次に、図面を参照しながら様々な態様について説明する。以下の記述では、説明の目的で、1つまたは複数の態様の完全な理解を与えるために多数の具体的な詳細を記載する。ただし、そのような(1つまたは複数の)態様は、これらの具体的な詳細なしに実施できることは明らかであろう。
本出願で使用する「構成要素」、「モジュール」、「システム」などの用語は、限定はしないが、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアなど、コンピュータ関連のエンティティを含むものとする。たとえば、構成要素は、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータとすることができるが、これらに限定されない。例として、コンピューティング・デバイス上で実行されるアプリケーションと、そのコンピューティング・デバイスの両方を構成要素とすることができる。1つまたは複数の構成要素がプロセスおよび/または実行スレッド内に常駐することができ、1つの構成要素を1つのコンピュータ上に配置し、および/または2つ以上のコンピュータ間に分散することができる。さらに、これらの構成要素は、様々なデータ構造を記憶している様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。これらの構成要素は、ローカルシステム、分散システム、および/または他のシステムを用いるインターネットなどのネットワーク全体の中の別の構成要素と信号を介して対話する1つの構成要素からのデータなど、1つまたは複数のデータパケットを有する信号によるなど、ローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスを介して通信することができる。
さらに、本明細書では、ワイヤード端末またはワイヤレス端末とすることができる端末に関する様々な態様について説明する。端末は、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、モバイル・デバイス、リモート局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、通信デバイス、ユーザエージェント、ユーザデバイス、またはユーザ機器(UE)と呼ばれることもある。ワイヤレス端末は、セルラー電話、衛星電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、コンピューティング・デバイス、またはワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイスとすることができる。さらに、本明細書では基地局に関する様々な態様について説明する。基地局は、(1つまたは複数の)ワイヤレス端末と通信するために利用でき、アクセス・ポイント、ノードB、または何らかの他の用語で呼ばれることもある。
さらに、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味するものとする。すなわち、別段の規定がない限り、または文脈から明白でない限り、「XはAまたはBを使用する」という句は、自然な包括的置換のいずれかを意味するものとする。つまり、「XはAまたはBを使用する」という句は、XがAを使用する場合、XがBを使用する場合、またはXがAとBの両方を使用する場合のいずれによっても満たされる。さらに、本出願および添付の特許請求の範囲で使用する冠詞「a」および「an」は、別段の規定がない限り、または単数形を示すことが文脈から明白でない限り、概して「1つまたは複数」を意味するものと解釈すべきである。
本明細書で説明する技法は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMAおよび他のシステムなど、様々なワイヤレス通信システムに使用できる。「システム」および「ネットワーク」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAシステムは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)、cdma2000などの無線技術を実装することができる。UTRAは、Wideband−CDMA(W−CDMA)およびCDMAの他の変形態を含む。さらに、cdma2000は、IS−2000、IS−95およびIS−856規格をカバーする。TDMAシステムは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)などの無線技術を実装することができる。OFDMAシステムは、E−UTRA(Evolved UTRA)、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE802.11(WiFi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、フラッシュOFDM(Flash-OFDM)などの無線技術を実装することができる。UTRAおよびE−UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の一部である。3GPP LTE(Long Term Evolution)は、ダウンリンク上ではOFDMAを採用し、アップリンク上ではSC−FDMAを採用するE−UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTEおよびGSMは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)と称する組織からの文書に記載されている。さらに、cdma2000およびUMBは、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)と称する組織からの文書に記載されている。さらに、そのようなワイヤレス通信システムは、不対無資格スペクトル、802.xxワイヤレスLAN、BLUETOOTH(登録商標)および任意の他の短距離または長距離ワイヤレス通信技法をしばしば使用するピア・ツー・ピア(たとえば、モバイルツーモバイル)アドホックネットワークシステムをさらに含むことができる。
様々な態様または特徴は、いくつかのデバイス、構成要素、モジュールなどを含むことができるシステムに関して提示される。様々なシステムは、追加のデバイス、構成要素、モジュールなどを含んでもよく、および/または各図に関連して論じるデバイス、構成要素、モジュールなどのすべてを含まなくてもよいことを理解および諒解されたい。これらの手法の組合せを使用することもできる。
図1を参照すると、単一のモビリティ管理エンティティ(MME)または上流アクセス・ポイント接続への複数のアクセス・ポイント接続を多重化することを可能にするワイヤレス通信システム100が示されている。MMEまたはアクセス・ポイント104ならびに様々な下流アクセス・ポイント106、108、および110の間で通信することを可能にするために、それらに接続するコンセントレータ構成要素102が設けられる。MMEまたはアクセス・ポイント104は、MMEまたはMMEと通信するアクセス・ポイントとすることができる。さらに、図示しないが、コンセントレータ構成要素102は複数のMMEまたは上流アクセス・ポイントに接続することができ、アクセス・ポイント106、108、および110(または他の下流アクセス・ポイント)が1つまたは複数のMMEあるいは上流アクセス・ポイントと通信することが可能になる。さらに、本明細書でさらに説明するように、コンセントレータ構成要素102は、MMEまたはアクセス・ポイント104ならびにアクセス・ポイント106、108、および110に対して透過的とすることができる。
一例によれば、コンセントレータ構成要素102は、各アクセス・ポイント106、108、および110について、MMEまたはアクセス・ポイント104との複数の関係するアプリケーション・レイヤ接続(たとえば、S1アプリケーションプロトコル(S1−AP、X2など))とともに、トランスポート・レイヤ接続(たとえば、ストリーム制御送信プロトコル(SCTP))を確立することができる。さらに、アクセス・ポイント106、108、および110は、それぞれコンセントレータ構成要素102とのトランスポート・レイヤ接続と、対応するアプリケーション・レイヤ接続とを確立することができる。コンセントレータ構成要素102は、トランスポートおよびアプリケーション・レイヤを介して、アクセス・ポイント106、108、および110からパケットを受信し、単一のトランスポート・レイヤ接続を介して確立された対応するアプリケーション・レイヤ接続を介して、アクセス・ポイント106、108、または110識別子とともに、パケットをMMEまたはアクセス・ポイント104にフォワーディングすることができる。さらに、MMEまたはアクセス・ポイント104は、コンセントレータ構成要素102に送信されるパケット中でアクセス・ポイント識別子を示し、コンセントレータ構成要素は、パケットを適切なアクセス・ポイント106、108または110にフォワーディングすることができる。
別の例では、コンセントレータ構成要素102は、複数の上流MMEまたはアクセス・ポイント(たとえば、MMEまたはアクセス・ポイント104など)と通信することができる。この例では、コンセントレータ構成要素102は、アクセス・ポイント106、108、110、および複数の上流MMEまたはアクセス・ポイントに関係する、ルーティング・テーブルなどのルーティング情報を維持することができる。その上、この例では、アクセス・ポイント106、108、および110は複数のMMEに接続し、コンセントレータ構成要素102は、各MMEについてのルーティング情報を維持し、ルーティング情報を使用して、パケットをアクセス・ポイント106、108、または110から適切なMMEにフォワーディングすることができる。
さらに、コンセントレータ構成要素102は、場合によっては、ハンドオーバ・コマンド、リセット・メッセージなど、アクセス・ポイント間通信を処理するMMEとして働くことができる。たとえば、アクセス・ポイント106および108に関係するハンドオーバ・コマンドを受信することができる。アクセス・ポイント106および108が同じ上流MMEまたはアクセス・ポイント(たとえば、MMEまたはアクセス・ポイント104)に関連付けられる場合、場合によっては、上流MMEまたはアクセス・ポイントにハンドオーバについて通知する必要はない。この例では、コンセントレータ構成要素102は、ハンドオーバ・コマンドに示すように、アクセス・ポイント106からアクセス・ポイント108への(またはその逆も同様)ハンドオーバを可能にすることができる。ただし、別の例では、コンセントレータ構成要素102は、ハンドオーバ・コマンド中のアクセス・ポイント識別子を、MMEまたはアクセス・ポイント104を用いて確立されるそれ自体の識別子と交換して、MMEまたはアクセス・ポイント104を、あるアクセス・ポイントがそれ自体にハンドオーバしているかのように働かせることができる。ただし、ハンドオーバ・コマンドに関与するアクセス・ポイントが異種MMEと通信する場合、コンセントレータ構成要素102は、ハンドオーバを可能にするために適切なアクセス・ポイントに関係する上流MMEまたはアクセス・ポイントにコマンドをフォワーディングすることができる。
同様に、コンセントレータ構成要素102は、アクセス・ポイント106、108、または110から送信されたリセット・メッセージを処理する際にMMEとして働くことができる。この例では、コンセントレータ構成要素102は、アクセス・ポイント106、108、または110にサービスするMMEまたはアクセス・ポイント104に、ならびにMMEまたはアクセス・ポイント104によってサービスされている実質的にすべてのアクセス・ポイントに、リセット・メッセージを送信することができる。追加としてまたは代替的に、コンセントレータ構成要素102は、本明細書でさらに説明するように、リセットされるアクセス・ポイント106、108、または110によってサービスされる実質的にすべてのモバイル・デバイスにリセット・メッセージを送信することができる。その上、コンセントレータ構成要素102は、本明細書でさらに説明するように、リセットされるアクセス・ポイント106、108または110のうちの1つまたは複数によってサービスされるすべてのモバイル・デバイスについて別々に、MMEまたはアクセス・ポイント104にリセット・メッセージを送信することができる。
