以下に、本願の開示する位置監視装置、位置監視プログラムおよび位置監視方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組あわせることが可能である。
実施例1では一例として、ユーザ10およびユーザ20を利用して本願発明の説明を行う。図1は、各ユーザの移動の様子の一例を示す図である。ユーザ10、20は、地点30bで待ち合わせをしており、二人でビル50に向かうものとする。
ユーザ10は、地点30aを「12時55分」に出発し、地点30bに「13時3分」に到着する。ユーザ20は、地点30bに「13時」に到着する。ユーザ10,20は、地点30bを「13時5分」に出発し、駅40aに「13時12分」に到着する。
ユーザ10,20は「13時12分〜13時14分」の間、駅40aのホームで電車を待ち、「13時14分〜13時19分」の間、電車で移動する。ユーザ10,20は、「13時19分」に駅40bに到着し、「13時19分」に駅40bを出発する。ユーザ10,20は、「13時25分」にビル50に到着する。
続いて、図1に示したようにユーザ10,20が移動する場合の、ユーザ10、20の動きと時間との関係について説明する。図2は、各ユーザの動きと時間との関係を示す図である。図2に示すように、ユーザ10は、「12時55分〜13時3分」の間「走行」し、「13時3分〜13時5分」の間「静止」する。ユーザ10は、「13時5分〜13時12分」の間「歩行」し、「13時12分〜13時14分」の間「静止」する。ユーザ10は、「13時14分〜13時19分」の間「乗車」し、「13時19分〜13時25分」の間「歩行」する。
一方、ユーザ20は、「13時〜13時5分」の間「静止」する。ユーザ20は、「13時5分〜13時12分」の間「歩行」し、「13時12分〜13時14分」の間「静止」する。ユーザ20は、「13時14分〜13時19分」の間「乗車」し、「13時19分〜13時25分」の間「歩行」する。
次に、本実施例1にかかる位置監視装置について説明する。ユーザ10およびユーザ20は、位置監視装置をそれぞれ保持しており、この位置監視装置は、ユーザ10およびユーザ20との距離が閾値以下となった場合に、他のユーザが近くにいる等の案内をユーザに通知する。ここでは一例として、ユーザ10とユーザ20が一緒に行動している期間を図2の期間60とする。
ユーザ10およびユーザ20が保持する位置監視装置の構成は同一であるため、以下ではユーザ10が保持する位置監視装置の構成について説明する。図3は、本実施例1にかかる位置監視装置の構成を示す図である。図3に示すように、この位置監視装置100は、加速度センサ110、受信部120、入力部130、出力部140、通信部150、記憶部160、制御部170を有する。
加速度センサ110は、位置監視装置100の加速度を検出するセンサである。位置監視装置100の加速度は、ユーザ10の加速度に対応する。加速度センサ110は、加速度の情報を制御部170に出力する。受信部120は、GPS(Global Positioning System)衛星からメッセージ信号を受信し、受信したメッセージ信号を制御部170に出力する。
入力部130は、入力ボタンやタッチパネルなどに対応する入力装置である。ユーザ10は、入力部130を操作して、各種の情報を位置監視装置100に入力する。出力部140は、液晶ディスプレイなどに対応する表示装置である。出力部140は、制御部170から出力される各種の情報を出力する。通信部150は、他の位置監視装置とデータ通信を行う装置である。通信部150は、他の位置監視装置から受信した情報を制御部170に出力する。また、通信部150は、制御部170から取得した情報を他の位置監視装置に送信する。
記憶部160は、位置座標履歴テーブル160aおよび関係識別テーブル160bを記憶する記憶部である。記憶部160は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
位置座標履歴テーブル160aは、ユーザ10が保持する位置監視装置100の位置座標の履歴と、他のユーザが保持する位置監視装置の位置座標の履歴を記憶するテーブルである。
図4は、本実施例1にかかる位置座標履歴テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、この位置座標履歴テーブル160aは、識別情報、日付、時刻、緯度、経度を有する。このうち、識別情報は、位置監視装置を一意に識別する情報である。ここでは一例として、ユーザ10が保持する位置監視装置100の識別情報を「100A」とする。また、ユーザ20が保持する位置監視装置100の識別情報を「100B」とする。
図4に示す例では、ユーザ10が保持する位置監視装置100は、日付「2010年5月31日」、時刻「13時10分」に、緯度「139.641258」、経度「35.581186」に位置していたことを示す。また、ユーザ10が保持する位置監視装置100は、日付「2010年5月31日」、時刻「13時10分5秒」に、緯度「139.641326」、経度「35.581252」に位置していたことを示す。また、ユーザ20が保持する位置監視装置は、日付「2010年5月31日」、時刻「13時10分」に、緯度「139.643764」、経度「35.583459」に位置していたことを示す。
関係識別テーブル160bは、関係のある位置監視装置の組を識別する情報を記憶するテーブルである。図5は、関係識別テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、この関係識別テーブル160bは、グループ識別情報と、装置リストとを有する。ここで、グループ識別情報は、関係のある位置監視装置の組を区別するための情報である。装置リストは、グループに属する位置監視装置の識別情報の一覧を示す。
図5に示す例では、グループ識別情報「会社同僚」に属する位置監視装置は「100A、100B」となる。グループ識別情報「家族」に属する位置監視装置は「100A、101A、102A」となる。
図3の説明に戻る。制御部170は、動き判定部170a、位置座標算出部170b、距離計算部170c、関係判定部170d、情報通知部170e、位置座標データ取得部170fを有する。制御部170は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。または、制御部170は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
動き判定部170aは、加速度に基づいてユーザ10の動きをいくつかのパターンに分類し、ユーザ10の動きのパターンが変化したタイミングを位置座標算出部170bに通知する処理部である。本実施例1では一例として、ユーザの動きを「静止」、「歩行」、「走行」、「乗車」のうちのいずれかのパターンに分類するものとする。
図6は、加速度と動きのパターンとの関係を示す図である。図6の縦軸は加速度を示し、横軸は時間を示す。図6において、期間70の動きのパターンは「静止」となり、期間71の動きのパターンは「歩行」となり、期間72の動きのパターンは「静止」となる。期間73および期間74の動きパターンは「乗車」となる。なお、期間73は電車が加速している期間であり、期間74は、加速後の期間である。動き判定部170aは、期間73および期間74の動きのパターンを別の動きのパターンとして取り扱ってもよい。
