JP2011528364A - アテローム性動脈硬化症の治療 - Google Patents

アテローム性動脈硬化症の治療 Download PDF

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Abstract

本発明は、アデノシンA2B受容体拮抗薬及び、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩を、単独で、又はその他の抗アテローム性動脈硬化症薬と組み合わせて、その治療有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することによる、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療するためのこれらの使用に関している。
【選択図】図12

Description

本発明は、アデノシンA2B受容体拮抗薬、及びアデノシンA2B受容体拮抗薬又はそれらの薬学的に許容される塩を、単独で又はその他の抗アテローム性動脈硬化症薬と組合わせて、その治療有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することによるアテローム性動脈硬化症を予防及び治療するためのこれらの使用に関する。
心血管疾患は、特に米国及び西欧諸国において、罹患率及び死亡率の主因である。心血管疾患で最も高頻度に見られる、アテローム性動脈硬化症は、心臓発作、脳卒中及び血管循環問題の本質的原因である。アテローム性動脈硬化症は、多くの細胞型、生化学的事象及び分子的因子に関連している複雑な疾患である。病気に対する遺伝的素因、性別、喫煙及びダイエットのような生活習慣、年齢、高血圧、及び高コレステロール血症を含む高脂血症を含む、幾つかの原因因子が、心血管疾患の発症に関係している。これらの因子の幾つか、特に高脂血症及び高コレステロール血症(高血中コレステロール濃度)がアテローム性動脈硬化症に関連する重要な危険因子をもたらしている。
コレステロールは、カイロミクロンとして一般に知られている、リポタンパク質粒子、超低密度リポタンパク質(VLDLs)、低密度リポタンパク質(LDLs)、及び高密度リポタンパク質(HDLs)内に遊離及びエステル化したコレステロールとして、血中に存在している。血中総コレステロールの濃度は、(1)消化管からのコレステロールの吸収、(2)炭水化物、タンパク質、脂肪及びエタノールのような食品成分からのコレステロールの合成、及び(3)組織、特に肝臓による血液からのコレステロールの除去、及びそれに続くコレステロールの胆汁酸、ステロイドホルモン、及び胆汁性コレステロールへの変換、による影響を受ける。コレステロールの蓄積による、マクロファージ泡沫細胞の形成が、アテローム性動脈硬化症の発症における重要な事象である。
血中コレステロール濃度の維持は、遺伝因子及び環境因子の両方による影響を受ける。遺伝因子は、コレステロール生合成における律速酵素の濃度、肝臓における低密度リポタンパク質の受容体の濃度、コレステロールを胆汁酸へ変換する律速酵素の濃度、リポタンパク質を合成及び分泌する速度、及びヒトの性別を包含する。ヒトにおける血中コレステロール濃度の止血に影響する環境因子は、食事構成、喫煙率、身体的活動、各種医薬品の使用を包含する。食事変数は、脂肪(飽和及び多価不飽和脂肪酸)の量及び種類、コレステロールの量、繊維の量及び種類、及び多分、ビタミンC及びDのようなビタミン並びにカルシウムのようなミネラルの量を包含する。
臨床研究によって、高い血漿LDL濃度が、加速されたアテローム発生、すなわち、アテローム性動脈硬化症の形成と関連するということが確証されている。
一方、高血圧が、脳卒中、心臓発作、心不全及び不整脈のような心血管疾患の主な原因であるということがよく認識されている。高血圧は、体中を循環する血管内の血液の圧力が正常より高い状態(疾患)である。長時間にわたって収縮期圧が150mmHgより高い或いは拡張期圧が90mmHGを上回るときは、身体に損傷を受ける。例えば、過度な収縮期圧は何れかの血管を破裂させる可能性があり、脳内でそれが起こると、脳卒中をもたらす。高血圧は、最終的にアテローム性動脈硬化症をもたらす、血管の肥厚及び狭窄も引き起こす。
しかしながら、高血圧を減少させても、冠動脈疾患の罹病率及び死亡率に期待したより低い影響を与える。考えられる1つの理由は、抗−高血圧薬の異なった抗−動脈硬化能力である。高血圧の減少は、それ自体、抗−動脈硬化作用を有しているが、ある抗−高血圧薬については、血圧低下を凌駕する抗−動脈硬化特性が実験的及び臨床的に証拠付けられている。例えば、カルシウム拮抗薬については、大動脈脂質沈着の縮小及び動脈増殖の減少を報告する、実験データが発表されている。
アデノシンは、A、A2A、A2B及びAに分類される4つの細胞膜受容体の活性化を介して多数の生理学的機能を発揮する。全てのアデノシンサブクラスがG−タンパク質結合受容体に属しているが、これらは異なったセカンドメッセンジャー系に関連している。最近、アデノシンA2Bアデノシン受容体の分子薬理学及び生理学の理解において著しい進歩を遂げている。
アデノシンA2B受容体は、肥満細胞分泌、遺伝子発現、細胞増殖、腸管機能、神経分泌、血管拡張及び喘息の調節に関連していると考えられている。一般にA2Bアデノシン受容体サブタイプの拮抗薬は抗炎症作用を有していると開示されている。
驚くべきことに、アデノシンA2B受容体拮抗薬は、アデノシンA2B受容体拮抗薬の抗炎症効果とは無関係に、アテローム性動脈硬化性プラーク蓄積の進行を阻害又は遅延することにより、アテローム性動脈硬化症の予防及び治療に用いることができるということをこの度見出した。従って、アデノシンA2B受容体拮抗薬は、脳卒中及び心臓発作の予防にも用いることができる。更に驚くべきことに、アデノシンA2B受容体拮抗薬は、アテローム性動脈硬化性プラークの退縮のために用いることができる。
従って、本発明は、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、それに続く脳卒中及び心臓発作を予防する方法を提供し、その方法はアデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量を、単独で又はその他の治療薬剤と組合わせて、哺乳動物に投与することを含有している。
本発明の方法で用いられるアデノシンA2B受容体拮抗薬は、これに限定されないが、式
Figure 2011528364
(式中の、R、R、R、R、R、R、G、及びGは本明細書の発明の詳細な説明に記載されているような意味を有している)の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩を包含する。
本発明のその他の目的、特徴、利点及び態様は以下の記載及び添付されている特許請求の範囲から当業者には明らかになるだろう。しかしながら、以下の記載、添付されている特許請求の範囲、及び具体的な実施例は、本発明の好ましい実施態様を示しているとはいえ、説明することだけを目的として示されていることを理解されたい。開示されている発明の精神及び範囲内の多様な変更及び修正は以下の記載から当業者には容易に明らかになるだろう。
図1A、1B、1C及び1Dは、正常酸素(N)及び低酸素(H)条件下での、PMAで処理したU937細胞、ヒトマクロファージ(HM)及び泡沫細胞(FC)における、アデノシンA、A2A、A2B及びA3受容体のmRNA及びタンパク質の発現をそれぞれ示す。アデノシンA2B受容体の発現レベルを、各試料における内部標準(βアクチン)の発現レベルに対して正規化している。 図2A、2B、2C及び2Dは、正常酸素(N)及び低酸素(H)条件下での、PMAで処理したU937細胞、ヒトマクロファージ(HM)及び泡沫細胞(FC)における、アデノシンA、A2A、A2B及びA3受容体の発現のウェスタンブロット分析をそれぞれ示す。細胞抽出物を調製して、抗A、A2A、A2B及びA3抗体を用いるイムノブロットアッセイに付した。チューブリンはタンパク質の等負荷を示す。 図3A、3B、3C及び3Dは、結合試験によって評価した、ヒトA、A2A、A2B及びA3アデノシン受容体のBmax(タンパク質のfmo/mg)をそれぞれ示す。値は平均値であって、縦軸は、それぞれ3回実施した4つの独立した実験の平均の標準誤差(S.E.)を表す。 図4A、4B、4C、4D、4E、4F及び4Gは、正常酸素(N)条件下(それぞれ、図4A、4C及び4E)及び低酸素(H)条件下(4B、4D、4F及び4G)での、PMAで処理したU937細胞、ヒトマクロファージ(HM)及び泡沫細胞(FC)におけるHIF−1αに対する100μMアデノシンの効果を示す。U937細胞を、50及び100μgのoxLDLで処理した(図4E、4G及び4F)。HIF−1βはタンパク質の等負荷を示す。HIF−1αのウェスタンブロットのデンシトメトリー定量化では、平均±S.E.値(N=3)であり;対照と比較してP<0.05。 図5は、HIF−1αの蓄積及び100nMのMRE−3008F20、SCH58261、DPCPX及びMRE−2029F20による拮抗作用に対するアデノシン(100nM)の効果を示す。HIF−1αウェスタンブロットのデンシトメトリー定量化では、平均±S.E.値(N=3)である。 図6は、アデノシン受容体作動薬の非存在下(カラム1)、及び存在下:10及び100nMのCHA(カラム2、3);500及び1000nMのCGS21680(カラム4、5);10及び100nMの1−デオキシ−1−[6−{4−[(フェニルカルバモイル)−メトキシ]フェニルアミノ}−9H−プリン−9−イル]−N−エチル−β−D−リボフラヌロンアミド(カラム6、7);10及び100nMのCI−IB−MECA(カラム8、9):におけるHIF−1αの蓄積を示す。HIF−1αウェスタンブロットのデンシトメトリー定量化では、平均±S.E.値(N=3)であり;対照と比較してP<0.05。 図7A、7B、7C、7D、7E、7F、7G、7H及び7Iは、泡沫細胞(FC)におけるsiRNAトランスフェクションによるアデノシン受容体サイレンシングを示す。リアルタイムRT−PCRによる、βアクチンmRNAに関連している、アデノシン受容体mRNAの相対的定量化。泡沫細胞を、A、A2A、A2B及びAアデノシン受容体のmRNAでトランスフェクトして(それぞれ、図7A、7B、7C及び7D)、24時間、48時間及び72時間培養した。プロットは平均±S.E.値(N=3)であり、対照と比較して(0時点)P<0.01。それぞれのアデノシン受容体サブタイプのsiRNAで処理して24、48及び72時間培養した泡沫細胞由来のタンパク質抽出物の、抗A、A2A、A2B及びA受容体ポリクローナル抗体を用いるウェスタンブロット分析(それぞれ、図7E、7F、7G及び7H)。チューブリンはタンパク質の等負荷を示す。図7Iは、siRNAの非存在下(カラム2)、A、A2A、A2B又はAアデノシン受容体のsiRNAの存在下(それぞれ、カラム3、4、5、6)、並びにA、A2A、A2B及びAアデノシン受容体のsiRNAの同時存在下(siAdoRs)(カラム7)における、HIF−α調節に対するアデノシンの効果を示す。ウェスタンブロットのデンシトメトリー定量化では、平均±S.E.値(N=3)であり;対照(カラム1)(72時間スクランブルトランスフェクションした細胞)と比較してP<0.05。 図8は、VEGF分泌に対するアデノシンの効果を示す。泡沫細胞を、100nMのDPCPX、SCH58261、MRE−3008F20又はMRE−2029F20の存在下及び非存在下で100μMのアデノシンで処理した。棒グラフは平均値であり、そして縦軸はそれぞれ3回実施した、4つの独立した実験の平均の標準誤差を示し;対照又は72時間スクランブルトランスフェクションした細胞(−siRNA)と比較してP<0.05。 図9は、IL-8分泌に対するアデノシンの効果を示す。泡沫細胞を、100nMのDPCPX、SCH58261、MRE−3008F20又はMRE−2029F20の存在下及び非存在下で100μMのアデノシンで処理した。棒グラフは平均値であり、そして縦軸はそれぞれ3回実施した、4つの独立した実験の平均値の標準誤差を示し;対照又は72時間スクランブルトランスフェクションした細胞(−siRNA)と比較してP<0.05。 図10A,10B、10C及び10Dは、アデノシンA受容体拮抗薬MRE−3008F20の添加による、oxLDL及びアデノシンの存在下でのPMAで処理したU937細胞からの泡沫細胞形成の阻害を示す。細胞を、oxLDLの非存在下で(図10A)、oxLDL(50μg/mL)の存在下であるが、アデノシンの非存在下で(図10B)、又はoxLDL(50μg/mL)及びアデノシン(100μM)の存在下で(図10C)、37℃で24時間の培養による並行培養でオイルレッドOで脂肪染色し、続いてパラホルムアルデヒド固定した。図10Dは、oxLDL及びアデノシンが誘発する泡沫細胞形成に対するA受容体拮抗薬MRE−3008F20(100nM)の効果を示す。 図11A、10B及び10Cは、アデノシンA受容体拮抗薬VUF5574の添加による、oxLDL及びアデノシンの存在下でのPMAで処理したU937細胞からの泡沫細胞形成の阻害を示す。細胞を、oxLDL(50μg/mL)の存在下であるが、アデノシンの非存在下で(図11A)、又はoxLDL(50μg/mL)及びアデノシン(100μM)の存在下で(図11B)、37℃で24時間の培養による並行培養でオイルレッドOで脂肪染色し、続いてパラホルムアルデヒド固定した。図11Cは、oxLDL及びアデノシンが誘発する泡沫細胞形成に対するA受容体拮抗薬VUF5574(10nM)の効果を示す。 図12A、12B、12C及び12Dは、アデノシンA2B受容体拮抗薬MRE−2029F20の添加による、oxLDL及びアデノシンの存在下でのPMAで処理したU937細胞からの泡沫細胞形成の阻害を示す。細胞を、oxLDLの非存在下で(図12A)、oxLDL(50μg/mL)の存在下であるが、アデノシンの非存在下で(図12B)、又はoxLDL(50μg/mL)及びアデノシン(100μM)の存在下で(図12C)、37℃で24時間の培養による並行培養でオイルレッドOで脂肪染色し、続いてパラホルムアルデヒド固定した。図12Dは、oxLDL及びアデノシンが誘発する泡沫細胞形成に対するアデノシンA2B受容体拮抗薬MRE−2029F20(100nM)の効果を示す。
本明細書の上で述べたように、マクロファージ泡沫細胞形成は、アテローム性動脈硬化性病変及びプラークの進行における重要な過程である。アテローム性動脈硬化症は、動脈の壁にある損傷易発性部位の内皮細胞の機能障害によって始まって、動脈内膜への単球の侵入をもたらす。次いで、これらの細胞は、徐々にコレステロールを負荷した大きい「泡沫細胞」に変化する、大量の酸化LDL(oxLDL)を取り込むマクロファージに分化する。顕微鏡下では、この時点で、動脈壁中の脂肪線条として病変が現れる。アテローム性動脈硬化性病変の進行によって、動脈壁の厚さが増大して内膜への酸素伝播が著しく減少する。これらの低酸素領域は、これらの細胞がアテローム性動脈硬化性病変及びプラークが発症している間は低酸素に見舞われることを露呈する大量の泡沫細胞を含有している。実際、動脈壁における酸素の需要と供給のアンバランスがアテローム性動脈硬化性病変の進行に対する重要な因子であると示唆されている(Bjornheden et al., Arterioscler. Thromb. Vasc., 1989, 19, 870-876)。
低酸素に対する細胞応答に関与している最も重要な因子である、低酸素誘導因子−1(HIF−1)は、誘導発現されるHIF−1αサブユニット及び恒常的に発現されるHIF−1βサブユニットからなるヘテロ二量体転写因子である(Semenza et al., Trends Mol. Med.,2001, 7:345-350)。oxLDLが低酸素誘導因子−1(HIF−1)のヒトMono−Mac−6マクロファージ内への蓄積を誘発することが報告されていて、HIF−1がアテローム性動脈硬化症に関与していることを示唆している。HIF−1が血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の発現及び血管形成に重要な役割を果たしているということは、VEGFがマクロファージのアテローム発生及び血管形成活性に関連する重要な変更を介在するという認識によって確立されている。最近の研究結果では、アテローム性動脈硬化性プラーク内の新血管形成が進行したアテローム性動脈硬化症/再狭窄の兆候であることを示唆している(Shatrov et al., Blood, 2003, 101:4847-4849)。更に、アテローム性動脈硬化状態ではマクロファージにおけるHIF−1の高発現が泡沫細胞形成及びアテローム性動脈硬化症を促進することが報告されている(Jiang et al., Eur. J. Pharmacol., 2007, 562:183-190)。
ヒトのアテローム性動脈硬化組織から単離された泡沫細胞は、その他の強力な血管形成剤、インターロイキン−8(CXCL−8、IL−8)のレベルの上昇を示す。最近、CXCL8が、ウサギ及びヒト動脈硬化性プラーク内の低酸素領域中で見つけられた泡沫細胞によって上方制御されることが示されている。泡沫細胞からのCXCL8の低酸素誘発分泌が、平滑筋、血管内皮及びT細胞のアテローム性動脈硬化性プラーク内への動員、それによるプラークの進行を引き起こすだろうということが報告されている。アテローム性動脈硬化症及び癌の全てのステージにおいて、新血管形成が組織病理学の主要特性である。
プリンヌクレオシドである、アデノシンは、特にエネルギーの供給が細胞エネルギーの需要量を満たさないとき、組織機能の主要な局所調節因子として合意の上に同定されているので、1980年代には、報復的代謝物と評価されていた(Newby A.C., Trends Biol. Sci., 1984, 9:42-44)。低酸素、虚血、炎症及び損傷の間は、アデノシン濃度が非常に高濃度に達すると考えられる。このような条件下で、アデノシンは細胞外空間に放出されて、細胞外G−タンパク質の活性化を介して、アデノシン受容体、すなわち、アデノシンA、A2A、A2B及びA受容体サブタイプ、を結合するように伝達する。A受容体の活性化を介して、アデノシンが、ある特定の癌細胞株において、低酸素条件下でHIF−1αの蓄積を誘発して、引き続きVEGF濃度を増大することが報告され、癌性血管形成におけるアデノシンの強力な役割を示唆している(Merighi et al., Biochem. Pharmacol., 2006, 72:19-31; Merighi et al., Mol. Pharmacol., 2007, 72:395-406)。更に、イヌのマクロファージにおいて、アデノシンA2A受容体サブタイプの活性化がHIF−1α及びVEGFの蓄積を誘発するのに対して、単球中で増大した濃度のVEGFがA受容体の活性化と関連していることが、最近報告されている(De Ponti et al., J. Leukoc. Biol., 2007, 82:392-402; Ramanathan et al., Molecular Biology of the Cell, 2007, 18:14-23)。
驚くべきことに、アデノシンA2B受容体がマクロファージの泡沫細胞への低酸素誘導形質転換を促進することがこの度見出された。更に、アデノシンA2B受容体拮抗薬が泡沫細胞の形成を阻害するために使用できるということが見出された。従って、アデノシンA2B受容体拮抗薬は動脈硬化性プラーク蓄積の進行を抑えて遅延させることによってアテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、それに続く脳卒中及び心臓発作を予防するために使用できる。更に驚くべきことに、アデノシンA2B受容体拮抗薬が動脈硬化性プラークの退縮のために使用できることが明らかにされている。
