えて、無機凝集剤を独立した注入系統で注入することにより、遠心分離処理(固液分離性能やリンの分離・回収の状況)や無機凝集剤の使用量を的確に管理でき、脱水汚泥含水率の低減や分離液性状(水質)の向上が図れるばかりか、ランニングコストの削減にも有効である。
そして、汚泥供給管を図15bのような二重管構造とすることにより、高速で回転する遠心脱水機1内に多くの配管を延伸・設置しなくても済み、簡素な構造で運転上、管理上、安全上有効である。
なお、図示しないが、吐出孔、流出口、開口等は多く設け、必要のないものには栓(ネジ)で閉口することにより、処理状況や使用薬品の変更に応じて注入する箇所を変更することができ、非常に実用的である。
以下、上記実施形態15の変形例について簡潔に説明する。
上記実施形態15では、二重管構造の汚泥供給管を、分離物排出側(図で左手側)から遠心分離機内に挿入し、汚泥供給室内へ延伸させた遠心分離装置を前提として説明したが、図15cには、その変形例として、分離物排出側とは反対の分離液排出側(図で右手側)から汚泥供給管を遠心分離機内に挿入し、汚泥供給室内へ延伸させた遠心分離装置の内部構造が示される。
通常、遠心脱水機や遠心濃縮機で使用する汚泥供給管は、遠心分離機本体(回転体)に接触しないように外部から固定されるが、汚泥供給管の長さが長いほど振動による振幅が増し、破損する危険が高まるため、可能な限り汚泥供給管は短くすることが好ましい。
すなわち、内胴スクリュウ4内を延伸する汚泥供給管14が長いと不安定になって壊れ易くなり、構造上、安全上、維持管理上好ましくなく、汚泥供給管14を短くするために、図15cに示す遠心分離装置においては、広胴(分離液排出)側から汚泥供給管14が挿入される構造が採用される。
汚泥供給室7には、無機凝集剤注入管56の注入孔59から注入される無機凝集剤を汚泥供給室7内に拡散させずに開口7dに誘導するために、仕切板57が設けられると共に、導入管10(吐出孔10a)から注入される石炭灰(FA混合液)を汚泥供給室7内に拡散させずに流出口7bに誘導(テーパ注入)するために、仕切板8が設けられる。
詳細を図示しないが、汚泥供給管14内の汚泥に対しては、無機凝集剤および高分子凝集剤がライン注入され、汚泥供給管14の先端側に形成された汚泥供給管開口14aから、汚泥供給室7内に供給される。この汚泥は、汚泥供給口7aを介して直胴部3aへ流出する。
図15cに例示する変形例においては、特に汚泥供給管14に内蔵された無機凝集剤注入管56を用いて、汚泥供給室7の分離液排出側に設けられた開口7dを介して無機凝集剤を直胴部3aに注入する場合、容易に且つ確実に脱水(濃縮)分離液へ無機凝集剤を注入することができ、また汚泥供給管14を短くできるので構造上、安全上、維持管理上有効である。
図16は、本発明の実施の形態16に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図であり、図16aは、図16の遠心脱水機(1段テーパ採用)内の運転状態を示す内部詳細図である。
本実施形態16の遠心分離装置は、要するに、汚泥に対して高分子凝集剤および石炭灰(FA混合液)を注入(ライン注入)すること(固液分離性の高い重いフロックを生成)に加え、無機凝集剤を、遠心分離機内の汚泥供給室から流出口を介してテーパ部へ注入(テーパ注入)する構造とし、複数(本実施形態では2箇所)に分散注入し(ここまでは実施形態8と略同様)、さらに、無機凝集剤をテーパ注入する導入管に給水管を接続した装置例である。
詳細には、導入管10には、流量計55の下流側で給水管76が接続され、給水管76には、開閉弁77が設けられる。給水管76が接続された導入管10は、給水管76の接続部よりも下流側が汚泥供給管14内に延伸して、一つの吐出孔10aが流出口7bに対応する位置で開口し、もう一つの吐出孔10bが流出口7cに対応する位置で開口する。
汚泥供給室7には、導入管10の一つの吐出孔10aからの無機凝集剤を汚泥供給室7内に拡散させずに流出口7bに誘導するために、仕切板8aが、もう一つの吐出孔10bからの無機凝集剤を汚泥供給室7内に拡散させずに流出口7cに誘導するために、仕切板8bが、それぞれ設けられる。
ところで、給水管76によって導入管10に給水する目的は、主に遠心分離装置を停止させる際の洗浄および遠心分離装置を運転している際の無機凝集剤の希釈である。
すなわち、無機凝集剤は、長期間使用しなかったり、配管内が満管でなくなったりすると、無機凝集剤の成分である鉄やアルミが析出し、配管閉塞の原因になる場合があり、適宜洗浄する必要がある。そこで導入管10を介して給水することで、無機凝集剤と接触する配管や開口箇所(閉塞しやすい吐出孔や流出口など)を確実に且つ集中して洗浄することができ、遠心脱水機を保守し、安定した脱水処理を行うことができる。