図6に示す例では時間(1)〜(5)において、動き判定部170aは、動きのパターンが変化した旨を位置座標算出部170bに出力する。時間(1)は、期間70の開始時間であり、時間(2)は、期間70から期間71に切り替わる時間である。時間(3)は、期間71から期間72に切り替わる時間であり、時間(4)は、期間72から期間73に切り替わる時間である。時間(5)は、期間73から期間74に切り替わる時間である。
ここで、動き判定部170が、加速度に基づいて動きのパターンを分類する処理の一例について説明する。動き判定部170は、加速度に基づいて特徴量を算出し、この特徴量を入力として、一定時間内の統計量を算出する。動き判定部170は、動きのパターンと統計量とを対応付けたテーブルを保持しており、このテーブルと、統計量とを比較することで、ユーザ10の動きのパターンを「静止」、「歩行」、「走行」、「乗車」のうちのいずれかのパターンに分類する。
なお、上記特徴量は、重力成分を除去した加速度のベクトル長と、加速度と重力成分との内積および外積を含むものである。ここで、重力成分は、一定時間内の加速度を平均した三次元ベクトルを1Gの大きさになるように正規化したものである。また、特徴量には、上記の特徴量を入力として得られる平均、分散、最大値、最小値が含まれる。
位置座標算出部170bは、ユーザ10の動きのパターンが変化したタイミングで、位置監視装置100の位置座標を算出する処理部である。図6に示した例では、位置座標算出部170bは、時間(1)〜(5)において、位置座標を算出する。
位置座標算出部170bは、3次元測位の原理に基づいて、位置座標を算出する。位置座標算出部170bは、各GPS衛星からのメッセージ信号を受信部120から取得し、このメッセージ信号を復調することで、各GPS衛星の位置座標を得る。そして、位置座標算出部170bは、位置監視装置100とGPS衛星との距離の方程式に基づいて、位置監視装置100の位置座標を算出する。
位置座標算出部170bは、位置監視装置100の位置座標を算出した後に、位置座標の情報を位置座標履歴テーブル160aに登録する。位置座標算出部170bは、位置座標の情報として、位置監視装置の識別情報「100A」、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けて位置座標履歴テーブル160aに登録する。例えば、日時、時刻は、位置座標算出部170bが、位置座標を算出した日時、時刻とする。
また、位置座標算出部170bは、位置監視装置100の識別情報「100A」、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けた情報を他の位置監視装置に通知する。
距離計算部170cは、位置監視装置100の位置座標と他の位置監視装置の位置座標とを基にして、各位置監視装置の距離を算出する処理部である。距離計算部170cは、距離を計測する場合には、同じ日時、同じ時刻の位置座標を比較する。距離計算部170cは、算出した距離が閾値以下の場合には、比較した位置監視装置100と他の位置監視装置とをそれぞれ識別する識別情報と距離の情報を関係判定部170dに出力する。
例えば、距離計算部170cは、位置監視装置100の位置座標とユーザ20の位置監視装置の位置座標とを比較し、距離が閾値以下の場合には、識別情報「100A、100B」と距離の情報とを、関係判定部170dに出力する。
関係判定部170dは、距離計算部170cが比較した各位置監視装置が、互いに関係するものであるか否かを判定する処理部である。関係判定部170dは、関係識別テーブル160bと、各位置監視装置の識別情報とを比較し、各識別情報の組が、関係識別テーブル160bの装置リストに含まれている場合には、各位置監視装置が関係していると判定する。
例えば、関係判定部170dは、識別情報「100A、100B」の組を取得した場合には、この組が図5に示した関係識別テーブル160bの一段目に存在するため、位置監視装置がそれぞれ関係し、そのグループが「会社同僚」であると判定する。関係判定部170dは、各位置監視装置が関係すると判定した場合には、各位置監視装置の識別情報と、距離の情報とを情報通知部170eに出力する。
情報通知部170eは、関係判定部170dから各位置監視装置の識別情報と、距離の情報とを取得した場合に、同行者が所定の距離範囲内にいる旨の案内を出力部140に出力する処理部である。情報通知部170eは、案内を出力する場合に、位置監視装置の識別情報や距離の情報を出力部140に出力しても良い。
位置座標データ取得部170fは、他の位置監視装置の識別情報、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けた情報を取得し、取得した情報を位置座標履歴テーブル160aに登録する処理部である。
次に、本実施例1にかかる位置監視装置100の処理手順について説明する。図7は、本実施例1にかかる位置監視装置の処理手順を示すフローチャートである。例えば、図7の処理は、位置監視装置100が加速度を取得したことを契機として実行される。
図7に示すように、位置監視装置100は、加速度を取得し(ステップS101)、動きを判定する(ステップS102)。位置監視装置100は、動きに変化がない場合には(ステップS103,No)、ステップ101に移行する。
位置監視装置100は、動きが変化した場合には(ステップS103,Yes)、位置座標を算出し(ステップS104)、位置座標情報を位置座標履歴テーブル160aに登録する(ステップS105)。この位置座標情報は、自位置監視装置100の識別情報、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けたものとなる。
位置監視装置100は、他の位置座標装置の位置座標情報を取得し、位置座標履歴テーブル160aに登録する(ステップS106)。この他の位置座標装置から取得した位置座標情報は、他の位置監視装置の識別情報、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けたものとなる。
位置監視装置100は、位置監視装置間の距離を計算し(ステップS107)、位置監視装置間の距離が閾値以下か否かを判定する(ステップS108)。位置監視装置100は、位置監視装置間の距離が閾値より大きい場合には(ステップS108,No)、ステップS101に移行する。
一方、位置監視装置間の距離が閾値以下の場合には(ステップS108,Yes)、位置監視装置100は、各位置監視装置の関係が「関係あり」か否かを判定する(ステップS109)。位置監視装置100は、各位置監視装置の関係が「関係なし」の場合には(ステップS109,No)、ステップS101に移行する。
一方、各位置監視装置の関係が「関係あり」の場合には(ステップS109,Yes)、各位置監視装置間の距離が閾値以下である旨の情報を出力する(ステップS110)。
次に、本実施例1にかかる位置監視装置100の効果について説明する。一緒に行動しているユーザ同士は、動きの変化が同じになると考えられる。この点に着目し、本実施例1にかかる位置監視装置100は、ユーザ10の動きが変化した時点で算出した位置座標と、ユーザ20の動きが変化した時点で算出した位置座標とを比較して、各位置監視装置の距離を算出する。このため、位置監視装置100によれば、各位置監視装置が独自に位置座標を算出する場合であっても、各位置座標を算出するタイミングをあわせることができ、各位置監視装置間の距離を正確に算出することができる。またこの結果、行動を共にする人や物を正確に判定することができる。
ところで、図3に示した位置監視装置100の構成は一例であり、位置監視装置100は、必ずしも図3に示した各処理部を全て有していなくても良い。例えば、位置監視装置100は、移動体検出部、位置算出部、通信部、位置情報比較部を有していればよい。