従って、本発明は、泡沫細胞形成を阻害する方法、それによりアテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、それに続く脳卒中及び心臓発作を予防する方法を提供し、この方法は、それを必要としている哺乳動物に、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量を投与することを含有している。
更に本発明は、アデノシンA2B受容体拮抗薬を、(1)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;(3)レニン阻害剤;(4)利尿剤;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB);(6)β−ブロッカー;(7)血小板凝集阻害薬;(8)コレステロール吸収調節薬;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)アシル−CoA:コレステロールO−アシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;及び(12)アデノシンA受容体拮抗薬;又はそれぞれの場合に、それらの薬学的に許容される塩:よりなる群から選ばれる少なくとも1つの別の治療薬と組み合わせて含有してなる、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、それに続く脳卒中及び心臓発作を予防するための併用治療を提供する。
言い換えれば、本発明はアテローム性動脈硬化症の予防及び治療、そしてそれに続く脳卒中及び心臓発作を予防する方法を提供し、その方法は、それを必要としている哺乳動物に、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び:
(1)ACE阻害薬;
(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;
(3)レニン阻害剤;
(4)利尿剤;
(5)カルシウムチャネル遮断薬;
(6)β−ブロッカー;
(7)血小板凝集阻害薬;
(8)コレステロール吸収調節薬;
(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;
(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;
(11)ACAT阻害薬;及び
(12)アデノシンA受容体拮抗薬;
又はそれぞれの場合に、それらの薬学的に許容される塩:
よりなる群から選ばれる少なくとも1つの別の治療薬の組み合わせの治療有効量を投与することを含有している。
以下に記載されているものは、本発明のある特定の態様を述べるために本明細書で用いられている多様な用語のいくつかの定義である。しかしながら、本明細書で用いられている定義は、当該技術分野で一般に知られているようなもので、特定の場合にこれらが別段に限定されていない限り、これらは明細書を通して用いられる。
用語「予防」は、本明細書の上で述べられている疾患の発症を予防するために健康な患者に予防的に投与することを示す。
用語「治療」は、病気、疾患又は障害、例えばアテローム性動脈硬化性プラーク蓄積の進展と闘うことを目的とする患者の管理及びケアと理解される。
用語「治療有効量」は、研究者又は医者が求める組織、系又は動物(ヒトを含む)の目的とする生物学的又は医学的応答を引き起こすであろう薬物又は治療薬の量を示す。
用語「哺乳動物又は患者」は本明細書では互換的に用いられて、これに限定されないが、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ウシ、サル、ウサギ、マウス及び実験動物を包含する。好ましい哺乳動物はヒトである。
用語「薬学的に許容される塩」は、当該技術分野で周知の方法に従って製造できる製薬業界で通常用いられている非毒性の塩を示す。本発明で用いられる化合物の薬学的に許容される塩は、酸で形成される塩、すなわち、鉱酸、有機カルボン酸及び有機スルホン酸、
例えばそれぞれに塩酸、マレイン酸及びメタンスルホン酸のような酸付加塩を示す。同様に、本発明で用いられる化合物の薬学的に許容される塩は、塩基で形成される塩、すなわち、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム塩、更にアンモニウム塩、例えばアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム及びトリス(ヒドロキシメチル)−メチル−アンモニウム塩及び酸性基が構造の一部を構成する場合に、アミノ酸との塩のようなカチオン性の塩を示す。
用語、アデノシンA2B受容体拮抗薬と、本明細書の上で言及されているその他の治療薬、又はいずれの場合も、それらの薬学的に許容される塩、との「併用」は、その成分を、1つの医薬組成物として、又はその1部として、単一剤形で一緒に投与できることを意味する。併用は、アデノシンA受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び本明細書の上で言及されているその他の治療薬(複数も可)、又はいずれの場合も、それらの薬学的に許容される塩を、それぞれ別々にしかし同一投与計画の1部として投与することも包含する。別々に投与する場合に、それが好ましくそれが可能であっても、成分を実質的に同時に投与する必要はない。従って、併用は、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩と、その他の治療薬、又はいずれの場合も、それらの薬学的に許容される塩とを、異なった調剤又は剤形として、しかし同時に投与することも示す。併用は、異なった時点であらゆる順序で別々に投与することも包含する。
本明細書で用いられる用語「低級アルキル」は、対応する1〜10個の炭素原子を有するアルケン由来の、直鎖又は分枝鎖の1価のラジカル、すなわち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル(全ての異性体)等、を意味する。同様に「低級アルキレン」は、対応するアルカンの2価のラジカルを示す。更に、本明細書で用いられる、アルコキシ、アルカノイル、アルケニル、シクロアルケニル、その他のような、アルカンから由来する名称を有するその他の残基は、「低級」で修飾される場合、10個以下の炭素原子の炭素鎖を有する。炭素の最小数が1より大きい、例えばアルケニル(2個の炭素が最小)及びシクロアルキル(3個の炭素が最小)のような場合は、「低級」が、少なくとも炭素の最小数を意味すると理解できる。
本明細書で用いられる用語「置換アルキル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、並びにモノ−及びジアルキルアミノ、モノ−及びジ(置換アルキル)アミノ、モノ−及びジアリールアミノ、モノ−及びジヘテロアリールアミノ、モノ−及びジヘテロシクリルアミノ、並びにアルキル、アリール、ヘテロアリール並びにヘテロシクリルよりなる群から選ばれる異なった置換基を有している非対称ジ置換アミノ基よりなる群から選ばれる、1〜5個の置換基、そして好ましくは1〜3個の置換基を有している、アルキル基、好ましくは1〜10炭素原子のもの(「置換低級アルキル」)を示す。本明細書で用いられる、接頭辞「置換」を有するその他の残基は、1つ又はそれ以上の上記置換基を包含するように意図されている。
本明細書で用いられる用語「アルコキシ」は、基「アルキル−O−」を示し、ここでアルキルは上で定義されているようなものである。好ましいアルコキシ基は、例示すると、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシな等を包含する。
本明細書で用いられる用語「アルケニル」は、好ましくは2〜10個の炭素原子、そしてより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1つ、好ましくは1つ又は2つのアルケニル不飽和部分を有しているアルケニル基を示す。好ましいアルケニル基は、エテニル(−CH=CH)、n−プロペニル(−CH−CH=CH)、イソ−プロペニル(−C(CH)=CH)等を包含する。
本明細書で用いられる用語「アルキニル」は、好ましくは2〜10個の炭素原子、そしてより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1つ、好ましくは1つ又は2つのアルキニル不飽和部分有している、アルキニル基を示す。
本明細書で用いられる用語「アシル」は、基アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−及び複素環−C(O)−、を示し、ここでアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び複素環は本明細書に定義されているようなものである。
本明細書で用いられる用語「アシルアミノ」は、基−C(O)NRRを示し、ここでそれぞれのRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルであって、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルは本明細書に定義されているようなものである。
本明細書で用いられる用語「アリール」は、単環(例えば、フェニル)又は複数の縮合(condensed、fused)環(例えば、ナフチル又はアントリル)を有する、6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基を示す。好ましいアリールは、フェニル、ナフチル等を包含する。特に別段のアリール置換基の定義に制約されない限り、このようなアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリル、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環、ヘテロシクロオキシ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−アリール、−SO−ヘテロアリール、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、トリハロメチルよりなる群から選ばれる1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基で随意に置換されていてもよい。好ましい置換基はアルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、及びチオアルコキシを包含する。
本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」は、単一の環状リング又は複数の縮合環を有している3〜12個の炭素原子の環状アルキル基を示す。このようなシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等のような単環構造、又はアダマンチル等のような多環構造を包含する。
本明細書で用いられる用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを示して、フルオロ、ブロモ又はクロロが好ましい。
本明細書で用いられる用語「ヘテロアリール」は、1〜15個の炭素原子、及び少なくとも1つの環内に(1つより多い環がある場合)酸素、窒素及び硫黄よりなる群から選ばれる、1〜4個のヘテロ原子を有する、芳香族複素環を示す。
特に別段のヘテロアリール置換基の定義に制約されない限り、このようなヘテロアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリル、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環、ヘテロシクロオキシ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−アリール、−S(O)−ヘテロアリール、トリハロメチルよりなる群から選ばれる1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基で随意に置換されていてもよい。好ましい置換基はアルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、及びチオアルコキシを包含する。このようなヘテロアリール基は単環(例えば、ピリジル又はフリル)又は多縮合環(例えば、インドリジニル又はベンゾチエニル)を有することができる。
「複素環」又は「ヘテロシクリル」は、単環又は多縮合環、1〜15個の炭素原子、及びその環内に酸素、窒素及び硫黄よりなる群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子、を有する1価の飽和又は不飽和炭素環基を示す。このような複素環基は、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、ヘテロアリール、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、トリハロメチル等よりなる群から選ばれる1〜5個の置換基で随意に置換されていてもよい。このような複素環基は単環又は多縮合環を有することができる。
1つ又はそれ以上の置換基を含有している上記のあらゆる基に関して、そのような基が、立体的に非現実的でそして/又は合成的に実施不可能である置換又は置換パターンを何れも含んでいないことは、もちろん、理解される。
本発明が適用する適切なアデノシンA2B受容体拮抗薬は、PSB1115カリウム塩、PSB603、MRS1754及びアロキサジン(Sigma-aldrichi 及び/又は Tocris Bioscience から市販されている)を包含する。その他の適切な拮抗薬は、米国特許第6,545,002号;米国特許第6,825,349号;米国特許第6,916,804号;米国特許第7,160,892号;米国特許第7,205,403号;及び米国特許第7,342,006号(これらの全内容は参照により本明細書に取り込まれている)に開示されているようなものを包含する。
随意に、本発明の方法で用いられるアデノシンA2B拮抗薬は、その他のアデノシン受容体サブタイプ、特にアデノシンA受容体サブタイプに対して拮抗活性を示してもよい。
一態様では、本発明は、米国特許第7,205,403号に開示されているアデノシンA2B受容体拮抗薬の治療有効量を、それを必要としている、哺乳動物に投与することによる、泡沫細胞形成を阻害する方法、及びそれ故にアテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、それに続く脳卒中及び心臓発作を予防する方法に関している。
より詳細には、本発明は式(I)のアデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩を用いて、泡沫細胞形成を阻害する方法、及びそれ故にアテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、それに続く脳卒中及び心臓発作を予防する方法を提供する。
Figure 2011528364
式中の、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニルである。
は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルである。
Aは、炭素−炭素結合、1〜4炭素のアルキル鎖、2〜4炭素のアルケニル鎖、又は2〜4炭素のアルキニル鎖である。
Xは、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している(但し、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素である)、置換されていてもよい5又は6員の芳香族複素環である。
Mは、(C〜C)アルキレン、(C〜C)アルケニレン、又は(C〜C)アルキニレンであり、そこではアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基の少なくとも1つの炭素原子はカルボニルとして存在して、アルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基の1つ又はそれ以上の残りの炭素原子は、−O−、−N(R)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−で置き換わっていてもよい。
及びGは、独立してCH又はNである。
、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニル、置換されていてもよいアルコキシ、アラルコキシアルキルチオ、アミノ、置換アミノ、ジ置換アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、アジド、ヒドロキシ、スルフヒドリル、S(O)アルキル、S(O)アルキル、COH、SOHであるか;
又はそれらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している5又は6員の複素環又は芳香族複素環を形成するか;
或いはそれらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が独立して、−OCHO−、−OCH(R)O−、−OC(RO−、−OCHCHO−、−OCHCH−、−CHCHO−、−OCHCHCH−、−CHCHCHO−、−OCH=CH−、−CH=CH−O−、−O−CH=CH−O−、−CH=CH−CH=CH−、−CHCHCH−及び−CHCHCHCH−を含有している縮合環の群から選ばれる、炭素環式又は複素環式の縮合環を形成する。
は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルである。
本発明の特定の実施態様では、本発明の方法は、式(I)の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することによって実施される。
Figure 2011528364
式中の、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニルである。
は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルである。
Aは、炭素−炭素結合、1〜4炭素のアルキル鎖、2〜4炭素のアルケニル鎖、又は2〜4炭素のアルキニル鎖である。
Xは、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有していて(但し、少なくとも1つのヘテロ原子は窒素である)、低級アルキル、アミノ、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アシルオキシ及びアシルアミノよりなる群から選ばれる1個又は2個の置換基で置換されていてもよい、5又は6員の芳香族複素環である。
