JP2011516876A - 肺動脈高血圧を診断するための方法 - Google Patents

肺動脈高血圧を診断するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、患者由来の生物学的試料における抗テネイシンC抗体の存在および/または量を決定することを含む、肺動脈高血圧(PAHT)、またはPAHTを発達させる危険性を検出するためのインビトロ方法に関する。

Description

本発明は、肺動脈高血圧の診断および追跡に関する。
先行技術:
肺動脈高血圧(PAH)は、死を生じさせ得る右心臓代償不全の発生を担う稀な病態である。PAHは、上昇した肺毛細管圧の非存在下での、安静の間の25mmHg以上の、または運動の間の30mmHg以上の平均肺動脈圧の、右カテーテル処置による、実証によって規定される(Rubin, 1997)。PAHの発生は、内皮細胞、血管平滑筋細胞および線維芽細胞の増殖に二次的な小肺動脈の慢性閉塞の結果である(Dorfmuller et al., 2003)。特に、重症のPAHの間、この状態に特徴的である、新生内膜と呼ばれる、内皮と内弾性板との間に位置する筋線維芽細胞および細胞外マトリックスの層が形成される。
PAHは、自己免疫成分を伴う病態、すなわち結合組織疾患、特に、全身性強皮症(Hachulla et al., 2005)、シャープ症候群(le syndrome de Sharp)および全身性エリテマトーデスの進行の間に生じ得る。さらに、特発性PAHの間に、自己免疫紅斑、すなわち抗核抗体または抗サイログロブリン抗体が時折見出される。
抗内皮細胞抗体(Tamby et al., 2005)および抗線維芽細胞抗体(Tamby et al., 2006)の存在が、特発性PAHまたは全身性強皮症に関連するPAHの間に報告されている。しかし、PAHの発生に関するこれらの抗体の予測的価値は研究されておらず、そして特発性PAH病原性における自己免疫現象の潜在的役割は不確かなままである(Mouthon et al., 2005)。
大部分の場合、患者がIII度またはIV度の呼吸困難を示す場合に、PAHについてスクリーニングされる。患者が全身性強皮症のような慢性疾患についてモニターされる場合、年一回の心エコーによって、PAHについてスクリーニングされる。
しかし、PAHについてスクリーニングするための簡単なそして信頼できる試験は、なお欠如しており、そして最も早期の可能な診断のために非常に価値があり、それは、患者の状態および前記患者についての生存見込みを改善するための治療ストラテジーを迅速に立てることを可能にする。
発明の概要:
本発明はここに、PAH、またはPAHを発達させる危険性を検出するためのインビトロ方法であって、方法は、患者由来の生物学的試料における抗テネイシンC(TN−C)抗体の存在および/または量を決定することを含み、抗TN−C抗体の存在がPAHまたはPAHを発達させる危険性の指標となる、方法を提供する。
好ましくは、生物学的試料における抗テネイシンC抗体の存在はコントロール値と比較され、コントロール値より多い量の抗テネイシンC抗体の存在がPAHまたはPAHを発達させる危険性の指標となる。
本発明の別の主題は、PAHの予後または追跡のためのインビトロ方法であって、方法は、種々の時点で、患者由来の生物学的試料における抗TN−C抗体の存在および/または量を決定することを含み、経時的な抗TN−C抗体の量の増加がPAHの悪化の指標となる、方法である。
本発明の別の主題は、PAHのための処置の効力を評価するためのインビトロ方法であって、方法は、処置の前、間または後の種々の時点で、患者由来の生物学的試料における抗TN−C抗体の存在および/または量を決定することを含み、経時的な抗TN−C抗体の量の減少がPAHの改善の指標となる、方法である。
発明の詳細な説明:
TN−Cは、胎児肺において血管の内側および周囲で発現されるが(Rettig et al., 1994)、それは、正常成体肺動脈においてはその後もはや発現されない(Jones et al., 1996)。さらに、PAHの発生の素因となり得る調節性T細胞の欠如を担う、BMPRIIを介するシグナル伝達の喪失も(Nicolls et al., 2005)、インビボでの、そして培養中の血管細胞上でのTN−Cの発現を誘導し得る(Ihida-Stansbury et al., 2006)。これに基づいて、本発明者らは、PAHを有する患者がTN−Cに対する免疫応答を発達させ得るという仮説を進めた。従って、本発明者らは、PAHに罹患している患者の血清中の抗TN−C抗体について探索することにした。
