以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(遊技機の構成)
次に、図1〜図7を参照して、遊技機1の構成について具体的に説明する。図1は本発明の遊技機1の正面図であり、図2は遊技盤2の正面図であり、図3は本発明のガラス枠を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図4は1つの遊技機1の裏面側の斜視図で、図5は遊技機1の下部の斜視図、図6は遊技機1の受け皿40の平面図、図7は発射装置3の動作原理図を説明する概略図である。
図1及び図3に示すように、遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60に取り付けられたガラス枠50とを備えている。外枠60には、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。一方、ガラス枠50には、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板52が設けられている。なお、ガラス板52は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
ガラス枠50は、水平方向の一端側においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として回動可能に支持されている。よって、ガラス板52とともに遊技盤2を覆っているガラス枠50を、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開閉することができる。また、ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構(図示なし)が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。さらに、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133も設けられている。
また、ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる発射ハンドル3A、スピーカからなる音声出力装置32、複数のランプを有する演出用照明装置34、及び、複数の遊技球を貯留する受け皿40が設けられている。
受け皿40は、図5及び図6に示すように、ガラス枠50から正面側(遊技者側)に突出しており、上面40A、前面40B、左側面40C、右側面40D及び背面40Eを有し、背面40Eで、ガラス枠50に着脱自在に取り付けられている。受け皿40の上面40Aは略台形状、前面40B及び背面40Eは略矩形状、左側面40C及び右側面40Dは略三角形状を呈している。また、略台形状を呈する上面40Aの上底に相当する部分が正面側、上面40Aの下底に相当する部分がガラス枠50側に位置する。受け皿40の前面40B、左側面40C及び右側面40Dは、上面40Aからガラス枠50まで形成されており、ガラス枠50に対して傾斜している。前面40Bは、ガラス枠50から離れるにつれて上昇し、一方、左側面40C及び右側面40Dは、ガラス枠50から離れるにつれて受け皿40又は遊技機1の中心線に向かっている。
また、受け皿40には、操作により演出態様を変更させることができるタッチパネル35が設けられている。タッチパネル35は、指等の操作に供する操作媒体の動作を受け、操作媒体に接触されている位置を検出する透過性の位置情報入力装置35Aと、画像や文字等を表示するパネル用表示装置35Bとが一体化されている。
位置情報入力装置35Aは、遊技に係る操作に供する操作媒体の動作を受ける操作領域の、操作媒体に接触(操作)されている位置を検出し、当該位置に関する位置データを出力する位置検出センサ35aを有する。位置検出センサ35aの原理・方式は特に限定されないが、本実施の形態では、アナログ抵抗膜方式が採用されている。すなわち、位置検出センサ35aは、表面側に配置され、操作領域を構成する透明なフィルム、ガラス、ガラスの上に接着された透明導電膜、及び、透明導電膜の上に配列されたドットスペーサーで構成されている。
本実施の形態では、位置検出センサ35aは、受け皿40の本体部分に形成された凹部40cに嵌合されており、位置検出センサ35aの表面と受け皿40の表面とが滑らかに接続している。また、嵌合凹部40cの中央部には、パネル用表示装置35Bの表示パネル35bを嵌合させるための嵌合孔40dが形成されている。そして、位置検出センサ35aと表示パネル35bの画面とが対面しているので、表示パネル35bの画面に表示される画像は位置情報入力装置35Aを通して視認することができる。
位置検出センサ35aの表面(操作領域)は矩形状を呈しており、この操作領域には、操作領域の中心を示す突状の内部位置識別突部36が併設されている。本実施の形態では、内部位置識別突部36は、半球状を呈しており、操作領域と同一形状の透明なシールの一方の面の中心に形成されている。よって、遊技者は、内部位置識別突部36を触ることで、位置情報入力装置35Aの存在及び自分が触っているその操作領域内の位置を同時に且つ明確に把握することができる。これによって、遊技者は遊技領域6や液晶表示装置31を見ながらでも、タッチパネル35を探し出し、さらにタッチパネル35(位置情報入力装置35A)の操作を行うことができる。この結果、稼働率の低下及び演出効果の低下を抑えることができる。