このうち、移動体検出部は、位置監視装置100の動きを検出する処理部であり、動き判定部170aに対応する。位置算出部は、動きが変化した時点での位置監視装置100の位置を算出する処理部であり、位置座標算出部170bに対応する。通信部は、ユーザ20が保持する他の位置監視装置と情報通信を行い、他の位置監視装置の動きが変化した時点での位置情報を取得する処理部であり、位置座標データ取得部170fに対応する。位置情報比較部は、位置監視装置100の位置座標と他の位置監視装置の位置座標とを比較する処理部であり、距離計算部170cに対応する。
次に、本実施例2にかかる位置監視装置について説明する。実施例1と同様にして、ユーザ10およびユーザ20の移動の様子は図1に示すものとする。また、ユーザ10およびユーザ20は、位置監視装置をそれぞれ保持しており、この位置監視装置は、ユーザ10およびユーザ20との距離が閾値以下となった場合に、他のユーザが近くにいる等の案内をユーザに通知する。ここでは一例として、ユーザ10とユーザ20が一緒に行動している期間を、図2の期間60とする。
ユーザ10およびユーザ20が保持する位置監視装置の構成は同一であるため、以下ではユーザ10が保持する位置監視装置の構成について説明する。図8は、本実施例2にかかる位置監視装置の構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、この位置監視装置200は、加速度センサ210、受信部220、入力部230、出力部240、通信部250、記憶部260、制御部270を有する。
このうち、加速度センサ210、受信部220、入力部230、出力部240、通信部250に関する説明は、図3に示した加速度センサ110、受信部120、入力部130、出力部140、通信部150に関する説明と同様である。
記憶部260は、位置座標履歴テーブル260aおよび関係識別テーブル260bを記憶する記憶部である。記憶部260は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
位置座標履歴テーブル260aは、ユーザ10が保持する位置監視装置200の位置座標の履歴と、ユーザ20が保持する位置監視装置の履歴を記憶するテーブルである。
図9は、本実施例2にかかる位置座標履歴テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図9に示すように、この位置座標履歴テーブル260aは、識別情報、日付、時刻、緯度、経度、DOP(Dulition Of Precision)値、補足衛星数、状態、補正済みの緯度、補正済みの経度を有する。このうち、識別情報、日付、時刻、緯度、経度は、図4に示した識別情報、日付、時刻、緯度、経度と同様である。
DOP値は、補足したGPS衛星の数、GPS衛星の配置場所、信号の強度を基に算出され、GPS計測時の精度の劣化具合を示す値である。補足衛星数は、補足したGPS衛星の数を示す。状態は、緯度、経度の値をそのまま利用するのか、補正して利用するのか、無効にするのかを示すものである。緯度、経度の値をそのまま利用する場合には、状態は「有効」となり、補正して利用する場合には、状態は「補正」となる。経度、緯度の値を無効とする場合には、状態は「無効」となる。補正済みの緯度および補正済みの経度は、それぞれ、補正した緯度、経度に対応する。
関係識別テーブル260bは、関係のある位置監視装置の組を識別する情報を記憶するテーブルである。関係識別テーブル260bのデータ構造は、図5に示した関係識別テーブル160bのデータ構造と同様である。
図8の説明に戻る。制御部270は、動き判定部270a、位置座標算出部270b、位置補正部270c、距離計算部270d、関係判定部270e、情報通知部270f、位置座標データ取得部270gを有する。制御部270は、例えば、ASICや、FPGAなどの集積装置に対応する。または、制御部270は、CPUやMPU等の電子回路に対応する。
動き判定部270aは、加速度に基づいてユーザ10の動きをいくつかのパターンに分類し、ユーザ10の動きのパターンが変化したタイミングを位置座標算出部270bに通知する処理部である。動き判定部270aの具体的な説明は、実施例1に示した動き判定部170aの説明と同様である。
位置座標算出部270bは、ユーザ10の動きのパターンが変化したタイミングで、位置監視装置100の位置座標を算出する処理部である。図6に示した例では、位置座標算出部270bは、時間(1)〜(5)において、位置座標を算出する。位置座標算出部270bが位置座標を算出する処理は、実施例1に示した位置座標算出部170bと同様である。
また、位置座標算出部270bはDOP値を算出する。位置座標算出部270bは、受信部220がGPS衛星から受信するメッセージ信号に基づいて、補足衛星数、各GPS衛星の配置位置、メッセージ信号の強度を特定する。そして、例えば、位置座標算出部270bは、補足衛星数、各GPS衛星の配置位置、メッセージ信号を所定の算定式に入力することで、DOP値を算出する。このDOP値は、補足衛星数が少ないほど、各GPS衛星の配置位置が近いほど、メッセージ信号の強度が弱いほど、大きな値となる。
DOP値に関して、ユーザが屋内にいる場合や、ユーザが電車に乗り込み、電車が加速する時点において、DOP値が大きくなることが知られている。例えば、図6において、期間72、73は、DOP値が大きくなり、この期間に算出された位置座標の精度は低くなる。
位置座標算出部270bは、位置座標およびDOP値を算出した後に、位置座標に関する情報を位置補正部270cに出力する。位置座標に関する情報は、位置監視装置200の識別情報、日付、時刻、緯度、経度、DOP値、補足衛星数を含む。
位置補正部270cは、位置座標に関する情報を取得し、DOP値に応じて緯度、経度を補正または無効化する処理部である。例えば、位置補正部270cは、DOP値が2未満の場合には、緯度、経度に対する補正または無効化を行わない。位置補正部270cは、DOP値が2以上5未満の場合には、緯度、経度に対する補正を行う。位置補正部270cは、DOP値が5以上の場合には、緯度、経度を無効化する。
ここで、位置補正部270cは、緯度、経度に対する無効化を行わない場合には、位置座標に関する情報を位置座標履歴テーブル260aに登録する。また、この場合には、状態を「有効」に設定する。また、位置補正部270cは、位置監視装置200の識別情報「100A」、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けた情報を他の位置監視装置に通知する。
位置補正部270cが、緯度、経度に対する無効化を行う場合には、位置座標に関する情報を位置座標履歴テーブル260aに登録する。また、この場合には、状態を「無効」に設定する。なお、位置補正部270cが、緯度、経度に対する無効化を行う場合には、位置座標に関する情報を位置座標履歴テーブル260aに登録することなく破棄してもよい。
続いて、位置補正部270cが、緯度、経度に対する補正を行う場合の処理について説明する。位置補正部270cは、加速度センサ210から、直前の時刻の加速度を取得し、加速度を2回積分することで距離を算出する。そして、位置補正部270cは、算出した距離の成分を緯度、経度に分割し、分割した距離をそれぞれ緯度、経度に加算することで、緯度、経度を補正する。特に直前の時刻における動きが「静止」の場合、直前と同じ緯度、経度に補正する。位置補正部270cは、位置座標に関する情報および補正済みの緯度、補正済みの経度を位置座標履歴テーブル260aに登録する。また、この場合には、状態を「補正」に設定する。また、位置補正部270cは、位置監視装置200の識別情報「100A」、日時、時刻、補正した緯度、補正した経度をそれぞれ対応付けた情報を他の位置監視装置に通知する。
