JP2012006190A - プラスチックレンズ成形用成形型およびプラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

プラスチックレンズ成形用成形型およびプラスチックレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】上下型の組み付けが容易なプラスチックレンズ成形用成形型を提供すること。
【解決手段】一方に開口し他方が閉塞した凹部を有する有底形状の第一モールド1と、上記第一モールドの開口に嵌挿する第二モールド5と、を有し、前記第二モールド1が第一モールド5の開口に嵌挿することにより、前記第一モールド1の凹部が第二モールド5によって閉塞されてプラスチックレンズ原料液注入用キャビティが形成され、かつ、前記第一モールド1は側面にプラスチックレンズ原料液を上記キャビティに導入するための注入口3を有するプラスチックレンズ成形用成形型。前記プラスチックレンズ成形用成形型のプラスチックレンズ原料液注入用キャビティにプラスチックレンズ原料液を注入し、上記キャビティ内でプラスチック原料液の硬化反応を行うことによりプラスチックレンズを得ることを特徴とする、プラスチックレンズの製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラスチックレンズ成形用成形型およびこれを使用するプラスチックレンズの製造方法に関するものであり、詳しくは、上下型の組み付けが容易なプラスチックレンズ成形用成形型およびこれを使用するプラスチックレンズの製造方法に関するものである。
プラスチックをレンズ形状に成形してプラスチックレンズを得る方法としては、成形型内でプラスチックレンズ原料液の重合を行う注型重合法が挙げられる。注型重合法では、モールド成形面形状が転写されることにより、レンズ光学面が形成される。
注型重合法としては、2つの円形モールド(上型および下型)を環状のガスケットに挿入し、ガスケットと上下型によって形成されたキャビティ(空間)にプラスチックレンズ原料液を注入して重合する方法(特許文献1参照)、2つの円形モールドの周面にテープを巻きつけて形成したキャビティにプラスチックレンズ原料液を注入して重合する方法(特許文献2参照)が知られている。
特開2008−30431号公報 特開2007−216665号公報
上記の通り、従来はガスケットまたはテープにより2つの円形モールドの間隔を固定し位置合わせを行っていた。いずれの方法も、2つのモールドの間隔が得られるレンズの肉厚を規定するため、肉厚精度を高めるためには、上型および下型をそれぞれ正確に位置合わせしなければならない。したがって、上下型の組み付け工程には慎重を期す必要があった。
そこで本発明の目的は、上下型の組み付けが容易なプラスチックレンズ成形用成形型を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、2つのモールドのうちの一方を、一方に開口し他方が閉塞した凹部を有する有底形状のモールドとすれば、2つのモールドをそれぞれ位置合わせすることなく、しかもガスケットやテープを使用することなく、上記有底形状のモールドの開口に他方のモールドを嵌挿することにより、プラスチックレンズ原料液注入用キャビティを形成することができることを新たに見出した。これは、2つのモールドのどちらか一方をガスケットと一体化すれば、位置あわせを行う必要があるモールドは他方のモールドのみとなるため上下型の組み付けが容易になるとの、本発明者らにより新たに見出された知見に基づくものである。そのうえで本発明者らは更に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記手段により達成された。
[1]一方に開口し他方が閉塞した凹部を有する有底形状の第一モールドと、
上記第一モールドの開口に嵌挿する第二モールドと、
を有し、
前記第二モールドが第一モールドの開口に嵌挿することにより、前記第一モールドの凹部が第二モールドによって閉塞されてプラスチックレンズ原料液注入用キャビティが形成され、かつ、前記第一モールドは側面にプラスチックレンズ原料液を上記キャビティに導入するための注入口を有することを特徴とする、プラスチックレンズ成形用成形型。
[2]前記第一モールドの内部底面は光学面を形成可能な成形面である、[1]に記載のプラスチックレンズ成形用成形型。
