JP2011517047A - ヒューズ構造体を有する発光有機部品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電極および対向電極、並びに、該電極と該対向電極との間に位置する有機領域を備えている発光有機部品、特に発光有機ダイオードに関する。電極は、複数の電極部を有し、各電極部は、有機領域に、少なくとも部分的に重なり合うと共に接触して備えられ、電極部は、1つまたは複数のさらなる電極部によって、電気的に互いに接続され、電極を形成している。電極は、電極部に割当てられた電気的保護構造体を有している。さらに、本発明は、発光有機部品の製造方法、幾つかの発光有機部品を有するアレイ、および、電子部品用の電極構造に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、発光有機部品、製造方法、幾つかの発光有機部品を有するアレイ、および電極構造に関する。
〔発明の背景〕
近年、有機発光ダイオード(OLED)が、益々重要になってきている。ディスプレイの分野における用途に加えて、照明の目的の用途も、次第に、開発事業の中心へと移行してきている。この分野における技術の大きな可能性が一般的に認識され、OLEDは、将来、照明の分野における最も重要な技術のうちの1つになるであろうと推測されている。これまでに、能力効率および部品の耐用年数は、白熱灯、蛍光灯、または無機LEDといった他の照明技術と比べて、競争的レベルまで達している。
それにもかかわらず、これまで市場における商業的成功を邪魔していた幾つかの技術的障害は、未だ克服されていない。これらの障害のうちの1つは、1つの部品が発光可能な総光量を増大させることである。光量は、2つの要因によってほぼ決定される。一方の要因は、OLEDの表面積であり、他方の要因は、OLEDの光度である。光度は、自在に増大させることはできない。なぜなら、光度が増大すると、耐用年数の著しい短縮がもたらされるからである。さらに、OLEDの電極間に隣接する区域は、一定の光度よりも大きくなると、機能が停止し、これによって短絡(回路)が形成される。今のところ、使用光度は、500〜10,000cd/mの範囲内であると推測されている。
従って、光量を増大させるには、まず第1に、アクティブな照明面積を拡大することが引き続き求められている。従って、将来、OLEDを照明部門において適用するためには、アクティブな面積は、おそらく、数平方センチメートル〜1平方メートルおよびそれ以上の範囲になるであろう。OLEDは、典型的には、約2〜10Vの電圧において動作し、この電圧は面積とは無関係であるので、流れる電流は、総面積が増大するにつれて増大する。例えば、部品の電流効率が50cd/Aであり、動作光度が5000cd/mである場合、比較的小さな面積である100cmに、既に、1アンペアの電流が流れることになる。
既に、このような大電流を供給することが、最も実用的な用途において、ほぼ解決不可能な問題を引き起こすことになる。面積をさらに拡大することは、この問題をさらに悪化させることになる。
この問題の1つの解決方法として、比較的面積が小さい複数の小さなOLED素子を直列に接続することが、既に提案されている(GB第2392023 A号)。これによって、部品の動作電圧は、直列に接続されたOLED素子の数とほぼ同じ数に対応する倍数だけ増大する。同時に、動作電流は、同じ倍数だけ低減する。従って、総光量および能力効率は同じ状態で維持されるが、部品の電気駆動は大幅に簡略化される。これは、通常、高動作電圧を供給することの方がはるかに容易だからである。
1つの部品内においてOLED素子を直列接続する1つの利点は、OLED素子のカソードとアノードとの間に短絡が形成されても、電流経路の中断が生じない点である。この場合、部品の一部、すなわち短絡を有するOLED素子が、光を放射しなくなったとしても、放射される部品の総光量は、ほとんど不変のまま保持される。なぜなら、対応してより高い電圧が、残った他の素子に印加されるからである。従って、短絡が形成された後であっても、このような部品は、依然として、その目的を提供することが可能となっている。
しかしながら、部品が、単一の大きなOLEDだけから構成されている場合、短絡が形成された後は、照明の性能は著しく低下する。なぜなら、この場合、電流の大部分は、光に変換されることなく、短絡回路上を流れるからである。また、部品に一定の配電電圧が印加されていれば、流れる電流は劇的に増大する。このことは、多くの場合、短絡の地点において著しい温度上昇を引き起こす。これらの理由により、単一の大きなOLED面積を有する部品は、短絡が形成された後には、もう使用不可能となる。
しかし、複数のOLED素子を直列接続することによってOLED部品を製造することは、単一の大きなダイオードの製造よりも極めて複雑である。
まず、これを解決するには、電極の基板側をパターニングして、直列接続のサブ電極を規定する必要がある。さらに、有機層および上面電極も、同じく、直列接続を構成するためにパターニングする必要がある。基本的に、このようなパターニングは、様々な方法によって可能である。仮に、OLEDの有機材料が、真空蒸着法によって加工されるならば、このようなパターニングは、シャドーマスクによって行うことが可能である。レーザービームによる局所的加熱によって、有機材料をバッキングフィルムから基板の上に転写させる転写法を用いて、有機体を加工することも可能である。しかし、この方法は、有機層にのみ利用可能であり、通常、アルミニウム、銀、カルシウム、若しくはマグネシウムといった金属、または、インジウムスズ酸化物(ITO)などの透明な酸化物から構成される上面電極には利用できない。これらの材料をパターニングするには、一般に、シャドーマスクを介した堆積法が用いられる。
しかし、ここに述べた全てのパターニング法は、製造プロセスの複雑性を増大させるため、必然的に、製造プロセスの費用も高くなる。さらに、シャドーマスクの場合に実現可能な解像度は制限されているので、直列接続のOLED素子間の最小間隔も制限される。さらに、基板上のパターンが小さくなると、シャドーマスクを用いることは、より手間がかかる。数100μmの範囲内のパターンを形成する場合、通常、シャドーマスクを基板に対して微調節することが必要になる。この微調節は、時間と費用がかかり、一般的には、顕微鏡によって行われる。しかし、OLED素子が例えば約1cmの大きさである場合に当てはまるように、再現するパターンを一定の大きさまで拡大するならば、シャドーマスクを基板に対して位置決めすることは、それほど正確に行わなくてもよい。このため、例えば位置決めピンを用いた、簡単な位置決めが可能である。これは、マイクロメーターの範囲における微調節よりも、はるかに速く、かつ安価である。シャドーマスクを基板に対して位置決めすることは、基板または基板ホルダ上の位置決めピンによって行うことが可能である。
マスク自体は、それほど正確に製造されていなくてもよいので、コストの高いリソグラフィー法の代わりに、レーザー切断などの安価な製造法を用いてもよい。位置決めピンによるマスクの位置決めによって、基板の加工に必要なサイクル時間も短縮される。
OLED照明素子を改善することは、ストリップ形にパターニングされたベースコンタクト上に共通の有機層構造を有する大きなOLED素子を簡素に加工する方法に基づいて、既に提案されている。このような部品の構造では、ベース電極だけに、フォトリソグラフィーによって行われ得る微細なパターニングが施されている。通常、いずれにしても、フォトリソグラフィーによる基板のパターニングを行わなければならないので、プロセスコストがより高くなることはない。ベース電極をストリップ形にパターニングすることの利点は、これによって、共通の有機層と共通の対向電極とを有するOLED素子の内部で、幾つかのOLEDストリップが並列に接続されるという点である。このような構造において短絡の形成が生じたとしても、ベース電極のストリップの上に電流が流れることは、その電気抵抗によって制限される。従って、短絡の場合には、全てのOLED素子が動作不能になることはなく、1つのサブストリップが動作不能になるだけである。しかしながら、電流の流れが制限されることは、短絡が生じたストリップ上の正確な位置によって決定される。電流が、電極ストリップを介して、対向電極を有する短絡まで進まなければならない距離が短いならば、オーム抵抗も低くなり、大電流は、短絡を通って流れるが、並列接続されたOLED素子の損なわれていないストリップを通っては流れない。このため、短絡が形成された後は、部品の効率損失が生じ得る。この理由により、短絡によって損なわれたストリップを、他のストリップから電気的に絶縁させることが望ましい。
OLEDディスプレイでは、個々の画素を駆動導線から電気的に絶縁することが、既に検討されている(M. Kimura, Y. Kubo, Analysis, “Detection and Repair of Pixel Shorts in PM-OLEDs”, IDWIAD Proceedings 2005, 605頁)。この文献では、著者は、画素が短絡を有する場合に、金属または導電性酸化物から構成される供給電極を、レーザービームまたは大電流パルスによって焼き切ることを提案している。しかし、レーザーによる分離、電流パルスによる導線の焼き切りも、ある程度の手間がかかる。さらに、導線を電流パルスによって切断する場合、分離されるOLED領域を、個々に駆動可能にする必要がある。また、電気導線は、このような大電流が電気導線自体を損なうことなく、流れることを可能にする必要がある。いずれの場合にも、駆動は、電流パルスによって、例えば好適な自己分析電子機器および制御電子機器によって、アクティブに行われる必要がある。このため、駆動は、OLED素子自体における短絡の形成を介して直接的かつ直ちに行われることはない。
OLED照明素子の場合、典型的には、特定の領域を電流パルスによって電気的に絶縁することは不可能である。
分離するためのレーザーの使用も極めて複雑である。特に、ユーザが既に使用している部品では、この方法は、修理に送ることを必要とするであろう。このため、費用は高くなる。
〔発明の概要〕
本発明の目的は、電子部品、特に発光有機部品に関連する損傷挙動を改善するための技術を特定することにある。この技術は、好ましくは、個々の発光有機部品にも、また、幾つかの発光有機部品を有するアレイにも利用可能である必要がある。