追加としてまたは代替的に、一例では、コンセントレータ構成要素102は、所与のアクセス・ポイント106、108、または110と接続されたモバイル・デバイス(図示せず)ごとに、MMEまたはアクセス・ポイント104とのアプリケーション・レイヤ接続を確立することができる。この例では、コンセントレータ構成要素102は、接続されたモバイル・デバイスに関係するアクセス・ポイント106、108、または110からアップリンク・パケットを受信し、コンセントレータ構成要素102内で一意であるモバイル・デバイスの識別子を発生することができる。たとえば、識別子は、関連付けられたアクセス・ポイント106、108、または110の識別子とともに、パケット(たとえば、または前の登録)から判断されたモバイル・デバイスの識別子を含むことができる。コンセントレータ構成要素102は、受信したパケット中のモバイル・デバイス識別子を局所的に一意の識別子と置き換え、パケットをMMEまたはアクセス・ポイント104に送信することができる。
MMEまたはアクセス・ポイント104から受信したダウンリンク・パケットは、アップリンク・パケットにおいて使用される一意の識別子を含むことができ、コンセントレータ構成要素102が、関連付けられたモバイル・デバイスおよびサービング・アクセス・ポイントを識別することが可能になる。一例では、コンセントレータ構成要素102は、一意の識別子に関係する記憶された状態情報に従ってモバイル・デバイスにサービスするアクセス・ポイントを判断することができる。別の例では、コンセントレータ構成要素102は、一意の識別子に記憶された、または一意の識別子によって示された情報に基づいてサービング・アクセス・ポイントを判断することができる。いずれの場合も、コンセントレータ構成要素は、ダウンリンク・パケット中の一意の識別子を、前にサービング・アクセス・ポイントから受信したモバイル・デバイス識別子と置き換え、適切なモバイル・デバイスに伝搬するためにパケットをサービング・アクセス・ポイントにフォワーディングすることができる。別の例では、コンセントレータ構成要素102は、ダウンリンク・パケット中のサービング・アクセス・ポイント情報を判断し、適切なモバイル・デバイスに伝搬するためにパケット中の識別子の置き換え/変更なしに、パケットをサービング・アクセス・ポイントにフォワーディングすることができる。
さらに、コンセントレータ構成要素102は、アクセス・ポイント106、108、および110によって指定されたトラッキング・エリアのためのページングを実施することができる。たとえば、アクセス・ポイント106、108、および110は、コンセントレータ構成要素102との接続を確立するときにトラッキング・エリアを示すことができる(および/またはコンセントレータ構成要素102は、関係するトラッキング・エリアを他の方法で受信または判断することができる)。コンセントレータ構成要素102は、接続アクセス・ポイントからの新しいトラッキング・エリアに遭遇した場合、構成更新メッセージ中でトラッキング・エリア情報をMMEまたはアクセス・ポイント104にフォワーディングすることができる。MMEまたはアクセス・ポイント104は、トラッキング識別子を備えるコンセントレータ構成要素102にページを送信することによって、ページングを利用することができる。コンセントレータ構成要素102は、その後、一例では、トラッキング・エリアに関連付けられる実質的にすべてのアクセス・ポイントにページを送信することができ、アクセス・ポイントが、ページ中で識別された適切なモバイル・デバイスをページングすることが可能になる。
次に図2を参照すると、所与のMMEまたは上流アクセス・ポイントへの複数のアクセス・ポイント接続を維持することを可能にする例示的なワイヤレス通信システム200が示されている。説明したように、1つまたは複数のMME202または上流アクセス・ポイント204との通信を可能にする複数のアクセス・ポイント106、108、および110に接続することができるコンセントレータ構成要素102が設けられる。上流アクセス・ポイント204は、MME202または他の上流ネットワーク構成要素に接続し、たとえば、コンセントレータ構成要素102を介してアクセス・ポイント106、108、および110について、それらとの通信を可能にすることができる。さらに、モバイル・デバイス206および208は、ワイヤレス・ネットワーク・アクセスを受信するためにアクセス・ポイント106と通信することができる。たとえば、より多くのモバイル・デバイスが、アクセス・ポイント106と、および/あるいは上流アクセス・ポイント108または110のうちの1つまたは複数とそのように通信することができることを諒解されたい。
コンセントレータ構成要素102は、1つまたは複数のトランスポート・レイヤ接続と、MMEまたは上流アクセス・ポイントとの複数のアプリケーション・レイヤ接続とを管理する上流接続構成要素210と、複数のアクセス・ポイントとのトランスポートおよびアプリケーション・レイヤ接続を管理する下流接続構成要素212と、MMEまたは他の上流アクセス・ポイントに関連付けられる複数のアクセス・ポイントの状態情報を維持するアクセス・ポイント・ルーティング構成要素214と、複数のアクセス・ポイントのうちの1つまたは複数に接続された複数のモバイル・デバイスの状態情報を維持するモバイル・デバイス・ルーティング構成要素216と、コンセントレータ構成要素102に接続されたアクセス・ポイント間で送信されるメッセージまたはパケットを処理することができるインターアクセス・ポイント・メッセージ構成要素218と、関係するトラッキング・エリアに基づいてモバイル・デバイスのためのページをサービング・アクセス・ポイントに送信するページング構成要素220とを含むことができる。
一例によれば、上流接続構成要素210はMME202および/またはアクセス・ポイント204との接続を確立することができる。たとえば、上流接続構成要素210は、一例では、MMEおよび/またはアクセス・ポイント204とのSCTP関連付けを確立することができ、いくつかのアプリケーション・レイヤ(たとえば、S1−AP、X2など)接続またはストリームが可能になる。接続確立中に、上流接続構成要素210は、たとえば、MME202またはアクセス・ポイント204から送信されるパケットを識別する際に後で使用するために、MME202の一意の識別子(たとえば、グローバルな一意のMME識別子(global unique MME identifier)(GUMMEI))またはアクセス・ポイント204の一意の識別子(たとえば、eNBグローバル識別子(eNB global identifier)(EGI))を受信することができる。上流接続構成要素210が様々なMMEまたはアクセス・ポイントへの複数の上流接続を維持するとき、そのような識別子を使用することが有用となることを諒解されたい。
さらに、たとえば、下流接続構成要素212は、コンセントレータ構成要素102への、またはMME202への、または上流アクセス・ポイント204への対応するアクセス要求を受信すると、アクセス・ポイント106、108、および110との接続を確立することができる(たとえば、説明したように、コンセントレータ構成要素102は、アクセス・ポイントに対して透過的とすることができる)。たとえば、アクセス・ポイント106、108、および110は下流接続構成要素212とのSCTP関連付けをセットアップすることができ、それに対して、コンセントレータ構成要素102は、MME202または上流アクセス・ポイント204に関するアクションをとらない。下流接続構成要素212は、一例では、アクセス・ポイント106、108、および110が直接MME202または上流アクセス・ポイント204との接続をセットアップしたかのように、MME202の識別子(たとえば、GUMMEI)または上流アクセス・ポイント204の識別子(たとえば、EGI)をそれらのアクセス・ポイントに送信することができる。その後、アクセス・ポイント106、108、および110は、コンセントレータ構成要素102との接続を確立することを可能にするために、下流接続構成要素212によって受信されるアプリケーション・レイヤ初期化メッセージ(たとえば、S1−APまたはX2メッセージ)を送信することができる。上流接続構成要素210は、S1−AP/X2メッセージをMME202および/または上流アクセス・ポイントにフォワーディングすることができ、一例では、これは、メッセージ中で識別されるMMEまたは上流アクセス・ポイントなど、メッセージ中の情報に基づくことができる。MME202または上流アクセス・ポイント204は、上流接続構成要素210とのSCTP接続を介してアプリケーション・レイヤ接続をセットアップすることができる。したがって、たとえば、アクセス・ポイント106、108または110と下流接続構成要素212との間の接続が(たとえば、アプリケーション・レイヤまたはトランスポート・レイヤにおいて)できない場合、下流接続構成要素212は、MME202または上流アクセス・ポイント204への関係するアプリケーション・レイヤ接続を閉じることができる。
その上、説明したように、コンセントレータ構成要素102は複数のMMEまたは上流アクセス・ポイントに接続することができる。この例では、コンセントレータ構成要素102は、様々なMMEまたは上流アクセス・ポイントへのアクセスを公開することができ、アクセス・ポイント106、108、および110などの下流アクセス・ポイントが所望のMMEまたは上流アクセス・ポイントを選択することが可能になる。選択されたMMEまたは上流アクセス・ポイントに関する情報を、たとえば、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214中のルーティング・テーブルに記憶することができる。さらに、下流アクセス・ポイントのうちの1つまたは複数を複数のMMEまたは上流アクセス・ポイントに接続することができ、その場合、下流アクセス・ポイントは、各接続について異なるIPまたは他のアドレスを使用して、コンセントレータ構成要素102を通して接続を交渉することができる。アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214は、さらに以下で説明するように、IPまたは他のアドレスおよび他の情報に基づいて複数の関連付けを記憶することができる。
さらに、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214は、アクセス・ポイント106、108、または110と、MME202またはアクセス・ポイント204などの適切なMMEまたはアクセス・ポイントとの間の関連付けを記憶することができる。たとえば、上流接続構成要素210によって受信される(および/またはアクセス・ポイント初期化要求中に示される)MME202のGUMMEIまたは上流アクセス・ポイント204のEGIと、トランスポート・レイヤおよび/またはアプリケーション・レイヤ・セットアップ要求中で下流接続構成要素212によって受信できる、適切なアクセス・ポイント106、108、または110に関係する識別子とともに、関連付けを記憶することができる。これは、説明したように、アクセス・ポイント106、108、または110を局所的に識別するEGIとすることができる。さらに、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214は、アクセス・ポイント識別子をアクセス・ポイントのIPアドレスに関連付けることができる。一例では、下流接続構成要素212は、アクセス・ポイント106、108、および110から、たとえば、各パケット中にアクセス・ポイントの識別子を含むパケットを受信することができ、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214は、パケット中の情報に基づいて、および/またはアクセス・ポイント・ルーティング構成要素214に記憶された、アクセス・ポイント識別子またはIPアドレスとMME識別子との間の関連付けに基づいて宛先MMEまたは上流アクセス・ポイントを判断することができる。いずれの場合も、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214は、たとえば、適切なMMEまたは上流アクセス・ポイントに伝搬するためにパケットを上流接続構成要素210にフォワーディングすることができる。