[3]前記プラスチックレンズ原料液注入用キャビティの断面形状は非円形である、[1]または[2]に記載のプラスチックレンズ成形用成形型。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載のプラスチックレンズ成形用成形型のプラスチックレンズ原料液注入用キャビティにプラスチックレンズ原料液を注入し、上記キャビティ内でプラスチック原料液の硬化反応を行うことによりプラスチックレンズを得ることを特徴とする、プラスチックレンズの製造方法。
本発明によれば、プラスチックレンズ成形用成形型のガスケットフリー化、テープフリー化が可能となる。
また、本発明によれば、円形レンズに比べて枠入れされるレンズ形状に近い形状を有するプラスチックレンズを製造することもできる。これにより、枠入れ時の廃棄物量およびプラスチックレンズ原料液の使用量を大幅に低減することができる。
本発明の成形型を構成する有底モールドの一例を示す断面図である。 図1に示す有底モールドの領域Aの平面図の一例である。 図1に示す有底モールド1の開口に円形モールドを嵌挿することにより構成される成形型の断面図である。
本発明のプラスチックレンズ成形用成形型は、一方に開口し他方が閉塞した凹部を有する有底形状の第一モールド(以下、「有底モールド」ともいう)と、上記有底モールドの開口に嵌挿する第二モールドと、を有する。ここで、前記第二モールドが第一モールドの開口に嵌挿することにより、前記第一モールドの凹部が第二モールドによって閉塞されてプラスチックレンズ原料液注入用キャビティが形成される。そして、前記第一モールドは側面にプラスチックレンズ原料液を上記キャビティに導入するための注入口を有する。したがって、上記注入口を介してキャビティ内にプラスチックレンズ原料液を注入することにより、該キャビティ内でプラスチックレンズの重合を行うことができる。これにより、第一モールドの凹部形状が転写されたプラスチックレンズを得ることができる。
従来の注型重合では、2つのモールドの周囲を取り囲むことにより形成されたキャビティ内でプラスチックレンズの重合を行っていたため、成形されるレンズの肉厚は2つのモールドの間隔によって規定される。したがって、2つのモールドのどちらかの位置決め保持が正確に行われていない場合には、所望の肉厚のレンズを得ることができない。位置ずれを起こす可能性は2つのモールドのどちらにもあるため、肉厚精度を高めるためには、両モールドを正確に位置決め保持する必要がある。
これに対し本発明では、一方のモールドを有底形状のモールド(有底モールド)とする。この有底モールドによれば、位置決めを行う必要があるモールドは他方のモールドのみとなるため、上下型の組み付けを容易に行うことができる。更に、有底モールドの側面が、成形されるレンズ側面を規定するガスケットないしテープの役割を果たすため、ガスケットフリー化およびテープフリー化が可能である。
また、従来の注型重合では、使用されるモールドは円形であるため、2つの円形モールドの周囲を取り囲むことにより形成されたキャビティ内で成形されるレンズの形状は必然的に円形となる。しかしながら、実際に眼鏡を製造する際に眼鏡フレームに枠入れされるレンズの大部分は子午線方向が短く、水平方向が長い。したがって注型重合により得られた円形のプラスチックレンズ(レンズブランクス)の子午線方向の上下端部は切断されて廃棄されているのが実情である。この廃棄される部分に使用されたプラスチックレンズ原料液は実際の眼鏡レンズには不要なものであるため、原料液の使用量を低減し製造コストを抑えるためには、枠入れ時に除去される部分は可能な限り少なくすることが望ましい。また、環境負荷の点からも、枠入れ時の廃棄物量は低減することが望ましい。
これに対し本発明のプラスチックレンズ成形用成形型(以下、単に「成形型」ともいう)では、プラスチックレンズ原料液注入用キャビティは第一モールド(有底モールド)の凹部を第二モールドによって閉塞することにより形成されるため、成形されるレンズの形状は、凹部の形状によって決定される。したがって、凹部の形状を所望のレンズ形状に対応する形状に設計することにより、非円形レンズをはじめとする各種形状のレンズを成形することができる。また、円形レンズを製造する場合でも、有底モールドの凹部のサイズ(直径)を変えることにより、他方のモールドとして同一の円形モールドを使用しつつ、サイズの異なる円形レンズを製造することができる。更に、上記有底モールドの凹部内の他方のモールドを位置決め保持する保持部において、他方のモールドと当接する当接面の外形を円形とすれば、仮に凹部の形状が非円形であったとしても、他方の円形モールドとの位置合わせが容易である。
以下、本発明の成形型について、更に詳細に説明する。