本発明によれば、この目的は、独立請求項1に係る発光有機部品、独立請求項12に係る発光有機部品の製造方法、および、独立請求項14に係る、幾つかの発光有機素子を有するアレイによって、達成される。さらに、独立請求項19に係る電子部品のための電極構造が生成される。本発明の有効な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の一態様によれば、電極および対向電極、並びに、上記電極と上記対向電極との間に位置する有機領域を備える発光有機部品、特に発光有機ダイオードが、生成される。上記電極は、複数の電極部を有しており、これらの各電極部は、上記有機領域に、少なくとも部分的に重なると共に接触して備えられ、これらの電極部は、1つまたは複数のさらなる電極部によって互いに電気的に接続され、上記電極を形成している。上記電極は、電極部に割当てられた電気的保護構造体を備えている。
有機発光部品に関する可能な一形態では、有機領域は、連続的に、または分離されたサブ部分を有して、形成されている。けれども、これらの分離されたサブ部分は、同一の電極によってアクティブにされ得る。連続的な形態では、有機領域は、表面被覆率の点で、ほぼ閉鎖された単独の領域として、例えば、多面体の表面、長方形の表面、三角形の表面、または円形の表面の形で実施されていてもよい。
本発明の他の一態様は、電極および対向電極、並びに、該電極と該対向電極との間に位置する有機領域が形成されている発光有機部品、特に発光有機ダイオードの製造方法に関する。上記電極は、複数の電極部を有して製造され、これらの各電極部は、上記有機領域に、少なくとも部分的に重なると共に接触した状態で形成され、これらの電極部は、1つまたは複数のさらなる電極部によって、上記電極に互いに電気的に接続されている。上記電極は、電極部に割当てられた電気的保護構造体を有して実施されている。
本発明の他の一態様は、幾つかの発光有機部品、特に発光有機ダイオードを有するアレイに関する。これらの各発光有機部品は、割当てられた電極および割当てられた対向電極、並びに、該割当てられた電極と該割当てられた対向電極との間に位置すると共に連続的に実施された有機領域を有して、形成されている。上記電極は、複数の電極部を有して製造されており、幾つかの発光有機部品の割当てられた電極は、接続点において、互いに電気的に接続されている。上記接続点に割当てられた部品保護構造体が、形成されている。そして、特に部品保護構造体の実施に関するアレイの製造方法も、発光有機部品の製造に、同様に基づいている。
本発明の他の一態様によれば、複数の電極部と、これらの電極部を互いに電気的に接続させる1つまたは複数のさらなる電極部とから構成される1つの電極を備え、これらの電極部に割当てられた電気的保護構造体が形成されている、電子部品、特に発光有機部品用の電極構造が提供される。
電気的に接続された電極部は、並列接続若しくは直列接続、または、これらの組み合わせを形成してもよい。これらの電極部は、少なくとも部分的に互いに分離または離間されて形成された電極部と見なされることが、好ましい。
電子部品、特に発光有機部品における電極構成に関して、本発明は、電極構成に割当てられた電気的保護構造体を提供するという考えを包含する。このことは、電気的保護構造体が、個々の部品の別個に駆動可能な電極に割当てられていようとも、または、幾つかの部品を有するアレイにおける多電極構造に割当てられていようとも当てはまる。多電極構造は、個々の部品の相互接続された電極から形成されており、個々の部品は、部品の動作のために別個に駆動可能である。従って、それぞれに、互いに無関係に、所望の動作電圧を印加することが可能である。各電極は、個々の素子内であっても、または幾つかの部品のアレイ内であっても、割当てられた対向電極と相互作用する。
部品のアレイの場合、上記保護構造体は、始動されると個々の部品間に電気的絶縁を生じさせる、電気部品の保護構造体である。アレイ内に含まれる個々または幾つかの部品の場合、これを再び、単独の部品の内部における保護構造体と組み合わせることが可能である。
本明細書で意図される意味において、個々の発光有機部品または発光有機素子は、例えば連続的に形成された有機領域に、正確に1つの、独立して駆動可能な電極が割当てられることによって定義される。この電極自体は、当然、相互接続されると共に集合的に駆動可能な、幾つかのサブ電極を備えていてもよく、動作中には、これらのサブ電極に電位が印加され、有機領域に光を発生させる。任意により設けられるこれらのサブ電極は、その後、常に同じ電位にある。これに対して、幾つかの発光有機部品を有するアレイは、幾つかの部品または素子がそれぞれ、独自の有機領域を有するように形成される。この独自の有機領域は、連続的に形成されると共に、割当てられた1つの電極によって駆動され得る領域である。個々の部品を1つの発光有機ダイオードとして実施する場合、これらの部品も、OLED素子と呼ぶことが可能である。
これらの電気的保護構造体は、保護構造体の構成によって設定可能な限界電流を越えた場合に、自己始動式または自己駆動式に電気接続を遮断し、その結果、電気的絶縁が形成されるという共通点を有している。これに関して、電気的保護構造体は、部品の通常の動作電流が多数発生した場合に絶縁する効果が、自己駆動式に始動されるように実施されている。電気的保護構造体の構成は、一方では、部品の通常の動作が確保されるように、他方では、電流の増大が生じると自己始動が引き起こされるように、選択されている必要がある。しかし、当業者は、電気的保護構造体の構成の材料および形態に関して、例えば電気接続の導体の断面といった通常の設計オプションを、用途に応じて自由に選ぶことが可能である。これに関して、電気的保護構造体は、自己始動式または自己絶縁式保護構造体と呼ぶことも可能である。
本発明の好ましいさらなる一発展形態は、有機領域の外側に形成された1つまたは複数のさらなる電極部を提供する。この、有機領域に重なっていない1つまたは複数のさらなる電極部のアレイに相当する、有機領域の外側に形成されるさらなる電極部のため、これらのさらなる電極部を、外部の電極部と呼んでもよい。
本発明の実用的な一形態では、電極部の部分集合体に割当てられた保護サブ構造体と、電極部のさらなる部分集合体に割当てられたさらなる保護サブ構造体とを有して形成された電気的保護構造体が、提供され得る。本形態の他の一形態として、全ての電極部に共通の1つの保護構造体が提供されていてもよい。
本発明の好ましい一実施形態は、複数の電極部の個々の電極部に割当てられた少なくとも1つの個々の保護構造体を有して形成された電気的保護構造体を提供する。一方の、1つまたは複数の個々の保護構造体と、他方の保護サブ構造体との組み合わせも提供可能である。
好ましくは、本発明のさらなる一発展形態は、有機領域であって、その平坦な伸長部分にわたって同一の材料構成で形成された有機領域を提供する。これは、連続的な形態の場合にも、電極に割当てられ分離されたサブ領域にも、提供可能である。有機領域が、その平坦な伸長部分にわたって同様または均一な形態または組成をしていることは、特に、同色の光が放射されることを意味している。異なる色の各素子を有するいわゆるRGB構造が知られている。この構造では、赤、青、または、緑の光を、それぞれ、サブ領域において放射させて、例えばいわゆるRGBディスプレイを形成しており、サブ領域を、別個に駆動可能な電極によって動作させることで、個々に設定可能な動作電圧の印加が可能となっている。サブ領域自体は、それぞれ、均一な材料組成を有している。組成が同一の場合、平坦な伸長部分にわたって、放射システムのための、均一な組成の材料が提供される。
本発明の有効な一形態では、有機材料から構成される層を有する電気的保護構造体が提供され得る。有機層は、電気的にドープされた層であってよい。本形態は、p型ドープされた半導体層、またはn型ドープされた半導体層として実施される。電気的保護構造体は、完全にまたは部分的に、電気的にドープされた層によって形成されていてよい。好ましい一形態では、電気的にドープされた層は、その材料組成に関して、有機領域からの層と対応するように形成される。これは、製造工程において、保護構造体の電気的にドープされた層を、同様に形成された有機領域内の層と、同時に生成することができる(当該工程を製造工程に組み込むことが有効である限り)という利点を有している。電気的にドープされた層は、約10nmと約100μmとの間の層厚を有して形成されていることが好ましい。約10nmの層厚は、閉鎖された有機層を、通常の製造ラインで確実に形成するために少なくとも必要とされる厚さであると考えられる。100μmは、好適な技術プロセスの範囲内で尚も実現可能な層厚である。
電気的にドープされた層を形成することに対して選択的または追加的に、電気的にドープされていない有機材料から構成される層を、保護構造体の一形態のために提供可能である。ドープされていない有機層の層厚については、ドープされた有機層に関する上述の説明が、適宜、当てはまる。
本発明のさらなる一発展形態は、金属層を有する電気的保護構造体を提供可能である。電気的保護構造体は、完全または部分的に、金属層から形成されていてよく、一形態では、電気的保護構造体は、金属層から成る。一形態では、金属層と、有機材料から構成される層とから成る電気的保護構造体が提供され得る。一形態では、金属層を、次の層、すなわち電気的にドープされた有機層およびドープされていない有機層のうちの少なくとも1つと組み合わせてもよい。金属層は、有機層を、部分的または完全に覆っていてよい。これに関して、一実施形態では、金属層が、有機材料から構成される層を部分的または完全に覆うように提供してもよい。有機層は、電気的にドープされていても、またはドープされていなくても、割当てられた電極部若しくはさらなる電極部に接触して形成されていてもよいし、または、割当てられた電極部若しくはさらなる電極部に接触せずに形成されていてもよい。様々な実施形態において、金属層は、割当てられた電極部だけに、または、1つ若しくは複数のさらなる電極部だけに電気的に接触していてもよいし、これらの両方に電気的に接触していてもよい。
有機層は、例えば、約10nmと約50μmとの間の層厚を有している。好ましくは、金属層は、約10nmと約10μmとの間の層厚を有して形成されている。
層厚は、電極部の領域内に短絡が生じた場合、およびこれに関連して電流の流れが増大した場合に、電気的にドープされた層が、例えば溶融によって、電気的に絶縁される程度まで強く加熱されるように、選択されている。電気的にドープされた層の有機材料と、発光有機部品が形成される基板表面とは、溶融時に、電気的にドープされた層が、脱架橋するように選択される。電気的にドープされた層は、金属層と組み合わせる場合、脱架橋の際に裂ける程度に十分に薄くなっている。また金属層は、短絡の場合に、十分に高い熱が、オーム抵抗によって生成され、有機材料から構成された電気的にドープされた層の溶融を引き起こす程度に薄くなっている。金属層と有機材料から構成された電気的にドープされた層とを組み合わせることは、保護構造体によって電気的絶縁作用が始動される温度を、正確に選択することが出来るという利点を有している。これによって、電気的保護構造体を、電気的にドープされた層の溶融温度、金属層の厚さ、および、発光有機部品の設計、並びに、これによって生じる電流の流れというパラメータによって、個々の用途目的に適応させることが可能である。