さらに、無機凝集剤注入と共に給水を行うと、流出口7b,7cを介してテーパ注入された無機凝集剤溶液が速やかに希釈され、低濃度化および増量化した無機凝集剤溶液は速やかに拡散して汚泥と効率よく混合される。つまり、ある程度固液分離が進んで(水が抜け)テーパ部(2段テーパ3b、3c)を上昇する汚泥に対して、無機凝集剤を広範に且つ直接作用(反応)させることができ、重く固液分離性の高い強固なフロックを形成できると共に水分(分離液)を切ることができ、無機凝集剤の効率的な活用により一層脱水汚泥の含水率低減が図れる。
なお、導入管以外に無機凝集剤注入管を備えた遠心分離装置においては、無機凝集剤注入管にも給水管を接続することで、同様の作用効果が得られる。
ここで、図16aを参照すると、高分子凝集剤およびFA混合液が注入された汚泥は、汚泥供給管14から遠心脱水機1内の汚泥供給室7に供給され、導入管10の吐出孔10a、10bから無機凝集剤が注入され、注入された無機凝集剤は、流出口7b、7cより、ある程度固液分離が進んで(水が抜け)テーパ部(1段テーパ3d)を上昇する汚泥、すなわち、スクリュウ羽根4cにより分離物排出側へ移動して外胴ボウル3の1段テーパ3d(緩傾斜)付近で水面(WL)上に掻き上げられる汚泥に注入される。
そして、給水管76から導入管10へ給水することによって、無機凝集剤を効率よく確実に導入管10内で希釈されるため、無機凝集剤を汚泥へ速やかに且つ広範囲に直接注入して、短時間で汚泥と無機凝集剤とを混合・反応させることができ、より一層効率的に且つ確実に脱水汚泥の含水率を低減させることができる。具体的には、従来に比べ2〜10%程度低い含水率の脱水汚泥を得ることができる。
無機凝集剤を導入管10内で速やかに希釈することができるため、高濃度の無機凝集剤原液を用いることもでき、これにより無機凝集剤タンク53や無機凝集剤注入ポンプ54の小型化が可能であり、設備コストや設置面積の削減に有効である。また、(自動)開閉弁77等を操作して給水量を制御することで、無機凝集剤溶液の希釈の度合い(希釈倍率)を、運転状態等に合わせて速やかに且つ任意に変更することができ、より効率的な運転が可能となる。
一方、給水管76から導入管10を介して給水して洗浄もできるので、洗浄しにくい導入管10内、吐出孔10aおよび10b、流出口7bおよび7c、仕切板8aおよび8bの清掃や無機凝集剤の洗い流しを十分に行うことができる。
なお、給水管による給水は、本実施例のように導入管への接続に限るものではなく、無機凝集剤注入管、高分子凝集剤注入管、石炭灰注入管等に接続してもよく、また遠心分離装置における薬品等の注入方式も本実施例に限るものではなく、様々な注入方式に適用することができる。
また、給水管に脱水(濃縮)分離液を循環させて利用することもでき、水道使用量の節約が可能となり、水道使用料等を削減でき省資源化に有効である。また、通常脱水(濃縮)分離液の循環には循環ポンプを用いるが、これにより給水管による給水量を増大させることができ、遠心分離機(遠心脱水機や遠心濃縮機など)内への通水量(通水速度)や水圧が上昇するため、洗浄効率を向上させ、洗浄効果を高めることができ、また脱水(濃縮)分離液に残存する薬品等を活用することもできる。
図17は、本発明の実施の形態17に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
本実施形態17の遠心分離装置は、要するに、上記実施形態16と略同様の遠心分離装置であるが、無機凝集剤および高分子凝集剤を汚泥供給管14にライン注入し、導入管10で石炭灰(FA混合液)をテーパ注入し、また給水管76を分岐させてFA混合液を生成(調整)する石炭灰タンク13に接続したものである。
すなわち、本実施形態17の装置は、汚泥に無機凝集剤および高分子凝集剤が注入(ライン注入)され、固液分離性の高い強固なフロックが生成し、ある程度固液分離が進んで(水が抜け)テーパ部(2段テーパ3b、3c)を上昇する汚泥に直接FA混合液を注入し、さらに給水管76から導入管10に給水する遠心分離装置である。
導入管10には、流量計22の下流側で、分岐された一方の給水管76が開閉弁78を介して接続され、分岐された他方の給水管76は、開閉弁79を介して石炭灰タンク13に接続される。
導入管10は、給水管76の接続部よりも下流側が汚泥供給管14内に延伸して、吐出孔10aが流出口7bに対応する位置で開口する。
本実施形態17においては、上記実施形態16と同様に、FA混合液注入と共に給水を行うことにより、テーパ注入されたFA混合液が速やかに希釈され、低濃度化および増量化したFA混合液は速やかに拡散して汚泥と効率よく混合される。つまり、ある程度固液分離が進んで(水が抜け)テーパ部(2段テーパ3b、3c)を上昇する汚泥に対して、FA混合液を広範に且つ直接作用(反応)させることができ、重く固液分離性の高い強固なフロックを形成できると共に水分(分離液)を切ることができ、FAの効率的な活用により一層脱水汚泥の含水率低減が図れる。
