JP2012002869A - 機能剤が固定された基材の製造方法及び機能剤固定装置 - Google Patents

機能剤が固定された基材の製造方法及び機能剤固定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】布帛等の基材に対して、必要な部分にのみ機能剤を固定できる製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】染料以外の機能剤とバインダ樹脂とを含有する少なくとも1種の乾式トナーを帯電体上に提供する工程;乾式トナーを帯電体上から基材に転写する工程;および、転写された乾式トナーを基材に固定する工程;を備える。転写工程では、帯電体上と基材との間に電界を印加することにより、帯電体上の乾式トナーを帯電体から基材に対して飛翔させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、機能剤が固定された基材の製造方法、及び機能剤固定装置に関する。
従来より、布帛等の基材に種々の染料以外の機能剤を固定する場合、例えば、布帛全体を機能剤溶液に浸す浸染が一般的に行われている。
特開平05−033274号公報
しかし、浸染により染料以外の機能剤の固定を行う場合、機能剤の固定が必要となる表面のみならず、布帛の内部や裏面にまで機能剤が染み込んでしまう。また、機能剤を必ずしも布帛の全面に付与する必要はなく、例えば染色が施されている部分にのみ機能剤を固定すれば足りる場合もある。従って、浸染による処理は必要以上の量の機能剤を必要とするため、コストを押し上げる要因となっている。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するために為されたものであり、本発明の目的は、布帛等の基材に対して、必要な部分にのみ染料以外の機能剤を固定できる製造装置及び製造方法を提供することである。
本発明に係る機能剤が固定された基材の製造方法は、染料以外の機能剤とバインダ樹脂とを含有する少なくとも1種の乾式トナーを帯電体上に静電的に提供する工程;
前記乾式トナーを前記帯電体上から、基材に転写する工程;および
前記転写された乾式トナーを前記基材に固定する工程;を備える。そして、前記転写工程では、前記帯電体上と前記基材との間に電界を印加することにより、前記帯電体上の乾式トナーを前記帯電体から前記基材に対して飛翔させる。
本発明に係る機能剤固定装置は、基材を搬送する基材搬送部;
染料以外の機能剤とバインダ樹脂とを含有する少なくとも1種の乾式トナーを帯電体上に静電的に保持させる静電保持部;帯電体状に保持された乾式トナーを、前記基材搬送部により搬送される基材に転写する転写部;および、
前記基材搬送部上において前記転写部よりも下流に設けられており、かつ前記転写された前記乾式トナーを前記基材に固定する固定部;を備える。そして、前記転写部は、前記基材搬送部上の基材と前記帯電体との間に、前記帯電体上の乾式トナーを前記帯電体から前記基材に飛翔させる電界を印加する電界印加部を備える。
本発明によれば、飛翔により機能剤及びバインダ樹脂を含む乾式トナーを転写するので、基材の表面の状態に係らず乾式トナーの高い転写性を実現でき、基材の所望の部分に染料以外の機能剤を選択的に固定することが可能である。機能剤とは、基材の物理的性質、化学的性質、生物学的性質等の物性の改変をするものや、基材に新規物性を付与するものであり、染料以外のものである。
特に、基材の表面に凹凸があるものが好ましく、このような場合であっても、高い転写性を発揮しうる。
ここで、上記基材は、例えば、プラスチックフィルム、プラスチックシート、布帛等であることができる。特に、布帛の表面には、繊維間の隙間や、糸間の谷等、複雑な凹凸があるが、このような場合でも、必要な部分にのみ機能剤の転写が可能である。
乾式トナーを帯電体上に静電転写することから、機能剤は帯電性を有することが好ましい。なお、機能剤が帯電性を有さなくても、バインダ樹脂等が帯電性を有すれば実施可能である。
また、前記転写工程において、前記電界を、前記帯電体上の乾式トナーと前記基材との間に間隙が設けられた状態、または、前記帯電体が前記乾式トナーを前記基材に対して押圧しない状態で印加することが好ましい。
また、前記転写部は、前記帯電体上の乾式トナーと前記基材との間に間隙を有する、または、前記転写部の帯電体は、前記帯電体上の前記乾式トナーを前記基材に対して押圧しないことが好ましい。
これらにより、乾式トナーが例えば基材の最凸部等に偏ることが抑制され、濃度ムラの少ない良好な機能剤による画像を基材上に再現することができる。
また、上記帯電体が導電性感光体であり、上記提供工程では、上記導電性感光体上に上記乾式トナーによる画像を提供することが好ましい。
これによれば、容易にトナーによる様々な形態の機能剤による画像を形成できる。
また、機能剤固定装置は、例えば、互いに異なる複数の乾式トナーを1つの帯電体に提供しその後これらの複数の乾式トナーを基材に転写すること、帯電体へ乾式トナーを提供しその後基材に転写する工程を乾式トナーを異ならせて繰り返すこと、又は、互いに異なる乾式トナーが提供された複数の帯電体から1つの帯電体にそれぞれ乾式トナーを転写することにより、基材上へ複数のトナーによる画像の重ね合わせが可能となっている。
本発明によれば、基材の表面の状態に係らず機能剤を必要な部分にのみ固定することができる。このため、機能剤の無駄が抑制される。