本発明者らは、このようにして、PAHの発生と抗TN−C抗体の産生との間の相関を実証することができた。これに基づいて、本発明者らは、PAH、またはPAHを発達させる危険性の診断または予後のためのインビトロ方法であって、患者由来の生物学的試料における抗TN−C抗体の存在および/または量を決定することを含む方法を提唱する。検出される抗TN−C抗体は、好ましくは、免疫グロブリンG(IgG)である。
定義
テネイシンC(またはTN−C)は、細胞外マトリックス糖タンパク質である。それは、ヘキサブレイキオンまたはサイトタクチンとしても知られている。ヒトTN−C配列を付属書類において報告する(配列番号1)。
用語「生物学的試料」は、患者由来の任意の生物学的試料を指す。試料の例としては、生物学的液体および組織バイオプシーが挙げられる。好ましくは、試料は、血液、血清、唾液、尿または精液であってもよい。より好ましくは、生物学的試料は、血液または血清試料である。
用語「患者」は、試験されることのできる任意の個体を指す。好ましくは、それはヒトであるが、この用語は、任意の他の哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、げっ歯類、ウシ、ウマ、サルなどを含む。患者は、その性別または年齢を問わず試験されることができる。患者は、危険性のある個体であり得るか、無症候であり得るか、または初期のもしくは進行したPAHの徴候を示し得る。例えば、患者は、PAHを発達させる素因のある個体、特に、BMPRIIをコードする遺伝子における1つ以上の変異を保有する個体であってもよい。
用語「診断」は、病態の同定または病態の重症度の状況の評価を意味する。
用語「予後」は、悪化の危険性、およびその成り行きの評価を意味する。
用語「コントロール値」は、PAHまたはPAHに導き得る疾患に罹患していない、健常個体由来の生物学的試料を用いて得られる値の平均に対応する基礎値を指す。それは統計学的参照値であってもよい。
病態の進行を評価するために、患者を試験し、そして処置の効果または病態の進行を、再度、例えば数ヶ月の間隔で、患者を試験することによって検証することが有用であり得る。この場合、第2の試験の結果は、第1の試験の結果と、そしてしばしば「コントロール」値とも、比較される。
「コントロール値より多い」抗TN−C抗体の量は、一般に、例えば、全ての健常個体のIgG反応性の光学密度の平均を上回る少なくとも2標準偏差の、統計学的に有意な増加を意味する。
「捕捉抗原」は、親和性結合によって、生物学的試料中に存在する抗TN−C抗体を保持することができる、好ましくは固相に結合された、抗原を意味することが意図される。捕捉抗原は、標識されることができる。
用語「標識」は、直接標識(酵素、放射性同位体、蛍光色素、発光化合物などによる)および間接標識(例えば、それ自体が直接標識されている抗体によるか、または、排他的ではないが、標識アビジン−ビオチン対などのような標識「親和性対」の試薬を使用する)の両方を指す。
抗体のアッセイ:
生物学的試料は、好ましくは、1/100、またはそれ以上、例えば1/200または1/400希釈された、血清試料である。
有利には、抗TN−C抗体の量をイムノアッセイによって決定することができる。
生物学的試料を、場合により先の工程において処理することができ、または少なくとも1つの捕捉抗原と直接接触させることができる。
本発明による方法を、当業者に周知の種々のフォーマットに従って:固相でまたは均質相で;1工程でまたは2工程で;競合方法で(非限定的な例として)、行うことができる。
1つの好ましい実施態様によれば、捕捉抗原は固相上に固定化される。固相の非限定的な例として、マイクロプレート、特にポリスチレンマイクロプレート、例えば、デンマークの企業Nuncによって販売されているものを使用してもよい。固体粒子またはビーズ、常磁性ビーズ、例えばDynalまたはMerck-Eurolab(France)によって提供される(商標Estapor(商標)の下に)もの、またはそうでなければポリスチレンもしくはポリプロピレン試験管などを使用してもよい。
競合によって抗体を検出するためのイムノアッセイフォーマットも可能である。他のイムノアッセイ様式も意図され得、そしてそれらは当業者に周知である。
ELISAアッセイ、ラジオイムノアッセイ、または任意の他の検出技術を、形成された抗原−抗体複合体の存在を明らかにするために使用することができる。
1つの好ましい実施態様によれば、本発明の方法は、生物学的試料を、配列番号1に示すヒトTN−C配列のアミノ酸181〜290のフラグメントを含むタンパク質と接触させることを含む。