Mは、(C〜C)アルキレン、(C〜C)アルケニレン、又は(C〜C)アルキニレンであり、そこではアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基の少なくとも1つの炭素原子はカルボニルとして存在して、アルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基の少なくとも1つ又はそれ以上の残りの炭素原子は、−O−、−N(R)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−で置き換わっていてもよいか、
或いは低級アルキルで置換されている炭素である。
及びGは、独立してCH又はNである。
、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニル、アシル、置換されていてもよいアルコキシ、アラルコキシアルキルチオ、アミノ、置換アミノ、ジ置換アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、アジド、ヒドロキシ、スルフヒドリル、S(O)アルキル、S(O)アルキル、COH、SOHであるか;又は
それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している5又は6員の複素環又は芳香族複素環を形成するか;或いは
それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が独立して、−OCHO−、−OCH(R)O−、−OC(RO−、−OCHCHO−、−OCHCH−、−CHCHO−、−OCHCHCH−、−CHCHCHO−、−OCH=CH−、−CH=CH−O−、−O−CH=CH−O−、−CH=CH−CH=CH−、−CHCHCH−及び−CHCHCHCH−を含有している縮合環の群から選ばれる、炭素環式又は複素環式の縮合環を形成する。
は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルである。
式(IA)を有している式(I)の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩が好ましい。
Figure 2011528364
式中の、R及びRは、独立して、(C〜C)アルキル又はアリルである。
Aは、炭素−炭素結合である。
Xは、
Figure 2011528364
よりなる群から選ばれる。
Mは、−NHC(O)CH−、−NHC(O)CHO−、−NHC(O)CH(CH)−、及び−NHC(O)NH−よりなる群から選ばれる。
、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C14)アラ)ルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニル、アシル、置換されていてもよいアルコキシ、アラルコキシ、アミノ、置換アミノ、ジ置換アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、COHであるか;又は
それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している5又は6員の複素環又は芳香族複素環を形成するか;或いは
それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、結合するR及びR又はR及びRのどちらか一方が−OCHO−である、複素環式縮合環を形成する。
式(IB)を有している式(I)の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩も好ましい。
Figure 2011528364
式中の、R及びRは、独立して、(C〜C)アルキルである。
Aは、炭素−炭素結合である。
Xは、
Figure 2011528364
よりなる群から選ばれる。
Mは、−OCHC(O)NH−である。
及びGは、独立してCH又はNである。
、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニル、アシル、置換されていてもよいアルコキシ、アラルコキシ、アミノ、置換アミノ、ジ置換アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、COHであるか;又は
それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している5又は6員の複素環又は芳香族複素環を形成するか;或いは
それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、−OCHO−を含有している、複素環式縮合環を形成する。
本発明の別の特定の実施態様では、本発明の方法は、式(II)の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することによって実施される。
Figure 2011528364
式中の、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニルである。
は、H又は(C〜C)アルキルである。
は、独立して、フェニル又はピラゾール環;何れかの位置がアミノ、低級アルキル、又はカルボキシルで置換されているフェニル又はピラゾール環;又は何れか2つの位置が、アミノ、低級アルキル、及びカルボキシルから選ばれる置換基で置換されているフェニル又はピラゾール環;或いは
は次の式よりなる群から選ばれる。
Figure 2011528364
本発明の更に別の特定の実施態様では、本発明の方法は、式(III)の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することによって実施される。
Figure 2011528364
式中の、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニルである。
は、フェニル、置換フェニル、(C〜C)アルキル、又はベンジルである。
式(I)、(IA)、(IB)、(II)及び(III)の化合物の限定されない例は、本明細書の以下に挙げられているようなもの、又はそれらの薬学的に許容される塩を包含する。
8−(3−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;
[3−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)イソキサゾール−5−イル]メチル−安息香酸塩;
8−(1−メチル−4−ニトロ−1H−ピロール−2−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;
4−{[5−(1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸;
4−{[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アミノ}−4−オキソブチルカルバミン酸tert−ブチル;
4−{[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン−1−アミニウムクロライド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド;
2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
2−(3−メトキシフェニル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−イソブチルフェニル)アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−ニトロフェニル)アセトアミド;
2−[4−ベンジルオキシフェニル]−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
2−[4−ヒドロキシフェニル]−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
(2S)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−フェニルプロパンアミド;
(2R)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−フェニルプロパンアミド;
{3−[(E)−2−(1,3−ジプロピル−7−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)ビニル]イソキサゾール−5−イル}メチル安息香酸塩
2−(4−クロロフェノキシ)−N−[5−(1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
2−(4−メトキシフェニル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(3−クロロフェニル)アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(3−フルオロフェニル)アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド;
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}フェニル)アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−{[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}フェニル)アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−{4−ニトロ−ベンジルオキシ}フェニル)アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド;
4−[(E)−2−(7−メチル−1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)ビニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸フェニル
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]−2−フェニルアセトアミド;
8−(5−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;
8−(3−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3−ジメチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジメチル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(3,4−ジフルオロフェニル)アセトアミド;
2−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N’−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]尿素;
N−(3−クロロフェニル)−N’−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]尿素;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−N’−(3−メトキシフェニル)尿素;
2−[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド;
N−(4−メチルフェニル)−2−{[5−(1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アセトアミド;
N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}アセトアミド;
N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}アセトアミド;
2−{[3−(1,3−ジイソブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
2−{[3−(1,3−ジイソブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}−N−(4−ブロモフェニル)アセトアミド;
2−{[5−(2,6−ジオキソ−1.3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
2−{[5−(2,6−ジオキソ−1.3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−ブロモフェニル)アセトアミド;
2−{[5−(1,3−ジイソブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
2−{[5−(1,3−ジイソブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−ブロモフェニル)アセトアミド;
N−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−2−{[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アセトアミド;
2−{[5−(2,6−ジオキソ−1.3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−メトキシフェニル)アセトアミド;
1−[5−(2,6−ジオキソ−1.3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−3−(4−メトキシフェニル)−尿素;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−sec−ブチル−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−メチル−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−(モルホリン−4−イル)−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−カルボキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(3,4−ジメチル−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(ピリジン−4−イル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ」−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
8−(5−{2−[4−(4−フルオロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エトキシ}−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[2−オキソ−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
8−(5−{2−[4−(4−ベンジル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エトキシ}−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン;
1,3−ジ−アリル−8−{5−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{3−[(3,4−メチレンジオキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−イソキサゾール−5−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{3−[(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−イソキサゾール−5−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{3−[(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−イソキサゾール−5−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{3−[(4−メトキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−イソキサゾール−5−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{6−[(4−ヨード−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−ピリジン−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{6−[(4−ヨード−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−ピリダジン−3−イル}−キサンチン;
N−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−2−{[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジアリル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アセトアミド;
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−(エトキシカルボニル)−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
1,3−ジ−n−プロピル−8−(2−ヒドロキシピリジン−5−イル)−キサンチン;及び
1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−(アミノスルホニル)フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン。
式(IA)及び(IB)の化合物、特に、
Figure 2011528364
、2−[4−ベンジルオキシフェニル]−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド、又はその薬学的に許容される塩;及び
Figure 2011528364
、MRE−2029F20としても知られている、N−1、3−ベンゾジオキソール−5−イル−2−{[5−2、6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アセトアミド、又はその薬学的に許容される塩、よりなる群から選ばれるようなものが好ましい。