MME202またはアクセス・ポイント204からパケットを受信すると、上流接続構成要素210は、パケットを受信すべき1つまたは複数の適切なアクセス・ポイントを判断するために、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214に問い合わせることができる。一例では、上流接続構成要素210は、パケットに関係するMME識別子または上流アクセス・ポイント識別子、および/またはパケットを受信すべきアクセス・ポイントを局所的に識別する、下流アクセス・ポイントに関係する(上述のEGIなどの)アクセス・ポイント識別子を取得することができる。一例では、下流アクセス・ポイント識別子は、MME202またはアクセス・ポイント204によって受信されたダウンリンク・パケット中の別の識別子と、セットアップ中に他の識別子を受信されたアクセス・ポイント識別子に関連付けるアクセス・ポイント・ルーティング構成要素214のルーティング・テーブル中のエントリとに基づいて判断できる。下流接続構成要素212は、この識別子に基づいてパケットを適切なアクセス・ポイントにフォワーディングすることができる。下流アクセス・ポイントが複数のMMEまたは上流アクセス・ポイントに関連付けられた場合、下流接続構成要素212は、MME識別子または上流アクセス・ポイント識別子に基づいてパケットを下流アクセス・ポイントにさらにフォワーディングすることができる。したがって、たとえば、アクセス・ポイント106、108、または110などの下流アクセス・ポイントは、各MMEまたは上流アクセス・ポイント接続について1つまたは複数ある、下流接続構成要素212との複数のトランスポートおよび/またはアプリケーション・レイヤ接続を初期化することができる。この点について、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214は、MMEまたは上流アクセス・ポイント識別子と下流アクセス・ポイント識別子とに基づいて、どの接続を介してパケットを下流アクセス・ポイントにフォワーディングすべきかを判断することができる。
別の例では、アクセス・ポイント106は、モバイル・デバイス206および208へのネットワーク・アクセスを行うことができる。この点について、下流接続構成要素212は、アクセス・ポイント106からモバイル・デバイス固有のパケットを受信することができる。最初のパケットを受信すると、上流接続構成要素210は、モバイル・デバイス206または208に対して、MME202または上流アクセス・ポイント204とのトランスポート・レイヤ接続を介して、アプリケーション・レイヤ接続を確立することができる。さらに、モバイル・デバイス・ルーティング構成要素216は、モバイル・デバイス206または208に関係する識別子、および/またはアクセス・ポイント106に関係する識別子を抽出することができる。一例では、モバイル・デバイス識別子は、アクセス・ポイント106によって割り当てられ、モバイル・デバイス206または208などからのアップリンク・パケット中に指定されることがある。モバイル・デバイス・ルーティング構成要素216は、アクセス・ポイント106とモバイル・デバイス206または208との識別子に関係する一意の識別子を生成し、受信したパケット中の識別子を一意の識別子と置き換えることができ、実際、一意の識別子は両方の識別子を備えることができる。その後、上流接続構成要素210は、作成されたアプリケーション・レイヤ接続を使用して、パケットを適切なMME202または上流アクセス・ポイント204に通信することができる。同様に、所望のMMEまたは上流アクセス・ポイントをアクセス・ポイント106からのパケット中に示すことができ、一例では、および/または上流接続構成要素210は、パケットを前にアクセス・ポイント106に関連付けられるMMEまたは上流アクセス・ポイントに通信することができる。
さらに、上流接続構成要素210は、モバイル・デバイス206および208、または他のモバイル・デバイスに関係するMME202または上流アクセス・ポイント204からダウンリンク・パケットを受信することができる。モバイル・デバイス・ルーティング構成要素216は、パケット中の一意のモバイル・デバイス識別子に基づいて、ダウンリンク・パケットが関係するアクセス・ポイントおよび接続されたモバイル・デバイスを判断することができる。たとえば、(たとえば、ルーティング・テーブルに追加されるかまたは挿入する)関連付けとして記憶された場合、モバイル・デバイス・ルーティング構成要素216は、一意の識別子を、モバイル・デバイス206または208などに対するモバイル・デバイス識別子と、アクセス・ポイント106などに対する関連付けられたアクセス・ポイント識別子とに照合することができる。別の例では、一意の識別子がモバイル・デバイスおよびアクセス・ポイント識別子から構成された場合、モバイル・デバイス・ルーティング構成要素216は一意の識別子からモバイル・デバイスおよびアクセス・ポイント識別子を識別することができる。いずれの場合も、モバイル・デバイス・ルーティング構成要素216はさらに、パケット中の一意の識別子を、判断されたモバイル・デバイス識別子と置き換えることができ、下流接続構成要素212は、アクセス・ポイント識別子に基づいてパケットを適切なアクセス・ポイントにフォワーディングすることができる。
さらに別の例では、インターアクセス・ポイント・メッセージ構成要素218は、コンセントレータ構成要素102によってサービスされるアクセス・ポイント間でメッセージを通信する際に、MMEとして同様の機能を実行することができる。たとえば、アクセス・ポイント106および108などの2つのアクセス・ポイントが同じMME202または上流アクセス・ポイント204に関連付けられる場合、インターアクセス・ポイント・メッセージ構成要素218はアクセス・ポイント106とアクセス・ポイント108との間の通信を可能にすることができる。一例では、アクセス・ポイント106は、モバイル・デバイス206から通信をハンドオーバすることを可能にするために、ハンドオーバまたはセル再選択コマンドを送信することができ、ハンドオーバまたはセル再選択コマンドは、下流接続構成要素212によって受信される。下流接続構成要素212は、ハンドオーバ・コマンドを検出し、ソース・アクセス・ポイント106およびターゲット・アクセス・ポイント108を判断することができる。アクセス・ポイント106および108が、説明したように、同じMMEまたは上流アクセス・ポイントに関連付けられ、そのことがアクセス・ポイント・ルーティング構成要素214から判断できる場合、インターアクセス・ポイント・メッセージ構成要素218は、下流接続構成要素212を介してハンドオーバ・コマンドをアクセス・ポイント108にフォワーディングすることができる。したがって、MMEまたは上流アクセス・ポイントはハンドオーバに関与する必要はないが、一例では、コンセントレータ構成要素102がハンドオーバについてMMEまたは上流アクセス・ポイント(たとえば、MME202またはアクセス・ポイント204)に通知することができることを諒解されたい。
ただし、別の例では、インターアクセス・ポイント・メッセージ構成要素は、ハンドオーバ・コマンド中のソースおよびターゲット・アクセス・ポイント識別子をコンセントレータ構成要素102の識別子と置き換え、コマンドを適切なMMEまたは上流アクセス・ポイントにフォワーディングすることができる。この点について、MME(たとえば、MME202)または上流アクセス・ポイント(たとえば、アクセス・ポイント204)は、コンセントレータ構成要素102を、それ自体にハンドオーバするかのように扱い、コンセントレータ構成要素102に、適切なアクセス・ポイント106および108との間でハンドオーバ情報をフォワーディングさせることができる。別の例では、インターアクセス・ポイント・メッセージ構成要素218は、下流接続構成要素212を介してアクセス・ポイント106、108、または110から受信したリセット・メッセージを適宜に処理することができる。たとえば、下流接続構成要素212は、アクセス・ポイント106からリセットコマンドを受信することができ、インターアクセス・ポイント・メッセージ構成要素218は、一例では、上流接続構成要素210を利用して、メッセージを、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214によって示される関係するMMEおよび/または上流アクセス・ポイントにフォワーディングすることができる。さらに、インターアクセス・ポイント・メッセージ構成要素218は、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214によって判断された、同じMMEまたは上流アクセス・ポイントに関連付けられる実質的にすべてのアクセス・ポイントにリセット・メッセージを中継することができる。その上、下流接続構成要素212は、一例では、関係するリセット・メッセージを、モバイル・デバイス・ルーティング構成要素216中に示されるアクセス・ポイントによってサービスされるモバイル・デバイスに送信することができる。代替的に、たとえば、下流接続構成要素212は、アクセス・ポイント106からリセットコマンドを受信することができ、モバイル・デバイス・ルーティング構成要素216は、一例では、アクセス・ポイント106によってサービスされるUEごとにリセット・メッセージを、関係するMME202および/または上流アクセス・ポイント204に送信することができる。
また、MME202または上流アクセス・ポイント204がリセット・メッセージを送信し、上流接続構成要素210がそれを受信することができることを諒解されたい。したがって、アクセス・ポイント・ルーティング構成要素214は、たとえば、下流接続構成要素212を使用してリセット・メッセージを送信することによって、関連付けられたアクセス・ポイントに通知することができる。さらに別の例では、ページング構成要素220は、アクセス・ポイント106、108、または110に関連付けられるトラッキング・エリアに基づいて、サービスされるモバイル・デバイスに関係するページング・メッセージをアクセス・ポイント106、108、または110に送信することができる。この例では、コンセントレータ構成要素102との接続を確立したときに、アクセス・ポイント106、108、および110は、接続確立要求中でトラッキング・エリア情報を送信することができる。ページング構成要素220は、アクセス・ポイント106、108、および110に関連付けられるトラッキング・エリア情報を記憶することができる。新しいトラッキング・エリア(たとえば、ページング構成要素220中にその情報とともに記憶されていないトラッキング・エリア)が画定された場合、ページング構成要素220は、構成更新メッセージを、MME202などの関連付けられたMME、またはアクセス・ポイント204などの上流アクセス・ポイントに送信することができる。この点について、MME202および/または上流アクセス・ポイント204は、ページング・メッセージを上流接続構成要素210に送信することによって、そのメッセージをトラッキング・エリア中の実質的にすべてのモバイル・デバイスに送信することができる。ページング構成要素220は、たとえば、メッセージ中で識別されたトラッキング・エリアに基づくアクセス・ポイントに、およびページング構成要素220に記憶された、トラッキング・エリアに関係するアクセス・ポイントにメッセージをフォワーディングすることができる。ページング構成要素220は、追加または代替として、ページング構成要素220が、受信されたページング・メッセージをコンセントレータ構成要素102に接続された実質的にすべてのアクセス・ポイントにフォワーディングし、アクセス・ポイントが、メッセージ中に記憶されたトラッキング識別子に基づいてメッセージが適用するかどうかを判断することができる、ステートレス設計を同様に実施することができることを諒解されたい。