なお、内部位置識別突部36が設けられているシールは、位置検出センサ35aの表面と同一形状を呈しており、他方の面で位置情報入力装置35Aの操作領域に接着されている。このように、内部位置識別突部36がシールの中心に形成され、シールと操作領域とが同一形状であるので、シールの外周と操作領域の外周とが一致するようにシールを操作領域に取り付けることで、内部位置識別突部36の操作領域の中心に対する精度を良くすることができる。なお、当該シール(内部位置識別突部36)の位置情報入力装置35Aへの取り付けられ方は、接着に限られない。
本実施の形態では、内部位置識別突部36は半球状を呈しているが、形状は特に限定されない。また、内部位置識別突部36の設置位置も特に限定されない。さらに、内部位置識別突部36が複数設けられている場合、各内部位置識別突部36によって操作領域内の位置(座標)を特定できることが望ましい。このためには、内部位置識別突部36の形状が相違していたり、同一形状であってもその形状が点対称ではなく且つその設置されている向きが相違していればよい。これによって、遊技者は遊技領域6や液晶表示装置31を見ながらでもタッチパネル35の操作を容易に行うことができる。この結果、稼働率の低下及び演出効果の低下を抑えることができる。さらに、タッチパネル35による演出のバリエーションを増やし、演出効果を高めることができる。
また、受け皿40の表面であって位置情報入力装置35Aの表面(操作領域)の近傍には、タッチパネル35の存在及び位置を示す突状の外部位置識別突部37が併設されている。本実施の形態では、外部位置識別突部37は、第1の外部位置識別突部37a、第2の外部位置識別突部37b、及び、第3の外部位置識別突部37cで構成されている。第1の外部位置識別突部37aは位置情報入力装置35Aの操作領域の正面視左側に位置し、第2の外部位置識別突部37bは当該操作領域の正面視上側に位置し、第3の外部位置識別突部37cは当該操作領域の正面視右側に位置している。
第1の外部位置識別突部37a、第2の外部位置識別突部37b及び第3の外部位置識別突部37cは同一形状に成形されている。本実施の形態では、第1の外部位置識別突部37a、第2の外部位置識別突部37b及び第3の外部位置識別突部37cは、底面の形状が正三角形の三角柱形状(本実施の形態では、高さが1mm程度)を呈している。しかしながら、各外部位置情報識別突部37a〜37cの操作領域に対する向きが異なる。本実施の形態では、各外部位置識別突部37a〜37cは、その各底面の底辺の1つが操作領域(位置情報入力装置35Aの表面)の長辺又は短辺に平行になるように設けられている。よって、その長辺又は短辺に平行な底辺に対応する頂点は、位置情報入力装置35Aの操作領域の長軸方向外向き又は短軸方向外向きを指すこととなる。このように、各外部位置識別突部37a〜37cの形状は同一であるが、その形状が点対称ではなく且つその操作領域に対して設置されている向きが異なるので、遊技者は各外部位置識別突部37a〜37cを個々に識別することができる。この結果、各外部位置識別突部37a〜37cとそれらの設置位置とは必要十分の関係、すなわち、一対一に対応するので、遊技者は、第1の外部位置識別突部37a〜第3の外部位置識別突部37cを指で触ると、タッチパネル35の位置を明確に把握することができる。これによって、遊技者は遊技領域6や液晶表示装置31を見ながらでも、タッチパネル35を探し出し、さらにタッチパネル35(位置情報入力装置35A)の操作を行うことができる。この結果、稼働率の低下及び演出効果の低下を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、各外部位置識別突部37a〜37cからタッチパネル35までの距離は1cm程度となっている。この距離は1cm程度に限定されないが、遊技者が後述する受け台45に手を載せた状態で位置情報入力装置35Aを操作できることを条件として、指、特に親指の移動可能な範囲に外部位置識別突部37が設けられていればよい。なお、上述の操作領域と外部位置識別突部37a〜37cとの距離は、人の指の幅より短い(2cm程度)方が望ましい。外部位置識別突部37a〜37cと操作領域との距離がそれ位であれば、位置情報入力装置35Aの操作領域と外部位置識別突部37a〜37cとを同時に触ることができるからである。これにより、遊技者は、タッチパネル35による演出の機会が訪れると、位置情報入力装置35Aを視認せずに瞬時に位置情報入力装置35Aの操作を開始することができる。
また、本実施の形態では、外部位置識別突部37は、位置情報入力装置35Aの操作領域の正面視左側、正面視右側及び正面視上側に配設されているが、外部位置識別突部のタッチパネル35の操作領域に対する配置パターンはこれに限られない。例えば、外部位置情報識別突部37は、操作領域の正面視左側、正面視右側、正面視上側及び正面視下側に、又は、外側4隅に配設されていてもよい。位置情報入力装置35Aの操作領域と、その設置対象場所等との状況に応じて適宜に配設されればよい。
さらに、外部位置識別突部37の形状等による構成も上記に限られない。例えば、正三角形を底面とする三角柱形状の代わりに、正三角形の頂点上に配列された3つの半円球状突部で構成するようにしても良い。また、位置情報入力装置35Aの正面視左側の短辺に対して円柱状の外部位置識別突部が併設され、正面視右側の短辺に対して三角柱状の外部位置識別突部が併設され、正面視上側の長辺に対して四角柱状の外部位置識別突部が併設されるように、外部位置識別突部の形状がそれぞれ異なるようにしてもよい。