本明細書の上で述べたように、本発明は更に、(1)ACE阻害薬;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;(3)レニン阻害剤;(4)利尿剤;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB);(6)β−ブロッカー;(7)血小板凝集阻害薬;(8)コレステロール吸収調節薬;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)ACAT阻害薬;及び (12)アデノシンA受容体拮抗薬よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤と組み合わせる、アデノシンA2B受容体拮抗薬:又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有してなる、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、それに続く脳卒中及び心臓発作を予防するための併用療法を提供する。
本明細書で上述したように、本発明の併用療法で用いられるアデノシンA2b受容体拮抗薬は、別のアデノシン受容体サブタイプに対して、特にアデノシンA受容体サブタイプに対して随意に拮抗薬活性を示してもよい。
レニンアンジオテンシン系(RAS)の阻害薬は、例えば、N. Eng. J. Med., 1987, 316, 1429-1435 に記載されているように、血圧を下げて、高血圧及び鬱血性心不全に有益に作用する、周知の薬剤である。天然の酵素レニンは腎臓から放出されて循環血液中でアンジオテンシノゲンを開裂してデカペプチドのアンジオテンシンIを形成する。これは肺、腎臓及びその他の臓器内で、順にアンジオテンシン変換酵素(ACE)によって開裂してオクタペプチドのアンジオテンシンIIを形成する。このオクタペプチドは動脈血管収縮により直接的に、そしてナトリウムイオン関連ホルモンアルドステロンを副腎から放出することにより間接的に、血圧を増大させ、細胞外液量の増大が同時に起こる。レニンの酵素活性の阻害剤は、アンジオテンシンIの形成の減少をもたらす。その結果、より少量のアンジオテンシンIIが産生する。この活性ペプチドホルモンの減少した濃度がレニン阻害剤の抗高血圧作用の直接要因である。
アンジオテンシンII受容体遮断薬は、アンジオテンシンII受容体のAT−受容体サブタイプと結合するが、受容体を活性化しないような活性薬剤であると理解されている。AT受容体を阻害することによって、これらの拮抗薬を、例えば抗高血圧剤として、用いることができる。
本発明の併用に用いることができる適切なアンジオテンシンII受容体遮断薬は、異なった構造特性を有する、好ましくは非ペプチド構造を有するもののようなAT受容体拮抗薬を包含する。例えば、バルサルタン(valsartan;米国特許第5,399,578号;ヨーロッパ特許第443983号)、ロサルタン(losartan;米国特許第5,138.069号;ヨーロッパ特許第253310号)、カンデサルタン(candesartan;米国特許第5,703,110号;米国特許第5,196,444号;ヨーロッパ特許第459136号)、エプロサルタン(eprosartan;米国特許第5,185,351号;ヨーロッパ特許第403159号)、イルベサルタン(irbesartan;米国特許第5,270,317号;ヨーロッパ特許第454511号)、オルメサルタン(olmesartan;米国特許第5,616,599号;ヨーロッパ特許第503785号)、タソサルタン(tasosartan;米国特許第5,149,699号;ヨーロッパ特許第539086号)、及びテルミサルタン(telmisartan;米国特許第5,591,762号;ヨーロッパ特許第502314号)よりなる群から選ばれる化合物を挙げることができる。
好ましいAT−受容体拮抗薬は市場に出回っているような薬剤であり、最も好ましいものはロサルタン及びバルサルタン又は、いずれの場合も、それらの薬学的に許容される塩である。
ACE阻害薬によるアンジオテンシンIのアンジオテンシンIIへの酵素分解の阻害は、血圧を調節するための成功した変法であるので、高血圧を治療するための有用な治療方法も提供する。
本発明の併用に用いられる適切なACE阻害薬は、例えば、アラセプリル(alasepril)、ベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル(captopril)、セロナプリル(ceronapril)、シラザプリル(cilazapril)、デラプリル(delapril)、エナラプリル(enalapril)、ホシノプリル(fosinopril)、イミダプリル(imidapril)、リシノプリル(lisinopril)、モエキシプリル(moexipril)、モベルトプリル(moveltopril)、ペリンドプリル(perindopril)、キナプリル(quinapril)、ラミプリル(ramipril)、スピラプリル(spirapril)、テモカプリル(temocapril)、トランドラプリル(trandolapril)、及びゾフェノプリル(zofenopril)よりなる群から選ばれる化合物、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩である。
好ましいACE阻害薬は市場に出回っているような薬剤であり、最も好ましいACE阻害薬はラミプリル(米国特許第5,061,722号)である。
レニンの酵素活性の阻害剤は、アンジオテンシンIの形成において減少をもたらす。その結果としてより少ない量のアンジオテンシンIIが産生する。この活性ペプチドホルモンの減少した濃度が、例えば、レニン阻害剤の降圧作用の直接要因である。
適切なレニン阻害剤は異なった構造特性を有している化合物を包含する。例えば、ジテキレン(ditekiren)、レミキレン(remikiren)、テルラキレン(terlakiren)、及びザンキレン(zankiren)よりなる群から選ばれる化合物、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を挙げることができる。
特に、本発明は米国特許第5,559,111号、同第6,197,959号及び同第6,376,672号(これらの全ての内容は、参照により、本明細書に取り込まれている)に開示されているレニン阻害剤に関している。
本発明の好ましいレニン阻害剤は、米国特許第6,197,959号及び同第6,376,672号に開示されているレニン阻害剤、特に、式(VI)及び(VII)のそれぞれRO66−1132及びRO66−1168、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を包含する。
Figure 2011528364
好ましいレニン阻害剤は、米国特許第5,559,111号に開示されている、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド誘導体、特に、アリスキレン(aliskiren)としても知られている、式(VIII)の化合物も包含する。
Figure 2011528364
特定に定義されない場合には、用語「アリスキレン」は、遊離塩基としても、及びその塩として、特にその薬学的に許容される塩、もっとも好ましくは、そのヘミフマ(ー)ル酸塩としても理解されるべきである。
利尿剤は、例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、メチルクロチアジド、及びクロロタリドンよりなる群から選ばれるチアジド誘導体である。もっとも好ましい利尿剤はヒドロクロロチアジドである。更に利尿剤は、アミロリド又はトリアメテリンのようなカリウム保持性利尿剤、又はこれらの薬学的に許容される塩である。
CCBの群は本質的に、ジルチアゼム型及びベラパミル型のCCBのような、ジヒドロピリジン(DHPs)及び非DHPsを含有している。
当該併用において有用なCCBは、アムロジピン(amlodipine)、フェロジピン(felodipine)、リオシジン(ryosidine)、イスラジピン(isradipine)、ラシジピン(lasidipine)、ニカルジピン(nicardipine)、ニフェジピン(nifedipine)、ニグルジピン(niguldipine)、ニルジピン(niludipine)、ニモジピン(nimodipine)、ニソルジピン(nisoldipine)、ニトレンジピン(nitrendipine)及びニバルジピン(nivaldipine)よりなる群から選ばれる代表的なDHPが好ましく、そして、フルナリジン(flunarizine)、プレニラミン(prenylamine)、ジルチアゼム(diltiazem)、フェンジリン(fendiline)、ガロパミル(gallopamil)、ミベフラジル(mibefradil)、アニパミル(anipamil)、チアパミル(tiapamil)及びベラパミル(verapamil)よりなる群から選ばれる代表的な非DHPが好ましく、そして何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩が好ましい。これらCCBの全ては、例えば、抗高血圧薬、抗狭心症薬又は抗不整脈薬として、治療に用いられる。
好ましいCCBは、アムロジピン、ジルチアゼム(diltiazem)、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン及びベラパミル、又は例えば、特異的CCBに依存するもの、それらの薬学的に許容される塩を包含する。DHPとして特に好ましいものは、アムロジピン、又はその薬学的に許容される塩、特にそのベシル酸塩である。特に好ましい代表的な非DHPは、ベラパミル、又はその薬学的に許容される塩、特にその塩酸塩である。
本発明で用いるのに適しているβ−ブロッカーは、β−アドレナリン受容体に対してエピネフィリンと競合して、エピネフィリンの作用を妨げる、ベータアドレナリン遮断薬(β−ブロッカー)を包含する。β−ブロッカーが、α−アドレナリン受容体と比べてβ−アドレナリン受容体に対して選択的であって、そのため顕著なα−ブロッキング効果を有していないことが好ましい。適切なβ−ブロッカーは、アセブトロール(acebutolol)、アテノロール(atenolol)、ベタキソロール(betaxolol)、ビソプロロール(bisoprolol)、カルテオロール(carteolol)、カルベジロール(carvedilol)、エスモロール(esmolol)、ラベタロール(labetalol)、メトプロロール(metoprolol)、ナドロール(nadolol)、オクスプレノロール(oxprenolol)、ペンブトロール(penbutolol)、ピンドロール(pindolol)、プロプラノロール(propranolol)、ソタロール(sotalol)及びチモロール(tomolol)から選ばれる化合物を包含する。β−ブロッカーが酸又は塩基であるか、又はそうでなければ薬学的に許容される塩又はプロドラッグを形成することが可能な場合は、これらの形態は本明細書に包含されるものと考えられ、その化合物を、遊離形態、又は生理的に加水分解可能で許容可能なエステルのような、生理学的に許容される塩、或いはプロドラッグの形態で投与できることが理解される。例えば、メトプロロールはその酒石酸塩として適切に投与され、プロプラノロールは塩酸塩として適切に投与される等である。
血小板凝集阻害薬は、例えば、PLAVIX(登録商標;硫酸クレピドグレル(
clopidogrel bisulfate))、PLETAL(登録商標;シロスタゾール(cilostazol))及びアスピリンを包含する。
コレステロール吸収調節薬は、例えば、ZETIA(登録商標;エゼチミブ(ezetimibe))を包含する。
HMG−Co−A還元酵素阻害薬(β−ヒドロキシ−β−メチルグルタリル−コエンザイムA還元阻害薬、又はスタチンとも呼ばれる)は、血漿コレステロール濃度を含む脂質濃度を低下するために用いることのできる活性薬物であると理解されている。
HMG−Co−A還元酵素阻害薬は異なった構造特徴を有する化合物を包含する。例えば、アトルバスタチン(atorvastatin)、セリバスタチン(cerivastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、ロバスタチン(lovastatin)、ピタバスタチン(pitavastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)及びシンバスタチン(simvastatin)よりなる群から選ばれる化合物、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を挙げることができる。
好ましいHMG−Co−A還元酵素阻害薬は、市場に出回っているような薬剤であり、最も好ましいのは、アトルバスタチン、ロスバスタチン及びシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩である。
HDL増大化合物は、これに限定されないが、コレステロールエステル転送タンパク(CETP)阻害剤を包含する。CETP阻害剤の例は、米国特許第6,140,343号及び同第6,197,786号に開示されているもの、例えば、トルセトラピブ(torcetrapib)として知られている化合物;国際PCT特許出願公開第WO2006014413号に開示されているもの、例えば、アナセトラピブ(anacetrapib)として知られている化合物;及び米国特許第6,426,365号に開示されているもの、例えば、JTT−705として知られている化合物を包含する。
アシル−CoA:コレステロールO−アシルトランスフェラーゼ(ACAT)は、コレステロールからのコレステロールエステルの合成に触媒作用する酵素で、コレステロールの代謝及びその消化器への吸収に極めて重要な役割を果たしているので、ACAT酵素の阻害薬は抗−高脂血症薬として用いることができる。ACAT阻害薬の例は、これに限定されないが、アバシミベ(avasimibe)及びパクチミベ(pactimibe)を包含する。
アデノシンA受容体拮抗薬は、これに限定されないが、MRS1191、MRS1220、MRS1334、MRS1523、MRS3777ヘミシュウ酸塩、VUF5574、PSB10塩酸塩、PSB11塩酸塩及びレベルシン(Sigma-Aldrich 及び/又は Tocris Bioscience から市販されている)を包含する。その他の適切な拮抗薬は、米国特許第6,358,964号;米国特許第6,620,825号;米国特許第6,673,802号;米国特許第6,686,366号;米国特許第6,921,825号;米国特許第7,064,204号、米国特許第7,371,737号;及び米国特許出願公開第20060178385号に開示されているもの、例えば、MRE−3008F20として知られる化合物を包含する。
本発明による併用が、アデノシンA2B受容体拮抗薬と、アンジオテンシンII拮抗薬、例えば、ロサルタン又はバルサルタン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩、及び随意に、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び/又はHMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトロバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有していることが好ましい。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、ACE阻害薬、例えば、ラミプリル、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び任意に、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び/又はHMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトロバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩から成っている、本発明による併用も好ましい。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、レニン阻害剤、例えば、アリスキレン、又はそれらの薬学的に許容される塩、好ましくはそのヘミフマル酸塩、及び随意に、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び/又はHMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有する、本発明による併用も好ましい。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、CCB、例えばアムロジピン、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び随意に、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び/又はHMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有する、本発明による併用も好ましい。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、β−ブロッカー、例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、カルベジロール、エスモロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール及びチモロール、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩、及び随意に、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、又はそのれら薬学的に許容される塩、及び/又はHMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有する、本発明による併用も好ましい。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、血小板凝集阻害薬、例えばクロピドグレル、又はアスピリン、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び随意に、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び/又はHMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有する、本発明による併用も好ましい。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、アデノシンA受容体拮抗薬、例えば、MRE−3008F20、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び随意に、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び/又はHMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有する、本発明による併用も好ましい。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジド、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び随意に、HMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有する、本発明による併用も好ましい。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、HMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩を含有する、本発明による併用も好ましい。