図3を参照すると、複数のアクセス・ポイントに単一トランスポート・レイヤ接続を介したMMEまたは上流アクセス・ポイント通信を与えることを可能にする例示的なワイヤレス通信システム300が示されている。MMEまたはアクセス・ポイント104と通信することを可能にするためにMMEまたはアクセス・ポイント104へのトランスポート・レイヤ接続を確立し、複数のアクセス・ポイント106、108、および110とのトランスポートおよびアプリケーション・レイヤ接続を確立するコンセントレータ構成要素102が設けられる。コンセントレータ構成要素102は、説明したように、ワイヤレス・ネットワーク・アクセスを可能にするために、アクセス・ポイント106、108、および110に対してMMEまたは上流アクセス・ポイント104とのアプリケーション・レイヤ接続を確立する。さらに、コンセントレータ構成要素102は、説明したように、複数のMMEまたは上流アクセス・ポイントをサポートすることができる。アクセス・ポイント106は、説明したように、コンセントレータ構成要素102への接続を確立し、MMEまたはアクセス・ポイント104との後続の通信において使用するための識別子を与えることができる。
MMEまたはアクセス・ポイント104は、(たとえば、アクセス・ポイント106、108、または110、および/またはそのアクセス・ポイントと通信しているモバイル・デバイスに代わって)コンセントレータ構成要素102から要求を取得することができるアップリンク受信構成要素302と、コンセントレータ構成要素102からのアップリンク・パケットに関連付けられる識別子を判断することができるアクセス・ポイント識別子構成要素304と、コア・ワイヤレス・ネットワークとの間でデータを送信および受信することができるコア・ネットワーク通信構成要素306と、1つまたは複数のアクセス・ポイントに送信するために、コンセントレータ構成要素102にデータとともに通信することができるダウンリンク送信構成要素308とを備えることができる。
一例によれば、コンセントレータ構成要素102はMMEまたはアクセス・ポイント104への接続をセットアップし、一例では、MMEまたはアクセス・ポイント104に関連付けられる識別子を受信することができる。アクセス・ポイント106、108、および110のうちの1つまたは複数は、説明したように、最終的にMMEまたはアクセス・ポイント104へのアクセスを受信するために、コンセントレータ構成要素102との接続を確立することができ、コンセントレータ構成要素102は、アクセス・ポイント106、108、および110に対してMMEまたはアクセス・ポイント104とのアプリケーション・レイヤ接続をセットアップすることができる。その後、アクセス・ポイント106、108、および110は、セットアップ中に指定された識別子を備えるパケットをコンセントレータ構成要素102に送信することができる。説明したように、これは、アクセス・ポイント識別子(たとえば、EGI)、サービスされるモバイル・デバイスの識別子の一部などとすることができる。さらに、一例で説明したように、コンセントレータ構成要素102は、一例では、その識別子を、アクセス・ポイント識別子とモバイル・デバイス識別子の両方が存在する場合のアクセス・ポイント識別子のモバイル・デバイス識別子への関連付けなど、コンセントレータ構成要素102内で一意の識別子と置き換えることができる。
いずれの場合も、コンセントレータ構成要素102はアップリンク・パケットをMMEまたはアクセス・ポイント104に送信することができ、アップリンク受信構成要素302はアップリンク・パケットを取得することができる。アクセス・ポイント識別子構成要素304は、たとえば、パケットに関連付けられた識別子を判断することができ、コア・ネットワーク通信構成要素306は要求をコア・ワイヤレス・ネットワーク(図示せず)に送信することができる。コア・ネットワーク通信構成要素306が応答パケットを識別子に関連付けることができるように、識別子を要求中に含めるか、または他の方法で関連付けることができることを諒解されたい。さらに、1つまたは複数のアクセス・ポイント106、108または110に送信するために、コア・ネットワーク通信構成要素306においてパケットを受信するための要求が(たとえば、コア・ワイヤレス・ネットワークに)必要とされないことを諒解されたい。たとえば、コア・ネットワークは、最初に要求を受信することなしに、アクセス・ポイント106、108、または110にフォワーディングするために、ページング・メッセージ・パケットをコア・ネットワーク通信構成要素306に送信することができる。
コア・ネットワークからダウンリンク・パケットを受信すると、コア・ネットワーク通信構成要素306は、ダウンリンク・パケットに関連付けられるアクセス・ポイントを判断することができる。これは、説明したように、関係するアップリンク・パケット中でコア・ネットワーク通信構成要素306によって送信された識別子またはコンテキストとすることができるダウンリンク・パケット中の識別子またはコンテキストに基づくことができる。ダウンリンク送信構成要素308は、たとえば、コア・ネットワークからのダウンリンク・パケット中で指定される識別子とは異なる場合、適切なアクセス・ポイント識別子をダウンリンク・パケットに関連付け、応答をコンセントレータ構成要素102に与えることができる。たとえば、ダウンリンク送信構成要素308は、コンセントレータ構成要素102に送信された実質的にすべてのパケットが、関連付けられたアクセス・ポイント識別子を有するようにすることができる。また、説明したように、たとえば、パケットがアクセス・ポイントによってサービスされるモバイル・デバイスに関係する場合、コンセントレータ構成要素102はパケット中の識別子を置き換えることができる。コンセントレータ構成要素102は、前述のように、識別子に基づいてダウンリンク・パケットを適切なアクセス・ポイント106、108および/または110に与えることができる。
MMEまたはアクセス・ポイント104は、アクセス・ポイントからの正規の直接トランスポート・レイヤ接続だけでなく、コンセントレータ構成要素102からのトランスポート・レイヤ接続をもサポートすることができる。説明したように、コンセントレータ構成要素102接続が単一のトランスポート・レイヤ接続または関連付けを介して複数のアプリケーション・レイヤ接続をサポートすることができるという点で、コンセントレータ構成要素102からのトランスポート・レイヤ接続はアクセス・ポイントとの従来の直接接続とは異なるとすることができることを諒解されたい。
図4を参照すると、単一のトランスポート・レイヤ接続を介してMMEまたは上流アクセス・ポイントへのアクセス・ポイント接続を多重化する例示的なワイヤレス通信システム400が示されている。システム400は、説明したように、MMEまたは上流アクセス・ポイント104アクセスをアクセス・ポイント106などの複数のアクセス・ポイントに与えることができるコンセントレータ構成要素102を含む。特に、アクセス・ポイント106は、セットアップ中に、コンセントレータ構成要素102への各後続のパケット送信において使用するために識別子を関連付けることができる。説明したように、これにより、MMEまたはアクセス・ポイント104に送信するかまたはそこから受信するとき、コンセントレータ構成要素102がパケットをアクセス・ポイント106に関連付けることが可能になる。たとえば、MMEまたはアクセス・ポイント104がダウンリンク・パケットをコンセントレータ構成要素102に送信する場合、この点について、識別子を使用してダウンリンク・パケットをアクセス・ポイント106に関連付けることもできる。
アクセス・ポイント106は、アップリンク・パケットをコンセントレータ構成要素102に送信する際に利用すべき識別子を生成するかまたは他の方法で取得することができる識別子指定構成要素402と、説明したように、コンセントレータ構成要素102との接続を確立することができる接続要求構成要素404と、アップリンク・パケットをコンセントレータ構成要素102に送信することができるアップリンク送信構成要素406と、コンセントレータ構成要素102からダウンリンク・パケットを受信することができるダウンリンク受信構成要素408と、ワイヤレス・ネットワーク・アクセスを1つまたは複数モバイル・デバイス(図示せず)に与えることができるモバイル・デバイス通信構成要素410とを備えることができる。
一例によれば、コンセントレータ構成要素102は、説明したように、MMEまたはアクセス・ポイント104とのトランスポート・レイヤ接続を確立することができる。説明したように、たとえば、コンセントレータ構成要素102は、アクセス・ポイント106に対して透過的とすることができるので、アクセス・ポイント106は、MMEまたは上流アクセス・ポイント104に直接接続しているかのように機能する。たとえば、識別子指定構成要素402は、アクセス・ポイント106に関係する識別子を生成するかまたは取得することができ、接続要求構成要素404は、識別子を指定するMMEまたはアクセス・ポイント104へのアクセス要求を作成することができる。接続要求構成要素404は、そのアクセス要求を、識別子、および/または説明したように識別子に関係する関連付けを記憶することができるコンセントレータ構成要素102に送信し、アクセス・ポイント106に関係するMMEまたはアクセス・ポイント104とのアプリケーション・レベル接続を確立することができる。
アップリンク送信構成要素406は、アップリンク・パケットをコンセントレータ構成要素102に与え、各パケット中で識別子指定構成要素402からのアクセス・ポイント識別子を指定することができる。説明したように、これにより、コンセントレータ構成要素102が、対応するMMEまたはアクセス・ポイント104へのアップリンク・パケットの後続の送信のためにアクセス・ポイントを識別し、アップリンク・パケットに関係するMMEまたはアクセス・ポイント104から受信した任意の応答を識別することが可能になる。一例では、そのような応答は、コンセントレータ構成要素102によってダウンリンク・パケット中で受信できる。説明したように、コンセントレータ構成要素102は、関係するアクセス・ポイント106を判断し、ダウンリンク・パケットをダウンリンク受信構成要素408にフォワーディングすることができる。ダウンリンク受信構成要素408は、パケットコンテンツが前の要求に対する許容できるまたは予想される応答であるかどうかなど、利用される識別子を含む様々なファクタに基づいて、パケットが適宜に配信されるようにすることができる。
さらに、モバイル・デバイス通信構成要素410は、アクセス・ポイント106を介してワイヤレス・ネットワーク・アクセスを1つまたは複数のモバイル・デバイスに与えることができる。この例では、モバイル・デバイス通信構成要素410はモバイル・デバイスからアップリンク・パケットを受信することができる。識別子指定構成要素402は、モバイル・デバイスに、たとえば、アクセス・ポイント106に局所的に一意である識別子を割り当てることができる。一例では、この割当てを、モバイル・デバイスとの接続確立時に行うことができる。アップリンク送信構成要素406は、識別子指定構成要素402によってモバイル・デバイスに割り当てられた識別子とともに、アップリンク・パケットをコンセントレータ構成要素102に送信することができる。一例では、モバイル・デバイスに対する識別子は、識別子指定構成要素402によって割り当てられるのではなく、モバイル・デバイスからアップリンク・パケット中で受信できる。いずれの場合も、説明したように、識別子は、モバイル・デバイスとアクセス・ポイント106との間の後続の通信において使用できる。
いずれの場合も、コンセントレータ構成要素102は、パケットを受信すると、アクセス・ポイントおよびモバイル・デバイス識別子に基づいて局所的に一意の識別子を作成し、説明したように、MMEまたはアクセス・ポイント104と通信する際に、元のモバイル・デバイス識別子の代わりに一意の識別子を利用することができる。また、コンセントレータ構成要素102は、モバイル・デバイスに関係するMMEまたはアクセス・ポイント104からダウンリンク・パケットを受信し、(たとえば、局所的に一意の識別子に基づいて)これらのパケットをアクセス・ポイント106にフォワーディングし、局所的に一意の識別子を、コンセントレータ構成要素102に最初に提示されたモバイル・デバイス識別子と置き換えることができる。また、コンセントレータ構成要素102は、アクセス・ポイント識別子が存在する場合、アクセス・ポイント識別子を使用してこれらのダウンリンク・パケットを適切なアクセス・ポイントにフォワーディングすることができることを諒解されたい。たとえば、ダウンリンク受信構成要素408は、識別子に基づいてダウンリンク・パケットの対応するモバイル・デバイスを判断することができ、モバイル・デバイス通信構成要素410は、ダウンリンク・パケットをモバイル・デバイスにフォワーディングすることができる。