図1は、本発明の第一実施形態に係る機能剤が固定された基材の製造方法のフローチャートである。 図2は、本発明の第一実施形態に係る機能剤固定装置を表す概念図である。 図3は、図2の印捺装置のプーリ22と2次転写ローラ16との間の拡大模式図である。 図4は、本発明の第二実施形態に係る機能剤固定装置を表す概念図である。 図5は、本発明の第三実施形態に係る機能剤固定装置を表す概念図である。 図6は、本発明の第四実施形態に係る機能剤固定装置を表す概念図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(第一実施形態)
図1は、本発明の実施形態にかかる機能剤が固定された基材の製造方法を実施するための各作業工程の一例を説明するための工程図を模式的に表した図である。
図1に示すように、本実施形態において、機能剤が固定された基材の製造方法は、乾式トナー粒子を帯電体上に静電的に提供する工程(a)と、乾式トナーを帯電体上から基材に静電的に転写する工程(b)と、基材に転写された乾式トナー粒子を該基材に固定する工程(c)と、を含む。これにより、基材上にトナー粒子が固定された基材を得ることができる。
ここで、必要に応じて、固定対象となる基材に対して、当該基材表面の凹凸状態を軽減または平滑にすることや、機能剤の機能をより発揮しやすくさせるため、あるいは、トナーが付着しやすくするため等の、所定の前処理工程(g)を行うことができる。
次に、機能剤が固定された基材の製造方法の詳細について、これに用いる機能剤固定装置と共に詳しく説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る機能剤が固定された基材の製造方法を実施するための機能剤固定装置100を表す概念図である。図2の機能剤固定装置100は、4つのトナーを一度に基材に転写する方式で機能剤の固定を行うものである。この機能剤固定装置は、図2に示すように、2つのプーリ11、12と、これらのプーリの間に巻装された搬送ベルト13とを備えており、2つのプーリ11、12の何れか一方は、駆動装置(図示せず)により駆動される。搬送ベルト13上には従来の染色加工分野において用いられている粘着剤が塗布されており、この粘着剤により基材14が搬送ベルト13上に固定される。図1の装置100では、基材14はプーリ11からプーリ12に向かって移動する。本実施形態では、搬送ベルト13が、基材搬送部を構成している。
また、この機能剤固定装置100は、基材14に転写するための、互いに異なる4つの乾式トナー粒子による画像をそれぞれ形成可能な作像ユニット(静電保持部)15を備えている。この作像ユニット15は、上下に配されたプーリ21、22と、これらのプーリの間に巻装された中間転写ベルト(帯電体)23と、を備えている。プーリ21、22の間には、中間転写ベルト23の上に、中間転写ベルト23上の付着物を除去するクリーニング装置24と、中間転写ベルト23の除電を行うために必要に応じて設けられている除電装置25と、を備えている。
また、中間転写ベルト23の表面に対面して、4つの作像ユニット29がベルト移動方向に並んで配置されている。これらの4つの作像ユニットの中間転写ベルト23を挟んだ裏面側には、各トナーに対応した一次転写ローラ29pがそれぞれ設けられている。
作像ユニット29はそれぞれ、露光により帯電画像を形成可能な光導電性感光体を含む感光体ベルト29kを備え、当該感光体ベルト29kの進行方向にそって、その周囲にクリーニング装置29a、除電装置29b、帯電装置29c、露光装置29d、現像装置29eをこの順で備える。現像装置29eは、それぞれ機能剤を含むトナー粒子を感光体ベルト29k上の帯電画像に与え、これにより、感光体ベルト29k上には、トナー粒子による画像が形成される。そして、感光体ベルト29k上にトナー粒子により形成された画像、すなわち、パターンは、作像ユニット29と一次転写ローラ29pとにより、静電的に中間転写ベルト23にそれぞれ転写可能となっており、中間転写ベルト23上に任意の画像を連続的に形成することができる。
作像ユニット15の下方には、搬送ベルト13および基材14を介して二次転写ローラ16が設けられている。この二次転写ローラ16には、中間転写ベルト23上に静電的に保持された乾式トナー粒子とは反対の符号の高電圧が高圧電源2から供給されており、これにより、図3に示すように、中間転写ベルト23上のトナー粒子Tと基材14との間の転写ギャップGに強い電界が発生し、静電気力により中間転写ベルト23上の乾式トナー粒子Tが中間転写ベルト23から基材14へ向かって飛翔し、中間転写ベルト23上の乾式トナーにより形成されている画像が基材14上に転写される。ここで、二次転写ローラ16は、転写ギャップ調整装置16aによって、搬送ベルト13上の基材14と、転写ベルト23上の乾式トナー粒子Tとの間の転写ギャップGを調節可能となっている。ここで、転写ギャップGは、中間転写ベルト23と、二次転写ローラ16との間の距離から、搬送ベルト13、及び基材14の厚みを引くことにより容易に得られる。そして、本実施形態では、二次転写ローラ16、転写ギャップ調整装置16a、及び、高圧電源2が転写部19を構成し、高圧電源2が電界印加部を構成している。なお、転写ギャップ調整装置16aが無く、転写ギャップが固定であっても実施可能である。
また、図2に戻って、搬送ベルト13上における二次転写ローラ16よりも下流側には、基材14上の画像を固定させる固定装置(固定部)17が設けられている。固定装置17は、乾式トナーを基材14に固定するものであり、例えば、基材14とは接触することなく乾式トナーを軟化させるための非接触加熱手段、または乾式トナーに含まれるバインダ樹脂に対する膨潤作用を有する溶媒を含有する溶剤を噴霧する溶剤噴霧装置(噴霧部)、または、これらの組合せにより構成することができる。非接触加熱手段としては、赤外線セラミックヒーター、赤外線ランプなどの赤外線ヒーター、温風ヒーター、ホットプレート等のヒータを例示することができる。溶媒としては、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよびこれらの混合溶媒を挙げることができる。溶剤噴霧装置の構成は特に限定されず、公知の種々のものが利用できる。