図1は、本発明の成形型を構成する有底モールドの一例を示す断面図である。図1に示す有底モールド1は、一方に開口し他方が閉塞した凹部2を有する有底形状である。凹部2の内部には、有底モールドの開口に嵌挿される第二モールドを位置決め保持するための保持部(段差部)4を設けることが好ましい。この保持部4の上端面4’は第二モールドとの当接面となる。上端面4’の外形を第二モールドの外形と略一致させることにより、第二モールドを安定に位置決め保持することができる。上端面4’の外形は、円形であっても非円形であってもよいが、通常使用される円形モールドを第二モールドとして使用するためには円形であることが好ましい。なお、本明細書および本発明では、特記しない限り、形状は平面視形状をいうものとする。
図2は、図1に示す有底モールドの領域Aの平面図の一例である。上記の通り、保持部4の上端面4’の外形は、図2に示すように円形であることが好ましい。これに対し、凹部2において第二モールドにより閉塞されキャビティを形成する部分の断面形状は、図2左図に示すように非円形であってもよく、図2右図に示すように円形であってもよい。図2左図に示す態様では、凹部2において第二モールドにより閉塞されキャビティを形成する部分の断面形状は角丸四角形であるが、これに限定されるものではなく、楕円形、多角形、等の円形以外の各種形状を取ることができる。一般的な眼鏡フレームの形状は、子午線方向に短く、水平方向に長いため、この形状に近似したキャビティを形成可能な凹部を有する有底モールドを用いることが、廃棄物量のよりいっそうの低減の点から好ましく、この点からは角丸四角形または楕円形のキャビティを形成可能な凹部を有する有底モールドが好ましく、角丸四角形のキャビティを形成可能な凹部を有する有底モールドがより好ましい。非円形のキャビティの断面形状は、例えば短径(子午線方向)の長さが45〜65mm程度、長径(水平方向)の長さが60〜75mm程度であることが、汎用されている眼鏡フレームの形状に対応可能な非円形レンズが得られるため好ましい。一方、円形のキャビティの断面形状(直径)は、所望のレンズの形状に応じて決定すればよい。
成形されるレンズの肉厚は、前記凹部の第二モールドによって閉塞される部分の高さによって規定される。したがって、凹部の第二モールドによって閉塞される部分の高さは所望のレンズ肉厚に応じて決定すればよい。
図1に示す有底モールド1は、側面に注入口3を有する。この注入口3を介して、プラスチックレンズ原料液がキャビティ内に導入される。
図3は、図1に示す有底モールド1の開口に、円形の第二モールド5を嵌挿することにより構成される成形型11の断面図である。第二モールド5としては、ガラスモールド等の通常の注型重合に使用されるモールドを使用することができる。この第二モールド5は、有形モールド1の保持部4の上端面4’と当接することにより位置決め保持される。これにより、第二モールドによって閉塞された閉塞空間として、プラスチックレンズ原料液注入用キャビティ2’が形成される。
上記有底モールドは、金属製であってもよく、樹脂製であってもよい。開口に嵌挿された第二モールドの保持および成形したレンズの取り出しの容易性の点からは、有底モールドは樹脂製であることが好ましい。樹脂製の有底モールドは、通常、ガスケットの製造に使用される熱可塑性樹脂を射出成形等の公知の成形方法によって成形することにより得ることができる。ここで、有底モールドの内部底面に転写される面に鏡面研磨加工を施した金型を用いて有底モールドを成形することにより、光学面を形成可能な成形面を有する有底モールドを得ることができる。そのような有底モールドを使用することにより、有底モールドの内部底面が転写された面を、研磨等を行うことなくそのままレンズの光学面とすることができる。側面の注入口は、射出成形等の成形時に形成してもよく、成形後にカッターや穴あけ機の公知の開口手段によって側面に穴を開けることによって形成してもよい。有底モールドには、図3に示すように注入口3と連通する漏斗状の注入口部6を設けることが、プラスチックレンズ原料液の導入を容易にするうえで好ましい。注入口部6は、射出成形等の成形時に形成してもよく、別部材として成形し接着剤等で取り付けることもできる。
上記熱可塑性樹脂としては、成形性、柔軟性、耐熱性、耐モノマー安定性、価格等の観点から、オレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系エラストマーが特に好ましい。オレフィン系エラストマーの具体例としては、低密度ポリエチレンからなるポリエチレン系エラストマー、ポリプロピレンホモポリマーにゴム成分を微分散させたポリプロピレン系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−アルキルアクリレート共重合体などが挙げられる。
[プラスチックレンズの製造方法]
