JP2011521459A - 熱電素子 - Google Patents

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Abstract

熱電装置に用いられる熱電素子であって、当該熱電素子は一つ以上の材料で被覆された多孔質基材を有し、当該材料の少なくとも一つは熱電材料である。多孔質基材を供給する段階と、多孔質基材に熱電材料の被覆を付与する段階とを有する熱電素子の製造方法も存在する。

Description

本発明は、ナノメートルサイズの特徴を有する熱電素子に関する。別の側面においては、本発明はナノメートルサイズの特徴を有する熱電素子の製造方法に関する。
熱電効果は、温度差の電圧への変換、又は電圧の温度差への変換である。熱電装置は、装置の各側面に異なる温度が存在すると電圧を生じる。熱電装置に電圧がかけられると、熱電装置は温度差を生じる。熱電効果は、電気を生じるため、温度を測定するため、対象を冷却するため、又は対象を加熱するために利用できる。
冷却及び加熱のため並びに電気の生成のための熱電装置は従来から知られている。しかし、適当な熱電性を有する熱電材料がないために、熱電装置は(限定的な又は特殊な用途を除いて)費用競争力がなかった。エルスナー(Elsner)の名義でありHi−Z社に譲渡されており、その内容のすべてが相互参照によって本明細書に援用されている米国特許第5,550,387号には熱電材に関するいくつかの問題が記載されている。またこの特許は、半導体材料の非常に多数の交互に重なった層を有する熱電素子を開示しており、当該交互に積み重なった層は同一の結晶構造を有している。この特許は、障壁材料としてのSiと導電性材料としてのSiGeとの超格子を有する一つの熱電材料を開示しており、その両方は同一の立方構造を有する。この特許に開示されている別の熱電材料はB−C合金の超格子を有しており、その層はB−Cの異なる科学量論形状であるが、すべての場合において結晶構造はアルファ菱面体晶であろう。
Hi−Z テクノロジー インコーポレテッドに譲渡された他の米国特許は、米国特許第6,069,964号、第6,096,965号、第6,828,579号、第7,038,234号及び第7,342,170号を含む。それらの特許の全ての内容は相互参照によって本明細書に援用されている。
上述のすべての特許において、熱電材料の層は基材上に積層されている。熱電材料の層の堆積は、分子線エピタキシャル又はスパッタリングにより行われる。用いられる基材は、熱電材料の堆積層を受容するための平らな面を有する。用いられる基材はシリコンウエハ及びシリコン又はポリイミドの柔軟なフィルムを含む。
Hi−Zによる研究結果は、ナノメートルサイズの特徴を有する熱電材料の一例である。それは、厚みが10nm以下である多数の交互に積み重なった材料の層を用いており、当該層は平らな基材上に基本的に平らで平行に積層されている。Hi−Zの特許においては、熱電材料中の電子流が層に平行になるように層は向きを決められている。
ベンカツブラマニアン(Venkatsubramanian)らの名義でありネクストリーム サーマル ソリューションズ(Nextreme Thermal Solutions)の米国特許第7,342,169号も、ナノメートルサイズの厚みの交互に積み重ねられた多数の層を有する熱電素子を開示している。また、層は平らな基材上に基本的に平らで平行に積層されている。Hi−Zの研究結果とは対照的に、この研究結果においては、電子の移動の向きが層に対して垂直になるように層は熱電素子内で向きを決められている。具体的な材料はBiTe及びSbTeの交互に重なっている層を含む。
例えばハーマン(Harman)ら(米国特許第6,605,772号)などの他の様々な研究者がナノスケールの特徴を有する改良型熱電材料を作成することを試みてきた。ナノスケールの特徴の最も共通した効果は熱伝導率の抑制であると考えられ、それは電気伝導率が同様の比率で下落することなく達成される。フォノンブロック(phonon blocking)の様々な仕組みが提案されている。理論的に予測されて実験的に観察される別の効果がゼーベック係数の増大であり、それは量子閉じ込めにより上昇する。この効果は、量子閉じ込めの寸法が励起子ボーア半径に近づく又はそれより小さくなると増加すると予測される。
上述の全ての過去の研究において、堆積された表面は基本的に滑らかである。
一般に、ナノメートルサイズの特徴を備える熱電材料を製造するために用いられる方法は、費用がかかり、及び/又はスケールアップが困難である。そのため、ナノメートルサイズの特徴を有する高性能な熱電材料の製造がより商業的に実施可能である新たな方法及び材料の需要がある。
実際の熱電装置は、熱流をコントロールできる十分な厚みを有する熱電フィルムを必要とする。ナノスケールの特徴を有する十分な厚みの熱電フィルムの製造が課題である。現在における標準的な市販装置では、熱電材料は約1−2mmの厚みである。装置を薄くすることは軽さ及び使用材料の減少のために望まれるが、材料が薄いほど、所定の温度差で装置を横断する熱流は大きくなる。熱流は一般的に低温側(熱の除去)又は高温側(熱の付加)のいずれかに限定されるため、このことは熱管理に問題を生じる。従来の用途に用いられる装置にいくつかの最小厚が提案されており、例えば約50μmの厚み又は約100μmの厚みが最小厚として提案されている。
一般的な蒸着法、例えば分子線エピタキシャル、及びマグネトロンスパッタリングなどの物理的気相成長法は平らな基材上に材料の層を積層する。ナノスケール層の制御が可能であるものの、厚みを形成するためには長い時間がかかる。そのため、これらの方法を用いて形成された材料は一般に全体の厚みが薄い。ナノメートル層を有する熱電材料はネクストリームから市販されているが、これらの材料は薄いのみであるため、そのように薄い材料を横断する熱流が制御可能な限られた用途のみで有用である。例えば、小さな温度差を用いた用途、及び/又は特殊な熱除去システムを利用する用途である。
Hi−Z社は、最初に平らな基材上に層状の材料を蒸着し、その後に得られた材料を切断してそれらを元の平らな面に対して垂直に向けることによって、ナノサイズの構造を有する厚い装置を作成した。切断された部材は一緒に積み重ねられなければならない。このようにして、彼らはナノメートル層の「面内」配向を有する厚い装置を作成することができる。しかし、これは大規模な製造における明らかな問題を有しており、最初の平らな基材が通常は装置に組み込まれるため、熱の損失を引き起こす。
様々な特許及び特許出願が、最初に多孔質の足場を形成し、その後にそれを熱電材料によって充填するというナノサイズの構造を有する熱電材料の製造法を保護しようとしている。例えば、米国特許第7,098,393号及び第6,670,539号である。一般に充填は一面から他面へと進行する。これらの方法においては、電熱材料の大きさ、量及び形態は、孔の大きさ、量及び形態によって決定される。これらの方法は、例えば全ての孔を正確に同じ大きさにすることが困難であるため、厳密に調整されたナノサイズの構造を形成することが困難である。また、孔の大きさが熱電材料の大きさを決定するため、熱電材料がナノスケールに設定されると、孔は非常に小さくされなければならない。ナノスケールの特徴の一つの想定される利点は、量子閉じ込めがゼーベック係数の上昇をもたらすことである。閉じ込めのサイズが励起子ボーア半径に近づく又はそれ以下になると、この利点は増大する。励起子ボーア半径は、例えばZnOでは2.4nm以下であるように多くの材料において非常に小さくすることが可能である。そのような小さなサイズの孔は、熱電材料又は熱電材料の前駆体の輸送に問題を生じる。これらの方法においては、多孔質の足場は除去可能である。例えばいわゆるMCM−41シリカ材などの調整されたナノスケールの多孔を有する多孔質材料は、多量の固形材料を含む。この固体が除去されないと、熱を伝導できるその固体が熱電装置に残存することは明らかである。このことは装置の効率を低下させる。そのため多くの多孔質材料においては、効率的な装置を得るために元の多孔質材料が除去されなければならない。