一般名又は商標名によって同定される活性薬物の構造は、標準的な抄録「The Merck Index」又は「Physician's Desk Reference」の最新版から、又はデータベース、例えば、Patents International(例えば、IMS World Piblications)又は Current Drug から引き出すことができる。これらの対応する内容を、参照により、本明細書に取り込まれている。当業者は誰でも、活性薬剤の同定が可能で、これらの参考文献に基づいて、製造すること、及び医薬品の適応及び特性を、インビトロ及びインビボの両方で、標準的な試験モデルで、試験することも同様に可能である。
本明細書で上述したように、本発明のアデノシンA2B受容体拮抗薬、及び併用パートナーは、それらの薬学的に許容される塩として存在していてもよい。これらの化合物が、例えばアミノ基のような少なくとも1つの塩基中心を有している場合は、これらはこれらの酸付加塩を形成できる。同様に、少なくとも1つの酸性基(例えば、COOH)を有している化合物は、塩基との塩を形成できる。さらに化合物が、例えばカルボキシル基とアミノ基の両方を含有する場合、対応する内部塩(internal salts)を形成できる。
対応する活性成分又は薬学的に許容される塩は、水和物のような溶媒和物の形態で、又は、例えばそれらの再結晶においてのような、用いる他の溶媒を含んで、も用いることができる。
更に別の態様では、本発明は、泡沫細胞形成の阻害、及びそれ故にアテローム性動脈硬化症の予防及び治療、そしてそれに続く脳卒中及び心臓発作の予防のための、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含有してなる、医薬組成物に関している。
本明細書で上述したように、本発明の医薬組成物で用いられるアデノシンA2B拮抗薬は、随意に、別のアデノシン受容体サブタイプに対して、特にアデノシンA受容体サブタイプに対して拮抗活性を示してもよい。
更に、本発明は、アテローム性動脈硬化症の予防及び治療、例えば、アテローム性動脈硬化性プラークの進行の遅延、及び最終的に退縮、そしてそれに続く脳卒中及び心臓発作の予防のための、アデノシンA2B受容体拮抗薬と、
(1)ACE阻害薬、好ましくは、ラミプリル、それらの薬学的に許容される塩;
(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬、好ましくは、ロサルタン又はバルサルタン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩;
(3)レニン阻害剤、好ましくは、アル好きレン、又はそれらの薬学的に許容される塩、例えばそのヘミフマル酸塩;
(4)利尿剤、好ましくは、ヒドロクロロチアジド、又はそれらの薬学的に許容される塩;
(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、好ましくは、アムロジピン、又はそれらの薬学的に許容される塩;
(6)β−ブロッカー、又はそれらの薬学的に許容される塩;
(7)血小板凝集阻害薬、又はそれらの薬学的に許容される塩;
(8)コレステロール吸収調節薬、又はそれらの薬学的に許容される塩;
(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬、好ましくは、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩;
(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩;
(11)ACAT阻害薬、又はそれらの薬学的に許容される塩;及び
(12)アデノシンA受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩:よりなる群から選ばれる少なくとも1つの他の治療薬剤との組合せの治療有効量、及び薬学的に許容される担体を含有してなる、医薬組成物を提供する。
本明細書の上で開示したように、アデノシンA2B受容体拮抗薬は、(1)ACE阻害薬、例えば、ラミプリル;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬、例えば、ロサルタン又はバルサルタン;(3)レニン阻害剤、例えば、アルスキレン;(4)利尿剤、例えば、ヒドロクロロチアジド;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、例えば、アムロジピン;(6)β−ブロッカー、例えば、メトプロロール;(7)血小板凝集阻害薬;(8)コレステロール吸収調節薬;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬、例えば、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はシンバスタチン;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)ACAT阻害薬;及び(12)アデノシンA受容体拮抗薬:又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩:よりなる群から選ばれるれる少なくとも1つの他の治療薬剤と組み合わせて、医薬組成物として併用投与することができる。成分を従来の剤形で、通常は薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、併用投与することができる。
本発明の方法の実施にあたって、本発明のアデノシンA2B受容体拮抗薬、又はその併用パートナーを、ヒトを含む、哺乳動物への経口又は経直腸、経皮及び非経口投与のような各種投経路にを介する投与に適している医薬組成物に製剤化できる。経口投与用に、アデノシンA2b受容体拮抗薬、又はその併用パートナーを含有してなる医薬組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、マイクロエマルジョン、単位用量パケット等の形態を採ることができる。a)希釈剤、例えば、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム又はカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール;錠剤についてはc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、でんぷん糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン;所望によりd)崩壊剤、例えば、でんぷん、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩、又は発泡性混合物;及び/又はe)吸収剤、着色剤、香料及び甘味剤と共に活性成分を含有している錠剤及びゼラチンカプセルが好ましい。注射用組成物は水性等張溶液又は懸濁液が好ましく、そして坐薬は脂肪乳液又は懸濁液から有利に調製される。
当該組成物を、滅菌させてもよく、そして/又は保存、安定化、湿潤又は乳化剤のような補助剤、溶解促進剤、浸透圧調節剤及び/又は緩衝剤を含有してもよい。更にこれらは、その他の治療有効物質を含有していてもよい。当該組成物は、それぞれに従来の混合、顆粒又はコーティング方法に従って調製されて、そして約0.1〜90%、好ましくは約1〜80%の活性成分を含有する。
治療的に有効であるために必要な本発明の化合物の量は、勿論、治療する個々の哺乳動物によって変化するであろう、そして最終的には医師又は獣医師の判断によって決まる。考慮すべき因子は、治療する疾患の重症度、投与経路、製剤の特性、哺乳動物の体重、体表面積、年齢及び全身状態、並びに投与される特定の化合物を包含する。適切な投与計画を、このような因子を考慮し、そして文献に報告されている用量及び Physician's Desk Reference (58th ed., 2004)で推奨されている用量に従って、当業者が選択することができる。
本発明による医薬併用剤の活性成分についての好ましい投与量は、治療的に有効な投与量であって、特に、市販品のそれである。
通常は、経口投与の場合、例えば、体重が約75kgの患者に対して、1日当たり約1μg〜約3gの概算用量が推定される。
例えば、アデノシンA2B受容体拮抗薬の適切な治療有効用量は、1日当たり約0.001mg/kg〜40mg/kgの範囲である。例えば投与量は、1日当たり体重に対して約0.002mg/kg/day〜約20mg/kg/day、好ましくは約0.01mg/kg/day〜約10mg/kg/dayの範囲、最も好ましくは約0.1mg/kg/day〜約5mg/kg/dayの範囲である。アデノシンA2B受容体拮抗薬は、単位用量で都合良く投与され、例えば、単位剤形当たり5μg〜1gの活性成分を、都合良くには10μg〜750mgを、最も都合良くには50μg〜100mgを含有している。好ましい単位剤形は、例えば、約5μg〜約1g、好ましくは約50μg〜約100mgを含有している、1日最大3回まで投与される、例えば、錠剤又はカプセルである。
ACE阻害薬の場合は、好ましいACE阻害薬の単位剤形は、例えば、約5mg〜約20mg、好ましくは、5mg、10mg、20mg又は40mgのベナゼプリル;約6.5〜100mg、好ましくは、6.25mg、12.5mg、25mg、50mg、75mg又は100mgのカプトプリル;約2.5mg〜約20mg、好ましくは、2.5mg、5mg、10mg又は20mgのエナラプリル;約10mg〜約20mg、好ましくは、10mg又は20mgのフォシノプリル;約2.5mg〜約4mg、好ましくは、2mg又は4mgのペリンドプリル;約5mg〜約20mg、好ましくは、5mg、10mg又は20mgのキナプリル;又は約1.25mg〜約5mg、好ましくは、1.25mg、2.5mg又は5mgのラミプリルを含有する、例えば、錠剤又はカプセルである。1日1回投与が好ましい。
アンジオテンシンII受容体遮断薬、例えば、バルサルタンは、適切な単位剤形、例えば、治療有効量のアンジオテンシンII受容体遮断薬、例えば、約20〜約320mgのバルサルタンを含有している、カプセル又は錠剤の形態で供給される。活性成分の投与は、例えばアンジオテンシンII受容体遮断薬、例えばバルサルタンを、1日用量20mg又は40mgで開始して、1日当たり80mg及び更に1日当たり160mg、そして最終的に1日当たり320mgまで増量して、1日3回まで可能である。その用量を、例えば、朝に、昼に又は夕方に摂取することができる。
レニン阻害剤、例えば、アリスキレンの場合、体重約75kgの、ヒトを含む、温血動物に投与する用量は、特にレニン活性を阻害するのに有効な用量、例えば、血圧を下げるのに有効な用量は、約3mg〜約3g、好ましくは、約10mg〜約1gであり、例えば20mg/ヒト/日〜200 mg/ヒト/日を、例えば同じ大きさのものであってもよいが、好ましくは、1〜4つの単回用量に分割したものである。通常は、小児は成人用量の約半分を摂取する。各個体に必要な用量は、例えば活性成分の血清濃度を測定することによって、モニターして、最適濃度に調節することができる。単回用量は、成人患者当たり、例えば、75mg、150mg又は300mgを含んでいる。
利尿剤の場合は、好ましい単位剤形は、例えば、約5mg〜約50mg、好ましくは、約6.25mg〜約25mgを含有している、例えば、錠剤又はカプセルである。ヒドロクロロチアジドの1日用量の6.25mg、12.5mg又は25mgを1日に1回投与することが好ましい。
CCBs、例えば、アムロジピンの場合は、好ましい単位剤形は、経口で投与しときに、1日当たり、約1mg〜約40mg、好ましくは、2.5mg〜20mgを含有する、例えば、錠剤又はカプセルである。
HMG−CoA還元酵素阻害薬の場合は、HMG−CoA還元酵素阻害薬の好ましい単位剤形は、例えば、約5mg〜約120mg、好ましくは、アトルバスタチンを用いるときは、10mg、20mg、40mg、又は80mgのアトルバスタチンを、
例えば、1日1回投与するように、含有している、例えば錠剤又はカプセルである。
アデノシンA受容体拮抗薬の場合は、好ましい単位剤形は、1日に患者の体重当たり、約0.01mg/kg〜100mg/kg、好ましくは、約10mg/kg未満、より好ましくは約5mg/kg未満、より好ましくは約1mg/kg未満、より好ましくは約0.5mg/kg未満、そして最も好ましくは約0.1mg/kg未満の範囲である。
ある特定の実施態様では、アデノシンA受容体拮抗薬は、少なくとも0.01mg/kg/day、約0.05mg/kg/day、約0.1mg/kg/day、約0.5mg/kg/dayの用量で投与される。
本発明は別々に投与されてもよい化合物の併用によるアテローム性動脈硬化症を予防及び治療する方法に関しているので、本発明は、キットの形態ににある別々になった医薬組成物の組み合わせにも関している。キットは、例えば、2つの別々の医薬組成物:(1)アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含有している組成物;及び(2)ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断薬、レニン阻害剤、利尿剤、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、β−ブロッカー、血小板凝集阻害薬、コレステロール吸収調節薬、HMG−Co−A還元酵素阻害薬、高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物、ACAT阻害剤、及びアデノシンA受容体拮抗薬よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、又は何れの場合も、それらの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含有している組成物:を含むことができる。(1)及び(2)の量は、別々に併用投与したときに有益な治療効果(複数を含む)が達成されるような量である。キットは、別々の組成物を収容するための、分離したボトル又は分離したホイルパックのような容器を含有していて、それぞれの区画は、例えば、(1)又は(2)を含有している複数の剤形(例えば、錠剤)を含有している。
あるいは、活性成分を含有している剤形を分離するのではなく、キットはそれぞれが全用量を含有する分離した区画(それが別々の剤形を含んでいる)を含有することができる。このタイプのキットの例は、個々のブリスターが2つ(又はそれ以上)の錠剤を含有していて、1つ(又はそれ以上)の錠剤が医薬組成物(1)を含んでいて、第2(又はそれ以上)の錠剤が医薬組成物(2)を含んでいる、ブリスターパックである。
一般に、キットは、別々の成分の投与についての説明書を含んでいる。キット形態は、別々の成分を異なった剤形(例えば、経口及び非経口)で投与することが好ましい場合、別々の成分を異なった投与間隔で投与するとき、又は併用の個々の成分の滴定を処方医師が望む場合に、特に有利である。
本発明の場合、それ故、キットは:
(1)第1剤形に、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含有している組成物の治療有効量;
(2)第2剤形に、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断薬、レニン阻害剤、利尿剤、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、β−ブロッカー、血小板凝集阻害薬、コレステロール吸収調節薬、HMG−Co−A還元酵素阻害薬、高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物、ACAT阻害剤、及びアデノシンA受容体拮抗薬よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、又は何れの場合もそれらの薬学的に許容される塩、を投与に続いて有益な治療効果に到達するような量で、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含有している組成物;及び
(3)当該第1及び第2剤形を含有している容器:
を含有している。
アデノシンA2B受容体拮抗薬の単独での作用、又は(1)ACE阻害剤;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;(3)レニン阻害剤;(4)利尿剤;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB);(6)β−ブロッカー;(7)血小板凝集阻害薬;(8)コレステロール吸収調節薬;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)ACAT阻害剤;及び(12)アデノシンA受容体拮抗薬;よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、又は何れの場合も、薬学的に許容される塩との併用での、アデノシンA2B受容体拮抗薬の作用は、とりわけ、インビトロ及び/又はインビボでの試験の方法によって、例えば、本明細書の具体的実施例に記載されているように、実験的に明らかにできる。
アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、又はそれらの併用パートナーは各種の投与経路で投与できる。それぞれの薬剤は、それぞれの治療薬単独、又はそれらの特定の組み合わせについて、最大の応答を引き起こすための最適な薬物濃度を確認するために、幅広い用量範囲に渡って試験することができる。これらの検討には、1群あたり少なくとも6匹の動物からなる治療群を用いることが好ましい。それぞれの検討は、個々の成分を評価するのと同時に、併用治療群の効果を確認するという方法で、最良に実施される。薬物の効果は急性投与でも観察できるが、慢性期において応答を観察することが好ましい。長期の検討は、代償性反応の完全な発現を引き起こすことができる十分な期間を含んでいので、その観察された効果は、持続した或いは持続性の効果を示す試験系の実際の応答を最もよく表現するだろう。
代表的な検討は、例えば、WHHL(Watanable heritable hyperlipidemic)ウサギを家族性高コレステロール血症モデルとして用いて(Atherosclerosis, 36:261-268, 1980)、又は今やアテローム性動脈硬化症の主要モデルの1つになっているアポリポタンパク質Eノックアウトマウスモデルを用いて(Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 24:1006-1014, 2004; Trends Cardiovasc. Med., 14:187-190, 2004)、実施できる。アポリポタンパク質Eノックアウトマウス検討は、例えば、Johnson et al.,(Circulation, 111:1422-1430, 2005)に記載のようにして、又はその変法を用いて、実施できる。
得られる結果は、アデノシンA2B受容体拮抗薬が、アデノシンA2B受容体拮抗薬の抗炎症効果とは無関係に、泡沫細胞形成の阻害、及びそれ故にアテローム性動脈硬化症の予防及び治療、そしてそれに続く脳卒中及び心臓発作の予防に用いることができることを示している。更に驚くべきことに、アデノシンA2B受容体拮抗薬は、動脈硬化性プラークの退縮のために用いることができるということが、明らかにされた。