本発明のプラスチックレンズの製造方法は、本発明のプラスチックレンズ成形用成形型のプラスチックレンズ原料液注入用キャビティにプラスチックレンズ原料液を注入し、上記キャビティ内でプラスチック原料液の硬化反応を行うことによりプラスチックレンズを得るものである。
本発明のプラスチックレンズの製造方法では、第一モールド(有底モールド)の凹部を第二モールドによって閉塞することにより形成されたキャビティ内でプラスチックレンズ原料液の硬化反応を行うことにより、キャビティと同様の形状を有するプラスチックレンズを製造することができる。したがって、凹部の第二モールドにより閉塞される部分を所望のレンズと同形状とすることにより、円形のみならず非円形のレンズを成形することも可能となる。前述のように、非円形のプラスチックレンズは、従来の円形レズに比べて枠入れ時の廃棄物量、更にはプラスチックレンズ原料液の使用量を低減できるため、環境面およびコスト面のいずれにおいても有利である。更に本発明の成形型は、前述のように一方のモールドのみ位置決めすればよいため、かかる成形型を使用することにより、従来の成形型を使用する場合と比べて、上下型の組み付け工程を容易に行うことができる。
以下、本発明のプラスチックレンズの製造方法について、更に詳細に説明する。
本発明のプラスチックレンズの製造方法において使用される成形型の詳細は、先に説明した通りである。
本発明のプラスチックレンズの製造方法において使用されるプラスチックレンズ原料液(以下、「レンズ原料液」ともいう)は、硬化性成分を含むものであり、通常眼鏡レンズ用プラスチックレンズ基材を構成する各種ポリマーの原料モノマー、オリゴマーおよび/またはプレポリマーを含むことができ、共重合体を形成するために2種以上のモノマーの混合物を含むこともできる。上記硬化性成分は、熱硬化性成分であっても光硬化性成分であってもよいが、注型重合では通常、熱硬化性成分が使用される。レンズ原料液には、必要があればモノマーの種類に応じて選択した触媒を添加することもできる。また、レンズ原料液には、通常使用される各種添加剤を含むこともできる。
前記レンズ原料液の具体例としては、例えば、メチルメタクリレートと一種以上の他のモノマーとの共重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートと一種以上の他のモノマーとの共重合体、ポリウレタンとポリウレアの共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリチオウレタン、エン−チオール反応を利用したスルフィド樹脂、硫黄を含むビニル重合体等を重合可能な原料液が挙げられる。前記プラスチックレンズ原料液注入用キャビティへの原料液の注入は、有底モールドに設けた注入口を通して行うことができる。
次いで、キャビティ内へ注入されたレンズ原料液に、加熱、光照射等を施すことにより、レンズ原料液に含まれる硬化性成分の硬化反応を行いレンズ形状の成形体を得ることができる。硬化反応条件(例えば加熱昇温プログラム)は、特に限定されるものではなく、使用するレンズ原料液の種類に応じて決定すればよい。硬化処理終了後、レンズと密着している2つのモールドを分離(離型)することによりプラスチックレンズを取り出すことができる。前述のように、金型の鏡面が転写された内部底面を有する有底モールドを使用することにより、有底モールドの内部底面が転写された光学面を有するプラスチックレンズを得ることができる。
こうして得られるプラスチックレンズは、フィニッシュレンズ(両面が光学的に仕上げられたレンズブランク)であってもよく、セミフィニッシュレンズ(一方の面だけが光学的に仕上げられたレンズブランク)であってもよい。セミフィニッシュレンズは、表面は光学的に仕上げられた面であり、裏面はレンズ処方値に応じて所望のレンズ度数となるように研磨加工される。
その後、両面が光学的に仕上げられたプラスチックレンズは、眼鏡店において、または眼鏡店からの受注を受けた製造メーカーによって、眼鏡フレームの枠形状に縁摺加工され、次いでヤゲン加工される。その前後に反射防止膜、撥水膜等の所望の性能を付与するための機能性膜を、必要に応じて公知の方法でレンズ上に成膜することができる。縁摺加工され、必要に応じて機能性膜が形成されたレンズを眼鏡フレームにはめ込むことにより、眼鏡が完成される。本発明で製造されるプラスチックレンズの形状は、円形であってもよく非円形であってもよく、特に限定されるものではない。非円形レンズは、前述のように、円形レンズと比べて枠入れされるレンズの形状に近いため、上記縁摺加工において不要な部分として除去され廃棄される部分の量を大幅に低減することができる点で有利である。