充填法にとって、ナノメートル層などのより高度なナノメートルサイズの構造又は量子ドットを充填される材料に導入することも困難である。
米国特許出願第2007/0277866号は、熱電材料のナノチューブを有する熱電素子の形成を開示している。ナノチューブは、最初にテンプレート/基材の孔内に金属被膜を蒸着し、その後に熱電材料が電気蒸着により金属の上に蒸着されることによって形成される。具体的な熱電素子(すなわち、ナノチューブ配列)において、ナノチューブはn−ドープ又はp−ドープの半導体組成を有するであろう。ナノチューブは、電気化学蒸着又は電気化学原子層エピタキシー法によって堆積可能であり、それぞれの素子の単層又は他の層の下にある単層は相互に分離した溶液槽から順番に蒸着される。電気化学法の一つの問題は、孔構造に液体を流し込む必要があることである。液体は蒸気よりも非常に大きな密度と粘度を有するため、孔構造を通る物質輸送は非常に困難である。遅い及び/又は非効率な物質輸送は不均一な蒸着(組成及び厚みの両方において不均一)及び/又は実用的でないほど長いサイクル時間をもたらす。このことは、異なる液体が連続して孔構造に流れ込んで孔構造から流れ出されなければならない電気化学原子層エピタキシー法に特に当てはまる。また、当該構造を金属で予めコーティングし、その後に金属を除去する要件は、大規模な製造には不利である。この特許出願において、熱電材料のナノ又は量子寸法はナノチューブの壁厚によって決定される。この出願には、材料が実際に製造されるか熱電効果が測定された実施例は存在しない。
上述された有用な最小厚を上回る熱電装置においても、熱の制御はいまだ問題である。この点を説明するために、現在の装置は2mm厚であり、200Kの温度差で稼動可能である。その熱システムは20W/cmを制御するように設計されている。厚さを200μm、すなわち10倍小さくすることは、通常は熱流を10倍増加させるであろう。しかし、熱システムはこれに対処できないため、熱流を制限するために温度差は減少し、装置の効率は下落するであろう。この問題を解決するために用いられる一つの方法は、熱電材料の量を減らすことである。伝導による熱流の方程式は、
Q=kAΔT/t
であり、kは熱伝導率、Aは面積、ΔTは温度差、そしてtは厚さである。当該方程式は、厚さtが1/10に減少された場合、面積Aが同様に1/10に低下すれば、すなわち、装置の10%のみが実際に熱電材料であればQは維持されることを示している。しかし、これは高温側から低温側への隔たりを経る熱の分路による損失をもたらす。この問題を解決する一つの方法は、スペーサによって両側を隔てることである(図1参照)。絶縁材料を熱電材料の間に加えることもできる。しかし、この問題に対するより優れた解決法を提供することは有益である。
本出願は、本明細書中で検討される従来技術がオーストラリア又はその他の地域における一般的な知識をある程度構成していることを認めない。
明細書全体において、用語「有する(comprising)」及びその文法的に同等の用語は、使用の脈絡が限定的な意味を示さない限り、包括的な意味を有すると理解されなければならない。
米国特許第5,550,387号明細書
本発明の目的は改良した熱電素子を提供すること、又は少なくとも商業的に利用可能な代替物を提供することである。本発明の目的は、ナノメートルサイズの特徴を有する熱電素子の改良された製造方法を提供すること、又は少なくとも商業的に利用可能な代替法を提供することである。
ある側面において、本発明は熱電装置に使用される熱電素子を提供しており、当該熱電素子は、少なくとも一つが熱電材料である一つ以上の材料によって被覆された多孔質基材を有している。
被覆は、多孔質基材の表面を完全に覆っていてもよい。又は、被覆は多孔質基材を部分的に覆っていてもよい。
ある実施形態においては、多孔質は無秩序な多孔質基材を含む。「無秩序な多孔質基材」は、多孔質基材が様々なサイズの孔及び多数の異なる方向に伸びた孔を含む孔構造を有することを意味する。その孔はまっすぐではない。その孔はねじれている又は曲がっており、蛇行した通路を構成してもよい。
ある実施形態においては、多孔質基材が熱電材料で被覆された後に、熱電素子が多孔性である。これらの実施形態においては、多孔質基材材料の被覆は多孔質基材材料の孔構造を完全に充填しないため、多孔性を有する熱電素子がもたらされる。基材の元々の孔構造が熱電材料で被覆されると、熱電素子の孔隙率は元々の被覆されていない基材の孔隙率よりもいくらか低下していることが理解される。
多孔質基材は、ナノメートルからマイクロメートルの範囲の孔サイズにより大きな表面積を有することができる。ほぼ固形のフィルムが所望される場合、孔サイズの分布及び種類はフィルム全体にわたって固体の高い体積分率を実現できるように設定される。孔サイズの分布及び種類は、被覆処理に用いられるガス蒸気の進入及び浸透を改善するようにも設定される。多孔質の最終物の場合、孔サイズの分布及び種類を、当該構造を介する熱伝導率を最小にするように設定することもできる。
目的の被覆厚を用いて熱電材料の目的の体積分率を実現するために、多孔質の基材が特異的に選択される。単位体積あたりに大きな表面積を有する基材は、被覆材料の同一の体積分率を実現するために、単位体積あたりに小さな表面積を有する基材と比べて薄い被覆を必要とする。例えば、エアロゲルは30m/cc以上の表面積を有することができる。この材料は、被覆の重要な体積分率を実現するために数nmの被覆厚のみを必要とする。この場合、量子閉じ込めの効果及び重要なフォノンブロックの効果は、層がナノメートルの厚みであるため、材料の単層のみを用いることによって実現できる。あるセルロース製の紙は数m/ccの表面積を有する。これらは被覆の重要な体積分率を実現するためにより厚い被覆を必要とする。厚い被覆は、より複雑なナノ構造、例えば複数のナノメートル層の構造を形成可能にする。したがって、基材は設計された又は必要な最終的なナノ構造に適合するように設計される。
ある実施形態においては、多孔質基材はメソ孔の範囲に多数の孔を有する。例えば、多孔質基材は7nmから250nmの範囲に多数の項を有することができる。多孔質基材は20nmから数μmの範囲に多数の孔を有してもよい。
多孔質フィルム又は基材は、適切な孔隙率を有するように形成された基材を含んでもよい。多孔質フィルムは自己支持型であっても良い。または、多孔質フィルム又は基材は中実の基材上に多孔質フィルム又は多孔質層を形成することによって提供されてもよい。
本発明のある実施形態においては、多孔質層又は基材は大きな表面積を有してもよい。多孔質層又は基材の表面積は、1m/g以上、10m/g以上、100m/g以上、又は少なくとも数百m/gであってもよい。
本発明のある実施形態においては、多孔質基材は10μmから2mm、より好ましくは50μmから1mmの厚みを有する多孔質基材を有してもよい。