さらに、外部位置識別突部にタッチセンサが設けられており、外部位置識別突部の位置を所定の出力装置で報知するようにしてもよい。この報知態様として、例えば、ガラス枠50の左側、右側及び上側と、位置情報入力装置35Aの操作領域に対する外部位置識別突部37の配置関係に対応させてLEDやランプを配置させ、各外部位置識別突部が接触されると、その外部位置識別突部に対応するLED等が点灯するようにしてもよい。また、液晶表示装置31において位置情報入力装置35Aの操作領域に対する外部位置識別突部37の配置関係に対応する位置に操作領域の位置を示す矢印等の画像を表示するようにしても良い。このとき、矢印の向きが、その接触している外部位置識別突部から操作領域の中心へ向かう向きに一致していれば、遊技者はタッチパネル35の操作領域を探し易くなる。
また、受け皿40には、遊技者が指等で位置情報入力装置35Aを操作する際に手を置くことができる受け台45が形成されている。本実施の形態では、受け台45は、受け皿40の前面40B及び左側面40Cにまたがって設けられている。すなわち、受け台45は、前面40Bと左側面40Cの境界から下端部に沿って前面40B及び左側面40Cの双方に3〜5cm程度延設され、各面から10cm程度突設されており、その上面は握った手を小指側の側面で裁置可能な程度の大きさを有している。そして、握った手を適切に受け台45に置くと、その手の親指が自然とタッチパネル35(位置情報入力装置35A)の中心(内部位置識別突部36)付近に配設される。このように、位置情報入力装置35Aに対を成した受け台45が設けられていることで、遊技者は位置情報入力装置35Aを使用していないときであっても、受け台45に手を置いた状態で位置情報入力装置35Aの使用に備えながら、発射ハンドルの操作を行うことができる。また、受け台45の上面の大きさが握った手の大きさに適合しているので、遊技者は受け台45に手を置くことで確実に且つ自然にタッチパネル35(位置情報入力装置35A)の操作準備の態勢を整えることができる。この結果、遊技者は位置情報入力装置35Aを使用する際に位置情報入力装置35Aを視認して探すことなく瞬時に使用することができる。よって、遊技機の稼働率の低下及び演出効果の低下を抑えることができる。なお、受け台45の幅(前面40B及び左側面40Cからの長さ)は、手を裁置させることが容易であれば、特に限定されない。
また、受け台45の表面(上面)の、受け皿40の前面40Bに対向する区間は水平であり、それより左側の区間は曲面形状で先端に向かって上昇している。このように、先端に向かって上昇しているのは、本実施の形態では、位置情報入力装置35Aが正面視で左側面40Cの上に設けられているからである。すなわち、受け台45の表面の前面40Bより左側の部分に自然に裁置された手は受け皿40の方に傾くので、遊技者に、手を受け皿40にもたれかけさせて適度に固定させた状態で親指で位置情報入力装置35Aの操作を行わせるためである。さらに、本実施の形態では、左側面40Cは上側先端がガラス枠50から遠ざかるように傾斜していることから、左側面40Cと受け台45とでしっかり手を固定することができる。これにより遊技者の操作の安定感が増すことになる。
なお、本実施の形態では、遊技機1は、位置情報入力装置35Aに対応したGUI(グラフィカルインターフェイス)を備えており、遊技機1の作動中、液晶表示装置31には操作対象となるカーソルが表示される。このカーソルは、位置情報入力装置35Aの操作領域上に接触された指やペン等の操作体に対応して動作する。
また、受け皿40には、遊技球が貯留される凹部40aが上面40Aから形成されており、貯留凹部40aの底面には、発射ハンドル3Aの方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜面40bが形成されている(図6参照)。この傾斜面40bの端部には、遊技球を受け入れる受入口(図示せず)が設けられており、この受入口に受け入れられた遊技球は、玉送りソレノイド4b(図3参照)が駆動することにより、ガラス枠50の裏面に設けられた玉送り開口部41へ1個ずつ送り出される。そして、玉送り開口部41へ送り出された遊技球は、図3及び図7に示すように、打出部材4cの方向に向けて下り傾斜を有している発射レール42により、発射レール42の下り傾斜の端部に誘導される。発射レール42の下り傾斜の端部の上方には、遊技球を停留させる停止するストッパー43が設けられており、玉送り開口部41から送り出された遊技球は、発射レール42の下り傾斜の端部で1個の遊技球が停留されることになる。
そして、遊技者が発射ハンドル3Aを回動させると、発射ハンドル3Aに直結している発射ボリュームのつまみ3bも回動し、発射ボリュームのつまみ3bにより遊技球の発射強度が調整され、調整された発射強度で発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転する。この打出部材4cが回転することで、打出部材4cにより発射レール42の下り傾斜の端部に貯留されている遊技球が打ち出され、遊技球が遊技領域6に発射されることとなる。