更に、搬送ベルト13上における固定装置17よりも下流側には、基材14を搬送ベルト13から剥がすための剥離ローラ18が備えられている。
(基材)
本発明に用いられる基材は、電気的絶縁性を有することが好ましい。基材は、染色可能な材料であることができる。また基材は、平滑な又は表面に凹凸を有するものであることができる。基材は、例えば、布帛、衣料品(例としてアンダーウェア、スポーツウェア)、紙、プラスチックフィルム、プラスチックシート、プラスチック板、金属板、ガラス板、陶器板(例えばタイル)などを包含する。なかでも、表面に凹凸を有する基材が好ましい。プラスチックフィルム、プラスチックシート等は、例えば、エンボス加工等により凹凸が形成されていてもよい。凹凸の程度も特に限定されないが、最大厚みに対する最小厚みの比が50%以下でも可能であり、例えば、メッシュ状の布帛のような0%のものであってもよい。
本発明において使用し得る布帛は、天然又は人工の編物、織物、不織布等である。また、本発明において、布帛は、上記以外に、紐や縄を含む組物、綿状ハイバルフスク、スライバー、多孔質スポンジ、フェルト等の繊維構造体と認識され得るもの一般をも包含する。
本発明の対象となる布帛は、特に限定されないが、例えば、綿、カボック、麻、絹、羊毛、キャメル、モヘア、カシミア、アルパカ、アンゴラのような天然繊維、例えばポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリアクリレート繊維、ポリ乳酸繊維(PLA繊維)ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン(PP)系繊維、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維、ベンゾエート系繊維、ポリスチレン系繊維、ポリテトラフルオロエチレン系繊維、ポリシアン化ビニリデン系繊維、ポリエーテルエステル系繊維、プロミックス繊維などの合成繊維、例えば、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、ニトロセルロース繊維などの半合成繊維、例えば、レーヨン、キュプラ、大豆タンパク繊維、牛乳タンパク繊維などの再生繊維、例えば、ガラス繊維、バサルトファイバー、ウォラストナイト、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタンカルシウム繊維などの無機繊維の何れか又はこれらの2種以上の組合せを含むものから製造されるものである。
本発明において布帛を構成し得る糸としては、特に限定されないが、例えば、モノフィラメント、マルチフィラメント、ステープルファイバー(スフ)、トウ、ハイバルクスフ、ハイバルクトウ、紡績糸、混紡糸、加工糸、仮撚糸、異形断面糸、中空糸、コンジュゲート糸、POY(partially oriented yarn:部分配向糸)、DTY(draw-textured yarn:延伸加工糸)、POY−DTY、スライバーなどが含まれる。
なお、本発明において使用される布帛の厚みは、後述する感光ベルトと二次転写ローラとの間に設定されるギャップを通過し得る程度であれば、必ずしも限定されない。
(乾式トナー)
また、本発明において使用される乾式トナーは、機能剤とバインダ樹脂とを含有している。
この機能剤とは、例えば、基材の物理的性質、化学的性質、生物学的性質等の物性の改変をするもの、基材に新規物性を付与するものであり、染料以外のものである。任意の複数の機能剤を、任意の比率で混合することができる。
なお、染料自体はこの機能剤に含まれないが、乾式トナーは、必須である機能剤以外に染料を含んでいてもよい。また、基材には予め染料が固定されていても良く、後工程で染料を固定してもよい。
機能剤は、基材への固定前後で、基材の色彩を変更させないように実質的に無色であってもよい。
機能剤は、具体的には、基材の堅牢度向上剤、濃染化剤(例えば、カチオン性アクリル樹脂、シリコーン化合物)、蛍光剤(例えば、ベンゾオキザゾール誘導体、ピレン及びオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ジスチルビフェニール誘導体、スチルベン誘導体、ジスルホン酸スチルベン誘導体)、脱色剤(例えば、揮発性アルカリ剤、エステル型非イオン界面活性剤、トリグリセリドを構成成分とする油性成分と炭素数16〜25の直鎖状のアルキル基を有する高級アルコール)、防染剤(例えば、カルボキシル基含有多糖類、不飽和カルボン酸系重合体、エチレン性不飽和カルボン酸系の重合体)、抜染剤(例えば、ハイドロサルファイトナトリウムもしくは二酸化チオ尿素のような還元剤、及び苛性ソーダのようなアルカリ剤)、風合い改質剤(例えば、グリセリン、脂肪酸エステル類、パラフィン乳化物、第4級アンモニウム塩など)、平滑剤(例えば、ワックスやポリエステル(ポリエーテルエステル化合物等)を添加した油剤、ジメチルポリシロキサン、アミノ基含有ポリシロキサン、エポキシ基含有ポリシロキサンなど)、抗ピル剤(例えば、アクリル系樹脂など)、抗スナッギング剤(パラゾール PMなど(商品名 