本発明の他の実施形態は、固体が低い体積分率である多孔質骨格を用いることを含む。固体が低い体積分率である多孔質骨格を用いることは、小さな体積又は少量の元の基材又はその中にある層材料を有する熱電素子の形成をもたらす。そのため、最終物は、フィルム又は被覆に用いられる材料を多量に含むであろう。例えば、多孔質骨格は20%未満の固体、10%未満の固体又は5%未満の固体を有することもできる。多孔質骨格の一部は、例えば繊維、ひげ結晶、粒子、繊維状マット又は組織などの補強部材であってもよい。補強相を介して装置を横切る面交差熱伝導が少なくなるように、この補強は面内に向けられることが好ましい。また、高温側と低温側の間の補強材に沿った直接的な熱の通路を避けるために、補強材の径は熱電材料の厚さより小さいことが好ましい。
ある実施形態においては、多孔質基材はエアロゲルを含んでもよい。そのエアロゲルはシリカのエアロゲルを含んでもよい。当業者に理解されるように、エアロゲルは高度に架橋された湿潤ゲル由来の高度に多孔質の固体である。エアロゲルは、開放セルネットワーク(open cell network)内にランダムに相互連結されたナノメートルサイズの粒子によって形成されており、メソ孔の高度の孔隙率(およそ>80%)及び大きな表面積(およそ>50m/g)を一般に有する。
使用可能な他の多孔質構造はキセロゲルである。キセロゲルはエアロゲルに似ている。ある定義によると、キセロゲルは製造方法によってエアロゲルと区別される。エアロゲルは臨界超過の乾燥を一般に必要とするのに対し、キセロゲルは臨界超過の乾燥を利用せずに製造される。通常、キセロゲルはエアロゲルより密度が高い、すなわち、固体の割合が高い。
他の実施形態においては、多孔質基材はL相材料を含んでいてもよい。一つの適した材料はケイ酸塩のL材料である。
他の実施形態において、多孔質基材はハイインターナルフェイズエマルジョン(high internal phase emulsion)高度な内相のエマルジョンポリマを含む。
本発明の他の実施形態においては、多孔質基材は三次元の孔構造を有する。三次元の孔構造により、三次元に配向された孔を有する孔構造を我々は意味する。そのような構造の想定される利点は、アクセスしやすさの向上であり、多孔質フィルムに堆積された構造の多様な配向である。そのような構造は、ナノメートルの厚さの層、又は配向性を有する他のナノメートルサイズの特徴、例えばロッド、プレート、又は細線の特徴を有する。
発明の他の実施形態は、「階層」構造と呼ばれる場合もある調整された範囲の孔サイズを有する多孔質基材又は被覆を用いることを含む。そのような孔構造の一例は、およそ100nmの溝へと通じるマイクロメートルサイズの溝であり、それはさらにおよそ10nmの孔へと通じており、それは2nm程度の起伏を有していてもよい。そのような構造は大きな表面積と優れた流体アクセスとを組み合わせることができる。
本発明の他の実施形態は、骨組み又は骨格を有する多孔質基材又は被覆を用いることを含み、被覆は外部から骨組み又は骨格に付与される。つまり、被覆の表面は被覆の厚みにより増加する。そのような骨組み又は骨格の例は図2に示されている。
本発明の他の実施形態は、貫通する穴を有する固体を備えた多孔質基材又は被覆を用いることを含み、被覆は内部から穴に付与される。つまり、被覆の表面は被覆の厚みにより減少する。そのような骨組み又は骨格の例は図3に示されている。
本発明の他の実施形態は、チューブのネットワークなどの内部及び外部の被覆の両方が可能な中実構造を有する多孔質の基材又は被覆を用いることを含む。そのような構造の例は図4に示されている。
本発明の他の実施形態は、連続する表面又は膜を基本的に含む中実構造を有する多孔質の基材又は被覆を用いることを含む(図5)。これらの基材の例は、L相及びハイインターナルフェイズエマルジョンポリマを含む。
本発明の他の実施形態は、最終産物がほとんど元の多孔質基材材料を含まないように、被覆後に除去可能な多孔質基材を用いることを含む。この例は、その後の燃焼により除去可能なカーボンエアロゲルである。燃焼によって除去可能な多孔質基材の他の例は、紙、ろ紙、膜などのポリマ生成物を含む。セルロース製のこれらの形態は特殊な例である。燃焼、溶解、蒸発などによって除去可能な他の基材が代わりに使用可能である。
本発明の他の実施形態は、ナノメートルスケールの顕著な起伏を有する多孔質基材を用いることを含む。Hi―Zやネクストリームなどの従来技術及びPAAの被覆においては、被覆される基材は基本的に平滑である。エアロゲル及びキセロゲルなどの多孔質基材は、ナノ粒子の「ひも」を有すると考えられる。そのため、それらの表面はPAAなどの平らな基材又は平滑な多孔質構造と比べて、ナノメートルスケールにおいて非常に起伏に富んでいる。
本発明の他の実施形態は、一方の電極から他方の電極への直接の「視線(line of sight)」を提供する孔がほとんど無い、特に、電極に対してほぼ垂直に向けられているにもかかわらず一方の電極から他方の電極への直接の「視線」を提供する孔がほとんどない多孔質基材を用いることを含む。「視線」の孔は、赤外線の放射による熱伝導及び対流による熱伝導のための通路を提供できる。蛇行した孔は、電極間に赤外線吸収性固体を配置することによって赤外線による熱伝導を減少させ、対流を最小限にする。
本発明の他の実施形態は、面交差効果及び面内効果の両方を利用できるナノメートル層の構造を含む。当該領域で目的とされる面交差効果は、熱伝導率、エネルギーフィルター処理効果及び熱電子効果の低下を含む。キャリアの移動に対するポテンシャル障壁を付与する層を用いることによって、エネルギーフィルター処理効果及び熱電子効果は増大する。当該障壁は高さ及び幅によって特徴付けられる。
図6(a)及び(b)は、本発明のナノメートル層状材料の表面の高度に拡大された図である。多孔質基材の繊維の上部において、ナノメートル層は巻かれている。装置を形成するために、接触材が上部に配置される。図6(a)において、キャリア(n−型用の電子、p−型用の穴)は、それらが面内で移動し始める前に、最初に面を横切って通過しなければならない。このことは、熱伝導率の低下、エネルギーフィルター処理効果及び熱電子効果などの面交差効果を可能にする。図6(b)において、例えばプラズマエッチングによって表面は除去されている。これは層への直接の接触を可能にし、そのため、面交差効果が非常に低減した又は面交差効果が無い装置を可能にする。
多孔質基材上に被覆された材料は、ゼーベック係数の上昇などの量子閉じ込め効果をもたらすナノメートルサイズの特徴を有する。そのような効果は、閉じ込めのサイズが材料の励起子ボーア半径に近づく又はそれ未満になると、顕著になることが知られている。
他の実施形態においては、ナノメートルサイズの特徴は熱伝導率の低下をもたらし、それは、界面におけるフォノン散乱、エネルギーフィルター処理、又はナノスケールの特徴に関連する他のフォノンブロック機構の増加に起因する。
多孔質基材上に被覆された材料はナノメートルの厚さである、すなわち、被覆の厚みは数ナノメートルと測定される。好適には、被覆は1nmから100nmの厚みを有し、より好適には1nmから50nmであり、さらに好適には1nmから20nmであり、さらに好適には1nmから10nmである。被覆された材料の最適は厚みの範囲は、材料の励起子ボーア半径に基づいて変更可能であり、例えば被覆は、励起子ボーア半径の3倍、又は励起子ボーア半径の2倍、又は励起子ボーア半径と等しい、又は励起子ボーア半径より小さい厚みを有する。ゼーベック係数、熱伝導抵抗及び電気抵抗の最適な組み合わせをもたらす最適な厚みは、被覆に用いられる材料に依存すると予想される。