距離計算部270dは、位置監視装置200の位置座標と他の位置監視装置の位置座標とを基にして、各位置監視装置の距離を算出する処理部である。距離計算部270dが各位置監視装置の距離を算出する処理は、実施例1に示した距離計算部170cの処理と同様である。距離計算部270dは、算出した距離と、位置監視装置200および他の位置監視装置の識別情報を関係判定部270eに出力する。
関係判定部270eは、距離計算部270dが比較した各位置監視装置が、互いに関係するものであるか否かを判定する処理部である。関係判定部270eの処理は、実施例1に示した関係判定部170dの処理と同様である。関係判定部270eは、各位置監視装置が関係すると判定した場合には、各位置監視装置の識別情報と、距離の情報とを情報通知部270fに出力する。
情報通知部270fは、関係判定部270eから各位置監視装置の識別情報と、距離の情報とを取得した場合に、同行者が所定の距離範囲内にいる旨の案内を出力部240に出力する処理部である。情報通知部270fは、案内を出力する場合に、位置監視装置の識別情報や距離の情報を出力部240に出力しても良い。
位置座標データ取得部270gは、他の位置監視装置の識別情報、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けた情報を取得し、取得した情報を位置座標履歴テーブル260aに登録する処理部である。
次に、本実施例2にかかる位置監視装置200の処理手順について説明する。図10は、本実施例2にかかる位置監視装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。例えば、図10の処理は、位置監視装置200が加速度を取得したことを契機として実行される。
図10に示すように、位置監視装置200は、加速度を取得し(ステップS201)、動きを判定する(ステップS202)。位置監視装置200は、動きに変化がない場合には(ステップS203,No)、ステップS201に移行する。
一方、位置監視装置200は、動きが変化した場合には(ステップS203,Yes)、位置座標を算出し(ステップS204)、DOP値を算出する(ステップS205)。位置監視装置200は、位置座標の補正が必要ない場合には(ステップS206,No)、ステップS208に移行する。
一方、位置監視装置200は、位置座標の補正が必要な場合には(ステップS206,Yes)、位置座標を補正する(ステップS207)。位置監視装置200は、位置座標情報を位置座標履歴テーブル260aに登録し(ステップS208)、他の位置監視装置の位置情報を取得し、位置座標履歴テーブル260aに登録する(ステップS209)。
位置監視装置200は、位置監視装置間の距離を計算し(ステップS210)、位置監視装置間の距離が閾値以下か否かを判定する(ステップS211)。位置監視装置間の距離が閾値より大きい場合には(ステップS211,No)、ステップS201に移行する。
一方、位置監視装置200は、位置監視装置間の距離が閾値以下の場合には(ステップS211,Yes)、位置監視装置間の関係が「関係あり」か否かを判定する(ステップS212)。位置監視装置200は、位置監視装置間の関係が「関係なし」の場合には(ステップS212,No)、ステップS201に移行する。
一方、位置監視装置間の関係が「関係あり」の場合には(ステップS212,Yes)、各位置監視装置間の距離が閾値以下である旨の情報を出力する(ステップS213)。
次に、本実施例2にかかる位置監視装置200の効果について説明する。本実施例2にかかる位置監視装置200は、DOP値を算出し、DOP値に応じて、位置座標の補正または無効を行う。このため、ユーザが屋内にいる場合や、電車加速時であっても、位置座標を正確に特定することができ、各位置監視装置間の距離を正確に算出することができる。またこの結果、行動を共にする人や物を正確に判定することができる。
ところで、上記位置監視装置200では、DOP値に基づいて、位置座標の無効化を行っていたが、これに限定されるものではない。ユーザの動きのパターンが、加速時の「乗車」である場合に、位置座標の算出精度が悪くなることに着目し、動き判定部270aが判定した動きパターンに基づいて、算出後の位置座標を無効化してもよい。すなわち、位置補正部270cは、動きのパターンが、加速時の「乗車」の場合に、位置座標算出部270bが算出した位置座標を無効化しても良い。また同様に、動きのパターンが、加速時の「乗車」の場合に、位置補正部270cは、位置座標を補正してもよい。
また、動きのパターンが加速時の「乗車」である期間に、受信部220を無効化するセンサ制御部を、制御部270に搭載してもよい。このセンサ制御部が、動きのパターンに応じて受信部220を無効化することで、位置座標算出部270bは、精度の低い情報から位置座標を算出する必要がなくなる。このため、位置座標算出部270bにかかる処理負荷を軽減させることができる。また、位置監視装置200が、常時位置座標を計算する必要がなくなるため、消費電力を削減することができる。
一例として、センサ制御部を備えた位置監視装置200の処理手順について説明する。図11は、本実施例2にかかる位置監視装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。例えば、図11の処理は、位置監視装置200が加速度を取得したことを契機に実行される。
図11に示すように、位置監視装置200は、加速度を取得し(ステップS301)、動きを判定する(ステップS302)。位置監視装置200は、動きに変化がない場合には(ステップS303,No)、ステップS301に移行する。
一方、位置監視装置200は、動きが変化した場合には(ステップS303,Yes)、ノイズのある動きか否かを判定する(ステップS304)。ここで、ノイズのある動きは、加速中の「乗車」に対応する。
位置監視装置200は、ノイズのある動きの場合には(ステップS304,Yes)、受信部220を無効化し(ステップS305)、ステップS301に移行する。一方、位置監視装置200は、ノイズのある動きではない場合には(ステップS304,No)、受信部220を有効化する(ステップS306)。
位置監視装置200は、位置座標を算出し(ステップS307)、DOP値を算出する(ステップS308)。位置監視装置200は、位置座標の補正が必要ない場合には(ステップS309,No)、ステップS311に移行する。
一方、位置監視装置200は、位置座標の補正が必要な場合には(ステップS309,Yes)、位置座標を補正し(ステップS310)、位置座標情報を位置座標履歴テーブル260aに登録する(ステップS311)。また、位置監視装置200は、他の位置監視装置の位置座標情報を取得し、位置座標履歴テーブル260aに登録する(ステップS312)。
位置監視装置200は、位置監視装置間の距離を計算し(ステップS313)、位置監視装置間の距離が閾値以下か否かを判定する(ステップS314)。位置監視装置200は、位置監視装置間の距離が閾値より大きい場合には(ステップS314,No)、ステップS301に移行する。
位置監視装置200は、位置監視装置間の距離が閾値以下の場合には(ステップS314,Yes)、位置監視装置間の関係が「関係あり」か否かを判定する(ステップS315)。位置監視装置200は、位置監視装置間の関係が「関係なし」の場合には(ステップS315,No)、ステップS301に移行する。