遠心分離装置内部で、石炭灰液や無機凝集剤溶液をより効率的に拡散させ汚泥と速やかに混合させるためには、低濃度で多量に注入した方が有効である。しかしながら、これらを低濃度で保管しようとすると、必然的に貯留設備の容量が大きくなり、設備コストが増大し、設置スペースを確保しなければならず、運転管理も煩雑になる。また、薬品を低濃度の溶液で保管しておくと、劣化(効果の喪失など変質)してしまう。
そこで、石炭灰液や無機凝集剤溶液は、適切かつ所定の濃度で保管・貯留し、遠心分離機内へ注入する直前で給水(導入管内で希釈する、給水と液注入を交互に行う)することにより、設備コストや設置スペースを抑えることができ、運転管理も容易となり、また無機凝集剤の凝集効果の低下(劣化)を防ぐこともでき、より安定して効率的な遠心分離処理を行える。
また、石炭灰は比重が大きく沈積しやすいため、無機凝集剤は無機成分がスケールを生成しやすいため、遠心分離機内部や配管等で閉塞を発生させやすい。そこで、導入管に給水することで、無機凝集剤溶液やFA混合液が接触する配管や開口箇所を確実に且つ集中して洗浄でき、さらに遠心分離機内や導入管内に沈積・滞留する比重が大きく微細粒子であるFAを効率よく排除することもできる。
このように、導入管へ給水することにより、一つの設備で洗浄機能と希釈機能を得られることができ、さらに給水管を分岐させて石炭灰タンクに接続することにより、給水系統を一つにすることができ、より効率的でコンパクトな装置の構築が可能となり、設備コストの大幅な低減につながる。
上述した実施形態1〜17の本質を把握し易いように以下のように表にまとめた。
Figure 2012011300
以上、複数の実施の形態の説明によって本願発明を説明したが、さらに分かり易くする観点から、本願発明の基本的概念について簡潔に要約すると次のようになる。
(1)汚泥に高分子凝集剤と石炭灰を注入して、脱水性能を向上させ、分離物(脱水汚泥)の低含水率化を図る。
(2)汚泥に無機凝集剤も注入して、脱水性能を向上させて分離物(脱水汚泥)の低含水率化を図ると共に、脱水汚泥の減量化(重量の低減化)を図る。
(3)無機凝集剤や石炭灰を、ある程度固液分離が進んで(水が抜け)テーパ部を上昇する汚泥に対して注入(テーパ注入)して、重く固液分離性の高い強固なフロックを形成させ、分離物(脱水汚泥)の低含水率化を図る。
(4)無機凝集剤を汚泥供給室(主に直胴部)に導入して、脱水性能(低含水率化)の向上を図り、また分離液に含有するリンを分離・回収する。
(5)汚泥供給室に無機凝集剤や石炭灰を導入する場合、無機凝集剤や石炭灰が速やかに且つ広範に拡散するように希釈水を供給する。これにより、石炭灰に含まれる沈積しやすい粒状物や固化付着しやすい無機凝集剤を洗い流すことができる。もちろん、汚泥処理
(遠心分離処理)終了時の機内洗浄としても活用できる。
(6)最も適した石炭灰は、FAであり、水と混合して「FA混合液」として用いてもよい。なお、石炭灰(FA)を用いることにより、無機凝集剤の注入や汚泥そのものに起因する酸性(低pH)化を防止(解消)し、分離物(脱水汚泥)の有効利用(コンポストなど)に適した中性付近にすることができる。
本発明の実施の形態1に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態2に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態2に係る遠心脱水機の運転状態を示す内部詳細図である。 本発明の実施の形態3に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態4に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態5に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態6に係る遠心分離装置の汚泥供給系統を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態6に係る遠心分離装置の別の汚泥供給系統を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態7に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態8に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態8に係る遠心脱水機の運転状態を示す内部詳細図である。 本発明の実施の形態8に係る遠心脱水機内の詳細図である。 本発明の実施の形態9に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態9に係る遠心脱水機内の詳細図である。 本発明の実施の形態9に係る遠心脱水機に設けられた汚泥供給管と導入管と石炭灰注入管の配管構造例を示す断面図である。 