有機材料の溶融は、200°Cよりも低い温度で起こる場合が多い。金属または他の有機導体に基づいた電気的保護構造体は、著しく高い温度においてのみ、焼き切れる。
有機材料から構成される薄膜は、その融点よりも下の温度で既に架橋し得る。これは、例えば、液晶材料との関連においてしばしば生じることである。好ましい一形態では、保護構造体の有機層は、液晶材料から構成されている。
電気的保護構造体のために、任意で電気的にドープされた有機層と、金属層とを組み合わせることの他の利点は、金属層を、比較的厚くなるように選択することが可能な点にある。これは、金属層が、短絡の場合に、純金属製の保護構造体のように、高い温度にまで加熱される必要がないからである。これによって、通常動作の間の、保護構造体における抵抗損を低減することが可能である。しかし、この金属層は、有機材料から構成される層のうちの1つがこれを破壊させるには、十分に薄いことに留意されたい。
本発明の好ましいさらなる一発展形態は、次の材料、すなわち、導電性酸化物および導電性セラミックから選択された1つの材料から構成される層を有する電気的保護構造体を提供する。
本発明の実用的な一形態では、保護ヒューズ構造体として実施された電気的保護構造体が提供され得る。電流が増大することによって、電気的保護構造体がアクティブになると、溶融が生じ、結果として電気的絶縁が起こる。
本発明の有効な一実施形態は、少なくとも部分的にストリップ電極部として形成された電極部を提供する。ストリップ電極部は、任意の形態に配置されていてよい。ストリップ電極部の構造形態は、用途に応じて、適宜選択可能である。ストリップ形の形態は、直線状の電極部、および非直線状の電極部のいずれも可能である。非直線状の電極部には、例えば、ジグザグの形または曲線の電極部が挙げられる。
本発明のさらなる一発展形態は、好ましくは、櫛形サブ電極を有する電極を提供する。ここに形成されると共に互いに分離されている電極部は、少なくとも部分的に噛み合って配置されている。電極を形成しながら集合的に駆動され得る櫛形サブ電極は、様々な形の基本形状に対応して形成することが可能であり、対向するサブ電極の噛み合った部分は、有利には、相補型の形態、例えば逆円錐形の形態を有していてもよい。また、ジグザグの形または曲線の形のストリップ電極を、互いに噛み合わせながら、配置してもよい。
上述の、発光有機部品または素子に有効な形態を、幾つかの発光有機部品を有するアレイに関して同様に用いてもよい。これは、発光有機部品が、特別に1つの部品に限定されていない限り、有効である。
有効な一形態では、幾つかの発光有機部品は、共通の基板上に形成されていてもよく、この結果、幾つかの発光有機部品が同一の基板上に製造される。そしてまた、部品保護構造体、および、(これが1つまたは複数の部品のために提供されるならば)上述したような個々の部品のための保護構造体を、同一の基板上に形成してもよい。
部品保護構造体によって安全が確保され、別個に駆動可能な様々な部品の電極は、並列接続若しくは直列接続、またはこれらの組み合わせに従って、互いに相互接続されていてもよい。発光有機部品を発光有機ダイオードとして実施する場合、いわゆるOLED素子または部品を互いに相互接続させ、こうすることによって、安全を確保することが可能である。
1つの部品に関して説明した電極のための可能な形態は、単独で、または、電極構造自体に関して任意の組み合わせにおいて、提供可能である。ここで、電極構造を、独立した部品として、または半製品として、製造することも可能である。なぜなら、電極の製造は、有機発光部品または他の電子部品の場合のように、部品の製造に組み込んだ状態で実施可能だからである。様々な形態において、電極を有する電極構造を別個に製造することは、例えば、電極を形成した後に、記載した製造工程を単に中断し、有機領域の形成を継続しないことによって、実現可能である。このように形成された電極構造は、その後、任意の電子部品に使用可能である。これらの電子部品には、特に、有機太陽電池が含まれる。これに応じて、上述の利点は、これらの利点の根本が電極の形態自体にある限り、様々な形態の電極構造をもたらす。
以下に、電極構造に関する好ましい形態について、より詳細に説明する。既に記載した説明に対応する同一の特徴に関しては、以下では、繰り返しを避けるために、説明を省略する。
電極構造について、本発明の実用的な一形態では、電極部の部分集合体に割当てられた保護サブ構造体と、電極部のさらなる部分集合体に割当てられたさらなる保護サブ構造体とを有して形成された、電気的保護構造体が提供される。本形態に対する他の形態として、全ての電極部に共通の保護構造体を提供することも可能である。
電極構造について、本発明の有効な一実施形態は、電極部の個々の電極部に割当てられた少なくとも1つの個々の保護構造体を有して形成された電気的保護構造体を提供する。
電極構造について、本発明の有効な一形態では、有機材料から構成される層を有する電気的保護構造体が提供され得る。
電極構造について、本発明のさらなる一発展形態は、金属層を有する電気的保護構造体を提供可能である。
電極構造について、本発明の好ましい一発展形態は、次の材料、すなわち、導電性酸化物および導電性セラミックのうちから選択された1つの材料から構成された層を有する電気的保護構造体を提供する。
電極構造について、本発明の実用的な一形態では、保護ヒューズ構造体として形成された電気的保護構造体が提供され得る。電流が増大することによって、電気的保護構造体がアクティブになると、溶融が生じ、結果として電気的絶縁が起こる。
電極構造について、本発明の有効な一実施形態は、少なくとも部分的にストリップ電極部として形成された各電極部を提供する。
電極構造について、本発明のさらなる一発展形態は、櫛形サブ電極を有する電極を提供することが好ましく、ここに形成されると共に互いに分離された電極部が、少なくとも部分的に噛み合って配置されている。
〔発明の好ましい典型的な実施形態の説明〕
以下において、図面を参照しながら、好ましい典型的な実施形態を用いて、本発明をより詳細に説明する。
図1は、発光有機部品を示す概略的な部分図である。
図2は、図1の部品の一部分を詳細に示す概略的な図である。
図3は、有機材料から構成された電気的にドープされた層が、部分的に金属層に覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。
図4は、有機材料から構成された電気的にドープされた層が、完全に金属層に覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。この電極構造は、電流経路が(必ずしも)有機層を通ってのびていなくてもよいため、ドープされた有機層と、ドープされていない非導電性の有機層とを有して実施されていてよい。
図5は、有機材料から構成された電気的にドープされた層が、1つの面だけを金属層によって完全に包囲されて覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。
図6は、異なる有機材料、すなわちPen(四角形)およびNPD(凧形)の場合の、図4に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。
図7は、図3に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。
図8は、金属グリッドが上に形成された、ITOから構成される光学的に透明な電極の一部分を示す概略的な図である。
図9は、図8の光学的に透明な電極を示す概略的な断面図である。
図1は、発光有機部品を示す概略的な部分図である。ストリップ形の電極部1が、有機領域2の真下に配置されており、電気的保護構造体3を介して、外部の電極部4に電気的に結合されている。外部の電極部4は、一種の導線を形成している。ストリップ形の電極部1および外部の電極部4が一緒になって、部品の1つの電極を形成している。割当てられた対向電極(図示せず)との相互作用の間に、この電極を介して、動作電圧が、有機領域2に電気的に印加され、そこで、ホールおよび電極の形の自由電荷キャリアが、生成される。その後、自由電荷キャリアは、光を放射しながら再結合する。これについては、発光有機部品の場合に一般的に公知である。
有機領域2は、その平坦な伸長部分にわたって、均一な材料組成で形成されている。そのため、単色の光が放射される。しかし、有機領域2の具体的な形態は、その用途に応じて、任意に選択可能である。このために、公知の様々な設計の発光有機部品が入手可能である。有機領域2は、通常の方法、例えば、真空蒸着法、印刷法、または他の公知の層形成法によって、加工される。これらの方法の組み合わせも用いてよい。これに関して、マスクを用いて、部品のサブ領域にのみ特定の層を製造することが知られている。このようなマスクは、シャドーマスクとも呼ばれ、これを用いて、電気的保護構造体3(これが、一形態において有機の実施形態を含むならば)を、有機領域2からの層と一緒に製造してもよい。こうすることによって、電気的保護構造体3は、少なくとも部分的に、同時に製造された有機領域2内の層と同じ材料組成から構成される。例えば、保護構造体3内の有機層は、マトリクス材料およびこれにドープされた材料から構成される、電気的にドープされた層であってもよい。このような電気的にドープされた層の様々な実施形態は、それ自体、当業者に公知である。
電極部1と有機領域2とが重なり合った領域の内部に、部品のアクティブな発光領域が形成される。
シャドーマスクを用いて製造された有機領域2は、単純なシャドーマスクおよびプロセスを使用するために十分な大きさを有している。けれども、ストリップ形の電極部1は、比較的小さく、その寸法は、電極を加工するプロセスによってのみ制限される。それらの加工工程は、例えば、フォトリソグラフィーを用いて行われ得る。フォトリソグラフィーによって、マイクロメーターの範囲の極めて小さな寸法を生成することが可能である。一般に、それ自体が公知である電極加工法を用いることが可能である。
図2は、図1の部品の一部分を詳細に示す概略的な図である。