一方、位置監視装置間の関係が「関係あり」の場合には(ステップS315,Yes)、各位置監視装置間の距離が閾値以下である旨を出力する(ステップS316)。
図11に示したように、このセンサ制御部が、動きのパターンがノイズのある動きの場合に、受信部220を無効化することで、位置座標算出部270bは、精度の低い情報から位置座標を算出する必要がなくなる。このため、位置座標算出部270bにかかる処理負荷を軽減させることができる。
次に、本実施例3にかかる位置監視装置について説明する。実施例1と同様にして、ユーザ10およびユーザ20の移動の様子は図1に示すものとする。また、ユーザ10およびユーザ20は、位置監視装置をそれぞれ保持しており、この位置監視装置は、ユーザ10およびユーザ20との距離が閾値以下となった場合に、他のユーザが近くにいる等の案内をユーザに通知する。ここでは一例として、ユーザ10とユーザ20が一緒に行動している期間を、図2の期間60とする。
ユーザ10およびユーザ20が保持する位置監視装置の構成は同一であるため、以下ではユーザ20が保持する位置監視装置の構成について説明する。図12は、本実施例3にかかる位置監視装置の構成を示す機能ブロック図である。図12に示すように、この位置監視装置300は、加速度センサ310、受信部320、入力部330、出力部340、通信部350、記憶部360、制御部370を有する。
このうち、加速度センサ310、受信部320、入力部330、出力部340、通信部350に関する説明は、図3に示した加速度センサ110、受信部120、入力部130、出力部140、通信部150に関する説明と同様である。
記憶部360は、動き履歴テーブル360a、位置座標履歴テーブル360b、関係識別テーブル360cを記憶する記憶部である。記憶部360は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
動き履歴テーブル360aは、ユーザの動きに関する履歴情報を記憶するテーブルである。図13は、本実施例3にかかる動き履歴テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図13に示すように、この動き履歴テーブル360aは、識別情報、日付、時間、動き、移動時間/滞在時間、移動距離を有する。このうち、識別情報および日付は、図4に示した識別情報、日付と同様である。時間は、ある特定の動きを行った時間帯を示す。動きは、動きのパターンを識別するものである。移動時間/滞在時間は、ある特定の動作を行った連続時間を示すものである。例えば、ユーザが13時〜13時5分まで静止していた場合には、移動時間/滞在時間は5分となる。また、ユーザが13時5分〜13時12分まで歩行した場合には、移動時間/滞在時間は7分となる。移動距離は、ユーザが移動した距離に対応する。
位置座標履歴テーブル360bは、ユーザ10が保持する位置監視装置300の位置座標の履歴と、他のユーザが保持する位置監視装置の位置座標の履歴を記憶するテーブルである。位置座標履歴テーブル360bのデータ構造は、図4に示した位置座標履歴テーブル160aと同様である。
関係識別テーブル360cは、関係のある位置監視装置の組を識別する情報を記憶するテーブルである。関係識別テーブル360cのデータ構造は、図5に示した関係識別テーブル160bのデータ構造と同様である。
図12の説明に戻る。制御部370は、動き判定部370a、位置座標算出部370b、動き量計算部370c、近傍判定部370b、距離計算部370e、関係判定部370f、情報通知部370g、情報取得部370hを有する。制御部370は、例えば、ASICや、FPGAなどの集積装置に対応する。または、制御部370は、CPUやMPU等の電子回路に対応する。
動き判定部370aは、加速度に基づいてユーザ10の動きをいくつかのパターンに分類し、ユーザ10の動きのパターンが変化したタイミングを位置座標算出部370bに通知する処理部である。また、実施例3の動き判定部370aは、動きのパターンが変化したタイミングを通知する場合に、動きのパターンもあわせて通知する。動き判定部370aの具体的な説明は、実施例1に示した動き判定部170aの説明と同様である。
位置座標算出部370bは、ユーザ10の動きのパターンが変化したタイミングで、位置監視装置300の位置座標を算出する処理部である。図6に示した例では、位置座標算出部370bは、時間(1)〜(5)において、位置座標を算出する。位置座標算出部370bが位置座標を算出する処理は、実施例1に示した位置座標算出部170bと同様である。
位置座標算出部370bは、位置座標を算出した後に、位置座標に関する情報を動き量算出部370cに出力する。位置座標に関する情報は、位置監視装置300の識別情報、日付、時刻、緯度、経度、動きのパターンを含む。
また、位置座標算出部370bは、位置監視装置300の識別情報「100A」、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けた情報を他の位置監視装置に通知する。
動き量計算部370cは、位置座標に関する情報を基にして、動き履歴テーブル360aを生成する処理部である。動き量計算部370cは、位置座標に関する情報を参照し、動きパターンが変化したことを契機に、同一の動きのパターンが開始した時間および終了した時間を特定し、動き履歴テーブル360aの時間および移動時間/滞在時間を判定する。また、動き量計算部370cは、位置座標に関する情報を参照し、動きパターンが変化したことを契機に、同一の動きパターンで移動した移動距離を判定する。
動き量計算部370cは、時間、移動時間/滞在時間、移動距離を判定した後に、識別情報、日付、時間、動き、移動時間/滞在時間、移動距離の情報を、動き履歴テーブル360aに登録する。また、動き量計算部370cは、位置監視装置300の識別情報、日付、時間、動き、移動時間/滞在時間、移動距離をそれぞれ対応付けた情報を他の位置監視装置に通知する。
近傍判定部370dは、位置監視装置300の動きの履歴と、他の位置監視装置の動きの履歴とを比較して、各位置監視装置の動きの履歴が一致するか否かを判定する処理部である。近傍判定部370dは、各位置監視装置の動きの履歴が一致する場合には、各位置監視装置の識別情報を距離計算部370eに出力する。
図14は、近傍判定部の処理を説明するための図である。図14の上段は、位置監視装置300の動きの履歴を示すものである。図14の下段は、他の位置監視装置の動きの履歴を示すものである。図14の上段および下段に示す横線は、時間軸である。
図14の上段において、期間80は、動きが「静止」、移動距離が「0m」、時間が「5分」となる。期間81は、動きが「歩行」、移動距離が「500m」、時間が「7分」となる。期間82は、動きが「静止」、移動距離が「0m」、時間が「2分」となる。期間83は、動きが「乗車」、移動距離が「5km」、時間が「3分」となる。
図14の下段において、期間90は、動きが「走行」、移動距離が「1km」、時間が「8分」となる。期間91において、動きが「静止」、移動距離が「0m」、時間が「2分」となる。期間92において、動きが「歩行」、移動距離が「500m」、時間が「2分」となる。期間93において、動きが「静止」、移動距離が「0m」、時間が「2分」となる。期間94は、動きが「乗車」、移動距離が「5km」、時間が「3分」となる。