この場合、量子閉じ込めは単層内で実現可能である、すなわち、量子閉じ込めの寸法は層の厚みである。代わりに又はさらに、フォノンブロック効果はナノメートルスケールの厚みの層を介して実現できる。これらの効果は蛇行した通路を設けることによって増強できる。
多孔質基材上に被覆された材料は、材料の複数の層を有することもできる。複数の層はナノメートル範囲の厚みを有する複数の層を有してもよい。複数の層は、異なる材料の複数の層を有してもよい。複数の層は異なる材料の交互に積み重ねられた層を有してもよい。一つ以上の材料は熱電材料でなければならない。熱電材料は半導体材料を含んでもよい。この場合、量子閉じ込めは単層内で実現可能である、すなわち、量子閉じ込めの寸法は層の厚みである。これは、全ての量子効果に加えて、被覆の合計の厚みがもたらしている。代わりに又はさらに、フォノンブロック効果は、単独で又は層のナノスケールの厚みとともに層のナノメートルサイズの特徴によって実現される。これらの効果は蛇行する通路を設けることによって増強される。
複数の層は、Si及びSiGeの交互に積み重なった層、BC、BC又はB11CなどのB−Cの異なる組成物の交互に積み重なった層、又はSi及びSiCの交互に積み重なった層を含んでもよい。テルル化鉛又はテルル化ビスマスの熱電材料などの他の熱電材料が多孔質基材上に被覆されてもよく、それらの少なくとも一つは熱電材料である。層は2つより多い異なる材料を含んでもよい。それらは異なる結晶構造を有する層を含んでも良い。他の例は、炭化ケイ素及び炭化ホウ素の層を含み、炭化ホウ素は様々な組成を有することができる。その層は熱安定性である。
あるいは、複数の層はドープ酸化亜鉛の材料と他の材料との交互に積み重なった層を含んでも良い。例えば、Alドープの酸化亜鉛及びAlの交互に積み重なった層、又はAlドープの酸化亜鉛及びZnMgの交互に積み重なった層であり、ZnMgはドープされていてもドープされていなくてもよい。
酸化コバルト由来の材料と他の材料との交互に積み重なった層も可能である。
単層及び複層の被覆はいずれも量子ドットを取り込むことができる。この場合、量子閉じ込めは量子ドットの寸法で起こることができる。それは、被覆の厚み、及び/又はナノメートル層の厚みの寸法でも起こり得る。
多孔質基材上に被覆された材料は、量子ドット、ロッド、プレート、細線又はこれらの組み合わせなどの他のナノメートルサイズの特徴を有することもできる。交互に積み重なったナノメートル厚の層とこれらの組み合わせも可能である。
多孔質基材上に被覆された材料は、特殊な機能をもたらす「キャッピング」層を有してもよい。例えば、表面の欠陥を抑えるキャッピング層は電気伝導率を上昇させることができる。Alのキャッピング層は、酸化亜鉛製の半導体において表面欠陥の影響を低減することが示されている。
多孔質基材は、次の被覆層のより優れた核生成ができる材料によって最初に被覆することができる。多孔質基材内への及び/又は多孔質基材からの成分の拡散を最小限にするために、次の被覆の前に「拡散障壁」材料で被覆することもできる。そのような拡散は構造を劣化させ、その結果、性能も劣化させる。多孔質基材は、熱障壁として機能するナノメートル層状の材料を含む一つ又は複数の材料で被覆することもできる。この被覆は、核生成、熱障壁及び拡散障壁のあらゆる組み合わせとして機能することができる。
材料は、適していると当業者に知られているあらゆる方法を用いて多孔質基材上に被覆することができる。例えば、多孔質基材は原子層蒸着(ALD)によって熱電材料で被覆される。ALDにおいて、前駆体は低圧でチャンバに加えられ、表面に単層を形成する。この単層は更なる前駆体の蒸着に対する障壁として機能する。前駆体はパージされ、その後に、前駆体の単層と反応することによって前駆体の次の単層を受容できる生成物を形成できる反応性ガスが添加される。そのため、さらに前駆体ガスにさらされた領域は、より長く前駆体にさらされた領域とまさに同一の単層の被覆を受容する。ALDによって蒸着されたフィルムは、他の方法と比較して非常に薄い厚みにおいても「ピンホールがない」状態にできる。そのため、ALDは比類の無い細かいスケールにおいて層の蒸着の制御を可能にする。ALDによって形成された被覆は、通常「共形」である、すなわち、それらは基材の形状と一致する。プラズマALDは、利用可能なALDの変形法である。
化学蒸着、物理蒸着、電子蒸着、スパッタリング及びこれらの変形などの他の被覆法も適している。
第2の側面においては、本発明は、多孔質基材を供給することと、熱電材料の被覆を多孔質基材に付与することとを有する熱電素子の製造方法を提供する。
ある実施形態においては、熱電材料の被覆は基材の多孔質構造が完全に熱電材料によって充填されないように施される。そのため、本方法のこの実施形態によって形成される熱電素子は最終構造においてある程度の孔隙率を有する。
本方法のある実施形態においては、方法は熱電材料の複数の層を多孔質基材上に形成することを含む。熱電材料の層は、異なる材料の層を含んでもよい。異なる材料の層は、異なる材料の交互に積み重なった層を含んでもよい。
熱電材料は、適していると当業者に知られるあらゆる方法を用いて基材上に蒸着することができる。好適な方法の一例は原子層蒸着を含む。
本発明の他の実施形態は、被覆後にかなりの孔隙率が残っている被覆された多孔質基材を含み、それは比較的少量の熱電材料が存在するにもかかわらず、小さな熱伝導を示す。この実施形態の一側面においては、多孔質基材の体積分率が低いため、活性のある熱電材料の多孔質基材に対する比率が上昇されている。これは、熱電材料の量が少ない場合に特に重要である。この実施形態は、低いコストでの高性能な熱電材料の商業生産に特に関連している。いくつかのナノ構造化された熱電材料などの高性能な熱電材料は、例えば100W/cm以上の非常に高い電力密度を保持可能であることが見出されている。これは、熱伝導が制限された装置に実際に伝達されるよりも非常に高い電力密度である。
また上述したように、薄い装置を用いる場合は、ほとんどの用途が熱流の減少を必要とし、それは熱電材料の表面積率を減少させることによって実現可能である。
そのため、熱電素子において非常に小さな体積分率の熱電材料を用いることによって所定の出力を生じるために必要な熱電材料の量を大きく減少させる機会がある。したがって、熱流束は比較的小さいが、熱電材料を通る「能動的な熱流束」はその小さな体積分率のために非常に高くなる。例えば、10W/cmの熱が熱電素子に伝達され、熱電素子がわずか10%の熱電材料を含む場合、能動的な熱流束は100W/cm以下であろう。
しかし実際には、高温側から低温側への直接的な熱伝導、すなわち熱電材料を通過して利用される熱以外の熱伝導によるかなりの熱損失を生じることなく実現することは困難であろう。エアロゲルなどの構造は非常に小さな固体率であり、当業者に最も断熱性の高い材料であると知られているため、被覆されたナノ孔の基材はこの問題に対する解決法を提供する。そのため、多孔質構造は、熱電材料の小さな合計の体積分率と非常に高い断熱性とをもたらす量の熱電材料で被覆することができる。この場合、熱電材料のその量は少なく、それ故に不活性な基材に対する熱電材料の比率は高なる可能性があるため、最初の多孔質基材の体積分率は小さくすることはより有益である。
