JP2012002894A - 反射鏡及びその作成方法及びこれを用いた太陽電池システム - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、集光形太陽電池のシステムにおいて複雑で高コストな不都合を回避するため、簡単に得ることができる反射鏡とその作成方法と太陽電池のシステムを提供することである。
【解決手段】反射鏡として、柔軟に曲がり弾性により復元力を有し、少なくとも一方の面に鏡面を有する平面板を、所望の曲面を有する曲面体の曲面に配置したものあり、その簡単な作成方法とこれを用いた太陽電池のシステムとしたものである。
【選択図】図1
Description
その例をたどると、第一の例ではフレネルレンズを用いたものとしては、特許文献1、特許文献2、第2の例ではシート状の集光装置として特許文献3、特許文献4、第3の例では導光ガイドとして特許文献5、特許文献6、第4の例ではパラボラ反射鏡を用いたものとして特許文献7、第5の例では平面又は凹面反射鏡を用いたものとして特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14を見出すことが出来る。
第一の例で、太陽光を集めるために、大面積を有するフレネルレンズが必要であるが高額になり、得策ではない。第2の例での集光装置も複雑な構造をしていて、その製造コストを考慮すると、システムのコスト低減に寄与するには不都合である。第3の例で、導光ガイドは、フレネルレンズと組み合わせた構成が多いが、コスト的には高額となり不都合である。第4及び第5の反射鏡を用いた例では、反射鏡の配置について提案があるが、大きな反射鏡を低コストで実現する提案が示されていない。
以下、実施例を用いて説明する。
R−rは、曲面の曲率の中心が存在する位置を結んだ線分を示す。奥行き方向には平面鏡であるから、曲率の中心は、この線分上に存在する。尚、曲面が球面の場合は、曲面の焦点は、中心から半径の1/2だけ離れたところにある。球の中心を通る線に平行な光線は、反射して焦点を通過するように曲げられる。同様に、曲面が楕円の場合も反射光が曲げられる。1−Bでは、中心から径方向に曲率を持つ凹面鏡を示している。1−Cでは、奥行き方向と横方向に曲率を持つ凹面鏡を示している。
2−Cに示す筺体103は、2−Bに示すように板の片面側のみ曲面を有するものでは、特に必須のものではない。ミラー板102を2−Dでのように破線で切った断面を2−Eに示す。ミラー板102は、柔軟性のプラスティックや塩化ビニルなどの透明膜201とこの裏面にあるアルミニウムのような金属の被覆膜202があるもの(上段)、透明膜201の表側に被膜の紫外線劣化を防止する紫外線防止膜や雹による被害防止のためのクッション性の衝撃吸収膜などの表面保護膜203があるもの(下段)や、透明膜の無い鏡面金属板のみによるものなどが利用できる。
3−Bにおいては、図2の2−Bに示す板の片面側のみ曲面を有する曲面体101であって、筺体103が不要であり単純な形態であるが、大きな面積にわたりこれを作ることは
切削、塑性型抜きなど作成が容易では無い不便がある。
これに対して、3−Aにおいては、筺体103があり、曲面体101は、押し圧により曲がる弾性板301と曲面台302を有している。一見、ここでは、曲面台302が3−Bに示す曲面体101の形状なので、3−Bのものより3−Aのものが複雑になるように見られるが、図4でも示すように、曲面台302をもとに弾性板301が曲がるのではなくて、弾性板301がもとで、曲面台302が容易に作られることに意味がある。弾性板301に所望の曲率の曲面を与えるのは容易である。両端をある距離に固定し、中央を下に押すことで、押して固定した変移量(距離)により、曲面が得られるからである。このようにすると、曲面の構成が容易であり、その後に、押し圧への強度が欲しければ、曲面台302を図4のようにして作ればよい。