図3は、有機材料から構成された電気的にドープされた層30が、金属層31によって部分的に覆われている、電気的保護構造体を有する電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。電流経路は、金属層の上をのびているとともに、電気的にドープされた層30の上を部分的にのびている。さらに、部品が上に堆積された基板32が示されている。図示された実施形態では、電気的にドープされた層30は、外部の電極部4には接触していない。
典型的な一実施形態では、図3に係る電気的保護構造体は、以下に説明する構成を有している。最初に、約1,27mmの間隔をおいて互いに隣接し合う、約90nmの厚さを有する2つの平行なITOストリップの上に、約2,54mmの幅および約100nmの厚さを有する、8重量パーセントのテトラキス−(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジナト)ジタングステンでドープされた、2,4,7,9−テトラフェニル−1,10−フェナントロリンの層を蒸着させる。この層は、2つのどちらのITOストリップの全幅も覆っている。次いで、第2のステップにおいて、このn型ドープされた有機層の上に、約2,5mmの幅を有する約8nmの厚さのアルミニウム層を蒸着させた。このアルミニウム層は、これら2つのITOストリップのいずれにも直接接触していない。ここで、これら2つのITOストリップの間に、電圧を印加して、流れる電流を測定した。電流が約19mAに達すると、導電率は急落した。
図7は、図3に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。
図4は、電気的保護構造体を備える電極構造の一部分を示す概略的な断面を示す図である。この図では、図3とは異なり、有機材料から構成された電気的にドープされた層30は、金属層31によって完全に覆われている。図示された実施形態では、電気的にドープされた層30は、外部の電極部4に、1つの側面において接触している。他の形態(図示せず)では、電気的にドープされた層の代わりに、電気的にドープされていない層が、有機材料として設けられている。ここでは、層形成は、図4が示す方法と同じ方法で行われ得る。この形態では、電流経路が、必ずしも有機材料の上をのびる必要はないため、有機材料は、導電性を有している必要はない。
典型的な一実施形態では、図4に係る電気的保護構造体は、以下に説明する構成を有している。最初に、約1,27mmの間隔をおいて互いに隣接し合う、約90nmの厚さを有する2つの平行なITOストリップの上に、約20nmのNPD(N,N’−di(ナフタリン−1−イル)−N,N’−ビフェニル−ベンジジン)の有機層を堆積させた。ここで、この有機層は、ITOストリップを部分的にのみ覆っていたが、ストリップ間の領域を、幅約2.54mmで完全に覆っていた。次に、この有機層の上に、約20nmの厚さのアルミニウム層を、シャドーマスクを用いて蒸着させ、アルミニウム層が、約2.5mmの幅で有機層を覆うと共に、両方のITOストリップに直接電気的に接触するようにした。ここで、これら2つのITOストリップ間のどちらの部品にも、電圧を印加して、流れる電流を記録した。
図6は、異なる有機材料、すなわちBphen(四角形)およびNPD(凧形)の場合の、図4に係る保護構造体を有する電極構造の電流−電圧特性を示す図である。これら異なる有機材料では、金属層の厚さは一定に維持した。ガラス温度が高い材料(NPD)の場合、同様に電圧/電流も高くなり、保護構造体が破壊される。有機材料から構成される層は、電気的にドープされていない。このため、臨界電流に達すると(Bphenの場合は約33mA、NPDの場合は約34mA)、電流の流れが急落することが分かる。これは、金属層が著しく加熱され、下にある有機層が溶けることによって、これら2つのITOストリップ間の金属のウェブが、遮断されるからである。
図5は、有機材料から構成された電気的にドープされた層30が、1つの面だけを金属層32に囲まれた、電気的保護構造体を備える電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。電流経路は、電気的にドープされた層30の上をのびている。
発光有機部品では、光学的に透明な電極の層導電率を向上させるために、光学的に透明な平面電極を、金属グリッドの上に重ねて配置する場合が多い。電流の大部分は、抵抗損が低い金属グリッドを通って流れる。
図8は、ITOから構成される光学的に透明な電極80の一部分を示す概略的な図である。光学的に透明な電極80の上には、金属グリッド81が形成されている。上述の実施形態のうちの1つでは、金属グリッド81に添った両側面に、電気的保護構造体82が形成されている。金属グリッド81によって、部品の均一な発光の見え方を、特により大きな面積の場合に、実質的に向上させることが可能である。このような電極構造は、電気的保護構造体82によって、短絡から保護される。金属グリッド81によって、光学的に透明な電極80のサブ領域83が形成される。ここで、サブ領域83のうちの1つにおいて、短絡が形成されると、当該サブ領域は、電気的保護構造体82によって、金属グリッド81のウェブから電気的に絶縁される。
図9は、図8の光学的に透明な電極80を示す概略的な断面図である。支持基板85も図示されている。
記載した実施形態は、任意の電子部品、特に個々の発光有機部品において、保護構造体を形成するため、および、相互接続された発光有機部品間の部品保護構造体を備えるために用いてもよい。
本発明をその様々な実施形態において実施するために、上述の明細書、特許請求の範囲、および図面において開示される本発明の特徴を、単独、および、任意の組み合わせで用いることが重要であり得る。
発光有機部品を示す概略的な部分図である。 図1の部品の一部分を詳細に示す概略的な図である。 有機材料から構成された電気的にドープされた層が、部分的に金属層に覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。 有機材料から構成された電気的にドープされた層が、完全に金属層に覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。この電極構造は、電流経路が(必ずしも)有機層を通ってのびていなくてもよいため、ドープされた有機層と、ドープされていない非導電性の有機層とを有して実施されていてよい。 有機材料から構成された電気的にドープされた層が、1つの面だけを金属層によって完全に包囲されて覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。 異なる有機材料、すなわちPen(四角形)およびNPD(凧形)の場合の、図4に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。 図3に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。 金属グリッドが上に形成された、ITOから構成される光学的に透明な電極の一部分を示す概略的な図である。 図8の光学的に透明な電極を示す概略的な断面図である。
発明の詳細な説明
本発明は、発光有機部品、製造方法、幾つかの発光有機部品を有するアレイ、および電極構造に関する。
〔発明の背景〕
近年、有機発光ダイオード(OLED)が、益々重要になってきている。ディスプレイの分野における用途に加えて、照明の目的の用途も、次第に、開発事業の中心へと移行してきている。この分野における技術の大きな可能性が一般的に認識され、OLEDは、将来、照明の分野における最も重要な技術のうちの1つになるであろうと推測されている。これまでに、能力効率および部品の耐用年数は、白熱灯、蛍光灯、または無機LEDといった他の照明技術と比べて、競争的レベルまで達している。
それにもかかわらず、これまで市場における商業的成功を邪魔していた幾つかの技術的障害は、未だ克服されていない。これらの障害のうちの1つは、1つの部品が発光可能な総光量を増大させることである。光量は、2つの要因によってほぼ決定される。一方の要因は、OLEDの表面積であり、他方の要因は、OLEDの光度である。光度は、自在に増大させることはできない。なぜなら、光度が増大すると、耐用年数の著しい短縮がもたらされるからである。さらに、OLEDの電極間に隣接する区域は、一定の光度よりも大きくなると、機能が停止し、これによって短絡(回路)が形成される。今のところ、使用光度は、500〜10,000cd/mの範囲内であると推測されている。
従って、光量を増大させるには、まず第1に、アクティブな照明面積を拡大することが引き続き求められている。従って、将来、OLEDを照明部門において適用するためには、アクティブな面積は、おそらく、数平方センチメートル〜1平方メートルおよびそれ以上の範囲になるであろう。OLEDは、典型的には、約2〜10Vの電圧において動作し、この電圧は面積とは無関係であるので、流れる電流は、総面積が増大するにつれて増大する。例えば、部品の電流効率が50cd/Aであり、動作光度が5000cd/mである場合、比較的小さな面積である100cmに、既に、1アンペアの電流が流れることになる。
既に、このような大電流を供給することが、最も実用的な用途において、ほぼ解決不可能な問題を引き起こすことになる。面積をさらに拡大することは、この問題をさらに悪化させることになる。
この問題の1つの解決方法として、比較的面積が小さい複数の小さなOLED素子を直列に接続することが、既に提案されている(GB第2392023 A号)。これによって、部品の動作電圧は、直列に接続されたOLED素子の数とほぼ同じ数に対応する倍数だけ増大する。同時に、動作電流は、同じ倍数だけ低減する。従って、総光量および能力効率は同じ状態で維持されるが、部品の電気駆動は大幅に簡略化される。これは、通常、高動作電圧を供給することの方がはるかに容易だからである。
1つの部品内においてOLED素子を直列接続する1つの利点は、OLED素子のカソードとアノードとの間に短絡が形成されても、電流経路の中断が生じない点である。この場合、部品の一部、すなわち短絡を有するOLED素子が、光を放射しなくなったとしても、放射される部品の総光量は、ほとんど不変のまま保持される。なぜなら、対応してより高い電圧が、残った他の素子に印加されるからである。従って、短絡が形成された後であっても、このような部品は、依然として、その目的を提供することが可能となっている。
しかしながら、部品が、単一の大きなOLEDだけから構成されている場合、短絡が形成された後は、照明の性能は著しく低下する。なぜなら、この場合、電流の大部分は、光に変換されることなく、短絡回路上を流れるからである。また、部品に一定の配電電圧が印加されていれば、流れる電流は劇的に増大する。このことは、多くの場合、短絡の地点において著しい温度上昇を引き起こす。これらの理由により、単一の大きなOLED面積を有する部品は、短絡が形成された後には、もう使用不可能となる。