ここで、図7を参照して、発射装置3の動作原理について具体的に説明する。発射装置3は、発射レール42の下り傾斜の端部側に設けられており、発射ハンドル3A、タッチセンサ3a、発射ボリュームのつまみ3b、ロータリーソレノイドからなる発射用ソレノイド4a、及び、発射制御基板160とを含んで構成されている。また、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、この打出部材4cは、遊技球を打ち出す槌4dと磁力を帯びた第1マグネット部4eとに二股状に分かれている。さらに、発射レール42の下り傾斜の端部の上側には、遊技球を停止するストッパー43と第1マグネット部4eとは異なる磁極からなる磁力を帯びた第2マグネット部44とが設けられている。
遊技者が発射ハンドル3Aを回転させると、発射ハンドル3Aの内部に設けられているタッチセンサ3aが発射ハンドル3Aと遊技者とが接触していることを検知するとともに、発射ハンドル3Aに直結している可変抵抗器からなる発射ボリュームのつまみ3bも回転する。
発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号と、発射ボリューム3bに応じた電圧値とを少なくとも入力し、入力した電圧値に基づいて電流値を生成し、生成した電流値で発射用ソレノイド4aを通電する。なお、発射制御基板160は、少なくともタッチ信号が入力されないと、発射用ソレノイド4aを通電しないように構成されている。
図7(a)に示すように、発射制御基板160によって発射用ソレノイド4aが通電されると、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cが回転し、打出部材4cの槌4dにより遊技球が打ち出され、遊技領域6に向けて遊技球が発射される。
図7(b)に示すように、発射制御基板160によって発射用ソレノイド4aが通電されなくなると、槌4dの自重に加え、第1マグネット部4eと第2マグネット部44と引き合う磁力により、打出部材4cが元の位置に戻ることになる。
このように、発射制御基板160が発射用ソレノイド4aを通電することで、遊技球が発射されることになる。発射された遊技球は、発射レール42からレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
(遊技領域6の構成)
ここで、図1に示すように、遊技領域6は、発射ハンドル3Aの回動角度が小さく、弱い力で打ち出された遊技球が流下する左側の第1の遊技領域6Lと、発射ハンドル3Aの回動角度が大きく、強い力で打ち出された遊技球が流下する右側の第2の遊技領域6Rから構成されている。なお、第1の遊技領域6Lと第2の遊技領域6Rとは、釘や後述する飾り部材7によって区分けされているものの、必ずしも全てが区分けされるものではなく、第1の遊技領域6Lと第2の遊技領域6Rとは一部重複しているものである。すなわち、第1の遊技領域6Lは、第1の遊技領域6Lのみからなる第1の専用領域と、第2の遊技領域6Rと重複する共通領域とから構成され、第2の遊技領域6Rも、第2の遊技領域6Rのみからなる第2の専用領域と、上記共通領域とから構成されていることとなる。
また、上記第1の遊技領域6Lと第2の遊技領域6Rとには、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、第1の遊技領域6Lのみからなる第1の専用領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14が設けられており、第1の遊技領域6Lと第2の遊技領域6Rとが重複する共通領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第2始動口15と、遊技球が入球可能な第2大入賞口17とが設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口15の真上に位置する第2大入賞口17の入賞部材が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板52側に突出可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に突出する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に突出していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらに、上記第2の遊技領域6Rのみからなる第2の専用領域には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13と、遊技球が入球可能な第1大入賞口16とが設けられている。このため、発射ハンドル3Aを大きく回動させ、強い力で打ち出された遊技球でないと、普通図柄ゲート13と第1大入賞口16とには遊技球が、通過または入賞しないように構成されている。特に、後述する時短遊技状態に移行したとしても、第1の遊技領域6Lに遊技球を流下させてしまうと、普通図柄ゲート13に遊技球が通過しないことから、第2始動口15にある一対の可動片15bが開状態とならず、第2始動口15に遊技球が入賞することが困難になるように構成されている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13aが設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部であって第1の遊技領域6Lと第2の遊技領域6Rとが重複する共通領域には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、液晶表示装置(LCD)31が設けられており、この液晶表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33が設けられている。なお、本実施形態においては、液晶表示装置31を液晶表示器として用いているが、プラズマディスプレイを用いてもよいし、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いてもよい。