筺体401(4−A)があり、両端の間の間隔L1が所望の値になっている。両端の壁には、曲面板の両端をはめ込む溝が付いている。両端を留めるためには、溝以外にも突起でもよく、溝にこだわらない。曲面板となる弾性板301(4−B)は、筺体401の両端の間の間隔より大きな所望の幅L2を持っていて、この幅と筺体401の両端の間の間隔の関係により、弾性板301をはめ込んだ場合(4−C)に、弾性板301は、所定の曲率の曲がりを得ることになる。この状態で、筺体401を上下をひっくり返したものが4−Dである。4−Dには曲面が中央を凸にした状態になっている。勿論最初から、筺体401をひっくり返した状態で、弾性板301を付けることも可能である。
4−Eにおいて、固化する充填材402を筺体401の表面に達するまで充填し(4−F)、表面に蓋403をする(4−G)。充填材は、市販のものが利用できる。充填材402が固化した後、ひっくり返した状態が4−Hである。弾性板301が曲面を形成し、それを下地の充填材402により形成された曲面台302がしっかり支えている。なお、弾性板301自体が、強度を有する場合には、下地の曲面台302が必ずしも必要とされない。
充填材402としては、重量の軽い方が望ましい。したがって、発泡ポリスチロールは、安価であることと相俟って好ましい材料の1つである。4−Iにおいて、弾性板301の上に、複数枚に分けたミラー板102を貼り付ける。勿論、ミラー板102は大きなもの1枚でもよいが、作業性を考慮して適度な大きさに分けたほうがよい。又、大きさを統一した方が、好都合である。ミラー板102は貼り付けられることで、弾性板301が有する曲面に倣い、凹面鏡を構成する。このようにすると、最初から大きな凹面鏡を作るより簡単な技術で、大きな凹面鏡を作成することが出来る。
5−Bには、凹面鏡501が太陽光に対面するように設置され、その焦点位置FからDの距離だけ離れた位置に太陽電池502を凹面鏡501からの反射光を受けるように配置されている。Dの値により、凹面鏡のサイズLと反射光が絞られる幅Wとの比である縮小率K(=L/W)が決まる。絞りの倍率Kを見積もるために5−Bの状態を平面化して5−Aに示す。太陽光は入射光503が凹面鏡501に入射し、反射光504として出て行く。太陽光は凹面鏡501の曲率の中心Oを通過する線分505に平行に入射しているので、反射光504は、焦点F(中心Oから曲率半径の1/2離れたところにある)を通過するように反射する。太陽電池502は、焦点Fからの距離Dだけはなれた点に置かれるため、絞られた光が太陽電池502に入射し、面積の小さな太陽電池502でも光の密度の増大した光で発電が行われるので、発電効率を上げることが出来る。焦点からの距離D、凹面鏡の端と焦点Fを結ぶ線分が入射光となす角度α、凹面鏡の端と曲面の中心Oを結ぶ線分が入射光となす角度β、曲率半径R、凹面鏡501の半分の弧の長さL、太陽電池の幅Wの関係は、5−Cに示す式により計算が出来る。計算した結果の一例を示すと、その結果は、5−Dに示される。α45°に対して、βは24.3°になり、R1mに対して、
Lは、0.42mであり、D0.106mでは、Kは4、D0.085mでは、Kは5、
D0.042mでは、Kは10となり、各数値は、比例関係にあるので、Rが2mでは、全ての寸法は2倍になる。例えば、Kが5では、太陽電池の陰になる部分506(5−Bで)は1倍分あるので、反射光は得られないので、実質5−1=4の4倍分の縮小効率が得られる。尚、この配置では、反射鏡の設置の勾配を屋根の勾配に合わせると、風と積雪の影響を受けにくくすることができる。
凹面鏡601が略水平に設置されている。太陽光は、入射光602のように入射角θでは入り、凹面鏡601で反射され、反射光603の方向に向かう。この図の例では、凹面鏡は、図1の1−Aのように、太陽光が進行する方向には、平面であり、幅方向に曲率を持っているものを使用している。そのため、幅方向には、焦点に向かうように集光する。凹面鏡601の中心から矢印603の方向に、凹面鏡601の焦点距離(球面では、略曲率の1/2の距離)の離れた近傍に、太陽電池604を反射光に正対するように配置する。
このような配置では、太陽電池の面は、下向きになり、埃が付かない。又、裏面は傾斜角が大きいので、積雪が付かない便利さがある。