被覆された多孔質材料は、対流及び赤外線の放射による熱伝導を阻害するように設計することもできる。対流は、比較的小さな孔と蛇行した経路とを有する多孔質構造を利用することによって阻害可能である。赤外線の放射は、装置の一面から他面への障害のない経路を存在しなくする、つまり、放射された赤外線が他面に到達する前にかなりの被覆材料を通らなければならなくすることにより低減可能である。ドープZnOなどの放射された赤外線の優れた吸収材である熱電材料の使用は、この点に関して有用である。例えば銀及びアルミニウムなどの弱い赤外線放射体である接触金属の使用も有用である。
本発明に関して知り得る限りでは、従来は、原子層蒸着は熱電材料を形成するために使用されていない。材料の性質は蒸着法とともに大幅に変更可能であることが知られている。実際、原子層蒸着は他の方法によって蒸着された類似の組成を有する材料とはまったく異なる材料を形成することができる。原子層蒸着は、他の蒸着法よりも多量の非晶質材料を含む材料を形成することができる。原子層蒸着は異なる構造又は組成の結晶性材料を形成することもできる。原子層蒸着は非常に小さなナノ結晶(すなわち、ナノメートルサイズの粒子)を含む薄い被覆を堆積することができる。小さな粒子サイズは熱電性に有害である。これまでは、原子層蒸着は一般に10nm未満である非常に薄い層にのみ用いられており、それは現在の装置における(ミリメートルオーダーである)一般的な熱電材料の厚みより非常に薄い。したがって、今までは原子層蒸着は熱電材料を形成するための好適な候補として考えられていなかった。
気体状の前駆体の浸透による問題のため、多孔質構造への原子層蒸着は問題がある。このことは、実用的ではない長いサイクル時間又は不均一な被覆をもたらす可能性がある。ALDによる好適な被覆方法はフロースルー式であり、ガス種は多孔質材料を通して押し出される。これは被覆時間及び前駆体ガスの消費を著しく減少できる。
したがって他の側面においては、本発明は一つ以上の材料を基材上に堆積することによって熱電素子を製造する方法を提供し、当該材料の少なくとも一つは熱電材料であり、一つ以上の材料は原子層蒸着によって堆積されることを特徴とする。
本発明のこの側面のある実施形態において、原子層蒸着は交互に積み重ねられた材料の層を堆積するために用いられ、当該層の少なくとも一つは熱電材料を含む。別の実施形態においては、原子層蒸着は熱電材料の最初の層を堆積し、その後に熱電材料の2番目の層を堆積するために用いられる。第1の熱電材料及び第2の熱電材料の交互に重ねられた複数の層を堆積することができる。量子ドットも原子層蒸着を利用して形成することができる。これらのドットは交互に積み重ねられたナノメートル層内に含むことができる。
ある実施形態において、原子層蒸着を用いた被覆の対象となる基材は、小さな孔又は基材を通る蛇行した孔の経路を有する多孔質材料を含む。ALDは、「高アスペクト比」の孔構造であると考えられるそのような孔構造を被覆するのは困難である。そのような構造は、気体の反応物又は反応物種の基材内への及び基材からの拡散に対する大きな障壁のために、非常に長い処理時間及び/又は不均一な被覆をもたらす。驚いたことに、ALDを特定の基材、具体的には実用的な厚み(50μm以上)を有する基材、と組み合わせて用いることで熱電材料を製造可能であることを本発明者は見出した。
従来は、ナノラミネートなどのALDによって堆積されるナノ構造は、非常に平らで滑らかな基材上に堆積された。本発明の多数の多孔質基材は、ナノラミネートなどのナノ構造の成長のために良い基材であると考えられない非常に起伏に富んだ表面を有する。
本発明の目的は熱電材料を製造する有用な方法を提供することである。他の目的は、ナノメートルスケールの寸法及び/又はナノメートルスケールの特徴を有する熱電材料を製造する有用な方法を提供することである。他の目的は、ナノメートルスケールの寸法及び/又はナノメートルスケールの特徴を有する熱電材料であって、当該熱電材料が実際に有用な厚さである熱電材料を製造する有用な方法を提供することである。他の目的は、ナノメートルスケールの寸法及び/又はナノメートルスケールの特徴を有する熱電材料であって、当該ナノメートルスケールの特徴及び/又は寸法が非常に厳密に制御されている熱電材料を製造する有用な方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、被覆された骨格であって、被覆がナノメートルスケールの厚みである骨格を有する熱電材料を提供することである。ナノメートルスケールの厚みが厳密に制御されることは更なる目的である。
本発明の更なる目的は、被覆された骨格であって、被覆がナノメートルスケールの特徴を有する骨格を含む熱電材料を提供することである。ナノメートルスケールの特徴の寸法が厳密に制御されることは更なる目的である。
本発明の更なる目的は、被覆された骨格であって、被覆がナノメートルスケールの特徴を有する又はナノメートルスケールの厚みであり、ナノメートルスケールの特徴及び/又はナノメートルスケールの厚みの寸法は厳密に制御されていてもいなくてもよく、熱電材料の構造の合計の厚みは実用的な厚みである骨格を有する熱電材料を提供することである。
本発明の更なる目的は、被覆された骨格であって、被覆が骨格の外部の被覆である骨格を有する熱電材料を提供することである。
本発明の更なる目的は、熱電材料の製造方法であって、熱電材料が足場材料上に被覆として堆積されており、足場材料は小さな体積分率を有しており装置内に残留する方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、装置の高温側と低温側との間に優れた断熱をもたらしつつ、熱電材料の体積分率を低下させる熱電材料を提供することである。
熱電材料の面積率が小さい場合に熱損失を低下させるための一つの方法を示す図である。 外部を被覆可能な多孔質骨格の例である。 内部を被覆可能な多孔質固体の例である。 内部及び外部の両方を被覆可能な構造の例である。 被覆可能な連続膜を有する多孔質構造の例である。 ナノメートル層状の材料への接触を示す模式図である。(a)において、接触材はナノメートル層状の材料上に直接配置されており、キャリアは面に沿って移動する前に面を横断しなければならない。(b)においては、材料の層が例えばプラズマエッチングによって除去されている。接触材は面上に直接存在しており、面交差効果は減少している。 実施例1の材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2の材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2の被覆を表す透過型電子顕微鏡写真である。この写真においてナノメートル層が観察される。 実施例2の被覆の暗視野透過型電子顕微鏡写真である。明るいドットはナノメートルサイズの粒子である。この写真における被覆は光線に対して斜めに傾いているため、図9よりも被覆が厚く見える。 実施例6の材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例6のフィルムの完全断面におけるAl(k)及びZn(k)の統合ピーク強度を表すEDSデータである。 実施例7の材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例7のフィルムの完全断面におけるAl(k)及びZn(k)の統合ピーク強度を表すEDSデータである。 実施例9の材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。