大原パラヂウム化学(株)))、スリップ防止剤(シリカ化合物、ポリエステル樹脂)、柔軟剤(例えば、陽イオン界面活性剤:脂肪酸アマイド系化合物:天然動植物油脂またはその不飽和結合に水素を反応させた硬化油または水添動植物油脂から分離した未精製脂肪酸、未精製脂肪酸を精製し炭素数分布の範囲を限定した精製脂肪酸、又は、メチル、エチル等の低級アルキルエステルとしたものをアミン類と反応させ、高い温度及び減圧の条件下で生成する水または低級アルコールを反応系外に除去してアマイド反応を進行させて得られる反応生成物に無機酸もしくは有機酸を加えて中和した中和物:このアマイド反応生成物の中和物にハロゲン化低級アルキルもしくは低級ジアルキル硫酸等で4級化反応して得られる4級化物)、透明加工剤(例えば、シリコーン系化合物もしくは硫酸のようなオパール加工剤)、光沢加工剤(例えば、ビニルエステル系樹脂、特にポリビニルアルコール系樹脂)、目詰め加工剤(例えば、シリカ化合物など)、架橋剤(例えば、イソシアネート化合物、ポリアミン類、イミダゾール類、ジシアンアミドなど)、黄変防止剤(例えば、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニゾール)など)、消臭剤(例えば、二酸化チタン、二酸化マンガン、酸化亜鉛のような金属酸化物、茶葉、キノコなど植物抽出物、有機窒素系化合物)、防臭剤(例えば、活性炭、エタノールなど)、芳香剤(例えば、フラボノイドのような天然植物抽出物又は香料)、防しわ剤(例えば、エチレンジアミンなど)、吸湿剤(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の潮解性物質など)、吸水剤(例えば、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物、これらの架橋体やポリアクリル酸部分中和物架橋体等吸水性樹脂)、抱水剤、撥水剤(例えば、フッ素化合物、変性シリコーン系化合物、及びワックス系化合物など)、撥油剤(例えば、フッ素系化合物)、透湿剤(例えば、変性シリコーンアニオン界面活性剤)、防汚剤(例えば、アクリル、ポリアミド、ポリエステル樹脂)、親油剤(例えば、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル(テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット))、透湿防水剤(汚れ付着防止剤)(例えば、ウレタン樹脂や『パラミリオンMTB−20』大原パラヂウム化学 水系透湿防水加工剤)、蓄熱剤(例えば、アルミニウム、珪素、マグネシウム、ジルコニウム、チタン等のセラミックス化合物やカーボンブラック、及び天然植物抽出物)、発熱剤(例えば、カプサイシンのような天然植物抽出成分またはゼオライト、活性炭のような水分を吸収する事により発熱する化合物)、蓄冷剤、吸熱剤、放熱剤、保温剤、温感加工剤(例えば、カモミールやカプサイシンのような天然成分など)、冷感加工剤(例えば、キシリトール、ミントのような天然成分など)、遠赤外線放射剤(例えば、ケイ酸ジルコニウム系セラミック)、難燃剤(例えば、リン酸グアニジンのようなリン系化合物及びHBCD(ヘキサブロモシクロドデカン)のような臭素系化合物)、防炎剤(例えば、ホウ酸系複合化合物など)、静電防止剤(例えば、シリコーン樹脂など)、熱遮蔽剤(例えば、ジルコニアのようなセラミック化合物やポリシロキ酸のようなシリコーン化合物)、ガス遮蔽剤(例えば、ポリアセタール、ABS樹脂等)、UV遮蔽剤等の電磁波遮蔽剤(例えば、UV遮蔽(酸化亜鉛などセラミック化合物など)、電子線遮蔽剤(例えば、ITOのような蒸着による電磁波シールド材料など)、放射線遮蔽剤(例えば、タングステンなどを主成分とするタングステン合金)、抗菌剤(例えば、カテキンのような天然抽出物、酸化亜鉛のようなセラミック化合物)、制菌剤(例えば、脂肪族エステル系化合物、有機チッソイオウ系化合物など)、殺菌剤(例えば、塩素化イソシアヌール酸のような塩素系化合物)、抗ウイルス剤、防黴剤、防ダニ剤、防蚊剤、防虫剤、動物忌避剤、汚れ分解剤、花粉付着防止剤、ガス捕集剤、ガス分解剤、マイナスイオン発生剤、医薬品、化粧用剤からなる群から選択される少なくとも1つであることができる。
堅牢度向上剤としては、例えば、湿潤堅牢度向上剤、ガス褪色防止剤、塩素堅牢度向上剤(例えば、樹脂類とチオ尿素、タンニン酸(及びジアミン類)、又は樹脂類とグアニジン系化合物))、摩擦堅牢度向上剤、耐光堅牢度向上剤、汗日光堅牢度向上剤などが挙げられる。
医薬品、及び、化粧用剤としては、例えば、アンチエージング剤(例えば、スレオニン及びメチン)、酸化防止剤(例えば、カテキンやビタミンC、ビタミンEなど)、保湿剤(例えば、スクワランやトレハロースなど天然由来物)、美肌剤(例えば、オリーブなどの植物由来成分、フィチン酸化合物、コエンザイム)、美白剤(例えば、アスコルビン酸やハイドロキノン誘導体などの還元剤、コウジ酸やリノール酸、チロシナーゼ阻害剤、カテコール配糖体、フラボノイド、イソフエルラ酸)、pHバランス剤(例えば、クエン酸)、抗アレルギー剤(例えば、紅茶、ウーロン茶抽出成分)、安眠剤(例えば、植物から抽出したアロマ成分など)などが挙げられる。
また、機能剤としては、電子・電気材料加工剤、例えば液晶層を形成するLCD用スペーサー(グラスファイバー、グラスビーズ等))等も挙げられる。
乾式トナーにおいて、機能剤の含有量は、当該乾式トナーの重量を基準として、例えば、0.1重量%〜20重量%である。
乾式トナーに用いられるバインダ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ可溶性樹脂又は水溶性樹脂として知られる樹脂成分が挙げられる。バインダ樹脂のより具体的な例としては、メラミン樹脂、ロジン変性樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、コラーゲン、ゼラチン、デンプン、キトサンなどやこれらの組合せが挙げられる。本発明に陥られ得る乾式トナーにおいて、上記バインダ樹脂の含有量は、当該乾式トナーの重量を基準として、例えば、75重量%〜95重量%である。