しかし、複数のOLED素子を直列接続することによってOLED部品を製造することは、単一の大きなダイオードの製造よりも極めて複雑である。
まず、これを解決するには、電極の基板側をパターニングして、直列接続のサブ電極を規定する必要がある。さらに、有機層および上面電極も、同じく、直列接続を構成するためにパターニングする必要がある。基本的に、このようなパターニングは、様々な方法によって可能である。仮に、OLEDの有機材料が、真空蒸着法によって加工されるならば、このようなパターニングは、シャドーマスクによって行うことが可能である。レーザービームによる局所的加熱によって、有機材料をバッキングフィルムから基板の上に転写させる転写法を用いて、有機体を加工することも可能である。しかし、この方法は、有機層にのみ利用可能であり、通常、アルミニウム、銀、カルシウム、若しくはマグネシウムといった金属、または、インジウムスズ酸化物(ITO)などの透明な酸化物から構成される上面電極には利用できない。これらの材料をパターニングするには、一般に、シャドーマスクを介した堆積法が用いられる。
しかし、ここに述べた全てのパターニング法は、製造プロセスの複雑性を増大させるため、必然的に、製造プロセスの費用も高くなる。さらに、シャドーマスクの場合に実現可能な解像度は制限されているので、直列接続のOLED素子間の最小間隔も制限される。さらに、基板上のパターンが小さくなると、シャドーマスクを用いることは、より手間がかかる。数100μmの範囲内のパターンを形成する場合、通常、シャドーマスクを基板に対して微調節することが必要になる。この微調節は、時間と費用がかかり、一般的には、顕微鏡によって行われる。しかし、OLED素子が例えば約1cmの大きさである場合に当てはまるように、再現するパターンを一定の大きさまで拡大するならば、シャドーマスクを基板に対して位置決めすることは、それほど正確に行わなくてもよい。このため、例えば位置決めピンを用いた、簡単な位置決めが可能である。これは、マイクロメーターの範囲における微調節よりも、はるかに速く、かつ安価である。シャドーマスクを基板に対して位置決めすることは、基板または基板ホルダ上の位置決めピンによって行うことが可能である。
マスク自体は、それほど正確に製造されていなくてもよいので、コストの高いリソグラフィー法の代わりに、レーザー切断などの安価な製造法を用いてもよい。位置決めピンによるマスクの位置決めによって、基板の加工に必要なサイクル時間も短縮される。
OLED照明素子を改善することは、ストリップ形にパターニングされたベースコンタクト上に共通の有機層構造を有する大きなOLED素子を簡素に加工する方法に基づいて、既に提案されている。このような部品の構造では、ベース電極だけに、フォトリソグラフィーによって行われ得る微細なパターニングが施されている。通常、いずれにしても、フォトリソグラフィーによる基板のパターニングを行わなければならないので、プロセスコストがより高くなることはない。ベース電極をストリップ形にパターニングすることの利点は、これによって、共通の有機層と共通の対向電極とを有するOLED素子の内部で、幾つかのOLEDストリップが並列に接続されるという点である。このような構造において短絡の形成が生じたとしても、ベース電極のストリップの上に電流が流れることは、その電気抵抗によって制限される。従って、短絡の場合には、全てのOLED素子が動作不能になることはなく、1つのサブストリップが動作不能になるだけである。しかしながら、電流の流れが制限されることは、短絡が生じたストリップ上の正確な位置によって決定される。電流が、電極ストリップを介して、対向電極を有する短絡まで進まなければならない距離が短いならば、オーム抵抗も低くなり、大電流は、短絡を通って流れるが、並列接続されたOLED素子の損なわれていないストリップを通っては流れない。このため、短絡が形成された後は、部品の効率損失が生じ得る。この理由により、短絡によって損なわれたストリップを、他のストリップから電気的に絶縁させることが望ましい。
OLEDディスプレイでは、個々の画素を駆動導線から電気的に絶縁することが、既に検討されている(M. Kimura, Y. Kubo, Analysis, “Detection and Repair of Pixel Shorts in PM-OLEDs”, IDWIAD Proceedings 2005, 605頁)。この文献では、著者は、画素が短絡を有する場合に、金属または導電性酸化物から構成される供給電極を、レーザービームまたは大電流パルスによって焼き切ることを提案している。しかし、レーザーによる分離、電流パルスによる導線の焼き切りも、ある程度の手間がかかる。さらに、導線を電流パルスによって切断する場合、分離されるOLED領域を、個々に駆動可能にする必要がある。また、電気導線は、このような大電流が電気導線自体を損なうことなく、流れることを可能にする必要がある。いずれの場合にも、駆動は、電流パルスによって、例えば好適な自己分析電子機器および制御電子機器によって、アクティブに行われる必要がある。このため、駆動は、OLED素子自体における短絡の形成を介して直接的かつ直ちに行われることはない。
OLED照明素子の場合、典型的には、特定の領域を電流パルスによって電気的に絶縁することは不可能である。
分離するためのレーザーの使用も極めて複雑である。特に、ユーザが既に使用している部品では、この方法は、修理に送ることを必要とするであろう。このため、費用は高くなる。
〔発明の概要〕
本発明の目的は、電子部品、特に発光有機部品に関連する損傷挙動を改善するための技術を特定することにある。この技術は、好ましくは、個々の発光有機部品にも、また、幾つかの発光有機部品を有するアレイにも利用可能である必要がある。
本発明によれば、この目的は、独立請求項に係る発光有機部品、独立請求項14に係る発光有機部品の製造方法、および、独立請求項15に係る、幾つかの発光有機素子を有するアレイによって、達成される。さらに、独立請求項に係る電子部品のための電極構造が生成される。本発明の有効な実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の一態様によれば、電極および対向電極、並びに、上記電極と上記対向電極との間に位置する有機領域を備える発光有機部品、特に発光有機ダイオードが、生成される。上記電極は、複数の電極部を有しており、これらの各電極部は、上記有機領域に、少なくとも部分的に重なると共に接触して備えられ、これらの電極部は、1つまたは複数のさらなる電極部によって互いに電気的に接続され、上記電極を形成している。上記電極は、電極部に割当てられた電気的保護構造体を備えている。
有機発光部品に関する可能な一形態では、有機領域は、連続的に、または分離されたサブ部分を有して、形成されている。けれども、これらの分離されたサブ部分は、同一の電極によってアクティブにされ得る。連続的な形態では、有機領域は、表面被覆率の点で、ほぼ閉鎖された単独の領域として、例えば、多面体の表面、長方形の表面、三角形の表面、または円形の表面の形で実施されていてもよい。
本発明の他の一態様は、電極および対向電極、並びに、該電極と該対向電極との間に位置する有機領域が形成されている発光有機部品、特に発光有機ダイオードの製造方法に関する。上記電極は、複数の電極部を有して製造され、これらの各電極部は、上記有機領域に、少なくとも部分的に重なると共に接触した状態で形成され、これらの電極部は、1つまたは複数のさらなる電極部によって、上記電極に互いに電気的に接続されている。上記電極は、電極部に割当てられた電気的保護構造体を有して実施されている。
本発明の他の一態様は、幾つかの発光有機部品、特に発光有機ダイオードを有するアレイに関する。これらの各発光有機部品は、割当てられた電極および割当てられた対向電極、並びに、該割当てられた電極と該割当てられた対向電極との間に位置すると共に連続的に実施された有機領域を有して、形成されている。上記電極は、複数の電極部を有して製造されており、幾つかの発光有機部品の割当てられた電極は、接続点において、互いに電気的に接続されている。上記接続点に割当てられた部品保護構造体が、形成されている。そして、特に部品保護構造体の実施に関するアレイの製造方法も、発光有機部品の製造に、同様に基づいている。
本発明の他の一態様によれば、複数の電極部と、これらの電極部を互いに電気的に接続させる1つまたは複数のさらなる電極部とから構成される1つの電極を備え、これらの電極部に割当てられた電気的保護構造体が形成されている、電子部品、特に発光有機部品用の電極構造が提供される。
電気的に接続された電極部は、並列接続若しくは直列接続、または、これらの組み合わせを形成してもよい。これらの電極部は、少なくとも部分的に互いに分離または離間されて形成された電極部と見なされることが、好ましい。
電子部品、特に発光有機部品における電極構成に関して、本発明は、電極構成に割当てられた電気的保護構造体を提供するという考えを包含する。このことは、電気的保護構造体が、個々の部品の別個に駆動可能な電極に割当てられていようとも、または、幾つかの部品を有するアレイにおける多電極構造に割当てられていようとも当てはまる。多電極構造は、個々の部品の相互接続された電極から形成されており、個々の部品は、部品の動作のために別個に駆動可能である。従って、それぞれに、互いに無関係に、所望の動作電圧を印加することが可能である。各電極は、個々の素子内であっても、または幾つかの部品のアレイ内であっても、割当てられた対向電極と相互作用する。
部品のアレイの場合、上記保護構造体は、始動されると個々の部品間に電気的絶縁を生じさせる、電気部品の保護構造体である。アレイ内に含まれる個々または幾つかの部品の場合、これを再び、単独の部品の内部における保護構造体と組み合わせることが可能である。
本明細書で意図される意味において、個々の発光有機部品または発光有機素子は、例えば連続的に形成された有機領域に、正確に1つの、独立して駆動可能な電極が割当てられることによって定義される。この電極自体は、当然、相互接続されると共に集合的に駆動可能な、幾つかのサブ電極を備えていてもよく、動作中には、これらのサブ電極に電位が印加され、有機領域に光を発生させる。任意により設けられるこれらのサブ電極は、その後、常に同じ電位にある。これに対して、幾つかの発光有機部品を有するアレイは、幾つかの部品または素子がそれぞれ、独自の有機領域を有するように形成される。この独自の有機領域は、連続的に形成されると共に、割当てられた1つの電極によって駆動され得る領域である。個々の部品を1つの発光有機ダイオードとして実施する場合、これらの部品も、OLED素子と呼ぶことが可能である。