実施例1
厚さ130μm以下のセルロースアセテートのフィルター膜材料がフロースルーALDを用いて1%のAlドープZnOで被覆された。Alの核生成被覆が材料上に最初に堆積された。目的の被覆厚は12nm以下であった。次に行われた重量の測定結果から、被覆の体積分率は6%以下であると見積もられた。図7は被覆された材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。透過型電子顕微鏡写真から、被覆の厚さは目的の厚さに非常に近いことが推測された。
実施例2
実施例1のセルロースアセテート材料が、フロースルーALDを用いて1%のAlドープZnOとAlとの交互に重ねられたナノメートル層で被覆された。Alの核生成被覆が最初に材料上に堆積された。目的の被覆厚は12nm以下であった。最後の表面層はAlであった。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は6%以下であると算出された。図8は被覆された材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。図9は被覆の透過型電子顕微鏡写真であり、被覆厚が12nm以下であることを示している。また、ナノメートル層も視認できる。AlドープAnO層の厚みは3nm以下であり、Al層の厚みは1nm未満である。図10は被覆の暗視野透過型電子顕微鏡写真であり、ナノメートルサイズの粒子(明部)を示している。被覆が光線に対して傾いているため、この写真における被覆の見かけの厚みは12nmより厚い。
実施例3
実施例1のセルロースアセテート材料が、目的の被覆厚を40nm以下としてフロースルーALDを用いて2%のAlドープZnOで被覆された。Alの核生成被覆が材料上に最初に堆積された。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は17.1%であると算出された。試料上に接触材が配置され、一方の側が加熱され、高温側と低温側の間の電圧差を測定することによって熱電挙動が観察された。結果を表1に示す。
Figure 2011521459
実施例4
実施例1のセルロースアセテート材料は、フロースルーALDによって2%のAlドープAnO及びAlの交互に積み重ねられたナノメートル層で被覆された。目的の被覆厚は40nm以下であった。最後の表面層はAlであった。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は17.9%であると算出された。試料上に接触材が配置され、一方の側が加熱され、高温側と低温側の電圧差を測定することによって熱電挙動を観察した。結果を表2に示す。表1と表2の結果を比較すると、ナノメートル層材料は、均一な被覆を有する材料よりも非常に高いゼーベック係数(V/K)を有することが明らかである。
Figure 2011521459
この材料の試料は、接触材の堆積の前に表面に1μm以下の深さのプラズマエッチングが施されたこと以外は、同様に調製されて試験された。測定結果を表3に示す。表層の除去が異なるゼーベック係数をもたらしたことは明らかである。
Figure 2011521459
実施例5
実施例1のセルロースアセテート材料が、目的の被覆厚を20nm以下としてフロースルーALDにより2%のAlドープAzOによって被覆された。Alの核生成被覆が材料上に最初に堆積された。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は9.4%であると算出された。接触材が試料上に配置され、一方の側が加熱され、高温側と低温側の電圧差を測定することによって熱電挙動が観察された。結果を表4に示す。
Figure 2011521459
実施例6
厚さが130μmであるニトロセルロースのフィルター膜がフロースルーALDによって1%のAlドープZnOで被覆された。目的の厚みは12nm以下であった。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は6%以下であると算出された。図11は被覆された材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。エネルギー分散分光法(EDS)の測定結果は、Zn及びAlの濃度はフィルムの厚み方向にわたって類似していたことを示し(図12)、堆積が成功していることを示した。図12において、組成の変化は主に破断面における形態の変化に起因すると考えられる。ALD被覆の間のわずかな前駆体の浸透は関連する成分の一定の減少を引き起こすであろうが、これは観察されなかった。
実施例7
実施例5のニトロセルロースは、フロースルーALDにより1%のAlドープZnOとAlの交互に重ねられたナノメートル層によって被覆された。被覆の合計の厚みは12nmを目標にされた。最後の表層はAlであった。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は6%以下であると算出された。図13は被覆された材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。エネルギー分散分光法(EDS)の測定結果は、Zn:Alの比率がフィルムの厚み方向にわたって類似していたことを示し(図14)、堆積が成功していることを示した。図14において、組成の変化は主に破断面における形態の変化に起因すると考えられる。ALD被覆の間における前駆体のわずかな浸透は関連する成分の一定の減少を引き起こすであろうが、これは観察されなかった。
実施例8
実施例5のニトロセルロースのフィルター膜は、フロースルーALDによって2%のAlドープZnOで被覆された。目的の被覆厚は40nmであった。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は19.1%であると算出された。
実施例9
実施例5のニトロセルロース材料はフロースルーALDにより2%のAlドープZnOとAlの交互に重ねられたナノメートル層で被覆された。目的の被覆厚は40nmであった。最後の表層はAlであった。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は20%であると算出された。接触材が試料上に配置され、一方の側が加熱され、高温側と低温側の電圧差が測定されることによって熱電挙動が観察された。結果を表5に示す。実施例4の結果と同様に、ナノメートル層の試料は高いゼーベック係数を示す。
Figure 2011521459
この材料の試料は、接触材の堆積の前に1μm以下の深さのプラズマエッチングが表面に施されたことを除いて、同様に作成されて試験された。測定結果を表6に示す。表層の除去が異なるゼーベック係数をもたらしたことは明らかである。
Figure 2011521459
実施例10
厚さが85μm以下のセルロースのフィルター膜材料は、フロースルーALDにより1%のAlドープZnOで被覆された。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は6%以下であると算出された。被覆の厚みは12nm以下を目標とされた。図15は被覆された材料の断面(破断面)の走査型電子顕微鏡写真である。
実施例11