この液晶表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄36が表示され、特定の演出図柄36の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄36をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄36を停止表示するものである。また、この演出図柄36の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、上述したタッチパネル35は、例えば、上記液晶表示装置31に当該タッチパネル35を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。タッチパネル35には、位置検出センサ35aが設けられており、この位置検出センサ35aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の最大開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できる遊技である。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
図4に示すように、遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170に遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
(遊技機全体のブロック図)
次に、図8の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第1大入賞口開閉ソレノイド16c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)と少なくとも備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、普通図柄の抽選に参照される当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、普通図柄データ記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数(X)カウンタ、時短回数(J)カウンタ、遊技状態バッファ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。サブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。また、払出制御基板130の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出装置の払出モータ131が接続されている。払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置の払出モータ131を制御して所定の遊技球を払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記液晶表示装置31および音声出力装置32と接続されており、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、液晶表示装置31における画像の表示制御、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
タッチセンサ3aは、発射ハンドル3Aの内部に設けられ、遊技者が発射ハンドル3Aに触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が発射ハンドル3Aに触れたことを検知すると、発射制御基板160(図π参照)に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、大前提としてタッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球200を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、発射ハンドル3Aが回動する回動部に直結して設けられ、可変抵抗器から構成される。発射ボリューム3bは、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する(発射制御基板160に供給する電圧を可変させる)。発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより分圧された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aを通電して、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cを回転させることで、遊技球200を遊技領域6に発射させる。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材4cが直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材4cを回転させる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿40にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材4cに向けて1個ずつ送り出す。