上記乾式トナーは、荷電制御剤、ワックスなどのその他の成分を含有していてもよい。ワックスは後述する感光体ベルトなどへのオフセットを防止するために使用される。荷電制御剤を配合する場合、好ましい配合量は、当該トナーの重量を基準として、例えば、0.2重量%〜1重量%である。ワックスを配合する場合、好ましい配合量は、当該トナーの重量を基準として、例えば、0.1重量%〜5重量%である。
具体的には、本実施形態で使用する乾式トナーは、例えば以下のようにして調製することができる。ここでは、UVカット効果付与用の乾式トナーを例として説明する。水溶性ポリエステル樹脂(87.56重量%)、ワックス(4.61重量%)、負帯電用の荷電制御剤(0.46重量%)、およびUVカット(紫外線吸収)剤(7.37重量%;2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール)を混合し、温度50℃で混練した。この混合物を冷却した後、最大でφ2mm程度に粗粉砕した後、更に微粉砕を行い、更に分級を行って、平均粒径5.8〜6.3μmの粒子からなる粉体を得た。この粉体100%に対して、凝集を防ぐためにシリカやチタンの微粉末を1%程度で加えて、本実施形態で使用する乾式トナーを得ることができる。
続いて、図2に示す構成を有する機能剤固定装置100を用いた機能剤処理された基材の製造方法について説明する。ここでは、基材14として縦糸と横糸を有する布帛に捺染を行う場合について説明する。まず、4トナー作像ユニット15での画像形成について説明する。クリーニング装置24で付着物の除去を行った中間転写ベルト23は、除電装置25で除電処理される。次に、除電された中間転写ベルト23はプーリ21を介して4つの作像ユニット29にまで搬送される。
各作像ユニット29では以下の動作が行われる。まず、クリーニング装置29aで付着物の除去を行った感光体ベルト29kは、除電装置29bで除電処理される、帯電装置29cで所定の帯電がなされ、露光装置29により感光体ベルト29k上に所望の任意の形状の帯電画像すなわち潜像が形成される。その後、感光体ベルト29k上には、現像装置29eにより、機能剤を含む乾式トナーが静電的に供給され、これにより、感光体ベルト29k上にトナー粒子による画像が形成される。そして、感光体ベルト29k上のトナー粒子による画像は、一次転写ローラ29pにより中間転写ローラ23上に転写される。ここで、各作像ユニット29の現像装置29eが提供するトナーは互いに異ならせることが出来、また、露光装置27が形成する潜像も互いに異ならせることができる。これにより、中間転写ベルト23上に最終的に互いに異なる乾式トナーによる4つの画像を重ね合わせたものが完成する。
以上のようにして中間転写ベルト23上に形成された画像は、搬送ベルト13を搬送される基材14に、高圧電源2によって二次転写ローラ16とプーリ22との間に与えられる上述の電界によって転写される。その際、図3に示すように、二次転写ローラ16は基材14および搬送ベルト13を下方から押し上げ、中間転写ベルト23が当該中間転写ベルト23上の乾式トナー粒子Tを基材14の上面に直接押圧しない位置、即ち、基材14の上面と乾式トナー粒子Tとの間の転写ギャップGが0mm以上となる位置で二次転写ローラ16は停止している。このような位置では、基材14の上面と中間転写ベルト23上の乾式トナー粒子Tとは、互いに無圧接触状態又は非接触状態にある。
中間転写ベルト23上の画像が転写された基材14は、固定装置17に送られる。固定装置17として、例えば、赤外線ヒーター(好ましくは、遠赤外線ヒーター等)のような非接触加熱器が使用できる。
このようにして、固定装置17により画像が固定された布帛は、機能剤が固定された基材であり、印捺物とも言われるものである。
続いて、乾式トナーによる画像が固定された基材14は、次に剥離ローラ18で搬送ベルト13から剥がされ、必要に応じて、より強固にトナーを固着させたり、後工程が行われる。
なお、図1の装置では、作像ユニット15により4つの画像を重ねて形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの画像でもよく、4つ以外の複数の画像を重ねてもよい。
(第二実施形態)
続いて、第二実施形態に係る機能剤固定装置200について図4を参照して説明する。図4の機能剤固定装置200もまた、4トナー一括転写方式で機能剤の固定を行うことができる。以下では、機能剤固定装置100と異なる点のみについて説明し、同一の部分については説明を省略する。この機能剤固定装置200は、基材14に転写するために4つの異なるトナーを用いた画像を形成できる作像ユニット(静電保持部)15Aおよび転写ユニット70Aを備える。
作像ユニット15Aは、上下に配されたプーリ21A、22Aと、これらのプーリの間に巻装された感光体ベルト23Aを備える。プーリ21A、22Aの間には、感光体ベルト23Aの上に、感光体ベルト23A上の付着物を除去するクリーニング装置24と、感光体ベルト23Aの除電を行う除電装置25と、感光体ベルト23Aを帯電させる帯電装置26と、感光体ベルト23A上に潜像を形成する露光装置27とを備えている。また、この感光体ベルト23Aの下流側には、感光体ベルト23Aの表面に沿って4つの現像装置29eが並んで配置されている。
転写ユニット70Aは、作像ユニット15Aのプーリ22Aの下方に配置される。転写ユニット70Aは、プーリ71A、73A、75Aと、同プーリを周回する中間転写ベルト(帯電体)77Aと、を備える。さらに、転写ユニット70Aは、プーリ22Aの下方に転写ベルト77Aを介して一次転写ローラ79Aを備える。一次転写ローラ79Aには、感光体ベルト23A上に形成されたトナーによる画像を中間転写ベルトに転写させるためのトナーとは逆の転写電位を発生させるための高電圧が高圧電源4により供給される。