以下に、本発明を実施例により更に説明するが、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)有底モールドの成形
オレフィン系熱可塑性樹脂であるポリエチレンエラストマー(住友化学社製エクセレンFX)を用いて、内部底面から段差部の上端縁部までの部分の断面形状が角丸四角形(短径62mm、長径73mm、内部底面から上端縁部までの高さ14mm)である凹部を有し、かつ段差部の外形が直径約80mmの円形である有底モールドを射出成形により得た。有底モールドを成形するための金型としては、有底モールド凹部の内部底面に転写される面が鏡面研磨加工を施した凹面である金型を使用した。この金型を使用することにより、凹部の内部底面が光学面を形成可能な凸形状の成形面である有底モールドが成形された。
成形した有底モールドの側面にカッターによって注入口を形成した後、別途射出成形により成形した注入口部を、注入口部の開口と有底モールド側面の注入口が連通するように、有底モールド側面に接着剤で貼り付けた。
以上の工程により、図3に示す形状の有底モールドを得た。
(2)成形型の組み立て
上記(1)で得た有底モールドの開口に、凸面を形成すべく凹形状の成形面を有する円形のガラスモールドを嵌挿することにより、図3に断面図を示す成形型を組み立てた。
(3)プラスチックレンズの成形
上記(2)で得た成形型を、有底モールドの注入口部が鉛直上方を向くように配置した後、注入口部からジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)の原料液を、有底モールドの凹部を円形モールドで閉塞することにより形成したプラスチックレンズ原料液注入用キャビティ内に導入し、該キャビティが満たされた後に、所定の重合プログラムに従って硬化反応を行った。硬化反応終了後、成形型からレンズを取り出した。
実施例1において、成形型から取り出したレンズの形状はキャビティと同様の形状、即ち、短径62mm、長径73mmの角丸四角形であった。即ち、非円形レンズを得ることができた。得られたレンズの厚さは、上記凹部の内部底面から上端縁部までの高さと同様であった。
[実施例2]
有底モールドの内部底面から段差部の上端縁部までの部分の断面形状を円形(直径75mm)に変更した点以外、実施例1と同様に成形型の作製およびプラスチックレンズの成形を行うことにより、直径75mmの円形レンズを得た。
実施例1、実施例2とも、円形モールドを有底モールドの開口に嵌挿することにより、成形型を組み立てることができた。この組立て工程は、上下型の位置あわせに慎重を期す必要のある従来のガスケットやテープを使用する方法と比べて容易であった。
また、上記実施例で示したように、本発明によれば円形レンズのみならず非円形レンズを得ることもできる。実施例1、2とも、得られたレンズから眼鏡フレームの枠形状に応じて不要な部分を除去し、眼鏡フレームに枠入れすることにより、眼鏡を完成させることができる。実施例1で得た非円形レンズは、実施例2で得た円形レンズと比べて体積が約35%少ない。したがって体積が少ない分、1枚のレンズを得るためのプラスチックレンズ原料液の使用量を低減することができ、また、その分だけ枠入れのための縁摺加工において除去、廃棄される量を低減することができる。
本発明は、眼鏡レンズの製造分野に有用である。

Claims (4)

  1. 一方に開口し他方が閉塞した凹部を有する有底形状の第一モールドと、
    上記第一モールドの開口に嵌挿する第二モールドと、
    を有し、
    前記第二モールドが第一モールドの開口に嵌挿することにより、前記第一モールドの凹部が第二モールドによって閉塞されてプラスチックレンズ原料液注入用キャビティが形成され、かつ、前記第一モールドは側面にプラスチックレンズ原料液を上記キャビティに導入するための注入口を有することを特徴とする、プラスチックレンズ成形用成形型。
  2. 前記第一モールドの内部底面は光学面を形成可能な成形面である、請求項1に記載のプラスチックレンズ成形用成形型。
  3. 前記プラスチックレンズ原料液注入用キャビティの断面形状は非円形である、請求項1または2に記載のプラスチックレンズ成形用成形型。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチックレンズ成形用成形型のプラスチックレンズ原料液注入用キャビティにプラスチックレンズ原料液を注入し、上記キャビティ内でプラスチック原料液の硬化反応を行うことによりプラスチックレンズを得ることを特徴とする、プラスチックレンズの製造方法。
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