一例として、近傍判定部370dが比較を行う期間を最近12分間(期間95)とすれば、期間81、82、83および期間92、93、94はそれぞれ、動き、移動距離、時間で一致する。このような場合には、近傍判定部370dは、各位置管理装置の動きの履歴が一致すると判定する。
なお、近傍判定部370dは、規格内の誤差であれば、時間、移動距離がそれぞれ完全一致していなくても、各位置管理装置の動きの履歴が一致すると判定しても良い。例えば、近傍判定部370dは、時間について、30秒以内の誤差を許容範囲とする。また、移動距離について、5m以内の誤差を許容範囲とする。また、ここでは一例として、比較を行う期間を最近12分間(期間95)としたが、適宜変更してもよい。
距離計算部370eは、各位置監視装置の識別情報を受け付けた場合に、該当する位置監視装置の位置座標をそれぞれ位置座標履歴テーブル360bから取得し、各位置監視装置の距離を算出する処理部である。そして、距離計算部370eは、算出した距離が閾値以下の場合には、比較した位置監視装置300と他の位置監視装置とをそれぞれ識別する識別情報と距離の情報を関係判定部370fに出力する。
なお、距離計測部370eが識別情報をキーにして、該当する位置監視装置の位置座標を取得する場合には、位置座標履歴テーブル360bに記憶された情報のうち、最新の位置座標を取得する。
関係判定部370fは、距離計算部370eが比較した各位置監視装置が、互いに関係するものであるか否かを判定する処理部である。関係判定部370fの処理は、実施例1に示した関係判定部170dの処理と同様である。関係判定部370fは、各位置監視装置が関係すると判定した場合には、各位置監視装置の識別情報と、距離の情報とを情報通知部370gに出力する。
情報通知部370gは、関係判定部370fから各位置監視装置の識別情報と、距離の情報とを取得した場合に、同行者が所定の距離範囲内にいる旨の案内を出力部340に出力する処理部である。情報通知部370gは、案内を出力する場合に、位置監視装置の識別情報や距離の情報を出力部340に出力しても良い。
情報取得部370hは、他の位置監視装置の識別情報、日時、時刻、緯度、経度をそれぞれ対応付けた情報を取得し、取得した情報を位置座標履歴テーブル360bに登録する。また、情報取得部370hは、他の位置監視装置の識別情報、日付、時間、動き、移動時間/滞在時間、移動距離をそれぞれ対応付けた情報を取得し、取得した情報を動き履歴テーブル360aに登録する。
次に、本実施例3にかかる位置監視装置300の処理手順について説明する。図15は、本実施例3にかかる位置監視装置の処理手順を示すフローチャート(1)である。例えば、図15の処理は、位置監視装置300が加速度を取得したことを契機として実行される。
図15に示すように、位置監視装置300は、加速度を取得し(ステップS401)、動きを判定する(ステップS402)。位置監視装置300は、位置座標を算出し(ステップS403)、動き量を算出する(ステップS404)。
位置監視装置300は、動き履歴テーブル360aを更新し(ステップS405)、自位置監視装置と他の位置監視装置との動きが同じであるか否かを判定する(ステップS406)。位置監視装置300は、自位置監視装置と他の位置監視装置との動きが異なる場合には(ステップS406,No)、ステップS401に移行する。
一方、位置監視装置300は、自位置監視装置と他の位置監視装置との動きが同じ場合には(ステップS406,Yes)、自位置監視装置と他の位置監視装置との動き量が同じか否かを判定する(ステップS407)。位置監視装置300は、自位置監視装置と他の位置監視装置との動き量が異なる場合には(ステップS407,No)、ステップS401に移行する。
一方、位置監視装置300は、自位置監視装置と他の位置監視装置との動きが同じ場合には(ステップS407,Yes)、位置監視装置間の距離を計算し(ステップS408)、位置監視装置間の距離が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS409)。
位置監視装置300は、位置監視装置間の距離が閾値より大きい場合には(ステップS409,No)、ステップS401に移行する。一方、位置監視装置300は、位置監視装置間の距離が閾値以下の場合には(ステップS409,Yes)、位置監視装置間の関係が「関係あり」か否かを判定する(ステップS410)。
位置監視装置300は、位置監視装置間の関係が「関係なし」の場合には(ステップS410,No)、ステップS401に移行する。一方、位置監視装置300は、位置監視装置間の関係が「関係あり」の場合には(ステップS410,Yes)、各位置監視装置間の距離が閾値以下である旨の情報を出力する(ステップS411)。
次に、本実施例3にかかる位置監視装置300の効果について説明する。一緒に行動している物や人は、動きの変化のタイミングが同じになり、各動きの履歴も一致するものと考えられる。このため、位置監視装置300は、各位置監視装置の動きの履歴が一致するか否かを判定することで、同行してる各人や物に対象を絞り込むことができ、偶然近くを通った人や物を近くにあると判定してしまうことを予防できる。またこの結果、行動を共にする人や物を正確に判定することができる。
ところで、上記位置監視装置300では、各位置監視装置間の距離と比較する閾値を固値としていたが、これに限定されるものではない。各位置監視装置の動きが一致する範囲内において、動きのパターンおよび移動時間/滞在時間、移動距離に応じて、閾値を調整する閾値調整部を制御部370に搭載しても良い。この閾値調整部が閾値を調整することで、判定精度を更に高めることができる。
閾値調整部が用いる判定距離計算テーブルの一例について説明する。図16は、判定距離計算テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図16に示すように、この判定距離計算テーブルは、動き、移動時間/滞在時間、移動距離、前回の判定結果、閾値を対応付けて記憶する。このうち、動き、移動時間/滞在時間、移動距離は、図13に示した動き履歴テーブル360aの動き、移動時間/滞在時間、移動距離に対応する。前回の判定結果は、該当する動きに対応する期間の一つ前の期間において、各位置監視装置の動きの履歴が一致しているか否かを示すものである。閾値は、各位置監視装置間の距離との比較対象となる値であり、距離計算部370eで利用される。
図16に示すように、動きが「静止」、移動時間/滞在時間が「3分未満」において、各位置監視装置の動きの履歴が一致している場合には、閾値調整部は、閾値を「10m」に設定する。例えば、図14の期間82、期間93において、それぞれの動きが「静止」であり、静止している時間が2分であるため、期間82、期間93は、上記条件に適合する。したがって、この期間82、期間93は、閾値が「10m」となる。
また、動きが「静止」、移動時間/滞在時間が「3分以上」において、各位置監視装置の動きの履歴が一致している場合には、閾値調整部は、閾値を「15m」に設定する。また、動きが「歩行」、移動距離が「200m未満」において、各位置監視装置の動きの履歴が一致している場合には、閾値調整部は、閾値を「15m」に設定する。
また、動きが「歩行」、移動距離が「200m以上」において、各位置監視装置の動きの履歴が一致している場合には、閾値調整部は、閾値を「20m」に設定する。例えば、図14の期間81、期間92において、それぞれの動きが「歩行」であり、移動距離が「500m」であるため、期間81、期間92は、上記条件に適合する。したがって、この期間81、期間92は、閾値が「20m」となる。