更に、アデノシンA2B受容体拮抗薬と、(1)ACE阻害剤;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;(3)レニン阻害剤;(4)利尿剤;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB);(6)β−ブロッカー;(7)血小板凝集阻害薬;(8)コレステロール吸収調節薬;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)ACAT阻害剤;及び(12)アデノシンA受容体拮抗薬;よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、又は何れの場合も、薬学的に許容される塩との併用が、その他の治療薬剤単独の投与より高い治療効果を達成することが見出された。より高い有効性は、長い作用持続時間としても立証できる。作用持続時間は、次の投与前にベースラインに戻るまでの時間として、又は濃度曲線下面積(AUC)としての何れかでモニターすることができる。
更なる利点は、本発明によって併用される個々の薬物のより低い用量は、例えば、その用量を少なくするばかりではなく、より少ない頻度で投与するように、用量を減らすために、又は副作用の発生を減少するために用いることができる。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、(1)ACE阻害剤;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;(3)レニン阻害剤;(4)利尿剤;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB);(6)β−ブロッカー;(7)血小板凝集阻害薬;(8)コレステロール吸収調節薬;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)ACAT阻害剤;及び(12)アデノシンA受容体拮抗薬;よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、又は何れの場合も、その薬学的に許容される塩との併用投与は、より高い割合の治療患者に顕著な応答、すなわち、より高い応答比結果をもたらす。
アデノシンA2B受容体拮抗薬と、(1)ACE阻害剤;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;(3)レニン阻害剤;(4)利尿剤;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB);(6)β−ブロッカー;(7)血小板凝集阻害薬;(8)コレステロール吸収調節薬;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)ACAT阻害剤;及び(12)アデノシンA受容体拮抗薬;よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、又は何れの場合も、その薬学的に許容される塩との併用療法は、アテローム性動脈硬化症の予防及び治療、及びそれに続く脳卒中及び心臓発作の予防に対してより有効な治療をもたらすということを示すことができる。
特に、いっそう驚くべきことは、本発明の併用が、有益な、特に相乗的な治療効果をもたらすばかりではなく、驚くべき有効性の持続のような併用療法からもたらされる利益をも導くという知見である。
本発明は更に、アデノシンA2B受容体拮抗薬単独の、又は(1)ACE阻害剤;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;(3)レニン阻害剤;(4)利尿剤;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB);(6)β−ブロッカー;(7)血小板凝集阻害薬;(8)コレステロール吸収調節薬;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)ACAT阻害剤;及び(12)アデノシンA受容体拮抗薬;よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、又は何れの場合も、その薬学的に許容される塩との併用による、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、そしてそれに続く脳卒中及び心臓発作を予防する薬剤の製造のための使用に関する。
従って、本発明の別実施態様は、アデノシンA2B受容体拮抗薬の単独での、又は(1)ACE阻害剤、又はそれらの薬学的に許容される塩;(2)アンジオテンシンII受容体遮断薬、又はそれらの薬学的に許容される塩;(3)レニン阻害剤、又はそれらの薬学的に許容される塩;(4)利尿剤、又はそれらの薬学的に許容される塩;(5)カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、又はそれらの薬学的に許容される塩;(6)β−ブロッカー、又はそれらの薬学的に許容される塩;(7)血小板凝集阻害薬、又はそれらの薬学的に許容される塩;(8)コレステロール吸収調節薬、又はそれらの薬学的に許容される塩;(9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬、又はそれらの薬学的に許容される塩;(10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;(11)ACAT阻害剤;及び(12)アデノシンA受容体拮抗薬;よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、又は何れの場合も、その薬学的に許容される塩との併用による、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療し、そしてそれに続く脳卒中及び心臓発作を予防する薬剤の製造のための使用に関している。
上の記載は、好ましい実施態様を包含して本発明を十分に開示している。特に本明細書に開示されている実施態様の修正及び改良は以下の特許請求の範囲の範囲内である。更なる推考を必要とせずに、当業者は、前述の説明を用いて、本発明をその最大限に利用できるものと考える。従って、本明細書の実施例は、本発明のある特定の態様の単なる説明と解釈されるものであって、決して本発明の範囲を限定するものではない。本明細書を通して用いられている略語は当該技術分野で一般的に知られているようなものである。
材料及び方法
細胞培養
ヒト骨髄単球細胞株U937をATCCから入手して、10%ウシ胎仔血清、L−グルタミン(2mM)、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)を補完したRPM1640培地中、5%CO/95%空気中、37℃で保持した。
末梢血からヒトマクロファージ(HM)の調製
末梢血単核細胞を軟膜から、フィコール・ハイパック分配(Ficoll-Hypaque gradient;Ficoll-Paque, research Grade, Amersham Pharmacia Biotech AB, Cologno Monzese, Italy)で、Gessi et al., (Mol. Pharmacol., 2004, 65:711-719)に既に記載されているようにして単離した。グルタミン(2mM)、ヒトAB血清(5%,Sigma)、ペニシリン(100U/mL)及びストレプトマイシン(100μg/mL)を含有しているRPMI1640培地中で、単球を接着によって選択して、7日に渡る接着でマクロファージに分化させた。
低酸素処理
モジュラー型培養チャンバー(modular incubator chamber)内で低酸素曝露を行って、1%のO、5%のCO、及び残余のNを含有する混合ガス(MiniGalaxy, RSBiotech, Irvine, Scotland)を供給した。
泡沫細胞(FC)形成
U937細胞を酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA、40nM)で72時間処理にて誘発して、マクロファージに分化した。使用前に、oxLDLを、0.15Mの塩化ナトリウム及び0.3mMのEDTA(pH7.4)の溶液1Lに対して4℃で12時間、次いでRPMI1640培地(各回1Lで、2回交換)に対して24時間、透析した。全ての透析は、ピアス社の Slide-A-Lyzer 透析カセット(分子量10,000画分)を用いて実施した。透析後、リポタンパク質は0.45μm(細孔径)フィルターを通過させて滅菌し、次いでこれ(50〜100μg/mL、Intracel, Frederick, MD)をPMAで処理したU937細胞に加えて、血清を含有していないRPMI1640中で48時間培養した。アデノシンによる細胞の処理は全て、アデノシンデアミナーゼ(ADA)阻害剤、エリスロ−9−(2−ヒドロキシ−3−ノニル)アデニン(EHNA、5μM)の存在下で実施し、そしてアデノシン拮抗薬による処理はADAの存在下で実施した。
オイルレッドO染色分析
PMA−分化U937細胞の試験薬物による処理を、oxLDLの添加2時間前に実施した。低酸素下で24時間oxLDLに曝露した後、U937細胞をリン酸緩衝生理食塩水−緩衝4%パラホルムアルデヒド溶液中に15分間固定し、次いで風乾した。オイルレッドO(60%イソプロパノール溶液)染色を、基本的に Kalayoglu and Byrne(Infect. Immun., 1998, 66:5067-5072)に既に記載されているように、15分間行った。ニコンの Eclipse E800 顕微鏡を用い、100倍の顕微鏡明視野で細胞を表示した。泡沫細胞を、細胞質がオイルレッドOで染色可能な脂質滴で膨らんでいるマクロファージと定義付けた。
リアルタイムRT−PCR
全細胞質RNAを酸性グアニジンチオシアネートフェノール法によって抽出した。アデノシン受容体mRNAの定量的リアルタイムRT−PCRアッセイ(Higuchi et al., Biotehchnology, 1993, 11, 1026-1030)を、ABI Prism 7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems, Warrington Cheshire, UK)中、遺伝子特異的蛍光標識された TaqMan MGB プローブ(副溝バインダー;minor groove binder)を用いて実施した。A、A2A、A2B及びAアデノシンサブタイプのリアルタイムRT−PCRについては、assays-on-demand(登録商標)遺伝子発現産物、NM000674、NM000675、NM000676及びNM000677をそれぞれ用いた。更に、アデノシン受容体cDNAプラスミド標準品の、少なくとも6オーダーの大きさ(10−11〜10−16g/μL)の範囲に及ぶ曲線が生じた。これらの標準曲線は、Ct値とプラスミド量の対数との間の直線関係を表している(Gessi et al., Mol. Pharmacol. 2005, 67:2137-2147)。アデノシン受容体伝達の定量化を、プラスミド希釈系列から作り出したCt値の標準曲線から内挿して行った(Kalayoglu and Byrne, Infect. Immun., 1998, 66:5067-5072)。HIF−1α、VEGF及びIL−8のリアルタイムRT−PCRについては、assays-on-demand(登録商標)遺伝子発現産物、NM、NM及びNMをそれぞれ用いた。参照遺伝子のリアルタイムRT−PCRには、内在性コントロールヒトβ−アクチンキットを用い、そしてプローブはVIC(登録商標;Applera)で蛍光標識した。
膜調製
U937細胞及びマクロファージを、それぞれに、低張緩衝液及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で、ポリトロン(Kinematica)を用いて、ホモジナイズして、先の記載(Gessi et al., Mol. Pharmacol., 2004, 65:711-719)のように、48,000xgで30分間遠心分離した。タンパク質濃度を、ウシ血清を標準品として用いて、Bio Rad 法(Bradford, Anal. Biochem., 1976, 72:248-254)に従って測定した。
結合実験
Gessi et al.(Mol. Pharmacol. 65:711-719, 2004)に従って、結合アッセイを実施した。飽和実験において、膜(アッセイ当たりタンパク質70μg)を50mMのTris HCL緩衝液(A2Aに対しては10mMのMgCl;A2Bに対しては10mMのMgCl、1mMのEDTA及び0.1mMのベンズアミジン;そしてAに対しては10mMのMgCl及び1mMのEDTA)、pH7.4中で培養して、1,3−ジプロピル−8−シクロペンチルキサンチン([H]DPCPX)(0.4〜40nM);(4−(2−[7−アミノ−2−(2−フリル)−[1,2,4]トリアゾロ−[2,32]−[1,3,6]−トリアジニル−アミノ]エチル)−フェノール)([H]ZM241385)(0.3〜30nM);N−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−2−[5−(1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル−オキシ]−アセトアミド([H]MRE2029F20)(0.4〜40nM);5−N−(4−メトキシフェニル−カルバモイル)アミノ−8−プロピル−2−(2フリル)−ピラゾロ−[4,3e]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン([H]MRE3008F20)(0.4〜40nM)の濃度を上げて、A、A2A、A2B及びAアデノシン受容体をそれぞれ標識化した。フィルターに結合した放射能を、Micro-Scint20 を用いて、Top Count Microplate Scintillation Counter(効率57%)上に集計した。
ウェスタンブロット分析
全細胞溶解物を先に記載されている(27)ようにして調製した。ヒトアデノシンA、A2A、A2B(Alpha Diagnostic)及びA受容体(Aviva)に対する特異抗体(1:1000希釈)を用いてアデノシン受容体を評価した。HIFの検出を目的とする実験では、5%の脱脂粉乳を含むPBS/0.1%のツイーン−20中、4℃で1晩、HIF−1αに対する抗体(1:250希釈)及びHIF−1βに対する抗体(1:1000希釈)を用いてウェスタンブロットアッセイを実施した。BCAタンパク質アッセイキット(Pierce, Rockford, IL)を用いて、タンパク質濃度を測定した。等しいタンパク質負荷を保証するために、チューブリン(1:250)を用いた。VersaDoc Imaging System (Bio-Rad)を用いて、免疫活性を算定して定量化した。
酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)
細胞によって培地中に分泌されたVEGF及びIL−8タンパク質の濃度をVEGF及びIL−8ELISAキット(R & D Systems)を用い、製造会社の説明書に従って測定した。データは、3回の独立した実験から得た平均±SDとして表した。
細胞のsiRNAによる処理
泡沫細胞を6ウェルプレートに固定して、トランスフェクションの前に、50〜70%集密になるまで生育した。siRNAのトランスフェクションを、RNAiFectTM Transfection Kit(Qiagen)を用い、100nMの濃度で実施した。非特異的コントロールリボヌクレオチドのセンス鎖(5’−ACU CUA UCU GCA CGC UGA CdTdT−3’)及びアンチセンス鎖(5’−dTdT UGA GAU AGA CGU GCG CACU G−3’)を、Merighi et al., (Neoplasia, 7:894-903, 2005)によって既に報告されているのと同一条件下で用いた。A、A2A、A2B、AAR及びHIF−1αsiRNAsは、Santa Cruz Biotechnology (Santa Cruz, CA)から入手した。
統計的分析
図中及びテキスト中の全ての値は、N回観測(N≧3で)の平均値±標準誤差(S.E.)として表されている。データセットは分散分析(ANOVA)及びダネット検定(必要に応じて)によって検定した。0.05未満のP値は統計的に有意であると見なした。
結果
PMAで処理したU937、マクロファージ及びU937由来の泡沫細胞における、正常酸素及び低酸素条件下でのアデノシン受容体mRNAの発現
正常酸素及び低酸素条件下でのPMAで処理したU937、ヒトマクロファージ及びU937由来の泡沫細胞における、アデノシン受容体mRNAの発現をリアルタイムRT−PCR実験によって評価した。
サブタイプに関しては、正常酸素及び低酸素の両方で、3つの細胞モデル全てにおいて同様なレベルで発現した(低酸素に対する正常酸素での増大が、U937、ヒトマクロファージ及び泡沫細胞で、それぞれ、1.3±0.2、1.1±0.1、1.2±0.1倍、図1A)。
同様に、A2A及びA受容体サブタイプでは、正常酸素及び低酸素の両方で、調べた3つの細胞タイプ全てにおいて同様なレベルで発現した(低酸素に対する正常酸素での増大が、U937、ヒトマクロファージ及び泡沫細胞で、それぞれ、A2A 0.9±0.1、1.1±0.2、0.9±0.1倍;A 0.7±0.1、0.7±0.1、0.8±0.1倍、図1B及び図1D)。
2B受容体サブタイプの発現ではヒトマクロファージにおいて最も高いレベルであって、3つの細胞タイプ全てで低酸素によって有意に上昇した(低酸素に対する正常酸素での増大が、U937、ヒトマクロファージ及び泡沫細胞で、それぞれ、A2B 1.5±0.2、1.8±0.1、1.9±0.1倍、図1C)。
アデノシン受容体伝達の評価を、プラスミド希釈系列から作成したCt値の標準曲線から内挿して行った。アデノシン受容体の発現レベルをβ−アクチンの発現レベルに正規化すると、類似結果が得られた。
ウェスタンブロッティング及び結合試験の方法による、PMAで処理したU937細胞、ヒトマクロファージ及びU937由来の泡沫細胞におけるアデノシン受容体タンパク質の発現
正常酸素及び低酸素条件における、PMAで処理したU937細胞、ヒトマクロファージ及びU937由来の泡沫細胞において、全てのアデノシン受容体サブタイプのタンパク質評価を、ウェスタンブロッティング実験によって、試験した。図2で報告するように、mRNAデータに従って調べた3つの細胞タイプ全てにおいて、全てのアデノシン受容体の存在が観察された。
異なったアデノシンサブタイプのタンパク質の量を定量化するために、結合試験を実施した。A、A2A、A2B及びA受容体の親和性(K、nM)及び密度(Bmax、タンパク質のfmol/mg)値を評価するために、それぞれ、[H]DPCPX、[H]ZM241385、[H]MRE−2029F20及び[H]MRE−3008F20拮抗薬放射性リガンドを用いた。
受容体に関しては、U937細胞では、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が4.0±0.3及び4.4±0.4であり、そしてBmax値が52±6及び80±10タンパク質fmol/mgであった;ヒトマクロファージでは、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が2.8±0.3及び2.8±0.4であり、そしてBmax値が85±9及び83±10であった;泡沫細胞では、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が3.3±0.5及び3.7±0.6であり、そしてBmax値が78±10及び102±12であった(図3A)。