これらの電気的保護構造体は、保護構造体の構成によって設定可能な限界電流を越えた場合に、自己始動式または自己駆動式に電気接続を遮断し、その結果、電気的絶縁が形成されるという共通点を有している。これに関して、電気的保護構造体は、部品の通常の動作電流が多数発生した場合に絶縁する効果が、自己駆動式に始動されるように実施されている。電気的保護構造体の構成は、一方では、部品の通常の動作が確保されるように、他方では、電流の増大が生じると自己始動が引き起こされるように、選択されている必要がある。しかし、当業者は、電気的保護構造体の構成の材料および形態に関して、例えば電気接続の導体の断面といった通常の設計オプションを、用途に応じて自由に選ぶことが可能である。これに関して、電気的保護構造体は、自己始動式または自己絶縁式保護構造体と呼ぶことも可能である。
本発明の好ましいさらなる一発展形態は、有機領域の外側に形成された1つまたは複数のさらなる電極部を提供する。この、有機領域に重なっていない1つまたは複数のさらなる電極部のアレイに相当する、有機領域の外側に形成されるさらなる電極部のため、これらのさらなる電極部を、外部の電極部と呼んでもよい。
本発明の実用的な一形態では、電極部の部分集合体に割当てられた保護サブ構造体と、電極部のさらなる部分集合体に割当てられたさらなる保護サブ構造体とを有して形成された電気的保護構造体が、提供され得る。本形態の他の一形態として、全ての電極部に共通の1つの保護構造体が提供されていてもよい。
本発明の好ましい一実施形態は、複数の電極部の個々の電極部に割当てられた少なくとも1つの個々の保護構造体を有して形成された電気的保護構造体を提供する。一方の、1つまたは複数の個々の保護構造体と、他方の保護サブ構造体との組み合わせも提供可能である。
好ましくは、本発明のさらなる一発展形態は、有機領域であって、その平坦な伸長部分にわたって同一の材料構成で形成された有機領域を提供する。これは、連続的な形態の場合にも、電極に割当てられ分離されたサブ領域にも、提供可能である。有機領域が、その平坦な伸長部分にわたって同様または均一な形態または組成をしていることは、特に、同色の光が放射されることを意味している。異なる色の各素子を有するいわゆるRGB構造が知られている。この構造では、赤、青、または、緑の光を、それぞれ、サブ領域において放射させて、例えばいわゆるRGBディスプレイを形成しており、サブ領域を、別個に駆動可能な電極によって動作させることで、個々に設定可能な動作電圧の印加が可能となっている。サブ領域自体は、それぞれ、均一な材料組成を有している。組成が同一の場合、平坦な伸長部分にわたって、放射システムのための、均一な組成の材料が提供される。
本発明の有効な一形態では、有機材料から構成される層を有する電気的保護構造体が提供され得る。有機層は、電気的にドープされた層であってよい。本形態は、p型ドープされた半導体層、またはn型ドープされた半導体層として実施される。電気的保護構造体は、完全にまたは部分的に、電気的にドープされた層によって形成されていてよい。好ましい一形態では、電気的にドープされた層は、その材料組成に関して、有機領域からの層と対応するように形成される。これは、製造工程において、保護構造体の電気的にドープされた層を、同様に形成された有機領域内の層と、同時に生成することができる(当該工程を製造工程に組み込むことが有効である限り)という利点を有している。電気的にドープされた層は、約10nmと約100μmとの間の層厚を有して形成されていることが好ましい。約10nmの層厚は、閉鎖された有機層を、通常の製造ラインで確実に形成するために少なくとも必要とされる厚さであると考えられる。100μmは、好適な技術プロセスの範囲内で尚も実現可能な層厚である。
電気的にドープされた層を形成することに対して選択的または追加的に、電気的にドープされていない有機材料から構成される層を、保護構造体の一形態のために提供可能である。ドープされていない有機層の層厚については、ドープされた有機層に関する上述の説明が、適宜、当てはまる。
本発明のさらなる一発展形態は、金属層を有する電気的保護構造体を提供可能である。電気的保護構造体は、完全または部分的に、金属層から形成されていてよく、一形態では、電気的保護構造体は、金属層から成る。一形態では、金属層と、有機材料から構成される層とから成る電気的保護構造体が提供され得る。一形態では、金属層を、次の層、すなわち電気的にドープされた有機層およびドープされていない有機層のうちの少なくとも1つと組み合わせてもよい。金属層は、有機層を、部分的または完全に覆っていてよい。これに関して、一実施形態では、金属層が、有機材料から構成される層を部分的または完全に覆うように提供してもよい。有機層は、電気的にドープされていても、またはドープされていなくても、割当てられた電極部若しくはさらなる電極部に接触して形成されていてもよいし、または、割当てられた電極部若しくはさらなる電極部に接触せずに形成されていてもよい。様々な実施形態において、金属層は、割当てられた電極部だけに、または、1つ若しくは複数のさらなる電極部だけに電気的に接触していてもよいし、これらの両方に電気的に接触していてもよい。
有機層は、例えば、約10nmと約50μmとの間の層厚を有している。好ましくは、金属層は、約10nmと約10μmとの間の層厚を有して形成されている。
層厚は、電極部の領域内に短絡が生じた場合、およびこれに関連して電流の流れが増大した場合に、電気的にドープされた層が、例えば溶融によって、電気的に絶縁される程度まで強く加熱されるように、選択されている。電気的にドープされた層の有機材料と、発光有機部品が形成される基板表面とは、溶融時に、電気的にドープされた層が、脱架橋するように選択される。電気的にドープされた層は、金属層と組み合わせる場合、脱架橋の際に裂ける程度に十分に薄くなっている。また金属層は、短絡の場合に、十分に高い熱が、オーム抵抗によって生成され、有機材料から構成された電気的にドープされた層の溶融を引き起こす程度に薄くなっている。金属層と有機材料から構成された電気的にドープされた層とを組み合わせることは、保護構造体によって電気的絶縁作用が始動される温度を、正確に選択することが出来るという利点を有している。これによって、電気的保護構造体を、電気的にドープされた層の溶融温度、金属層の厚さ、および、発光有機部品の設計、並びに、これによって生じる電流の流れというパラメータによって、個々の用途目的に適応させることが可能である。
有機材料の溶融は、200°Cよりも低い温度で起こる場合が多い。金属または他の有機導体に基づいた電気的保護構造体は、著しく高い温度においてのみ、焼き切れる。
有機材料から構成される薄膜は、その融点よりも下の温度で既に架橋し得る。これは、例えば、液晶材料との関連においてしばしば生じることである。好ましい一形態では、保護構造体の有機層は、液晶材料から構成されている。
電気的保護構造体のために、任意で電気的にドープされた有機層と、金属層とを組み合わせることの他の利点は、金属層を、比較的厚くなるように選択することが可能な点にある。これは、金属層が、短絡の場合に、純金属製の保護構造体のように、高い温度にまで加熱される必要がないからである。これによって、通常動作の間の、保護構造体における抵抗損を低減することが可能である。しかし、この金属層は、有機材料から構成される層のうちの1つがこれを破壊させるには、十分に薄いことに留意されたい。
本発明の好ましいさらなる一発展形態は、次の材料、すなわち、導電性酸化物および導電性セラミックから選択された1つの材料から構成される層を有する電気的保護構造体を提供する。
本発明の実用的な一形態では、保護ヒューズ構造体として実施された電気的保護構造体が提供され得る。電流が増大することによって、電気的保護構造体がアクティブになると、溶融が生じ、結果として電気的絶縁が起こる。
本発明の有効な一実施形態は、少なくとも部分的にストリップ電極部として形成された電極部を提供する。ストリップ電極部は、任意の形態に配置されていてよい。ストリップ電極部の構造形態は、用途に応じて、適宜選択可能である。ストリップ形の形態は、直線状の電極部、および非直線状の電極部のいずれも可能である。非直線状の電極部には、例えば、ジグザグの形または曲線の電極部が挙げられる。
本発明のさらなる一発展形態は、好ましくは、櫛形サブ電極を有する電極を提供する。ここに形成されると共に互いに分離されている電極部は、少なくとも部分的に噛み合って配置されている。電極を形成しながら集合的に駆動され得る櫛形サブ電極は、様々な形の基本形状に対応して形成することが可能であり、対向するサブ電極の噛み合った部分は、有利には、相補型の形態、例えば逆円錐形の形態を有していてもよい。また、ジグザグの形または曲線の形のストリップ電極を、互いに噛み合わせながら、配置してもよい。
上述の、発光有機部品または素子に有効な形態を、幾つかの発光有機部品を有するアレイに関して同様に用いてもよい。これは、発光有機部品が、特別に1つの部品に限定されていない限り、有効である。
有効な一形態では、幾つかの発光有機部品は、共通の基板上に形成されていてもよく、この結果、幾つかの発光有機部品が同一の基板上に製造される。そしてまた、部品保護構造体、および、(これが1つまたは複数の部品のために提供されるならば)上述したような個々の部品のための保護構造体を、同一の基板上に形成してもよい。
部品保護構造体によって安全が確保され、別個に駆動可能な様々な部品の電極は、並列接続若しくは直列接続、またはこれらの組み合わせに従って、互いに相互接続されていてもよい。発光有機部品を発光有機ダイオードとして実施する場合、いわゆるOLED素子または部品を互いに相互接続させ、こうすることによって、安全を確保することが可能である。
1つの部品に関して説明した電極のための可能な形態は、単独で、または、電極構造自体に関して任意の組み合わせにおいて、提供可能である。ここで、電極構造を、独立した部品として、または半製品として、製造することも可能である。なぜなら、電極の製造は、有機発光部品または他の電子部品の場合のように、部品の製造に組み込んだ状態で実施可能だからである。様々な形態において、電極を有する電極構造を別個に製造することは、例えば、電極を形成した後に、記載した製造工程を単に中断し、有機領域の形成を継続しないことによって、実現可能である。このように形成された電極構造は、その後、任意の電子部品に使用可能である。これらの電子部品には、特に、有機太陽電池が含まれる。これに応じて、上述の利点は、これらの利点の根本が電極の形態自体にある限り、様々な形態の電極構造をもたらす。