次に図5を参照すると、コンセントレータ構成要素を利用して、MMEにアクセスするアクセス・ポイントに対して多重化を行う例示的なワイヤレス通信ネットワーク500が示されている。ネットワーク500は、一例では、フェムトセル・アクセス・ポイント、ピコセル・アクセス・ポイント、中継ノードなどの小規模アクセス・ポイント、またはマクロセル・アクセス・ポイントを指すeNB/ホームeNB(HeNB)504からネットワーク・アクセスを受信するモバイル・デバイス502を含むことができる。ネットワーク・アクセスは、E−UTRA、UBM、WiMAXなど、実質的に任意の規格とすることができる。HeNB504は、説明したように、モバイル・デバイス502などに代わって、S1−MMEインターフェースを使用してコンセントレータ構成要素102と通信し、したがって、本明細書で説明するように、コンセントレータ構成要素102が、S1−MMEインターフェースを使用してMME104との通信をトラッキングすることが可能になるように、アクセス・ポイントおよび/またはモバイル・デバイス識別子を与えることができる。MME104は、説明したように、コア・ネットワークと通信することができる。
コア・ネットワークは様々な他の構成要素を含む。たとえば、MME104は、S3規格を介してサービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポート・ノード(SGSN)と通信して、UTRAネットワーク508および/またはGSMエッジ無線アクセスネットワーク(GERAN)510へのアクセスを受信することができる。MME104は、たとえば、S6a規格を介してホーム加入者サーバ(HSS)512に接続して、加入者情報を得ることができる。
別の例では、eNB/HeNB504は、S1−Uインターフェースを介してサービングゲートウェイ(SGW)514と通信して、インターネット518および/またはIPマルチサブシステム(IMS)520および/または他のIPシステムへのアクセスを受信することができる。別の例では、eNB/HeNB504は、説明したように、MMEまたはeNB/HeNB104と通信するコンセントレータ構成要素102を介してそのように接続することができる。MME104は、S11インターフェースを介して、S4インターフェースを使用するSGSN506を通って、および/またはS12インターフェースによるUTRAネットワーク508を介してSGW514との接続を確立することができる。いずれの場合も、SGWは、S5/S8インターフェースを介してパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)516と通信することによってネットワーク・アクセスを可能にし、PGW516は、SGiインターフェースを使用して、またはGxインターフェースによるポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)522を介してインターネット518またはIMS520と直接通信することができる。後者の例では、PCRF522は、Rxインターフェースを介してIMS520と通信することができる。
次に図6を参照すると、コンセントレータ構成要素を利用して、異種アクセス・ポイントにアクセスするアクセス・ポイントに対して多重化を行う例示的なワイヤレス通信ネットワーク600が示されている。ネットワーク600は、一例では、フェムトセル・アクセス・ポイント、ピコセル・アクセス・ポイント、中継ノードなどの小規模アクセス・ポイント、またはマクロセル・アクセス・ポイントを指すeNB/HeNB504からネットワーク・アクセスを受信するモバイル・デバイス502を含むことができる。ネットワーク・アクセスは、E−UTRA、UBM、WiMAXなど、実質的に任意の規格とすることができる。HeNB504は、説明したように、モバイル・デバイス502などに代わって、X2インターフェースを使用してコンセントレータ構成要素102と通信し、したがって、本明細書で説明するように、コンセントレータ構成要素102が、X2インターフェースを使用してeNB/HeNB602との通信をトラッキングすることが可能になるように、アクセス・ポイントおよび/またはモバイル・デバイス識別子を与えることができる。eNB/HeNB602は、説明したように、S1−MMEインターフェースを介してMME104と通信することができ、MME104はコア・ネットワークと通信することができる。
コア・ネットワークは様々な他の構成要素を含む。たとえば、MME104は、S3規格を介してサービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポート・ノード(SGSN)と通信して、UTRAネットワーク508および/またはGSMエッジ無線アクセスネットワーク(GERAN)510へのアクセスを受信することができる。MME104は、たとえば、S6a規格を介してホーム加入者サーバ(HSS)512に接続して、加入者情報を得ることができる。
別の例では、eNB/HeNB504は、S1−Uインターフェースを介してサービングゲートウェイ(SGW)514と通信して、インターネット518および/またはIPマルチサブシステム(IMS)520および/または他のIPシステムへのアクセスを受信することができる。別の例では、eNB/HeNB504は、説明したように、eNB/HeNB602と通信するコンセントレータ構成要素102を介してそのように接続することができる。eNB/HeNB602は関係するMME104に接続することができ、MME104は、S11インターフェースを介して、S4インターフェースを使用するSGSN506を通って、および/またはS12インターフェースによるUTRAネットワーク508を介してSGW514との接続を確立することができる。いずれの場合も、SGWは、S5/S8インターフェースを介してパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)516と通信することによってネットワーク・アクセスを可能にし、PGW516は、SGiインターフェースを使用して、またはGxインターフェースによるポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)522を介してインターネット518またはIMS520と直接通信することができる。後者の例では、PCRF522は、Rxインターフェースを介してIMS520と通信することができる。
図7〜図13を参照すると、アクセス・ポイントと上流アクセス・ポイントまたはMMEとの間の通信を多重化することを可能にすることに関係する方法が示されている。説明を簡潔にする目的で、方法を一連の行為として図示し説明するが、いくつかの行為は、1つまたは複数の態様によれば、本明細書で図示し説明する順序とは異なる順序で、および/または他の行為と同時に行われるので、方法は行為の順序によって限定されないことを理解し、諒解されたい。たとえば、方法は、状態図など、一連の相互に関連する状態または事象として代替的に表現できることを当業者ならば理解し、諒解するであろう。さらに、1つまたは複数の態様による方法を実装するために、図示のすべての行為が必要とされるわけではない。
図7を参照すると、アクセス・ポイントと上流ネットワーク構成要素との間でパケットをルーティングすることを可能にする例示的な方法700が示されている。702において、上流ネットワーク構成要素からダウンリンク・パケットを受信する。一例では、上流ネットワーク構成要素は、アクセス・ポイント、MMEなどである。704において、ダウンリンク・パケットに関係するアクセス・ポイントを、識別子に少なくとも部分的に基づいて判断する。説明したように、対応するアクセス・ポイントに対して受信されるパケットを送信する際に利用するために、識別子が生成され、上流ネットワーク構成要素に与えるように、識別子は局所的に一意とすることができる。一例では、パケットをアクセス・ポイントに適切に関連付けることができるように、局所的に一意の識別子を、受信した識別子とのマッピングに記憶する。一例では、識別子は、アクセス・ポイントからの複数の接続のうちの1つに関係し、接続のうちの1つを識別するように生成される。生成された識別子を利用することができるが、説明したように、別の例では受信した識別子を利用することができることを諒解されたい。706において、ダウンリンク・パケットをアクセス・ポイントに送信する。
図8を参照すると、対応するモバイル・デバイスによって受信するために、ダウンリンク・パケットをアクセス・ポイントに送信することを可能にする例示的な方法800が示されている。802において、上流ネットワーク構成要素からダウンリンク・パケットを受信する。ダウンリンク・パケットは、説明したように、アクセス・ポイントおよびモバイル・デバイスに関係するパケットを識別するために、前に生成された局所的に一意の識別子を備える。804において、ダウンリンク・パケットに関係するアクセス・ポイントを、識別子に少なくとも部分的に基づいて判断する。これは、説明したように、アクセス・ポイントから受信した識別子への局所的に一意の識別子のマッピングに基づいてアクセス・ポイントに関連付けられた局所的に一意の識別子とすることができ、局所的に一意の識別子は、受信した識別子などを備える。同様に、806において、ダウンリンク・パケットに関係するモバイル・デバイスを、識別子に少なくとも部分的に基づいて判断する。したがって、たとえば、マッピングが、局所的に一意の識別子を、対応するアクセス・ポイントおよびモバイル・デバイス識別子に照合するか、または、説明したように、そのようなものが局所的に一意の識別子自体から判断される。808において、ダウンリンク・パケット中の識別子を、モバイル・デバイスの判断された識別子と置き換え、810において、パケットをアクセス・ポイントに送信する。これは、たとえば、アクセス・ポイントがパケットを対応するモバイル・デバイスに与えることを可能にし、アクセス・ポイントから上流ネットワーク構成要素へのモバイル・デバイス関係パケットのシームレス多重化を行う。
図9を参照すると、上流ネットワーク構成要素と1つまたは複数のアクセス・ポイントとの間でパケットをルーティングすることを可能にする例示的な方法900が示されている。902において、アクセス・ポイントからアップリンク・パケットを受信する。904において、アクセス・ポイントに関連付けられた上流ネットワーク構成要素を判断する。これは、たとえば、前のセットアップ要求に基づいて初期化される、上流ネットワーク構成要素へのアクセス・ポイントのマッピングに基づいて判断される。別の例では、アップリンク・パケットは、上流ネットワーク構成要素を指定する。906において、説明したように、アップリンク・パケットを上流ネットワーク構成要素に送信する。
図10を参照すると、生成された局所的に一意の識別子とともにアップリンク・パケットを送信することを可能にする例示的な方法1000が示されている。1002において、アクセス・ポイントからアップリンク・パケットを受信する。説明したように、パケットは局所的に一意の識別子を含む。1004において、アクセス・ポイントに関連付けられた上流ネットワーク構成要素を判断する。これは、説明したように、前の指示、アクセス・ポイントおよび関係する上流ネットワーク構成要素の識別子を記憶するマッピングまたはルーティング・テーブルなどに基づく。1006において、アップリンク・パケットに関係するモバイル・デバイスを、パケット中の識別子に少なくとも部分的に基づいて判断する。1008において、アクセス・ポイントおよびモバイル・デバイスに関係する一意の識別子を生成する。説明したように、一意の識別子は、モバイル・デバイスおよびアクセス・ポイントの識別子を備えるか、あるいはルーティング・テーブルまたは同様の関連付け中で関係する。1010において、パケット中のモバイル・デバイス識別子を一意の識別子によって置き換え、1012において、アップリンク・パケットを上流ネットワーク構成要素に送信する。前の図に記載したように、後続のパケットを一意の識別子とともに上流ネットワーク構成要素から受信し、関係するアクセス・ポイントおよびモバイル・デバイスを一意の識別子に基づいて発見する。