1つの特定の例において、捕捉抗原(これは、ヒトTN−C配列のアミノ酸181〜290のフラグメントを含むタンパク質であることができる)を、マイクロプレート上に沈着させる前に、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)に結合させることができる。
1/100に事前希釈された、試験しようとする血清試料を、マイクロプレート上でインキュベートする。洗浄後、標識抗ヒトFcγ抗体(例えば、アルカリホスファターゼで標識されている)を加え、複合体を、例えば、吸光度を読み取ることによってその切断を検出することができる、ホスファターゼの基質の添加によって、明らかにする。
目的の患者:
目的の患者は、PAHを発達させ得る患者である。
これは、結合組織疾患、例えば、全身性強皮症、シャープ症候群(これは、混合性結合組織疾患である)または全身性エリテマトーデスに罹患している患者を含み得る。
患者は、特発性または家族性PAHに罹患していてもよい。
より一般的には、肺血管疾患に罹患している任意の患者が、本発明において定義されるようなPAHを検出するための方法に有利に供されることができる。
さらに、検出されるPAHは、門脈肺高血圧(すなわち、門脈圧亢進に関連するPAH)であってもよく、または先天性心疾患、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に関連していてもよく、またはそうでなければ、慢性閉塞性気管支炎のもしくはシアン形成心疾患の進行を併発する、塞栓後肺高血圧であってもよい。
他の目的の患者は、特定の食欲抑制薬、例えば、フェンフルラミン(その処方はPAHの発生に寄与し得る)に曝露された患者である。
この型の試験から利益を受けることができる他の個体は、その後にPAHを発達させ得る個体についてスクリーニングするために、BMPRIIをコードする遺伝子における変異を保有し、そして、場合により、心エコーによって検出可能なPAHを示さない個体である。
処置の効力の評価
本発明の別の主題は、PAHのための処置の効力を評価するためのインビトロ方法であって、方法は、処置の前、間または後の種々の時点で、患者由来の生物学的試料における抗TN−C抗体の存在および/または量を決定することを含み、経時的な抗TN−C抗体の量の減少がPAHの改善の指標となる、方法である。
PAHのための現在の従来の処置は、対処療法および血管拡張薬処置を組み合わせる。対処療法は、抗凝固薬、酸素療法および利尿薬を組み合わせる。血管拡張薬処置は以下の分子に基づく:カルシウムチャネルブロッカー、持続注入として静脈内で処方されるエポプロステノール(プロスタサイクリン)、選択的または非選択的エンドセリン受容体阻害剤、特に、ボセンタン、シタクスセンタン(sytaxentan)およびアンブリセンタン(ambrysentan)、ホスホジエステラーゼ5型阻害剤、特に、シルデナフィル(全てのこれらの医薬は経口投与される)、および吸入されるイロプロスト(吸入によって投与されるプロスタサイクリンアナログ)。これらの処置を場合により組み合わせることができる。これらの治療が失敗である場合、肺または心肺移植が提案され得る。
以下の図および実施例は、その範囲を限定することなしに本発明を例証する。
図1は、ELISAアッセイによる抗TN−C抗体の検出を示すグラフである。性別および年齢について組にした、特発性PAHに罹患している患者由来、全身性強皮症に罹患している患者由来、および健常個体由来の血清IgGを、1/100希釈で、組換えTN−Cフラグメントに関して試験した。点を付した区域の下限および上限は、健常患者において得られた光学密度の平均を上回る標準偏差の2倍および3倍によって規定される閾値を表す。患者および健常個体の群の間の有意差は、Mann-Whitney順位検定を使用して見積もられ、そして以下によって示される:*:p<0.01**:p<0.001。 図2は、抗TN−C抗体の存在または非存在に応じたKaplanおよびMeierに従う生存曲線を表す。X軸に沿って、月での時間;Y軸に沿って、%累積生存。
実施例:肺動脈高血圧に罹患している患者における抗テネイシンC抗体の検出
材料および方法:
患者
40mmHgより高い収縮期肺動脈圧を、経胸壁心エコーを通して、実証することによって、PAHについてスクリーニングした。全ての場合で、右カテーテル処置を行い、そして安静時の25mmHg以上の、そして身体的運動での30mmHg以上の平均肺動脈圧を実証することによって、PAHを確認した。慣例により、患者が関連する病態を示さなかった場合にPAHは特発性として記載され、PAHは、散発性PAH、家族性PAHまたはフェンフルラミンへの曝露に関連するPAHに対応する可能性がある。米国リウマチ学会(l'American College of Rheumatology)(ACR)の基準および/またはLeRoyおよびMedsgerの基準に対応する特発性PAH(IPAH)を有する66人(72.5%)の患者および全身性強皮症を有する25人の患者を含む91人の患者が研究に含まれた(Masi et al., 1980;LeRoy et al., 2001)。