以下に、電極構造に関する好ましい形態について、より詳細に説明する。既に記載した説明に対応する同一の特徴に関しては、以下では、繰り返しを避けるために、説明を省略する。
電極構造について、本発明の実用的な一形態では、電極部の部分集合体に割当てられた保護サブ構造体と、電極部のさらなる部分集合体に割当てられたさらなる保護サブ構造体とを有して形成された、電気的保護構造体が提供される。本形態に対する他の形態として、全ての電極部に共通の保護構造体を提供することも可能である。
電極構造について、本発明の有効な一実施形態は、電極部の個々の電極部に割当てられた少なくとも1つの個々の保護構造体を有して形成された電気的保護構造体を提供する。
電極構造について、本発明の有効な一形態では、有機材料から構成される層を有する電気的保護構造体が提供され得る。
電極構造について、本発明のさらなる一発展形態は、金属層を有する電気的保護構造体を提供可能である。
電極構造について、本発明の好ましい一発展形態は、次の材料、すなわち、導電性酸化物および導電性セラミックのうちから選択された1つの材料から構成された層を有する電気的保護構造体を提供する。
電極構造について、本発明の実用的な一形態では、保護ヒューズ構造体として形成された電気的保護構造体が提供され得る。電流が増大することによって、電気的保護構造体がアクティブになると、溶融が生じ、結果として電気的絶縁が起こる。
電極構造について、本発明の有効な一実施形態は、少なくとも部分的にストリップ電極部として形成された各電極部を提供する。
電極構造について、本発明のさらなる一発展形態は、櫛形サブ電極を有する電極を提供することが好ましく、ここに形成されると共に互いに分離された電極部が、少なくとも部分的に噛み合って配置されている。
〔発明の好ましい典型的な実施形態の説明〕
以下において、図面を参照しながら、好ましい典型的な実施形態を用いて、本発明をより詳細に説明する。
図1は、発光有機部品を示す概略的な部分図である。
図2は、図1の部品の一部分を詳細に示す概略的な図である。
図3は、有機材料から構成された電気的にドープされた層が、部分的に金属層に覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。
図4は、有機材料から構成された電気的にドープされた層が、完全に金属層に覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。この電極構造は、電流経路が(必ずしも)有機層を通ってのびていなくてもよいため、ドープされた有機層と、ドープされていない非導電性の有機層とを有して実施されていてよい。
図5は、有機材料から構成された電気的にドープされた層が、1つの面だけを金属層によって完全に包囲されて覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。
図6は、異なる有機材料、すなわちPen(四角形)およびNPD(凧形)の場合の、図4に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。
図7は、図3に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。
図8は、金属グリッドが上に形成された、ITOから構成される光学的に透明な電極の一部分を示す概略的な図である。
図9は、図8の光学的に透明な電極を示す概略的な断面図である。
図1は、発光有機部品を示す概略的な部分図である。ストリップ形の電極部1が、有機領域2の真下に配置されており、電気的保護構造体3を介して、外部の電極部4に電気的に結合されている。外部の電極部4は、一種の導線を形成している。ストリップ形の電極部1および外部の電極部4が一緒になって、部品の1つの電極を形成している。割当てられた対向電極(図示せず)との相互作用の間に、この電極を介して、動作電圧が、有機領域2に電気的に印加され、そこで、ホールおよび電極の形の自由電荷キャリアが、生成される。その後、自由電荷キャリアは、光を放射しながら再結合する。これについては、発光有機部品の場合に一般的に公知である。
有機領域2は、その平坦な伸長部分にわたって、均一な材料組成で形成されている。そのため、単色の光が放射される。しかし、有機領域2の具体的な形態は、その用途に応じて、任意に選択可能である。このために、公知の様々な設計の発光有機部品が入手可能である。有機領域2は、通常の方法、例えば、真空蒸着法、印刷法、または他の公知の層形成法によって、加工される。これらの方法の組み合わせも用いてよい。これに関して、マスクを用いて、部品のサブ領域にのみ特定の層を製造することが知られている。このようなマスクは、シャドーマスクとも呼ばれ、これを用いて、電気的保護構造体3(これが、一形態において有機の実施形態を含むならば)を、有機領域2からの層と一緒に製造してもよい。こうすることによって、電気的保護構造体3は、少なくとも部分的に、同時に製造された有機領域2内の層と同じ材料組成から構成される。例えば、保護構造体3内の有機層は、マトリクス材料およびこれにドープされた材料から構成される、電気的にドープされた層であってもよい。このような電気的にドープされた層の様々な実施形態は、それ自体、当業者に公知である。
電極部1と有機領域2とが重なり合った領域の内部に、部品のアクティブな発光領域が形成される。
シャドーマスクを用いて製造された有機領域2は、単純なシャドーマスクおよびプロセスを使用するために十分な大きさを有している。けれども、ストリップ形の電極部1は、比較的小さく、その寸法は、電極を加工するプロセスによってのみ制限される。それらの加工工程は、例えば、フォトリソグラフィーを用いて行われ得る。フォトリソグラフィーによって、マイクロメーターの範囲の極めて小さな寸法を生成することが可能である。一般に、それ自体が公知である電極加工法を用いることが可能である。
図2は、図1の部品の一部分を詳細に示す概略的な図である。
図3は、有機材料から構成された電気的にドープされた層30が、金属層31によって部分的に覆われている、電気的保護構造体を有する電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。電流経路は、金属層の上をのびているとともに、電気的にドープされた層30の上を部分的にのびている。さらに、部品が上に堆積された基板32が示されている。図示された実施形態では、電気的にドープされた層30は、外部の電極部4には接触していない。
典型的な一実施形態では、図3に係る電気的保護構造体は、以下に説明する構成を有している。最初に、約1,27mmの間隔をおいて互いに隣接し合う、約90nmの厚さを有する2つの平行なITOストリップの上に、約2,54mmの幅および約100nmの厚さを有する、8重量パーセントのテトラキス−(1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジナト)ジタングステンでドープされた、2,4,7,9−テトラフェニル−1,10−フェナントロリンの層を蒸着させる。この層は、2つのどちらのITOストリップの全幅も覆っている。次いで、第2のステップにおいて、このn型ドープされた有機層の上に、約2,5mmの幅を有する約8nmの厚さのアルミニウム層を蒸着させた。このアルミニウム層は、これら2つのITOストリップのいずれにも直接接触していない。ここで、これら2つのITOストリップの間に、電圧を印加して、流れる電流を測定した。電流が約19mAに達すると、導電率は急落した。
図7は、図3に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。
図4は、電気的保護構造体を備える電極構造の一部分を示す概略的な断面を示す図である。この図では、図3とは異なり、有機材料から構成された電気的にドープされた層30は、金属層31によって完全に覆われている。図示された実施形態では、電気的にドープされた層30は、外部の電極部4に、1つの側面において接触している。他の形態(図示せず)では、電気的にドープされた層の代わりに、電気的にドープされていない層が、有機材料として設けられている。ここでは、層形成は、図4が示す方法と同じ方法で行われ得る。この形態では、電流経路が、必ずしも有機材料の上をのびる必要はないため、有機材料は、導電性を有している必要はない。
典型的な一実施形態では、図4に係る電気的保護構造体は、以下に説明する構成を有している。最初に、約1,27mmの間隔をおいて互いに隣接し合う、約90nmの厚さを有する2つの平行なITOストリップの上に、約20nmのNPD(N,N’−di(ナフタリン−1−イル)−N,N’−ビフェニル−ベンジジン)の有機層を堆積させた。ここで、この有機層は、ITOストリップを部分的にのみ覆っていたが、ストリップ間の領域を、幅約2.54mmで完全に覆っていた。次に、この有機層の上に、約20nmの厚さのアルミニウム層を、シャドーマスクを用いて蒸着させ、アルミニウム層が、約2.5mmの幅で有機層を覆うと共に、両方のITOストリップに直接電気的に接触するようにした。ここで、これら2つのITOストリップ間のどちらの部品にも、電圧を印加して、流れる電流を記録した。
図6は、異なる有機材料、すなわちBphen(四角形)およびNPD(凧形)の場合の、図4に係る保護構造体を有する電極構造の電流−電圧特性を示す図である。これら異なる有機材料では、金属層の厚さは一定に維持した。ガラス温度が高い材料(NPD)の場合、同様に電圧/電流も高くなり、保護構造体が破壊される。有機材料から構成される層は、電気的にドープされていない。このため、臨界電流に達すると(Bphenの場合は約33mA、NPDの場合は約34mA)、電流の流れが急落することが分かる。これは、金属層が著しく加熱され、下にある有機層が溶けることによって、これら2つのITOストリップ間の金属のウェブが、遮断されるからである。
図5は、有機材料から構成された電気的にドープされた層30が、1つの面だけを金属層32に囲まれた、電気的保護構造体を備える電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。電流経路は、電気的にドープされた層30の上をのびている。
発光有機部品では、光学的に透明な電極の層導電率を向上させるために、光学的に透明な平面電極を、金属グリッドの上に重ねて配置する場合が多い。電流の大部分は、抵抗損が低い金属グリッドを通って流れる。