さらに、転写ユニット70Aのプーリ73Aの下方には、搬送ベルト13および基材14を介して二次転写ローラ16が設けられている。この二次転写ローラ16は、機能剤固定装置100と同様に、高圧電源2及び転写ギャップ調整装置16aを有しており、機能剤固定装置100と同様に二次転写ベルト77A上の乾式トナーにより形成されている画像を基材14上に転写可能である。
機能剤固定装置200では以下のようにして基材14上に機能剤を含有するトナーによる画像の重ね合わせが形成される。
まず、プーリ21A、22Aが回転し、感光体ベルト23Aの表面が除電装置25にて除電され、ベルト全体が帯電装置26によって予め帯電される。その後、露光装置27により潜像が感光体ベルト23Aに形成される。その後、4つの現像装置29eのうちの形成された潜像に対応する1つの現像装置29eが作動し、当該潜像に対応したトナー粒子による画像が感光体ベルト23Aに形成される。
次いで、現像装置により形成された画像は、プーリ22Aの下方において、転写ユニット70Aの一次転写ローラ79Aの電位により、感光体ベルト23Aと転写ベルト77Aとの間に印加される転写電界によって転写ベルト77A側に転写される。作像ユニット15A内のプーリ21A、22Aと、転写ユニット70Aのプーリ71A、73A、75Aとの回転を通じ、感光体ベルト23Aに形成された画像が転写ベルト77A側に転写される。その後、感光体ベルト23Aはクリーニング装置24で付着物が除去され、除電、帯電、露光を通じ、現像装置にて他のトナーによる画像が形成され、転写ベルト77Aに重ねて転写される。
こうした転写を繰り返すことにより、転写ベルト77Aに異なるトナーによる画像の重ね合わせが静電的に提供される。
その後、転写ベルト77A上の画像は、図2に示す機能剤固定装置100と同様にして搬送ベルト13上の基材14に、二次転写ローラ16及び高圧電源2、転写ギャップ調整装置の作用により飛翔して転写される。転写後、基材14上の画像は、図2に示す機能剤固定装置100と同様にして固定装置17にて固定される。
このような実施形態でも、前述の実施形態と同様の効果を有する。
(第三実施形態)
図5は、本発明のさらに別の第三実施形態に係る機能剤固定装置300を表す概念図である。図5の機能剤固定装置300もまた、4トナー一括転写方式でトナーの固定を行うことができる。以下では、図2の機能剤固定装置100と異なる点のみについて説明し、同一の部分については説明を省略する。この機能剤固定装置300は、それぞれの機能剤含有トナーによる画像を形成する4つの作像ユニット(静電保持部)15Bが搬送ベルト13上にタンデムに配置されている。
作像ユニット15Bは、上下に配されたプーリ21A、22Aと、これらのプーリの間に巻装された感光体ベルト(帯電体)23Aを備える。プーリ21A、22Aの間には、感光体ベルト23A上に、感光体ベルト23A上の付着物を除去するクリーニング装置24と、感光体ベルト23Aの除電を行う除電装置25と、感光体ベルト23Aを帯電させる帯電装置26と、感光体ベルト23A上に潜像を形成する露光装置27とを備えている。また、この感光体ベルト23Aの下流側には、現像装置29eが配置されている。
各現像装置29e中に充填される乾式トナーの機能剤は、互いに異なることが出来る。
さらに、作像ユニット15Bのそれぞれの下方には、搬送ベルト13および基材14を介して転写ローラ16bがそれぞれ設けられている。この転写ローラ16bには、トナーと逆符号の転写電位を発生させるための高圧電源2から高電圧がそれぞれ供給されており、また、転写ギャップ調整装置16aが設けられており、これにより、各作像ユニット15B内の感光体ベルト23A上の乾式トナーにより形成されている画像が基材14上に順次転写される。
また、搬送ベルト13上には、図2に示す機能剤固定装置100と同様の固定装置17が設けられている。基材14上に転写された画像は、図2に示す機能剤固定装置100と同様にして固定装置17にて固定される。
機能剤固定装置300では以下のようにして基材14上に機能剤を含有するトナーによる画像の重ね合わせが形成される。
まず、各作像ユニット15Bにおいて、プーリ21A、22Aが回転し、感光体ベルト23Aの表面が除電装置25にて除電され、ベルト全体が帯電装置26によって予め帯電される。その後、露光装置27により潜像が感光体ベルト23A上にそれぞれ形成される。その後、形成された潜像に対応する現像装置29eがそれぞれ作動し、当該潜像に対応した画像が感光体ベルト23Aにそれぞれ形成される。
次いで、現像装置29eにより形成された画像は、プーリ22Aの下方において、転写ローラ16bの電位により、感光体ベルト23Aと搬送ベルト13との間に生じる電界によって基材14上にそれぞれ転写される。このとき、各現像装置29eの転写位置に応じて作像タイミングを同期させることにより、搬送ベルト13上の基材14に対して所望の機能剤を含有するトナーによる画像の重ね合わせを静電的に形成できる。
このような実施形態でも、前述の実施形態と同様の効果を有する。
(第四実施形態)
図6は、本発明の他の第四実施形態に係る機能剤固定装置200の概略構成図である。機能剤固定装置100,200,300では、任意の画像を感光体ベルトや転写ベルト上に形成して布帛等の基材に転写する方法について説明したが、第四実施形態では任意の画像は形成できず、布帛等の基材の全面に機能剤が固定され、この画像はベタ画像とも呼ばれる。