次に、演出制御基板120について簡単に概略を説明する。
演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、2ms毎に行われる演出制御基板120のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種コマンドを生成する。その後、生成した各種コマンドは、画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信される。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのコマンドを生成し、かかるコマンドを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
次に、ランプ制御基板140と画像制御基板150について簡単に概略を説明する。
ランプ制御基板140においては、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用駆動装置作動プログラムを読み出して、演出用駆動装置33を作動制御するとともに、受信した演出用のコマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置34を制御する。
画像制御基板150において、演出制御基板120から演出用のコマンドを受信すると、受信した演出用のコマンドに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置32における音声を出力制御するとともに、ホストCPU150aが画像ROMからアニメーション制御プログラムを読み出して、液晶表示装置31における画像表示を制御する。
また、本実施形態によれば、パチンコ遊技機に用いる遊技機について説明をしたが、回胴式遊技機(スロットマシン)、じやん球遊技機、アレンジボール遊技機に用いてもよい。
また、本実施の形態によれば、演出変更手段を構成する位置情報入力装置35A及びその対を成す受台を構成する受け台45は、受け皿40に設けられているが、必ずしも受け皿40に設けられる必要はない。例えば、位置情報入力装置35A及び受け台45が一体化されたこれら専用のユニットが、発射ハンドル3Aとガラス枠50の中心線に対象となる位置に設置されるようにしてもよい。発射ハンドル3Aと位置情報入力装置35A及び受け台45とが一体化されたユニットがガラス枠50の線対称となる位置に配設されることで、遊技者は楽な姿勢をとることができる。この結果、遊技を行う時間が延長されるので、稼働率を向上させることができる。
また、本実施の形態では、受け台45は、受け皿41から突出して形成されているが、受け皿41に凹んで形成されるようにしてもよい。例えば、図11に示すように、受け台45の左側面40Cの上面40Aとの境界から3cm程度下方に、幅10cm程度、高さ3cm程度、奥行き15cm程度の挿入穴46が形成され、その挿入穴46の底面をもって受け台としてもよい。挿入穴46で構成される受け台に手を裁置、具体的には、少なくとも小指、薬指、中指、及び人差し指を挿入穴46に挿入すると共に、手の甲を挿入穴46の底面(受け台)に裁置すると、親指がタッチパネル35(位置情報入力装置35A)付近に配設される。したがって、遊技者は位置情報入力装置35Aを使用していないときであっても、挿入穴46に手を挿入した状態で位置情報入力装置35Aの使用に備えながら、発射ハンドルの操作を行うことができる。なお、この場合においても、挿入穴46の形状・大きさと親指を除く手の指の束(小指、薬指、中指及び人差し指)とが適合するので、遊技者は受け台45に手を置くことで確実に且つ自然にタッチパネル35(位置情報入力装置35A)の操作準備の態勢を整えることができる。この結果、遊技者は位置情報入力装置35Aを使用する際に位置情報入力装置35Aを視認して探すことなく瞬時に使用することができる。よって、遊技機の稼働率の低下及び演出効果の低下を抑えることができる。また、挿入穴46の底面は上面40Aの位置情報入力装置35Aの操作領域に平行に形成されている。この結果、上記の手の指の束と位置情報入力装置35Aの操作領域とが平行になるので、位置情報入力装置35Aの操作を行い易くなる。
また、本実施の形態では、演出変更手段は(位置情報入力装置35A)タッチパネル35で構成され、演出操作部は位置検出センサ35aで構成されているが、演出変更手段及び演出操作部は、他の原理・構造からなる装置であってもよい。例えば、押しボタン式の入力装置が演出変更手段を構成し、押しボタンが演出操作部を構成するようにすることも可能である。