図11を参照すると、複数の接続されたアクセス・ポイントのためのページングを実施することを可能にする例示的な方法1100が示されている。1102において、MMEから、トラッキング・エリア識別子を備えるページを受信する。1104において、そのページに関連付けられた1つまたは複数のアクセス・ポイントをトラッキング・エリア識別子に基づいて判断する。説明したように、アクセス・ポイントは、1つまたは複数の関係するトラッキング・エリアを与えることを登録することができる。これにより、トラッキング・エリアへのアクセス・ポイントの関連付けが可能になるので、ページが送信されるとき、トラッキング・エリアのアクセス・ポイントを判断し、ページングすることができる。したがって、1106において、ページを1つまたは複数のアクセス・ポイントに送信する。
図12を参照すると、ダウンリンク・メッセージ中のアクセス・ポイント識別子を示すことを可能にする例示的な方法1200が示されている。1202において、アクセス・ポイントに関係するアップリンク・メッセージ中で一意の識別子を受信する。1204において、実質的にすべての関係するダウンリンク・メッセージをアクセス・ポイントに関連付けるために、一意の識別子をメッセージ中に挿入する。したがって、ダウンリンク・メッセージを受信するネットワーク構成要素が適宜にメッセージをアクセス・ポイントにルーティングする。1206において、ダウンリンク・メッセージをネットワーク構成要素に送信する。この点について、ネットワーク構成要素は、受信した様々な識別子に従ってメッセージを多重化する。
図13を参照すると、メッセージを関連付けられた識別子とともにネットワーク構成要素に通信することを可能にする例示的な方法1300が示されている。1302において、一意の識別子をアプリケーション・レイヤ・セットアップ・メッセージ中でネットワーク構成要素に通信する。一意の識別子は、アクセス・ポイントに関係し、後続のメッセージ中でアクセス・ポイントを識別するために与えられる。したがって、1304において、一意の識別子を実質的にすべての後続のメッセージ中に挿入する。1306において、後続のメッセージをネットワーク構成要素に送信する。したがって、説明したように、コンセントレータ構成要素とすることができるネットワーク構成要素は、一意の識別子に従ってアクセス・ポイントを識別する。
本明細書で説明する1つまたは複数の態様によれば、一意の識別子を生成すること、および/または一意の識別子を、コンセントレータ構成要素を通して送信されたパケットに関連付けることに関して、推論を行うことができることを諒解されたい。本明細書で使用する「推論する」または「推論」という用語は、概して、事象および/またはデータを介して捕捉された観察のセットから、システム、環境、および/またはユーザの状態について推理する、またはその状態を推論するプロセスを指す。推論は、特定のコンテキストまたは動作を識別するために使用でき、あるいは、たとえば、状態の確率分布を生成することができる。推論は、確率的、すなわち、データおよび事象の考察に基づく当該の状態の確率分布の計算とすることができる。推論は、事象および/またはデータのセットからより高いレベルの事象を構成するために採用される技法を指すこともある。そのような推論から、事象が時間的に緊切して相関するか否かにかかわらず、および事象およびデータが1つまたは複数の事象およびデータの発生源に由来するかどうかにかかわらず、観測された事象および/または記憶された事象データのセットから新しい事象または動作が構成される。
次に図14を参照すると、本明細書で提示する様々な実施形態によるワイヤレス通信システム1400が示されている。システム1400は、複数のアンテナ・グループを含むことができる基地局1402を備える。たとえば、1つのアンテナ・グループはアンテナ1404および1406を含み、別のグループはアンテナ1408および1410を備え、さらなるグループはアンテナ1412および1414を含むことができる。アンテナ・グループごとに2つのアンテナが示されているが、グループごとにより多いまたはより少ないアンテナを利用することができる。基地局1402は、さらに、送信機チェーンおよび受信機チェーンを含むことができ、送信機チェーンおよび受信機チェーンの各々は、当業者なら諒解するように、信号送信および受信に関連付けられる複数の構成要素(たとえば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナなど)を備えることができる。
基地局1402は、モバイル・デバイス1416およびモバイル・デバイス1422など1つまたは複数のモバイル・デバイスと通信することができるが、基地局1402は、モバイル・デバイス1416および1422と同様の実質的にいかなる数のモバイル・デバイスとも通信することができることを諒解されたい。モバイル・デバイス1416および1422は、たとえば、セルラー電話、スマートフォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルドコンピューティング・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/またはワイヤレス通信システム1400を介して通信するための他の適切なデバイスとすることができる。図示のように、モバイル・デバイス1416は、アンテナ1412および1414と通信しており、アンテナ1412および1414は、順方向リンク1418を介して情報をモバイル・デバイス1416に送信し、逆方向リンク1420を介してモバイル・デバイス1416から情報を受信する。さらに、モバイル・デバイス1422は、アンテナ1404および1406と通信しており、アンテナ1404および1406は、順方向リンク1424を介して情報をモバイル・デバイス1422に送信し、逆方向リンク1426を介してモバイル・デバイス1422から情報を受信する。周波数分割複信(FDD)システムでは、たとえば、順方向リンク1418は、逆方向リンク1420によって使用される周波数帯とは異なる周波数帯を利用し、順方向リンク1424は、逆方向リンク1426によって使用される周波数帯とは異なる周波数帯を使用することができる。さらに、時分割複信(TDD)システムでは、順方向リンク1418および逆方向リンク1420は共通の周波数帯を利用し、順方向リンク1424および逆方向リンク1426は共通の周波数帯を利用することができる。
アンテナの各グループおよび/またはそれらが通信するように指定されたエリアを、基地局1402のセクタと呼ぶことができる。たとえば、基地局1402によってカバーされるエリアのセクタ中のモバイル・デバイスに通信するようにアンテナ・グループを設計することができる。順方向リンク1418および1424を介した通信では、基地局1402の送信アンテナは、モバイル・デバイス1416および1422についての順方向リンク1418および1424の信号対雑音比を向上させるためにビーム・フォーミングを利用することができる。さらに、基地局1402が、関連するカバレージ中に不規則に散在するモバイル・デバイス1416および1422に送信するためにビーム・フォーミングを利用する間は、基地局が単一のアンテナを介してその基地局のすべてのモバイル・デバイスに送信する場合と比較して、隣接セル内のモバイル・デバイスは干渉を受けにくい。さらに、モバイル・デバイス1416および1422は、ピア・ツー・ピアまたはアドホック技術を使用して互いに直接通信することができる(図示せず)。
一例によれば、システム1400は多入力多出力(MIMO)通信システムとすることができる。さらに、システム1400は、FDD、FDM、TDD、TDM、CDMなど、通信チャネル(たとえば、順方向リンク、逆方向リンク、...)を分割する実質的にどんなタイプの複信技法でも利用することができる。さらに、チャネル上での複数のデバイスとの同時通信を可能にするために通信チャネルを直交させ、一例では、この点についてOFDMを利用することができる。したがって、チャネルは、ある時間期間にわたる周波数の部分に分割できる。さらに、フレームは、時間期間の集合にわたる周波数の部分として定義され、したがって、たとえば、フレームはいくつかのOFDMシンボルを備えることができる。基地局1402は、様々なタイプのデータに対して作成できるチャネルを介してモバイル・デバイス1416および1422に通信することができる。たとえば、チャネルは、様々なタイプの一般的通信データ、制御データ(たとえば、他のチャネルの品質情報、チャネルを介して受信されたデータに対する肯定応答インジケータ、干渉情報、基準信号など)などを通信するために作成できる。
次に図15を参照すると、いくつかのモバイル・デバイスをサポートするように構成されたワイヤレス通信システム1500が示されている。システム1500は、たとえば、マクロセル1502A〜1502Gなど複数のセルの通信を可能にし、各セルは、対応するアクセス・ポイント1504A〜1504Gによってサービスされる。前述のように、たとえば、マクロセル1502A〜1502Gに関係するアクセス・ポイント1504A〜1504Gは基地局とすることができる。モバイル・デバイス1506A〜1506Iは、ワイヤレス通信システム1500全体にわたって様々なロケーションに分散して示されている。説明したように、各モバイル・デバイス1506A〜1506Iは、順方向リンクおよび/または逆方向リンク上で1つまたは複数のアクセス・ポイント1504A〜1504Gと通信することができる。さらに、アクセス・ポイント1508A〜1508Dが示されている。これらは、説明したように、特定のサービスロケーションに関係するサービスを提供する、フェムトセル・アクセス・ポイント、ピコセル・アクセス・ポイント、中継ノード、モバイル基地局などの小規模アクセス・ポイントとすることができる。モバイル・デバイス1506A〜1506Iは、追加または代替として、提供されるサービスを受信するためにこれらの小規模アクセス・ポイント1508A〜1508Dと通信することができる。一例では、ワイヤレス通信システム1500は、大きい地理的領域にわたってサービスを提供することができる(たとえば、マクロセル1502A〜1502Gは、近隣の数個のブロックをカバーすることができ、小規模アクセス・ポイント1508A〜1508Dは、説明したように、住居、オフィスビルなどのエリア中に存在することができる)。一例では、モバイル・デバイス1506A〜1506Iは、無線でおよび/またはバックホール接続を介してアクセス・ポイント1504A〜1504Gおよび/または1508A〜1508Dとの接続を確立することができる。
一例によれば、モバイル・デバイス1506A〜1506Iは、ワイヤレス・ネットワーク全体にわたって移動し、様々なアクセス・ポイント1504A〜1504Gおよび1508A〜1508Dによって与えられたセルを再選択することができる。セル再選択またはハンドオーバは、ターゲット・アクセス・ポイントへの近接度、ターゲット・アクセス・ポイントによって提供されるサービス、ターゲット・アクセス・ポイントによってサポートされるプロトコルまたは規格、ターゲット・アクセス・ポイントに関連付けられた好都合なビリングなど、様々な理由のために実行できる。一例では、モバイル・デバイス1506Dは、アクセス・ポイント1504Dと通信し、小規模アクセス・ポイント1508Cの指定された近接度または測定信号強度内にあるとき、小規模アクセス・ポイント1508Cへのセル再選択またはハンドオーバを開始することができる。小規模アクセス・ポイント1508Cを再選択することを可能にするために、ソース・アクセス・ポイント1504Dは、モバイル・デバイス1506Dとの通信を続けることに関係のあるコンテキストまたは他の情報など、モバイル・デバイス1506Dに関する情報をターゲット小規模アクセス・ポイント1508Cに送信することができる。したがって、ターゲット小規模アクセス・ポイント1508Cは、アクセス・ポイント1504Dからシームレス再選択を可能にするために、コンテキスト情報に基づいて、ワイヤレス・ネットワーク・アクセスをモバイル・デバイス1506Dに与えることができる。この例では、MMEまたは上流アクセス・ポイント(図示せず)は、アクセス・ポイント1508Cおよび1504Dがそれに接続されるハンドオーバを可能にすることができる。