本発明の実施の形態10に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態11に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態12に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態13に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態13に係る遠心脱水機内部の運転状態を示す要部構造図である。 本発明の実施の形態14に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態15に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態15に係る遠心脱水機の運転状態を示す内部詳細図である。 本発明の実施の形態15に係る遠心脱水機に設けられた汚泥供給管と導入管と石炭灰注入管の配管構造例を示す断面図である。 本発明の実施の形態15に係る遠心脱水機の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態16に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。 本発明の実施の形態16に係る遠心脱水機の運転状態を示す内部詳細図である。 本発明の実施の形態17に係る遠心分離装置を示す全体概略断面図である。
1 遠心分離機(遠心脱水機、遠心濃縮機)
2 ケーシング
2a 分離液排出口
2b 分離物排出口
3 外胴ボウル
3a 直胴部
3b、3c 2段テーパ
3d 1段テーパ
4 内胴スクリュウ
4a 内胴直胴部
4b 内胴テーパ部
4c スクリュウ羽根
5、6 回転駆動機
7 汚泥供給室
7a 汚泥供給口
7b、7c 流出口
7d 開口
8、8a、8b 仕切板
10 導入管
10a、10b、10c 吐出孔
11 汚泥供給タンク
11a 撹拌混合機
12 高分子凝集剤タンク
13 石炭灰タンク
14 汚泥供給管
14a 汚泥供給管開口
15 汚泥供給ポンプ
16 高分子凝集剤注入管
17 高分子凝集剤注入ポンプ
18 流量計
19 開閉弁
22、22a、22b 流量計
23、23a、23b 石炭灰注入管
24、24a、24b 石炭灰注入ポンプ
26 フィーダ
27 短絡防止板
41 汚泥移送ポンプ
42 汚泥移送管
53 無機凝集剤タンク
54、54a、54b 無機凝集剤注入ポンプ
55、55a、55b 流量計
56、56a、56b 無機凝集剤注入管
57 仕切板
58 拡散防止板
59 注入孔
76 給水管
77、78、79 開閉弁













Claims (10)

  1. 外胴ボウルおよび内胴スクリュウを備えた遠心分離機で
    汚泥を分離物と分離液に分離する遠心分離装置において、
    汚泥を前記遠心分離機に供給する汚泥供給設備、
    汚泥に高分子凝集剤を注入する高分子凝集剤注入設備、
    および
    汚泥に石炭灰を注入する石炭灰注入設備
    を備えたことを特徴とする遠心分離装置。
  2. 汚泥に無機凝集剤を注入する無機凝集剤注入設備
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遠心分離装置。
  3. 前記内胴スクリュウに設けられた汚泥供給室へ
    前記石炭灰および/または前記無機凝集剤を導入する導入管
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の遠心分離装置。
  4. 前記汚泥供給室へ給水する給水管
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の遠心分離装置。
  5. 前記石炭灰は、フライアッシュである
    ことを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の遠心分離装置。
  6. 外胴ボウルおよび内胴スクリュウを備えた遠心分離機で
    汚泥を分離物と分離液に分離する汚泥処理方法において、
    汚泥に高分子凝集剤および石炭灰を注入する
    ことを特徴とする汚泥処理方法。
  7. 汚泥に無機凝集剤を注入する
    ことを特徴とする請求項6に記載の汚泥処理方法。
  8. 前記内胴スクリュウに設けられた汚泥供給室へ
    前記石炭灰および/または前記無機凝集剤を導入する
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の汚泥処理方法。
  9. 前記汚泥供給室へ給水する
    ことを特徴とする請求項8に記載の汚泥処理方法。
  10. 前記石炭灰は、フライアッシュである
    ことを特徴とする請求項6から9いずれかに記載の汚泥処理方法。
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