図8は、ITOから構成される光学的に透明な電極80の一部分を示す概略的な図である。光学的に透明な電極80の上には、金属グリッド81が形成されている。上述の実施形態のうちの1つでは、金属グリッド81に添った両側面に、電気的保護構造体82が形成されている。金属グリッド81によって、部品の均一な発光の見え方を、特により大きな面積の場合に、実質的に向上させることが可能である。このような電極構造は、電気的保護構造体82によって、短絡から保護される。金属グリッド81によって、光学的に透明な電極80のサブ領域83が形成される。ここで、サブ領域83のうちの1つにおいて、短絡が形成されると、当該サブ領域は、電気的保護構造体82によって、金属グリッド81のウェブから電気的に絶縁される。
図9は、図8の光学的に透明な電極80を示す概略的な断面図である。支持基板85も図示されている。
記載した実施形態は、任意の電子部品、特に個々の発光有機部品において、保護構造体を形成するため、および、相互接続された発光有機部品間の部品保護構造体を備えるために用いてもよい。
本発明をその様々な実施形態において実施するために、上述の明細書、特許請求の範囲、および図面において開示される本発明の特徴を、単独、および、任意の組み合わせで用いることが重要であり得る。
本発明の発光有機部品では、上記電気的保護構造体は、有機材料により構成される層を有していてもよい。
本発明の発光有機部品では、上記有機材料は、液晶有機化合物から形成されていてもよい。
本発明の発光有機部品では、上記電気的保護構造体は、金属層を有していてもよい。
本発明の発光有機部品では、上記電気的保護構造体は、導電性酸化物および導電性セラミックのうちから選択された1つの材料により構成される層を有していてもよい。
本発明の発光有機部品では、上記電気的保護構造体は、保護ヒューズ構造体として実施されていてもよい。
本発明の発光有機部品の製造方法では、上記有機領域を製造する間に、上記電気的保護構造体を少なくとも部分的に加工してもよい。
本発明のアレイでは、異なる上記部品の上記電極の下には、並列接続および直列接続のうち少なくとも1つの接続の種類が形成されていてもよい。
本発明の電極構造では、上記電気的保護構造体は、上記電極部の部分集合体に割当てられた保護サブ構造体と、上記電極部のさらなる部分集合体に割当てられたさらなる保護サブ構造体とを有して形成されていてもよい。
本発明の電極構造では、上記電気的保護構造体は、上記電極部の個々の電極部に割当てられた少なくとも1つの個々の保護構造体を有して形成されていてもよい。
本発明の電極構造では、上記電気的保護構造体は、有機材料により構成される層を有していてもよい。
本発明の電極構造では、上記有機材料は、液晶有機化合物から形成されていてもよい。
本発明の電極構造では、上記電気的保護構造体は、金属層を有していてもよい。
本発明の電極構造では、上記電気的保護構造体は、導電性酸化物および導電性セラミックのうちから選択された1つの材料により構成される層を有していてもよい。
発光有機部品を示す概略的な部分図である。 図1の部品の一部分を詳細に示す概略的な図である。 有機材料から構成された電気的にドープされた層が、部分的に金属層に覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。 有機材料から構成された電気的にドープされた層が、完全に金属層に覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。この電極構造は、電流経路が(必ずしも)有機層を通ってのびていなくてもよいため、ドープされた有機層と、ドープされていない非導電性の有機層とを有して実施されていてよい。 有機材料から構成された電気的にドープされた層が、1つの面だけを金属層によって完全に包囲されて覆われている、電気的保護構造体の電極構造の一部分を示す概略的な断面図である。 異なる有機材料、すなわちPen(四角形)およびNPD(凧形)の場合の、図4に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。 図3に係る保護構造体の電流−電圧特性を示す図である。 金属グリッドが上に形成された、ITOから構成される光学的に透明な電極の一部分を示す概略的な図である。 図8の光学的に透明な電極を示す概略的な断面図である。

Claims (29)

  1. 電極および対向電極、並びに、上記電極と上記対向電極との間に位置する有機領域を備えている発光有機部品、特に発光有機ダイオードであって、
    上記電極は、複数の電極部を有し、
    上記各電極部は、上記有機領域に、少なくとも部分的に重なると共に接触して備えられ、
    上記電極部は、1つまたは複数のさらなる電極部によって互いに電気的に接続され、上記電極を形成しており、
    上記電極は、上記電極部に割当てられた電気的保護構造体を有している、発光有機部品。
  2. 上記1つまたは複数のさらなる電極部は、上記有機領域の外側に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の部品。
  3. 上記電気的保護構造体は、上記電極部の部分集合体に割当てられた保護サブ構造体と、上記電極部のさらなる部分集合体に割当てられたさらなる保護サブ構造体とを有して形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の部品。
  4. 上記電気的保護構造体は、上記電極部の個々の電極部に割当てられた少なくとも1つの個々の保護構造体を有して形成されていることを特徴とする、請求項1〜3の少なくとも1項に記載の部品。
  5. 上記有機領域は、該有機領域の平坦な伸長部分にわたって、同一の材料構成で形成されていることを特徴とする、請求項1〜4の少なくとも1項に記載の部品。
  6. 上記電気的保護構造体は、有機材料により構成される層を有していることを特徴とする、請求項1〜5の少なくとも1項に記載の部品。
  7. 上記有機材料は、電気的にドープされていることを特徴とする、請求項6に記載の部品。
  8. 上記有機材料は、液晶有機化合物から形成されていることを特徴とする、請求項6または7に記載の部品。
  9. 上記電気的保護構造体は、金属層を有していることを特徴とする、請求項1〜8の少なくとも1項に記載の部品。
  10. 上記電気的保護構造体は、導電性酸化物および導電性セラミックのうちから選択された1つの材料により構成される層を有していることを特徴とする、請求項1〜9の少なくとも1項に記載の部品。
  11. 上記電気的保護構造体は、保護ヒューズ構造体として実施されていることを特徴とする、請求項1〜10の少なくとも1項に記載の部品。
  12. 上記電極部は、それぞれ、少なくとも部分的にストリップ電極部として形成されていることを特徴とする、請求項1〜11の少なくとも1項に記載の部品。
  13. 上記電極は、櫛形サブ電極を有しており、上記櫛形サブ電極には、少なくとも部分的に互いに噛み合いながら配置された上記電極部が形成されていることを特徴とする、請求項1〜12の少なくとも1項に記載の部品。
  14. 電極および対向電極、並びに、上記電極と上記対向電極との間に位置する有機領域が形成されている発光有機部品、特に発光有機ダイオードの製造方法であって、
    上記電極は、複数の電極部を有して形成され、
    上記各電極部は、上記有機領域に、少なくとも部分的に重なると共に接触して形成され、
    上記電極部は、1つまたは複数のさらなる電極部によって上記電極に互いに電気的に接続され、
    上記電極は、上記電極部に割当てられた電気的保護構造体を有して実施される、方法。
  15. 上記有機領域を製造する間に、上記電気的保護構造体を少なくとも部分的に加工することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 幾つかの発光有機部品、特に発光有機ダイオードを有するアレイであって、
    上記各発光有機部品は、割当てられた電極および割当てられた対向電極、並びに、上記割当てられた電極と上記割当てられた対向電極との間に位置する有機領域を有して形成され、
    上記幾つかの発光有機部品の割当てられた電極は、接続点において、互いに電気的に接続され、
    上記接続点に割当てられた部品保護構造体が形成されている、アレイ。
  17. 上記幾つかの発光有機部品は、共通の基板の上に形成されていることを特徴とする、請求項16に記載のアレイ。
  18. 異なる上記部品の上記電極の下には、並列接続および直列接続のうち少なくとも1つの接続の種類が形成されていることを特徴とする、請求項16または17に記載のアレイ。
  19. 電子部品、特に、発光有機部品のための電極構造であって、
    複数の電極部と、上記電極部を互いに電気的に接続させる1つまたは複数のさらなる電極部とから構成される1つの電極を備え、
    上記電極部に割当てられた電気的保護構造体が形成されている、電極構造。
  20. 上記電気的保護構造体は、上記電極部の部分集合体に割当てられた保護サブ構造体と、上記電極部のさらなる部分集合体に割当てられたさらなる保護サブ構造体とを有して形成されていることを特徴とする、請求項19に記載の電極構造。
  21. 上記電気的保護構造体は、上記電極部の個々の電極部に割当てられた少なくとも1つの個々の保護構造体を有して形成されていることを特徴とする、請求項19または20に記載の電極構造。
  22. 上記電気的保護構造体は、有機材料により構成される層を有していることを特徴とする、請求項19〜21の少なくとも1項に記載の電極構造。
  23. 上記有機材料は、電気的にドープされていることを特徴とする、請求項22に記載の電極構造。
  24. 上記有機材料は、液晶有機化合物から形成されていることを特徴とする、請求項22または23に記載の電極構造。
  25. 上記電気的保護構造体は、金属層を有していることを特徴とする、請求項19〜24の少なくとも1項に記載の電極構造。
  26. 上記電気的保護構造体は、導電性酸化物および導電性セラミックのうちから選択された1つの材料により構成される層を有していることを特徴とする、請求項19〜25の少なくとも1項に記載の電極構造。
  27. 上記電気的保護構造体は、保護ヒューズ構造体として実施されていることを特徴とする、請求項19〜26の少なくとも1項に記載の電極構造。
  28. 上記電極部は、それぞれ、少なくとも部分的にストリップ電極部として形成されていることを特徴とする、請求項19〜27の少なくとも1項に記載の電極構造。
  29. 上記電極は、櫛形サブ電極を有しており、上記櫛形サブ電極には、少なくとも部分的に互いに噛み合いながら配置された上記電極部が形成されていることを特徴とする、請求項19〜28の少なくとも1項に記載の電極構造。
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