実施例10のセルロース材料は1%のAlドープZnO及びAlの交互に積み重ねられたナノメートル層で被覆された。最後の表層はAlであった。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は6%以下であると算出された。被覆の合計の厚みは12nm以下を目標とされた。
実施例12
シリカエアロゲルの自己支持フィルムが作成され、エアロゲル中の固体の体積分率は2%以下であった。フィルムの厚みは250μm以下であった。エアロゲルはガラス繊維で補強され、ガラス繊維の補強材の体積分率は4%以下であった。繊維の径は13μm以下であった。
このフィルムは2%のAlドープZnOで被覆された。その後の質量測定は、被覆の体積分率が5%以下であったことを示した。
実施例13
実施例12のシリカエアロゲルのフィルムは、2%のAlドープZnOとAlの交互に積み重ねられたナノメートル層で被覆された。最後の表層はAlであった。材料の表面は1μm以下の深さにプラズマエッチングされた。次に行われた重量測定の結果から、被覆の体積分率は6%以下であると算出された。接触材が試料上に配置され、一方の側が加熱され、高温側と低温側の電圧差を測定することによって熱電挙動が観察された。結果を表6に示す。
Figure 2011521459
当業者は、本発明は具体的に説明された変更及び改良以外の変更及び改良が可能であることを理解するであろう。本発明はその精神および範囲内である全ての変更及び改良を包含することが理解される。

Claims (58)

  1. 熱電装置に用いられる熱電素子であって、
    一つ以上の材料で被覆された多孔質基材を有し、
    前記材料の少なくとも一つが熱電材料であることを特徴とする熱電素子。
  2. 被覆が多孔質基材の表面を完全に覆っていることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  3. 被覆が多孔質基材の表面を部分的に覆っていることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  4. 多孔質基材が無秩序な多孔質基材を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の熱電素子。
  5. 多孔質基材が、多孔質基材の一面から多孔質基材の他面への視線の通路を提供する孔を基本的に有していない多孔質構造を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の熱電素子。
  6. 多孔質基材が熱電材料で被覆された後も多孔性であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の熱電素子。
  7. 孔サイズの分布及び種類が構造を介する熱伝導率を最小にするように設計されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の熱電素子。
  8. 多孔質基材が、エアロゲル、セルロース製の紙、キセロゲル又はL3の材料もしくはハイインターナルフェイズエマルジョンポリマから選択されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の熱電素子。
  9. 多孔質基材が7nmから250nmであるメソ孔の範囲の孔を多数有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の熱電素子。
  10. 多孔質基材が20nmから数μmの範囲の孔を多数有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の熱電素子。
  11. 多孔質フィルム又は基材が好適な孔隙率に形成された基材を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の熱電素子。
  12. 多孔質フィルムが自己支持フィルムであることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の熱電素子。
  13. 多孔質フィルム又は多孔質基材が、多孔質膜又は多孔質層を中実の基材又は多孔質基材の上に形成することによって作成されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の熱電素子。
  14. 多孔質層又は多孔質基材が、1m/gより大きい、任意で10m/gより大きい、任意で100m/gより大きい、又は任意で少なくとも数百m/gの表面積を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の熱電素子。
  15. 多孔質基材が、小さな体積分率の固体を含む多孔質基材を有することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の熱電素子。
  16. 多孔質基材が20%未満の固体、任意で10%未満の固体、又は任意で5%未満の固体を含むことを特徴とする請求項15に記載の熱電素子。
  17. 多孔質骨格の少なくとも一部が補強材を有することを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の熱電素子。
  18. 補強材が一つ以上の繊維、ひげ結晶、粒子、繊維マット又は組織を含むことを特徴とする請求項17に記載の熱電素子。
  19. 補強材が面内に配向されていることによって、補強相を通って装置を横断する面交差熱伝導が減少されており、
    高温側と低温側の間の補強材に沿った直接の熱経路を回避するためには補強材の径が熱電材料の厚みより小さいことが好ましいことを特徴とする請求項17又は18に記載の熱電素子。
  20. 多孔質基材は、エアロゲル、キセロゲル、L3相材料、ハイインターナルフェイズエマルジョンポリマ、三次元に配向された孔を有する三次元孔構造、制御された範囲の孔サイズ(「階層」構造)を有する多孔質基材又は多孔質被覆、被覆が外部から骨組み又は骨格に付与されている骨組み又は骨格を有する多孔質基材又は多孔質被覆、被覆が内部から付与されている貫通穴を有する固体を含む多孔質基材又は多孔質被覆、内部被覆及び外部被覆の両方が可能な中実構造を有する多孔質基材又は多孔質被覆、連続する表面又は膜を実質的に有する中実構造を含む多孔質基材又は多孔質被覆、被覆の後に除去されることによって最終物が元の多孔質基材材料をほとんど含んでいない多孔質基材、ナノメートルスケールにおいて非常に起伏に富んでいる多孔質基材、を含む群から選択されることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の熱電素子。
  21. 多孔質基材は、後で燃焼されることによって除去可能なカーボンエアロゲル、又は紙、ろ紙若しくは膜などのポリマー製品、セルロース製の紙、ろ紙若しくは膜、又は燃焼、溶解若しくは蒸発によって除去される他の基材を含むことを特徴とする請求項20に記載の熱電素子。
  22. 多孔質基材上に被覆された材料は、量子閉じ込め効果をもたらすナノメートルサイズの特徴を有することを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の熱電素子。
  23. ナノメートルサイズの特徴は、ゼーベック係数の上昇と、熱伝導率、エネルギーフィルター処理、又はナノメートルスケールの特徴に関連するフォノンブロック機構の低下をもたらすことを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の熱電素子。