また、動きが「乗車」、前回の判定結果が「一致する」において、各位置監視装置の動きの履歴が一致している場合には、閾値調整部は、閾値を「30m」に設定する。例えば、図14の期間83、94において、動きが「乗車」であり、一つ前の期間82、93において動きの履歴が一致しているため、期間83、94は、上記条件に適合する。したがって、この期間83、94は、閾値が「30m」となる。
また、動きが「乗車」、前回の判定結果が「一致しない」において、各位置監視装置の動きの履歴が一致している場合には、閾値調整部は、閾値を「20m」に設定する。
一例として、閾値調整部を備えた位置監視装置300の処理手順について説明する。図17は、本実施例3にかかる位置監視装置の処理手順を示すフローチャート(2)である。例えば、図17の処理は、位置監視装置300が加速度を取得したことを契機として実行される。
図17に示すように、位置監視装置300は、加速度を取得し(ステップS501)、動きを判定する(ステップS502)。位置監視装置300は、位置座標を算出し(ステップS503)、動き量を算出する(ステップS504)。
位置監視装置300は、動き履歴テーブル350aを更新し(ステップS505)、自位置監視装置と他の位置監視装置との動きが同じであるか否かを判定する(ステップS506)。位置監視装置300は、自位置監視装置と他の位置監視装置との動きが異なる場合には(ステップS506,No)、ステップS501に移行する。
一方、位置監視装置300は、自位置監視装置と他の位置監視装置との動きが同じ場合には(ステップS506,Yes)、自位置監視装置と他の位置監視装置との動き量が同じか否かを判定する(ステップS507)。位置監視装置300は、自位置監視装置と他の位置監視装置との動き量が異なる場合には(ステップS507,No)、ステップS501に移行する。
一方、位置監視装置300は、自位置監視装置と他の位置監視装置との動き量が同じ場合には(ステップS507,Yes)、判定距離計算テーブルに基づいて閾値を調整する(ステップS508)。位置監視装置300は、位置監視装置間の距離を計算し(ステップS509)、位置監視装置間の距離が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS510)。
位置監視装置300は、位置監視装置間の距離が閾値より大きい場合には(ステップS510,No)、ステップS501に移行する。一方、位置監視装置300は、位置監視装置間の距離が閾値以下の場合には(ステップS510,Yes)、位置監視装置間の関係が「関係あり」か否かを判定する(ステップS511)。
位置監視装置300は、位置監視装置間の関係が「関係なし」の場合には(ステップS511,No)、ステップS501に移行する。一方、位置監視装置300は、位置監視装置間の関係が「関係あり」の場合には(ステップS511,Yes)、各位置監視装置間の距離が閾値以下である旨の情報を出力する(ステップS512)。
図17に示したように、閾値調整部が閾値を調整することで、ユーザの状況に応じて適切な閾値を設定することができ、各位置監視装置の近くにいる人や物を正確に判定することができる。例えば、滞在時間や移動距離が長い場合や、前回の判定結果が一致する場合には、閾値を大きくすることで、長時間近くにいるユーザが少しの時間離れただけでは近くにいないと判定してしまうことを防止することができる。一方、滞在時間や移動距離が短い場合や、前回の判定結果が一致しない場合には、閾値を小さくすることで、偶然通ったユーザを近くにいると判定してしまうことを防止することができる。
なお、上述した実施例1〜3では、位置監視装置が、対の位置監視装置との距離を算出し、距離が閾値以下となった場合に、案内を出力していた。しかし、位置監視装置が行う処理の一部をサーバが代わりに行ってもよい。例えば、各位置監視装置は、自身の位置座標のみを算出し、算出した位置座標をサーバに通知する。一方、サーバは、各位置監視装置から位置座標を受信し、受信した位置座標を比較することで、各位置監視装置の距離が閾値以下か否かを判定し、判定結果を位置監視装置に通知する。このように、位置監視装置が行う処理の一部をサーバが実行することで、位置監視装置にかかる処理負荷を軽減させることができる。
また、上述した実施例1〜3では、位置監視装置が、GPS衛星からメッセージ信号を受信することにより、位置座標を算出していたがこれに限定されるものではない。例えば、位置監視装置は、PlaceEngine等の技術を利用して、位置座標を算出しても良い。
また、上述した実施例1〜3では、一例として、ユーザ10、20が位置監視装置を保持し、各位置監視装置の距離が閾値以下となった場合に、案内を通知していたが、これに限定されるものではない。例えば、位置監視装置を搭載した車両と、ユーザが保持する位置監視装置とを利用して、各位置監視装置の距離が閾値以下となった場合に、案内を通知してもよい。また、位置監視装置を複数の車両に搭載し、各位置監視装置の距離が閾値以下となった場合に、案内を通知するようにしても良い。
また、上述した実施例1〜3では、位置監視装置は、各位置監視装置の距離が閾値以下となった場合に、案内を通知していたがこれに限定されるものではない。例えば、位置監視装置は、位置監視装置の距離が閾値を超えた場合に、距離が閾値を超えた旨を警告してもよい。
ところで、上述の実施例で説明した位置監視装置100等の処理は、あらかじめ用意されたプログラムを各種のコンピュータで実行することによって実現することもできる。
ここで、図18を用いて、上記の実施例で説明した位置監視装置100等による処理と同様の機能を実現する位置監視プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図18は、位置監視プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
図18に示すように、位置監視装置100として機能するコンピュータ400は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)401と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置402と、ディスプレイ403を有する。また、コンピュータ400は、記憶媒体からプログラム等を読取る媒体読み取り装置404と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行う通信装置405とを有する。また、コンピュータ400は、GPS衛星からのメッセージ信号を受信する受信装置406と、加速度を検出する加速度センサ407とを有する。
また、コンピュータ400は、図18に示すように、各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)408と、記憶装置409を有する。例えば、記憶装置409は、ROM、フラッシュメモリ等の記憶装置に対応する。そして、各装置401〜409は、バス410に接続される。
記憶装置409には、上述した位置監視装置100の機能と同様の機能を発揮する位置監視プログラム409aが記憶されている。なお、この位置監視プログラム409aを適宜分散させて、ネットワークを介して通信可能に接続された他のコンピュータの記憶部に記憶させておくこともできる。
そして、CPU401が、位置監視プログラム409aを記憶装置409から読み出してRAM408に展開することにより、図18に示すように、位置監視プログラム409aは位置監視プロセス408aとして機能する。また、CPU401が、各種データ409bを記憶装置409から読み出してRAM408に展開する。位置監視プロセス408aは、例えば、図3に示した制御部170に対応する。各種データ409bは、例えば、図3に示した位置座標履歴テーブル160a、関係識別テーブル160bに対応する。位置監視プロセス408aは、RAM408に格納された各種データ408bを用いて、各位置監視装置の距離を算出する。