図16に、例示的なワイヤレス通信システム1600を示す。ワイヤレス通信システム1600には、簡潔のために、1つの基地局1610と、1つのモバイル・デバイス1650とを示してある。ただし、システム1600は2つ以上の基地局および/または2つ以上のモバイル・デバイスを含むことができ、追加の基地局および/またはモバイル・デバイスは、以下で説明する例示的な基地局1610およびモバイル・デバイス1650と実質的に同様または異なるものとすることができることを諒解されたい。さらに、基地局1610および/またはモバイル・デバイス1650は、それらの間のワイヤレス通信を可能にするために、本明細書で説明するシステム(図1〜図6および図14〜図15)および/または方法(図7〜図13)を使用することができることを諒解されたい。
基地局1610で、いくつかのデータ・ストリームのトラフィック・データがデータソース1612から送信(TX)データ・プロセッサ1614に供給される。一例によれば、各データ・ストリームは、それぞれのアンテナを介して送信できる。TXデータ・プロセッサ1614は、符号化データを与えるために、トラフィック・データ・ストリーム用に選択された特定の符号化方式に基づいて、そのデータ・ストリームをフォーマット化し、符号化し、インタリーブする。
各データ・ストリームの符号化データは、直交周波数分割多重(OFDM)技法を使用してパイロット・データと多重化できる。追加または代替として、パイロット・シンボルは、周波数分割多重化(FDM)、時分割多重化(TDM)、または符号分割多重化(CDM)できる。パイロット・データは、一般に、知られている方法で処理されている所の知られているデータパターンであり、チャネル応答を推定するためにモバイル・デバイス1650において使用できる。各データ・ストリームの多重化されたパイロットおよび符号化データは、そのデータ・ストリーム用に選択された特定の変調方式(たとえば、2位相偏移キーイング(BPSK)、4位相偏移キーイング(QPSK)、M位相偏移キーイング(M−PSK)、多値直交振幅変調(M−QAM)など)に基づいて変調(たとえば、シンボルマッピング)して、変調シンボルを与えることができる。各データ・ストリームのデータレート、符号化、および変調は、プロセッサ1630によって実行または与えられる命令によって判断できる。
データ・ストリームの変調シンボルはTX MIMOプロセッサ1620に供給され、TX MIMOプロセッサ1620は、(たとえば、OFDM用に)変調シンボルをさらに処理することができる。次いで、TX MIMOプロセッサ1620は、NT個の変調シンボル・ストリームをNT個の送信機(TMTR)1622a〜1622tに供給する。様々な態様では、TX MIMOプロセッサ1620は、データ・ストリームのシンボルと、シンボルの送信元のアンテナとにビーム・フォーミング重みを適用する。
各送信機1622は、それぞれのシンボル・ストリームを受信し、処理して、1つまたは複数のアナログ信号を与え、さらに、それらのアナログ信号を調整(たとえば、増幅、フィルタ処理、およびアップコンバート)して、MIMOチャネルを介して送信するのに適した変調信号を与える。さらに、送信機1622a〜1622tからのNT個の変調信号は、それぞれNT個のアンテナ1624a〜1624tから送信される。
モバイル・デバイス1650では、送信された変調信号はNR個のアンテナ1652a〜1652rによって受信され、各アンテナ1652からの受信信号は、それぞれの受信機(RCVR)1654a〜1654rに供給される。各受信機1654は、それぞれの信号を調整(たとえば、フィルタ処理、増幅、およびダウン・コンバート)し、調整された信号をデジタル化して、サンプルを与え、さらに、それらのサンプルを処理して、対応する「受信」シンボル・ストリームを与える。
RXデータ・プロセッサ1660は、特定の受信機処理技法に基づいてNR個の受信機1654からNR個の受信シンボル・ストリームを受信し、処理して、NT個の「検出」シンボル・ストリームを与えることができる。RXデータ・プロセッサ1660は、各検出シンボル・ストリームを復調し、デインタリーブし、復号して、データ・ストリームのトラフィック・データを復元することができる。RXデータ・プロセッサ1660による処理は、基地局1610においてTX MIMOプロセッサ1620およびTXデータ・プロセッサ1614によって実行される処理を補足するものである。
プロセッサ1670は、上述のように、どのプリコーディング行列を利用すべきかを周期的に判断することができる。さらに、プロセッサ1670は、行列インデックス部分とランク値部分とを備える逆方向リンク・メッセージを作成することができる。
逆方向リンク・メッセージは、通信リンクおよび/または受信データ・ストリームに関する様々なタイプの情報を備えることができる。逆方向リンク・メッセージは、データソース1636からいくつかのデータ・ストリームのトラフィック・データをも受信するTXデータ・プロセッサ1638によって処理され、変調器1680によって変調され、送信機1654a〜1654rによって調整され、基地局1610に戻される。
基地局1610において、モバイル・デバイス1650からの変調信号は、アンテナ1624によって受信され、受信機1622によって調整され、復調器1640によって復調され、RXデータ・プロセッサ1642によって処理されて、モバイル・デバイス1650によって送信された逆方向リンク・メッセージが抽出される。さらに、プロセッサ1630は、抽出されたメッセージを処理して、ビーム・フォーミング重みを判断するためにどのプリコーディング行列を使用すべきかを判断することができる。
プロセッサ1630および1670は、それぞれ基地局1610およびモバイル・デバイス1650における動作を指示(たとえば、制御、調整、管理など)することができる。それぞれのプロセッサ1630および1670は、プログラム・コードおよびデータを記憶するメモリ1632および1672に関連付けできる。プロセッサ1630および1670はまた、それぞれ、アップリンクとダウンリンクとに関して周波数推定値とインパルス応答推定値とを導き出すために計算を実行することができる。
本明細書で説明する態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、またはそれらの任意の組合せで実装できることを理解されたい。ハードウェア実装の場合、処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明する機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組合せの中で実装できる。
態様は、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアまたはマイクロコード、プログラム・コードまたはコードセグメントで実装した場合、記憶構成要素などの機械可読媒体に記憶できる。コードセグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェア・パッケージ、クラス、または命令、データ構造もしくはプログラムステートメントの任意の組合せを表すことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ内容をパスおよび/または受信することによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合できる。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信などを含む、適切な手段を使用してパス、フォワーディング、または送信することができる。
ソフトウェア実装の場合、本明細書で説明する技法は、本明細書で説明する機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、関数など)を用いて実装できる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶し、プロセッサによって実行することができる。メモリユニットは、プロセッサの内部またはプロセッサの外部に実装でき、その場合、当技術分野で知られているように様々な手段によってプロセッサに通信可能に結合できる。
図17を参照すると、MMEとのアクセス・ポイント通信を多重化することを可能にするシステム1700が示されている。たとえば、システム1700は、少なくとも部分的に基地局、モバイル・デバイスなどの内部に常駐することができる。システム1700は機能ブロックを含むものとして表されており、その機能ブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックとすることができることを諒解されたい。システム1700は、連携して動作することができる電気構成要素の論理グルーピング1702を含む。たとえば、論理グルーピング1702は、MMEからダウンリンク・パケットを受信するための電気構成要素1704を含むことができる。たとえば、説明したように、ダウンリンク・パケットは、関連付けられた識別子を有し、たとえば、識別子に関係するアクセス・ポイントに代わって、送信されたアップリンク・パケットに応答するものとすることができる。さらに、論理グルーピング1702は、ダウンリンク・パケット内に備えられた局所的に一意の識別子に少なくとも部分的に基づいて、ダウンリンク・パケットに関係するアクセス・ポイントを判断するための電気構成要素1706を含むことができる。
したがって、説明したように、これは、局所的に一意の識別子内のアクセス・ポイント識別子を識別することに基づくなど、局所的に一意の識別子へのアクセス・ポイント識別子の記憶されたマッピングに基づくことができる。その上、論理グルーピング1702は、ダウンリンク・パケットをアクセス・ポイントに送信するための電気構成要素1708を含むことができる。さらに、論理グルーピング1702は、局所的に一意の識別子に少なくとも部分的に基づいて、ダウンリンク・パケットに関係するモバイル・デバイスを判断するための電気構成要素1710を含むことができる。同様に、モバイル・デバイス識別子は、マッピング、局所的に一意の識別子中の指示などから判断できる。さらに、論理グルーピング1702は、アップリンク・パケットからモバイル・デバイス識別子とアクセス・ポイント識別子とを抽出し、モバイル・デバイス識別子とアクセス・ポイント識別子とに関係する局所的に一意の識別子を判断するための電気構成要素1712を含むことができる。また、システム1700は、図示しないが、受信したアップリンク・パケットに基づいて局所的に一意の識別子を生成することができ、したがって、システム1700は、関連付けられた局所的に一意の識別子を前に生成することに基づいて、識別子に関係するアクセス・ポイントおよび/またはモバイル・デバイスを判断することができる。さらに、システム1700は、電気構成要素1704、1706、1708、1710、および1712に関連付けられた機能を実行するための命令を保持するメモリ1714を含むことができる。メモリ1714の外部にあるものとして示されているが、電気構成要素1704、1706、1708、1710および1712の1つまたは複数は、メモリ1714の内部に存在することができることを理解されたい。
図18を参照すると、上流アクセス・ポイントとのアクセス・ポイント通信を多重化することを可能にするシステム1800が示されている。たとえば、システム1800は、少なくとも部分的に基地局、モバイル・デバイスなどの内部に常駐することができる。システム1800は機能ブロックを含むものとして表されており、その機能ブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックとすることができることを諒解されたい。システム1800は、連携して動作することができる電気構成要素の論理グルーピング1802を含む。たとえば、論理グルーピング1802は、上流アクセス・ポイントから受信したダウンリンク・パケットから、局所的に一意の識別子を抽出するための電気構成要素1804を含むことができる。たとえば、説明したように、ダウンリンク・パケットは、関連付けられた識別子を有し、たとえば、識別子に関係するアクセス・ポイントに代わって、送信されたアップリンク・パケットに応答して受信できる。さらに、論理グルーピング1802は、局所的に一意の識別子に関係するモバイル・デバイス識別子を判断し、ダウンリンク・パケット中の局所的に一意の識別子をモバイル・デバイス識別子と置き換えるための電気構成要素1806を含むことができる。