太陽電池604と凹面鏡601を複数個分割して構成することは、構成上好都合なことは勿論である。
尚、図6では、凹面鏡601と太陽電池604を取り付ける架台は、図示を省略した。
凹面鏡601は、積雪が積もる可能性があるので、融雪のために加熱体を表面に付設し、降雪の多い地方の冬場に備えるのもよい。
尚、強風対策としては、凹面鏡601は略水平に付設すると、風を受けない。又、風の侵入を防ぐために、凹面鏡601の回りに風よけのスカートをつけると、スカートに沿って、かぜが逃げるので、都合がよい。太陽電池604は、この配置では、南から北に向かって吹く風を受ける。太陽電池604のサイズを小さく出来るので、風による力も小さく出来て好都合である。
102 ミラー板
103、401 筺体
201 透明膜
202 被覆膜
203 表面保護膜
301 弾性板
302 曲面台
402 充填材
403 蓋
501、601 凹面鏡
502、604 太陽電池
503、602 入射光
504、603反射光
505 中心Oを通過する線分
506 太陽電池の陰になる部分
Claims (8)
- 柔軟に曲がり弾性により復元力を有する平面板と、所望の曲面を有する曲面体を有し、前記平面板の面の少なくとも一方は、鏡面であり、前記平面板を前記曲面体の前記曲面に配置された構成により、前記平面板が前記曲面に倣い、前記平面板が前記曲面と同じ曲率の有したことを特徴とする反射鏡。
- 前記平面板は、光沢のある金属板か、又は、表面に金属被覆膜を有する透明樹脂板かであることを特徴とする請求項1記載の反射鏡。
- 前記透明樹脂板において、前記金属被覆膜を有する面とは反対側の面上に、透明性の紫外線を反射又は吸収する紫外線防止膜、又は、透明性のクッション性の衝撃吸収膜を設けたことを特徴とする請求項2記載の反射鏡。
- 前記曲面体は、曲率が1次元方向のみに存在することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の反射鏡。
- 前記曲面体の曲面に、前記曲面より小さい平面板を複数個配置したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の反射鏡。
- 所望の曲面を有する曲面体を有する反射鏡の作成方法において、所望の曲面を与える方向に所定の長さで、柔軟に曲がり弾性により復元力を有する平面板を、前記所定の長さより短い長さの幅の有する筺体にはめ込み、前記はめ込みより前記平面板が曲がり、前記平面板が前記筺体の中央で凸状になった側に、充填材を充填し表面を平坦にした後固化することで充填材による曲面台を形成し、前記の曲がった平面板を所望の曲面を有する曲面体として、前記曲面体の面に、柔軟に曲がり弾性により復元力を有し、少なくとも一方の面は、鏡面である第2の平面板を設置して、前記曲面体の面に倣わせることで、前記第2の平面板が前記曲面体と同じ曲率の有するようにしたことを特徴とする反射鏡の作成方法。
- 所望の曲面を有する曲面体を有する反射鏡の作成方法において、側面に覆い板を有し、上蓋の無い箱の中央部に凸部があるように配置された曲面体を有する筺体を型として、充填材を充填し表面を平坦にした後固化することで充填材による曲面台を形成し、前記の筺体を外した後、前記の充填材による曲面台を所望の曲面を有する曲面体として、前記曲面体の面に、柔軟に曲がり弾性により復元力を有し、少なくとも一方の面は、鏡面である第2の平面板を設置して、前記曲面体の面に倣わせることで、前記第2の平面板が前記曲面体と同じ曲率の有するようにしたことを特徴とする反射鏡の作成方法。
- 請求項1から請求項5に記載の反射鏡、請求項6及び請求項7に記載の反射鏡の作成方法による反射鏡を、太陽光を反射する位置に設置し、太陽電池を前記反射鏡の焦点付近に配置することで、前記反射鏡より小さな面積の太陽電池に集光したことを特徴とする太陽電池システム。
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