本実施形態では、図1の機能剤固定装置100における4トナー作像ユニット15に代えて、単一の機能剤含有トナーによるベタ画像を供給する作像ユニット35が設けられており、それ以外の部分には機能剤固定装置100と同じ構成要素が設けられ、対応する構成要素には同じ参照符号が付されている。
作像ユニット35は、帯電体として、感光体ではなく金属製のトナー搬送ドラム33を備えている。従って、トナー搬送ドラム33は帯電しても電荷が均一に分布するので、ベタの潜像が常時形成されることとなる。トナー搬送ドラム33にはトナーを担持するための電圧を与える電源(図示せず)が接続されている。更に、作像ユニット35は、トナー搬送ドラム33にトナーを供給するためのトナー付与装置38を備えている。また、トナー搬送ドラム33の下方には、トナー転写量を制御するための転写電極30と、転写電極30に転写電圧を与えるための電源(図示せず)とが配置されている。転写電極30には乾式トナーを通過させるための開口部31が設けられ、開口部31の下方には、二次転写ローラ16bが設けられている。二次転写ローラ16bには、高圧電源2及び転写ギャップ調整装置16aが設けられている。
トナー搬送ドラム33には電圧が印加(500〜1000V)されており、トナー付与装置38のトナーはその電圧と逆極性に帯電しているので、トナーはトナー搬送ドラム33の表面に付着して、トナー搬送ドラム33の回転により開口部31まで運ばれる。転写ローラ16bにはトナー搬送ドラム33よりも高い同極性の電圧が印加(1000〜2000V)されている。この条件下で転写電極30に制御電圧を印加(500〜1500V)すると、トナーは被記録体である基材14に向かって飛翔する。飛翔するトナーの量は、転写電極30の電圧によってコントロールされ、その電圧が大きいほどその量は多くなる。以後、基材14上のトナーは、図2の装置と同様に、固定装置17で固定され、必要に王子と行われる加熱工程などを経て、最終製品の機能剤が固定された基材となる。
本発明の実施形態は上述に限定されずさまざまな変形態様が可能である。
例えば、静電保持部の形態も上述の態様には限定されない。また、転写部の構成は上記に限定されず、帯電体と対面する基材に対して帯電体上の乾式トナーを電界により飛翔させられるものであればよい。さらに、電界印加部の構成も特に限定されず、トナー粒子を飛翔させられる電界を発生できればよい。
また、基材搬送部の構成も、搬送ベルトに限定されない。また、固定部の態様も上記実施形態に限定されず、加熱ロールによるプレスでもよい。
また、第一〜第三実施形態では、機能剤を含むトナーを4つ用いているが、これに限定されず、トナーの数は、一つでも、2つでも、3つでも、5つ以上でもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし本発明はこれに限定されるものではない。
(トナー組成物T1の製造)
主成分としてポリエステル樹脂(三菱レイヨン(株)製ダイヤクロン)95重量部、ワックス1重量部、荷電制御剤(オリヱント化学工業(株)製サリチル酸系金属錯体)1重量部、機能剤付与確認剤として染料(日本化薬(株)製 Disperse Blue 60)3重量部とを混合し、粉砕法によりトナー(T)を得た。粉砕後、外添剤として小粒径シリカ 0.3重量部、大粒径シリカ 1重量部にて表面処理を行い、乾式トナー(以下トナーT1)を得た。
(機能性トナー組成物TU1の製造)
主成分としてポリエステル樹脂(三菱レイヨン(株)製ダイヤクロン)89.7重量部、ワックス1重量部、荷電制御剤(オリヱント化学工業(株)製サリチル酸系金属錯体)1重量部、機能剤付与確認剤として染料(日本化薬(株)製 Disperse Blue 60)3重量部、及びチヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製)5重量部とを混合し、粉砕法によりトナー(TU)を得た。粉砕後、外添剤として小粒径シリカ 0.3重量部、大粒径シリカ 1重量部にて表面処理を行い、機能剤入り乾式トナー(以下機能性トナーTU1)を得た。
チヌビン326は、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノールであり、これ自身が紫外線吸収効果を持つ機能剤である。
(画像サンプルの作成)
乾式トナー(トナーT1及び機能性トナーTU1)を図2の製造装置を用いて静電写真方式により100%ポリエステル繊維で構成されているサテン(目付90g/平米)上に固定し、乾式トナーT1を用いて作成したトナー固定画像T1-Aを得た。同じく乾式トナーTU1を用いて作成したトナー固定画像TU1-A、TU1-B、TU1-Cを得た。ここで、T1-A、TU1-Aはベタ画像、TU1-B、TU1-Cは絵柄サンプルとした。
(耐光性評価)
サンプルT1-A及びTU1-Aに対して、JIS L-0842(2009)第3露光法、5級照射(63℃×40時間)による耐光堅牢度試験を行った。また、試験後JIS L-0804により規定された変退色用グレースケール(日本規格協会製)を用いて級数判定を行った。その結果サンプルT1-Aが2-3級に対し、サンプルTU1-Aは3-4級と明らかな耐光性の向上がみられた。
サンプルT1-A及びサンプルTU1-Aに対して、分光光度計(X-rite社 スペクトロアイ LT)を用いてID値測定を行った。その結果T1-AのID値0.99に対しTU1−AのID値0.96とほぼ同等の濃度と言う事が確認できた。すなわち、機能剤の有無による色彩の違いは実質的に生じていなかった。
また、サンプルT1-A及びサンプルTU1-A、TU1-B、TU1-Cの紫外線吸収能を確認するため、ブラックライト(東芝ライテック社製、消費電力15W、紫外線出力1.8W)をランプホルダーにより高さ45cmに固定し、光を照射した。サンプルT1-Aと、サンプルTU1-A、との間、及び、TU1-B、TU1-Cの印刷部と非印刷部とでは、目視により容易に判別できる大きな紫外線吸収効果の差がみられた。