その上、論理グルーピング1802は、局所的に一意の識別子に関係する下流アクセス・ポイント識別子を判断するための電気構成要素1808を含むことができる。さらに、論理グルーピング1802は、ダウンリンク・パケットを、下流アクセス・ポイント識別子に関係する下流アクセス・ポイントに送信するための電気構成要素1810を含むことができる。したがって、説明したように、下流アクセス・ポイントはモバイル・デバイス識別子とともにパケットを受信し、モバイル・デバイス識別子は、関係するアップリンク・パケットを、本明細書で説明するシステム1802に送信するために使用される識別子と同じとすることができる。さらに、システム1800は、電気構成要素1804、1806、1808、および1810に関連付けられた機能を実行するための命令を保持するメモリ1812を含むことができる。メモリ1812の外部にあるものとして示されているが、電気構成要素1804、1806、1808、および1810の1つまたは複数は、メモリ1812の内部に存在することができることを理解されたい。
図19を参照すると、MMEアクセスを受信するためにコンセントレータと通信する複数のアクセス・ポイントのためのページングを実施するシステム1900が示されている。たとえば、システム1900は、少なくとも部分的に基地局、モバイル・デバイスなどの内部に常駐することができる。システム1900は機能ブロックを含むものとして表されており、その機能ブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックとすることができることを諒解されたい。システム1900は、連携して動作することができる電気構成要素の論理グルーピング1902を含む。たとえば、論理グルーピング1902は、MMEから、トラッキング・エリア識別子を備えるページを受信するための電気構成要素1904を含むことができる。さらに、論理グルーピング1902は、トラッキング・エリア識別子へのアクセス・ポイントの記憶されたマッピングに少なくとも部分的に基づいて、トラッキング・エリア識別子に関連付けられた1つまたは複数のアクセス・ポイントを判断するための電気構成要素1906を含むことができる。
説明したように、アクセス・ポイントは、トラッキング・エリア識別子を指定するシステム1900に登録することができ、トラッキング・エリア識別子は、マップまたはルーティング・テーブル中でアクセス・ポイントに関連付けて記憶できる。その上、論理グルーピング1902は、ページを1つまたは複数のアクセス・ポイントに送信するための電気構成要素1908を含むことができる。さらに、システム1900は、電気構成要素1904、1906および1908に関連付けられた機能を実行するための命令を保持するメモリ1910を含むことができる。メモリ1910の外部にあるものとして示されているが、電気構成要素1904、1906、および1908の1つまたは複数は、メモリ1910の内部に存在することができることを理解されたい。
図20を参照すると、アクセス・ポイント通信を多重化することを可能にするために、ダウンリンク・メッセージ中にアクセス・ポイント識別子を挿入するシステム2000が示されている。たとえば、システム2000は、少なくとも部分的に基地局、モバイル・デバイスなどの内部に常駐することができる。システム2000は機能ブロックを含むものとして表されており、その機能ブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックとすることができることを諒解されたい。システム2000は、連携して動作することができる電気構成要素の論理グルーピング2002を含む。たとえば、論理グルーピング2002は、アクセス・ポイントに関係するアップリンク・メッセージ中で一意の識別子を受信するための電気構成要素2004を含むことができる。たとえば、説明したように、識別子を利用して、メッセージのソースを識別し、ならびにアクセス・ポイントを対応するダウンリンク・メッセージに関連付けることができる。さらに、論理グルーピング2002は、アップリンク・メッセージに関係するアクセス・ポイントを判断することを可能にするためにアプリケーション・レイヤ・ダウンリンク・メッセージ中に一意の識別子を挿入し、アプリケーション・レイヤ・ダウンリンク・メッセージをネットワーク構成要素に送信するための電気構成要素2006を含むことができる。ネットワーク構成要素は、説明したように、識別子に基づいてメッセージをフォワーディングするために適切なアクセス・ポイントを判断することができる。さらに、システム2000は、電気構成要素2004および2006に関連付けられた機能を実行するための命令を保持するメモリ2008を含むことができる。メモリ2008の外部にあるものとして示されているが、電気構成要素2004および2006の1つまたは複数は、メモリ2008の内部に存在することができることを理解されたい。
図21を参照すると、コンセントレータを介して上流ネットワーク構成要素からメッセージを受信するシステム2100が示されている。たとえば、システム2100は、少なくとも部分的に基地局、MME、モバイル・デバイスなどの内部に常駐することができる。システム2100は機能ブロックを含むものとして表されており、その機能ブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックとすることができることを諒解されたい。システム2100は、連携して動作することができる電気構成要素の論理グルーピング2102を含む。たとえば、論理グルーピング2102は、アップリンク・メッセージに関係するアクセス・ポイントを判断することを可能にするために、アプリケーション・レイヤ接続セットアップ・メッセージおよび実質的にすべての対応するアップリンク・メッセージ中に、一意の識別子を挿入するための電気構成要素2104を含むことができる。さらに、論理グルーピング2102は、アップリンク・メッセージをネットワーク構成要素に送信するための電気構成要素2106を含むことができる。
したがって、ネットワーク構成要素は、説明したように、メッセージを送信するアクセス・ポイントを識別することができる。さらに、アップリンク・メッセージは、適用可能な場合にモバイル・デバイス識別子を備えることができる。その上、論理グルーピング2102は、アップリンク・メッセージに応答して1つまたは複数のダウンリンク・メッセージを受信するための電気構成要素2108を含むことができる。説明したように、ダウンリンク・メッセージはモバイル・デバイス識別子を備えることができる。さらに、論理グルーピング2102は、ダウンリンク・メッセージ中の異種識別子に少なくとも部分的に基づいて、ダウンリンク・メッセージを1つまたは複数のモバイル・デバイスにフォワーディングするための電気構成要素2110を含むことができる。さらに、システム2100は、電気構成要素2104、2106、2108および2110に関連付けられた機能を実行するための命令を保持するメモリ2112を含むことができる。メモリ2112の外部にあるものとして示されているが、電気構成要素2104、2106、2108、および2110の1つまたは複数は、メモリ2112の内部に存在することができることを理解されたい。
本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティング・デバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装することもできる。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、上述のステップおよび/またはアクションの1つまたは複数を実行するように動作可能な1つまたは複数のモジュールを備えることができる。
さらに、本明細書で開示された態様に関して説明した方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、直接ハードウェアで実施するか、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールで実施するか、またはその2つの組合せで実施することができる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている他の形態の記憶媒体中に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読むことができ、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合できる。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化することができる。さらに、いくつかの態様では、プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐することができる。さらに、ASICはユーザ端末中に常駐することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐することができる。さらに、いくつかの態様では、方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、コンピュータ・プログラム製品に組み込むことができる、機械可読媒体および/またはコンピュータ可読媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組合せ、あるいはそのセットとして常駐することができる。
1つまたは複数の態様では、説明した機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組合せで実装できる。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ可読媒体上で送信することができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータ・プログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、あるいは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、もしくは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラム・コードを搬送または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を備えることができる。また、どんな接続でもコンピュータ可読媒体と呼ばれることがある。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、通常、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
上記の開示は、例示的な態様および/または実施形態について論じたが、添付の特許請求の範囲によって定義された記載の態様および/または実施形態の範囲から逸脱することなく、様々な変更および改変を本明細書で行うことができることに留意されたい。さらに、記載の態様および/または実施形態の要素は、単数形で説明または請求されていることがあるが、単数形に限定することが明示的に述べられていない限り、複数形が企図される。さらに、任意の態様および/または実施形態の全部または一部は、別段の規定がない限り、任意の他の態様および/または実施形態の全部または一部とともに利用できる。さらに、「含む(include)」という用語は、発明を実施するための形態または特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、「備える(comprising)」という用語を使用すると請求項における移行語と解釈されるように「備える(comprising)」と同様に包括的なものとする。さらに、説明した態様および/または態様の要素が単数形で説明または請求されていることがあるが、単数形に限定することが明示的に述べられていない限り、複数形が企図される。さらに、任意の態様および/または実施形態の全部または一部は、別段の規定がない限り、任意の他の態様および/または実施形態の全部または一部とともに利用できる。