なお、位置監視プログラム409aについては、必ずしも最初から記憶装置409に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ400に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ400がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)第1移動体の動きを検出する移動検出部と、
前記移動検出部によって検出される動きが変化した時点での前記第1移動体の位置を示す第1位置情報を算出する位置算出部と、
前記第1移動体とは異なる第2移動体に搬送される移動端末と情報通信を行い、前記第2移動体の動きが変化した時点での前記第2移動体の位置を示す第2位置情報を取得する通信部と、
前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較して、比較結果を出力する位置情報比較部と
を備えたことを特徴とする位置監視装置。
(付記2)前記位置算出部によって算出された第1位置情報の精度を判定し、判定結果に基づいて、前記第1位置情報の補正または前記第1位置情報の無効化を行う位置情報第1補正部を更に備えたことを特徴とする付記1に記載の位置監視装置。
(付記3)前記移動検出部によって検出された前記第1移動体の動きが所定の動きパターンに該当する場合に、前記第1位置情報を補正または前記第1位置の無効化を行う位置情報第2補正部を更に備えたことを特徴とする付記1または2に記載の位置監視装置。
(付記4)前記移動検出部によって検出された前記第1移動体の動きの履歴情報を記憶する履歴情報記憶部と、前記移動端末と情報通信を行い、前記第2移動体の動きの履歴情報を取得する履歴情報取得部とを更に備え、前記位置情報比較部は、前記第1移動体の履歴情報と前記第2移動体の履歴情報とが一致する場合に、前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較することを特徴とする付記1、2または3に記載の位置監視装置。
(付記5)前記第1移動体の履歴情報と前記第2移動体の履歴情報とを比較し、履歴情報それぞれの一致部分に応じて閾値を調整する閾値調整部を更に備え、前記位置情報比較部は、前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較して、前記第1移動体と前記第2移動体との距離が前記閾値以下の場合に、前記第1移動体と前記第2移動体との距離が近くにいる旨を出力することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の位置監視装置。
(付記6)コンピュータに、
第1移動体の動きを検出する移動検出手順と、
前記移動検出手順によって検出される動きが変化した時点での前記第1移動体の位置を示す第1位置情報を算出する位置算出手順と、
前記第1移動体とは異なる第2移動体に搬送される移動端末と情報通信を行い、前記第2移動体の動きが変化した時点での前記第2移動体の位置を示す第2位置情報を取得する通信手順と、
前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較して、比較結果を出力する位置情報比較手順と
を実行させることを特徴とする位置監視プログラム。
(付記7)前記位置算出手順によって算出された第1位置情報の精度を判定し、判定結果に基づいて、前記第1位置情報の補正または前記第1位置情報の無効化を行う位置情報第1補正手順を更に実行させることを特徴とする付記6に記載の位置監視プログラム。
(付記8)前記移動検出手順によって検出された前記第1移動体の動きが所定の動きパターンに該当する場合に、前記第1位置情報を補正または前記第1位置情報の無効化を行う位置情報第2補正手順を更に実行させることを特徴とする付記6または付記7に記載の位置監視プログラム。
(付記9)前記移動検出手順によって検出された前記第1移動体の動きの履歴情報を記憶装置に記憶する履歴情報記憶手順と、前記移動端末と情報通信を行い、前記第2移動体の動きの履歴情報を取得する履歴情報取得手順とを更に実行させ、前記位置情報比較手順は、前記第1移動体の履歴情報と前記第2移動体の履歴情報とが一致する場合に、前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較することを特徴とする付記6、7または8に記載の位置監視プログラム。
(付記10)前記第1移動体の履歴情報と前記第2移動体の履歴情報とを比較し、履歴情報それぞれの一致部分に応じて閾値を調整する閾値調整手順を更に実行させ、前記位置情報比較手順は、前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較して、前記第1移動体と前記第2移動体との距離が前記閾値以下の場合に、前記第1移動体と前記第2移動体との距離が近くにいる旨を出力することを特徴とする付記6〜9のいずれか一つに記載の位置監視プログラム。
(付記11)位置監視装置が、
第1移動体の動きを検出する移動検出ステップと、
前記移動検出ステップによって検出される動きが変化した時点での前記第1移動体の位置を示す第1位置情報を算出する位置算出ステップと、
前記第1移動体とは異なる第2移動体に搬送される移動端末と情報通信を行い、前記第2移動体の動きが変化した時点での前記第2移動体の位置を示す第2位置情報を取得する通信ステップと、
前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較して、比較結果を出力する位置情報比較ステップと
を含むことを特徴とする位置監視方法。
(付記12)前記位置算出ステップによって算出された第1位置情報の精度を判定し、判定結果に基づいて、前記第1位置情報の補正または前記第1位置情報の無効化を行う位置情報第1補正ステップを更に含むことを特徴とする付記11に記載の位置監視方法。
(付記13)前記移動検出ステップによって検出された前記第1移動体の動きが所定の動きパターンに該当する場合に、前記第1位置情報を補正または前記第1位置情報の無効化を行う位置情報第2補正ステップを更に含むことを特徴とする付記11または12に記載の位置監視方法。
(付記14)前記移動検出ステップによって検出された前記第1移動体の動きの履歴情報を記憶装置に記憶する履歴情報記憶ステップと、前記移動端末と情報通信を行い、前記第2移動体の動きの履歴情報を取得する履歴情報取得ステップとを更に含み、前記位置情報比較ステップは、前記第1移動体の履歴情報と前記第2移動体の履歴情報とが一致する場合に、前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較することを特徴とする付記11、12または13に記載の位置監視方法。
(付記15)前記第1移動体の履歴情報と前記第2移動体の履歴情報とを比較し、履歴情報それぞれの一致部分に応じて閾値を調整する閾値調整ステップを更に含み、前記位置情報比較ステップは、前記第1位置情報と前記第2位置情報とを比較して、前記第1移動体と前記第2移動体との距離が前記閾値以下の場合に、前記第1移動体と前記第2移動体との距離が近くにいる旨を出力することを特徴とする付記11〜14のいずれか一つに記載の位置監視方法。