PAHなしでびまん性全身性強皮症を有する全ての患者は、高分解能胸部スキャン、および予測値の80%未満の肺活量および/または予測値の75%未満の一酸化炭素搬出係数(DLCO)によって実証される肺間質合併症を有していた。患者のいずれもが試料を取った時点でコルチコイドステロイドまたは免疫抑制剤を受けておらず、そしてそれらのいずれもが固形腫瘍または別の関連する結合組織疾患を有していなかった。性別および年齢について組にした46人の健常個体をコントロールとして使用した。
ELISAアッセイ
テネイシンC(TN−C)を企業Abnova(Abnova Corporation, Taipei city, Taiwan)から得た。使用した抗原は、GST要素に結合されたTN−Cのフラグメント181〜290(配列番号1)からなった。TN−Cを重炭酸緩衝液中で希釈し、そして96ウェルプレート(Maxisorb, NalgeNunc Int. Rochester, NY, USA)上に4μg/mlの終濃度で4℃で沈着させた。患者由来および健常個体由来の血清を1%アルブミンを含むリン酸緩衝液(PBS)中で1/100希釈し、そして1時間37℃でインキュベートした。洗浄後、アルカリホスファターゼ結合ウサギ抗ヒトFcγ抗体(Dakocytomation, Golstrup, Denmark)を加え、そして1時間周囲温度でインキュベートした。反応性を、炭酸マグネシウム緩衝液(pH9.8)中の0.05M p−ニトロフェニルホスファートを加えることによって明らかにし、そして405nmにおける吸光度をELISAプレートリーダー(Fusion, Packard BioScience, Meriden, CT, USA)を使用して決定した。ウェル間の変動を考慮するために、参照血清の光学密度を100%の抗TN−C活性として任意に規定した。試験した試料の結果を、二連のウェルの吸光度の平均から算出し、そしてこの参照値の百分率として表した。全ての試料を二連で試験した。
統計分析
全ての統計分析を、Systatソフトウェア(version 11.0 Systat Software Inc, Point Richmond, CA, USA)を使用して行った。種々の群の相対的光学密度を比較するためにMann-Whitney検定を使用した。0.05未満のP値を統計的に有意であるとみなした。生存をKaplanおよびMeierの方法(Kaplan and Meier, 1958)によって算出した。
結果:
TN−Cに関しての、特発性PAHに罹患している患者の、PAH有りまたは無しで全身性強皮症に罹患している患者の、そしてコントロール個体のIgGの反応性を、ELISAによって研究した。全ての健常個体のIgG反応性の光学密度の平均を上回る2標準偏差によって規定される閾値を使用して、特発性PAHを有する患者の36/66(54.5%)および強皮症患者の2/25(8%)が抗TN−C IgGを有していた。健常個体のいずれもが抗TN−C IgGを有していなかった(図1)。閾値を健常個体のIgG反応性の平均を上回る3標準偏差に移動させた場合、特発性PAHを有する患者の12/66(18.1%)が抗TN−C IgGを有しており、そしていずれの強皮症患者も抗TN−C IgGを有していなかった。特発性PAHを有する患者の抗TN−C抗体血清IgGの反応性は、強皮症患者のものより(p<0.001)そして健常個体のものより(p<0.001)有意に高かった。同様に、強皮症患者の抗TN−C抗体血清IgGの反応性は健常個体のものより有意に高かった(p=0.021)(図1)。
臨床症状、および心エコーからの、右カテーテル処置からの、そして6分間歩行試験からのデータにおける有意な差は、患者の2つの群の間で実証されなかった。生存は、抗TN−C抗体を有しない患者と比較して、抗TN−C抗体を有する患者の群において減少したが、しかし、この差はこの場合有意ではなかった(p=0.17)。
TN−Cに対する免疫応答の出現は、TN−C発現の誘導を、そして平滑筋細胞の増殖を生じるものと同じ機構から生じ得る。抗TN−C抗体の存在は、それゆえ、血管リモデリングの出現と相関し、PAHの発生についてのマーカーを構成する。
参考文献
- Dorfmuller et al., 2003, Eur Respir J, 22(2):358-63
- Hachulla et al., 2005, Arthritis Rheum 52(12):3792-3800