  24. 多孔質基材上に被覆された材料はナノメートル台の厚みであることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の熱電素子。
  25. 多孔質基材上に被覆された材料は複数の材料の層を有することを特徴とする請求項1から24のいずれか一項に記載の熱電素子。
  26. 複数の層はナノメートル台の厚みを有する複数の層を含むことを特徴とする請求項25に記載の熱電素子。
  27. 複数の層は異なる材料の複数の層を含むことを特徴とする請求項25又は26に記載の熱電素子。
  28. 複数の層は異なる材料の交互に積み重ねられた層を含み、一つ以上の材料が熱電材料を含むことを特徴とする請求項27に記載の熱電素子。
  29. 熱電材料は半導体材料を含むことを特徴とする請求項28に記載の熱電素子。
  30. 量子閉じ込めが一つの層内で実現される、すなわち、量子閉じ込めの寸法が層の厚みであることを特徴とする請求項29に記載の熱電素子。
  31. 熱電素子を通る小さな熱伝導率が、多孔質基材に蛇行する経路を設けることによって向上されていることを特徴とする請求項25に記載の熱電素子。
  32. 複数の層が、Si及びSiGeの交互に積み重ねられた層、異なる組成であるB−Cの交互に重ねられた層、Si及びSiCの交互に重ねられた層、又は多孔質基材上に被覆されたテルル化鉛若しくはテルル化ビスマスの熱電材料などの熱電材料を含み、
    それらの少なくとも一つが熱電材料であるか、層は二つ以上の異なる材料を含むか、層は異なる結晶構造を有する層を含むか、層は炭化ケイ素と様々な組成を有し得る炭化ホウ素とを含むか、複数の層がドープ酸化亜鉛材料及び他の材料の交互に積み重ねられた層を含むか、層がAlドープ酸化亜鉛及びAlの交互に積み重ねられた層を含むか、層がAlドープ酸化亜鉛及びドープされていてもされていなくても良いZnMgの交互に積み重ねられた層を含むか、層が酸化コバルト由来の材料と他の材料の交互に重ねられた層を含むことを特徴とする請求項28に記載の熱電素子。
  33. 被覆が量子ドットを取り込むことを特徴とする請求項1から32のいずれか一項に記載の熱電素子。
  34. 多孔質基材上に被覆された材料は、量子ドット、ロッド、プレート、細線、若しくはそれらの組み合わせから選択される他のナノメートルサイズの特徴、又はこれらとナノメートルの厚みの交互に積み重ねられた層との組み合わせを有することを特徴とする請求項1から33のいずれか一項に記載の熱電素子。
  35. 多孔質基材上に被覆された材料は表面キャッピング層を有することを特徴とする請求項1から34のいずれか一項に記載の熱電素子。
  36. 多孔質基材は、次の被覆層の優れた核生成が可能な材料によって最初に被覆される、又は次の被覆の前に多孔質基材への及び/又は多孔質基材からの原子の拡散を最小にするための「拡散障壁」材料で被覆される請求項1から35のいずれか一項に記載の熱電素子。
  37. なし
  38. なし
  39. 多孔質基材を供給する段階と、
    前記多孔質基材に熱電材料の被覆を付与する段階と、
    を有する熱電素子の製造方法。
  40. 熱電材料の被覆は、基材の多孔質構造が熱電材料によって完全に埋められず、且つ形成される熱電素子が最終構造においてある程度の孔隙率を有するように施されることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 熱電材料の複数の層を前記多孔質基材上に形成する段階を有することを特徴とする請求項30又は40に記載の方法。
  42. 熱電材料の層は異なる材料の層を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
  43. 異なる材料の層は異なる材料の交互に積み重ねられた層を含むことを特徴とする請求項42の方法。
  44. 多孔質基材を被覆する段階を有する熱電素子の製造方法であって、
    前記熱電素子には被覆後にある程度の孔隙率が残り、
    有する熱電材料が比較的少量であるにもかかわらず前記熱電素子が低い熱伝導示すことを特徴とする方法。
  45. 多孔質基材の体積分率が小さいために、多孔質基材に対する活性のある熱電材料の比率が増大されていることを特徴とする請求項44に記載の方法。
  46. 被覆された多孔質材料が対流及び赤外線の放射による熱伝導を阻害することを特徴とする請求項44又は45に記載の方法。
  47. 基材上に一つ以上の材料を堆積することによって熱電素子を製造する方法であって、
    少なくとも一つの材料は熱電材料であり、一つ以上の材料は原子層蒸着により堆積されることを特徴とする方法。
  48. 基材は、小さな孔サイズを有する多孔質基材を含み、
    前記多孔質基材は蛇行した孔通路を有する又はまっすぐな孔をほとんど有しないことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  49. 原子層蒸着はフロースルー式で行われることを特徴とする請求項47又は48に記載の方法。
  50. 基材は、埋設された補強材を有する多孔質フィルムを含むことを特徴とする請求項47から49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 熱電材料が、原子層蒸着によって少なくとも一つの層を付与することによって形成されることを特徴とする請求項1から36のいずれか一項に記載の熱電素子。
  52. 熱電材料は、10μmから2mmの間、より好ましくは50μmから1mmの間の厚みを有する多孔質基材を含む請求項1から36及び51のいずれか一項に記載の熱電素子。
  53. 熱電材料は、1nmから100nm、より好適には1nmから50nm、さらにより好適には1nmから20nm、さらにより好適には1nmから10nmの厚みで基材上に堆積されていることを特徴とする請求項1から36、51及び52のいずれか一項に記載の熱電素子。
  54. 面交差効果及び面内効果の両方を利用するナノメートル層構造を含むことを特徴とする請求項1から36及び51から53のいずれか一項に記載の熱電素子。
  55. 面交差効果は、熱導電率、エネルギーフィルター処理効果、及び熱電子効果の減少を含むことを特徴とする請求項54に記載の熱電素子。
  56. 請求項55に記載の熱電素子であって、
    ナノメートル層状の材料を含む被覆と、
    前記ナノメートル層状の材料上に配置された接触材と
    を有し、前記ナノメートル層状の材料は、前記ナノメートル層状の被覆が周囲を巻いている部分を有することを特徴とする熱電素子。
  57. 請求項55に記載の熱電素子であって、
    ナノメートル層状の材料を含む被覆と、
    前記ナノメートル層状の材料を除去した後に前記ナノメートル層状の材料上に配置された接触材と
    を有し、前記ナノメートル層状の材料は前記ナノメートル層状の被覆が周囲を巻いている部分を有し、接触材は被覆の層に直接接触していることを特徴とする熱電素子。
  58. 被覆材料は、励起子ボーア半径の三倍、又は励起子ボーア半径の二倍、又は励起子ボーア半径と等しい、又は励起子ボーア半径より小さい厚みを有することを特徴とする請求項1から36及び51から57のいずれか一項に記載の熱電素子。
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