本発明によれば、機能剤を所望の場所に鮮明に基材に固定することができるので、種々の分野で利用可能である。
2 高圧電源(電界印加部)
11 プーリ
12 プーリ
13 搬送ベルト(基材搬送部)
14 布帛
15,15A、15B 作像ユニット(静電保持部)
16 二次転写ローラ
16b 転写ローラ
17 固定装置(固定部)
18 剥離ローラ
19 転写部
21 プーリ
22 プーリ
23 中間転写ベルト(帯電体)
23B 感光体ベルト(帯電体)
24 クリーニング装置
25 除電装置
26 帯電装置
27 露光装置
29 作像ユニット
29p 一次転写ローラ
29K 一次転写ローラ
30 転写電極
31 開口部
33 トナー搬送ドラム(帯電体)
35 トナー付与ユニット(静電保持部)
38 トナー付与装置
77A 中間転写ベルト(帯電体)
100、200、300、400 機能剤固定装置
G 転写ギャップ(間隙)

Claims (11)

  1. 機能剤が固定された基材の製造方法であって、
    染料以外の機能剤とバインダ樹脂とを含有する少なくとも1種の乾式トナーを帯電体上に静電的に提供する工程;
    前記乾式トナーを前記帯電体上から基材に転写する工程;および
    前記転写された乾式トナーを前記基材に固定する工程;を備え、
    前記転写工程では、前記帯電体上と前記基材との間に電界を印加することにより、前記帯電体上の乾式トナーを前記帯電体から前記基材に対して飛翔させる方法。
  2. 前記機能剤は帯電性を有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記機能剤は、前記基材の堅牢度向上剤、濃染化剤、蛍光剤、脱色剤、防染剤、抜染剤、風合い改質剤、平滑剤、抗ピル剤、抗スナッギング剤、スリップ防止剤、柔軟剤、透明加工剤、光沢加工剤、目詰め加工剤、架橋剤、黄変防止剤、防臭剤、芳香剤、防皺剤、吸湿剤、吸水剤、撥水剤、撥油剤、透湿剤、防汚剤、親油剤、透湿防水剤、汚れ付着防止剤、蓄熱剤、発熱剤、蓄冷剤、吸熱剤、放熱剤、保温剤、温感加工剤、冷感加工剤、遠赤外線放射剤、難燃剤、防炎剤、静電防止剤、熱遮蔽剤、ガス遮蔽剤、電磁波遮蔽剤、電子線遮蔽剤、放射線遮蔽剤、抗菌剤、制菌剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、防黴剤、防ダニ剤、防蚊剤、防虫剤、動物忌避剤、汚れ分解剤、花粉付着防止剤、ガス捕集剤、ガス分解剤、マイナスイオン発生剤、医薬品、化粧用剤からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記基材は、表面に凹凸を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記基材がプラスチックフィルム、プラスチックシート、又は、布帛である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記転写工程において、前記電界を、前記帯電体上の乾式トナーと前記基材との間に間隙が設けられた状態、または、前記帯電体が前記乾式トナーを前記基材に対して押圧しない状態で印加する、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
  7. 基材を搬送する基材搬送部;
    染料以外の機能剤とバインダ樹脂とを含有する少なくとも1種の乾式トナーを帯電体上に静電的に保持させる静電保持部;
    前記帯電体上に保持された乾式トナーを、前記基材搬送部により搬送される基材に転写する転写部;および
    前記基材搬送部上において前記転写部よりも下流に設けられており、かつ前記転写された前記乾式トナーを前記基材に固定する固定部;を備え、
    前記転写部は、前記基材搬送部上の基材と前記帯電体との間に、前記帯電体上の乾式トナーを前記帯電体から前記基材に飛翔させる電界を印加する電界印加部を備える、機能剤固定装置。
  8. 前記機能剤が帯電性を有する請求項7に記載の装置。
  9. 前記機能剤は、前記基材の堅牢度向上剤、濃染化剤、蛍光剤、脱色剤、防染剤、抜染剤、風合い改質剤、平滑剤、抗ピル剤、抗スナッギング剤、スリップ防止剤、柔軟剤、透明加工剤、光沢加工剤、目詰め加工剤、架橋剤、黄変防止剤、防臭剤、芳香剤、防皺剤、吸湿剤、吸水剤、撥水剤、撥油剤、透湿剤、防汚剤、親油剤、透湿防水剤、汚れ付着防止剤、蓄熱剤、発熱剤、蓄冷剤、吸熱剤、放熱剤、保温剤、温感加工剤、冷感加工剤、遠赤外線放射剤、難燃剤、防炎剤、静電防止剤、熱遮蔽剤、ガス遮蔽剤、電磁波遮蔽剤、電子線遮蔽剤、放射線遮蔽剤、抗菌剤、制菌剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、防黴剤、防ダニ剤、防蚊剤、防虫剤、動物忌避剤、汚れ分解剤、花粉付着防止剤、ガス捕集剤、ガス分解剤、マイナスイオン発生剤、医薬品、化粧用剤からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項7または8に記載の装置。
  10. 前記基材搬送部は、表面に凹凸を有する基材を搬送する請求項7〜9のいずれか記載の装置。
  11. 前記転写部は、前記帯電体上の乾式トナーと前記基材との間に間隙を有する、または、前記転写部の帯電体は、前記帯電体上の前記乾式トナーを前記基材に対して押圧しない、請求項7〜10のいずれか一項に記載の装置。
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