- Ihida-Stansbury et al., 2006, Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 291(4):L694-702
- Jones et al., 1996, Circ Res 79(6):1131-42
- Kaplan and Meier, 1958, J Am Stat Assoc 53:457-81
- LeRoy et al., 2001, J Rheumatol 28(7):1573-76
- Masi et al., 1980, Arthr Rheum 23:581-90
- Mouthon et al., 2005, Eur Respir J 26(6):986-8
- Nicolls et al., 2005, Eur Respir J 26(6):1110-8
- Rettig et al., 1994, J Cell Sci;107 (Pt 2):487-97
- Rubin, 1997, N Engl J Med, 336(2):111-7
- Tamby et al., 2005, Thorax 60(9):765-72
- Tamby et al., 2006, Eur Respir J 28(4):799-807

Claims (16)

  1. 肺動脈高血圧(PAH)、またはPAHを発達させる危険性を検出するためのインビトロ方法であって、方法は、患者由来の生物学的試料における抗テネイシンC抗体の存在および/または量を決定することを含み、抗テネイシンC抗体の存在がPAHまたはPAHを発達させる危険性の指標となる、方法。
  2. 生物学的試料が血液または血清試料である、請求項1記載の方法。
  3. 生物学的試料における抗テネイシンC抗体の存在がコントロール値と比較され、コントロール値より多い量の抗テネイシンC抗体の存在がPAHまたはPAHを発達させる危険性の指標となる、請求項1または2記載の方法。
  4. 抗テネイシンC抗体の量がイムノアッセイによって決定される、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. イムノアッセイがELISAアッセイである、請求項4記載の方法。
  6. 生物学的試料を、配列番号1に示すヒトテネイシンC配列のアミノ酸181〜290のフラグメントを含むタンパク質と接触させることを含む、請求項4または5記載の方法。
  7. 患者がヒトである、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 患者が全身性強皮症に罹患している、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 患者がシャープ症候群に罹患している、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  10. 患者が全身性エリテマトーデスに罹患している、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  11. 患者が特発性PAHに罹患している、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  12. PAHが、門脈圧亢進、先天性心疾患、もしくはヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に関連するか、または塞栓後肺高血圧である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  13. 患者がPAHを発達させる素因のある個体である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  14. 個体がBMPRIIをコードする遺伝子における1つ以上の変異を保有する、請求項13記載の方法。
  15. PAHの予後または追跡のためのインビトロ方法であって、方法は、種々の時点で、患者由来の生物学的試料における抗テネイシンC抗体の存在および/または量を決定することを含み、経時的な抗テネイシンC抗体の量の増加がPAHの悪化の指標となる、方法。
  16. PAHのための処置の効力を評価するためのインビトロ方法であって、方法は、処置の前、間または後の種々の時点で、患者由来の生物学的試料における抗テネイシンC抗体の存在および/または量を決定することを含み、経時的な抗テネイシンC抗体の量の減少がPAHの改善の指標となる、方法。
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