2A受容体に関しては、U937細胞では、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が2.8±0.3及び2.5±0.2であり、そしてBmax値が62±9及び57±8であった;ヒトマクロファージでは、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が2.2±0.3及び2.3±0.3であり、そしてBmax値が109±12及び90±10であった;泡沫細胞では、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が2.1±0.1及び2.2±0.1であり、そしてBmax値が84±9及び75±7であった(図3B)。
2B受容体に関しては、U937細胞では、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が4.3±0.4及び4.1±0.5であり、そしてBmax値が33±3及び73±6であった;ヒトマクロファージでは、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が4.9±0.3及び4.8±0.6であり、そしてBmax値が173±15及び240±18であった;泡沫細胞では、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が2.0±0.2及び1.98±0.2であり、そしてBmax値が90±8及び140±12であった(図3C)。
最後に、A受容体に関しては、U937細胞では、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が1.5±0.1及び2.0±0.1であり、そしてBmax値が235±26及び267±28であった;ヒトマクロファージでは、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が4.5±0.5及び4.8±0.7であり、そしてBmax値が254±24及び360±33であった;泡沫細胞では、正常酸素及び低酸素条件において、それぞれ、K値が1.7±0.1及び2.3±0.1であり、そしてBmax値が250±30及び275±32タンパク質fmol/mgであった(図3D)。
アデノシン受容体は、低酸素においてHIF−1αタンパク質の蓄積を誘発する
HIF−1αタンパク質の蓄積に対するadoの作用を評価するために、PMAで処理したU937、ヒトマクロファージ及び泡沫細胞を、アデノシン(100μM)と4、8及び24時間培養した。PMA及びoxLDLが、正常酸素下においてHIF−1αを誘発することが単独に明らかにされているので、正常酸素及び低酸素の両方で、経時的実験を実施した。
この実験条件で、PMAで処理したU937細胞において、正常酸素条件下で、24時間後のアデノシンによってほとんど増加しないHIF−1αタンパク質に特異的なわずかなバンドだけを検出した(デンシトメトリー分析による評価で1.4倍の増加、図4A)。対照的に、HIF−1αタンパク質に特異的な強いバンドが、低酸素条件下で4時間から現れ始めて、アデノシンによって有意に誘発され、そして24時間まで安定であった(図4B)。
ヒトマクロファージにおいて、正常酸素条件下では、HIF−1αの存在が観察されなかったのに対して、低酸素条件下ではアデノシン誘発を評価するために4時間の時点が最適であった(それぞれ、図4C及び4D)。
最後に、U937由来泡沫細胞では、oxLDLの2つの異なった用量(50及び100μg/mL)の存在下での経時的実験を実施した。この場合もやはり、正常酸素条件下で、50μg/mLのoxLDLで処理した後、24時間目にHIF−1αタンパク質に特異的なわずかなバンドだけを検出して、これはアデノシンによる僅かな影響を受けたものであった(図4E)。対照的に、HIF−1αタンパク質に特異的な強いバンドが、低酸素条件下で、4時間から現れ始めて、アデノシン(100μm)によって増大し、24時間後にも安定であり、そして50又は100μg/mLのoxLDLを用いて得られたものと類似していた(図4F及び4G)。その結果、アデノシンの泡沫細胞へHIF−1αタンパク質を蓄積する効果を検討するために、50μg/mLの濃度で4時間の低酸素を選択した。
どのアデノシン受容体がアデノシン誘発HIF−1αタンパク質に関与していたかを評価するために、低酸素条件下でアデノシンを添加する前に、泡沫細胞はアデノシン受容体の選択的拮抗薬で処理した。図5に示されているように、アデノシンの作用は、それぞれA、A2A、A2B及びAアデノシン受容体の関与が示唆されている、DPCPX、SCH58261、MRE−2029F20及びMRE−3008F20(100nM)によって部分的に拮抗された。従って、HIF−1α蓄積に高い親和性を有する一連の作動薬:シクロヘキシル−アデノシン(CHA;10、100nM)、2[p−(カルボキシエチル)−フェネチルアミノ]−NECA(CGS52680;500、1000nM)、1−デオキシ−1−[6−{4−[(フェニルカルバモイル)−メトキシ]フェニルアミノ}−9H−プリン−9−イル]−N−エチル−β−D−リボフランヌロンアミド(10、100nM)及びN−(3−ヨードベンジル)−2−クロロアデノシン−5’−N−メチルウロンアミド(CI−IB−MECA;10,100nM)の濃度増大効果を評価した。図6に示されているように、全ての作動薬が、泡沫細胞においてHIF−1αタンパク質を誘導することができた。PMAで処理したU937細胞及びヒトマクロファージにおいて、同様の結果が得られた。
siRNA処理によるアデノシン受容体のノックダウン
アデノシン誘発HIF−1α蓄積における、異なった受容体サブタイプの関与を更に解明するために、それぞれのアデノシン受容体を、それぞれ、A、A2A、A2B及びA受容体の一過性サイレンシングを誘導する低分子干渉RNA(siRNA)を用いてノックダウンした。泡沫細胞を、それぞれのアデノシンサブタイプを標的とするsiRNAでトランスフェクトした。トランスフェクトの48時間及び72時間後に、アデノシン受容体mRNA(それぞれ、図7A〜7D)及びタンパク質のレベルが有意に減少した(それぞれ、図7E〜7H)。模擬トランスフェクション及びsiRNAによるトランスフェクションの何れも、関連のないmRNAを標的としておらず、アデノシン受容体発現を阻害した。図7Iに示されているように、A、A2A、A2B及びAサブタイプに対するsiRNAでの低酸素条件下72時間の細胞処理は、HIF−1α調節に対するアデノシンの効力、この効力における全てのアデノシンサブタイプの役割をさらに支援するもの、を低減した。
転写レベルでのHIF−1αタンパク質蓄積の制御
アデノシンによるHIF−1αタンパク質蓄積に関与する分子機構を検討するために、HIF−1αmRNA発現に対するヌクレオシドの効力を評価した。リアルタイムRT−PCR実験では、正常酸素条件下でアデノシンによる細胞の処理がHIF−1αmRNAレベルに影響を及ぼさないのに対して、低酸素条件下で、処理の4時間後に、HIF−1αmRNAレベルを、それぞれ、1.6±0.1、1.9±0.1及び1.5±0.1倍に時間依存的に増大させたことを明らかにした。
アデノシン受容体は低酸素条件下でVEGFを誘発する
VEGF産生に対するアデノシンの効力を、低酸素条件下24時間、U937由来泡沫細胞の上澄液で試験した。アデノシン(100nM)はVEGFレベルを165±10%まで増大して、この効果は、A2B及びA受容体への関与が示唆されているMRE−2029F20及びMRE−3008F20(100nM)によって非常に減少して、それ程ではないが、A2A拮抗薬、SCH58261によって阻害された(図8)。更に、HIF−1αのsiRNAによる細胞の処理は、アデノシンが誘発したVEGF産生の増大を無効にして、ヌクレオシドがHIF−1α調節を介して作動していることを示唆した。
2Bアデノシン受容体は低酸素条件下でIL−8の増大を誘発する
IL−8産生に対するアデノシンの効力を、低酸素条件下24時間及び48時間、U937由来泡沫細胞の上澄液で試験した。アデノシン(100nM)はIL−8レベルを158±10%まで増大して、この効果は、A2B拮抗薬、MRE−2029F20又はA2Bサイレンシングによって阻害されたが、100nMのDPCPX、SCH58621及びMRE−3008F20(A2B受容体に対する選択的な効果が示唆されている)によっては阻害されなかった(図9)。アデノシンA2B受容体作動薬、1−デオキシ−1−[6−{4−[(フェニルカルバモイル)メトキシ]フェニルアミノ}−9H−プリン−9−イル]−N−エチル−β−D−リボフラヌロンアミドの用量応答曲線は、IL−8分泌を刺激するEC50値が58±6nMであることを明らかにし、A2B受容体サブタイプのこの応答への関与を示唆した。アデノシンA2B受容体作動薬の効力(1μM、IL−8分泌の142±8%)がA2B受容体拮抗薬MRE−2029F20によって完全に阻止された。最後に、アデノシンによって誘発されるIL−8分泌がHIF−1αタンパク質の増大を介して影響を受けるのか否かを調べるために、アデノシンで刺激する前に、細胞をHIF−1αのsiRNAで処理した。トランスフェクションの72時間後に、IL−8分泌はHIF−1αサイレンシングの影響を受けず、アデノシンによって誘発されるこの効果が、HIF−1αに依存していなかったことを示唆した。
U937由来泡沫細胞におけるコレステロール/コレステリルエステルの定量
U937細胞からの泡沫細胞形成を、コレステロール/コレステリルエステルの定量を実施して評価した。PMAで処理したU937細胞の酸化LDLへの曝露が、コレステロールの0.137から0.200への、コレステロール+コレステリルエステル(総コレステロール)の0.205から0.443への、そしてコレステリルエステルの0.068から0.243への増大を誘発する。
U937由来泡沫細胞におけるオイルレッドO染色
図10Aに示されているように、oxLDLを伴わないU937細胞は、高濃度の中性脂質を含有しておらず、中性脂肪に特異的な染料である、オイルレッドOで染色されない。PMAで処理したU937細胞の50μg/mLのoxLDLによる24時間処理後に、大きい細胞質内脂質液滴を特徴とする泡沫細胞の増大が観察された(図10B)。この効果は、アデノシン(100μM)と共に培養した後に増大した(図10C)。しかしながら、それに続くアデノシンA2B受容体拮抗薬MRE−2029F20(100nM)による処理が泡沫細胞の形成を阻止した(図10D)。
同様に、図11D及び図12Dにそれぞれ示されているように、U937由来泡沫細胞のアデノシンA3受容体拮抗薬、MRE−3008F20(100nM)及びVUF5574(10nM)による処理も泡沫細胞の形成を阻止した。
要するに、これらのデータは、アデノシンA2B及びA受容体の活性化が、泡沫細胞の形成及びプラークの血管形成及び発症をもたらす低酸素条件下でのHIF−1α及びVEGFの蓄積を誘発すること、及びA2B受容体サブタイプもIL-8(HIF−1α)蓄積に関与していることを明らかにしている。従って、アデノシンA2B及びA受容体拮抗薬、又はA2B/A二重拮抗薬は、アテローム性動脈硬化性プラークの形成及び進展を阻止するために用いることができる。

Claims (15)

  1. 方法が、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要としている、哺乳動物に投与することを含有してなる、泡沫細胞の形成を阻害する方法。
  2. 方法が、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要としている、哺乳動物に投与することを含有してなる、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療する方法。
  3. アデノシンA2B受容体拮抗薬が、式:
    Figure 2011528364
    (式中の、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニルであり;
    は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルであり;
    Aは、炭素−炭素結合、炭素が1〜4個のアルキル鎖、炭素が2〜4個のアルケニル鎖、又は炭素が2〜4個のアルキニル鎖であり:
    Xは、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる、1〜4個のヘテロ原子を含有している(但し、少なくとも1個のヘテロ原子は窒素である)、置換されていてもよい、5又は6員の芳香族複素環であり;
    Mは、(C〜C)アルキレン、(C〜C)アルケニレン、又は(C〜C)アルキニレンであり(ここで、アルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基の少なくとも1つの炭素原子はカルボニルとして存在し、そしてアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基の残りの炭素原子の1つ又はそれ以上が−O−、−N(R)−、−S−、−S(O)−、又は−S(O)−に置き換わっていてもよい);
    及びGは、独立して、CH又はNであり;
    、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニル、アシル、置換されていてもよいアルコキシ、アラルコキシアルキルチオ、アミノ、置換アミノ、ジ置換アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、アジド、ヒドロキシ、スルフヒドリル、S(O)アルキル、S(O)アルキル、COH、SOHであるか;又は
    それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRの何れか一方が、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している5又は6員の複素環又は芳香族複素環を形成するか;或いは
    それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRの何れか一方が独立して、−OCHO−、−OCH(R)O−、−OC(RO−、−OCHCHO−、OCHCH−、−CHCHO−、−OCHCHCH−、−CHCHCHO−、−OCH=CH−、−CH=CH−O−、−O−CH=CH−O−、−CH=CH−CH=CH−、−CHCHCH−及び−CHCHCHCH−を含有している縮合環の群から選ばれる、炭素環式又は複素環式の縮合環を形成してもよく;
    は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルである):
    の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. アデノシンA2B受容体拮抗薬が、式:
    Figure 2011528364
    (式中の、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニルであり;
    は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルであり;
    Aは、炭素−炭素結合、炭素が1〜4個のアルキル鎖、炭素が2〜4個のアルケニル鎖、又は炭素が2〜4個のアルキニル鎖であり;
    Xは、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる、1〜4個のヘテロ原子を含有していて(但し、少なくとも1個のヘテロ原子は窒素である)、低級アルキル、アミノ、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アシルオキシ及びアシルアミノよりなる群から選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい、5又は6員の芳香族複素環であり;
    Mは、(C〜C)アルキレン、(C〜C)アルケニレン、又は(C〜C)アルキニレンであり(ここで、アルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基の少なくとも1つの炭素原子はカルボニルとして存在し、そしてアルキレン、アルケニレン、又はアルキニレン基の残りの炭素原子の1つ又はそれ以上が−O−、−N(R)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−に置き換わっていてもよい);若しくは低級アルキルで置換されている炭素であり;
    及びGは、独立して、CH又はNであり;
    、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニル、アシル、置換されていてもよいアルコキシ、アラルコキシアルキルチオ、アミノ、置換アミノ、ジ置換アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ニトロ、シアノ、アジド、ヒドロキシ、スルフヒドリル、S(O)アルキル、S(O)アルキル、COH、SOHであるか;又は
    それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRの何れか一方が、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している5又は6員の複素環又は芳香族複素環を形成するか;或いは
    それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRの何れか一方が、−OCHO−、−OCH(R)O−、−OC(RO−、−OCHCHO−、OCHCH−、−CHCHO−、−OCHCHCH−、−CHCHCHO−、−OCH=CH−、−CH=CH−O−、−O−CH=CH−O−、−CH=CH−CH=CH−、−CHCHCH−及び−CHCHCHCH−を含有している縮合環の群から選ばれる、炭素環式又は複素環式の縮合環を形成し;
    は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、又は(C〜C)アルキニルである):
    の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1又は2に記載の方法。
  5. アデノシンA2B受容体拮抗薬が、式:
    Figure 2011528364
    (式中の、R及びRは、独立して、(C〜C)アルキル又はアリルであり;
    Aは、炭素−炭素結合であり;
    Xは、
    Figure 2011528364
    よりなる群から選ばれ;
    Mは、−NHC(O)CH−、−NHC(O)CHO−、−NHC(O)CH(CH)−、及び −NHC(O)NH−よりなる群から選ばれ;
    、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニル、アシル、置換されていてもよいアルコキシ、アラルコキシ、アミノ、置換アミノ、ジ置換アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、COHであるか;又は
    それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している5又は6員の複素環又は芳香族複素環を形成するか;或いは
    それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、結合するR及びR又はR及びRのどちらか一方が−OCHO−である、複素環式縮合環を形成する):
    の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項4に記載の方法。
  6. アデノシンA2B受容体拮抗薬が、式:
    Figure 2011528364
    (式中の、R及びRは、独立して、(C〜C)アルキルであり;
    Aは、炭素−炭素結合であり;
    Xは、
    Figure 2011528364
    よりなる群から選ばれ;
    Mは、−OCHC(O)NH−であり;
    、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、置換されていてもよい(C〜C10)アリール、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニル、アシル、置換されていてもよいアルコキシ、アラルコキシ、アミノ、置換アミノ、ジ置換アミノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、COHであるか;又は
    それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、窒素、酸素、又は硫黄から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有している5又は6員の複素環又は芳香族複素環を形成するか;或いは
    それらが結合している炭素原子と共に、R及びR又はR及びRのどちらか一方が、−OCHO−を含有している複素環式縮合環を形成する):
    の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項4に記載の方法。
  7. アデノシンA2B受容体拮抗薬が、式:
    Figure 2011528364
    (式中の、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニルであり;
    は、H又は(C〜C)アルキルであり;
    は、独立して、フェニル又はピラゾール環;何れかの位置がアミノ、低級アルキル、又はカルボキシルで置換されているフェニル又はピラゾール環;又は何れか2つの位置がアミノ、低級アルキル、及びカルボキシルから選ばれる置換基で置換されているフェニル又はピラゾール環であるか;又は
    は、
    Figure 2011528364
    よりなる群から選ばれる):
    の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1又は2に記載の方法。
  8. アデノシンA2B受容体拮抗薬が、式:
    Figure 2011528364
    (式中の、R及びRは、独立して、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C14)アラルキル、(C〜C14)アラルケニル、又は(C〜C14)アラルキニルであり;
    は、フェニル、置換フェニル、(C〜C)アルキル、又はベンジルである):
    の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1又は2に記載の方法。
  9. アデノシンA2B受容体拮抗薬が、
    8−(3−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;
    [3−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)イソキサゾール−5−イル]メチル−安息香酸塩;
    8−(1−メチル−4−ニトロ−1H−ピロール−2−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;
    4−{[5−(1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン酸;
    4−{[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アミノ}−4−オキソブチルカルバミン酸tert−ブチル;
    4−{[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アミノ}−4−オキソブタン−1−アミニウムクロライド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド;
    2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    2−(3−メトキシフェニル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−イソブチルフェニル)アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−ニトロフェニル)アセトアミド;
    2−[4−ベンジルオキシフェニル]−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    2−[4−ヒドロキシフェニル]−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    (2S)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−フェニルプロパンアミド;
    (2R)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−フェニルプロパンアミド;
    {3−[(E)−2−(1,3−ジプロピル−7−メチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)ビニル]イソキサゾール−5−イル}メチル安息香酸塩
    2−(4−クロロフェノキシ)−N−[5−(1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
    2−(4−メトキシフェニル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(3−クロロフェニル)アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(3−フルオロフェニル)アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド;
    2−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}フェニル)アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−{[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}フェニル)アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−{4−ニトロ−ベンジルオキシ}フェニル)アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド;
    4−[(E)−2−(7−メチル−1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)ビニル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸フェニル
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]−2−フェニルアセトアミド;
    8−(5−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;
    8−(3−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3−ジメチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジメチル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−フェニルアセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(3,4−ジフルオロフェニル)アセトアミド;
    2−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    N−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N’−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]尿素;
    N−(3−クロロフェニル)−N’−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]尿素;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−N’−(3−メトキシフェニル)尿素;
    2−[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]アセトアミド;
    N−[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)アセトアミド;
    N−(4−メチルフェニル)−2−{[5−(1,3−ジプロピル−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アセトアミド;
    N−(4−ブロモフェニル)−2−{[3−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}アセトアミド;
    N−(4−フルオロフェニル)−2−{[3−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}アセトアミド;
    2−{[3−(1,3−ジイソブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
    2−{[3−(1,3−ジイソブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}−N−(4−ブロモフェニル)アセトアミド;
    2−{[5−(2,6−ジオキソ−1.3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
    2−{[5−(2,6−ジオキソ−1.3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−ブロモフェニル)アセトアミド;
    2−{[5−(1,3−ジイソブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド;
    2−{[5−(1,3−ジイソブチル−2,6−ジオキソ−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−ブロモフェニル)アセトアミド;
    N−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−2−{[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アセトアミド;
    2−{[5−(2,6−ジオキソ−1.3−ジプロピル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}−N−(4−メトキシフェニル)アセトアミド;
    1−[5−(2,6−ジオキソ−1.3−ジプロピル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−3−(4−メトキシフェニル)−尿素;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−sec−ブチル−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−メチル−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−(モルホリン−4−イル)−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−カルボキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(3,4−ジメチル−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(ピリジン−4−イル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ」−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    8−(5−{2−[4−(4−フルオロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エトキシ}−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[2−オキソ−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    8−(5−{2−[4−(4−ベンジル−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−オキソ−エトキシ}−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−1,3−ジプロピル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン;
    1,3−ジアリル−8−{5−[2−オキソ−2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{3−[(3,4−メチレンジオキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−イソキサゾール−5−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{3−[(3,4−ジメトキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−イソキサゾール−5−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{3−[(4−フルオロ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−イソキサゾール−5−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{3−[(4−メトキシ−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−イソキサゾール−5−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{6−[(4−ヨード−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−ピリジン−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{6−[(4−ヨード−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−ピリダジン−3−イル}−キサンチン;
    N−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−2−{[5−(2,6−ジオキソ−1,3−ジアリル−2,3,6,9−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]オキシ}アセトアミド;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−(エトキシカルボニル)−フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチン;
    1,3−ジ−n−プロピル−8−(2−ヒドロキシピリジン−5−イル)−キサンチン;及び
    1,3−ジ−n−プロピル−8−{5−[(4−(アミノスルホニル)フェニルカルバモイル)−メトキシ]−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル}−キサンチンよりなる群から選ばれる、又はこれらの薬学的に許容される塩である、請求項1又は2に記載の方法。
  10. アデノシンA2B受容体拮抗薬が、
    Figure 2011528364
    よりなる群から選ばれる、又はそれらの薬学的に許容される塩である、請求項1又は2に記載の方法。
  11. 方法が、脳卒中及び心臓発作の予防を更に含有してなる、請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
  12. 方法が、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、及び
    (1)ACE阻害薬;
    (2)アンジオテンシンII受容体遮断薬;
    (3)レニン阻害剤;
    (4)利尿剤;
    (5)カルシウムチャネル遮断薬;
    (6)β−ブロッカー;
    (7)血小板凝集阻害薬;
    (8)コレステロール吸収調節薬;
    (9)HMG−Co−A還元酵素阻害薬;
    (10)高密度リポタンパク質(HDL)増大化合物;
    (11)ACAT阻害薬;及び
    (12)アデノシンA受容体拮抗薬;
    よりなる群から選ばれる少なくとも1つのその他の治療薬剤、
    又はそれぞれの場合に、それらの薬学的に許容される塩:
    との組み合わせの治療有効量を、それを必要としている、哺乳動物に投与することを含有してなる、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療する方法。
  13. 方法が、脳卒中及び心臓発作の予防を更に含有してなる、請求項12に記載の方法。
  14. 方法が、アデノシンA2B受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、及びアデノシンA受容体拮抗薬、又はそれらの薬学的に許容される塩、との組み合わせの治療有効量を、それを必要としている、哺乳動物に投与することを含有してなる、アテローム性動脈硬化症を予防及び治療する方法。
  15. 方法が、脳卒中及び心臓発作の予防を更に含有してなる、請求項14に記載の方法。
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